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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156574
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】洋式トイレ用集尿装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20241029BHJP
   A47K 11/12 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A47K13/24
A47K11/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071161
(22)【出願日】2023-04-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】323004020
【氏名又は名称】株式会社上田興業
(74)【代理人】
【識別番号】100201503
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 能裕
(72)【発明者】
【氏名】上田 義幸
【テーマコード(参考)】
2D036
2D037
【Fターム(参考)】
2D036HA52
2D036HA63
2D037BA22
(57)【要約】
【課題】洋式トイレでの立位排尿における跳ね返りを極力防止し、取り換え取り外し作業が不要、且つ清潔な状態を常時保つことを実現させる。
【解決手段】
集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、集尿器内部の排尿を洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、集尿装置を洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、集尿装置を洋式トイレの便器本体における便座を閉じた際に便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
ホース部における第1連結具と第2連結具の間に対して、第1連結具を用いて洋式トイレのタンク部に対して連結させたホース部をタンク部の角部の位置で便器本体に向かって屈曲させる第1屈曲部を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えたことを特徴とする洋式トイレ用集尿装置。
【請求項2】
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記ホース部における前記第1連結具と前記第2連結具の間に対して、前記第1連結具を用いて前記洋式トイレの前記タンク部に対して連結させた前記ホース部を前記タンク部の角部の位置で前記便器本体に向かって屈曲させる第1屈曲部を備えたことを特徴とする洋式トイレ用集尿装置。
【請求項3】
前記ホース部排出側の端部と前記第2連結具の間に対して、前記第2連結具を用いて前記便器本体の前記便座対向面に対して連結させた前記ホース部を前記便器本体の前記便座対向面から前記便器本体内部に向かって形成される角部の位置で前記便器本体の排水口に向かって屈曲させる第2屈曲部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の洋式トイレ用集尿装置。
【請求項4】
前記集尿装置が、前記洋式トイレに対して連結した際に、
前記便座における前記便座を閉じた際に前記便座対向面と対向する面である便器本体対向面に対して予め配設されている便座緩衝部が介在することで発生した、前記便器本体の前記便座対向面と前記便座の前記便器本体対向面との間の隙間に対して、前記ホース部が前記第2連結具を介して挿通することを特徴とする請求項1~3に記載の洋式トイレ用集尿装置。
【請求項5】
前記集尿器の側面に対して、前記洋式トイレの前記タンク部の側面に係止するための係止部を備えたことを特徴とする請求項4に洋式トイレ用集尿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集尿装置に関し、特に洋式トイレに対して連結させる洋式トイレ用集尿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者男性や膀胱摘出した男性患者等、洋式トイレでの立位姿勢での排尿(以下、「立位排尿」という。)が上手くできない方々に対するサポート製品があった。
例えば、「便鉢の上に便座を被設してなる洋式便器に設置して用いる尿飛散防止用のシートであって、便座裏面及び便鉢上面に装着され、便座を上げた状態において、少なくとも便座と便鉢との連結部を被覆することを特徴とする尿飛散防止用シート。」があった。
具体的には、「便鉢の上に便座を被設してなる洋式便器に用いる尿飛散防止用シートに関するものであり、洋式便器が便座を上げた状態で使用される場合に効果的な尿飛散防止用シート」である(特許文献1を参照)。
また、他の例として、「漏斗状の先端を約90度カーブさせた形状の本体(1)の大径端部を男性器受け口(2)とし、その受け口(2)から排尿がこぼれ出る事を防止する逆流阻止部(5)を有すると共に、他端を小径の排尿落下口(3)とした先細りの形状で、その本体(1)には山折り線(9)を施し平たく畳め、紙または合成樹脂等の素材で製造する事を特徴とした男性の放尿補助トイレ器具。」があった。
具体的には、「男性器の勃起時や委縮時、あるいは排尿障害のある人等が放尿する時、便器や床又は当該者の衣服を汚すことを防ぐ器具で、使わない時は平たく畳める男性の放尿補助トイレ器具。」である(特許文献2を参照)。
さらに、他の例として、「「排尿筒」「高さ・幅調節器具」「雫受け」「収納スタンド」一式で成り立ち和・洋便器で立ち小便が出来る。着脱式小便器「図1」「図2」参照」があった。
具体的には、「パイプ部と、パイプ部の一方端側と連結する排尿筒と、パイプ部の他方端側と連結してパイプ部を支持するパイプ部連結筒を有し、且つ洋式便器の便器本体の便座と対向する面に対して連結する連結部を有する土台部とを備えた着脱式小便器。」である(特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-141353
【特許文献2】特開2012-167531
【特許文献3】特開2014-169613
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の尿飛散防止用シートは、尿飛散防止用シート自体が合成樹脂フィルム等の水分を透過しない防水性を有する素材や不織布等の吸水性を有する素材であるため(段落0023参照)、衛生面の観点で使用後短期間経過後にシート自体を取り替える必要性があり、取り換え作業を要する点で手間が掛かる製品である。
特許文献2に記載の男性の放尿補助トイレ器具は、放尿補助器具本体と便器内水溜まりの間の距離が長いほど跳ね返りが起こりやすく(図2参照)、この分野での従来からの課題であった洋式トイレでの立位排尿における跳ね返り防止が解消されておらず、衛生面の観点で不衛生な製品である。
特許文献3に記載の着脱式小便器は、洋式トイレに対して連結している間は、便座を閉じることができないため、座位姿勢の確保が困難であり、便座に対する座位姿勢の確保という洋式トイレの機能を阻害する製品であると共に、座位姿勢の確保する度ごとに取り外し作業を要する点で手間がかかる製品である。
【0005】
以上から、特許文献1に記載の尿飛散防止用シート、特許文献2に記載の放尿補助トイレ器具、特許文献3に記載の着脱式小便器は、共に洋式トイレでの立位排尿が上手くできない方々に対するサポート製品としては満足できるものではなかった。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、洋式トイレでの立位排尿における跳ね返りを極力防止し、取り換え取り外し作業が不要、且つ清潔な状態を常時保つことを実現させた洋式トイレ用集尿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の洋式トイレ用集尿装置の特徴構成は、
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えた点にある。
【0008】
本構成の洋式トイレ用集尿装置によれば、集尿器は、第1連結具が支点となることでホース部を介して前後上下左右に自在に操作可能となり、使用者は立位排尿の際に、集尿器を好適な位置に動かすことで集尿器内部に対する跳ね返りが極力防止される。次に、集尿器内部の排尿は、第1連結具と第2連結具が集尿器内部の排尿をホース部を介して洋式トイレの便器本体に導く案内部材となり、最終的に洋式トイレの便器本体内部の排水口に送り流されるため、集尿装置自体は立位排尿ごとの取り換え作業が不要となる。その後、排尿で汚れた集尿器内部は、水洗付き洋式トイレの場合、直接手洗器用水栓で洗い流すのに対して水洗無し洋式トイレの場合、予め貯蔵した水道水等で洗い流すことで、清潔な状態を常時保つことになる。
その結果として、洋式トイレでの立位排尿における跳ね返りを極力防止し、取り換え作業が不要、且つ清潔な状態を常時保つことができる。
【0009】
本発明に係る洋式トイレ用集尿装置において、
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記ホース部における前記第1連結具と前記第2連結具の間に対して、前記第1連結具を用いて前記洋式トイレの前記タンク部に対して連結させた前記ホース部を前記タンク部の角部の位置で前記便器本体に向かって屈曲させる第1屈曲部を備えたことが好ましい。
【0010】
本構成の洋式トイレ用集尿装置によれば、ホース部がビニールホース(園芸用散水ホース)の場合、洋式トイレのタンク部の角部の位置において、ホース部が当該角部に対して屈曲し過ぎて変形することで、ホース部内部の通路が潰れてしまい、集尿器から送り流された排尿がホース部内部で詰まることを防止し、集尿器から送り流された排尿を便器本体内部に向かって滑らかに詰まることなく送り流すことができる。これに対して、ホース部がフレキシブルホースの場合、洋式トイレのタンク部の角部の位置で便器本体方向に向かって屈曲する箇所が予め防水テープで指摘することで、屈曲する箇所と屈曲しない箇所の判別が容易にできる。
【0011】
本発明に係る洋式トイレ用集尿装置において、
前記ホース部排出側の端部と前記第2連結具の間に対して、前記第2連結具を用いて前記便器本体の前記便座対向面に対して連結させた前記ホース部を前記便器本体の前記便座対向面から前記便器本体内部に向かって形成される角部の位置で前記便器本体の排水口に向かって屈曲させる第2屈曲部を備えたことが好ましい。
【0012】
本構成の洋式トイレ用集尿装置によれば、便器本体の便座対向面の高さ付近から便器本体の排水口に向かって送り流すことで、集尿器から送り流された排尿が便器本体の内部で拡散して跳ね返ることを極力防止できる。
【0013】
本発明に係る洋式トイレ用集尿装置において、
前記集尿装置が、前記洋式トイレに対して連結した際に、
前記便座における前記便座を閉じた際に前記便座対向面と対向する面である便器本体対向面に対して予め配設されている便座緩衝部が介在することで発生した、前記便器本体の前記便座対向面と前記便座の前記便器本体対向面との間の隙間に対して、前記ホース部が前記第2連結具を介して挿通することが好ましい。
【0014】
本構成の洋式トイレ用集尿装置によれば、洋式トイレ用集尿装置を洋式トイレに対して連結して便座を閉じた状態でも集尿装置が障害となることなく、使用者は集尿装置の取り外し作業が不要で座位姿勢を確保できる。
また、第2連結具がホース部の周方向をカバーする役割を果たすことで、便座の便座緩衝部が経年劣化で擦り減り、便座の便器本体対向面がホース部に接触して、集尿器から送り流された排尿がホース部内部で詰まることを防止できる。
【0015】
本発明に係る洋式トイレ用集尿装置において、
前記集尿器の側面に対して、前記洋式トイレの前記タンク部の側面に係止するための係止部を備えたことが好ましい。
【0016】
本構成の洋式トイレ用集尿装置によれば、集尿器を瞬時に使用できると共に、集尿器の開口部が略上方を向いたまま係止するため集尿器の開口部から洗浄水などが零れることなく乾燥保管できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置の正面図である。
図2図2は、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置を洋式トイレに連結させた側面斜視図である。
図3図3は、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置の第2連結部に着目した平面斜視図である。
図4図4は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置の正面図である。
図5図5は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置を洋式トイレに連結させた側面斜視図である。
図6図6は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置を洋式トイレに連結させた平面斜視図である。
図7図7は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置の第2連結部、第2屈曲部に着目した平面斜視図である。
図8図8は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置の集尿器に対して手洗器用水栓から水を出して洗浄している平面図である。
図9図9は、本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置の正面図である。
図10図10は、本発明に係る実施形態4の洋式トイレ用集尿装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置について図面を用いて説明する。
【0019】
(本発明の実施形態1)
<集尿装置>
図1から図3に示すように、本発明の実施形態1に係る洋式トイレ用集尿装置100は、排尿を受け入れる集尿器10と、集尿器10の底面に設けた排出管と連結することで集尿器10内部の排尿を集尿器10外部に向かって送り流すホース部20とを備えている。
また、本発明の実施形態1に係る洋式トイレ用集尿装置100は、洋式トイレ200に対して連結することで、集尿器10内部の排尿を洋式トイレ200の便器本体220の排水口280に送り流すものである。
なお、衛生面の観点から、本発明の実施形態1に係る洋式トイレ用集尿装置100を取り付ける洋式トイレ200のタイプとしては、手洗器用水栓を備えた水洗式洋式トイレが好ましい。水洗式洋式トイレの場合、使用後瞬時に集尿器10を水洗いで洗浄可能である。
【0020】
<集尿器>
集尿器10は、洋式トイレ200において本発明の使用者が立位排尿する際に受け入れる器である。
集尿器10の形状は、本実施形態においては有底円柱状であるが、有底円柱状に限らず、有底四角柱状などでもよく、限定されない。
集尿器10の底面の外部側である外部底面は、下記説明するホース部20と連結する排出管(図示せず)が連設されており、集尿器10内部の排尿は、排出管を通過することでホース部20を介して洋式トイレ用集尿装置100の外部に向かって送り流される。
集尿器10は、集尿器10の側面10Aに対して、洋式トイレ200のタンク部210の側面210A等に係止するための係止部10Bを備えている。係止部10Bは、側面視弧の字状に形成されており、洋式トイレ用集尿装置100の使用後に、係止部を洋式トイレ200のタンク部210の側面210A上部に引っ掛ける、又は洋式トイレ200のタンク部210の側面210A上部に設けたフック部材に対して引っ掛けるなどにより、集尿器10は洋式トイレ200のタンク部210に対して係止部10Bを介して保持される。
【0021】
<ホース部>
ホース部20は、ビニールホース(園芸用散水ホース)又はフレキシブルホースであり、
ビニールホースの素材としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などが挙げられ、フレキシブルホースの材質としては、ステンレス(SUS304、SUS316Lなど)、亜鉛鋼板、銅、真ちゅう、アルミ、チタンなどが挙げられる。
ホース部20のサイズは、内径約6mm~13mm、外径約10mm~19mmの範囲であり、長さは約70cmから150cmの範囲であるが、内径、外形及び長さ共に、限定されない。
ホース部20は、ホース部排出側20Aの第1連結具配置領域20Cに対して設けた、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200のタンク部210の側面210Aに対して連結するための第1連結具30と、ホース部排出側20Aの第2連結具配置領域20Dに対して設けた洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200の便器本体220における便座240を閉じた際に便座240と対向する便座対向面230に対して連結するための第2連結具40とを備えている。
【0022】
「ホース部排出側20A」とは、ホース部20における集尿器10の排出管と連結している側と反対側、即ち洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200のタンク部210に対して連結した際のホース部20における便器本体220側を意味する。
「ホース部排出側20Aの第1連結具配置領域20C」とは、ホース部排出側20Aの端部20Bから測定して約15cmから80cmの範囲を意味する。
「第1連結具30」は、平面薄板状の取付板31と取付板の周縁一端部から隆起するように設けたホース部20を周方向に被覆することでホース部20を取付板31に係止する係止部32とで構成される。第1連結具30の取付板の裏面には粘着テープが貼られており、当該粘着テープを介して取付板31を洋式トイレ200のタンク部210の側面210Aに対して粘着することで洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200のタンク部210に対して連結する。
なお、第1連結具30は、図1では1枚、図2では2枚と図示しているが、単数枚でも複数枚でもよく、枚数に限定はない。
【0023】
「ホース部20の排出側の第2連結具配置領域20D」とは、ホース部排出側20Aの端部20Bから測定して約5cmから15cmの範囲を意味する。
「第2連結具40」は、第1連結具30と同形であり、平面薄板状の取付板41と取付板の周縁一端部から隆起するように設けたホース部20を周方向に被覆することでホース部20を取付板41に係止する係止部42とで構成される。第2連結具40の取付板41の裏面には粘着テープが貼られており、当該粘着テープを介して取付板41を洋式トイレ200の便器本体220における便座240を閉じた際に便座240と対向する便座対向面230に対して粘着することで洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200の便器本体220に対して連結する。
「便座対向面230」とは、便器本体220における便座240を閉じた際に便座240と対向する平面領域を意味する。
【0024】
なお、洋式トイレ200のタンク部210に対して連結した第1連結具30は、洋式トイレ200の便器本体220に対して連結した第2連結具40と比較して、洋式トイレ用集尿装置100の使用者の着地地点から垂直方向への高さが高い位置に設けられている。
その結果として、第1連結具30で連結したホース部内部の液体は、第2連結具40で連結したホース部内部に流れやすくなる。
【0025】
洋式トイレ用集尿装置100が、洋式トイレ200に対して連結した際は、便座240における便座240を閉じた際に便器本体220と対向する面である便器本体対向面250に対して予め配設されている便座緩衝部260が介在することで発生した、便器本体220の便座対向面230と便座240の便器本体対向面250との間の隙間270に対して、ホース部20が第2連結具40を介して挿通することになる。
【0026】
「便器本体対向面250」とは、便座240における便座240を閉じた際に便器本体220と対向する平面領域を意味する。
「便座緩衝部260」とは、便座240の便器本体対向面230に対して予め配設されている、便座240を閉じた際に便座対向面230に対する便座240の重みを緩衝するためのゴム製部材を意味する。
便座緩衝部260を便座240の便器本体対向面230に対して設けることで便器本体220の便座対向面230と便座240の便器本体対向面250との間に、便座緩衝部260の高さ分だけ隙間270が発生する。
洋式トイレ用集尿装置100が、洋式トイレ200に対して連結する際は、隙間270に対してホース部20が第2連結具40を介して挿通することになるため、ホース部20を挿通した第2連結具40の高さが便座緩衝部260の高さより高い場合、ホース部20を挿通した第2連結具40の高さが便座緩衝部260の高さより低くなるように、新たな便座緩衝部を便座240の便器本体対向面250に対して設ける。
【0027】
以下、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置300について図面を用いて説明する。
【0028】
(本発明の実施形態2)
図4から図8に示すように、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置300は、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置100に対して、第1屈曲部50と第2屈曲部60を備えたものである。
具体的には、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置は、排尿を受け入れる集尿器10と集尿器10の底面に設けた排出管と連結することで集尿器10内部の排尿を集尿器10外部に向かって送り流すホース部20とを備えており、ホース部20は、ホース部排出側20Aの第1連結具配置領域20Cに対して設けた第1連結具30と、ホース部排出側20Aの第2連結具配置領域20Dに対して設けた第2連結具40とを備えており、ホース部20は、第1連結具30と第2連結具40の間に対して、洋式トイレ200のタンク部210に対して連結させたホース部20をタンク部210の側面210Aの角部210Bの位置で便器本体220に向かって屈曲させる第1屈曲部50と、ホース部20の排出側20Aの端部20Cと第2連結具40の間に対して、ホース部20を便器本体220の便座対向面230から便器本体220内部に向かって形成される角部230Bの位置で便器本体220の排水口280方向に向かって屈曲させる第2屈曲部60を備えている。
【0029】
「第1屈曲部50」とは、ホース部20がビニールホース(園芸用散水ホース)の場合、予め第1連結具30と第2連結具40の間のホース部に挿通されているエルボ管を意味する。エルボ管は、プラスチック製、金属製など材質は問わず、L字状の既製品の他、
分割した部材同士を嵌め合う特殊製品でもよく構成は特に限定されない。
使用者は、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200に対して連結する際に、エルボ管である第1屈曲部50のL字角を洋式トイレ200のタンク部210の側面210Aの角部210Bに合わせることで、洋式トイレ200のタンク部210に対して連結させたホース部20が便器本体220に向かって位置付けされる。
これに対して、ホース部20がフレキシブルホースの場合、「第1屈曲部50」とは、予め第1連結具30と第2連結具40の間のホース部に対して巻回させた防水テープ(図示せず)を意味する。
使用者は、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200に対して連結する際に、防水テープで巻回した箇所である第1屈曲部50を洋式トイレ200のタンク部210の側面210Aの角部210Bに合わせて屈曲することで、洋式トイレ200のタンク部210に対して連結させたホース部20が便器本体220に向かって位置付けされる。
【0030】
「第2屈曲部60」とは、ホース部20がビニールホース(園芸用散水ホース)の場合、予め第2連結具40とホース部排出部の端部の間のホース部に挿通されているエルボ管を意味する。
使用者は、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200に対して連結する際に、エルボ管である第2屈曲部60を便座対向面230に対して配置することで、洋式トイレ200の便器本体220における便座240を閉じた際に便座240と対向する便座対向面230に対して連結させたホース部20が便器本体220の排水口280方向に向かって位置付けされる。
これに対して、ホース部20がフレキシブルホースの場合、「第2屈曲部60」とは、予め第2連結具40とホース部排出側の端部20Bの間のホース部20に対して巻回させた防水テープ(図示せず)を意味する。
使用者は、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200に対して連結する際に、防水テープで巻回した箇所である第2屈曲部60を便器本体220の排水口280方向に向かって屈曲することで、洋式トイレ200の便器本体220における便座240を閉じた際に便座240と対向する便座対向面230に対して連結させたホース部20が便器本体220の排水口280方向に向かって位置付けされる。
【0031】
以下、本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置400について図面を用いて説明する。
【0032】
(本発明の実施形態3)
図9に示すように、本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置400は、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置100から第1連結部30を取り除いたものである。
具体的には、本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置は、下記のようなものである。
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記集尿装置が、前記洋式トイレに対して連結した際に、
前記便座における前記便座を閉じた際に前記便座対向面と対向する面である便器本体対向面に対して予め配設されている便座緩衝部が介在することで発生した、前記便器本体の前記便座対向面と前記便座の前記便器本体対向面との間の隙間に対して、前記ホース部が前記第2連結具を介して挿通することを特徴とする洋式トイレ用集尿装置である。
【0033】
本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置400によれば、
集尿器は、第2連結具が支点となることでホース部を介して前後上下左右に自在に操作可能となり、使用者は立位排尿の際に、集尿器を好適な位置に動かすことで集尿器内部に対する跳ね返りが極力防止される。次に、集尿器内部の排尿は、第2連結具が集尿器内部の排尿をホース部を介して洋式トイレの便器本体に導く案内部材となり、最終的に洋式トイレの便器本体内部の排水口に送り流されるため、集尿装置自体は立位排尿ごとの取り換え作業が不要となる。その後、排尿で汚れた集尿器内部は、水洗付き洋式トイレの場合、直接手洗器用水栓で洗い流すのに対して水洗無し洋式トイレの場合、予め貯蔵した水道水等で洗い流すことで、清潔な状態を常時保つことになる。
その結果として、洋式トイレでの立位排尿における跳ね返りを極力防止し、取り換え作業が不要、且つ清潔な状態を常時保つことができる。
また、洋式トイレ用集尿装置を洋式トイレに対して連結して便座を閉じた状態でも集尿装置が障害となることなく、使用者は集尿装置の取り外し作業が不要で座位姿勢を確保できる。
さらに、第2連結具がホース部の周方向をカバーする役割を果たすことで、便座の便座緩衝部が経年劣化で擦り減り、便座の便器本体対向面がホース部に接触して、集尿器から送り流された排尿がホース部内部で詰まることを防止できる。
【0034】
以下、本発明に係る実施形態4の洋式トイレ用集尿装置500について図面を用いて説明する。
【0035】
(本発明の実施形態4)
図10に示すように、本発明に係る実施形態4の洋式トイレ用集尿装置500は、本発明に係る実施形態2の洋式トイレ用集尿装置300から第1連結部30および第1屈曲部50を取り除いたものである。
本発明に係る実施形態4の洋式トイレ用集尿装置500は、下記のようなものである。
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記ホース部排出側の端部と前記第2連結具の間に対して、前記第2連結具を用いて前記便器本体の前記便座対向面に対して連結させた前記ホース部を前記便器本体の前記便座対向面から前記便器本体内部に向かって形成される角部の位置で前記便器本体の排水口に向かって屈曲させる第2屈曲部を備えており、
前記集尿装置が、前記洋式トイレに対して連結した際に、
前記便座における前記便座を閉じた際に前記便座対向面と対向する面である便器本体対向面に対して予め配設されている便座緩衝部が介在することで発生した、前記便器本体の前記便座対向面と前記便座の前記便器本体対向面との間の隙間に対して、前記ホース部が前記第2連結具を介して挿通することを特徴とする洋式トイレ用集尿装置である。
【0036】
本発明に係る実施形態4の洋式トイレ用集尿装置500によれば、
本発明に係る実施形態3の洋式トイレ用集尿装置400の効果の別の効果として、便器本体の便座対向面の高さ付近から便器本体の排水口に向かって送り流すことで、集尿器から送り流された排尿が便器本体の内部で拡散して跳ね返ることを極力防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の洋式トイレ用集尿装置は、洋式トイレに対して連結可能であり、特に、高い洗浄効果を発揮させる観点で、水洗式洋式トイレに対して連結するのが好適である。
【符号の説明】
【0038】
100 実施形態1の洋式トイレ用集尿装置
10 集尿器
10A 集尿器の側面
10B 集尿器の側面に設けた係止部
20 ホース部
20A ホース部排出側
20B ホース部排出側の端部
20C ホース部排出側の第1連結具配置領域
20D ホース部排出側の第2連結具配置領域
30 第1連結具
31 第1連結具の取付板
32 第1連結具の取付板に設けた係止部
40 第2連結具
41 第2連結具の取付板
42 第2連結具の取付板に設けた係止部
50 第1屈曲部
60 第2屈曲部
200 洋式トイレ
210 洋式トイレのタンク部
210A 洋式トイレのタンク部の側面
210B 洋式トイレのタンク部の側面の角部
220 洋式トイレの便器本体
230 洋式トイレの便器本体の便座対向面
230B 便座対向面から便器本体内部に向かって形成される角部
240 洋式トイレの便座
250 洋式トイレの便座の便器本体対向面
260 洋式トイレの便座の便座緩衝部
270 便座対向面と便座の便器本体対向面との間の隙間
280 洋式トイレの便器本体の排水口
290 洋式トイレの手洗器用水栓
300 実施形態2の洋式トイレ用集尿装置
400 実施形態3の洋式トイレ用集尿装置
500 実施形態4の洋式トイレ用集尿装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記ホース部における前記第1連結具と前記第2連結具の間に対して、前記第1連結具を用いて前記洋式トイレの前記タンク部に対して連結させた前記ホース部を前記タンク部の角部の位置で前記便器本体に向かって屈曲させる第1屈曲部を備えたことを特徴とする洋式トイレ用集尿装置。
【請求項2】
前記ホース部排出側の端部と前記第2連結具の間に対して、前記第2連結具を用いて前記便器本体の前記便座対向面に対して連結させた前記ホース部を前記便器本体の前記便座対向面から前記便器本体内部に向かって形成される角部の位置で前記便器本体の排水口に向かって屈曲させる第2屈曲部を備えたことを特徴とする請求項に記載の洋式トイレ用集尿装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の洋式トイレ用集尿装置の特徴構成は、
本発明に係る洋式トイレ用集尿装置において、
排尿を受け入れる集尿器と、
前記集尿器の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器内部の排尿を前記集尿器外部に向かって送り流すホース部とを備えた集尿装置であって、
前記集尿装置は、洋式トイレに対して連結することで、前記集尿器内部の排尿を前記洋式トイレの便器本体の排水口に送り流すものであり、
ホース部排出側の第1連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレのタンク部に対して連結するための第1連結具と、
前記ホース部排出側の第2連結具配置領域に対して設けた、前記集尿装置を前記洋式トイレの前記便器本体における便座を閉じた際に前記便座と対向する面である便座対向面に対して連結するための第2連結具とを備えており、
前記ホース部における前記第1連結具と前記第2連結具の間に対して、前記第1連結具を用いて前記洋式トイレの前記タンク部に対して連結させた前記ホース部を前記タンク部の角部の位置で前記便器本体に向かって屈曲させる第1屈曲部を備えた点にある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
「便器本体対向面250」とは、便座240における便座240を閉じた際に便器本体220と対向する平面領域を意味する。
「便座緩衝部260」とは、便座240の便器本体対向面230に対して予め配設されている、便座240を閉じた際に便座対向面230に対する便座240の重みを緩衝するためのゴム製部材を意味する。
便座緩衝部260を便座240の便器本体対向面230に対して設けることで便器本体220の便座対向面230と便座240の便器本体対向面250との間に、便座緩衝部260の高さ分だけ隙間270が発生する。
洋式トイレ用集尿装置100が、洋式トイレ200に対して連結する際は、隙間270に対してホース部20が第2連結具40を介して挿通することになるため、ホース部20を挿通した第2連結具40の高さが便座緩衝部260の高さより高い場合、ホース部20を挿通した第2連結具40の高さが便座緩衝部260の高さより低くなるように、新たな便座緩衝部を便座240の便器本体対向面250に対して設ける。
以上より、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置100の特徴構成は、
排尿を受け入れる集尿器10と、
前記集尿器10の底面に設けた排出管と連結することで前記集尿器10内部の排尿を前記集尿器10外部に向かって送り流すホース部20とを備えた集尿装置100であって、
前記集尿装置100は、洋式トイレ200に対して連結することで、前記集尿器10内部の排尿を前記洋式トイレ200の便器本体220の排水口280に送り流すものであり、
ホース部排出側20Aの第1連結具配置領域20Cに対して設けた、前記集尿装置100を前記洋式トイレ200のタンク部210に対して連結するための第1連結具30と、
前記ホース部排出側20Aの第2連結具配置領域20Dに対して設けた、前記集尿装置100を前記洋式トイレ200の前記便器本体220における便座240を閉じた際に前記便座240と対向する面である便座対向面230に対して連結するための第2連結具40とを備えた点にある。
本構成の洋式トイレ用集尿装置100によれば、集尿器10は、第1連結具30が支点となることでホース部20を介して前後上下左右に自在に操作可能となり、使用者は立位排尿の際に、集尿器10を好適な位置に動かすことで集尿器10内部に対する跳ね返りが極力防止される。次に、集尿器10内部の排尿は、第1連結具30と第2連結具40が集尿器10内部の排尿をホース部20を介して洋式トイレ200の便器本体220に導く案内部材となり、最終的に洋式トイレ200の便器本体内部の排水口280に送り流されるため、集尿装置100自体は立位排尿ごとの取り換え作業が不要となる。その後、排尿で汚れた集尿器10内部は、水洗付き洋式トイレの場合、直接手洗器用水栓で洗い流すのに対して水洗無し洋式トイレの場合、予め貯蔵した水道水等で洗い流すことで、清潔な状態を常時保つことになる。
その結果として、洋式トイレ200での立位排尿における跳ね返りを極力防止し、取り換え作業が不要、且つ清潔な状態を常時保つことができる。
また、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置100においては、
前記集尿装置100が、前記洋式トイレ200に対して連結した際に、
前記便座240における前記便座240を閉じた際に前記便座対向面230と対向する面である便器本体対向面250に対して予め配設されている便座緩衝部260が介在することで発生した、前記便器本体220の前記便座対向面230と前記便座240の前記便器本体対向面250との間の隙間270に対して、前記ホース部20が前記第2連結具40を介して挿通することが好ましい。
本構成の洋式トイレ用集尿装置100によれば、洋式トイレ用集尿装置100を洋式トイレ200に対して連結して便座240を閉じた状態でも集尿装置100が障害となることなく、使用者は集尿装置100の取り外し作業が不要で座位姿勢を確保できる。
また、第2連結具40がホース部20の周方向をカバーする役割を果たすことで、便座240の便座緩衝部260が経年劣化で擦り減り、便座240の便器本体対向面250がホース部20に接触して、集尿器10から送り流された排尿がホース部20内部で詰まることを防止できる。
また、本発明に係る実施形態1の洋式トイレ用集尿装置100においては、
前記集尿器10の側面10Aに対して、前記洋式トイレ200の前記タンク部210の側面210Aに係止するための係止部10Bを備えたことが好ましい。
本構成の洋式トイレ用集尿装置100によれば、集尿器10を瞬時に使用できると共に、集尿器10の開口部が略上方を向いたまま係止するため集尿器10の開口部から洗浄水などが零れることなく乾燥保管できる。