(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156524
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G08G1/07 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071062
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】田山地 剛義
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181JJ12
5H181JJ13
5H181JJ15
(57)【要約】
【課題】適切なタイミングで信号制御機の信号情報を提供する情報提供システムを提供すること。
【解決手段】情報提供システム100は、親機信号情報を生成する親機10と、親機10に連動し子機信号情報を生成する子機20と、親機信号情報及び子機信号情報を外部に送信する情報配信装置ISと、を備え、情報配信装置ISは、親機信号情報を元に子機同期点が親機同期点のタイミングに対して所定の時間差となるように外部送信用子機信号情報を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機信号情報を生成する親機と、
前記親機に連動し子機信号情報を生成する子機と、
前記親機信号情報及び前記子機信号情報を外部に送信する情報配信装置と、
を備え、
前記子機又は前記情報配信装置は、前記親機信号情報を元に子機同期点が親機同期点のタイミングに対して所定の時間差となるように外部送信用子機信号情報を生成する情報提供システム。
【請求項2】
前記情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有し、
前記子機路側装置は、前記親機信号情報を元に前記親機同期点を生成し、前記親機同期点及び前記子機信号情報を元に前記外部送信用子機信号情報を生成する信号情報補正部を有する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記子機は、前記親機信号情報により前記親機同期点を生成し、前記親機同期点に基づいて算出した前記子機同期点により前記子機の同期階梯の実行秒数を算出する親機動作秒数変換部を有し、前記子機の前記同期階梯の前記実行秒数を調整した時限表を元に前記外部送信用子機信号情報を生成する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記親機は、前記親機同期点を含む連動信号を前記子機に送信する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記子機路側装置は、前記親機信号情報から前記親機同期点を算出する同期点変換部を有し、前記親機同期点を前記子機に入力する、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記親機に制御指令を送信し、前記親機から実行情報を受信する管制装置を備え、
前記情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有し、
前記親機路側装置は、前記制御指令及び前記実行情報を前記子機路側装置に送信し、
前記子機路側装置は、前記制御指令及び前記実行情報から生成した前記親機信号情報を元に前記親機同期点を生成し、前記親機同期点及び前記子機信号情報を元に前記外部送信用子機信号情報を生成する信号情報補正部を有する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記子機情報配信装置は、前記制御指令及び前記実行情報から前記親機同期点を算出する同期点変換部を有し、前記親機同期点を前記子機に入力する、請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記親機に制御指令を送信し、前記親機から実行情報を受信する管制装置を備え、
前記情報配信装置は、前記制御指令及び前記実行情報を前記子機に送信し、
前記子機は、前記制御指令及び前記実行情報により前記親機同期点を生成し、前記親機同期点に基づいて算出した前記子機同期点により前記子機の同期階梯の実行秒数を算出する親機動作秒数変換部を有し、前記子機の前記同期階梯の前記実行秒数を調整した時限表を元に前記外部送信用子機信号情報を生成する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有する、請求項8に記載の情報提供システム。
【請求項10】
外部配信装置を備え、
前記情報配信装置は、外部配信装置である、請求項3及び8のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項11】
外部配信装置を備え、
前記外部は、車両又は前記外部配信装置である、請求項1に記載の情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統を取った複数の信号制御機の信号情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通信号制御システムにおいて、親機から複数の子機に対して異なるタイミングで連動信号を出力させ、各子機が連動信号に応じてステップを同期させて信号灯器の動作を制御するものが公知となっている(特許文献1)。特許文献1のシステムでは、子機側が転極信号を受けてからしか所定の階梯、例えば青階梯が終了するタイミングが判断できず、子機の信号情報を受信した車両が信号に従った動作を行えない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、適切なタイミングで信号制御機の信号情報を提供する情報提供システムを提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報提供システムは、親機信号情報を生成する親機と、親機に連動し子機信号情報を生成する子機と、親機信号情報及び子機信号情報を外部に送信する情報配信装置と、を備え、子機又は情報配信装置は、親機信号情報を元に子機同期点が親機同期点のタイミングに対して所定の時間差となるように外部送信用子機信号情報を生成する。
【0006】
上記情報提供システムでは、親機信号情報を元に、連動する外部送信用子機信号情報を事前に確定することにより、子機同期点に関係する信号灯器の発光の秒数を決定するタイミングが早くなる。子機側において、例えば青灯色の終了のタイミングが確定するまでの時間的余裕が大きくなり、余裕をもって車両の制御を行うことができる。また、事前に親機のサイクル動作を把握することで、子機が異常な動作を行うことを避けることができる。
【0007】
本発明の具体的な側面によれば、上記情報提供システムにおいて、情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有し、子機路側装置は、親機信号情報を元に親機同期点を生成し、親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成する信号情報補正部を有する。この場合、親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成することにより、適切なタイミングで外部に外部送信用子機信号情報を提供することができる。
【0008】
本発明の別の側面によれば、子機は、親機信号情報により親機同期点を生成し、親機同期点に基づいて算出した子機同期点により子機の同期階梯の実行秒数を算出する親機動作秒数変換部を有し、子機の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に外部送信用子機信号情報を生成する。この場合、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0009】
本発明の別の側面によれば、親機は、親機同期点を含む連動信号を子機に送信する。
【0010】
本発明の別の側面によれば、子機路側装置は、親機信号情報から親機同期点を算出する同期点変換部を有し、親機同期点を子機に入力する。この場合、子機は子機路側装置で算出した親機同期点に合わせて信号制御を行うことができる。これにより、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0011】
本発明の別の側面によれば、親機に制御指令を送信し、親機から実行情報を受信する管制装置を備え、情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有し、親機路側装置は、制御指令及び実行情報を子機路側装置に送信し、子機路側装置は、制御指令及び実行情報から生成した親機信号情報を元に親機同期点を生成し、親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成する信号情報補正部を有する。
【0012】
本発明の別の側面によれば、子機情報配信装置は、制御指令及び実行情報から親機同期点を算出する同期点変換部を有し、親機同期点を子機に入力する。この場合、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0013】
本発明の別の側面によれば、親機に制御指令を送信し、親機から実行情報を受信する管制装置を備え、情報配信装置は、制御指令及び実行情報を子機に送信し、子機は、制御指令及び実行情報により親機同期点を生成し、親機同期点に基づいて算出した子機同期点により子機の同期階梯の実行秒数を算出する親機動作秒数変換部を有し、子機の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に外部送信用子機信号情報を生成する。この場合、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。ここで、情報提供システムは、路側装置を省略する場合を含む。路側装置を省略した場合、外部配信装置が情報配信装置となる。
【0014】
本発明の別の側面によれば、情報配信装置は、親機路側装置と子機路側装置とを有する。
【0015】
本発明の別の側面によれば、外部配信装置を備え、情報配信装置は、外部配信装置である。
【0016】
本発明の別の側面によれば、外部配信装置を備え、外部は、車両又は外部配信装置である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る情報提供システムを設けた道路について説明する概念図である。
【
図2】情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図3】(A)は、現示を説明する図であり、(B)は、時限表を説明する図である。
【
図4】親機同期点と子機同期点との関係を説明する図である。
【
図6】(A)~(C)は、信号情報補正部での信号処理の一例を説明する図である。
【
図7】情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図2の情報提供システムの変形例を説明する図である。
【
図9】第2実施形態に係る情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図10】
図9の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図12】
図11の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図11の情報提供システムの変形例を説明する図である。
【
図14】第4実施形態に係る情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図15】
図14の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図16】
図14の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図17】第5実施形態に係る情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図18】
図17の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図19】
図17の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図20】第6実施形態に係る情報提供システムの一構成例について示すブロック図である。
【
図21】
図20の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図22】
図20の情報提供システムにおける一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下、
図1等を参照して、本発明に係る第1実施形態の情報提供システムについて一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供システム100を導入した道路RAについて概要を説明するための概念図である。
図1では、道路RA上に2つの交差点CS1,CS2が配置される例を示す。説明の便宜上、
図1に示す車両VEの走行方向から見て第1交差点CS1を上流側の交差点とし、第2交差点CS2を下流側の交差点とする。また、車両VEが走行する道路を主道路RA1とし、主道路RA1に交差する道路を従道路RA2,RA3とする。第1交差点CS1には、主道路RA1に対する車両灯器SG1及び歩行者灯器SG1a、並びに従道路RA2に対する車両灯器SG2及び歩行者灯器SG2aが設けられている。第2交差点CS2には、主道路RA1に対する車両灯器SG3及び歩行者灯器SG3a、並びに従道路RA3に対する車両灯器SG4及び歩行者灯器SG4aが設けられている。車両灯器SG1~SG4、及び歩行者灯器SG1a~SG4aを信号灯器SGとも呼ぶ。
【0019】
情報提供システム100は、交差点CS1,CS2に設置された信号機を構成する信号灯器SG(具体的には、車両灯器SG1~SG4、及び歩行者灯器SG1a~SG4a)の動作制御を行い、信号灯器SGの信号情報を外部に送信することにより、交差点CS1,CS2における交通整理を支援するものである。外部とは、例えば車両VE又は後述する外部配信装置50である。本実施形態では、情報提供システム100により、信号灯器SGの信号情報等が、外部配信装置50を介して道路RAを走行する車両VEに提供される例を説明する。
【0020】
図2は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図2に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50とを備える。親機10と子機20とは連動しており、両機10,20の系統を取ることができる。連動は、例えば親機10における信号灯器SGの青灯色終了タイミングと子機20における信号灯器SGの青灯色終了タイミングとを同期させることにより行う。なお、情報提供システム100は、当該システムの支援対象となる車両VEを含んでもよい。
【0021】
親機10は、
図1に示す交差点CS1において、例えば信号灯器SGが取り付けられる柱の1つに設置される。親機10は、信号制御機であり、交差点CS1に設置される各信号灯器SG、すなわち車両灯器SG1,SG2、及び歩行者灯器SG1a,SG2aの動作を制御する。
【0022】
親機10は、演算処理装置11と、メモリ12と、通信部13とを有する。
【0023】
演算処理装置11は、メモリ12に記録されたプログラムに従って親機10の各種動作を制御する。演算処理装置11は、信号制御部11aと、信号情報生成部11bとを有する。
【0024】
信号制御部11aは、例えばメモリ12に記録された親機10の現示及び時限表を元に、各信号灯器SGの点灯色の切り替え、点滅の有無、点灯時間等の動作を制御する。
図3(A)は、現示を説明する図であり、
図3(B)は、時限表を説明する図である。交差点CS1の場合、図中の符号1及び1Pは主道路RA1の車両灯器SG1及び歩行者灯器SG1aを示し、符号2及び2Pは、従道路RA2の車両灯器SG2及び歩行者灯器SG2aを示す。
図3(A)に示すように、現示は、例えば交差点CS1を通過する複数の交通流のうち、同時に通行権が与えられる一群である。図示の例では、2つの現示を示している。
図3(B)に示すように、時限表は、現示を複数の階梯(ステップ)に分けて各階梯における秒数を付加したものである。階梯は、信号表示の最小単位である。現示と時限表とは、互いに対応したものとなっている。
【0025】
図2に戻って、信号制御部11aは、通信部13を介して連動信号を子機20に送信する。連動信号とは、例えば黄点灯信号、転極信号(例えば青灯色終了)等の信号灯器SGの点灯状態の切替信号である。連動信号は、親機同期点を含むものである。同期点とは、親機10の動作パターンと子機20の動作パターンとのタイミングを合わせるための点である。同期点は、例えば同期点を含む階梯を同期階梯とすれば、同期階梯と次の階梯との間の切替点である。
【0026】
図4は、親機同期点(親機10の同期点)と子機同期点(子機20の同期点)との関係を説明する図である。
図4では、1サイクルにおいて、車両灯器1が青、黄、赤の順に発光するパターンを示し、車両灯器2が赤、青、黄、赤の順に発光するパターンを示す。
図4に示すように、親機同期点と子機同期点とは所定時間差(0秒<t≦5秒)がある。実際には現在時刻に対して子機同期点をオフセットする。
【0027】
図2に戻って、信号情報生成部11bは、信号制御に従い親機信号情報を生成する。親機信号情報とは、親機10が制御する全信号灯器SGの表示状態とその秒数に関する情報である。なお、信号情報は、現示を含むものであってもよい。また、信号情報は、信号灯器SGに対応する親機同期点の到来時刻に関する情報のみであってもよい。親機信号情報は、メモリ12に記録される。
【0028】
図5は、親機信号情報の一例を説明する図である。親機信号情報は、
図3(B)に示す時限表から信号灯器SGの各表示状態の合計秒数を算出し、各信号灯器SGに対応する灯色とその灯色の秒数とを表にまとめたものである。なお、信号情報として親機同期点のタイミングのみ外部に送信する場合には、親機信号情報は、例えば現在時刻を基準とする、現示、サイクル、又は動作パターンにおける親機同期点(例えば、青灯色が終了となるタイミング)の到来時刻としてもよい。なお、後述する子機信号情報についても同様である。
【0029】
図2に戻って、演算処理装置11は、通信部13を介してメモリ12に記録された親機信号情報を親機路側装置30に送信する。
【0030】
親機路側装置30は、
図1に示す交差点CS1付近の電柱、電灯等に設置される。なお、親機路側装置30は、既存物に設置することに限らず、別途独立したものとして設置してもよい。親機路側装置30は、親機信号情報を外部配信装置50に送信する。
【0031】
親機路側装置30は、情報配信装置ISであり、演算処理装置31と、メモリ32と、通信部33とを有する。
【0032】
演算処理装置31は、メモリ32に記録されたプログラムに従って親機路側装置30の各種動作を制御する。演算処理装置31は、通信部33を介して親機10から親機信号情報を受信し、メモリ32に記録する。演算処理装置31は、通信部33を介してメモリ32に記録された親機信号情報を外部配信装置50に送信する。
【0033】
子機20は、
図1に示す交差点CS2において、例えば信号灯器SGが取り付けられる柱の1つに設置される。子機20は、信号制御機であり、交差点CS2に設置される各信号灯器SG、すなわち車両灯器SG3,SG4、及び歩行者灯器SG3a,SG4aの動作を制御する。
【0034】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。
【0035】
演算処理装置21は、メモリ22に記録されたプログラムに従って子機20の各種動作を制御する。演算処理装置21は、同期点判定部21aと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0036】
演算処理装置21は、通信部23を介して親機10から連動信号を受信し、メモリ22に記録する。
【0037】
同期点判定部21aは、親機10から受信した連動信号に含まれる親機同期点に関して、現在の子機20の階梯が親機同期点に対応する子機同期点の階梯(同期階梯)であるか否かを判断する。例えば、親機同期点の階梯が
図3(B)に示す歩行者灯器1Pの青灯器の終了の階梯であり、現在の子機20の階梯が歩行者灯器1Pの青灯器の終了の階梯である場合、同期階梯であると判断する。同期階梯である場合、後述する信号制御部21bにおいて子機20の階梯を調整する。同期階梯でない場合、信号制御部21bにおいて子機20の階梯を調整しない。
【0038】
信号制御部21bは、通信部23を介して親機10から受信した連動信号を受けて、又はメモリ22に記憶された子機20の現示及び時限表を元に、各信号灯器SGの点灯色の切り替え、点滅の有無、点灯時間等の動作を制御する。信号制御部21bは、上述の同期点判定部21aの判定結果に基づいて、信号灯器SGの動作を制御する。同期階梯である場合、信号制御部21bは、連動信号を受けて子機同期点を親機同期点に対してオフセットして同期させ、信号灯器SGの動作を制御する。同期階梯でない場合、信号制御部21bは、時限表等を元に、信号灯器SGの動作を制御する。
【0039】
信号情報生成部21cは、信号制御に従い子機信号情報を生成する。子機信号情報とは、子機20が制御する全信号灯器SGの表示状態とその秒数に関する情報である。子機信号情報は、メモリ22に記録される。
【0040】
演算処理装置21は、通信部23を介してメモリ22に記録された子機信号情報を子機路側装置40に送信する。
【0041】
子機路側装置40は、
図1に示す交差点CS2付近の電柱、電灯等に設置される。なお、子機路側装置40は、既存物に設置することに限らず、別途独立したものとして設置してもよい。子機路側装置40は、子機信号情報(具体的には、外部送信用子機信号情報)を外部配信装置50に送信する。
【0042】
子機路側装置40は、情報配信装置ISであり、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。
【0043】
演算処理装置41は、メモリ42に記録されたプログラムに従って子機路側装置40の各種動作を制御する。演算処理装置41は、通信部43を介して外部配信装置50から親機信号情報を受信し、メモリ42に記録する。演算処理装置41は、通信部43を介して子機20から子機信号情報を受信し、メモリ42に記録する。ここでの子機信号情報は、子機20でリアルタイムに生成される信号情報に限らず、事前に子機20から送信された現示情報又は時限表に関する情報に対応する。なお、メモリ42には、親機同期点を算出するために、親機10の現示情報等が記録されていてもよい。演算処理装置41は、通信部43を介してメモリ42に記録された後述する外部送信用子機信号情報を外部配信装置50に送信する。
【0044】
演算処理装置41は、信号情報補正部41aを有する。
【0045】
信号情報補正部41aは、親機信号情報を元に子機同期点が親機同期点のタイミングに対して所定の時間差となるように外部送信用子機信号情報を生成する。具体的には、信号情報補正部41aは、親機信号情報を元に親機同期点を生成し、親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成する。信号情報補正部41aで生成される親機同期点は、親機信号情報の同期階梯を元に算出した仮想的な同期点である。信号情報補正部41aは、親機同期点に対して子機同期点を所定時間オフセットさせる。信号情報補正部41aは、子機信号情報において、同期階梯の秒数を親機同期点に同期する秒数に置き換える。信号情報補正部41aで補正される子機信号情報は、子機20から受信した直近の子機信号情報に限らず、メモリ42に記録された子機20の時限表に基づくものでもよい。信号情報補正部41aが親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成することにより、適切なタイミングで外部送信用子機信号情報を提供することができる。
【0046】
図6(A)~6(C)は、信号情報補正部41aでの信号処理の一例を説明する図である。まず、信号情報補正部41aは、
図6(A)に示す親機信号情報及び現示情報により、現示の各階梯での秒数を算出し、
図6(B)に示す親機10の時限表に対応するものを作成する。
図6(C)に示すように、信号情報補正部41aは、作成した時限表から親機同期点を決定する。図示の例では、歩行者灯器SG1aの青灯色終了のタイミングを親機同期点としている。この場合、同期階梯は、1番目の階梯となる。このように、各階梯の秒数を算出することにより、同期点のタイミングが分かる。信号情報補正部41aは、メモリ42から読み出した子機20の子機信号情報(時限表)から子機同期点を決定する。信号情報補正部41aは、親機同期点と子機同期点とが同期するように、具体的にはこれらの同期点が所定時間差となるように外部送信用子機情報信号を作成する。つまり、信号情報補正部41aは、親機同期点と、子機信号情報(時限表)とに基づき当該子機信号情報を補正し、外部送信用子機信号情報を作成する。この際、信号情報補正部41aは、子機信号情報において、同期階梯の秒数を親機同期点に同期する秒数に置き換える。親機同期点が分かることにより、例えばあと何秒後に子機20に連動信号が出力されるかが予想されるだけでなく、あと何秒後に子機20の複数(図示では2つ)の現示に関して青灯器終了となるかが分かる。これにより、外部送信用子機信号情報は、あと何秒後に子機20の現示に関して青灯器終了となるかを知らせるものとなる。
【0047】
図1及び
図2に示す外部配信装置50は、例えば中継サーバであり、親機路側装置30、子機路側装置40、車両VE等との通信を行うものである。なお、外部配信装置50は、不図示の管制センタ内又は管理センタの機能の一部としてもよい。また、外部配信装置50は、他の場所に設けてもよい。
【0048】
情報提供システム100の支援対象となる車両VEは、例えば自動運転車両である。車両VEは、自動運転を行うための車両装置60を有する。車両装置60は、演算処理装置61と、メモリ62と、通信部63と、インターフェース64とを有する。演算処理装置61は、メモリ62に記録されたプログラムに従って車両装置60の各種動作を制御する。演算処理装置61は、通信部63を介して外部配信装置50から親機信号情報、子機信号情報(外部送信用子機信号情報)等を受信する。演算処理装置61は、受信した親機信号情報、子機信号情報等に基づいて自動運転を行うための各種制御を行う。また、演算処理装置61は、親機信号情報、子機信号情報等を信号の切り替わり予告としてディスプレイ等のインターフェース64に出力する。
【0049】
以下、
図7を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0050】
親機10の演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。具体的には、演算処理装置11は、例えば灯火駆動回路に制御指令信号を出力する。次に、親機10の演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、ステップS11での信号制御に従い、親機信号情報を生成する(ステップS12)。次に、親機10の演算処理装置11は、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。次に、親機10の演算処理装置11は、連動信号を子機20に送信する(ステップS14)。
【0051】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部である外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して子機路側装置40や車両VEに送信される。
【0052】
ステップS21の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、外部配信装置50から親機信号情報を受信する(ステップS41)。なお、演算処理装置41は、子機20から子機信号情報を随時受信している。この子機信号情報は、後述するステップS31~S35の処理で生成される。次に、子機路側装置40の演算処理装置41は、信号情報補正部41aとして、親機信号情報を元に子機信号情報を補正する(ステップS42)。次に、子機路側装置40の演算処理装置41は、補正された子機信号情報を外部送信用子機信号情報として外部である外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0053】
ステップS14の後、子機20の演算処理装置21は、親機10から連動信号を受信する(ステップS31)。子機20の演算処理装置21は、同期点判定部21aとして、同期階梯か否かを判定する(ステップS32)。具体的には、現在、子機20が子機同期点の階梯(同期階梯)で動作しているか否かを判断する。同期階梯である場合(ステップS32のY)、子機20の演算処理装置21は、信号制御部21bとして、連動信号を受けて信号制御を行う(ステップS33)。同期階梯でない場合(ステップS32のN)、子機20の演算処理装置21は、信号制御部21bとして、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS34)。ステップS33又はステップS34の後、子機20の演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS33又はステップS34での信号制御に従い、子機信号情報を生成する(ステップS35)。以上のステップS31~S35は、繰り返し処理される。生成された子機信号情報は、子機路側装置40に送信され、上述のステップS42で適宜用いられる。
【0054】
図8は、
図2に示す情報提供システム100の変形例を説明する図である。変形例では、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて外部である車両VEの車両装置60に各信号情報を送信する。
【0055】
以上説明した情報提供システム100では、親機信号情報を元に、連動する外部送信用子機信号情報を事前に確定することにより、子機同期点に関係する信号灯器SGの発光の秒数を決定するタイミングが早くなる。子機20側において、例えば青終了のタイミングが確定するまでの時間的余裕が大きくなり、余裕をもって車両の制御を行うことができる。また、事前に親機10のサイクル動作を把握することで、子機20が異常な動作を行うことを避けることができる。
【0056】
〔第2実施形態〕
以下、
図9等を参照して、第2実施形態に係る情報提供システムについて一例を説明する。第2実施形態において、第1実施形態等と同様の事項については説明を省略する。
【0057】
図9は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図9に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50とを備える。本実施形態では、親機10から連動信号は送信されない。子機20は、子機路側装置40で算出された親機同期点に合わせて信号制御を行う。
【0058】
親機10、親機路側装置30、及び外部配信装置50は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0059】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。演算処理装置21は、同期点判定部21aと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0060】
同期点判定部21aは、通信部23を介して子機路側装置40から受信した連動信号又は親機同期点に関して、現在の子機20の階梯が子機同期点の階梯であるか否かを判断する。
【0061】
信号制御部21bは、通信部23を介して子機路側装置40から受信した連動信号(親機同期点)を受けて、又はメモリ22に記憶された子機20の現示及び時限表を元に、各信号灯器SGの点灯色の切り替え、点滅の有無、点灯時間等の動作を制御する。
【0062】
信号情報生成部21cは、子機信号情報を生成する。
【0063】
子機路側装置40は、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。演算処理装置41は、同期点変換部41bと、信号情報補正部41aとを有する。
【0064】
同期点変換部41bは、通信部43を介して外部配信装置50から受信した親機信号情報から親機同期点を算出する。同期点変換部41bは、親機同期点を連動信号に変換し、通信部43を介して所定のタイミングで連動信号を子機20に送信する。これにより、子機20が親機同期点に合わせて信号制御を行うこととなり、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。同期点変換部41bでの親機同期点の算出は、第1実施形態で説明した信号情報補正部41aでの親機同期点の算出と同様である。
【0065】
信号情報補正部41aは、親機信号情報を元に子機同期点が親機同期点のタイミングに対して所定の時間差となるように外部送信用子機信号情報を生成する。具体的には、信号情報補正部41aは、親機信号情報から親機同期点を算出し、親機同期点及び子機信号情報を元に外部送信用子機信号情報を生成する。
【0066】
以下、
図10を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0067】
親機10の演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、ステップS11での信号制御に従い、親機信号情報を生成する(ステップS12)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。
【0068】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して子機路側装置40や車両VEに送信される。
【0069】
ステップS21の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、外部配信装置50から親機信号情報を受信する(ステップS41)。演算処理装置41は、同期点変換部41bとして、親機信号情報を元に親機同期点を算出し、所定のタイミングで連動信号として子機20に出力する(ステップS141)。
【0070】
子機20の演算処理装置21は、子機路側装置40から連動信号を受信する(ステップS131)。演算処理装置21は、同期点判定部21aとして、同期階梯か否かを判定する(ステップS32)。同期階梯である場合(ステップS32のY)、演算処理装置21は、信号制御部21bとして、連動信号を受けて信号制御を行う(ステップS33)。同期階梯でない場合(ステップS32のN)、演算処理装置21は、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS34)。ステップS33又はステップS34の後、演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS33又はステップS34での信号制御に従い、子機信号情報を生成する(ステップS35)。以上のステップS31~S35は、繰り返し処理される。生成された子機信号情報は、子機路側装置40に送信され、上述のステップS42で適宜用いられる。
【0071】
次に、子機路側装置40の演算処理装置41は、信号情報補正部41aとして、親機信号情報を元に子機信号情報を補正する(ステップS42)。次に、演算処理装置41は、補正された子機信号情報を外部送信用子機信号情報として外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0072】
以上において、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由して車両VEに各信号情報を送信してもよいし、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて車両VEに各信号情報を送信してもよい。
【0073】
〔第3実施形態〕
以下、
図11等を参照して、第3実施形態に係る情報提供システムについて一例を説明する。第3実施形態において、第1実施形態等と同様の事項については説明を省略する。
【0074】
図11は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図11に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50とを備える。本実施形態では、親機10から連動信号は送信されない。子機20は、子機20で算出された親機同期点に合わせて信号制御を行う。
【0075】
親機10、親機路側装置30、及び外部配信装置50は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0076】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。演算処理装置21は、親機動作秒数変換部21dと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0077】
親機動作秒数変換部21dは、親機信号情報により、親機同期点を算出する。親機動作秒数変換部21dは、親機同期点により、子機同期点を算出する。親機動作秒数変換部21dは、子機同期点により、子機20の同期階梯の実行秒数を算出する。
【0078】
信号制御部21bは、メモリ22に記憶された子機20の現示、及び子機20の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に、各信号灯器SGの点灯色の切り替え、点滅の有無、点灯時間等の動作を制御する。
【0079】
信号情報生成部21cは、子機20の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に外部送信用子機信号情報を生成する。これにより、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0080】
子機路側装置40は、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。演算処理装置41は、通信部43を介して外部送信用子機信号情報を外部に送信する。
【0081】
以下、
図12を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0082】
親機10の演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、ステップS11での信号制御に従い、親機信号情報を生成する(ステップS12)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。
【0083】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して子機路側装置40や車両VEに送信される。
【0084】
ステップS21の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、外部配信装置50から親機信号情報を受信する(ステップS41)。演算処理装置41は、親機信号情報を子機20に送信する。
【0085】
子機20の演算処理装置21は、子機路側装置40から親機信号情報を受信する(ステップS30a)。演算処理装置21は、親機動作秒数変換部21dとして、親機信号情報から子機20の同期階梯の実行秒数を算出する(ステップS30b)。演算処理装置21は、信号制御部21bとして、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS134)。ステップS134の後、演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS134での信号制御に従い、子機信号情報を生成し、外部送信用子機信号情報として子機路側装置40に出力する(ステップS35)。
【0086】
子機路側装置40の演算処理装置41は、子機20から外部送信用子機信号情報を受信する(ステップS142)。演算処理装置41は、外部送信用子機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0087】
以上において、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由して車両VEに各信号情報を送信してもよいし、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて車両VEに各信号情報を送信してもよい。
【0088】
また、
図13に示すように、本実施形態では、親機路側装置30及び子機路側装置40を省略してもよい。路側装置30,40を省略した場合、外部配信装置50が情報配信装置ISとなる。
【0089】
〔第4実施形態〕
以下、
図14等を参照して、第4実施形態に係る情報提供システムについて一例を説明する。第4実施形態において、第1実施形態等と同様の事項については説明を省略する。
【0090】
図14は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図14に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50と、管制装置70とを備える。本実施形態では、子機20は、親機10から連動信号を受信する。
【0091】
管制装置70は、交通情報等の提供を行う装置であり、例えば管制センタに設置されている。管制装置70は、演算処理装置71と、メモリ72と、通信部73とを有する。
【0092】
演算処理装置71は、メモリ72に記録されたプログラムに従って管制装置70の各種動作を制御する。演算処理装置71は、通信部73を介して交通情報やスプリット等の情報を含む制御指令を親機10に送信する。また、演算処理装置71は、通信部73を介して親機10の実行情報を受信し、メモリ72に記録する。
【0093】
親機10は、演算処理装置11と、メモリ12と、通信部13とを有する。演算処理装置11は、信号制御部11aと、信号情報生成部11bとを有する。
【0094】
演算処理装置11は、通信部13を介して管制装置70から受信した制御指令により親機10の時限表を生成する。
【0095】
信号制御部11aは、親機10の現示及び時限表を元に信号制御を行う。信号制御部11aは、信号制御結果により実行情報を生成する。信号制御部11aは、通信部13を介して連動信号を子機20に送信する。
【0096】
信号情報生成部11bは、制御指令及び実行情報により親機信号情報を生成する。なお、信号情報生成部11bでの親機信号情報の生成を省略してもよい。また、信号情報生成部11bがなくてもよい。この場合、外部配信装置50に送信する親機信号情報は、親機路側装置30で生成してもよい。
【0097】
演算処理装置11は、通信部13を介して親機信号情報、制御指令、及び実行情報を親機路側装置30に送信する。
【0098】
親機路側装置30は、演算処理装置31と、メモリ32と、通信部33とを有する。
【0099】
演算処理装置31は、通信部33を介して親機10から親機信号情報、制御指令、及び実行情報を受信し、メモリ32に記録する。演算処理装置31は、通信部33を介して親機信号情報を外部配信装置50に送信する。演算処理装置31は、通信部33を介して制御指令及び実行情報を子機路側装置40に送信する。
【0100】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。演算処理装置21は、同期点判定部21aと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0101】
演算処理装置21は、通信部23を介して親機10から連動信号を受信し、メモリ22に記録する。
【0102】
信号制御部21bは、通信部23を介して親機10から受信した連動信号を受けて、又はメモリ22に記憶された子機20の現示及び時限表を元に信号制御を行う。
【0103】
信号情報生成部21cは、信号制御に従い子機信号情報を生成する。子機信号情報は、メモリ22に記録される。
【0104】
演算処理装置21は、通信部23を介して子機信号情報を子機路側装置40に送信する。
【0105】
子機路側装置40は、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。演算処理装置41は、信号情報補正部41aと、信号情報生成部41cとを有する。
【0106】
演算処理装置41は、通信部43を介して親機路側装置30から制御指令及び実行情報を受信し、メモリ42に記録する。演算処理装置41は、通信部43を介して外部送信用子機信号情報を外部配信装置50に送信する。
【0107】
信号情報生成部41cは、制御指令及び実行情報により親機信号情報を生成する。
【0108】
信号情報補正部41aは、親機信号情報を元に子機信号情報を補正し、外部送信用子機信号情報を生成する。
【0109】
以下、
図15及び
図16を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0110】
親機10の演算処理装置11は、制御指令により親機10の時限表を作成する(ステップS10a)。次に、演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。次に、演算処理装置11は、信号制御結果により実行情報を生成する(ステップS11b)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、制御指令等により親機信号情報を生成する(ステップS112)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。次に、演算処理装置11は、制御指令等を親機路側装置30に送信する(ステップS15)。次に、演算処理装置11は、信号制御部11aとして、連動信号を子機20に送信する(ステップS14)。
【0111】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0112】
ステップS15の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した制御指令等を子機路側装置40に送信する(ステップS121)。
【0113】
ステップS121の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、親機路側装置30から制御指令等を受信する(ステップS144)。次に、演算処理装置41は、信号情報生成部41cとして、制御指令等により親機信号情報を生成する(ステップS145)。次に、演算処理装置41は、信号情報補正部41aとして、親機信号情報を元に子機信号情報を補正する(ステップS42)。次に、演算処理装置41は、補正された子機信号情報を外部送信用子機信号情報として外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0114】
ステップS14の後、子機20の演算処理装置21は、親機10から連動信号を受信する(ステップS31)。演算処理装置21は、同期点判定部21aとして、同期階梯か否かを判定する(ステップS32)。同期階梯である場合(ステップS32のY)、演算処理装置21は、信号制御部21bとして、連動信号を受けて信号制御を行う(ステップS33)。同期階梯でない場合(ステップS32のN)、演算処理装置21は、信号制御部21bとして、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS34)。ステップS33又はステップS34の後、演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS33又はステップS34での信号制御に従い、子機信号情報を生成する(ステップS35)。
【0115】
以上において、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由して車両VEに各信号情報を送信してもよいし、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて車両VEに各信号情報を送信してもよい。
【0116】
〔第5実施形態〕
以下、
図17等を参照して、第5実施形態に係る情報提供システムについて一例を説明する。第5実施形態において、第1、第2、及び第4実施形態等と同様の事項については説明を省略する。
【0117】
図17は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図17に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50と、管制装置70とを備える。本実施形態では、子機20は、子機路側装置40から連動信号を受信する。
【0118】
管制装置70、親機10、親機路側装置30、及び外部配信装置50は、第4実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0119】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。演算処理装置21は、同期点判定部21aと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0120】
演算処理装置21は、通信部23を介して子機路側装置40から連動信号を受信する。
【0121】
子機路側装置40は、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。演算処理装置41は、信号情報生成部41cと、同期点変換部41bと、信号情報補正部41aとを有する。
【0122】
演算処理装置41は、通信部43を介して親機路側装置30から制御指令及び実行情報を受信し、メモリ42に記録する。演算処理装置41は、通信部43を介して外部送信用子機信号情報を外部配信装置50に送信する。
【0123】
信号情報生成部41cは、制御指令及び実行情報により親機信号情報を生成する。
【0124】
同期点変換部41bは、通信部43を介して親機路側装置30から受信した制御指令及び実行情報から親機同期点を算出する。同期点変換部41bは、親機同期点を連動信号に変換し、通信部43を介して所定のタイミングで連動信号を子機20に送信する。これにより、子機20が親機同期点に合わせて信号制御を行うこととなり、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0125】
信号情報補正部41aは、親機信号情報を元に子機信号情報を補正し、外部送信用子機信号情報を生成する。
【0126】
以下、
図18及び
図19を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0127】
親機10の演算処理装置11は、制御指令により親機10の時限表を作成する(ステップS10a)。次に、演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。次に、演算処理装置11は、信号制御結果により実行情報を生成する(ステップS11b)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、制御指令等により親機信号情報を生成する(ステップS112)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。次に、演算処理装置11は、制御指令等を親機路側装置30に送信する(ステップS15)。
【0128】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0129】
ステップS15の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した制御指令等を子機路側装置40に送信する(ステップS121)。
【0130】
ステップS121の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、親機路側装置30から制御指令等を受信する(ステップS144)。演算処理装置41は、同期点変換部41bとして、制御指令等から親機同期点を算出し、所定のタイミングで連動信号として子機20に出力する(ステップS241)。次に、演算処理装置41は、信号情報生成部41cとして、制御指令等により親機信号情報を生成する(ステップS242a)。演算処理装置41は、信号情報補正部41aとして、親機信号情報を元に子機信号情報を補正する(ステップS42)。次に、演算処理装置41は、補正された子機信号情報を外部送信用子機信号情報として外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0131】
ステップS241の後、子機20の演算処理装置21は、子機路側装置40から連動信号を受信する(ステップS131)。演算処理装置21は、同期点判定部21aとして、同期階梯か否かを判定する(ステップS32)。同期階梯である場合(ステップS32のY)、演算処理装置21は、信号制御部21bとして、連動信号を受けて信号制御を行う(ステップS33)。同期階梯でない場合(ステップS32のN)、演算処理装置21は、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS34)。ステップS33又はステップS34の後、演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS33又はステップS34での信号制御に従い、子機信号情報を生成する(ステップS35)。
【0132】
以上において、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由して車両VEに各信号情報を送信してもよいし、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて車両VEに各信号情報を送信してもよい。
【0133】
〔第6実施形態〕
以下、
図20等を参照して、第6実施形態に係る情報提供システムについて一例を説明する。第6実施形態において、第1、第3、及び第4実施形態等と同様の事項については説明を省略する。
【0134】
図20は、情報提供システム100の構成例を説明するブロック図である。
図20に示すように、情報提供システム100は、親機10と、子機20と、親機路側装置30と、子機路側装置40と、外部配信装置50と、管制装置70とを備える。本実施形態では、子機20は、連動信号を受信せず、子機20で算出された親機同期点に合わせて信号制御を行う。
【0135】
管制装置70、親機10、親機路側装置30、及び外部配信装置50は、第4実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0136】
子機20は、演算処理装置21と、メモリ22と、通信部23とを有する。演算処理装置21は、親機動作秒数変換部21dと、信号制御部21bと、信号情報生成部21cとを有する。
【0137】
親機動作秒数変換部21dは、制御指令及び実行情報により、親機同期点を算出する。親機動作秒数変換部21dは、親機同期点により、子機同期点を算出する。親機動作秒数変換部21dは、子機同期点により、子機20の同期階梯の実行秒数を算出する。
【0138】
信号制御部21bは、メモリ22に記憶された子機20の現示、及び子機20の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に信号制御を行う。
【0139】
信号情報生成部21cは、子機20の同期階梯の実行秒数を調整した時限表を元に外部送信用子機信号情報を生成する。これにより、実際の信号制御と外部送信用子機信号情報とのずれが生じにくくなる。
【0140】
子機路側装置40は、演算処理装置41と、メモリ42と、通信部43とを有する。演算処理装置41は、通信部43を介して親機路側装置30から受信した制御指令及び実行情報を子機20に送信する。演算処理装置41は、通信部43を介して外部送信用子機信号情報を外部に送信する。
【0141】
以下、
図21及び
図22を参照して、情報提供システム100における一連の動作について、一例を説明する。
【0142】
親機10の演算処理装置11は、制御指令により親機10の時限表を作成する(ステップS10a)。次に、演算処理装置11は、信号制御部11aとして、親機10の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS11)。次に、演算処理装置11は、信号制御結果により実行情報を生成する(ステップS11b)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、制御指令等により親機信号情報を生成する(ステップS112)。次に、演算処理装置11は、信号情報生成部11bとして、親機信号情報を親機路側装置30に送信する(ステップS13)。次に、演算処理装置11は、制御指令等を親機路側装置30に送信する(ステップS15)。
【0143】
ステップS13の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した親機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS21)。親機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0144】
ステップS15の後、親機路側装置30の演算処理装置31は、親機10から受信した制御指令等を子機路側装置40に送信する(ステップS121)。
【0145】
ステップS121の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、親機路側装置30から制御指令等を受信する(ステップS144)。次に、演算処理装置41は、制御指令等を子機20に出力する(ステップS146)。
【0146】
ステップS146の後、子機20の演算処理装置21は、子機路側装置40から制御指令等を受信する(ステップS30a)。演算処理装置21は、親機動作秒数変換部21dとして、制御指令等から子機20の同期階梯の実行秒数を算出する(ステップS30b)。演算処理装置21は、信号制御部21bとして、子機20の時限表等を元に信号制御を行う(ステップS134)。ステップS134の後、演算処理装置21は、信号情報生成部21cとして、ステップS134での信号制御に従い、子機信号情報を生成し、外部送信用子機信号情報として子機路側装置40に出力する(ステップS35)。
【0147】
ステップS35の後、子機路側装置40の演算処理装置41は、子機20から外部送信用子機信号情報を受信する(ステップS147)。演算処理装置41は、外部送信用子機信号情報を外部配信装置50に送信する(ステップS43)。外部送信用子機信号情報は、外部配信装置50を経由して車両VEに送信される。
【0148】
以上において、各路側装置30,40は、外部配信装置50を経由して車両VEに各信号情報を送信してもよいし、外部配信装置50を経由せず、路車間通信を用いて車両VEに各信号情報を送信してもよい。
【0149】
また、親機路側装置30及び子機路側装置40を省略してもよい。路側装置30,40を省略した場合、外部配信装置50が情報配信装置ISとなる。
【0150】
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0151】
上記実施形態において、親機信号情報を元に子機信号情報を補正したが、親機10と子機20の現示及び時限表が同じであれば、親機信号情報を補正してもよい。
【0152】
上記実施形態において、道路RAの形状等については一例であり、これに限らず、種々の形状や構造となっている場合において適用可能である。また、道路RAに2つの交差点CS1,CS2がある場合を挙げたが、3つ以上あってもよい。
【符号の説明】
【0153】
10…親機、11…演算処理装置、11a…信号制御部、11b…信号情報生成部、12…メモリ、13…通信部、20…子機、21…演算処理装置、21a…同期点判定部、21b…信号制御部、21c…信号情報生成部、21d…親機動作秒数変換部、22…メモリ、23…通信部、30…親機路側装置、31…演算処理装置、32…メモリ、33…通信部、40…子機路側装置、41…演算処理装置、41a…信号情報補正部、41b…同期点変換部、41c…信号情報生成部、42…メモリ、43…通信部、50…外部配信装置、60…車両装置、61…演算処理装置、62…メモリ、63…通信部、64…インターフェース、70…管制装置、71…演算制御装置、72…メモリ、73…通信部、100…情報提供システム、CS1,CS2…交差点、IS…情報配信装置、RA…道路、RA1…主道路、RA2,RA3…従道路、SG…信号灯器、SG1a~SG4a…歩行者灯器、SG1~SG4…車両灯器、VE…車両