(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156577
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】跳ね上げ式眼鏡
(51)【国際特許分類】
G02C 5/00 20060101AFI20241029BHJP
G02C 1/00 20060101ALI20241029BHJP
G02C 1/06 20060101ALI20241029BHJP
G02C 9/02 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G02C5/00
G02C1/00
G02C1/06
G02C9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071165
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】501265870
【氏名又は名称】株式会社 フォルクス
(71)【出願人】
【識別番号】517066629
【氏名又は名称】UNOS合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002804
【氏名又は名称】弁理士法人フェニックス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥出 忠行
(72)【発明者】
【氏名】野口 慎一
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】
【課題】 サブフレームを任意の位置で確実に固定することができ、しかも、指先で摘んで容易に固定ネジの回転操作ができる跳ね上げ式眼鏡を提供すること。
【解決手段】 固定ネジのネジ頭が前記メインサイドブラケット部およびサブサイドブラケット部の側方から突出した状態で、当該固定ネジが前記両駒部材に螺着することによって、前記サブフレームを前後揺動してメインフレームの前面からサブレンズを退避可能にヒンジ連結することができ、前記固定ネジのネジ頭を、前記駒部材の突出長に略相当する径にして、かつ、表面には防滑凸部を形成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインフレームは、左右のメインバーがメインブリッジにより連結され、かつ、前記メインバーの各外側端縁部にはメインサイドブラケット部が延成されており、このメインサイドブラケット部の前面には軸受孔部を有するメイン駒部材が突設されている一方、同メインサイドブラケット部の後面にはテンプルが配設されており、
サブフレームは、一対のサブレンズがサブリムにそれぞれ支持され、当該サブリムがサブブリッジにより連結され、かつ、前記サブリムの各外側端縁部にはサブサイドブラケット部が延成されており、このサブサイドブラケット部の後面には軸受孔部を有するサブ駒部材が突設されており、
前記メイン駒部材と前記サブ駒部材とが嵌合して相互連結される一方、
固定ネジのネジ頭が前記メインサイドブラケット部およびサブサイドブラケット部の側方から突出した状態で、当該固定ネジが前記両駒部材に螺着されることによって、前記サブフレームを前後揺動してメインフレームの前面からサブレンズを退避可能にヒンジ連結することができ、
前記固定ネジのネジ頭は、前記駒部材の突出長に略相当する径であって、かつ、表面には防滑凸部が形成されており、前記ネジ頭を指で摘んで回転操作を可能に構成したことを特徴とする跳ね上げ式眼鏡。
【請求項2】
前記固定ネジのネジ頭が略円柱状であって、かつ、軸方向に亙る複数の凸条からなる防滑凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の跳ね上げ式眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、跳ね上げ式眼鏡の改良、更に詳しくは、サブフレームを任意の位置で確実に固定することができ、しかも、指先で摘んで容易に固定ネジの回転操作ができる跳ね上げ式眼鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能性眼鏡フレームの一種として、眼鏡フロント部を上下に揺動できるように構成した「跳ね上げ式眼鏡フレーム」が知られており、フロントフレームをメインフレームとサブフレームとの二重構造にして、例えば、視力矯正用の眼鏡の前方にサングラスを取り付けて跳ね上げ式にしたものや、老眼鏡を跳ね上げ式に構成したものなどがある。
【0003】
このような跳ね上げ式眼鏡フレームにおいて、サブフレームを跳ね上げ式に構成するためにはヒンジの回転軸が存在するが、フレームの揺動操作を繰り返しているうちに、この回転軸の抵抗が弛んできてガタ付きを生じてしまうという問題があったことから、跳ね上げ機能の低下を防止するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、反復使用による部材の摩耗や劣化はやはり避けられないし、任意の位置で微調整してサブフレームを固定することができないという使い勝手の悪さもある。しかも、材料加工の手間による製造コストが増加するという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の跳ね上げ式眼鏡に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、サブフレームを任意の位置で確実に固定することができ、しかも、指先で摘んで容易に固定ネジの回転操作ができる跳ね上げ式眼鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0008】
即ち、本発明は、メインフレーム1は、左右のメインバー11がメインブリッジ12により連結され、かつ、前記メインバー11の各外側端縁部にはメインサイドブラケット部13が延成されており、このメインサイドブラケット部13の前面には軸受孔部を有するメイン駒部材14が突設されている一方、同メインサイドブラケット部13の後面にはテンプル15が配設されており、
サブフレーム2は、一対のサブレンズ21がサブリム22にそれぞれ支持され、当該サブリム22がサブブリッジ23により連結され、かつ、前記サブリム22の各外側端縁部にはサブサイドブラケット部24が延成されており、このサブサイドブラケット部24の後面には軸受孔部を有するサブ駒部材25が突設されており、
前記メイン駒部材14と前記サブ駒部材25とが嵌合して相互連結される一方、
固定ネジ3のネジ頭31が前記メインサイドブラケット部13およびサブサイドブラケット部24の側方から突出した状態で、当該固定ネジ3が前記両駒部材に螺着されることによって、前記サブフレーム2を前後揺動してメインフレーム1の前面からサブレンズ21を退避可能にヒンジ連結することができ、
前記固定ネジ3のネジ頭31は、前記駒部材の突出長に略相当する径であって、かつ、表面には防滑凸部32が形成されており、前記ネジ頭31を指で摘んで回転操作を可能に構成するという技術的手段を採用したことによって、跳ね上げ式眼鏡を完成させた。
【0009】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、前記固定ネジ3のネジ頭31が略円柱状であって、かつ、軸方向に亙る複数の凸条からなる防滑凸部32が形成されているようにするという技術的手段を採用することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、固定ネジのネジ頭が前記メインサイドブラケット部およびサブサイドブラケット部の側方から突出した状態で、当該固定ネジが前記両駒部材に螺着することによって、前記サブフレームを前後揺動してメインフレームの前面からサブレンズを退避可能にヒンジ連結することができ、前記固定ネジのネジ頭を、前記駒部材の突出長に略相当する径にして、かつ、表面には防滑凸部を形成したことによって、サブフレームを任意の位置で確実に固定することができ、しかも、ネジ頭を指先で摘んで容易に固定ネジの回転操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の跳ね上げ式眼鏡を表わす斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の跳ね上げ式眼鏡を表わす上面図である。
【
図3】本発明の実施形態の跳ね上げ式眼鏡を表わす前面図である。
【
図4】本発明の実施形態の跳ね上げ式眼鏡の使用状態を表わす側面図である。
【
図5】本発明の実施形態の跳ね上げ式眼鏡の使用状態を表わす側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を
図1から
図5に基づいて説明する。
図1中、符号1で指示するものはメインフレームであり、符号2で指示するものはサブフレーム、また、符号3で指示するものは固定ネジである。
【0013】
前記メインフレーム1は、まず、左右のメインバー11がメインブリッジ12により連結されている。本実施形態では、レンズを保持していないバー形状になっているが、リム状またはハーフリム状に形成して、レンズを保持できるものであっても良い。メインブリッジ12の近傍からは、鼻当てパッドを垂設することができる。
【0014】
また、前記メインバー11の各外側端縁部にはメインサイドブラケット部13が延成されている。このメインサイドブラケット部13は、通常はメインバー11と一体成型されているが、独立した別部材を固着したものであっても良い。
【0015】
そして、このメインサイドブラケット部13の前面には軸受孔部を有するメイン駒部材14が突設されている一方、同メインサイドブラケット部13の後面にはテンプル15が配設されている。前記軸受孔部には、適宜、内側面にネジ山を成形することができる。テンプル15は、左右一対の長手棒状の耳掛け部材であって、開閉自在にヒンジ連結したものを採用することができる。
【0016】
次に、前記サブフレーム2は、一対のサブレンズ21がサブリム22にそれぞれ支持され、当該サブリム22がサブブリッジ23により連結されている。サブレンズ21としては、サングラス用の色付きレンズや偏光レンズ、あるいは、老眼用の凸レンズなどを採用することができる。
【0017】
また、前記サブリム22の各外側端縁部にはサブサイドブラケット部24が延成されている。このサブサイドブラケット部24についても、通常はサブリム22と一体成型されているが、独立した別部材を固着したものであっても良い。
【0018】
そして、サブサイドブラケット部24の後面には軸受孔部を有するサブ駒部材25が突設されている。前記軸受孔部には、適宜、内側面にネジ山を成形することができる。
【0019】
そしてまた、前記メイン駒部材14と前記サブ駒部材25とが嵌合して相互連結されて、駒部品として小片を構成している。
【0020】
次いで、固定ネジ3のネジ頭31が前記メインサイドブラケット部13およびサブサイドブラケット部24の側方から突出した状態で、当該固定ネジ3が前記両駒部材に螺着されている。ネジ頭31が側方から突出していることにより、回転操作性を向上させることができるとともに、ネジ頭31の形状により外観上の優れたデザイン性を付与することもできる(
図2および
図3参照)。
【0021】
そして、固定ネジ3が回転軸としての機能を果たすため、固定ネジ3が螺着されることにより、前記サブフレーム2を前後揺動してメインフレーム1の前面からサブレンズ21を退避可能にヒンジ連結することができる。
【0022】
また、前記固定ネジ3のネジ頭31は、前記駒部材の突出長に略相当する径であって、かつ、表面には防滑凸部32が形成されている。したがって、前記ネジ頭31を指で摘んで回転操作を可能にした。また、防滑凸部32を形成したことによって、指先の小さな握力であっても、ネジ頭31の表面を滑って軸が空転することがなく、確実に緊締することができるので、眼鏡を着用したままでも簡単に回転操作を行ってサブフレーム2を前後揺動することができる(
図4および
図5参照)。
【0023】
本実施形態では、前記固定ネジ3のネジ頭31が略円柱状であって、かつ、軸方向に亙る複数の凸条からなる防滑凸部32を形成することができる。こうすることによって、回転方向に対する垂直方向の抵抗となり、効率的な滑り止め機能を発揮することができるとともに、ストライプ状の外観によってスマートで優れたデザイン性を付与することもできる。
【0024】
本発明は概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、固定ネジ3の大きさや形状は、デザイン性や操作性を損なわないように、適宜、変更することができるし、ネジ山の表面に緩み止めのための樹脂被覆加工などを施すこともできる。
【0025】
また、駒部材の一部にストッパー突起を形成して、上げ過ぎや下げ過ぎの回転規制ができるようにすることもできる。更にまた、駒部材は、凹凸の組み合わせが逆であっても良いし、二枚駒でも三枚駒でも良く、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0026】
1 メインフレーム
11 メインバー
12 メインブリッジ
13 メインサイドブラケット部
14 メイン駒部材
15 テンプル
2 サブフレーム
21 サブレンズ
22 サブリム
23 サブブリッジ
24 サブサイドブラケット部
25 サブ駒部材
3 固定ネジ
31 ネジ頭
32 防滑凸部