IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2024-156523作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法
<>
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図1
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図2
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図3
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図4
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図5
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図6
  • -作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156523
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/18 20120101AFI20241029BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20241029BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20241029BHJP
   B60T 17/18 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B60W30/18
B60W60/00
B60T7/12 B
B60T17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071061
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯島 駿輔
(72)【発明者】
【氏名】森川 工
(72)【発明者】
【氏名】川村 和史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】松井 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】木下 芳人
【テーマコード(参考)】
3D049
3D241
3D246
【Fターム(参考)】
3D049AA03
3D049BB02
3D049HH39
3D049HH40
3D049HH47
3D049HH48
3D049HH51
3D049KK05
3D049KK07
3D049KK13
3D049QQ01
3D049QQ06
3D049RR01
3D049RR05
3D049RR13
3D241BA10
3D241BA26
3D241CC08
3D241DA46Z
3D241DA47Z
3D246AA14
3D246DA01
3D246DA02
3D246DA03
3D246EA02
3D246EA11
3D246EA18
3D246GA01
3D246GB40
3D246GC09
3D246GC16
3D246HA02A
3D246HA13A
3D246HA51A
3D246HA86A
3D246HB11A
3D246HB25A
3D246MA16
(57)【要約】
【課題】作業車両を有人操作状態から無人制御状態に適正な条件で切り換えること。
【解決手段】有人操作状態と無人制御状態とに切り換え可能な作業車両の制御システムは、車載コントローラと、作業車両を減速させるための制動力を発生させるリターダ機構と、を備える。車載コントローラは、リターダ機構が作動する状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有人操作状態と無人制御状態とに切り換え可能な作業車両の制御システムであって、
車載コントローラと、
前記作業車両を減速させるための制動力を発生させるリターダ機構と、を備え、
前記車載コントローラは、前記リターダ機構が作動する状態で、前記有人操作状態から前記無人制御状態に切り換える、
作業車両の制御システム。
【請求項2】
前記リターダ機構を作動させるために操作される第1操作装置を備え、
前記車載コントローラは、前記第1操作装置の操作状態に基づいて、前記リターダ機構が作動する状態か否かを判定する、
請求項1に記載の作業車両の制御システム。
【請求項3】
前記作業車両の停車状態を維持するパーキングブレーキを備え、
前記車載コントローラは、パーキングブレーキが係合された状態で、前記有人操作状態から前記無人制御状態に切り換える、
請求項1に記載の作業車両の制御システム。
【請求項4】
前記無人制御状態において前記作業車両を制御する制御指令を出力する拡張コントローラを備え、
前記車載コントローラは、前記拡張コントローラから前記リターダ機構を差動させる制御指令が出力されている状態で、前記有人操作状態から前記無人制御状態に切り換える、
請求項1に記載の作業車両の制御システム。
【請求項5】
前記リターダ機構を作動させるために操作される第1操作装置を備え、
前記無人制御状態において、前記車載コントローラは、前記第1操作装置が前記リターダ機構を作動させる操作状態であることを監視する、
請求項1に記載の作業車両の制御システム。
【請求項6】
前記無人制御状態から前記有人操作状態に切り換わる場合、前記第1操作装置の操作状態に従って、前記作業車両を停車させる、
請求項5に記載の作業車両の制御システム。
【請求項7】
前記作業車両を操作する複数の操作装置を備え、
前記無人制御状態において、複数の前記操作装置の少なくとも一つが操作された場合、前記車載コントローラは、前記作業車両を停車させる、
請求項1に記載の作業車両の制御システム。
【請求項8】
前記無人制御状態において、前記操作装置の少なくとも一つが操作され、且つ、前記リターダ機構に係るエラー信号を受信していない場合、前記車載コントローラは、前記作業車両を第1停車条件で停車させ、
前記無人制御状態において、前記操作装置の少なくとも一つが操作され、且つ、前記リターダ機構に係るエラー信号を受信した場合、前記車載コントローラは、前記作業車両を第2停車条件で停車させる、
請求項7に記載の作業車両の制御システム。
【請求項9】
有人操作状態と無人制御状態とに切り換え可能な作業車両の制御方法であって、
前記作業車両を制動させるリターダ機構を作動させるために操作される第1操作装置の操作状態を監視することと、
前記リターダ機構が作動するように前記第1操作装置が操作された状態で、前記有人操作状態から前記無人制御状態に切り換えることと、を含む、
作業車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業車両の制御システム及び作業車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、自律モードとマニュアルモードとに切り換え可能な運搬車両が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/051501号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業車両を有人操作状態(マニュアルモード)から無人制御状態(自律モード)に切り換える場合、適正な条件で切り換える必要がある。
【0005】
本開示は、作業車両を有人操作状態から無人制御状態に適正な条件で切り換えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、有人操作状態と無人制御状態とに切り換え可能な作業車両の制御システムであって、車載コントローラと、作業車両を減速させるための制動力を発生させるリターダ機構と、を備え、車載コントローラは、リターダ機構が作動する状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える、作業車両の制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業車両を有人操作状態から無人制御状態に適正な条件で切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業車両を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る作業車両の運転室を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る作業車両の制御システムを示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る作業車両の制御方法を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る作業車両の制御方法を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る作業車両の制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業車両]
図1は、実施形態に係る作業車両1を模式的に示す図である。実施形態において、作業車両1は、運搬車両の一種であるアーティキュレート式ダンプトラックである。
【0011】
実施形態において、作業車両1は、無人制御状態(自律モード)と有人操作状態(マニュアルモード)とに切り換え可能である。有人操作状態とは、作業車両1に搭乗した操作者による運転操作に基づいて作業車両1が稼働する状態をいう。無人制御状態とは、作業車両1に搭乗した操作者による運転操作によらずに、制御指令に基づいて作業車両1が稼働する状態をいう。
【0012】
図1に示すように、作業車両1は、車両後部2と、車両前部3とを備える。車両後部2は、車両前部3の後方に設けられる。
【0013】
車両後部2は、リアフレーム11と、後輪13と、ホイストシリンダ5と、ダンプボディ6とを有する。リアフレーム11は、車両後部2の車体フレームを構成する。
【0014】
後輪13は、車軸を介してリアフレーム11に支持される。後輪13は、車幅方向に相互に離間して一対設けられる。実施形態において、後輪13は、作業車両1の駆動輪である。後輪13が回転することにより、作業車両1は、前進又は後進する。なお、実施形態においては、後輪13は、後前輪13fと後後輪13rとを有する。
【0015】
ホイストシリンダ5は、ダンプボディ6を昇降させるためのシリンダである。ホイストシリンダ5の一端部は、不図示のブラケットを介してリアフレーム11に回動可能に連結される。ホイストシリンダ5の他端部は、不図示のブラケットを介してダンプボディ6に回動可能に連結される。ダンプボディ6は、積荷が積み込まれる部材である。ダンプボディ6は、ホイストシリンダ5の作動により昇降する。
【0016】
車両前部3は、フロントフレーム10と、前輪12と、運転室16とを有する。フロントフレーム10は、車両前部3の車体フレームを構成する。フロントフレーム10の後部とリアフレーム11の前部とは、不図示の連結部材により回動可能に連結される。フロントフレーム10とリアフレーム11とは、上下方向に延びる上下回動軸を中心に回動することができる。フロントフレーム10とリアフレーム11とが回動した状態で、前進又は後進することにより、作業車両1は旋回することができる。フロントフレーム10とリアフレーム11とは、前後方向に延びる前後回動軸を中心に回動することもできる。
【0017】
前輪12は、車軸を介してフロントフレーム10に支持される。前輪12は、車幅方向に相互に離間して一対設けられる。後輪13は、車軸を介してリアフレーム11の前部に支持される。実施形態において、前輪12は、作業車両1の駆動輪である。前輪12が回転することにより、作業車両1は、前進又は後進する。
【0018】
運転室16は、フロントフレーム10の上部に設けられる。運転室16の後部の左側及び右側のそれぞれに、回転灯7が配置される。
【0019】
作業車両1は、動力源47と、トランスミッション48と、サービスブレーキ49と、リターダ機構45と、パーキングブレーキ44と、差動装置54と、差動ロック機構46とを備える。動力源47は、作業車両1を駆動させるための動力を供給する機器である。トランスミッション48は、動力源47からの動力を前輪12及び後輪13に伝達するための機器である。サービスブレーキ49は、作業車両1を減速及び停止させるための制動力を発生させる機器である。リターダ機構45は、作業車両1を減速させるための補助制動力を発生させる機器である。パーキングブレーキ44は、作業車両1を停止状態に保つための機器である。差動装置54は、作業車両1の駆動輪で発生する回転数差を吸収するための機器である。差動装置54は、左右車輪の回転数差を吸収するための差動装置に限定されない。差動装置54は、例えば、前輪12と後輪13との回転数差を吸収するための装置であるインタアクスルデファレンシャルであってもよい。差動ロック機構46は、差動装置54を固定するための機器である。
【0020】
[運転室]
図2は、実施形態に係る作業車両1の運転室16を示す図である。図2に示すように、運転室16には、操作者が作業車両1に搭乗して作業車両1を操作するための複数の操作装置が配置される。実施形態において、運転室16には、操作装置として、起動スイッチ18と、ステアリングホイール19と、ホーンボタン20と、リターダ操作レバー21と、アクセルペダル23と、サービスブレーキペダル24と、ウインカーレバー25と、ヘッドライトスイッチ26と、サイドランプスイッチ28と、フォグランプスイッチ29と、回転灯スイッチ30と、シフトレバー31と、シフトホールドスイッチ32と、ホイストレバー33と、ホイストレバーロックスイッチ34と、パーキングブレーキスイッチ35と、パワーモード切換スイッチ36と、差動ロックスイッチ37と、制御モード切換スイッチ38と、緊急停止スイッチ39とが配置される。
【0021】
起動スイッチ18は、作業車両1を起動させるために操作者によって操作される。実施形態において、起動スイッチ18は、キースイッチである。起動スイッチ18は、オフ位置、オン位置、及びスタート位置のいずれかの位置に操作可能である。操作者によって、起動スイッチ18がオフ位置からオン位置に操作されると、作業車両1の制御システムが起動する。操作者によって、起動スイッチ18がオフ位置からオン位置を経由してスタート位置まで操作されると、作業車両1の動力源47が始動する。操作者が起動スイッチ18から手を離すと、起動スイッチ18は、スタート位置からオン位置に戻る。起動スイッチ18がオン位置に配置された状態で、作業車両1の起動が継続される。
【0022】
ステアリングホイール19は、作業車両1を直進又は旋回させるために操作者によって操作される。有人操作状態において、ステアリングホイール19が操作されることにより、作業車両1は、直進又は旋回するように制御される。ステアリングホイール19は、ステアリング操作を検出するためのステアリングセンサを有する。ステアリングセンサは、例えば、ステアリングホイール19の回転角を検出する角度センサである。
【0023】
ホーンボタン20は、作業車両1のホーン42から警告音が出力されるように操作者によって操作される。有人操作状態において、ホーンボタン20が操作されることにより、ホーン42から警告音が出力される。
【0024】
リターダ操作レバー21は、作業車両1を減速させるために操作者によって操作される第1操作装置である。有人操作状態において、リターダ操作レバー21が操作されることにより、リターダ機構45が作動するように制御される。例えば、作業車両1の降坂時にリターダ操作レバー21が操作されると、リターダ機構45は、作業車両1を減速させるための補助制動力を発生するように作動する。
【0025】
実施形態においては、リターダ操作レバー21は、オペレータがリターダ機構45の制動力を調整するために操作することができる。リターダ機構45の制動力が最も大きくなるようにリターダ操作レバー21が操作されたときのリターダ操作レバー21の操作量を100%とする。リターダ操作レバー21の操作量が100%であることは、制動力が最も大きくなるようにリターダ機構45が作動されることを意味する。リターダ操作レバー21の操作量が0%であることは、リターダ機構45が作動しないことを意味する。
【0026】
アクセルペダル23は、作業車両1が加速するように操作者によって操作される。有人操作状態において、アクセルペダル23が操作されることにより、作業車両1が加速するように制御される。
【0027】
実施形態においては、作業車両1の加速力が最も大きくなるようにアクセルペダル23が操作されたときのアクセルペダル23の操作量を100%とする。アクセルペダル23の操作量が100%であることは、作業車両1の加速力が最も大きくなることを意味する。アクセルペダル23の操作量が0%であることは、作業車両1の加速力が発揮されないことを意味する。
【0028】
サービスブレーキペダル24は、作業車両1を制動させるために操作者によって操作される。有人操作状態において、サービスブレーキペダル24が操作されることにより、サービスブレーキ49が作動するように制御される。
【0029】
実施形態においては、サービスブレーキ49の制動力が最も大きくなるようにサービスブレーキペダル24が操作されたときのサービスブレーキペダル24の操作量を100%とする。サービスブレーキペダル24の操作量が100%であることは、制動力が最も大きくなるようにサービスブレーキ49が作動されることを意味する。サービスブレーキペダル24の操作量が0%であることは、サービスブレーキ49が作動しないことを意味する。
【0030】
シフトレバー31は、トランスミッション48を制御するために操作者によって操作される。有人操作状態において、シフトレバー31が操作されることにより、作業車両1の進行方向が切り換えられる。また、シフトレバー31が操作されることにより、トランスミッション48の変速比が変更され、動力源47から駆動輪に伝達されるトルク及び回転速度が変更される。
【0031】
実施形態においては、シフトレバー31の可動範囲には、前進位置、ニュートラル位置、及び後進位置が規定される。シフトレバー31が前進位置に配置された場合、作業車両1は前進するように制御される。シフトレバー31が後進位置に配置された場合、作業車両1は後進するように制御される。シフトレバー31がニュートラル位置に配置された場合、トランスミッション48は、動力源47からの動力を駆動輪に伝達しない状態になる。
【0032】
シフトホールドスイッチ32は、シフトレバー31の位置を保持又はシフトレバー31の位置の保持を解除するために操作者によって操作される。有人操作状態において、シフトホールドスイッチ32が操作されることにより、シフトレバー31の位置が保持される。
【0033】
実施形態においては、シフトホールドスイッチ32は、オン及びオフのいずれか一方の状態になるように操作される。シフトホールドスイッチ32をオンすることは、シフトレバー31の位置が保持されることを意味する。シフトホールドスイッチ32をオフすることは、シフトレバー31の位置の保持が解除されることを意味する。
【0034】
ホイストレバー33は、ダンプボディ6を昇降させるために操作者によって操作される。有人操作状態において、ホイストレバー33が操作されることにより、ホイストシリンダ5が作動する。ホイストレバー33が操作されることにより、ホイストシリンダ5が伸縮し、ダンプボディ6が昇降する。
【0035】
実施形態においては、ホイストレバー33の可動範囲には、上げ位置、保持位置、浮き位置、及び下げ位置が規定される。ホイストレバー33が上げ位置に配置された場合、ダンプボディ6は上昇するように制御される。ホイストレバー33が保持位置に配置された場合、ダンプボディ6は停止状態を維持するように制御される。ホイストレバー33が浮き位置に配置された場合、ダンプボディ6は外力のまま自由に動くように制御される。ホイストレバー33が下げ位置に配置された場合、ダンプボディ6は下降するように制御される。
【0036】
ホイストレバーロックスイッチ34は、ホイストレバー33をロックするために操作者によって操作される。有人操作状態において、ホイストレバーロックスイッチ34が操作されることにより、ホイストレバー33が移動不可能になる。
【0037】
パーキングブレーキスイッチ35は、パーキングブレーキ44を作動させるために操作者によって操作される。有人操作状態において、パーキングブレーキスイッチ35が操作されることにより、パーキングブレーキ44が係合又は解放される。
【0038】
実施形態においては、パーキングブレーキスイッチ35は、オン及びオフのいずれか一方の状態になるように操作される。パーキングブレーキスイッチ35をオンすることは、パーキングブレーキ44が係合されることを意味する。パーキングブレーキ44を係合することは、作業車両1の停車状態が維持されることを意味する。パーキングブレーキスイッチ35をオフすることは、パーキングブレーキ44が解放されることを意味する。
【0039】
パワーモード切換スイッチ36は、動力源47の出力特性を切り換えるために操作者によって操作される。有人操作状態において、パワーモード切換スイッチ36が操作されることにより、動力源47の出力特性が変化する。
【0040】
差動ロックスイッチ37は、差動ロック機構46を作動させるために操作者によって操作される。有人操作状態において、差動ロックスイッチ37が操作されることにより、差動装置54が固定又は開放される。
【0041】
実施形態においては、差動ロックスイッチ37は、オン及びオフのいずれか一方の状態になるように操作される。差動ロックスイッチ37をオンすることは、差動ロック機構46が作動し、差動装置54が固定されることを意味する。差動ロックスイッチ37をオフすることは、差動ロック機構46が作動せず、差動装置54が開放されることを意味する。
【0042】
制御モード切換スイッチ38は、作業車両1を有人操作状態と無人制御状態とに切り換えるために操作者によって操作される。有人操作状態において、制御モード切換スイッチ38が操作されることにより、作業車両1は有人操作状態と無人制御状態とに切り換えることができる。
【0043】
実施形態においては、制御モード切換スイッチ38は、作業車両1が有人操作状態及び無人制御状態のいずれか一方の状態になるように操作される。制御モード切換スイッチ38を有人操作状態に操作することは、作業車両1を有人操作状態に選択することを意味する。制御モード切換スイッチ38を無人制御状態に操作することは、作業車両1を無人制御状態に選択することを意味する。
【0044】
緊急停止スイッチ39は、作業車両1を緊急停止させるために操作者に操作される。有人操作状態において、緊急停止スイッチ39が操作されることにより、走行中の作業車両1が緊急停車する。
【0045】
実施形態においては、緊急停止スイッチ39は、オン及びオフのいずれか一方の状態になるように操作される。緊急停止スイッチ39をオンすることは、走行中の作業車両1を緊急停止させることを意味する。緊急停止スイッチ39をオフすることは、作業車両1の緊急停止が解除されていることを意味する。
【0046】
[制御システム]
図3は、実施形態に係る作業車両1の制御システムを示すブロック図である。制御システムは、作業車両1を有人操作状態と無人制御状態とに切り換える。図3に示すように、制御システムは、車載コントローラ50と、操作装置60と、機器70と、拡張コントローラ80と、位置センサ81と、障害物センサ82と、カメラ83と、通信機84と、無人走行管制システム90とを有する。
【0047】
車載コントローラ50、操作装置60、機器70、拡張コントローラ80、位置センサ81、障害物センサ82、カメラ83、及び通信機84のそれぞれは、作業車両1に搭載される。なお、例えば拡張コントローラ80は、作業車両1の外部に配置されてもよい。無人走行管制システム90は、作業車両1の外部に配置される。
【0048】
無人走行管制システム90は、無人制御状態における作業車両1の目標位置を示す目標データを作業車両1に送信する。無人走行管制システム90から作業車両1に送信される目標データは、作業車両1の目標到着位置を含む。なお、無人走行管制システム90から1に送信される目標データは、作業車両1の目標経由位置を含んでもよい。目標位置は、例えばグローバル座標系において規定される。
【0049】
通信機84は、無人走行管制システム90からの目標データを受信する。通信機84により受信された目標データは、拡張コントローラ80に送信される。
【0050】
位置センサ81は、作業車両1の位置を検出する。位置センサ81は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して作業車両1の位置を検出する。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される位置を検出する。位置センサ81は、GNSS衛星からGNSS電波を受信するGNSS受信機を含む。位置センサ81の検出データは、拡張コントローラ80に送信される。
【0051】
障害物センサ82は、作業車両1の周辺の障害物を検出する。障害物センサ82は、障害物に非接触で障害物を検出する。障害物センサ82として、レーザ光を射出することにより障害物を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)が例示される。なお、障害物センサ82は、電波を射出することにより障害物を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)でもよいし、赤外光を射出することにより障害物を検出する赤外線センサでもよい。
【0052】
カメラ83は、作業車両1の周辺を撮像する。カメラ83は、作業車両1の障害物を撮像してもよい。
【0053】
拡張コントローラ80は、無人制御状態において作業車両1を制御する制御指令を出力する。拡張コントローラ80は、無人走行管制システム90から送信された目標データと位置センサ81の検出データとに基づいて、作業車両1を制御する制御指令を出力する。
【0054】
実施形態において、拡張コントローラ80は、無人走行管制システム90から送信された目標データに基づいて、目標到着位置までの目標経路を算出する。目標経路は、例えばグローバル座標系において規定される。拡張コントローラ80から出力される制御指令は、作業車両1が目標経路を走行するときの目標走行速度及び目標操舵角を含む。拡張コントローラ80は、位置センサ81の検出データに基づいて、作業車両1が目標経路に従って走行するように、目標走行速度及び目標操舵角を含む制御指令を出力する。拡張コントローラ80から出力された制御指令は、車載コントローラ50に送信される。
【0055】
また、拡張コントローラ80から出力される制御指令は、アクセル制御指令、シフト制御指令、リターダ制御指令、パーキングブレーキ制御指令、及びホイスト制御指令を含む。
【0056】
アクセル制御指令は、作業車両1を加速させるための制御指令である。無人制御状態において、作業車両1は、アクセル制御指令に基づいて加速する。
【0057】
実施形態においては、作業車両1の加速力が最も大きくなるアクセル制御指令を100%とし、作業車両1の加速力が発揮されないアクセル制御指令を0%とする。
【0058】
シフト制御指令は、トランスミッション48を制御するための制御指令である。無人制御状態において、トランスミッション48は、シフト制御指令に基づいて作動する。
【0059】
実施形態においては、シフト制御指令は、作業車両1を前進させるための前進指令と、作業車両1を後進させるための後進指令と、トランスミッション48をニュートラル状態にするためのニュートラル指令とを含む。
【0060】
リターダ制御指令は、リターダ機構45を作動させるための制御指令である。無人制御状態において、リターダ機構45は、リターダ制御指令に基づいて作動する。
【0061】
実施形態においては、リターダ機構45の制動力が最も大きくなるリターダ制御指令を100%とし、リターダ機構45を作動させない場合のリターダ指令を0%とする。
【0062】
パーキングブレーキ制御指令は、パーキングブレーキ44を作動させるための制御指令である。無人制御状態において、パーキングブレーキ44は、パーキングブレーキ制御指令に基づいて作動する。
【0063】
実施形態においては、パーキングブレーキ指令がオンである場合、パーキングブレーキ44が係合され、パーキングブレーキ指令がオフである場合、パーキングブレーキ44が解放される。
【0064】
ホイスト制御指令は、ホイストシリンダ5を作動させるための制御指令である。無人制御状態において、ホイストシリンダ5は、ホイスト制御指令に基づいて作動する。
【0065】
実施形態においては、ホイスト制御指令は、ダンプボディ6を上昇させる上げ指令と、ダンプボディ6の停止状態を維持する保持指令と、ダンプボディ6を外力のまま自由に動くことができる状態にする浮き指令と、ダンプボディ6を下降させる下げ指令とを含む。
【0066】
実施形態において、拡張コントローラ80は、作業車両1を有人操作状態と無人制御状態とに切り換えるためのモード切換信号を出力することができる。モード切換信号は、作業車両1を有人操作状態にするための有人信号と、作業車両1を無人制御状態にするための無人信号とを含む。
【0067】
車載コントローラ50は、作業車両1の機器70を制御する。実施形態において、車載コントローラ50は、第1コントローラ51と、第2コントローラ52と、第3コントローラ53とを有する。実施形態において、操作装置60は、第1操作装置61と、第2操作装置62と、第3操作装置63とを有する。実施形態において、機器70は、第1機器71と、第2機器72と、第3機器73とを有する。
【0068】
なお、実施形態においては、車載コントローラ50が3つのコントローラ(51,52,53)を有することとするが、車載コントローラ50が有するコントローラの数は3つに限定されない。例えば、1つのコントローラが第2コントローラ52の機能と第3コントローラ53の機能とを有してもよいし、1つのコントローラが第1コントローラ51の機能と第2コントローラ52の機能と第3コントローラ53の機能とを有してもよい。
【0069】
なお、実施形態においては、操作装置60が3つの操作装置(61,62,63)を有することとするが、操作装置60が有する操作装置の数は3つに限定されない。例えば、1つの操作装置が第2操作装置62の機能と第3操作装置63の機能とを有してもよいし、1つの操作装置が第1操作装置61の機能と第2操作装置62の機能と第3操作装置63の機能とを有してもよい。
【0070】
なお、実施形態においては、機器70が3つの機器(71,72,73)を有することとするが、機器70が有する機器の数は3つに限定されない。例えば、1つの機器が第2機器72の機能と第3機器73の機能とを有してもよいし、1つの機器が第1機器71の機能と第2機器72の機能と第3機器73の機能とを有してもよい。
【0071】
第1操作装置61は、起動スイッチ18と、ステアリングホイール19と、ホーンボタン20と、ウインカーレバー25と、ヘッドライトスイッチ26と、サイドランプスイッチ28と、フォグランプスイッチ29と、回転灯スイッチ30と、パーキングブレーキスイッチ35と、制御モード切換スイッチ38と、緊急停止スイッチ39と、遠隔緊急停止信号受信機40とを含む。第1操作装置61からの入力データは、第1コントローラ51に送信される。第1操作装置61からの入力データは、起動スイッチ18、ステアリングホイール19、ホーンボタン20、ウインカーレバー25、ヘッドライトスイッチ26、サイドランプスイッチ28、フォグランプスイッチ29、回転灯スイッチ30、パーキングブレーキスイッチ35、制御モード切換スイッチ38、及び緊急停止スイッチ39の少なくとも一つが操作されることにより生成された操作信号を含む。
【0072】
遠隔緊急停止信号受信機40は、作業車両1の外部の遠隔操作装置から送信された緊急停止信号を受信する。例えば、作業車両1の外部に存在する管理者は、遠隔操作装置を操作して、作業車両1を緊急停車させることができる。遠隔操作装置が操作されることにより、遠隔操作装置から作業車両1に緊急停止信号が送信される。第1操作装置61から第1コントローラ51に送信される入力データは、遠隔緊急停止信号受信機40が受信した緊急停止信号を含む。
【0073】
第2操作装置62は、リターダ操作レバー21と、サービスブレーキペダル24と、ホイストレバー33と、ホイストレバーロックスイッチ34と、差動ロックスイッチ37とを含む。第2操作装置62からの入力データは、第2コントローラ52に送信される。第2操作装置62からの入力データは、リターダ操作レバー21、サービスブレーキペダル24、ホイストレバー33、ホイストレバーロックスイッチ34、及び差動ロックスイッチ37の少なくとも一つが操作されることにより生成された操作信号を含む。
【0074】
第3操作装置63は、アクセルペダル23と、シフトレバー31と、シフトホールドスイッチ32と、パワーモード切換スイッチ36と、車速センサ41とを含む。第3操作装置63からの入力データは、第3コントローラ53に送信される。第3操作装置63からの入力データは、アクセルペダル23、シフトレバー31、シフトホールドスイッチ32、及びパワーモード切換スイッチ36の少なくとも一つが操作されることにより生成された操作信号を含む。
【0075】
車速センサ41は、作業車両1の走行速度を検出する。車速センサ41は、例えば駆動輪に接続される車軸の回転数を検出することによって、作業車両1の走行速度を検出する。第3操作装置63からの入力データは、車速センサ41の検出データを含む。
【0076】
第1コントローラ51は、第2コントローラ52及び第3コントローラ53のそれぞれと通信する。第1コントローラ51は、第1操作装置61からの入力データに基づいて、第1機器71を制御する。第1コントローラ51は、拡張コントローラ80から送信された制御指令を第1機器71に送信する。有人操作状態において、第1コントローラ51は、第1操作装置61からの入力データに基づいて、第1機器71を制御する。無人制御状態において、第1コントローラ51は、拡張コントローラ80から送信された制御指令を第1機器71に送信する。
【0077】
第2コントローラ52は、第2操作装置62からの入力データに基づいて、第2機器72を制御する。第2コントローラ52は、第1コントローラ51を介して拡張コントローラ80から送信された制御指令を第2機器72に送信する。有人操作状態において、第2コントローラ52は、第2操作装置62からの入力データに基づいて、第2機器72を制御する。無人制御状態において、第2コントローラ52は、第1コントローラ51を介して拡張コントローラ80から送信された制御指令を第2機器72に送信する。
【0078】
第3コントローラ53は、第3操作装置63からの入力データに基づいて、第3機器73を制御する。第3コントローラ53は、第1コントローラ51を介して拡張コントローラ80から送信された制御指令を第3機器73に送信する。有人操作状態において、第3コントローラ53は、第3操作装置63からの入力データに基づいて、第3機器73を制御する。無人制御状態において、第3コントローラ53は、第1コントローラ51を介して拡張コントローラ80から送信された制御指令を第3機器73に送信する。
【0079】
第1機器71は、回転灯7と、ホーン42と、ウインカ43と、ヘッドライト55と、サイドランプ56と、フォグランプ57と、パーキングブレーキ44とを含む。第1機器71は、第1コントローラ51により制御される。第1機器71は、第1コントローラ51からの制御指令に基づいて作動する。
【0080】
第2機器72は、リターダ機構45と、サービスブレーキ49と、ホイストシリンダ5と、差動ロック機構46と、差動装置54とを含む。第2機器72は、第2コントローラ52により制御される。第2機器72は、第2コントローラ52からの制御指令に基づいて、作動する。
【0081】
第3機器73は、動力源47と、トランスミッション48とを含む。第3機器73は、第3コントローラ53により制御される。第3機器73は、第3コントローラ53からの制御指令に基づいて作動する。
【0082】
[制御方法]
図4及び図5は、実施形態に係る作業車両1の制御方法を示すフローチャートである。
【0083】
運転室16に搭乗した操作者により、起動スイッチ18がオン位置に操作される(ステップS1)。起動スイッチ18がオン位置に操作されると、車載コントローラ50が起動し、車載コントローラ50が初期化される。第1コントローラ51による緊急停止スイッチ39及び遠隔緊急停止信号受信機40のそれぞれの動作確認は、未完了である。
【0084】
起動スイッチ18がオン位置に操作されることにより、作業車両1は、有人操作状態になる(ステップS2)。
【0085】
第1コントローラ51は、制御モード切換スイッチ38が無人制御状態に選択されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0086】
ステップS3において、制御モード切換スイッチ38が有人操作状態に選択されていると判定された場合(ステップS3:No)、作業車両1は、有人操作状態である(ステップS2)。
【0087】
ステップS3において、制御モード切換スイッチ38が無人制御状態に操作されていると判定した場合(ステップS3:Yes)、第1コントローラ51は、制御モード切換スイッチ38が有人操作状態から無人制御状態へ遷移するように操作されたときのみ、制御モード切換スイッチ38の動作確認を初期化する(ステップS4)。ステップS4において、第1コントローラ51による緊急停止スイッチ39及び遠隔緊急停止信号受信機40のそれぞれの動作確認は、未完了である。
【0088】
第1コントローラ51は、緊急停止スイッチ39の動作確認を判定する(ステップS5)。操作者により緊急停止スイッチ39が所定の操作状態に操作され、第1コントローラ51が緊急停止スイッチ39の操作を確認した場合、緊急停止スイッチ39の動作確認が完了する。緊急停止スイッチ39の操作を確認できない場合、緊急停止スイッチ39の動作確認は未完了である。一例として、緊急停止スイッチ39の所定の操作状態は、緊急停止スイッチ39がオフからオンに操作された後にオンからオフに操作される状態である。
【0089】
第1コントローラ51は、遠隔緊急停止信号受信機40の動作確認を判定する(ステップS6)。第1コントローラ51は、操作者により作業車両1の外部の遠隔操作装置が操作され、遠隔緊急停止信号受信機40が遠隔操作装置から緊急停止信号を受信したことを確認した場合、遠隔緊急停止信号受信機40の動作確認が完了したと判定される。遠隔緊急停止信号受信機40の操作を確認できない場合、遠隔緊急停止信号受信機40の動作確認が未完了であると判定される。
【0090】
第1コントローラ51は、操作装置60の準備状態を判定する(ステップS7)。操作装置60が以下の(a1)から(a6)の条件を満足する場合、操作装置60の準備状態が完了したと判定される。操作装置60が以下の(a1)から(a6)の条件を満足しない場合、操作装置60の準備状態が未完了であると判定される。
【0091】
(a1)アクセルペダル23の操作量:0%
(a2)シフトレバー31の位置:ニュートラル位置
(a3)リターダ操作レバー21の操作量:100%
(a4)パーキングブレーキスイッチ35:オン
(a5)ホイストレバー33の位置:保持位置
(a6)車速センサ41の検出データ:0km/h
【0092】
第1コントローラ51は、拡張コントローラ80の指令値準備状態を判定する(ステップS8)。
【0093】
拡張コントローラ80からの制御指令が以下の(b1)から(b5)の条件を満足する場合、拡張コントローラ80の指令値準備状態が完了したと判定される。拡張コントローラ80からの制御指令が以下の(b1)から(b5)の条件を満足しない場合、拡張コントローラ80の指令値準備状態が未完了であると判定される。
【0094】
(b1)アクセル制御指令:0%
(b2)シフト制御指令:ニュートラル指令
(b3)リターダ制御指令:100%
(b4)パーキングブレーキ制御指令:オン
(b5)ホイスト制御指令:保持指令
【0095】
第1コントローラ51は、無人遷移許可状態の許可を判定する(ステップS9)。第1コントローラ51の第1エラー条件が成立していない、且つ、第1コントローラ51の第2エラー条件が成立していない場合、無人遷移許可状態の許可が完了したと判定される。第1コントローラ51の第1エラー条件が成立している、又は、第1コントローラ51の第2エラー条件が成立している場合、無人遷移許可状態の許可が未完了であると判定される。
【0096】
第1コントローラ51の第1エラー条件とは、以下の(c1)から(c3)の条件をいう。例えば、無人制御状態において、第1エラー条件が成立した場合、無人制御状態から有人操作状態に強制的に遷移される。
【0097】
(c1)第1コントローラ51の電源系故障
(c2)制御モード切換スイッチ38の故障
(c3)第1コントローラ51と第2コントローラ52及び第3コントローラ53の少なくとも一方との通信不良
【0098】
第1コントローラ51の第2エラー条件とは、以下の(d1)から(d2)の条件をいう。例えば、無人制御状態において、第2エラー条件が成立した場合、作業車両1が停止される。
【0099】
(d1)拡張コントローラ80からの緊急停止信号又はエラー信号を受信した
(d2)第2コントローラ52及び第3コントローラ53の少なくとも一方から緊急停止信号を受信した
【0100】
第1コントローラ51は、ステップS5からステップS9の判定が全て完了したか否かを判定する(ステップS10)。
【0101】
ステップS10において、ステップS5からステップS9の判定が全て完了していないと判定された場合(ステップS10:No)、作業車両1は、有人操作状態である(ステップS2)。
【0102】
ステップS10において、ステップS5からステップS9の判定が全て完了したと判定された場合(ステップS10:Yes)、作業車両1は、無人モード遷移準備状態になる(ステップS11)。
【0103】
次に、第1コントローラ51は、拡張コントローラ80からのモード切換信号が無人信号か否かを判定する(ステップS12)。
【0104】
拡張コントローラ80からのモード切換信号が有人信号である場合(ステップS12:No)、ステップS10の処理に戻る。
【0105】
拡張コントローラ80からのモード切換信号が無人信号である場合(ステップS12:Yes)、作業車両1は、無人制御状態になる(ステップS13)。
【0106】
無人制御状態になった作業車両1は、拡張コントローラ80から出力される制御指令に基づいて走行する。運転室16に搭乗している操作者は、監視者として運転室16に搭乗することを継続する。
【0107】
このように、第1コントローラ51は、リターダ機構45を作動させた状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。第1コントローラ51は、第1操作装置であるリターダ操作レバー21の操作状態に基づいて、リターダ機構45が作動された状態か否かを判定する。上述の条件(a3)のように、リターダ操作レバー21の操作量が100%であること、すなわち、リターダ機構45の制動力が最も大きくなるようにリターダ操作レバー21が操作されたことを条件に、第1コントローラ51は、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。
【0108】
実施形態において、第1コントローラ51は、リターダ機構45が作動された状態、且つ、パーキングブレーキ44が係合された状態で、有人操作状態から前記無人制御状態に切り換える。第1コントローラ51は、パーキングブレーキスイッチ35の操作状態に基づいて、パーキングブレーキ44が係合された状態か否かを判定する。上述の条件(a4)のように、パーキングブレーキスイッチ35がオンであることを条件に、第1コントローラ51は、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。
【0109】
また、実施形態において、第1コントローラ51は、拡張コントローラ80からリターダ機構45をオンさせる制御指令であるリターダ指令が出力されている状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。上述の条件(b3)のように、リターダ指令が100%であること、すなわち、リターダ機構45の制動力が最も大きくなるようにリターダ指令が出力されていることを条件に、第1コントローラ51は、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。
【0110】
無人制御状態において、第1コントローラ51は、少なくともリターダレバーがリターダ機構45をオンさせる操作状態であることを監視する。実施形態においては、無人制御状態において、第1コントローラ51は、上述の条件(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)の条件を満足していることを監視する。
【0111】
第1コントローラ51は、有人操作状態への切換条件を満足するか否かを判定する(ステップS14)。
【0112】
有人操作状態への切換条件を満足することは、以下の(e1)から(e3)の3つの条件のうち少なくとも1つの条件を満足することをいう。
【0113】
(e1)第1コントローラ51の第1エラー条件が成立したこと
(e2)制御モード切換スイッチ38が有人操作状態であること
(e3)拡張コントローラ80からのモード切換信号が有人信号であること
【0114】
ステップS14において、有人操作状態への切換条件を満足する場合(ステップS14:Yes)、作業車両1は有人操作状態になる(ステップS2)。
【0115】
ステップS14の時点において、上述の条件(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)の条件が維持されているので、有人操作状態から無人操作状態に切り換わる場合、リターダ操作レバー21の操作状態に従って、作業車両1が停車する。すなわち、ステップS14の時点において、アクセルペダル23の操作量が0%であり(条件(a1))、リターダ操作レバー21の操作量が100%であり(条件(a3))、パーキングブレーキスイッチ35がオンされている(条件(a4))ので、ステップS14からステップS2に遷移する場合、作業車両1は、リターダ操作レバー21の操作状態、パーキングブレーキスイッチ35の操作状態、及びアクセルペダル23の操作状態に従って、停車する。
【0116】
また、ステップS14からステップS2に遷移する場合、ステップS5及びステップS6において実施された動作確認が初期化される。すなわち、緊急停止スイッチ39及び遠隔緊急停止信号受信機40のそれぞれの動作確認が未完了の状態になる。
【0117】
ステップS14において、有人操作状態への切換条件を満足しない場合(ステップS14:No)、第1コントローラ51は、第1コントローラ51が緊急停止状態であるか又は操作介入があるか否かを判定する(ステップS15)。
【0118】
第1コントローラ51が緊急停止状態であるとは、以下の(f1)から(f5)状態をいう。
【0119】
(f1)拡張コントローラ80からの緊急停止信号又はエラー信号を受信した状態
(f2)第2コントローラ52及び第3コントローラ53の少なくとも一方から緊急停止信号を受信した状態
(f3)緊急停止スイッチ39がオンされた状態
(f4)遠隔緊急停止信号受信機40から緊急停止信号を受信した状態
(f5)第1コントローラ51の第2エラー条件が成立した状態
【0120】
操作介入とは、無人制御状態において、以下の第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満足することをいう。
【0121】
<第1条件:以下の(g1)から(g5)の少なくとも一つの状態になった場合>
(g1)アクセルペダル23の操作量:0%ではない状態
(g2)シフトレバー31の位置:ニュートラル位置ではない状態
(g3)リターダ操作レバー21の操作量:100%ではない状態
(g4)パーキングブレーキスイッチ35:オフの状態
(g5)ホイストレバー33の位置:保持位置ではない状態
【0122】
<第2条件:以下の(h1)から(h12)の操作装置の少なくとも一つが操作者に操作された状態>
(h1)ステアリングホイール19
(h2)ホーンボタン20
(h3)ウインカーレバー25
(h4)ヘッドライトスイッチ26
(h5)サイドランプスイッチ28
(h6)フォグランプスイッチ29
(h7)回転灯スイッチ30
(h8)シフトホールドスイッチ32
(h9)ホイストレバーロックスイッチ34
(h10)パワーモード切換スイッチ36
(h11)サービスブレーキペダル24
(h12)差動ロックスイッチ37
【0123】
上述の条件(g1)は、条件(a1)の状態のアクセルペダル23が操作者に操作されたことを意味する。上述の条件(g2)は、条件(a2)の状態のシフトレバー31が操作者に操作されたことを意味する。上述の条件(g3)は、条件(a3)の状態のリターダ操作レバー21が操作者に操作されたことを意味する。上述の条件(g4)は、条件(a4)の状態のパーキングブレーキスイッチ35が操作者に操作されたことを意味する。上述の条件(g5)は、条件(a5)の状態のホイストレバー33が操作者に操作されたことを意味する。
【0124】
ステップS15において、第1コントローラ51が緊急停止状態ではない且つ操作介入がないと判定した場合(ステップS15:No)、無人制御状態が継続される(ステップS13)。
【0125】
ステップS15において、第1コントローラ51が緊急停止状態である又は操作介入があると判定した場合(ステップS15:Yes)、第1コントローラ51が緊急停止状態になる(ステップS16)。
【0126】
第1コントローラ51は、上述の有人操作状態への切換条件を満足するか否かを判定する(ステップS17)。
【0127】
ステップS17において、有人操作状態への切換条件を満足する場合(ステップS17:Yes)、作業車両1は、有人操作状態になる(ステップS2)。ステップS17の時点において、上述の条件(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)の条件が維持されているので、ステップS17からステップS2に遷移する場合、作業車両1は、リターダ操作レバー21の操作状態、パーキングブレーキスイッチ35の操作状態、及びアクセルペダル23の操作状態に従って、停車する。
【0128】
また、ステップS17からステップS2に遷移する場合、ステップS5及びステップS6において実施された動作確認が初期化される。すなわち、緊急停止スイッチ39及び遠隔緊急停止信号受信機40のそれぞれの動作確認が未完了の状態になる。
【0129】
ステップS17において、有人操作状態への切換条件を満足しない場合(ステップS17:No)、第1コントローラ51は、リターダ機構45に係るエラー信号を第2コントローラ52から受信したか否かを判定する(ステップS18)。
【0130】
エラー信号は、以下の(i1)から(i2)の少なくとも一つの条件を満足したときに、第2コントローラ52から出力される。
【0131】
(i1)第2コントローラ52の電源系故障
(i2)リターダ機構45の故障
【0132】
ステップS18において、エラー信号を受信していない場合(ステップS18:No)、第1コントローラ51は、作業車両1を第1停車条件で停車させる第1停車処理を実施する(ステップS19)。
【0133】
第1停車処理においては、第1コントローラ51から制御指令が出力される。第1停車条件は、以下の(j1)から(j5)の条件をいう。
【0134】
(j1)回転灯:点灯
(j2)アクセル指令:0%
(j3)リターダ指令:初期値40%から所定時間毎に指令値を増加
(j4)ホイスト指令:保持指令
(j5)パーキングブレーキ指令:拡張コントローラ80からのパーキングブレーキ指令に従う
【0135】
第1停車処理の後、第1コントローラ51は、車速センサ41の検出データに基づいて、車速がゼロか否かを判定する(ステップS20)。
【0136】
ステップS20において、車速がゼロではないと判定された場合(ステップS20:No)、ステップS16に戻る。
【0137】
ステップS20において、車速がゼロであると判定した場合(ステップS20:Yes)、第1コントローラ51は、トランスミッション48をニュートラル状態にするニュートラル指令を出力する。また、第1コントローラ51は、パーキングブレーキ44をロックさせるパーキングブレーキ指令を出力する(ステップS21)。
【0138】
ステップS18において、エラー信号を受信した場合(ステップS18:Yes)、第1コントローラ51は、作業車両1を第2停車条件で停車させる第2停車処理を実施する(ステップS22)。
【0139】
第2停車条件は、第1停車条件とは異なる。第1停車処理と同様、第2停車処理においても、第1コントローラ51から制御指令が出力される。第2停車条件は、以下の(k1)から(k5)の条件をいう。
【0140】
(k1)回転灯:点灯
(k2)アクセル指令:0%
(k3)リターダ指令:初期値40%から所定時間毎に指令値を増加
(k4)ホイスト指令:保持指令
(k5)パーキングブレーキ指令:オン
【0141】
第2停車処理の後、第1コントローラ51は、車速センサ41の検出データに基づいて、車速がゼロか否かを判定する(ステップS23)。
【0142】
ステップS23において、車速がゼロではないと判定された場合(ステップS23:No)、ステップS16に戻る。
【0143】
ステップS23において、車速がゼロであると判定した場合(ステップS23:Yes)、第1コントローラ51は、トランスミッション48をニュートラル状態にするニュートラル指令を出力する(ステップS24)。
【0144】
このように、無人制御状態において、操作介入があった場合、すなわち、条件(g1)から条件(g5)及び条件(h1)から条件(h4)に示したように、無人制御状態において、運転室16に配置されている複数の操作装置のうち、少なくとも一つの操作装置が操作された場合、第1コントローラ51は、作業車両1を停車させる(ステップS21及びステップS24)。
【0145】
無人制御状態において、操作装置の少なくとも一つが操作される操作介入があり、且つ、リターダ機構45に係るエラー信号を受信していない場合、第1コントローラ51は、作業車両1を第1停車条件で停車させる(ステップS19)。無人制御状態において、操作装置の少なくとも一つが操作される操作介入があり、且つ、リターダ機構45に係るエラー信号を受信した場合、第1コントローラ51は、作業車両1を第2停車条件で停車させる(ステップS19)。
【0146】
[コンピュータシステム]
図6は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述の車載コントローラ50(第1コントローラ51、第2コントローラ52、第3コントローラ53)は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の車載コントローラ50の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0147】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、作業車両1を制動させるリターダ機構45を作動させるために操作されるリターダ操作レバー21の操作状態を監視することと、リターダ機構45が作動するようにリターダ操作レバー21が操作された状態で、作業車両1を有人操作状態から無人制御状態に切り換えることと、を実行することができる。
【0148】
[効果]
以上説明したように、実施形態において、有人操作状態と無人制御状態とに切り換え可能な作業車両1の制御システムは、車載コントローラ50と、作業車両1を減速させるための制動力を発生させるリターダ機構45と、を備える。車載コントローラ50は、リターダ機構45が作動する状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。
【0149】
実施形態によれば、リターダ機構45が作動する状態であることを条件に、作業車両1が有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。作業車両1が停車した状態で有人操作状態から無人制御状態に切り換えられるので、作業車両1は適正な条件で有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。
【0150】
車載コントローラ50は、リターダ機構45を作動させるために操作される第1操作装置であるリターダ操作レバー21の操作状態に基づいて、リターダ機構45が作動する状態か否かを判定する。これにより、車載コントローラ50は、リターダ操作レバー21の操作状態に基づいて、リターダ機構45が作動する状態であることを認識することができる。
【0151】
車載コントローラ50は、作業車両1の停車状態を維持するパーキングブレーキ44が係合された状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。パーキングブレーキ44が係合されていることを条件に、作業車両1が有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。作業車両1が停車した状態で有人操作状態から無人制御状態に切り換えられるので、作業車両1は適正な条件で有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。
【0152】
制御システムは、無人制御状態において作業車両1を制御する制御指令を出力する拡張コントローラ80を備える。車載コントローラ50は、拡張コントローラ80からリターダ機構45を作動させる制御指令であるリターダ指令が出力されている状態で、有人操作状態から無人制御状態に切り換える。リターダ指令が出力されていることを条件に、作業車両1が有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。有人操作状態から無人制御状態に切り換えられた後において、作業車両1の停車状態が維持されるので、作業車両1は適正な条件で有人操作状態から無人制御状態に切り換えられる。例えば、作業車両1が有人操作状態から無人制御状態に切り換えられた直後に、作業車両1が急発進することが抑制される。
【0153】
無人制御状態において、車載コントローラ50は、リターダ操作レバー21がリターダ機構45を作動させる操作状態であることを監視する。無人制御状態において、リターダ操作レバー21がリターダ機構45を作動させる操作状態であることが維持されるので、作業車両1が無人操作状態から無人制御状態に切り換えられた後、作業車両1を停車させることができる。
【0154】
無人制御状態から有人操作状態に切り換わる場合、リターダ操作レバー21の操作状態に従って、作業車両1が停車する。無人制御状態において、リターダ操作レバー21がリターダ機構45を作動させる操作状態であることが維持されるので、作業車両1が無人制御状態から有人操作状態に切り換えられた後、作業車両1を停車させることができる。
【0155】
無人制御状態において、複数の操作装置のうち少なくとも一つの操作装置が操作された操作介入があった場合、車載コントローラ50は、作業車両1を停車させる制御指令を出力する。無人制御状態において、操作者(監視者)が誤って操作装置を操作した場合、作業車両1が停車する。操作者は、作業車両1が停車した状態で、例えば無人制御状態から有人操作状態に切り換えるための処理を講じることができる。
【0156】
無人制御状態において、操作装置の少なくとも一つが操作される操作介入があり、且つ、リターダ機構45に係るエラー信号を受信していない場合、車載コントローラ50は、作業車両1を第1停車条件で停車させる。無人制御状態において、操作装置の少なくとも一つが操作される操作介入があり、且つ、リターダ機構45に係るエラー信号を受信した場合、車載コントローラ50は、作業車両1を第2停車条件で停車させる。リターダ機構45に係るエラー信号が出力されていない場合、車載コントローラ50(第1コントローラ51)から出力されるパーキングブレーキ指令は、拡張コントローラ80からのパーキングブレーキ指令に従って出力されるので、パーキングブレーキ44を適正に係合させることができる。リターダ機構45に係るエラー信号が出力されている場合、車載コントローラ50(第1コントローラ51)から出力されるパーキングブレーキ指令に基づいて、パーキングブレーキ44が係合するので、パーキングブレーキ44を適正に係合させることができる。
【0157】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、作業車両1がアーティキュレート式ダンプトラックであることとした。作業車両1はリジット式ダンプトラックでもよい。
【0158】
上述の実施形態において、作業車両1は、遠隔操作されてもよい。図7は、実施形態に係る作業車両1の制御システムを示すブロック図である。図7において、作業車両1は、作業現場を撮像するカメラ83と、作業現場の音声を収集するマイク91とを有する。通信機84は、遠隔操作システム92と通信する。遠隔操作システム92は、作業車両1の遠隔地に配置される。遠隔操作システム92に、ディスプレイ93と遠隔操作装置94とスピーカ95とが接続される。オペレータは、作業車両1の遠隔地において、遠隔操作装置94を操作する。遠隔操作装置94が操作されることにより生成された操作信号は、遠隔操作システム92及び通信機84を介して拡張コントローラ80に送信される。車載コントローラ50は、拡張コントローラ80により受信された操作信号に基づいて、作業車両1を制御する。カメラ83により撮像された作業現場の画像データ及びマイク91により収集された作業現場の音声データは、通信機84を介して遠隔操作システム92に送信される。作業現場の画像データは、ディスプレイ93に表示される。作業現場の音声データは、スピーカ95から出力される。オペレータは、作業現場の画像データ及び作業現場の音声データを確認しながら、遠隔操作装置94を操作することができる。
【符号の説明】
【0159】
1…作業車両、2…車両後部、3…車両前部、5…ホイストシリンダ、6…ダンプボディ、7…回転灯、10…フロントフレーム、11…リアフレーム、12…前輪、13…後輪、13f…後前輪、13r…後後輪、16…運転室、18…起動スイッチ、19…ステアリングホイール、20…ホーンボタン、21…リターダ操作レバー、23…アクセルペダル、24…サービスブレーキペダル、25…ウインカーレバー、26…ヘッドライトスイッチ、28…サイドランプスイッチ、29…フォグランプスイッチ、30…回転灯スイッチ、31…シフトレバー、32…シフトホールドスイッチ、33…ホイストレバー、34…ホイストレバーロックスイッチ、35…パーキングブレーキスイッチ、36…パワーモード切換スイッチ、37…差動ロックスイッチ、38…制御モード切換スイッチ、39…緊急停止スイッチ、40…遠隔緊急停止信号受信機、41…車速センサ、42…ホーン、43…ウインカ、44…パーキングブレーキ、45…リターダ機構、46…差動ロック機構、47…動力源、48…トランスミッション、49…サービスブレーキ、50…車載コントローラ、51…第1コントローラ、52…第2コントローラ、53…第3コントローラ、54…差動装置、55…ヘッドライト、56…サイドランプ、57…フォグランプ、60…操作装置、61…第1操作装置、62…第2操作装置、63…第3操作装置、70…機器、71…第1機器、72…第2機器、73…第3機器、80…拡張コントローラ、81…位置センサ、82…障害物センサ、83…カメラ、84…通信機、90…無人走行管制システム、91…マイク、92…遠隔操作システム、93…ディスプレイ、94…遠隔操作装置、95…スピーカ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7