(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156441
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
F24H 9/28 20220101AFI20241029BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241029BHJP
F24H 15/45 20220101ALI20241029BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20241029BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20241029BHJP
F24H 15/254 20220101ALI20241029BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20241029BHJP
F24F 11/523 20180101ALI20241029BHJP
【FI】
F24H9/28
H04Q9/00 331A
H04Q9/00 301D
F24H15/45 101
F24H15/10
F24H15/219
F24H15/254
F24H15/395
F24F11/523
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070904
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸山 智代
(72)【発明者】
【氏名】山崎 悟
(72)【発明者】
【氏名】森山 愛里紗
【テーマコード(参考)】
3L260
5K048
【Fターム(参考)】
3L260BA73
3L260CA12
3L260CB63
3L260GA12
5K048BA14
5K048EB06
5K048EB10
5K048FB15
5K048FB16
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】 温度差を直観的に通知する遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】 本開示の遠隔操作装置2は、浴室R1に設置された浴槽Bに湯を供給する給湯器(被操作機器)1を遠隔操作するためのものである。遠隔操作装置2は、湯温Tm1と設定温度Tm2の温度差を発光色の違いによって表示する温度差表示部23を備える。この温度差表示部23は、湯温Tm1が設定温度Tm2よりも高いほど色温度が低い暖色の色で発光し、湯温Tm1が設定温度Tm2よりも低いほど色温度が高い寒色の色で発光する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象の第1温度を制御する被操作機器の設定温度を操作する遠隔操作装置であって、
前記第1温度と前記制御対象に関連する第2温度との温度差を表す色を表示する温度差表示部を備える、
遠隔操作装置。
【請求項2】
前記被操作機器は、湯を供給する給湯器であり、
前記第1温度は、前記湯の温度であり、
前記第2温度は、前記給湯器の設定温度、前記給湯器が前記湯を供給する室内の温度、のいずれかである、
請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記被操作機器は、室内の温度を調整する空気調和器であり、
前記第1温度は、前記室内の温度であり、
前記第2温度は、前記空気調和器の設定温度である、
請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記温度差を表す色は、
前記第1温度と前記第2温度が同じときに第1色になり、
前記第1温度が前記第2温度よりも低いときは前記第1色よりも色温度の高い色になり、
前記第1温度が前記第2温度よりも高いときは前記第1色よりも色温度の低い色になる、
請求項1から3の何れか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記温度差表示部は、前記第1温度を表す色を表示する第1温度差表示部と、前記第2温度を表す色を表示する第2温度差表示部と、を備え、
前記第1温度と前記第2温度が一致するときに、前記第1温度差表示部と前記第2温度差表示部が表示する色も一致する、
請求項1から3の何れか1項に記載の遠隔操作装置。
【請求項6】
前記第1温度差表示部と前記第2温度差表示部の色は、前記温度差が大きいほど前記色温度の差が大きくなる、
請求項5に記載の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器を遠隔で操作するための遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、温度を制御する空気調和器や給湯器の設定温度を表示する遠隔操作装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、室温と設定温度との差や、給湯温度と設定温度との差、などの温度差をユーザに直観的に認識させる点で改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、温度差を直観的に通知する遠隔操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の遠隔操作装置は、
制御対象の第1温度を制御する被操作機器の設定温度を操作する遠隔操作装置であって、
前記第1温度と前記制御対象に関連する第2温度との温度差を表す色を表示する表示部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、温度差を直観的に通知する遠隔操作装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を以下に説明する。
【0010】
(第1実施形態:給湯器の遠隔操作装置)
本開示の第1実施形態は、浴室R1に設置された浴槽Bに湯を供給する給湯システムSである。
【0011】
給湯システムSは、給湯器(被操作機器)1と、給湯器1を遠隔操作する遠隔操作装置2を備える。
【0012】
給湯器1は、浴槽Bに湯を供給する給湯器である。給湯器2は、制御対象となる水を加熱して湯を加熱制御し、この湯を浴槽Bに供給することができる。給湯器2が沸かす湯の温度は、遠隔操作装置2から入力された設定温度によって設定することができる。給湯器1は、図示しない温度センサを備え、浴槽に供給した湯の温度を計測し、遠隔操作装置2に送信する。
【0013】
遠隔操作装置2は、給湯器1の動作状態の閲覧や、給湯器1の操作をするリモコンである。遠隔操作装置2は、制御部21、タッチスクリーン22、温度差表示部(表示部)23、を備える。また、遠隔操作装置2は、図示しない温度センサを備え、遠隔操作装置2が設置された室内の温度を計測する。
【0014】
制御部21は、タッチスクリーン22、温度差表示部23、を制御する。制御部21は、例えば、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えたマイクロコントローラや周辺回路が実装された回路基板である。
【0015】
タッチスクリーン22は、表示装置と入力装置が一体化したタッチパネルデバイスである。タッチスクリーン22は、画像を表示する。また、タッチスクリーン22は、操作されたことを制御部21に送信する。
【0016】
温度差表示部23は、LEDなどの光源を備えた発光デバイスである。温度差表示部23は、発光する光の色を変更することができ、発光色によって2つの温度の差を表示する。
【0017】
給湯器1には、2つの遠隔操作装置2が有線または無線により通信可能に接続されている。1つ目の遠隔操作装置2は、浴室R1に設置された浴室用遠隔操作装置2Aである。2つ目の遠隔操作装置2は、居間(リビングルーム)R2に設置された居間用遠隔操作装置2Bである。
【0018】
(浴室用遠隔操作装置2A)
浴槽用遠隔操作装置2Aは、浴槽Bに入ったユーザが操作や閲覧するために、浴室R1に設置されている。
【0019】
図2に示すように、浴室用遠隔操作装置2Aのタッチスクリーン22には、操作ボタンBt、湯温(給湯器1が供給する湯の温度)Tm1、設定温度Tm2、浴室温度(給湯器1が湯を供給する浴室R1の温度)Tm3、が表示される。
【0020】
図2に示すように、浴室用遠隔操作装置2Aの温度差表示部23は、タッチスクリーン22の上部に1つ設けられている。この温度差表示部23は、第1温度と第2温度の温度差を発光色の違いによって識別可能に表示する。この温度差は、例えば、第1温度を湯温Tm1とし第2温度を設定温度Tm2としたときの温度差、第1温度を湯温Tm1とし第2温度を浴室温度Tm3としたときの温度差である。
【0021】
制御部21は、温度差の絶対値が1℃未満のとき、温度差表示部23の発光色を基準となる第1色で点灯させる。
【0022】
また、制御部21は、温度差の絶対値が1℃以上であり、且つ、第1温度が第2温度よりも低いとき、温度差が大きいほど温度差表示部23の発光色を第1色よりも色温度の高い色に変化させる。言い換えると、第1温度が第2温度よりも低いほど寒色に近づくように温度差表示部23の発光色が変化する。
【0023】
また、制御部21は、温度差の絶対値が1℃以上であり、且つ、第1温度が第2温度よりも高いとき、温度差が大きいほど温度差表示部23の発光色を第1色よりも色温度の低い色に変化させる。言い換えると、第1温度が第2温度よりも低いほど暖色に近づくように温度差表示部23の発光色が変化する。
【0024】
以上のように温度差表示部23の発光色が変化することにより、ユーザは基準となる第1温度と第2温度の比較を直観的に認識しやすくなる。
【0025】
(表示例1)
第1温度を湯温Tm1、第2温度を設定温度Tm2とした場合の温度差の表示を例示する。制御部21は、温度差の絶対値が1℃未満のときに、温度差表示部23の発光色を橙色(色温度:約2500K)で点灯させる。制御部21は、湯温Tm1が設定温度Tm2よりも低くなるにつれ、温度差表示部23の発光色を寒色の青色(色温度:約15000K)に変化させる。制御部21は、湯温Tm1が設定温度Tm2よりも高くなるにつれ、温度差表示部23の発光色を暖色の赤色(色温度:約2000K)に変化させる。
【0026】
(表示例1の効果)
浴槽Bの湯が設定温度Tm2とほぼ同じ場合は、温度差表示部23が橙色に点灯するため、湯温Tm1が適温であることが直感的に理解できる。浴槽Bの湯が設定温度Tm2よりも低い場合は、温度差表示部23が寒色(例えば青)に点灯するため、ユーザは追い炊きを動作させる時期を直観的に理解できる。さらに、浴槽Bの湯が設定温度Tm2よりも高い場合は、温度差表示部23が暖色(例えば赤)に点灯するため、ユーザは追い炊き等により湯温Tm1が温まり過ぎていることが直感的に理解できる。
【0027】
(表示例2)
第1温度を湯温Tm1、第2温度を浴室温度Tm3とした場合の温度差の表示を例示する。制御部21は、温度差の絶対値が10℃未満のときに、温度差表示部23の発光色を白色(色温度:約5000K)で点灯させる。制御部21は、湯温Tm1が浴室温度Tm3よりも低くなるにつれ、温度差表示部23の発光色を寒色の青色(色温度:約15000K)に変化させる。制御部21は、湯温Tm1が浴室温度Tm3よりも高くなるにつれ、温度差表示部23の発光色を暖色の赤色(色温度:約2000K)に変化させる。
【0028】
(表示例2の効果)
浴槽Bの湯と浴室温度Tm3との温度差が10℃未満のときは、温度差表示部23が白色に点灯する。そして、浴槽Bの湯と浴室温度Tm3との温度差が高くなるほど、温度差表示部23が暖色あるいは寒色に変化する。これにより、湯温Tm1と浴室温度Tm3との温度差が直感的に理解できる。ひいては、ユーザは、ヒートショックのリスクを直観的に理解できる。
【0029】
(居室用遠隔操作装置2B)
居室用遠隔操作装置2Bは、居間R2にいるユーザが操作や閲覧するために、居間(リビングルーム)R2の壁面に設置されている。
【0030】
図3に示すように、居室用遠隔操作装置2Bのタッチスクリーン22には、浴室用遠隔操作装置2Aと同様に、操作ボタンBt、湯温(給湯器1が供給する湯の温度)Tm1、設定温度Tm2、浴室温度(給湯器1が湯を供給する浴室R1の温度)Tm3、が表示される。
【0031】
図3に示すように、浴室用遠隔操作装置2Aの温度差表示部23は、タッチスクリーン22の上下左右を囲むように4つ設けられている。この温度差表示部23は、第1温度と第2温度の温度差を発光色の違いによって識別可能に表示する。タッチスクリーン22の上、左、及び右に設けられた3つの温度差表示部23は、第1温度を発光色の違いによって識別可能に表示する第1温度差表示部23Aである。タッチスクリーン22の下に設けられた1つの温度差表示部23は、第2温度を発光色の違いによって識別可能に表示する第2温度差表示部23Bである。第1温度は例えば湯温Tm1であり、第2温度は例えば設定温度Tm2や浴室温度Tm3である。
【0032】
制御部21は、第1温度が高いほど色温度が低く、第1温度が低いほど色温度が高くなる色で、第1温度差表示部23Aを点灯させる。例えば、制御部21は、第1温度が高温であるほど暖色の赤色(色温度:約2000K)に近づく色で点灯させ、第1温度が低温であるほど寒色の青(色温度:約15000K)に近づく色で点灯させる。
【0033】
制御部21は、第2温度が高いほど色温度が低く、第2温度が低いほど色温度が高くなる色で、第2温度差表示部23Bを点灯させる。例えば、制御部21は、第2温度が高温であるほど暖色の赤色(色温度:約2000K)に近づく色で点灯させ、第2温度が低温であるほど寒色の青(色温度:約15000K)に近づく色で点灯させる。
【0034】
(表示例3)
第1温度を湯温Tm1、第2温度を浴室温度Tm3とした場合の温度差の表示を例示する。制御部21は、湯温Tm1が40℃であり、浴室温度Tm3が10℃であるとき、第1温度差表示部23Aを橙色(色温度:約2500K)で点灯させ、第2温度差表示部23Bを青色で点灯させる。そして、制御部21は、湯温Tm1と浴室温度Tm3が共に25℃であるとき、第1温度差表示部23A及び第2温度差表示部23Bを白色(色温度:約5000K)で点灯させる。
【0035】
(表示例3の効果)
つまり、第1温度と第2温度が同じ温度であれば、第1温度差表示部23Aと第2温度差表示部23Bの発光色は一致する。そして、第1温度差表示部23Aと第2温度差表示部23Bの発光色は、第1温度と第2温度の温度差が大きくなるほど、互いの色の色温度差も大きくなる。第1温度差表示部23Aと第2温度差表示部23Bの発光色によって個々の温度を直観的に認識できると共に、互いの発光色を比較することにより温度差も直観的に認識できる。また、温度変化の大きい湯温Tm1の表示部の数や面積が大きいため、ユーザにとって視認性が高い。
【0036】
以上が遠隔操作装置2の第1実施形態の説明である。
【0037】
(変形例)
上述した遠隔操作装置2は、以下のように構成を変更してもよい。
【0038】
(第1変形例)
上述した第1実施形態の遠隔操作装置2は、室内の温度を調整する空気調和器に適用するものであってよい。この場合、第1温度を空気調和器が調整する室内の温度とし、第2温度を空気調和器の設定温度とすることが好ましい。このように構成することで、空気調和器が調整する室温と設定温度との温度差を直観的に表示できる。
【0039】
(第2変形例)
上述した第1実施形態の遠隔操作装置2の温度差表示部23は、数値による表示を伴ってもよい。
【符号の説明】
【0040】
S …給湯システム
1 …給湯器(被操作機器)
2 …遠隔操作装置
2A …浴室用遠隔操作装置
2B …居間用遠隔操作装置
21 …制御部
22 …タッチスクリーン
23 …温度差表示部
23A…第1温度差表示部
23B…第2温度差表示部
Bt …操作ボタン
Tm1…湯温(湯の温度)
Tm2…設定温度
Tm3…浴室温度(給湯器が湯を供給する室内の温度)
B …浴槽
R1 …浴室
R2 …居間