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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015636
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 9/00 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A45C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117836
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】501067193
【氏名又は名称】株式会社カウネット
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】神山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏和
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA42
3B045CE10
3B045DA23
3B045FA00
3B045HA02
3B045HB04
(57)【要約】
【課題】パソコンスタンドとして使用することができるバッグを提供する。
【解決手段】本発明のバッグは、第1所定形状を有する通常姿勢と、第1所定形状と異なる第2所定形状を有し、外周面にパソコン載置面となり得る傾斜面が設けられるスタンド姿勢とに切り替え可能に構成される。通常姿勢では、所定容量の収納空間を有するとともに、スタンド姿勢では、所定容量よりも小さい収納空間を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1所定形状を有する通常姿勢と、
前記第1所定形状と異なる第2所定形状を有し、外周面にパソコン載置面となり得る傾斜面が設けられるスタンド姿勢とに切り替え可能に構成されることを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記通常姿勢では、所定容量の収納空間を有するとともに、
前記スタンド姿勢では、前記所定容量よりも小さい収納空間を有することを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記通常姿勢において、パソコンを収納するためのパソコン収納空間を有しており、
前記通常姿勢から前記スタンド姿勢に切り替えられると、前記パソコン収納空間の容積が小さくなることを特徴とする請求項2に記載のバッグ。
【請求項4】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、
前記バッグ本体は、前記スタンド姿勢において前記パソコン載置面を有する正面シート部材と、前記正面シート部材と対向する背面シート部材と、前記正面シート部材と前記背面シート部材とを接続する左シート部材、右シート部材および底シート部材とを有しており、
前記左シート部材および前記右シート部材は、可撓性を有する材質で形成され、
前記補強部品は、前記左シート部材および前記右シート部材に沿って配置される傾斜部を有する補強板を含み、
前記スタンド姿勢では、前記パソコン載置面が前記傾斜部と沿うように設けられることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のバッグ。
【請求項5】
前記底シート部材は、可撓性を有する材質で形成されることを特徴とする請求項4に記載のバッグ。
【請求項6】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体の前記開口部の縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部とを有し、
前記一対の取手部の少なくとも一方は、前記スタンド姿勢において前記パソコン載置面に置かれたパソコンの端部を係止する係止部を有していることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のバッグ。
【請求項7】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体の前記開口部の縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される取手部とを有し、
前記取手部は、前記バッグ本体の外周面に沿うように配置可能であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のバッグ。
【請求項8】
前記通常姿勢において前記第1所定形状を保持するための形状保持手段を備えることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のバッグ。
【請求項9】
前記傾斜面の傾斜度を変更する変更手段を有していることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のバッグ。
【請求項10】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、
前記補強部品は、互いに異なる傾斜度の傾斜部がそれぞれ形成された複数の補強板を有していることを特徴とする請求項9記載のバッグ。
【請求項11】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、
前記補強部品は、互いに異なる傾斜度の2つの傾斜部が対向して形成される補強板を有していることを特徴とする請求項9記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばノートパソコンを収納して持ち運ぶことが可能なバッグに関する。
【0002】
近年、フリーアドレス制を導入しているオフィス等においては、ノートパソコンを持ち運んで任意の場所でノートパソコンを取り出して作業することが多くなっている。その場合に、ノートパソコンの設置高さが適正でないと、肩こりなどの要因となる。
【0003】
従来、収納ボックスの壁面形成材を高さ方向の所定位置で外向きに折り曲げて、傾斜して配置された可動部にタブレットPCを立て掛けることを可能とした収納ボックスがある(例えば、特許文献1参照)。この収納ボックスでは、タブレットPCを立て掛ける部分である可動部の傾斜が非常に大きいため、ノートパソコンを載せてキーボードを打つなどの作業を行うのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3234452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、従来は、例えば書類などを積んで、その上にノートパソコンの奥側端部を載せることにより、ノートパソコンを適宜傾斜させて、キーボードを打つなどの作業が行われることがあった。その場合、書類などによりノートパソコンを安定して支持できない問題が発生する。また、作業スペースが狭くなる等の問題も発生する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、パソコンスタンドとしても使用可能なバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバッグは、第1所定形状を有する通常姿勢と、前記第1所定形状と異なる第2所定形状を有し、外周面にパソコン載置面となり得る傾斜面が設けられるスタンド姿勢とに切り替え可能に構成されることを特徴とする。
【0008】
これにより、例えばパソコンや書類などを持ち運ぶためのバッグを、適宜パソコンスタンドとして使用することができる。
【0009】
本発明に係るバッグにおいて、前記通常姿勢では、所定容量の収納空間を有するとともに、前記スタンド姿勢では、前記所定容量よりも小さい収納空間を有することが好適である。
【0010】
これにより、通常姿勢の収納空間を小さくすることで、パソコン載置面となり得る傾斜面を容易に形成されることができる。
【0011】
本発明に係るバッグにおいて、前記通常姿勢において、パソコンを収納するためのパソコン収納空間を有しており、前記通常姿勢から前記スタンド姿勢に切り替えられると、前記パソコン収納空間の容積が小さくなることが好適である。
【0012】
これにより、通常姿勢のバッグ内にパソコンを収納して持ち運んだ後、パソコンをバッグ内から取り出すと必要性が低くなるパソコン収納空間を有効に使うことができる。
【0013】
本発明に係るバッグにおいて、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、前記バッグ本体は、前記スタンド姿勢において前記パソコン載置面を有する正面シート部材と、前記正面シート部材と対向する背面シート部材と、前記正面シート部材と前記背面シート部材とを接続する左シート部材、右シート部材および底シート部材とを有しており、前記左シート部材および前記右シート部材は、可撓性を有する材質で形成され、前記補強部品は、前記左シート部材および前記右シート部材に沿って配置される傾斜部を有する補強板を含み、前記スタンド姿勢では、前記パソコン載置面が前記傾斜部と沿うように設けられることが好適である。
【0014】
これにより、バッグ本体と補強部品とを別部品とし、補強部品をバッグ本体の内部に配置することで、傾斜したパソコン載置面を容易に設けることができる。
【0015】
本発明に係るバッグにおいて、前記底シート部材は、可撓性を有する材質で形成されることが好適である。
【0016】
これにより、バッグ本体と補強部品とを別部品とし、補強部品をバッグ本体の内部から取り外すことで、バッグ本体を小さく折り畳むことができる。
【0017】
本発明に係るバッグにおいて、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体の前記開口部の縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部とを有し、前記一対の取手部の少なくとも一方は、前記スタンド姿勢において前記パソコン載置面に置かれたパソコンの端部を係止する係止部を有していることが好適である。
【0018】
これにより、パソコンスタンドとして使用する場合に、傾斜したパソコン載置面に置かれたパソコンが下方にずれるのを防止することができる。
【0019】
本発明に係るバッグにおいて、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体の前記開口部の縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される取手部とを有し、前記取手部は、前記バッグ本体の外周面に沿うように配置可能であることが好適である。
【0020】
これにより、取手部をバッグ本体の外周面に沿うように配置することで、書類などを内部に入れた状態で他のファイルボックスなどと同様に保管棚に保管することができる。
【0021】
本発明に係るバッグにおいて、前記通常姿勢において前記第1所定形状を保持するための形状保持手段を備えることが好適である。
【0022】
これにより、通常姿勢でバッグの形状を保持することができる。
【0023】
本発明に係るバッグにおいて、前記傾斜面の傾斜度を変更する変更手段を有していることが好適である。
【0024】
これにより、パソコンの使用者がパソコンの傾斜を適宜変更することができる。
【0025】
本発明に係るバッグにおいて、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、前記補強部品は、互いに異なる傾斜度の傾斜部がそれぞれ形成された複数の補強板を有していることが好適である。
【0026】
これにより、パソコンの使用者が、バッグ本体の内部に配置される補強板を変えることで、パソコンの傾斜を容易に変更することができる。
【0027】
本発明に係るバッグにおいて、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体の内部に配置される補強部品とを有し、前記補強部品は、互いに異なる傾斜度の2つの傾斜部が対向して形成される補強板を有していることが好適である。
【0028】
これにより、パソコンの使用者が、バッグ本体の内部に配置される補強板を反転させることで、パソコンの傾斜を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施形態に係るバッグの外観を示す斜視図である。
図2図2は、図1のバッグ1の内部に配置される補強部品5を示す斜視図である。
図3図2に示す補強部品5の構成を説明する図である。
図4】通常姿勢のバッグ1の正面図、背面図、左側面図及び右側面図である。
図5図1のバッグ1が有する形状保持ベルト18a、18bの構成を説明する図である。
図6図5に示す形状保持ベルト18aの取り付け方法を説明する図である。
図7】スタンド姿勢に切り替える際に、左シート部材10および右シート部材11が撓んでない状態のバッグ1の左側面図及び右側面図である。
図8】スタンド姿勢のバッグ1の左側面図及び右側面図である。
図9図1のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する際の使用例を説明する図である。
図10】スタンド姿勢のバッグ1を机上においた状態を示す斜視図である。
図11】スタンド姿勢のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する状態を示す斜視図、側面図である。
図12】取手部16に取り付けられた係止部16Nの構成を説明する図である。
図13】スタンド姿勢のバッグ1を持ち運ぶ状態を示す斜視図である。
図14】通常姿勢のバッグ1に収納した書類を保管する状態を示す斜視図である。
図15】本発明の実施形態の変形例に係る補強板51、151の構成を説明する図である。
図16】本発明の実施形態の変形例に係る補強板251の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態のバッグについて、図に基づいて詳細に説明する。
【0031】
本実施形態のバッグ1は、図1に示すように、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2を有している。バッグ本体2の上端部には、取手部15、16が取り付けられており、バッグ1は、ノートパソコンなどを内部に収納して持ち運び可能に構成される。バッグ本体2の内部には、図2に示すように、補強部品5が配置されている。
【0032】
バッグ本体2は、正面シート部材10と、背面シート部材11と、左シート部材12と、右シート部材13と、底シート部材14とを有している。正面シート部材10および背面シート部材11は、横長の長方形状であり、左シート部材12および右シート部材13は、縦長の長方形状である。正面シート部材10と背面シート部材11とは、対向するように配置される。左シート部材12は、正面シート部材10の左端部および背面シート部材11の左端部を接続し、右シート部材13は、正面シート部材10の右端部および背面シート部材11の右端部を接続する。左シート部材12と右シート部材13とは、対向するように配置される。
【0033】
底シート部材14は、正面シート部材10の下端部、背面シート部材11の下端部、左シート部材12の下端部および右シート部材13の下端部を接続する。そのため、正面シート部材10の下端部、背面シート部材11の下端部、左シート部材12の下端部および右シート部材13の下端部は、底シート部材14により塞がれるのに対して、正面シート部材10の上端部、背面シート部材11の上端部、左シート部材12の上端部および右シート部材13の上端部により、開口部2aが形成される。このように、バッグ本体2の内部には、略直方体形状の収納空間が形成される。
【0034】
正面シート部材10および背面シート部材11は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する張り材(張地)とを有している。芯材は、例えば段ボールなどの板紙や樹脂板であり、張り材は、例えばポリエステルなどの可撓性を有する部材である。正面シート部材10は、芯材がある箇所で折り曲げることができないため、バッグ1の形状を変えるために折り曲がる必要がある箇所には、折れ曲がり部Tbが形成される。折れ曲がり部Tbは、芯材がなく、張り材のみで接続される部分である。
【0035】
左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14は、例えばポリエステルなどの可撓性を有する部材である。
【0036】
バッグ本体2は、正面シート部材10の上端部および背面シート部材11の上端部にそれぞれ接続される一対の取手部15、16を有している。取手部15、16は、横長の長方形状であり、その上端近傍には、使用者がバッグ1を持ち運ぶ際に手指で把持する取手穴15a、16aが形成されている。
【0037】
取手部15、16は、正面シート部材10および背面シート部材11と同様に、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する張り材(張地)とを有している。芯材は、例えば段ボールなどの板紙や樹脂板であり、張り材は、例えばポリエステルなどの可撓性を有する部材である。
【0038】
正面シート部材10と取手部15との接続部分、および、背面シート部材11と取手部16との接続部分には、折れ曲がり部Ta1、Ta2が形成される。折れ曲がり部Ta1、Ta2は、折れ曲がり部Tbと同様に、芯材がなく、張り材のみで接続される部分である。
【0039】
また、取手部15、16も同様に、芯材がある箇所で折り曲げることができないため、バッグ1の形状を変形させるために折り曲がる必要がある箇所には、折れ曲がり部Tc1、Tc2が形成される。折れ曲がり部Tc1、Tc2は、折れ曲がり部Tbと同様に、芯材がなく、張り材のみで接続される部分である。
【0040】
補強部品5は、図3に示すように、2つの補強板51、52が組み立てられて構成される。補強板51、52は、バッグ本体2の左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14よりも撓み難い部材である。補強板51は、例えば樹脂板で形成され、補強板52が、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する張り材(張地)とで形成される。芯材は、例えば段ボールなどの板紙であり、張り材は、例えばポリエステルなどの可撓性を有する部材である。
【0041】
補強板51は、バッグ本体2の内部に配置された場合に、底シート部材14の内側面と対向する底部分51aと、左シート部材12の内側面と対向する左部分51bと、右シート部材13の内側面と対向する右部分51cとを有している。左部分51bおよび右部分51cは、底部分51aの両端部から上方に向かって延びている。
【0042】
左部分51bおよび右部分51cは、縦長の長方形状の部材から、正面側の上部部分が部分的に切り欠かれた形状である。そのため、左部分51bおよび右部分51cの正面側には、傾斜部51bN、51cNが形成される。傾斜部51bN、51cNは、下方から上方にいくにつれて背面側に配置されるように傾斜している。
【0043】
左部分51bの内側面の上端部近傍には、面ファスナ51b1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ51b2が取り付けられる。同様に、右部分51cの内側面の上端部近傍には、面ファスナ51c1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ51c2が取り付けられる。
【0044】
補強板52は、バッグ本体2の内部に配置された場合に、正面シート部材10と背面シート部材11との間の収納空間を仕切るための部材である。補強板52は、仕切り部52aと、左取付部52bと、右取付部52cとを有している。仕切り部52aは、正面シート部材10および背面シート部材11と略同一形状を有している。左取付部52bおよび右取付部52cは、仕切り部52aの左右端部を支点としてそれぞれ回動可能であるが、図3(a)および図3(b)では、左取付部52bおよび右取付部52cが、仕切り部52aの左右端部から背面側に延びる状態が図示されている。
【0045】
左取付部52bの外側面の上端部近傍には、面ファスナ52b1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ52b2が取り付けられる。同様に、右取付部52cの外側面の上端部近傍には、面ファスナ52c1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ52c2が取り付けられる。
【0046】
よって、2つの補強板51、52を組み立てて補強板5を構成する場合、図3(a)および図3(b)に示すように、補強板52の左取付部52bの外側面を補強板51の左部分51bの内側面と対向させて、それらの上端部近傍にある面ファスナ51b1と面ファスナ52b1とが接合され、下端部近傍にある面ファスナ51b2と面ファスナ52b2とが接合される。同様に、補強板52の右取付部52cの外側面を補強板51の右部分51cの内側面と対向させて、それらの上端部近傍にある面ファスナ51c1と面ファスナ52c1とが接合され、下端部近傍にある面ファスナ51c2と面ファスナ52c2とが接合される。
【0047】
なお、2つの補強板51、52を組み立てて一体化させて補強板5を構成した後でバッグ本体2の内部に挿入してもよいし、補強板51をバッグ本体2の内部に挿入した後で、バッグ本体2の内部において補強板52を補強板51に対して一体化させてもよい。
【0048】
補強部品5がバッグ本体2の内部に配置されると、図4に示すように、補強板51の左部分51bの傾斜部51bNおよび右部分51cの傾斜部51cNが、正面シート部材10の内側面と対向する。なお、図4では、取手部15、16が鉛直上方に向かって平板状に延びている状態である。
【0049】
正面シート部材10の上端部は、補強板51の傾斜部51bNおよび傾斜部51cNの上端部と略同一高さに配置され、正面シート部材10と取手部15との接続部分には、折れ曲がり部Ta1が形成される。背面シート部材11の上端部は、補強板51の傾斜部51bNおよび傾斜部51cNの上端部と略同一高さに配置され、背面シート部材11と取手部16との接続部分には、折れ曲がり部Ta2が形成される。
【0050】
正面シート部材10の上下方向中央高さよりも少し下方において、補強板51の傾斜部51bNおよび傾斜部51cNの下端部と略同一高さには、折れ曲がり部Tbが形成される。
【0051】
また、取手部15の略上下方向中央高さには、折れ曲がり部Tc1が形成され、取手部16の略上下方向中央高さには、折れ曲がり部Tc2が形成される。
【0052】
正面シート部材10の内側面の上端部近傍には、図5(a)に示すように、2つの形状保持ベルト18a、18bが設けられる。形状保持ベルト18aは、正面シート部材10と左シート部材12との接続部分10aを支点として回動可能であり、形状保持ベルト18bは、正面シート部材10と右シート部材13との接続部分10bを支点として回動可能である。形状保持ベルト18a、18bは、左シート部材12および右シート部材13よりも撓み難い材質で形成される。
【0053】
形状保持ベルト18aの先端近傍の両面には、面ファスナ18a1、18a2が取り付けられる。面ファスナ18a1は、形状保持ベルト18aの先端近傍において、正面シート部材10の内側面と対向する側に取り付けられ、面ファスナ18a2は、形状保持ベルト18aの先端近傍において、左シート部材12の内側面と対向する側に取り付けられる。
【0054】
正面シート部材10の内側面には、面ファスナ10c1が取り付けられる。面ファスナ10c1は、形状保持ベルト18aが回動したときに、その先端近傍に取り付けられた面ファスナ18a1が対向する部分に取り付けられる。左シート部材12の内側面には、面ファスナ12c1が取り付けられる。面ファスナ12c1は、形状保持ベルト18aが回動したときに、その先端近傍に取り付けられた面ファスナ18a2が対向する部分に取り付けられる。
【0055】
同様に、形状保持ベルト18bの先端近傍の両面には、面ファスナ18b1、18b2が取り付けられる。面ファスナ18b1は、形状保持ベルト18bの先端近傍において、正面シート部材10の内側面と対向する側に取り付けられ、面ファスナ18b2は、形状保持ベルト18bの先端近傍において、右シート部材13の内側面と対向する側に取り付けられる。
【0056】
正面シート部材10の内側面には、面ファスナ10c2が取り付けられる。面ファスナ10c2は、形状保持ベルト18bが回動したときに、その先端近傍に取り付けられた面ファスナ18b1が対向する部分に取り付けられる。右シート部材13の内側面には、面ファスナ13c1が取り付けられる。面ファスナ13c1は、形状保持ベルト18bが回動したときに、その先端近傍に取り付けられた面ファスナ18b2が対向する部分に取り付けられる。
【0057】
本実施形態のバッグ1は、第1所定形状を有する通常姿勢と、第1所定形状と異なる第2所定形状を有するスタンド姿勢とに切り替え可能に構成される。スタンド姿勢では、バッグ1の外周面にパソコン載置面Aとなり得る傾斜面が設けられる。なお、パソコン載置面Aとなり得る傾斜面とは、スタンド姿勢のバッグ1の裏面が机などの支持面に接触するように置かれた場合に、支持面に対して傾斜する面である。
【0058】
すなわち、通常姿勢とは、正面シート部材10と背面シート部材11とが略平行に対向する状態であり、比較的大きい所定容量の第1収納空間が形成される姿勢である。
【0059】
上述したように、形状保持ベルト18aを回動させて、形状保持ベルト18aの先端近傍に取り付けられた面ファスナ18a2を、左シート部材12の内側面に取り付けられた面ファスナ12c1に接合すると、図5(b)に示すように、左シート部材12がほとんど撓むことなく、平面状に維持される。同様に、形状保持ベルト18bを回動させて、図6(a)および図6(b)に示すように、形状保持ベルト18bの先端近傍に取り付けられた面ファスナ18b2を、右シート部材13の内側面に取り付けられた面ファスナ13c1に接合すると、右シート部材13がほとんど撓むことなく、平面状に維持される。
【0060】
このように、形状保持ベルト18a、18bを左シート部材12および右シート部材13に沿わせることにより、バッグ1の形状を通常姿勢に保持することができる。
【0061】
これに対して、スタンド姿勢とは、正面シート部材10の上端部と背面シート部材11の上端部とを近づけるように通常姿勢のバッグ1の形状を変形させて、収納空間を小さくした姿勢である。なお、スタンド姿勢のバッグ1が、パソコンスタンドとして使用される場合、図10に示すように、背面シート部材11が机などの支持面に接触するように置かれて使用される。
【0062】
上述したように、形状保持ベルト18aを回動させて、形状保持ベルト18aの先端近傍に取り付けられた面ファスナ18a1を、正面シート部材10の内側面に取り付けられた面ファスナ10c1に接合すると、図5(c)に示すように、左シート部材12の正面シート部材10側の部分が撓むことが可能な状態となる。同様に、形状保持ベルト18bを回動させて、形状保持ベルト18bの先端近傍に取り付けられた面ファスナ18b1を、正面シート部材10の内側面に取り付けられた面ファスナ10c2に接合すると、右シート部材13の正面シート部材10側の部分が撓むことが可能な状態となる。
【0063】
このように、形状保持ベルト18a、18bを正面シート部材10に沿わせることにより、バッグ1の形状を通常姿勢からスタンド姿勢に切り替え可能となる。なお、図4は、バッグ1が通常姿勢である場合を図示しているため、形状保持ベルト18a、18bは、左シート部材12および右シート部材13に沿っているが、正面図では、形状保持ベルト18a、18bを正面シート部材10に沿わせた際の位置を点線で図示している。
【0064】
形状保持ベルト18a、18bを正面シート部材10に沿わせた場合、図7に示すように、左シート部材12の正面シート部材10側の部分が撓むことが可能な状態となるとともに、右シート部材13の正面シート部材10側の部分が撓むことが可能な状態となる。すなわち、左シート部材12の内側には、補強板51の左部分51bが沿って配置されており、左シート部材12における補強板51の左部分51bと対向する部分は、撓むことができない。同様に、右シート部材13の内側には、補強板51の右部分51cが沿って配置されており、右シート部材13における補強板51の右部分51cと対向する部分は、撓むことができない。
【0065】
その後、図8に示すように、正面シート部材10を折れ曲がり部Tbで折れ曲げるとともに、左シート部材12の正面シート部材10側の部分および右シート部材13の正面シート部材10側の部分を撓ませる。すると、正面シート部材10の折れ曲がり部Tbよりも上方の部分が、補強板51の傾斜部51bN、51cNに沿って配置されて、バッグ1の形状がスタンド姿勢に切り替えられる。その際、左シート部材12の正面シート部材10側の部分(撓み可能部分)と、右シート部材13の正面シート部材10側の部分(撓み可能部分)とを内方に折り畳むように撓ませることで、正面シート部材10の左右両端部よりも外方に向かってはみ出さないように、通常姿勢からスタンド姿勢に切り替えることができる。
【0066】
本実施形態のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する際の使用例について、図9に基づいて説明する。
【0067】
まず、形状保持ベルト18a、18bを正面シート部材10に沿わせることにより、バッグ1の形状をスタンド姿勢に切り替え可能したバッグ1を、図9(a)に示すように、例えば机上などの支持面上に置く。なお、パソコンスタンドとして使用する場合、バッグ1の背面シート部材11が机の表面に接触するように置かれる。
【0068】
図9(a)では、バッグ1の内部の収納空間が補強板52により仕切られており、その上段に、ノートパソコンや電源コードなどが収納され、その下段に、書類などが収納されている状態を図示している。そのため、バッグ1の内部の上段がパソコン収納空間である。バッグ1は、スタンド姿勢に切り替え可能であるが、バッグ1の収納空間の上段に、ノートパソコンや電源コードなどが収納されているため、正面シート部材10の折れ曲がり部Ta1と折れ曲がり部Tbとの間の部分が、補強板51の傾斜部51bN、51cNに沿って配置されていない。
【0069】
その後、使用者が、ノートパソコンや電源コードなどをバッグ1から取り出すと、正面シート部材10の自重により、正面シート部材10が折れ曲がり部Tbで折れ曲がるとともに、左シート部材12の正面シート部材10側の部分および右シート部材13の正面シート部材10側の部分が内側に折り込まれるように撓む。すると、正面シート部材10の折れ曲がり部Ta1と折れ曲がり部Tbとの間の部分が、補強板51の傾斜部51bN、51cNに沿って配置されるように下方に移動する。
【0070】
このとき、図9(b)に示すように、ノートパソコンや電源コードなどが収納されていた補強板52よりも上段の収納空間の容積が小さくなるが、書類などが収納された補強板52よりも下段の収納空間の容積は変化しない。そのため、補強板52よりも下段の収納空間に書類などを収納した状態で、バッグ1をパソコンスタンドとして使用することができる。よって、バッグ1をパソコンスタンドとして使用する場合でも、バッグ1内に収納されたものを全て取り出す必要がない。そのため、必要でない書類などが机上にちらかるのを防止することができる。
【0071】
なお、図9(a)及び図9(b)では、バッグ1の内部が見えるように、取手部15を折れ曲がり部Ta1で折り曲げて、正面シート部材10の外周面に沿わせているが、パソコンスタンドとして使用する際は、図10に示すように、取手部15の内側面が取手部16の内側面と接触するように配置される。
【0072】
スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合、図11(a)及び図11(b)に示すように、パソコンの裏面が、正面シート部材10の折れ曲がり部Ta1と折れ曲がり部Tbとの間の傾斜した部分に接触するように置かれる。また、パソコンの下端部は、取手部16の内側面上に配置される。このとき、パソコンの裏面は、支持面の表面に対して約25°で傾斜した状態となり、タイピングを行うのに適するように傾斜する。
【0073】
取手部16の内側面の先端には、図11及び図12に示すように、係止部16Nが取り付けられる。係止部16Nは、可撓性を有する材料で形成された長方形状の部材である。係止部16Nの端部16N1が、その長手方向の全長にわたって、取手部16の内側面の先端に沿って固定されている。そのため、係止部16Nの端部16N2は、取手部16の内側面から離れることで、係止部16Nの裏面と取手部16の内側面との間に、係合凹部16Cが形成される。係合凹部16Cの上下高さは、奥に行くにつれて(係止部16Nの端部16N1に近づくにつれて)小さくなる。
【0074】
図11(a)及び図11(b)に示すように、パソコンがスタンド姿勢のバック1の正面シート部材10上に置かれた際、パソコンの下端部は、係合凹部16Cの内部に配置される。このように、パソコンの下端部が係止部16Nにより係止されるため、パソコンが傾斜するパソコン載置部上に置かれても、パソコンの位置がずれるのが防止される。
【0075】
なお、スタンド姿勢に切り替えられたバッグ1は、上述したようにパソコンスタンドとして使用されるのに適しているが、図13に示すように、書類などを持ち運ぶためのバッグとして使用することもできる。また、上述したように、係止部16Nは、取手部16の内側面に配置されているため、バッグ1が通常姿勢またはスタンド姿勢である場合に、近接した取手部15,16を手指で把持しても係止部16Nが手指に接触することがない。
【0076】
また、通常姿勢のバッグ1は、上述したように、形状保持ベルト18a、18bにより比較的容量が大きい収納空間が形成される形状に保持されるが、その状態で、取手部15、16を折れ曲がり部Ta1、Ta2においてそれぞれ外側に折り曲げて、開口部2aが開放された状態にすると、収納ボックスとして使用することができる。そのとき、取手部15、16は、正面シート部材10および背面シート部材11の外周面に沿うようにそれぞれ配置されており、図14に示すように、書類などを内部に入れた状態で、収納ボックスとして、他のファイルボックス60などと同様に保管棚に保管することができる。なお、本実施形態において、通常姿勢のバッグ1は、通常のファイルボックス60と略同一の大きさ、厚さを有している。
【0077】
以上説明したように、本実施形態のバッグ1は、第1所定形状を有する通常姿勢と、第1所定形状と異なる第2所定形状を有し、外周面にパソコン載置面Aとなり得る傾斜面が設けられるスタンド姿勢とに切り替え可能に構成される。
【0078】
このような構成であると、例えばパソコンや書類などを持ち運ぶためのバッグ1を、適宜パソコンスタンドとして使用することができる。
【0079】
本実施形態のバッグ1において、通常姿勢では、所定容量の収納空間を有するとともに、スタンド姿勢では、所定容量よりも小さい収納空間を有する。
【0080】
このような構成であると、通常姿勢の収納空間を小さくすることで、パソコン載置面Aとなり得る傾斜面を容易に形成されることができる。
【0081】
本実施形態のバッグ1において、通常姿勢において、パソコンを収納するためのパソコン収納空間を有しており、通常姿勢からスタンド姿勢に切り替えられると、パソコン収納空間の容積が小さくなる。
【0082】
このような構成であると、通常姿勢のバッグ1内にパソコンを収納して持ち運んだ後、パソコンをバッグ1内から取り出すと必要性が低くなるパソコン収納空間を有効に使うことができる。
【0083】
本実施形態のバッグ1において、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2と、バッグ本体2の内部に配置される補強部品5とを有し、バッグ本体2は、スタンド姿勢においてパソコン載置面Aを有する正面シート部材10と、正面シート部材10と対向する背面シート部材11と、正面シート部材10と背面シート部材11とを接続する左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14とを有しており、左シート部材12および右シート部材13は、可撓性を有する材質で形成され、補強部品5は、左シート部材12および右シート部材13に沿って配置される傾斜部51bN、51cNを有する補強板51を含み、スタンド姿勢では、パソコン載置面Aが傾斜部51bN、51cNと沿うように設けられる。
【0084】
このような構成であると、バッグ本体2と補強部品5とを別部品とし、補強部品5をバッグ本体2の内部に配置することで、傾斜したパソコン載置面Aを容易に設けることができる。
【0085】
本実施形態のバッグ1において、底シート部材14は、可撓性を有する材質で形成される。
【0086】
このような構成であると、バッグ本体2と補強部品5とを別部品とし、補強部品5をバッグ本体2の内部から取り外すことで、バッグ本体2を小さく折り畳むことができる。
【0087】
本実施形態のバッグ1において、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2と、バッグ本体2の開口部2aの縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部15、16とを有し、取手部16は、スタンド姿勢においてパソコン載置面Aに置かれたパソコンの端部を係止する係止部16Nを有している。
【0088】
このような構成であると、パソコンスタンドとして使用する場合に、傾斜したパソコン載置面Aに置かれたパソコンが下方にずれるのを防止することができる。
【0089】
本実施形態のバッグ1において、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2と、バッグ本体2の開口部2aの縁部に接続され、持ち運ぶ際に使用される取手部15、16とを有し、取手部15、16は、バッグ本体2の外周面に沿うように配置可能である。
【0090】
このような構成であると、取手部15、16をバッグ本体2の外周面に沿うように配置することで、書類などを内部に入れた状態で他のファイルボックスなどと同様に保管棚に保管することができる。
【0091】
本実施形態のバッグ1において、通常姿勢において第1所定形状を保持するための形状保持ベルト18a、18b(形状保持手段)を備える。
【0092】
このような構成であると、通常姿勢でバッグ1の形状を保持することができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態の構成は上述したものに限定されず、種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、上記実施形態では、通常姿勢の第1所定形状およびスタンド姿勢の第2所定形状の例を説明したが、それに限られない。通常姿勢の第1所定形状およびスタンド姿勢の第2所定形状は、上記実施形態と異なる形状でもよい。また、スタンド姿勢においてパソコン載置面Aとなり得る傾斜面の傾斜度は、任意である。
【0095】
上記実施形態では、バッグ本体2と、バッグ本体2の内部に配置される補強部品5とが別部品であるが、それに限られない。本発明に係るバッグは、バッグ本体と補強部品とが一体化されたバッグでもよい。
【0096】
上記実施形態では、補強部品5に含まれる補強板51、52の例を説明したが、それに限られない。補強板51、52の形状は、上記実施形態と異なる形状でもよい。また、補強部品5が、補強板52を含んでなくてもよい。
【0097】
上記実施形態では、取手部16がパソコンの端部を係止する係止部16Nを有しているが、それに限られない。取手部16は、パソコンの端部を係止する係止部16Nを有してなくてもよい。
【0098】
上記実施形態では、バッグ1が通常姿勢において形状を保持するための形状保持ベルト18a、18bを有しているが、それに限られない。バッグ1が通常姿勢において形状を保持するための形状保持ベルト18a、18bを有してなくてもよい。また、通常姿勢において形状を保持するための形状保持手段は、形状保持ベルト18a、18bに限られない。
【0099】
上記実施形態では、スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合に、パソコン載置面Aの傾斜度が一定であるが、それに限られない。本発明のバッグ1は、パソコン載置面Aとなる傾斜面の傾斜度を変更する変更手段を有してもよい。その場合、パソコンの使用者がパソコンの傾斜を適宜変更することができる。
【0100】
上記変更手段として、補強部品5が、互いに異なる傾斜度の傾斜部がそれぞれ形成された複数の補強板51、151を有してもよい。例えば、補強板51は、図15(a)に示すように、上記実施形態と同様の形状であり、底部分51aと、左部分51bと、右部分51cとを有している。補強板51は、スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合に、パソコン載置面Aの傾斜度が25°となる傾斜部51bN、51cNを有している。
【0101】
また、補強板151は、図15(b)に示すように、バッグ本体2の内部に配置された場合に、底シート部材14の内側面と対向する底部分51aと、左シート部材12の内側面と対向する左部分151bと、右シート部材13の内側面と対向する右部分151cとを有している。補強板151は、スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合に、パソコン載置面Aの傾斜度がα°(ただし、α°は、25°と異なる)となる傾斜部151bN、151cNを有している。その場合、パソコンの使用者が、バッグ本体2の内部に配置される補強板51、151の何れかに変えることで、パソコンの傾斜を容易に変更することができる。
【0102】
また、上記変更手段として、補強部品5が、互いに異なる傾斜度の2つの傾斜部が対向して形成される補強板251を有してもよい。例えば、補強板251は、図16に示すように、バッグ本体2の内部に配置された場合に、底シート部材14の内側面と対向する底部分51aと、底部分51aの両端部から上方に向かって延びる左部分251bおよび右部分251cとを有している。左部分251bと右部分251cとは、略同一形状である。
【0103】
右部分251cは、スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合に、支持面に対してのパソコン載置面Aの傾斜度がθ(α1)°となるようにする傾斜部251cN1と、パソコン載置面Aの傾斜度がθ(α2)°となるようにする傾斜部251cN2とを有している。そのため、右部分251cを側面から見ると、傾斜部251cN1は、底部分51aが支持される面に垂直な面に対して、下端部から上方にいくにつれて背面側にいくように傾斜しており、その傾斜度は、α1°である。傾斜部251cN2は、底部分51aが支持される面に垂直な面に対して、下端部から上方にいくにつれて正面側にいくように傾斜しており、その傾斜度は、α2°(ただし、α2°は、α1°と異なる)である。なお、補強板251がバッグ本体2の内部に配置される場合、正面シート部材10に折れ曲がり部Tbは形成されなくてよい。
【0104】
上述したように、スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合、バッグ1の背面シート部材11が机の表面に接触するように置かれるが、バッグ本体2の内部に配置された補強板251の左部分251bが左シート部材12の内側面と対向し、右部分251cが右シート部材13の内側面と対向する場合、パソコン載置面Aの傾斜度がθ(α1)°となる。また、バッグ本体2の内部に配置された補強板251の左部分251bが右シート部材13の内側面と対向し、右部分251cが左シート部材12の内側面と対向する場合、パソコン載置面Aの傾斜度がθ(α2)°となる。その場合、パソコンの使用者が、バッグ本体2の内部に配置される補強板251を反転させることで、パソコンの傾斜を容易に変更することができる。
【0105】
上記実施形態では、バッグ1が持ち運ぶ際に手で持つ取手部15、16を有しているが、それに限られない。本発明のバッグ1は、持ち運ぶ際に手で持つ取手部15、16を有しなくてもよい。本発明のバッグ1は、上述したように、書類などを内部に入れた状態で、収納ボックスとして、他のファイルボックス60などと同様に保管棚に保管することができるため、第1所定形状を有する通常姿勢と、第1所定形状と異なる第2所定形状を有し、その外周面にパソコン載置面となり得る傾斜面が設けられるスタンド姿勢とに切り替え可能に構成される収納ボックスでもある。
【0106】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 バッグ
2 バッグ本体
2a 開口部
5 補強部品
10 正面シート部材
11 背面シート部材
12 左シート部材
13 右シート部材
14 底シート部材
15 取手部
16 取手部
16N 係止部
18a、18b 形状保持ベルト(形状保持手段)
51bN、51cN 傾斜部
151bN、151cN 傾斜部
251cN1、251cN2 傾斜部
A パソコン載置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16