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特開2024-156543業務支援システム、その業務支援システムに用いられる業務支援サーバ、及び、その業務支援システムに用いられる携帯デバイス
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  • 特開-業務支援システム、その業務支援システムに用いられる業務支援サーバ、及び、その業務支援システムに用いられる携帯デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156543
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】業務支援システム、その業務支援システムに用いられる業務支援サーバ、及び、その業務支援システムに用いられる携帯デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071100
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】521558226
【氏名又は名称】株式会社アドレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正臣
(72)【発明者】
【氏名】原田 淳史
(72)【発明者】
【氏名】山田 博之
(72)【発明者】
【氏名】永井 和美
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】業務に従事する担当者の行動を記録するとともに担当者に対し業務支援を行うことができる業務支援システムを提供する。
【解決手段】この業務支援システム1は、担当者に装着される携帯デバイス6と、その携帯デバイス6で撮影される画像が表示されるとともに携帯デバイス6と通話可能な管理者端末8と、携帯デバイス6で取得されるデータに基づいて担当者行動情報200を構成して記憶し、携帯デバイス6と管理者端末8との間の情報の流れを制御する業務支援サーバ2とを備える。業務支援サーバ2は、携帯デバイス6で撮影される画像と携帯デバイス6で取得される担当者の周囲の音声が含まれる担当者行動情報200を構成する行動情報構成部23と、構成された担当者行動情報200を記憶する行動情報記憶部24を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務に従事する担当者の行動を監視し管理する業務支援システムであって、
前記担当者に装着される携帯デバイスと、該携帯デバイスで撮影される画像が表示されるとともに前記携帯デバイスと通話可能な管理者端末と、前記携帯デバイスで取得されるデータに基づいて担当者行動情報を構成して記憶し、前記携帯デバイスと前記管理者端末との間の情報の流れを制御する業務支援サーバとを備え、
前記携帯デバイスと前記管理者端末が、前記業務支援サーバと通信回線を介して接続されており、
前記携帯デバイスは、
前記担当者の周囲の画像を撮影するカメラ部と、
前記担当者の周囲の音声を取得するマイクロホン部と、
前記担当者に伝達される音声を発生するイヤホン部と、
前記カメラ部で撮影される撮影画像を前記業務支援サーバに向けて送出する撮影画像送出部と、
前記マイクロホン部で取得される担当者周囲音声を前記業務支援サーバに向けて送出する担当者周囲音声送出部と、
前記業務支援サーバから送出されてくる、前記イヤホン部から発生する担当者伝達音声を受け付ける担当者伝達音声受付部とを有し、
前記管理者端末は、
前記業務支援サーバから送出されてくる、前記撮影画像が表示される画像表示画面を受け付ける表示画面受付部と、
受け付けた前記画像表示画面が表示される管理者端末表示部と、
前記業務支援サーバから送出されてくる前記担当者周囲音声を受け付ける出力音声受付部と、
受け付けた前記担当者周囲音声を発生する音声発生部と、
前記担当者伝達音声が入力される伝達音声入力部と、
入力された前記担当者伝達音声を前記業務支援サーバに向けて送出する伝達音声送出部と、
前記担当者行動情報を要求する行動情報提供要求を前記業務支援サーバに向けて送出する行動情報提供要求部と、
前記行動情報提供要求に応じて前記業務支援サーバから提供される前記担当者行動情報を受け付ける行動情報受付部とを有し、
前記業務支援サーバは、
前記撮影画像送出部から送出されてくる前記撮影画像を受け付ける撮影画像受付部と、
前記担当者周囲音声送出部から送出されてくる前記担当者周囲音声を受け付ける担当者周囲音声受付部と、
受け付けた前記撮影画像と前記担当者周囲音声が含まれる前記担当者行動情報を構成する行動情報構成部と、
構成された前記担当者行動情報を記憶する行動情報記憶部と、
前記撮影画像受付部で受け付けた前記撮影画像を加工して前記画像表示画面を構成する表示画面構成部と、
構成された前記画像表示画面を前記管理者端末に向けて提供する表示画面提供部と、
前記伝達音声送出部から送出されてくる前記担当者伝達音声を受け付ける伝達音声受付部と、
前記担当者周囲音声受付部で受け付けた前記担当者周囲音声を前記管理者端末に向けて送出し、前記伝達音声受付部で受け付けた前記担当者伝達音声を前記携帯デバイスに向けて送出することにより前記携帯デバイスと前記管理者端末の間の通話を成立させる通話確立部と、
前記行動情報提供要求部から送出されてくる前記行動情報提供要求を受け付ける行動情報要求受付部と、
受け付けた前記行動情報提供要求に応じて前記行動情報記憶部から読み出した前記担当者行動情報を前記管理者端末に向けて提供する行動情報提供部とを有し、
前記行動情報受付部で前記担当者行動情報を受け付けると、受け付けた前記担当者行動情報が前記管理者端末表示部に表示されることを特徴とする業務支援システム。
【請求項2】
前記イヤホン部は、骨伝導イヤホンにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記カメラ部、前記マイクロホン部及び前記イヤホン部がヘッドセットとして一体化されており、前記ヘッドセットが前記担当者の頭部に装着されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記携帯デバイスは、カメラ停止モードを有し、
該カメラ停止モードでは、
前記カメラ部の撮影と前記マイクロホン部の音声の取得が停止され、前記イヤホン部から前記カメラ停止モードであることを通知する通知音が発せられることを特徴とする請求項3に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記携帯デバイスは、通話モードを有し、
該通話モードでは、
前記携帯デバイスと前記管理者端末との間で通話可能となり、前記カメラ部で撮影される前記撮影画像が前記管理者端末表示部で強調表示されることを特徴とする請求項4に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記携帯デバイスは、
衛星測位システムからの電波を受信して位置情報を算出する位置情報検出部と、
算出した前記位置情報を前記業務支援サーバに向けて送出する位置情報送出部とを有し、
前記業務支援サーバは、
位置情報送出部から送出されてくる前記位置情報を受け付ける位置情報受付部と、
受け付けた前記位置情報の周辺の地図情報を要求する地図情報提供要求を送出する地図情報要求部と、
前記地図情報提供要求に応じて提供される前記地図情報を受け付ける地図情報受付部とを有し、
前記行動情報構成部では、
前記位置情報受付部で受け付けた前記位置情報を、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像と前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声とに紐づけるように前記担当者行動情報を構成し、
前記表示画面構成部では、
前記地図情報受付部で受け付けた前記地図情報の地図上に、前記位置情報受付部で受け付けた前記位置情報を前記携帯デバイスの位置として表示する位置情報画像を作成し、
前記撮影画像受付部で受け付けた前記撮影画像と前記位置情報画像とが同一画面に表示されるように前記画像表示画面を構成することを特徴とする請求項5に記載の業務支援システム。
【請求項7】
前記業務支援サーバは、
音声から文字を生成する音声文字生成部を有し、
該音声文字生成部は、
前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声を周囲音声文字列として生成し、
前記行動情報構成部では、
前記音声文字生成部で生成された前記周囲音声文字列を、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像と前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声とに紐づけるように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする請求項6に記載の業務支援システム。
【請求項8】
前記業務支援サーバは、
暴言を判定する暴言判定部を有し、
該暴言判定部は、
前記音声文字生成部で生成される前記周囲音声文字列にあらかじめ登録されている暴言ワードが含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて暴言情報を生成し、
前記行動情報構成部では、
前記暴言判定部で生成された前記暴言情報を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする請求項7に記載の業務支援システム。
【請求項9】
前記業務支援サーバは、
音声を分析して精神状態を推定する音声分析部を有し、
該音声分析部は、
前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声と前記音声文字生成部で生成される前記周囲音声文字列とを分析して前記担当者の精神状態を推定し、推定される前記担当者の精神状態に基づいて担当者精神状態情報を生成し、
前記行動情報構成部では、
前記音声分析部で生成された前記担当者精神状態情報を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする請求項8に記載の業務支援システム。
【請求項10】
前記業務支援サーバは、
前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る被介護者の顔を認証して、前記被介護者の氏名を特定する顔認証部と、
前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る前記被介護者の表情を分析して、喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定し推定結果を数値化した推定表情値を算出する表情分析部と、
前記顔認証部で特定される前記被介護者の氏名と、前記表情分析部で求められる前記推定表情値とを含むように被介護者情報を構成する被介護者情報構成部と、
構成された前記被介護者情報を記憶する被介護者情報記憶部と、
前記管理者端末から送出されてくる前記被介護者情報を要求する被介護者情報提供要求を受け付ける被介護者情報提供要求受付部と、
受け付けた前記被介護者情報提供要求に応じて前記被介護者情報記憶部から読み出した前記被介護者情報を前記管理者端末に向けて提供する被介護者情報提供部とを有し、
前記管理者端末は、
前記被介護者情報提供要求を前記業務支援サーバに向けて送出する被介護者情報提供要求部と、
前記被介護者情報提供要求に応じて前記業務支援サーバから提供される前記被介護者情報を受け付ける被介護者情報受付部とを有し、
該被介護者情報受付部で前記被介護者情報を受け付けると、受け付けた前記被介護者情報が前記管理者端末表示部に表示されることを特徴とする請求項9に記載の業務支援システム。
【請求項11】
前記業務支援サーバは、
前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に前記被介護者が写っている対面時間を計測する対面時間計測部を有し、
前記被介護者情報構成部では、
前記対面時間計測部で計測される前記対面時間を含むように前記被介護者情報を構成することを特徴とする請求項10に記載の業務支援システム。
【請求項12】
前記業務支援サーバは、
前記撮影画像と前記担当者周囲音声とに基づいて分析を行う画像音声分析部を有し、
該画像音声分析部は、
前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像から前記担当者の行動を推定し、前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声から前記担当者の発言を取り出して、前記担当者の行動と発言に基づいて前記担当者の業務評価を判定し、
前記行動情報構成部では、
前記画像音声分析部で判定された前記業務評価を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする請求項11に記載の業務支援システム。
【請求項13】
前記画像音声分析部は、
前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声から前記被介護者に問いかける発言を取り出して、前記問いかける発言に対する前記被介護者の反応を前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る前記被介護者の動作から推定し、前記被介護者の難聴又は認知症のリスクを判定し、
前記被介護者情報構成部では、
前記画像音声分析部で判定される前記被介護者の難聴又は認知症のリスクを含むように前記被介護者情報を構成することを特徴とする請求項12に記載の業務支援システム。
【請求項14】
複数の前記携帯デバイスを有し、
前記業務支援サーバは、
前記管理者端末を操作する前記管理者の不在を判定する管理者不在判定部を有し、
複数の前記携帯デバイスの中の一の前記携帯デバイスが前記通話モードに移行する際、前記管理者不在判定部が前記管理者の不在を判定すると、前記複数の前記携帯デバイスの間で通話可能となることを特徴とする請求項13に記載の業務支援システム。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の業務支援システムに用いられる業務支援サーバ。
【請求項16】
請求項3乃至14の何れか一項に記載の業務支援システムに用いられる携帯デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、業務に従事する担当者の行動を監視し管理する業務支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
介護者による被介護者への暴行行為を防止する等の目的で、介護行動を記録することが行われており、これまでに、下記特許文献1に記載されている行動記録システムが知られている。この行動記録システムは、介護者に装着される端末装置を有し、この端末装置に組み込まれている撮像部により周囲の状況が撮影され、撮影された画像が記録される構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-037951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、人材の不足から、経験の少ない担当者が単独で業務にあたる場面も増えており、そのような担当者に対して、リアルタイムで助言を与え業務の支援を行うことへの要望が高まっている。しかしながら、特許文献1に記載の行動記録システムには、担当者の業務を支援する機能が備わっていなかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、担当者の行動を記録するとともに担当者に対し業務支援を行うことができる業務支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、業務に従事する担当者の行動を監視し管理する業務支援システムであって、前記担当者に装着される携帯デバイスと、該携帯デバイスで撮影される画像が表示されるとともに前記携帯デバイスと通話可能な管理者端末と、前記携帯デバイスで取得されるデータに基づいて担当者行動情報を構成して記憶し、前記携帯デバイスと前記管理者端末との間の情報の流れを制御する業務支援サーバとを備え、前記携帯デバイスと前記管理者端末が、前記業務支援サーバと通信回線を介して接続されており、前記携帯デバイスは、前記担当者の周囲の画像を撮影するカメラ部と、前記担当者の周囲の音声を取得するマイクロホン部と、前記担当者に伝達される音声を発生するイヤホン部と、前記カメラ部で撮影される撮影画像を前記業務支援サーバに向けて送出する撮影画像送出部と、前記マイクロホン部で取得される担当者周囲音声を前記業務支援サーバに向けて送出する担当者周囲音声送出部と、前記業務支援サーバから送出されてくる、前記イヤホン部から発生する担当者伝達音声を受け付ける担当者伝達音声受付部とを有し、前記管理者端末は、前記業務支援サーバから送出されてくる、前記撮影画像が表示される画像表示画面を受け付ける表示画面受付部と、受け付けた前記画像表示画面が表示される管理者端末表示部と、前記業務支援サーバから送出されてくる前記担当者周囲音声を受け付ける出力音声受付部と、受け付けた前記担当者周囲音声を発生する音声発生部と、前記担当者伝達音声が入力される伝達音声入力部と、入力された前記担当者伝達音声を前記業務支援サーバに向けて送出する伝達音声送出部と、前記担当者行動情報を要求する行動情報提供要求を前記業務支援サーバに向けて送出する行動情報提供要求部と、前記行動情報提供要求に応じて前記業務支援サーバから提供される前記担当者行動情報を受け付ける行動情報受付部とを有し、前記業務支援サーバは、前記撮影画像送出部から送出されてくる前記撮影画像を受け付ける撮影画像受付部と、前記担当者周囲音声送出部から送出されてくる前記担当者周囲音声を受け付ける担当者周囲音声受付部と、受け付けた前記撮影画像と前記担当者周囲音声が含まれる前記担当者行動情報を構成する行動情報構成部と、構成された前記担当者行動情報を記憶する行動情報記憶部と、前記撮影画像受付部で受け付けた前記撮影画像を加工して前記画像表示画面を構成する表示画面構成部と、構成された前記画像表示画面を前記管理者端末に向けて提供する表示画面提供部と、前記伝達音声送出部から送出されてくる前記担当者伝達音声を受け付ける伝達音声受付部と、前記担当者周囲音声受付部で受け付けた前記担当者周囲音声を前記管理者端末に向けて送出し、前記伝達音声受付部で受け付けた前記担当者伝達音声を前記携帯デバイスに向けて送出することにより前記携帯デバイスと前記管理者端末の間の通話を成立させる通話確立部と、前記行動情報提供要求部から送出されてくる前記行動情報提供要求を受け付ける行動情報要求受付部と、受け付けた前記行動情報提供要求に応じて前記行動情報記憶部から読み出した前記担当者行動情報を前記管理者端末に向けて提供する行動情報提供部とを有し、前記行動情報受付部で前記担当者行動情報を受け付けると、受け付けた前記担当者行動情報が前記管理者端末表示部に表示されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記イヤホン部は、骨伝導イヤホンにより構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記カメラ部、前記マイクロホン部及び前記イヤホン部がヘッドセットとして一体化されており、前記ヘッドセットが前記担当者の頭部に装着されるように構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記携帯デバイスは、カメラ停止モードを有し、該カメラ停止モードでは、前記カメラ部の撮影と前記マイクロホン部の音声の取得が停止され、前記イヤホン部から前記カメラ停止モードであることを通知する通知音が発せられることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記携帯デバイスは、通話モードを有し、該通話モードでは、前記携帯デバイスと前記管理者端末との間で通話可能となり、前記カメラ部で撮影される前記撮影画像が前記管理者端末表示部で強調表示される
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の構成に加えて、前記携帯デバイスは、衛星測位システムからの電波を受信して位置情報を算出する位置情報検出部と、算出した前記位置情報を前記業務支援サーバに向けて送出する位置情報送出部とを有し、前記業務支援サーバは、位置情報送出部から送出されてくる前記位置情報を受け付ける位置情報受付部と、受け付けた前記位置情報の周辺の地図情報を要求する地図情報提供要求を送出する地図情報要求部と、前記地図情報提供要求に応じて提供される前記地図情報を受け付ける地図情報受付部とを有し、前記行動情報構成部では、前記位置情報受付部で受け付けた前記位置情報を、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像と前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声とに紐づけるように前記担当者行動情報を構成し、前記表示画面構成部では、前記地図情報受付部で受け付けた前記地図情報の地図上に、前記位置情報受付部で受け付けた前記位置情報を前記携帯デバイスの位置として表示する位置情報画像を作成し、前記撮影画像受付部で受け付けた前記撮影画像と前記位置情報画像とが同一画面に表示されるように前記画像表示画面を構成することを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、音声から文字を生成する音声文字生成部を有し、該音声文字生成部は、前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声を周囲音声文字列として生成し、前記行動情報構成部では、前記音声文字生成部で生成された前記周囲音声文字列を、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像と前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声とに紐づけるように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、暴言を判定する暴言判定部を有し、該暴言判定部は、前記音声文字生成部で生成される前記周囲音声文字列にあらかじめ登録されている暴言ワードが含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて暴言情報を生成し、前記行動情報構成部では、前記暴言判定部で生成された前記暴言情報を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、音声を分析して精神状態を推定する音声分析部を有し、該音声分析部は、前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声と前記音声文字生成部で生成される前記周囲音声文字列とを分析して前記担当者の精神状態を推定し、推定される前記担当者の精神状態に基づいて担当者精神状態情報を生成し、前記行動情報構成部では、前記音声分析部で生成された前記担当者精神状態情報を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る被介護者の顔を認証して、前記被介護者の氏名を特定する顔認証部と、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る前記被介護者の表情を分析して、喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定し推定結果を数値化した推定表情値を算出する表情分析部と、前記顔認証部で特定される前記被介護者の氏名と、前記表情分析部で求められる前記推定表情値とを含むように被介護者情報を構成する被介護者情報構成部と、構成された前記被介護者情報を記憶する被介護者情報記憶部と、前記管理者端末から送出されてくる前記被介護者情報を要求する被介護者情報提供要求を受け付ける被介護者情報提供要求受付部と、受け付けた前記被介護者情報提供要求に応じて前記被介護者情報記憶部から読み出した前記被介護者情報を前記管理者端末に向けて提供する被介護者情報提供部とを有し、前記管理者端末は、前記被介護者情報提供要求を前記業務支援サーバに向けて送出する被介護者情報提供要求部と、前記被介護者情報提供要求に応じて前記業務支援サーバから提供される前記被介護者情報を受け付ける被介護者情報受付部とを有し、該被介護者情報受付部で前記被介護者情報を受け付けると、受け付けた前記被介護者情報が前記管理者端末表示部に表示されることを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に前記被介護者が写っている対面時間を計測する対面時間計測部を有し、前記被介護者情報構成部では、前記対面時間計測部で計測される前記対面時間を含むように前記被介護者情報を構成することを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の構成に加えて、前記業務支援サーバは、前記撮影画像と前記担当者周囲音声とに基づいて分析を行う画像音声分析部を有し、該画像音声分析部は、前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像から前記担当者の行動を推定し、前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声から前記担当者の発言を取り出して、前記担当者の行動と発言に基づいて前記担当者の業務評価を判定し、前記行動情報構成部では、前記画像音声分析部で判定された前記業務評価を含むように前記担当者行動情報を構成することを特徴とする。
【0018】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の構成に加えて、前記画像音声分析部は、前記担当者周囲音声受付部で受け付ける前記担当者周囲音声から前記被介護者に問いかける発言を取り出して、前記問いかける発言に対する前記被介護者の反応を前記撮影画像受付部で受け付ける前記撮影画像に写る前記被介護者の動作から推定し、前記被介護者の難聴又は認知症のリスクを判定し、前記被介護者情報構成部では、前記画像音声分析部で判定される前記被介護者の難聴又は認知症のリスクを含むように前記被介護者情報を構成することを特徴とする。
【0019】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の構成に加えて、複数の前記携帯デバイスを有し、前記業務支援サーバは、前記管理者端末を操作する前記管理者の不在を判定する管理者不在判定部を有し、複数の前記携帯デバイスの中の一の前記携帯デバイスが前記通話モードに移行する際、前記管理者不在判定部が前記管理者の不在を判定すると、前記複数の前記携帯デバイスの間で通話可能となることを特徴とする。
【0020】
請求項15に係る発明は、請求項1乃至14の何れか一項に記載の業務支援システムに用いられる業務支援サーバであることを特徴とする。
【0021】
請求項16に係る発明は、請求項3乃至14の何れか一項に記載の業務支援システムに用いられる携帯デバイスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、携帯デバイスで撮影される担当者の周囲の画像と携帯デバイスで取得される担当者の周囲の音声が含まれる担当者行動情報が構成され記憶されることにより、担当者の行動が記録される。
【0023】
また、携帯デバイスで撮影される画像が管理者端末に表示され、携帯デバイスと管理者端末との間で通話可能であるため、携帯デバイスを装着している担当者に対して、管理者端末を操作する管理者がリアルタイムで助言や指示を伝達し、担当者の業務支援を行うことができる。
【0024】
また、業務支援サーバに記憶されている担当者行動情報を管理者端末に表示させて、過去の担当者の行動を確認できる。
【0025】
請求項2の発明によれば、イヤホン部が骨伝導イヤホンにより構成されているため、携帯デバイスを装着する担当者の耳が、イヤホンで塞がれない状態になる。担当者は、管理者端末から伝達される音声を骨伝導イヤホンから受け取り、周囲の音声を自らの耳で聞きとることができる。このように、管理者端末から伝達される音声と周囲の音声とをどちらも明瞭に聞き取ることができる。
【0026】
請求項3の発明によれば、カメラ部、マイクロホン部及びイヤホン部がヘッドセットとして一体化され、担当者の頭部に装着される構成になっているため、ヘッドセットを装着する担当者は、両手を自由に使うことができる。また、カメラ部の撮影方向を担当者の目線に合わせることにより、担当者の視界に近い画像を撮影できる。
【0027】
請求項4の発明によれば、カメラ停止モードでは、カメラ部の撮影とマイクロホン部の音声の取得が停止される。入浴介護などプライバシーの順守が必要な場面では、カメラ停止モードに移行して画像と音声の取得を停止できる。また、カメラ停止モードを通知する通知音がイヤホン部から発せられるため、担当者はカメラ停止モードであることを認識できる。
【0028】
請求項5の発明によれば、携帯デバイスが通話モードに移行すると、携帯デバイスと管理者端末との間で通話可能となるため、担当者が助言や指示を受けたいときに通話モードに移行して、管理者端末を操作する管理者から助言等を受けることができる。
【0029】
また、通話している携帯デバイスの撮影画像が強調表示されるため管理者端末を操作する管理者は、容易に撮影画像を認識して助言等を与えることができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、撮影画像と担当者周囲音声が、位置情報に紐づけられるように担当者行動情報が構成されるため、画像の撮影位置や音声の取得位置を特定できる。
【0031】
また、地図上に携帯デバイスの位置が表示されるため、携帯デバイスの位置を容易に認識できる。
【0032】
請求項7の発明によれば、担当者周囲音声が周囲音声文字列として生成され、撮影画像と担当者周囲音声とに紐づくように担当者行動情報が構成されるため、撮影画像や担当者周囲音声に対応する音声を文字列として認識できる。また、担当者行動情報に基づいてマニュアルや記録冊子を作成する際に文字おこしをする必要が無くなり、省力化できる。
【0033】
請求項8の発明によれば、暴言の有無を判定した結果に基づいて暴言情報が作成され、暴言情報を含むように担当者行動情報が構成される。この暴言情報を参照することにより、暴言の防止など業務改善につなげることができる。
【0034】
請求項9の発明によれば、音声を分析して担当者の精神状態が推定されるため、担当者のメンタルヘルスケアに活用できる。
【0035】
請求項10の発明によれば、撮影画像に写る被介護者の顔を認証して被介護者の氏名を特定し、その被介護者の表情を分析して、喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定して推定表情値が算出される。推定表情値を参照することにより、被介護者ごとの顧客満足度を判定できる。
【0036】
請求項11の発明によれば、被介護者ごとの対面時間が検出される。サービス提供の偏りを確認でき、その後の業務改善に活用できる。
【0037】
請求項12の発明によれば、撮影画像と担当者周囲音声とに基づいて分析を行うことにより担当者の業務評価が判定される。良い判定と悪い判定の担当者の画像や音声の対比を、教育研修マニュアルの作成等に活用できる。
【0038】
請求項13の発明によれば、撮影画像と担当者周囲音声とに基づいて分析を行うことにより被介護者の難聴又は認知症のリスクを判定でき、早期発見やその後のケアに活かすことができる。
【0039】
請求項14の発明によれば、携帯デバイスが通話モードに移行する際、管理者端末を操作する管理者が不在と判定されると、携帯デバイスを装着している複数の担当者間で通話可能となるため、他の担当者からのアドバイスを得ることができる。
【0040】
請求項15の発明によれば、携帯デバイスで撮影される担当者の周囲の画像と携帯デバイスで取得される担当者の周囲の音声が含まれる担当者行動情報が構成され記憶されることにより、担当者の行動が記録される。
【0041】
また、携帯デバイスで撮影される画像が管理者端末に表示され、携帯デバイスと管理者端末との間で通話可能となるため、携帯デバイスを装着している担当者に対して、管理者端末を操作する管理者がリアルタイムで助言や指示を伝達し、担当者の業務支援を行うことができる。
【0042】
請求項16の発明によれば、カメラ部、マイクロホン部及びイヤホン部がヘッドセットとして一体化され、担当者の頭部に装着される構成になっているため、ヘッドセットを装着する担当者は、両手を自由に使うことができる。また、カメラ部の撮影方向を担当者の目線に合わせることにより、担当者の視界に近い画像を撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】この発明の実施の形態に係る業務支援システムの構成ブロック概略図である。
図2】同実施の形態に係る携帯デバイスの機能ブロック概略図である。
図3】同実施の形態に係る携帯デバイスのヘッドセット部の外観概略図であり、(a)は正面右上方向から見た斜視図、(b)は底面図、(c)は右側面図である。
図4】同実施の形態に係る携帯デバイスの通信ユニット部の外観概略図であり、(a)は正面左上方向から見た斜視図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。
図5】同実施の形態に係る管理者端末の機能ブロック概略図である。
図6】同実施の形態に係る業務支援サーバの機能ブロック概略図である。
図7】同実施の形態に係る担当者行動情報を説明する図であり、(a)は担当者行動情報の構成の例を示す図、(b)は担当者行動情報に含まれる担当者精神状態情報の表示の一例を示す図である。
図8】同実施の形態に係る管理者端末に表示される画像表示画面の構成の一例を示す概略図である。
図9】同実施の形態に係る被介護者情報の構成の例を示す図である。
図10】同実施の形態において、担当者の業務中に行われる業務支援システムの動作の流れの一例を説明する図である。
図11】同実施の形態に係る業務支援システムにおいて、構成された担当者行動情報に基づいて分析が行われる流れの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[発明の実施の形態]
この発明の実施の形態について、図1図11を用いて説明する。
【0045】
図1は、本発明の実施の形態に係る業務支援システム1の構成ブロック概略図である。この実施の形態では、業務として介護事業を例に挙げて説明する。介護の形態として、施設内での介護及び訪問介護のいずれも含まれる。また、介護業務に従事する介護者を担当者と呼ぶ。
【0046】
この業務支援システム1は、担当者に装着される携帯デバイス6,6,・・・,6と、携帯デバイス6,6,・・・,6で撮影される画像が表示されるとともに携帯デバイス6,6,・・・,6と通話可能な管理者端末8と、携帯デバイス6,6,・・・,6で取得されるデータに基づいて後述する担当者行動情報200を構成して記憶し、携帯デバイス6,6,・・・,6と管理者端末8との間の情報の流れを制御する業務支援サーバ2と、地図情報を提供する地図情報提供サーバ10とを含むように構成される。これら携帯デバイス6,6,・・・,6、管理者端末8、業務支援サーバ2及び地図情報提供サーバ10は、通信回線11を介して接続され、それぞれ情報の送受信が可能になっている。この通信回線11には、インターネット等が用いられる。
【0047】
業務支援システム1は、業務に従事する担当者の行動を記録するとともに担当者に対し業務支援を行うことを通じて、担当者の行動を監視し管理する。
【0048】
以下の説明では、複数であることを明示する必要がない場合、携帯デバイス6,6,・・・,6を代表して、携帯デバイス6という符号を付して表す。
【0049】
図2は、携帯デバイス6の機能ブロック概略図である。この携帯デバイス6は、制御部60、カメラ部61、撮影画像送出部62、マイクロホン部63、担当者周囲音声送出部64、担当者伝達音声受付部65、イヤホン部66、位置情報検出部70、位置情報送出部71、携帯デバイス表示部72、携帯デバイス記憶部73及び通信部74を含むように構成される。
【0050】
制御部60は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ、揮発性メモリのRAM(Random Access Memory)を含むように構成される。CPUは、プログラムの実行、演算処理、この携帯デバイス6を構成する各要素の制御などを行う。フラッシュメモリには、CPUが実行するプログラムや登録データなどが記憶され、RAMは、CPUによるプログラムの実行や演算処理のワークエリアとして使用される。
【0051】
カメラ部61は、担当者の周囲の画像を撮影する。このカメラ部61の撮像素子には、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)エリアセンサやCCD(Charged-Coupled Device)エリアセンサ等を用いることができる。撮影画像送出部62は、カメラ部61で撮影される撮影画像802を業務支援サーバ2に向けて送出する。撮影画像802は、動画を構成することが多いが、静止画であってもよい。
【0052】
マイクロホン部63は、担当者の周囲の音声を取得する。具体的な動作としては、このマイクロホン部63が音声を感知して電気信号に変換する。担当者周囲音声送出部64は、マイクロホン部63で取得される担当者周囲音声208を業務支援サーバ2に向けて送出する。
【0053】
担当者伝達音声受付部65は、イヤホン部66から発生する担当者伝達音声を受け付ける。この担当者伝達音声は、業務支援サーバ2から送出されてくる。イヤホン部66は、担当者に伝達される音声を発生する。具体的な動作としては、このイヤホン部66が音声の情報が含まれる電気信号を音波に変換する。
【0054】
位置情報検出部70は、衛星測位システムからの電波を受信して位置情報212を算出する。この位置情報検出部70には、GPS(Global Positioning System)モジュールを用いることができる。GPSモジュールは、GPSシステムからの信号を受信して、地球上の現在位置を通知する。GPSモジュールから位置情報212を取得することで、携帯デバイス6の現在位置が得られる。位置情報送出部71は、位置情報検出部70で算出した位置情報212を業務支援サーバ2に向けて送出する。
【0055】
携帯デバイス表示部72は、携帯デバイス6の動作状態を表示する。
【0056】
携帯デバイス記憶部73は、不揮発性メモリで構成される。例えば、SDメモリカードなどを用いることができる。この携帯デバイス記憶部73には、撮影画像802、担当者周囲音声208、位置情報212等が記憶される。通信回線11の接続が切断されている場合に、この携帯デバイス記憶部73に撮影画像802などを一時的に記憶させておき、通信回線11の接続が回復した後に、一時的に記憶させた撮影画像802などを業務支援サーバ2に向けて送信するような使い方もされる。
【0057】
通信部74は、外部とのデータの送受信を行う。この通信部74は、Wi-Fi(登録商標)通信により通信回線11に接続する機能と、LTE(Long Term Evolution)通信により移動体通信回線を経由して通信回線11に接続する機能とを有する。そして、Wi-Fi通信により接続できる環境では、Wi-Fi通信を介して通信回線11に接続し、Wi-Fi通信による接続が不能の環境では、LTE通信を介して通信回線11に接続するように制御される。
【0058】
携帯デバイス6は、カメラ部61、マイクロホン部63及びイヤホン部66が組み込まれ一体化されているヘッドセット部600と、二次バッテリ640や通信機能を有する通信ユニット部620とが、通信ケーブル650(図示せず)で接続される構成になっている。
【0059】
図3は、携帯デバイス6のヘッドセット部600の外観概略図であり、(a)は正面右上方向から見た斜視図、(b)は底面図、(c)は右側面図である。このヘッドセット部600は、担当者の頭部に装着される。図3(a)に示すように後頭部に沿って装着される弾性素材で形成される細線状の連結部612の両端には上下方向に幅広となる側面視略長方形状の拡幅部614が形成されている。この拡幅部614の内部には、電子部品が実装された電気基板が埋め込まれている。図3(b)に示すように右側の拡幅部614の底面には、動画撮影ボタン604と静止画撮影ボタン606が配設されている。動画撮影ボタン604が押下されると、カメラ部61で動画が撮影され、撮影された動画が携帯デバイス記憶部73に記憶されるとともに業務支援サーバ2に向けて送出され記憶される。また、静止画撮影ボタン606が押下されると、カメラ部61で静止画が撮影され、撮影された静止画が携帯デバイス記憶部73に記憶されるとともに業務支援サーバ2に向けて送出され記憶される。左側の拡幅部614の底面には、音量ボタン608が配設され、イヤホン部66から発生する音量が調節される。図3(c)に示すように右側の拡幅部614の側面には、携帯デバイス記憶部73が設けられている。また、右側の拡幅部614の背面側には、通信ケーブル接続端子618が設けられ、この接続端子618に通信ケーブル650を差し込んで通信ユニット部620と接続する。両側の耳かけ部616の先端には、マイクロホン部63及びイヤホン部66を内蔵する先頭部619が形成される。このイヤホン部66には、骨伝導イヤホンが採用されている。右側の先頭部619の外側側面には、カメラ部61が上下方向に回動可能に設けられている。カメラ部61の上下方向の回転角度は、複数の所定位置で固定されるようになっている。また、入浴や着替えの介護業務を行う際には、カメラ部61を上方に向けることにより被介護者を撮影しないようにできる。左側の先頭部619の外側側面には、電源ボタン610が設けられており、この電源ボタン610を長押しすることにより、電源の投入と切断を切り替えることができる。また、この電源ボタン610を短時間押下することにより、カメラ停止モードとカメラ動作モードの切り替えができる。
【0060】
携帯デバイス6は、カメラ停止モードとカメラ動作モードを有し、カメラ停止モードでは、カメラ部61の撮影とマイクロホン部63の音声の取得が停止され、イヤホン部66からカメラ停止モードであることを通知する通知音が発せられる。カメラ動作モードでは、カメラ部61の撮影とマイクロホン部63の音声の取得が行われ、カメラ停止モードであることを通知する通知音は停止する。
【0061】
なお、このヘッドセット部600は、通信ケーブル650を介して市販のPC(Personal Computer)やスマートホンと接続しても、カメラ部61、マイクロホン部63及びイヤホン部66が動作し、画像や音声をPCやスマートホンに向けて送出したり、PC等から送られてくる音声をイヤホン部66で聞いたりすることができる。
【0062】
また、図3に示すヘッドセット部600の構成では、マイクロホン部63が先頭部619に組み込まれているが、この構成に限らず、カメラ部61の先端に設けるようにしてもよい。このように配置すると、マイクロホン部63が担当者の口の前方に位置し、声を感知しやすくなる。
【0063】
図4は、携帯デバイス6の通信ユニット部620の外観概略図であり、(a)は正面左上方向から見た斜視図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。この通信ユニット部620には、撮影画像送出部62、担当者周囲音声送出部64、担当者伝達音声受付部65、位置情報検出部70、位置情報送出部71及び通信部74などが内蔵されている。図4(b)に示すように左側面には、通話ボタン622が設けられている。この通話ボタン622を押下することにより、携帯デバイス6が、通話モードに移行し、管理者端末8との間で通話可能となる。また、この通話ボタン622が押下され、通話モードに移行するとカメラ部61で撮影される撮影画像206が管理者端末8で強調表示される。
【0064】
この通信ユニット部620の左側面には、Wi-Fi通信表示624、LTE表示626、GPS表示628が設けられ、それらの機能が動作していることを点灯することにより表示する。
【0065】
図4(a)に示すように通信ユニット部620の上端部に通信ケーブル接続端子632が設けられ、この接続端子632に通信ケーブル650を差し込んでヘッドセット部600と接続する。また、上部には携帯デバイス表示部72が設けられ、携帯デバイス6の動作状態が表示される。
【0066】
図4(c)に示すように通信ユニット部620の背面には、係止部630が設けられ、担当者の衣服などに係止される。また、携帯デバイス6の電源は、通信ユニット部620に取り付けられる二次バッテリ640から供給される。
【0067】
図5は、管理者端末8の機能ブロック概略図である。この管理者端末8は、制御部80、表示画面受付部81、管理者端末表示部82、出力音声受付部83、音声発生部84、伝達音声入力部85、伝達音声送出部86、行動情報提供要求部90、行動情報受付部91、管理者端末記憶部93、被介護者情報提供要求部94、被介護者情報受付部95、入力部98及び通信部99を含むように構成される。管理者端末8には、PCやスマートホン、タブレットなどの情報端末を用いることができる。
【0068】
制御部80は、図示しないCPU、不揮発性記憶装置である補助記憶装置、RAMを含むように構成される。CPUは、プログラムの実行や、管理者端末8を構成する各要素の制御などを行う。補助記憶装置には、CPUが実行するプログラムなどが記憶され、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0069】
表示画面受付部81は、撮影画像802が表示される画像表示画面800を受け付ける。画像表示画面800は、業務支援サーバ2から送出されてくる。管理者端末表示部82には、表示画面受付部81で受け付けた画像表示画面800が表示される。管理者端末表示部82は、表示装置で構成され、タッチパネル付きLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などの表示デバイスが用いられる。
【0070】
出力音声受付部83は、業務支援サーバ2から送出されてくる担当者周囲音声208を受け付ける。音声発生部84は、出力音声受付部83で受け付けた担当者周囲音声208を発生する。音声発生部84にはスピーカやヘッドホンが用いられる。
【0071】
伝達音声入力部85は、管理者端末8を操作する管理者により、携帯デバイス6に伝達される担当者伝達音声が入力される。伝達音声入力部85にはマイクロホンが用いられる。伝達音声送出部86は、伝達音声入力部85に入力された担当者伝達音声を業務支援サーバ2に向けて送出する。
【0072】
行動情報提供要求部90は、担当者行動情報200を要求する行動情報提供要求を業務支援サーバ2に向けて送出する。この行動情報提供要求は、要求する対象を指定して行う。例えば、担当者ID202や担当者氏名204を指定したり、担当者ID202と取得時刻210とを組み合わせて指定したり、担当者ID202、取得時刻210及び要求対象項目が撮影画像206であることなどの組み合わせを指定したりする。なお、取得時刻210の指定は、ある特定の時刻を指定するようにしてもよいし、開始時刻と終了時刻を指定するようにしてもよい。担当者行動情報200には、携帯デバイス6で取得された撮影画像206や担当者周囲音声208が含まれる。行動情報受付部91は、行動情報提供要求に応じて業務支援サーバ2から提供される担当者行動情報200を受け付ける。行動情報受付部91で担当者行動情報200を受け付けると、受け付けた担当者行動情報200が管理者端末表示部82に表示される。具体的には、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206や担当者周囲音声208から文字を生成した周囲音声文字列214、その他の担当者行動情報200に含まれる構成要素が管理者端末表示部82に表示される。また、担当者行動情報200に含まれる担当者周囲音声208が音声発生部84から発生する。
【0073】
管理者端末記憶部93には、不揮発性記憶装置であるHDDやSSDなどが用いられる。この管理者端末記憶部93には、行動情報受付部91で受け付けた担当者行動情報200等が記憶される。また、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206や担当者周囲音声208などを用いて作成される介護記録や介護教育研修マニュアル等の電子ファイルも記憶される。
【0074】
被介護者情報提供要求部94は、被介護者情報提供要求を業務支援サーバ2に向けて送出する。この被介護者情報提供要求は、要求する対象を指定して行う。例えば、被介護者ID302や被介護者氏名304を指定したり、被介護者ID302と要求対象項目が対面時間308であることなどの組み合わせを指定したりする。被介護者情報受付部95は、被介護者情報提供要求に応じて業務支援サーバ2から提供される被介護者情報300を受け付ける。被介護者情報受付部95で被介護者情報300を受け付けると、受け付けた被介護者情報300が管理者端末表示部82に表示される。
【0075】
入力部98は、入力を行うための入力装置で構成され、キーボードやマウス、タッチパネルなどが用いられる。通信部99は、外部とのデータの送受信を行う。
【0076】
図6は、業務支援サーバ2の機能ブロック概略図である。この業務支援サーバ2は、制御部20、撮影画像受付部21、担当者周囲音声受付部22、行動情報構成部23、行動情報記憶部24、表示画面構成部25、表示画面提供部26、伝達音声受付部27、通話確立部30、管理者不在判定部31、行動情報要求受付部32、行動情報提供部33、位置情報受付部34、地図情報要求部35、地図情報受付部36、施設内図面記憶部37、音声文字生成部38、暴言判定部40、音声分析部41、顔認証部42、表情分析部43、被介護者情報構成部44、被介護者情報記憶部45、被介護者情報提供要求受付部46、被介護者情報提供部47、対面時間計測部50、画像音声分析部51及び通信部52を含むように構成される。業務支援サーバ2には、サーバ装置やPCなどが用いられる。
【0077】
制御部20は、図示しないCPU、不揮発性記憶装置、RAMを含むように構成される。CPUは、プログラムの実行や、業務支援サーバ2を構成する各要素の制御などを行う。
【0078】
撮影画像受付部21は、携帯デバイス6の撮影画像送出部62から送出されてくる撮影画像802を受け付ける。担当者周囲音声受付部22は、携帯デバイス6の担当者周囲音声送出部64から送出されてくる担当者周囲音声208を受け付ける。
【0079】
行動情報構成部23は、撮影画像受付部21で受け付けた撮影画像206と担当者周囲音声受付部22で受け付けた担当者周囲音声208が含まれる担当者行動情報200を構成する。
【0080】
担当者行動情報200は、担当者の行動の記録を集約した情報の集合である。抽出条件を指定することにより、その担当者の行動の記録を担当者行動情報200から取り出すことができる。
【0081】
行動情報構成部23では、撮影画像206と担当者周囲音声208を、例えば、5分間や10分間などの所定時間間隔に区切り、撮影画像206等の取得時刻210を対応付けるようにして担当者行動情報200を構成する。このように担当者行動情報200を構成することにより、取得時刻210を指定すれば、その時刻に対応する撮影画像206等を担当者行動情報200から取り出すことができる。
【0082】
図7(a)は、担当者行動情報200の構成の例を示す図である。担当者行動情報200に含まれる担当者ID(Identification)202や担当者氏名204は、業務開始などで携帯デバイス6から業務支援サーバ2にログインする際に入力される。または、携帯デバイス6を担当者に割り当てる際に担当者ID202や担当者氏名204をあらかじめ業務支援サーバ2に登録しておく。業務支援サーバ2には、携帯デバイス6を一意に特定する携帯デバイスIDに対応付けられて担当者ID202や担当者氏名204が記憶される。携帯デバイス6から携帯デバイスIDとともに撮影画像206などが送信されると、業務支援サーバ2では、受け付けた携帯デバイスIDから担当者ID202や担当者氏名204を特定し、その担当者ID202等と受け付けた撮影画像206などが格納されるように担当者行動情報200を構成する。この担当者ID202等を参照することにより、担当者行動情報200がどの担当者に対応するものかを識別できる。例えば、担当者ID202や担当者氏名204を指定することにより、指定した担当者に対応する担当者行動情報200を抽出したり、担当者ID202と取得時刻210を組み合わせて指定することにより、その組み合わせに対応する撮影画像206や担当者周囲音声208などを担当者行動情報200から取り出したりすることが可能となる。この図に示される担当者行動情報200の構成要素は、一例であり、これ以外の要素を含んでもよいし、この中の一部の要素を削除してもよい。
【0083】
図6に示す行動情報記憶部24には、行動情報構成部23で構成された担当者行動情報200が記憶される。
【0084】
表示画面構成部25は、撮影画像受付部21で受け付けた撮影画像206を加工して画像表示画面800を構成する。
【0085】
図8は、画像表示画面800の構成の一例を示す概略図である。この図には、4台の携帯デバイス6からの撮影画像206が表示されている。4台の内の1台の携帯デバイス6について、通話ボタン622が押下され通話モードに移行している状態を示しているため、拡大撮影画像804として強調表示されている。また、拡大撮影画像804の周囲には赤色の枠が表示され強調される。通話モードでない3台の携帯デバイス6については、通常サイズの撮影画像802として表示される。この画像表示画面800の右端には、メニュー表示部810があり、画面選択ボタン812、通話選択ボタン814、及び、一斉呼び出しボタン816が表示されている。この画像表示画面800から、管理者が画面選択ボタン812を選択すると、選択された撮影画像206が拡大表示され、その携帯デバイス6と通話できるようになる。また、管理者の操作により、選択された携帯デバイス6の撮影画像206(動画、静止画)や担当者周囲音声208が業務支援サーバ2に記憶される。通話選択ボタン814が選択されると、選択された携帯デバイス6と通話可能となる。一斉呼び出しボタン816が選択されると、表示されている全ての携帯デバイス6と通話可能となる。
【0086】
なお、通話モードの携帯デバイス6が1台も存在しないときには、全てが通常サイズの撮影画像802として表示され、画像表示画面800の一画面当たり最大20個の撮影画像206が表示される。
【0087】
図6に示す表示画面提供部26は、表示画面構成部25で構成された画像表示画面800を管理者端末8に向けて提供する。管理者端末8が画像表示画面800を受け付けると、その画面800が管理者端末表示部82に表示される(図8参照)。
【0088】
伝達音声受付部27は、管理者端末8の伝達音声送出部86から送出されてくる担当者伝達音声を受け付ける。通話確立部30は、担当者周囲音声受付部22で受け付けた担当者周囲音声208を管理者端末8に向けて送出し、伝達音声受付部27で受け付けた担当者伝達音声を携帯デバイス6に向けて送出することにより携帯デバイス6と管理者端末8の間の通話を成立させる。携帯デバイス6が通話モードになると、携帯デバイス6と管理者端末8との間で通話可能となる。
【0089】
管理者不在判定部31は、携帯デバイス6が通話モードに移行したときに、管理者端末8を操作する管理者が不在であるかを判定する。例えば、通話モードに移行した後に所定時間が経過しても、管理者端末8から応答がない場合に不在と判定したり、管理者端末8に設けられる図示しない不在ボタンが押下されている状態を検出して不在と判定したりする。複数の携帯デバイス6,6,・・・,6で業務支援システム1が構成されている場合に、複数の携帯デバイス6,6,・・・,6の中の一の携帯デバイス6が通話モードに移行する際、管理者不在判定部31が管理者の不在を判定すると、複数の携帯デバイス6,6,・・・,6の間で通話可能となるように制御される。
【0090】
行動情報要求受付部32は、管理者端末8の行動情報提供要求部90から送出されてくる行動情報提供要求を受け付ける。行動情報提供部33は、行動情報要求受付部32で受け付けた行動情報提供要求に応じて行動情報記憶部24から読み出した担当者行動情報200を管理者端末8に向けて提供する。行動情報提供要求が、例えば、担当者IDを指定して行われている場合、指定された担当者IDに対応する担当者行動情報200が提供される。また、例えば、担当者ID202と取得時刻210とが組み合わされて指定されている場合、その指定に対応する撮影画像206や担当者周囲音声208などが担当者行動情報200から抜き出されて提供される。また、例えば、担当者ID202、取得時刻210及び要求対象項目が撮影画像206であることの組み合わせが指定されていれば、その指定に対応する撮影画像206が担当者行動情報200から抜き出されて提供される。
【0091】
位置情報受付部34は、携帯デバイス6の位置情報送出部71から送出されてくる位置情報212を受け付ける。
【0092】
地図情報要求部35は、位置情報受付部34で受け付けた位置情報212の周辺の地図情報を要求する地図情報提供要求を地図情報提供サーバ10に向けて送出する。地図情報受付部36は、地図情報提供要求に応じて地図情報提供サーバ10から提供される地図情報を受け付ける。
【0093】
行動情報構成部23では、位置情報受付部34で受け付けた位置情報212を、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206と担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208とに紐づけるように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。位置情報212が撮影画像206や担当者周囲音声208と紐づけられているため、位置情報212を指定することにより、その位置情報212に紐づく撮影画像206や担当者周囲音声208を担当者行動情報200から取り出すことができる。
【0094】
また、表示画面構成部25は、地図情報受付部36で受け付けた地図情報の地図上に、位置情報受付部34で受け付けた位置情報212を携帯デバイス6の位置として表示する位置情報画像を作成する。そして、撮影画像受付部21で受け付けた撮影画像206と位置情報画像とが同一画面に表示されるように画像表示画面800を構成する。また、位置情報画像には、業務開始からその日一日の携帯デバイス6の移動経路を地図上に表示するようにしてもよい。また、携帯デバイス6の動画撮影ボタン604や静止画撮影ボタン606を押下して撮影された動画や静止画の撮影位置を地図上にサムネイル表示し、そのサムネイル表示が選択されると、その動画や静止画が表示されるように構成してもよい。サムネイル表示とは、動画や静止画の見本用画像の表示のことである。
【0095】
施設内図面記憶部37には、施設の間取りなどが記録されている施設内図面情報があらかじめ記憶されている。位置情報受付部34で受け付ける位置情報212が施設内である場合、表示画面構成部25は、施設内図面情報に含まれる施設の間取りの上に、携帯デバイス6の位置を表示するように位置情報画像を作成する。位置情報212には、高さの情報も含まれるため、携帯デバイス6の位置が施設内の何階であるかを判定し、その階に対応する間取りの上に、携帯デバイス6の位置が表示される。
【0096】
音声文字生成部38は、音声から文字を生成する。この音声文字生成部38では、担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208を周囲音声文字列214として生成する。この音声文字変換処理には、既存技術が用いられ、AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を用いることもできる。
【0097】
行動情報構成部23では、音声文字生成部38で生成された周囲音声文字列214を、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206と担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208とに紐づけるように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。なお、生成された周囲音声文字列214を撮影画像206に字幕として付すようにしてもよい。
【0098】
暴言判定部40は、暴言を判定する。この暴言判定部40では、音声文字生成部38で生成される周囲音声文字列214にあらかじめ登録されている暴言ワードが含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて暴言情報216を生成する。暴言情報216には、使用された暴言ワードとその頻度が含まれる。
【0099】
行動情報構成部23では、暴言判定部40で生成された暴言情報216を含むように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。
【0100】
音声分析部41は、音声を分析して精神状態を推定する。この音声分析部41では、担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208と音声文字生成部38で生成される周囲音声文字列214とを分析して担当者の精神状態を推定し、推定される担当者の精神状態に基づいて担当者精神状態情報218を生成する。音声分析部41では、担当者の声の大きさ、声の大きさの抑揚、声の高さ、所定時間当たりのため息の回数、使われている言葉、ネガティブな言葉の使用頻度などの要因に基づいて総合的に分析し精神状態を推定する。この分析には、AI技術を用いることもでき、学習済み生成モデルに担当者周囲音声208と周囲音声文字列214が入力され精神状態の推定値が演算される。また、過去と現在の精神状態の比較も行われ、精神状態の安定度や変化の方向も求められる。さらに、メンタルヘルスケアが必要な状態であるかの判定も行われる。
【0101】
担当者精神状態情報218には、元気度、声の明瞭度、蓄積されている怒りの度合(蓄積Anger値)、精神状態の安定度、精神状態の変化の方向(傾向)、メンタルヘルスケア必要度を含むように構成される。
【0102】
行動情報構成部23では、音声分析部41で生成された担当者精神状態情報218を含むように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。
【0103】
図7(b)は担当者行動情報200に含まれる担当者精神状態情報218の表示画面の一例を示す図である。この図には担当者ごとの担当者精神状態情報218が並べて表示されている。このような画面を管理者端末8に表示させてメンタルヘルスケアが必要な担当者を管理者が早期に発見できるようになっている。
【0104】
図6に示す顔認証部42は、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206に写る被介護者の顔を認証し、その被介護者の氏名304を特定する。業務支援サーバ2には被介護者の顔画像の特徴量があらかじめ登録されており、撮影画像206に写る顔画像から算出される特徴量と対比することにより被介護者を認証する。この顔認証処理には、AI技術を含む既存の技術が用いられる。また、被介護者の顔画像の特徴量と対応付けて被介護者の氏名304や被介護者ID302が業務支援サーバ2に登録されており、被介護者の認証を行うと、その被介護者の氏名304や被介護者ID302が特定されるようになっている。この顔認証部42では、被介護者氏名304等を特定すると、その被介護者氏名304や被介護者ID302を含む被介護者特定情報215が生成される。
【0105】
そして、行動情報構成部23では、撮影画像206、担当者周囲音声208及び周囲音声文字列214と、顔認証部42において生成された被介護者特定情報215を対応付けるように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。このように構成することにより、例えば、被介護者特定情報215に含まれる被介護者氏名304や被介護者ID302を指定し、指定した被介護者が写っている撮影画像206等を担当者行動情報200から取り出すことが可能となる。すなわち、担当者ID202と被介護者ID302との組み合わせを指定して、担当者行動情報200の提供要求(行動情報提供要求)がある場合、その担当者ID202に対応する担当者行動情報200から被介護者ID302に対応する被介護者が写っている撮影画像206等が取り出されて提供される。
【0106】
表情分析部43は、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206に写る被介護者の表情を分析して、喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定し推定結果を数値化した推定表情値306を算出する。この表情分析部43による表情の分析処理には、AI技術を含む既存技術が用いられる。例えば、眉毛の形状やその変化、目、頬、唇の形状や変化、顎の向き等から特徴量を算出して、これらの特徴量に基づいて分析が行われる。
【0107】
被介護者情報構成部44は、顔認証部42で特定される被介護者の氏名304や被介護者ID302と、表情分析部43で求められる推定表情値306とを含むように被介護者情報300を構成する。
【0108】
被介護者情報300は、被介護者の観察記録を集約した情報の集合である。氏名などで被介護者を指定することにより、その被介護者の観察記録を被介護者情報300から取り出すことができる。
【0109】
図9は、被介護者情報300の構成の例を示す図である。撮影画像206を用いた顔認証により被介護者の氏名304や被介護者ID302が特定されると、特定された被介護者氏名304等とともに被介護者の観察記録となる情報を格納するように被介護者情報300が構成される。この図に示される被介護者情報300の構成要素は、一例であり、これ以外の要素を含んでもよいし、この中の一部の要素を削除してもよい。
【0110】
図6に示す被介護者情報記憶部45は、被介護者情報構成部44で構成された被介護者情報300を記憶する。
【0111】
被介護者情報提供要求受付部46は、管理者端末8から送出されてくる被介護者情報300を要求する被介護者情報提供要求を受け付ける。被介護者情報提供部47は、被介護者情報提供要求受付部46で受け付けた被介護者情報提供要求に応じて被介護者情報記憶部45から読み出した被介護者情報300を管理者端末8に向けて提供する。被介護者情報提供要求が、例えば、被介護者ID302を指定して行われている場合、指定された被介護者ID302に対応する被介護者情報300が提供される。また、例えば、被介護者ID302と要求対象項目が対面時間308であることの組み合わせが指定されていれば、その被介護者に対応する対面時間308が被介護者情報300から抜き出されて提供される。
【0112】
対面時間計測部50は、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206に被介護者が写っている対面時間308を計測する。
【0113】
被介護者情報構成部44では、対面時間計測部50で計測される対面時間308を含むように被介護者情報300を構成する(図9参照)。
【0114】
画像音声分析部51は、撮影画像206及び担当者周囲音声208に基づいてAI技術を用いて分析を行う。この画像音声分析部51では、撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206から担当者の行動を推定し、担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208から担当者の発言を取り出して、担当者の行動と発言に基づき担当者の業務評価220を判定する。例えば、担当者が被介護者に優しい言葉をかけながら笑顔で介護を行っていれば高い評価をし、担当者の言葉が少なかったり、声が小さかったり、表情が乏しかったりする場合には低い評価がされる。
【0115】
行動情報構成部23では、画像音声分析部51で判定された担当者の業務評価220を含むように担当者行動情報200を構成する(図7(a)参照)。業務評価220が優れていると判定された担当者と劣っていると判定された担当者の撮影画像206、担当者周囲音声208、周囲音声文字列214等を担当者行動情報200から取り出して担当者の教育資料としたり、マニュアルの作成に活用したりすることもできる。
【0116】
また、画像音声分析部51は、担当者周囲音声受付部22で受け付ける担当者周囲音声208から被介護者に問いかける発言を取り出して、問いかける発言に対する被介護者の反応を撮影画像受付部21で受け付ける撮影画像206に写る被介護者の動作から推定し、被介護者の難聴又は認知症のリスク310を判定する。例えば、担当者が被介護者に何度も同じ問いかけをしたり、問いかけごとに担当者の音声が大きくなっていったりする場合には、難聴のリスクが高くなるような判定がされる。また、担当者の問いかけから被介護者の反応までの時間差や、問いかけに対する被介護者の回答の整合性などを評価して認知症のリスクが判定される。
【0117】
被介護者情報構成部44では、画像音声分析部51で判定される被介護者の難聴又は認知症のリスク310を含むように被介護者情報300を構成する(図9参照)。
【0118】
通信部52は、外部とのデータの送受信を行う。
【0119】
次に、本実施の形態に係る業務支援システム1の動作について説明する。
【0120】
図10は、担当者の業務中に行われる業務支援システム1の動作の流れの一例を説明する図である。
【0121】
担当者は携帯デバイス6を装着した状態で業務に従事する。携帯デバイス6では、カメラ部61で周囲の画像が撮影され、マイクロホン部63で周囲の音声が取得され、位置情報検出部70で位置情報が取得される(ステップS10)。取得された撮影画像206、担当者周囲音声208及び位置情報212は、その携帯デバイス6を特定する携帯デバイスIDとともに業務支援サーバ2に向けて送出される(ステップS11)。
【0122】
業務支援サーバ2が、撮影画像206、担当者周囲音声208及び位置情報212を受け付ける(ステップS20)と、音声文字生成部38では、担当者周囲音声208を周囲音声文字列214として生成する(ステップS21)。また、顔認証部42では、撮影画像206から被介護者を認証して、その被介護者の氏名304と被介護者ID302を特定し、被介護者ID302等を含む被介護者特定情報215を生成する(ステップS22)。その後、行動情報構成部23では、撮影画像206、担当者周囲音声208、周囲音声文字列214、位置情報212及び被介護者特定情報215を含むように担当者行動情報200が構成される(ステップS23)。この担当者行動情報200では、撮影画像206、担当者周囲音声208及び周囲音声文字列214が、例えば5分間間隔などの所定時間間隔に区分されて格納されており、また、撮影画像206、担当者周囲音声208及び周囲音声文字列214が、取得時刻210、位置情報212、被介護者特定情報215のそれぞれに対応付けられるように構成される。このようにして構成された担当者行動情報200が行動情報記憶部24に記憶される(ステップS24)。
【0123】
表示画面構成部25では、撮影画像206を加工して画像表示画面800を構成し(ステップS25)、構成した画像表示画面800を管理者端末8に向けて提供する(ステップS26)。管理者端末8がこの画像表示画面800を受け付ける(ステップS30)と、管理者端末表示部82に表示される(ステップS31)。
【0124】
担当者の業務中には、以上の動作が繰り返される。
【0125】
担当者が管理者と通話する際には、携帯デバイス6の通話ボタン622が押下され、携帯デバイス6が通話モードに移行する(ステップS12)。通話モードへ移行する通知が業務支援サーバ2で検出される(ステップS27)と、通話確立部30が動作して携帯デバイス6と管理者端末8との間で通話が可能となる。担当者の音声が携帯デバイス6のマイクロホン部63に感知されると、担当者の音声が業務支援サーバ2に向けて送出され(ステップS13)、業務支援サーバ2がこの音声を受け付ける(ステップS28)。そして、受け付けた音声を管理者端末8に向けて送出する(ステップS29)。管理者端末8では、受け付けた音声が音声発生部84から出力され(ステップS32)、管理者の耳に届く。管理者が音声を発すると、管理者端末8の伝達音声入力部85に入力され、伝達音声送出部86から業務支援サーバ2に向けて送出される(ステップS33)。業務支援サーバ2が、この管理者の音声を受け付ける(ステップS200)と、この音声が携帯デバイス6に向けて送出される(ステップS200)。携帯デバイス6がこの管理者の音声を受け付けると、イヤホン部66から発生され(ステップS14)、担当者の耳に届く。業務支援サーバ2の通話確立部30が携帯デバイス6と管理者端末8との間の音声の流れを制御して担当者と管理者の通話を成立させる。
【0126】
管理者が、担当者の行動の記録を確認するときには、担当者ID202又は担当者氏名204とともに、撮影画像206や担当者周囲音声208などの要求する項目や、取得時刻210、位置情報212等を指定して、管理者端末8から業務支援サーバ2に向けて行動情報提供要求を送出する(ステップS34)。
【0127】
業務支援サーバ2が、この行動情報提供要求を受け付ける(ステップS202)と、この要求に応じた担当者行動情報200を行動情報記憶部24から取り出して、管理者端末8に向けて提供する(ステップS203)。
【0128】
管理者端末8が担当者行動情報200を受け付ける(ステップS35)と、受け付けた担当者行動情報200が管理者端末表示部82に表示される(ステップS36)。また、担当者行動情報200に含まれる担当者周囲音声208を受け付けると、音声発生部84から発生する。
【0129】
図11は、業務支援システム1において、構成された担当者行動情報200に基づいて分析が行われる流れの一例を説明する図である。この図の例は、担当者の業務を通して、例えば、1日分などの所定期間の担当者行動情報200が業務支援サーバ2に蓄積された後に、それら所定期間に得られた担当者行動情報200を用いて一括して分析する流れを示す。ただし、この例に限定されるものでなく、担当者の業務中に得られる担当者行動情報200を用いてリアルタイムに分析するようにしてもよい。
【0130】
まず、すでに構成されている担当者行動情報200を行動情報記憶部24から読み出す(ステップS40)。読み出した担当者行動情報200に含まれる周囲音声文字列214に基づき暴言判定部40で暴言を判定して、暴言情報216を生成する(ステップS41)。次に、担当者行動情報200に含まれる担当者周囲音声208と周囲音声文字列214に基づき音声分析部41で担当者精神状態情報218を生成する(ステップS42)。続いて、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206と担当者周囲音声208とに基づき画像音声分析部51で担当者の業務評価220を判定する(ステップS43)。得られた暴言情報216、担当者精神状態情報218及び担当者の業務評価220を含むように行動情報構成部23で担当者行動情報200を構成し、構成された担当者行動情報200を行動情報記憶部24に記憶して更新する(ステップS44)。
【0131】
次に、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206に基づき顔認証部42で被介護者の氏名304等を特定する(ステップS45)。また、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206に基づき表情分析部43で喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定し推定結果を数値化した推定表情値306を算出する(ステップS46)。続いて、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206に基づき対面時間計測部50で対面時間308を計測する(ステップS47)。その後、担当者行動情報200に含まれる撮影画像206と担当者周囲音声208に基づき画像音声分析部51で被介護者の難聴又は認知症のリスク310を判定する(ステップS48)。最後に、得られた被介護者の氏名304、推定表情値306、対面時間308、被介護者の難聴又は認知症のリスク310などを含むように被介護者情報構成部44で被介護者情報300を構成(ステップS49)し、構成された被介護者情報300を被介護者情報記憶部45に記憶する(ステップS50)。
【0132】
管理者が、担当者の行動の記録を確認するときには、担当者ID202又は担当者氏名204とともに、担当者精神状態情報218や業務評価220などの要求する項目等を指定して、管理者端末8から業務支援サーバ2に向けて行動情報提供要求を送出する(ステップS60)。
【0133】
業務支援サーバ2が、この行動情報提供要求を受け付ける(ステップS51)と、この要求に応じた担当者行動情報200を行動情報記憶部24から取り出して、管理者端末8に向けて提供する(ステップS52)。
【0134】
管理者端末8が担当者行動情報200を受け付ける(ステップS61)と、受け付けた担当者行動情報200が管理者端末表示部82に表示される(ステップS62)。
【0135】
管理者が、被介護者の観察の記録を確認するときには、被介護者ID302又は被介護者の氏名304とともに、対面時間308などの要求する項目等を指定して、管理者端末8から業務支援サーバ2に向けて被介護者情報提供要求を送出する(ステップS63)。
【0136】
業務支援サーバ2が、この被介護者情報提供要求を受け付ける(ステップS53)と、この要求に応じた被介護者情報300を被介護者情報記憶部45から取り出して、管理者端末8に向けて提供する(ステップS54)。
【0137】
管理者端末8が被介護者情報300を受け付ける(ステップS64)と、受け付けた被介護者情報300が管理者端末表示部82に表示される(ステップS65)。
【0138】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0139】
本実施の形態によれば、携帯デバイス6で撮影される担当者の周囲の画像と携帯デバイス6で取得される担当者の周囲の音声が含まれる担当者行動情報200が構成され記憶されることにより、担当者の行動が記録される。
【0140】
また、携帯デバイス6で撮影される画像が管理者端末8に表示され、携帯デバイス6と管理者端末8との間で通話可能であるため、携帯デバイス6を装着している担当者に対して、管理者端末8を操作する管理者がリアルタイムで助言や指示を伝達し、担当者の業務支援を行うことができる。
【0141】
また、業務支援サーバ2に記憶されている担当者行動情報200を管理者端末8に表示させて、過去の担当者の行動を確認できる。
【0142】
また、本実施の形態によれば、イヤホン部66が骨伝導イヤホンにより構成されているため、携帯デバイス6を装着する担当者の耳が、イヤホンで塞がれない状態になる。担当者は、管理者端末8から伝達される音声を骨伝導イヤホンから受け取り、周囲の音声を自らの耳で聞きとることができる。このように、管理者端末8から伝達される音声と周囲の音声とをどちらも明瞭に聞き取ることができる。
【0143】
また、本実施の形態によれば、カメラ部61、マイクロホン部63及びイヤホン部66がヘッドセット部600として一体化され、担当者の頭部に装着される構成になっているため、ヘッドセット部600を装着する担当者は、両手を自由に使うことができる。また、カメラ部61の撮影方向を担当者の目線に合わせることにより、担当者の視界に近い画像を撮影できる。
【0144】
また、本実施の形態によれば、カメラ停止モードでは、カメラ部61の撮影とマイクロホン部63の音声の取得が停止される。入浴介護などプライバシーの順守が必要な場面では、カメラ停止モードに移行して画像と音声の取得を停止できる。また、カメラ停止モードを通知する通知音がイヤホン部66から発せられるため、担当者はカメラ停止モードであることを認識できる。
【0145】
また、本実施の形態によれば、携帯デバイス6が通話モードに移行すると、携帯デバイス6と管理者端末8との間で通話可能となるため、担当者が助言や指示を受けたいときに通話モードに移行して、管理者端末8を操作する管理者から助言等を受けることができる。
【0146】
また、通話している携帯デバイス6の撮影画像206が強調表示されるため管理者端末8を操作する管理者は、容易に撮影画像206を認識して助言等を与えることができる。
【0147】
また、本実施の形態によれば、撮影画像206と担当者周囲音声208が、位置情報212に紐づけられるように担当者行動情報200が構成されるため、画像の撮影位置や音声の取得位置を特定できる。
【0148】
また、地図上に携帯デバイス6の位置が表示されるため、携帯デバイス6の位置を容易に認識できる。
【0149】
また、本実施の形態によれば、担当者周囲音声208が周囲音声文字列214として生成され、撮影画像206と担当者周囲音声208とに紐づくように担当者行動情報200が構成されるため、撮影画像206や担当者周囲音声208に対応する音声を文字列として認識できる。また、担当者行動情報200に基づいてマニュアルや記録冊子を作成する際に文字おこしをする必要が無くなり、省力化できる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、暴言の有無を判定した結果に基づいて暴言情報216が作成され、暴言情報216を含むように担当者行動情報200が構成される。この暴言情報216を参照することにより、暴言の防止など業務改善につなげることができる。
【0151】
また、本実施の形態によれば、音声を分析して担当者の精神状態が推定されるため、担当者のメンタルヘルスケアに活用できる。
【0152】
また、本実施の形態によれば、撮影画像206に写る被介護者の顔を認証して被介護者の氏名304を特定し、その被介護者の表情を分析して、喜怒哀楽の感情、元気度及び満足度の少なくとも何れか一つを推定して推定表情値が算出される。推定表情値を参照することにより、被介護者ごとの顧客満足度を判定できる。
【0153】
また、本実施の形態によれば、被介護者ごとの対面時間308が検出される。サービス提供の偏りを確認でき、その後の業務改善に活用できる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、撮影画像206と担当者周囲音声208とに基づいて分析を行うことにより担当者の業務評価220が判定される。良い判定と悪い判定の担当者の画像や音声の対比を、教育研修マニュアルの作成等に活用できる。
【0155】
また、本実施の形態によれば、撮影画像206と担当者周囲音声208とに基づいて分析を行うことにより被介護者の難聴又は認知症のリスク310を判定でき、早期発見やその後のケアに活かすことができる。
【0156】
また、本実施の形態によれば、携帯デバイス6が通話モードに移行する際、管理者端末8を操作する管理者が不在と判定されると、携帯デバイス6を装着している複数の担当者間で通話可能となるため、他の担当者からのアドバイスを得ることができる。
【0157】
また、本実施の形態によれば、携帯デバイス6で撮影される担当者の周囲の画像と携帯デバイス6で取得される担当者の周囲の音声が含まれる担当者行動情報200が構成され記憶されることにより、担当者の行動が記録される。
【0158】
[発明のその他の実施の形態]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、適宜変更可能である。例えば、業務支援サーバ2の機能を管理者端末8に一体化させるようにしてもよい。また、業務支援サーバ2に含まれる行動情報記憶部24や被介護者情報記憶部45を外部のサーバとして構築するようにしてもよい。
【0159】
また、上記の実施形態に係る業務支援システム1は、業務として介護事業を例に挙げて説明したが、介護事業に限定されることなく、異なる業務にも適用可能である。例えば、業務として、保育園、幼稚園等の保育・教育事業や建設事業などにもこの業務支援システム1を適用することができる。介護事業では、携帯デバイス6で撮影される撮影画像206に被介護者が写るが、保育・教育事業では、撮影画像206に保育園児や幼稚園児が写り、建設事業では、作業員などが写ることになる。そして、撮影画像206を用いた顔認証では、保育園児や幼稚園児、作業員について認証が行われる。業務支援サーバ2の顔認証部42では、保育園児や幼稚園児、作業員の氏名やIDを特定すると、その氏名やIDを含む被介護者特定情報215に相当する保育園児・幼稚園児特定情報や作業員特定情報が生成される。
【符号の説明】
【0160】
1…業務支援システム、2…業務支援サーバ、6,6,・・・,6,・・・,6,6…携帯デバイス、8…管理者端末、10…地図情報提供サーバ、11…通信回線、20…制御部、21…撮影画像受付部、22…担当者周囲音声受付部、23…行動情報構成部、24…行動情報記憶部、25…表示画面構成部、26…表示画面提供部、27…伝達音声受付部、30…通話確立部、31…管理者不在判定部、32…行動情報要求受付部、33…行動情報提供部、34…位置情報受付部、35…地図情報要求部、36…地図情報受付部、37…施設内図面記憶部、38…音声文字生成部、40…暴言判定部、41…音声分析部、42…顔認証部、43…表情分析部、44…被介護者情報構成部、45…被介護者情報記憶部、46…被介護者情報提供要求受付部、47…被介護者情報提供部、50…対面時間計測部、51…画像音声分析部、52…通信部、200…担当者行動情報、202…担当者ID、204…担当者氏名、206…撮影画像、208…担当者周囲音声、210…取得時刻、212…位置情報、214…周囲音声文字列、215…被介護者特定情報、216…暴言情報、218…担当者精神状態情報、220…業務評価、300…被介護者情報、302…被介護者ID、304…被介護者の氏名、306…推定表情値、308…対面時間、310…難聴又は認知症のリスク、60…制御部、61…カメラ部、62…撮影画像送出部、63…マイクロホン部、64…担当者周囲音声送出部、65…担当者伝達音声受付部、66…イヤホン部、70…位置情報検出部、71…位置情報送出部、72…携帯デバイス表示部、73…携帯デバイス記憶部、74…通信部、600…ヘッドセット部、604…動画撮影ボタン、606…静止画撮影ボタン、608…音量ボタン、610…電源ボタン、612…連結部、614…拡幅部、616…耳かけ部、618…通信ケーブル接続端子、619…先頭部、620…通信ユニット部、622…通話ボタン、624…Wi-Fi通信表示、626…LTE表示、628…GPS表示、630…係止部、632…通信ケーブル接続端子、640…二次バッテリ、650…通信ケーブル、80…制御部、81…表示画面受付部、82…管理者端末表示部、83…出力音声受付部、84…音声発生部、85…伝達音声入力部、86…伝達音声送出部、90…行動情報提供要求部、91…行動情報受付部、93…管理者端末記憶部、94…被介護者情報提供要求部、95…被介護者情報受付部、98…入力部、99…通信部、800…画像表示画面、802…通常サイズの撮影画像、804…拡大撮影画像、810…メニュー表示部、812…画面選択ボタン、814…通話選択ボタン、816…一斉呼び出しボタン
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