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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015643
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】現像カートリッジおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240130BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G21/16 120
G03G15/08 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117855
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃治
(72)【発明者】
【氏名】雨池 拓也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AB03
2H077AC04
2H077BA02
2H077BA08
2H077BA09
2H077GA04
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA13
2H171GA12
2H171HA11
2H171HA22
2H171JA06
2H171JA14
2H171KA05
2H171KA17
2H171KA18
2H171KA22
2H171KA23
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB38
(57)【要約】
【課題】現像カートリッジのトナー容量を大きくするとともに、現像カートリッジの交換作業を容易にすることを目的とする。
【解決手段】現像カートリッジ40は、画像形成装置の本体筐体に対して第1方向に移動するドロワに装着可能である。現像カートリッジ40は、トナー収容室41Aを有する筐体41と、筐体41の第2方向における一方側の端部に位置する現像ローラ42を備える。現像ローラ42は、第3方向に沿った第1軸X1を中心に回転可能である。筐体41は、筐体41の外表面から現像ローラ42に向かって凹む凹部F12と、凹部F12を形成し、第2方向に延びる第1壁W1と、第1壁W1と第1方向で向かい合う第2壁W2と、トナー収容室41A内に位置する第1ボスB1を有する。凹部F12は、筐体41の第2方向における他方側の端部における第3方向の中央に位置する。第1ボスB1は、第1壁W1から第2壁W2にわたって延びる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体筐体に対して第1方向に移動可能なドロワに装着可能な現像カートリッジであって、
トナーを収容するトナー収容室を有する筐体と、
前記筐体の第2方向における一方側の端部に位置する現像ローラであって、第3方向に沿った第1軸を中心にして回転可能な現像ローラと、を備え、
前記筐体は、
外表面から前記現像ローラに向かって凹む凹部であって、前記筐体の前記第2方向における他方側の端部における前記第3方向の中央に位置する凹部と、
前記凹部を形成する第1壁であって、前記第2方向に延びる第1壁と、
前記第1壁と前記第1方向において向かい合う第2壁であって、前記トナー収容室を形成する第2壁と、
前記トナー収容室内に位置する第1ボスであって、前記第1壁から前記第2壁にわたって延びる第1ボスと、を有することを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項2】
前記筐体は、
前記凹部および前記第1壁を有する第1フレームであって、前記トナー収容室に対して前記第1方向の一方側に位置する第1フレームと、
前記第2壁を有する第2フレームであって、前記第1フレームの前記第1方向の他方側に位置し、前記第1フレームとともに前記トナー収容室を形成する第2フレームと、を有することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記第1ボスは、前記第1壁から延び、前記第2壁に接触することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記第1ボスは、前記第2壁に溶着されていることを特徴とする請求項3に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記筐体は、前記第1ボスを複数有することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項6】
複数の前記第1ボスは、前記第3方向において並んでいることを特徴とする請求項5に記載の現像カートリッジ。
【請求項7】
前記現像カートリッジは、前記第3方向に沿った第2軸を中心にして回転可能なアジテータを備え、
前記第1ボスは、前記第2軸よりも前記第2方向の他方側に位置することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項8】
前記アジテータは、前記筐体の内面と接触可能なフィルムを備え、
前記フィルムは、前記第3方向において前記第1ボスに対応した位置に凹みまたはスリットを有することを特徴とする請求項7に記載の現像カートリッジ。
【請求項9】
前記筐体は、前記トナー収容室にトナーを充填するためのトナー充填口を有し、
前記第1ボスは、前記第3方向から見て、前記トナー充填口と重なることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項10】
前記筐体は、
前記第1壁よりも前記第2方向の一方側に位置する第3壁と、
前記第3壁と前記第1方向において向かい合う第4壁と、
前記第3壁から前記第4壁にわたって延びる第2ボスと、を有することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項11】
前記筐体は、前記第1ボスを複数有し、
前記第2ボスは、前記第3方向において2つ設けられ、
複数の前記第1ボスは、前記第3方向において2つの前記第2ボスの間に位置することを特徴とする請求項10に記載の現像カートリッジ。
【請求項12】
前記筐体は、
前記凹部を形成する第5壁であって、前記第1壁の前記第2方向における一方側の端部から前記第1方向の一方側に延びる第5壁と、
前記第1壁のうち前記第5壁に対して前記第2方向の他方側に離れた位置から前記第1方向の一方側に突出する突起と、を有することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項13】
前記筐体は、前記第2壁から前記トナー収容室とは反対側に突出する複数の凸部を有する滑り止め部を有し、
前記滑り止め部は、前記第1方向から見て、前記凹部と重なることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項14】
前記第2壁は、前記第1方向において前記トナー収容室とは反対側の面である外面を有し、
前記外面は、前記第2方向の他方側に向かうにつれて前記第1方向の一方側に位置するように傾斜することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項15】
前記凹部は、前記第1方向から見て、前記トナー収容室と重なることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項16】
前記第2フレームは、
前記第2壁の前記第2方向における他方側の端部から前記第1フレームに向かって延びて前記第1フレームと接触する第6壁を有することを特徴とする請求項2に記載の現像カートリッジ。
【請求項17】
前記筐体は、
前記第2方向における他方側の端に位置する平面であって、前記第3方向の一端から他端まで延びる平面を有し、
前記凹部は、前記平面から凹んでいることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項18】
前記筐体は、
前記凹部を形成する第1面であって、前記第2方向に延びる第1面と、
前記凹部を形成する第2面であって、前記第1面の前記第2方向における一方側に位置し、前記第1方向に延びる第2面と、を有し、
前記第1面は、当該第1面に垂直な方向において前記筐体の外に開放され、
前記第2面は、当該第2面に垂直な方向において前記筐体の外に開放されていることを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項19】
前記凹部は、前記第2方向の他方側および前記第1方向の一方側の両方からユーザの指が挿入可能であって、前記第2フレームに対して前記第1方向に離れており、
前記凹部と前記第2フレームの間隔の長さは、前記第1壁の前記第1方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項2に記載の現像カートリッジ。
【請求項20】
前記第2方向は、前記第1方向と直交し、
前記第3方向は、前記第1方向および前記第2方向と直交することを特徴とする請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項21】
本体筐体と、
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の現像カートリッジと、
前記現像カートリッジが装着可能なドロワであって、前記本体筐体の内部に位置する第1位置と、前記本体筐体の内部から引き出された第2位置との間で第1方向に移動可能なドロワと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
前記現像カートリッジとして、
第1現像カートリッジと、
前記第1現像カートリッジに対して前記第1方向の一方側に位置する第2現像カートリッジと、を有し、
前記第1現像カートリッジの前記凹部は、前記第2現像カートリッジの前記第2壁と、前記第1方向において向かい合うことを特徴とする請求項21に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本体筐体から引出可能なドロワに装着可能な現像カートリッジと、当該現像カートリッジを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像カートリッジとして、現像カートリッジの交換時にユーザが掴むためのハンドルを備えたものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1におけるハンドルは、現像カートリッジの筐体から上方へ突出している。また、従来、現像カートリッジの筐体から上方へ突出するハンドルを設けずに、トナーを収容する現像カートリッジの筐体をユーザが掴む構成が知られている(特許文献2参照)。具体的に、この技術では、筐体の一方側の面と他方側の面に、複数の凸からなる滑り止め部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116854号公報
【特許文献2】特開2006-154744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが現像カートリッジの筐体を掴む構成では、トナー容量をさらに大きくすべく、筐体をさらに大きくした場合には、ユーザが筐体を掴みにくくなり、現像カートリッジの交換作業がやりにくくなるという問題がある。また、トナー容量を大きくした場合、現像カートリッジが重くなるため、現像カートリッジの交換時にユーザが筐体を掴む力が大きくなり、筐体が撓みやすくなる。筐体が撓むと、筐体の中のトナーが外に漏れる虞がある。
【0005】
そこで、本開示は、現像カートリッジのトナー容量を大きくするとともに、現像カートリッジの交換作業を容易にし、更に筐体が撓むことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本願の第1の開示に係る現像カートリッジは、画像形成装置の本体筐体に対して第1方向に移動可能なドロワに装着可能な現像カートリッジである。
現像カートリッジは、トナーを収容するトナー収容室を有する筐体と、筐体の第2方向における一方側の端部に位置する現像ローラと、を備える。
現像ローラは、第3方向に沿った第1軸を中心にして回転可能である。
筐体は、凹部と、第1壁と、第2壁と、第1ボスと、を有する。
凹部は、筐体の外表面から現像ローラに向かって凹む。凹部は、筐体の第2方向における他方側の端部における第3方向の中央に位置する。
第1壁は、凹部を形成する壁である。第1壁は、第2方向に延びる。
第2壁は、第1壁と第1方向において向かい合う。第2壁は、トナー収容室を形成する。
第1ボスは、トナー収容室内に位置する。第1ボスは、第1壁から第2壁にわたって延びる。
【0007】
第1の開示の構成によれば、従来のように筐体から第2方向に突出するハンドルを有する現像カートリッジに比べ、筐体を第2方向に大きくすることができるので、トナー容量を大きくすることができる。また、ユーザが凹部内に指を入れることでトナー容量の大きな筐体を挟み込むように掴むことができるので、現像カートリッジを容易に交換することができる。また、ユーザが第1壁と第2壁を挟み込むように強い力で掴んだ場合であっても、第1壁から第2壁にわたって延びる第1ボスによって筐体が撓んでしまうのを抑制することができる。
【0008】
また、本願の第2の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、凹部および第1壁を有する第1フレームと、第2壁を有する第2フレームと、を有していてもよい。
第1フレームは、トナー収容室に対して第1方向の一方側に位置していてもよい。
第2フレームは、第1フレームの第1方向の他方側に位置し、第1フレームとともにトナー収容室を形成してもよい。
【0009】
また、本願の第3の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、第1ボスは、第1壁から延び、第2壁に接触していてもよい。
【0010】
また、本願の第4の開示は、第3の開示の現像カートリッジにおいて、第1ボスは、第2壁に溶着されていてもよい。
【0011】
また、本願の第5の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第1ボスを複数有していてもよい。
【0012】
また、本願の第6の開示は、第5の開示の現像カートリッジにおいて、複数の第1ボスは、第3方向において並んでいてもよい。
【0013】
また、本願の第7の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、現像カートリッジは、第3方向に沿った第2軸を中心にして回転可能なアジテータを備えていてもよい。
第1ボスは、第2軸よりも第2方向の他方側に位置していてもよい。
【0014】
また、本願の第8の開示は、第7の開示の現像カートリッジにおいて、アジテータは、筐体の内面と接触可能なフィルムを備え、フィルムは、第3方向において第1ボスに対応した位置に凹みまたはスリットを有していてもよい。
【0015】
第8の開示の構成によれば、アジテータの回転時に、フィルムが第1ボスと接触して大きく変形するのを抑制することができる。
【0016】
また、本願の第9の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、トナー収容室にトナーを充填するためのトナー充填口を有し、第1ボスは、第3方向から見て、トナー充填口と重なっていてもよい。
【0017】
また、本願の第10の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第1壁よりも第2方向の一方側に位置する第3壁と、第3壁と第1方向において向かい合う第4壁と、第3壁から第4壁にわたって延びる第2ボスと、を有していてもよい。
【0018】
第10の開示の構成によれば、第1ボスと第2ボスによって筐体の変形を抑制することができる。
【0019】
また、本願の第11の開示は、第10の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第1ボスを複数有し、第2ボスは、第3方向において2つ設けられ、複数の第1ボスは、第3方向において2つの第2ボスの間に位置していてもよい。
【0020】
また、本願の第12の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第5壁と、突起と、を有していてもよい。
第5壁は、凹部を形成する壁であり、第1壁の第2方向における一方側の端部から第1方向の一方側に延びていてもよい。
突起は、第1壁のうち第5壁に対して第2方向の他方側に離れた位置から第1方向の一方側に突出していてもよい。
【0021】
第12の開示の構成によれば、突起に指を引っ掛けることができるので、現像カートリッジの取り外し作業を容易にすることができる。
【0022】
また、本願の第13の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第2壁からトナー収容室とは反対側に突出する複数の凸部を有する滑り止め部を有し、滑り止め部は、第1方向から見て、凹部と重なっていてもよい。
【0023】
第13の開示の構成によれば、滑り止め部によって、現像カートリッジの取り外し作業を容易にすることができる。
【0024】
また、本願の第14の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、第2壁は、第1方向においてトナー収容室とは反対側の面である外面を有し、外面は、第2方向の他方側に向かうにつれて第1方向の一方側に位置するように傾斜していてもよい。
【0025】
第14の開示の構成によれば、第2壁の外面が傾斜することで、現像カートリッジの第1方向の他方側に配置される部材と外面との間に指を入れるスペースを作ることができるので、現像カートリッジの取り外し作業を容易にすることができる。
【0026】
また、本願の第15の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、凹部は、第1方向から見て、トナー収容室と重なっていてもよい。
【0027】
また、本願の第16の開示は、第2の開示の現像カートリッジにおいて、第2フレームは、第2壁の第2方向における他方側の端部から第1フレームに向かって延びて第1フレームと接触する第6壁を有していてもよい。
【0028】
また、本願の第17の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、第2方向における他方側の端に位置する平面であって、第3方向の一端から他端まで延びる平面を有し、凹部は、平面から凹んでいてもよい。
【0029】
また、本願の第18の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、筐体は、凹部を形成する第1面であって、第2方向に延びる第1面と、凹部を形成する第2面であって、第1面の第2方向における一方側に位置し、前記第1方向に延びる第2面と、を有していてもよい。
第1面は、当該第1面に垂直な方向において筐体の外に開放されていてもよい。
第2面は、当該第2面に垂直な方向において筐体の外に開放されていてもよい。
【0030】
また、本願の第19の開示は、第2の開示の現像カートリッジにおいて、凹部は、第2方向の他方側および第1方向の一方側の両方からユーザの指が挿入可能であって、第2フレームに対して第1方向に離れていてもよい。
凹部と第2フレームの間隔の長さは、第1壁の第1方向における長さよりも長くてもよい。
【0031】
また、本願の第20の開示は、第1の開示の現像カートリッジにおいて、第2方向は、第1方向と直交し、第3方向は、第1方向および第2方向と直交していてもよい。
【0032】
また、本願の第21の開示に係る画像形成装置は、第1から第20のいずれか1つの開示の現像カートリッジと、本体筐体と、現像カートリッジが装着可能なドロワであって、本体筐体の内部に位置する第1位置と、本体筐体の内部から引き出された第2位置との間で第1方向に移動可能なドロワと、を備えていてもよい。
【0033】
また、本願の第22の開示は、第21の開示の画像形成装置において、画像形成装置は、現像カートリッジとして、第1現像カートリッジと、第1現像カートリッジに対して第1方向の一方側に位置する第2現像カートリッジと、を有していてもよい。
第1現像カートリッジの凹部は、第2現像カートリッジの第2壁と、第1方向において向かい合っていてもよい。
【0034】
第22の開示の構成によれば、第2現像カートリッジを取り外す際に、指が第1現像カートリッジと干渉するのを第1現像カートリッジの凹部によって抑制することができる。
【発明の効果】
【0035】
本開示によれば、現像カートリッジのトナー容量を大きくするとともに、現像カートリッジの交換作業を容易にし、更に筐体が撓むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】画像形成装置を示す図である。
図2】筐体本体からドロワを引き出した状態を示す図である。
図3】現像カートリッジを示す断面図である。
図4】現像カートリッジを示す斜視図である。
図5】アジテータと第1ボスの関係を示す斜視図である。
図6】フィルムと第1ボスの関係を示す図である。
図7】変形例に係るフィルムと第1ボスの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、プロセスユニット20とを備える。なお、図1では、便宜上、本体筐体10の大きさを小さく図示している。
【0038】
プロセスユニット20は、ドロワ30と、4つの現像カートリッジ40とを備えている。なお、本実施形態では、本体筐体10の前後方向を「第1方向」とし、前後方向に直交する上下方向を「第2方向」とし、前後方向および上下方向に直交する左右方向を「第3方向」とする。また、図面における各方向を示す矢印の向きは、各方向における「一方側」を指し、矢印の向きとは反対の向きは、各方向における「他方側」を指すこととする。
【0039】
ドロワ30は、図1に示す第1位置と、図2に示す第2位置との間で第1方向に移動可能となっている。ドロワ30は、第1位置に位置するとき、本体筐体10の内部に位置する。ドロワ30は、第2位置に位置するとき、本体筐体10の内部から外部に引き出されている。ドロワ30は、ドロワフレーム31と、4つの感光ドラム32と、4つの帯電器33と、4つのクリーニングローラ34とを備えている。
【0040】
4つの現像カートリッジ40には、それぞれ異なる色のトナーが収容されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した現像カートリッジ40を特定する場合には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれに対応させて、Y,M,C,Kの記号を付することとする。つまり、現像カートリッジ40Yは、イエローのトナーを収容する現像カートリッジであり、現像カートリッジ40Mは、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジであり、現像カートリッジ40Cは、シアンのトナーを収容する現像カートリッジであり、現像カートリッジ40Kは、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジである。
【0041】
図2に示すように、現像カートリッジ40は、第2方向においてドロワ30に装着可能となっている。なお、現像カートリッジ40の装着方向は、第2方向に平行な方向に限らず、第2方向から若干傾いた方向であってもよい。
【0042】
図3および図4に示すように、現像カートリッジ40は、筐体41と、現像ローラ42と、供給ローラ43と、層厚規制ブレード44と、アジテータ45と、カップリング46と、を備えている。カップリング46は、本体筐体10に設けられたモータからの駆動が伝達されるものである。カップリング46は、本体筐体10のモータから伝達された駆動力を現像ローラ42およびアジテータ45に伝達する。カップリング46は、第3方向において、後述するトナー充填口F14と同じ一方側の側面に設けられる。
【0043】
現像ローラ42は、感光ドラム32にトナーを供給するローラである。現像ローラ42は、第3方向に沿った第1軸X1を中心にして回転可能となっている。現像ローラ42は、筐体41の第2方向における一方側の端部に位置する。
【0044】
供給ローラ43は、現像ローラ42にトナーを供給するローラである。層厚規制ブレード44は、現像ローラ42上のトナーの層厚を規制する部材である。層厚規制ブレード44は、現像ローラ42に先端が接触するブレード44Aと、ブレード44Aを保持するホルダ44Bとを備えている。
【0045】
アジテータ45は、筐体41内のトナーを撹拌する部材である。アジテータ45は、第3方向に沿った第2軸X2を中心にして回転可能となっている。アジテータ45は、フィルム45Aと、フィルム45Aを保持するホルダ45Bとを備えている。
【0046】
ホルダ45Bは、第2軸X2を中心にして筐体41に回転可能に支持されている。フィルム45Aは、ホルダ45Bから筐体41の内面に向けて延出し、筐体41の内面と接触可能となっている。
【0047】
筐体41は、トナーを収容するトナー収容室41Aを有する。筐体41は、第1フレームF1と、第2フレームF2とを有している。
【0048】
第1フレームF1は、トナー収容室41Aに対して第1方向の一方側に位置する。第2フレームF2は、第1フレームF1の第1方向の他方側に位置する。第2フレームF2は、第1フレームF1とともにトナー収容室41Aを形成する。第1フレームF1は、第2フレームF2に溶着されている。また、第1フレームF1は、第2フレームF2にネジによって固定されていてもよい。
【0049】
第1フレームF1の第1方向における長さは、第2フレームF2の第1方向における長さよりも長い。図4に示すように、第1フレームF1は、第2方向における他方側の端に位置する平面F11を有する。平面F11は、第1フレームF1の第3方向の一端から他端まで延びる。平面F11は、第1フレームF1の外表面F15の一部である。
【0050】
第1フレームF1は、平面F11に対して凹んだ凹部F12を有する。凹部F12は、第1フレームF1の第2方向における他方側の端部における第3方向の中央に位置する。
【0051】
凹部F12は、第1フレームF1の外表面F15から現像ローラ42に向かって凹むとともに、第2フレームF2に向かって凹む。これにより、凹部F12は、第2方向の他方側および第1方向の一方側の両方からユーザの指が挿入可能となっている。
【0052】
図3に示すように、凹部F12は、第1方向から見て、トナー収容室41Aと重なっている。第1フレームF1は、第1壁W1と、第3壁W3と、第5壁W5と、第1ボスB1と、第2ボスB2と、突起F13とを有する。
【0053】
第1壁W1および第5壁W5は、凹部F12を形成する壁である。第1壁W1は、第2方向および第3方向に延びる。第1壁W1の大部分は、平面F11から第2方向の一方側に延びている。第1壁W1の一部は、平面F11から第2方向の他方側にわずかに突出する。
【0054】
第5壁W5は、第1壁W1の第2方向における一方側の端部から第1方向の一方側に延びる。突起F13は、第1壁W1のうち第5壁W5に対して第2方向の他方側に離れた位置から第1方向の一方側に突出する。詳しくは、突起F13は、第1壁W1の第2方向における他方側の端部から第1方向の一方側に延びる。突起F13の第1方向の長さは、第5壁W5の第1方向の長さより小さい。
【0055】
第1壁W1は、凹部F12を形成する第1面W11を有する。第5壁W5は、凹部F12を形成する第2面W51を有する。第1面W11および第2面W51は、それぞれ平面である。第1面W11は、第2方向および第3方向に延びる。第2面W51は、第1面W11に対して第2方向の一方側、かつ、第1方向の一方側に位置する。第2面W51は、第1方向および第3方向に延びる。
【0056】
第1面W11は、当該第1面W11に垂直な方向において筐体41の外に開放されている。第2面W51は、当該第2面W51に垂直な方向において筐体41の外に開放されている。言い換えると、現像カートリッジ40は、第1面W11を、当該第1面W11に垂直な方向、かつ、トナー収容室41Aから離れる方向に投影した領域内に配置される部分を有さない。また、現像カートリッジ40は、第2面W51を、当該第2面W51に垂直な方向、かつ、トナー収容室41Aから離れる方向に投影した領域内に配置される部分を有さない。
【0057】
凹部F12は、第2フレームF2に対して第1方向に離れている。凹部F12と第2フレームF2の第1方向における間隔Dの長さは、第1壁W1の第1方向における長さよりも長い。詳細には、凹部F12の第1方向における他方側の端と第2フレームF2の第1方向における一方側の端との間の第1方向における長さは、第1壁W1の第1方向における長さよりも長い。また、間隔Dの第1方向における長さは、現像ローラ42の直径よりも長い。また、間隔Dの第1方向における長さは、供給ローラ43の直径よりも長い。
【0058】
第1ボスB1は、第1壁W1から第2フレームF2、詳しくは後述する第2壁W2にわたって第1方向に延びている。第1ボスB1は、第1壁W1から第1方向の他方側に延び、第2壁W2に接触している。第1ボスB1は、第2壁W2に溶着されている。図5に示すように、第1ボスB1は、第1方向の一方側の端から第1方向の他方側の端に向かって徐々に直径が小さくなる、円錐形状を有する。
【0059】
第1ボスB1は、トナー収容室41A内に位置する。第1ボスB1は、第2軸X2よりも第2方向の他方側に位置する。
【0060】
第1フレームF1は、トナー収容室41Aにトナーを充填するためのトナー充填口F14をさらに有する。図5に示すように、トナー充填口F14は、第1フレームF1の第3方向における一方側の側壁に形成されている。第1ボスB1は、第3方向から見て、トナー充填口F14と重なっている。
【0061】
第3壁W3は、第1壁W1よりも第2方向の一方側に位置する。詳しくは、第3壁W3は、第2方向において第1軸X1と第2軸X2の間に位置する。
【0062】
第2ボスB2は、第3壁W3から第2フレームF2、詳しくは後述する第4壁W4にわたって第1方向に延びている。第2ボスB2は、第3壁W3から第1方向の他方側に延び、第4壁W4に接触している。第2ボスB2は、第4壁W4に溶着されている。
【0063】
第2フレームF2は、第2壁W2と、第4壁W4と、第6壁W6と、滑り止め部F21とを有する。
【0064】
第2壁W2は、第1壁W1と第1方向において向かい合っている。第2壁W2は、第1方向においてトナー収容室41Aとは反対側の面である外面W21を有する。
【0065】
外面W21は、第2方向の他方側に向かうにつれて第1方向の一方側に位置するように第2方向に対して傾斜している。滑り止め部F21は、複数の凸部F22を有する。複数の凸部F22は、第2壁W2の外面W21からトナー収容室41Aとは反対側に突出する。滑り止め部F21は、複数の凸部F22により、ユーザが第2フレームF2を掴む際にユーザの指が滑ることを抑制する滑り止めとして機能する。図4に示すように、滑り止め部F21は、第1方向から見て、凹部F12と重なっている。
【0066】
第4壁W4は、第3壁W3と第1方向において向かい合っている。第4壁W4には、層厚規制ブレード44のホルダ44Bが固定されている。
【0067】
第6壁W6は、第2壁W2の第2方向における他方側の端部から第1フレームF1に向かって延びている。第6壁W6は、第1フレームF1と接触する。
【0068】
図5に示すように、第1フレームF1は、前述した第1ボスB1および第2ボスB2をそれぞれ2つずつ有している。2つの第1ボスB1は、第3方向において間隔を空けて並んでいる。2つの第2ボスB2も、第3方向において間隔を空けて並んでいる。
【0069】
図6に示すように、2つの第1ボスB1は、第3方向において、2つの第2ボスB2の間に位置する。図5および図6に示すように、アジテータ45のフィルム45Aは、第3方向において第1ボスB1に対応した位置に凹み45Cを有している。凹み45Cは、2つの第1ボスB1のそれぞれに対して1つずつ設けられている。凹み45Cは、アジテータ45の回転時において、第1ボスB1が通過可能な大きさである。
【0070】
図1に示すように、4つの現像カートリッジ40は、ドロワ30に装着された状態において、第1方向に並ぶ。4つの現像カートリッジ40は、第1方向の一方側から他方側に向かう方向において、現像カートリッジ40Y、現像カートリッジ40M、現像カートリッジ40C、現像カートリッジ40Kの順に並ぶ。
【0071】
現像カートリッジ40Kの凹部F12は、現像カートリッジ40Cの第2壁W2と、第1方向において向かい合う。つまり、現像カートリッジ40Kは、第1現像カートリッジに相当し、現像カートリッジ40Cは、第2現像カートリッジに相当する。
【0072】
また、現像カートリッジ40Cの凹部F12は、現像カートリッジ40Mの第2壁W2と、第1方向において向かい合う。つまり、第1現像カートリッジを、現像カートリッジ40Cとする場合、第2現像カートリッジは、現像カートリッジ40Mとなる。更に、現像カートリッジ40Mの凹部F12は、現像カートリッジ40Yの第2壁W2と、第1方向において向かい合う。つまり、第1現像カートリッジを、現像カートリッジ40Mとする場合、第2現像カートリッジは、現像カートリッジ40Yとなる。
【0073】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
トナー収容室41Aを有する筐体41に凹部F12を設けることで、従来のように筐体から第2方向に突出するハンドルを有する現像カートリッジに比べ、筐体41を第2方向に大きくすることができるので、トナー容量を大きくすることができる。また、ユーザが凹部F12内に指を入れることでトナー容量の大きな筐体41を挟み込むように掴むことができるので、現像カートリッジ40を容易に交換することができる。また、ユーザが第1壁W1と第2壁W2を挟み込むように強い力で掴んだ場合であっても、第1壁W1から第2壁W2にわたって延びる第1ボスB1によって筐体41が撓んでしまうのを抑制することができる。そのため、筐体41が撓むことで筐体41内のトナーが外に漏れてしまうことを抑制できる。
【0074】
アジテータ45のフィルム45Aが、第3方向において第1ボスB1に対応した位置に凹み45Cを有するので、アジテータ45の回転時に、フィルム45Aが第1ボスB1と接触して変形するのを抑制することができる。
【0075】
筐体41が第2ボスB2を有するので、第1ボスB1と第2ボスB2によって筐体41の変形を抑制することができる。
【0076】
第1壁W1に突起F13を設けることで、ユーザが突起F13に指を引っ掛けることができるので、現像カートリッジ40の取り外し作業を容易にすることができる。
【0077】
滑り止め部F21が第1方向から見て凹部F12と重なっているので、凹部F12に指を入れて筐体41を掴んだときにユーザの指が滑り止め部F21に触れて滑りにくくなるので、現像カートリッジ40の取り外し作業を容易にすることができる。
【0078】
第2壁W2の外面W21が傾斜することで、現像カートリッジ40の第1方向の他方側に配置される部材と外面W21との間に指を入れるスペースを作ることができるので、現像カートリッジ40の取り外し作業を容易にすることができる。また、第2壁W2の外面W21が傾斜することで、ユーザが滑り止め部F21を見やすくなっている。
【0079】
第1現像カートリッジ(例えば、40K)の凹部F12が、第2現像カートリッジ(例えば、40C)の第2壁W2と第1方向において向かい合うので、第2現像カートリッジを取り外す際に、指が第1現像カートリッジと干渉するのを第1現像カートリッジの凹部F12によって抑制することができる。
【0080】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0081】
図7に示すように、フィルム45Aは、前記実施形態のような凹み45Cの代わりにスリット45Dを有していてもよい。この形態では、アジテータ45の回転時にフィルム45Aのスリット45D周りの部分が第1ボスB1に接触するが、スリット45D周りの部分だけが変形するので、フィルム45Aが大きく変形するのを抑制することができる。
【0082】
第1ボスは、第2壁から延びて、第1壁と接触してもよい。また、第1ボスは、第1壁から延びる第1突出部と、第2壁から延びて第1突出部と接触する第2突出部と、を有する構成であってもよい。第1ボスは、溶着されていなくてもよい。第1ボスの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0083】
第2ボスは、第4壁から延びて、第3壁と接触してもよい。また、第2ボスは、第3壁から延びる第3突出部と、第4壁から延びて第3突出部と接触する第4突出部と、を有する構成であってもよい。第2ボスは、溶着されていなくてもよい。第2ボスの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0084】
指を引っ掛けるための凹部内の突起は、第1壁の第2方向における他方側の端から離れた位置に位置していてもよい。
【0085】
凹部は、第2方向の他方側には開口するが、第1方向の一方側には開口しない凹部であってもよい。
【0086】
凹部F12と第2フレームF2の第1方向における間隔Dの長さは、第1壁W1の第1方向における長さより短くてもよい。
【0087】
滑り止め部F21は、複数の凸部F22を有していたが、凸部を有さない滑らかな平面であってもよい。この場合、例えば、第2壁W2の外面W21の一部を摩擦係数の大きな素材で構成したり、摩擦係数の大きな素材で作られたフィルムやシールなどを第2壁W2の外面W21に貼り付けることで滑り止めとして機能させることができる。
【0088】
第1面W11は、一部が当該第1面W11に垂直な方向において筐体41の外に開放されていてもよい。また、第2面W51は、一部が当該第2面W51に垂直な方向において筐体41の外に開放されていてもよい。
【0089】
画像形成装置1は、ドロワ30を備えず、本体筐体10に現像カートリッジ40を直接装着させる構成であってもよい。
【0090】
第1方向は、左右方向または上下方向であってもよい。第2方向は、第1方向に直交する方向であればよく、前記実施形態とは異なる方向であってもよい。第3方向は、第1方向および第2方向に直交する方向であればよく、前記実施形態とは異なる方向であってもよい。また、第1方向の一方側は、ドロワの引出方向の下流側でなく、ドロワの引出方向の上流側であってもよい。
【0091】
画像形成装置は、プリンタに限らず、複写機や複合機などであってもよい。
【0092】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 画像形成装置
10 本体筐体
30 ドロワ
40 現像カートリッジ
41 筐体
41A トナー収容室
42 現像ローラ
B1 第1ボス
F12 凹部
W1 第1壁
W2 第2壁
X1 第1軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7