(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156544
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071108
(22)【出願日】2023-04-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔1〕 公開日(実証実験の開始日) 2023年3月1日 公開場所 (イ)鎌倉ハンバーグ LaNai 3/9 (千葉県浦安市明海6丁目1-10トレードポート 1A) (ロ)la plage (千葉県浦安市明海6丁目1-10トレードポート 38-4) 〔2〕 公開日(チラシ配布日) 2023年3月1日 刊行物(チラシ) 紙版 :「リアルタイムプライス」イベントのチラシ 電子版:凸版印刷株式会社が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」にて、紙版と同一内容のチラシ
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523155489
【氏名又は名称】デロイトトーマツリスクアドバイザリー合同会社
(71)【出願人】
【識別番号】515202391
【氏名又は名称】デロイトトーマツコンサルティング合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】土谷 滝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝明
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】商業施設の混雑状況の検知結果をより活用すること。
【解決手段】情報処理システムは、商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサと、混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部と、混雑検知センサによる検知結果に基づいて、混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部と、価格情報設定部により設定された価格情報と商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部と、表示データ生成部により生成された表示データをネットワークを介して送信する送信部と、送信部から送信された表示データを取得し、取得した表示データに基づいて価格情報と商業施設の名称とを関連付けて表示する表示装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサと、
前記混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部と、
前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部と、
前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データ生成部により生成された前記表示データをネットワークを介して送信する送信部と、
前記送信部から送信された前記表示データを取得し、取得した前記表示データに基づいて前記価格情報と前記商業施設の名称とを関連付けて表示する表示装置と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記価格情報を、前記商業施設において決済を行う決済装置によって読み取り可能なコード情報として表示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示装置は、
決済機能を有するアプリケーションプログラムを実行可能な電子機器に備えられており、前記コード情報を前記アプリケーションプログラムの機能を用いて表示する。
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示装置は、
決済機能を有するアプリケーションプログラムを実行可能な電子機器に備えられており、
前記電子機器は、
前記決済機能を用いて前記価格情報を適用した決済処理を実行する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示データ生成部は、
前記価格情報と前記商業施設の名称と前記混雑状況とが関連付けられた前記表示データを生成し、
前記表示装置は、
取得した前記表示データに基づいて前記価格情報と前記商業施設の名称と前記混雑状況とを関連付けて表示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示装置は、
前記商業施設の検索機能を有するアプリケーションプログラムを実行可能な電子機器に備えられており、
前記電子機器は、
ユーザ入力により前記検索機能を用いて検索された前記商業施設に前記価格情報を関連付けて表示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記アプリケーションプログラムは、前記検索機能を用いて検索された前記商業施設の利用を予約する予約機能を有し、
前記電子機器は、
ユーザ入力により前記予約機能を用いて前記価格情報を適用した前記商業施設の利用を予約する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記電子機器は、
前記予約機能を用いて前記価格情報を適用した前記商業施設の利用を予約した場合、前記予約が有効な時間に制限を設け、
前記表示装置は、
前記予約が有効な時間を示す情報を表示する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記価格情報は、割引率を示す情報である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記価格情報は、価格を示す情報である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記価格情報設定部は、
前記混雑状況と価格情報とが関連付けられた情報を参照して、前記混雑状況に応じた価格情報を設定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記価格情報設定部は、
過去の前記商業施設内の混雑状況及び過去に設定された前記価格情報に基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記価格情報設定部は、
過去の前記商業施設内の混雑状況及び過去に設定された前記価格情報に加え、さらに天候データに基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定する、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部と、
前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部と、
前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データ生成部により生成された前記表示データを、ネットワークを介して接続される表示装置で表示可能に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項15】
情報処理システムにおける制御方法であって、
混雑検知センサが、商業施設内の混雑状況を検知するステップと、
検知結果取得部が、前記混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得するステップと、
価格情報設定部が、前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、
表示データ生成部が、前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、
送信部が、前記表示データ生成部により生成された前記表示データをネットワークを介して送信するステップと、
表示装置が、前記送信部から送信された前記表示データを取得し、取得した前記表示データに基づいて前記価格情報と前記商業施設の名称とを関連付けて表示するステップと、
を含む制御方法。
【請求項16】
情報処理装置としてのコンピュータに、
商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得するステップと、
前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、
設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、
生成された前記表示データを、ネットワークを介して接続される表示装置で表示可能に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの商業施設(店舗など)の混雑状況をセンサなどで検知して、当該施設へ行くことを検討している客や予約を検討している客に対して提示する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リアルタイムに商業施設の混雑状況を検知して提示することで、客にとってはどの商業施設を利用するかを検討する上で有益な情報となる。しかしながら、商業施設側にとっては混雑状況の検知結果を活用しきれていないと課題がある。
【0005】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、商業施設の混雑状況の検知結果をより活用する情報処理システム、情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサと、前記混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部と、前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部と、前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データ生成部により生成された前記表示データをネットワークを介して送信する送信部と、前記送信部から送信された前記表示データを取得し、取得した前記表示データに基づいて前記価格情報と前記商業施設の名称とを関連付けて表示する表示装置と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部と、前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部と、前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データ生成部により生成された前記表示データを、ネットワークを介して接続される表示装置で表示可能に送信する送信部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る情報処理システムにおける制御方法は、混雑検知センサが、商業施設内の混雑状況を検知するステップと、検知結果取得部が、前記混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得するステップと、価格情報設定部が、前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて、前記混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、表示データ生成部が、前記価格情報設定部により設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、送信部が、前記表示データ生成部により生成された前記表示データをネットワークを介して送信するステップと、表示装置が、前記送信部から送信された前記表示データを取得し、取得した前記表示データに基づいて前記価格情報と前記商業施設の名称とを関連付けて表示するステップと、を含む。
【0009】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、情報処理装置としてのコンピュータに、商業施設内の混雑状況を検知する混雑検知センサによる検知結果をネットワークを介して取得するステップと、前記混雑検知センサによる検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、設定された前記価格情報と前記商業施設の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、生成された前記表示データを、ネットワークを介して接続される表示装置で表示可能に送信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記態様によれば、商業施設の混雑状況の検知結果をより活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図2】第1の実施形態に係るコンピュータの概略構成の一例を示すブロック図。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理サーバの機能構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図4】第1の実施形態に係る価格設定情報の一例を示す図。
【
図5】第1の実施形態に係るダイナミックプライシング処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】第1の実施形態に係る表示データの表示例を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係る割引チケットの一例を示す図。
【
図8】第2の実施形態に係る店舗検索から決済までの流れの一例を示す図。
【
図9】第2の実施形態に係る店舗検索から決済までの処理の一例を示すフローチャート。
【
図10】第3の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図11】第3の実施形態に係るダイナミックプライシング処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理システムは、需要と供給の状況に合わせて価格を変動させるダイナミックプライシングの仕組みを飲食店などの商業施設に適用したシステムである。
【0013】
[システム構成・システムの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。この図を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの概要について説明する。図示する情報処理システム1は、店舗10と、情報処理サーバ20と、端末30とを備えている。
【0014】
店舗10は、飲食店などの商業施設の一例である。例えば、店舗10の店内には、テーブルと椅子がセットで設置された複数の席が設けられており、客によって注文された料理が当該客の席へ提供される。店舗10内の複数のテーブル(例えば、テーブルの下側)のそれぞれには、混雑検知センサ11が取り付けられている。混雑検知センサ11は、例えば近接する人の動きを検知する人感センサであり、テーブル毎に人の有無(着席状況)を所定の周期(例えば、10秒毎、1分毎など)で検知し、検知結果を親機12へ送信する。
【0015】
親機12は、ゲートウェイなどのネットワーク中継器であり、テーブル毎の混雑検知センサ11と情報処理サーバ20との通信を中継する。例えば、親機12は、テーブル毎の混雑検知センサ11のそれぞれと無線LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して通信する。また、親機12は、情報処理サーバ20とインターネットなどのネットワークを介して通信する。例えば、親機12は、テーブル毎の混雑検知センサ11から送信された着席状況の検知結果を受信し、情報処理サーバ20へ送信する。
【0016】
また、店舗10には、POS(Point Of Sale)レジスタ13が設置されている。POSレジスタ13は、登録した商品(例えば料理)の精算を行うために設定されている。例えば、POSレジスタ13は、店員が操作することで客が注文した料金の決済を行う決済装置14を含んで構成されている。なお、POSレジスタ13は、客が自ら操作を行うセルフレジであってもよい。また、店舗10には、POSレジスタ13に限らず、レジスタなどが設定されていてもよい。
【0017】
なお、
図1には、1つの店舗10を示しているが、複数の店舗10のそれぞれが同様の構成を備えており、それぞれの親機12を用いて情報処理サーバ20とネットワークを介して通信可能である。また、混雑検知センサ11は、テーブル毎に取り付けられた人感センサである例を説明したが、他のセンサを用いてもよい。例えば、混雑検知センサ11は、店舗10への入店および退店を検知して店舗10内の人数を計測するセンサであってもよいし、店舗10内を複数のエリアに区切って各エリアへの入退を検知して各エリア内の人数を計測するセンサであってもよい。また、混雑検知センサ11は、カメラであっても良く、店舗10に設置されたカメラの撮像画像から店舗10内の人数を検知するものであってもよい。
【0018】
情報処理サーバ20は、店舗10から送信された混雑検知センサ11の検知結果を取得し、取得した検知結果に基づいて店舗10の現在の混雑状況をリアルタイムに取得する。なお、情報処理サーバ20は、店舗10の現在の混雑状況を定期的(例えば、5分毎、1時間毎など)に取得しても良い。例えば、混雑状況は、店舗10内のテーブルの総数に対して、混雑検知センサ11により人が着席していると検知された数(以下、単に「検知数」と称する)の割合、即ち「混雑度」として表される。情報処理サーバ20は、検知数と混雑度とが関連付けられた情報を予め店舗10毎に記憶しておいてもよいし、店舗10毎のテーブルの総数を記憶しておき、テーブルの総数に対する検知数の割合を演算により算出してもよい。
【0019】
そして、情報処理サーバ20は、現在の混雑状況(混雑度)に応じた価格情報を設定する。例えば、情報処理サーバ20は、店内の客が少ないときには割引率を高くした価格情報を設定して集客効果を狙う。一方、店内が混雑しているときにはそれ以上割引して集客しても客が入れないため売り上げの改善効果が見込めない。そのため、情報処理サーバ20は、店内が混雑しているときには、例えば割引無しの価格情報に設定する。
【0020】
また、情報処理サーバ20は、店舗10の混雑状況に応じて設定した店舗10の価格情報を端末30に表示させるための表示データを生成する。例えば、端末30からの要求に応じて、情報処理サーバ20は、生成した表示データを端末30へ送信して表示させる。
【0021】
端末30は、情報処理システム1が提供するサービスを利用するユーザの電子機器であり、例えばスマートフォンなどの携帯可能な電子機器である。端末30は、インターネットなどのネットワークを介して情報処理サーバ20と通信する。また、端末30は、表示部31(表示装置の一例)を備えており、店舗10の現在の混雑状況、価格情報(例えば、割引率)などの情報を情報処理サーバ20から取得して表示部31に表示する。
【0022】
例えば、端末30は、商業施設の検索機能を有する専用のアプリケーションプログラム(以下では、「店舗検索アプリ」と称する)、或いは、商業施設の検索サイトに接続するブラウザなどのアプリケーションプログラム(以下では、「ブラウザ」と称する)を実行する。端末30は、店舗検索アプリまたはブラウザを用いてユーザ入力により検索された店舗10に現在の混雑状況、価格情報(例えば、割引率)などを関連付けて表示する。
【0023】
これにより、情報処理システム1は、店舗10の混雑状況をリアルタイムに検出して、混雑状況に応じた価格設定(例えば、割引率の設定)を行い、ユーザに提示することができる。よって、情報処理システム1は、店舗10の混雑状況の検知結果を活用し、店舗10の混雑の分散及び売り上げの最適化を図ることができる。
【0024】
なお、端末30は、スマートフォンに限らず、PC(Personal Computer)であってもよいし、街中または公共施設などに設置されているデジタルサイネージなどであってもよい。また、端末30は、音声デバイス、点灯ランプのようなアナログデバイスであってもよい。
【0025】
[ハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係るコンピュータの概略構成の一例を示すブロック図である。
例えば、情報処理サーバ20および端末30のそれぞれは、図示するコンピュータ100が備える各構成の一部又は全部を備えている。
【0026】
コンピュータ100は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、記憶装置104と、通信部105と、入力部106と、出力部107とを備えている。
【0027】
CPU101は、ROM103または記憶装置104に記憶されているプログラムを実行することにより各種の処理を実行するプロセッサである。
【0028】
RAM102は、CPU101が実行するプログラムの読み込み領域として、又は、当該プログラムによる処理に使用するデータを書き込む作業領域として利用される。
【0029】
ROM103は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。例えば、ROM103には、システムプログラム、各種処理を実行するプログラムなどの少なくとも一部が記憶されている。
【0030】
記憶装置104は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、などを含んで構成される。例えば、記憶装置104には、システムプログラム、各種処理を実行するプログラムなどの少なくとも一部が記憶されてもよい。また、記憶装置104には、各種のデータや前述の電子証明書などが記憶される。なお、記憶装置104として、SDメモリまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部メモリを使用しても良いし、クラウドのストレージサービスを使用しても良い。
【0031】
通信部105は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANによりネットワークに接続して、他の電子機器とデータ通信を行う。また、通信部105は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェースを備えて周辺機器類とデータ通信を行ってもよい。
【0032】
入力部106は、例えば、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マイクロフォンなどの入力デバイスを備えている。出力部107は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置やスピーカなどの出力デバイスなどを備えている。
【0033】
[情報処理サーバの機能構成]
次に、情報処理サーバ20の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理サーバ20の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理サーバ20は、例えばコンピュータ100(CPU101)が実行する機能構成として、検知結果取得部21と、混雑状況取得部22と、価格情報設定部23と、表示データ生成部24と、表示データ送信部25とを備えている。また、情報処理サーバ20は、例えば記憶装置104が処理に用いるデータを記憶する機能構成として、施設情報記憶部26と、価格設定情報記憶部27とを備えている。
【0034】
検知結果取得部21は、店舗10内の混雑状況を検知する混雑検知センサ11による検知結果を、ネットワークを介して取得する。例えば、混雑検知センサ11による検知結果とは、例えば、店舗10内のテーブル毎の人の有無を示す着席状況の検知結果である。店舗10から送信される混雑検知センサ11による検知結果には、当該店舗10の識別情報が関連付けられている。
【0035】
例えば、施設情報記憶部26には、情報処理システム1を利用する店舗10などの商業施設の施設情報が記憶されている。施設情報には、店舗10の識別情報(施設の識別情報)、名称、テーブルの総数などの情報が含まれる。なお、施設情報には、店舗10のメニュー、アクセスマップ、営業日(休業日)、営業時間などの各種情報が含まれても良い。検知結果取得部21は、混雑検知センサ11による検知結果に関連付けられている識別情報に基づいて、どの店舗10の検知結果であるかを認識できる。
【0036】
混雑状況取得部22は、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて、店舗10の混雑状況を取得する。例えば、混雑状況取得部22は、店舗10毎に検知数と混雑状況(例えば、混雑度)とが関連付けられた情報(後述の
図4参照)を参照して、混雑検知センサ11による検知結果(例えば、検知数)に関連付けられている混雑状況(例えば、混雑度)を取得する。なお、混雑状況取得部22は、店舗10毎のテーブルの総数を記憶しておき、テーブルの総数に対する検知数の割合を算出することにより混雑状況(例えば、混雑度)を取得してもよい。
【0037】
価格情報設定部23は、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて、現在の混雑状況に応じた価格情報を設定する。例えば、価格情報設定部23は、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて混雑状況取得部22が取得した混雑状況(例えば、混雑度)に応じた価格情報を設定する。ここで、価格情報とは、例えば割引率を示す情報である。例えば、価格情報設定部23は、混雑度が低いときには通常価格よりも低価格になるように割引率を高く設定する。一方、価格情報設定部23は、混雑度が高いときには通常価格または通常価格に近い価格になるように割引無し(割引率0%)に設定または割引率を低く設定する。
【0038】
例えば、価格情報設定部23は、混雑状況と価格情報とが関連付けられた情報(以下、「価格設定情報」と称する)を参照して、混雑状況(例えば、混雑度)に応じた価格情報を設定する。価格設定情報記憶部27に記憶されている価格設定情報の例を
図4に示す。
【0039】
図4は、本実施形態に係る価格設定情報の一例を示す図である。この図は、価格設定情報記憶部27に記憶されている1つの店舗10の価格設定情報を示しており、このような価格設定情報が店舗10毎に店舗10の識別情報と関連付けられて記憶されている。図示する価格設定情報の例では、混雑状況(例えば、混雑度)と、検知結果(例えば、検知数)と、価格情報(例えば、割引率)とが関連付けられて設定されている。ここでは、店舗10のテーブルの総数は16であり、検知数が16のときに混雑度が100%である。
【0040】
例えば、検知結果(例えば、検知数)が0~1の場合、混雑度が0~10%であり、割引率が15%に設定される。また、例えば検知結果(例えば、検知数)が9~16の場合、混雑度が51~100%であり、割引率が0%に設定される。
【0041】
なお、価格情報設定部23が設定する価格情報は、割引率に限定されるものではなく、価格そのものを示す情報(例えば、割引後の価格、割引無しの価格などの情報)であってもよい。また、価格情報設定部23が設定する価格情報は、割引率に限定されるものではなく、割増率であってもよい。例えば、上記の割引率を割増率として表しても良いし、混雑度が高いときには通常価格よりも高価格になるように割増率を高く設定しても良い。
【0042】
表示データ生成部24は、価格情報設定部23により設定された価格情報と店舗10の名称とが関連付けられた表示データを生成する。なお、表示データ生成部24は、価格情報と商業施設の名称と混雑状況(現在の混雑状況)とが関連付けられた表示データを生成してもよい。また、表示データ生成部24は、表示データを生成する際に、店舗10の外観写真、店内写真、メニュー、地図(MAP)などの情報を含めても良い。
【0043】
表示データ送信部25(送信部の一例)は、表示データ生成部24により生成された表示データを、ネットワークを介して接続される端末30で表示可能に送信する。例えば、端末30で店舗検索アプリまたはブラウザを用いてユーザ入力により検索された店舗10の表示データを、端末30からの要求に応じて送信する。
【0044】
[処理の動作]
次に、情報処理システム1において店舗10の混雑状況に応じて価格情報を変更してユーザに提示するダイナミックプライシング処理の動作について説明する。
図5は、本実施形態に係るダイナミックプライシング処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
(ステップS101)情報処理サーバ20は、店舗10から混雑検知センサ11の検知結果を、ネットワークを介して取得する。例えば、情報処理サーバ20は、店舗10において所定の周期で検知される混雑検知センサ11の検知結果を店舗10から取得する。そして、ステップS103の処理へ進む。
【0046】
(ステップS103)情報処理サーバ20は、ステップS101で取得した検知結果に基づいて、店舗10の混雑状況を取得する。例えば、情報処理サーバ20は、
図4に示す価格設定情報を参照して、ステップS101で取得した検知結果(例えば、検知数)に関連付けられている混雑状況(例えば、混雑度)を取得する。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0047】
(ステップS105)情報処理サーバ20は、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて、現在の混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を設定する。例えば、情報処理サーバ20は、
図4に示す価格設定情報を参照して、ステップS101で取得した検知結果(例えば、検知数)に基づく混雑状況に関連付けられている価格情報(例えば、割引率)を設定する。そして、ステップS107の処理へ進む。
【0048】
(ステップS107)情報処理サーバ20は、ステップS105で設定された価格情報(例えば、割引率)を含む表示データを生成する。例えば、情報処理サーバ20は、店舗10の名称、混雑状況(現在の混雑状況)、価格情報(例えば、割引率)、及び店舗10に関する各情報などが関連付けられた表示データを生成する。そして、ステップS109の処理へ進む。
【0049】
(ステップS109)情報処理サーバ20は、ステップS107で生成した表示データを端末30からの要求に応じて送信する。例えば、端末30で店舗検索アプリまたはブラウザを用いてユーザ入力により店舗10が検索された場合、検索された店舗10の表示データの要求が端末30からなされる。この端末30からの要求に応じて、情報処理サーバ20は、要求された店舗10の表示データを端末30へ送信する。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0050】
(ステップS111)端末30は、ステップS109で情報処理サーバ20から送信された表示データを取得し、取得した表示データに基づいて、店舗10の現在の価格情報(例えば、割引率)を含む表示データを表示部31に表示する。例えば、端末30は、店舗10の名称、混雑状況(現在の混雑状況)、価格情報(例えば、割引率)、及び店舗10に関する各情報などが関連付けられた表示データを表示部31に表示する。
【0051】
図6は、本実施形態に係る表示データの表示例を示す図である。この図は、ユーザが端末30において店舗検索アプリまたはブラウザなどを用いて飲食店の検索を行ったときに表示部31に表示される検索結果の表示画面である。検索は、地域、ジャンル、キーワードなどのいずれかまたは組合せによる検索が可能であってもよい。この図では、検索結果として2件の飲食店が表示されている。それぞれ、飲食店の店舗10の名称(焼肉△△、〇×ダイニング)と、名称の下に各店舗10の写真と、当該写真内に各店舗10の所在地を示す地図を表示させる操作子のアイコン(MAP)とが表示されている。
【0052】
また、各店舗10の写真の右側には、それぞれの現在の混雑状況(例えば、混雑度)と価格情報(例えば、割引率)とが表示される。ここでは、3種類の混雑度(0~10%、21~30%、31~50%)と、それぞれの混雑度に応じた割引率(15% OFF、8% OFF、5% OFF)の表示例を示している。
【0053】
なお、割引無しに設定されているときは、価格情報は表示しなくてもよい。また、混雑状況は、文字(数値)で表示する以外の任意の表示方法とすることができる。例えば、混雑状況(例えば、混雑度)に応じてアイコンの絵柄または数が変化する表示としても良いし、混雑状況(例えば、混雑度)に応じてバーの長さが変化する表示として良い。また、混雑状況(例えば、混雑度)は表示されなくてもよく、少なくとも店舗10の名称と価格情報とが表示されてもよい。
【0054】
このように、端末30は、ユーザ入力(操作入力、音声入力など)により店舗検索アプリまたはブラウザなどの検索機能を用いて検索された飲食店などの店舗10に価格情報を関連付けて表示する。ユーザは、端末30で検索された飲食店の混雑状況及び価格情報を確認し、どの飲食店を利用するか検討できる。ユーザが客として実際に飲食店を利用する際には、飲食店の店舗10に入店したときに、入店した店舗10の価格情報(例えば、割引率)が表示されている端末30の表示画面を店員に見せることで、その価格情報(例えば、割引率)で利用できる。例えば、価格情報(例えば、割引率)が表示されている端末30の表示画面をユーザが店員に見せると、その価格情報(例えば、割引率)が記載された割引チケットを店員から受け取る。この割引チケットは、紙などに印字されたものであり、例えば、来店したユーザ(客)に渡せるように店舗10で予め用意されている。なお、店舗10の店頭に端末30と同じ情報を表示するタブレットPCなどが置かれ、店員が割引率を確認しても良い。端末30とタブレットPCは、同じ情報処理サーバ20にアクセスしているため、どちらを参照しても割引率は同じになる。また、割引チケットは、紙などに印字されたものに限らず、価格情報(例えば、割引率)がわかるものであれば任意のものを使用することができる。例えば、割引チケットは、割引率によって色分けされた札(例えば、プラスチック片など)であってもよい。
【0055】
図7は、本実施形態に係る割引チケットの一例を示す図である。割引チケットには、価格情報(例えば、割引率)、使用方法などが印字されている。例えば、POSレジスタ13で会計する際に割引チケットをレジ係の店員に渡すことで、価格情報(例えば、割引率)が適用される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1は、店舗10(商業施設の一例)内の混雑状況を検知する混雑検知センサ11と、混雑検知センサ11による検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部21と、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて、混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部23とを備えている。また、情報処理システム1は、価格情報設定部23により設定された価格情報と店舗10の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部24と、表示データ生成部24により生成された表示データをネットワークを介して送信する表示データ送信部25(送信部の一例)とを備えている。また、情報処理システム1は、表示データ送信部25から送信された表示データを取得し、取得した表示データに基づいて価格情報と商業施設の名称とを関連付けて表示する表示部31(表示装置の一例)を備えている。
【0057】
これにより、情報処理システム1は、店舗10の混雑状況の検知結果を取得して、検知結果(混雑状況)に応じて価格を変更するとともに、変更した価格をユーザがネットワークを介して確認できるようにしたため、店舗10の混雑状況の検知結果をより活用することができる。例えば、情報処理システム1は、店内の客が少ないときには割引率を高くして集客効果を狙うことや、店内が混雑しているときにはそれ以上集客しても客が入れず売り上げの改善効果が見込めないことから割引無しにすることができるため、混雑の分散及び店舗10の売り上げの最適化などを図ることができる。
【0058】
例えば、従来は航空券やホテルの価格をハイシーズンとローシーズンで需給に応じて変えるダイナミックプライシングの仕組みはあったが、本実施形態に係る情報処理システム1では、比較的小規模な飲食店などの店舗10に対しても、混雑状況に応じて価格を変えるダイナミックプライシングの仕組みを新たに導入することができる。
【0059】
例えば、表示データ生成部24は、店舗10の名称と価格情報と混雑状況とが関連付けられた表示データを生成する。表示部31は、取得した表示データに基づいて店舗10の名称と価格情報と混雑状況とを関連付けて表示する。
【0060】
これにより、情報処理システム1は、店舗10の名称と価格情報と混雑状況とをユーザがネットワークを介して確認できるため、どの飲食店を利用するか検討する際に有益な情報をユーザに提示できる。
【0061】
例えば、表示部31は、店舗10の検索機能を有するアプリケーションプログラム(例えば、店舗検索アプリ、ブラウザなど)を実行可能な端末30(電子機器の一例)に備えられている。端末30は、ユーザ入力により上記検索機能を用いて検索された店舗10に価格情報を関連付けて表示する。
【0062】
これにより、情報処理システム1は、ユーザが端末30で店舗検索アプリやブラウザなどを用いて飲食店などを検索した際に、検索結果に表示された飲食店の価格情報がわかるため、利便性が良い。
【0063】
例えば、上記の価格情報は、割引率を示す情報である。
【0064】
これにより、情報処理システム1は、店舗10の混雑状況に応じて割引率を変更し、変更した割引率をユーザがネットワークを介して確認できる。
【0065】
なお、上記の価格情報は、価格を示す情報であってもよい。
【0066】
これにより、情報処理システム1は、店舗10の混雑状況に応じて価格を変更し、変更した価格をユーザがネットワークを介して確認できる。
【0067】
また、価格情報設定部23は、例えば、混雑状況と価格情報とが関連付けられた価格設定情報(
図4参照)を参照して、混雑状況に応じた価格情報を設定する。
【0068】
これにより、情報処理システム1は、混雑状況に応じて予め設定された適切な価格情報に設定できるため、混雑の分散及び店舗10の売り上げの最適化などを図ることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る情報処理サーバ20(情報処理装置の一例)は、店舗10(商業施設の一例)内の混雑状況を検知する混雑検知センサ11による検知結果をネットワークを介して取得する検知結果取得部21と、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定する価格情報設定部23とを備えている。また、情報処理サーバ20は、価格情報設定部23により設定された価格情報と店舗10の名称とが関連付けられた表示データを生成する表示データ生成部24と、表示データ生成部24により生成された表示データを、ネットワークを介して接続される表示部31(表示装置の一例)で表示可能に送信する表示データ送信部25(送信部の一例)とを備えている。
【0070】
これにより、情報処理サーバ20は、店舗10の混雑状況の検知結果を取得して、検知結果(混雑状況)に応じて価格を変更するとともに、変更した価格をユーザがネットワークを介して確認できるようにしたため、店舗10の混雑状況の検知結果をより活用することができる。例えば、情報処理サーバ20は、店内の客が少ないときには割引率を高くして集客効果を狙うことや、店内が混雑しているときにはそれ以上集客しても客が入れず売り上げの改善効果が見込めないことから割引無しにすることができるため、混雑の分散及び店舗10の売り上げの最適化などを図ることができる。
【0071】
また、本実施形態に係る情報処理システム1における制御方法は、混雑検知センサ11が商業施設内の混雑状況を検知するステップと、検知結果取得部21が混雑検知センサ11による検知結果をネットワークを介して取得するステップと、価格情報設定部23が、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、表示データ生成部24が、価格情報設定部23により設定された価格情報と店舗10の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、表示データ送信部25(送信部の一例)が、表示データ生成部24により生成された表示データをネットワークを介して送信するステップと、表示部31(表示装置の一例)が、表示データ送信部25から送信された表示データを取得し、取得した表示データに基づいて価格情報と店舗10の名称とを関連付けて表示するステップと、を含む。
【0072】
これにより、情報処理システム1における制御方法は、店舗10の混雑状況の検知結果を取得して、検知結果(混雑状況)に応じて価格を変更するとともに、変更した価格をユーザがネットワークを介して確認できるようにしたため、店舗10の混雑状況の検知結果をより活用することができる。例えば、情報処理システム1における制御方法は、店内の客が少ないときには割引率を高くして集客効果を狙うことや、店内が混雑しているときにはそれ以上集客しても客が入れず売り上げの改善効果が見込めないことから割引無しにすることができるため、混雑の分散及び店舗10の売り上げの最適化などを図ることができる。
【0073】
また、本実施形態に係るプログラムは、情報処理サーバ20(情報処理装置の一例)としてのコンピュータに、店舗10(商業施設の一例)内の混雑状況を検知する混雑検知センサ11による検知結果をネットワークを介して取得するステップと、混雑検知センサ11による検知結果に基づいて混雑状況に応じた価格情報を設定するステップと、設定された価格情報と店舗10の名称とが関連付けられた表示データを生成するステップと、生成された表示データを、ネットワークを介して接続される表示部31(表示装置の一例)で表示可能に送信するステップと、を実行させる。
【0074】
これにより、情報処理サーバ20は、店舗10の混雑状況の検知結果を取得して、検知結果(混雑状況)に応じて価格を変更するとともに、変更した価格をユーザがネットワークを介して確認できるようにしたため、店舗10の混雑状況の検知結果をより活用することができる。例えば、情報処理サーバ20は、店内の客が少ないときには割引率を高くして集客効果を狙うことや、店内が混雑しているときにはそれ以上集客しても客が入れず売り上げの改善効果が見込めないことから割引無しにすることができるため、混雑の分散及び店舗10の売り上げの最適化などを図ることができる。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、店舗10の混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)をユーザが利用する際には、入店したときに端末30の表示画面を店員に見せて割引チケットを受け取り、会計する際に割引チケットをレジ係の店員に渡す方法を説明した。本実施形態では、例えば、店舗検索アプリと決済アプリとが連係し、ユーザが店舗検索アプリで検索した店舗10の混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を、ユーザが普段利用している決済アプリに適用して決済できる方法を説明する。
【0076】
本実施形態に係る情報処理システム1の基本的な構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略し、ここでは、本実施形態の特徴的な処理について説明する。
【0077】
図8は、本実施形態に係る店舗検索から決済までの流れの一例を示す図である。この図に示す(A)店舗検索、(B)予約、(C)決済、(D)還元の順に、端末30の表示部31に表示される画面を参照して説明する。
【0078】
(A)店舗検索
店舗検索アプリによる検索画面の一例である。この画面は、第1の実施形態で説明した
図6の検索結果が表示されている画面に対応する別の例である。この例では、現在地の周辺にある飲食店の検索(周辺店舗検索)結果が地図とともに表示されている。また、検索結果に対して情報処理サーバ20から送信された表示データに基づく混雑状況及び価格情報が関連付けられて表示されている。
【0079】
例えば、1件目の検索結果として、店舗10の名称「焼肉△△」と、混雑状況「空席あり」と、価格情報「10%引き」とが関連付けられて表示されている。また、2件目以降の検索結果は、画面を上方向へスクロールさせることで、順に表示されていく。ユーザは、この画面を見ることで、周辺店舗の混雑状況と価格情報とを確認できる。なお、検索結果の並びについては、現在地に近い店舗順であってもよいし、過去の来店履歴などに基づいてユーザの好みの店舗が優先されて上に表示されてもよい。
【0080】
(B)予約
この図は、上記(A)の検索画面に表示されている検索結果の中からユーザにより選択された店舗10の予約画面の一例である。例えば、検索結果として(A)の検索画面に表示されている店舗10の名称「焼肉△△」の部分にユーザがタッチ操作すると、この(B)に示すように、タッチ操作により選択された店舗10(「焼肉△△」)の予約画面が表示される。「10%引きで利用する」と記載されているアイコンB1は、この店舗10の利用を予約するための操作子として表示されており、現在の価格情報が表示されている。また、アイコンB1の下には、この価格情報での予約が有効な時間を示す情報(ここでは、「このオファーは、あと、3:56有効です」)が表示されている。例えば、有効時間内にアイコンB1に対してユーザがタッチ操作すると、この店舗10(「焼肉△△」)を利用する際の価格情報(10%引き)が適用された予約が確定される。
【0081】
なお、一旦の確定された予約は、永遠に有効となるわけではなく、予約が有効な時間に制限が設けられてもよい。例えば、予約が有効な時間として、15分、30分などの制限が設けられる。これにより、混雑状況があまり変化しない時間の範囲内で、混雑状況に応じて設定された価格情報を適用することができる。また、この予約が有効な時間を示す情報が、予約が確定されたときに表示されてもよい。
【0082】
(C)決済
この図は、上記(B)の予約画面で予約を確定した後にユーザが店舗10(「焼肉△△」)を利用して会計をする際に、決済手段を選択するための決済手選択画面を示している。この(C)に示す決済手選択画面の例では、決済手段(例えば、決済アプリ)の選択肢と、選択肢を選択するためのラジオボタンと、選択した決済アプリでの支払い額が記載されたアイコンB2とが表示されている。選択肢として表示される決済アプリは、ユーザが端末30で利用可能に設定されている決済アプリのうち、店舗検索アプリと連係を許可する設定がされているものである。
【0083】
アイコンB2は、選択された決済アプリでの決済を実行するための操作子として表示されている。アイコンB2に対してユーザがタッチ操作すると、選択されている決済アプリが連係して起動し、予約された価格情報で決済可能となる。このとき、予約のときに確定された価格情報(10%引き)のクーポンコード(例えば、バーコード)などのコード情報が決済アプリに表示され、決済のときに店員が決済装置14でクーポンコードを読み取ることで、価格情報(10%引き)が適用された決済が可能となる。
【0084】
なお、クーポンコードは、決済アプリではなく店舗検索アプリで表示されてもよい。例えば、店舗検索アプリに表示されたクーポンコードを店員が決済装置14で読み取った後に、手動または自動で決済アプリが起動してもよい。
【0085】
また、決済アプリの起動方法は、店舗10内に設置されている2次元コードなどのコード情報(決済アプリに対応するコード情報)を端末30で読み取る方法としてもよい。例えば、アイコンB2に対してユーザがタッチ操作すると、コード情報の読み取り機能が店舗検索アプリ内で起動し、店舗10内に設置されているコード情報を読み取ることで決済アプリが起動しても良い。
【0086】
また、価格情報(10%引き)の適用方法としては、クーポンコードの表示に限られるものではない。例えば、価格情報(10%引き)が適用された価格(割引後の価格)が決済アプリに自動で設定されて決済が可能となってもよい。また、そもそも価格情報が割引後の価格である場合は、その割引後の価格が決済アプリに設定されて決済が可能となってもよい。また、価格情報が価格を変更する内容ではなく、決済後に利用できるポイントで還元されるものであってもよい。ポイントは、次回以降の決済時の支払いに充当できるものであり、使用期限のあるものであってもよいし、使用期限の無いものであってもよい。
【0087】
(D)還元
この図は、ポイントで還元される場合の決済完了画面の一例である。(D)に示す決済完了画面の例では、決済時の支払額、店舗名、決済日時など決済情報と、今回の決済で還元されたポイント数の情報とが表示される。ここでは、ユーザは、支払額の10%分の120ポイントを獲得している。例えば、ユーザが獲得したポイントは、決済に使用した決済アプリに蓄積され、次回以降の決済時の支払いで使用できる。
【0088】
なお、
図8に示す各画面に表示される内容及び文などは一例であって、これに限られるものではない。
【0089】
次に、端末30が実行する店舗検索アプリと決済アプリとが連係して、店舗検索から混雑状況に応じた価格情報を適用した決済を行うまでの処理の動作を説明する。
図9は、本実施形態に係る店舗検索から決済までの処理の一例を示すフローチャートである。
【0090】
(ステップS201)端末30は、店舗検索アプリの機能を用いてユーザ入力により検索された店舗10の価格情報(例えば、割引率)を含む検索結果を表示部31に表示する。例えば、端末30は、検索された店舗10の混雑状況及び価格情報が含まれる表示データを情報処理サーバ20から取得し、取得した表示データに基づいて店舗10の名称、混雑状況、価格情報(例えば、割引率)、及び店舗10に関する各情報(例えば、地図情報)などが関連付けられた検索結果を検索画面として表示部31に表示する(
図8の(A)参照)。そして、ステップS203へ進む。
【0091】
(ステップS203)端末30は、ステップS201で表示した検索画面の検索結果の中からいずれかの店舗10がユーザにより選択されると、選択された店舗10の予約画面を表示部31に表示する(
図8の(B)参照)。そして、ステップS205へ進む。
【0092】
(ステップS205)端末30は、ステップS203で表示した予約画面において、ユーザにより利用の予約がされると、選択された店舗10を利用する際の価格情報(例えば、割引率、
図8(B)では10%引き)が適用された予約を確定する。そして、ステップS207へ進む。
【0093】
(ステップS207)ユーザは、ステップS205において予約を確定した後に店舗10を利用して会計をする際に、端末30を用いて決済手段を選択する。例えば、端末30は、決済手選択画面(
図8の(C)参照)においてユーザにより選択された決済手段の決済アプリを連携して起動し、予約されたときの価格情報(例えば、割引率)を適用した決済を可能とする。そして、ステップS209へ進む。
【0094】
(ステップS209)端末30は、起動した決済アプリで、価格情報(例えば、割引率)を適用した価格で決済処理を実行する。例えば、端末30は、予約のときに確定された価格情報のコード情報を決済アプリで表示する。店員が決済装置14でクーポンコードを読み取ることで、価格情報が適用された決済処理が行われる。
【0095】
なお、上述したように、決済アプリの起動方法及び価格情報の適用方法は、他の方法としてもよい。
【0096】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1において、表示部31(表示装置の一例)は、店舗10の混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を、店舗10(商業施設の一例)において決済を行う決済装置14によって読み取り可能なコード情報(例えば、クーポンコード)として表示する。
【0097】
これにより、情報処理システム1は、第1の実施形態のように来店した客に渡す割引チケットを用意する必要がなく、混雑状況に応じて設定された価格情報(例えば、割引率)を適用して決済を行うことができる。
【0098】
また、表示部31は、決済機能を有する決済アプリを実行可能な端末30(電子機器の一例)に備えられており、コード情報を決済アプリの機能を用いて表示する。
【0099】
これにより、情報処理システム1は、ユーザが普段利用している決済アプリを用いて、混雑状況に応じて設定された価格情報(例えば、割引率)を適用して決済を行うことができる。
【0100】
なお、表示部31は、決済機能を有する決済アプリを実行可能な端末30(電子機器の一例)に備えられており、端末30は、決済アプリの決済機能を用いて価格情報(例えば、割引率)を適用した決済処理を実行しても良い。
【0101】
これにより、情報処理システム1は、混雑状況に応じて設定された価格情報(例えば、割引率)を適用して決済を行うことができる。
【0102】
また、端末30は、店舗10の検索機能を有する店舗検索アプリを実行する。この店舗検索アプリは、検索機能を用いて検索された店舗10(商業施設の一例)の利用を予約する予約機能を有してもよい。例えば、端末30は、ユーザ入力により店舗検索アプリの予約機能を用いて価格情報(例えば、割引率)を適用した店舗10の利用を予約する。
【0103】
これにより、情報処理システム1は、ユーザが店舗検索を行ったときの混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)で店舗10の利用をリアルタイムに予約できるため、利便性が良い。
【0104】
また、端末30は、店舗検索アプリの予約機能を用いて価格情報(例えば、割引率)を適用した店舗10の利用を予約した場合、予約が有効な時間に制限を設けてもよい。また、端末30の表示部31は、予約が有効な時間を示す情報を表示しても良い。
【0105】
これにより、情報処理システム1は、混雑状況があまり変化しない時間の範囲内で、混雑状況に応じて設定された価格情報(例えば、割引率)を適用することができるとともに、予約が有効な時間をユーザが確認できるため利便性が良い。
【0106】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、混雑状況と価格情報とが関連付けられた価格設定情報を参照して、混雑状況に応じた価格情報を設定する例を説明したが、本実施形態では、機械学習を用いて混雑状況に応じた価格情報を設定する例を説明する。
【0107】
図10は、本実施形態に係る情報処理システム1Aのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。この図において、
図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理システム1Aは、店舗10と、情報処理サーバ20と、端末30と、価格演算サーバ40と、データサーバ50とを備えており、価格演算サーバ40と、データサーバ50とを備える点が
図1に示す構成と異なる。
【0108】
価格演算サーバ40およびデータサーバ50のそれぞれは、
図2に示すコンピュータ100が備える各構成の一部又は全部を備えている。価格演算サーバ40は、情報処理サーバ20とインターネットなどのネットワークを介して通信する。また、価格演算サーバ40は、データサーバ50とインターネットなどのネットワークを介して通信する。
【0109】
本実施形態では、情報処理サーバ20の価格情報設定部23は、混雑検知センサ11による検知結果に基づく店舗10の混雑状況を示す店舗混雑データを価格演算サーバ40へ送信する。
【0110】
価格演算サーバ40は、情報処理サーバ20から送信された店舗混雑データを取得すると、混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)をAI(Artificial Intelligence)を用いて算出して情報処理サーバ20へ送信する。例えば、価格演算サーバ40は、過去の店舗10内の混雑状況及び過去に設定された価格情報に基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、混雑状況に応じた価格情報を算出して情報処理サーバ20へ送信する。
【0111】
なお、価格演算サーバ40は、データサーバ50から天候データなどを取得し、混雑状況及び価格情報に加えてさらに天候データなどに基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、現在の天候または天気予報などを考量して混雑状況に応じた価格情報を算出してもよい。
【0112】
また、価格演算サーバ40は、混雑状況に応じて算出した価格情報を店舗10に適用して運用したときの実際の集客数及び売上額(例えば、1日単位の売上額、1週間単位の売上額など)をフィードバックしてさらに機械学習された学習済モデルを用いて、混雑状況に応じた価格情報を算出してもよい。
【0113】
なお、価格演算サーバ40は、自身が学習装置を備えて学習済モデルを生成してもよいし、他の学習装置で学習された学習済モデルを用いてもよい。
【0114】
データサーバ50は、ネットワークを介して天候データなどを提供する。なお、データサーバ50は、天候データ以外の各種データを提供するサーバであってもよく、複数のサーバが含まれても良い。
【0115】
情報処理サーバ20の価格情報設定部23は、価格演算サーバ40により算出された混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を取得し、混雑状況に応じた価格情報を設定する。
【0116】
次に、情報処理システム1Aにおいて店舗10の混雑状況に応じて価格情報を変更してユーザに提示するダイナミックプライシング処理の動作について説明する。
図11は、本実施形態に係るダイナミックプライシング処理の一例を示すフローチャートである。
【0117】
なお、ステップS301、S303の処理は、
図5のステップS101、S103の処理と同様であり、情報処理サーバ20は、店舗10から混雑検知センサ11の検知結果をネットワークを介して取得し、取得した検知結果に基づいて、店舗10の混雑状況を取得する。そして、ステップS305の処理へ進む。
【0118】
(ステップS305)情報処理サーバ20は、ステップS303で取得した店舗10の混雑状況に基づいて、店舗10の混雑状況を示す店舗混雑データを価格演算サーバ40へ送信する。そして、ステップS307の処理へ進む。
【0119】
(ステップS307)価格演算サーバ40は、情報処理サーバ20から送信された店舗混雑データを取得する。そして、ステップS309の処理へ進む。
【0120】
(ステップS309)価格演算サーバ40は、取得した店舗混雑データに基づいて、混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を、AIを用いて算出する。例えば、価格演算サーバ40は、過去の店舗10内の混雑状況及び過去に設定された価格情報に基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を算出する。
【0121】
なお、価格演算サーバ40は、データサーバ50から天候データなどを取得し、混雑状況及び価格情報に加えてさらに天候データなどに基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、現在の天候または天気予報などを考量して混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を算出してもよい。
【0122】
そして、価格演算サーバ40は、算出した混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を情報処理サーバ20へ送信し、ステップS311の処理へ進む。
【0123】
(ステップS311)情報処理サーバ20は、価格演算サーバ40から送信された混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を取得して設定する。
【0124】
以降のステップS313、S315、S317の処理は、
図5のステップS107、S109、S111の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0125】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1Aにおいて、情報処理サーバ20の価格情報設定部23は、過去の店舗10(商業施設の一例)内の混雑状況及び過去に設定された価格情報(例えば、割引率)に基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を設定する。
【0126】
これにより、情報処理システム1Aは、店舗10の混雑状況の検知結果を取得して、検知結果(混雑状況)に基づいて、AIを用いて最適な価格に変更することができる。
【0127】
また、価格情報設定部23は、過去の店舗10の混雑状況及び過去に設定された価格情報に加え、さらに天候データに基づいて機械学習された学習済モデルを用いて、混雑状況に応じた価格情報(例えば、割引率)を設定しても良い。
【0128】
これにより、情報処理システム1Aは、現在の天候の状態やこの先の天候の変化を考慮して混雑状況に応じた最適な価格に変更することができる。
【0129】
また、例えば飲食店において、現在11時45分で混雑していないが待っていれば昼食の時間になって客が来ることが想定されるような状況がある。単に現在の混雑状況のみで割引率を設定すると、客が増えることがわかっているのに割引率を高く設定してしまうことになり望ましくない。そこで、情報処理システム1Aでは、AIを用いて混雑状況の時系列の変化を含めて学習させることで、現在の混雑状況のみでなくその後の混雑状況の変化も予測して割引率を設定してもよい。
【0130】
以上、この発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の各実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0131】
なお、上述の実施形態では、飲食店などの店舗10を商業施設の例として、店舗10の混雑状況に応じて価格情報を変更する構成を説明したが、飲食店などの店舗10以外の商業施設について上記実施形態に係る混雑状況に応じて価格情報を変更する構成を適用してもよい。例えば、遊技場などの商業施設の混雑状況に応じて価格情報を変更する構成としてもよい。また、商業施設は、単体の商業施設であっても良いし、複合施設内の商業施設であっても良い。また、商業施設には、無人販売機なども含まれる。
【0132】
また、上述の実施形態で説明した情報処理サーバ20と、価格演算サーバ40と、データサーバ50とのそれぞれは、一つのサーバで構成されても良いし、複数のサーバで構成されても良い。また、情報処理サーバ20と、価格演算サーバ40とは、一つのサーバで構成されても良い。また、データサーバ50の一部又は全部が情報処理サーバ20または価格演算サーバ40に含まれても良い。また、情報処理サーバ20、価格演算サーバ40、及びデータサーバ50は、クラウドサーバとして構成されても良い。
【0133】
なお、上述した情報処理サーバ20、端末30、価格演算サーバ40、及びデータサーバ50の各機器は、内部にコンピュータシステム(コンピュータ100)を有している。そして、上述した各機器が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した各機器が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0134】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に各機器が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0135】
また、上述した実施形態における情報処理サーバ20、端末30、価格演算サーバ40、及びデータサーバ50の各機器が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0136】
10 店舗、11 混雑検知センサ、12、親機、13 POSレジスタ、20 情報処理サーバ、21 検知結果取得部、22 混雑状況取得部、23 価格情報設定部、24 表示データ生成部、25 表示データ送信部、26 施設情報記憶部、27 価格設定情報記憶部、30 端末、40 価格演算サーバ、50 データサーバ、100 コンピュータ、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 記憶装置、105 通信部、106 入力部、107 出力部