(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156448
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ
(51)【国際特許分類】
B60K 35/23 20240101AFI20241029BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B60K35/00 A
G02B27/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070917
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古澤 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正雄
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA15
2H199DA33
2H199DA42
2H199DA46
3D344AA12
3D344AA14
3D344AA19
3D344AA21
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】視認性に優れたヘッドアップディスプレイを提供する。
【解決手段】透光シート60は、一対の左右辺63
L、63
R及び一対の前後辺63
Fr、63
Reを有し表示光を出射させる領域である出射窓部63と、少なくとも一部がケース52に固定され、不透過性の領域である遮光枠部64と、遮光枠部64内に一対の左右辺63
L、63
R及び一対の前後辺63
Fr、63
Reに沿って形成され、ケース52と透光シート60との間に配置される接着剤の有無を視認させる確認窓部65と、を有する。一対の左右辺63
L、63
Rに沿う確認窓65
L、65
Rまたは前記一対の前後辺63
Fr、63
Reに沿う確認窓65
Fr、65
Reは、一方の辺に沿う確認窓が対をなす他方の辺に沿う確認窓よりも面積が小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向中央に対して左右端側の前記左右方向に対する傾きが大きく、上下方向において下端側より上端側が前記上下方向に対する傾きが大きくなるように前方に凸となるように湾曲した投影部材に対して後方から表示光を投影し、視認者に前記投影部材で反射した前記表示光に基づく虚像を前記投影部材の前記前方で視認させるヘッドアップディスプレイであって、
開口部を有するケースと、
前記ケースに収容され、前記開口部から出射される前記表示光を出力する表示部と、
前記開口部を覆い、前記ケースに接着剤で固定される透光シートと、を備え、
前記透光シートは、
前記透光シートの左右端側に位置する一対の左右辺及び前後端側に位置する一対の前後辺を有し、前記表示光を出射させる領域である出射窓部と、
前記一対の左右辺及び前記一対の前後辺の外側に配置され少なくとも一部が前記ケースに固定され、不透過性の領域である遮光枠部と、
前記遮光枠部内に前記一対の左右辺及び前記一対の前後辺に沿って形成され、前記ケースと前記透光シートとの間に配置される前記接着剤の有無を視認させる確認窓部と、を有し、
前記一対の左右辺に沿う確認窓または前記一対の前後辺に沿う確認窓は、一方の辺に沿う前記確認窓が対をなす他方の辺に沿う前記確認窓よりも面積が小さい、ヘッドアップディスプレイ。
【請求項2】
前記遮光枠部は、前記透光シートの前記ケースと向かい合う面に形成された印刷層であり、
前記確認窓部は、前記印刷層が抜かれた領域である、請求項1記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項3】
前記確認窓部は、前記一対の左右辺及び前記一対の前後辺に沿って連続的に形成される枠状の領域である、請求項1記載のヘッドアップディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示光を出射する開口を透光シートで覆うヘッドアップディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイは、ケースの開口部から装置外部に表示光を出射する。装置外部に出射された表示光は、車両のウインドシールドに照射され、車両内の運転者等の視認者から見てウインドシールドの前方に表示光の虚像が表示される。
【0003】
表示光を出射する開口部は、防塵のため透光シートで覆われる。例えば、特許文献1においては、周縁部に塗布された接着剤により透光シートを開口部の周縁に固定している。この透光シートは、接着剤を視認者から遮蔽するための遮光枠部と、この遮光枠部内に形成され接着剤の塗布状況を視覚的に確認可能にする確認窓部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のヘッドアップディスプレイは、この確認窓部があることにより接着状況が好適に把握できるという利点を有する。しかしながら、確認窓部で外光が反射すると、表示光以外のこの外光の反射光が視認者に視認されてしまい、虚像の視認性を低下させる虞がある。
【0006】
本開示は、上述した課題を考慮して、視認性に優れたヘッドアップディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のヘッドアップディスプレイは、上述した課題を解決するために、左右方向中央に対して左右端側の左右方向に対する傾きが大きく、上下方向において下端側より上端側が上下方向に対する傾きが大きくなるように前方に凸となるように湾曲した投影部材に対して後方から表示光を投影し、視認者に投影部材で反射した表示光に基づく虚像を投影部材の前方で視認させるヘッドアップディスプレイであって、開口部を有するケースと、ケースに収容され、開口部から出射される表示光を出力する表示部と、開口部を覆い、ケースに接着剤で固定される透光シートと、を備え、透光シートは、透光シートの左右端側に位置する一対の左右辺及び前後端側に位置する一対の前後辺を有し、表示光を出射させる領域である出射窓部と、一対の左右辺及び一対の前後辺の外側に配置され少なくとも一部がケースに固定され、不透過性の領域である遮光枠部と、遮光枠部内に一対の左右辺及び一対の前後辺に沿って形成され、ケースと透光シートとの間に配置される接着剤の有無を視認させる確認窓部と、を有し、前記一対の左右辺に沿う確認窓または前記一対の前後辺に沿う確認窓は、一方の辺に沿う前記確認窓が対をなす他方の辺に沿う前記確認窓よりも面積が小さい、ヘッドアップディスプレイ。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、視認性に優れたヘッドアップディスプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるヘッドアップディスプレイ及び搭載先としての車両の構成概略図。
【
図3】上ケースと透光シートとの接着を説明するための上シートの部分断面図。
【
図4】車両が右ハンドル車である場合のヘッドアップディスプレイの表示光の出射方向を説明する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD(Head Up Display)」という。)の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるHUD1及び搭載先としての車両2の構成概略図である。
【0012】
以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」及び「下」は、
図1から4における定義「Fr.」、「Re.」、「R」、「L」、「To.」及び「Bo.」に従う。
【0013】
HUD1は、車両2のインストルメントパネル3に搭載され、インストルメントパネル3の開口部8から表示光Lを出射する。HUD1は、車両2のウインドシールド4に対して後方からこの表示光Lを投影し、反射させる。車両2の搭乗者である視認者5(例えば運転者)は、可視領域DAからウインドシールド4を見ると、表示光Lに基づく虚像Vをウインドシールド4の前方で視認することができる。表示光Lは、例えば、車両2の走行速度や車両2の警告情報、経路案内情報等の車両情報を表すものである。
【0014】
ウインドシールド4は、HUD1の前方に位置する、HUD1の投影部材として機能する。ウインドシールド4は、左右方向中央に対して左右端側の左右方向に対する傾きが大きく、上下方向において下端側より上端側の上下方向に対する傾きが大きくなるように、前方に凸となるように湾曲している。
【0015】
HUD1は、表示部10と、反射部20と、駆動部30と、制御部40と、これらを収容するケース50と、を主に有する。
【0016】
表示部10は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はリアプロジェクション方式のプロジェクタ等の画像を表示する表示器である。表示部10は、車両情報を表す画像を表示し、この画像を表す表示光Lを出力する。
【0017】
反射部20は、表示光Lを反射する反射鏡である。反射部20は、平面鏡21と、凹面鏡22と、を有する。平面鏡21は、表示部10から出力された表示光Lを凹面鏡22に向けて反射する。凹面鏡22は、平面鏡21が反射した光をウインドシールド4に向けて反射する。
【0018】
駆動部30は、回転軸AXを中心に凹面鏡22を回転させる駆動機構である。駆動部30は、例えば、モータの回転により凹面鏡22を回転させる。
【0019】
制御部40は、表示部10及び駆動部30を制御する制御回路基板である。制御部40は、車両情報を表す画像を表示部10に表示させる。また、制御部40は、駆動部30を制御して可視領域DAの位置を視認者5の目の高さに合わせて調整できる。具体的には、制御部40は、駆動部30を制御して凹面鏡22を回転させることにより、ウインドシールド4に投射される表示光Lの位置を変え、可視領域DAを上下に移動可能である。
【0020】
ケース50は、ポリカーボネート等の黒色の樹脂ケースである。ケース50は、下ケース51と、上ケース52と、を有する。ケース50は、下ケース51及び上ケース52で覆われた空間である収容部53を有する。収容部53は、表示部10、反射部20、駆動部30及び制御部40を収容する。
【0021】
図2は、上ケース52の分解斜視図である。
図3は、上ケース52と透光シート60との接着を説明するための上ケース52の部分断面図である。
【0022】
上ケース52は、表示光Lをケース50の外部に出射するための開口部521を有する。上ケース52は、この開口部521を覆う透光シート60を有する。
【0023】
上ケース52の開口部521の外縁には、開口部521を囲む枠状の載置部522が形成されている。載置部522は、透光シート60を支持する。載置部522は、車両2の前後方向に対し傾斜した湾曲面を有している。この湾曲面により、太陽光等の外光は、透光シート60で反射した後ウインドシールド4を介して可視領域DAに向かわない。
【0024】
上ケース52の載置部522の外縁には、載置部522を囲む枠状の接着部523が形成されている。接着部523には、接着剤70が塗布され、接着剤7が載置部522に支持された透光シート60を上ケース52に固定する。接着部523は、載置部522の載置面より一段窪んだ凹状の溝である。透光シート60は、接着剤70により枠状の載置部522に接した状態でその外縁が接着されるため、防塵性が高い。
【0025】
上ケース52は、位置決め部524と、ストッパ部525と、を有する。位置決め部524は、透光シート60の面方向において載置部522に透光シート60を3箇所で位置決めさせる。
【0026】
ストッパ部525は、上ケース52から透光シート60が剥離して脱落することを2箇所で防ぐ。ストッパ部525は、載置部522の載置面から透光シート60の面方向に直交する方向に所定距離だけ離れた位置に形成されている。透光シート60が載置部522の湾曲面に沿って弾性変形して接しているときには、透光シート60とストッパ部525は接しない。透光シート60が湾曲面から離れて弾性変形量が所定の変形量に戻ったときに、透光シート60がストッパ部525に当接する。すなわち、ストッパ部525は、載置部522の湾曲面の最も曲率が高い箇所に設けられている。このため、湾曲面に沿って弾性変形した状態で載置された透光シート60が、復元したときに、ストッパ部525を有することで上ケース52からの透光シート60の脱落を防ぐことができる。
【0027】
透光シート60は、開口部521を覆う、防塵カバーとして機能する。透光シート60は、基材61と、印刷層62と、を主に有する。基材61は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂製の薄い板状部材である。印刷層62は、基材61の周縁の所定領域に形成された黒色の印刷層である。印刷層62は、基材61の載置部522及び接着部523と向かい合う面に形成されることで、外部からの印刷層62に対する薬品や物理的な負荷からの劣化等を防止できる。
【0028】
印刷層62は、透光シート60上に、出射窓部63と、遮光枠部64と、確認窓部65と、を形成する。
【0029】
出射窓部63は、印刷層62の内周縁で区画される領域であり、開口部521に向けて出射された表示光Lを透過し、ウインドシールド4に向けて出射させる領域である。出射窓部63は、透光シート60の左右端側に位置する一対の左右辺63L、63R及び前後端側に位置する一対の前後辺63Fr、63Reを有する。
【0030】
遮光枠部64は、出射窓部63の外側に出射窓部63を囲むように形成される枠状の領域である。遮光枠部64は、開口部521の縁と載置部522を覆い、載置部522や接着剤70を遮蔽したり、太陽光等の外光の反射を抑制したりする不透過性の領域である。遮光枠部64は、出射窓部63の一対の左右辺63L、63R及び一対の前後辺63Fr、63Reの外側に配置され、少なくとも一部が接着剤70により上ケース52に固定される部分となる。
【0031】
確認窓部65は、遮光枠部64を形成する印刷層62の一部が抜かれる、すなわち印刷層62が形成されないことにより、形成されている。確認窓部65は、遮光枠部64内に一対の左右辺63L、63R及び一対の前後辺63Fr、63Reに沿って形成される。確認窓部65は、接着部523に塗布された接着剤70の有無や、接着の様子を透光シート60越しに視認可能にする。確認窓部65を目視又は機械により画像検査することにより接着不良を確認できるよう、確認窓部65の大きさは、接着部523に塗布される接着剤70の塗布量の下限量に合わせて定められている。
【0032】
透光シート60は、位置決め用スリット66と、組付用スリット67と、を有する。位置決め用スリット66は、上ケース52の位置決め部524に対応する位置に形成され、ストッパ部525に対して係合することにより透光シート60を面方向に関して位置決めさせる。組付用スリット67は、下ケース51のストッパ部525に対応する位置に形成され、ストッパ部525に対して係合することにより透光シート60の組付性を向上させる。
【0033】
接着剤70は、液状の接着剤70である。接着剤70は、接着部523に塗布された後に硬化され、接着部523において上ケース52と透光シート60を接着固定する。接着剤70は、ホットメルト接着剤、光硬化接着剤又は種々の合成樹脂接着剤である。接着剤70は、上ケース52の色と異なる色(例えば、青や紫)に着色されているのが好ましい。接着剤70は、製造性を考慮するならば、硬化時間が短いホットメルト接着剤又は光硬化接着剤が好ましい。特に、光硬化接着剤の場合、確認窓部65を、塗布された接着剤70の確認、及び硬化用の光(紫外線又は赤外線)の照射の確認に兼用できる。
【0034】
ここで、HUD1は、確認窓部65を有することにより、確認窓部65を介して目視又は撮影される画像を用いて検査させることにより、接着不良を容易に確認させることができる。しかしながら、確認窓部65を形成することにより、本来であれば遮光枠部64が外光の反射を抑制すべき領域に透光性の領域が形成されてしまうため、外光の反射が発生してしまう虞がある。確認窓部65で外光が反射すると、本来視認者に届くべきではないこの反射光がウインドシールド4に映り込んでしまい、表示光Lの表示の視認性が低下してしまう虞がある。
【0035】
その一方で、HUD1の使用時における透光シート60の接着性の観点から、接着剤70が接着部523と遮光枠部64とを確実に接着させているかの確認も必要である。このため、組立時における接着剤70の接着性の観点においては、所要面積の確認窓部65を形成することも必要である。
【0036】
そこで、本実施形態におけるHUD1は、HUD1が車両2に搭載された際の表示光Lの出射方向、及びHUD1のインストルメントパネル3の開口部8に対する配置を考慮して、確認窓部65を形成した。すなわち、車両2のウインドシールド4は、上述したとおり、左右方向中央に対して左右端側の左右方向に対する傾きが大きく、上下方向において下端側より上端側の上下方向に対する傾きが大きくなるように、前方に凸となるように湾曲している。HUD1は、このようなウインドシールド4の形状を考慮して、左右及び前後の表示光Lの出射方向を制御している。
【0037】
ここで、
図4は、車両2が右ハンドル車である場合のHUD1の表示光Lの出射方向を説明する概念図である。
【0038】
HUD1は、車両2が右ハンドル車である場合には、表示光Lを可視領域DAに到達させるため、左右方向におけるウインドシールド4の傾きの違いを考慮して、表示光Lのうち、左右方向中央よりも右端側の出射窓部63から出射される表示光LRは、左右方向の中央側に向って出射窓部63から出射される表示光LLよりも、右端側に大きく屈折するように出射される。また、上下方向におけるウインドシールド4の傾きの違いを考慮して、表示光Lのうち、上端側に向かう、後端側の出射窓部63から出射される表示光LReは、下端側に向かう、前端側の出射窓部63から出射される表示光LFrよりも、後端側に大きく屈折するように出射される。
【0039】
また、インストルメントパネル3には、HUD1が視認者5から視認されたり、HUD1に不要な外光が侵入したりしないように、表示光Lの光路を妨げない範囲で内部を遮蔽することが求められる。上述したとおり、表示光Lは左右方向及び前後方向で各方向に対する傾きが異なるため、インストルメントパネル3の開口部8もこれに併せて形成される。すなわち、
図4に示すように、開口部8は、HUD1の右端側は左端側に比べて透光シート60(上ケース52)を大きく露出し、後端側は前端側に比べて透光シート60を大きく露出する必要がある。
【0040】
しかしながら、透光シート60の露出が大きいと、本来、遮蔽される領域であるべき確認窓部65が露出してしまう。これにより、出射窓部63の右辺63R及び後辺63Reに沿って形成される確認窓部65において外光が反射し、ウインドシールド4に映り込み、表示光Lに係る虚像Vの視認性を低下させてしまう虞がある。
【0041】
そこで本実施形態におけるHUD1は、
図2及び4に示すように、確認窓部65の面積を、インストルメントパネル3の開口部8からの露出範囲に応じて異ならせた。すなわち、車両2が右ハンドル車である場合、ウインドシールド4における左右方向中央よりも右端側に位置する出射窓部63の右辺63
Rに沿って配置される確認窓部65
Rは、左辺63
Lに沿って配置される確認窓部65
Lよりも、面積が小さくなるよう、幅が狭くなっている。
【0042】
また、後方に位置する後辺63Reに沿って配置される確認窓部65Reは、前辺63Frに沿って配置される確認窓部65Frよりも面積が小さくなるよう、幅が狭くなっている。
【0043】
車両2が左ハンドル車である場合には、ウインドシールド4の形状が左右対称となることに伴い、表示光Lの出射方向及び開口部8からの露出範囲も左右対称となる。このため、確認窓部65は、
図2、4に対して左右対称に形成される。すなわち、車両2が左ハンドル車である場合、ウインドシールド4における左右方向中央よりも左端側に位置する出射窓部63の左辺63
Lに沿って配置される確認窓部65
Lは、右辺63
Rに沿って配置される確認窓部65
Rよりも、面積が小さくなるよう、幅が狭くなっている。
【0044】
このような本実施形態におけるHUD1は、確認窓部65の面積をインストルメントパネル3の開口部8からの露出量に応じて設定したため、確認窓部65における外光の反射が発生する虞を低減することができる。ゆえに、HUD1は、視認性に優れたHUD1を提供できる。
【0045】
本開示のヘッドアップディスプレイのいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、特許請求の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0046】
例えば、確認窓部65は、接着の確認の観点から、枠状に周方向に沿って連続的に形成される領域であるのが好ましいが、確認窓部65の面積を相対的に小さくする方法として幅を小さくする例を用いて説明したがこれに限らない。例えば
図5に示すように、確認窓部65を直線的な枠状に形成するのに代えて、ドット状に形成してもよい。この場合、車両2が右ハンドル車である場合には、確認窓部65
R及び確認窓部65
Reを形成するドットの形成密度が、確認窓部65
L、65
Frよりも小さくなるようにしてもよいし、ドットの径が小さくなるようにしてもよい。
【0047】
また、
図6に示すように、確認窓部65
R、65
Reを断続的に形成し、確認窓部65
L、65
Frを連続的に形成して長さを異ならせることで、確認窓部65
R、65
Reを確認窓部65
L、65
Frよりも面積が小さくなるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
2 車両
3 インストルメントパネル
4 ウインドシールド
5 視認者
7 接着剤
8 開口部
10 表示部
20 反射部
21 平面鏡
22 凹面鏡
30 駆動部
40 制御部
50 ケース
51 下ケース
52 上ケース
53 収容部
60 透光シート
61 基材
62 印刷層
63 出射窓部
64 遮光枠部
65 確認窓部
66 位置決め用スリット
67 組付用スリット
70 接着剤
521 開口部
522 載置部
523 接着部
524 位置決め部
525 ストッパ部
AX 回転軸
DA 可視領域
L 表示光
V 虚像