IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-機器収容筐体 図1
  • 特開-機器収容筐体 図2
  • 特開-機器収容筐体 図3
  • 特開-機器収容筐体 図4
  • 特開-機器収容筐体 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015657
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】機器収容筐体
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20240130BHJP
【FI】
G01K1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117876
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】阪本 容宜
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮太
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056CL01
(57)【要約】
【課題】
強制対流方式の恒温槽の槽内において自然対流を模した環境下での電子機器の温度測定を行うことが可能な機器収容筐体を提供する。
【解決手段】
強制対流方式の恒温槽の槽内に配されて電子機器を収容する機器収容筐体であって、頂部に設けられた天板及び天板から下方に延在して柱状の空間を形成する筒状部を含み、筒状部の1の側面の下部に第1の開口を有しかつ1の側面または他の側面の上部に第2の開口を有する本体部と、第1の開口を覆い、1の側面と共に上方に開口する第3の開口を形成しかつ1の側面と共に第3の開口と第1の開口との間の流体流路を形成するカバー部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強制対流方式の恒温槽の槽内に配されて電子機器を収容する機器収容筐体であって、
頂部に設けられた天板及び前記天板から下方に延在して柱状の空間を形成する筒状部を含み、前記筒状部の1の側面の下部に第1の開口を有しかつ前記1の側面または他の側面の上部に第2の開口を有する本体部と、
前記第1の開口を覆い、前記1の側面と共に上方に開口する第3の開口を形成しかつ前記1の側面と共に前記第3の開口と前記第1の開口との間の流体流路を形成するカバー部と、
を有することを特徴とする機器収容筐体。
【請求項2】
前記第2の開口に付随して形成されており前記1の側面または前記他の側面から突出している庇を有することを特徴とする請求項1に記載の機器収容筐体。
【請求項3】
前記第2の開口は前記1の側面に形成されており、前記庇は上面視において前記第3の開口を覆うように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の機器収容筐体。
【請求項4】
前記天板は、前記第2の開口が形成されている側面に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器収容筐体。
【請求項5】
前記第2の開口は、前記第2の開口が形成されている側面の上端に至っており、
前記天板の下面には、前記第2の開口に向かって流体を案内するガイド構造が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器収容筐体。
【請求項6】
前記1の側面と前記カバー部との間の前記流体流路には、前記第3の開口から前記第2の開口に向かって流体を案内するガイド構造が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器収容筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を収容する機器収容筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の動作テストにおいて、強制対流方式の恒温槽内において電子機器の表面温度を測定する方法が知られている。例えば、非特許文献1には、恒温槽内に設けられた循環ファンから送られる空気が温度測定対象である電子機器に直接当たってしまうことを防ぐために、循環ファンと電子機器との間に電子機器の側方及び上方を覆うように防風板を設ける方法や電子機器を箱で覆う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“熱電対を用いた温度測定における注意点”,ローム株式会社 Application Note No.62AN153J Rev.001,2020年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載の方法のように、強制対流方式の恒温槽内において、循環ファンと電子機器との間に防風板を設ける場合には、自然対流が再現できずに電子機器の動作によって発生した熱が防風板によって覆われた領域に籠ってしまう恐れがある。このような場合、電子機器の動作テストにおいて自然対流を模した環境下での温度測定を行うことができないという問題点が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、強制対流方式の恒温槽の槽内において自然対流を模した環境下での電子機器の温度測定を行うことが可能な機器収容筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による機器収容筐体は、強制対流方式の恒温槽の槽内に配されて電子機器を収容する機器収容筐体であって、頂部に設けられた天板及び天板から下方に延在して柱状の空間を形成する筒状部を含み、前記筒状部の1の側面の下部に第1の開口を有しかつ前記1の側面または他の側面の上部に第2の開口を有する本体部と、前記第1の開口を覆い、前記1の側面と共に上方に開口する第3の開口を形成しかつ前記1の側面と共に前記第3の開口と前記第1の開口との間の流体流路を形成するカバー部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1に係る機器収容筐体を示す斜視図である。
図2】実施例1に係る機器収容筐体を恒温槽内に配置して、機器収容筐体内に電子機器を配置して動作テストをする際の様子を示す断面図である。
図3】実施例1に係る機器収容筐体の一部を拡大した断面図である。
図4】実施例1の変形例に係る機器収容筐体を示す斜視図である。
図5】実施例1の変形例に係る機器収容筐体を恒温槽内に配置して、機器収容筐体内に電子機器を配置して動作テストをする際の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、図面において、同一の構成要素については同一の符号を付け、重複する構成要素の説明は省略する。
【実施例0009】
図1は、実施例1に係る機器収容筐体10を示す斜視図である。本体部12は、略直方体形状を有している。
【0010】
本体部12は、柱状の空間を形成する筒状部としての筒状体14と、当該筒状体14の一方の開口を塞ぐ天板13と、他方の開口を塞ぐ底板15とから構成される。すなわち、本体部12は、内部が中空となっている筐体である。以下、筒状体14からみて底板15側を下、天板13側を上として説明する。
【0011】
筒状体14は、直方体状の外形を有しかつ直方体状の空間を内包する筒状の部分である。筒状体14の1の側面14Sの一方の端部である下部には、1の側面14Sと底板15とによって形成された第1の開口としての長方形状の開口14OAが設けられている。
【0012】
また、筒状体14の1の側面14Sの他方の端部である上部には、第2の開口としての長方形状の開口14OBが設けられている。
【0013】
天板13は、上述のように筒状体14の上側の開口を塞ぐ長方形の平面形状を有する部分である。天板13は、1の側面14Sから1の側面14Sに垂直な方向に突出している庇13Aを有している。言い換えれば、天板13は、天板13の1の側面14Sと接している一端から外方に向かって突出している突出部を有している。
【0014】
底板15は、上述のように筒状体14の下側の開口を塞ぐ長方形の平面形状を有する部分である。
【0015】
カバー部16は、本体部12の筒状体14の1の側面14Sの下部に、1の側面14Sと垂直な方向からみて開口14OAを覆うように設けられた部分である。カバー部16は、1の側面14Sと垂直な方向から見て開口14OAを覆いかつ1の側面14Sから離隔している平板状の第1の部分16Aと、当該第1の部分16Aの両側端及び下端から1の側面14Sに向かって延在し、それぞれが1の側面14Sに接続されている第2の部分16Bとによって構成されている。
【0016】
カバー部16は、上記構成を有することにより、筒状体14の1の側面14Sと共に上方に開口する第3の開口としての開口16Oを形成している。カバー部16は、1の側面14Sと共に開口16Oと開口14OAとの間の流体流路を形成している。
【0017】
開口16Oは、上面視において、上記した天板13の庇13Aによって覆われている。言い換えれば、上面視において、天板13の庇13Aは開口16Oを覆うように形成されている。
【0018】
機器収容筐体10は、例えば、機器収容筐体10の展開図の形状に成形された段ボールを組み立てることによって作製されてもよい。また、機器収容筐体10は、プラスチックや金属等を射出成形等で成形することで形成されてもよい。また、例えば、3Dプリンター等を用いて本体部12とカバー部16とが一体に成形された機器収容筐体10を製造してもよい。
【0019】
図2は、図1に示した機器収容筐体10を恒温槽内に配置して、機器収容筐体10内に電子機器を配置して動作テストをする際の様子を示す断面図である。
【0020】
まず、恒温槽20について説明する。恒温槽20は、フレームFLによって内部空間21を形成する筐体である。内部空間21は、仕切り22によって空調室21Aと恒温室21Bとに分けられている。
【0021】
仕切り22の下部には、恒温室21B内の空気を吸い込む吸込口22Aが形成されており、仕切り22の上部には、恒温室21B内に空気を吹き出す吹出口22Bが形成されている。この吸込口22A及び吹出口22Bを通じて、空調室21Aと恒温室21Bとは互いに連通している。
【0022】
制御装置24は、フレームFLの外部に設けられており、恒温槽20内に配されている種々の機器と接続されている外部装置である。制御装置24は、恒温室21B内の温度を所定の温度にするために種々の機器の制御を実施する。
【0023】
冷却器25は、空調室21A内の下部に配されており、制御装置24の制御に基づいて空調室21A内の空気を冷却する装置である。
【0024】
ヒータ26は、空調室21A内において冷却器25の上に配されており、制御装置24の制御に基づいて空調室21A内の空気を加熱する装置である。
【0025】
循環ファン27は、空調室21A内においてヒータ26の上に配されており、制御装置24の制御に基づいて、空調室21Aで生成された空気を空調室21Aから恒温室21Bへと送る送風機である。
【0026】
温度センサ28は、例えば恒温室21B内の上隅に配されており、恒温室21B内の温度を測定するセンサである。制御装置24は、温度センサ28から恒温室21B内の現在の温度を取得し、恒温室21B内の設定温度に応じて冷却器25、ヒータ26及び循環ファン27を駆動させて恒温室21Bに冷風や温風を送ることにより、恒温室21B内の温度を設定温度に保つ。
【0027】
次に、恒温槽20内における機器収容筐体10の配置について説明する。機器収容筐体10は、恒温室21Bの中央において、1の側面14Sが吹出口22Bからの空気の吹き出し方向と同じ方向を向くように配されている。言い換えれば、開口14OA及び開口14OBは、吹出口22Bからの空気の吹き出し方向と同じ方向を向いている。
【0028】
機器収容筐体10の筒状体14の内部には、複数の脚部31Aと当該複数の脚部31Aによって支持されている平板状の金網31Bとによって構成されている置き台31が配されている。
【0029】
機器32は、置き台31の金網31B上に載置されている電子機器である。機器32は、例えば、外部電源から電力供給を受けて駆動させることが可能なルータ等の通信デバイスである。なお、機器収容筐体10のサイズは機器32の大きさに応じて適宜変更可能である。
【0030】
筒状体14の1の側面14Sを除く他の側面及び恒温槽20の恒温室21B側のフレームFLには、例えば、機器32と外部電源との接続に用いられる配線(図示せず)を通すための貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0031】
また、例えば、機器32の側面には、当該機器32の表面温度を測定するための熱電対(図示せず)が装着されており、当該熱電対の配線も上記した貫通孔を介して外部の温度計に接続されている。
【0032】
ここで、図2を用いて、循環ファン27の駆動時における恒温槽20の内部の空気の流れ及び機器32の動作テスト時における機器収容筐体10の内部の空気の流れについて説明する。図2において、図中実線の矢印は循環ファン27によって送られて恒温室21B内を流れる空気の流れを示しており、一点鎖線の矢印は機器収容筐体10の内部を流れる空気の流れを示している。
【0033】
図2に示すように、循環ファン27によって送られた空気は、恒温室21Bの内面に沿って流れて機器収容筐体10の開口14OAに向かう際にカバー部16によって防がれる。すなわち、機器収容筐体10にカバー部16を設けることによって、循環ファン27から送られる空気が機器収容筐体10の内部に直接流入することを防ぐことができる。
【0034】
これにより、本実施例の機器収容筐体10によれば、強制対流方式の恒温槽20内であっても、循環ファン27による強制対流の影響をなるべく抑えた環境下で機器32の温度測定を行うことができる。
【0035】
機器32は、外部電源から電力供給を受けて駆動している間に自己発熱を生じる。すなわち、通電時に機器32の周囲の空気の温度が上昇することで、機器32の周囲に上昇気流が生じる。
【0036】
本実施例の機器収容筐体10によれば、この上昇気流が生じることにより、開口14OBを介して機器収容筐体10の内部から外部へと空気が排出され、開口16O及び開口14OAを介して機器収容筐体10の外部から内部へと空気が吸入される。すなわち、機器収容筐体10において、開口14OBを排気口、開口16O及び開口14OAを吸気口とした空気の流れが形成される。
【0037】
これにより、機器32に自己発熱が生じた際に、機器収容筐体10内に熱が籠って自然対流に近い環境を形成できなくなることを防ぐことができる。すなわち、機器収容筐体10の内部を自然対流に近い環境下とすることができる。
【0038】
従って、本実施例の機器収容筐体10によれば、強制対流方式の恒温槽の槽内において自然対流を模した環境下での電子機器の温度測定を行うことができる。
【0039】
ここで、図3を用いて、機器収容筐体10の天板13の庇13Aの作用について説明する。図3は、図2におけるA部を拡大した断面図である。
【0040】
循環ファン27によって空調室21Aから恒温室21Bに空気が送られた際に、天板13に沿って進行する空気は、天板13の端部において空気の剥離が生じることで渦状の空気からなる乱流TUを生じ得る。
【0041】
本実施例の機器収容筐体10によれば、天板13の端部で乱流TUが生じた場合であっても、庇13Aの長さ分だけ天板13の端部が開口14OBから離れているために、開口14OBに対する乱流TUの影響を小さくすることができる。
【0042】
具体的には、庇13Aの長さだけ天板13の端部が開口14OBから離れているために、乱流TUの発生によって開口14OBからの排気が阻害されることを防ぐことができる。すなわち、庇13Aの形成によって開口14OBからスムーズな排気を行うことができるために、自然対流に近い環境下で機器32の温度測定を行うことができる。
【0043】
なお、本実施例の機器収容筐体10において、第1の開口としての開口14OAが筒状体14の1の側面14Sに形成されているとしたが、当該形成態様はこの限りではない。例えば、開口14OA及び開口14OBは筒状体14の互いに異なる側面に形成されていてもよく、開口14OAが1の側面14S以外の他の側面に形成されていてもよい。
【0044】
また、本実施例の機器収容筐体10において、カバー部16が開口14OAを覆いつつ1の側面14Sと共に上方に開口を有する開口16Oを形成するとしたが、当該開口を形成する向きはこれに限られない。
【0045】
例えば、開口14OAが1の側面14Sと反対側の側面に形成されている場合には、当該反対側の側面に開口が下向き或いは横向きとなるようにカバー部16を形成してもよい。これにより、機器収容筐体10が図2のように配されている場合であっても循環ファン27から送られる空気が機器収容筐体10内に直接入り込むことを抑えることができる。
【0046】
また、本実施例の機器収容筐体10において、天板13の庇13Aが1の側面14S側に形成されているとしたが、当該庇13Aの形成態様はこれに限られない。例えば、上述のように開口14OA及びカバー部16が1の側面14Sと反対側の側面に形成される場合には、1の側面14S側に加えて1の側面14Sと反対の側面側にも庇を設けてもよい。
【0047】
本実施例の機器収容筐体10において、天板13に庇13Aが形成されていることについて説明したが、当該庇13Aに加えて又はこれに代えて、乱流TUの影響を小さくするような他の部材を天板13に設けてもよい。例えば、車両に搭載されるリアスポイラーのように、乱流TUの発生を抑えて空気の流れを整える突出部を天板13上に設けてもよい。
【0048】
本実施例の機器収容筐体10において、筒状体14に底板15が設けられているとしたが、当該底板15は設けられていなくてもよい。例えば、恒温槽20内に予め置き台31及び機器32を配置し、当該置き台31及び機器32の上から底板15を設けていない機器収容筐体10を被せることで、機器収容筐体10を恒温槽20内に設置するとしてもよい。
【0049】
本実施例の機器収容筐体10において、置き台31は複数の脚部31Aと金網31Bとから構成されるとしたが、機器32を載置した際に筒状体14内の空気の流れが阻害されない構成であればよい。例えば、機器収容筐体10の筒状体14の内面に棚受けを形成し、この棚受けの上に金網31Bを載置する態様としてもよい。
【0050】
なお、恒温槽20内における機器収容筐体10の向きは、恒温槽20内に配されている循環ファン27及びその他の機器の配置態様に応じて変えることができる。例えば、循環ファン27によって図2中右から左へと空気が送られる際には、1の側面14Sに設けられた開口14OBが左を向くように、機器収容筐体10を配置してもよい。
【0051】
[変形例1]
以下に、図4を用いて実施例1に係る機器収容筐体10の変形例1について説明する。図4は、変形例1に係る機器収容筐体40を示す斜視図である。機器収容筐体40は、ガイド構造35及びガイド構造36を有している点で実施例1と異なっており、それ以外の構成、例えば1の側面14Sにおける開口14OA及び開口14OBの形成態様等については実施例1と同様である。
【0052】
本変形例において、筒状体14の1の側面14Sとカバー部16との間には、各々が開口16Oに垂直な方向に長手方向を有し、互いに平行な複数の平板状部材からなるガイド構造35が設けられている。ガイド構造35は、開口16Oから開口14OAの上端まで延在している。
【0053】
また、本変形例において、天板13の下面には、各々が開口14OBに垂直な方向に長手方向を有し、互いに平行な複数の平板状部材からなるガイド構造36が設けられている。ガイド構造36は、天板13の庇13Aの下面にまで達している。
【0054】
本変形例の機器収容筐体40において、ガイド構造35は開口16Oから開口14OAにかけて流入する空気を案内し、ガイド構造36は機器収容筐体40内から開口14OBにかけて流出する空気を案内する。
【0055】
すなわち、本変形例の機器収容筐体40によれば、ガイド構造35及びガイド構造36によって、機器収容筐体40内における空気の流れをスムーズにすることができ、機器収容筐体40の内部をより自然対流に近い環境とした中で機器32の温度測定を行うことができる。
【0056】
なお、図4において、ガイド構造35及びガイド構造36は共に3つの平板状部材からなることを示しているが、その数は機器収容筐体40の大きさや開口の大きさに応じて適宜変更してもよい。また、ガイド構造35及びガイド構造36の長さや形状についても、機器収容筐体40の大きさや開口の大きさに応じて適宜変更してもよい。
【0057】
なお、ガイド構造35及びガイド構造36はどちらか一方の開口側にのみ形成されていてもよく、また、筒状体14の内面の他の部分にも空気を案内するガイド構造が設けられていてもよい。
【0058】
[変形例2]
以下に、図5を用いて実施例1に係る機器収容筐体10の変形例2について説明する。図5は、変形例2に係る機器収容筐体50を恒温槽内に配置して、機器収容筐体50内に電子機器を配置して動作テストをする際の様子を示す断面図である。機器収容筐体50は、天板13の形成態様が実施例1と異なっており、それ以外の構成、例えば1の側面14Sにおける開口14OA及び開口14OBの形成態様等については実施例1と同様である。
【0059】
本変形例において、機器収容筐体50の天板13は、開口14OBが形成されている1の側面14Sに向かって上方に傾斜している。言い換えれば、天板13は、開口14OBが形成されている1の側面14Sから下方に傾斜している。
【0060】
本変形例の機器収容筐体50によれば、循環ファン27から送られた空気が機器収容筐体50に沿って流れる際に天板13に合わせて上方に傾斜していくため、上述した乱流TUの影響をより小さくすることができる。
【0061】
すなわち、天板13を傾斜させることで空気の剥離による乱流TUの発生地点を開口14OBから遠ざけることができるために、開口14OBからスムーズな排気を行うことができ、自然対流に近い環境下で機器32の温度測定を行うことができる。
【符号の説明】
【0062】
10、40、50 機器収容筐体
12 本体部
13 天板
14 筒状部
15 底板
16 カバー部
20 恒温槽
24 制御装置
25 冷却器
26 ヒータ
27 循環ファン
28 温度センサ
31 置き台
32 機器
35、36 ガイド構造
図1
図2
図3
図4
図5