(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156590
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】物体の搬送方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20241029BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241029BHJP
B65G 47/34 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B65G1/00 501Z
B65G1/137
B65G47/34
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131731
(22)【出願日】2023-08-12
(31)【優先権主張番号】63/461,565
(32)【優先日】2023-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】112121701
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523308605
【氏名又は名称】泰科動力股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAC DYNAMICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】林 傳凱
【テーマコード(参考)】
3F015
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015BA01
3F015BA03
3F022AA15
3F022FF01
3F022MM01
3F022NN01
3F022NN31
3F022NN38
3F522AA02
3F522BB22
3F522GG01
3F522LL11
3F522LL31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明の実施形態は、物体の搬送方法及びシステムを提供する。
【解決手段】この方法は、対象物体の搬送タスクの取得に応答して、物体搬送プラットフォームの入口点及び出口点に対象物体を協調的に搬送するように複数の搬送部を制御することを含み、複数の搬送部は物体搬送プラットフォーム上に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御サーバに適した物体の搬送方法であって、
対象物体の搬送タスクの取得に応答して、複数の搬送部を制御して、物体搬送プラットフォームの出入口に前記対象物体を協働で搬送することを含み、複数の前記搬送部は、前記物体搬送プラットフォーム上に設けられ、かつ、前記対象物体は、複数の前記搬送部のうちの第1の搬送部に搭載される、方法。
【請求項2】
前記物体搬送プラットフォームの前記出入口は、複数の前記搬送部のうちの特定の搬送部に対応し、複数の前記搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に前記対象物体を協働で搬送する工程の後、前記方法は、
前記特定の搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定の搬送部には移載要素が設けられ、前記特定の搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動する工程は、
前記特定の搬送部の前記移載要素を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動することを含み、前記移載要素は、多方向ローラと多方向コンベアベルトのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記特定の搬送部はリフトに隣接し、前記特定の搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動する工程は、
前記特定の搬送部を制御して、前記リフトに前記対象物体を搬送することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記リフト内には基準搬送部が設けられ、前記対象物体は、前記特定の搬送部により前記基準搬送部に搬送され、前記特定の搬送部を制御して、前記リフトに前記対象物体を搬送する工程の後、前記方法は、
前記リフトを制御して、対象階層まで昇降させることと、
前記基準搬送部を制御して、前記リフトから前記対象物体を移動することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記搬送部を制御して、協働して前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に前記対象物体を搬送する工程は、
前記対象物体が前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に位置しておらず、前記第1の搬送部が前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に隣接していないとの判断に応答して、前記出入口と前記第1の搬送部との間に位置する少なくとも1つの中継搬送部を取得することと、
前記第1の搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第1の中継搬送部に前記対象物体を搬送することと、
前記少なくとも1つの中継搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第Nの中継搬送部に前記対象物体を順次搬送することであって、前記第Nの中継搬送部は、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に隣接し、Nは前記少なくとも1つの中継搬送部の数であることと、
前記第Nの中継搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に前記対象物体を搬送することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各前記搬送部には移載要素が設けられ、前記対象物体は、前記第1の搬送部の前記移載要素に搭載され、前記第1の搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第1の中継搬送部に前記対象物体を搬送する工程は、
前記第1の搬送部の前記移載要素を制御して、前記第1の中継搬送部の前記移載要素に搭載する前記対象物体を移載することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移載要素は、多方向ローラと多方向コンベアベルトのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の搬送部が設置され、複数の前記搬送部のうちの第1の搬送部には対象物体が搭載される物体搬送プラットフォームと、
前記対象物体の搬送タスクの取得に応答して、複数の前記搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームの出入口に前記対象物体を協働で搬送することを実行する制御サーバと、を含む、物体搬送システム。
【請求項10】
前記物体搬送プラットフォームの前記出入口は、複数の前記搬送部のうちの特定の搬送部に対応し、複数の前記搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に前記対象物体を協働で搬送した後、前記制御サーバは、
前記特定の搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動することをさらに実行する、請求項9に記載の物体搬送システム。
【請求項11】
前記特定の搬送部には移載要素が設けられ、前記制御サーバは、
前記特定の搬送部の前記移載要素を制御して、前記物体搬送プラットフォームから前記対象物体を移動することを実行し、前記移載要素は、多方向ローラと多方向コンベアベルトのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の物体搬送システム。
【請求項12】
前記特定の搬送部はリフトに隣接し、前記制御サーバは、
前記特定の搬送部を制御して、前記リフトに前記対象物体に搬送することを実行する、請求項10に記載の物体搬送システム。
【請求項13】
前記リフト内には基準搬送部が設置され、前記対象物体は、前記特定の搬送部により前記基準搬送部に搬送され、前記特定の搬送部を制御して、前記リフトに前記対象物体を搬送した後、前記制御サーバは、
前記リフトを制御して、対象階層まで昇降させることと、
前記基準搬送部を制御して、前記リフトから前記対象物体を移動することと、をさらに実行する、請求項12に記載の物体搬送システム。
【請求項14】
前記制御サーバは、
前記対象物体が前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に位置しておらず、前記第1の搬送部が前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に隣接していないとの判断に応答して、前記出入口と前記第1の搬送部との間に位置する少なくとも1つの中継搬送部を取得することと、
前記第1の搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第1の中継搬送部に前記対象物体を搬送することと、
前記少なくとも1つの中継搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第Nの中継搬送部に前記対象物体を順次搬送することであって、前記第Nの中継搬送部は、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に隣接し、Nは前記少なくとも1つの中継搬送部の数であることと、
前記第Nの中継搬送部を制御して、前記物体搬送プラットフォームの前記出入口に前記対象物体を搬送することと、を実行する、請求項9に記載の物体搬送システム。
【請求項15】
各前記搬送部には移載要素が設けられ、前記対象物体は、前記第1の搬送部の前記移載要素に搭載され、前記制御サーバは、
前記第1の搬送部の前記移載要素を制御して、前記第1の中継搬送部の前記移載要素に搭載する前記対象物体を移載することを実行する、請求項14に記載の物体搬送システム。
【請求項16】
前記移載要素は、多方向ローラと多方向コンベアベルトのうちの少なくとも1つを含む、
請求項15に記載の物体搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送機序に関し、より詳細には、物体の搬送方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、労働者不足が深刻化していることに鑑み、倉庫所有者は、倉庫システムの自動化又は改善を望んでいる。さらに、ファシリティコストが徐々に増加していることを考慮して、倉庫スペースの節約も、倉庫所有者の要求の1つとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当業者にとって、狭いスペースに大量の物体を保管できる自動倉庫管理システムをどのように設計するかは、非常に重要な課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、制御サーバに適し、対象物体の搬送タスクの取得に応答して、複数の搬送部を制御して、物体搬送プラットフォームの出入口まで対象物体を協働で搬送することを含み、前記複数の搬送部は、物体搬送プラットフォームに設けられ、対象物体は前記複数の搬送部のうちの第1の搬送部に搭載される物体の搬送方法を提供する。
【0005】
本発明の実施形態は、物体搬送プラットフォームと、制御サーバと、を含む物体搬送システムを提供する。物体搬送プラットフォームには、複数の搬送部が設けられ、前記複数の搬送部のうちの第1の搬送部には対象物体が搭載される。制御サーバは、対象物体の搬送タスクの取得に応答して、前記複数の搬送部を制御して、物体搬送プラットフォームの出入口まで対象物体を協働で搬送するよう実行する。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本発明の実施形態は、倉庫所有者の関連要件を満たすことのできる、新規でスペース効率の高い自動倉庫管理システムを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態による物体搬送システムの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による物体搬送プラットフォーム及びリフトの上面図である。
【
図3】本発明の実施形態による物体の搬送方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、それは本発明の実施形態による物体搬送システムの概略図である。
図1において、物体搬送システム10は、制御サーバ100と、物体搬送プラットフォームP1~P3と、リフトE1、E2と、を含む。
【0009】
異なる実施形態において、制御サーバ100は、様々なスマートデバイス及び/又はコンピュータデバイスとして実現することができ、X86及び/又はARMプラットフォーム上で動作することができるが、これに限定されない。
【0010】
図1において、物体搬送プラットフォームP1~P3は、例えば、多層式構造(例えば、3層式構造)を構成しても良く、ここで、物体搬送プラットフォームP1~P3は、この多層式構造の異なる階層に配置しても良く、リフトE1、E2は、例えば、これらの階層間で物体OBを搬送するために用いることができるが、これに限定されない。異なる実施形態において、物体OBは、例えば、パレット及び/又は箱等の貨物を保管するために使用できる貨物保管装置であるが、これに限定されない。
【0011】
本発明の実施形態において、物体搬送プラットフォームP1~P3は、それぞれ複数の搬送部TUを含んでも良い。理解を容易にするために、以下では物体搬送プラットフォームP1を例としてひとまず使用するが、当業者であれば、物体搬送プラットフォームP2、P2の構造及び動作方法を対応して理解できるはずである。
【0012】
図1の状況では、物体搬送プラットフォームP1は、例えば、9個の搬送部TUを設置することができる。この9個の搬送部TUは、例えば、3×3配列に配置されて良い(ここで、2個の搬送部TUには何の物体も搭載されなくても良い)が、これに限定されない。なお、
図1の物体搬送プラットフォームP1には9個の搬送部TUが設けられているが、搬送物OBにより遮られるため、一部の搬送部TUを完全に図示することができないことが理解されるべきである。
【0013】
異なる実施形態において、各物体搬送プラットフォームP1~P3の搬送部TUは、設計者のニーズに応じて任意のMXN配列として設計することができ、ここで、M、Nは正の整数であるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、各物体搬送プラットフォームP1~P3の搬送部TUも、配列形式に限定されず、他のレイアウトで設計することができる。
【0014】
一実施形態において、リフトE1、E2は、それぞれ出荷及び入荷に用いることができる。例えば、制御サーバ100が、物体搬送プラットフォームP1上のある物体OBを物体搬送プラットフォームP1から移動させようとする場合、制御サーバ100は、物体搬送プラットフォームP1上の各搬送部TUと協働で、この物体OBを物体搬送プラットフォームP1の出入口に対応する搬送部TU(以下、特定の搬送部という。例えば、リフトE1の隣に位置する搬送部TUである)に搬送することができる。その後、制御サーバ100は、物体搬送プラットフォームP1の特定の搬送部を制御して、搭載する物体OBをリフトE1に移動し、物体OBを物体搬送プラットフォームP1から移動することができる(すなわち、出荷)。次いで、制御サーバ100は、リフトE1を制御して、対応する対象階層まで昇降させ、次いで、リフトE1内の物体OBの搬送を行うことができる。
【0015】
また、制御サーバ100が、別の物体OBを物体搬送プラットフォームP1に移動しようとする場合、制御サーバ100は、この物体OBをリフトE2に進入させ、その後、リフトE2を制御して、物体搬送プラットフォームP1に対応する対象階層まで昇降させ、次いで、リフトE2内の物体OBを物体搬送プラットフォームP1の別の出入口(其例えば、リフトE2の隣に位置する搬送部TUに対応する)に移動することができる。これにより、物体OBを物体搬送プラットフォームP1(すなわち、入荷)に移動する目的を達成することができる。
【0016】
その他の実施形態において、前記多層式構造は、単一のリフト(例えば、リフトE1)のみを設けても良く、この単一のリフトは(異なる時間における)出荷及び入荷に用いることができるが、これに限定されない。
【0017】
いくつかの実施形態において、例えば、制御サーバ100は、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller,PLC)を介して、物体搬送プラットフォームP1~P3上の各搬送部TU及び/又はリフトE1及びE2を制御することができるが、これに限定されない。
【0018】
本発明の実施形態において、各搬送部TUは、例えば、対応する物体搬送プラットフォーム上に固定位置を有するサブ搬送プラットフォーム/ブロックであり、且つ、各搬送部TUには、搭載する物体OBを(水平に)近傍の/隣接する搬送部TUに移載するために用いる移載要素を設けても良い。すなわち、本発明の実施形態における搬送部TUは、搭載する物体OBを近傍の/隣接する搬送部TUに移載(パス)することによって、物体OBを搬送する。したがって、本発明の実施形態において言及される搬送、移載、移動等の用語は、実質上、同一又は類似の意義を有するが、これに限定されない。
【0019】
異なる実施形態において、上記移載要素は、多方向ローラ(例えば、四向ローラ及び/又はユニバーサルローラ)及多方向コンベアベルトのうちの少なくとも1つを含んでも良いが、これに限定されない。
【0020】
図2を参照すると、それは本発明の実施形態による物体搬送プラットフォーム及びリフトの上面図である。
【0021】
図2において、物体搬送プラットフォーム20は、例えば、4個の搬送部M0~M3を含む。搬送部M0~M3は、例えば、2×2配列に配置されて良いが、それは専ら例にすぎず、本発明の可能な実施形態を限定することを意図するものではない。その他の実施形態において、設計者は、ニーズに応じて物体搬送プラットフォーム20を任意のレイアウトを含む搬送部に設計することができる。
【0022】
また、リフトEは、搬送部M0の隣に設けることができ、搭載する物体をリフトEに移載したり、又は、リフトEからの物体を搭載したりすることができるが、これに限定されない。本実施形態において、搬送部M0は、物体搬送プラットフォーム20の出入口に対応する特定の搬送部として理解することができるが、これに限定されない。
【0023】
図2において、各搬送部M0~M3は、四向ローラとして実現される移載要素を含んでも良い。理解を容易にするために、以下では、搬送部M1を例として説明するが、当業者であれば、搬送部M0、M2、M3の動作原理を対応して理解できるはずである。
【0024】
図2において、搬送部M1は、移載要素210を含んでも良い。移載要素210は、複数の垂直ローラ211及び複数の水平ローラ212からなる四向ローラを含んでも良いが、これに限定されない。このため、制御サーバ100が、搬送部M1に搭載された物体OB(パレット等)を(物体未搭載の)搬送部M0に移載しようとする場合、制御サーバ100は、上記の水平ローラ212の回転をトリガーすることにより、搬送部M1に搭載された物体OBを+X方向に沿って搬送部M0に移載・移動させることができる。また、制御サーバ100は、搬送部M0上の水平ローラ(特に図示せず)をトリガーすることにより、搬送部M1に搭載された物体OBを+X方向に沿って搬送部M0に搬送・移動させることもできるが、これに限定されない。
【0025】
また、制御サーバ100が、搬送部M1に搭載された物体OB(パレット等)を(物体未搭載の)搬送部M2に移載しようとする場合、制御サーバ100は、上記の垂直ローラ211の回転をトリガーすることにより、搬送部M1に搭載された物体OBを-Y方向に沿って搬送部M2に移載・移動させることができる。また、制御サーバ100は、搬送部M2上の垂直ローラ(特に図示せず)をトリガーすることにより、搬送部M1に搭載された物体OBを-Y方向に沿って搬送部M2に搬送・移動させることもできるが、これに限定されない。
【0026】
図2において、リフトEには、搬送部M0~M3と同様の動作モードで物体を搬送できる基準搬送部29を設置することもできる。
【0027】
例えば、制御サーバ100が、搬送部M0(すなわち、物体搬送プラットフォーム20の出入口に対応する特定の搬送部)に搭載された物体OB(パレット等)を(物体未搭載の)基準搬送部29に移載しようとする場合、制御サーバ100は、搬送部M0上の水平ローラの回転をトリガーすることにより、搬送部M0に搭載された物体OBを+X方向に沿って基準搬送部29に移載・移動させることができる。また、制御サーバ100は、基準搬送部29の水平ローラをトリガーすることにより、搬送部M0に積載された物体OBを+X方向に沿って基準搬送部29に移載・移動させることもできる。
【0028】
他の例として、制御サーバ100が、基準搬送部29に搭載された物体OB(パレット等)を搬送部M0に移載しようとする場合、制御サーバ100は、基準搬送部29上の水平ローラの回転をトリガーすることにより、基準搬送部29に搭載された物体OBを-X方向に沿って搬送部M0に移載・移動させることができる。また、制御サーバ100は、搬送部M0上の水平ローラをトリガーすることにより、基準搬送部29に搭載された物体OBを-X方向に沿って搬送部M0に移載・移動させることもできるが、これに限定されない。
【0029】
いくつかの実施形態において、制御サーバ100は、記憶回路とプロセッサを含んでも良い。記憶回路は、例えば、任意のタイプの固定又は取り外し可能なランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、フラッシュメモリ(Flash memory)、ハードディスクもしくは他の類似のデバイス、又はこれらのデバイスの組み合わせであり、複数のプログラムコード又はモジュールを記録するために使用することができる。
【0030】
プロセッサは、記憶回路に結合されてもよく、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、複数のマイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサコアを組み込んだ1つ又は複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)、任意の他のタイプの集積回路、ステートマシン、アドバンストRISCマシン(Advanced RISC Machine,ARM)ベースのプロセッサやその他類似品などであっても良い。
【0031】
本発明の実施形態において、プロセッサは、記憶回路に記録されたモジュール、プログラムコードにアクセスして、本発明によって提案される物体の搬送方法を実現することができる。その詳細は次のとおりである。
【0032】
図3を参照すると、それは本発明の実施形態による物体の搬送方法のフロー図である。本実施形態の方法は、
図2の制御サーバ100によって実行することができ、本発明の実施形態の概念を理解するために、
図2に示す構成要素を用いて
図3の各工程の詳細を以下に説明する。
【0033】
工程S310では、対象物体の搬送タスクの取得に応答して、制御サーバ100は、搬送部M0~M3を制御して、物体搬送プラットフォーム20の出入口まで対象物体を協働で搬送する。ここで、対象物体(以下、TOBという)は、搬送部M0~M3のうちの第1の搬送部に搭載される。
【0034】
一実施形態において、制御サーバ100は、まず、対象物体TOBが物体移載プラットフォーム20の出入口に位置するか否かを判断することができる。
【0035】
第1の実施形態では、対象物体TOBが物体搬送プラットフォーム20の出入口に位置すると判断された場合、現在対象物体TOBを搭載している第1の搬送部が搬送部M0(すなわち、特定の搬送部)上にあることを意味するので、制御サーバ100は、これに対応して搬送部M0を制御して物体搬送プラットフォーム20から対象物体TOBを移動させる(例えば、対象物体TOBをリフトEの基準搬送部29に搬送する)ことができる。その後、制御サーバ100は、リフトEを制御して対応する対象階まで昇降させ、基準搬送部29を制御して、前述の実施形態で教示された機序に従って、物体TOBをリフトEから移動させることができる。
【0036】
他の実施形態では、制御サーバ100が、対象物体TOBが物体搬送プラットフォーム20の出入口に位置していないと判断した場合(すなわち、対象物体TOBが搬送部M0に搭載されていない場合)、制御サーバ100は、第1の搬送部が特定の搬送部(すなわち、搬送部M0)に隣接しているか否かを判断することができる。
【0037】
第2の実施形態では、対象物体TOBが搬送部M1又はM3に搭載されていると仮定すると、制御サーバ100は、第1の搬送部が特定の搬送部に隣接していると判断することができる。この場合、制御サーバ100は、第1の搬送部を制御して、上記で教示された機序に従って、搭載された対象物体TOBを(物体未搭載の)搬送部M0に移載することができるが、これに限定されない。
【0038】
一実施形態において、対象物体TOBが物体搬送プラットフォーム20の出入口に位置しておらず、かつ、第1の搬送部が物体搬送プラットフォーム20の出入口に隣接していないとの判断に応答して、制御サーバ100は、上記出入り口と第1の搬送部との間に位置する少なくとも1つの中継搬送部を取得することと、第1の搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第1の中継搬送部に対象物体TOBを搬送することと、少なくとも1つの中継搬送部を制御して、前記少なくとも1つの中継搬送部のうちの第Nの中継搬送部に対象物体TOBを順次搬送することであって、前記第Nの中継搬送部は、物体搬送プラットフォーム20の出入口に隣接し、Nは前記少なくとも1つの中継搬送部の数であることと、前記第Nの中継搬送部を制御して、物体搬送プラットフォーム20の出入口に対象物体TOBを搬送することと、を実行することができる。
【0039】
理解を容易にするために、本発明の概念を説明するためにいくつかの実施形態を以下に提供する。
【0040】
第3の実施形態では、対象物体TOBが搬送部M2に搭載され、制御サーバ100がある搬送タスクに応じて対象物体TOBを物体搬送プラットフォーム20から移動させようとしているとする。この場合、対象物体TOBが位置する第1の搬送部(すなわち、搬送部M2)は、物体搬送プラットフォーム20の出入口に位置せず、搬送部M0(すなわち、特定の搬送部)に隣接していないので、制御サーバ20は、搬送部M2と搬送部M0との間に位置する搬送部(例えば、搬送部M1又はM3)を中継搬送部として見つけることができる。
【0041】
その後、制御サーバ100は、搬送部M2を制御して、搭載する対象物体TOBを中継搬送部(例えば、搬送部M1又はM3)に移載することができる。
図2の状況では、搬送部M2と搬送部M0との間に位置する搬送部は1つしかないので、Nは1と判断することができる。この場合、第1の中継搬送部は、すなわち第Nの搬送部となる。したがって、対象物体TOBが中継搬送部(例えば、搬送部M1又はM3)に移載された後、制御サーバ100は、第2の実施形態及び第1の実施形態の方法に基づいて、対象物体TOBを物体搬送プラットフォーム20から順次移動させることができる。
【0042】
また、第3実施形態の過程において、中継搬送部及び/又は特定の搬送部に他の物体が搭載されている場合、制御サーバ100は、対象物体TOBを第1の搬送部から特定の搬送部に移載するために、第3実施形態の実行中にスライディングブロックパズルの概念に基づいて、第1の搬送部、中継搬送部及び/又は特定の搬送部を協調させることもできる。さらなる説明のために、以下にいくつかの実施形態を補足する。
【0043】
第4の実施形態では、搬送部M1、M2、M3がそれぞれ3個の物体(以下、物体A1、A2、A3という)を搭載し、搬送部M0が物体を搭載しておらず(空ともいう)、制御サーバ100は、搬送部M2が搭載する物体A2を対象物体TOBとして、搬送部M0に移載して出荷しようとしているものと仮定する。
【0044】
この場合、制御サーバ100は、下記表1に示す工程1~4を順次実行することにより、物体A2を搬送部M0に順次移載することができる。
【0045】
【0046】
別の観点からいえば、表1の各工程は、搬送部M0、M1、M2、M3がその時に搭載する物体を逆時計回りに次の搬送部に移載するものとして理解することができる。表1の工程3では、物体A2(すなわち、対象物体TOB)がすでに搬送部M0に移載されているので、制御サーバ100は、工程4において物体A2をリフトEに移動し、リフトEにより物体A2を対応する対象階層まで移動し、その後の搬送を行うことができるが、これに限定されない。
【0047】
また、第4の実施形態では、搬送部M3は、搬送部M2と搬送部22との間にあるので、搬送部M3は、対応する中継搬送部として理解できるが、これに限定されない。
【0048】
第5の実施形態では、搬送部M0、M1、M2がそれぞれ物体A0、A1、A2を搭載し、搬送部M3が物体を搭載しておらず(空ともいう)、制御サーバ100は、搬送部M1が搭載する物体A1を対象物体TOBとして、搬送部M0に移載して出荷しようとしているものと仮定する。
【0049】
この場合、制御サーバ100は、下記表2に示す工程1~3を順次実行することにより、物体A1を搬送部M0に順次移載することができる。
【0050】
【0051】
別の観点からいえば、表2の各工程は、搬送部M0、M1、M2、M3が搭載する物体を時計回りに次の搬送部に移載するものとして理解することができる。表2の工程2では、物体A1(すなわち、対象物体TOB)がすでに搬送部M0に移載されているので、制御サーバ100は、工程3において物体A1をリフトEに移動し、リフトEにより物体A1を対応する対象階層まで移動し、その後の搬送を行うことができるが、これに限定されない。
【0052】
以上をまとめ、本発明の実施形態に提示される方法は、ニーズ(例えば、搬送タスク)に応じて、特別に設計された物体搬送プラットフォーム上で所望の対象物体を物体搬送プラットフォームの出入口に自動的に移載して、出荷することができる。これにより、倉庫所有者の関連要求を満たすことのできる、新規でスペース効率の高い自動倉庫管理システムを形成することができる。
【0053】
以上、本発明を実施形態により開示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更及び改変を行うことができ、したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許出願の範囲によって規定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の物体の搬送方法及びシステムは、物流や倉庫管理に応用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10:物体搬送システム
100:制御サーバ
P1~P3、 20:物体搬送プラットフォーム
E1、 E2、 E:リフト
OB:物体
TU, M0~M3:搬送部
29:基準搬送部
210:移載要素
211:垂直ローラ
212:水平ローラ
S310:工程