(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156530
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071070
(22)【出願日】2023-04-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「2020年度~2022年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/石炭火力の負荷変動対応技術開発/タービン発電設備次世代保守技術開発」」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】川田 康貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 将太
(72)【発明者】
【氏名】牧野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠介
(72)【発明者】
【氏名】竹内 司
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕之
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰規
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】運転データに基づいて予測された過去から現在までの減肉量および将来の運転条件に基づいて予測された将来の減肉量を時系列で認識することができる蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置を提供する。
【解決手段】実施形態の減肉量管理装置18は、作動蒸気に含まれる固体粒子に起因する初段動翼の減肉量を管理する。減肉量管理装置18は、計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの蒸気タービンの初段動翼の過去減肉量に関する情報を示す過去減肉量関連情報と、ユーザインタフェース画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および過去減肉量関連情報に基づいて算出された将来における初段動翼の将来減肉量に関する情報を示す将来減肉量関連情報とを表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部73を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動蒸気に含まれる固体粒子に起因する初段動翼の減肉量を管理する蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置であって、
計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの蒸気タービンの前記初段動翼の過去減肉量に関する情報を示す過去減肉量関連情報と、ユーザインタフェース画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および前記過去減肉量関連情報に基づいて算出された将来における前記初段動翼の将来減肉量に関する情報を示す将来減肉量関連情報とを表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部を備えることを特徴とする蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項2】
前記表示情報生成部は、
前記過去減肉量に関する情報および前記将来減肉量に関する情報の双方を時系列で前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項3】
前記表示情報生成部は、
所定時間おきに、前記過去減肉量関連情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項4】
前記表示情報生成部は、
前記将来の運転条件が入力されるごとに、前記将来減肉量関連情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項5】
前記表示情報生成部は、
前記将来減肉量に基づいて算出された、前記初段動翼の点検をすることが推奨される点検推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項6】
前記表示情報生成部は、
前記将来減肉量に基づいて算出された、前記初段動翼を交換することが推奨される交換推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項7】
前記表示情報生成部は、
前記将来減肉量に基づいて算出された、新たな初段動翼の準備を開始することが推奨される減肉量を示す準備閾値に係る情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項8】
前記表示情報生成部は、
前記将来減肉量に基づいて算出された、新たな初段動翼の準備を開始することが推奨される準備推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項9】
前記表示情報生成部は、
ユーザインタフェース画面を用いた操作において入力された第2の将来の運転条件および前記過去減肉量関連情報に基づいて算出された将来における前記初段動翼の第2の将来減肉量に関する情報を示す第2の将来減肉量関連情報をさらに前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項10】
前記表示情報生成部は、
前記第2の将来減肉量に基づいて算出された、前記初段動翼の点検をすることが推奨される第2の点検推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項9記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項11】
前記表示情報生成部は、
前記第2の将来減肉量に基づいて算出された、新たな初段動翼の準備を開始することが推奨される減肉量を示す第2の準備閾値に係る情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項9記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項12】
前記表示情報生成部は、
前記第2の将来減肉量に基づいて算出された、新たな初段動翼の準備を開始することが推奨される第2の準備推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項9記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【請求項13】
前記表示情報生成部は、
前記第2の将来減肉量に基づいて算出された、前記初段動翼を交換することが推奨される第2の交換推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項9記載の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンに導入される蒸気には、ボイラ配管などの表面から剥離した酸化スケールである固体粒子が混在することがある。例えば、ストレーナを備える蒸気弁においても、ストレーナにおいてすべての固体粒子を捕捉することができない。そのため、固体粒子が混在する蒸気が蒸気タービン内に流入する。
【0003】
動翼の表面は、固体粒子が混在する蒸気と衝突することによって浸食を受けることがある。この固体粒子による浸食(SPE:Solid Particle Erosion)は、一種の摩耗現象であり、動翼の表面を経年的に減肉させる。SPEによる減肉が進展すると、クラックの発生や動翼の破片の飛散へと発展する可能性がある。SPEによる減肉は、高圧タービンや中圧タービンの初段の動翼において顕著に確認される。
【0004】
従来、SPEによる減肉量は、定期検査時に検査されている。そして、減肉量が所定の閾値を超える場合、その動翼の交換が推奨される。なお、以下において、SPEによる減肉を単に減肉と称する。また、SPEによる減肉量を単に減肉量と称する。
【0005】
近年、発電設備において、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する対策として再生可能エネルギの導入が加速されている。再生可能エネルギを利用した発電においては、天候などによって発電量が変化する。そのため、近年では、火力発電設備は、再生可能エネルギを利用した発電における不安定な電力供給を補うため、調整火力を中心とした運用に移行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭56-12682号公報
【特許文献2】特許第4575176号公報
【特許文献3】特開2002-297710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、蒸気タービンを備える火力発電設備では、定格負荷を中心とした運用から調整火力を中心とした運用に移行しているため、蒸気タービンの動翼において減肉が一層進展するリスクがある。
【0008】
火力発電設備における蒸気タービンを管理するユーザは、定期検査において動翼の減肉量を知ることができる。しかしながら、従来の蒸気タービンの管理システムにおいて、ユーザは、過去の定期検査から現在までの動翼の減肉量を予測した情報や、実機の将来の運転条件に基づいて動翼の将来の減肉量を予測した情報を知ることができない。また、従来の蒸気タービンの管理システムにおいて、ユーザは、将来において減肉量が動翼を交換すべき閾値に到達する時期などの情報を知ることができない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、運転データに基づいて予測された過去から現在までの減肉量および将来の運転条件に基づいて予測された将来の減肉量を時系列で認識することができる蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置は、作動蒸気に含まれる固体粒子に起因する初段動翼の減肉量を管理する。この減肉量管理装置は、計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの蒸気タービンの前記初段動翼の過去減肉量に関する情報を示す過去減肉量関連情報と、ユーザインタフェース画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および前記過去減肉量関連情報に基づいて算出された将来における前記初段動翼の将来減肉量に関する情報を示す将来減肉量関連情報とを表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態の減肉量管理装置を備えた蒸気タービン設備の構成を模式的に示す系統図である。
【
図2】第1の実施の形態の減肉量管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態の減肉量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる将来の運転条件の入力画面の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態の減肉量管理装置に対して減肉に関する定期検査結果を入力する入力画面の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態の減肉量管理装置に対して減肉に関する定期検査結果を入力する入力画面の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態の減肉量管理装置の定周期減肉量演算部における過去減肉量の演算の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態の減肉量管理装置の将来減肉量演算部における将来減肉量の演算の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態の減肉量管理装置の将来減肉量演算部における点検推奨時期、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の算出方法を説明するための図である。
【
図9】第1の実施の形態の減肉量管理装置の将来減肉量演算部における点検推奨時期、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の算出方法を説明するための図である。
【
図10】第1の実施の形態の減肉量管理装置の導入日時点において表示情報が表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施の形態の減肉量管理装置における定周期減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図12】第1の実施の形態の減肉量管理装置において演算結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図13】第1の実施の形態の減肉量管理装置の点検後演算処理における演算結果を示す表示画面の一例を示す図である。
【
図14】第1の実施の形態の減肉量管理装置における定周期減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図15】第1の実施の形態の減肉量管理装置における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図16】第1の実施の形態の減肉量管理装置における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図17】第2の実施の形態の減肉量管理装置における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図18】第2の実施の形態の減肉量管理装置における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図19】第2の実施の形態の減肉量管理装置における表示画面の一例を示す図である。
【
図20】第2の実施の形態の減肉量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる比較演算結果を選択する選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18を備えた蒸気タービン設備1の構成を模式的に示す系統図である。なお、減肉量管理装置18は、蒸気タービンの動翼の減肉量管理装置として機能する。また、減肉量管理装置18は、蒸気タービンを作動する作動蒸気に含まれる、酸化スケールなどの固体粒子に起因する動翼の減肉量を管理する。
【0014】
図1に示すように、蒸気タービン設備1は、ボイラ10と、高圧タービン11と、再熱器12と、中圧タービン13と、低圧タービン14と、発電機15と、復水器16と、給水ポンプ17と、減肉量管理装置18とを備える。ここで、高圧タービン11および中圧タービン13の動翼は、減肉量管理装置18においてSPE(Solid Particle Erosion)による減肉量が管理される蒸気タービンの動翼として機能する。
【0015】
高圧タービン11および中圧タービン13の中でも、初段のタービン段落における動翼において減肉が進展しやすい。そのため、減肉量管理装置18は、例えば、高圧タービン11および中圧タービン13の初段の動翼における減肉量を管理する。なお、減肉量管理装置18は、初段の動翼以外にも、SPEを受ける他のタービン段落の動翼における減肉量を管理してもよい。なお、管理対象の動翼は、減肉量管理装置18において減肉量が予測される予測対象の動翼でもある。
【0016】
蒸気タービン設備1は、蒸気タービンにおける動翼の減肉量を算出して管理するための減肉量管理システムとして、減肉量管理装置18と、出力検知器30とを備える。
【0017】
ボイラ10は、給水を加熱して蒸気を発生させ、その蒸気を主蒸気管20に導出する。高圧タービン11は、主蒸気管20から導入された蒸気によって回動され、その蒸気を低温再熱蒸気管21に排出する。再熱器12は、低温再熱蒸気管21から導入された蒸気を再熱して、その蒸気を高温再熱蒸気管22に導出する。
【0018】
中圧タービン13は、高温再熱蒸気管22から導入された蒸気によって回動され、その蒸気をクロスオーバー管23に排出する。低圧タービン14は、クロスオーバー管23から導入された蒸気によって回動され、その蒸気を排気管24に排出する。発電機15は、高圧タービン11、中圧タービン13および低圧タービン14により駆動されることによって発電を行う。発電機15は、例えば、高圧タービン11、中圧タービン13および低圧タービン14と同一軸上に連結される。
【0019】
復水器16は、排気管24から導入された蒸気を凝縮させて復水とする。給水ポンプ17は、復水器16の復水を給水として給水管25を介してボイラ10に供給する。
【0020】
減肉量管理装置18は、蒸気タービンにおける動翼のSPEによる減肉量を算出して管理するための装置である。なお、減肉量管理装置18の詳細については、後述する。
【0021】
出力検知器30は、発電機15の電気出力を検知し、その検知信号を減肉量管理装置18に出力する。
【0022】
次に、減肉量管理装置18について説明する。
【0023】
図2は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の機能構成を示すブロック図である。減肉量管理装置18は、実機の運転データに基づいて過去から現在までの減肉量、および将来想定する運転条件に基づいて将来の減肉量を予測して管理する装置である。また、減肉量管理装置18は、例えば、減肉量などの予測結果を表示部に表示させるための表示情報を生成する。
【0024】
図2に示すように、減肉量管理装置18は、計測データ取得部40と、ユーザインターフェース50と、記憶部60と、演算部70とを備える。
【0025】
計測データ取得部40は、出力検知器30から出力された電気出力に係る検知信号を取得するインターフェースである。計測データ取得部40は、取得した電気出力に係る検知信号に基づいて電気出力情報に変換する機能を有する。電気出力情報には、例えば、電気出力に関する情報の他、電気出力が得られた時間、すなわち蒸気タービンの運転時間に関する情報も含まれる。
【0026】
また、計測データ取得部40は、例えば、蒸気タービン設備1の管理システムから、高圧タービン11および中圧タービン13の起動回数に係る検知信号を取得するインターフェースである。計測データ取得部40は、取得した起動回数に係る検知信号に基づいて起動回数情報に変換する機能を有する。
【0027】
ここで、蒸気タービンの起動には、例えば、コールド起動、ウォーム起動、ホット起動などがある。コールド起動とは、例えば定期検査などで長期間に亘って運転を停止した後に起動する場合をいう。コールド起動を開始する前の停止期間として、例えば、3日を超える停止期間が例示できる。ウォーム起動とは、例えば週末に運転を停止し週明けに起動する場合をいう。ウォーム起動を開始する前の停止期間として、例えば、12時間から36時間の停止期間が例示できる。ホット起動とは、例えば、深夜に運転を停止し翌朝に起動する場合をいう。ホット起動を開始する前の停止期間として、例えば、12時間未満の停止期間が例示できる。なお、発電機15における出力が所定の閾値以下の場合に停止とみなす。
【0028】
計測データ取得部40は、所定時間間隔で上記した検知信号を取得する。計測データ取得部40は、例えば、1時間間隔で検知信号を取得する。計測データ取得部40は、変換した起動回数情報および電気出力情報を記憶部60の計測データ記憶部62に出力する。
【0029】
ユーザインターフェース50は、各種情報をユーザ(管理者)に対して表示する表示部と、ユーザが各種情報を入力する入力装置とを備える。表示部は、例えば、ディスプレイなどで構成される。また、表示部は、表示用の画面の機能を備えるとともに、画面に直接入力可能な入力装置としての機能を備えるタッチパネルで構成されてもよい。入力装置は、例えば、キーボードやマウスなどで構成される。
【0030】
記憶部60は、入力情報記憶部61と、計測データ記憶部62と、プログラム記憶部63と、演算結果記憶部64と、テンプレート記憶部65と、表示情報記憶部66とを備える。記憶部60は、例えば、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリ装置などにより実現される。記憶部60は、減肉量管理装置18と物理的に一体ではなく図示しないネットワークを介して接続される形態とされてもよい。
【0031】
入力情報記憶部61は、ユーザインターフェース50を介して入力された、例えば、将来の運転条件、各種設定条件などを記憶する。また、入力情報記憶部61は、減肉量管理装置18を製造するメーカにおける入力装置から入力された、例えば、各種設定条件、管理対象の動翼の設計情報、減肉量に係る定期検査結果の情報などを記憶する。
【0032】
ここで、将来の運転条件は、将来の減肉量を予測する演算に使用される。将来の運転条件は、蒸気タービン設備1における将来の運転条件である。将来の運転条件には、区分された各負荷に対する1日(24時間)における運転時間と、年間における稼働率とが含まれる。また、将来の運転条件には、年間における起動回数が含まれる。
【0033】
将来の運転条件として、例えば、予め設定されたデフォルト運転モード、区分負荷ごとの運転時間、年間稼働率および起動回数をユーザが任意に設定するカスタマイズ運転モードなどが例示される。なお、デフォルト運転モードにおいても、起動回数についてはユーザが任意に設定する。
【0034】
ここで、区分負荷とは、蒸気タービンの負荷範囲(例えば、0%負荷から100%負荷の範囲)を所定の負荷単位(例えば、10%負荷単位)で区分した負荷をいう。例えば、0%負荷から100%負荷の蒸気タービンの負荷範囲を10%負荷単位で区分した場合、区分負荷は、10%負荷、20%負荷、30%負荷、40%負荷、50%負荷、60%負荷、70%負荷、80%負荷、90%負荷、100%負荷となる。
【0035】
図3は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18におけるユーザインターフェース50に表示させる将来の運転条件の入力画面80の一例を示す図である。
【0036】
図3において、デフォルト運転モードとして、例えば、過去運用実績モード(Same as specific year)82、ベースロード運用モード(Base load)83と、ピークロード運用モード(Peak load)84とが設定されている。カスタマイズ運転モードとして、詳細運転設定モード(Detailed operation plan setting)85が設定されている。
【0037】
図3に示した入力画面80は、ユーザインターフェース50を介してユーザが選択および入力した画面の一例である。
図3の上段の選択パターン81において、ユーザは、年ごとに選択する運用モードの欄の白丸を選択して黒丸とする。
図3に示した入力画面80では、2024年に過去運用実績モード82、2025年および2026年にベースロード運用モード83、2027年および2028年にピークロード運用モード84、2029年-2032年に詳細運転設定モード85が選択されている。
【0038】
なお、
図3には、2032年までの期間が示されているが、この期間に限られない。期間として、例えば、2040年などのさらに先の期間が設定されてもよい。
【0039】
過去運用実績モード82は、選択された年の運転パターンと同じ運転パターンで運転するモードである。過去運用実績モード82では、選択された年の1月から12月まで運転データから算出された、10%負荷単位の区分負荷および各区分負荷における運転時間に基づいて運転モードが設定される。また、過去運用実績モード82では、選択された年の稼働率(Availability factor)に基づいて運転モードが設定される。さらに、過去運用実績モード82では、選択された年におけるコールド起動、ウォーム起動、ホット起動それぞれの起動回数に基づいて運転モードが設定される。なお、
図3では、2021年の運転パターンが選択されている。
【0040】
ここで、稼働率は、各年の1年間で蒸気タービン設備1を稼働する日数の割合である。すなわち、稼働率は、1年間で蒸気タービン設備1を稼働する日数を365日で除して100分率で示した値である。
【0041】
ベースロード運用モード83は、例えば、70%負荷から100%負荷の範囲の高負荷で運転するモードである。ベースロード運用モード83では、例えば、70%負荷から100%負荷を10%負荷単位で区分した区分負荷が設定される。また、ベースロード運用モード83では、年ごとに稼働率が設定されている。
【0042】
なお、ベースロード運用モード83は、デフォルト値であるが、例えば、蒸気タービン設備1における過去の運転データを参照して設定される。また、ベースロード運用モード83において、スタートアッププラン89の欄に示されたコールド起動、ウォーム起動、ホット起動それぞれの起動モードごとに、起動回数が任意に設定される。そして、起動回数として、スタートアッププラン89の欄にユーザが任意に設定した条件が利用される。ユーザは、
図3に示すように、スタートアッププラン89における2025年、2026年の各起動モードの欄に起動回数を入力する。ベースロード運用モード83は、例えば、年単位で設定される。
【0043】
表1は、ベースロード運用モード83の一例を示している。
【0044】
【0045】
表1には、2024年から2032年の各年において、区分負荷ごとに1日(24時間)における運転時間が設定された一例が示されている。表1に示すように、例えば、2024年のベースロード運用モード83として、100%負荷(定格負荷):3時間、90%負荷:10時間、80%負荷:9時間、70%負荷:2時間の設定がされている。また、稼働率は、89%に設定されている。
【0046】
なお、ここでは、ベースロード運用モード83として、100%負荷から70%負荷の負荷範囲を10%負荷単位で区分した一例を示しているが、この設定に限られない。ベースロード運用モード83における負荷範囲は、上記した一例の範囲よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。また、負荷単位は、10%負荷単位よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。また、設定される年数は、表1に設定された年数よりも少なくてもよいし、多くてもよい。
【0047】
ピークロード運用モード84は、低負荷から定格負荷(100%負荷)の範囲で負荷変動を伴って運転するモードである。ピークロード運用モード84では、例えば、100%負荷から20%負荷の負荷範囲を10%負荷単位で区分した区分負荷が設定される。ピークロード運用モード84は、年単位で設定される。表2は、ピークロード運用モード84の一例を示している。
【0048】
【0049】
表2には、2024年から2032年の各年において、区分負荷ごとに1日(24時間)における運転時間が設定されている。例えば、2024年のピークロード運用モード84として、100%負荷(定格負荷):1時間、90%負荷:5時間、80%負荷:2時間、70%負荷:1時間、60%負荷:1時間、50%負荷:1時間、40%負荷:4時間、30%負荷:8時間、20%負荷:1時間の設定がされている。また、稼働率は、89%に設定されている。
【0050】
なお、ピークロード運用モード84は、デフォルト値であるが、例えば、蒸気タービン設備1における過去の運転データを参照して設定される。また、ピークロード運用モード84において、起動回数として、スタートアッププラン89の欄にユーザが任意に設定した条件が利用される。ユーザは、
図3に示すように、スタートアッププラン89における2027年、2028年の各起動モードの欄に起動回数を入力する。
【0051】
また、ここでは、ピークロード運用モード84として、100%負荷から20%負荷の負荷範囲を10%負荷単位で区分した一例を示しているが、この設定に限られない。ピークロード運用モード84における負荷範囲は、上記した一例の範囲よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。また、負荷単位は、10%負荷単位よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。また、設定される年数は、表2に設定された年数よりも少なくてもよいし、多くてもよい。
【0052】
詳細運転設定モード85では、
図3のオペレーションデータ86の欄に示された区分負荷ごとに1日(24時間)における運転時間が任意に設定される。また、稼働率も任意に設定される。ユーザは、詳細運転設定モード85の年の欄の区分負荷ごとに運転時間を入力する。
【0053】
また、起動回数として、スタートアッププラン89の欄にユーザが任意に設定した条件が利用される。ユーザは、
図3に示すように、詳細運転設定モード85が設定された2029年-2032年におけるスタートアッププラン89の各起動モードの欄に起動回数を入力する。
【0054】
なお、ここでは、詳細運転設定モード85のオペレーションデータ86として、100%負荷から20%負荷の負荷範囲を10%負荷単位で区分した一例を示しているが、この設定に限られない。詳細運転設定モード85における負荷範囲は、上記した一例の範囲よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。また、負荷単位は、10%負荷単位よりも広く設定されてもよいし、狭く設定されてもよい。
【0055】
ここで、上記した将来の運転条件を入力したユーザは、
図3のSaveボタン87を押す。ユーザインターフェース50は、Saveボタン87からの入力を受け、将来の運転条件に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、将来の運転条件に係る情報を入力して記憶する。
【0056】
また、入力情報記憶部61は、減肉量に係る定期検査結果の情報などを記憶する。ここで、
図4および
図5は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18に対して減肉に関する定期検査結果を入力する入力画面90の一例を示す図である。なお、
図4は、中圧タービンの初段の動翼に関する入力画面90の一例であり、
図5は、高圧タービンの初段の動翼に関する入力画面90の一例である。
【0057】
定期検査結果は、例えば、メーカが入力する。
図4および
図5に示された入力画面90A、90Bは、例えば、メーカにおける入力装置の操作画面に表示される。そして、メーカにおける入力装置からの定期検査結果に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、定期検査結果に係る情報を入力して記憶する。なお、メーカにおける入力装置は、減肉量管理装置18にアクセス可能に設定されている。
【0058】
【0059】
図4の入力画面90Aに示されたL1は、動翼の前縁側に設けられた基準板の下流側端面と、タービンロータの軸方向(図中の蒸気流れ方向)に最も減肉が進んだ部分の翼面との距離である。基準板は、タービンロータの軸方向(図中の蒸気流れ方向)に垂直に備えられている。
【0060】
L2は、最も減肉が進んだ部分の翼高さ位置における、基準板の下流側端面と新品動翼の翼面(前縁)との距離である。なお、入力画面90Aにおいて、新品動翼の翼面(前縁)は、破線で示されている。新品動翼において、L2の値は、翼の仕様や翼高さ位置によっても異なる。そのため、L1における翼高さ位置が特定された後、その翼高さ位置および新品動翼の設計情報に基づいてL2を特定する。ここで、翼高さは、動翼がタービンロータに植設された状態において、タービンロータの軸方向に垂直な方向(径方向)における動翼の高さである。動翼の高さとは、例えば、動翼の翼有効部における径方向内側の端部から径方向外側方向の高さである。
【0061】
ここで、周方向に植設された複数の動翼の内、最も減肉が進行した動翼におけるL1およびL2が入力される。
【0062】
Cは、L1からL2を減じることで得られる、タービンロータの軸方向の浸食深さ、すなわち減肉量である。
【0063】
L1、L2の数値欄91、92には、定期検査結果に基づいた数値が入力される。L1、L2の数値の入力後、Cの数値欄93には、減肉量が表示される。
【0064】
そして、メーカにおける入力装置は、Uploadボタン94からの入力を受け、定期検査結果に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、定期検査結果に係る情報を入力して記憶する。なお、メーカにおける入力装置は、All Deleteボタン95からの入力を受け、例えば、L1、L2、Cの数値欄91、92、93の数値を削除する。なお、入力画面90のBackボタン96は、Uploadボタン94を押さずに、後述する表示画面100に戻る場合に押すボタンである。
【0065】
また、入力画面90Aには、動翼の種類を選択する選択表示部97が表示される。選択表示部97の選択ボタン97aを押すことで、図示されていないが、選択表示部97に定期検査結果の入力対象の動翼の選択項目が表示される。例えば、選択表示部97において「IP 1st stage blade」の選択項目が選択されると、メーカにおける入力装置の操作画面には、
図4に示す入力画面90Aが表示される。この際、表示情報生成部73は、入力装置からの「IP 1st stage blade」の選択に係る情報を入力し、操作画面に入力画面90Aを表示させるための表示情報を出力する。
【0066】
【0067】
ここで、
図4の入力画面90Aの選択表示部97において「HP 1st stage blade」の選択項目が選択されると、ユーザインターフェース50の表示部の画面には、
図5に示す入力画面90Bが表示される。
【0068】
図5の入力画面90Bに示されたaは、動翼の前縁における浸食深さ、すなわち動翼の前縁における減肉量である。aは、動翼の前縁部においてキャンバーライン方向に最も減肉が進行した位置と、その最も減肉が進行した位置における翼高さ位置においての新品動翼の前縁との距離である。なお、入力画面90Bにおいて、新品動翼の翼面(前縁部)は、破線で示されている。
【0069】
bは、動翼の腹側面(圧力面)における浸食深さ、すなわち動翼の腹側面における減肉量である。bは、動翼の前縁部において腹側面に垂直な方向に最も減肉が進行した位置と、その最も減肉が進行した位置における翼高さ位置においての新品動翼の腹側面との距離である。
【0070】
なお、aおよびbは、翼高さ方向において最も減肉が進行した位置における値である。さらに、周方向に植設された複数の動翼の内、最も減肉が進行した動翼におけるaおよびbが入力される。なお、減肉量を算出する際の初期値としては、aの値が使用される。
【0071】
a、bの数値欄98、99には、定期検査結果に基づいた数値が入力される。なお、Uploadボタン94、All Deleteボタン95、Backボタン96については前述したとおりである。
【0072】
ここで、最新の定期検査結果に係る情報は、例えば、定周期減肉量演算部71において減肉量を演算する際の初期値となる。
【0073】
なお、ここでは、定期検査結果をメーカが入力する一例を示したが、ユーザが入力可能に設定してもよい。この場合、
図4および
図5に示された入力画面90A,90Bは、ユーザインターフェース50の表示部に表示される。ユーザが定期検査結果を入力する場合、ユーザは、定期検査結果を入力した後、Uploadボタン94を押す。そして、ユーザインターフェース50は、Uploadボタン94からの入力を受け、定期検査結果に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、定期検査結果に係る情報を入力して記憶する。
【0074】
また、入力情報記憶部61は、動翼を点検すべき減肉量である点検閾値を記憶する。ここで、減肉量が点検閾値に達した動翼は、点検されることが推奨される。点検閾値は、例えば、動翼の仕様などに基づいて設定されるデフォルト値である。そのため、点検閾値は、入力情報記憶部61に予め記憶されている。なお、メーカは、予め入力情報記憶部61に点検閾値を記憶させる。また、例えば、メーカは、管理値変更などに伴って、点検閾値を変更可能である。
【0075】
入力情報記憶部61は、動翼を交換すべき減肉量である交換閾値を記憶する。ここで、減肉量が交換閾値に達した動翼は、交換されることが推奨される。交換閾値は、例えば、点検閾値に達したときに実施される点検において実測された減肉量および動翼の仕様に基づいて設定されるデフォルト値である。設定された交換閾値は、メーカにおける入力装置から入力情報記憶部61に出力される。
【0076】
入力情報記憶部61は、減肉量管理装置18の導入時において、後述する準備推奨時期を定めるための準備期間を初期値として記憶している。準備期間は、新しい動翼を準備するために必要な期間である。なお、ユーザは、メーカに依頼することで準備期間を初期値から所定の期間に変更可能である。この場合、変更された準備期間に係る情報は、メーカにおける入力装置から減肉量管理装置18の入力情報記憶部61に出力される。そして、入力情報記憶部61は、変更された準備期間に係る情報を記憶する。
【0077】
計測データ記憶部62は、計測データ取得部40から出力された電気出力情報や起動回数情報を記憶する。計測データ記憶部62は、例えば、1時間おきに計測データ取得部40から出力される電気出力情報や起動回数情報を記憶する。
【0078】
プログラム記憶部63は、減肉量管理装置18において、減肉量などの算出や減肉量の管理を実行するためのプログラム、減肉量などを算出するための各種演算式や各種パラメータなどを記憶する。
【0079】
演算結果記憶部64は、演算部70で演算された結果を記憶する。演算結果記憶部64は、例えば、定周期減肉量演算部71で演算された、過去から現在までの減肉量に関する情報を記憶する。ここで、演算結果記憶部64は、過去から現在までの減肉量に関する情報として、例えば、過去から現在における減肉量の演算結果などを記憶する。なお、この情報は、過去減肉量関連情報の一つとして機能する。
【0080】
演算結果記憶部64は、例えば、将来減肉量演算部72で演算された、将来の減肉量に関する情報を記憶する。
【0081】
演算結果記憶部64は、将来減肉量演算部72の演算によって算出される、将来の減肉量が点検閾値に達する点検推奨時期を記憶する。なお、点検推奨時期は、年月日で特定される。この点検推奨時期の算出方法は後述する。
【0082】
演算結果記憶部64は、将来減肉量演算部72の演算によって算出される将来の減肉量が交換閾値に達する交換推奨時期を記憶する。なお、交換推奨時期は、年月日で特定される。交換推奨時期の算出方法は後述する。
【0083】
ここで、交換推奨時期から所定の準備期間前の時期を準備推奨時期とする。準備推奨時期とは、交換推奨時期が特定された動翼に対して新しい動翼の準備を始めることを推奨する時期をいう。なお、準備推奨時期も、交換推奨時期と同様に、年月日で特定される。例えば、交換推奨時期が2040年6月1日、準備期間が3年の場合、準備推奨時期は、2037年6月1日となる。準備期間は、前述したように、入力情報記憶部61に記憶されている。
【0084】
また、演算結果記憶部64は、将来減肉量演算部72によって演算された、準備推奨時期における将来の減肉量を準備閾値として記憶する。すなわち、準備推奨時期における減肉量は、準備閾値である。準備閾値の算出方法は後述する。
【0085】
演算結果記憶部64は、将来の減肉量に関する情報として、例えば、将来の減肉量、準備閾値、準備推奨時期、交換推奨時期などの演算結果を記憶する。なお、これらの情報は、将来減肉量関連情報として機能する。
【0086】
テンプレート記憶部65は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果を表示する画面の基となるテンプレート画面に係る情報を記憶する。ユーザインターフェース50の表示部に表示させる各種テンプレート画面に係る情報は、予めテンプレート記憶部65に記憶されている。
【0087】
表示情報記憶部66は、演算部70の表示情報生成部73で生成された表示部に表示するための表示情報を記憶する。
【0088】
演算部70は、
図2に示すように、定周期減肉量演算部71と、将来減肉量演算部72と、表示情報生成部73とを備える演算ブロックである。演算部70は、ユーザインターフェース50からのユーザの実行開始入力に応じて、プログラム記憶部63から減肉量管理装置18を実行するためのプログラムを読み出す。これによって、定周期減肉量演算部71、将来減肉量演算部72および表示情報生成部73それぞれの機能が実行可能となる。
【0089】
定周期減肉量演算部71は、プログラム記憶部63から減肉量を算出するための演算式やパラメータを読み出し、計測データ記憶部62に記憶された電気出力情報および起動回数情報に基づいて、定周期におけるSPEによる減肉量を算出する演算ブロックである。定周期減肉量演算部71は、算出した減肉量に係る情報を演算結果記憶部64に出力する。なお、定周期減肉量演算部71は、電気出力情報から起動回数情報を得てもよい。
【0090】
ここで、定周期とは、過去の所定日から現在までの、例えば、1時間周期をいう。定周期減肉量演算部71は、過去の所定日の定期検査において計測された減肉量を初期値として、電気出力情報および起動回数情報に基づいて、定周期おきに(例えば、1時間おきに)減肉量を算出する。そして、現在における減肉量は、過去の所定日の定期検査において計測された減肉量に、過去の所定日から現在までに進行した減肉量を加算することで算出される。なお、定周期減肉量演算部71によって算出される過去の所定日から現在までに進行した減肉量は、予測値である。
【0091】
定周期減肉量演算部71は、入力情報記憶部61に記憶された点検閾値に基づいて、算出した減肉量が点検閾値に達しているか否かを判定する。
【0092】
定周期減肉量演算部71は、入力情報記憶部61に記憶された交換閾値に基づいて、算出した減肉量が交換閾値に達しているか否かを判定する。また、定周期減肉量演算部71は、入力情報記憶部61に記憶された準備閾値に基づいて、算出した減肉量が準備閾値に達しているか否かを判定する。なお、定周期減肉量演算部71におけるこれらの判定に関する動作については後述する。
【0093】
将来減肉量演算部72は、プログラム記憶部63から減肉量を算出するための演算式やパラメータを読み出し、入力情報記憶部61に記憶された将来の運転条件に基づいて、将来のSPEによる減肉量を算出する演算ブロックである。将来減肉量演算部72は、算出した減肉量に係る情報を演算結果記憶部64に出力する。
【0094】
ここで、将来とは、現在から将来の運転条件として設定された将来の年までをいう。将来減肉量演算部72は、定周期減肉量演算部71において算出された現在の減肉量を初期値として、入力情報記憶部61に記憶された将来の運転条件に基づいて、所定年ごと(例えば、1年ごと)の将来の減肉量を算出する。なお、将来減肉量演算部72によって算出される将来の減肉量は、予測値である。
【0095】
将来減肉量演算部72は、入力情報記憶部61に記憶された点検閾値および算出した将来の減肉量に基づいて、将来の減肉量が点検閾値に達しているか否かを判定する。将来減肉量演算部72は、将来の減肉量が点検閾値に達していると判定した場合、将来減肉量演算部72は、将来の減肉量が点検閾値に達する点検推奨時期を算出する。
【0096】
また、将来減肉量演算部72は、入力情報記憶部61に記憶された交換閾値および算出した将来の減肉量に基づいて、将来の減肉量が交換閾値に達しているか否かを判定する。将来減肉量演算部72は、将来の減肉量が交換閾値に達していると判定した場合、将来減肉量演算部72は、将来の減肉量が交換閾値に達する交換推奨時期を算出する。
【0097】
さらに、将来減肉量演算部72は、将来の減肉量が交換閾値に達していると判定した場合、前述した準備期間に基づいて、準備推奨時期および準備閾値を算出する。
【0098】
ここで、説明の便宜上、定周期減肉量演算部71によって演算された過去から現在までの減肉量を過去減肉量と称し、将来減肉量演算部72によって演算された現在から将来の所定日までの減肉量を将来減肉量と称する。
【0099】
表示情報生成部73は、ユーザインターフェース50の表示部に表示させる表示情報を生成する演算ブロックである。表示情報生成部73は、演算結果記憶部64およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する。なお、表示情報生成部73は、例えば、定周期減肉量演算部71、将来減肉量演算部72の演算結果を直接入力し、テンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成してもよい。
【0100】
表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66に出力する。また、表示情報生成部73は、生成した表示情報をユーザインターフェース50に出力する。
【0101】
ここで、上記した減肉量管理装置18は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)ドライブ装置などの外部記憶装置、ディスプレイなどの表示装置、キーボードやマウスなどの入力装置などを備えたコンピュータ装置などで構成することが可能である。
【0102】
(定周期減肉量演算部71および将来減肉量演算部72における演算)
ここで、定周期減肉量演算部71および将来減肉量演算部72における演算の流れを説明する。
【0103】
図6は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の定周期減肉量演算部71における過去減肉量の演算の流れを説明するためのフローチャートである。
図7は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の将来減肉量演算部72における将来減肉量の演算の流れを説明するためのフローチャートである。
【0104】
まず、
図6を参照して、定周期減肉量演算部71における過去減肉量の演算の流れを説明する。
【0105】
図6に示すように、定周期減肉量演算部71は、運転データとして、計測データ記憶部62から電気出力情報および起動回数情報を読み出す(ステップS1)。ここで、発電機の出力に係る電気出力情報および蒸気タービンの起動回数に係る起動回数情報は、過去減肉量を演算するための計測された情報として機能する。なお、ステップS1を実行する際には、定周期減肉量演算部71は、プログラム記憶部63から過去減肉量の演算を実行するためのプログラム、過去減肉量を算出するための演算式やパラメータ、入力情報記憶部61から管理対象の動翼の設計情報などを読み出している。なお、定周期減肉量演算部71は、電気出力情報に基づいて起動回数に係る情報を得てもよい。
【0106】
続いて、定周期減肉量演算部71は、電気出力情報および起動回数情報に基づいて運転パラメータを算出する(ステップS2)。定周期減肉量演算部71は、式(1)によって、運転時間T時間当たりの起動回数である起動頻度Fを算出する。なお、Tは運転時間に係る比例定数項である。
【0107】
ここで、Nは、管理対象の動翼を備える蒸気タービンの起動回数であり、tは、その蒸気タービンの運転時間(時間)である。なお、運転時間は、複数回起動した場合には、各起動に係る運転時間を積算した時間である。定周期減肉量演算部71は、電気出力情報に基づいて運転時間を算出する。
【0108】
ここで、起動回数は、コールド起動、ウォーム起動およびホット起動のすべてもしくはそれぞれの起動に係る起動回数であり、運転時間は、コールド起動、ウォーム起動およびホット起動のすべてもしくはそれぞれに係る運転時間を積算した時間である。起動回数および運転時間は、蒸気タービンが中圧タービン13の場合と、高圧タービン11の場合とで使い分けてもよい。
【0109】
続いて、定周期減肉量演算部71は、以下に示すように減肉速度を算出する(ステップS3)。ここでは、運転パラメータと設計パラメータに応じた、減肉量の管理値到達時間の確率分布式を平均減肉速度の確率分布式と読み替えて減肉速度を算出する。
【0110】
ここで、生存関数すなわちある時刻における減肉量の管理値未到達確率は、式(2)によって示される。S
0(t)は、コックス比例ハザードモデルを用いた場合の基準生存関数であり、後述のXiがすべてゼロ、すなわちCi=1のときの生存関数と定義される。
【0111】
ここで、tは、運転時間である。Ciは、減肉に影響を及ぼすパラメータの影響度を定める式であり、式(3)によって示される。なお、式(3)のiとして、1以上の任意の数値を設定することができる。
【0112】
Xiは、減肉の要因に係る運転条件または設計条件などに関する定数または変数である。ここで、Xiには、例えば、起動頻度Fが含まれる。βiは、上記の減肉要因Xiへの影響度を決定する値であり、Xiごとに個別に設定される係数である。ここで、βiには、例えば、起動頻度Fの影響度が含まれる。なお、上記したXi、βiに係る情報は、入力情報記憶部61に記憶されている。
【0113】
前述のとおりある時刻において減肉量が管理値に未到達である確率は、式(2)で示されている。ここで、式(2)をtについて解き、管理値をtで除すことで、減肉量の管理値未到達確率と平均減肉速度vの関係式が得られる。
【0114】
ここで、式(2)においてS(t)=Pのときのtをtpとする。Pは、減肉速度に係る減肉量の生存確率であり、入力情報記憶部61に記憶されている。
【0115】
例えば、生存確率Pにおける平均減肉速度vをvpとおくとvpは、管理値をtpで除すことで算出される。厳密には、運転時間tpにおいて生存している動翼の減肉速度は、ここで求めた平均減肉速度vpよりも遅いことを意味する。ここでは、前述した減肉量の管理値未到達確率と平均減肉速度vの関係式を減肉量管理値到達までの平均減肉速度の確率分布式と読み替える。
【0116】
そして、定周期減肉量演算部71は、減肉量管理値到達までの平均減肉速度の確率分布式より減肉速度Vを算出する。
【0117】
なお、上記した演算は一例であり、これに限られるものではない。
【0118】
続いて、定周期減肉量演算部71は、以下に示すように、所定期間における減肉量を算出する(ステップS4)。所定期間の運転時間をΔtとすると、所定期間における減肉量ΔDは、式(4)で示される。
【0119】
定周期減肉量演算部71は、式(4)、減肉速度Vに基づいて所定期間における減肉量ΔDを算出する。
【0120】
続いて、定周期減肉量演算部71は、以下に示すように、積算減肉量を算出する(ステップS5)。積算減肉量は、式(5)で示される。
【0121】
定周期減肉量演算部71は、式(5)を用いて各所定期間における減肉量ΔDを積算することで積算減肉量を算出する。
【0122】
このように、定周期減肉量演算部71は、上記演算によって算出された積算減肉量に過去の所定日の定期検査において計測された減肉量を加算することで、過去減肉量を算出する。これによって、高圧タービン11や中圧タービン13の運用が反映された初段動翼の過去減肉量が得られる。
【0123】
なお、定周期減肉量演算部71は、演算結果を演算結果記憶部64に出力する。上記した定周期減肉量演算部71における過去減肉量の演算は、例えば、1時間おきに実行される。最も直近に算出された過去減肉量は、現在の減肉量に相当する。
【0124】
次に、
図7を参照して、将来減肉量演算部72における将来減肉量の演算の流れを説明する。
【0125】
将来減肉量演算部72の演算の流れにおいて、
図7に示すステップS10およびステップS11以外は、定周期減肉量演算部71の演算の流れと基本的に同じである。すなわち、将来減肉量演算部72の演算におけるステップS12-ステップS14の処理は、定周期減肉量演算部71の演算におけるステップS3-ステップS5の処理と基本的に同じである。そのため、ここでは、将来減肉量演算部72の演算におけるステップS10およびステップS11の処理について主に説明する。
【0126】
図7に示すように、将来減肉量演算部72は、入力情報記憶部61から将来の運転条件を読み出す(ステップS10)。なお、ステップS10を実行する際には、将来減肉量演算部72は、プログラム記憶部63から将来減肉量の演算を実行するためのプログラムや将来減肉量を算出するための演算式やパラメータ、入力情報記憶部61から管理対象の動翼の設計情報などを読み出している。
【0127】
続いて、将来減肉量演算部72は、将来の運転条件に基づいて、スタートアッププラン89の欄の起動回数情報、および稼働率に係る情報(稼働率情報)を入力情報記憶部61から読み出す(ステップS10)。稼働率情報は、過去運用実績モード82の場合は所定年の運転データ、ベースロード運用モード83およびピークロード運用モード84の場合は予め設定された情報、詳細運転設定モード85の場合はオペレーションデータ86に基づいて得られる。なお、この演算において、入力情報記憶部61からから読み出された起動回数情報は、前述した定周期減肉量演算部71の演算において計測データ記憶部62から読み出された起動回数情報と同様に取り扱われる。
【0128】
続いて、将来減肉量演算部72は、起動回数情報および稼働率情報に基づいて運転パラメータを算出する(ステップS11)。将来減肉量演算部72は、前述した式(1)によって、運転時間T時間当たりの起動回数である起動頻度Fを算出する。この際、将来減肉量演算部72は、管理対象の動翼を備える蒸気タービンの運転時間であるtを稼働率情報に基づいて算出する。
【0129】
続いて、将来減肉量演算部72は、ステップS12からステップS14の処理を実行して、現在から将来の所定日までに進行する積算減肉量を算出する。
【0130】
そして、将来減肉量演算部72は、算出した現在から将来の所定日までに進行する減肉量に、定周期減肉量演算部71によって算出された最も直近の過去減肉量を加算することで、将来の所定日における将来減肉量を算出する。これによって、高圧タービン11や中圧タービン13の運用が反映された初段動翼の将来減肉量が得られる。
【0131】
なお、将来減肉量演算部72は、演算結果を演算結果記憶部64に出力する。上記した将来減肉量演算部72における将来減肉量の演算結果は、将来の運転条件として設定された1年周期ごとに得られる。すなわち、将来減肉量演算部72における演算結果は、1年単位で得られる。
【0132】
(点検推奨時期、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の算出)
ここで、点検推奨時期、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の算出方法について説明する。なお、ここでは、点検閾値に達したときに実施される点検において実測された減肉量および動翼の仕様に基づいて交換閾値が設定されていることを前提に説明する。また、ここでは、準備期間が3年に設定された場合を例示して説明する。
【0133】
なお、交換推奨時期および点検推奨時期は、基本的に同じ方法で算出されるため、ここでは、交換推奨時期の算出方法を例示して説明する。
【0134】
図8および
図9は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の将来減肉量演算部72における点検推奨時期、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の算出方法を説明するための図である。
図8および
図9において、横軸は時間(年)を示し、縦軸は減肉量比を示す。なお、ここでは、横軸の年における想定月日は、1月1日とする。
【0135】
ここでは、減肉量は、減肉量比として示されている。ここでの減肉量比は、交換閾値の減肉量を1としたときの減肉量比で例示されている。なお、ここでは、交換閾値の減肉量を1、すなわち基準とした一例を示しているが、これに限られない。例えば、点検閾値の減肉量を1(基準)として交換閾値の減肉量が示されてもよい。減肉量比が1.0よりも小さいときは、減肉量は交換閾値を下回っている。減肉量比が1.0よりも大きいときは、減肉量は交換閾値を超えている。
【0136】
まず、
図8を参照して、準備閾値に到達するときが将来の場合について説明する。
【0137】
図8に示すように、2032年における減肉量比は1.0よりも小さく、2033における減肉量比は1.0よりも大きい。そのため、減肉量比は、2032年と2033年との間で1.0に達している。すなわち、交換推奨時期は、2032年と2033年との間に存在する。
【0138】
将来減肉量演算部72は、2032年と2033年の間において、時間と減肉量比の関係を1次関数で表す。そして、将来減肉量演算部72は、減肉量比が1.0となる月日を算出する。
【0139】
図8に示した一例では、2032年における減肉量比は0.95であり、2033年における減肉量比は1.05である。将来減肉量演算部72は、1次関数に基づいて、減肉量比が1.0となる交換推奨時期を算出する。
図8に示した一例では、演算の結果、2032年の7月1日が交換推奨時期となる。
【0140】
続いて、将来減肉量演算部72は、交換推奨時期および準備期間に基づいて、準備推奨時期を算出する。ここで、準備期間を3年とした場合、準備推奨時期は、交換推奨時期よりも3年前の2029年の7月1日となる。
【0141】
続いて、将来減肉量演算部72は、2029年と2030年の間において、時間と減肉量比の関係を1次関数で表す。そして、将来減肉量演算部72は、2029年の7月1日における減肉量比を算出する。
図8に示した一例では、演算の結果、2029年の7月1日における減肉量比は0.75となる。この結果から、準備推奨時期における減肉量比である準備閾値は0.75となる。
【0142】
そして、将来減肉量演算部72は、上記した、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の演算結果を演算結果記憶部64に出力する。演算結果記憶部64は、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の演算結果を入力して記憶する。
【0143】
次に、
図9を参照して、準備閾値に到達するときが過去の場合について説明する。
【0144】
図9に示すように、減肉量比が1.0に達するのは、2032年と2033年との間である。すなわち、交換推奨時期は、2032年と2033年との間に存在する。そのため、準備推奨時期は、現在(2031年)よりも過去となる。
【0145】
図9に示すように、
図8を参照して説明したときと同様に、将来減肉量演算部72は、2032年と2033年の間において、時間と減肉量比の関係を1次関数で表して減肉量比が1.0となる月日を算出する。
図9に示した一例では、演算の結果、2032年の7月1日が交換推奨時期となる。
【0146】
続いて、将来減肉量演算部72は、交換推奨時期および準備期間に基づいて、準備推奨時期を算出する。ここで、準備期間を3年とした場合、準備推奨時期は、交換推奨時期よりも3年前の2029年の7月1日となる。
【0147】
続いて、将来減肉量演算部72は、演算結果記憶部64から2029年の7月1日における減肉量を読み出し、減肉量比を算出する。この算出された減肉量比は、準備閾値である。
【0148】
ここで、2029年の7月1日における減肉量は、定周期減肉量演算部71によって演算された結果である。そのため、演算結果記憶部64は、この日の演算結果として、1時間おきの複数のデータを記憶している。そこで、2029年の7月1日における減肉量として、将来減肉量演算部72は、例えば、2029年の7月1日における減肉量のデータの中の最大の減肉量を参照する。
【0149】
そして、将来減肉量演算部72は、上記した、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の演算結果を演算結果記憶部64に出力する。演算結果記憶部64は、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値の演算結果を入力して記憶する。
【0150】
ここで、将来減肉量の演算の結果、将来の演算指定期間の間において減肉量比が1.0に達しない場合には、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値は得られない。
【0151】
(導入時における減肉量管理装置18について)
ここで、まず、導入時における減肉量管理装置18の状態について説明する。
【0152】
減肉量管理装置18の導入時において、表示情報記憶部66は、導入日時点での、過去減肉量および将来減肉量に関する表示情報を記憶している。すなわち、導入時における減肉量管理装置18は、ユーザインターフェース50の表示部に、導入日時点での、過去減肉量および将来減肉量を表示可能な状態である。
【0153】
すなわち、表示情報記憶部66は、演算結果記憶部64に記憶された定周期減肉量演算部71および将来減肉量演算部72で演算された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶されたテンプレート画面に係る情報に基づいて、表示情報生成部73によって生成された導入日時点での表示情報を記憶している。
【0154】
なお、メーカは、導入日時点において上記した状態となるように減肉量管理装置18を処理している。
【0155】
ここで、
図10は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の導入日時点において表示情報が表示された表示画面100の一例を示す図である。ここでは、中圧タービン13の初段の動翼における減肉量関連情報の一例を示している。
図10の表示画面100の選択表示部106の選択ボタン107を押すことで、選択表示部106に動翼の選択項目が表示される。そして、「IP 1st stage blade」の選択項目が選択されると、ユーザインターフェース50の表示部の画面には、
図10に示す表示画面100が表示される。なお、高圧タービン11の初段の動翼における減肉量関連情報を表示する表示画面においても同様の表示画面が表示される。
【0156】
図10に示すように、表示画面100には、定周期減肉量演算部71によって演算された過去減肉量の結果(破線)、および将来減肉量演算部72によって演算された将来減肉量の結果(実線)が時系列で示されている。これらの減肉量の結果を示すグラフ101では、横軸に年月日、縦軸に減肉量比が示されている。なお、ここでは、2024年1月1日を現在としている。また、グラフ101では、減肉量は、減肉量比として示されている。ここでの減肉量比は、点検閾値の減肉量を1としたときの減肉量比で例示されている。なお、以下において表示画面100に示される減肉量比は、点検閾値の減肉量を1としたときの減肉量比で例示される。
【0157】
図10では、2014年1月1日から2034年1月1日までの時間軸を示している。この時間軸の範囲は、表示画面100の時間軸設定部102の設定値を選択することで設定される。ここでは、時間軸設定部102の設定値として、5年、10年、15年、20年が設定された一例を示している。なお、
図10では、10年が選択されている。
【0158】
時間軸は、現在から設定値分の過去、現在から設定値分の将来が示される。例えば、
図10に示すように設定値として10年が選択された場合、現在(2024年1月1日)から2014年1月1日までの過去10年分の時間範囲および現在(2024年1月1日)から2034年1月1日までの将来10年分の時間範囲が時間軸として表示される。
【0159】
このように、ユーザは、時間軸設定部102の設定値を選択することで時間軸の範囲を任意に変更することができる。
【0160】
なお、
図10において、減肉量として、2016年1月1日から2032年1月1日までの演算結果が示されている。この場合、2016年1月1日から2024年1月1日までの減肉量比は、過去減肉量に基づく減肉量比であり、2024年1月1日から2032年1月1日までの減肉量比は、将来減肉量に基づく減肉量比である。
【0161】
ここで、2016年1月1日における減肉量比は、
図4に示した入力画面90から入力された定期検査結果に基づいて示されている。表示画面100のグラフ101において、その定期検査結果に基づく減肉量比は、黒丸で示されている。なお、例えば、最新の定期検査よりも前の演算結果を有する場合においても、表示画面100には、最新の定期検査以降の演算結果が示され、最新の定期検査よりも前の演算結果は表示されない。
【0162】
また、表示画面100には、点検閾値が「Threshold 1」として一点鎖線で示されている。表示画面100には、アラーム表示103が表示される。アラーム表示103は、例えば、将来減肉量または過去減肉量が点検閾値を超える場合に表示される。なお、点検閾値は、初期値として入力情報記憶部61に記憶されたデフォルト値であるため、「Threshold 1」は、表示画面100に常に表示されている。
【0163】
図10に示した演算結果では、将来減肉量が点検閾値に達しているため、アラーム表示103として、点検推奨時期が示されている。また、
図10には、現在から点検推奨時期までの年月日が示されたアラーム表示103の一例が示されている。
【0164】
図10に示すように、ユーザインターフェース50の表示画面100には、過去減肉量および将来減肉量の時間経過に伴う変化が一つのグラフ101上に表示される。また、将来減肉量が点検閾値を超える場合、点検推奨時期は、表示画面100に表示される。
【0165】
(定周期減肉量演算処理)
次に、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における定周期減肉量演算処理について説明する。なお、ここでは、減肉量管理装置18の導入時において、減肉量が点検閾値に達していないことを前提に説明する。
【0166】
定周期減肉量演算処理について、減肉量が点検閾値に達したことに基づいて実施される点検よりも前の点検前演算処理と、減肉量が点検閾値に達したことに基づいて実施される点検よりも後の点検後演算処理とに分けて説明する。
【0167】
まず、点検前演算処理について説明する。
【0168】
図11は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における定周期減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0169】
図11に示すように、定周期減肉量演算部71は、例えば、計測データ記憶部62に記憶された情報に基づいて、蒸気タービン設備1が運転している否かを判定する(ステップS20)。定周期減肉量演算部71は、例えば、電気出力情報に基づいて、蒸気タービン設備1が運転している否かを判定する。
【0170】
ステップS20の判定において、蒸気タービン設備1が運転していないと判定した場合(ステップS20のNo)、定周期減肉量演算処理を終了する。
【0171】
ステップS20の判定において、蒸気タービン設備1が運転していると判定した場合(ステップS20のYes)、定周期減肉量演算部71は、プログラム記憶部63から過去減肉量の演算を実行するためのプログラム、過去減肉量を算出するための演算式やパラメータ、入力情報記憶部61から管理対象の動翼の設計情報、計測データ記憶部62に記憶された起動回数情報および電気出力情報を読み出す(ステップS21)。
【0172】
続いて、定周期減肉量演算部71は、
図6を参照して説明した演算方法で、過去減肉量の演算し、演算結果を演算結果記憶部64に出力する(ステップS22)。演算結果記憶部64は、その演算結果を記憶する。
【0173】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS23)。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、その表示情報を記憶する。
【0174】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報を
図10に示すように表示部に表示する(ステップS24)。
【0175】
ここで、表示情報生成部73は、1時間おきに、演算結果に基づく表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。そのため、表示部に表示される過去減肉量に関する演算結果を示すグラフ101は、1時間おきに更新される。定周期減肉量演算部71は、例えば、過去減肉量の演算後、1時間おきにステップS20-ステップS24の処理を繰り返す。
【0176】
また、定周期減肉量演算部71は、ステップS22の処理後、演算結果に基づいて過去減肉量が点検閾値に達しているか否かを判定する(ステップS25)。
【0177】
ステップS25の判定において、過去減肉量が点検閾値に達していないと判定した場合(ステップS25のNo)、定周期減肉量演算部71は、再度ステップS25の処理を実行する。
【0178】
ステップS25の判定において、過去減肉量が点検閾値に達していると判定した場合(ステップS25のYes)、定周期減肉量演算部71は、過去減肉量が点検閾値に達した年月日に関する情報(点検推奨時期に係る情報)を演算結果記憶部64に出力する。演算結果記憶部64は、その情報を記憶する。
【0179】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS26)。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0180】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報に基づいて、表示画面を更新する(ステップS27)。
【0181】
ここで、
図12は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18において演算結果が表示された表示画面100の一例を示す図である。
図12には、過去減肉量が点検閾値に達した日から、点検を実施すために蒸気タービン設備1の運転を停止する直前までの演算結果が表示された表示画面100を示している。
図12に示すように、アラーム表示103には、点検推奨時期の情報が表示される。なお、
図12に示された演算結果においては、点検前であるため、交換閾値は設定されていない。ここでは、中圧タービン13の初段の動翼における減肉量関連情報の一例を示している。なお、高圧タービン11の初段の動翼における減肉量関連情報を表示する表示画面においても同様の表示画面が表示される。
【0182】
次に、点検後演算処理について説明する。
【0183】
ここで、点検後演算処理を実行する際には、点検時における減肉量の計測に基づいて、交換閾値が設定されている。そして、交換閾値は、メーカによる入力によって、入力情報記憶部61に記憶されている。ここでは、交換閾値の減肉量が点検閾値の減肉量の2倍に設定された一例を示している。なお、点検時における実測された減肉量が点検閾値に達していない場合であっても、演算による予測された減肉量が点検閾値に達した場合には、実測された減肉量に基づいて、交換閾値が設定される。そして、点検時における実測された減肉量が点検閾値に達していない場合であっても、点検後演算処理においては、演算された減肉量に対して点検閾値に基づく判定はされない。
【0184】
図13は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の点検後演算処理における演算結果を示す表示画面100の一例を示す図である。
図13には、演算された将来減肉量が交換閾値に達する一例が示されている。そのため、将来減肉量演算部72は、交換閾値に到達する日に基づいて、交換推奨時期、準備閾値、準備推奨時期を演算して、演算結果記憶部64に出力する。これによって、演算結果記憶部64は、交換推奨時期、準備閾値、準備推奨時期を記憶している。なお、交換推奨時期、準備閾値、準備推奨時期の算出方法は、前述したとおりである。
【0185】
図13のグラフ101には点検結果が黒丸で示されている。表示画面100には、交換閾値が「Threshold 2」として二点鎖線で示され、準備閾値が「Threshold 3」として二点鎖線(間隔が狭い方の二点鎖線)で示されている。アラーム表示103には、交換推奨時期、準備推奨時期が表示される。なお、前述したように、交換閾値を示す減肉量比は、点検閾値を示す減肉量比の2倍の2.0として例示されている。
【0186】
図14は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における定周期減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0187】
図14に示すように、定周期減肉量演算部71は、例えば、計測データ記憶部62に記憶された情報に基づいて、蒸気タービン設備1が運転している否かを判定する(ステップS30)。そして、定周期減肉量演算部71は、ステップS30-ステップS34の処理を実行する。ここで、ステップS30-ステップS34の処理は、
図11にけるステップS20-ステップS24の処理と同じなので、説明を省略する。
【0188】
定周期減肉量演算部71は、ステップS32の処理後、演算結果に基づいて過去減肉量が準備閾値に達しているか否かを判定する(ステップS35)。ここで、過去減肉量が準備閾値に達する場合とは、過去減肉量が、将来減肉量演算部72によって算出された将来予測に基づく準備閾値に達することを示している。
【0189】
ステップS35の判定において、過去減肉量が準備閾値に達していないと判定した場合(ステップS25のNo)、定周期減肉量演算部71は、再度ステップS35の処理を実行する。
【0190】
ステップS35の判定において、過去減肉量が準備閾値に達していると判定した場合(ステップS35のYes)、定周期減肉量演算部71は、ステップS32の演算結果に基づいて、過去減肉量が交換閾値に達しているか否かを判定する(ステップS36)。
【0191】
ステップS36の判定において、過去減肉量が交換閾値に達していないと判定した場合(ステップS36のNo)、定周期減肉量演算部71は、過去減肉量が準備閾値に達した年月日に関する情報(準備推奨時期に係る情報)を演算結果記憶部64に出力する。演算結果記憶部64は、この情報を記憶する。
【0192】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS37)。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0193】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報に基づいて、表示画面を更新する(ステップS37)。この更新によって、
図13に示したアラーム表示103における準備推奨時期の情報が更新される。
【0194】
ステップS36の判定において、過去減肉量が交換閾値に達していると判定した場合(ステップS36のYes)、定周期減肉量演算部71は、過去減肉量が交換閾値に達した年月日に関する情報(交換推奨時期に係る情報)および準備推奨時期に係る情報を演算結果記憶部64に出力する。演算結果記憶部64は、その情報を記憶する。
【0195】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS39)。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0196】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報に基づいて、表示画面を更新する(ステップS40)。この更新によって、
図13に示したアラーム表示103における交換推奨時期および準備推奨時期の情報が更新される。
【0197】
上記した定周期減肉量演算部71における過去減肉量の演算は、例えば、1時間おきに実行される。そのため、表示画面100の過去減肉量に関する情報は、1時間おきに更新される。なお、横軸の時間の範囲が同じ場合、時間の経過に伴って、
図13のグラフ101における過去減肉量に関する情報は増加する。
【0198】
上記した定周期減肉量演算処理によって、
図12および
図13に示した表示画面100における過去減肉量に関する情報が更新される。また、過去減肉量が準備閾値に達している場合、過去減肉量が交換閾値に達している場合には、アラーム表示103における情報が更新される。
【0199】
(将来減肉量演算処理)
次に、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における将来減肉量演算処理について説明する。なお、ここでは、減肉量管理装置18の導入時において、減肉量が点検閾値に達していないことを前提に説明する。
【0200】
将来減肉量演算処理について、減肉量が点検閾値に達したことに基づいて実施される点検よりも前の点検前演算処理と、減肉量が点検閾値に達したことに基づいて実施される点検よりも後の点検後演算処理とに分けて説明する。
【0201】
まず、点検前演算処理について説明する。
【0202】
図15は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。なお、点検前であるため、交換閾値は設定されていない。
【0203】
ここで、減肉量管理装置18の導入日時点において、
図3に示す将来の運転条件は、初期設定されている。ユーザは、導入後、ユーザインターフェース50における
図3に示す入力画面80から将来の運転条件を1年単位で入力する。
【0204】
例えば、
図10に示した表示画面100における選択表示部104の選択ボタン105を押すことで、図示されていないが、選択表示部104に将来の運転条件の入力画面80の選択項目が表示される。選択表示部104において入力画面80の選択項目が選択されると、ユーザインターフェース50の表示部の画面は、
図3に示す将来の運転条件の入力画面80に切り替わる。この際、表示情報生成部73は、ユーザインターフェース50からの入力画面80の選択に係る情報を入力し、ユーザインターフェース50に入力画面80を表示させるための表示情報を出力する。
【0205】
そして、ユーザは、将来の運転条件を入力後、
図3のSaveボタン87を押す。ユーザインターフェース50は、Saveボタン87からの入力を受け、将来の運転条件に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、将来の運転条件に係る情報を記憶する。なお、入力画面80のBackボタン88は、Saveボタン87を押さずに表示画面100に戻る場合に押すボタンである。
【0206】
また、将来減肉量演算部72は、Saveボタン87が押されたことに伴うユーザインターフェース50からの情報を受け、将来の運転条件の入力がされたと判定する。
【0207】
図15に示すように、将来減肉量演算部72は、将来の運転条件の入力がされたか否かを判定する(ステップS50)。
【0208】
ステップS50の判定において、将来の運転条件の入力がされていないと判定した場合(ステップS50のNo)、将来減肉量演算部72は、再度ステップS50の処理を実行する。
【0209】
ステップS50の判定において、将来の運転条件の入力がされたと判定した場合(ステップS50のYes)、将来減肉量演算部72は、プログラム記憶部63から将来減肉量の演算を実行するためのプログラム、将来減肉量を算出するための演算式やパラメータ、入力情報記憶部61から管理対象の動翼の設計情報、入力情報記憶部61に記憶された将来の運転条件を読み出す(ステップS51)。
【0210】
続いて、将来減肉量演算部72は、将来の運転条件を参照して詳細運転モード設定があるか否かを判定する(ステップS52)。
【0211】
ステップS52の判定において、詳細運転モード設定があると判定した場合(ステップS52のYes)、将来の運転条件における区分負荷ごとの運転時間に係る情報、稼働率に係る情報および起動回数情報を読み出す(ステップS53)。
【0212】
続いて、将来減肉量演算部72は、
図7を参照して説明した演算方法で、将来減肉量を演算し、演算結果を演算結果記憶部64に出力する(ステップS54)。演算結果記憶部64は、演算結果を記憶する。
【0213】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS55)。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0214】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報を
図12に示すように表示部に表示する(ステップS56)。
【0215】
ここで、表示情報生成部73は、将来減肉量演算部72において将来減肉量の演算処理が実行されるごとに、演算結果に基づく表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。そのため、表示部に表示される将来減肉量に関する演算結果を示すグラフ101は、将来減肉量演算部72において将来減肉量の演算処理が実行されるごとに更新される。換言すると、将来減肉量に関する演算結果を示すグラフ101は、将来の運転条件の入力画面80におけるSaveボタン87が押されたことに伴う情報を受けるごとに更新される。
【0216】
また、将来減肉量演算部72は、ステップS54の処理後、演算結果に基づいて、将来減肉量が点検閾値に達しているか否かを判定する(ステップS57)。
【0217】
ステップS57の判定において、将来減肉量が点検閾値に達していないと判定した場合(ステップS57のNo)、再度ステップS57の処理を実行する。なお、ステップS57において点検閾値に達したと判定された後に、新たな将来の運転条件を入力して演算する際、新たな将来の運転条件に基づく演算のステップS57において点検閾値に達していないと判定される場合がある。この場合、将来減肉量演算部72は、点検推奨時期が無いことに関する情報を演算結果記憶部64に出力する。表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて、表示画面100から点検推奨時期のアラーム表示103が削除された表示情報を生成する。表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。この更新によって、表示画面100から点検推奨時期のアラーム表示103が削除される。
【0218】
ステップS57の判定において、将来減肉量が点検閾値に達していると判定した場合(ステップS57のYes)、将来減肉量演算部72は、
図8および
図9を参照して説明した方法によって点検推奨時期を算出し、算出結果を演算結果記憶部64に出力する(ステップS58)。演算結果記憶部64は、点検推奨時期を記憶する。
【0219】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS59)。表示情報生成部73は、
図12に示した表示画面100において、アラーム表示103を更新するための表示情報を生成する。
【0220】
そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0221】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報に基づいて、表示画面を更新する(ステップS60)。この更新によって、表示画面100には、今回の計算結果に基づく、点検推奨時期を備えるアラーム表示103が表示される。
【0222】
次に、点検後演算処理について説明する。
【0223】
ここで、点検後演算処理を実行する際には、定周期減肉量演算処理の際に説明したとおり、交換閾値(例えば、
図13に示す減肉量比2.0)が決定されている。演算された将来減肉量が交換閾値に達するまでは、グラフ101に準備閾値のライン、アラーム表示103に交換推奨時期、準備推奨時期は表示されない。演算された将来減肉量が交換閾値に達した後、例えば、
図13に示すように、グラフ101に交換閾値のライン(Threshold 2:二点鎖線)、準備閾値のライン(Threshold 3:間隔が狭い方の二点鎖線)、アラーム表示103に交換推奨時期、準備推奨時期が表示される。
【0224】
図16は、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0225】
図16に示すように、将来減肉量演算部72は、将来の運転条件の入力がされたか否かを判定する(ステップS50)。そして、将来減肉量演算部72は、ステップS70-ステップS76の処理を実行する。ここで、ステップS70-ステップS76の処理は、
図15にけるステップS50-ステップS56の処理と同じなので、説明を省略する。
【0226】
将来減肉量演算部72は、ステップS74の処理後、演算結果に基づいて将来減肉量が交換閾値に達しているか否かを判定する(ステップS77)。
【0227】
ステップS77の判定において、将来減肉量が交換閾値に達していないと判定した場合(ステップS77のNo)、再度ステップS77の処理を実行する。なお、ステップS77において交換閾値に達したと判定された後に、新たな将来の運転条件を入力して演算する際、新たな将来の運転条件に基づく演算のステップS77において交換閾値に達していないと判定される場合がある。この場合、将来減肉量演算部72は、交換推奨時期が無いことに関する情報を演算結果記憶部64に出力する。表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて、表示画面100から交換推奨時期のアラーム表示103が削除された表示情報を生成する。表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。この更新によって、表示画面100から交換推奨時期のアラーム表示103が削除される。
【0228】
ステップS77の判定において、将来減肉量が交換閾値に達していると判定した場合(ステップS77のYes)、将来減肉量演算部72は、
図8および
図9を参照して説明した方法によって交換推奨時期および準備推奨時期を算出し、算出結果を演算結果記憶部64に出力する(ステップS78)。演算結果記憶部64は、交換推奨時期および準備推奨時期を記憶する。
【0229】
続いて、将来減肉量演算部72は、
図8および
図9を参照して説明した方法によって準備閾値を算出し、準備閾値を演算結果記憶部64に出力する(ステップS79)。演算結果記憶部64は、準備閾値を記憶する。
【0230】
表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS80)。表示情報生成部73は、
図13に示すように、表示画面100において、アラーム表示103およびグラフ101の準備閾値のラインを表示するための表示情報を生成する。
【0231】
そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0232】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報に基づいて、表示画面を更新する(ステップS81)。この更新によって、表示画面100には、今回の計算結果に基づく、交換推奨時期および準備推奨時期を備えるアラーム表示103が表示される。さらに、グラフ101には、今回の計算結果に基づく、準備閾値を示すラインが表示される。
【0233】
上記した将来減肉量演算部72における将来減肉量の演算結果は、将来の運転条件として設定された1年周期ごとに得られる。すなわち、将来減肉量演算部72における演算結果は、1年単位で得られる。
【0234】
将来減肉量演算処理では、将来の運転条件の入力画面80におけるSaveボタン87が押されたことに伴う情報を受けるごとに演算処理を繰り返す。そして、表示画面100の将来減肉量に関する情報は、将来の運転条件の入力画面80におけるSaveボタン87が押されたことに伴う情報を受けるごとに更新される。
【0235】
上記した将来減肉量演算処理によって、
図10および
図13に示した表示画面100における将来減肉量に関する情報が更新される。将来の運転条件によって、例えば、グラフ101に示される将来減肉量に関する情報が変化する。また、将来の運転条件によって、交換推奨時期、準備推奨時期および準備閾値も変化する。
【0236】
上記した第1の実施の形態の減肉量管理装置18によれば、ユーザインターフェース50の表示部に、実機の運転データに基づいて予測された過去から現在までの過去減肉量、および将来想定する運転条件に基づいて予測された将来減肉量を時系列でグラフ101に表示することができる。これによって、ユーザは、減肉量の時間に伴う変化を目視で確認することできる。
【0237】
また、減肉量管理装置18において、表示画面100のグラフ101に、交換閾値および準備閾値のラインを表示することができる。これによって、ユーザは、交換推奨時期および準備推奨時期を目視で確認することできる。
【0238】
さらに、減肉量管理装置18において、表示画面100にアラーム表示103として交換推奨時期および準備推奨時期を表示することができる。これによって、ユーザは、交換推奨時期および準備推奨時期を具体的に認識することができる。そしてユーザは、準備推奨時期を具体的に認識することで、交換する動翼の製作依頼を的確に行うことができる。
【0239】
減肉量管理装置18では、将来の運転条件の入力画面80において入力された運転条件に基づく将来減肉量の演算結果を表示することができる。そのため、ユーザは、将来の運転条件の入力画面80において運転条件を変更することで、運転条件による将来減肉量の違いを表示画面100のグラフ101において目視で確認することできる。また、ユーザは、将来の運転条件による交換推奨時期および準備推奨時期の違いを表示画面100のアラーム表示103において目視で確認することできる。
【0240】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、ユーザインターフェース50の表示部に表示される将来減肉量に関する情報の他の一例を説明する。
【0241】
図17および
図18は、第2の実施の形態の減肉量管理装置18における将来減肉量演算処理方法を説明するためのフローチャートである。なお、図面の構成上、フローチャートを一図で示すことができないため、
図17のステップS70のNoに続くフローチャートを
図18に示す。
図19は、第2の実施の形態の減肉量管理装置18における表示画面100Aの一例を示す図である。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態の減肉量管理装置18の構成をと同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
【0242】
なお、表示画面100Aに示される減肉量比は、第1の実施の形態の表示画面100と同様に、点検閾値の減肉量を1としたときの減肉量比で例示される。また、表示画面100Aには、表示画面100と同様に、交換閾値を示す減肉量比が点検閾値を示す減肉量比の2倍に設定された一例が示されている。
【0243】
第2の実施の形態では、減肉量の演算結果を示す表示画面100Aにおいて、他の将来の運転条件における演算結果を同時に表示できる点が第1の実施の形態における減肉量管理装置18と異なる。ここでは、この異なる構成について主に説明する。なお、第2の実施の形態においける定周期減肉量演算処理は、第1の実施の形態における定周期減肉量演算処理と同様である。
【0244】
図17および
図18に示す第2の実施の形態における将来減肉量演算処理では、第1の実施の形態における将来減肉量演算処理に、ステップS90からステップS95の処理が追加されている。ここでは、将来減肉量演算処理において、点検後演算処理および点検後演算処理の演算結果を表示する表示画面100Aを例示して説明する。
【0245】
ここで、ユーザは、将来の運転条件を入力後、
図3のSaveボタン87を押す。第2の実施の形態における将来減肉量演算処理において、第1の実施の形態における将来減肉量演算処理と同様に、ユーザインターフェース50は、Saveボタン87からの入力を受け、将来の運転条件に係る情報を入力情報記憶部61に出力する。入力情報記憶部61は、将来の運転条件に係る情報を記憶する。
【0246】
また、将来減肉量演算部72は、Saveボタン87が押されたことに伴うユーザインターフェース50からの情報を受け、将来の運転条件の入力がされたと判定する。
【0247】
図17に示すように、将来減肉量演算部72は、将来の運転条件の入力がされたか否かを判定する(ステップS70)。
【0248】
ステップS70の判定において、将来の運転条件の入力がされたと判定した場合(ステップS70のYes)、前述したように、ステップS71からステップS76の処理が実行される。そして、前述したように、ステップS76の処理の後、ステップS70の処理が実行される。
【0249】
一方、ステップS70の判定において、将来の運転条件の入力がされていないと判定した場合(ステップS70のNo)、
図18に示すように、表示情報生成部73は、他の将来の運転条件で演算した結果(比較演算結果)の表示要求があるか否かを判定する(ステップS90)。比較演算結果は、他の将来の運転条件に基づいてすでに予測された演算結果であり、演算結果記憶部64に記憶されている。なお、他の将来の運転条件は、第2の将来の運転条件として機能し、比較演算結果は、第2の将来減肉量関連情報として機能する。
【0250】
ここで、
図20は、第2の実施の形態の減肉量管理装置18におけるユーザインターフェース50に表示させる比較演算結果を選択する選択画面110の一例を示す図である。
【0251】
例えば、
図13に示した表示画面100における選択表示部104の選択ボタン105を押すことで、図示されていないが、選択表示部104に選択画面110の選択項目が表示される。そして、選択表示部104において選択画面110の選択項目が選択されると、ユーザインターフェース50の表示部の画面は、
図20に示す選択画面110に切り替わる。この際、表示情報生成部73は、ユーザインターフェース50からの選択画面110の選択に係る情報を入力し、ユーザインターフェース50に選択画面110を表示させるための表示情報を出力する。
【0252】
図20の選択画面110には、演算結果記憶部64に記憶されているすでに演算された演算結果のリストがリスト表示部111に表示される。また、ここでは、演算結果記憶部64に記憶された日時も表示するリスト表示部111の一例が示されている。リスト表示部111には、例えば、演算結果記憶部64に記憶された日時の新しい順に5つの演算結果のファイル名が表示される。なお、リスト表示部111に表示される構成は、これに限られない。リスト表示部111には、すでに演算された演算結果のリストが表示されればよい。
【0253】
ここで、
図20には、過去1時間以内に将来の運転条件に基づいて演算された比較演算結果の一例が示されている。そのため、最新の将来減肉量が更新されない状態で、比較演算結果を比較することができる。すなわち、これらの比較演算結果のいずれを表示画面100Aのグラフ101に表示させても、比較演算結果における将来の減肉量比を示すラインの起点は、
図19に示すように、最新の将来の減肉量比を示すラインの起点と一致する。
【0254】
なお、比較演算結果は、1時間よりも前に演算された結果であってもよい。例えば、数日前に演算された比較演算結果を選択する場合、比較演算結果における将来の減肉量比を示すラインの起点は、最新の将来の減肉量比を示すラインの起点からずれることになる。このようにそれぞれの起点がずれた場合においても、将来における減肉量比の変化傾向は比較することができる。
【0255】
ユーザは、リスト表示部111に表示されたリストの中から比較演算結果として
図13に示した表示画面100に表示させたい演算結果のファイル名を選択する。そして、ユーザは、Loadボタン112を押す。ユーザがLoadボタン112を押すと、画面が
図19に示す演算結果を示す表示画面100Aに切り替わる。
【0256】
なお、選択画面110におけるBackボタン114は、Loadボタン112またはResetボタン113を押さずに表示画面100に戻る場合に押すボタンである。
【0257】
表示情報生成部73は、ユーザインターフェース50からのLoadボタン112が押されたことに基づく信号を受け、ステップS90において比較演算結果の表示要求があると判定する。
【0258】
ステップS90の判定において、比較演算結果の表示要求があると判定した場合(ステップS90のYes)、表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS91)。ここでは、表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された将来の運転条件に基づく演算結果および選択された比較演算結果の双方を読み出す。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0259】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報を
図19に示すように表示部に表示する(ステップS92)。
図19に示すように表示画面100Aには、将来減肉量として、将来の運転条件に基づく演算結果および比較演算結果の双方が表示される。
【0260】
具体的には、それぞれの演算結果における減肉量比が時系列で示されるとともに、それぞれの演算結果における準備閾値のラインが示される。なお、比較演算結果における減肉量比は、一点鎖線で示され、比較演算結果における準備閾値のライン(Threshold 3)は、破線で示されている。また、アラーム表示103としてそれぞれの演算結果における交換推奨時期および準備推奨時期が表示される。なお、
図19に示すように、過去減肉量における減肉量比も時系列で示されている。
【0261】
なお、比較演算結果における準備閾値は、第2の準備閾値として機能し、比較演算結果における交換推奨時期は、第2の交換推奨時期として機能し、比較演算結果における準備推奨時期は、第2の準備推奨時期として機能する。
【0262】
ステップS90の判定において、比較演算結果の表示要求がないと判定した場合(ステップS90のNo)、表示情報生成部73は、比較演算結果の表示削除要求があるか否かを判定する(ステップS93)。
【0263】
ここで、ユーザは、
図20の選択画面110において、Resetボタン113を押すことで、
図19の表示画面100Aに示されている比較演算結果を削除することができる。表示情報生成部73は、ユーザインターフェース50からのResetボタン113が押されたことに基づく信号を受け、ステップS93において比較演算結果の表示削除要求があると判定する。なお、ユーザがResetボタン113を押すと、画面が演算結果を示す表示画面に切り替わる。
【0264】
ステップS93の判定において、比較演算結果の表示削除要求があると判定した場合(ステップS93のYes)、表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された演算結果、およびテンプレート記憶部65に記憶された情報に基づいて表示情報を生成する(ステップS94)。ここでは、表示情報生成部73は、演算結果記憶部64に記憶された将来の運転条件に基づく演算結果を読み出す。そして、表示情報生成部73は、生成した表示情報を表示情報記憶部66およびユーザインターフェース50に出力する。表示情報記憶部66は、表示情報を記憶する。
【0265】
ユーザインターフェース50は、表示情報生成部73から出力された表示情報を
図13に示すように表示部に表示する(ステップS95)。すなわち、
図13に示すように表示画面100には、比較演算結果が削除され、将来の運転条件に基づく演算結果のみが表示される。
【0266】
ステップS93の判定において、比較演算結果の表示削除要求がないと判定した場合(ステップS93のNo)、ステップS70の処理に戻る。
【0267】
また、
図17に示すように、将来減肉量演算部72は、ステップS74の処理後、前述したように、ステップS74の演算結果に基づいて減肉量が交換閾値に達しているか否かを判定する(ステップS77)。そして、前述したように、ステップS77からステップS81の処理が実行される。
【0268】
表示画面100Aの将来減肉量に関する情報は、将来の運転条件の入力画面80におけるSaveボタン87、および比較演算結果の選択画面110におけるLoadボタン112またはResetボタン113が押されたことに伴う情報を受けるごとに更新される。
【0269】
なお、ここでは、比較演算結果として一つの演算結果を選択する一例を示したが、複数の比較演算結果を選択できるように設定されてもよい。
【0270】
上記した第2の実施の形態の減肉量管理装置18によれば、第1の実施の形態の減肉量管理装置18における作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0271】
さらに、第2の実施の形態の減肉量管理装置18によれば、表示画面100Aに、将来減肉量として、将来の運転条件に基づいて予測された演算結果および比較演算結果の双方を表示することができる。
【0272】
これによって、ユーザは、将来の運転条件に基づく演算結果における減肉量と比較演算結果における減肉量との違いを表示画面100Aのグラフ101において目視で確認することできる。また、ユーザは、将来の運転条件に基づく演算結果における交換推奨時期および準備推奨時期と比較演算結果における交換推奨時期および準備推奨時期との違いを表示画面100Aのアラーム表示103において目視で確認することできる。
【0273】
以上説明した実施形態によれば、運転データに基づいて予測された過去から現在までの減肉量および将来の運転条件に基づいて予測された将来の減肉量を時系列で認識することが可能となる。
【0274】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0275】
1…蒸気タービン設備、10…ボイラ、11…高圧タービン、12…再熱器、13…中圧タービン、14…低圧タービン、15…発電機、16…復水器、17…給水ポンプ、18…減肉量管理装置、20…主蒸気管、21…低温再熱蒸気管、22…高温再熱蒸気管、23…クロスオーバー管、24…排気管、25…給水管、30…出力検知器、40…計測データ取得部、50…ユーザインターフェース、60…記憶部、61…入力情報記憶部、62…計測データ記憶部、63…プログラム記憶部、64…演算結果記憶部、65…テンプレート記憶部、66…表示情報記憶部、70…演算部、71…定周期減肉量演算部、72…将来減肉量演算部、73…表示情報生成部、80、90、90A、90B…入力画面、81…選択パターン、82…過去運用実績モード、83…ベースロード運用モード、84…ピークロード運用モード、85…詳細運転設定モード、86…オペレーションデータ、87…Saveボタン、88、96、114…Backボタン、89…スタートアッププラン、91、92、93、98、99…数値欄、94…Uploadボタン、95…All Deleteボタン、97、104、106…選択表示部、97a、105、107…選択ボタン、100、100A…表示画面、101…グラフ、102…時間軸設定部、103…アラーム表示、110…選択画面、111…リスト表示部、112…Loadボタン、113…Resetボタン。