(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156503
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】印刷方法、印刷システム、および印刷物
(51)【国際特許分類】
B41M 3/06 20060101AFI20241029BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B41M3/06 C
B41J2/01 109
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071017
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 輝
(72)【発明者】
【氏名】石原 正教
【テーマコード(参考)】
2C056
2H113
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB58
2C056EC79
2C056FA15
2C056FB10
2C056FD20
2C056HA44
2H113AA01
2H113AA05
2H113AA06
2H113BA27
2H113BB22
2H113CA46
2H113FA24
2H113FA43
(57)【要約】
【課題】画像に付与される触感をユーザーが所望する触感に近づける。
【解決手段】印刷方法は、印刷画像100のデータに基づき印刷画像100の層をインクにより被印刷物に形成する画像形成工程と、印刷画像100内に1つまたは複数の領域120を設定する領域設定工程と、予め定められ互いに異なる立体形状を有する触感層の複数のパターンのうちから、領域120に形成するパターンをそれぞれ選択するパターン選択工程と、パターン選択工程で選択されたパターンの触感層を、領域120にそれぞれインクによって形成する触感層形成工程と、を含む。各領域120は、印刷画像100内のオブジェクト110に対応するように設定される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像のデータに基づき、前記印刷画像の層をインクにより被印刷物に形成する画像形成工程と、
前記印刷画像内に1つまたは複数の領域を設定する領域設定工程と、
予め定められ、互いに異なる立体形状を有する触感層の複数のパターンのうちから、前記1つまたは複数の領域に形成するパターンをそれぞれ選択するパターン選択工程と、
前記パターン選択工程で選択されたパターンの触感層を、前記1つまたは複数の領域に、それぞれインクによって形成する触感層形成工程と、を含み、
前記1つまたは複数の領域の各領域は、前記印刷画像内のオブジェクトに対応するように設定される、
印刷方法。
【請求項2】
前記各パターンの表面特性の特性値を準備するパターン特性準備工程と、
前記触感層が形成されるオブジェクトが表す実物の表面特性の特性値を準備する実物特性準備工程と、をさらに含み、
前記パターン選択工程では、前記パターン特性準備工程で準備された特性値と前記実物特性準備工程で準備された特性値とを比較して前記パターンを選択する、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記パターン選択工程では、前記実物特性準備工程で準備された特性値に最も近い特性値を有する前記パターンを選択する、
請求項2に記載の印刷方法。
【請求項4】
前記各パターンの表面特性の特性値を準備するパターン特性準備工程と、
前記触感層が形成されるオブジェクトが表す実物の表面特性の特性値を準備する実物特性準備工程と、をさらに含み、
前記1つまたは複数の領域は、第1領域と第2領域とを含み、
前記実物特性準備工程では、前記第1領域に係るオブジェクトが表す実物の表面特性の特性値である第1特性値と、前記第2領域に係るオブジェクトが表す実物の表面特性の特性値である第2特性値と、が準備され、
前記パターン選択工程では、前記第1特性値と前記第2特性値との大小関係、および、前記パターン特性準備工程で準備された前記複数のパターンの特性値の間の大小関係に基づいて、前記第1領域に形成するパターンおよび前記第2領域に形成するパターンを選択する、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記第1特性値が前記第2特性値よりも大きい場合、前記パターン選択工程では、前記第1領域に形成されるパターンの特性値の方が前記第2領域に形成されるパターンの特性値よりも大きくなるように、前記第1領域に形成するパターンおよび前記第2領域に形成するパターンを選択する、
請求項4に記載の印刷方法。
【請求項6】
前記触感層の複数のパターンは、複数の突起を有するパターンと、複数の凹部を有するパターンとを含む、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載の印刷方法によって前記印刷画像の層および前記触感層が形成された印刷物。
【請求項8】
被印刷物に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、制御装置と、を備えたプリンタと、
前記プリンタに内蔵されるか、または、前記プリンタに接続された画像処理装置と、を含み、
前記画像処理装置は、
印刷画像内に1つまたは複数の領域を設定することが可能な領域設定部と、
互いに異なる立体形状を有する触感層の複数のパターンのうちから、前記領域設定部で設定された前記1つまたは複数の領域に形成するパターンをそれぞれ選択することが可能なパターン選択部と、を備え、
前記制御装置は、
印刷画像のデータに基づいて前記記録ヘッドを制御し、前記記録ヘッドから吐出されるインクにより前記印刷画像の層を前記被印刷物に形成させる画像形成部と、
前記記録ヘッドを制御し、前記パターン選択部で選択されたパターンの触感層を、前記1つまたは複数の領域に、それぞれインクによって形成させる触感層形成部と、を備え、
前記領域設定部では、前記1つまたは複数の領域の各領域は、前記印刷画像内のオブジェクトに対応するように設定される、
印刷システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、前記触感層の複数のパターンが登録された登録部を備えている、
請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記画像処理装置は、前記各パターンの表面特性の特性値を記憶する記憶部を備えている、
請求項9に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記画像処理装置は、
表示装置と、
前記記憶部に記憶された前記複数のパターンの特性値をパターン毎に前記表示装置に表示させる表示部と、を備えている、
請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記画像処理装置は、
前記触感層が形成されるオブジェクトが表す実物の表面特性の特性値を入力可能な入力部と、
前記記憶部に特性値が記憶されたパターンのうちから、前記入力部に入力された実物の特性値との差が所定範囲内の特性値を有するパターンを抽出する抽出部と、を備えている、
請求項10に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記触感層の複数のパターンは、複数の突起を有するパターンと、複数の凹部を有するパターンとを含む、
請求項8に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法、印刷システム、および印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタで印刷した画像に触感を付与するために、画像の上にインクの突起を形成する技術が従来から知られている。例えば特許文献1には、印刷領域の画像の明度または色相によって異なる配列間隔、サイズ、または平面形状の突起をインクにより形成する印刷方法が開示されている。特許文献1によれば、1の印刷領域と他の印刷領域との間で突起の配列間隔、サイズ、または平面形状を異ならせることにより、1の印刷領域の触感と他の印刷領域の触感とを異ならせることができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている方法のように、印刷領域の画像の明度または色相に応じて触感を異ならせたのでは、画像に付与される触感がユーザーの求める触感とならない場合がある。明度または色相が異なる印刷領域に対して異なる触感を付与したいとユーザーが考えない場合も多くあると考えられ、また、明度または色相が同じか近い印刷領域に対して異なる触感を付与したいとユーザーが考える場合も多くあると考えられる。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像に付与される触感を所望の触感に近づけやすい印刷方法を提供することである。また、画像に付与される触感を所望の触感に近づけやすい印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示する印刷方法は、印刷画像のデータに基づき、前記印刷画像の層をインクにより被印刷物に形成する画像形成工程と、前記印刷画像内に1つまたは複数の領域を設定する領域設定工程と、予め定められ、互いに異なる立体形状を有する触感層の複数のパターンのうちから、前記1つまたは複数の領域に形成するパターンをそれぞれ選択するパターン選択工程と、前記パターン選択工程で選択されたパターンの触感層を、前記1つまたは複数の領域に、それぞれインクによって形成する触感層形成工程と、を含む。前記1つまたは複数の領域の各領域は、前記印刷画像内のオブジェクトに対応するように設定される。
【0007】
また、ここに開示する印刷システムは、被印刷物に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、制御装置と、を備えたプリンタと、前記プリンタに内蔵されるか、または、前記プリンタに接続された画像処理装置と、を含む。前記画像処理装置は、印刷画像内に1つまたは複数の領域を設定することが可能な領域設定部と、互いに異なる立体形状を有する触感層の複数のパターンのうちから、前記領域設定部で設定された前記1つまたは複数の領域に形成するパターンをそれぞれ選択することが可能なパターン選択部と、を備えている。前記制御装置は、印刷画像のデータに基づいて前記記録ヘッドを制御し、前記記録ヘッドから吐出されるインクにより前記印刷画像の層を前記被印刷物に形成させる画像形成部と、前記記録ヘッドを制御し、前記パターン選択部で選択されたパターンの触感層を、前記1つまたは複数の領域に、それぞれインクによって形成させる触感層形成部と、を備えている。前記領域設定部では、前記1つまたは複数の領域の各領域は、前記印刷画像内のオブジェクトに対応するように設定される。
【0008】
上記印刷方法および印刷システムによれば、印刷画像内のオブジェクトに対応するように設定された1つまたは複数の領域のそれぞれに対して、ユーザーが選択した触感層が形成される。そのため、触感層の形成にユーザーの意図を反映しやすい。よって、上記印刷方法および印刷システムによれば、画像に付与される触感を所望の触感に近づけやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る印刷システムの模式図である。
【
図3】キャリッジの下面の構成を模式的に示す平面図である。
【
図5】画像層および触感層を形成するプロセスのフローチャートである。
【
図6】データ上の印刷画像のイメージを示す図である。
【
図7】触感層形成領域の設定画面のイメージを示す図である。
【
図8】触感層のパターンの設定画面のイメージを示す図である。
【
図9A】突起型触感層の一例を示す模式的な縦断面図である。
【
図9C】大きさが異なる突起が混在する触感層のパターンを模式的に示す平面図である。
【
図9D】複数の突起の並び方向が傾いた触感層のパターンを模式的に示す平面図である。
【
図10A】窪み型触感層の一例を示す模式的な縦断面図である。
【
図11】第2実施形態に係るパターンの選択方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0011】
[第1実施形態]
[印刷システムの構成]
図1は、一実施形態に係る印刷システム10を示す模式図である。
図1に示すように、印刷システム10は、プリンタ11と、プリンタ11に印刷させる印刷画像のデータ処理を行うとともに印刷画像のデータをプリンタ11に送信する画像処理装置70と、を備えている。印刷画像のデータは、画像処理装置70に入力された後に画像処理装置70で後述するような処理が行われることもあり得、画像処理装置70で作成されることもあり得る。画像処理装置70は、例えば、プリンタ11に接続された汎用のコンピュータによって構成されている。コンピュータには、画像処理を行うためのソフトウェアがインストールされている。ただし、画像処理装置70は、専用のハードウェア等を備えた専用装置であってもよい。また、画像処理装置70は、プリンタ11に内蔵されていてもよい。画像処理装置70は、操作画面を表示する表示装置81と、ユーザーが入力操作を行う入力装置82(例えば、キーボード、マウス等)と、を備えている。
【0012】
プリンタ11は、制御装置60を備えている。制御装置60は、プリンタ11の動作を制御する。制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。制御装置60は、画像処理装置70と有線または無線方式により接続されている。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、画像処理装置70やその他の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置と、を備えている。
【0013】
図2は、一実施形態に係るプリンタ11の正面図である。以下のプリンタ11の説明では、特に断らない限り、プリンタ11を正面から見たときに、プリンタ11から遠ざかる方を前方、プリンタ11に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ11を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。図面中の符号Yは主走査方向を示している。主走査方向Yは左右方向である。符号Xは、副走査方向を示している。副走査方向Xは前後方向である。符号Zは、上下方向を示している。主走査方向Y、副走査方向X、および上下方向Zは、互いに直交している。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ11の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0014】
本実施形態では、プリンタ11は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。ただし、プリンタ11は、インクジェット方式のプリンタに限定されるわけではない。
【0015】
図2に示すように、プリンタ11は、箱状に形成されている。本実施形態では、プリンタ11は、ケース12と、フロントカバー13とを備えている。
図2は、フロントカバー13を開けた状態のプリンタ11を示している。
図2に示すように、ケース12の前部には、開口が形成されている。フロントカバー13は、ケース12の開口を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー13は、後端を軸に回転可能なように、ケース12に支持されている。フロントカバー13には、窓部13aが設けられている。窓部13aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。ユーザーは、窓部13aを通じてケース12の内部空間を視認することが可能である。
【0016】
図2に示すように、プリンタ11は、フラットベッド20と、ベッド移動装置25と、キャリッジ30と、キャリッジ移動装置35と、記録ヘッド40と、光照射装置50と、を備えている。
【0017】
フラットベッド20は、被印刷物5を支持する支持台である。本実施形態に係るプリンタ11は、いわゆる、フラットベッドタイプのプリンタである。フラットベッド20は、平板状の部材である。フラットベッド20は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに延びている。フラットベッド20は、ケース12の内部空間において、主走査方向Yのほぼ中央に配置されている。フラットベッド20の上面には、被印刷物5が載置される。被印刷物5は特に限定されない。被印刷物5は、例えば、記録紙のようなシート状のものであってもよく、立体物であってもよい。被印刷物5の材料も特に限定されない。
【0018】
フラットベッド20の下方には、ベッド移動装置25が配置されている。ベッド移動装置25は、フラットベッド20を副走査方向Xおよび上下方向Zに移動させる。フラットベッド20は、ベッド移動装置25によって下方から支持されている。ベッド移動装置25は、副走査方向移動機構25Xと、上下方向移動機構25Zとを備えている。上下方向移動機構25Zは、フラットベッド20を支持して上下方向Zに移動させる。上下方向移動機構25Zは、副走査方向移動機構25Xによって下方から支持されている。副走査方向移動機構25Xは、上下方向移動機構25Zを支持して副走査方向Xに移動させる。ただし、ベッド移動装置25の構成は上記に限定されない。例えば、副走査方向移動機構25Xと上下方向移動機構25Zとは、上下の位置関係が逆でもよい。
【0019】
キャリッジ30は、記録ヘッド40および光照射装置50を搭載している。キャリッジ30は、フラットベッド20の上方に配置されている。キャリッジ30は、フラットベッド20と対向するように設けられている。キャリッジ30は、キャリッジ移動装置35によって主走査方向Yに移動される。キャリッジ移動装置35は、ここでは、ガイドレール36と、ベルト37と、図示しない左右のプーリと、キャリッジモータ38(
図4参照)とを備えている。
【0020】
図2に示すように、ガイドレール36は、主走査方向Yに延びている。キャリッジ30は、ガイドレール36に摺動自在に係合している。キャリッジ30には無端状のベルト37が固定されている。ベルト37は、ガイドレール36の右側および左側に設けられたプーリ(図示省略)に巻き掛けられている。一方のプーリにはキャリッジモータ38が取り付けられている。キャリッジモータ38が駆動するとプーリが回転し、ベルト37が走行する。それにより、キャリッジ30がガイドレール36に沿って主走査方向Yに移動する。
【0021】
図3は、キャリッジ30の下面を示す平面図である。
図3に示すように、記録ヘッド40は、キャリッジ30の下面に設けられている。記録ヘッド40は、フラットベッド20と対向している。記録ヘッド40は、フラットベッド20に支持された被印刷物5に向かってインクを吐出する。記録ヘッド40は、ここでは、5つのインクヘッド40G、40C、40M、40Y、および40Kを備えている。ただし、記録ヘッド40が備えるインクヘッドの数は限定されない。インクヘッド40G、40C、40M、40Y、および40Kは、ここでは、いずれも副走査方向Xに延びている。
【0022】
インクヘッド40Gは、複数の第1ノズル41Gを備えている。複数の第1ノズル41Gは、副走査方向Xに並んで第1ノズル列42Gを形成している。インクヘッド40Cは、複数の第2ノズル41Cを備えている。複数の第2ノズル41Cは、副走査方向Xに並んで第2ノズル列42Cを形成している。インクヘッド40Mは、複数の第3ノズル41Mを備えている。複数の第3ノズル41Mは、副走査方向Xに並んで第3ノズル列42Mを形成している。インクヘッド40Yは、複数の第4ノズル41Yを備えている。複数の第4ノズル41Yは、副走査方向Xに並んで第4ノズル列42Yを形成している。インクヘッド40Kは、複数の第5ノズル41Kを備えている。複数の第5ノズル41Kは、副走査方向Xに並んで第5ノズル列42Kを形成している。
【0023】
インクヘッド40G、40C、40M、40Y、および40Kは、主走査方向Yに並んで配置されている。インクヘッド40Gは、副走査方向Xに関して、インクヘッド40C~40Kと異なる位置に配置されている。インクヘッド40Gとインクヘッド40C~40Kとは、いわゆるスタガ配置で配置されている。ただし、複数のインクヘッド40G~40Kは、同じ副走査方向Xの位置に配置されていてもよい。
【0024】
第1ノズル列42G~第5ノズル列42Kには、それぞれ、図示しないインクチューブによってインクカートリッジ45が接続されている。
図2に示すように、インクカートリッジ45は、インクカートリッジ収容部46に収容されている。第1ノズル列42G~第5ノズル列42Kには、それぞれ異なるインクカートリッジ45が接続されている。本実施形態では、記録ヘッド40から吐出されるインクは、光硬化性インクである。光硬化性インクは、ここでは、紫外線を照射されると硬化する紫外線硬化型のインクである。光硬化性インクの成分、特性等は特に限定されない。
【0025】
本実施形態では、複数の第1ノズル41Gには、透明なグロスインクを貯留するインクカートリッジ45が接続されている。複数の第1ノズル41Gは、フラットベッド20上の被印刷物5に向かってグロスインクを吐出する。第2ノズル列42C~第5ノズル列42Kのノズルには、プロセスカラーインクを貯留するインクカートリッジ45が接続されている。詳しくは、複数の第2ノズル41Cには、シアンインクを貯留するインクカートリッジ45が接続されている。複数の第2ノズル41Cは、フラットベッド20上の被印刷物5に向かってシアンインクを吐出する。以下同様に、第3ノズル41M、第4ノズル41Y、および第5ノズル41Kは、フラットベッド20上の被印刷物5に向かって、それぞれ、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを吐出する。ただし、各ノズル列42G~42Kのノズル41G~41Kから吐出されるインクの種類は特に限定されない。
【0026】
光照射装置50は、キャリッジ30に設けられている。ここでは、光照射装置50は、記録ヘッド40の左方に設けられている。光照射装置50は、光硬化性インクを硬化させる光をフラットベッド20上の被印刷物5に向かって照射する。
図3に示すように、光照射装置50は、光を生成する光源51と、光源51からの光を外部に向かって照射する照射口52とを備えている。光源51は、例えば、複数の紫外線照射LEDから構成されている。照射口52は、ここでは、光を通過させるカバーが設けられた開口部である。ただし、照射口52は、カバー等に覆われない単なる開口部でもよい。照射口52は、副走査方向Xに延びている。
【0027】
図4は、本実施形態に係る印刷システム10のブロック図である。印刷システム10は、制御装置60を備えたプリンタ11と、制御装置60に接続された画像処理装置70と、を備えている。
図4に示すように、プリンタ11の制御装置60は、副走査方向移動機構25X、上下方向移動機構25Z、キャリッジモータ38、記録ヘッド40、および光照射装置50の光源51に電気的に接続され、それらの動作を制御している。制御装置60は、画像形成部61と、触感層形成部62と、を備えている。制御装置60は上記した以外の処理部を備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。画像処理装置70についても同様である。
【0028】
画像形成部61は、印刷画像100(
図6参照)のデータに基づいて記録ヘッド40、ベッド移動装置25、キャリッジ移動装置35、および光照射装置50を制御し、記録ヘッド40から吐出されるインクにより、印刷画像100の層(以下、画像層101とも呼ぶ、
図9A参照)を被印刷物5に形成させる。印刷画像100のデータは、1つまたは複数のオブジェクト110(
図6参照)を含んでいてもよい。オブジェクト110は、ここでは、印刷対象の画像や図形、パス、テキスト等であり、各オブジェクト110は、例えば、個別に処理できる。オブジェクト110の例については後述する。触感層形成部62についても、画像処理装置70の説明の後に説明する。
【0029】
図4に示すように、画像処理装置70は、領域設定部71と、パターン登録部72と、特性記憶部73と、特性表示部74と、特性入力部75と、パターン抽出部76と、パターン選択部77と、を備えている。
【0030】
領域設定部71は、印刷画像100内に1つまたは複数の領域120(
図7参照)を設定することが可能なように構成されている。領域設定部71では、各領域120は、印刷画像100内のオブジェクト110に対応するように設定される。ここでの領域120は、触感層130を形成する領域を意味する。触感層130は、画像層101の上または下にインクで形成される層であり、立体形状を有する(例えば、
図9Aを参照)。触感層130を形成することにより、画像に触感を付与することができる。以下、触感層130を形成する領域120を触感層形成領域120とも呼ぶ。領域設定部71では、印刷画像100内の各オブジェクト110を触感層形成領域120に指定すること、または、指定しないことができる。
【0031】
パターン登録部72には、触感層130の複数のパターン140(
図8参照)が登録されている。複数の触感層130のパターン140は、予め定められ、それぞれ異なる立体形状を有している。触感層130のパターン140の例については後述する。特性記憶部73には、触感層130の各パターン140の表面特性の特性値が記憶されている。触感層130の表面特性の特性値の種類は特に限定されないが、例えば、表面粗さ、摩擦係数、硬度、熱伝導率等である。表面粗さが異なるパターン140を選択することにより、例えば、触ったときの触感層130の凹凸感や摩擦感を変えることができる。摩擦係数が異なるパターン140を選択することにより、例えば、触ったときの触感層130の摩擦感や凹凸感を変えることができる。硬度が異なるパターン140を選択することにより、例えば、触ったときの触感層130の硬さ感や摩擦感を変えることができる。熱伝導率が異なるパターン140を選択することにより、例えば、触ったときの触感層130の温度感を変えることができる。特性記憶部73に記憶されている特性値は、ここでは、実測によるものである。ただし、特性記憶部73に記憶されている特性値は、計算値、公知の値などを含んでいてはいけないわけではない。特性値の種類は1つ(例えば、表面粗さ、摩擦係数、硬度、熱伝導率のうちの1つ)であってもよく、複数(例えば、表面粗さ、摩擦係数、硬度、熱伝導率のうちの2つ以上)であってもよい。
【0032】
表面粗さとしては、例えば、算術平均粗さ、粗さの空間周波数特性等が用いられてもよい。摩擦係数としては、例えば、静止摩擦係数、動摩擦係数、動摩擦係数の時間周波数特性、平均摩擦係数等が用いられてもよい。平均摩擦係数は、時間または位置によって区切られた区分毎に測定されることによって得られた区分毎の動摩擦係数を平均したものである。硬度としては、例えば、ビッカース硬度、ショア硬度等が用いられてもよい。
【0033】
特性表示部74は、特性記憶部73に記憶された複数のパターン140の特性値をパターン140毎に表示装置81に表示させる。ユーザーは、これにより、登録された各触感層130のパターン140の特性値を知ることができる。特性表示部74により表示装置81に表示された特性値は、ユーザーが触感層形成領域120に形成するパターン140を選択する際の参考となる。
【0034】
特性入力部75は、触感層130が形成されるオブジェクト110が表す実物の表面特性の特性値を入力可能なように構成されている。実物の特性値の入力は、入力装置82を介して行われる。触感層130が形成されるオブジェクト110が、例えば「リンゴ」を表す場合、実物はリンゴであり、表面特性の特性値は、リンゴの表面粗さ、摩擦係数、硬度、熱伝導率等である。実物の特性値は、実測値、計算値、公知の値等であってもよい。実物の特性値を取得する方法は特に限定されない。
【0035】
パターン抽出部76は、特性記憶部73に特性値が記憶された触感層130のパターン140のうちから、特性入力部75に入力された実物の特性値との差が所定範囲内の特性値を有するパターン140を抽出する。以下では、特性値の差が所定範囲内であることを「特性値が近い」等とも言う。抽出されたパターン140は、ここでは、表示装置81に表示される。パターン抽出部76によって抽出され表示装置81に表示されたパターン140は、ユーザーが触感層形成領域120に形成するパターン140を選択する際の参考となる。例えば、実物の摩擦係数が入力されると、パターン抽出部76は、摩擦係数が実物に近いパターン140を抽出する。ユーザーは、例えば、摩擦係数が実物に近い、表示されたパターン140のうちから、硬度が高い(硬い)パターン140を選択することや、表面粗さが小さいパターン140を選択すること等ができる。
【0036】
パターン選択部77は、触感層130の複数のパターン140のうちから、領域設定部71で設定された1つまたは複数の触感層形成領域120に形成するパターン140をそれぞれ選択することが可能に構成されている。ここでは、パターン140の選択のための操作画面は、表示装置81に表示される。パターン140の選択は、入力装置82を介して行われる。
【0037】
制御装置60の触感層形成部62は、記録ヘッド40、ベッド移動装置25、キャリッジ移動装置35、および光照射装置50を制御し、パターン選択部77で選択されたパターン140の触感層130を、1つまたは複数の触感層形成領域120に、それぞれインクによって形成させる。触感層形成部62は、ここでは、透明なグロスインクによって触感層130を形成させる。これにより、触感層130の形成後も画像層101を見えるようにすることができる。ただし、触感層130は、例えば、画像層101と同じ色のインクによって形成されてもよく、画像層101と同じ色のインクとグロスインクとによって形成されてもよい。また、触感層130は、画像層101の下に(画像層101よりも先に)形成されてもよい。
【0038】
[触感層の形成プロセス]
以下では、画像層101と触感層130とを被印刷物5に形成するプロセスについて説明する。
図5は、画像層101と触感層130とを被印刷物5に形成するプロセスのフローチャートである。
図5に示すように、プロセスのステップS11では、画像処理装置70は、印刷画像100のデータを取得する。
図6は、データ上の印刷画像100のイメージを示す図である。
図6に示すように、印刷画像100のデータには、1つまたは複数のオブジェクト110が含まれ得る。ここに示す例では、印刷画像100のデータは、第1オブジェクト111、第2オブジェクト112、および第3オブジェクト113を含むものとする。
【0039】
ステップS12(領域設定工程)では、印刷画像100内に1つまたは複数の触感層形成領域120を設定する。各触感層形成領域120は、印刷画像100内のオブジェクト110に対応するように設定される。
図7は、触感層形成領域120の設定画面のイメージを示す図である。
図7に示すように、ここでは、1つまたは複数のオブジェクト110を選択することにより、印刷画像100内に1つまたは複数の触感層形成領域120を設定する。選択されなかったオブジェクト110(例えば、第3オブジェクト113)は、触感層形成領域120に設定されない。以下、第1オブジェクト111に設定された触感層形成領域120を第1領域121と、第2オブジェクト112に設定された触感層形成領域120を第2領域122とも呼ぶ。
【0040】
なお、ステップS11で取得した印刷画像100のデータにオブジェクト110が含まれていないとき(印刷画像100が1つのオブジェクト110からなるとき)には、複数のオブジェクト110(
図6の例では、第1オブジェクト111~第3オブジェクト113)は新たに設定し直されてもよい。または、ステップS11で取得された印刷画像100のデータ内のオブジェクト110は、一度リセットされ、例えば、第1オブジェクト111~第3オブジェクト113等に設定し直されてもよい。オブジェクト110の設定には、公知の種々の手法を特に制限なく利用することができる。例えば、オブジェクト110は、ユーザーが画像周辺を選択するのに応じて、画像処理技術により半自動で設定されてもよい。例えば、オブジェクト110は、画像処理技術により自動設定されてもよい。
【0041】
ステップS13(パターン選択工程)では、触感層形成領域120に形成するパターン140を、パターン登録部72に登録された複数のパターン140のうちからそれぞれ選択する。本実施形態では、パターン140の選択はユーザーが行う。
図8は、触感層130のパターン140の設定画面のイメージを示す図である。
図8に示すように、ここでは、第1領域121に形成するパターン140としてパターンA(以下、第1パターン141とも呼ぶ)が選択され、第2領域122に形成するパターン140としてパターンC(以下、第2パターン142とも呼ぶ)が選択されるものとする。
図8では、選択されたパターン140が表示される操作画面の表示部をパターン選択部77の符号77で示している。
【0042】
本実施形態に係るプロセスは、ステップS13(パターン選択工程)においてパターン140を選択するための参考情報を提示するステップを含んでいる。参考情報を準備するステップとして、本実施形態に係るプロセスは、ステップS01(パターン特性準備工程)を含んでいる。ステップS01(パターン特性準備工程)では、触感層130の各パターン140の表面特性の特性値を準備する。準備された各特性値は、特性記憶部73に記憶される。
【0043】
パターン140の表面粗さを測定する場合には、例えば、触針でパターン140の表面をなぞり、触針の上下運動を検出して表面粗さを測定する(接触式表面粗さ測定)。あるいは、例えば、レーザーをパターン140の表面に照射し、その反射光の強度から表面粗さを測定してもよい(非接触式表面粗さ測定)。採用される表面粗さは、パターン140の表面の複数箇所で測定した表面粗さの平均値としてもよい。例えば、指で表面をなぞった際に指が触れる領域(例えば、「人差し指の第1関節分の長さ×なぞった距離」)内の複数箇所で表面粗さを測定し、その平均値を採用してもよい。接触式表面粗さ測定では、触針の代わりに、人の指の形状や弾性特性を模した接触子を用いてもよい。
【0044】
パターン140の摩擦係数を測定する場合には、例えば、荷重を加えた接触子でパターン140の表面をなぞり、摩擦力を測定する。接触子は、人の指の形状や弾性特性を模した接触子でもよい。また、実際に人が指でパターンや実物の表面をなぞった際の摩擦力を測定してもよい。
【0045】
パターン140の硬度を測定する場合には、圧子をパターン140の表面に押し込み、それにより生じた圧痕の形状(深さや平面視の長さ等)から硬度を算出する。また、厚痕ができるような圧子を使用せず、厚痕ができないような圧子をパターン140の表面に押し込んだ際のパターン140の一時的な変形量から硬度を算出してもよい。また、人の指の弾性特性を模した圧子をパターン140の表面に押し込んでもよい。この場合、人の指の弾性特性を模した圧子側の変形量から硬度を算出してもよい。
【0046】
パターン140の熱伝導率を測定する場合、加熱部と冷却部の間にパターン140を挟み、加熱部から冷却部へ向かう熱流束を測定し、その測定値から、熱伝導率を算出する(定常法)。または、例えば、パターン140の表面にレーザー光を照射し、パターン140裏面の温度上昇を測定することで、熱伝導率を算出してもよい(非定常法)。
【0047】
なお、上記した表面粗さ、摩擦係数、硬度、熱伝導率の測定方法は例示に過ぎず、他の公知の測定方法を好適に利用することもできる。
【0048】
ステップS02では、オブジェクト110が表す実物の表面特性の特性値を準備するかどうか(ステップS03の実物特性準備工程を行うかどうか)をユーザーが判断する。ステップS03がYESの場合(ステップS03を行う場合)、ステップS03(実物特性準備工程)において、触感層130が形成されるオブジェクト110が表す実物の表面特性の特性値を準備する。ここに示す例では、第1オブジェクト111はリンゴであり、ステップS03(実物特性準備工程)においてリンゴの表面特性の特性値が準備される。第2オブジェクト112は木製の机であり、ステップS03(実物特性準備工程)において木材の表面特性の特性値が準備される。以下、第1オブジェクト111が表す実物の特性値を第1特性値と、第2オブジェクト112が表す実物の特性値を第2特性値とも呼ぶこととする。なお、第1特性値と第2特性値とは、例えば、表面粗さと摩擦係数というように、種類が異なる特性値であってもよい。実物の特性値の測定方法は、例えば、パターン140の特性値の測定方法の説明において例示した方法と同様であってもよい。
【0049】
ステップS03に続くステップS04では、第1領域121に対応する実物の特性値として、第1特性値を特性入力部75に入力する。また、第2領域122に対応する実物の特性値として、第2特性値を特性入力部75に入力する。
図8では、実物の特性値を入力する操作画面の入力欄を符号75で示している。ステップS05では、第1領域121に形成するパターン140の候補として、第1特性値に近い特性値を有するパターン140がリストアップされる。また、第2領域122に形成するパターン140の候補として、第2特性値に近い特性値を有するパターン140がリストアップされる。
図8では、リストアップされたパターン140が表示される表示部をパターン抽出部76の符号76で示す。
図8に示す例では、第1領域121に形成するパターン140の候補として、パターンA、パターンB等が表示されている。また、
図8に示す例では、第2領域122に形成するパターン140の候補として、パターンC、パターンD等が表示されている。
【0050】
好ましくは、ステップS13(パターン選択工程)において、ユーザーは、ステップS01(パターン特性準備工程)で準備された特性値とステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値とを比較して、触感層130のパターン140を選択する。さらに好ましくは、ステップS13(パターン選択工程)において、ユーザーは、ステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値に最も近い特性値を有する触感層130のパターン140を選択してもよい。ただし、ステップS13(パターン選択工程)においてユーザーが行い得る選択は特に限定されない。例えば、ユーザーは、ステップS01(パターン特性準備工程)で準備された特性値とステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値とを比較した上で、最も特性値が近いわけではない触感層130のパターン140を選択してもよい。例えば、ステップS03(実物特性準備工程)において表面粗さの特性値が準備された場合、ユーザーは、ステップS05でリストアップされた候補の中から、硬度を考慮したパターン140を選択してもよい。
【0051】
または、ステップS13(パターン選択工程)は画像処理装置70が行うように自動化され、ステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値に最も近い特性値を有する触感層130のパターン140が自動的に選択されてもよい。複数種類の特性値(例えば、表面粗さ、および、硬度)を比較する場合には、例えば、パターン140と実物との間の複数の特性値の差の単純平均または加重平均に基づいて、パターン140が選択されてもよい。なお、画像処理装置70は、自動選択されたパターン140をユーザーが変更できるように構成されていてもよい。
【0052】
ステップS02がNOの場合(実物の特性値を準備しない場合)、ステップS06において、特性記憶部73に記憶された全てのパターン140の特性値がパターン140毎に表示装置81に表示される。好ましくは、ステップS13(パターン選択工程)において、ユーザーは、ステップS06で表示された特性値を参考にして、触感層130のパターン140を選択する。各パターン140の特性値には説明、例えば、「硬くザラザラした触感」のような説明が付されていてもよい。
【0053】
上記した例では、第1オブジェクト111はリンゴであるため、第1オブジェクト111に適するように選択された第1パターン141は、例えば、表面粗さが小さく(凹凸が小さく)、摩擦係数が大きく(滑りにくく)、硬度が低い(柔らかい)パターンである。第2オブジェクト112は木製の机であるため、第2オブジェクト112に適するように選択された第2パターン142は、例えば、表面粗さが大きく(凹凸が大きく)、摩擦係数が小さく(滑りやすく)、硬度が高い(硬い)パターンである。
【0054】
ステップS14(画像形成工程)では、印刷画像100のデータに基づき、画像層101をインクにより被印刷物5に形成する。ステップS15(触感層形成工程)では、ステップS13(パターン選択工程)で選択されたパターン140の触感層130を、1つまたは複数の触感層形成領域120に、それぞれインクによって形成する。なお、ステップS12(領域設定工程)およびステップS13(パターン選択工程)は、ステップS14(画像形成工程)よりも後に行われてもよい。その場合、ステップS14(画像形成工程)で使用された印刷画像100のデータと、ステップS12(領域設定工程)およびステップS13(パターン選択工程)で使用された印刷画像100のデータとは、オブジェクト110の構成が異なっていてもよい。
【0055】
[触感層の構成]
以下では、触感層130の構成について説明する。
図9Aは、触感層130の一例(符号130Aで表す)を示す模式的な縦断面図である。
図9Bは、触感層130Aの模式的な平面図である。
図9Aに示すように、触感層130Aは、複数の突起131を有している。
図9Aおよび
図9Bに示すような、複数の突起131を有する触感層130Aを、以下では、突起型触感層130Aとも呼ぶ。ここでは、突起型触感層130Aは、互いに離れて配置された複数の突起131からなっている。複数の突起131は、画像層101上に直接形成されている。ただし、複数の突起131は、画像層101に重ねて形成されたグロスインクの平坦な層の上に形成されていてもよい。その場合、突起型触感層130Aは、複数の突起131と、画像層101に接する平坦な層からなる。
【0056】
図9Bに示すように、各突起131は、平面視において略円形に形成されている。ただし、各突起131の平面形状は、略円形には限定されない。各突起131は、例えば、平面視において三角形や四角形に形成されていてもよい。触感層130の複数のパターン140は、突起131の形状が異なるパターンを含んでいてもよい。「突起131の形状が異なる」ことには、大きさ(例えば、高さT、略半球形の場合の直径Dm、多角形の場合の辺の長さ等)が異なることが含まれる。突起131の形状を変えることにより、例えば、触感層130の凹凸感や摩擦感を変えることができる。例えば、各突起131の平面形状を三角形や四角形に形成することにより、略円形に形成するよりも凹凸感や摩擦感を大きくすることができる場合がある。
【0057】
1つのパターン140の複数の突起131には、異なる形状を有するものが含まれていてもよい。
図9Cは、大きさが異なる突起131が混在する触感層130のパターン140を模式的に示す平面図である。触感層130の複数のパターン140の中には、同じ形状の突起131だけを含むパターン140と、形状が異なる複数種類の突起131を含むパターン140と、が含まれていてもよい。形状が異なる複数種類の突起131を含むパターン140によれば、ユーザーは、形状が異なる複数種類の突起131に同時に触れることになる。そのため、同じ形状の突起131だけを含むパターン140とは異なる触感を触感層130に付与することができる。なお、パターン140の中で混在させるものは、大きさが異なる突起131に限定されない。複数のパターン140の中には、例えば、平面視において略円形と三角形のように、非相似形の突起131が混在したパターン140が含まれていてもよい。複数のパターン140の中には、例えば、突起131の間隔が異なる複数の領域が混在したパターン140や、突起131の並ぶ方向が異なる複数の領域が混在したパターン140が含まれていてもよい。
【0058】
図9Aおよび
図9Bに示すパターン140では、複数の突起131は、主走査方向Yおよび副走査方向Xにマトリクス状に並んでいる。触感層130の複数のパターン140は、主走査方向Yに隣接する2つの突起131の間の距離Ly、または、副走査方向Xに隣接する2つの突起131の間の距離Lxが異なるパターン140を含んでいてもよい。例えば、複数の突起131の間の距離が長いパターン140によれば、粗い触感を触感層130に付与することができ、短いパターン140によれば、滑らかな触感を触感層130に付与することができる場合がある。
【0059】
図9Dは、複数の突起131の並び方向が傾いた触感層130のパターン140を模式的に示す平面図である。複数の突起131は、
図9Dに示すように、主走査方向Yから傾いた方向、および、上記傾いた方向に直交する方向にマトリクス状に並んでいてもよい。触感層130の複数のパターン140は、突起131の並び方向が異なるパターン140を含んでいてもよい。突起131の並び方向が主走査方向Yおよび副走査方向Xから(すなわち、印刷画像100の正方向から)傾いたパターン140において、傾き方向を適切に選択することにより、例えば、凹凸の方向や、摩擦感の強い(または弱い)方向等、方向による触感の差を表現することができる。なお、複数の突起131は正方形(または長方形)のグリッド上に配置されなくてもよい。例えば、複数の突起131は、三角形や六角形のグリッド上に配置されてもよく、密度の濃淡を有するように配置されてもよい。複数の突起131の配置は特に限定されない。
【0060】
隣接する2つの突起131の間の間隔(例えば、距離LxまたはLy)は、好ましくは、2mm以下に設定される。突起131の間の間隔が2mmより大きいと、突起131の間の連続性が感じられにくくなり、ミクロな触感を表現しにくくなる。ただし、隣接する2つの突起131の間の間隔は、2mmを超えてはいけないわけではない。突起131の高さTは、好ましくは、10mm以下に設定される。突起131の高さTが10mmより大きいと、触感層130の形成に時間を要する。ただし、突起131の高さTは、10mmを超えてはいけないわけではない。突起131の外形長さ(例えば、略円形の場合の直径Dmや四角形の場合の辺の長さ)は、好ましくは、1mm以下に設定される。突起131の外形長さが1mmより大きいと、各突起131の触感が強くなり、複数の突起131の断続による触感を表現しにくくなる。ただし、突起131の外形長さは、1mmを超えてはいけないわけではない。
【0061】
図10Aは、触感層130の他の一例(符号130Bで表す)を示す模式的な縦断面図である。
図10Bは、触感層130Bの模式的な平面図である。
図10Aに示すように、他の態様に係る触感層130Bは、複数の窪み132を有している。以下では、
図10Aおよび
図10Bに示すような複数の窪み132を有する触感層130Bを、窪み型触感層130Bとも呼ぶ。窪み型触感層130Bは、画像層101の上に形成された基層133と、基層133の上面から凹むように形成された複数の窪み132と、を備えている。複数の窪み132は、互いに離れて配置されている。触感層130の複数のパターン140は、複数の突起131を有するパターン140、すなわち突起型触感層130Aに属するパターン140と、複数の凹部(窪み)132を有するパターン140、すなわち窪み型触感層130Bに属するパターン140、とを含んでいてもよい。本願発明者の知見によれば、窪み型触感層130Bは、突起型触感層130Aよりも、触った者に柔らかく感じさせる傾向がある。
【0062】
窪み型触感層130Bにおいても、窪み132の形状(大きさを含む)、隣接する窪み132の間の間隔、または、窪み132の配置を異ならせた複数のパターン140を構成することができる。また、窪み型触感層130Bにおいても、形状や間隔、または配置が異なる複数種類の窪み132を混在させたパターン140を構成することができる。さらには、触感層130の複数のパターン140は、突起131と窪み132とをともに備えるパターン140を含んでいてもよい。
【0063】
隣接する窪み132の間の間隔、窪み132の大きさ、および窪み132の深さの好ましい値は、それぞれ、隣接する突起131の間の間隔、突起131の大きさ、および突起131の高さの好ましい値と同じ、または、ほぼ同じである。ただし、隣接する窪み132の間の間隔、窪み132の大きさ、および窪み132の深さの好ましい値は、いずれも特に限定されない。
【0064】
触感層130の複数のパターン140は、互いに異なる立体形状を有する。「異なる立体形状を有する」とは、突起131または窪み132の形状、配置等の全てが同じではない(少なくとも1つの要素が異なる)ことを意味する。例えば、同じ形状の突起131を備え、突起131の配置が異なる複数のパターン140は、「互いに異なる立体形状を有する」パターン140である。
【0065】
[実施形態の作用効果]
以下では、本実施形態に係るプリンタ11および印刷方法が奏することができる作用効果について説明する。
【0066】
本実施形態に係る印刷システム10は、制御装置60を備えたプリンタ11と、プリンタ11に接続された画像処理装置70と、を含んでいる。画像処理装置70は、印刷画像100内に1つまたは複数の触感層形成領域120を設定することが可能な領域設定部71と、触感層130の複数のパターン140のうちから、領域設定部71で設定された1つまたは複数の触感層形成領域120に形成するパターン140をそれぞれ選択することが可能なパターン選択部77と、を備えている。制御装置60は、印刷画像100のデータに基づいて画像層101を被印刷物5に形成させる画像形成部61と、パターン選択部77で選択されたパターン140の触感層130を各触感層形成領域120にインクによって形成させる触感層形成部62と、を備えている。領域設定部71では、各触感層形成領域120は、印刷画像100内のオブジェクト110に対応するように設定される。かかる印刷システム10によれば、オブジェクト110に対応するように印刷画像100内に設定された各触感層形成領域120に対して、ユーザーが選択した触感層130が形成される。そのため、触感層130の形成にユーザーの意図を反映しやすい。また、オブジェクト110に応じて触感を異ならせたいというニーズの方が、例えば特許文献1のように明度や色相に応じて触感を異ならせたいというニーズよりも一般的である。よって、本実施形態に係る印刷システム10によれば、画像に付与される触感をユーザーの所望の触感に近づけやすい。
【0067】
本実施形態では、画像処理装置70は、触感層130の複数のパターン140が登録されたパターン登録部72を備えている。かかる構成によれば、触感層130の複数のパターン140が予め登録されているため、ユーザーはパターン140を容易に選択することができる。
【0068】
本実施形態では、画像処理装置70は、触感層130の各パターン140の表面特性の特性値を記憶する特性記憶部73を備えている。かかる構成によれば、登録された特性値を参考にユーザーがパターン140を選択すること、または、登録された特性値を用いて自動でパターン140を選択することが可能となる。本実施形態では、画像処理装置70は、特性記憶部73に記憶された複数のパターン140の特性値をパターン毎に表示装置81に表示させる特性表示部74を備えている。かかる構成によれば、ユーザーは、登録され表示された特性値を参考にパターン140を選択することができる。
【0069】
本実施形態では、画像処理装置70は、触感層130が形成されるオブジェクト110が表す実物の表面特性の特性値を入力可能な特性入力部75と、特性記憶部73に特性値が記憶されたパターン140のうちから、特性入力部75に入力された実物の特性値との差が所定範囲内の特性値を有するパターン140を抽出するパターン抽出部76と、を備えている。かかる構成によれば、実物と特性値の近いパターン140が画像処理装置70により抽出される。そのため、ユーザーは、より容易かつ適切にパターン140を選択することができる。
【0070】
ユーザーは、ステップS13(パターン選択工程)において、ステップS01(パターン特性準備工程)で準備された特性値とステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値とを比較して触感層130のパターン140を選択することができる。かかる選択方法によれば、ユーザーは、容易かつ適切にパターン140を選択することができる。例えば、ユーザーは、ステップS13(パターン選択工程)において、ステップS03(実物特性準備工程)で準備された特性値に最も近い特性値を有する触感層130のパターン140を選択することができる。かかる選択方法によれば、実物の触感にある程度近い触感を触感層130に付与できる可能性が高くなる。
【0071】
本実施形態では、触感層130の複数のパターン140は、複数の突起131を有するパターン140と、複数の窪み132を有するパターン140とを含んでいる。複数の突起131を有する突起型触感層130Aの触感と、複数の窪み132を有する窪み型触感層130Bの触感とは、他の構成(突起131または窪み132の平面形状、大きさ、配置等)が同じであっても、異なる触感を有する。そのため、かかる構成によれば、触感層130の触感のバリエーションを広げることができる。
【0072】
[第2実施形態]
上記した実施形態では、オブジェクト110が表す実物の特性値とパターン140の登録された特性値との比較に基づいてパターン140が選択されたが、第2実施形態では、実物の特性値とパターン140の登録された特性値との比較よりも、複数の実物の特性値同士の大小関係と、複数のパターン140の特性値同士の大小関係とに基づいてパターン140を選択する。プリンタ11は、第1実施形態と同様であってもよく、異なっていてもよい。
【0073】
図11は、本実施形態に係るパターン140の選択方法を示すフローチャートである。
図11に示すように、本実施形態に係る方法では、
図5のステップS01(パターン特性準備工程)とステップS03(実物特性準備工程)とが行われる。ここでも、触感層形成領域120に指定されるのは、第1領域121および第2領域122であるとする。また、第1領域121に係る第1オブジェクト111が表す実物の特性値(例えば、摩擦係数、以下、第1特性値とも呼ぶ)は、第2領域122に係る第2オブジェクト112が表す実物の特性値(以下、第2特性値とも呼ぶ)よりも大きいものとする。ステップS03(実物特性準備工程)では、第1特性値および第2特性値が準備される。
【0074】
ステップS13(パターン選択工程)では、第1特性値と第2特性値との大小関係、および、ステップS01(パターン特性準備工程)で準備された触感層130の複数のパターン140の特性値の間の大小関係に基づいて、第1領域121に形成するパターン140および第2領域122に形成するパターン140を選択する。
【0075】
本実施形態では、複数のパターン140は、複数の実物の特性値の間の大小関係と、対応する複数のパターン140の間の大小関係とが一致するように選択される。ここに示す例では、実物の第1特性値は、第2特性値よりも大きい。そのため、ステップS13(パターン選択工程)では、第1領域121に形成されるパターン140(第1パターン141)の特性値の方が第2領域122に形成されるパターン140(第2パターン142)の特性値よりも大きくなるように、第1領域121に形成するパターン140(第1パターン141)および第2領域122に形成するパターン140(第2パターン142)を選択する。第1特性値が第2特性値よりも小さい場合には、第1パターン141の特性値の方が第2パターン142の特性値よりも小さくなるように、第1パターン141および第2パターン142を選択する。3つ以上のパターン140が選択される場合も同様である。
【0076】
図11に示すように、ステップS13(パターン選択工程)の中のステップS13Aでは、第1パターン141を選択する。第1パターン141の選択方法は特に限定されない。ステップS13Bでは、第1特性値が第2特性値よりも大きいかどうかが判定される。ステップS13Bの結果がYESの場合(第1特性値が第2特性値よりも大きい場合)、第1パターン141よりも特性値が小さいパターン140の中から第2パターン142が選択される(ステップS13C)。ステップS13Bの結果がNOの場合(第1特性値が第2特性値よりも小さい場合)、第1パターン141よりも特性値が大きいパターン140の中から第2パターン142が選択される(ステップS13D)。なお、第1特性値と第2特性値との間の大小関係と特性値の大小関係が一致する第1パターン141と第2パターン142との組み合わせが一度に(第1パターン141と第2パターン142とが同時に)選択されてもよい。また、第1特性値と第2特性値とが同じ場合も可能性としてあり得るが、その場合は、ステップS03(実物特性準備工程)で取得する特性値を他の種類に変更することが好ましい(
図11では図示省略)。
【0077】
複数の実物の特性値の間の大小関係と、対応する複数のパターン140の間の大小関係とが一致していれば、印刷後の被印刷物5に触れる人は画像の視覚に引きずられて、触感層130の触感が実物に近いと感じやすい。よって、本実施形態に係る方法によれば、第1実施形態よりも簡易に触感層130のパターン140を選択することが可能となる。
【0078】
複数の実物の特性値の差が小さい場合などには、対応する複数のパターン140の間の特性値の差を実物間のそれよりも大きくするように、複数のパターン140を選択してもよい。実物よりも差を強調することにより、触感層130の触感が実物に近いと感じられる場合もあり得る。
【0079】
画像処理装置70は、特性入力部75に入力された第1特性値が第2特性値よりも大きい場合、第1パターン141を選択後、第2パターン142の候補として、第1パターン141よりも特性値が小さいパターン140を抽出する機能を備えていてもよい。特性入力部75に入力された第1特性値が第2特性値よりも小さい場合には、画像処理装置70は、第2パターン142の候補として、第1パターン141よりも特性値が大きいパターン140を抽出してもよい。
【0080】
なお、複数のパターン140の選択は、ステップS03(実物特性準備工程)で取得した複数の実物の特性値の間の大小関係、および、ステップS01(パターン特性準備工程)で準備された触感層130の複数のパターン140の特性値の間の大小関係に基づいて行われることが好ましいが、例えば他の特性値との兼ね合い等により、一部の大小関係を逆にしてもよい。複数の実物の特性値の間の大小関係と複数のパターン140の特性値の間の大小関係とを必ずしも一致させなくても、両者を参照することにより、触感層130の触感が実物に近いと感じさせることもできる。
【0081】
[他の実施形態]
以上、好適な一実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、ここに開示する技術は他の種々の形態で実施することができる。例えば、上記した実施形態では、インクは光硬化性のインクであったが、それには限定されない。触感を得られる程度にインクを盛ることができる限りで、インクの種類、特性などは限定されない。
【0082】
オブジェクトは、実際の物体と対応付けられなくてもよい。オブジェクトは、例えば、抽象的な画像の一部であってもよい。例えば、そのような場合、実物の特性値に対応するオブジェクトの特性値は、ユーザー等の感覚(例えば、冷たい感じ)に基づくものであってもよい。
【0083】
プリンタの構成については、特に言及がない限りにおいて限定されない。例えば、ここに開示する技術は、ロール・トゥー・ロールタイプのプリンタやガントリータイプのプリンタなどに対しても利用できる。また、ここに開示する技術は、例えば、カッティングヘッド付きプリンタなどのように、その一部にプリンタが組み込まれた装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0084】
5 被印刷物
10 印刷システム
11 プリンタ
40 記録ヘッド
60 制御装置
61 画像形成部
62 触感層形成部
70 画像処理装置
71 領域設定部
72 パターン登録部(登録部)
73 特性記憶部(記憶部)
74 特性表示部(表示部)
75 特性入力部(入力部)
76 パターン抽出部(抽出部)
77 パターン選択部
81 表示装置
100 印刷画像
101 画像層(印刷画像の層)
110 オブジェクト
120 触感層形成領域(領域)
130 触感層
131 突起
132 窪み(凹部)
140 触感層のパターン