(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156549
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】植物育成用物質の製造方法、植物育成方法、及び、資源循環モデルの実施方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/04 20060101AFI20241029BHJP
G07F 9/10 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B01J20/04 C
G07F9/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071116
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521233563
【氏名又は名称】株式会社Eプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 剛
(72)【発明者】
【氏名】廣田 武次
【テーマコード(参考)】
3E044
4G066
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DA10
3E044DE01
3E044EA20
3E044EB02
3E044FB03
3E044FB15
4G066AA17B
4G066BA13
4G066BA20
4G066CA35
4G066DA03
(57)【要約】
【課題】自動販売機を活用し、二酸化炭素を植物育成のための資源として活用できるようにすることで、温室効果ガス対策に貢献できる新規な技術を提供する。
【解決手段】CO
2吸着材を製造する工程と、自動販売機にCO
2吸着材を設置する工程と、自動販売機にて、CO
2吸着材にCO
2を固定させる工程と、CO
2吸着材を自動販売機から回収する工程と、を含む、植物育成用物質の製造方法とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
を含む、植物育成用物質の製造方法。
【請求項2】
回収したCO2吸着材を植物育成用物質とする工程を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の植物育成用物質の製造方法。
【請求項3】
CO2吸着材を製造する工程の原料の全部又は一部が土壌資源から得られるものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の植物育成用物質の製造方法。
【請求項4】
前記原料が、消石灰、及び/又は、生石灰を含有する物質である、
ことを特徴とする請求項1に記載の植物育成用物質の製造方法。
【請求項5】
前記植物育成用物質が、土壌改良剤又は肥料である、
ことを特徴とする請求項1に記載の植物育成用物質の製造方法。
【請求項6】
前記自動販売機の設置場所が、
植物育成用物質を利用する場所から、所定の距離の範囲内に設置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の植物育成用物質の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の製造方法で製造した植物育成用物質を利用して植物を育成する、
ことを特徴とする、植物育成方法。
【請求項8】
前記自動販売機の設置場所が、
植物育成用物質を利用する場所から、所定の距離の範囲内に設置されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の植物育成方法。
【請求項9】
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を製造する地理的位置と、CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、資源循環モデルの実施方法。
【請求項10】
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を製造する地理的位置と、CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、資源循環モデルの実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来にない新たな技術領域に関するものであり、より詳しくは、飲料等の商品を販売する自動販売機を利用して、主に肥料として用いられる植物育成用物質を製造するための製造方法、及び、植物育成用物質を用いた植物育成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されるように、ペットボトル飲料等の商品を販売する自動販売機は知られている。特許文献1では、自動販売機をホテルや病院などの静かな屋内に設置した際の騒音の問題に鑑み、自動販売機にて発生する駆動音を効果的に消音する技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動販売機は、屋外や屋内のあらゆる箇所に設置され、消費者が24時間好きなときに商品を購入できるというサービスを提供できるものであり、現代においては社会的に必要なインフラとも言える。
【0005】
他方、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP:Conference of the Parties)において、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減と吸収に対する取り組みが世界各国で行われており、地球温暖化に対する人々の関心は高まり続けている。特に先進各国では、近年の異常気象や気温上昇に関する危機意識が高く、行政主導の取り組みはもちろんのこと、民間企業、団体、個人のレベルでも温室効果ガスに対する意識は高いものとなっている。
【0006】
以上のような社会的な風潮もあり、近年では、二酸化炭素は排出物として扱われイメージがあり、排出を削減することや、如何にして処分するかなど、二酸化炭素=廃棄物といったように捉えられるものとなっている。
【0007】
一方、植物の光合成では、空気中の二酸化炭素を葉から取り込む必要がある。また、二酸化炭素を吸着したCO2吸着剤を肥料として用い、微生物によってCO2が分解されて生じる炭素を根から取り込むことや、微生物のCO2の分解によって生じた二酸化炭素を葉から取り込むことで、植物の育成を促進する取り組みも行われている。
【0008】
このように、植物の光合成や育成促進に二酸化炭素が使用されるということに着目すると、二酸化炭素は植物育成のための資源であるといった見方ができる。
【0009】
発明者は、自動販売機は、社会インフラとなっており、全国各地のあらゆる箇所に設置され、更に台数が多く、老若男女問わずあらゆる消費者との接点になっていることに着目し、いわゆるスケールメリットを温室効果ガス対策として活かすことができないかを検討していたところ、上記のように二酸化炭素は植物育成のための資源となりえるといった新しい視点を持つに至った。
【0010】
自動販売機は電力を消費し熱を発生するものであるため、温暖化を進行させるといった悪いイメージを与える可能性がある。また、上述したような騒音の問題もあることから、商品を便利に購入できるといったメリット以外を除けば、自動販売機に良いイメージは持たれない可能性がある。
【0011】
一方で、このような悪いイメージが先行するなかで、注目度の高い温室効果ガス対策に自動販売機を活かし、二酸化炭素を植物育成のための資源として活用するといった新しい視点を社会に提案することができれば、その悪いイメージのギャップの反動により、大きな反響を得られることが期待できる。そして、反響が大きくなれば、スケールメリットを活かし、社会的なムーブメントが起きることも視野に入る。
【0012】
以上に鑑み、本発明は、自動販売機を活用し、二酸化炭素を植物育成のための資源として活用できるようにすることで、温室効果ガス対策に貢献できる新規な技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
本発明の一形態では、
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
を含む、植物育成用物質の製造方法とする。
【0015】
また、本発明の一形態では、回収したCO2吸着材を植物育成用物質とする工程を含む、こととする。
【0016】
また、本発明の一形態では、CO2吸着材を製造する工程の原料の全部又は一部が土壌資源から得られるものである、こととする。
【0017】
また、本発明の一形態では、前記原料が、消石灰、及び/又は、生石灰を含有する物質である、こととする。
【0018】
また、本発明の一形態では、前記植物育成用物質が、土壌改良剤又は肥料である、こととする。
【0019】
また、本発明の一形態では、前記自動販売機の設置場所が、
植物育成用物質を利用する場所から、所定の距離の範囲内に設置されている、こととする。
【0020】
また、本発明の一形態では、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の製造方法で製造した植物育成用物質を利用して植物を育成する、ことを特徴とする、植物育成方法とする。
【0021】
また、本発明の一形態では、前記自動販売機の設置場所が、
植物育成用物質を利用する場所から、所定の距離の範囲内に設置されている、こととする。
【0022】
また、本発明の一形態では、CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を製造する地理的位置と、CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、資源循環モデルの実施方法とする。
【0023】
また、本発明の一形態では、CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を製造する地理的位置と、CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、資源循環モデルの実施方法とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、自動販売機に設置したCO2吸着材にて大気中のCO2を効果的に取り込み、CO2吸着材を土壌改良剤及び/又は肥料として活用することで、大気中のCO2を資源として活用することができる。そして、これにより、資源を利用した生産・消費活動によるCO2の発生→大気中のCO2の回収→CO2を資源として活用する生産活動、といった一連のサイクルを循環させる、いわゆる「資源循環モデル」を実現することが可能となる。
また、CO2吸着材の原料となる、消石灰、生石灰は、地球から採掘される資源であり、これを土壌に戻すことより、「資源循環モデル」の実現が可能となる。
自動販売機は、全国各地のあらゆる箇所に設置され、台数が多いことから、このスケールメリットを活かすことで、「資源循環モデル」を大規模に実施することができる。
【0025】
また、本発明の一形態によれば、自動販売機と、植物の育成場所との距離を考慮することで、CO2吸着剤の移動距離を制限することで、CO2吸着剤の輸送によって生じるCO2排出量(スコープ3)も抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】自動販売機の一実施形態について示す斜視図。
【
図3】植物育成用物質の製造方法の一実施形態について示すフローチャート。
【
図4】(A)は「資源循環モデル」の概念について説明する図。(B)はCO
2に着目した「資源循環モデル」の概念について説明する図。
【
図5】(A)はCO
2に着目した「資源循環モデル」の概念について説明する図。(B)は自動販売機を活用した「資源循環モデル」の概念について説明する図。
【
図6】(A)はヒト・家畜等の活動に着目した「資源循環モデル」の概念について説明する図。(B)はCO
2吸着材の原料に着目した「資源循環モデル」の概念について説明する図。
【
図7】吸着因子データの取得等について説明する概念図。
【
図8】本発明において実施されるステップについて示すフローチャート。
【
図9】吸着基準量や回収時期等について説明する図。
【
図10】複数の自動販売機においてCO
2を吸着する例について説明する図。
【
図11】自動販売機の内部の構造について説明する概要図。
【
図12】(A)~(C)自動販売機の外部にCO
2を配置する例について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願発明にかかる自動販売機1は、
図1に示すように、顧客が商品を選択するとともに、代金を支払うことで商品が取り出し口7から提供されるものである。自動販売機1は、商品の温度制御や、各種駆動部の動作を制御するコントローラ100を有し、顧客の操作によって自動で商品を販売するものである。
【0028】
図1に示すように、自動販売機1は、CO
2吸着材10を備えることとしている。
【0029】
これにより、自動販売機1において、周囲のCO2を吸着することができる。自動販売機1は、全国各地のあらゆる箇所に設置され、台数が多いことから、このスケールメリットを活かすことで、大気中のCO2の吸着に大きく貢献することができる。
【0030】
CO2吸着材は、自動販売機の外気が取り込まれる空間に設けることが好ましい。また、CO2吸着材は、自動販売機の下部の外気が取り込まれる空間に設けられることが好ましい。
【0031】
図1及び
図2に示すように、CO
2吸着材10は、自動販売機1の商品を充填する際に開かれる扉2に設けられる、ことが好ましい。扉2は、自動販売機1の本体となる筐体6に対し、回動可能に設けられるものである。
【0032】
これにより、飲料の入ったペットボトルなどの商品を充填するために扉2を開けた際に、CO2吸着材10の交換作業を行うことができ、作業性に優れた構成が実現できる。
【0033】
図1及び
図2に示すように、CO
2吸着材10は、扉2の下部に設けられる、ことが好ましい。
【0034】
これにより、既存の自動販売機1の扉2に対し追加的にCO2吸着材10を備える構成においても、扉2の重心が下側に配置されるようになるので、扉2の開閉を安定して行うことができる(低重心)。
【0035】
図2に示すように、CO
2吸着材10は、扉2の下部に設けられる収容箱3に収容され、収容箱3は網部材にて構成される、こととするものである。
【0036】
これにより、CO2吸着材10の交換を容易にすることができる。また、網部材は、例えば、ステンレス製の網板(ステンレスメッシュ)、網状の板材、吸着材を支持できる網などであり、通気性を有するものとし、CO2の透過を許容するものとする。また、収納箱3は、気体が透過する素材でもよく、例えば、紙素材などで構成されてもよい。収納箱3を紙素材で構成する場合には、CO2吸着材10を収容袋4に入れることなく、CO2吸着材10を収納箱3に直接収容することとしてもよい。
【0037】
図2に示すように、CO
2吸着材10は、CO
2が透過可能な収容袋4に収容され、扉2の下部に設けられる収容箱3に収容されることが好ましい。
【0038】
これにより、収容袋4に入れられた状態のCO2吸着材10を袋入りのまま取り扱うことができ、収容袋4をそのまま回収することができる。
【0039】
図1及び
図2に示すように、CO
2吸着材10は、扉2の下部に設けられる通気口9の近傍に配置されることができる。通気口9は、自動販売機1の内外の空気を通過させるためのものである。
【0040】
これにより、通気口9を通じて自動販売機1の内外を移動する空気中のCO2を効果的に吸着することができる。
元来、自動販売機には、商品としての販売対象である、飲料・食品等を加温・冷蔵するための、自動販売機の外気を取り入れるための装置(例:ファン)が設置されているために、通気口9からは、外気を取り込むことができる。したがって、特段、CO2吸着のための特別な動力を設置することなく、効率的に、CO2を吸着することができる。
【0041】
例えば、
図2に示すように、CO
2吸着材10は、ペレット状に構成されて収容袋4に収容されることとする。
【0042】
これにより、例えば、ペレット状のCO2吸着材10を収容袋4に入れたまま回収することができる。なお、ペレットの形状は特に限定するものではないが、例えば、直径5mm、長さ5~10mmの円柱状のものとすることができる。
【0043】
また、一実施形態として、CO2吸着材は、扉の内側に設けられ、CO2吸着材は、前記扉に設けられた吸気口を除く位置に設けられる。
【0044】
例えば、CO2吸着材10は、主に、消石灰、及び/または、生石灰を含むものであって、粉状、または、粒状であり、土壌に肥料及び/又は土壌改良材として混入するのに適した形態とする。
【0045】
これにより、例えば、回収された収容袋4を植物の育成場所に搬送し、育成場所においてそのまま土壌の表面に撒く、あるいは、土壌に混ぜて使うことなどにより、利用することができる。なお、利用の形態としては、土壌に、肥料及び/又は土壌改良剤として土壌に混入することや、土壌の表面に頒布して使用することなどが例示される。また、粉状、または、粒状とは、例えば、粒径が1mm以下のものを粉状とし、粒径が1mmを超え4mm以下のものを粒状とする。
【0046】
次に、CO2吸着材10を植物育成用物質として使用するための「資源循環モデル」について説明する。
【0047】
図3に示すように、一実施形態として、
(A)CO
2吸着材を製造する工程と、
(B)自動販売機にCO
2吸着材を設置する工程と、
(C)CO
2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
を含む、植物育成用物質の製造方法とする。
【0048】
(A)CO2吸着材を製造する工程では、原料からCO2吸着材を製造する。原料は、例えば、すでに加工されて市場に流通する消石灰、及び/又は、生石灰である。原料は、例えば、消石灰、及び/又は、生石灰を90%以上含むものであって、消石灰、及び/又は、生石灰を主成分とするものであれば他の物質を含むのであってもよい。原料は、例えば、鉱山などの土壌資源から採掘される消石灰、及び/又は、生石灰であってもよい。原料は、例えば、農地において植物の育成に使用された土壌であり、主に、消石灰、及び/又は、生石灰を含むのであってもよい。
【0049】
(A)CO2吸着材を製造する工程では、原料を所定の粒径の粉状、又は、粒状にする工程を含む。例えば、粒径が1mm以下となるように粉末加工する、又は、粒径が1mmを超え4mm以下となるように粒状加工する。
【0050】
(A)CO2吸着材を製造する工程では、例えば、原料に添加物を加える加工や、加熱する加工や、乾燥する加工、などが行われる。
【0051】
(A)CO2吸着材を製造する工程では、CO2吸着材を収容袋に収容する工程を含む。収容袋は、CO2が透過可能な素材で構成されるものであり、自動販売機に設置した状態で周囲のCO2が透過してCO2吸着材に吸着されるのに適した素材が選定されることが好ましい。収容袋は、袋状や箱状の容器であり、搬送に適した形状にすることが好ましい。
【0052】
(A)CO2吸着材を製造する工程では、CO2吸着材の収容袋に、当該収容袋のトラッキングを可能とするための情報が付与されることが好ましい。情報の付与形態は、収容袋への情報の印刷、情報を表示するシールの収容袋への貼付、情報を表示するタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップを内蔵したタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップの収容袋への埋込、などの形態が考えられる。
【0053】
(A)CO2吸着材を製造する工程において、収容袋のトラッキングを可能とするための情報は、例えば、CO2吸着材の製造日時、CO2吸着材の製造場所、CO2吸着材の設置場所、回収したCO2吸着材の利用予定場所、収容袋のID番号、などを含む。これらの情報により、後にCO2吸着材の製造日時、製造場所、設置場所、回収後の利用予定場所を、ID番号に基づいて特定し、トラッキングすることができる。
【0054】
(B)自動販売機にCO2吸着材を設置する工程では、収容袋を自動販売機の所定箇所に設置する工程を含む。
【0055】
(B)自動販売機にCO2吸着材を設置する工程では、収容袋が設置される自動販売機のID番号、設置日時に関する情報などが収容袋に付与されることが好ましい。情報の付与形態は、収容袋への情報の印刷、情報を表示するシールの収容袋への貼付、情報を表示するタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップを内蔵したタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップの収容袋への埋込、などの形態が考えられる。収容袋に既にICチップが取付/埋込されている場合には、ICチップに追加的に情報を記憶させることとしてもよい。あるいは、CO2吸着材を設置する際に収容袋のID番号や設置日時などをハンディターミナルにて自動又は手動でサーバーにアップロードすることで、各種情報をサーバーにて管理することとしてもよい。あるいは、サーバーがハンディターミナルから自動で情報をインターネットを通じて取得することとしてもよい。
【0056】
(C)吸着材を自動販売機から回収する工程では、収容袋を自動販売機から取り外す工程を含む。
【0057】
(C)吸着材を自動販売機から回収する工程では、収容袋を自動販売機から取り外して回収する日時に関する情報などが収容袋に付与されることが好ましい。情報の付与形態は、収容袋への情報の印刷、情報を表示するシールの収容袋への貼付、情報を表示するタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップを内蔵したタグの収容袋への取付、情報を記憶したICチップの収容袋への埋込、などの形態が考えられる。収容袋に既にICチップが取付/埋込されている場合には、ICチップに追加的に情報を記憶させることとしてもよい。あるいは、CO2吸着材を回収する際に収容袋のID番号や回収日時などをハンディターミナルにて自動又は手動でサーバーにアップロードすることで、各種情報をサーバーにて管理することとしてもよい。あるいは、サーバーがハンディターミナルから自動で情報をインターネットを通じて取得することとしてもよい。
【0058】
以上に説明したものにおいて、例えば、サーバーなどの管理システムにおいては、収容袋の設置場所、回収場所、日時、回収後の利用箇所が順次記憶され、CO2吸着材の製造段階から利用段階までの一連の動きがトラッキングできるようにする。
【0059】
図3に示すように、一実施形態として、
植物育成用物質の製造方法では、回収したCO
2吸着材を植物育成用物質とする工程を含む。
【0060】
具体的には、例えば、CO2吸着材を収容袋から開封し、他の物質を添加するなどの加工をすることで、植物育成用物質とする工程である。あるいは、CO2吸着材を加工せずに、そのまま植物育成用物質とする工程である。
【0061】
添加する他の物質としては、例えば、N(窒素)・P(リン)・K(カリウム)のいずれか一種又は2種以上、N源・P源・K源となりうる物質のいずれか一種又は2種以上、さらに、Mg含有物等のミネラルなどの添加など、が考えられる。また、他の物質を添加するほか、例えば、加熱乾燥などによりCO2吸着材の含水率などを変更、土壌に頒布しやすい形状にするような改質を行うこととしてもよい。
【0062】
以上のようにして製造された植物育成用物質は、土壌改良剤又は肥料として用いられる。これら土壌改良剤又は肥料は、その製造過程において、自動販売機が利用されるものであり、自動販売機由来の土壌改良剤又は肥料として特徴づけることができる。これにより、従来にない新規なコンセプトによる土壌改良剤又は肥料として商品性をアピールすることができる。また、自動販売機に設置してCO2を回収するプロセスを経ているため、自動販売機が温室効果ガス削減に貢献していることも合わせてアピールすることができ、社会的な貢献度の高いものとなる。また、土壌改良剤又は肥料の利用者においても、温室効果ガス削減に寄与することができ、社会に貢献するといった満足度を得ることができる。
【0063】
以上のようにして、植物育成用物質を施肥して植物を育成する植物育成方法を実現することができる。そして、CO2吸着材を肥料とすることで、植物の根から二酸化炭素が取り込まれ、植物の育成が促進される。また、この育成の促進により光合成もより活発になり、植物の葉から取り込まれる二酸化炭素の量も増加することで、空気中のより多くの二酸化炭素が植物に取り込まれる。このような植物の育成の促進により、温室効果ガス削減に貢献することができる。
【0064】
図3に示すように、一実施形態として、
上述した製造方法で製造した植物育成用物質を施肥して植物を育成する植物育成方法とするものである。
【0065】
例えば、回収したCO2吸着剤を農地などの利用する場所に搬送する。例えば、農地に搬送が完了した段階で、当該農地の場所、搬入日時などハンディターミナルにて自動又は手動でサーバーにアップロードすることで、各種情報をサーバーにて管理することとしてもよい。あるいは、サーバーがハンディターミナルから自動で情報をインターネットを通じて取得することとしてもよい。
【0066】
例えば、開封されてCO2吸着剤が取り出されたからの収容袋は、回収されそのまま再利用される他、原料にリサイクルされる。
【0067】
例えば、育成される植物は、自動販売機で販売される商品の原料となる植物とすることができる。これにより、自動販売機から回収されたCO2吸着剤を用いて育成した植物を、当該自動販売機にて販売するといった循環モデルを構築することができる。
【0068】
例えば、CO2吸着剤を施肥して植物の育成に用いた土壌は、回収されて上述したCO2吸着剤を製造する工程における原料として用いられてもよい。これにより、肥料として植物の育成に利用されたCO2吸着剤を、再び、CO2吸着剤の原料として利用するといった循環モデルを構築することができる。
【0069】
「資源循環モデル」の概念の例として以下のものがある。
図4(A)に示すように、
資源の生産(発生・創出・排出)
→資源の回収
→資源の消費(利用)
【0070】
CO
2に着目した「資源循環モデル」の概念の例として以下のものがある。
図4(B)に示すように、
CO
2の生産(発生・創出・排出)
→CO
2の回収
→CO
2の消費(利用)
【0071】
「資源循環モデル」の概念の例として以下のものがある。
図5(A)に示すように、
資源を利用した生産・消費活動によるCO
2の発生
→大気中のCO
2の回収
→CO
2を資源として活用する生産活動
【0072】
より具体的には、例えば、自動販売機を活用した例とすると、
図5(B)に示すように、以下のような資源循環モデルとすることができる。
飲料の製造や自動販売機の稼働によるCO
2の発生
→大気中のCO
2を自動販売機に設置したCO
2吸着材で吸着して回収
→CO
2吸着材を肥料として植物を育成し、育成した植物を原料とする飲料の生産
【0073】
ヒト・家畜等の活動に着目した「資源循環モデル」の概念の例として以下のものがある。
図6(A)に示すように、
ヒト・家畜等の活動によるCO
2の発生
→CO
2吸着材を利用して大気中のCO
2の回収
→CO
2吸着材を土壌改良材、肥料として利用して植物育成
【0074】
なお、
図6(A)の例では、自動販売機にCO
2吸着材が設置される例を示している。また、CO
2吸着材が肥料として利用されることで、微生物によってCO
2が分解されて生じる炭素が根から取り込まれることや、微生物のCO
2の分解によって生じた二酸化炭素が葉から取り込まれる例を示している。また、家畜の例として牛を示している。
【0075】
CO
2吸着材の原料に着目した「資源循環モデル」の概念の例として以下のものがある。
図6(B)に示すように、
地球(土壌)から採掘する消石灰、生石灰を原料としてCO
2吸着材を生産
→CO
2吸着材を利用して大気中のCO
2の回収
→CO
2吸着材を土壌改良材、肥料として利用して地球(土壌)に戻す。
【0076】
「資源循環モデル」について、スコープ3(SCOPE3)を考慮したモデルの例として以下が考えられる。なお、スコープ3とは、サプライチェーン排出量のうち、スコープ1とスコープ2以外の間接排出量を示す指標であり、本願では、特に、サプライチェーンにおける物流の工程でのCO2排出量削減に貢献するという観点において、スコープ3と関連するものである。
【0077】
スコープ3と関連する「資源循環モデル」の一実施形態として、
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を製造する地理的位置と、CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、ものである。
【0078】
これにより、CO2吸着材の製造場所からCO2吸着材の設置箇所までの距離が制限され、CO2吸着材の物流に伴って発生するCO2を削減することができる。つまりは、例えば、CO2吸着材を輸送する車両の走行距離を少なく抑えることにより、排ガス量が削減できる。
【0079】
ここで、所定の距離とは、例えば、100Km以下、好ましくは、75Km以下、50Km以下、30Km以下、20Km以下、10Km以下が好ましい。この所定の距離であれば、行政区域・県・市・町・村の範囲での運用も可能となり、特定の表性区域での温室効果ガス削減活動としてのオペレーションも可能となる。この所定の距離にある自動販売機の数と、例えば、一つのモデルとして、CO2吸着材の製造場所におけるCO2吸着材の生産量を算出するとともに、当該生産量のCO2吸着材をすべて設置する場合の自動販売機の台数を算出し、所定の距離内において自動販売機の内から製造場所に近い自動販売機を選定するといったことが考えられる。
【0080】
「資源循環モデル」の一実施形態として、
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
回収したCO2吸着材を利用する工程と、を含む資源循環モデルの実施方法において、
CO2吸着材を設置する自動販売機の地理的位置と、回収したCO2吸着材を利用する場所の地理的位置が、所定の距離の範囲内となるようにする、ものである。
【0081】
CO2吸着材を利用する場所とは、例えば、屋外の一般的な農地や、人口光を利用する屋内植物工場、一般家庭など、特に限定されるものではない。あるいは、遠方への一括輸送を考慮した集積所、コンテナ、港、等と定義してもよい。
【0082】
これにより、CO2吸着材が回収される自動販売機から農地などの利用場所までの距離が制限され、CO2吸着材の物流に伴って発生するCO2を削減することができる。つまりは、例えば、CO2吸着材を輸送する車両の走行距離を少なく抑えることにより、排ガス量が削減できる。
【0083】
ここで、所定の距離とは、例えば、100Km以下、好ましくは、75Km以下、50Km以下、30Km以下、20Km以下、10Km以下が好ましい。この所定の距離であれば、行政区域・県・市・町・村の範囲での運用も可能となり、特定の表性区域での温室効果ガス削減活動としてのオペレーションも可能となる。例えば、一つのモデルとして、農地の面積から当該農地におけるCO2吸着材の利用量を算出するとともに、当該利用量を賄うだけのCO2吸着材を設置可能とする自動販売機の台数を算出し、所定の距離内において自動販売機の内から農地に近い自動販売機を選定するといったことが考えられる。
【0084】
また、一つの実施形態として、商品を補充するために自動販売機を巡る配送ルートがある場合において、当該配送ルートに位置する農地などの利用場所に対し、CO2吸着材を配送することとしてもよい。これによれば、商品のルート配送と、CO2吸着材の配送を同一の車両によって行うことができ、CO2吸着材を利用場所に配送するためだけに車両を稼働させることをなくすことができる。
【0085】
図1に示すように、CO
2吸着材によって吸着されたCO
2吸着量を表示するための表示手段5を備える、自動販売機1とするものである。表示手段5は、例えば、液晶パネルである。
【0086】
これにより、CO2吸着材によって吸着されたCO2吸着量を自動販売機1の利用者に認知させることができ、CO2削減に貢献していることのアピールや、CO2削減を啓蒙することができる。そして、自動販売機が温室効果ガス対策に貢献しているという良いイメージを消費者に与えることができ、また、自動販売機は老若男女問わずあらゆる消費者との接点となり全国各地に設置されていることから、スケールメリットが活かされ、『温室効果ガス対策として自動販売機を導入する』といった社会的なムーブメントを起こすことも期待できる。
【0087】
図7に示すように、CO
2吸着材によって吸着されたCO
2吸着量を通信により送信又は受信するための通信手段112を備える、自動販売機1とするものである。通信手段112は、例えば、インターネットに接続して通信を可能とし、各種データの送受信を行う機器である。通信手段112は、コントローラ100の一機能として設けることができる。
【0088】
これにより、自動販売機1に備えた演算手段102にて演算したCO2吸着量のデータを外部に送信し、当該データを外部で利用することができる。或いは、外部で演算されたCO2吸着量のデータを受信し、例えば、表示手段5に表示させることができる。
【0089】
図7に示すように、CO
2吸着材によって吸着されたCO
2吸着量を外部端末に読み取らせるための出力手段114を備える、自動販売機1とするものである。出力手段114は、コントローラ100の一機能として設けることができる。
【0090】
これにより、例えば、自動販売機1を巡回して商品補充等を行うルートスタッフの外部端末(ハンディーターミナル等)にてCO2吸着量のデータを取得し、当該データを外部で利用することができる。
【0091】
図7に示すように、CO
2吸着材によって吸着されたCO
2吸着量を演算するための演算手段102を備える、自動販売機1とするものである。例えば、演算手段102は、コントローラ100の一機能として設けることができる。
【0092】
これにより、自動販売機1にて単独でCO2吸着量を演算することができる。
【0093】
図8に示すように、自動販売機1において、CO
2吸着量が演算される。
CO
2吸着量の演算は、
自動販売機に設置されたCO
2吸着材の吸着因子データを取得するステップと、
CO
2吸着量を演算するステップと、を含む。
【0094】
このように演算することで、吸着因子データに基づいてCO2の吸着量を演算することにより、各自動販売機が設置される環境に応じたCO2の吸着量を高精度に取得することができる。
【0095】
図7に示すように、
吸着因子データを取得するステップが、
自動販売機に備える測定手段120、
自動販売機から離れた場所にある測定手段220、
外部データを取得する外部データ取得手段140、
の少なくとも一つによって行われることとする。複数の手段の組み合わせにより行われることとしてもよい。
【0096】
図7に示すように、
自動販売機に備える測定手段120は、温度測定器、湿度測定器、タイマー(測定時間等を記録する装置)などで構成することができる。タイマーは、例えば、コントローラ100の一機能として設けることができる。また、自動販売機に備える測定手段は、自動販売機内部にあるCO
2吸着材の近傍の他、本発明を実施できる範囲おいて、例えば、自動販売機の裏面外部壁面等に設置することも可能である。
【0097】
図7に示すように、
自動販売機から離れた場所にある測定手段220は、自動販売機が設置される箇所や、自動販売機が設置される所定の区域に設置される温度測定器、湿度測定器、タイマー(測定時間等を記録する装置)などで構成することができる。自動販売機から離れた場所にある測定手段220で測定された吸着因子データは、インターネット60を介して自動販売機や管理拠点50に送信されることができる。
【0098】
図7に示すように、
外部データを取得する外部データ取得手段140は、例えば、自動販売機が設置される箇所や、自動販売機が設置される所定の区域の気象データを提供する外部機関230(民間機関や公的機関)からインターネット60を介して温度、湿度、計測時間を取得する手段である。外部データ取得手段140は、例えば、コントローラ100の一機能として設けることができる。
また、例えば、温度は自動販売機に備える測定手段から取得し、湿度は地方気象台等の外部データから取得して演算等することも可能である。
【0099】
図7及び
図8に示すように、
CO
2吸着量を演算するステップが、
自動販売機に備えた演算手段102、
自動販売機から離れた場所に設置した演算手段202、
の少なくとも1つによって行われることとする。複数の手段の組み合わせにより行われることとしてもよい。
【0100】
自動販売機から離れた場所にある演算手段202は、例えば、複数箇所に設置される各自動販売機への商品補充を管理する拠点(本店や支店)や、特定の行政区などの所定のエリアの営業を管理する営業所などの管理拠点50に設置されるサーバー200の一機能として設けることができる。
【0101】
図7に示すように、
吸着因子データは、温度、湿度、時間の少なくとも一つであることとする。複数を用いることとしてもよい。
【0102】
吸着因子データである温度(環境温度)と湿度(環境湿度)を利用した単位時間(h)当たりの、単位重量(g)当たりのCO2吸着量(g)の演算は、例えば以下の式(1)により行われる。
[式(1)]
単位重量(g)当たりのCO2吸着量(g)=0.206(g)+0.283(g)*吸着材係数+0.0015(g)*環境温度+0.0008(g)*環境湿度
ここで、吸着材係数は、吸着材ごとに予め定義される定数である
環境温度は、摂氏(℃)であり、単位は無次元とする。
環境湿度は、百分率(%)であり、単位は無次元とする。
【0103】
例えば、5Kg(5000g)のCO2吸着材が自動販売機に設置される場合には、当該自動販売機において1時間で吸着されるCO2吸着量(g)は、以下の式(2)により求められる。
[式(2)]
CO2吸着量(g)=5000*{0.206(g)+0.283(g)*吸着材係数+0.0015(g)*環境温度+0.0008(g)*環境湿度}
ここで、環境温度と環境湿度については、例えば、当該1時間における平均値を使用することができる。
計算に用いた1時間は、自動販売機、或いは、外部に設けたタイマー(測定時間等を記録する装置)により計測され得るものである。
【0104】
図2にCO
2吸着材は、CO
2を吸着した後に回収される。その回収時期は、例えば、次の方法によって決定される。
即ち、
CO
2吸着材を備える自動販売機におけるCO
2吸着材の回収時期を決定する方法であって、
吸着因子データを取得するステップと、
CO
2吸着材の回収時期を決定するステップを含む、こととする。
【0105】
これによれば、吸着因子データに基づいてCO2の吸着量を演算し、CO2吸着材の回収時期を決定することにより、各自動販売機が設置される環境に応じたCO2の吸着量に基づく回収時期が最適化され、CO2吸着材を無駄なく使用することができる。例えば、回収時期が早く設定されてしまうと、本来はより多くのCO2を吸着できるところのCO2吸着材を無駄にしてしまうことになるが、自動販売機の設置環境に応じて回収時期を最適化することで、このような無駄を削減することができる。
【0106】
また、
図7に示すように、
CO
2吸着材の回収時期を決定するステップが、
自動販売機に備えた演算手段104、
自動販売機から離れた場所に設置した演算手段202、
の少なくとも1つによって行われることとする。複数の手段の組み合わせにより行われることとしてもよい。
【0107】
また、
図8に示すように、
CO
2吸着材の回収時期を決定するステップが、
演算されたCO
2吸着量と、
CO
2吸着材の吸着基準量を比較することで行われる、こととする。
【0108】
例えば、自動販売機1の演算手段104には、設置されるCO2吸着材の重量や、吸着材係数(式1参照)に基づいて吸着基準量K(g)が記憶されている。
この吸着基準量K(g)は、設置されるCO2吸着材が吸着することが可能なCO2量(g)に対応するものである。吸着基準量K(g)は、CO2吸着材がこれ以上CO2を吸着できないといった飽和状態になったときのCO2吸着量、即ち、飽和吸着量に設定されることが最も好ましい。この他、例えば、飽和吸着量の90%、80%となるCO2吸着量を吸着基準量K(g)と設定してもよい。
【0109】
図9は、吸着基準量を飽和吸着量(CO
2吸着材がこれ以上CO
2を吸着できないといった飽和状態になったときのCO
2吸着量)に設定した場合の例示である。
図9に示すように、演算手段104は、式(2)により求められるCO
2吸着量(g)の積算値M(g)(足し合わせた累積の値)をモニタリングし、吸着基準量K(g)と比較し、例えば、積算値M(g)が吸着基準量K(g)の80%に到達した際(時間T1)に、回収時期(時間T2)を10時間後と決定する。
【0110】
上記の回収時期(時間T2)の決定は、演算手段104に代えて、自動販売機から離れた場所に設置した演算手段202において行うこととしてもよい。演算手段104や演算手段202は、CO2吸着量と吸着基準量を比較してCO2吸着材の回収時期を決定するための手段として機能する。
【0111】
図8に示すように、
CO
2吸着量が吸着基準量を超えた際(時間T2)に、アラート信号を出力するステップを備えることとする。このアラート信号は、CO
2吸着材が一定のCO
2を吸着し、CO
2吸着材の回収の時期(交換の時期)が到達したことを知らせるフラグとなるものである。
【0112】
例えば、演算手段104は、時間T2に到達した際に、アラート信号を出力する。また、アラート信号は、例えば、表示手段5に出力され、表示手段5ではCO2吸着材の回収が必要であることが表示される。この場合、演算手段104は、CO2吸着材が吸着基準量を超えた際に、アラート信号を出力するための手段として機能する。
【0113】
また、アラート信号は、例えば、出力手段114を通じてルートスタッフの外部端末にて読み取られることで、ルートスタッフにCO2吸着材の回収が必要であることを通知する。ルートスタッフは、CO2吸着材を回収したり、新たなCO2吸着材を設置する交換を行うことができる。
【0114】
また、アラート信号は、通信手段112により、例えば、自動販売機から離れた場所にある管理拠点50に送信され、管理拠点50においてCO2吸着材の回収が必要であることが認識される。管理拠点50はルートスタッフに対し、CO2吸着材の回収や交換を依頼することができる。
【0115】
図10は、複数台の自動販売機1でCO
2を吸着する場合の運用の例について示す図である。例えば、特定の行政区画(○丁目○番地等)において、数十台の自動販売機1が設置されている。街中であれば、自動販売機1は至るところに設置され、各設置箇所においてCO
2の吸着を行うことができ、広範囲において大気中のCO
2削減に貢献することが可能となる。
【0116】
各自動販売機1について、ルートスタッフ70が巡回して商品が補充される。ルートスタッフ70は、例えば、商品補充の際に自動販売機1の表示手段5に表示されるCO2吸着量や、回収が必要であることの表示を確認し、その際にCO2吸着材の回収や交換を行う。或いは、ルートスタッフ70は、携帯する外部端末への通知に基づいてCO2吸着材の回収や交換を行う。或いは、ルートスタッフ70は、管理拠点50からの依頼に基づいてCO2吸着材の回収や交換を行う。
【0117】
管理拠点50には、例えば、各自動販売機1の演算手段で演算されたCO
2吸着量がインターネット60を通じて送信される。管理拠点50では、
図9に示すように、時間T2に到達した際に、アラート信号をルートスタッフ70に送信し、CO
2吸着材の回収や交換を依頼する。
【0118】
管理拠点50では、例えば、インターネット60を通じて取得した吸着因子データに基づき、管理拠点50の演算手段において、各自動販売機1のCO
2吸着量を演算する。管理拠点50では、
図9に示すように、時間T2に到達した際に、アラート信号をルートスタッフ70に送信し、CO
2吸着材の回収や交換を依頼する。
【0119】
管理拠点50では、各自動販売機1のCO2吸着量を把握することができる。これにより、例えば、各自動販売機に設置されるCO2吸着材の量の調整や、回収のスケージュルなどの最適化を検討することができる。また、自動販売機の設置環境(温度、湿度)の分析を行うことや、使用するCO2吸着材の種別の選定なども検討することができる。
【0120】
管理拠点50では、各自動販売機1で吸着されたCO2を積算し、合計CO2吸着量を演算するステップを実施することとしてもよい。
【0121】
これにより特定の行政区画(○丁目○番地等)において、各自動販売機1で吸着されたCO2の合計量を求めることができ、当該合計量をもって社会貢献をすることが可能となるとともに、CO2削減活動の啓蒙の一助となることができる。
【0122】
CO2吸着材の組成は特に限定されるものではない。
例えば、CO2吸着材は、市販のゼオライトや活性炭などがある。
また、例えば、市販の、結晶性ゼオライト「モレキュラーシーブ 13X」は、エンジン用CO2回収システムとして開示(「ゼオライトを用いたエンジン用CO2分離・回収技術・自動車技術会論文集VoL53,No3,May2022」)されており、このような、結晶性ゼオライト(アルミノケイ酸塩質の結晶材料)も利用できる。
【0123】
或いは、CO2吸着材は、一度吸着したCO2を剥離することで、再利用可能なものにて構成される。市販のゼオライトや活性炭などがある。
【0124】
また、CO2吸着材は、ペレット状に限らず、例えば、粉状、砂状、粒状、ブロック状、フィルター状、ハニカム構造等でもよい。また、CO2吸着材は、CO2が化学反応的に吸着材に固定される場合や、CO2が吸着材に物理的に吸着材に固定される場合等もある。また、液体封入カートリッジ等で設置できる場合には、吸着材は、水酸化カリウムやアミン類等の液体でもよい。
【0125】
図10に示すように、ルートスタッフに回収されたCO
2吸着材は、例えば、管理拠点50で集められた後、再生処理を経た上で、再度自動販売機へと設置される。CO
2吸着材を繰り返し利用可能とすることで、リサイクルでの運用が可能となり、廃棄に伴う環境負荷の発生を防ぐことができる。なお、再生処理として、公知の方法を用いることができる(例「 K2CO3 担持活性炭の固定床による湿性ガスからのCO
2 回収のベンチスケール試験」化学工学論文集・第30巻・第5号・2004・P668~P672)。
【0126】
図11は、自動販売機1の一実施形態について示すものである。
自動販売機1の筐体6は、底板部6a、側板6b、背板6c、天板6dを有して構成され、筐体6の前面側が扉2によって閉鎖、又は、解放されるように構成される。
【0127】
筐体6には、商品22をストックし、冷却、加温、保温するための庫内空間21と、庫内空間21よりも下方であって、熱交換機32(熱を排熱及び/又は熱を吸熱する機能を有する)などを収容するための収容空間31と、に区画される。
【0128】
庫内空間21は断熱材23によって囲まれて形成される。収容空間31は、庫内空間21の底部分に配置される断熱材23、扉2、底板部6a、側板6b、背板6c、天板6dによって囲まれて形成される。なお、この例では、断熱材23によって収容空間31の天面が形成されるが、特に断熱材23によるものでなく、板材などであってもよい。
図11の例では、庫内の冷却・加熱は、ヒートポンプの原理を利用して冷却又は加熱される。
【0129】
また、庫内空間21には、熱交換器26、庫内ファン25が設けられている。なお、庫内空間21に、冷却のための冷却室と、加温のための加温室が形成される場合には、冷却室と、加温室にそれぞれ個別に熱交換器26、庫内ファン25が設けられる。
【0130】
収容空間31には、熱交換機32、ファン33、キャピラリーチューブ34(膨張弁でもよい)、圧縮機35が示されている。例えば、庫内空間21の冷却室内を冷却する場合には、冷媒管を流れる冷媒は、圧縮機35により高圧気体に圧縮され高温となり、熱交換しやすくされる。次に、冷媒は、熱交換機32(この場合には凝縮器として機能する。)に送られる。熱交換器32では、ファン33によって自動販売機1の外部から取り込まれる外気により、冷媒の熱が放出されて冷媒が冷却され、冷媒が液化する。液化した冷媒は、キャピラリーチューブ34にて圧力が下げられて気化(蒸発)しやすい状態にされ、熱交換器24(この場合には蒸発器として機能する。)に送られ、液体の低温低圧の冷媒が、熱交換器24にて蒸発することにより、周囲の空気から熱を吸収し、周囲の空気が冷却され、冷却された空気が庫内ファン25によって庫内空間21で循環される。この冷却空気の循環により、庫内空間21の温度が低下し、商品22が所定の温度となるように冷却、保温される。
【0131】
なお、庫内空間21の加温室内を加温する場合には、ヒートポンプの原理を利用して、熱交換器32にて熱を吸熱し、圧縮機35から高温の冷媒が熱交換器26に供給され、熱交換器26から放出される熱を利用して庫内が加温される。
【0132】
収容空間31は、外気が流入する流入口と、外気が排出される流出口と、に通じている。一つの実施形態として、外気が流入する流入口は扉2の下部に形成される通気口9として構成される。また、一つの実施形態として、外気が排出される流入口は、筐体6の背板6cの下部に形成される通気口91として構成される。ファン33の回転により、通気孔9を通じて外気が収容空間31内へと取り込まれ、熱交換機32では外気と冷媒との熱交換がされ、熱を吸収した外気は通気口91を通じて収容空間31外へと排出される。
【0133】
なお、扉2の下部、背板6cの下部、筐体6の下部、などの「下部」とは、例えば、自動販売機1を設置した状態での上下方向の全体高さにおいて、最も低い位置から全体高さの1/3の高さまでの範囲、1/4の高さまでの範囲、1/5の高さまでの範囲、1/6の高さまでの範囲、1/7の高さまでの範囲、が例示される。
【0134】
また、
図11の構成のように庫内空間21が上側に配置され、その下方に収容空間31が形成される自動販売機の他、庫内空間21と収容空間31の上下関係が逆の場合となることも考えられる。
【0135】
以上の構成において、例えば、CO
2吸着材は、自動販売機の外部に設置され、かつ、自動販売機の内部に取り込まれる外気に接する箇所に設置される、こととする。具体的には、例えば、
図11における位置Aであり、通気口9に近い位置、通気口9を塞ぐ位置、などが考えられる。この例では、ファン33の回転により収容空間31内に取り込まれる前の外気がCO
2吸着材に触れることで、外気に含まれるCO
2をCO
2吸着材にて吸収することができる。
【0136】
以上の構成において、例えば、CO
2吸着材は、自動販売機の内部に設置され、かつ、自動販売機の内部に取り込まれた外気に接する箇所に設置される、こととする。具体的には、例えば、
図11における位置B乃至D、又は位置Fであり、収容空間31内に取り込まれたあとの外気や、収容空間31に滞留する空気に含まれるCO
2をCO
2吸着材にて吸収することができる。
【0137】
以上の構成において、例えば、CO
2吸着材は、自動販売機の内部に設置され、かつ、自動販売機の内部から外部に放出される空気に接する箇所に設置される、こととする。具体的には、例えば、
図11における位置Dであり、通気口91に近い位置、通気口91を塞ぐ位置、などが考えられる。この例では、収容空間31内から外部へ排気されようとする空気に含まれるCO
2をCO
2吸着材にて吸収することができる。
【0138】
以上の構成において、例えば、CO
2吸着材は、自動販売機の外部に設置され、かつ、自動販売機の内部から外部に放出される空気に接する場所に設置される、こととする。具体的には、例えば、
図11における位置Eであり、通気口91に近い位置、通気口91を塞ぐ位置、などが考えられる。この例では、収容空間31内から外部へ排気された空気に含まれるCO
2をCO
2吸着材にて吸収することができる。
【0139】
以上の構成において、例えば、
自動販売機は、冷媒が流される熱交換器32と、
外気を取り入れるためのファン33と、
冷媒を圧縮するための圧縮機35と、
熱交換器32とファン33と圧縮機35とを収容する収容空間31と、を有し、
収容空間31は、外気が流入する流入口(通気口9)と、外気が排出される流出口(通気口91)と、に通じ、
CO2吸着材は、
収容空間31の内部であって、流入口(通気口9)と熱交換器32の間の箇所(位置A)、熱交換器32とファン33の間の箇所(位置F)、ファン33と圧縮機35の間の箇所(位置C)、圧縮機35と流出口(通気口91)の間の箇所(位置D)、の少なくともいずれか一つの箇所に設置される、こととする。これにより、収容空間31内に取り込まれたあとの外気や、収容空間31に滞留する空気に含まれるCO2をCO2吸着材にて吸収することができる。
【0140】
以上の構成において、例えば、
図12(A)乃至(C)に示されるように、
CO
2吸着材は、自動販売機1の筐体6の外部であって、筐体6を構成する天板6d、側板6b、背板6c、の少なくとも一つに設けられる、こととする。
具体的には、各図に示されるように、例えば、収容箱3を設置するとともに、その内部にCO
2吸着材10を収容することで、自動販売機1の外部の空気に含まれるCO
2を吸着することとするものである。なお、収容箱3に外気を吸引するためのファンを設けることで、収容箱3内のCO
2吸着材10によるCO
2の吸着を促進させることとしてもよい。ファンの駆動力は、自動販売機1を稼働させる電力の他、図示せぬソーラーパネルにて確保することとしてもよい。
この例によれば、新規に設置する自動販売機1のみならず、既存の自動販売機1に対し、後付けでCO
2吸着材を設置することができる。
【0141】
本発明の概念を活用し、セメント、モルタル、骨材などの土木・建築材用物質としての資源循環に応用することもできる。
【0142】
セメント又はモルタルとしての土木・建築材の原料としては、下記のメカニズムを利用することができる。
消石灰及び/又は生石灰を含む物質に、自動販売機にてCO2を固定させて炭酸カルシウムを含む物質を得る。この炭酸カルシウムを含む物質は、セメント等の原料となる石灰石(石灰石は、主として炭酸カルシウムから構成されている。)と同等に扱える。従って、自動販売機にてCO2を固定することで形成される炭酸カルシウムを含む物質は、セメントの原料やモルタルの原料として利用することができる。
【0143】
公知のセメントの製造方法においては、ロータリーキルンなどで焼成工程等を行い、クリンカなどを製造することで、セメントが製造される。このセメントを利用して、公知の方法により、コンクリートを製造することができる。
石灰石を原料とする、公知のコンクリートの製造方法は、具体的には、下記のHPに記載されている。
【0144】
参考ホームページ1
https://www.jcassoc.or.jp/cement/4pdf/jd3_01b.pdf
参考ホームページ2
https://www.taiheiyo-eng.co.jp/cement-process.html#refinement
【0145】
さらに、本発明は、下記のように、廃棄されるコンクリートのリサイクル(資源循環)として、活用することができる。
一般に、廃棄されるコンクリートは、道路の路盤材等に用いる再生砕石、いわゆる骨材として、再資源化されていることが多い。
【0146】
そして、下記のHP(文献「建設の施工企画’11.12:コンクリート塊の再資源化による二酸化炭素固定建設リサイクルを通じた吸収作用の保全・強化の展望」)に掲載されているように、廃棄されるコンクリート塊中には、水酸化カルシウムが存在している。
参考ホームページ3
https://jcmanet.or.jp/bunken/kikanshi/2011/12/009.pdf
【0147】
したがって、廃棄されるコンクリート塊中に存在する水酸化カルシウムを利用するために、このコンクリート塊を粉砕等してCO2吸着材として自動販売機に設置する。自動販売機ではCO2吸着材中の水酸化カルシウムにCO2が固定化させるプロセスが行われ、炭酸カルシウムを含有する物質が得られる。このようにして得られる炭酸カルシウムを含有する物質は、公知のコンクリート再生砕石と同様に、道路の路盤材等に用いる再生砕石、いわゆる骨材としてりようされるように再資源化することができる。
コンクリートの再資源化においては、再生砕石に望まれる所定の粒度分布を得るため,解体後のコンクリート塊の破砕、粒度調整が行われる。破砕、粒度調整によってCO2固定速度は高くなる。
【0148】
また、文献「コンクリート工学年次論文集Vol36,No1、2014:論文Co2ガスの強制吸着着による低エネルギー型再生骨材製造方法の検討」には、再生骨材の品質改善が記載されていることから、骨材としての再生利用の可能性は、大いに期待される分野である。
【0149】
以上の検討から、
自動販売機におけるCO2固定を活用した、セメント、モルタル、骨材などの土木・建築材用物質の製造が可能であり、資源循環を図ることが可能となる。
具体的は、下記の実施形態を含む。
【0150】
実施形態A
CO2吸着材を製造する工程と、
自動販売機にCO2吸着材を設置する工程と、
自動販売機にて、CO2吸着材にCO2を固定させる工程と、
CO2吸着材を自動販売機から回収する工程と、
を含む、土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0151】
実施形態B
回収したCO2吸着材を土木・建築材用物質の原料とする工程を含む、
ことを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0152】
実施形態C
CO2吸着材を製造する工程の原料の全部又は一部が土壌資源から得られるものである、
ことを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0153】
実施形態D
CO2吸着材を製造する工程の原料の全部又は一部が廃棄されるコンクリートから得られるものである、
ことを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0154】
実施形態E
前記原料が、消石灰、及び/又は、生石灰を含有する物質である、ことを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0155】
実施形態F
土木・建築材用物質が、コンクリート、モルタル、骨材の一種又は二種以上であることを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【0156】
実施形態G
土木・建築材用物質が、コンクリート、モルタル、骨材の一種又は二種以上の原料であることを特徴とする土木・建築材用物質の製造方法とする。
【符号の説明】
【0157】
1 自動販売機
2 扉
3 収容箱
4 収容袋
5 表示手段
6 筐体
7 取り出し口
9 通気口
10 CO2吸着材
50 管理拠点
60 インターネット
70 ルートスタッフ
100 コントローラ
102 演算手段
104 演算手段
112 通信手段
114 出力手段
120 測定手段
140 外部データ取得手段
200 サーバー
202 演算手段
220 測定手段
230 外部機関
K 吸着基準量
M 積算値