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  • 特開-プレスロール装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156427
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】プレスロール装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 3/00 20060101AFI20241029BHJP
   B29C 59/04 20060101ALI20241029BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B30B3/00 B
B29C59/04
B30B15/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070877
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】390002015
【氏名又は名称】ヒラノ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上西 雄大
(72)【発明者】
【氏名】溝口 孝史
【テーマコード(参考)】
4E090
4F209
【Fターム(参考)】
4E090AA04
4E090AB04
4E090BA02
4E090DA02
4E090DA03
4E090EA01
4E090HA06
4E090HA10
4F209AG01
4F209AR07
4F209PA04
4F209PQ01
(57)【要約】
【課題】第1軸受け部と第2軸受け部との間にコッタ装置を設けることなく、第1プレスロールと第2プレスロールの間隔を調整することができるプレスロール装置を提供する。
【解決手段】第1プレスロール24と第2プレスロール26と、第1プレスロールの第1回転軸28,28を支持する第1軸受け部30,30と、第2プレスロール26の第2回転軸48,48を支持する第2軸受け部50,50と、第1フレーム16に設けられ第1軸受け部30,30を第2軸受け部50,50の方向に押圧する第1エアシリンダ42,42と、第2フレーム18と第2軸受け部50,50の間にそれぞれ配されたコッタ装置62,62と、第2軸受け部50,50を、コッタ装置62,62を挟んで第2フレーム18の方向に引っ張る第2エアシリンダ82,82とを有している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレスロールと、
前記第1プレスロールと平行に配された第2プレスロールと、
前記第1プレスロールの左右一対の第1回転軸を水平に、かつ回転自在に支持する左右一対の第1軸受け部と、
前記第2プレスロールの左右一対の第2回転軸を水平に、かつ回転自在に支持する左右一対の第2軸受け部と、
前記第1プレスロールと前記第2プレスロールを回転させるモータと、
左右一対の前記第1軸受け部と左右一対の前記第2軸受け部をそれぞれ支持するための左右一対の左フレームと右フレームと、
前記第1プレスロールを挟んで、前記第2プレスロールとは反対側に設けられた第1フレームと、
前記第2プレスロールを挟んで、前記第1プレスロールとは反対側に設けられた第2フレームと、
前記第1フレームに設けられ、左右一対の前記第1軸受け部を、左右一対の前記第2軸受け部の方向に押圧する左右一対の第1シリンダと、
前記第2フレームと左右一対の前記第2軸受け部の間にそれぞれ配された左右一対のコッタ装置と、
左右一対の前記第2軸受け部を、左右一対の前記コッタ装置を挟んで前記第2フレームの方向に引っ張る左右一対の第2シリンダと、
を有し、
左右一対の前記コッタ装置で前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとの間隔を調整し、
前記モータで回転する前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとで走行するウエブをプレスする、
ことを特徴とするプレスロール装置。
【請求項2】
前記第1プレスロールと前記第2プレスロールは、加熱ロールである、
請求項1に記載のプレスロール装置。
【請求項3】
前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとが、水平方向に並んで配され、前記ウエブがその間を上下方向に走行している、
請求項1に記載のプレスロール装置。
【請求項4】
前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとが、上下方向に重ねて配され、前記ウエブがその間を前後方向に走行している、
請求項1に記載のプレスロール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行するウエブをプレスするプレスロール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、第1プレスロールと第2プレスロールが、フィルムなどの長尺状のウエブを挟んで、プレスを行うプレスロール装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-056767号公報
【特許文献2】特開2014-018967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなプレスロール装置においては、第1プレスロールは左右一対の第1軸受け部に回転自在に支持され、第2プレスロールは左右一対の第2軸受け部に回転自在に支持されている。そして、第1プレスロールと第2プレスロールの間隔を調整するために、第1軸受け部と第2軸受け部との間にはコッタ装置が配置されている。そして、このコッタ装置によって第1軸受け部と第2軸受け部の間の間隔を調整することにより、第1プレスロールと第2プレスロールの間隔を調整することができる。
【0005】
しかし、上記のようなプレスロール装置であると、第1軸受け部と第2軸受け部の間にコッタ装置を配置する必要があるため、設計スペースが限られている。そのためコッタ装置の大きさが限られてくるため、コッタ装置を移動させる雄ネジ部の直径を大きくできず、ネジ部品の耐久性が薄くなるという問題点があった。また、逆にコッタ装置のスペースを優先させると、第1軸受け部と第2軸受け部のロール軸径とそれを受けるベアリングのサイズに制約が発生し、ロールの強度確保が困難になるという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、第1軸受け部と第2軸受け部との間にコッタ装置を設けることなく、第1プレスロールと第2プレスロールの間隔を調整することができるプレスロール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1プレスロールと、前記第1プレスロールと平行に配された第2プレスロールと、前記第1プレスロールの左右一対の第1回転軸を水平に、かつ回転自在に支持する左右一対の第1軸受け部と、前記第2プレスロールの左右一対の第2回転軸を水平に、かつ回転自在に支持する左右一対の第2軸受け部と、前記第1プレスロールと前記第2プレスロールを回転させるモータと、左右一対の前記第1軸受け部と左右一対の前記第2軸受け部をそれぞれ支持するための左右一対の左フレームと右フレームと、前記第1プレスロールを挟んで、前記第2プレスロールとは反対側に設けられた第1フレームと、前記第2プレスロールを挟んで、前記第1プレスロールとは反対側に設けられた第2フレームと、前記第1フレームに設けられ、左右一対の前記第1軸受け部を、左右一対の前記第2軸受け部の方向に押圧する左右一対の第1シリンダと、前記第2フレームと左右一対の前記第2軸受け部の間にそれぞれ配された左右一対のコッタ装置と、左右一対の前記第2軸受け部を、左右一対の前記コッタ装置を挟んで前記第2フレームの方向に引っ張る左右一対の第2シリンダと、を有し、左右一対の前記コッタ装置で前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとの間隔を調整し、前記モータで回転する前記第1プレスロールと前記第2プレスロールとで走行するウエブをプレスする、ことを特徴とするプレスロール装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、左右一対の第2軸受け部を左右一対のコッタ装置を挟んで第2フレームに設け、第2シリンダが第2軸受け部とコッタ装置を挟んで第2フレームの方向に引っ張った状態で、第1プレスロールは左右一対のコッタ装置で第1プレスロールと第2プレスロールの間隔を調整することができる。このため、第1軸受け部と第2軸受け部との間に左右一対のコッタ装置を設けることがないので、従来のようなスペースの制約がなく、大型のコッタ装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示すプレスロール装置の一部欠裁左側面図である。
図2】プレスロール装置の上方から見た横断面図である。
図3】コッタ装置の拡大左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態のプレスロール装置10について図1図3を参照して説明する。本実施形態のプレスロール装置10は、長尺状のウエブWを回転する2つの加熱ロール(第1プレスロール24と第2プレスロール26)でプレスするものであり、ウエブWとしてはフィルム、塗工液が塗工されたフィルムや金属箔などである。なお、本実施形態のプレスロール装置10では、粉末合材を加熱プレスして長尺状のウエブWを製造する場合も含まれる。本説明において、ウエブWは、図1に示すように、プレスロール装置10の上から下に上下方向に走行し、図1において左側を前、右側を後と定義する。そして左右方向を示すときは後から前を見たときの左右方向と定義する。
【0011】
(1)プレスロール装置10
プレスロール装置10の構造について図1図2を参照して説明する。プレスロール装置10のフレーム12の基台14は、水平な床面に載置され、平面形状が長方形である。基台14の上面の前部に沿って直方体の第1フレーム16が立設されている。基台14の上面の後部に沿って直方体の第2フレーム18が立設されている。第1フレーム16と第2フレーム18の間であって、基台14の上面の左側には直方体の左フレーム20が立設されている。基台14の右側には直方体の右フレーム22が立設されている。また、左フレーム20の左側の基台14には、モータフレーム23が設けられている。
【0012】
図2に示すように、モータフレーム23には、第1モータ34とそれに接続された第1減速器35と、第2モータ54とそれに接続された第2減速器55が設けられている。
【0013】
図1図2に示すように、左フレーム20と右フレーム22の間であって、基台14の上方の前側には第1プレスロール24が、水平で、かつ左右方向に配されている。第1プレスロール24の後側には、第1プレスロール24と水平方向に並んで、かつ平行に第2プレスロール26が配されている。
【0014】
(2)第1プレスロール24の取り付け構造
第1プレスロール24の取り付け構造について説明する。図1図2に示すように、第1プレスロール24の左右両側から突出した左右一対の第1回転軸28,28は、左右一対の第1軸受け部30,30に、第1ベアリング32,32を介してそれぞれ回転自在に支持されている。
【0015】
図1図2に示すように、左フレーム20の右面には、側面形状が長方形の左第1凹部36が開口し、左第1凹部36の上下方向のサイズは、直方体の左側の第1軸受け部30の上下方向のサイズと同じであり、左第1凹部36の前後方向のサイズは直方体の左側の第1軸受け部30の前後方向のサイズより長い。そして、左側の第1軸受け部30は、左フレーム20の左第1凹部36に嵌め込まれている。図2に示すように、右フレーム22の左面には、側面形状が長方形の右第1凹部40が開口し、右第1凹部40の上下方向のサイズは、直方体の右側の第1軸受け部30の上下方向のサイズと同じであり、右第1凹部40の前後方向のサイズは直方体の右側の第1軸受け部30の前後方向のサイズより長い。そして、右側の第1軸受け部30は、右フレーム22の右第1凹部40に嵌め込まれている。以上により、左右一対の第1軸受け部30,30は、左フレーム20と右フレーム22の間で前後方向に移動でき、かつ、左右方向の移動は阻止されている。
【0016】
図1図2に示すように、左側の第1軸受け部30から突出した左側の第1回転軸28は、左フレーム20を貫通し、第1カップリング装置38によって、第1モータ34と接続された第1減速器35の出力軸に接続されている。第1カップリング装置38はリンクカップリング装置であり、「リンクカップリング装置」とは、リンクのクランクモーションを利用した軸心違い継手であって、軸の平行移動が可能なカップリング装置である。
【0017】
図2に示すように、右側の第1軸受け部30から突出した右側の第1回転軸28には、加熱されたオイルを供給する第1供給管41が不図示の回転ジョイントを介して接続されている。第1プレスロール24の内部には、第1供給管41から流れてくる加熱されたオイルを溜める空洞があり、この加熱されたオイルによって第1プレスロール24が所定の温度まで加熱される。
【0018】
図1図2に示すように、第1フレーム16の後面には、左右一対の第1エアシリンダ42,42の第1シリンダ本体44,44が前後方向にそれぞれ設けられている。左右一対の第1シリンダ本体44,44から後方に突出した左右一対の第1ピストンロッド46,46は、左右一対の第1軸受け部30,30の前面に取り付けられている。左側の第1エアシリンダ42によって左側の第1軸受け部30が後方(図1の白矢印の方向)に押圧されて左第1凹部36に沿って移動し、右側の第1エアシリンダ42によって右側の第1軸受け部30が後方(図1の白矢印の方向)に押圧されて右第1凹部40に沿って移動する。なお、左右一対の第1エアシリンダ42,42は、第1ピストンロッド46,46を最大限伸ばした状態で押圧状態を維持するものとする。そのため、第1プレスロール24は、その位置より後方、すなわち第2プレスロール26の方向には移動しない。
【0019】
(3)第2プレスロール26の取り付け構造
第2プレスロール26の取り付け構造について説明する。図1図2に示すように、第2プレスロール26の左右両側から左右一対の第2回転軸48,48が突出し、左右一対の第2軸受け部50,50に第2ベアリング52,52を介して回転自在に支持されている。
【0020】
図1図2に示すように、左フレーム20の右面には、側面形状が長方形の左第2凹部56が開口し、左第2凹部56の上下方向のサイズは直方体の左側の第2軸受け部50の上下方向のサイズと同じであり、左第2凹部56の前後方向のサイズは直方体の左側の第2軸受け部50の前後方向のサイズより長い。そして、左側の第2軸受け部50は、左フレーム20の左第2凹部56に嵌め込まれている。右フレーム22の左面には、側面形状が長方形の右第2凹部60が開口し、右第2凹部60の上下方向のサイズは直方体の右側の第2軸受け部50の上下方向のサイズと同じであり、右第2凹部60の前後方向のサイズは直方体の右側の第2軸受け部50の前後方向のサイズより長い。そして、右側の第2軸受け部50は、右フレーム22の右第2凹部60に嵌め込まれている。これにより、左右一対の第2軸受け部50,50が、左フレーム20と右フレーム22の間で前後方向に移動でき、かつ、左右方向の移動は阻止されている。
【0021】
図1図2に示すように、左側の第2軸受け部50から突出した左側の第2回転軸48は、左フレーム20を貫通し、第2カップリング装置58によって第2モータ54と接続された第2減速器55に接続されている。第2カップリング装置58は、上記で説明したリンクカップリング装置である。
【0022】
右側の第2軸受け部50から突出した右側の第2回転軸48には、加熱されたオイルを供給する第2供給管61が不図示の回転ジョイントを介して接続されている。第2プレスロール26の内部には、第2供給管61から流れてくる加熱されたオイルを溜める空洞があり、この加熱されたオイルによって第2プレスロール26が所定の温度まで加熱される。
【0023】
図1図2に示すように、左右一対の第2軸受け部50,50の後面と第2フレーム18との間には、左右一対のコッタ装置62,62が設けられている。コッタ装置62については、後から詳しく説明する。
【0024】
図1に示すように、第2フレーム18の前面の左右両側には、左右一対の第2エアシリンダ82,82の第2シリンダ本体84,84が前後方向に設けられている。左右一対の第2シリンダ本体84,84から突出した第2ピストンロッド86,86は、左右一対の第2軸受け部50,50の後面に連結されている。この左右一対の第2エアシリンダ82,82は、左右一対の第2軸受け部50,50を、左右一対のコッタ装置62,62を挟んで第2フレーム18の方向(後方、図1の白矢印の方向)に常に引っ張っている。
【0025】
(4)コッタ装置62
次に、左右一対のコッタ装置62,62について図3を参照して説明する。なお、左右のコッタ装置62,62は、同じ構造であるため、左側のコッタ装置62について説明する。
【0026】
図3に示すように、第2フレーム18の前面の左側に、平面固定部64が上下方向に設けられている。この平面固定部64は、直方体であり、前面が鉛直方向に平行な面となっている。一方、左側の第2軸受け部50の後面には、斜面固定部66が設けられている。この斜面固定部66は、後面が鉛直方向に対し傾斜している。
【0027】
図3に示すように、平面固定部64と斜面固定部66との間にはコッタブロック68が設けられている。コッタブロック68は直方体を変形した楔型であり、平面固定部64と対応する面は鉛直方向に平行な面を有し、斜面固定部66に対応する面は、斜面固定部66の傾斜面に沿って傾斜している。コッタブロック68の内部には、鉛直方向に開口した雌ネジ部74が設けられ、この雌ネジ部74には雄ネジ部76が螺合している。雄ネジ部76は、上下一対のネジ受け部78とネジ受け部80によって回転自在で、かつ鉛直方向に固定されている。雄ネジ部76の上部には、ハンドル90が設けられ、このハンドル90を回転させることによりコッタブロック68が上下方向に移動し、それに伴って第2フレーム18と第2軸受け部50,50の距離が変化する。
【0028】
図3に示すように、平面固定部64とコッタブロック68との間には後コロ部材70が設けられ、斜面固定部66とコッタブロック68の傾斜面との間には前コロ部材72が設けられている。後コロ部材70と前コロ部材72には、複数の円柱状のコロ94が上下方向に並べられ、コッタブロック68が上下方向に移動し易くなっている。
【0029】
後コロ部材70としては、例えばローラウェイがある。ローラウェイとは、ほぼ直方体の軌道台92を長手方向(上下方向)に沿って囲むように複数の円柱状のコロ94がエンドレス状に並べられたものである。そして、軌道台92が平面固定部64にボルトなどによって固定され、軌道台92の上下方向の前面にコッタブロック68の平面部分が当接されている。
【0030】
前コロ部材72も後コロ部材70と同じローラウェイであり、ほぼ直方体の軌道台92に複数の円柱状のコロ94が上下方向にエンドレス状に並べられ、軌道台92が斜面固定部66に固定されている。そして、前コロ部材72の軌道台92の後面にコッタブロック68の斜面部分が当接されている。
【0031】
(5)プレスロール装置10の動作状態
次に、プレスロール装置10の動作状態について図面を参照して説明する。
【0032】
まず、図1に示すように、第1プレスロール24と第2プレスロール26の間に、ウエブWを上下方向に通す。
【0033】
次に、第1プレスロール24と第2プレスロール26を所定の温度まで加熱する。
【0034】
次に、図1図2に示すように、左右一対の第1エアシリンダ42,42を用いて第1プレスロール24を第2プレスロール26の方向(図1の白矢印の方向)に移動させる。このときに左右一対の第1エアシリンダ42,42は、第1ピストンロッド46,46を最大限伸ばした状態を維持する。そのため、第1プレスロール24は、その位置より後方、すなわち第2プレスロール26の方向には移動しない。
【0035】
次に、図1図2に示すように、左右一対の第2エアシリンダ82,82によって第2プレスロール26を第2フレーム18の方向(後方、図1の白矢印の方向)に引っ張りながら、図1図3に示すように、左右一対のコッタ装置62,62によって第1プレスロール24と第2プレスロール26との隙間を調整する。この隙間は、走行するウエブWをプレスする間隔に設定する。このコッタ装置62を動作させるときは、第2エアシリンダ82による引っ張り力に反して、ハンドル90によって雄ネジ部76を回転させてコッタブロック68を上下動させ、隙間を調整する。
【0036】
次に、図1図2に示すように、第1モータ34で第1プレスロール24を回転させ、第2モータ54で第2プレスロール26を回転させ、上から下に走行するウエブWを加熱された第1プレスロールと第2プレスロール26によって加熱しつつプレスする。
【0037】
(6)効果
本実施形態のプレスロール装置10であると、コッタ装置62,62の位置が、第1軸受け部30,30と第2軸受け部50,50の間でなく、第2軸受け部50,50と第2フレーム18との間に設けているため、従来のようなスペースの制約がなく、大型のコッタ装置62,62を取り付けることができる。その効果として、コッタブロック68の寸法が大きくなり、雄ネジ部76などの部品も大きくなり摩耗耐久性が向上する。また、コッタ装置62,62を設けるスペースが大きくなるため、後コロ部材70と前コロ部材72にローラウェイを使用することができる。
【0038】
また、第1プレスロール24と第2プレスロール26のサイズも大きくすることができ、第1ベアリング32,32と第2ベアリング52,52の選択肢が広がる。
【0039】
第1プレスロール24と第2プレスロール26を加熱した場合に、第1フレーム16や第2フレーム18や左右一対のコッタ装置62,62も第1プレスロール24と第2プレスロール26からの伝熱により熱膨張するが、左右一対のコッタ装置62,62を第1プレスロール24と第2プレスロール26の間から離すことができるので熱膨張を抑制することができる。
【変更例】
【0040】
上記実施形態の変更例について説明する。
【0041】
上記実施形態では、第1プレスロール24と第2プレスロール26は加熱ロールであったが、加熱を行わない常温のプレスロールであってもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、第1プレスロール24と第2プレスロール26とは水平に並んで配置したが、これに代えて第1プレスロール24の上方に第2プレスロール26を設け、上下方向に重ねて配置してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、第1プレスロール24と第2プレスロール26を、加熱したオイルで加熱したが、これに限らず、電気ヒータを第1プレスロール24と第2プレスロール26内部にそれぞれ設けて加熱してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、コッタ装置62を動作させるときは、ハンドル90によって雄ネジ部76を回転させて調整したが、これに代えて雄ネジ部76をモータで回転させて隙間を調整してもよい。
【0045】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10・・・プレスロール装置、16・・・第1フレーム、18・・・第2フレーム、24・・・第1プレスロール、26・・・第2プレスロール、30・・・第1軸受け部、42・・・第1エアシリンダ、50・・・第2軸受け部、62・・・コッタ装置、82・・・第2エアシリンダ
図1
図2
図3