(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156369
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070773
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】水谷 悠紀
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】 組織についての分析結果を他の目的の分析に使用できるデータ処理装置、データ処理システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
データ処理装置が、複数のワーカが所属する組織におけるワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータと、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータと、複数のワーカが所属する組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータのいずれかのデータを第1のデータとして入力する入力部と、他の少なくともいずれかのデータを第2のデータとして生成し出力する出力部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワーカが所属する組織における前記ワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータ、前記複数のワーカが所属する前記組織における前記ワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータ、前記複数のワーカが所属する前記組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータ、のうちいずれかのデータである第1のデータを入力する入力部と、
前記入力部に入力された前記第1のデータに基づいて、他の2つのデータのうち少なくとも一のデータである第2のデータを生成して出力する出力部と、
を備える、データ処理装置。
【請求項2】
前記第1のデータは、前記パフォーマンスデータであり、
前記パフォーマンスデータは、質問に対する前記ワーカ又は前記組織の回答に基づいて出力される
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1のデータは、前記ワークスタイルデータであり、
前記ワークスタイルデータは、質問に対する前記ワーカ又は組織の回答に基づいて出力される
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記質問は、複数のカテゴリで構成される質問群である
ことを特徴とする、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記パフォーマンスデータは、
前記ワーカの業務、コミュニケーション及び生活のスタイルに関するスタイル評価値と、
前記ワーカの組織、メンタル及び身体の状態に関する状態評価値と、
前記ワーカのパフォーマンスに関するパフォーマンス評価値と、
を含むことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記ワークスタイルデータは、
前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値と、
前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値と、
を含むことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記オフィスデータは、
前記オフィスにおけるワーカの活動内容に応じて割り当てられるエリアごとの席数を含むデータである
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記第1のデータが前記パフォーマンスデータ及び前記オフィスデータの一方であり、前記第2のデータがパフォーマンスデータ及び前記オフィスデータの他方である場合には、
前記出力部は、入力部に入力された前記第1のデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成し、生成したワークスタイルデータに基づいて前記第2のデータを生成して出力する
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、
前記パフォーマンスデータ、前記ワークスタイルデータ、前記オフィスレイアウトの何れかのデータを入力データとし、他の2つのデータの何れかを出力データとする推定モデルを用いて、前記第1のデータに基づいて前記第2のデータを出力する
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記パフォーマンスデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成する、パフォーマンス・ワークスタイル変換部を備え、
前記パフォーマンス・ワークスタイル変換部は、前記ワーカの勤務形態、職位及び職種の少なくとも1以上に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値を生成し、前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカのコミュニケーションのスタイルに関するスタイル評価値に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値を生成する、
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記ワークスタイルデータに基づいて前記パフォーマンスデータを生成する、ワークスタイル・パフォーマンス変換部を備え、
前記ワークスタイル・パフォーマンス変換部は、
前記ワークスタイルデータに基づいて前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカの業務、コミュニケーション及び生活のスタイルに関するスタイル評価値を生成するスタイル評価値生成部と、
前記スタイル評価値に基づいて前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカの組織、メンタル及び身体の状態に関する状態評価値を生成する状態評価値生成部と、
前記状態評価値に基づいて前記ワーカのパフォーマンスに関するパフォーマンス評価値を生成する、パフォーマンス評価値生成部と、
を備え、
前記スタイル評価値生成部は、
前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値に基づいて前記コミュニケーションのスタイルに関するスタイル評価値を生成し、前記組織の業種及び/又は規模に基づいて前記業務及び生活のスタイルに関するスタイル評価値を生成する、
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記オフィスデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成する、オフィス・ワークスタイル変換部を備え、
前記オフィス・ワークスタイル変換部は、
前記オフィスデータに含まれる座席数と、前記ワーカの前記組織における職位及び職種の割合に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値を生成し、
前記生成した在宅勤務評価値と予め設定された所定の係数に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値を生成する、
ことを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項13】
コンピュータを請求項1~12のいずれかに記載のデータ処理装置として機能させるプログラム。
【請求項14】
複数のワーカが所属する組織におけるワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータ、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータ、複数のワーカが所属する組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータ、のうちいずれかのデータである第1のデータを入力する入力部と、前記入力部に入力された前記第1のデータに基づいて、他の2つのデータのうち少なくとも一のデータである第2のデータを生成して出力する出力部と、を備える、データ処理装置と、
前記オフィスのレイアウト図面を分析するレイアウト図面分析装置と、
を備えるデータ処理システムであって、
前記レイアウト図面分析装置は、
前記レイアウト図面を入力データとし、前記オフィスデータを出力データとするレイアウト推定モデルと、
前記レイアウト図面と、前記データ処理装置が前記第2のデータとして出力した前記オフィスデータに基づいて生成した教師データとして機械学習により前記レイアウト推定モデルを生成する機械学習部と、
前記レイアウト推定モデルを用いて前記レイアウト図面から前記オフィスデータを生成する分析部と、
を備える、データ処理システム。
【請求項15】
前記レイアウト図面分析装置が、さらに、
前記分析部が前記レイアウト図面に基づいて生成した前記オフィスデータと、前記パフォーマンスデータ又は前記ワークスタイルデータに基づいて前記データ処理装置が出力した前記オフィスデータの差分に基づいて、前記オフィスのレイアウトを改善した改善レイアウト図面を生成する、レイアウト改善部を備える、
請求項10記載のデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理装置、データ処理システム、及びプログラムに関し、具体的には、組織についての分析結果を他の目的の分析に使用できるデータ処理装置、データ処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業その他の組織におけるアンケートの実施を支援する情報処理システムとして、例えば特許文献1のアンケート支援装置が知られている。
【0003】
また、オフィスや工場その他の施設におけるレイアウト設計を支援する情報処理システムとして、例えば特許文献2のレイアウト支援装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-230302号公報
【特許文献2】特開2020-170346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今の企業その他の組織では、例えば従業員その他のワーカのパフォーマンスを測る目的で、或いは、ワーカの働き方を調査する目的で、従来技術を用いてアンケートを実施することが行われている。
【0006】
一方で、従来技術によるアンケートは、当該アンケートによる調査が特定の目的に沿ったものであることが通常である。前述のように、企業その他の組織では様々な目的でアンケートを実施しているが、目的ごとに実施されるアンケートは、ワーカがアンケートに回答する負担を増やすことにつながりかねないという問題があった。
【0007】
また、前述のアンケートその他の方法により分析した情報は、組織のオフィスを設計する上で重要な情報となり得るが、従来技術ではアンケートを支援する情報システムと、レイアウト設計を支援する情報システムが別個の情報システムとして構築されていることが通常であり、従業員から得た情報をオフィス設計に活かすことが難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑み、組織についての分析結果を他の目的の分析に使用できるデータ処理装置、データ処理システム、及びプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係るデータ処理装置は、複数のワーカが所属する組織におけるワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータ、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータ、複数のワーカが所属する組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータ、のうちいずれかのデータである第1のデータを入力する入力部と、前記入力部に入力された前記第1のデータに基づいて、他の2つのデータのうち少なくとも一のデータである第2のデータを生成して出力する出力部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係るデータ処理装置は、前記第1のデータは、前記パフォーマンスデータであり、
前記パフォーマンスデータは、質問に対する前記ワーカ又は組織の回答に基づいて出力されるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係るデータ処理装置は、前記第1のデータは、前記ワークスタイルデータであり、
前記ワークスタイルデータは、質問に対する前記ワーカ又は組織の回答に基づいて出力されることを特徴とする、請求項1記載のデータ処理装置。
【0012】
本発明に係るデータ処理装置は、前記質問が、複数のカテゴリで構成される質問群であるようにしてもよい。
【0013】
本発明に係るデータ処理装置は、前記パフォーマンスデータが、前記ワーカの業務、コミュニケーション及び生活のスタイルに関するスタイル評価値と、前記ワーカの組織、メンタル及び身体の状態に関する状態評価値と、前記ワーカのパフォーマンスに関するパフォーマンス評価値と、を含むようにしてもよい。
【0014】
本発明に係るデータ処理装置は、前記ワークスタイルデータが、前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値と、前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値と、を含むようにしてもよい。
【0015】
本発明に係るデータ処理装置は、前記オフィスデータが、前記オフィスにおけるワーカの活動内容に応じて割り当てられるエリアごとの席数を含むデータであるようにしてもよい。
【0016】
本発明に係るデータ処理装置は、前記第1のデータが前記パフォーマンスデータ及び前記オフィスデータの一方であり、前記第2のデータがパフォーマンスデータ及び前記オフィスデータの他方である場合には、前記出力部は、入力部に入力された前記第1のデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成し、生成したワークスタイルデータに基づいて前記第2のデータを生成して出力するようにしてもよい。
【0017】
本発明に係るデータ処理装置は、前記出力部が、前記パフォーマンスデータ、前記ワークスタイルデータ、前記オフィスレイアウトの何れかのデータを入力データとし、他の2つのデータの何れかを出力データとする推定モデルを用いて、前記第1のデータに基づいて前記第2のデータを出力するようにしてもよい。
【0018】
本発明に係るデータ処理装置は、前記出力部が、前記パフォーマンスデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成する、パフォーマンス・ワークスタイル変換部を備え、前記パフォーマンス・ワークスタイル変換部は、前記ワーカの勤務形態、職位及び職種の少なくとも1以上に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値を生成し、前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカのコミュニケーションのスタイルに関するスタイル評価値に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値を生成するようにしてもよい。
【0019】
本発明に係るデータ処理装置は、前記出力部は、前記ワークスタイルデータに基づいて前記パフォーマンスデータを生成する、ワークスタイル・パフォーマンス変換部を備え、
前記ワークスタイル・パフォーマンス変換部は、前記ワークスタイルデータに基づいて前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカの業務、コミュニケーション及び生活のスタイルに関するスタイル評価値を生成するスタイル評価値生成部と、前記スタイル評価値に基づいて前記パフォーマンスデータに含まれる前記ワーカの組織、メンタル及び身体の状態に関する状態評価値を生成する状態評価値生成部と、前記状態評価値に基づいて前記ワーカのパフォーマンスに関するパフォーマンス評価値を生成する、パフォーマンス評価値生成部と、を備え、前記スタイル評価値生成部は、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値に基づいて前記コミュニケーションのスタイルに関するスタイル評価値を生成し、前記組織の業種及び/又は規模に基づいて前記業務及び生活のスタイルに関するスタイル評価値を生成するようにしてもよい。
【0020】
本発明に係るデータ処理装置は、前記出力部が、前記オフィスデータに基づいて前記ワークスタイルデータを生成する、オフィス・ワークスタイル変換部を備え、前記オフィス・ワークスタイル変換部は、前記オフィスデータに含まれる座席数と、前記ワーカの前記組織における職位及び職種の割合に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値を生成し、前記生成した在宅勤務評価値と予め設定された所定の係数に基づいて、前記ワークスタイルデータに含まれる前記ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値を生成するようにしてもよい。
【0021】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係るデータ処理システムは、複数のワーカが所属する組織におけるワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータ、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータ、複数のワーカが所属する組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータ、のうちいずれかのデータである第1のデータを入力する入力部と、前記入力部に入力された前記第1のデータに基づいて、他の2つのデータのうち少なくとも一のデータである第2のデータを生成して出力する出力部と、を備える、データ処理装置と、 前記オフィスのレイアウト図面を分析するレイアウト図面分析装置と、を備えるデータ処理システムであって、前記レイアウト図面分析装置は、前記レイアウト図面を入力データとし、前記オフィスデータを出力データとするレイアウト推定モデルと、前記レイアウト図面と、前記データ処理装置が前記第2のデータとして出力した前記オフィスデータに基づいて生成した教師データとして機械学習により前記レイアウト推定モデルを生成する機械学習部と、前記レイアウト推定モデルを用いて前記レイアウト図面から前記オフィスデータを生成する分析部と、を備えることを特徴としている。
【0022】
本発明に係るデータ処理システムは、前記レイアウト図面分析装置が、さらに、前記分析部が前記レイアウト図面に基づいて生成した前記オフィスデータと、前記パフォーマンスデータ又は前記ワークスタイルデータに基づいて前記データ処理装置が出力した前記オフィスデータの差分に基づいて、前記オフィスのレイアウトを改善した改善レイアウト図面を生成する、レイアウト改善部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の構成によれば、データ処理装置が、複数のワーカが所属する組織におけるワーカのパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータ、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータ、複数のワーカが所属する組織のオフィスのレイアウトに関するオフィスデータのいずれかを第1のデータとして入力し、他の少なくともいずれかのデータを第2のデータとして出力する。この構成により、組織についての分析結果を他の目的の分析に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態の一例における、データ処理装置を含むデータ処理システムの構成を示す図である。
【
図2】同実施形態の一例における、データの概要を示す図である。
【
図3】同実施形態の一例における、パフォーマンス評価画面の構成を示す図である。
【
図4】同実施形態の一例における、パフォーマンス分析に用いる質問のカテゴリ構造を示す図である。
【
図5】同実施形態の一例における、パフォーマンス分析に用いる質問の例を示す図である。
【
図6】同実施形態の一例における、ワークスタイル評価画面の第1の構成を示す図である。
【
図7】同実施形態の一例における、ワークスタイル評価画面の第2の構成を示す図である。
【
図8】同実施形態の一例における、ワークスタイル分析に用いる質問の例を示す図である。
【
図9】同実施形態の一例における、オフィスのレイアウト図面の例を示す図である。
【
図10】同実施形態の一例における、オフィス評価画面の構成を示す図である。
【
図11】同実施形態の一例における、レイアウト図面から壁を抽出した状態の例を示す図である。
【
図12】同実施形態の一例における、レイアウト図面を1又は2以上の区画に分割した状態の例を示す図である。
【
図13】同実施形態の一例における、レイアウト図面のエリアを判定した状態の例を示す図である。
【
図14】同実施形態の一例における、パフォーマンスデータからワークスタイルデータを生成する処理の概要を示す図である。
【
図15】同実施形態の一例における、ワークスタイルデータからパフォーマンスデータを生成する処理の概要を示す図である。
【
図16】同実施形態の一例における、オフィスデータからワークスタイルデータを生成する処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係るデータ処理システムの構成を示す図である。
図1で示すように、本実施形態の一例に係るデータ処理システム1は、データ処理装置2と通信可能に接続されたパフォーマンス分析装置3、ワークスタイル分析装置4、及びレイアウト図面分析装置5が、利用者端末6とネットワーク7で接続されている。
【0026】
データ処理装置2は、後述するパフォーマンスデータ、ワークスタイルデータ、及びオフィスデータのいずれかを入力データである第1のデータとして、他の2つのデータのうち少なくともいずれかを出力データである第2データとして出力する装置である。なお、パフォーマンスデータは後述するパフォーマンス分析装置3の出力データであり、ワークスタイルデータは後述するワークスタイル分析装置4の出力データであり、オフィスデータは後述するレイアウト図面分析装置5の出力データである。データ処理装置2は、入力部21と、出力部22を備えている。
【0027】
入力部21は、パフォーマンスデータ、ワークスタイルデータ、及びオフィスデータのいずれかを第1のデータとして入力する。入力したデータは後述する出力部22によって他のデータに変換され、出力される。
【0028】
出力部22は、第1のデータとして入力されたパフォーマンスデータ、ワークスタイルデータ、及びオフィスデータのいずれかに基づいて、他の少なくともいずれかのデータを生成し、出力する。本実施形態の一例では、出力部22は、パフォーマンスデータに基づいてワークスタイルデータを生成するパフォーマンス・ワークスタイル変換部221と、ワークスタイルデータに基づいてパフォーマンスデータ生成するワークスタイル・パフォーマンス変換部222と、ワークスタイルデータに基づいてオフィスデータを生成するワークスタイル・オフィス変換部223と、オフィスデータに基づいてワークスタイルデータを生成するオフィス・ワークスタイル変化部224を備えている。
【0029】
本実施形態の一例におけるデータ処理装置1は、周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。サーバ用コンピュータのHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)その他のストレージ装置に予めプログラムを記憶させ、当該記憶されたプログラムをメモリにロードしてCPU(中央演算装置)が実行することにより、サーバ用コンピュータをデータ処理装置1として機能させる。なお、データ処理装置1のハードウェア構成は任意に選択してよく、例えば、二台以上のコンピュータによりデータ処理装置1を構成するようにしてもよい。また、データ処理装置1はサーバ用コンピュータでなく、例えば周知のパーソナル・コンピュータを用いて構成するようにしてもよく、処理速度や対故障性その他の要求性能を満たす周知のコンピュータを用いてデータ処理装置1を構成してよい。
【0030】
パフォーマンス分析装置3は、組織に所属する複数のワーカに質問を提示し、当該提示した質問に対するワーカの回答に基づいて、ワーカの組織におけるパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータを生成する。本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析装置3は、質問提示部31と、回答入力部32と、パフォーマンスデータ生成部33と、パフォーマンスデータ出力部34と、パフォーマンス分析データベース35を備えている。
【0031】
本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析装置3は、データ処理装置2と同様に周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。予め記憶されたプログラム用いてサーバ用コンピュータをパフォーマンス分析装置3として機能させる点も同様であり、データ処理装置2と同様に、処理速度や対故障性その他の要求性能を満たす周知のコンピュータを用いてパフォーマンス分析装置3を構成してよい。
【0032】
質問提示部31は、後述するパフォーマンス分析データベース35に記録された質問を取得し、ワーカに提示する。本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析装置3は前述のようにサーバ用コンピュータを用いて構成されており、ワーカは利用者端末6を用いて質問に対する回答を行う。質問提示部31は、取得した質問を利用者端末6のディスプレイその他の表示装置(図示しない)に表示することによってワーカに提示する。
【0033】
回答入力部32は、前述の質問提示部31が提示した質問に対するワーカの回答を入力する。前述のとおり、本実施形態の一例ではワーカが利用者端末6を用いて質問に対する回答を行う。ワーカの回答は利用者端末6及びネットワーク7を介して回答入力部32に入力され、回答入力部32が当該回答を後述するパフォーマンス分析データベース35に記録する。
【0034】
パフォーマンスデータ生成部33は、回答入力部32によって入力された回答に基づいて、ワーカの組織におけるパフォーマンスに関する評価を示すパフォーマンスデータを生成する。前述のとおり、本実施形態の一例では回答入力部32が入力された回答を後述するパフォーマンス分析データベース35に記録する。パフォーマンス評価部33は、パフォーマンス分析データベース35に記録された回答を取得して、所定の評価処理を実行することによりパフォーマンスデータを生成する。生成したパフォーマンスデータはパフォーマンス分析データベース35に記録され、後述するパフォーマンス出力部34によりデータ処理装置2又は利用者端末6に出力される。
【0035】
パフォーマンス出力部34は、パフォーマンス評価部33が生成したパフォーマンスデータを出力する。本実施形態の一例では、パフォーマンスデータ出力部34はデータ処理装置2又は利用者端末6にパフォーマンスデータを出力する。利用者端末6は後述するパフォーマンス評価画面の所定の領域にパフォーマンスデータを表示する。
【0036】
パフォーマンス分析データベース35は、パフォーマンス分析装置3が扱う情報を管理するデータベースである。前述の質問提示部31が提示する質問も本実施形態の一例ではパフォーマンス分析データベース35に予め記録されている。本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析データベース35は、パフォーマンス分析装置3が備えるRDBMS(リレーショナル・データベース・マネージメント・システム)であるが、パフォーマンス分析装置3が扱う情報を管理する方法は周知の方法を任意に選択してよく、例えば、RDBMSに代えて、パフォーマンス分析装置3のストレージ装置の任意の領域を用いて管理するようにしてもよい。
【0037】
なお、本実施形態の一例における組織は、企業や団体その他の組織である。組織は営利・非営利や法人格の有無等を問わず、複数のワーカから構成される任意の集団をもって組織としてよく、例えば、一の企業をもって組織としてもよいし、或いは、当該企業内の一の部署やチームをもって組織としてもよい。
【0038】
また、本実施形態の一例におけるワーカは、組織の業務を遂行する作業者、管理者その他の組織に所属する人員である。例えば、組織が企業である場合に、ワーカは組織を構成する人員や組織の業務を遂行する人員をもってワーカとしてよく、正規の社員や団体員のみならず、契約社員やアルバイトその他の人員をワーカに含めるようにしてもよい。
【0039】
ワークスタイル分析装置4は、組織に所属する複数のワーカにアンケートその他のサーベイを実施し、当該実施したサーベイの結果から組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータを生成及び出力する。本実施形態の一例におけるワークスタイル分析装置4は、質問提示部41と、回答入力部42と、ワークスタイルデータ生成部43と、ワークスタイルデータ出力部44と、ワークスタイル分析データベース45を備えている。
【0040】
本実施形態の一例におけるワークスタイル分析装置4は、データ処理装置2及びパフォーマンス分析装置3と同様に周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。予め記憶されたプログラム用いてサーバ用コンピュータをワークスタイル分析装置4として機能させる点も同様であり、処理速度や対故障性その他の要求性能を満たす周知のコンピュータを用いてワークスタイル分析装置4を構成してよい。また、パフォーマンス分析装置3と同様に、ワーカが利用者端末6を用いて質問に対する回答を行うように構成されている。
【0041】
質問提示部41は、後述するワークスタイル分析データベース45に記録された質問を取得してワーカに提示する。前述のパフォーマンス分析装置3と同様に、本実施形態の一例におけるワークスタイル分析装置4はサーバ用コンピュータを用いて構成されており、ワーカは当該ワーカが使用する利用者端末6を用いて質問に対する回答を行う。質問提示部41は、取得した質問を利用者端末6のディスプレイその他の表示装置に表示することによってワーカに提示する。
【0042】
回答入力部42は、前述の質問提示部41が提示した質問に対するワーカの回答を入力する。前述のとおり、本実施形態の一例では利用者端末6を用いてワーカが質問に対する回答を行う。ワーカの回答は利用者端末6及びネットワーク7を介して回答入力部42に入力され、回答入力部42が当該後述するワークスタイル分析データベース45に記録する。
【0043】
ワークスタイルデータ生成部43は、回答入力部42に入力された回答に基づいて、複数のワーカが所属する組織におけるワーカの業務に関する活動態様を示すワークスタイルデータを生成する。前述のとおり、本実施形態の一例では回答入力部42が入力された回答を後述するワークスタイル分析データベース45に記録する。ワークスタイルデータ生成部43は、ワークスタイル分析データベース45に記録された回答を取得して、所定の評価処理を実行することによりワークスタイルデータを生成する。生成したワークスタイルデータはワークスタイル分析データベース45に記録され、後述するワークスタイル出力部44によりデータ処理装置2又は利用者端末6に出力される。
【0044】
ワークスタイルデータ出力部44は、ワークスタイルデータ生成部43が生成したワークスタイルデータを出力する。本実施形態の一例では、ワークスタイルデータ出力部44はデータ処理装置2又は利用者端末6にワークスタイルデータを出力する。利用者端末6は後述するワークスタイル評価画面の所定の領域にワークスタイルデータを表示する。
【0045】
ワークスタイル分析データベース45は、ワークスタイル分析装置4が扱う情報を管理するデータベースである。前述の質問提示部41が提示する質問も、本実施形態の一例ではワークスタイル分析データベース45に予め記録されている。本実施形態の一例におけるワークスタイル分析データベース45は、ワークスタイル分析装置4が備えるRDBMSとして構成されているが、前述のパフォーマンス分析データベース35と同様に、情報を管理する方法は周知の方法を任意に選択してよい。
【0046】
レイアウト図面分析装置5は、組織のオフィスのレイアウト図面から、当該組織のオフィスレイアウトに関するオフィスデータを生成及び出力する。本実施形態の一例におけるレイアウト図面分析装置5は、レイアウト推定モデル51と、機械学習部52と、分析部53と、レイアウト改善部54を備えている。
【0047】
なお、オフィスは、ワーカが組織の業務を行う場所である。オフィスは、例えばビルその他の建造物であってもよいし、当該建造物のフロアや、当該フロア内の区画をもってオフィスとしてよい。
【0048】
また、本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析装置3は、データ処理装置2、パフォーマンス分析装置3、及びワークスタイル分析装置4と同様に周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。予め記憶されたプログラム用いてサーバ用コンピュータをレイアウト図面分析装置5として機能させる点も同様であり、処理速度や対故障性その他の要求性能を満たす周知のコンピュータを用いてレイアウト図面分析装置5を構成するようにしてよい。
【0049】
レイアウト推定モデル51は、オフィスのレイアウト図面に基づいてオフィスデータを推定する、機械学習によって生成された推定モデルである。レイアウト推定モデル51は、後述する機械学習部52によって生成され、後述する分析部53の分析処理に用いられる。
【0050】
機械学習部52は、前述のレイアウト推定モデル51を機械学習により生成する。前述のレイアウト推定モデル51は、オフィスのレイアウト図面に基づいてオフィスデータを推定する学習済みモデルであり、機械学習部52は、レイアウト図面及びオフィスデータに基づいて生成した教師データを用いて機械学習によりレイアウト推定モデル51を生成する。なお、教師データに用いるオフィスデータは、レイアウト図面からワーカその他の作業者が作成したオフィスデータであってもよいし、前述のデータ処理装置2が第2のデータとして出力したオフィスデータであってもよいし、レイアウト分析装置5が出力したオフィスデータ及び/又はデータ処理装置2が第2のデータとして出力したオフィスデータに基づいてワーカその他の作業者が作成したオフィスデータであってもよい。
【0051】
分析部53は、レイアウト推定モデル51を用いて、オフィスのレイアウト図面からオフィスデータを生成する。
【0052】
レイアウト改善部54は、分析部53が生成したオフィスデータと、データ処理装置2が出力したオフィスデータの差分に基づいて、オフィスのレイアウトを改善した改善レイアウト図面を生成する。生成した改善レイアウト図面は、後述する利用者端末6の表示装置に表示される。
【0053】
利用者端末6は、ワーカや所定の管理者、その他のデータ処理システム1の利用者が利用する端末である。利用者端末6は周知のコンピュータを用いて構成してよく、例えば、ワーカその他の利用者が所持するスマートフォンやタブレット型コンピュータその他の携帯端末を用いてもよいし、又は、ワーカが使用するパーソナル・コンピュータを用いてもよい。
【0054】
ネットワーク7は、利用者端末6と、パフォーマンス分析装置3、ワークスタイル分析装置4、レイアウト図面分析装置5の各々を通信可能に接続する計算機ネットワークである。ネットワーク7は周知の計算機ネットワークを用いて構成してよく、例えばいわゆるインターネットのような広域ネットワークを用いてもよいし、組織のオフィスが備えるLAN(Local Area Network)を用いてもよいし、広域ネットワーク上に構成されたVPN(Virtual Private Network)を用いてもよい。また、ネットワーク7は有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよいし、有線ネットワークと無線ネットワークを組合わせてもよい。なお、本実施形態の一例では、データ処理装置2はネットワーク7を介さずにパフォーマンス分析装置3、ワークスタイル分析装置4、及びレイアウト図面分析装置5と通信可能に接続されているが、データ処理装置2をネットワーク7に接続するか否かは任意に選択してよい。例えば、データ処理装置2が第2のデータとして出力したデータを、利用者端末6からデータ処理装置2を介して閲覧したい等の要件が存在する場合には、データ処理装置2をネットワーク7を介して他の装置3~5及び利用者端末5と通信可能に接続するように構成してよい。
【0055】
本実施形態の一例におけるデータ処理システム1の構成は以上である。なお、前述のように、データ処理システム1を構成する各装置2~5、利用者端末6、及びネットワーク7の具体的な構成は任意に変更してよく、例えば、データ処理システム2を2台以上のコンピュータを用いて構成するようにしてもよい。
【0056】
次いで、本実施形態の一例おける、データ処理装置2を含むデータ処理システム1が扱うデータについて説明する。
図2は、本実施形態の一例における、データ処理システム1が扱うデータの概要を示す図である。
図2で示すように、データ処理装置2の入力データ又は出力データとなるパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3は、それぞれ、パフォーマンス分析装置3、ワークスタイル分析装置4、レイアウト図面分析装置5が出力するデータである。
【0057】
パフォーマンスデータD1は、複数のワーカが所属する組織における、ワーカのパフォーマンスに関する評価を示すデータである。パフォーマンス分析装置3は、組織の一部又は全部のワーカに対して所定数の質問Q1を提示し、当該質問Q1に対するワーカの回答A1に基づいてパフォーマンスデータD1を出力する。パフォーマンスデータD1は、ワーカの組織における業務のパフォーマンスに関するパフォーマンス評価値D11と、ワーカの組織D12a、メンタルD12b及び身体D12cの状態に関する状態評価値D12と、ワーカの業務D13a、コミュニケーションD13b及び生活D13cのスタイルに関するスタイル評価値D13を含んでいる。なお、パフォーマンスデータD1は、ワーカからの回答A1に基づいてワーカごとに生成したデータであってもよいし、組織を代表する1又は2以上のワーカからの回答A1を組織の回答A1として扱い、当該組織の回答A1に基づいて組織全体について生成したデータであってもよい。さらには、ワーカごとに生成したデータと、当該ワーカごとのデータを集計して生成した組織全体についてのデータが併存するデータであってもよい。
【0058】
図3は、本実施形態の一例におけるパフォーマンス評価画面の構成を示す図である。前述のように、本実施形態の一例では、パフォーマンス分析装置3のパフォーマンスデータ出力部34がデータ処理装置2又は利用者端末6にパフォーマンスデータD1を出力する。パフォーマンス評価画面W1は、利用者端末6に出力されたパフォーマンスデータD1を表示する画面であり、
図3で示すように、パフォーマンス評価領域W11と、状態評価領域W12と、スタイル評価領域W13を備えている。
【0059】
パフォーマンス評価領域W11は、パフォーマンスデータD1に含まれるパフォーマンス評価値D11を表示する領域である。本実施形態の一例では、パフォーマンス評価領域W11にパフォーマンス評価値D11の値と、前回分析した評価値と、他の組織の平均値を数値W11a及びグラフW11bとして表示する。
【0060】
状態評価領域W12は、パフォーマンスデータD1に含まれる状態評価値D12を表示する領域である。本実施形態の一例において、状態評価値D12は、ワーカの組織の状態に関する組織状態評価値D12aとして、ワーカの組織における社会関係資本に関するソーシャルキャピタル評価値を含み、ワーカのメンタルの状態に関するメンタル状態評価値D12bとして、ワーカの意欲に関するワークエンゲージメント評価値と、ワーカの心理的ストレスに関する心理的ストレス評価値を含み、ワーカの身体に関する身体状態評価値D12cとして、ワーカの筋骨格系における自覚症状に関する筋骨格系愁訴評価値と、ワーカの生活習慣病に関する生活習慣病評価値と、ワーカの感染症に関する感染症評価値を含むように構成されており、状態評価領域W12では、状態評価値D12の各々を項目とするレーダーチャートW12aと、状態評価値D12の各々を前回分析した値、及び他の組織の平均値と比較する比較表W12bとして表示する。
【0061】
スタイル評価領域W13は、パフォーマンスデータD1に含まれるスタイル評価値D13を表示する領域である。本実施形態の一例において、スタイル評価値D13は、ワーカの業務のスタイルに関する業務スタイル評価値D13aとして、報酬に関する報酬評価値と、裁量に関する裁量評価値と、業務適正に関する業務適正評価値と、業務における負担に関する業務負担評価値と、心理的な安全性に関する心理的安全性評価値と、ジョブクラフティングに関するジョブクラフティング評価値を含み、ワーカのコミュニケーションのスタイルに関するスタイル評価値D13bとして、コミュニケーションに関するコミュニケーション評価値と、休憩や気分転換に関する休憩/気分転換評価値と、身体的な活動に関する身体活動評価値と、食事に関する食評価値と、快適性に関する快適性評価値と、清潔さに関する清潔評価値と、健康意識に関する健康意識評価値を含み、ワーカの生活スタイルに関する生活スタイル評価値D13cとして、運動に関する運動評価値と、栄養に関する栄養評価値と、休養及び睡眠に関する休養(睡眠)評価値を含むように構成されており、パフォーマンス評価画面W1では、スタイル評価値D13の内、組織の強みとなるスタイル評価値D13を表示する強みスタイル評価領域W13aと、組織の弱みとなるスタイル評価値D13を表示する弱みスタイル評価領域W13bを備えている。組織の強みとなるスタイル評価値D13及び組織の弱みとなるスタイル評価値D13を選定する方法は周知の方法を任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、組織における各スタイル評価値D13を、当該組織を含む複数の組織における平均と比較して高い値を組織の強みとなるスタイル評価値D13とし、低い値を組織の弱みとなるスタイル評価値D13としている。
【0062】
図4は、本実施形態の一例における、パフォーマンス分析に用いる質問Q1のカテゴリ構造を示す図である。本実施形態の一例におけるパフォーマンス分析装置3は第1質問カテゴリC1と、第2質問カテゴリC2と、第3質問カテゴリC3の3階層からなる質問カテゴリが予め設定されている。
【0063】
第1質問カテゴリC1は、階層化された質問カテゴリの最上位層となる質問カテゴリである。本実施形態の一例における第1質問カテゴリC1は、ワーカの組織における当該組織及び/又は他の社員との関係性に関する観点を示す組織カテゴリC11と、ワーカの心理的な状態に関する観点を示すメンタルカテゴリC12と、ワーカの身体的な状態に関する観点を示す身体カテゴリC13から構成されている。
【0064】
第2質問カテゴリC2は、階層化された質問カテゴリの中間層となる質問カテゴリであり、第1質問カテゴリCの各々を1又は2以上のカテゴリに細分化する質問カテゴリである。本実施形態の一例における第2質問カテゴリC2は、ワーカの組織における社会関係資本に関する観点を示すソーシャルキャピタルカテゴリC21と、ワーカの意欲に関する観点を示すワークエンゲイジメントカテゴリC22と、ワーカの心理的ストレスに関する観点を示す心理的ストレスカテゴリC23と、ワーカの筋骨格系における自覚症状に関する観点を示す筋骨格系愁訴カテゴリC24と、ワーカの生活習慣病に関する観点を示す生活習慣病カテゴリC25と、ワーカの感染症に関する観点を示す感染症カテゴリC26から構成されている。なお、第2質問カテゴリC2の各々は、前述の状態評価値D12の各々に対応しており、状態評価値D12の各々は、第2質問カテゴリC2の対応するカテゴリに属する質問に対する回答を数値として評価した値である。
【0065】
第3質問カテゴリC3は、階層化された質問カテゴリの最下位層となる質問カテゴリであり、第2質問カテゴリC2の1又は2以上に紐づく質問カテゴリである。本実施形態の一例における第3質問カテゴリC3は、報酬に関する観点を示す報酬カテゴリC31aと、裁量に関する観点を示す裁量カテゴリC31bと、業務適正に関する観点を示す業務適正カテゴリC31cと、業務における負担に関する観点を示す業務負担カテゴリC31dと、心理的な安全性に関する観点を示す心理的安全性カテゴリC31eと、ジョブクラフティングに関する観点を示すジョブクラフティングカテゴリC31fを含む業務カテゴリC31と、コミュニケーションに関する観点を示すコミュニケーションカテゴリC32aと、休憩や気分転換に関する観点を示す休憩/気分転換カテゴリC32bと、身体的な活動に関する観点を示す身体活動カテゴリC32cと、食事に関する観点を示す食カテゴリC32dと、快適性に関する観点を示す快適性カテゴリC32eと、清潔さに関する観点を示す清潔カテゴリC32fと、健康意識に関する観点を示す健康意識カテゴリC32fを含むコミュニケーションカテゴリC32と、運動に関する観点を示す運動カテゴリC33aと、栄養に関する観点を示す栄養カテゴリC33bと、休養及び睡眠に関する観点を示す休養(睡眠)カテゴリC33cを含む生活カテゴリC33から構成されている。なお、第3質問カテゴリC3の各々は、前述のスタイル評価値D13の各々に対応しており、スタイル評価値D13の各々は、第3質問カテゴリC3の対応するカテゴリに属する質問に対する回答を数値として評価した値である。
【0066】
図5は、本実施形態の一例における、パフォーマンス分析に用いる質問Q1の例を示す図である。
図5で示すように、本実施形態の一例において、質問Q1は、質問文Q11と、回答選択肢Q12と、質問カテゴリQ13を備えている。質問カテゴリQ13は、質問Q1が前述の質問カテゴリC1~C3の何れに属する質問であるかを示す項目であり、本実施形態の一例では、第2質問カテゴリC2又は第3質問カテゴリC3の何れかを示す値が設定されるように構成されている。
【0067】
本実施形態の一例において、パフォーマンス分析装置3は、質問提示部31がパフォーマンス分析データベース35から所定数の質問Q1からなる質問群を取得して利用者端末6に表示することにより提示し、当該提示された質問Q1に対して利用者が利用者端末6を操作して回答A1を入力すると、当該回答A1が利用者端末6からパフォーマンス分析装置3に送信される。パフォーマンス分析装置3は、回答入力部32により当該送信された回答A1を受信してパフォーマンス分析データベース35に記録する。
【0068】
パフォーマンス分析データベース35に記録された回答A2は、パフォーマンス分析装置3のパフォーマンスデータ生成部33による、パフォーマンス分析処理の入力データとして扱われる。パフォーマンスデータ生成部33が回答A2に基づいてパフォーマンスデータD1を生成すると、パフォーマンスデータ生成部34が当該生成したパフォーマンスデータD1を出力する。前述のとおり、パフォーマンスデータD1は、データ処理装置2に出力される場合と、利用者端末6に出力される場合が存在し、利用者端末6に出力された場合は利用者端末6のパフォーマンス評価画面W1の所定の領域にパフォーマンスデータD1が表示される。
【0069】
本実施形態の一例におけるパフォーマンスデータ生成は、具体的には、状態評価値D12の生成と、スタイル評価値D13の生成と、パフォーマンス評価値D11の生成が行われる。
【0070】
状態評価値D12は、前述の第2質問カテゴリC2のいずれかに属する質問Q1に対するワーカの回答A1に基づく評価値である。本実施形態の一例では、前述のように、状態評価値D12を構成する各評価値と、第2質問カテゴリC2を構成する各カテゴリが対応している。質問Q1が備える回答選択肢Q12の各々には得点が予め設定されており、第2質問カテゴリC2の各々ごとに、ワーカが選択した選択肢Q12の得点を合算した上で、満点の場合に100点となるように換算することにより生成する。
【0071】
スタイル評価値D13は、前述の第3質問カテゴリC3のいずれかに属する質問Q1に対するワーカの回答A1に基づいて生成される評価値である。本実施形態の一例では、前述のように、スタイル評価値D13を構成する各評価値と、第3質問カテゴリC3を構成する各カテゴリが対応している。前述の状態評価値D12の生成と同様に、回答選択肢Q12の各々に予め得点が設定されており、第3質問カテゴリC3の各々ごとに、ワーカが選択した選択肢Q12の得点を合算して、合計が100点となるように換算することにより生成する。
【0072】
本実施形態の一例において、パフォーマンスデータD1のパフォーマンス評価値D11は、前述の状態評価値D12に基づいて生成される。本実施形態の一例では、状態評価値D12の各々を、重み付けして合算することによりパフォーマンス評価値を生成する。パフォーマンス評価値D11と、状態評価値D12と、スタイル評価値D13の生成が完了すると、パフォーマンス分析装置3は、当該生成した評価値D11~D13を含むパフォーマンスデータD1を生成する。
【0073】
前述の通り、パフォーマンスデータD1は、ワーカごとのデータであってもよいし、組織全体についてのデータであってもよい。本実施形態の一例はワーカの回答A1に基づいてワーカごとのパフォーマンスデータD1を生成し、次いで、当該生成したワーカごとのパフォーマンス評価値D1を集計して、組織全体についてのパフォーマンス評価値D1を生成する。
【0074】
ワークスタイルデータD2は、複数のワーカが所属する組織における、ワーカの業務に関する活動態様を示すデータである。ワークスタイル分析装置4は、組織の一部又は全部のワーカに対して所定数の質問Q2からなる質問群を提示し、当該質問Q2に対するワーカの回答A2に基づいてワークスタイルデータD2を出力する。ワークスタイルデータD2は、ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値D21と、ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値D22と、1週間におけるオフィス出社日数を示すオフィス出社日数D23と、オフィス出社日におけるオフィス滞在時間を示すオフィス滞在時間D24と、オフィス滞在時間における業務・行動の配分を示す業務・行動配分D25と、を含んでいる。パフォーマンスデータD1と同様に、ワークスタイルデータD2も、ワーカの回答A2に基づいてワーカごとに生成したデータであってもよいし、組織を代表する1又は2以上のワーカの回答A2を組織の回答A2として扱い、当該組織の回答A2に基づいて組織全体について生成したデータであってもよい。さらには、ワーカごとに生成したデータと、当該データを集計して組織全体について生成したデータが併存してもよい。
【0075】
図6は、本実施形態の一例における、第1のワークスタイル評価画面の構成を示す図である。前述のように、本実施形態の一例におけるワークスタイルデータD2は、ワーカの在宅勤務の割合に関する在宅勤務評価値D21と、ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する関係構築評価値D22を含んでおり、
図6で示すように、ワークスタイル分析装置4は、利用者端末6の表示装置に表示される第1のワークスタイル評価画面W2に、在宅勤務評価値D21を第1軸W21とし、関係構築評価値D22を第2軸W22とする2次元の座標系W23の第1象限W24a~第4象限W24dの各々について、人数W25と、比重W26を表示するように構成されている。また、各象限W24a~W24dの各々には、比重W26の大きさを表すアイコンW27が表示される。
【0076】
第1軸W21として用いる在宅評価値D21は、ワーカの在宅勤務の割合に関する評価値である。なお、在宅勤務として認識する業務形態の範囲は任意に選択してよく、厳密に自宅で業務を行う場合のみを在宅勤務として扱ってもよいが、本実施形態の一例では、自宅以外であっても組織のオフィス外となる場所、例えば出張先のホテルや所定のリモートオフィス等で業務を行う場合は在宅勤務として扱う。なお、本実施形態の一例では、ワークスタイル評価画面W2において、第1軸W21である在宅評価値D21が高い状態を「テレワーク」と表示し、在宅評価値D21が低い状態を「オフィス」と表示している。
【0077】
第2軸W22として用いる関係構築評価値D22は、ワーカの他のワーカとの関係構築に費やす時間の割合に関する評価値である。本実施形態の一例では、ワーカは組織における担当業務において、業務内容を直接行う、或いは、業務内容に関する会議等、業務遂行に資する行為を行う他に、人事的な面談やプロジェクトメンバーとの雑談、レクリエーション等、直接業務遂行に資する行為ではないが、業務遂行を行う組織の形成に資する行為を行うものとして、ワーカの勤務時間における組織の形成に資する行為を行う時間の割合を関係構築評価値D22としている。なお、本実施形態の一例では、ワークスタイル評価画面W2において、第2軸W22である関係構築評価値D22が高い状態を「わいわい」と表示し、関係構築評価値D22が低い状態を「こつこつ」と表示している。
【0078】
本実施形態の一例における座標系W23は、第1軸W21である在宅勤務評価値D21と、第2軸W22である関係構築評価値D22により、ワーカの業務に関する活動態様が第1象限W24a~第4象限W24dの何れの象限によって示す活動態様かを示す座標系である。第1象限W24aは、在宅勤務の割合及び関係構築に資する時間の割合が共に低い、すなわち、ワーカがオフィスに集合して業務遂行を行う活動態様を示している。第2象限W24bは、在宅勤務の割合が高く、関係構築に資する時間の割合が低い、すなわち、ワーカが自宅その他の遠隔地に分散して業務遂行を行う活動態様を示している。第3象限W24cは、在宅勤務の割合が高く、関係構築に資する時間の割合が高い、すなわち、ワーカが自宅その他の遠隔地に分散して関係構築を行う活動態様を示している。第4象限W24dは、在宅勤務の割合が低く、関係構築に資する時間の割合が高い、すなわち、ワーカがオフィスに集合して関係構築を行う活動態様を示している。なお、本実施形態の一例におけるワークスタイル評価画面W2では、第1象限W24a~第4象限W24dが示す活動態様をそれぞれ「オフィスでこつこつ」「テレワークでこつこつ」「テレワークでわいわい」「オフィスでわいわい」と表示している。
【0079】
人数W25は、組織において、第1象限W24a~第4象限W24dが示す活動態様の各々に該当するワーカの人数である。また、比重W26は、人数W25の組織全体の人数における割合を示している。本実施形態の一例における第1のワークスタイル評価画面W2は、組織のワーカが第1象限W24a~第4象限W24dで示す活動態様のいずれに比重をおく働き方をしているかを、座標系W23を用いて表示する画面である。本実施形態の一例において、人数W24は、組織における各ワーカについてのワークスタイルデータD2から、第1象限W24a~第4象限W24dで示す活動態様毎に該当するワーカの数を集計した値であり、比重W26は、各人数W25を全ワーカ数で割った値である。また、本実施形態の一例では、各象限W24a~W24dで示す活動態様ごとに、当該活動態様に該当するワーカの組織におけるパフォーマンスW28を表示する。
【0080】
図7は、本実施形態の一例における、第2のワークスタイル評価画面の構成を示す図である。本実施形態の一例において、ワークスタイル分析装置4は第1のワークスタイル評価画面W2と、第2のワークスタイル評価画面W3を選択的に利用者端末6の表示装置に表示するよう構成されており、
図7で示すように、第2のワークスタイル評価画面W3は、第1のワークスタイル評価画面W2における第1象限W24a、第4象限W24d、第2象限W24b、第3象限W24cにそれぞれ対応する活動態様W31a~W31dの各々について、前述のオフィス出社日数D23、オフィス滞在時間D24、業務・行動配分D25をそれぞれオフィス出社日数W32、オフィス滞在時間W33、及び業務・行動時間グラフW34として表示する画面である。なお、本実施形態の一例における業務・行動時間グラフW34は、ワーカの業務・行動をデスクワークW35a、ミーティングW35b、上司部下の面談W35c、業務に必要な会話W35d、雑談W35e、リフレッシュW35f、在宅/外出W35gのいずれかに分類し、当該分類した業務・行動時間の割合を表示する。
【0081】
図8は、本実施形態の一例における、ワークスタイル分析に用いる質問の例を示す図である。本実施形態の一例におけるワークスタイル分析装置4は、ワークスタイル分析データベース45から所定数の質問Q2からなる質問群を取得して利用者端末6に表示することにより提示する。
図8で示すように、ワークスタイル分析に用いる質問Q2は、質問番号Q21と、分類Q22と、関連指標Q23と、質問文Q24と、回答方法Q25を備えている。また、本実施形態の一例では、二以上の質問を一の質問グループQ26に紐づけることができるように構成されている。質問グループQ26は、グループ質問文Q26aを備えている。なお、本実施形態の一例では、一の質問Q2が、任意の質問グループQ26に紐づく場合と、何れの質問グループQ26にも紐づかない場合の双方が許容されるように構成されている。
【0082】
本実施形態の一例では、ワークスタイル分析に用いる質問Q2として、前述の第1象限W24a~第4象限W24dのそれぞれが示す活動態様、すなわち、ワーカがオフィスに集合して業務遂行を行う活動態様、ワーカが自宅等に分散して業務遂行を行う活動態様、ワーカが自宅等に分散して関係構築を行う活動態様、ワーカがオフィスに集合して関係構築を行う活動態様の各活動態様に関する質問を含むように構成されており、第1象限W24a~第4象限W24dの各々で示す活動態様について、時間配分、日数、割合その他の形式で回答を求める質問が含まれている。上記の活動態様に関する質問に対する回答A2は、各ワーカ個人についての在宅勤務評価値D21及び関係構築評価値D22を生成する入力値として用いられる。
【0083】
また、本実施形態の一例では、ワークスタイル分析に用いる質問Q2として、ワーカがオフィスに集合する場合及び自宅等に分散する場合のそれぞれにおける時間配分に関する質問を含むように構成されている。当該時間配分に関する質問に対する回答A2は、各ワーカ個人についてのオフィス出社日数D23、オフィス滞在時間D24、業務・行動配分D25を生成する入力値として用いられ、前述の第2のワークスタイル評価画面W3において、業務・行動時間グラフW33を表示する目的で使用される。
【0084】
本実施形態の一例におけるワークスタイル分析装置3は、前述のとおり、ワークスタイル分析データベース45から所定数の質問Q2を取得して、ワーカが使用する利用者端末6の表示装置に表示することによりワーカに提示する。ワーカが利用者端末6を操作して提示された質問Q2に回答すると、当該回答A2は回答入力部42によりワークスタイル分析データベース45に記録される。ワークスタイル分析装置4は、ワークスタイル分析データベース45に記録された回答A2に基づいて、ワークスタイルデータ生成部43によりワーカについてのワークスタイルデータD2を生成し、組織の一部又は全部のワーカについてのワークスタイルデータD2を集計して組織全体についてのワークスタイルデータD2を生成する。ワーカに提示される所定数の質問Q2には、前述の通り、前述の第1象限W24a~W24dの各々が示す活動態様について時間配分、日数、割合その他の形式で回答を求める質問Q2が含まれており、ワークスタイルデータ生成部43は上記回答に基づいて当該ワーカについての在宅勤務評価値D21及び関係構築評価値D22を生成する。
【0085】
オフィスデータD3は、複数のワーカが所属する組織のオフィスレイアウトに関するデータである。レイアウト図面分析装置5は、組織のオフィスのレイアウト図面D4に基づいて、オフィスデータD3を出力する。本実施形態の一例におけるオフィスデータD3は、オフィスにおけるワーカの活動内容に応じて割り当てられるエリアD31ごとに席数D32及び面積D33を含んでいる。
【0086】
図9は、本実施形態の一例における、オフィスのレイアウト図面の例を示す図である。本実施形態の一例におけるレイアウト図面分析装置5は、前述のようにオフィスのレイアウト図面に基づいて当該オフィスのレイアウトに関するオフィスデータD3を生成する。
図9で示すように、レイアウト図面D4は、複数のワーカが所属する組織のオフィスD41のレイアウトを示す平面図である。レイアウト図面D4は、外壁及び内壁によって1又は2以上の空間に仕切られており、また、机や椅子その他の什器が配置されている。なお、什器はオフィスに配置される家具全般をもって什器としてよく、例えば、1人用作業デスク、複数人用作業デスク、会議用テーブル、1人用椅子、複数人用椅子、ホワイトボード、モニタースタンド、間仕切り、キャビネット、ロッカー、棚、収納家具、植栽等を任意に什器としてよい。
【0087】
また、レイアウト図面D4の情報としての形式は任意に選択してよい。例えば、レイアウト図面D4は、ビットマップ画像形式でもよいし、壁や什器を図形とするベクター形式の画像であってもよい。また、2次元又は3次元のCAD(Computer-Aided Design)形式の情報であってもよい。
【0088】
図10は、本実施形態の一例における、オフィス評価画面の構成を示す図である。前述の通り、本実施形態の一例におけるレイアウト図面分析装置5は、オフィスのレイアウト図面D4に基づいて、分析部53により組織のオフィスレイアウトに関するオフィスデータD3を出力する。オフィス評価画面W4は、オフィスデータD3に含まれる情報、すなわち、ワーカの活動内容に応じて割り当てられたエリアD31ごとの席数D32及び面積D33に基づいて、
図10で示すように、エリアD31ごとの面積比を示すツリーマップW41と、当該面積比の年ごとの推移を示す棒グラフW42と、ワーカ1人あたりのオフィス面積の推移を示す第1の折れ線グラフW43と、ワーカ1人あたりの執務室面積の推移を示す第2の折れ線グラフW44から構成されている。なお、本実施形態の一例では、オフィスを、個室を含む執務室エリアと、業務支援エリアと、役員専用エリアと、生活支援エリアと、情報管理エリアと、通路エリアから構成されるものとしている。また、棒グラフW42、第1の折れ線グラフW43と、第2の折れ線グラフW44における推移は、組織における直近のオフィスデータD4と、過去のオフィスデータD4に基づいて表示するよう構成されている。
【0089】
本実施形態の一例におけるレイアウト図面分析装置5は、前述のレイアウト図面D4に基づいて、分析部53がレイアウト推定モデル51を用いて前述のオフィスデータD3を出力する。なお、レイアウト推定モデル51は単一の学習済みモデルとして、レイアウト図面D4から直接オフィスデータD3を推定するように構成してもよいし、2以上の学習済みモデルによってレイアウト推定モデル51を構成して、2以上の行程を経てオフィスデータD3を推定するように構成してもよい。以下、分析部53による分析処理を、レイアウト図面D4から什器及び/または壁の抽出する行程と、抽出した壁によりレイアウト図面D4を1又は2以上の区画に分割する工程と、1又は2以上に分割した区画ごとにエリアD31のいずれに該当するか判定する行程の、3行程に分割する構成について説明する。なお、前述のとおり、レイアウト推定モデル51は前述の機械学習部52が機械学習により生成するが、機械学習部52が行う機械学習の具体的な構成は生成するレイアウト推定モデル51の構成に応じて任意に選択してよく、例えば、レイアウト推定モデル51が上記の例のように2以上の学習済みモデルである場合には、機械学習部52が当該2以上の学習済みモデルの一部又は全部を機械学習により生成するようにしてよい。教師データの具体的な構成についても機械学習部52の具体的な構成に応じて選択してよく、例えば、レイアウト推定モデル51の一部として前述の例におけるエリアD31の判定を行う学習済みモデルを生成する場合には、レイアウト図面D4に基づいて前述の例における前工程の1又は2以上の区画の分割まで行ったデータと、オフィスデータD3に基づいて教師データを生成し、当該生成した教師データを用いて機械学習により学習済みモデルを生成するようにしてよい。
【0090】
図11は、本実施形態の一例における、レイアウト図面分析装置5がレイアウト図面から壁を抽出した状態の例を示す図である。
図11で示すように、レイアウト図面分析装置5は、レイアウト図面D4から、オフィスD41を1又は2以上の空間に仕切る壁D42を抽出する。また、本実施形態の一例では、レイアウト図面分析装置5は壁D42と同様に、1人用又は複数人用の椅子を抽出する。
【0091】
図12は、本実施形態の一例における、レイアウト図面分析装置5がレイアウト図面を1又は2以上の区画に分割した状態の例を示す図である。
図12で示すように、レイアウト図面分析装置5は、レイアウト図面D4から抽出した壁D42に基づいて、レイアウト図面D4が示すオフィスD41を1又は2以上の区画D43に分割する。
【0092】
図13は、本実施形態の一例における、レイアウト図面分析装置5がレイアウト図面のエリアを判定した状態の例を示す図である。
図13で示すように、レイアウト図面分析装置5は、1又は2以上の区画D43の各々について、当該区画が前述のエリアD31のいずれに該当するかを判定する。本実施形態の一例では、ワーカの活動内容に応じて割り当てられたエリアD31として、多数のワーカが共用して執務を行う執務エリアD31aと、役員執務室、役員室受付、秘書室、役員会議応接室その他の役員が執務を行う役員専用エリアD31bと、ワーカが単独で執務を行う個室エリアD31cと、会議室、研修室、印刷室、受付、ロビーその他の業務支援を行う業務支援エリアD31dと、サーバールームや図書館、書庫や倉庫、その他の情報を管理するする情報管理エリアD31eと、休憩室や談話室、食堂、更衣室その他の生活支援エリアD31fと、通路として使用される通路エリアD31gの何れのエリアに該当するか判定される。なお、前述のオフィス評価画面W4では、執務エリアD31と個室エリアD31cの席数D32及び面積D33は合算されて、個室を含む執務エリアとして表示されている。
【0093】
レイアウト図面分析装置5は、オフィスD41を1又は2以上に分割した区画D43の各々についてエリアD31のいずれに該当するかを判定すると、エリアD31ごとに、当該エリアD31に該当する区画D43の面積及び席数を合算して、エリアD31ごとに席数D32及び面積D33を含むオフィスデータD3を生成し、出力する。
【0094】
本実施形態の一例における、データの概要の説明は以上である。なお、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3の具体的な内容は上記に限られず、各分析装置3~5の構成に応じて任意に変更してよい。例えば、本実施形態の一例においてオフィスデータD3はエリアD31ごとに席数D32及び面積D33を備えているが、面積D33を省いてエリアD31ごとに席数D32を含むように構成し、オフィス評価画面W4では、エリアD31ごとに1席あたりの面積を予め設定しておき、当該設定した面積と席数D32を乗算して、エリアD31ごとの面積を算出して表示するようにしてもよい。或いは、エリアD31ごとの情報として、席数D32及び面積D33に加えて、例えば座席以外の什器等に関する情報を含めるようにしてもよい。また、オフィスデータD3のフォーマットその他の形式も任意に選択してよく、例えば、オフィスデータD3を、エリアD31を示す識別子と席数D32及び面積D33のそれぞれを示す数値として構成してもよいし、或いは、前述の1又は2以上の区画D43を示す図形情報と、当該図形情報の各々ごとに、該当するエリアD31を示す識別子と席数D31を示す数値その他の情報を紐づけて構成してもよい。
【0095】
次いで、本実施形態の一例における、データ処理装置2によるデータ変換について説明する。前述のとおり、本実施形態の一例におけるデータ処理装置2は、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、又はオフィスデータD3のいずれかを入力データである第1のデータとして、当該第1のデータに基づいて、他の少なくともいずれかのデータを第2のデータとして出力する。本実施形態の一例のデータ処理装置2は、パフォーマンスデータD1に基づいてワークスタイルデータD2を生成するパフォーマンス・ワークスタイル変換部221と、ワークスタイルデータD2に基づいてパフォーマンスデータD1を生成するワークスタイル・パフォーマンス変換部222と、ワークスタイルデータD2に基づいてオフィスデータD3を生成するワークスタイル・オフィス変換部223と、オフィスデータD3に基づいてワークスタイルデータD2を生成するオフィス・ワークスタイル変換部224を備えている。出力部22は、上記変換部221~224を用いて第1のデータに基づいて第2のデータを生成し、出力する。
【0096】
パフォーマンス・ワークスタイル変換部221は、パフォーマンスデータD1に基づいてワークスタイルデータD2を生成する。
図14は、本実施形態の一例における、パフォーマンスデータD1からワークスタイルデータD2を生成する処理の概要を示す図である。
図14で示すように、本実施形態の一例におけるパフォーマンス・ワークスタイル変換部221は、ワーカの勤務形態、職位及び職種の少なくとも1以上に基づいて、ワークスタイルデータD2の在宅勤務評価値D21を生成し、パフォーマンスデータD1のスタイル評価値D13に基づいて、ワークスタイルデータD2の関係構築評価値D22を生成することにより、ワークスタイルデータD2を生成する。
【0097】
本実施形態の一例では、パフォーマンスデータD1に基づいてワークスタイルデータD2を生成する際に、ワーカの年代D51、職位D52、職種D53、及び勤務形態D54の各情報を含むワーカ情報D5を用いて、ワークスタイルデータD2の在宅勤務評価値D21を生成する。なお、ワーカ情報D5は、組織のワーカを管理する情報を例えば社員データベースその他の情報システムから取得してもよいし、或いは、ワーカについてのパフォーマンスデータD1及び/又はワークスタイルデータD2が、アンケートA1及び/又はA2に回答したワーカの上記情報を含むように構成してもよいし、又は、ワーカ情報に代えて、或いはこれに加えて、組織において年代、職位、職種及び勤務形態の各々に合致するワーカの人数を含む組織情報を組織全体についてのパフォーマンスデータD1、組織全体についてのワークスタイルデータD2、又はオフィスデータD3の一部又は全部に含むようにしてもよい。本実施形態の一例における勤務形態D54は、ワーカの勤務形態をオフィス勤務、在宅勤務、オフィス・在宅複合勤務、の3種類に分類する。ワーカの勤務形態D54がオフィス勤務の場合は、在宅勤務評価値D21で示される在宅勤務の割合は0%であり、在宅勤務の場合は、在宅勤務評価値D21で示される在宅勤務の割合は100%である。オフィス・在宅複合勤務の場合は、当該ワーカの在宅評価値D21は当該ワーカの年代D51、職位D52及び職種D53の各々に応じて予め設定された値に基づいて算出することにより生成される。
【0098】
また、本実施形態の一例では、パフォーマンスデータD1に含まれるスタイル評価値D13に基づいて、ワークスタイルデータD2の関係構築評価値D22を生成する。スタイル評価値D13は、前述のように、業務スタイル評価値D13aと、コミュニケーションスタイル評価値D13bと、生活スタイル評価値D13cから構成されており、本実施形態の一例ではコミュニケーションスタイル評価値D13bに含まれるコミュニケーション評価値と、組織の業種及び規模に応じて予め設定された値に基づいて算出することにより生成され、当該生成した関係構築評価値D22と、前述の在宅勤務評価値D22を含むワークスタイルデータD2が生成される。なお、本実施形態の一例におけるワークスタイルデータD2は、在宅勤務評価値D21と関係構築評価値D22の他に、オフィス出社日数D23と、オフィス滞在時間D24と、業務・行動配分D25を備えており、パフォーマンスデータD1に含まれる各評価値、組織及び又はワーカに紐づく前述の情報を用いて生成するようにしてよい。例えば、コミュニケーションスタイル評価値D13bに含まれる休養(睡眠)評価値と、組織の業種及び規模に応じて予め設定された値に基づいて、業務・運動配分D25におけるリラックス時間の配分を算出することにより生成するようにしてよい。
【0099】
ワークスタイル・パフォーマンス変換部222は、ワークスタイルデータD2に基づいてパフォーマンスデータD1を生成する。
図15は、本実施形態の一例における、ワークスタイルデータD2からパフォーマンスデータD1を生成する処理の概要を示す図である。
図15で示すように、本実施形態の一例では、ワークスタイルデータD2からパフォーマンスデータD1に含まれるスタイル評価値D13を生成し、スタイル評価値D13から状態評価値D12を生成し、状態評価値D12からパフォーマンス評価値D11を生成して、パフォーマンスデータD1を生成する。
【0100】
前述のとおり、本実施形態の一例におけるワークスタイルデータD2は、在宅勤務評価値D21と関係構築評価値D22を備えている。本実施形態の一例では、ワークスタイルデータD2に含まれる関係構築評価値D22から、パフォーマンスデータD1に含まれるスタイル評価値D13の内、コミュニケーションスタイル評価値D13bを生成する。コミュニケーションスタイル評価値D13bは、前述のとおり、コミュニケーション評価値と、休憩/気分転換評価値と、身体活動評価値と、食評価値と、快適性評価値と、清潔評価値と、健康意識評価値を含んでおり、本実施形態の一例では、関係構築評価値D22と、各評価値毎に組織の業種及び規模に応じて予め設定された値と、に基づいて各評価値を算出し、コミュニケーションスタイル評価値D13bを生成する。当該生成したコミュニケーションスタイル評価値D13bと、組織の業種及び規模に応じて予め設定された業務スタイル評価値D13a、生活スタイル評価値D13cに基づいて、スタイル評価値D13が生成される。
【0101】
本実施形態の一例では、スタイル評価値D13に基づいて状態評価値D12を生成する。前述のとおり、本実施形態の一例における状態評価値D12は、ソーシャルキャピタル評価値を含む組織状態評価値D12aと、ワークエンゲージメント評価値及び心理的ストレス評価値を含むメンタル状態評価値D12bと、筋骨格系愁訴評価値、生活習慣病評価値及び感染症評価値を含む身体状態評価値D12cから構成されており、スタイル評価値D13に含まれる各評価値の1又は2以上と、組織の業種及び規模に応じて状態評価値ごとに予め設定された値に基づいて、各評価値が算出され、状態評価値D12が生成される。状態評価値D12を算出するために使用するスタイル評価値D13は任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、業務スタイル評価値D13aがソーシャルキャピタル評価値の生成に使用され、業務スタイル評価値D13a及びコミュニケーションスタイル評価値D13bがワークエンゲージメント評価値の生成に使用され、業務スタイル評価値D13a及び生活スタイル評価値D13cが心理的ストレス評価値及び筋骨格系愁訴評価値の生成に使用され、コミュニケーションスタイル評価値D13b及び生活スタイル評価値D13cが生活習慣病評価値の生成に使用され、業務スタイル評価値D13aと、コミュニケーションスタイル評価値D13bと、生活スタイル評価値D13cが感染症評価値の生成に使用される。
【0102】
状態評価値D13が生成されると、本実施形態の一例では状態評価値D13に基づいて、パフォーマンス評価値D11を生成する。本実施形態の一例では、ソーシャルキャピタル評価値と、ワークエンゲージメント評価値と、心理的ストレス評価値と、組織の業種及び規模に応じて予め設定された値に基づいてパフォーマンス評価値D11を算出することによって、パフォーマンス評価値D11を含むパフォーマンスデータD1を生成する。なお、本実施形態の一例では、ワークスタイルデータD2からパフォーマンスデータD1をワークスタイル・パフォーマンス変換部222により行うが、前述のとおり、ワークスタイル・パフォーマンス変換部222による変換はスタイル評価値D13の生成と、状態評価値D12の生成と、パフォーマンス評価値D11の生成の3行程から構成されており、ワークスタイル・パフォーマンス変換部222の具体的な構成として、例えばスタイル評価値D13を生成するスタイル評価値生成部と、状態評価値D12を生成する状態評価値生成部と、パフォーマンス評価値D11を生成するパフォーマンス評価値生成部を備えるようにしてもよい。
【0103】
ワークスタイル・オフィス変換部223は、ワークスタイルデータD3に基づいてオフィスデータD3を生成する。本実施形態の一例では、ワークスタイルデータD2の在宅勤務評価値D21及び関係構築評価値D22と、組織の業種及び規模に応じて予め設定された値に基づいて算出することにより生成する。
【0104】
オフィス・ワークスタイル変換部224は、オフィスデータD3に基づいてワークスタイルデータD2を生成する。
図16は、本実施形態の一例における、オフィスデータD3からワークスタイルデータD2を生成する処理の概要を示す図である。
図16で示すように、本実施形態の一例では、先ず、中間データI1として、ワーカの組織における職位及び職種組織の勤務形態ごとの人数及び比率を算出する。
【0105】
本実施形態の一例における勤務形態は前述のとおりオフィス勤務、在宅勤務、オフィス・在宅勤務の3種類であるが、オフィス・ワークスタイル変換部224ではオフィス・在宅勤務を在宅勤務の割合が高い在宅(高)勤務と在宅勤務の割合が低い在宅(低)勤務の2種類に更に区分し、合計4種類の勤務形態として扱う。また、勤務形態ごとの人数及び比率の算出にあたっては、オフィスデータD3に含まれるエリアD31ごとの席数D32と、ワーカの組織における職位及び職種の割合に基づいて算出するようにしてよい。例えば、ワーカの職位として課長以上と課長未満の2種類を設け、職種として営業職と営業職以外の2種類を設け、当該職位と職種の組合せのパターンごとに席数D32及びワーカの人数から、勤務形態ごとの人数及び比率を算出するようにしてよい。
【0106】
次いで、本実施形態の一例では、生成した中間データI1に基づいて、ワークスタイルデータD2の在宅勤務評価値D21を生成する。本実施形態の一例において、勤務形態がオフィス勤務の場合は在宅勤務の割合は0%であり、在宅勤務の場合は100%である。在宅(高)勤務及び在宅(低)勤務の在宅勤務割合は組織の業種及び規模に応じて予め設定した値を用いて、これを人数及び比率に応じて加算して在宅勤務評価値D21を生成する。
【0107】
また、本実施形態の一例では、生成した在宅勤務評価値D31と、予め設定された所定の係数その他の値に基づいて、関係構築評価値D22を生成する。
【0108】
関係構築評価値D31の生成にあたっては、本実施形態の一例では、前述の4種類の勤務形態の各々について、当該勤務形態の各々に該当するワーカの活動態様を判定し、次いで、組織の業種及び規模に応じて予め設定された分布に基づいて、各勤務形態における関係構築の割合を判定する。なお、本実施形態の一例における活動態様は、前述の第1象限W24a~第4象限W24dで示す4種類の活動態様であり、職位、職種、勤務形態、組織の業種及び規模に応じて予め活動態様の一を設定しておき、各勤務形態における職位及び職種ごとの人数の比率と、組織の業種及び規模に基づいて一の活動態様に該当すると判定する。また、本実施形態の一例では、生成した在宅勤務評価値D21と、組織の業種及び規模に基づいて予め設定された係数その他の値に基づいて、勤務形態ごとにワーカの関係構築の割合を算出する。
【0109】
勤務形態ごとの関係構築の割合が判定されると、オフィス・ワークスタイル変換部224は、当該判定した関係構築の割合を勤務形態ごとの人数及び比率に基づいて合算して、ワークスタイルデータD2の関係構築評価値D22を生成し、当該生成した関係構築評価値D22と、前述の在宅勤務評価値21を含むオフィスデータD2を生成する。なお、本実施形態の一例におけるオフィスデータD2は、オフィス出社日数D23と、オフィス滞在時間D24と、業務・行動配分D25を備えており、在宅勤務評価値D21及び関係構築評価値D22に、組織の業種及び規模に基づいて予め設定した値その他の情報に基づいて、オフィス出社日数D23と、オフィス滞在時間D24と、業務・行動配分D25を生成する。
【0110】
本実施形態の一例において、データ処理装置2は、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3の何れかを任意に入力データである第1のデータとすることができ、他のデータの少なくとも何れかを出力データである第2のデータとすることができる。第1のデータがデータ処理装置2の入力部21に入力されると、データ処理装置2の出力部22が上記第1及び第2のデータとして指定されたデータの種類に基づいて、上記パフォーマンスパフォーマンス・ワークスタイル変換部221~オフィス・ワークスタイル変換部224の1又は2以上を用いて第2のデータである出力データを生成し、出力する。
【0111】
なお、本実施形態の一例では、前述のように、データ処理装置2がパフォーマンスデータD1とワークスタイルデータD2を変換するパフォーマンス・ワークスタイル変換部221及びワークスタイル・パフォーマンス変換部222と、ワークスタイルデータD2とオフィスデータD3を変換するワークスタイル・オフィス変換部223及びオフィス・ワークスタイル変換部224を備えている。パフォーマンスデータD1を第1のデータとし、オフィスデータD3を第2のデータとする場合、出力部22は、先ずパフォーマンス・ワークスタイル変換部221によりワークスタイルデータD2を出力し、次いで、ワークスタイル・オフィス変換部223によりワークスタイルデータD2からオフィスデータD3を出力する。第1のデータがオフィスデータD3であり、第2のデータがパフォーマンスデータD1である場合には、先ずオフィス・ワークスタイル変換部224がワークスタイルデータD2を生成し、次いで、ワークスタイル・パフォーマンス変換部222がパフォーマンスデータD1を出力する。
【0112】
データ処理装置2が変換したデータをどのように閲覧その他により利用するかは任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、データ処理装置2が変換したパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、オフィスデータD3は、当該データを出力する分析装置3~5に出力され、当該分析装置3~5が出力したデータと同様に記録される。各分析装置3~5が備える出力部34、44、54は、各分析装置3~5が質問Q1、Q2、又はレイアウト図面D4に基づいて生成したパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、オフィスデータD3と、データ変換装置2が出力したパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、オフィスデータD3を区別することなく、利用者端末6から要求されたパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、オフィスデータD3を利用者端末6に出力する。
【0113】
また、本実施形態の一例において、データ処理装置2が第2のデータとして出力したオフィスデータD3は、オフィス分析装置5において、機械学習部52によるレイアウト推定モデル51を機械学習により生成する際の教師データを生成する目的でも使用される。前述の通り、本実施形態の一例におけるデータ処理装置2は、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3を相互に変換する機能を有している。組織のワーカからの回答A1又はA2から出力したパフォーマンスデータD1又はワークスタイルデータD2を第1のデータとしてオフィスデータD3を生成した場合、当該オフィスデータD3は、組織のオフィスのレイアウト図面D4を分析することなく生成したオフィスデータD3であるとともに、組織のオフィスのレイアウト図面D4からレイアウト推定モデル51が推定すべきオフィスデータD3である。本実施形態の一例では、レイアウト図面分析装置5の機械学習部52が、組織のオフィスのレイアウト図面D4と、データ処理装置2が出力したオフィスデータD3に基づいて生成した教師データを用いて機械学習によりレイアウト推定モデル51を生成する。なお、前述のように、レイアウト推定モデル51は単一の学習済みモデルであってもよいし、2以上の学習済みモデルであってもよく、2以上の学習済みモデルからレイアウト推定モデル51を生成する場合には、機械学習部52は、レイアウト図面D4及びオフィスデータD2に基づいて各学習済みモデルを生成するための教師データを生成し、機械学習により各学習済みモデルを生成するようにしてよい。また、教師データは、データ処理装置2が第2のデータとして出力したオフィスデータD3を直接使用して生成してもよいし、或いは、データ処理装置2が出力したオフィスデータD3をワーカその他の作業者が修正し、当該修正したオフィスデータD3を用いて生成してもよい。
【0114】
また、本実施形態の一例において、データ処理装置2が第2のデータとして出力したオフィスデータD3は、オフィス分析装置5が出力したオフィスデータD3と比較して、組織のオフィスレイアウトの現状に対する改善案を生成する目的でも使用される。前述の通り、本実施形態の一例におけるオフィス分析装置5はレイアウト改善部54を備えている。レイアウト改善部54は、分析部53が生成したオフィスデータD3と、データ処理装置2が出力したオフィスデータD3の双方が存在する場合に、分析部53が生成したオフィスデータD3を現在の組織のオフィスを示すデータとし、データ処理装置2が出力したオフィスデータD3を、組織のワーカのパフォーマンス及び/又は活動態様に基づいて改善したオフィスを示すデータとして比較する。レイアウト改善部54は、当該比較した結果、すなわち、分析部53が生成したオフィスデータD3とデータ処理装置2が出力したオフィスデータD3の差分に基づいて、オフィスのレイアウト図面D4を改善した改善レイアウト図面を生成する。生成の方法は周知の図面作成方法を任意に選択してよく、例えば、分析部53が分析したレイアウト図面D4と、上記差分を入力データとして、改善レイアウト図面を推定する学習済みモデルを用いて生成するようにしてよい。
【0115】
また、本実施形態の一例におけるデータ処理装置2は、出力部22が備えるパフォーマンス・ワークスタイル変換部221と、ワークスタイル・パフォーマンス変換部222と、ワークスタイル・オフィス変換部223と、オフィス・ワークスタイル変換部224を備えているが、当該変換部221~224に加えて、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、又はオフィスデータD3のいずれかを入力データとし、他の少なくともいずれかのデータを出力データとする推定モデルを機械学習によって生成し、これを用いて各データ間の変換をするようにしてもよい。この場合に、例えば機械学習を実行するにあたって十分な数の教師データを入手するまでの間は上記変換部221~224を用いてパフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3の変換を行うと共に、当該変換結果となるデータと、当該変換の入力データである第1のデータに基づいて教師データを生成し、十分な数の教師データが蓄積したタイミングで機械学習により上記推定モデルを生成して、以降は当該生成した推定モデルを用いてデータ変換を行うように構成してもよい。推定モデルは、データ変換のパターンごと、すなわち、第1のデータと第2のデータの組み合わせごとに生成するようにしてよい。
【0116】
本実施形態の一例の説明は以上である。なお、本発明の実施の形態は上記に限られない。例えば、パフォーマンスデータD1、ワークスタイルデータD2、及びオフィスデータD3の具体的な構成は任意に変更してよく、例えば、オフィスデータD3がエリアD31ごとの席数D31のみから構成されるようにしてもよい。
【0117】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 データ処理システム
2 データ処理装置
21 入力部
22 出力部
221 パフォーマンス・ワークスタイル変換部
222 ワークスタイル・パフォーマンス変換部
223 ワークスタイル・オフィス変換部
224 オフィス・ワークスタイル変換部
3 パフォーマンス分析装置
31 質問提示部
32 回答入力部
33 パフォーマンスデータ生成部
24 パフォーマンスデータ出力部
4 ワークスタイル分析装置
41 質問提示部
42 回答入力部
43 ワークスタイルデータ生成部
44 ワークスタイルデータ出力部
5 レイアウト図面分析装置
51 レイアウト推定モデル
52 機械学習部
53 分析部
54 レイアウト改善部
6 利用者端末
7 ネットワーク