(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156566
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】折返し装置、被服折畳み装置、被服折返し方法、折畳み装置、折返し方法
(51)【国際特許分類】
D06F 89/02 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
D06F89/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071148
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】592091596
【氏名又は名称】帝人エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】石橋 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴嗣
(72)【発明者】
【氏名】島田 祐治
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴之
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる折返し装置等を提供する。
【解決手段】折返し装置(5)は、上面と下面とを有し、上面を投影してみたときに、主体部分(91)と第1部分(93)とを有する対象物(9)の第1部分(93)を折返し線95に沿って主体部分(91)の上面側に折り返し、対象物(9)の上面側であって折返し線95に沿って配される第1部材51と、折り返す前の第1部分(93)における下面の下側から第1部材51の上方を通って折返し方向に移動する第2部材55とを備える。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する対象物の前記第1部分を折返し線に沿って前記主体部分の前記上面側に折り返す折返し装置において、
前記対象物の前記上面側であって前記折返し線に沿って配される第1部材と、
折り返す前の前記第1部分における前記下面の下側から前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動する第2部材と
を備える、
折返し装置。
【請求項2】
前記対象物は、被服であり、
前記第2部材は、前記被服の前記下面に沿って延伸し且つ第2回転軸回りに回転可能な第2棒状部を有し、
前記第2部材の前記折返し方向への移動は、前記第2回転軸回りを回転することで、前記第2棒状部が移動し、
前記第2回転軸の軸方向が前記上面と直交する方向と平行である、
請求項1に記載の折返し装置。
【請求項3】
前記第2部材は、上方に上昇した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向に回転する、
請求項2に記載の折返し装置。
【請求項4】
前記第1部材は、前記被服の前記上面を前記折返し線に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1棒状部は、前記折返し方向に回転する前記第2棒状部が前記第1棒状部を超えた後に、前記折返し線から離れる、
請求項2に記載の折返し装置。
【請求項5】
前記対象物は、被服であり、
前記第1部材は、前記被服の前記上面に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1部材の前記折返し線への配置は、次の(1)~(3)の何れか1つによって、行われる、
請求項1に記載の折返し装置。
(1)前記第1棒状部が前記上面と直交する方向と平行な第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1部材は、前記折返し線に沿うように移動可能な前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に近づくように移動することによって
(3)前記第1部材は、前記折返し線に沿って移動可能な1個又は2個の前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なりが多くなる向きに移動することによって
【請求項6】
前記第2部材は、前記被服の前記下面に沿って延伸し且つ第2回転軸回りに回転可能な第2棒状部を有し、
前記第2部材は、上方に上昇した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向に回転し、
前記第1棒状部は、前記折返し方向に回転する前記第2棒状部が前記第1棒状部を超えた後に、次の(1)~(3)の何れか1つによって、前記主体部分の外側に移動する、
請求項5に記載の折返し装置。
(1)前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線から離れるように前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1棒状部が前記折返し線に沿うように移動可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線から離れるように移動することによって
(3)前記第1棒状部が前記折返し線に沿って移動可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なりが少なくなる向きに移動することによって
【請求項7】
前記第2部材は、前記第1棒状部が前記主体部分の外側に移動した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向と反対方向に回転する、
請求項6に記載の折返し装置。
【請求項8】
前記折返し線は、前記被服の脇部分に位置する、
請求項2~7の何れか1項に記載の折返し装置。
【請求項9】
対象物用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記対象物の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える折畳み装置において、
前記折返しユニットは、請求項1に記載の折返し装置である、
折畳み装置。
【請求項10】
被服用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記被服の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える被服折畳み装置において、
前記折返しユニットは、請求項2~7の何れか1項に記載の折返し装置である、
被服折畳み装置。
【請求項11】
被服用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記被服の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える被服折畳み装置において、
前記折返しユニットは、請求項2に記載の折返し装置であり、
前記第1部材は、前記被服の上面に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1部材の前記折返し線への配置及び退去は、次の(1)~(3)の何れか1つによって、行われる、
被服折畳み装置。
(1)前記第1棒状部が前記上面と直交する方向と平行な第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1部材は、前記折返し線に沿うように移動可能な前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記被服の前記主体部分上を前記折返し線に遠近するように移動することによって
(3)前記第1部材は、前記折返し線に沿って移動可能な1個又は2個の前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なり量が増減する向きに移動することによって
【請求項12】
上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する被服の前記第1部分を折返し線に沿って前記被服の前記主体部分の前記上面側に折り返す被服折返し方法において、
前記被服の前記上面側であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、
前記被服の前記第1部分における前記下面に対向して配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、
この順で行う被服折返し方法。
【請求項13】
対象物の第1部分を折返し線に沿って上面側に折り返す折返し方法において、
前記対象物の前記上面であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、
前記対象物の前記第1部分の下面側に配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、
この順で行う折返し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被服や対象物の第1部分を折り返す装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャツ等の衣服を折畳む装置として、例えば、「シャツをセットする受け台の両側に、上下方向に交互にすき間を開けて受け台の下方にスライドする複数の折り板を設け、最下位置にない折り板の側辺を、受台の長手方向に対して傾斜させる。上側の折り板から順に受け台の下方にスライドさせてシャツの袖を折りたたむと、折り板の底片の傾斜によって袖が方向変換されて折りたたまれる」装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記折畳み装置は、構造及び動作の制御が複雑である。
本発明は、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る折返し装置は、上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する対象物の前記第1部分を折返し線に沿って前記主体部分の前記上面側に折り返す折返し装置において、前記対象物の前記上面側であって前記折返し線に沿って配される第1部材と、折り返す前の前記第1部分における前記下面の下側から前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動する第2部材とを備える。
本発明に係る折畳み装置は、対象物用の設置面と、前記設置面上に設置された前記対象物の第1部分を折り返す折返しユニットとを備える折畳み装置において、前記折返しユニットは、上記の折返し装置である。
本発明に係る被服折畳み装置は、被服用の設置面と、前記設置面上に設置された前記被服の第1部分を折り返す折返しユニットとを備える被服折畳み装置において、前記折返しユニットは、上記の折返し装置であって対象物が被服である。
本発明に係る被服折返し方法は、上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する被服の前記第1部分を折返し線に沿って前記被服の前記主体部分の前記上面側に折り返す被服折返し方法において、前記被服の前記上面側であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、前記被服の前記第1部分における前記下面に対向して配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、この順で行う。
本発明に係る折返し方法は、対象物の第1部分を折返し線に沿って上面側に折り返す折返し方法において、前記対象物の前記上面であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、前記対象物の前記第1部分の下面側に配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、この順で行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明の折返し装置等によれば、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】実施形態の折畳み装置を上方から見た斜視図であって被服を広げた状態を示す図である。
【
図1B】実施形態の折畳み装置を上方から見た斜視図であって片方の長袖部が折り返された状態を示す図である。
【
図3】左側の折返しユニットを側方から見た図である。
【
図4A】第1棒状部が折返し線に沿って配された状態を上方から見た図である。
【
図4B】第1棒状部が折返し線に沿って配され、第2部材が反時計回りの向きに回転し且つ第1棒状部に達していない状態を上から見た状態である。
【
図4C】第1棒状部が折返し線に沿って配され、第2部材が反時計回りの向きに移動し且つ第1棒状部を超えた状態を上から見た状態である。
【
図4D】第1棒状部が折返し線に沿って配され、第2部材が反時計回りの向きに移動して長袖部が折り返された状態を上から見た状態である。
【
図5A】第2実施形態の第1及び第2部材の動作を説明する図であり、第1棒状部及び第2棒状部が待機位置にある状態を上方から見た図である。
【
図5B】第2実施形態の第1及び第2部材の動作を説明する図であり、第1棒状部が折返し線に沿って配された状態を上方から見た図である。
【
図5C】第2実施形態の第1及び第2部材の動作を説明する図であり、第1棒状部が折返し線に沿って配され、第2部材が折返し方向にスライドし且つ第1棒状部を超えた状態を上から見た状態である。
【
図5D】第2実施形態の第1及び第2部材の動作を説明する図であり、第1棒状部が折返し線に沿って配され、第2部材が折返し方向にスライドして長袖部が折り返された状態を上から見た状態である。
【
図6A】第3実施形態の第1部材が待機位置にある状態を上方から見た図である。
【
図6B】第3実施形態の第1棒状部が折返し線に沿って移動している状態を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
1.折返し装置
第1の折返し装置は、
上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する対象物の前記第1部分を折返し線に沿って前記主体部分の前記上面側に折り返す折返し装置において、
前記対象物の前記上面側であって前記折返し線に沿って配される第1部材と、
折り返す前の前記第1部分における前記下面の下側から前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動する第2部材と
を備える。
これにより、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる。
ここでいう「第1部材」及び「第2部材」は、板状部材、棒状部材、これらを組み合わせた部材を含み、1個の部材又は複数個の部材で構成されてもよい。
第1部材が「折返し線に沿って配される」は、「折返し線上に配される」場合、「折返し線上に位置せずにその周辺に配される」場合、「上側から見たときに折返し線と交差しない状態で配される」場合、「上側から見たときに折返し線と交差する状態で配される」場合を含み、各場合に対して、更に、「第1部材の一部又は全部が対象物に接触する状態で配される」場合、「第1部材の一部又は全部が対象物を上側から押さえる状態で配される」場合、「第1部材の一部又は全部が対象物に接触しない状態で配される」場合を含む。また、第1部材の配置は、回転移動、スライド移動、延伸(伸縮)移動、昇降移動、これらの組合せの移動により行われ、第1部材が対象物に対して移動してもよいし、対象物が第1部材に対して移動してもよいし、第1部材と対象物とが移動してもよい。
第2部材において、「前記第1部分における前記下面の下側から前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動する」は、「対象物が配される前から第1部分の下側に第2部材が位置し、対象物が配された後に移動する」場合、「対象物が配された後に第2部材が下側に配され、その後に移動する」場合を含み、対象物の下側に位置する状態において、「対象物が平坦である」状態、「対象物が第2部材により隆起している」状態、「対象物が第2部材により没入している」状態を含む。
第2部材が「第1部材の上方を通って折り返し方向に移動する」とは、第1部分が折り返されればよく、「第1部分の折返し方向と一致する方向に第2部材が移動する」場合、「第1部分の折返し方向と一部が一致する方向に第2部材が移動する」場合(折返し方向と、折返し方向と一致しない方向との両方向に移動するような場合)、「第1部分の折返し方向と一致しない方向に第2部材が移動する」場合を含む。実施形態を用いて説明すると、折返し方向は、折返し線に対して直交する方向であり、第1実施形態では第2部材は回転移動し且つ第1部分の折返し方向と一部で一致し、第2実施形態では第2部材はスライド移動し且つスライドする方向が第1部分の折返し方向と一致していない。第2部材の移動は、回転移動、スライド移動、昇降移動、これらの組合せの移動により行われ、第2部材が対象物に対して移動してもよいし、対象物が第2部材に対して移動してもよいし、第2部材と対象物とが移動してもよい。
【0009】
第2の折返し装置は、第1の折返し装置において、
前記対象物は、被服であり、
前記第2部材は、前記被服の前記下面に沿って延伸し且つ第2回転軸回りに回転可能な第2棒状部を有し、
前記第2部材の前記折返し方向への移動は、前記第2回転軸回りを回転することで、前記第2棒状部が移動し、
前記第2回転軸の軸方向が前記上面と直交する方向と平行である。
これにより、第2部材の折返し方向の移動を容易に行うことができる。
第2棒状部の移動を設置面上とすることで、装置を小型化できる。
被服の下面に沿って延伸する第2棒状部は、下面と平行な方向に延伸する第2棒状部、下面と平行な方向に対して45°以内で交差する方向に延伸する第2棒状部を含む。第2回転軸は、設置面上にあってもよいし、設置面外にあってもよい。
【0010】
第3の折返し装置は、第2の折返し装置において、
前記第2部材は、上方に上昇した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向に回転する。
これにより、被服を容易に配置できる。また、第1部分を容易に折り返すことができる。また、第1部材との干渉を防止できる。
【0011】
第4の折返し装置は、第2又は第3の折返し装置において、
前記第1部材は、前記被服の前記上面を前記折返し線に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1棒状部は、前記折返し方向に回転する前記第2棒状部が前記第1棒状部を超えた後に、前記折返し線から離れる。
これにより、被服の折り返し状態を維持して第1部材を移動させることができる。
「折返し線に沿って延伸する第1棒状部」には、「折返し線と平行に延伸する第1棒状部」、「折返し線に対して45°以内で交差する状態で延伸する第1棒状部」を含む。
第1棒状部が折返し線から離れるとは、折返し線と交差する方向であって折返し線から離れる方向に移動する場合、上側から見たときに折返し線と第1棒状部とが重なり、その重なりが少なくなる方向に移動する場合を含む。
【0012】
第5の折返し装置は、第1~第4の折返し装置において、
前記対象物は、被服であり、
前記第1部材は、前記被服の前記上面に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1部材の前記折返し線への配置は、次の(1)~(3)の何れか1つによって、行われる。
(1)前記第1棒状部が前記上面と直交する方向と平行な第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1部材は、前記折返し線に沿うように移動可能な前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に近づくように移動することによって
(3)前記第1部材は、前記折返し線に沿って移動可能な1個又は2個の前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なりが多くなる向きに移動することによって。
これにより、第1部材の配置を容易に行うことができる。
「前記被服の前記上面に沿って延伸する第1棒状部」は、上面と平行な方向に延伸する第1棒状部、上面と平行な方向に対して45°以内で交差する方向に延伸する第1棒状部を含む。(2)の移動は、被服の上面と平行な方向に移動する場合、被服の上面と45°以内で交差する方向に移動する場合、被服と直交する方向を移動する場合、被服と直交する方向に対して45°以内で交差する方向に移動する場合を含む。(3)の移動は、長さが変化しない第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合、長さが伸縮する第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合を含む。
【0013】
第6の折返し装置は、第1~第5の折返し装置において、
前記第2部材は、前記被服の前記下面に沿って延伸し且つ第2回転軸回りに回転可能な第2棒状部を有し、
前記第2部材は、上方に上昇した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向に回転し、
前記第1棒状部は、前記折返し方向に回転する前記第2棒状部が前記第1棒状部を超えた後に、次の(1)~(3)の何れか1つによって、前記主体部分の外側に移動する。
(1)前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線から離れるように前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1棒状部が前記折返し線に沿うように移動可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線から離れるように移動することによって
(3)前記第1棒状部が前記折返し線に沿って移動可能な場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なりが少なくなる向きに移動することによって
これにより、被服の折り返し状態を維持して第1部材を移動させることができる。また、第2棒状部と第1棒状部とが干渉するのを防止できる。 被服の下面に沿って延伸する第2棒状部は、第2の折返し装置と同じである。(2)の移動は、被服の上面に平行に移動する場合、被服と上面に対して45°以内で交差する方向に移動する場合を含む。(3)の移動は、長さが変化しない第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合、長さが伸縮する第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合を含む。
【0014】
第7の折返し装置は、第1~第6の折返し装置において、
前記第2部材は、前記第1棒状部が前記主体部分の外側に移動した後に、前記第2回転軸回りを前記折返し方向と反対方向に回転する。
これにより、第1棒状部を容易に移動させることができる。また、折り畳まれた対象物の取り出しを容易に行うことができる。
第2部材の折返し方向と反対側への回転は、第2部材が折返し方向に回転した軌道の逆であってもよいし、異なる軌道を回転してもよい。
【0015】
第8の折返し装置は、第2~第7の折返し装置において、
前記折返し線は、前記被服の脇部分に位置する。
これにより、きれいに袖部分を折り返すことができる。
【0016】
2.折畳み装置
第1の折畳み装置は、
対象物用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記対象物の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える折畳み装置において、
前記折返しユニットは、第1~第8の折返し装置である。
これにより、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる。
【0017】
3.被服折畳み装置
第1の被服折畳み装置は、
被服用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記被服の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える被服折畳み装置において、
前記折返しユニットは、第2~第8の折返し装置である。
これにより、簡単な構造で、被服の第1部分を折り返すことができる。
【0018】
第2の被服折畳み装置は、
被服用の設置面と、
前記設置面上に設置された前記被服の第1部分を折り返す折返しユニットと
を備える被服折畳み装置において、
前記折返しユニットは、第2の折返し装置であり、
前記第1部材は、前記被服の上面に沿って延伸する第1棒状部を有し、
前記第1部材の前記折返し線への配置及び退去は、次の(1)~(3)の何れか1つによって、行われる。
(1)前記第1棒状部が前記上面と直交する方向と平行な第1回転軸回りに回転可能な場合、前記第1棒状部が前記第1回転軸回りに回転することによって
(2)前記第1部材は、前記折返し線に沿うように移動可能な前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記被服の前記主体部分上を前記折返し線に遠近するように移動することによって
(3)前記第1部材は、前記折返し線に沿って移動可能な1個又は2個の前記第1棒状部を有する場合、前記第1棒状部が前記折返し線に沿って前記被服との重なり量が増減する向きに移動することによって
これにより、簡単な構造で、被服の第1部分を折り返すことができる。
「被服の上面に沿って延伸する第1棒状部」には、第5の折返し装置と同じである。(2)の移動は、被服の上面に平行に移動する場合、被服と上面に対して45°以内で交差する方向に移動する場合を含む。(3)の移動は、長さが変化しない第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合、長さが伸縮する第1棒状部が折返し線に沿って移動する場合を含む。
【0019】
4.被服折返し方法
被服折返し方法は、
上面と下面とを有し、前記上面を投影してみたときに、主体部分と第1部分とを有する被服の前記第1部分を折返し線に沿って前記被服の前記主体部分の前記上面側に折り返す被服折返し方法において、
前記被服の前記上面側であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、
前記被服の前記第1部分における前記下面に対向して配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、
この順で行う。
これにより、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる。
「折返し線に沿って第1部材を配置する」は、「折返し線上に配置する」場合、「折返し線上に位置せずにその周辺に配置する」場合、「上側から見たときに折返し線と交差しない状態で配置する」場合、「上側から見たときに折返し線と交差する状態で配置する」場合を含み、各場合に対して、更に、「第1部材の一部又は全部が被服に接触する状態で配される」場合、「第1部材の一部又は全部が被服を上側から押さえる状態で配される」場合、「第1部材の一部又は全部が被服に接触しない状態で配される」場合を含む。また、第1部材の配置は、回転移動、スライド移動、延伸(伸縮)移動、昇降移動、これらの組合せの移動により行われ、第1部材が被服に対して移動してもよいし、被服が第1部材に対して移動してもよいし、第1部材と被服とが移動してもよい。
第2部材は、被服が配される前に対向する位置に配されてもよいし、被服が配された後に対向する位置に移動して配されてもよい。第2部材を「第1部材の上方を通って折り返し方向に移動させる」とは、第1部分が折り返されればよく、「第1部分の折返し方向と一致する方向に移動させる」場合、「第1部分の折返し方向と一部が一致する方向に移動させる」場合(折返し方向と、折返し方向と一致しない方向との両方向に移動するような場合)、「第1部分の折返し方向と一致しない方向に第2部材が移動する」場合を含む。実施形態を用いて説明すると、折返し方向は、折返し線に対して直交する方向であり、第1実施形態では第2部材は回転移動し且つ第1部分の折返し方向と一部で一致し、第2実施形態では第2部材はスライド移動し且つスライドする方向が第1部分の折返し方向と一致していない。第2部材の移動は、回転移動、スライド移動、昇降移動、これらの組合せの移動により行われ、第2部材が被服に対して移動してもよいし、被服が第2部材に対して移動してもよいし、第2部材と被服とが移動してもよい。
【0020】
5.折返し方法
折返し方法は、
対象物の第1部分を折返し線に沿って上面側に折り返す折返し方法において、
前記対象物の前記上面であって前記折返し線に沿って第1部材を配置する工程と、
前記対象物の前記第1部分の下面側に配された第2部材を、前記第1部材の上方を通って折返し方向に移動させる工程とを、
この順で行う。
これにより、簡単な構造で、第1部分を折り返すことができる。
「折返し線に沿って第1部材を配置する」、第1部材の配置、第2部材の配置、第2部材を「第1部材の上方を通って折り返し方向に移動させる」は、上記「4.被服折返し方法」と同じである。
【0021】
<実施形態>
実施形態では、一例として対象物が被服について説明する。主体部分は胴部であり、第1部分が長袖部である場合の折返しユニット及び折畳み装置、その折返し方法について説明する。
被服9は、
図1に示すように、胴部91と長袖部92,93とを有している。本実施形態では、長袖部92,93は、折返し線94,95に沿って胴部91の上側(表側)に折り返される。上側は、被服9が設置台(又は設置面)3に設置された状態で、設置台3と反対側、つまり、設置台3と接触しない側である。
ここで、被服9の両長袖部92,93の中心を結ぶ方向(図中の「X」である)を「幅方向」とし、首部分96の中心と胴部91の中心とを結ぶ方向(図中の「Y」である)を「長さ方向」とし、幅方向と長さ方向とに直交する方向(図中の「Z」である)を「厚み方向」とする。なお、幅方向の一方側を右側とし、他方側を左側とする。左右は着衣した人を基準とし、設置台3に水平状に配された状態では厚み方向の一方側が上側である。
【0022】
<第1実施形態>
第1実施形態では、回転駆動を利用した装置及び方法を説明する。
折畳み装置1は、被服9の折返し線94で一方(右側)の長袖部92を胴部91の上面側に折り返し(
図1Bの状態である)、その後、被服9の折返し線95で他方(左側)の長袖部93を胴部91の上面側に折り返す。これにより、被服9の両長袖部92,93が折り畳まれる。
折畳み装置1は、被服9用の設置台3と、設置台3上に設置された被服9の少なくとも1つの長袖部(92,93)を折り返す折返しユニット5とを備える。
本実施形態では、被服9の両長袖部92,93を折り畳むため、折返しユニット5は2台ある。なお、2台の折返しユニット5は、構造は同じであり、被服9の幅方向の中点を通り長さ方向に延伸する中心線に対して左右で線対称な動きをする。このため、他方側(左側)の折返しユニット5について説明する。
【0023】
1.構成
(1)設置台
設置台3は、
図1に示すように、被服9の胴部91が配される胴部設置部31と、被服9の長袖部92,93が配置される長袖部設置部32とを有している。
長袖部設置部32は、胴部設置部31に対して幅方向の両側に配されている。ここでは、長袖部設置部32は胴部設置部31から独立して設けられている。つまり、胴部設置部31に後付け可能に設けられている。
なお、
図2に示すように、胴部設置部31の胴部設置面31aと長袖部設置部32の長袖部設置面32aとは、水平面であって上下方向において面一状に構成されている。
長袖部設置部32は、
図2に示すように、長袖部設置面32aに第2棒状体551を収容する溝部32bを有している。
長袖部設置部32は、第1天板34と第2天板35とフレーム36とを備える。第1天板34と第2天板35は、幅方向に間隔をおいて配され、第1天板34と第2天板35との間に溝部32bが形成されている。
【0024】
(2)折返しユニット
ここでは、被服9の左側の長袖部93を折り返す折返しユニット5について説明する。
折返しユニット5は、被服9の折返し線95を押さえる押さえ手段と、押さえ手段により押さえられた状態で、長袖部93を胴部91の上側に折り返す折返し手段とを有する。
折返しユニット5は、
図1A及び
図1Bに示すように、被服9の上面であって折返し線95に沿って配される第1部材51と、被服9の長袖部93の下側に配され且つ第1部材51の上方を通って折返し方向に移動する第2部材55とを備える。
第1部材51と第2部材55は、少なくとも、被服9の厚み方向(上下方向)と平行な方向に延伸する第1及び第2回転軸51a,55a回りに回転する(
図3参照)。
なお、ここでの回転は、正転及び逆転の両方を含む。また、第1部材51及び第2部材55は、被服9の厚み方向に昇降する。また、「方向」には、当該方向と平行な方向も含む場合がある。
以下、詳細に説明するが、第1部材51及び第2部材55は、動作が異なるが、基本構成は同じであるため、まとめて説明する。共通して説明する場合は、「第1部材51及び第2部材55」等は、「第1及び第2部材51,55」等とする。
【0025】
第1及び第2部材51,55は、
図2に示すように、少なくとも、被服9の面に沿って延伸する第1及び第2棒状部511a,551aを有する第1及び第2棒状体511,551を備える。第1及び第2棒状体511,551は、一端が「U」字状に折り返された第1及び第2折返し部511b,551bを有し、当該第1及び第2折返し部511b,551bの他端が第1及び第2棒状部511a,551aに接続する。
第1及び第2棒状体511,551において、少なくとも第1及び第2棒状部511a,551aの断面形状は、円形状又は円形状に似た形状をしている。これにより、被服9が痛むのを防止できる。第1及び第2棒状体511,551において、少なくとも第1及び第2棒状部511a,551aは、鏡面又はこれに近い面に仕上げられている。つまり、表面の粗さは、Raで5μm以下が好ましく、さらに好ましくは4μm以下、特に好ましくは3.2μm以下で、下限は特に制限されないが被服との滑りやすさの点から0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がさらに好ましく、特に0.5μm以上が好ましい(JIS B 0633参照)。これにより、被服9が痛むのを防止できる。なお、上記粗さの測定には、小坂研究所製 SE-800型等を利用できる。
第1及び第2部材51,55は、第1及び第2棒状体511,551を固定する第1及び第2固定部材513,553を備える。具体的には、第1及び第2棒状体511,551の第1及び第2折返し部511b,551bが固定される。つまり、第1及び第2折返し部511b,551bは、第1及び第2固定部材513,553への第1及び第2固定部となる。固定は、溶接、ねじ、溝部への挿入等で行うことができ、ここでは、溶接を利用している。
なお、第1及び第2固定部材513,553は例えば円盤状をしている。
【0026】
第1及び第2部材51,55は、被服9の上面(あるいは、胴部設置面31a)と直交する第1及び第2回転軸51a,55a回りに回転可能に支持されている。
第1部材51の折返し線95への配置は、第1部材51が第1回転軸51a回りを時計回りの向き(折返し方向と反対方向である)に回転することで、第1棒状部511aが配される。
第2部材55の折返し方向の移動は、第2部材55が第2回転軸55a回りを反時計回りの向き(折返し方向である)に回転することで、第2棒状部551aが移動する。
第1部材51は、上方から見たとき、第1棒状部511aが被服9の外側であって被服9の長さ方向に沿った状態(
図2の状態である)が第1待機状態(この位置が第1待機位置である)であり、第1棒状部511aが折返し線95の位置にある状態(
図1B参照)が第1駆動状態(この位置が第1駆動位置である)である。つまり、第1待機位置から第1駆動位置へは少なくとも時計回りの向きに回転し、第1駆動位置から第1待機位置へは少なくとも反時計回りの向きに回転する。
第2部材55は、上方から見たとき、第2棒状部551aが被服9の外側であって被服9の長さ方向に沿った状態(
図2の状態である)が第2待機状態(この位置が第2待機位置である)であり、第2棒状部551aが長袖部93の折返しを終了した状態(
図4Dの状態である)が第2駆動状態(この位置が第2駆動位置である)である。つまり、第2待機位置から第2駆動位置へは少なくとも反時計回りの向きに回転し、第2駆動位置から第2待機位置へは少なくとも時計回りの向きに回転する。
なお、第1及び第2部材51,55の回転の向きは、長袖部92側と長袖部93側とで反対となる。
第1及び第2部材51,55は、第1及び第2待機状態において、
図2に示すように、被服9の長さ方向に沿って隣接し、第1及び第2棒状部511a,551aは、被服9の長さ方向を互いに反対向きに延伸している。これにより、折返しユニット5を、上下方向及び幅方向に小型化できる。
【0027】
第1及び第2部材51,55の回転は、第1及び第2回転駆動手段52,56により行われる。第1及び第2回転駆動手段52,56は、例えば、エアシリンダ、モータ等を利用できる。ここでは、旋回シリンダを利用している。
第1及び第2部材51,55の第1及び第2固定部材513,553は、第1及び第2回転駆動手段52,56にねじ等により着脱可能に固定される。これにより、被服9のサイズ、形状に対応した第1及び第2部材51,55を交換可能に利用でき、折返しユニット5の汎用性を高めることができる。
第1及び第2固定部材513,553は、固定用のねじが挿通する貫通孔を第1及び第2回転軸51a,55aの同心円周上に複数有し、各貫通孔は、周方向に長い長孔状に構成されている。これにより、第1及び第2固定部材513,553を第1及び第2回転駆動手段52,56に角度調整可能に固定でき、折返しユニット5の汎用性を高めることができる。
【0028】
第1及び第2部材51,55の昇降は、第1及び第2昇降駆動手段53,57により行われる。第1及び第2昇降駆動手段53,57は、例えば、エアシリンダ、モータ等を利用できる。ここでは、薄型のエアシリンダを利用している。
第1及び第2部材51,55は第1及び第2回転駆動手段52,56に固定され、第1及び第2回転駆動手段52,56が第1及び第2昇降駆動手段53,57に固定される。
【0029】
第1及び第2昇降駆動手段53,57は、第1及び第2固定具(541,543,581(
図3参照))を介して、支持される。
ここでは、第1昇降駆動手段53は、例えば、第1L型アングル材541と第1フレーム材543とを利用してフレーム36に固定される。第2昇降駆動手段57は、第2L型アングル581を利用してフレーム36に固定される。
【0030】
第1部材51は、第1回転駆動手段52により折返し線95まで回転すると、第1昇降駆動手段53により下降して折返し線95に沿って被服9を押さえる。このように、押さえ手段は、第1部材51、第1回転駆動手段52、第1昇降駆動手段53から構成される。
第2部材55は、長袖部93の下側に配された状態で、第2駆動位置まで回転(移動)することで、長袖部93が折り返される。このように、折返し手段は、少なくとも第2部材55と第2回転駆動手段56とを備える。ここでは、第2待機状態の第2部材55は、長袖部設置部32に埋設(没入)しており、第2昇降駆動手段57により上昇した後に回転するため、折返し手段は第2昇降駆動手段57も備える。
第1及び第2回転駆動手段52,56、第1及び第2昇降駆動手段53,57は、制御手段により制御される。制御として、例えば、シーケンス制御を利用できる。
【0031】
2.動作
制御手段は、第1及び第2部材51,55が、所定の動作を行うように制御する。
所定の動作は、例えば、以下の通りである。
(1)動作1
折返しユニット5の第1の動作を、
図1A、
図4A~
図4Dを用いて説明する。
まず、
図1Aに示すように、被服9が、両長袖部92,93を広げた状態に設置台3に設置されている。この際、第1及び第2部材51,55は、被服9の長さ方向と平行な状態で待機している。また、第2部材55は、長袖部93の下側であって長袖部設置部32の溝部32b内に位置する。
次に、第1及び第2部材51,55を第1及び第2昇降駆動手段53,57により上昇させる(第1の工程1)。この際、第2棒状部551aが第1棒状部511aよりも高くなるように駆動する。これより、第1部材51及び第2部材55の回転の際に、互いに干渉するのを防止できる。
次に、第1棒状部511aを移動させる。具体的には、第1回転駆動手段52により第1棒状部511aが折返し線95に達する(つまり、第1棒状部511aが折返し線95に配置される)まで時計回りに回転させた後に、第1昇降駆動手段53により第1棒状部511aが被服9を押さえる位置(又は近接する位置)まで下降させる(第1の工程2)。この状態を厚み方向の上側から見た図が
図4Aである。
これにより、被服9の折返し線95のある部分又はその周辺部分が第1部材51により押さえられ、長袖部93を折り返す際に胴部91がズレるのを防止できる。ここでいう「押さえられ」には、第1部材51が被服9に接触する場合、第1部材51が接触しないが、長袖部93を折り返した際に胴部91等が移動しない場合を含む。
【0032】
次に、第2部材55を移動させる。具体的には、第2回転駆動手段56により反時計回りに、長袖部93が折り返される位置(第2駆動位置)まで回転させる(第1の工程3)。
図4Bは、第2棒状部551aが第1棒状部511aを超える前の状態である。
図4Cは、第2棒状部551aが第1棒状部511aを超えた後の状態である。
図4Dは、長袖部93が完全に折り返された状態である。
この際、
図4Bや
図4Cに示すように、長袖部93が下側から第2棒状部551aにより支持された状態で胴部91側に移動するが、折返し線95のある部分又はその周辺部分が第1棒状部511aで押さえられているため、折返し線95に対して折り返される前の長袖部93と反対側部分(胴部91側の部分)が、ズレたり、折り返され中の長袖部93につられて返されたりするのを防止できる。
また、第2棒状部551aと被服9の胴部91との間に、第2棒状部551aにより支持された長袖部93の通過を許可する隙間が確保されているため、第2部材55の回転がスムーズに行われる。
【0033】
次に、第2部材55を第2待機位置まで第2回転駆動手段56により時計回りの向きに回転させる(第1の工程4)。
その後に、第1部材51を、第1昇降駆動手段53により上昇させた後に、第1待機位置まで第1回転駆動手段52により反時計回りの向きに回転させる(第1の工程5)。この際、第1棒状部511aが、その断面が円形状であって鏡面仕上げされているため、反時計回りにスムーズに回転でき、被服9を引きずったり、傷つけたりするのを防止できる。
なお、第1部材51を上昇させずに、反時計回りの向きに回転させても、被服9の折畳み状態に乱れが生じない場合は、第1部材51を上昇させずに回転させてもよい(動作2及び動作3においても同様である)。
最後に、第1及び第2部材51,55を第1及び第2昇降駆動手段53,57により下降させる(第1の工程6)。これより、第1及び第2部材51,55が第1及び第2待機状態に戻る。
【0034】
(2)動作2
折返しユニット5の第2の動作を説明する。
まず、被服9が設置台3に設置され、第1及び第2部材51,55は第1及び第2待機状態である。
次に、第1部材51を、第1昇降駆動手段53により上昇させた後に、第1回転駆動手段52により第1棒状部511aが折返し線95に達する(つまり、第1棒状部511aが折返し線95に配置される)まで時計回りに回転させ、第1昇降駆動手段53により下降させる(第2の工程1)。この状態を厚み方向の上側から見た図が
図4Aである。
【0035】
次に、第2部材55を、第2昇降駆動手段57により、第1部材51よりも高い位置まで上昇させた後に、第2回転駆動手段56により反時計回りに、
図4B、
図4CC、
図4Dに示すように、長袖部93が折り返される第2駆動位置まで回転させる(第2の工程2)。
最後に、第2部材55を第2待機位置の上方まで回転させた後に下降させる(第2の工程3)。そして、第1部材51を上昇させた後に、第1待機位置の上方まで回転させた後に下降させる(第2の工程4)。
【0036】
(3)動作3
折返しユニット5の第3の動作を説明する。
まず、被服9が設置台3に設置される。この際、第1部材51の第1棒状部511aは被服9の胴部91の外側であって胴部91よりも上方にあり、第2部材55の第2棒状部551aは、第1棒状部511aよりも上方にある。換言すると、第1の工程1を終了した状態であり、動作3における第1及び第2待機状態(待機位置)である。
次に、第1部材51を、第1回転駆動手段52により第1棒状部511aが折返し線95に達するまで時計回りに回転させ、第1昇降駆動手段53により下降させる(第3の工程1)。
次に、第2部材55を、第2回転駆動手段56により反時計回りに、
図4B、
図4C、
図4Dに示すように、長袖部93が折り返される第2駆動位置まで回転させる(第3の工程2)。
最後に、第2部材55を第2待機位置まで回転させた(第3の工程3)後に、第1部材51を第1待機位置まで回転させる(第3の工程4)。なお、第3の工程3では、先に第1部材51を第1待機状態に戻してもよいし、第1部材51と第2部材55とを同時又は略同時に第1及び第2待機状態に戻してもよい。なお、略同時とは、第1部材51の移動と第2部材55の移動との間の時間が2分以内にある場合をいう。
【0037】
(4)動作4
折返しユニット5の第4の動作(基本動作)を説明する。
まず、被服9が設置台3に設置されると、第1部材51を第1駆動位置まで移動させる。具体的には、第1回転駆動手段52により第1棒状部511aが折返し線95に達するまで時計回りに回転させ、第1昇降駆動手段53により下降させる(第4の工程1)。
次に、第2部材55を第2駆動位置まで移動させる。具体的には、第2回転駆動手段56により反時計回りに回転させる(第4の工程2)。
第2棒状部551aが第2駆動位置まで移動すると、第2部材55を第2待機位置へと移動させる。具体的には、第2部材55を時計回りに回転させる(第4の工程3)。そして、第2棒状部551aが第1棒状部511aを超えると、第1部材51を第1待機位置まで移動させる。具体的には、第1部材51を上昇させて第1待機位置まで回転させる(第4の工程4)。
【0038】
(5)動作5
折返しユニット5の第5の動作(基本動作)を説明する。
まず、被服9が設置台3に設置されると、第1部材51を第1駆動位置まで移動させる。具体的には、第1回転駆動手段52により第1棒状部511aが折返し線95に達するまで時計回りに回転させ、第1昇降駆動手段53により下降させる(第5の工程1)。
次に、第2部材55を第2駆動位置に向けて移動させる。具体的には、第2回転駆動手段56により反時計回りに回転させる(第5の工程2)。
そして、第2棒状部551aが折返し線95(第1棒状部511a)を超えると、第1部材51を第1待機位置まで移動させる(第2棒状部551aに対して時計回り側に位置する状態(遅れた状態)で移動する)。具体的には、第1部材51を上昇させて第1待機位置まで回転させる(第5の工程3)。
第2棒状部551aが第2駆動位置まで移動すると、第2部材55を第2待機位置へと移動させる。具体的には、第2部材55を折返し方向と反対方向に回転させる(第5の工程4)。
【0039】
(6)まとめ
第1及び第2部材51,55の第1及び第2待機状態によっては、動作1における第1の工程1,6はなくてもよい。
被服9によっては、第1部材51を上昇させずに、反時計回りの向きに回転させて、第1待機状態へ戻すことも可能である。また、第1部材51を上昇させずに第1駆動位置まで移動させることも可能である。
長袖部93を折り返した後の第1棒状部511aと第2棒状部551aの上下位置によっては、第1部材51と第2部材55とを同時又は略同時に第1及び第2待機位置へ移動させることも可能であり、第1及び第2部材51,55の移動させる順序は特に限定するものではない。
第1部材51の第1待機位置への移動は、第2棒状部551aが第1棒状部511aを超えた後であればよい。
このように、第1及び第2待機位置、第1及び第2駆動位置、被服9の状態、第1及び第2棒状部511a,551aの高さ位置によって上述の一部の工程を省くことも可能である。
【0040】
<第2実施形態>
第1実施形態では、第1及び第2部材51,55は被服9の厚み方向(設置面と直交する方向と平行な方向)に延伸する第1及び第2回転軸51a,55a回りに回転している。
第2実施形態では、第1及び第2部材151,155が被服9の長さ方向に沿ってスライドする折返しユニット105及び折畳み装置について、第1実施形態の被服9の左側の長袖部93を折り返す場合を例として説明する。
【0041】
1.構成
折畳み装置は、被服9を広げた状態で設置可能な設置台3と、一対の折返しユニット105とを備える。なお、折畳み装置は、左右の長袖部92,93を折り返すために、胴部91の左右両側(幅方向の両側)に折返しユニット105を備えているが、左側の折返しユニット105及びその動作について説明する。
折返しユニット105は、
図5A及び
図5Bに示すように、第1部材151と、第2部材155と、第1部材151を被服9の厚み方向に昇降させる第1昇降駆動手段と、第1部材151を被服9の長さ方向にスライドさせる第1スライド駆動手段と、第2部材155を被服9の厚み方向に昇降させる第2昇降駆動手段と、第2部材155を被服9の長さ方向にスライドさせる第2スライド駆動手段と、第1及び第2昇降駆動手段と第1及び第2スライド駆動手段とを制御する制御手段とを備える。
なお、第1及び第2部材151,155の第1及び第2待機位置によっては、第1及び第2昇降駆動手段を備えなくてもよい。
第1部材151の第1棒状部151aは、衣服9に沿って折返し線95と平行な方向に延伸しており、長さ方向にスライド(移動)することにより、折返し線95に沿って配される。つまり、第1部材151は、折返し線95に沿うように移動可能に構成され、長さ方向にスライドすることで、折返し線95に対して遠近する。
【0042】
第1及び第2部材151,155は、第1及び第2棒状部151a,155aを有する第1及び第2棒状体と、第1及び第2棒状体を固定するための第1及び第2固定部材とを備える。なお、第1及び第2棒状体と第1及び第2固定部材は、第1実施形態と同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
第1及び第2昇降駆動手段は、例えばエアシリンダにより構成されている。第1及び第2スライド駆動手段は、ボールねじと、当該ボールねじと螺合するねじ体と、ボールねじを回転させるためのモータとを備える。
第1及び第2部材151,155は第1及び第2昇降駆動手段に固定され、第1及び第2昇降駆動手段は第1及び第2スライド駆動手段にねじ体等により固定されている。なお、第1及び第2固定部材は、第1及び第2昇降駆動手段に、第1及び第2棒状部151a,155aの延伸方向を調整可能であって交換可能に固定される。
【0043】
2.動作
折返しユニットの動作(第6の動作とする)を説明する。
図5Aに示すように、被服9は、設置台3に設置され、すでに右側の長袖部92が折り返されている。図に示す状態が、長袖部93側において、第1及び第2部材151,155の第1及び第2待機状態である。
次に、第1部材151を、第1昇降駆動手段により上昇させた後に、第1スライド駆動手段により第1棒状部151aが折返し線95に達する(つまり、第1棒状部151aが折返し線95に配置される)まで長さ方向であって長袖部93側にスライドさせ、第1昇降駆動手段により下降させる(第6の工程1)。この状態を上側から見た図が
図5Bである。
【0044】
次に、第2部材155を、第2昇降駆動手段により、第2棒状部155aが第1棒状部151aよりも高くなるように上昇させた後に、第2スライド駆動手段により折返し方向(長さ方向における折り返される前の長袖部93と反対方向である)に、
図5C、
図5Dに示すように、長袖部93が折り返される第2駆動位置に向けてスライドさせる(第6の工程2)。
これにより、第2部材155が第1部材151に干渉することなく、スライドできる。また、折返し線95又はその周辺部分が第1部材151により押さえられているため、被服9における折返し線95よりも内側部分がズレたり、長袖部93につられて返されることなく、長袖部93が折り返される。
そして、第2部材155がスライドして第1棒状部151aを超えた後に、第1スライド駆動手段を駆動して、第1棒状部251aを待機位置に移動させる。なお、待機位置への移動は、第1棒状部151aが折返し線95から離れる向きで長さ方向に移動することで行われる。
最後に、第2部材155を第2待機位置まで移動させ(第6の工程3)、第1部材151を第1待機位置まで移動させる(第6の工程4)。
【0045】
<第3実施形態>
第1実施形態では、第1及び第2部材51,55は被服9の厚み方向(又は設置面と直交する方向)と平行に延伸する第1及び第2回転軸51a,55a回りに回転している。
第2実施形態では、第1及び第2部材151,155は被服9の長さ方向に沿って(折返し線95に沿うように)スライドしている。
第3実施形態では、第1部材251が折返し線に沿って移動する折返しユニット205及び折畳み装置について、第1実施形態の被服9の左側の長袖部93を折り返す場合を例として説明する。
【0046】
1.構成
折畳み装置は、被服9を広げた状態で設置可能な設置台3と、一対の折返しユニット205とを備える。なお、折畳み装置は、左右の長袖部92,93を折り返すために、胴部91の左右両側(幅方向の両側)に折返しユニット205を備えているが、左側の折返しユニット205及びその動作について説明する。
ここでは、第1実施形態や第2実施形態と異なる第1部材に関して、
図6A及び
図6Bを用いて説明する。
折返しユニット205は、
図6Aに示すように、第1部材251と、第2部材(55)と、第1部材251を折返し線95に沿って移動させる第1移動駆動手段253と、第2部材(55)を被服9の厚み方向に昇降させる第2昇降駆動手段(57)と、第2部材(55)を折返し方向に回転させる第2回転駆動手段(56)と、第1移動駆動手段253と第2昇降駆動手段(57)と第2回転駆動手段(56)とを制御する制御手段とを備える。
なお、第2部材55、第2昇降駆動手段57及び第2回転駆動手段56は、第1実施形態と同じであり、その説明及び図示は省略する。なお、第2部材とその駆動手段として、第2実施形態の第2部材、第2昇降手段、第2スライド駆動手段を利用してもよい。
【0047】
第1部材251は、第1棒状部251aを有する。ここでは、第1部材251は、第1棒状部251aであり、第1棒状体でもある。
第1移動駆動手段253は、例えばエアシリンダにより構成されている。つまり、第1部材251はエアシリンダのロッドにより構成され、第1移動駆動手段253はエアシリンダのピストン、シリンダ、コンプレッサ等により構成される。
このように、第1部材251の移動は、第1移動駆動手段253に対して伸縮することで行われる。なお、ここでの伸縮は1段であるが、複数段であってもよい。この場合、複数の第1棒状部により1本の第1部材251が構成され、第1棒状部の全長を短くできる。
第1部材251及び第1移動駆動手段253は、
図6A及び
図6Bに示すように、第1棒状部251aが折返し線95に沿って移動するように、設置台又はその周辺に配されている。より具体的には、第1棒状部251aの中心軸及び中心軸の延長仮想線が、折返し線95上に位置する又はその近傍に位置するように、第1移動駆動手段253が配されている。
ここでは、第1棒状部251aは、折返し線95を挟んで対向するように、2個設けられ、折返し線95の両側から第1棒状部251aが伸縮(移動)する。
【0048】
2.動作
折返しユニットの動作を説明する。
図6Aに示すように、被服9が設置台に設置されており、第1部材251及び第2部材55(
図4A参照)が待機状態である。
まず第1部材251を、
図6Bに示すように、折返し線95に沿って第1移動駆動手段253により延伸(移動)させる。つまり、第1棒状部251aが折返し線95に沿って被服9との重なりが多くなる向きに、第1棒状部251aが移動することで、第1部材251の折返し線95への配置が行われる。
【0049】
次に、
図4B~
図4Dに示すように、長袖部93に下側に位置する第2部材55を第2昇降駆動手段57により上昇させた後に、第2回転駆動手段56により折返し方向に向けて回転させて、長袖部93を折り返す。
そして、第2部材55が回転して第1棒状部251aを超えた後に、第1移動駆動手段253を駆動して、第1棒状部251aを折返し線95に沿って待機位置に移動(縮小)させる。その後、第2部材55を折返し時と反対向きに待機位置まで回転させる。なお、待機位置への移動は、第1棒状部251aが被服9との重なりが少なくなる向きへの移動で行われる。
これにより、第2部材55が第1部材251に干渉することなく、回転できる。また、折返し線95又はその周辺部分が第1部材251により、長袖部93の折り返し時に規制されることとなり、被服9における折返し線95よりも内側部分がズレたり、長袖部93につられて返されることなく、長袖部93が折り返される。
【0050】
<<変形例>>
以上、第1~第3実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。例えば、以下で説明する変形例と実施形態の何れかを適宜組み合わせてもよいし、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0051】
1.対象物(被服)
(1)対象物は、被服、工業用シート、衣料品等を含む。被服は、シャツ、セーター等の衣服、火災用、医療用の防護服等を含む。衣料品は、タオル、下着等である。
なお、変形例では被服について、説明するが、衣料品等を含んだ対象物についても同様のことが適用できる。
(2)被服9は、長袖部92,93を有していたが、例えば、半袖部であってもよい。被服9は、長袖部92,93を上側に折り返していたが、下側に折り返すようにしてもよい。この場合、被服9の背中側が上となるように設置台3に設置することで実施できる。
折返し線94,95は、長さ方向に対して首部分96から離れるにしたがって幅方向の外側に広がるように傾斜していたが、被服9の長さ方向と平行であってもよい。この場合、長袖部92,93は、幅方向に折り返される。
(3)折返し線94,95は、長袖部92,93と胴部91との境界にあったが、他の場所であってもよい。例えば、胴部91の長さ方向で半分に折り畳んでもよい。この場合、折返し線は、幅方向に延伸し、折返し線に対して下半分(第1部分に相当する)を下側に折り返してもよい。また、長袖部92,93の半分で折り返してもよい。
【0052】
2.設置台
(1)設置台3は、被服9を設置する設置面を有していればよく、胴部設置部31と一対の長袖部設置部32とを一体で備えてもよい。この場合、上方から見たときに設置面が被服9の長さ方向に長い矩形状であってもよいし、方形状、楕円形状、長円形状であってもよい。
(2)設置台3は、第2待機状態の第2棒状体551を収容する溝部32bを有していたが、溝部32bを有していなくてもよい。この場合、長袖部設置面32a上に第2棒状体551が位置し、更にその上に長袖部(第1部分)92,93が位置することとなる。
(3)設置台3は、第2待機状態の第2棒状体551を収容する溝部32bを長袖部設置部32に有していたが、溝部を胴部設置部31に有してもよい。この場合、折返しユニットは、折畳み装置に組立時(設計時)から組み込まれることとなる。
(4)胴部設置面31aと長袖部設置面32aは平坦状であったが、例えば、長袖部設置面32aは、胴部設置面31aに対して傾斜していてもよい。
(5)設置台3の上方は、被服9を広げたり、被服9を搬送したりする場合を考慮すると、作業空間や搬送空間を有する方が好ましく、設置台3の両側に折返しユニット5が配されることが好ましい。また、この観点から、第1及び第2部材51,55,151,155の第1及び第2待機状態は、設置台3の幅方向の外側に位置することが好ましい。なお、棒状部を湾曲又は屈曲させて、一部が設置台状に位置するようにしてもよい。
(6)フレーム36は、床面に固定されているが、例えば胴部設置部31に固定されてもよい。
【0053】
3.第1及び第2部材(棒状体)
(1)第1及び第2棒状体511,551は、一端が「U」字状に折り返された形状をし、第1及び第2折返し部511b,551bが第1及び第2固定部材513,553に固定されているが、第1及び第2棒状体511,551は、第1及び第2折返し部511b、551bを有さず、直線状の端部が直接第1及び第2固定部材513,553に固定されてもよい。
(2)第1及び第2棒状部511a,551aは、直線状をしているが、途中に屈曲部分を有した「へ」字状や、「く」字状をしてもよいし、屈曲部分を2個以上有してもよい。また、湾曲部を有してもよいし、湾曲部と屈曲部とを有してもよい。
(3)第1及び第2部材51,55は、例えば、第1及び第2棒状体511,551の外周に、パイプ、ローラ等の回転体を備えてもよい。これにより、被服9との接触抵抗を少なくできる。また、これにより、第1部材51を第1待機状態に戻す際に上昇させずに移動させることも可能となる。
(4)第1及び第2棒状部511a,551a,151a,155a,251aは、断面が円形状をしていたが、中実状(円柱状)であってもよい。但し、軽量化、駆動手段の負荷の観点からは中空状の方が好ましい。また、第1及び第2棒状部511a,551a,151a,155a,251aは、断面において、少なくとも被服9と接触する部分の断面が円弧をしていることが好ましく、例えば、半円筒状や半円柱状をしてもよいし、長円状をしてもよい。
(5)第1及び第2部材51,55,151,155,251は、棒状部を有していたが、他の形状、例えば、板状部を有してもよい。この場合、軽量化のために貫通孔、貫通溝、穴、凹み等を有してもよい。また、第1及び第2部材を中空状とし、貫通孔や、貫通溝、穴、凹み等からエアーを噴出させて、第1及び第2部材と被服9との接触抵抗を低減するようにしてもよい。
(6)第1及び第2部材51,55は、被服9の長さ方向に隣接し且つ第1及び第2棒状部511a,551aが長さ方向の外方に向かって延伸するように配されているが、第1部材及び第2部材51,55を上下方向や幅方向に隣接させ、第1及び第2棒状部511a,551aが長さ方向の同じ方向に延伸するように配してもよい。これにより、折返しユニット5を被服9の長さ方向に小型化できる。この際、第1及び第2棒状部511a,551aの上下方向の位置は、同じであってもよいし、異なってもよい。
(7)第1部材51用の第1回転軸51aは、上側から見たときに、被服9の折返し線94,95の延長線上又は延長線の周辺に配されていたが、第1棒状部511aを折返し線94,95に沿って配することができれば、他の位置に回転軸があってもよい。
(8)第1部材51用の第1回転軸51aは、上側から見たときに、被服9の折返し線94,95の延長線上又は延長線の周辺であって脇部側に配されていたが、例えば、脇部と反対側の首部側に配されてもよい。
(9)第1部材251は、折返し線95の両側に第1棒状部251aを有している。つまり、第1棒状部251aは、折返し線95の両側から、折返し線95の中央に向かって移動しているが、折返し線95の片側のみから移動するようにしてもよい。この場合、折返し線95の全長に亘って第1棒状部が配される必要はなく、折返し線95の長さの60%以上に配されることで、第2部分(長袖部)93をスムーズに折り返すことができる。
(10)第2実施形態の第1部材151は、第1棒状部151aが折返し線95に沿うように、長さ方向に移動可能に構成されているが、所定の方向に移動することで第1棒状部が折返し線95に沿って配されればよく、第1棒状部が折返し線95に沿って移動しなくてもよい。
なお、第1棒状部が折返し線95に沿って移動する第1部材は、第3実施形態の第1部材251である。
(11)第1部材51,151,251は、移動して折返し線95に沿って配されるが、予め、折返し線95に沿うように配されてもよい。但し、この場合、対象物の設置や取り出しが、第1部材が移動して折返し線95に沿うように配される場合に比べて、困難になる傾向にある。
【0054】
4.第1及び第2部材(固定部材)
(1)第1及び第2固定部材513,553は、円盤状をしているが、他の形状であってもよい。例えば、矩形盤状、方形盤状、楕円盤状、これらを組み合わせた形状をしてもよい。第1及び第2棒状体511,551を第1及び第2固定部材513,553に溶接以外で固定する場合は、樹脂材料で構成してもよい。
(2)第1及び第2固定部材513,553は第1及び第2棒状体511,551を固定状態で固定しているが、第1及び第2棒状体511,551の角度や長さを調整可能に第1及び第2棒状体551,551が固定されてもよい。
(3)第1及び第2固定部材513,553は、第1及び第2回転駆動手段52,56に交換可能に固定されるが、第1及び第2棒状体511,551が直接第1及び第2回転駆動手段52,56に固定されてもよい。
(4)第1部材51は、第1待機位置と第1駆動位置との間の角度(
図4A中の「A」である)は、150度であるが、角度Aは、第1棒状体511の形状、第1回転軸の位置、被服9の長袖部92,93の形状、折り畳み形状によって、適宜決定されるものである。
(5)第2部材55は、第2待機位置と第2駆動位置との間の角度(
図4D中の「B」である)は、125度であるが、角度Bは、第2棒状体551の形状、第2回転軸の位置、被服9の長袖部92,93の形状及び長さ、折り畳み形状によって、適宜決定されるものである。
【0055】
5.回転駆動手段及び昇降駆動手段等
(1)第1及び第2回転駆動手段52,56、第1及び第2昇降駆動手段53,57は、エアシリンダを利用しているが、第1及び第2部材51,55を回転及び昇降できれば、その駆動方法は特に限定するものでなく、例えば、モータを利用してもよい。
(2)第1実施形態では、第1及び第2回転駆動手段52,56が第1及び第2昇降駆動手段53,57に固定されているが、第1及び第2部材51,55が第1及び第2昇降駆動手段53,57に固定され、当該第1及び第2昇降駆動手段53,57が第1及び第2回転駆動手段52,56に固定されることで、支持されてもよい。
(3)第2実施形態では、第1及び第2部材151,155を被服9の長さ方向に沿って移動させていたが、例えば、被服9をその長さ方向に移動させてもよい。この場合、第1及び第2部材151,155は昇降可能であることが好ましい。
(4)第3実施形態では、第1移動駆動手段253は、エアシリンダを利用して、第1部材251(第1棒状部251a)を移動させていているが、例えば、ボールねじ等を利用して、折返し線に沿って移動させてもよい。
また、第3実施形態では、第1部材251は、上下方向に昇降不可能に固定されているが、第1実施形態や第2実施形態のように昇降可能としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 被服折畳み装置
3 設置台
5 折返しユニット
9 被服
31 胴部設置部
32 長袖部設置部
51 第1部材
55 第2部材
91 胴部
92,93 長袖部
94,95 折返し線
511 第1棒状体
511a 第1棒状部
551 第2棒状体
551a 第2棒状部