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特開2024-15648肉含有食品用の品質改良剤、肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015648
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】肉含有食品用の品質改良剤、肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/244 20160101AFI20240130BHJP
   A23L 29/30 20160101ALI20240130BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20240130BHJP
   A23L 29/269 20160101ALI20240130BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20240130BHJP
   A23L 11/00 20210101ALI20240130BHJP
【FI】
A23L29/244
A23L29/30
A23L29/256
A23L29/269
A23L13/00 A
A23L11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117860
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】506009453
【氏名又は名称】オルガノフードテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅根 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】西 健未
【テーマコード(参考)】
4B020
4B041
4B042
【Fターム(参考)】
4B020LB19
4B020LC04
4B020LG04
4B020LK01
4B020LK04
4B020LK05
4B020LK07
4B020LK11
4B020LK17
4B020LK20
4B020LP03
4B020LP10
4B020LP15
4B020LP27
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD01
4B041LE08
4B041LH04
4B041LH08
4B041LH10
4B041LH18
4B041LK02
4B041LK03
4B041LK13
4B041LK14
4B041LK18
4B041LK25
4B041LK33
4B041LK50
4B041LP01
4B041LP04
4B041LP12
4B041LP17
4B041LP18
4B041LP21
4B042AC05
4B042AH01
4B042AK01
4B042AK06
4B042AK09
4B042AK10
4B042AK20
4B042AP02
4B042AP14
4B042AP21
4B042AP30
(57)【要約】
【課題】加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができる肉含有食品用の品質改良剤、その品質改良剤を含む肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法を提供する。
【解決手段】ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を含む、肉含有食品用の品質改良剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を含むことを特徴とする肉含有食品用の品質改良剤。
【請求項2】
ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を含むことを特徴とする肉含有食品。
【請求項3】
ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を用いて肉含有食品を作製することを特徴とする肉含有食品の作製方法。
【請求項4】
グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、水と、を混合して第1混合物を得る第1混合工程と、
前記第1混合物と、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、肉用材料と、食物繊維と、を混合して第2混合物を得る第2混合工程と、
前記第2混合物を成形する成形工程と、
を含むことを特徴とする肉含有食品の作製方法。
【請求項5】
請求項4に記載の肉含有食品の作製方法であって、
前記成形工程後にレトルト加熱処理を行うレトルト加熱工程を含むことを特徴とする肉含有食品の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用肉および人工肉のうちの少なくとも1つを含む肉含有食品用の品質改良剤、その品質改良剤を含む肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用肉の代替品として、大豆タンパク等の植物性タンパクを主成分とする人工肉が近年注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
人工肉は、大豆タンパク等の植物性タンパクに油、水、増粘剤等を混合して作製するのが一般的である。例えば、人工肉を用いる植物性ソーセージや植物性サラダチキンは、植物性タンパクに油、水、増粘剤等を混合したものを、プラスチック等の人工ケーシング等のケーシングに充填し、加熱、冷却して作製されるが、ケーシングへの充填がしにくく、加熱後にソーセージやサラダチキンのような弾力があり、歯切れの良い食感になりにくい。人工肉だけではなく、食用肉を用いるソーセージ、サラダチキン等の食用肉加工食品にも同様の問題がある。
【0004】
ソーセージの食感を改良するための組成物や製造方法が提案されているが(例えば、特許文献2~4参照)、いずれも不十分であった。
【0005】
また、人工肉を用いる植物性サラダチキンは現状、流通しておらず、植物性のたん白摂取商品としては、豆腐を棒状に加工したものが販売されている。しかし、この製品の食感や味はほとんど豆腐に近いものであり、サラダチキンとは乖離が大きく、嗜好性に劣る。このため、サラダチキンに近い食感や味を有する植物性サラダチキンが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2018-533945号公報
【特許文献2】特開2004-173585号公報
【特許文献3】特開2021-040586号公報
【特許文献4】特許第6705969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができる肉含有食品用の品質改良剤、その品質改良剤を含む肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を含む、肉含有食品用の品質改良剤である。
【0009】
本発明は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を含む、肉含有食品である。
【0010】
本発明は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を用いて肉含有食品を作製する、肉含有食品の作製方法である。
【0011】
本発明は、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、水と、を混合して第1混合物を得る第1混合工程と;前記第1混合物と、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、肉用材料と、食物繊維と、を混合して第2混合物を得る第2混合工程と;前記第2混合物を成形する成形工程と;を含む、肉含有食品の作製方法である。
【0012】
前記肉含有食品の作製方法において、前記成形工程後にレトルト加熱処理を行うレトルト加熱工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができる肉含有食品用の品質改良剤、その品質改良剤を含む肉含有食品、および、肉含有食品の作製方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0015】
<肉含有食品用の品質改良剤>
本実施形態に係る肉含有食品用の品質改良剤は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を含む組成物である。
【0016】
本発明者らは、食用肉および人工肉のうちの少なくとも1つを含む肉含有食品を作製する際に、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を組み合わせることによって、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができることを見出した。これらを組み合わせることによって、加熱前後の種のまとまりが良好であり、加熱後の適度な硬さを有し、加熱後のヌメリが低減された肉含有食品を作製することができる。レトルト加熱処理のような加熱処理を行っても、食感が硬くなりすぎず、常温流通化が可能である。サラダチキンの作製に用いた場合には、サラダチキンらしい繊維感のある食感とすることができる。また、食物繊維含量を増やすことができる。
【0017】
ゲル化能を有する増粘剤としては、水に加えたときにゲル化能を有する増粘剤であればよく、特に制限はないが、カードラン、カラギナン、カロブビーンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン、アマシードガム、キサンタンガム、ウェランガム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、適度な硬さ、ヌメリの低減が得られる等の点から、カードラン、カラギナン、カロブビーンガムが好ましい。これらの増粘剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】
グルコマンナンは、コンニャクイモの塊茎に存在する多糖類である。例えば、コンニャクイモを水洗後、スライスして乾燥して粉砕し、さらに澱粉質等の不純物を分離したものがコンニャク精粉と呼ばれる。このコンニャク精粉にはグルコマンナンが約75~85質量%程度含まれている。グルコマンナンは、グルコース(単糖の一種)とマンノース(単糖の一種)が、およそ2:3の割合で多数結合した食物繊維である。グルコマンナンとしては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0019】
コンニャク粉は、例えば、コンニャクイモを水洗後、スライスして乾燥して粉砕し、さらに澱粉質等の不純物を分離して得られる粉である。コンニャク粉としては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。
【0020】
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のナトリウム塩、炭酸カリウム等のカリウム塩、炭酸カルシウム等のカルシウム塩、炭酸マグネシウム等のマグネシウム塩等が挙げられる。これらのうち、適度な硬さ、ヌメリの低減が得られる等の点から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。これらの炭酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】
pH7以上のアルカリリン酸塩は、水に溶解させたときにpH7以上を示すリン酸塩である。具体的には、20~25℃の純水100mL中に、1gのリン酸塩を溶解し、pHを測定してpH7以上を示すリン酸塩である。pH7以上のアルカリリン酸塩としては、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム等が挙げられる。これらのうち、適度な硬さが得られる、ヌメリの低減が得られる等の点から、リン酸三カリウムが好ましい。これらのリン酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0022】
ミネラル塩は、一般的な食塩(塩化ナトリウム)を除く塩類であり、適度な硬さ、ヌメリの低減が得られる等の点から、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含むミネラル塩が好ましく、カリウム、カルシウムを含むミネラル塩がより好ましい。ミネラル塩としては、例えば、海藻カルシウム等が挙げられる。これらのミネラル塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】
デキストリンは、デンプンを化学的な方法または酵素的な方法等によって低分子化したものである。デキストリンは、低分子化の度合いによってグレード分けされており、その指標としてデキストロース当量(DE値)が用いられる。DE値は、デキストロース(ブドウ糖)の還元力を100とした場合の相対的な尺度であり、0に近いほどデンプンに近い特性となり、100に近づくほどデンプンの加水分解が進み平均分子量が小さくなり、ブドウ糖に似た特性となる。本明細書ではDE値が0を超え100までの全てのものを「デキストリン」と呼ぶ。DE値が0のものを「還元力のない糖」と呼ぶ。還元力のない糖としては、トレハロース、還元水あめ、マルトシルトレハロース等が挙げられる。DE値が12以上のデキストリンまたは還元力のない糖は、1種単独で使用してもよいし、DE値が異なるものを2種以上混合して使用してもよい。DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つには、品質に影響を与えない範囲内、例えば20質量%以下の量で、DE値が12未満のデキストリン(ただし、「DE値が12未満のデキストリン」には、DE値が0である「還元力のない糖」は含まれない。)が含まれていてもよい。なお、DE値は、レーン・エイノン法によって求めることができる。
【0024】
本実施形態に係る肉含有食品用の品質改良剤で用いられるデキストリンのDE値は、12以上である。DE値の上限は、100以下であり、DE値は、12以上50以下であることが好ましく、12以上30以下であることがより好ましい。デキストリンのDE値が12未満であると(ただし、「DE値が12未満のデキストリン」には、DE値が0である「還元力のない糖」は含まれない。)、弾力のある食感や歯切れの良い食感が得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0025】
食物繊維は、ヒトの消化酵素によって分解されにくい、食物に含まれている成分の総称である。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とがある。食物繊維としては、例えば、オーツ麦食物繊維、イヌリン、シトラスファイバー、ポテトファイバー、エンドウ食物繊維、小麦ふすま等が挙げられ、外観(色)、風味、食感等の点から、オーツ麦食物繊維が好ましい。食物繊維は、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0026】
品質改良剤中のゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、3~50質量%の範囲であり、5~40質量%の範囲であることが好ましい。ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の含有量が3質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、50質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。サラダチキンの作製に用いる場合には、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、2質量%~45質量%の範囲であり、3質量%~40質量%の範囲であることが好ましい。ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の含有量が2質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、45質量%を超えると、レトルト加熱処理を行ったときに食感が硬くなる場合がある。
【0027】
品質改良剤中のグルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つの含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、5~45質量%の範囲であり、10~30質量%の範囲であることが好ましい。グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つの含有量が5質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、45質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0028】
品質改良剤中の炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つの含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、0.5~15質量%の範囲であり、1~10質量%の範囲であることが好ましい。炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つの含有量が0.5質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、15質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0029】
品質改良剤中のDE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つの含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、30~90質量%の範囲であり、40~80質量%の範囲であることが好ましい。DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つの含有量が30質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、90質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0030】
品質改良剤中の食物繊維の含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、0.1~50質量%の範囲であり、1~30質量%の範囲であることが好ましい。食物繊維の含有量が0.1質量%未満であると、栄養素含量が低かったり、好ましい食感が得られなかったりする場合があり、50質量%を超えると、ケーシング充填がしにくかったり、食感が硬すぎたりする場合がある。
【0031】
本実施形態に係る品質改良剤は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維の他に、でん粉、加工でん粉、糖類、食塩、乳化剤等の他の成分を含んでもよいし、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維の他に、他の成分を含まなくてもよい。
【0032】
他の成分を含む場合、他の成分の含有量は、例えば、品質改良剤全体の質量に対して、80質量%以下であり、好ましくは40質量%以下である。
【0033】
本実施形態に係る品質改良剤は、肉含有食品の品質を改良するために利用することができる。改良する品質としては、例えば、加熱後の弾力や歯切れの良さ、ケーシングへの充填、成形のしやすさ、食感、味の他に、加熱前後の種のまとまり、加熱後の硬さ、加熱後のヌメリ、加熱後のジューシー感等が挙げられる。
【0034】
本実施形態に係る品質改良剤の形態は特に制限されず、例えば、液体状、ペースト状、顆粒状、粉末状、固形状等のいずれの形態であってもよい。
【0035】
本実施形態に係る品質改良剤は、粉末添加、水、油等に分散後に添加等の処理方法で、肉含有食品の品質の改良に用いることができる。
【0036】
<肉含有食品>
本発明の実施の形態に係る肉含有食品は、上記肉含有食品用の品質改良剤と肉用材料とを含む食品である。すなわち、本実施形態に係る肉含有食品は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を含む食品である。
【0037】
本実施形態に係る肉含有食品は、例えば、肉用材料に、上記肉含有食品用の品質改良剤と、食用油、水等とを加え、混合することによって得られる。すなわち、本実施形態に係る肉含有食品は、例えば、肉用材料に、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、食用油、水等とを加え、混合することによって得られる。
【0038】
肉用材料としては、食用肉または人工肉が挙げられる。
【0039】
食用肉としては、例えば、牛、豚、鶏、馬、羊、アヒル、七面鳥等の畜肉類等が挙げられる。
【0040】
人工肉は、植物性タンパク、魚類タンパク、魚卵タンパク、鶏卵タンパク、乳類タンパク、甲殻類タンパク、海藻タンパク、微生物藻類タンパク等のタンパクのうち少なくとも1つを含む肉である。人工肉に用いられる植物性タンパクとしては、大豆、エンドウ、緑豆、ヒヨコ豆、落花生、ルビナス、キマメ、ナタ豆、ツル豆、インゲン豆、小豆、ササゲ、レンズ豆、ソラ豆、イナゴ豆、オーツ麦、大麦、小麦、ライ麦、米、トウモロコシ、馬鈴薯、サツマイモ(SWEET POTATO)、チア、キヌア、アルファルファ、麻(ヘンプ)、アーモンド、カシューナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ピスタチオ、パンプキンシード、ココナッツ、グレープシード、金時豆、黒豆、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、ケール、クランベリー、ザクロ、菜種、ひまわり種子、綿実種子、亜麻(アマニ)、ゴマ等の植物性タンパクが挙げられる。また、植物性タンパク以外に、魚類、魚卵、鶏卵、乳類、甲殻類、海藻、微生物藻類等のタンパクを用いてもよい。これらのタンパクは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0041】
食用油としては、食用の油であればよく、特に制限はないが、例えば、キャノーラ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、こめ油、落花生油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、やし油、サラダ油、カカオ脂、アマニ油、あまし油、魚油、ゴマサラダ油、シソ油、ベニバナ油、米ぬか油、エゴマ油や、豚脂、牛脂等の動物性脂等が挙げられ、食す際の口中温度において融解状態となる油を使用することが好ましい。これらの食用油は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0042】
水としては、特に制限はないが、水道水、純水、軟水、硬水等が挙げられる。
【0043】
本実施形態に係る肉含有食品は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、上記肉用材料、食用油、水等の他に、澱粉、加工澱粉、小麦粉、コーンフラワー、米粉、食物繊維、食塩、グルタミン酸ソーダ、グラニュー糖、ブドウ糖、酵母エキス、香辛料、香辛料抽出物、凍結解凍蒟蒻ミンチ、ローストオニオン、増粘多糖類、ココアパウダー、ビーツ粉末、卵白、乳タンパク、ゼラチン、コラーゲン、生タマネギ等の他の成分を含んでもよい。
【0044】
肉含有食品としては、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、上記肉用材料と、を含む食品であればよく、特に制限はないが、例えば、ハンバーグ、パティ、ミートボール、ナゲット、つくね、サラダチキン、燻製チキン、ビーフジャーキー、ソーセージ、サラミ、フランクフルト、アメリカンドック、餃子、焼売、春巻き、肉饅頭、小龍包、メンチカツ、ミートパイ、ミートソース様食品、ラビオリ、ラザニア、ミートローフ、ロールキャベツ、ピーマンの肉詰めやその他種々のひき肉を使用した加工食品、植物性ハンバーグ、植物性メンチカツ、植物性ナゲット、植物性ソーセージ、植物性サラダチキン、植物性燻製チキン、植物性牛タン等の人工肉を使用した加工食品等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ソーセージ、植物性ソーセージ、サラダチキン、植物性サラダチキン、燻製チキン、植物性燻製チキン、植物性牛タンであり、さらに好ましくは植物性サラダチキンである。
【0045】
肉含有食品におけるゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の配合量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して0.1質量%~10質量%の範囲であり、0.5質量%~5質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対するゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の配合量が0.1質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。サラダチキンに用いる場合には、例えば、サラダチキン全体の質量に対して0.1質量%~10質量%の範囲であり、0.5質量%~5質量%の範囲であることが好ましい。サラダチキン全体の質量に対するゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤の配合量が0.1質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、レトルト加熱処理を行ったときに食感が硬くなる場合がある。
【0046】
肉含有食品におけるグルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つの配合量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して0.5質量%~10質量%の範囲であり、1.5質量%~7.5質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対するグルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つの配合量が0.5質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0047】
肉含有食品における炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つの配合量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して0.01質量%~5質量%の範囲であり、0.1質量%~3質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対する炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つの配合量が0.01質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、5質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0048】
肉含有食品におけるDE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つの配合量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して3質量%~45質量%の範囲であり、5質量%~30質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対するDE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つの配合量が3質量%未満であると、十分に品質改良効果が得られない場合があり、45質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0049】
肉含有食品における食物繊維の配合量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して0.1質量%~30質量%の範囲であり、0.5質量%~20質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対する食物繊維の配合量が0.1質量%未満であると、栄養素含量が低かったり、好ましい食感が得られなかったりする場合があり、30質量%を超えると、ケーシング充填がしにくかったり、食感が硬すぎたりする場合がある。
【0050】
本実施形態に係る肉含有食品のタンパク質含量は、例えば、肉含有食品全体の質量に対して1質量%~30質量%の範囲であり、5質量%~20質量%の範囲であることが好ましい。肉含有食品全体の質量に対するタンパク質含量が1質量%未満であると、栄養素含量が低かったり、好ましい食感が得られなかったりする場合があり、30質量%を超えると、ケーシング充填がしにくかったり、食感が硬すぎたりする場合がある。
【0051】
人工肉における植物性タンパク等のタンパクの配合量は、人工肉の質量に対して0質量%~25質量%の範囲であることが好ましく、0質量%~15質量%の範囲であることがより好ましい。人工肉の質量に対する植物性タンパク等のタンパクの配合量が25質量%を超えると、適度な弾力や歯切れの良さが得られなかったり、ケーシング充填がしにくかったりする場合がある。
【0052】
本実施形態に係る肉含有食品において、その他の成分の配合量は、各種肉含有食品の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
【0053】
本実施形態に係る肉含有食品は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、を用いて作製したものであり、肉含有食品の作製方法は、各種肉含有食品の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
【0054】
本実施形態に係る肉含有食品は、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品である。また、加熱前後の種のまとまりが良好であり、加熱後の適度な硬さを有し、加熱後のヌメリが低減された肉含有食品である。レトルト加熱処理のような加熱処理を行っても、食感が硬くなりすぎず、常温流通化が可能である。サラダチキンの場合には、サラダチキンらしい繊維感のある食感を有する。さらに、タンパク質含量や食物繊維含量等の栄養素含量が高い肉含有食品とすることができる。
【0055】
<肉含有食品の作製方法>
本発明の実施の形態に係る肉含有食品の作製方法は、上記肉含有食品用の品質改良剤と肉用材料とを用いて肉含有食品を作製する方法である。すなわち、本実施形態に係る肉含有食品の作製方法は、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、食物繊維と、肉用材料と、を用いて肉含有食品を作製する方法である。
【0056】
例えば、肉用材料に、上記肉含有食品用の品質改良剤と、食用油、水等とを加え、混合して、各種肉含有食品の製造の常法に従い、肉含有食品を作製すればよい。
【0057】
例えば、ソーセージは、肉用材料に、上記肉含有食品用の品質改良剤と、食用油、水等とを加え、混合し、羊腸、牛腸、豚腸等の天然ケーシングに充填、成形し、加熱、冷却して作製すればよい。植物性ソーセージは、肉用材料に、上記肉含有食品用の品質改良剤と、食用油、水等とを加え、混合し、アルギン酸ケーシング等の可食性ケーシングやポリ塩化ビニリデン等のプラスチック、セルロース等の非可食性ケーシング等の人工ケーシングに充填、成形し、加熱、冷却して作製すればよい。植物性サラダチキンは、肉用材料に、上記肉含有食品用の品質改良剤と、食用油、水等とを加え、混合し、例えばポリ塩化ビニリデン等のプラスチック、セルロース等の非可食性ケーシング等の人工ケーシングに充填、成形し、加熱、冷却して作製すればよい。成形後にレトルト加熱処理(例えば、115~120℃、20~40分間)を行ってもよい。レトルト加熱処理を行う場合は、肉含有食品をレトルト加熱処理に耐え得る容器(耐熱性袋等)に充填すればよい。
【0058】
肉含有食品は、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つと、水と、を混合して第1混合物を得る第1混合工程と;この第1混合物と、ゲル化能を有する少なくとも1種の増粘剤と、肉用材料と、食物繊維と、を混合して第2混合物を得る第2混合工程と;この第2混合物を成形する成形工程と、を含む方法によって、作製してもよい。また、成形工程後にレトルト加熱処理を行うレトルト加熱工程を含んでもよい。
【0059】
DE値が12以上のデキストリンおよび還元力のない糖のうち少なくとも1つを、グルコマンナンおよびコンニャク粉のうち少なくとも1つと、炭酸塩、pH7以上のアルカリリン酸塩、およびミネラル塩のうち少なくとも1つと、水と、に先に混合するこのような方法によって、レトルト加熱処理を行っても、食感が硬くなり過ぎるのを抑制することができる。
【0060】
このようにして、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができる。また、加熱前後の種のまとまりが良好であり、加熱後の適度な硬さを有し、加熱後のヌメリが低減された肉含有食品を作製することができる。レトルト加熱処理のような加熱処理を行っても、食感が硬くなりすぎず、常温流通化が可能な肉含有食品を作製することができる。サラダチキンを作製する場合には、サラダチキンらしい繊維感のある食感を有するサラダチキンを得ることができる。さらに、タンパク質含量や食物繊維含量等の栄養素含量が高い肉含有食品とすることができる。
【実施例0061】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
<実施例1,2、比較例1、参考例1>
以下の実施例1,2、比較例1、参考例1について、表1に示す組成(質量%)で以下の方法によって植物性サラダチキンを作製した。なお、参考例1は、市販の豆腐バーである。
【0063】
[植物性サラダチキン作製方法]
(1)組織状大豆たん白と水を混合し、2時間水戻しを行い、包丁で適切なサイズにカットする。
(2)こんにゃく粉、デキストリンA(DE値13~17)、海藻カルシウム、水をフードカッターで混合する(第1混合物を得る第1混合工程)。
(3)(1),(2)に残りの原料をすべて添加し、ケンミックスで撹拌、混合する(第2混合物を得る第2混合工程)。
(4)真空脱気する。
(5)円柱状に成形し(成形工程)、耐熱性のプラスチック袋に充填する。
(6)真空処理し、120℃で20分加熱する(レトルト加熱工程)。
(7)流水で冷却し、常温(20℃)で保管する。
【0064】
[官能評価]
8人の評価者によって、ケーシングへの充填、成形適性、弾力、歯切れ、繊維感、外観(色)、味について、以下の基準で5段階評価を行い、平均点を算出した。3点以上が好ましい評価である。結果を表2に示す。
【0065】
(充填、成形適性)
5:非常にスムーズに充填、成形できる。
4:スムーズに充填、成形できる。
3:充填、成形できる。
2:充填、成形しにくい。
1:充填、成形できない。
(弾力)
5:非常にサラダチキンに近い適度な弾力がある。
4:サラダチキンのような適度な弾力がある。
3:サラダチキンのような適度な弾力がややある。
2:サラダチキンのような適度な弾力がなくやや軟らかい、またはやや硬い。
1:サラダチキンのような適度な弾力がなく非常に軟らかい、または非常に硬い。
(歯切れ)
5:非常にサラダチキンに近い歯切れの良さがある。
4:サラダチキンのような歯切れの良さがある。
3:サラダチキンのような歯切れの良さがややある。
2:サラダチキンのような歯切れの良さがない。
1:サラダチキンのような歯切れの良さが全くない。
(繊維感)
5:非常にサラダチキンに近い繊維感がある。
4:サラダチキンのような繊維感がある。
3:サラダチキンのような繊維感がややある。
2:サラダチキンのような繊維感がない。
1:サラダチキンのような繊維感が全くない。
(外観(色))
5:非常にサラダチキンに近い淡褐色。
4:サラダチキンのような淡褐色。
3:サラダチキンのような淡褐色~褐色。
2:サラダチキンのような淡褐色~褐色よりも色が濃い。
1:サラダチキンのような淡褐色~褐色に全く当てはまらない。
(味)
5:非常にサラダチキンに近い味で、かつ、美味しい。
4:サラダチキンのような味で、かつ、美味しい。
3:サラダチキンのような味を感じるが、あまり美味しくない。
2:サラダチキンのような味ではない、または、美味しくない。
1:サラダチキンのような味ではなく、かつ、美味しくない。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
実施例で得られたサラダチキンは、ケーシングへの充填、成形適性、弾力、歯切れ、繊維感、外観(色)、味について、いずれも優れていた。
【0069】
このように、実施例では、加熱後に適度な弾力および歯切れの良さを有し、ケーシングへの充填、成形がしやすく、食感や味が優れる肉含有食品を作製することができた。