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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015637
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 9/00 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A45C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117837
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】501067193
【氏名又は名称】株式会社カウネット
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】神山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏和
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA42
3B045CE10
3B045DA23
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD08
3B045HA02
3B045HB04
(57)【要約】
【課題】バッグをパソコンスタンドとして使用する場合でも、バッグ内の収納空間を使用可能にする。
【解決手段】本発明のバッグは、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、バッグ本体に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部とを有し、一対の取手部は、開口部の長辺縁側にそれぞれ接続されており、一対の取手部がバッグ本体の外周面にそれぞれ沿うように配置された姿勢を取り得るように構成される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、
前記バッグ本体に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部とを有し、
前記一対の取手部は、前記開口部の長辺縁側にそれぞれ接続されており、
前記一対の取手部が前記バッグ本体の外周面にそれぞれ沿うように配置された姿勢を取り得るように構成されることを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記取手部が、前記バッグ本体の外周面と略同一の大きさを有していることを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記取手部は、
前記開口部の長辺縁側において前記バッグ本体の外周面に接合される接合部と、
前記接合部の前記開口部と反対側の第1端部において折れ曲がり可能に構成され、取手穴が形成された可動部とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記可動部は、前記第1端部において折り曲げて前記接合部の外周面に対向したときに、前記開口部の長辺縁に沿って折れ曲がる第1折れ曲がり部を有していることを特徴とする請求項3に記載のバッグ。
【請求項5】
前記可動部は、
前記第1折れ曲がり部に対して前記第1端部と反対側に配置される第2折れ曲がり部を有し、
前記取手穴は、前記第2折れ曲がり部に対して前記第1折れ曲がり部と反対側に配置されることを特徴とする請求項4に記載のバッグ。
【請求項6】
前記バッグ本体は、正面シート部材と、前記正面シート部材と対向する背面シート部材と、前記正面シート部材と前記背面シート部材とを接続する左シート部材、右シート部材および底シート部材とを有しており、
前記正面シート部材および前記背面シート部材は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成され、
前記左シート部材、前記右シート部材および前記底シート部材は、可撓性を有する可撓性部材とで形成され、
前記バッグ本体の内部には、前記左シート部材、前記右シート部材および前記底シート部材に沿って配置される補強板が配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項7】
前記取手部は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項8】
前記補強板は、前記姿勢において前記正面シート部材に沿って配置される載置面補強部を有していることを特徴とする請求項6に記載のバッグ。
【請求項9】
前記補強板の内側に配置される仕切り部材を有していることを特徴とする請求項6に記載のバッグ。
【請求項10】
前記仕切り部材は、前記左シート部材に沿って配置される補強板と前記右シート部材に沿って配置される補強板との距離が小さくなるのを規制することを特徴とする請求項9に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばノートパソコンを収納して持ち運ぶことが可能なバッグに関する。
【0002】
近年、フリーアドレス制を導入しているオフィス等においては、ノートパソコンを持ち運んで任意の場所でノートパソコンを取り出して作業することが多くなっている。その場合に、ノートパソコンの設置高さが適正でないと、肩こりなどの要因となる。
【0003】
従来から、携帯型パソコンを携行するバッグであって、バッグが、その外面側にパソコンを載せて操作をするための載置面を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のバッグでは、バッグ本体部の外周部に設けられたスライドファスナーを開閉して、バッグ内に各種物品を収納または取出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002ー328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のバッグでは、パソコンスタンドとして使用する場合、バッグ本体部の外周部に設けられたスライドファスナーが閉じられる。そのため、パソコンスタンドとして使用している際に、バッグ内の収納空間を使用することができない。また、バッグをパソコンスタンドとして使用する場合に、バッグ本体部から突き出した取っ手がパソコンの手前に配置されるため、書類などを置くのに邪魔になる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、バッグをパソコンスタンドとして使用する場合でもバッグ内の収納空間を使用可能なバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバッグは、開口部を有する凹形状に形成されるバッグ本体と、前記バッグ本体に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部とを有し、前記一対の取手部は、前記開口部の長辺縁側にそれぞれ接続されており、前記一対の取手部が前記バッグ本体の外周面にそれぞれ沿うように配置された姿勢を取り得るように構成されることを特徴とする。
【0008】
これにより、パソコンスタンドとして使用される場合でもバッグの開口部が開放された状態であるため、バッグ内の収納空間を使用することができる。また、パソコンスタンドとして使用される場合に、取手部がバッグ本体の外周面に沿うように配置されるため、パソコンの手前に書類などを置く場合でも、取手部が邪魔になるのを抑制することができる。
【0009】
本発明に係るバッグにおいて、前記取手部が、前記バッグ本体の外周面と略同一の大きさを有していることが好適である。
【0010】
これにより、段差のないパソコン載置面上にパソコンを置くことができる。
【0011】
本発明に係るバッグにおいて、前記取手部は、前記開口部の長辺縁側において前記バッグ本体の外周面に接合される接合部と、前記接合部の前記開口部と反対側の第1端部において折れ曲がり可能に構成され、取手穴が形成された可動部とを有していることが好適である。
【0012】
これにより、手指で取手穴を把持してバッグを持ち運ぶ際に、取手部の取手穴とバッグの上端部との距離が離れすぎるのを防止することができる。
【0013】
本発明に係るバッグにおいて、前記可動部は、前記第1端部において折り曲げて前記接合部の外周面に対向したときに、前記開口部の長辺縁に沿って折れ曲がる第1折れ曲がり部を有していることが好適である。
【0014】
これにより、取手部の可動部を、第1折れ曲がり部において折り曲げて開口部を覆う蓋部材として使用することができる。
【0015】
本発明に係るバッグにおいて、前記可動部は、前記第1折れ曲がり部に対して前記第1端部と反対側に配置される第2折れ曲がり部を有し、前記取手穴は、前記第2折れ曲がり部に対して前記第1折れ曲がり部と反対側に配置されることが好適である。
【0016】
これにより、バッグが一対の取手部を有している場合に、一対の取手部にそれぞれ形成された取手穴が接近した状態で、手指で取手穴を把持してバックを持ち運ぶことができる。
【0017】
本発明に係るバッグにおいて、前記バッグ本体は、正面シート部材と、前記正面シート部材と対向する背面シート部材と、前記正面シート部材と前記背面シート部材とを接続する左シート部材、右シート部材および底シート部材とを有しており、前記正面シート部材および前記背面シート部材は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成され、前記左シート部材、前記右シート部材および前記底シート部材は、可撓性を有する可撓性部材とで形成され、前記バッグ本体の内部には、前記左シート部材、前記右シート部材および前記底シート部材に沿って配置される補強板が配置されることが好適である。
【0018】
これにより、可撓性を有する左シート部材、右シート部材および底シート部材に補強板を沿わせることで、パソコンスタンドとしてのバッグの形状を適正に保持することができる。また、正面シート部材の内側面と背面シート部材の内側面とが近づくように左シート部材、右シート部材および底シート部材を撓ませることにより、バッグ本体を折り畳むことができる。
【0019】
本発明に係るバッグにおいて、前記取手部は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成されることが好適である。
【0020】
これにより、パソコン載置面の剛性が高くなるため、パソコン使用時においてパソコン載置面が撓んでパソコンが揺れるのを防止することができる。
【0021】
本発明に係るバッグにおいて、前記補強板は、前記姿勢において前記正面シート部材に沿って配置される載置面補強部を有していることが好適である。
【0022】
これにより、パソコン載置面の剛性が高くなるため、パソコン使用時においてパソコン載置面が撓んでパソコンが揺れるのを防止することができる。
【0023】
本発明に係るバッグにおいて、前記補強板の内側に配置される仕切り部材を有していることが好適である。
【0024】
これにより、バッグ内の収納空間を複数の収納空間に仕切って使用することができる。
【0025】
本発明に係るバッグにおいて、前記仕切り部材は、前記左シート部材に沿って配置される補強板と前記右シート部材に沿って配置される補強板との距離が小さくなるのを規制することが好適である。
【0026】
これにより、左シート部材に沿って配置される補強板と右シート部材に沿って配置される補強板との距離が小さくなるのを規制することで、バッグの形状をより適正に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施形態に係るバッグ1の外観を示す斜視図である。
図2図2は、図1のバッグ1の内部に配置される補強部品5を示す斜視図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、図1のバッグ1の取手部15、16をバッグ本体2の外周面に沿わせた状態を示す斜視図、正面図である。
図4図1のバッグ1の取手部15、16を上方に向かって折り曲げた状態を示す斜視図である。
図5図1のバッグ1の取手部15、16をバッグ本体2の開口部2aを覆うように配置した状態を示す斜視図である。
図6図6(a)は、図1のバッグ1の取手部15、16をバッグ本体2の外周面に沿わせた状態を示す側面図であり、図6(b)は、図1のバッグ1の取手部15、16を持ち運ぶ際の位置に配置した状態を示す側面図である。
図7図2に示す補強部品5の構成を説明する図である。
図8】補強部品5をバッグ1の内部に配置する方法を説明する斜視図である。
図9図1のバッグ1をスタンド姿勢に切り替えた状態を示す斜視図である。
図10図1のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する状態を示す斜視図である。
図11図1のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する状態を示す正面図である。
図12図1のバッグ1に収納した書類を保管する状態を示す斜視図である。
図13】本発明の実施形態の変形例に係るバッグ101の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態のバッグについて、図に基づいて詳細に説明する。
【0029】
本実施形態のバッグ1は、図1に示すように、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2を有している。バッグ本体2の上端部には、取手部15、16が取り付けられており、バッグ1は、ノートパソコンなどを内部に収納して持ち運び可能に構成される。バッグ本体2の内部には、図2に示すように、補強部品5が配置されている。
【0030】
バッグ本体2は、正面シート部材10と、背面シート部材11と、左シート部材12と、右シート部材13と、底シート部材14とを有している。正面シート部材10および背面シート部材11は、横長の長方形状であり、左シート部材12および右シート部材13は、縦長の長方形状である。正面シート部材10と背面シート部材11とは、対向するように配置される。左シート部材12は、正面シート部材10の左端部および背面シート部材11の左端部を接続し、右シート部材13は、正面シート部材10の右端部および背面シート部材11の右端部を接続する。左シート部材12と右シート部材13とは、対向するように配置される。
【0031】
底シート部材14は、正面シート部材10の下端部、背面シート部材11の下端部、左シート部材12の下端部および右シート部材13の下端部を接続する。そのため、正面シート部材10の下端部、背面シート部材11の下端部、左シート部材12の下端部および右シート部材13の下端部は、底シート部材14により塞がれるのに対して、正面シート部材10の上端部、背面シート部材11の上端部、左シート部材12の上端部および右シート部材13の上端部により、開口部2aが形成される。このように、バッグ本体2の内部には、略直方体形状の収納空間が形成される。
【0032】
正面シート部材10および背面シート部材11は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材(例えば、張り材)とで形成される。芯材は、例えば段ボールなどの板紙や樹脂板であり、可撓性部材は、例えばポリエステルなどの張り材である。
【0033】
左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14は、例えばポリエステルなどの可撓性部材である。
【0034】
バッグ本体2は、正面シート部材10の上端部および背面シート部材11の上端部にそれぞれ接続される一対の取手部15、16を有している。取手部15、16は、横長の長方形状であり、その上端近傍には、使用者がバッグ1を持ち運ぶ際に手指で把持する取手穴15a、16aが形成されている。
【0035】
取手部15は、図3に示すように、正面シート部材10の外周面に沿うように配置されると、正面シート部材10と略同一の大きさを有している。本実施形態において、「取手部15が正面シート部材10と略同一の大きさを有している」とは、取手部15の幅方向(左右方向)の長さは、正面シート部材10(または開口部2a)の長辺と略同一であり、取手部15の高さ方向(上下方向)の長さは、正面シート部材10の短辺と略同一であることを意味する。但し、本実施形態のように、例えば取手部15の高さ方向の長さは、正面シート部材10の短辺と比べて、多少短くても構わない。
【0036】
取手部15は、正面シート部材10における開口部2aの長辺縁側に対して接合される接合部151と、接合部151よりも先端側(図3では下側)に配置される可動部152とを有している。接合部151は、開口部2aの長辺縁と略同一長さを有する長方形状であり、その全面が正面シート部材10の外周面に接合される。そのため、接合部151は、正面シート部材10と一体になっている。
【0037】
可動部152は、接合部151の開口部2aと反対側の端部151aから延びており、可動部152と接合部151との接続部分には、折れ曲がり部Ta1が形成される。そのため、可動部152は、図4に示すように、折れ曲がり部Ta1において上方に向かって折り曲げ可能に構成される。可動部152は、折れ曲がり部Ta1側から先端側に向かって順に配置される第1可動部152a、第2可動部152b、第3可動部152cを有している。
【0038】
第1可動部152aは、図5に示すように、可動部152を折れ曲がり部Ta1において折り曲げたときに、接合部151の外周面に積層される部分である。そのため、第1可動部152aは、接合部151と略同一の大きさである。第1可動部152aと第2可動部152bとの接続部分には、折れ曲がり部Tb1が形成される。第1可動部152aが接合部151の外周面に対向するときに、折れ曲がり部Tb1は、開口部2aの長辺縁に沿って配置される。そのとき、第2可動部152bおよび第3可動部152cは、開口部2aの縁に沿って、開口部2aを覆うように配置可能である。
【0039】
第2可動部152bと第3可動部152cとの接続部分には、折れ曲がり部Tc1が形成される。折れ曲がり部Tc1は、折れ曲がり部Tb1に対して第1端部151aと反対側に配置される。第3可動部152cには、取手穴15aが形成される。取手穴15aは、折れ曲がり部Tc1に対して折れ曲がり部Tb1と反対側に配置される。
【0040】
取手部16は、取手部15と同様に、図6に示すように、背面シート部材11における開口部2aの長辺縁側に対して接合される接合部161と、接合部161よりも先端側(図6では下側)に配置される可動部162とを有している。接合部161は、開口部2aの長辺縁と略同一長さを有する長方形状であり、その全面が背面シート部材11の外周面に接合される。そのため、接合部151は、正面シート部材10と一体になっている。
【0041】
可動部162は、取手部15の可動部152と同様に、接合部161の開口部2aと反対側の端部161aから延びており、可動部162と接合部161との接続部分には、折れ曲がり部Ta2が形成される。可動部162は、折れ曲がり部Ta2側から先端側に向かって順に配置される第1可動部162a、第2可動部162b、第3可動部162cを有している。第1可動部162aと第2可動部162bとの接続部分には、折れ曲がり部Tb2が形成される。第2可動部162bと第3可動部162cとの接続部分には、折れ曲がり部Tc2が形成される。なお、可動部162の詳細な説明は省略するが、取手部15の可動部152と同様の構成である。
【0042】
取手部15、16は、正面シート部材10および背面シート部材11と同様に、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材(例えば、張り材)とで形成される。芯材は、例えば段ボールなどの板紙や樹脂板であり、可撓性部材は、例えばポリエステルなどの張り材である。取手部15、16は、芯材がある箇所で折り曲げることができないため、折り曲がる必要がある箇所には、折れ曲がり部Ta1、Tb1、Tc1、Ta2、Tb2、Tc2が形成される。折れ曲がり部Ta1、Tb1、Tc1、Ta2、Tb2、Tc2は、芯材がなく、可撓性部材のみで接続される部分である。
【0043】
補強部品5は、図7に示すように、2つの補強板51、52が組み立てられて構成される。補強板51、52は、バッグ本体2の左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14よりも撓み難い部材である。補強板51および補強板52は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材(例えば、張り材)とで形成される。芯材は、例えば段ボールなどの板紙であり、可撓性部材は、例えばポリエステルなどの張り材である。
【0044】
補強板51は、バッグ本体2の内部に配置された場合に、底シート部材14の内側面と対向する底部分51aと、左シート部材12の内側面と対向する左部分51bと、右シート部材13の内側面と対向する右部分51cと、正面シート部材10と対向する載置面補強部51Aとを有している。左部分51b、右部分51cおよび載置面補強部51Aは、底部分51aの短辺側両端部と長辺側端部から上方に向かって延びている。
【0045】
左部分51bおよび右部分51cは、縦長の長方形状であり、載置面補強部51Aは、横長の長方形状である。左部分51b、右部分51cおよび載置面補強部51Aは、底部分51aとの接続部分を支点としてそれぞれ回動可能である。
【0046】
左部分51bの内側面の上端部近傍には、面ファスナ51b1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ51b2が取り付けられる。同様に、右部分51cの内側面の上端部近傍には、面ファスナ51c1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ51c2が取り付けられる。
【0047】
補強板52は、バッグ本体2の内部に配置された場合に、正面シート部材10と背面シート部材11との間の収納空間を仕切るための部材(仕切り板)である。補強板52は、仕切り部52aと、左取付部52bと、右取付部52cとを有している。仕切り部52aは、正面シート部材10および背面シート部材11と略同一形状を有している。左取付部52bおよび右取付部52cは、仕切り部52aの左右端部を支点としてそれぞれ回動可能であるが、図7(a)および図7(b)では、左取付部52bおよび右取付部52cが、仕切り部52aの左右端部から背面側に延びる状態が図示されている。
【0048】
左取付部52bの外側面の上端部近傍には、面ファスナ52b1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ52b2が取り付けられる。同様に、右取付部52cの外側面の上端部近傍には、面ファスナ52c1が取り付けられ、下端部近傍には、面ファスナ52c2が取り付けられる。
【0049】
よって、2つの補強板51、52を組み立てて補強板5を構成する場合、図7(a)および図7(b)に示すように、補強板52の左取付部52bの外側面を補強板51の左部分51bの内側面と対向させて、それらの上端部近傍にある面ファスナ51b1と面ファスナ52b1とが接合され、下端部近傍にある面ファスナ51b2と面ファスナ52b2とが接合される。同様に、補強板52の右取付部52cの外側面を補強板51の右部分51cの内側面と対向させて、それらの上端部近傍にある面ファスナ51c1と面ファスナ52c1とが接合され、下端部近傍にある面ファスナ51c2と面ファスナ52c2とが接合される。なお、補強板52が補強板51と一体化されると、補強板52は、左シート部材12に沿って配置される補強板51の左部分51bと右シート部材13に沿って配置される補強板51の右部分51cとの距離が小さくなるのを規制する。
【0050】
なお、2つの補強板51、52を組み立てて一体化させて補強板5を構成した後でバッグ本体2の内部に挿入してもよいし、補強板51をバッグ本体2の内部に挿入した後で、バッグ本体2の内部において補強板52を補強板51に対して一体化させてもよい。
【0051】
上記のように構成される補強板5が、図8に示すように、取手部15、16を正面シート部材10および背面シート部材11の外周面にそれぞれ沿うように配置したスタンド姿勢のバッグ1のバッグ本体2の内部に配置される。すると、補強板51の左部分51bが左シート部材12の内側面に沿って配置されるとともに、補強板51の右部分51cが右シート部材13の内側面に沿って配置される。また、補強板51の載置面補強部51Aが、正面シート部材10の内側面と対向するように配置される。その状態で、スタンド姿勢のバッグ1の背面シート部材11の外周面に沿うように配置した取手部16が机などの支持面と接触するように置かれると、図9に示すように、パソコンスタンドして使用可能となる。
【0052】
本実施形態において、スタンド姿勢では、背面シート部材11の外周面に沿うように配置した取手部16が机などの支持面と接触するように置かれると、正面シート部材10と背面シート部材11とが略水平に配置され、正面シート部材10の外周面に沿うように配置された取手部15がパソコン載置面Aの一部を形成する。
【0053】
本実施形態において、バッグ1がパソコンスタンドとして使用する場合でも、開口部2aは解放された状態に維持される。そのため、パソコンを使用しながら、バッグ1内の収納空間に対して、書類などを収納または取り出すことができる。バッグ1では、補強板51の内側に仕切り板として補強板52が配置されているため、バッグ1内の収納空間を2つの収納空間に仕切って使用することができる。よって、バッグ1をパソコンスタンドとして使用する場合でも、バッグ1内に収納されたものを全て取り出す必要がない。そのため、必要でない書類などが机上にちらかるのを防止することができる。
【0054】
スタンド姿勢のバッグ1がパソコンスタンドとして使用される場合、パソコンの裏面が、正面シート部材10の外周面に沿って配置される取手部15の上面に接触するように置かれる。このとき、取手部15は、略水平に配置され、取手部15がバッグ本体2の外周面に沿う領域が、パソコンが載置されるパソコン載置面Aである。取手部15が、バッグ本体2の外周面と略同一の大きさを有しており、パソコン載置面Aの面積は、パソコン載置面Aに載置されるパソコンの裏面の面積以上である。
【0055】
このように、スタンド姿勢のバッグ1では、パソコン載置面Aが、図11に示すように、正面シート部材10と、正面シート部材10の外周面に沿うように配置された取手部15と、正面シート部材10の内側面に沿うように配置された補強板51の載置面補強部51Aとが積層されて構成される。そのため、パソコン載置面Aでは、取手部15の芯材、正面シート部材10の芯材および補強板51の載置面補強部51Aの芯材の3枚の芯材が積層されるため、パソコン載置面Aの剛性が高くなる。
【0056】
また、スタンド姿勢のバッグ1は、取手部15、16を正面シート部材10の外周面および背面シート部材11の外周面に沿うように配置して、開口部2aを開放すると、比較的容量が大きい収納空間を有する収納ボックスとして使用することができる。なお、例えば机上に開口部2aを上方に向けた状態で立てて、収納ボックスとして使用することもできる。そのとき、取手部15、16は、正面シート部材10および背面シート部材11の外周面に沿うようにそれぞれ配置されており、図12に示すように、書類などを内部に入れた状態で、収納ボックスとして、他のファイルボックス60などと同様に保管棚に保管することができる。なお、本実施形態において、スタンド姿勢のバッグ1は、通常のファイルボックス60と略同一の大きさ、厚さを有している。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のバッグ1は、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2と、バッグ本体2に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部15、16とを有し、一対の取手部15、16は、開口部2aの長辺縁側にそれぞれ接続されており、一対の取手部15、16がバッグ本体2の外周面にそれぞれ沿うように配置されたスタンド姿勢を取り得るように構成される。
【0058】
このような構成であると、パソコンスタンドとして使用される場合でもバッグ1の開口部2aが開放された状態であるため、バッグ1の収納空間を使用することができる。また、パソコンスタンドとして使用される場合に、取手部15、16がバッグ本体2の外周面に沿うように配置されるため、パソコンの手前に書類などを置く場合でも、取手部15、16が邪魔になるのを抑制することができる。
【0059】
本実施形態のバッグ1において、取手部15、16が、バッグ本体2の外周面と略同一の大きさを有している。
【0060】
このような構成であると、段差のないパソコン載置面上にパソコンを置くことができる。
【0061】
本実施形態のバッグ1において、取手部15、16は、開口部2aの長辺縁側においてバッグ本体2の外周面に接合される接合部151、161と、接合部151、161の開口部2aと反対側の端部151a、161aにおいて折れ曲がり可能に構成され、取手穴15a、16aが形成された可動部152、162とを有している。
【0062】
このような構成であると、手指で取手穴15a、16aを把持してバッグ1を持ち運ぶ際に、取手部15、16の取手穴15a、16aとバッグ1の上端部との距離が離れすぎるのを防止することができる。
【0063】
本実施形態のバッグ1において、可動部153は、接合部151の端部151aにおいて折り曲げて接合部151の外周面に対向したときに、開口部2aの長辺縁に沿って折れ曲がる折れ曲がり部Ta1を有している。
【0064】
このような構成であると、取手部15の可動部153を折れ曲がり部Ta1において折り曲げて、開口部2aを覆う蓋部材として使用することができる。
【0065】
本実施形態のバッグ1において、可動部153は、折れ曲がり部Ta1に対して接合部151の端部151aと反対側に配置される折れ曲がり部Tb1を有し、取手穴15aは、折れ曲がり部Tb1に対して折れ曲がり部Ta1と反対側に配置される。
【0066】
このような構成であると、バッグ1が一対の取手部15、16を有している場合に、一対の取手部15、16にそれぞれ形成された取手穴15a、16aが接近した状態で、手指で取手穴15a、16aを把持してバック1を持ち運ぶことができる。
【0067】
本実施形態のバッグ1において、バッグ本体2は、正面シート部材10と、正面シート部材10と対向する背面シート部材11と、正面シート部材10と背面シート部材11とを接続する左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14とを有しており、正面シート部材10および背面シート部材11は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成され、左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14は、可撓性を有する可撓性部材で形成され、バッグ本体2の内部には、左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14に沿って配置される補強板51が配置される。
【0068】
このような構成であると、スタンド姿勢において、可撓性を有する左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14に補強板51を沿わせることで、バッグ1の形状を適正に保持することができる。また、正面シート部材10の内側面と背面シート部材11の内側面とが近づくように左シート部材12、右シート部材13および底シート部材14を撓ませることにより、バッグ本体2を折り畳むことができる。
【0069】
本実施形態のバッグ1において、取手部15は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成される。
【0070】
このような構成であると、パソコン載置面Aの剛性が高くなるため、パソコン使用時においてパソコン載置面Aが撓んでパソコンが揺れるのを防止することができる。
【0071】
本実施形態のバッグ1において、補強板51は、スタンド姿勢において正面シート部材10と沿って配置される載置面補強部51Aを有している。
【0072】
このような構成であると、パソコン載置面Aの剛性が高くなるため、パソコン使用時においてパソコン載置面が撓んでパソコンが揺れるのを防止することができる。
【0073】
本実施形態のバッグ1において、補強板51の内側に配置される補強板52を有している。
【0074】
このような構成であると、スタンド姿勢においてバッグ1内の収納空間を複数の収納空間に仕切って使用することができる。
【0075】
本実施形態のバッグ1において、補強板52は、左シート部材12に沿って配置される補強板51の左部分51bと右シート部材13に沿って配置される補強板51の右部分51cとの距離が小さくなるのを規制する。
【0076】
このような構成であると、バッグ1の形状をより適正に保持することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態の構成は上述したものに限定されず、種々の変形が可能である。
【0078】
例えば上記実施形態では、スタンド姿勢のバッグ1が、略直方体形状であるが、それに限られない。スタンド姿勢のバッグ1の形状は、任意である。
【0079】
上記実施形態では、バッグ1が補強部品5を有しているが、それに限られない。バッグ1が補強部品5を有している場合でも、補強板51、52の形状は、上記実施形態と異なる形状でもよい。また、補強部品5が、補強板52を含んでなくてもよい。
【0080】
上記実施形態では、スタンド姿勢のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する場合に、パソコン載置面Aが略水平であるが、それに限られない。本発明のバッグ1をパソコンスタンドとして使用する場合に、パソコン載置面Aが傾斜していてもよい。
【0081】
上記実施形態では、取手部15、16が、バッグ本体2の外周面に接合される接合部151、161を有しているが、それに限られない。本発明のバッグ101において、取手部115、116が、図13に示すように、バッグ本体2の上端部において回動可能に構成されてもよい。その場合、可動部152、162と同様に、接合部151、161も可動する部分である。
【0082】
上記実施形態において、本発明のバッグ1は、上述したように、書類などを内部に入れた状態で、収納ボックスとして、他のファイルボックス60などと同様に保管棚に保管することができるため、開口部2aを有する凹形状に形成されるバッグ本体2と、バッグ本体2に接続され、持ち運ぶ際に使用される一対の取手部15、16とを有し、一対の取手部15、16は、開口部2aの長辺縁側にそれぞれ接続されており、一対の取手部15、16がバッグ本体2の外周面にそれぞれ沿うように配置されたスタンド姿勢を取り得るように構成される収納ボックスでもある。
【0083】
上記実施形態において、正面シート部材10、背面シート部材11および取手部15、16は、芯材と、芯材の表面及び裏面を覆う可撓性を有する可撓性部材とで形成されるが、芯材の材質及び可撓性部材の材質は、任意である。
【0084】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 バッグ
2 バッグ本体
2a 開口部
5 補強部品
10 正面シート部材
11 背面シート部材
12 左シート部材
13 右シート部材
14 底シート部材
15 取手部
15a 取手穴
16 取手部
16a 取手穴
51 補強板
51a 補強板51の底部分
51b 補強板51の左部分
51c 補強板51の右部分
51A 補強板51の載置面補強部
52 補強板(仕切り板)
151 接合部
151a 接合部151の端部
152 可動部
161 接合部
161a 接合部161の端部
162 可動部
A パソコン載置面
Ta1、Ta2、Ta3 折れ曲がり部
Tb1、Tb2、Tb3 折れ曲がり部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13