知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156488
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】散薬分包装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20241029BHJP
B65B 37/08 20060101ALI20241029BHJP
【ＦＩ】
A61J3/00 310F
B65B37/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023070994
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100204456
【弁理士】
【氏名又は名称】調 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】大村 義人
【テーマコード（参考）】
3E055
4C047
【Ｆターム（参考）】
3E055AA05
3E055BA03
3E055CA06
3E055DA12
3E055DA16
3E055EA02
3E055FA05
4C047GG24
4C047JJ03
4C047JJ13
4C047JJ22
(57)【要約】
【課題】配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立した散薬分包装置の提供。
【解決手段】本発明の散薬分包装置は、分包される散薬が投入される収容部と、分包される散薬が当該配分円盤上に落下されることにより前記散薬が均等に配分される配分円盤と、前記収容部の下部に設けられて前記配分円盤に向けて前記散薬を移送する移送部と、前記移送部を振動させるように駆動することで前記散薬を移送させる駆動部と、を有する散薬分包装置であって、前記配分円盤は、円環の央部が窪んだ円環状であって、前記移送部は、前記移送方向の終端が前記配分円盤の前記央部の上方において前記散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部と、前記収容部の下部に位置する第１底面部と、少なくとも前記移送方向の終端において前記狭隘部の両側にあって、前記第１底面部と同一平面上に延びた第２底面部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図６
【解決手段】本発明の散薬分包装置は、分包される散薬が投入される収容部と、分包される散薬が当該配分円盤上に落下されることにより前記散薬が均等に配分される配分円盤と、前記収容部の下部に設けられて前記配分円盤に向けて前記散薬を移送する移送部と、前記移送部を振動させるように駆動することで前記散薬を移送させる駆動部と、を有する散薬分包装置であって、前記配分円盤は、円環の央部が窪んだ円環状であって、前記移送部は、前記移送方向の終端が前記配分円盤の前記央部の上方において前記散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部と、前記収容部の下部に位置する第１底面部と、少なくとも前記移送方向の終端において前記狭隘部の両側にあって、前記第１底面部と同一平面上に延びた第２底面部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分包される散薬が投入される収容部と、
分包される散薬が当該配分円盤上に落下されることにより前記散薬が均等に配分される配分円盤と、
前記収容部の下部に設けられて前記配分円盤に向けて前記散薬を移送する移送部と、
前記移送部を振動させるように駆動することで前記散薬を移送させる駆動部と、
を有する散薬分包装置であって、
前記配分円盤は、円環の央部が窪んだ円環状であって、
前記移送部は、前記移送方向の終端が前記配分円盤の前記央部の上方において前記散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部と、
前記収容部の下部に位置する第１底面部と、
少なくとも前記移送方向の終端において前記狭隘部の両側にあって、前記第１底面部と同一平面上に延びた第２底面部と、を有することを特徴とする散薬分包装置。
分包される散薬が当該配分円盤上に落下されることにより前記散薬が均等に配分される配分円盤と、
前記収容部の下部に設けられて前記配分円盤に向けて前記散薬を移送する移送部と、
前記移送部を振動させるように駆動することで前記散薬を移送させる駆動部と、
を有する散薬分包装置であって、
前記配分円盤は、円環の央部が窪んだ円環状であって、
前記移送部は、前記移送方向の終端が前記配分円盤の前記央部の上方において前記散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部と、
前記収容部の下部に位置する第１底面部と、
少なくとも前記移送方向の終端において前記狭隘部の両側にあって、前記第１底面部と同一平面上に延びた第２底面部と、を有することを特徴とする散薬分包装置。
【請求項2】
請求項１に記載の散薬分包装置において、
前記狭隘部の延長線上に前記収容部の開口部が形成されたことを特徴とする散薬分包装置。
前記狭隘部の延長線上に前記収容部の開口部が形成されたことを特徴とする散薬分包装置。
【請求項3】
請求項１に記載の散薬分包装置において、
前記移送部から排出される散薬が少ないときには前記狭隘部から前記散薬が集中的に排出され、
前記移送部から排出される散薬が多いときには前記狭隘部と前記第２底面部とから前記散薬が排出されることを特徴とする散薬分包装置。
前記移送部から排出される散薬が少ないときには前記狭隘部から前記散薬が集中的に排出され、
前記移送部から排出される散薬が多いときには前記狭隘部と前記第２底面部とから前記散薬が排出されることを特徴とする散薬分包装置。
【請求項4】
請求項１に記載の散薬分包装置において、
前記狭隘部の下方に設置されて当該狭隘部から排出される前記散薬の量を測定するための検知手段を有することを特徴とする散薬分包装置。
前記狭隘部の下方に設置されて当該狭隘部から排出される前記散薬の量を測定するための検知手段を有することを特徴とする散薬分包装置。
【請求項5】
請求項１に記載の散薬分包装置において、
少なくとも２つの前記収容部と前記移送部とを有し、前記収容部と前記移送部とは何れも前記配分円盤の中心よりも操作者側に、前記移送部における前記散薬の移送方向が互いに平行になるように配置され、
前記駆動部は、それぞれの前記移送部の前記移送方向の上流側に配置されることを特徴とする散薬分包装置。
少なくとも２つの前記収容部と前記移送部とを有し、前記収容部と前記移送部とは何れも前記配分円盤の中心よりも操作者側に、前記移送部における前記散薬の移送方向が互いに平行になるように配置され、
前記駆動部は、それぞれの前記移送部の前記移送方向の上流側に配置されることを特徴とする散薬分包装置。
【請求項6】
請求項５に記載の散薬分包装置において、
前記駆動部は、前記移送部を振動させる駆動源として動作するとともに、前記収容部の前記操作者側の端部に取り付けられた回転軸を有し、前記収容部を前記回転軸を中心として円弧を描くように上下動させる昇降機構を備えることを特徴とする散薬分包装置。
前記駆動部は、前記移送部を振動させる駆動源として動作するとともに、前記収容部の前記操作者側の端部に取り付けられた回転軸を有し、前記収容部を前記回転軸を中心として円弧を描くように上下動させる昇降機構を備えることを特徴とする散薬分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、散薬を１包分ずつ均等に配分するための散薬分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤師等の操作者によって予め計量された散薬を、振動フィーダーを用いて配分円盤に散布し、１包分ずつ等分して均等に配分するための散薬分包装置が知られている（例えば特許文献１等参照）。
このように予め計量された散薬を分包するような、所謂手動秤量を行った後に分包するタイプの散薬分包装置において、省スペース化を求めて１つの配分円盤に１つの振動フィーダーとする構成、あるいは、１つの配分円盤に対して２つの振動フィーダーを互いに対向するように配置した構成等が知られていた。
さらに、こうした振動フィーダーを用いて散薬を配分円盤へと排出するための構成として、振動フィーダーによって動作するトラフ部分の先端形状を細くすることで、散薬が配分円盤の中央部に集中的に撒かれるような構成も知られている（例えば特許文献２等参照）。
このように予め計量された散薬を分包するような、所謂手動秤量を行った後に分包するタイプの散薬分包装置において、省スペース化を求めて１つの配分円盤に１つの振動フィーダーとする構成、あるいは、１つの配分円盤に対して２つの振動フィーダーを互いに対向するように配置した構成等が知られていた。
さらに、こうした振動フィーダーを用いて散薬を配分円盤へと排出するための構成として、振動フィーダーによって動作するトラフ部分の先端形状を細くすることで、散薬が配分円盤の中央部に集中的に撒かれるような構成も知られている（例えば特許文献２等参照）。
【0003】
また、配分円盤に排出される散薬を分散して堆積させる構成として、トラフ部分に複数溝を設けるような構成もまた知られている（例えば特許文献３等参照）。
さて、配分円盤に撒かれた散薬を等量に分配していくためには、散薬が配分円盤上に一様に撒かれることが好ましく、一般的には配分円盤上に撒かれる速度が遅い方が緩やかにかつ均一に撒かれる傾向があることが知られている。
他方で、散薬分包装置としては分包動作の高速化が求められており、配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化が課題とされている。
この点、単に先端部を狭くすることでトラフの一部分から集中的に排出されやすい構成とした場合には、散薬の排出量も絞られてしまうために、配分円盤上に撒かれる散薬の高速化が難しくなってしまうという問題があった。
さて、配分円盤に撒かれた散薬を等量に分配していくためには、散薬が配分円盤上に一様に撒かれることが好ましく、一般的には配分円盤上に撒かれる速度が遅い方が緩やかにかつ均一に撒かれる傾向があることが知られている。
他方で、散薬分包装置としては分包動作の高速化が求められており、配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化が課題とされている。
この点、単に先端部を狭くすることでトラフの一部分から集中的に排出されやすい構成とした場合には、散薬の排出量も絞られてしまうために、配分円盤上に撒かれる散薬の高速化が難しくなってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平１０－１２９６１９号公報
【特許文献2】特開２００９－６７４３７号公報
【特許文献3】特許第４８３７６４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能な散薬分包装置が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためのものであり、配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立した散薬分包装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の散薬分包装置は、分包される散薬が投入される収容部と、分包される散薬が当該配分円盤上に落下されることにより前記散薬が均等に配分される配分円盤と、前記収容部の下部に設けられて前記配分円盤に向けて前記散薬を移送する移送部と、前記移送部を振動させるように駆動することで前記散薬を移送させる駆動部と、を有する散薬分包装置であって、前記配分円盤は、円環の央部が窪んだ円環状であって、前記移送部は、前記移送方向の終端が前記配分円盤の前記央部の上方において前記散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部と、前記収容部の下部に位置する第１底面部と、少なくとも前記移送方向の終端において前記狭隘部の両側にあって、前記第１底面部と同一平面上に延びた第２底面部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このような散薬分包装置によれば、配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の一例として、薬剤分包装置の外観を示した図である。
【図9】配分円盤と振動フィーダーとの位置関係の一例を示す図である。
【図10】散薬を下方へと移送するための掻き出し部を拡大した図である。
【図11】薬剤分包装置の内部構造の一例を示す図である。
【図13】本実施形態における分包された薬剤の一例を示す図である。
【図14】散薬分包装置のフィーダー部分の参考例を示す図である。
【図16】本実施形態におけるフィーダーの断面形状と単位時間当たりの排出量の一例とを示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態として、フィーダーの配置を変更した変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の散薬分包装置の一例である具体的な形態を、図に沿って説明する。
図においては、簡略化のため、ボルト等の締結具や、電動モータ等の駆動源、ギヤ等の伝動部材、モータドライバ等の電気回路、コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示する。
また、図１に示すように、薬剤分包装置１００の操作者Ｐの立つ正面側から見たときに、便宜上左から右へ向かう方向をＸ方向、手前側から奥側に向かう方向をＹ方向、下から上へ向かう方向をＺ方向として示している。
図においては、簡略化のため、ボルト等の締結具や、電動モータ等の駆動源、ギヤ等の伝動部材、モータドライバ等の電気回路、コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示する。
また、図１に示すように、薬剤分包装置１００の操作者Ｐの立つ正面側から見たときに、便宜上左から右へ向かう方向をＸ方向、手前側から奥側に向かう方向をＹ方向、下から上へ向かう方向をＺ方向として示している。
【0011】
まず、本発明の薬剤分包装置１００について、外観図及び内部構成図を図１、図２に示す。
薬剤分包装置１００は、図１に示すように、筐体１０１の上部に位置し操作者Ｐが手動で錠剤等の薬剤を投入して分包に供するための手撒き部である錠剤処理部１１０と、手撒き部１０に配置された薬剤を下部にある後述の包装装置１３０へと導くための搬送部１２と、を備えた錠剤処理部１１０と、操作者Ｐが１処方分を秤量した散薬等の薬剤を投入して、処方箋で指示された所定の分量に分配するための配分円盤２０を備えた散薬処理部１２０と、これら錠剤処理部１１０や散薬処理部１２０から送られてきた錠剤・散薬を含む薬剤を包装紙によって個包装するための包装装置１３０と、を有する分包装置であり、散薬分包装置あるいは錠剤分包装置としても機能する。
薬剤分包装置１００は、図１に示すように、筐体１０１の上部に位置し操作者Ｐが手動で錠剤等の薬剤を投入して分包に供するための手撒き部である錠剤処理部１１０と、手撒き部１０に配置された薬剤を下部にある後述の包装装置１３０へと導くための搬送部１２と、を備えた錠剤処理部１１０と、操作者Ｐが１処方分を秤量した散薬等の薬剤を投入して、処方箋で指示された所定の分量に分配するための配分円盤２０を備えた散薬処理部１２０と、これら錠剤処理部１１０や散薬処理部１２０から送られてきた錠剤・散薬を含む薬剤を包装紙によって個包装するための包装装置１３０と、を有する分包装置であり、散薬分包装置あるいは錠剤分包装置としても機能する。
【0012】
なお、本実施形態では、錠剤処理部１１０と、散薬処理部１２０と、包装装置１３０と、を一体的に含む構成について述べるが、薬剤分包装置１００は、他にも錠剤を保管するとともに１つずつ錠剤落下経路１１へと送り出すための錠剤カセットを有している構成であっても良く、また同様に、散薬を保管するための薬剤カセットや保管棚を有する構成であっても良い。
また、薬剤分包装置１００は、本実施形態においては、後述する制御部における各機能を制御するためのアプリケーション等がインストールされた制御端末１４０を有している。
また、薬剤分包装置１００は、本実施形態においては、後述する制御部における各機能を制御するためのアプリケーション等がインストールされた制御端末１４０を有している。
【0013】
錠剤処理部１１０は、図３に示すように、薬剤分包装置１００の最上部に設けられており、引き出し可能なトレイ１１１と、トレイ１１１よりも下方においてトレイ１１１に投入された錠剤を搬送して薬剤分包装置１００の下部へと移送するコンベア１１２と、トレイ１１１を介さずに錠剤を投入可能な錠剤投入口１１４と、を有している。
トレイ１１１は、筐体１０１から筐体１０１から操作者Ｐの手前側に引き出し可能であって、複数に分割された各区画１１１ａにそれぞれ錠剤を手撒きして、トレイ１１１を再度内部に装着することで、各区画１１１ａの床面が開いて下部の搬送部１２へと誘導可能になっている。
搬送部１２は、どのような構成であっても良いが、例えば図４に示すように、複数の薬剤容器１１３と、当該薬剤容器１１３を動かすローラとベルトとによって構成されたコンベア１１２と、を備えた構造の搬送部として知られている。
トレイ１１１は、筐体１０１から筐体１０１から操作者Ｐの手前側に引き出し可能であって、複数に分割された各区画１１１ａにそれぞれ錠剤を手撒きして、トレイ１１１を再度内部に装着することで、各区画１１１ａの床面が開いて下部の搬送部１２へと誘導可能になっている。
搬送部１２は、どのような構成であっても良いが、例えば図４に示すように、複数の薬剤容器１１３と、当該薬剤容器１１３を動かすローラとベルトとによって構成されたコンベア１１２と、を備えた構造の搬送部として知られている。
【0014】
このように搬送部１２によって搬送された錠剤は、後述する錠剤合流部６０において、散薬と合流して、包装装置１３０にあって図示しない投入ホッパー７０へと移動し、分包処理がなされることとなる。
【0015】
次に散薬処理部１２０は、図５に示すように円環状の配分円盤２０と、配分円盤２０の操作者側に２つ取り付けられた収容部であるホッパー２１と、それぞれのホッパー２１の下方に配置されて、ホッパー２１に投入された散薬の移送部となるトラフ２２と、ホッパー２１とトラフ２２とに隣接してトラフ２２の移送方向と平行かつ上流側に配置されたフィーダー駆動部４０と、を有している。フィーダー駆動部４０は、本実施形態においてはトラフ２２の延伸方向であるＹ方向に対して並行して配置されている。
【0016】
散薬処理部１２０はまた、配分円盤２０において、トラフ２２よりも回転方向下流側に、掻き出し部５０を有している。ここでは配分円盤２０を上方から見たとき、回転方向を左回りであるとして説明するが、かかる構成に限定されるものではない。
本実施形態においては、ホッパー２１とトラフ２２は対となって複数が平行に配置されており、掻き出し部５０はこのようなホッパー２１とトラフ２２の最も下流側に位置する。掻き出し部５０は、後述するように配分円盤２０上に載置された散薬を、錠剤合流部６０に向けて掻き出すように動作する。
本実施形態においては、ホッパー２１とトラフ２２は対となって複数が平行に配置されており、掻き出し部５０はこのようなホッパー２１とトラフ２２の最も下流側に位置する。掻き出し部５０は、後述するように配分円盤２０上に載置された散薬を、錠剤合流部６０に向けて掻き出すように動作する。
【0017】
散薬処理部１２０は、スライドして引き出し可能に筐体１０１内部に保持されている。
かかる構成によれば、薬剤分包装置１００の筐体１０１から散薬処理部１２０を引き出すことで、清掃性の向上に寄与する。
かかる構成によれば、薬剤分包装置１００の筐体１０１から散薬処理部１２０を引き出すことで、清掃性の向上に寄与する。
【0018】
ホッパー２１とトラフ２２とは、フィーダー駆動部４０によって後述のように振動動作することで、ホッパー２１内部に投入された散薬をトラフ２２を介して配分円盤２０へと移送する振動フィーダーとして動作する。
【0019】
ホッパー２１は、図５、図６に示すように、フィーダー駆動部４０からホッパー保持枠４１によって支持され、その側面は下方に向かって先細るようにテーパー形状となっており、投入された散薬を最下方の開口部２３からトラフ２２へと投入する。ホッパー２１の外側側面には、外側に向かって突出した三角形の突出部２１ａが設けられており、ホッパー保持枠４１とかかる突出部２１ａとが引っかかることで支持される。
トラフ２２は、図６、図７に示すように、フィーダー駆動部４０から振動部４２によって支持され、後端側である操作者側から前端側である配分円盤２０側に向かって緩やかに傾斜するとともに、その先端部には、散薬が配分円盤２０の央部に落下するように設けられた散薬切り出し部２４と、散薬切り出し部２４へ向かって先細るようにかつ傾斜度が高くなるように形成された斜面部２５と、を有している。
トラフ２２は、図６、図７に示すように、フィーダー駆動部４０から振動部４２によって支持され、後端側である操作者側から前端側である配分円盤２０側に向かって緩やかに傾斜するとともに、その先端部には、散薬が配分円盤２０の央部に落下するように設けられた散薬切り出し部２４と、散薬切り出し部２４へ向かって先細るようにかつ傾斜度が高くなるように形成された斜面部２５と、を有している。
【0020】
本実施形態では、開口部２３と対向するトラフ２２の底面を、第１底面部２６ａとする。
トラフ２２の先端部であって、斜面部２５の両側には、図６、図７に示すように、第１底面部２６ａから同一平面になるように延びた第２底面部２６ｂが形成されている。
トラフ２２の先端部であって、斜面部２５の両側には、図６、図７に示すように、第１底面部２６ａから同一平面になるように延びた第２底面部２６ｂが形成されている。
【0021】
振動部４２は、フィーダー駆動部４０によって振動可能な振動板であって、フィーダー駆動部４０からの信号に従って細かく振動することによって、上方に載置されたトラフ２２を振動させてトラフ２２の延びた方向、すなわち本実施形態ではＹ方向へと散薬を移送する。
【0022】
ホッパー保持枠４１は、円筒状のパイプで形成され、ホッパー２１のＹ方向側の前端側が開いた矩形の枠体であって、ホッパー２１の突出部２１ａを下方から支持する。ホッパー保持枠４１は、図８に示すように、ホッパー保持枠４１が後端側を中心に上下方向に回動することで、ホッパー２１を回転軸Ｏ１を中心として弧状に上下動させることができる。
図８に示すように、ホッパー保持枠４１がホッパー２１を上方に持ち上げるように動作させることによって、開口部２３とトラフ２２との間に隙間を生じさせて、ホッパー２１に収容された散薬が下方のトラフ２２へと排出される。
それと同時に、トラフ２２は振動部４２によって振動しているので、トラフ２２上に排出された散薬は、壁面に沿って斜面部２５と散薬切り出し部２４とを経由して配分円盤２０へと落下する。
トラフ２２の下方には、散薬が排出されているかどうかを検知するための落下検知手段としてのディスタンスセンサ２８を備えており、散薬切り出し部２４から排出される散薬の有無を検出することができる。
図８に示すように、ホッパー保持枠４１がホッパー２１を上方に持ち上げるように動作させることによって、開口部２３とトラフ２２との間に隙間を生じさせて、ホッパー２１に収容された散薬が下方のトラフ２２へと排出される。
それと同時に、トラフ２２は振動部４２によって振動しているので、トラフ２２上に排出された散薬は、壁面に沿って斜面部２５と散薬切り出し部２４とを経由して配分円盤２０へと落下する。
トラフ２２の下方には、散薬が排出されているかどうかを検知するための落下検知手段としてのディスタンスセンサ２８を備えており、散薬切り出し部２４から排出される散薬の有無を検出することができる。
【0023】
散薬切り出し部２４は、トラフ２２の幅方向の中央部に形成された凹部であって、移送方向の終端に向けて散薬が収斂するように両側面が移送方向に進むにつれて窄まる狭隘部である。散薬切り出し部２４は、配分円盤２０の円環央部において窪んだ凹部、最も好ましくは図５に破線で示した凹部の最低部２０ａの直上に位置するように配置されており、かかる構成により、トラフ２２を移送された散薬は、配分円盤２０の円環の央部へと落下する。このとき、振動部４２の振動の制御によって、散薬切り出し部２４から落下する散薬の量は調整が可能である。後述するように、散薬の排出量が少ない時には、図９に示すように散薬切り出し部２４から所定量ずつ散薬が落下するようになっている。
従って、配分円盤２０を所定の速度で一周以上回転させることで、配分円盤２０上には散薬の山が一様に分布した形で散布される。
従って、配分円盤２０を所定の速度で一周以上回転させることで、配分円盤２０上には散薬の山が一様に分布した形で散布される。
【0024】
さて、このようにして配分円盤２０の円環の央部である最低部２０ａに落ちる散薬は、配分円盤２０の回転と、振動部４２の振動とによって、配分円盤２０の円環上に均一に散布される。
配分円盤２０上に均一に散薬が散布されると、制御部１４０は、配分円盤２０を所定の角度毎に回動させる。具体的には３６０°を１処方分としたとき、１０包に分割するのであれば３６°毎回転させることで、１包分に適切な量だけ掻き出し部５０の近傍に集められ、掻き出し部５０によって投入ホッパー７０へと投入される。
配分円盤２０上に均一に散薬が散布されると、制御部１４０は、配分円盤２０を所定の角度毎に回動させる。具体的には３６０°を１処方分としたとき、１０包に分割するのであれば３６°毎回転させることで、１包分に適切な量だけ掻き出し部５０の近傍に集められ、掻き出し部５０によって投入ホッパー７０へと投入される。
【0025】
掻き出し部５０は、図１０に示すように配分円盤２０に周縁部が当接するように配置された円板上のディスク５１と、ディスク５１に取り付けられて回動することで配分円盤２０上であってディスク５１によって堰き止められた１包分の散薬を掬い取って掻き出すスクレーパー５２と、を有している。
掻き出し部５０はまた、レバー５３によってＺ方向に上下動可能に支持されており、ディスク５１が配分円盤２０と当接した状態と、配分円盤２０から離間して上方に取り外された状態とに切り替えることもできる。このように上下動可能な構成とすることで、操作者Ｐは、１処方分の分包が終わった配分円盤２０の清掃を容易に行うことができる。
掻き出し部５０はまた、レバー５３によってＺ方向に上下動可能に支持されており、ディスク５１が配分円盤２０と当接した状態と、配分円盤２０から離間して上方に取り外された状態とに切り替えることもできる。このように上下動可能な構成とすることで、操作者Ｐは、１処方分の分包が終わった配分円盤２０の清掃を容易に行うことができる。
【0026】
錠剤合流部６０は、図１１に断面を概略化して示すように、錠剤処理部１１０から搬送部１２を介して落下してきた錠剤と、散薬処理部１２０において１包ずつの量に切り出された散薬と、をそれぞれ別個の経路から、共通する落下経路となる投入ホッパー７０へと誘導するための合流部である。
錠剤合流部６０は、筐体１０１内を正面側に向かって手前方向に斜めに傾斜して延びた錠剤落下経路６１と、錠剤落下経路６１の落下口を塞ぐように配置された蓋部であって、回転軸Ｏ２を中心に回動することで錠剤落下経路６１の落下口を開閉するための閉鎖部材６２と、を有している。
錠剤合流部６０は、閉鎖部材６２と一体に構成されて、押圧されることで閉鎖部材６２を開く方向に移動させるために錠剤落下経路６１の裏側に延びた腕部６３と、腕部６３に当接して腕部６３を前方へと押し込むことで閉鎖部材６２を回動させて錠剤落下経路６１の落下口を開くための押圧部６４と、閉鎖部材６２の上方にあって落下口を閉じる方向に向けて閉鎖部材６２を付勢する付勢部材６９と、を有している。
錠剤合流部６０は、筐体１０１内を正面側に向かって手前方向に斜めに傾斜して延びた錠剤落下経路６１と、錠剤落下経路６１の落下口を塞ぐように配置された蓋部であって、回転軸Ｏ２を中心に回動することで錠剤落下経路６１の落下口を開閉するための閉鎖部材６２と、を有している。
錠剤合流部６０は、閉鎖部材６２と一体に構成されて、押圧されることで閉鎖部材６２を開く方向に移動させるために錠剤落下経路６１の裏側に延びた腕部６３と、腕部６３に当接して腕部６３を前方へと押し込むことで閉鎖部材６２を回動させて錠剤落下経路６１の落下口を開くための押圧部６４と、閉鎖部材６２の上方にあって落下口を閉じる方向に向けて閉鎖部材６２を付勢する付勢部材６９と、を有している。
【0027】
押圧部６４の筐体１０１の奥側には、駆動部たる押圧部６４用の駆動源である駆動源６５が設けられている。押圧部６４は、駆動源６５によって前方に駆動されることで、押圧部６４の先端が腕部６３に当接して、閉鎖部材６２を押し出すようにして動作する。
かかる動作によって、押圧部６４による力が付勢部材６９による付勢力を上回ると、閉鎖部材６２が開状態となることで錠剤落下経路６１の落下口が開放されて、錠剤落下経路６１の下端において閉じ込められていた錠剤が、投入ホッパー７０へと落下する。
他方、押圧部６４は常に後方に向けて引き戻すように付勢されているので、駆動源６５への信号がなくなったときには付勢部材６９によって閉鎖部材６２が錠剤落下経路６１の落下口を塞ぐ位置に戻ることとなる。
かかる動作によって、押圧部６４による力が付勢部材６９による付勢力を上回ると、閉鎖部材６２が開状態となることで錠剤落下経路６１の落下口が開放されて、錠剤落下経路６１の下端において閉じ込められていた錠剤が、投入ホッパー７０へと落下する。
他方、押圧部６４は常に後方に向けて引き戻すように付勢されているので、駆動源６５への信号がなくなったときには付勢部材６９によって閉鎖部材６２が錠剤落下経路６１の落下口を塞ぐ位置に戻ることとなる。
【0028】
錠剤合流部６０は、初期状態である待機状態においては、閉鎖部材６２を閉じた状態で維持しており、錠剤処理部１１０から錠剤が排出されてきたときには、排出された錠剤は、図１１に示したように錠剤落下経路６１の終端で閉鎖部材６２によって堰き止められる。
錠剤合流部６０がかかる錠剤を排出する際には、駆動源６５を動作させて、閉鎖部材６２を図１１における右回りに回動させて、錠剤落下経路６１の閉鎖を解除することで錠剤を投入ホッパー７０へと落下させる。
なお、このような錠剤の排出と、既に述べたスクレーパー５２による散薬の掻き出しとは、基本的には同時に行われることはなく、閉鎖部材６２が閉じている時には散薬の排出が行われ、閉鎖部材６２が開放されている時には錠剤の排出が行われる。
このような制御は、例えば制御部１４０によって、スクレーパー５２による散薬の掻き出しが終了し、包装装置１３０によって所定の分包が終了した後に閉鎖部材６２を駆動させるように制御を行うことで行われる。あるいは、スクレーパー５２による掻き出しと、錠剤排出とを交互に行っても良いが、閉鎖部材６２の開動作中に散薬が掻き出されると、錠剤落下経路６１と閉鎖部材６２との間に散薬が付着する等の虞が生じる他、所謂コンタミ等の懸念も大きくなるため、望ましくはない。
錠剤合流部６０がかかる錠剤を排出する際には、駆動源６５を動作させて、閉鎖部材６２を図１１における右回りに回動させて、錠剤落下経路６１の閉鎖を解除することで錠剤を投入ホッパー７０へと落下させる。
なお、このような錠剤の排出と、既に述べたスクレーパー５２による散薬の掻き出しとは、基本的には同時に行われることはなく、閉鎖部材６２が閉じている時には散薬の排出が行われ、閉鎖部材６２が開放されている時には錠剤の排出が行われる。
このような制御は、例えば制御部１４０によって、スクレーパー５２による散薬の掻き出しが終了し、包装装置１３０によって所定の分包が終了した後に閉鎖部材６２を駆動させるように制御を行うことで行われる。あるいは、スクレーパー５２による掻き出しと、錠剤排出とを交互に行っても良いが、閉鎖部材６２の開動作中に散薬が掻き出されると、錠剤落下経路６１と閉鎖部材６２との間に散薬が付着する等の虞が生じる他、所謂コンタミ等の懸念も大きくなるため、望ましくはない。
【0029】
さて、このようにして投入ホッパー７０へと落下した錠剤あるいは散薬は、図１２に示すような包装装置１３０によって分包紙１３１に分包される。本実施形態における包装装置１３０は、既存の構成の薬剤用の包装装置であって良いが、一例を概略のみ説明する。
包装装置１３０は、分包紙１３１の送り経路に沿って順に、分包紙１３１のロールを保持するとともに適度なテンションを付与して先端から順に送り出す包装帯送給部１３２と、分包紙１３１に印刷を行うプリンタ１３３と、分包紙１３１の幅方向すなわち本実施形態においては上下方向に延びた発熱体を有し、分包紙１３１のシール部１３１ａを加熱して融着させる縦シール部１３４と、上下動して２つ折りされた分包紙１３１内に先端を挿抜する投入ホッパー７０と、横方向に延びた発熱体を有し分包紙１３１を加熱して融着させる横シール部１３５と、分包紙１３１を引っ張るローラ部１３６と、分包紙１３１にミシン目を入れたり切断したりするカッター１３７とが設けられている。
包装装置１３０は、分包紙１３１の送り経路に沿って順に、分包紙１３１のロールを保持するとともに適度なテンションを付与して先端から順に送り出す包装帯送給部１３２と、分包紙１３１に印刷を行うプリンタ１３３と、分包紙１３１の幅方向すなわち本実施形態においては上下方向に延びた発熱体を有し、分包紙１３１のシール部１３１ａを加熱して融着させる縦シール部１３４と、上下動して２つ折りされた分包紙１３１内に先端を挿抜する投入ホッパー７０と、横方向に延びた発熱体を有し分包紙１３１を加熱して融着させる横シール部１３５と、分包紙１３１を引っ張るローラ部１３６と、分包紙１３１にミシン目を入れたり切断したりするカッター１３７とが設けられている。
【0030】
分包紙１３１は、かかる構成により図１３に示すように、所定の長さの区画に錠剤や散薬等の薬剤を封入されるとともに、網掛けで示されたシール部１３１ａが熱によって融着された状態で、ある程度の長さで連なり下流の排出口１３９へと排出される。
分包紙１３１は、上端が開放された状態で２つ折りに包装帯送給部１３２から引き出されている。ここで包装帯送給部１３２は、例えばロール状に巻き上げられた分包紙１３１をリール状に送り出す包装帯保持部である。
包装帯送給部１３２から送り出された分包紙１３１は、プリンタ１３３によって印字され、投入ホッパー７０の下部へと移動し、縦シール部１３４によって搬送方向の前方及び後方が封じられた後、投入ホッパー７０によって薬剤を投入され、上方を封じられてカッター１３７によって切り取りあるいはミシン目等が入れられて排出される。
分包紙１３１は、上端が開放された状態で２つ折りに包装帯送給部１３２から引き出されている。ここで包装帯送給部１３２は、例えばロール状に巻き上げられた分包紙１３１をリール状に送り出す包装帯保持部である。
包装帯送給部１３２から送り出された分包紙１３１は、プリンタ１３３によって印字され、投入ホッパー７０の下部へと移動し、縦シール部１３４によって搬送方向の前方及び後方が封じられた後、投入ホッパー７０によって薬剤を投入され、上方を封じられてカッター１３７によって切り取りあるいはミシン目等が入れられて排出される。
【0031】
錠剤合流部６０で示したように、投入ホッパー７０には、錠剤あるいは散薬の何れか１包分の分量が落ちてくるから、分包紙１３１の個々の内部には、１包分の薬剤が封入されることとなる。なお、図１３においては、右端のみ散薬の入った例を挙げたが、このように散薬等の粉剤においても同様に、熱融着した個々の区画に散薬が封入されることとなる。
【0032】
薬剤分包装置１００は、上述のような各部の構成により、錠剤あるいは散薬等の薬剤を、分包紙１３１に１包分に個包装することができる分包装置である。
なお、包装装置１３０の構成は、本実施形態では分包紙１３１を横方向に搬送する形式についてのみ述べるが、その他、分包紙を所定の幅で区切って、区切られた室内に薬剤を封入可能な包装機であればどのような構成であっても良く、かかる構成に限定されるものではない。
なお、包装装置１３０の構成は、本実施形態では分包紙１３１を横方向に搬送する形式についてのみ述べるが、その他、分包紙を所定の幅で区切って、区切られた室内に薬剤を封入可能な包装機であればどのような構成であっても良く、かかる構成に限定されるものではない。
【0033】
さて、こうした薬剤分包装置１００において、１処方分の処方箋を基に錠剤及び散薬を含む薬剤を分包する際の動作について説明する。
操作者Ｐは、まず制御部１４０が外部の処方箋システム等を用いて処方情報を読み込むと、かかる処方箋に必要な薬剤を準備する。なお、本実施形態においては、１処方のうち薬剤分包装置１００を用いる必要がある部分についてのみ説明するため、錠剤と散薬とのうち、特に操作者Ｐが計量する必要のある散薬や、所謂手撒きと呼ばれる錠剤処理部１１０の所定の位置に錠剤を手動で配置していく必要のある錠剤についてのみ述べる。しかしながら、本発明の薬剤分包装置１００は、所謂錠剤カセットを用いた自動機を用いて錠剤を分包する方式と組み合わせても良いし、以下の構成に限定されるものではない。
操作者Ｐは、まず制御部１４０が外部の処方箋システム等を用いて処方情報を読み込むと、かかる処方箋に必要な薬剤を準備する。なお、本実施形態においては、１処方のうち薬剤分包装置１００を用いる必要がある部分についてのみ説明するため、錠剤と散薬とのうち、特に操作者Ｐが計量する必要のある散薬や、所謂手撒きと呼ばれる錠剤処理部１１０の所定の位置に錠剤を手動で配置していく必要のある錠剤についてのみ述べる。しかしながら、本発明の薬剤分包装置１００は、所謂錠剤カセットを用いた自動機を用いて錠剤を分包する方式と組み合わせても良いし、以下の構成に限定されるものではない。
【0034】
次いで、操作者Ｐが錠剤処理部１１０のトレイ１１１を引き出すとともに、処方箋に従ってトレイ１１１の所定の場所に錠剤を配置する。
トレイ１１１が錠剤処理部１１０内部に格納されると、図１１に示すようにトレイ１１１の下部のコンベア１１２が、各錠剤を薬剤容器１１３に入れた状態で搬送し、錠剤落下経路６１の上部まで誘導する。なお、錠剤投入口１１４に入れた錠剤も、同様に図１１に示した落下経路１１５を経由して、錠剤落下経路６１へと到達する点は一緒である。
トレイ１１１が錠剤処理部１１０内部に格納されると、図１１に示すようにトレイ１１１の下部のコンベア１１２が、各錠剤を薬剤容器１１３に入れた状態で搬送し、錠剤落下経路６１の上部まで誘導する。なお、錠剤投入口１１４に入れた錠剤も、同様に図１１に示した落下経路１１５を経由して、錠剤落下経路６１へと到達する点は一緒である。
【0035】
錠剤落下経路６１に落ちてきた錠剤は、閉鎖部材６２が開状態になるまで錠剤落下経路６１の下端で閉鎖部材６２にせき止められている。
【0036】
また、散薬の処方もある時には、操作者Ｐは別途天秤等を用いて１処方分の量を計りとった散薬を、ホッパー２１に投入する。このとき、ホッパー２１に投入される散薬は、混和されたものであっても良いし、１種類のみであっても良い。
フィーダー駆動部４０は、ホッパー保持枠４１を回転軸Ｏ１を中心に上下方向に回転動作させることでホッパー２１とトラフ２２との間に隙間を生じさせ、ホッパー２１内の散薬をトラフ２２上へと排出するとともに、トラフ２２を振動部４２によって振動させることで、配分円盤２０に一様に撒くための駆動源として動作する。
フィーダー駆動部４０は、ホッパー保持枠４１を回転軸Ｏ１を中心に上下方向に回転動作させることでホッパー２１とトラフ２２との間に隙間を生じさせ、ホッパー２１内の散薬をトラフ２２上へと排出するとともに、トラフ２２を振動部４２によって振動させることで、配分円盤２０に一様に撒くための駆動源として動作する。
【0037】
１処方分の散薬が配分円盤２０に一様に撒かれると、制御部１４０は配分円盤２０を所定の角度だけ回転させて、ディスク５１によって堰き止められた散薬をスクレーパー５２によって散薬落下口へと投入する。
スクレーパー５２によって排出された散薬は、散薬落下口に排出されて、下部の投入ホッパー７０へと投入される。
スクレーパー５２によって排出された散薬は、散薬落下口に排出されて、下部の投入ホッパー７０へと投入される。
【0038】
投入ホッパー７０に投入された散薬Ｓは、既に述べたように包装装置１３０によって分包されて、薬剤分包装置１００は、投入された散薬を１包ずつに分包した状態で排出口１３９に排出することができる。
【0039】
このような薬剤分包装置１００においては、操作者Ｐが作業しやすいように、また装置自体が場所を取らないように、さらなる小型化が求められている。また同時に、散薬の分配においては、配分円盤２０に散薬を均等に撒くことが求められている。
【0040】
従来、配分円盤２０上に散薬を均等に撒くための構成として、例えば散薬の排出速度を抑えることで、なるべく均一の速度でトラフ２２から落下させる構成や、あるいは参考例として図１４に示すように、トラフ２０２の中央部に溝部２０３を設け、トラフ２０２からの散薬の落下を溝部２０３から集中的に行わせるような構成が考えられている。
しかしながら、薬剤分包装置１００の高速化を目的とした場合には、散薬の排出速度は均一性を失わない範囲で出来る限り高速化することが好ましく、また、単に溝部２０３を設けるだけでは、トラフ２０２から排出される単位時間当たりの散薬の量としては、排出口が窄まる関係上、少なくなってしまう。
しかしながら、薬剤分包装置１００の高速化を目的とした場合には、散薬の排出速度は均一性を失わない範囲で出来る限り高速化することが好ましく、また、単に溝部２０３を設けるだけでは、トラフ２０２から排出される単位時間当たりの散薬の量としては、排出口が窄まる関係上、少なくなってしまう。
【0041】
さらに、図１４のように先端部分を窄める場合において、図１５（ａ）に示すように散薬排出量が多い場合と、図１５（ｂ）に示すように散薬排出量が少ない場合とを比較すると、単位時間当たりの散薬の排出量は、図１５（ｃ）に示すように、最大値Ｖ１に向かって直線的に上昇し、また搬送の後半になるにつれてトラフ２０２上の散薬の量が少なくなるために直線的に低下していくことが予想される。
他方で、本発明の実施形態で示すように、散薬切り出し部２４と、第１底面部２６ａと同一の面で延びた第２底面部２６ｂとを有することによれば、散薬は排出量の少ない場合、すなわち散薬切り出し部２４から十分に排出可能な量である場合には、専ら散薬切り出し部２４から排出される。このとき所定の閾値Ｖ２までは、直線的に上昇する点は、図１５（ａ）の場合と一緒である。なお閾値Ｖ２は切り出し部２４から排出される限界の排出量であると言える。このときトラフ２２から排出される散薬Ｓを、トラフ２２の先端方向側から見ると、図１６（ａ）に示すように排出されていると予想される。
他方で、本発明の実施形態で示すように、散薬切り出し部２４と、第１底面部２６ａと同一の面で延びた第２底面部２６ｂとを有することによれば、散薬は排出量の少ない場合、すなわち散薬切り出し部２４から十分に排出可能な量である場合には、専ら散薬切り出し部２４から排出される。このとき所定の閾値Ｖ２までは、直線的に上昇する点は、図１５（ａ）の場合と一緒である。なお閾値Ｖ２は切り出し部２４から排出される限界の排出量であると言える。このときトラフ２２から排出される散薬Ｓを、トラフ２２の先端方向側から見ると、図１６（ａ）に示すように排出されていると予想される。
【0042】
しかしながら、所定の閾値Ｖ２を超える程大量に排出すると、散薬は、散薬切り出し部２４を超えて第２底面部２６ｂからも同様に排出されることとなる。
このとき、第２底面部２６ｂは、第１底面部２６ａと面一であるため、トラフ２２から排出される散薬Ｓをトラフ２２の先端方向側から見ると、図１６（ｂ）に示すように、トラフ２２の出口全体から平らに流出していくことが予想される。従って、本実施形態では単位時間当たりの散薬の排出量は、閾値Ｖ２を超えたとき、図１６（ｃ）に示すように急峻な伸びを生じて最大排出量Ｖ３に到達し、散薬の総排出量はかかる単位時間当たりの排出量の面積に相当するから、このように急峻な排出モードの変化が生じることで、図１６（ｃ）のように溝部２０３を設けた場合に比して散薬撒き時間の低減を図ることができる。
このとき、第２底面部２６ｂは、第１底面部２６ａと面一であるため、トラフ２２から排出される散薬Ｓをトラフ２２の先端方向側から見ると、図１６（ｂ）に示すように、トラフ２２の出口全体から平らに流出していくことが予想される。従って、本実施形態では単位時間当たりの散薬の排出量は、閾値Ｖ２を超えたとき、図１６（ｃ）に示すように急峻な伸びを生じて最大排出量Ｖ３に到達し、散薬の総排出量はかかる単位時間当たりの排出量の面積に相当するから、このように急峻な排出モードの変化が生じることで、図１６（ｃ）のように溝部２０３を設けた場合に比して散薬撒き時間の低減を図ることができる。
【0043】
トラフ２２上の散薬Ｓの残量が減少すると、再度排出量が落ちるが、この時の減少も、所定の閾値Ｖ２において再度散薬切り出し部２４から選択的に排出される形態へと散薬の落下態様が変化することとなるので、再び中央からのみ少量が円盤上に放出することとなる。
【0044】
このような構成における散薬Ｓが排出されていく時の様子を模式的に示したのが図１７（ａ）～図１７（ｃ）である。
散薬Ｓの排出が始まった時点では散薬切り出し部２４から少量排出され（図１７（ａ））、閾値Ｖ２を超える量となったとき図１７（ｂ）のように第２底面部２６ｂからも排出され、散薬Ｓが十分に少量となって再度散薬切り出し部２４からのみ排出されている状態を図１７（ｃ）にそれぞれ示している。
散薬Ｓの排出が始まった時点では散薬切り出し部２４から少量排出され（図１７（ａ））、閾値Ｖ２を超える量となったとき図１７（ｂ）のように第２底面部２６ｂからも排出され、散薬Ｓが十分に少量となって再度散薬切り出し部２４からのみ排出されている状態を図１７（ｃ）にそれぞれ示している。
【0045】
なお、このときの散薬の排出量とは振動部４２の振動量や、トラフ２２の角度や長さ、散薬の種類等によっても変化するものであり、具体的にどの程度の振動でかかる閾値Ｖ２に到達するかは薬剤分包装置１００の動作によって若干の変化がある。
何れにせよ、散薬の排出量が少ない時には選択的に散薬切り出し部２４から、多い時にはトラフ２２の終端部全部から排出されるような構成とすることで、このような高速化が可能である。
さらに、第２底面部２６ｂが第１底面部２６ａと面一であることから、図１７（ｂ）に示すような散薬の排出形態となったときにも、高速にかつ安定した排出が行われる。
何れにせよ、散薬の排出量が少ない時には選択的に散薬切り出し部２４から、多い時にはトラフ２２の終端部全部から排出されるような構成とすることで、このような高速化が可能である。
さらに、第２底面部２６ｂが第１底面部２６ａと面一であることから、図１７（ｂ）に示すような散薬の排出形態となったときにも、高速にかつ安定した排出が行われる。
【0046】
配分円盤２０の最低部２０ａの直上に散薬切り出し部２４があるので、配分円盤２０の上に散薬Ｓが排出されると、凡そ図１７（ｃ）に示すように、配分円盤２０上では平らに、あるいは最低部２０ａの上の中心部だけが緩やかな山形状になるように積載されることとなる。
このように散薬切り出し部２４を設けること、並びに第２底面部２６ｂを設けることによって、単位時間当たりの排出量が少ない時と多い時とで排出形態を異ならせ、散薬の撒き時間を低減することができる。
すなわち、かかる構成とすることで、配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能となる。
このように散薬切り出し部２４を設けること、並びに第２底面部２６ｂを設けることによって、単位時間当たりの排出量が少ない時と多い時とで排出形態を異ならせ、散薬の撒き時間を低減することができる。
すなわち、かかる構成とすることで、配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能となる。
【0047】
ところで、本実施形態においては、配分円盤に関わる機構のＸ方向の占有長さを短くすることを目的として、トラフ２２をＹ方向に沿って互いに平行に配置している。この場合、操作者側のＹ方向の長さが長くなるため、トラフ２２自体の長さはなるべく短くすることが求められている。そのために、フィーダー駆動部４０は、トラフ２２の移送方向上流側にトラフ２２の移送方向と平行に配置される。
一方、このような省スペース化の結果、従来用いられる遮蔽型センサでは、Ｙ方向の距離が短い場合には設置するスペースの確保が難しいという問題も生じてしまっていた。これは遮蔽型センサでは例えば赤外線等を出力する部分と、当該出力された赤外線等を検知する部分と、の２か所で散薬の落下位置を挟むように設けられることによる。
しかしながら、本トラフ構造を採用することにより、図１７に示したように散薬の落下が少量の場合も散薬切り出し部２４から集中して落下するために、落下中の散薬があるか否かを従来のような遮蔽型センサでなく、トラフ２２の下方に設けたディスタンスセンサ２８により検出することができる。
かかる構成によれば、トラフ２２から排出される散薬が、トラフ２２の幅方向における中央部にある散薬切り出し部２４から、配分円盤２０の最低部２０ａに落下するので、落下検知センサをディスタンスセンサとすることで散薬の落下の有無を判定しやすくなり、検知精度を落とすことなく散薬のトラフ２２からの排出を検知できる。
一方、このような省スペース化の結果、従来用いられる遮蔽型センサでは、Ｙ方向の距離が短い場合には設置するスペースの確保が難しいという問題も生じてしまっていた。これは遮蔽型センサでは例えば赤外線等を出力する部分と、当該出力された赤外線等を検知する部分と、の２か所で散薬の落下位置を挟むように設けられることによる。
しかしながら、本トラフ構造を採用することにより、図１７に示したように散薬の落下が少量の場合も散薬切り出し部２４から集中して落下するために、落下中の散薬があるか否かを従来のような遮蔽型センサでなく、トラフ２２の下方に設けたディスタンスセンサ２８により検出することができる。
かかる構成によれば、トラフ２２から排出される散薬が、トラフ２２の幅方向における中央部にある散薬切り出し部２４から、配分円盤２０の最低部２０ａに落下するので、落下検知センサをディスタンスセンサとすることで散薬の落下の有無を判定しやすくなり、検知精度を落とすことなく散薬のトラフ２２からの排出を検知できる。
【0048】
かかる構成とすることによれば、散薬が振動によって細い部分から、配分円盤２０の最低部２０ａに溜まるようにトラフ２２から排出されるから、配分円盤２０への散薬の散布を均一に行うことができる。
さらに、落下検知センサをディスタンスセンサとすることにより、省スペース化を行いながらも精度よく散薬の落下を検知して、配分円盤２０への散薬の散布を均等に行うことが可能となる。
さらに、落下検知センサをディスタンスセンサとすることにより、省スペース化を行いながらも精度よく散薬の落下を検知して、配分円盤２０への散薬の散布を均等に行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態においては、フィーダー駆動部４０は、トラフ２２を振動部４２によって振動させるとともに、ホッパー保持枠４１を上下方向に回転動させることでホッパー２１を上下動させる昇降機構としても機能している。
かかる構成によれば、ホッパー２１とトラフ２２とを一括で駆動して、配分円盤２０に散薬を一様に撒くための駆動源として動作する。
かかる構成によれば、ホッパー２１とトラフ２２とを一括で駆動して、配分円盤２０に散薬を一様に撒くための駆動源として動作する。
【0050】
かかる構成は、フィーダー駆動部４０が、トラフ２２に沿ってＹ方向に設けられるとともに、ホッパー保持枠４１の回転軸Ｏ１が、Ｙ方向と直行するＸ方向に伸びていることで、振動部４２を振動させる駆動とともにホッパー２１の上下動をも可能としたものである。
このように、ホッパー保持枠４１が、手前側の端部においてＸ方向の先端をフィーダー駆動部４０に保持されるとともに、当該ホッパー保持枠４１の回転によって、突出部２１ａと係合して持ち上げられることで、ホッパー２１を動作させて内部の散薬をスムーズに排出するとともに、振動部４２によって配分円盤２０に散薬を均一に排出する。
このように、ホッパー保持枠４１が、手前側の端部においてＸ方向の先端をフィーダー駆動部４０に保持されるとともに、当該ホッパー保持枠４１の回転によって、突出部２１ａと係合して持ち上げられることで、ホッパー２１を動作させて内部の散薬をスムーズに排出するとともに、振動部４２によって配分円盤２０に散薬を均一に排出する。
【0051】
また、本発明の他の実施形態として、図１８に示すようにトラフ２２の配置位置を変更した場合についても説明する。
【0052】
図１８において、トラフ２２及びホッパー２１は、上方から見た時に配分円盤２０に対して斜交するように、所謂ハの字にて配置される。
このような配置とする際には、図１８において配分円盤２０の手前側に破線と斜線とで示されたデッドスペース内にフィーダー駆動部４０と、トラフ２２と、ホッパー２１とがなるべく大きく占有するために、フィーダー駆動部４０をトラフ２２の後方側に配置することがより好ましい。
このような配置とする際には、図１８において配分円盤２０の手前側に破線と斜線とで示されたデッドスペース内にフィーダー駆動部４０と、トラフ２２と、ホッパー２１とがなるべく大きく占有するために、フィーダー駆動部４０をトラフ２２の後方側に配置することがより好ましい。
【0053】
このような配置を行う場合にも、直上から見た時、散薬切り出し部２４の位置は配分円盤２０の最低部２０ａの上に重なるように位置する。
かかる配置においても、散薬切り出し部２４から排出された散薬は、排出量の少ないうちは最低部２０ａに溜まり、排出量が多くなったときにも、図１８に示すように、トラフ２２の端部が配分円盤２０の接線方向に沿って形成されているので、配分円盤２０の円周方向において排出される散薬のムラが生じにくい構成となっている。
かかる配置においても、散薬切り出し部２４から排出された散薬は、排出量の少ないうちは最低部２０ａに溜まり、排出量が多くなったときにも、図１８に示すように、トラフ２２の端部が配分円盤２０の接線方向に沿って形成されているので、配分円盤２０の円周方向において排出される散薬のムラが生じにくい構成となっている。
【0054】
また、本実施形態において、トラフ２２は、配分円盤２０の中心を通る直線に対して互いに線対称な位置に配置されている。
【0055】
また、このような実施形態の変形例として、図１９に示すようにトラフ２２をＸ方向に平行かつ互いに対称な位置に配置したとしても良い。
かかる構成において、ホッパー２１とトラフ２２とは何れも配分円盤２０の中心よりも操作者側に配置される。また、移送部であるトラフ２２の移送方向は、左側と右側とで互いに逆向きでＸ方向に平行になるように配置され、フィーダー駆動部４０は、それぞれのトラフ２２の移送方向上流側に配置される。
このようにトラフ２２をＸ方向に平行に配置した場合には、移送方向はＸ方向と平行になり、薬剤分包装置１００のＹ方向への長さをさらに低減することができる上に、破線と斜線とで示したデッドスペースを更に有効活用できるので、装置の大型化を防ぎながら配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立することが可能となる。
かかる構成において、ホッパー２１とトラフ２２とは何れも配分円盤２０の中心よりも操作者側に配置される。また、移送部であるトラフ２２の移送方向は、左側と右側とで互いに逆向きでＸ方向に平行になるように配置され、フィーダー駆動部４０は、それぞれのトラフ２２の移送方向上流側に配置される。
このようにトラフ２２をＸ方向に平行に配置した場合には、移送方向はＸ方向と平行になり、薬剤分包装置１００のＹ方向への長さをさらに低減することができる上に、破線と斜線とで示したデッドスペースを更に有効活用できるので、装置の大型化を防ぎながら配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立することが可能となる。
【0056】
＜１＞
以上述べたように、本実施形態においては、薬剤分包装置１００は、分包される散薬が投入される収容部であるホッパー２１と、分包される散薬が当該配分円盤２０上に落下されることにより散薬が均等に配分される配分円盤２０と、ホッパー２１の下部に設けられて配分円盤２０に向けて散薬を移送する移送部であるトラフ２２と、トラフ２２を振動させるように駆動することで散薬を移送させるフィーダー駆動部４０と、を有する。
配分円盤２０は、円環の央部である最低部２０ａが窪んだ円環状であって、トラフ２２は、移送方向の終端が配分円盤２０の最低部２０ａの上方において散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部となる散薬切り出し部２４と、ホッパー２１の下部に位置する第１底面部２６ａと、少なくとも移送方向の終端において散薬切り出し部２４の両側にあって、第１底面部２６ａと同一平面上に延びた第２底面部２６ｂと、を有している。
かかる構成によれば、散薬を配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能である。
以上述べたように、本実施形態においては、薬剤分包装置１００は、分包される散薬が投入される収容部であるホッパー２１と、分包される散薬が当該配分円盤２０上に落下されることにより散薬が均等に配分される配分円盤２０と、ホッパー２１の下部に設けられて配分円盤２０に向けて散薬を移送する移送部であるトラフ２２と、トラフ２２を振動させるように駆動することで散薬を移送させるフィーダー駆動部４０と、を有する。
配分円盤２０は、円環の央部である最低部２０ａが窪んだ円環状であって、トラフ２２は、移送方向の終端が配分円盤２０の最低部２０ａの上方において散薬が収斂するように移送方向に窄まる狭隘部となる散薬切り出し部２４と、ホッパー２１の下部に位置する第１底面部２６ａと、少なくとも移送方向の終端において散薬切り出し部２４の両側にあって、第１底面部２６ａと同一平面上に延びた第２底面部２６ｂと、を有している。
かかる構成によれば、散薬を配分円盤上に均一に撒きながらも、トータルでの散薬の落下時間を短くすることが可能である。
【0057】
＜２＞
また、本実施形態では、＜１＞に記載された構成に加えて、散薬切り出し部２４の中心の延長線上にホッパー２１の開口部２３が形成されている。
かかる構成によれば、散薬が最も多く出てくる開口部２３の直下から狭隘部となる散薬切り出し部２４までが直線状に配置されるから、トラフ２２を通過する際の散薬が最短経路を通ることとなるため効率が良い。
また、本実施形態では、＜１＞に記載された構成に加えて、散薬切り出し部２４の中心の延長線上にホッパー２１の開口部２３が形成されている。
かかる構成によれば、散薬が最も多く出てくる開口部２３の直下から狭隘部となる散薬切り出し部２４までが直線状に配置されるから、トラフ２２を通過する際の散薬が最短経路を通ることとなるため効率が良い。
【0058】
＜３＞
また、本実施形態においては、＜１＞または＜２＞で述べた構成に加え、トラフ２２から排出される散薬が少ないときには散薬切り出し部２４から散薬が集中的に排出され、トラフ２２から排出される散薬が多いときには散薬切り出し部２４と第２底面部２６ｂとから散薬が排出されることを特徴とする。
このように、散薬の排出量によって排出モードの変化が生じることで、単純な溝部を設けた場合に比して散薬撒き時間の低減を図ることができる。
また、本実施形態においては、＜１＞または＜２＞で述べた構成に加え、トラフ２２から排出される散薬が少ないときには散薬切り出し部２４から散薬が集中的に排出され、トラフ２２から排出される散薬が多いときには散薬切り出し部２４と第２底面部２６ｂとから散薬が排出されることを特徴とする。
このように、散薬の排出量によって排出モードの変化が生じることで、単純な溝部を設けた場合に比して散薬撒き時間の低減を図ることができる。
【0059】
＜４＞
また、本実施形態においては、＜３＞で述べた構成に加え、散薬切り出し部２４の下方に設置されて散薬切り出し部２４から排出される散薬の排出量を測定するための検知手段であるディスタンスセンサ２８を有する。
かかる構成によれば、トラフ２２から排出される散薬が、トラフ２２の幅方向における中央部にある散薬切り出し部２４から、配分円盤２０の最低部２０ａに落下するので、落下検知センサをディスタンスセンサとした際にも散薬の落下位置が特定しやすくなり、検知精度を落とすことなく散薬のトラフ２２からの排出を検知できる。
また、本実施形態においては、＜３＞で述べた構成に加え、散薬切り出し部２４の下方に設置されて散薬切り出し部２４から排出される散薬の排出量を測定するための検知手段であるディスタンスセンサ２８を有する。
かかる構成によれば、トラフ２２から排出される散薬が、トラフ２２の幅方向における中央部にある散薬切り出し部２４から、配分円盤２０の最低部２０ａに落下するので、落下検知センサをディスタンスセンサとした際にも散薬の落下位置が特定しやすくなり、検知精度を落とすことなく散薬のトラフ２２からの排出を検知できる。
【0060】
＜５＞
また、本実施形態においては、＜１＞乃至＜４＞の何れかで述べた構成に加え、薬剤分包装置１００は、少なくとも２つのホッパー２１とトラフ２２とを有し、ホッパー２１とトラフ２２とは何れも配分円盤２０の中心よりも操作者側に、トラフ２２における散薬の移送方向が互いに平行になるように配置され、フィーダー駆動部４０は、トラフ２２の移送方向上流側に並行して配置される。
かかる構成によれば、薬剤分包装置１００のデッドスペースを更に有効活用できるので、装置の大型化を防ぎながら配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立することが可能となる。
また、本実施形態においては、＜１＞乃至＜４＞の何れかで述べた構成に加え、薬剤分包装置１００は、少なくとも２つのホッパー２１とトラフ２２とを有し、ホッパー２１とトラフ２２とは何れも配分円盤２０の中心よりも操作者側に、トラフ２２における散薬の移送方向が互いに平行になるように配置され、フィーダー駆動部４０は、トラフ２２の移送方向上流側に並行して配置される。
かかる構成によれば、薬剤分包装置１００のデッドスペースを更に有効活用できるので、装置の大型化を防ぎながら配分円盤上に撒かれる散薬の均一化と、高速化とを両立することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態においては、＜１＞乃至＜４＞の何れかで述べた構成に加え、薬剤分包装置１００は、フィーダー駆動部４０は、トラフ２２を振動させる駆動源として動作するとともに、ホッパー２１の操作者側の端部に取り付けられた回転軸Ｏ１を有し、ホッパー２１を回転軸Ｏ１を中心として円弧を描くように上下動させる昇降機構を備える。
かかる構成によれば、フィーダー駆動部４０をトラフ２２とホッパー２１の駆動の双方に用いることができて、省スペース化に寄与する。
かかる構成によれば、フィーダー駆動部４０をトラフ２２とホッパー２１の駆動の双方に用いることができて、省スペース化に寄与する。
【0062】
［その他］
上記実施例では、配分円盤を１つだけ有する構成の説明のみを行ったが、例えば複数の配分円盤を有する薬剤分包装置において、それぞれの配分円盤に２つあるいはそれ以上の並列した収容部と移送部とを有する構成であっても良い。
上記実施例では、配分円盤を１つだけ有する構成の説明のみを行ったが、例えば複数の配分円盤を有する薬剤分包装置において、それぞれの配分円盤に２つあるいはそれ以上の並列した収容部と移送部とを有する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
２０…配分円盤
２１…収容部（ホッパー）
２２…移送部（トラフ）
２３…開口部
２４…狭隘部（散薬切り出し部）
２６ａ…第１底面部
２６ｂ…第２底面部
２８…検知手段（ディスタンスセンサ）
４０…駆動部（フィーダー）
４２…昇降機構
１００…散薬分包装置
１２０…散薬分包機（散薬処理部）
Ｏ１…回転軸
Ｘ…移送方向
Ｙ…移送方向
２１…収容部（ホッパー）
２２…移送部（トラフ）
２３…開口部
２４…狭隘部（散薬切り出し部）
２６ａ…第１底面部
２６ｂ…第２底面部
２８…検知手段（ディスタンスセンサ）
４０…駆動部（フィーダー）
４２…昇降機構
１００…散薬分包装置
１２０…散薬分包機（散薬処理部）
Ｏ１…回転軸
Ｘ…移送方向
Ｙ…移送方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】