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特開2024-156556情報処理システム及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156556
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241029BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20241029BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20241029BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/32 144
H04N1/387
B41J29/393 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071129
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 大介
(72)【発明者】
【氏名】山口 慧
(72)【発明者】
【氏名】中山 博義
(72)【発明者】
【氏名】河部 匡剛
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061KK22
2C061KK26
2C061KK28
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB41
5C062AC05
5C062AC55
5C062AF02
5C062AF16
(57)【要約】
【課題】画像の印刷物を貼付対象物に貼付けることなく、画像が有するURLリンクの有効性を検証する。
【解決手段】情報処理システム80は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして生成された検証用データを取得し、印刷物の貼付対象物の3Dデータに、検証用データを貼付け、3Dデータに貼付けられた状態の検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、URLリンク情報の有効性を検証する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして生成された検証用データを取得し、
前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに前記検証用データを貼付け可能であり、
前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
画像形成装置による前記画像の印刷の開始指示を取得後、
前記3Dデータが有る場合に、
前記画像の印刷物をスキャンして生成された前記検証用データを前記3Dデータに貼付ける、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記3Dデータが無い場合に、
前記画像の印刷物をスキャンして前記検証用データを生成し、
2Dの前記検証用データにおける前記URLリンク情報の有効性を検証する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記視点とは異なる視点から、前記検証用データをみた場合の前記URLリンク情報の有効性をさらに検証する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記URLリンク情報の有効性の検証結果を、画像形成装置の表示画面に出力する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記画像をラスタライズした正解データを作成し、
前記正解データと前記検証用データとを比較する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記正解データと前記検証用データとの比較結果と、前記URLリンク情報の有効性の検証結果とを、画像形成装置の表示画面に出力する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして検証用データを作成させ、
前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに、前記検証用データを貼付けさせ、
前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証させることが可能な、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、3次元形状の立体物の表面に貼付けるための印刷物を得る画像処理装置が記載されている。この画像処理装置では、立体表面に印刷や貼付けした場合の画像の歪みを補正するために、入力された画像データを、画像処理により、3次元曲面の表面上の画像データに変換する。
【0003】
下記特許文献2には、リンク先アドレスが含まれるコンテンツを印刷した場合に、リンク先アドレスへ容易にアクセス可能となる印刷物を印刷可能な印刷システムが記載されている。この印刷システムでは、印刷対象となるコンテンツの中から、コンテンツに含まれるリンク先アドレスを検出し、コードシンボル読取装置で読み取ったときにリンク先アドレスを認識可能な形式のコードシンボルを作成する。
【0004】
下記特許文献3には、リンク先URLを印刷後に設定できる印刷済みモバイルコードを実現するコード識別方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-123007号公報
【特許文献2】特開2007-122616号公報
【特許文献3】特開2014-192664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、画像の印刷物を貼付対象物に貼付けることなく、画像が有するURLリンクの有効性を検証することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様の情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして生成された検証用データを取得し、前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに前記検証用データを貼付け可能であり、前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証する。
【0008】
第二態様の情報処理システムは、第一態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、画像形成装置による前記画像の印刷の開始指示を取得後、前記3Dデータが有る場合に、前記画像の印刷物をスキャンして生成された前記検証用データを前記3Dデータに貼付ける。
【0009】
第三態様の情報処理システムは、第二態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記3Dデータが無い場合に、前記画像の印刷物をスキャンして前記検証用データを生成し、2Dの前記検証用データにおける前記URLリンク情報の有効性を検証する。
【0010】
第四態様の情報処理システムは、第一態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記視点とは異なる視点から、前記検証用データをみた場合の前記URLリンク情報の有効性をさらに検証する。
【0011】
第五態様の情報処理システムは、第四態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記URLリンク情報の有効性の検証結果を、画像形成装置の表示画面に出力する。
【0012】
第六態様の情報処理システムは、第一態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記画像をラスタライズした正解データを作成し、前記正解データと前記検証用データとを比較する。
【0013】
第七態様の情報処理システムは、第六態様に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記正解データと前記検証用データとの比較結果と、前記URLリンク情報の有効性の検証結果とを、画像形成装置の表示画面に出力する。
【0014】
第八態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして検証用データを作成させ、前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに、前記検証用データを貼付けさせ、前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証させることが可能である。
【発明の効果】
【0015】
第一態様の情報処理システム及び第八態様の情報処理プログラムによれば、画像の印刷物を貼付対象物に貼付けることなく、画像が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0016】
第二態様の情報処理システムによれば、印刷指示に応じて印刷された画像の印刷物が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0017】
第三態様の情報処理システムによれば、貼付対象物へ貼付前印刷物の画像が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0018】
第四態様の情報処理システムによれば、複数の視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0019】
第五態様の情報処理システムによれば、URLリンク情報の有効性を、画像形成装置の表示画面で確認できる。
【0020】
第六態様の情報処理システムによれば、画像の印刷物をスキャンした検証用データのURLリンク情報の有効性を検証することに加え、画像をラスタライズした正解データとの差異を抽出できる。
【0021】
第七態様の情報処理システムによれば、検証用データにおける正解データとの差異の有無及びURLリンクの有効性を画像形成装置の表示画面で確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る情報処理システムにおいて、URLリンク情報の有効性を検証する画像、画像の印刷物、印刷物を貼付ける貼付対象物、貼付対象物に貼付けられた印刷物の画像を視認する視点、及び、視点からみた画像の投影画像を示す模式図である。
図4】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された、URL検証処理を実行するオプション選択画面の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された、正解データと検証用データとの比較結果及びURLリンク情報の有効性の検証結果の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るURL検証処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係るURL検証処理の別の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係る比較処理及びURL検証処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態に係る情報処理システム及び情報処理プログラムについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0024】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する、異なる構成と入れ替える、一実施形態及び各種の変形例を組み合わせて用いる等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0025】
<情報処理システム>
図1及び2に示す情報処理システム80は、画像形成装置20に構築されたシステムである。なお、本開示における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの、単一の装置によって構成されたもの、上位の装置やシステム内に構築されたもの何れをも含む。
【0026】
つまり、本開示の情報処理システム80は、画像形成装置20のみに構築することに限定されず、画像形成装置20以外の複数の装置等に亘って構築してもよい。例えば情報処理システム80は、画像形成装置20、画像形成装置20に外付けされた給紙装置及びパーソナルコンピュータなどの端末等に亘って構築してもよい。
【0027】
また、本開示の情報処理システム80は、画像形成装置20に構築することに限定されず、例えば、クライアントから受付けたジョブを、複数のプリンタから選択した1つのプリンタに割り振る外部サーバ(クラウド)であってもよい。
【0028】
<画像形成装置の概要>
本実施形態に係る画像形成装置20は、ユーザの入力操作によるジョブを受付け、指定されたジョブを実行する。画像形成装置20が実行するジョブの一例は、読み込んだ原稿等から生成される原稿画像を、用紙等の記録媒体に形成する印刷ジョブである。
【0029】
画像形成装置20は、本体部22、入力部24、自動両面原稿送り装置30及び画像読取部32を備えて形成されている。また、画像形成装置20は、制御装置10を備えている。
【0030】
(本体部)
本体部22は、画像形成部22A、カートリッジ22B等が格納された筐体である。また、本体部22には、制御装置10も格納されている。
【0031】
画像形成部22Aは、例えば電子写真方式、又はインクジェット記録方式等を用いて、後述する画像読取部32で生成された原稿画像を用紙等の記録媒体上に形成する。
【0032】
カートリッジ22Bは、画像形成部22Aとして電子写真方式を採用した場合は、色材の一例としてトナーを収容したトナーカートリッジである。また、カートリッジ22Bは、画像形成部22Aとしてインクジェット記録方式を採用した場合は、色材の一例としてインクを収容したインクカートリッジである。カートリッジ22Bは、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色材のカートリッジを備えている。
【0033】
(入力部)
入力部24は、ユーザが画像形成装置20に実行させるジョブをユーザが入力操作可能なインターフェースであり、表示部24A及び操作部24Bを備えている。
【0034】
表示部24Aは、例えばタッチパネルと、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等と、を組み合わせて構成される。表示部24Aには、ユーザのタッチ操作や画像形成装置20の処理等に応じて、画像等が表示される。操作部24Bは、画像形成装置20に備わる操作キー、操作ボタン、及び電源ボタン等である。
【0035】
ユーザは、表示部24Aに対するタッチ操作又は操作部24Bへの操作ボタンの押下等により、画像形成装置20に対してジョブを指定したり、ジョブの開始を指示したりすることができる。なお、以下の説明においては、ユーザの入力操作が表示部24Aを介して実施される態様について説明するが、ユーザの入力操作は操作部24Bを介して実施されてもよい。
【0036】
(自動両面原稿送り装置)
自動両面原稿送り装置30(DADF:Duplexing Auto Document Feeder)は、本体部22の上端部に設置された装置であり、画像読取部32に読み取らせたい1枚または複数枚の原稿をセット可能な用紙台を備えている。自動両面原稿送り装置30は、画像読取部(プラテンガラス)32を被覆するとともに、開閉可能に配置されるプラテンカバーを兼ねる。
【0037】
(画像読取部)
画像読取部32は、本体部22の上端面に設けられたプラテンにセットされた原稿を読み取って原稿画像を生成するCCD(Charge-Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサ等を備える。プラテンには、画像読取部32に読み取らせたい原稿を1枚セットできる。また、画像読取部32は、自動両面原稿送り装置30の用紙台にセットされた原稿を読み取ることもできる。
【0038】
<制御装置>
制御装置10は、画像形成装置20に対するユーザの入力操作によるジョブを受付け、画像形成装置20に、指定されたジョブを実行させるための制御を実行する装置である。また、制御装置10は、ジョブとして、印刷物の検品処理を実行することができる。検品処理には、URL(Uniform Resource Locator)検証処理及び比較処理が含まれる。
【0039】
(URL検証処理)
「URL検証処理」とは、図3に示す印刷物PRが有するURLリンク情報の有効性を検証する処理である。印刷物PRには、URLリンク情報の一例としてのQRコード(登録商標)を有する画像G1が印刷されている。
【0040】
印刷物PRは、一例として、立体物である貼付対象物OBに貼付けられる印刷物である。貼付対象物OBの表面形状は特に限定されるものではないが、本態様においては、貼付対象物OBは円柱状の物体であり、印刷物PRが貼付けられる領域ARに曲面を有している。
【0041】
領域ARに貼付けられた印刷物PRの画像G1を視点P1から視認した場合、当該視点P1からは、曲面上の画像G1を平面上に投影した投影画像G2が視認される。このため、ユーザが視点P1からQRコードリーダーで画像G1を読み取ろうとした場合、当該QRコードリーダーは、投影画像G2を読み取って、URLリンク情報を取得する。
【0042】
制御装置10は、後述するように、貼付対象物OBに貼付ける前の印刷物PRを用いて検証用データを生成する。また、生成された検証用データを基に、QRコードリーダーが投影画像G2から取得するURLリンク情報の有効性を、検証することができる。
【0043】
(比較処理)
「比較処理」とは、印刷物が理想的な態様で出力されているか否かを検証する処理である。制御装置10は、後述するように、線、点、かすれや歪み等が少ない正解データと、検証用データとを比較して、検証用データのエラーの有無を判定することができる。
【0044】
(制御装置の電気的な構成)
図1に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、媒体読み書き装置(R/W)16、通信インターフェース(I/F)部18及び外部I/F部19を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、媒体読み書き装置16、通信I/F部18及び外部I/F部19はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。通信I/F部18は、例えば画像形成装置20の外部に備わるサーバやユーザが使用する各種の端末(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)と画像形成装置20とを通信可能に接続するためのインターフェースである。通信I/F部18には、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)等の通信規格が用いられる。
【0045】
(記憶部)
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。この記憶部13には、後述するオブジェクトデータベース13B及び検査結果データベース13Cが記憶される。
【0046】
(制御装置の機能的な構成)
次に、図2を参照して、本実施形態に係る制御装置10の機能的な構成について説明する。図2に示すように、制御装置10は、情報取得部11A、検証用データ生成部11B、検証部11C、正解データ生成部11D、比較部11E、出力部11F及び制御部11Gを含む。制御装置10のCPU11は、情報処理プログラム13Aを実行することで、情報取得部11A、検証用データ生成部11B、検証部11C、正解データ生成部11D、比較部11E、出力部11F及び制御部11Gとして機能する。
【0047】
(制御部)
制御部11Gは、画像形成装置20における画像形成部22A、表示部24A、自動両面原稿送り装置30及び画像読取部32等の各種の機能を制御する。
【0048】
(情報取得部)
情報取得部11Aは、表示部24Aを介したユーザの入力操作によるジョブを受付ける。具体的には、情報取得部11Aは、画像G1の印刷ジョブの開始指示を取得する。
【0049】
なお、画像G1の印刷ジョブは、画像形成装置20以外の装置、例えばユーザが使用するパーソナルコンピュータなどの端末から受付けてもよい。ユーザは、印刷ジョブの開始指示に際して、URL検証処理を実行するオプションを選択できる。
【0050】
図4には、表示部24Aまたはユーザが使用する端末の画面に表示されるURL検証処理を実行するオプション選択画面の一例が示されている。この例では、表示部24Aに、チェックボックスR1、入力領域R2、ドロップダウンメニューR3、表示領域R4、決定ボタンR5等が表示される。
【0051】
チェックボックスR1によって、ユーザは、印刷ジョブの開始指示に際してURL検証処理を実行するオプションを選択できる。入力領域R2は、ユーザが検証用のURLリンク情報を入力するための領域である。「検証用のURLリンク情報」とは、QRコードリーダーによって画像G1を読み取った際に遷移させるURLである。
【0052】
ドロップダウンメニューR3は、URLリンク情報を備えた画像の種別(QRコード、バーコードなどの2次元コードやその他の画像)をユーザが選択するためのリストである。表示領域R4は、印刷物PRの貼付対象物OBのデータの参照リンクを表示させるための領域である。決定ボタンR5は、ユーザが貼付対象物OBを決定するためのボタンである。
【0053】
なお、以下の説明においては、チェックボックスR1、入力領域R2、ドロップダウンメニューR3、表示領域R4、決定ボタンR5等を介して入力された情報を「入力情報」と称す場合がある。
【0054】
「貼付対象物OBのデータ」には、図3に示す貼付対象物OBの3次元形状である「形状情報」、貼付対象物OBにおいて印刷物PRが貼付けられる領域ARの位置及び大きさを示す「領域情報」、及び、領域ARに貼付けられた画像G1を仮想空間において視認する視点の位置を示す「視点情報」が含まれているものとする。本開示における「3Dデータ」とは、貼付対象物OBの「形状情報」及び「領域情報」を含む。「視点情報」は、単数でもよいし、複数あってもよい。
【0055】
なお、「視点情報」としては、本開示における「予め定められた視点」として、画像G1がQRコードのみの場合、貼付対象物OBにおいて当該画像の中央の面からの法線方向における視点を含むことが好ましい。また、画像G1の一部にQRコードが含まれている場合、貼付対象物OBにおいて当該QRコードの中央の面からの法線方向における視点を含むことが好ましい。
【0056】
これらの形状情報、領域情報及び視点情報は、記憶部13におけるオブジェクトデータベース13Bに記憶されている。情報取得部11Aは、これらの入力情報、形状情報、領域情報及び視点情報を取得する。以下の説明においては、ユーザがURL検証処理を実行するオプションを選択した場合の印刷ジョブについて説明する。
【0057】
(検証用データ生成部)
検証用データ生成部11Bは、印刷ジョブの開始指示に応じて、画像G1の印刷物PRをスキャンして、ラスター画像である「検証用データ」を生成する。印刷物PRのスキャンは、検証用データ生成部11Bからの指示に応じて、画像読取部32によって実行される。
【0058】
(検証部)
検証部11Cは、印刷物PRのURLリンク情報の有効性を検証する。具体的には、検証部11Cは、検証用データ生成部11Bによって生成された検証用データを取得する。また、検証部11Cは、オブジェクトデータベース13Bから、印刷物PRの貼付対象物OBの3Dデータを読み出す。そして、検証部11Cは、読み出した3Dデータに、検証用データを貼付ける。この際、検証用データは、貼付対象物OBの領域ARに貼付けられる。
【0059】
そして、検証部11Cは、3Dデータに貼付けられた状態の検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、URLリンク情報の有効性を検証する。この有効性の検証は、検証用データが有するQRコードを仮想的に読み込み、指定のURLにアクセスできるかを確認することにより実行される。
【0060】
なお、検証部11Cは、貼付対象物OBの3Dデータが有る場合に、検証用データを前記3Dデータに貼付ける。「3Dデータが有る場合」とは、ユーザが選択した貼付対象物OBのデータの参照リンクが有効である場合である。すなわち、検証部11Cが、選択された参照リンクから、貼付対象物OBの3Dデータを読み取ることができた場合である。
【0061】
一方、検証部11Cは、貼付対象物OBの3Dデータが無い場合には、後述するURL検証処理(図6参照)に示すように、URL検証処理を実行しなくてもよい。
【0062】
または、検証部11Cは、貼付対象物OBの3Dデータが無い場合には、後述するURL検証処理の変形例(図7参照)に示すように、2Dの検証用データにおけるURLリンク情報の有効性を検証してもよい。「2Dの検証用データ」とは、画像G1の印刷物PRをスキャンして生成された、2次元のラスター画像である。この際、検証部11Cは、仮想空間において2Dの検証用データを正面視した状態で、URLリンク情報の有効性を検証する。
【0063】
さらに、検証部11Cは、複数の視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性を検証することもできる。検証部11Cが複数の視点からURLリンク情報の有効性を検証するのは、オブジェクトデータベース13Bに、画像G1を視認する複数の視点情報が記憶されている場合である。
【0064】
このような場合、検証部11Cは、図3に示す視点P1に加え、当該視点P1とは異なる視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性をさらに検証する。
【0065】
検証部11CによるURLリンク情報の有効性の検証結果は、検査結果データベース13Cに格納される。
【0066】
(正解データ生成部)
正解データ生成部11Dは、URLリンク情報を有する画像G1をラスタライズした「正解データ」を作成する。具体的には、正解データ生成部11Dは、画像G1の印刷前のデータ(例えばベクターデータ)をラスタライズすることにより、ラスター画像である正解データを生成する。
【0067】
(比較部)
比較部11Eは、正解データと検証用データとを比較する。正解データは、印刷前のデータ(例えばベクターデータ)をラスタライズして生成されるため、印刷及びスキャンの工程を経ない。このため、画像G1の印刷物PRをスキャンしてラスタライズした検証用データと比較して、精度が高い。
【0068】
比較部11Eは、正解データと検証用データとを比較して、検証用データにおけるエラーの有無を抽出する。例えば正解データに含まれない線、点、かすれや歪み等が検証用データに含まれる場合、比較部11Eは、エラーが有ると判定する。また、例えば正解データに含まれる線や点が検証用データに含まれない場合も、比較部11Eは、エラーが有ると判定する。
【0069】
比較部11Eによる正解データと検証用データとの比較結果は、検査結果データベース13Cに格納される。
【0070】
(出力部)
出力部11Fは、図5に示すように、比較部11Eによる正解データと検証用データとの比較結果を、表示部24Aに出力することができる。また、出力部11Fは、検証部11CによるURLリンク情報の有効性の検証結果を、画像形成装置20の表示部24Aに出力することができる。
【0071】
表示部24Aにおける比較結果及び検証結果の表示方法は任意であるが、この図においては、6枚の印刷物PRのうち、3枚目の印刷物PRにおいて、正解データと比較した検証用データにエラーがあり、かつ、URLリンク情報が有効でない視点があった場合の表示例が示されている。
【0072】
6枚の印刷物PRは、表示部24Aの「ページリスト」欄に1~6の数字で示されている。3枚目の印刷物PRを示す「3」が枠S1で囲われることにより、3枚目の印刷物PRに、正解データと比較した検証用データのエラー、及び、URLリンク情報が無効な視点、の少なくとも一方があったことが示される。
【0073】
表示部24Aの「エラー箇所」には、正解データと比較した検証用データのエラー箇所が枠S2で囲われることにより示されている。検証用データにエラー箇所が無い場合は、「エラー箇所」欄は表示されない。
【0074】
表示部24Aの「URL読込エラー視点」には、URLリンク情報が有効でない視点からみた貼付対象物OBが示されている。URLリンク情報が有効でない視点が複数ある場合は、視点を移動させるカーソルS3が表示される。URLリンク情報が有効でない視点が無い場合は、「URL読込エラー視点」欄は表示されない。
【0075】
なお、出力部11Fは、比較部11Eによる正解データと検証用データとの比較結果及び、検証部11CによるURLリンク情報の有効性の検証結果の少なくとも一方を、ユーザが使用する端末の画面に出力させてもよい。
【0076】
<処理フロー>
図6~8を用いて、本実施形態における処理フローについて説明する。まず、図6を用いてURL検証処理の一例について説明し、次に、図7を用いてURL検証処理の変形例について説明する。そして、図8を用いて、URL検証処理に加えて比較部11Eによって検証用データと正解データとを比較する場合の処理について説明する。
【0077】
(URL検証処理)
制御装置10のCPU11は、ユーザから画像G1の印刷ジョブを受付けると、情報処理プログラム13Aを実行する。これにより、図6に示すURL検証処理が実行される(ステップ102)。
【0078】
URL検証処理が開始されると、ステップ104で、CPU11は、貼付対象物OBの3Dデータの有無を判定する。ステップ104で肯定判定となった場合は、ステップ110へ移行する。
【0079】
ステップ110で、CPU11は、画像G1を印刷し、さらに出力された印刷物PRをスキャンして検証用データを生成する。ステップ110の次はステップ112へ移行する。
【0080】
一方、ステップ104で否定判定となった場合は、ステップ120へ移行する。ステップ120で、CPU11は、画像G1を印刷するが、印刷物PRはスキャンしない。ステップ120の次はステップ128へ移行する。
【0081】
ステップ128で、CPU11は、印刷ジョブを受付けた画像のうち、全ての画像の印刷が終了したか否かを判定する。ステップ128で肯定判定となった場合は、URL検証処理を終了する。ステップ128で否定判定となった場合は、ステップ120へ戻って、異なる画像を印刷する。
【0082】
ステップ112で、CPU11は、生成された検証用データを貼付対象物OBの3Dデータに貼付ける。ステップ112の次はステップ114へ移行する。
【0083】
ステップ114で、CPUは、貼付対象物OBの3Dデータに貼付けられた状態の検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、URLリンク情報の有効性を検証し、検証結果を検査結果データベース13Cへ記憶する。ステップ114の次はステップ116へ移行する。
【0084】
ステップ116で、CPU11は、URLリンク情報の有効性を、オブジェクトデータベースに視点情報として記憶された全ての視点からみて検証したか否かを判定する。ステップ116で肯定判定となった場合は、ステップ118へ移行する。
【0085】
一方、ステップ116で否定判定となった場合は、ステップ114へ戻って、異なる視点からみてURLリンク情報の有効性を検証する。
【0086】
ステップ118で、CPU11は、印刷ジョブを受付けた画像のうち、全ての画像の印刷及びURL検証が終了したか否かを判定する。ステップ118で肯定判定となった場合は、ステップ150へ移行する。
【0087】
ステップ150で、CPU11は、URL検証結果を表示部24Aに表示して、URL検証処理を終了する。
【0088】
一方、ステップ118で否定判定となった場合は、ステップ110へ戻って、異なる画像の印刷及びURL検証を実施する。
【0089】
(URL検証処理の変形例)
図6に示したURL検証処理においては、ステップ104で否定判定となった場合、印刷物PRをスキャンせず、URL検証を実行しない。一方、図7に示したURL検証処理の変形例においては、ステップ104で否定判定となった場合、印刷物PRをスキャンして、URL検証を実行する。
【0090】
なお、URL検証処理の変形例において、以下に説明する処理以外の処理は、図6に示したURL検証処理と同様であり、説明を省略する。
【0091】
このURL検証処理の変形例においては、ステップ120で、CPU11は、画像G1を印刷し、さらに出力された印刷物PRをスキャンして検証用データを生成する。ステップ120の次はステップ124へ移行する。
【0092】
ステップ124で、CPU11は、2Dの検証用データを、仮想空間において正面視して、URLリンク情報の有効性を検証し、検証結果を検査結果データベース13Cへ記憶する。ステップ124の次はステップ128へ移行する。
【0093】
ステップ128で、CPU11は、印刷ジョブを受付けた画像のうち、全ての画像の印刷及びURL検証が終了したか否かを判定する。ステップ128で肯定判定となった場合は、ステップ150へ移行する。
【0094】
(比較処理・URL検証処理)
図6図7に示したURL検証処理の説明においては、正解データと検証用データの比較処理を実行しない場合の処理フローについて説明した。以下の説明においては、図8を用いて、URL検証処理に加えて正解データと検証用データの比較処理を実行する場合の処理フローについて説明する。
【0095】
なお、比較処理を実行する場合の処理において、以下に説明する処理以外の処理は、図6に示したURL検証処理と同様であり、説明を省略する。
【0096】
比較処理・URL検証処理が開始されると、ステップ130で、CPU11は、印刷前の画像G1をラスタライズして正解データを作成する。ステップ130の後は、ステップ104へ移行する。
【0097】
この処理フローでは、ステップ110の次はステップ132へ移行する。ステップ132では、正解データと検証用データとを比較して、比較結果を検査結果データベース13Cへ記憶する。ステップ132の次は、ステップ112へ移行する。
【0098】
また、この処理フローでは、ステップ118で、CPU11は、印刷ジョブを受付けた画像のうち、全ての画像の印刷、比較処理及びURL検証処理が終了したか否かを判定する。ステップ128で肯定判定となった場合は、ステップ150へ移行して比較処理結果及びURL検証結果を表示部24Aに表示し、比較処理・URL検証処理を終了する。
【0099】
また、この処理フローでは、ステップ104で否定判定となった場合は、ステップ140へ移行する。ステップ140で、CPU11は、画像G1を印刷し、さらに出力された印刷物PRをスキャンして検証用データを生成する。ステップ140の次はステップ142へ移行する。
【0100】
ステップ142で、CPU11は、正解データと検証用データとを比較して、比較結果を検査結果データベース13Cへ記憶する。ステップ142の次は、ステップ128へ移行する。
【0101】
ステップ128で、CPU11は、印刷ジョブを受付けた画像のうち、全ての画像の印刷及び比較処理が終了したか否かを判定する。ステップ128で肯定判定となった場合は、ステップ150へ移行する。
【0102】
ステップ150で、CPUは、比較結果及びURL検証結果を表示部24Aに表示し、比較処理・URL検証処理を終了する。
【0103】
<作用及び効果>
URLリンク情報を有する画像の印刷物を貼付対象物に貼付け、貼付けられた状態の画像からURLリンク情報をリーダーで読み取る場合がある。このような場合、貼付対象物における画像の貼付け領域が曲面を有している場合や、画像を認識し難い位置にリーダーがある場合などは、URLリンク情報を正常に読み取れない可能性がある。
【0104】
しかしながら、画像の印刷物を実際の貼付対象物に貼付けてURLリンクの有効性を検証すると、貼付対象物を製作したり、貼付対象物に貼付けられる印刷物を製作したりする必要があり、手間がかかる。
【0105】
これに対して、本実施形態に係る情報処理システム80では、印刷物PRの貼付対象物OBの3Dデータに検証用データを貼付ける。そして、3Dデータに貼付けられた状態の検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、URLリンク情報の有効性を検証する。
【0106】
このため、画像G1の印刷物PRを貼付対象物OBに貼付けることなく、画像G1が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0107】
なお、検証用データは、画像G1の印刷物PRをスキャンすることにより、ラスター画像として生成される。このため、検証用データに含まれる画像は、画像G1を印刷しないで生成される画像(例えばベクター画像)と比較して、実際に貼付対象物OBに貼付けられる印刷物PRが有する画像G1と精度が近い。このため、画像G1を印刷しないで生成される画像を3Dデータに貼付けて検証する場合と比較して、検証精度が高い。
【0108】
また、本実施形態に係る情報処理システム80では、図6のURL検証処理に示すように、印刷物PRの貼付対象物OBの3Dデータが無い場合に、画像G1の印刷物PRをスキャンせず、印刷ジョブのみを実行する処理を実行することができる。これにより、URL検証処理を実行できない場合でも、少なくとも印刷ジョブを実行できる。
【0109】
また、本実施形態に係る情報処理システム80では、図7のURL検証処理の変形例に示すように、印刷物PRの貼付対象物OBの3Dデータが無い場合に、画像G1の印刷物PRをスキャンして、2Dの検証用データにおけるURLリンク情報の有効性を検証することもできる。
【0110】
これにより、少なくとも、貼付対象物OBへ貼付前の印刷物PRが有する画像G1が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。また、貼付対象物OBの貼付け領域が平面の場合において、印刷物PRが有する画像G1が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0111】
なお、印刷物PRの貼付対象物OBの3Dデータが無い場合に、CPU11が図6のURL検証処理及び図7のURL検証処理の変形例のどちらを実行するかは、任意であり、ユーザの入力操作により予め設定することができる。
【0112】
また、本実施形態に係る情報処理システム80では、仮想空間における予め定められた視点を含む複数の視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性を検証することができる。これにより、印刷物PRが貼付対象物OBに貼付けられた際に、多方向からURLリンク情報を取得できるか否かを検証できる。
【0113】
また、本実施形態に係る情報処理システム80では、画像G1をラスタライズした正解データを作成し、正解データと検証用データとを比較する。これにより、貼付対象物OBに貼付けられる印刷物PRにおけるエラーを検出できる。また、URLリンク情報が有効でない場合に、当該エラーをその原因として推測することもできる。
【0114】
また、本実施形態に係る情報処理システム80では、正解データと検証用データとの比較結果と、URLリンク情報の有効性の検証結果とを、画像形成装置20の表示部24Aに出力することができる。これにより、検証用データにおける正解データとの差異の有無及びURLリンクの有効性を、画像形成装置20の表示部24Aで確認できる。
【0115】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、仮想空間における予め定められた視点を含む複数の視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性を検証しているが、本開示の実施形態はこれに限らない。
【0116】
URLリンク情報の有効性は、少なくとも1つの視点から検証すればよい。URLリンク情報の有効性を1つの視点から検証することでも、画像G1の印刷物PRを貼付対象物OBに貼付けずに画像が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0117】
また、上記実施形態においては、正解データと前記検証用データとの比較結果と、URLリンク情報の有効性の検証結果とを、処理フローの終了前に画像形成装置20の表示部24Aに出力するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。
【0118】
例えば表示部24Aには、処理フローの終了前にこれらの情報を表示させなくてもよい。この場合、ユーザの表示部24Aを介した入力操作により、これらの情報を表示可能とすればよい。
【0119】
また、例えば表示部24Aには、正解データと検証用データとの比較結果及びURLリンク情報の有効性の検証結果の何れかのみを表示させてもよいし、これらの双方を表示させないものとしてもよい。表示させない情報は、例えばユーザが使用する端末に表示させてもよい。
【0120】
また、上記実施形態においては、図8に示した比較処理・URL検証処理において、ステップ104で否定判定となった場合、印刷物PRをスキャンする一方、URL検証を実行しない。しかし、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0121】
つまり、印刷物PRをスキャンして生成された検証用データを用いて、図7に示したステップ124と同様に、2Dの検証用データにおけるURLリンク情報の有効性を検証し、検証結果を検査結果データベース13Cへ記憶させてもよい。
【0122】
また、上記実施形態においては、画像G1をラスタライズした正解データを作成し、正解データと検証用データとを比較することができる情報処理システム80について説明したが、本開示の実施形態はこれに限らない。
【0123】
例えば、情報処理システム80は、必ずしも正解データと検証用データとを比較する機能を有している必要はない。この場合、制御装置10における正解データ生成部11D及び比較部11Eは省略できる。また、制御装置10が正解データ生成部11D及び比較部11Eを備えている場合においても、正解データと検証用データとを比較する比較処理を実行するか否かは任意であり、ユーザの入力処理により予め設定することができる。
【0124】
また、上記実施形態において、例えば、情報取得部11A、検証用データ生成部11B、検証部11C、正解データ生成部11D、比較部11E、出力部11F及び制御部11Gの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0125】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0126】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0127】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。このように、本開示は様々な態様で実施することができる。
【0128】
<付記>
(((1)))
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして生成された検証用データを取得し、
前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに前記検証用データを貼付け可能であり、
前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証する、
情報処理システム。
【0129】
(((2)))
前記プロセッサは、
画像形成装置による前記画像の印刷の開始指示を取得後、
前記3Dデータが有る場合に、
前記画像の印刷物をスキャンして生成された前記検証用データを前記3Dデータに貼付ける、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0130】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記3Dデータが無い場合に、
前記画像の印刷物をスキャンして前記検証用データを生成し、
2Dの前記検証用データにおける前記URLリンク情報の有効性を検証する、
(((1)))または(((2)))に記載の情報処理システム。
【0131】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記視点とは異なる視点から、前記検証用データをみた場合の前記URLリンク情報の有効性をさらに検証する、
(((1)))から(((3)))の何れかに記載の情報処理システム。
【0132】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記URLリンク情報の有効性の検証結果を、画像形成装置の表示画面に出力する、
(((1)))から(((4)))の何れかに記載の情報処理システム。
【0133】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記画像をラスタライズした正解データを作成し、
前記正解データと前記検証用データとを比較する、
(((1)))から(((5)))の何れかにに記載の情報処理システム。
【0134】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記正解データと前記検証用データとの比較結果と、前記URLリンク情報の有効性の検証結果とを、画像形成装置の表示画面に出力する、
(((6)))に記載の情報処理システム。
【0135】
(((8)))
コンピュータに、
URLリンク情報を有する画像の印刷物をスキャンして検証用データを作成させ、
前記印刷物の貼付対象物の3Dデータに、前記検証用データを貼付けさせ、
前記3Dデータに貼付けられた状態の前記検証用データを、仮想空間における予め定められた視点からみて、前記URLリンク情報の有効性を検証させることが可能な、
情報処理プログラム。
【0136】
(((1)))の情報処理システム及び(((8)))の情報処理プログラムによれば、画像の印刷物を貼付対象物に貼付けることなく、画像が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0137】
(((2)))の情報処理システムによれば、印刷指示に応じて印刷された画像の印刷物が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0138】
(((3)))の情報処理システムによれば、貼付対象物へ貼付前印刷物の画像が有するURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0139】
(((4)))の情報処理システムによれば、複数の視点から検証用データをみた場合のURLリンク情報の有効性を検証することができる。
【0140】
(((5)))の情報処理システムによれば、URLリンク情報の有効性を、画像形成装置の表示画面で確認できる。
【0141】
(((6)))の情報処理システムによれば、画像の印刷物をスキャンした検証用データのURLリンク情報の有効性を検証することに加え、画像をラスタライズした正解データとの差異を抽出できる。
【0142】
(((7)))の情報処理システムによれば、検証用データにおける正解データとの差異の有無及びURLリンクの有効性を画像形成装置の表示画面で確認できる。
【符号の説明】
【0143】
11 CPU(プロセッサ)
20 画像形成装置(情報処理装置)
24A 表示部(表示画面)
80 情報処理システム
PR 印刷物
G1 画像
OB 貼付対象物
P1 視点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8