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特開2024-156429リニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156429
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】リニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/02 20060101AFI20241029BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20241029BHJP
   A61B 1/24 20060101ALI20241029BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20241029BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H02K41/02 C
G02B26/10 105Z
A61B1/24
G01B11/24 A
H02K41/03 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070881
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【テーマコード(参考)】
2F065
2H045
4C161
5H641
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065BB05
2F065DD03
2F065FF09
2F065FF10
2F065HH04
2F065HH05
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM07
2H045AF01
2H045AF02
2H045BA02
4C161AA08
4C161BB06
4C161PP12
4C161PP13
4C161RR19
4C161RR26
5H641BB06
5H641GG02
5H641HH03
5H641HH05
5H641JA02
5H641JA09
5H641JA14
(57)【要約】
【課題】本開示は、駆動状況によって計測精度または駆動精度を劣化させないリニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置を提供する。
【解決手段】本開示のリニアモータは、直線運動をするリニアモータであって、永久磁石53を有する可動子190と、永久磁石53に対向する位置に配置されたコイル52を有する固定子と、可動子190が直線運動するように案内する二つの平行なリニアガイド60と、を備える。リニアガイド60のそれぞれに設けられた支持部180と、支持部180に対応して可動子190に設けられた保持部160とを遊びをもって嵌合することで、可動子190がリニアガイド60に取り付けられている。可動子190に取り付ける永久磁石53の取り付け位置は、保持部160に対して非対称となる位置である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線運動をするリニアモータであって、
永久磁石を有する可動子と、
前記永久磁石に対向する位置に配置されたコイルを有する固定子と、
前記可動子が直線運動するように案内する二つの平行なリニアガイドと、を備え、
前記リニアガイドのそれぞれに設けられた支持部と、前記支持部に対応して前記可動子に設けられた保持部とを遊びをもって嵌合することで、前記可動子が前記リニアガイドに取り付けられ、
前記可動子に取り付ける前記永久磁石の取り付け位置は、各々の前記保持部に対して非対称となる位置である、リニアモータ。
【請求項2】
前記支持部は、前記可動子の直線運動方向と平行な第1軸と直交する第2軸上に設けられ、
前記可動子は、前記第2軸を軸に回転する方向に遊びをもっている、請求項1に記載のリニアモータ。
【請求項3】
各々の前記支持部は、前記可動子側に向けて外部に突出する凸部を含み、
各々の前記保持部は、前記凸部に嵌合する凹部を含む、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項4】
前記凸部は、前記可動子側に向けて外部に突出した円柱または球の形状を有し、
前記凹部は、円柱または球の形状を有する前記凸部に嵌合する形状を有する、請求項3に記載のリニアモータ。
【請求項5】
各々の前記保持部から前記永久磁石の第1極までの距離と、各々の前記保持部から前記永久磁石の第2極までの距離とが異なる、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項6】
前記永久磁石と、前記永久磁石に対向する位置に配置された前記コイルとの複数の組み合わせを有している、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項7】
前記可動子は、直線運動方向に対して垂直な面の少なくとも一方の面に弾性部材を有する、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項8】
前記可動子は、直線運動方向に開口部を有し、当該開口部に光学部品を保持することができる、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項9】
前記可動子は、切削工具を保持する切削保持部を有する、請求項1または請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の前記リニアモータと、
前記可動子が前記リニアガイドに沿って直線運動できるように前記リニアモータを保持するハウジングと、を備える医療用診療装置。
【請求項11】
手持ち式の3次元スキャナである、請求項10に記載の医療用診療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口腔内の歯および周辺軟組織を走査して3次元の形状データを取得する医療用診療装置として3次元スキャナが知られている。たとえば、特許文献1(特許第6883559号公報)には、レンズやカウンタウェイトをリニアモータで直線運動させるスキャナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6883559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された3次元スキャナでは、物体側に設けられた複数の支持部と、複数のリニアガイド側のそれぞれに設けられた保持部とを、遊びをもって嵌合させることで、装置の組立上の誤差の影響を極力受けずにレンズやカウンタウェイトをリニアモータで直線運動させて口腔内の歯および周辺軟組織の3次元の形状データを取得することができる。しかし、支持部と保持部との遊びをもって嵌合させているため、支持部を軸にレンズが傾くことがあり、その傾きがリニアモータの駆動状況によって変動することがあった。そのため、レンズがある傾きのときにキャリブレーションを行って計測を開始しても、リニアモータの駆動状況によってレンズの傾きが変化するので計測精度が劣化する虞があった。また、リニアモータで切削工具などを駆動する医療用診療装置の場合、駆動精度が劣化する虞があった。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、駆動状況によって計測精度または駆動精度を劣化させないリニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るリニアモータは、直線運動をするリニアモータであって、永久磁石を有する可動子と、永久磁石に対向する位置に配置されたコイルを有する固定子と、可動子が直線運動するように案内する二つの平行なリニアガイドと、を備える。リニアガイドのそれぞれに設けられた支持部と、支持部に対応して可動子に設けられた保持部とを遊びをもって嵌合することで、可動子がリニアガイドに取り付けられている。可動子に取り付ける永久磁石の取り付け位置は、各々の保持部に対して非対称となる位置である。
【0007】
本開示に係る医療用診療装置は、上記のリニアモータと、可動子がリニアガイドに沿って直線運動できるようにリニアモータを保持するハウジングと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示では、各々の保持部に対して非対称となる位置で永久磁石を可動子に取り付けるので、駆動状況によって可動子の傾きに変動が生じず、計測精度または駆動精度を劣化させないリニアモータ、およびそれを用いた医療用診療装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る3次元スキャナの構成を示す模式図である。
図2】(A)は実施の形態に係るハンドピースの構成を示す模式図である。(B)は実施の形態に係るハンドピースのX-Z断面を示す模式図である。
図3】実施の形態に係る3次元スキャナにおいてレンズとカウンタウェイトとの位置関係を説明するための図である。
図4】実施の形態に係るリニアモータの斜視図である。
図5】実施の形態に係るリニアモータの分解斜視図である。
図6】(A)は支持部と保持部との間の嵌合について説明するための模式図である。(B)は支持部と保持部との間の遊びについて説明するための模式図である。(C)は支持部と保持部との間の遊びについて説明するための模式図である。
図7】実施の形態に係るリニアモータのX-Y断面での断面図である。
図8】実施の形態に係る永久磁石の配置、可動子の傾きについて説明するための図である。
図9】変形例に係る医療用診療装置である切削装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図に基づいて説明する。
<実施の形態>
まず、本開示の実施の形態における医療用診療装置の構成について説明する。実施の形態では診療装置の一例として、歯科診療に用いることが可能な3次元スキャナについて説明する。3次元スキャナは、口腔内の歯の3次元形状を取得するための口腔内スキャナである。実施の形態に係る3次元スキャナは、口腔内スキャナに限定されるものではなく、同様の構成を有する他の3次元スキャナにも適用可能であり、たとえば、口腔内以外に人の耳の内部を撮像することで外耳内の3次元形状を取得するスキャナにも適用可能である。また、医療用診療装置は、3次元スキャナに限らず、切削工具を駆動する医療用診療装置にも適用可能である。
【0011】
また、実施の形態に係る医療用診療装置は、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、内科、外科、および獣医科など、あらゆる医科の診療にも適用可能である。なお、診療には、診断および治療が含まれる。
【0012】
[3次元スキャナの構成]
図1は、実施の形態に係る3次元スキャナ100の構成を示す模式図である。3次元スキャナ100は、「医療用診療装置」の一実施の形態に対応する。図1に示すように、3次元スキャナ100は、ハンドピース70と、制御部40と、表示部50と、電源45とを備える。ハンドピース70は、手持ち式の部材であり、プローブ10と、接続部20と、光学計測部30とを含む。
【0013】
プローブ10は、口腔内に差し込まれ、歯などの対象物99にパターンを有する光(以下、単にパターンともいう)を投影する。プローブ10は、パターンが投影された対象物99からの反射光を光学計測部30に導く。プローブ10は、接続部20の先端部外周を覆って当該接続部20に着脱可能に装着されている。このため、術者は、感染対策として、生体に接触する可能性のあるプローブ10のみを光学計測部30から取り外して滅菌処理(たとえば、高温高湿環境でのオートクレープ処理)を施すことが可能である。
【0014】
接続部20は、光学計測部30の一部であって当該光学計測部30から突出しており、プローブ10の根元と嵌合可能な形状を有する。接続部20は、プローブ10で採光した光を光学計測部30へ導くためのレンズ系や、カバーガラス、光学フィルタ、および位相差板(1/4波長板)などの光学部品を含んでいる。
【0015】
光学計測部30は、プローブ10を介して対象物99にパターンを投影し、投影したパターンを撮像する。なお、実施の形態に係る光学計測部30は、以下で説明されるように、合焦法の原理を用いて3次元形状を取得する構成であるが、合焦法、三角法、または共焦点法などの原理を用いて3次元形状を取得する構成であってもよい。つまり、光学計測部30は、投影パターンや光学センサの焦点の位置を変化させる構成を含み、光学的な手法を用いて3次元形状を取得する構成であればいずれの原理を用いた構成であってもよい。
【0016】
制御部40は、光学計測部30の動作を制御するとともに、光学計測部30で撮像した画像を処理して3次元形状を取得する。図示は省略するが、制御部40は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)と、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)と、周辺機器との間で信号の整合性を保つための入出力インターフェイスとを含む。また、制御部40は、取得した3次元形状を表示部50に出力することも可能であり、光学計測部30の設定などの情報を図示しない入力装置などで入力することも可能である。
【0017】
なお、撮像した画像を処理して3次元形状を取得するための演算の少なくとも一部は、制御部40のCPUによってソフトウェアとして実現されてもよいし、当該CPUとは別に処理を行うハードウェアとして実現されてもよい。当該CPUやハードウェアなどの処理部のうちの少なくとも一部は、光学計測部30の内部に組み込まれてもよい。図1では3次元スキャナ100の各構成要素(30,40,45,50)がケーブル(図中の太線)によって配線されているように描かれているが、これらの配線のうちの一部または全部が無線通信によって接続されてもよい。制御部40が片手で持ち上げられるほど十分に小型かつ軽量であれば、制御部40は、ハンドピース70の内部に設けられてもよい。
【0018】
表示部50は、制御部40で得られた対象物99の3次元形状の計測結果を表示する。表示部50は、光学計測部30の設定情報、患者情報、スキャナの起動状態、取扱説明書、およびヘルプ画面など、その他の情報も表示可能である。表示部50には、たとえば据え置き式の液晶ディスプレイや、ヘッドマウント式やメガネ式のウェアラブルディスプレイなどが適用できる。また、表示部50は複数あってもよく、3次元形状の計測結果やその他の情報が、複数の表示部50上に同時表示あるいは分割表示されてもよい。
【0019】
電源45は、光学計測部30および制御部40に電力を供給する。電源45は、図1に示すように制御部40の外部に設けられてもよいが、制御部40の内部またはハンドピース70の内部に設けられてもよい。また、電源45は、制御部40、光学計測部30、および表示部50のそれぞれに個別に給電できるように複数設けられてもよい。
【0020】
[ハンドピースの構成]
図2(A)は、実施の形態に係るハンドピース70の構成を示す模式図である。図2(B)は実施の形態に係るハンドピース70のX-Z断面を示す模式図である。なお、図2に示すハンドピース70内の各部材は、図1に示す光学計測部30に収納されている。
【0021】
図2に示すように、ハンドピース70は、ハウジング77の内部に、投影光発生部75と、レンズ81と、光学センサ71と、プリズム72とを含む。ハンドピース70は、これら以外に、対象物99に向けて光を反射させる反射板などを含んでもよい。レンズ81は、後述するリニアモータの可動子に保持されている。なお、以下で説明する実施の形態においては、説明の便宜上、レンズ81が往復直線運動する方向を表す仮想直線をLで示し、直線Lに平行な軸をX軸(第1軸)、直線Lに垂直であって図2における紙面の上向きの軸をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに垂直な軸をY軸(第2軸)と称する。
【0022】
投影光発生部75は、光源となるレーザー素子やLED(Light Emitting Diode)などである。投影光発生部75からの光は、当該投影光発生部75の前方に配置される投影パターンを発生させる投影パターンスクリーン(図示は省略する)を経由してプリズム72およびレンズ81を通過し、プローブ10に設けられた反射部66を介して対象物99に照射され、当該対象物99で反射される。対象物99で反射された光は、反射部66を介して再びレンズ81を通過してプリズム72内に進入する。プリズム72は、対象物99からの光の進行方向を、光学センサ71が位置する方向(この例では、Z軸方向)に変化させる。プリズム72によって進行方向が変化した光は、光学センサ71によって検出される。なお、図2(B)に示す例においては、投影光発生部75からの光と対象物99で反射してプリズム72に導かれる光とが別々に示されているが、これは分かり易く説明するためのものであり、実際には両者の光が同軸上に導かれるようにハンドピース70が構成されている。
【0023】
合焦法の技術を用いて3次元形状を取得する場合、レンズ81と対象物99との間に設けられたパターン生成素子(図示せず)を通過した光が対象物99に投影される。レンズ81が同一直線(たとえば、図示上の直線L)上を往復直線運動すると、投影パターンの焦点位置が変化する。光学センサ71は、その変化ごとで対象物99からの光を検出する。上述した制御部40は、レンズ81の位置と、そのときの光学センサ71による検出結果とに基づいて、対象物99の形状情報を演算する。
【0024】
レンズ81は、第1駆動部80によって駆動し、往復直線運動する。レンズ81が直線Lの方向(X軸方向)に往復直線運動すると、レンズ81の質量分だけハンドピース70の重心位置が移動することになり当該ハンドピース70を保持するユーザの手に振動として伝わる。その振動を打ち消すために、ハンドピース70は、ハウジング77の内部において、カウンタウェイト91をさらに設ける。カウンタウェイト91は、第2駆動部90によって駆動し、レンズ81と相対する方向に往復直線運動する。
【0025】
カウンタウェイト91は、対象物99とレンズ81との間の光路、およびレンズ81と光学センサ71との間の光路を遮らないように、X軸方向における投影光発生部75の背面側に設けられている。
【0026】
具体的には、図2(B)に示すように、ハンドピース70は、ハウジング77内において、当該ハンドピース70の前方に位置する第1収容部501と、当該ハンドピース70の後方に位置する第2収容部502とが設けられている。第1収容部501には、レンズ81が収容され、第2収容部502には、カウンタウェイト91が収容される。さらに、ハンドピース70は、第1収容部501と第2収容部502との間において、第1収容部501によって保持されたレンズ81と第2収容部502によって保持されたカウンタウェイト91とを連結する連結収容部500が設けられている。連結収容部500には、上述した光学センサ71、プリズム72、および投影光発生部75が収容されている。
【0027】
図3は、実施の形態に係る3次元スキャナ100においてレンズ81とカウンタウェイト91との位置関係を説明するための模式図である。なお、図3に示す例では、ハウジング77が省略されている。図3に示すように、レンズ81は、直線Lに平行なリニアガイド60によって、直線Lの方向に往復直線運動するように支持されている。
【0028】
さらに、第1駆動部80は、可動子に保持されたレンズ81を磁気回路構成85によって直線Lの方向に往復直線運動させる。つまり、第1駆動部80は、リニアモータで構成されている。
【0029】
カウンタウェイト91は、レンズ81の直線運動方向の直線L上に設けられかつ当該レンズ81と同じ質量を有する錘である。カウンタウェイト91は、直線Lに平行なリニアガイド65によって、直線Lの方向に往復直線運動するように支持されている。実施の形態においては、リニアガイド60とリニアガイド65とは異なる部材であるが、リニアガイド60とリニアガイド65とを一つながりの部材で構成してもよい。
【0030】
さらに、第2駆動部90は、可動子に保持されたカウンタウェイト91を磁気回路構成95によって直線Lの方向に往復直線運動させる。つまり、第2駆動部90は、リニアモータで構成されている。
【0031】
なお、リニアモータである第1駆動部80および第2駆動部90の具体的な構成は、後述する。なお、以下では、第1駆動部80および第2駆動部90をまとめて単に「リニアモータ」ともいう。第1駆動部80および第2駆動部90のそれぞれは、制御部40によって制御される。なお、実施の形態においては、第1駆動部80および第2駆動部90が共通の制御部40によってそれぞれ制御されるが、第1駆動部80および第2駆動部90が互いに異なる制御部によってそれぞれ制御されてもよい。
【0032】
第1駆動部80によって、レンズ81が光軸となる直線Lの方向に往復直線運動すると、第2駆動部90によって、カウンタウェイト91は、レンズ81と相対する方向にレンズ81と同じ距離だけ往復直線運動する。たとえば、レンズ81が対象物99に近づく方向に直線L上を10mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99から遠ざかる方向に直線L上を10mm移動する。また、レンズ81が対象物99から遠ざかる方向に直線L上を15mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99に近づく方向に直線L上を15mm移動する。
【0033】
このように、レンズ81と相対する方向に当該レンズ81と同じ距離だけカウンタウェイト91が往復直線運動することで、レンズ81の往復直線運動に起因するハンドピース70の重心の偏りを相殺することができる。これにより、カウンタウェイト91によって、レンズ81の往復直線運動による振動を打ち消すことができる。
【0034】
[リニアモータの構成]
次に、リニアモータの具体的な構成について図面を用いて説明する。図4は、実施の形態に係るリニアモータ801の斜視図である。図5は、実施の形態に係るリニアモータ801の分解斜視図である。図6(A)は支持部180と保持部160との間の嵌合について説明するための模式図である。図6(B)は支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。図6(C)は支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。図7は、実施の形態に係るリニアモータ801のX-Y断面での断面図である。なお、図4図7に示す例では、リニアモータのうち、第1駆動部80に対応するリニアモータ801の構成を説明するが、第2駆動部90に対応するリニアモータの構成もリニアモータ801の構成と同様である。すなわち、第2駆動部90に対応するリニアモータの場合、図4図7に示す例において、レンズ81がカウンタウェイト91に置き換えられるが、その他の構成はリニアモータ801の構成と同様である。
【0035】
リニアモータ801は、ヨーク51、コイル52、および永久磁石53を含む磁気回路構成85を有している。また、リニアモータ801は、レンズ81の外周を取り囲むようにして、レンズ81を保持する可動子190を有し、可動子190の図中上下に永久磁石53が設けられている。なお、永久磁石53に対向する位置に配置されているヨーク51およびコイル52の部分がリニアモータ801の固定子を構成している。永久磁石53は、たとえば、N極53aがX軸の正方向、S極53bがX軸の負方向に向くように配置して可動子190に固定している。
【0036】
可動子190は、直線運動方向に開口部を有し、当該開口部にレンズ81(光学部品)を保持しているので、対象物99と光学センサ71との間の光路が当該開口部を通ることになる。レンズ81を保持している可動子190の一端には、バネ55aが当接し、可動子190の他端には、バネ55bが当接している。
【0037】
図7に示すように、リニアモータ801は、可動子190の外周部に、レール57およびブロック56で構成されるリニアガイド60が2つ平行に設けられている。2つのリニアガイド60は、可動子190の外周側で互いに異なる位置に配置されている。
【0038】
より具体的には、2つのリニアガイド60は、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る光軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。
【0039】
リニアガイド60は、ブロック56と、レール57とを含む。ブロック56は、可動子190およびレンズ81を支持するとともにレール57に嵌合しており、レール57に沿って直線方向に移動することで、レンズ81を往復直線運動させる。ブロック56には、レール57の接続面との間において、グリスなどの粘性を有する潤滑剤が塗布されてもよいし、ボールやローラなどの転がり軸受が設けられてもよい。
【0040】
さらに、バネ55aおよびバネ55bは、図5に示すように、レンズ81の中心部における光路を遮らないように当該レンズ81の外周を取り囲むように設けられている。バネ55aおよびバネ55bは、弾性部材の一実施の形態に対応する。バネ55aおよびバネ55bには、コイルバネなどが適用される。なお、弾性部材には、バネに限らず、ゴムなど、力を加えたときに変形する一方で力を除いたときには元に戻るものであればいずれの部材が適用されてもよい。
【0041】
バネ55aおよびバネ55bは、それぞれ、その一端が可動子190に当接し、その他端はリニアモータ801の筐体59で固定されている。さらに、バネ55aおよびバネ55bは、X方向の変形が許容され、Y-Z方向に変形し難くなるように筐体59内で保持されている。このように配置されたバネ55aおよびバネ55bによって、可動子190に対して直線運動方向に弾性力が与えられる。バネ55aおよびバネ55bのそれぞれの直径は、レンズ81を通る光路を遮らないようにレンズ81の直径と略同じでることが好ましい。
【0042】
レンズ81は、可動子190とともに、支持部180および保持部160を介してリニアガイド60によって往復直線運動可能に支持されている。具体的には、レンズ81を保持する可動子190の一部には、保持部160が設けられている。レール57上を移動するブロック56の一部には、支持部180がネジ止めされている。支持部180と、保持部160とは嵌合している。
【0043】
支持部180と、保持部160との間の嵌合について、図6を参照しながら具体的に説明する。図6(A)は、支持部180と保持部160との間の嵌合について説明するための模式図である。図6(B)は、支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。図6(C)は、支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。
【0044】
図6(A)に示すように、支持部180は、支持部本体181と、支持部本体181に形成されたネジ穴182およびネジ穴183と、支持部本体181からY軸方向に外部(保持部160側)に突出する凸部184とを有する。支持部180は、ネジ穴182およびネジ穴183を介して、ブロック56にネジ止めされている。保持部160は、保持部本体161と、保持部本体161の内部に形成された凹部164とを有する。保持部160は、可動子190の側面に設けられている。
【0045】
図6(B)および図6(C)に示すように、凸部184は、X-Z断面が円形または略円形であって、Y-Z断面がY方向に細長い長方形の円柱形状を有する部材である。これに対して、凹部164は、X-Z断面が円形または略円形であって、Y-Z断面がY方向に細長い長方形の円柱形状を有する窪み(空間)である。凸部184は、凹部164に嵌合するようになっている。凸部184と凹部164との間においては、グリスなどの粘性を有する潤滑剤が塗布されている。
【0046】
このように、リニアガイド60側にネジ止めされた支持部180と、可動子190側に設けた保持部160とが嵌合することで、レンズ81を含む可動子190が、レール57に沿って往復直線運動することができる。
【0047】
凹部164は、凸部184よりも、X-Z断面における円の半径、およびY-Z断面におけるY方向の長さが大きい。具体的には、図6(B)に示すように、凹部164のX-Z断面における円の半径164Rは、凸部184のX-Z断面における円の半径184Rよりも大きい。また、図6(C)においては、凸部184が凹部164に完全に嵌合している状態が示されているが、凹部164のY-Z断面におけるY方向の長さ164Lは、凸部184のY-Z断面におけるY方向の長さ184Lよりも大きい。このため、凸部184と凹部164とが、遊びをもって嵌合するようになっている。
【0048】
たとえば、凸部184が凹部164に嵌合した状態では、X-Z断面においては、凹部164の半径164Rと凸部184の半径184Rとの差D1がクリアランスとして存在し、Y-Z断面においては、凹部164のY方向の長さ164Lと凸部184のY方向の長さ184Lとの差D2がクリアランスとして存在する。
【0049】
このため、製造上のバラツキなどにより、凸部184の半径184Rや凹部164の半径164Rに一定以上のバラツキが生じたとしても、僅かな隙間である差D1の範囲内のバラツキ、例えば、0.01mm~0.1mmであれば、組立上の誤差を吸収することができる。また、製造上のバラツキなどにより、凸部184のY方向の長さ184Lや凹部164のY方向の長さ164Lに一定以上のバラツキが生じたとしても、差D2の範囲内のバラツキであれば、組立上の誤差を吸収することができる。
【0050】
さらに、凹部164の半径164Rと凸部184の半径184Rとの差D1よりも、凹部164のY方向の長さ164Lと凸部184のY方向の長さ184Lとの差D2の方が大きくなるように、凸部184と凹部164とにおける遊びが設けられている。このため、凸部184が凹部164に嵌合した状態において、凸部184は、X方向やZ方向よりも、Y方向の方がより動き易くなっている。
【0051】
このように、可動子190とリニアガイド60との間において、リニアガイド60側に設けられた支持部180と、可動子190側に設けられた保持部160とが、遊びをもって嵌合する。これにより、可動子190とリニアガイド60との間の嵌合において適度なクリアランスを設けることができ、組立上の誤差を吸収することができる。その結果、3次元スキャナ100の組立上の誤差の影響をレンズ81の往復直線運動に対して極力生じさせないようにすることができる。
【0052】
このように、支持部180と保持部160とを遊びをもって嵌合することで、可動子190をリニアガイド60に取り付けてある。そのため、レンズ81をリニアガイド60に沿って往復直線運動させることに起因して、支持部180(Y軸)まわりに生じる力のモーメントによりレンズ81を保持する可動子190が傾く場合がある。具体的に、可動子190は、図3において図中右側に移動した場合、支持部180まわりに反時計回りのモーメントが生じて右側が上になるように傾き、逆に、可動子190は、図3において図中左側に移動した場合、支持部180まわりに時計回りのモーメントが生じて右側が下になるように傾く場合がある。また、術者がハンドピース70を操作して、支持部180まわりの外的モーメントの負荷をリニアモータ801に与えた場合に可動子190が傾く場合がある。
【0053】
可動子190の傾きは、リニアモータ801の駆動状況によって変動することになる。そのため、可動子190に保持したレンズ81も傾くことになる。3次元スキャナ100において、レンズ81の傾きによる計測誤差を補正するためキャリブレーションを行うが、リニアモータ801の駆動状況によってレンズ81の傾きが変化すると計測精度が劣化する虞があった。
【0054】
そこで、実施の形態に係るリニアモータ801では、駆動状況によって可動子190の傾きが変動しない構成を採用している。図8は、実施の形態に係る永久磁石53の配置、可動子190の傾きについて説明するための図である。なお、図8(a)は、リニアモータ801の側面図を示し、図8(b)は、リニアモータ801の断面図を示している。リニアモータ801では、図8(a)に示すように、保持部160に対して非対称となる位置で永久磁石53を可動子190に取り付ける。具体的に、図8(a)に示す上側の永久磁石53は、各々の保持部160からN極53aまでの距離L1より、各々の保持部160からS極53bまでの距離L2の方が長く(L1<L2)なるように配置し、下側の永久磁石53は、各々の保持部160からN極53aまでの距離L3より、各々の保持部160からS極53bまでの距離L4の方が短く(L4<L3)なるように配置する。たとえば、上側の永久磁石53は、図中左側に0.5mm移動させ、下側の永久磁石53は、図中右側に0.5mm移動させる。
【0055】
そのため、永久磁石53とコイル52との間で磁気吸引力に不釣り合いが生じ、上側の永久磁石53はS極53bがコイル52に近づき、下側の永久磁石53はN極53aがコイル52に近づくような力が常に働くことになる。なお、図8(a)に示す矢印の大きさは、磁気吸引力の大きさを表している。つまり、リニアモータ801では、保持部160に対して非対称となる位置に永久磁石53を取り付けることで支持部180まわりに時計回りのモーメント(図8(a)に示す矢印方向のモーメント)が生じ、可動子190の右側が下になるように傾く力が常に働いている。したがって、リニアモータ801では、駆動状況によらず、常に可動子190の右側が下になるよう傾きで駆動することになる。
【0056】
このリニアモータ801を採用した3次元スキャナ100では、リニアモータ801の駆動状況によって可動子190の傾きが変化しないので、計測前にキャリブレーションを行えば、高い計測精度で口腔内の歯および周辺軟組織の3次元の形状データを取得することができる。なお、図8(a)に示すリニアモータ801では、可動子190を常に右側が下になるように傾けたが、永久磁石53を逆方向に移動させれば、可動子190を常に左側が下になるように傾けることができる。つまり、リニアモータ801では、保持部160に対して非対称となる位置で永久磁石53を可動子190に取り付けることで、可動子190を所望の方向に安定して傾けることができる。
【0057】
カウンタウェイト91を往復直線運動させるリニアモータについても、リニアモータ801と同様に構成を採用してもよい。しかし、リニアモータ801は、可動子190にレンズ81を保持しているので、可動子190の傾きがレンズ81の光軸に影響を与えるが、カウンタウェイト91を往復直線運動させるリニアモータは、可動子の傾きが計測の光路に影響を与えない。そのため、カウンタウェイト91を往復直線運動させるリニアモータは、リニアモータ801と同様に構成を採用しなくても計測精度に影響を与えない。
【0058】
[変形例]
本開示は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本開示に適用可能な変形例について説明する。
【0059】
前述のリニアモータ801の構成は一例であり、バネの数およびその配置場所、さらに、リニアガイドの数およびその配置場所は、ハンドピース内のスペースを考慮して適宜組み合わせて設計可能である。また、リニアモータ801では、図5に示すように、永久磁石53と、永久磁石53に対向する位置に配置されたコイル52との組み合わせを、可動子190の上下に2つ有しているが、いずれか一方でも、3つ以上有してもよい。
【0060】
前述の実施の形態においては、可動子190に向けて突出した凸部184を有する支持部180をリニアガイド60側に設け、凸部184と嵌合する凹部164を有する保持部160を可動子190側に設けているが、支持部180を可動子190側に設け、保持部160をリニアガイド60側に設けてもよい。また、凸部184および凹部164の形状は、円柱形状に限定されず、その他の形状であってもよい。たとえば、凸部184は、可動子190側に向けて外部に突出した球の形状を有し、凹部164は、球の形状の窪みを有してもよい。
【0061】
実施の形態においては、医療用診療装置の1つの例示として3次元スキャナについて説明したが、医療用診療装置は他の用途にも適用可能である。たとえば、医療用診療装置として、切削工具(たとえば、スケーラ―チップ、根管治療用ファイルなど)を用いて対象物を切ったり削り取ったりする切削装置がある。
【0062】
図9は、変形例に係る医療用診療装置である切削装置370の構成を示す模式図である。図9に示すように、切削装置370は、筐体375と、切削工具385と、切削工具385を保持する切削保持部381と、切削保持部381を往復直線運動させる第1駆動部580と、切削保持部381の直線運動方向の直線上に設けられかつ切削保持部381と同じ質量を有するカウンタウェイト391と、カウンタウェイト391を往復直線運動させる第2駆動部590と、切削保持部381が往復直線運動するように切削保持部381を案内するリニアガイド360と、カウンタウェイト391が往復直線運動するようにカウンタウェイト391を案内するリニアガイド365と、第1駆動部580および第2駆動部590を制御する制御部340とを備えている。なお、カウンタウェイト391は、切削保持部381に切削工具385を加えた質量と同じ質量を有していてもよい。制御部340は、切削保持部381とカウンタウェイト391とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ往復直線運動するように第1駆動部580および第2駆動部590をそれぞれ制御する。
【0063】
このように、切削装置370においては、切削保持部381を往復直線運動させる第1駆動部580と、カウンタウェイト391を往復直線運動させる第2駆動部590とを、制御部340がそれぞれ独立して制御することによって、切削保持部381によって保持された切削工具385で物体(たとえば、歯)を切ったり削り取ったりしつつ、カウンタウェイト391によって切削保持部381の往復直線運動による残留振動を極力抑えることができる。
【0064】
なお、図9に示す切削装置370においては、制御部340が筐体375内に収納されているが、図1に示す3次元スキャナ100のように、制御部340が筐体375の外に配置されるとともに、配線によって第1駆動部580および第2駆動部590と接続されてもよい。
【0065】
また、医療用診療装置としては、口腔内や外耳内、または胃や腸などの消化器を撮影する医療用のカメラが適用されてもよい。この場合、リニアモータの可動子に保持する物体としてカメラのレンズを適用し、別の可動子にカウンタウェイトを適用してもよい。
【0066】
また、医療用診療装置としては、顕微鏡が適用されてもよい。この場合、リニアモータの可動子に保持する物体として顕微鏡内のレンズを適用し、別の可動子にカウンタウェイトを適用してもよい。
【0067】
さらに、医療用診療装置としては、レーザー光線を用いて図などの対象物を指し示すレーザーポインタや歯を切削するレーザー装置が適用されてもよい。この場合、リニアモータの可動子に保持する物体としてレンズを適用し、別の可動子にカウンタウェイトを適用してもよい。
【0068】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0069】
10 プローブ、20 接続部、30 光学計測部、40,340 制御部、45 電源、50 表示部、51 ヨーク、52 コイル、53 永久磁石、55a,55b バネ、56 ブロック、57 レール、60,65,360,365 リニアガイド、66 反射部、70 ハンドピース、71 光学センサ、72 プリズム、75 投影光発生部、77 ハウジング、80,580 第1駆動部、81 レンズ、85,95 磁気回路構成、90,590 第2駆動部、91,391 カウンタウェイト、99 対象物、100 3次元スキャナ、160 保持部、161 保持部本体、164 凹部、180 支持部、181 支持部本体、184 凸部、190 可動子、370 切削装置、375 筐体、381 切削保持部、385 切削工具、500 連結収容部、501 第1収容部、502 第2収容部、801 リニアモータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9