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特開2024-156599高透過率、耐腐食性、および薄型化を実現した光学偏光子を用いた光アイソレータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156599
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】高透過率、耐腐食性、および薄型化を実現した光学偏光子を用いた光アイソレータ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20241029BHJP
   G02B 27/28 20060101ALI20241029BHJP
   C09D 5/24 20060101ALI20241029BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20241029BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G02B5/30
G02B27/28 A
C09D5/24
C09J201/00
C09J163/00
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014437
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】63/495,415
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/460,184
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/382,778
(32)【優先日】2023-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン エム. ハニガン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ グライナー
(72)【発明者】
【氏名】ラメシュ スンダラム
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン ニー
(72)【発明者】
【氏名】ビクトリア ソルグ
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー イアジコフ
(57)【要約】
【課題】高透過率、耐腐食性、および薄型化を実現した光学偏光子を用いた光アイソレータを提供すること。
【解決手段】光アイソレータは、光信号源からの光信号を受け取るための偏光子と、偏光子の1つの表面に配置され、偏光子によって出力された光信号の偏光を回転させ、それを回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、偏光子の対向表面に配置され、回転子出力光信号を受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子とを含む。偏光子および検光子は各々いくつかの離隔された細長い誘電体リッジを含む。各誘電体リッジは、ファラデー回転子の1つの表面に沿って延びる長さ方向と、ファラデー回転子の1つの表面から離れて延びる1対の離隔された側面と、ファラデー回転子の1つの表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面とを有する。各誘電体リッジは、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、前記光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、
前記偏光子によって出力された前記光信号の前記少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、
第2の偏光軸を有し、前記回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子と
を含む光アイソレータであって、
前記偏光子および前記検光子が、前記ファラデー回転子の対向表面に結合され、
前記偏光子および前記検光子の各々が、
前記ファラデー回転子の前記表面のうちの1つに結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記1つの表面に沿って延びる長さ方向を有し、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記1つの表面から離れて延びる1対の離隔された側面、および前記ファラデー回転子の前記1つの表面に直接結合される前記離隔された側面の間に延びる上面を含み、
各誘電体リッジが、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジ
を含む、光アイソレータ。
【請求項2】
前記偏光子および前記検光子のうちの少なくとも1つの前記複数の離隔された細長い誘電体リッジが、接着剤を介してまたは基板を介して前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合される、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項3】
前記ファラデー回転子が、ガーネットである、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項4】
前記接着剤が、屈折率整合エポキシである、請求項2に記載の光アイソレータ。
【請求項5】
前記ファラデー回転子とは反対側の前記検光子の前記誘電体リッジの側に結合された波長板をさらに含む、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項6】
前記波長板が、半波長(λ/2)板である、請求項5に記載の光アイソレータ。
【請求項7】
前記波長板が、前記第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、請求項6に記載の光アイソレータ。
【請求項8】
前記基板が、1つまたは複数の層を含む、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項9】
前記1つまたは複数の層が、二酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項9に記載の光アイソレータ。
【請求項10】
光アイソレータを形成する方法であって、
(a)各々が、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、前記誘電体基板の前記表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、
前記誘電体基板の表面から離れて延びる1対の離隔された側面、前記誘電体基板の前記表面から離隔され、前記誘電体基板の前記表面とは反対側の前記離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジと
を含む偏光子および検光子を用意するステップと、
(b)前記偏光子の前記誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、
(c)前記検光子の前記誘電体リッジを前記ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップと
を含む、方法。
【請求項11】
(1)ステップ(b)は、前記偏光子の前記誘電体基板が前記ファラデー回転子の前記1つの表面から離隔された状態で、前記偏光子の前記誘電体リッジの前記上面を前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合させるステップを含み、
前記方法が、前記偏光子の前記誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または
(2)ステップ(c)は、前記検光子の前記誘電体基板が前記ファラデー回転子の前記対向表面から離隔された状態で、前記検光子の前記誘電体リッジの前記上面を前記ファラデー回転子の前記対向表面に結合させるステップを含み、
前記方法が、前記検光子の前記誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
波長板を、ステップ(2)において除去された前記検光子の前記誘電体基板の残りの部分を介して、前記検光子の前記誘電体リッジに結合させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(1)ステップ(b)が、前記偏光子の前記誘電体リッジを、前記偏光子の前記誘電体基板を介して、前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または
(2)ステップ(c)が、前記検光子の前記誘電体リッジを、前記偏光子の前記誘電体基板を介して、前記ファラデー回転子の前記対向表面に結合させるステップを含むこと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記波長板が、半波長(λ/2)板である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記波長板が、前記検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ファラデー回転子が、ガーネットである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(b)の前記結合させることが、第1の接着剤を介するかまたは第1の基板を介するものであること、および
ステップ(c)の前記結合させることが、第2の接着剤を介するかまたは第2の基板を介するものであること
のうちの少なくとも1つであり、
前記第1および第2の接着剤が、同じであるか、または異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、屈折率整合エポキシである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の誘電体基板のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つが、二酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ファラデー回転子と、
前記ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、前記光学偏光子が、
前記ファラデー回転子の前記表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記表面に沿って延びる長さ方向を有し、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記表面から離れて延びる1対の離隔された側面、および前記ファラデー回転子の前記1つの表面に直接結合される前記離隔された側面の間に延びる上面を含み、
各誘電体リッジが、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジと
を含む、光学偏光子と
を含む光アイソレータ。
【請求項22】
前記ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子をさらに含む、請求項21に記載の光アイソレータ。
【請求項23】
各誘電体リッジの各側面上の前記導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項24】
各誘電体リッジの各側面上の前記導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項21に記載の光アイソレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年4月11日に出願された米国仮特許出願第63/495,415号および2023年4月18日に出願された米国仮特許出願第63/460,184号の利益を主張し、両方の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、吸収損失が最小化され、耐腐食性が改善され、厚さが減少された光学偏光子と、前記光学偏光子を含む光アイソレータとに関する。
【背景技術】
【0003】
図1を参照すると、例示的な先行技術のワイヤグリッド偏光子は、偏光子の動作波長(λ)において適切に透明である基板(S)の表面に位置づけされたかまたは配置されたアルミニウム(Al)偏光子ラインまたは導電性リッジの周期パターンを含む。偏光子周期(Λ)は、Λ<λ/nになるように選ばれ(垂直入射の場合)、ここで、n>1は、基板屈折率であり、または非垂直入射ではこれより小さい。この制限内では、基板または周囲媒体への回折は生じない。
【0004】
図1の例では、Alラインの偏光子周期Λは、1.3μm~1.5μmの動作波長において300nmであり得る。基板材料は、溶融石英(n=1.45)とすることができ、Alラインの高さ(h)は、500±60nmとすることができ、Alラインのライン幅(W)は、114±24nmとすることができる。図1の偏光子は、動作波長範囲でまたはその近くで、電界方向またはベクトルが導電性リッジに対して垂直である光のビームを通過させ(図1において、下から上にまたはその逆に横切って)、電界方向またはベクトルが導電性リッジに対して直交するが垂直ではない、例えば、電界方向またはベクトルが導電性リッジと平行である通過光ビームの少なくとも一部を反射することによって機能する。垂直偏光の光の透過パワーに対する平行偏光の光の透過パワーの比は、消光比(ER)またはコントラストと呼ばれる。ERに加えて、垂直偏光(偏光子通過方向)の光の偏光子透過性または透過率(T)も、偏光子性能を特徴づけるために使用されるパラメータである。図1の例示的な偏光子は、1310nmの中心波長でER=66dB、およびT=93%の透過率を達成することができる。
【0005】
本明細書において、偏光子のデューティサイクル(DC)は、ライン幅(W)を周期Λで割った比、すなわち、DC=w/Λとすることができる。図1の偏光子において、高い透過率、例えば、T>98%、および高い消光比、例えば、ER>50dBの区域は、互いに排他的であることが見いだされている。その上、図1の偏光子において、偏光子の(吸収)損失は、1-(R+T)として定義することができ、ここで、Rは、偏光子表面からの反射による入射光損失の割合を表す。
【0006】
高いER(>50dB)を有する図1の偏光子の領域において、および1:4未満の製造可能なアスペクト比(ライン幅(w)をライン高さ(h)で割ったものとして定義される)を維持するワイヤ断面では、偏光子の透過性または透過率(T)は、反射および吸収損によって約95%未満に制限される。反射損は、反射をキャンセルする追加の層を組み込むことによって低減することができるが、吸収損は、基本的に、偏光子の透過性または透過率(T)に制限される。
【0007】
図1の偏光子において、偏光子の損失は、消光比(ER)が増加するにつれて増加し、デューティサイクル、すなわち、DC=w/Λ、およびライン高さ(h)に比例し、すなわち、最終的に、光ビーム経路中の金属体積に比例する。偏光子を必要とする多くの用途では、できるだけ高い消光比(ER)と高い透過率(T)の両方が望まれる。そのような要件の一例は、T>98.5%およびER>50dBの偏光子である。図1の先行技術の偏光子は、製造可能な寸法を要求すると、このレベルの性能を達成することができない。本開示は、損失を低減しながら、高い透過率(T)と消光比(ER)の両方を可能することができる偏光子を説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書において、誘電体基板と、誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い誘電体リッジとを含む光学偏光子が開示される。各誘電体リッジは、基板の表面に沿って延びる湾曲したまたは真っすぐな長さ方向を有し、各誘電体リッジは、基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面と、基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面とを含む。各誘電体リッジの各側面は、導電性コーティングを含む。
【0009】
光学偏光子は、隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面上の導電性コーティングの間に溝またはトレンチを含むことができる。誘電体が、隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面の間の少なくとも各溝またはトレンチに配置され得る。少なくとも各溝またはトレンチに配置される誘電体は、複数の細長い誘電体リッジの上面をさらに覆うことができる。
【0010】
誘電体基板は、多層誘電体基板とすることができる。各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む複数の細長い誘電体リッジ間の間隔は、一定または不定/チャープのうちの1つとすることができる。
【0011】
光学偏光子は、誘電体リッジの長さ方向と平行に誘電体基板と複数の誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層、および/または誘電体リッジの長さ方向と平行に複数の誘電体リッジの上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層を含むことができる。
【0012】
光学偏光子は、複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された1対の導電性ストリップの層と、第2の複数の細長い誘電体リッジの各誘電体リッジの各側面に、1対の導電性ストリップの層の間に位置づけされたかまたは配置された導電性コーティングを含む第2の複数の細長い誘電体リッジとを含むことができる。
【0013】
さらに、本明細書において、多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジとを含む光学偏光子が開示される。
【0014】
多層誘電体基板は、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含むことができる。
【0015】
多層誘電体基板は、溶融石英(FS)の層と、溶融石英(FS)の層と複数の導電性リッジとの間の五酸化タンタル(Ta)の層と、五酸化タンタル(Ta)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含むことができる。
【0016】
多層誘電体基板は、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間の二酸化ケイ素(SiO)の中間層と、二酸化ケイ素(SiO)の中間層と複数の導電性リッジとの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層とを含むことができる。
【0017】
さらに、本明細書において、(a)1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板が、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体リッジと、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板とは反対側の細長い誘電体リッジの側に位置づけられた誘電体基板を有する1対の光学偏光子の下部のものの誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された1対の光学偏光子の第1の構成、または(b)1対の光学偏光子の細長い誘電体リッジが交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第2の構成のうちの1つを含む、上下に積み重ねられた上述の1対の光学偏光子を含む光学偏光子が開示される。
【0018】
1対の光学偏光子の第1の構成において、1対の光学偏光子の上部のものの基板が、1対の光学偏光子の下部のものの基板と比較して減少した厚さを有することができる。1対の光学偏光子の下部のものの基板は、多層基板とすることができ、1対の光学偏光子の上部のものの基板は、単層基板とすることができる。本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、複数の細長い誘電体リッジを完全に囲むフレームを画定する、リッジを欠いている外周を含む基板を含むことができる。
【0019】
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む細長い誘電体リッジを含む本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、各細長い誘電体リッジ、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティング、または両方に1つまたは複数の中断部または間隙を含み、1つまたは複数の中断部または間隙は、前記中断部または間隙の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティングを電気的に切り離すことができる。一例では、隣接または近接する細長い誘電体リッジおよび各リッジの各側面上の導電性コーティングの中断部または間隙は、複数の細長い誘電体リッジおよび各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングの長さ方向に対して垂直にまたは横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成することができる。別の例では、隣接または近接する細長い誘電体リッジおよび各リッジの各側面上の導電性コーティングの中断部または間隙は、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられる。
【0020】
多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジを含む本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、各導電性リッジに、各中断部または間隙の両側の細長い導電性リッジのセクションを電気的に分離する1つまたは複数の中断部または間隙を含むことができる。一例では、隣接または近接する細長い導電性リッジの中断部または間隙は、複数の細長い導電性リッジに対して垂直にまたは横切って延びる中断部または間隙のラインを形成することができる。別の例では、隣接または近接する細長い導電性リッジの中断部または間隙は、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられる。
【0021】
さらに、本明細書において、第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、偏光子によって出力された光信号の少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、第2の偏光軸を有し、回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子とを含む光学偏光子が開示される。偏光子および検光子は、ファラデー回転子の対向表面に結合される。偏光子および検光子の各々は、ファラデー回転子の表面のうちの1つに結合される複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む。各誘電体リッジは、ファラデー回転子の1つの表面に沿って延びる湾曲したまたは真っすぐな長さ方向を有する。各誘電体リッジは、ファラデー回転子の1つの表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面と、ファラデー回転子の1つの表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面とを含む。各誘電体リッジは、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む。
【0022】
光学偏光子は、ファラデー回転子とは反対側の検光子の誘電体リッジの側に結合された波長板を含むことができる。波長板は、半波長(λ/2)板とすることができる。波長板は、第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有することができる。
【0023】
さらに、本明細書において、(a)各々が、誘電体基板と、誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、誘電体基板の表面から離隔され、誘電体基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジとを含む、偏光子および検光子を用意するステップと、(b)偏光子の誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子の誘電体リッジをファラデー回転子の対向表面に結合させるステップとを含む光アイソレータを形成する方法が開示される。
【0024】
この方法には、(1)ステップ(b)は、偏光子の誘電体基板がファラデー回転子の1つの表面から離隔された状態で、偏光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含み、この方法は、偏光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または(2)ステップ(c)は、検光子の誘電体基板がファラデー回転子の対向表面から離隔された状態で、検光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含み、この方法は、検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むことのうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0025】
この方法は、波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板の残りの部分を介して、検光子の誘電体リッジに結合させるステップを含むことができる。
【0026】
この方法は、(1)ステップ(b)が、偏光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
さらに、本明細書において、ファラデー回転子と、第1の偏光軸を含む、ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、光学偏光子が、ファラデー回転子の表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面から離れて延びる1対の離隔された側面、およびファラデー回転子の1つの表面に直接結合される離隔された側面の間に延びる上面を含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光学偏光子とを含む光学偏光子が開示される。光アイソレータは、第2の偏光軸を含む、ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示の先行技術のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0029】
図2】誘電体リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、離隔された直線の、真っすぐな、または細長い誘電体リッジを含む本開示の原理による例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図である。
【0030】
図3図2および図4におけるラインIII-IIIに沿って得られた概略断面図である。
【0031】
図4】誘電体リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、離隔された湾曲した誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図である。
【0032】
図5図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様であるが、図3の単層基板に対して多層基板を有する別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0033】
図6】多層基板上に、導電性リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する離隔された直線の、真っすぐな、または細長い導電性リッジを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0034】
図7A】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる大きい下端部から小さい上端部へと狭くなる離隔された側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0035】
図7B】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる小さい下端部から大きい上端部へと広くなる離隔された側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0036】
図7C】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる、丸みのある縁部を有する離隔された平行なまたは実質的に平行な側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0037】
図7D】いくつかの水平誘電体層で構成されている、本開示の原理による、導電性側面を含む、他の例示の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
図7E】いくつかの垂直誘電体層で構成されている、本開示の原理による、導電性側面を含む、他の例示の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0038】
図8図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様であるが、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、例えば、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で互いに離隔された誘電体リッジを有する本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0039】
図9】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様の2つのワイヤグリッド偏光子を積み重ねたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0040】
図10】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様である2つのワイヤグリッド偏光子を、それぞれのリッジが交互配置または交互嵌合された状態で一緒に接合されたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0041】
図11】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様の2つのワイヤグリッド偏光子を積み重ねたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、上方のワイヤグリッド偏光子の基板の厚さは減少されている。
【0042】
図12】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、誘電体リッジが、誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの層が、多層基板と誘電体リッジとの間に位置づけされるかまたは配置される。
【0043】
図13】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、誘電体リッジが、誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの層が、誘電体リッジの上面の上に位置づけされるかまたは配置される。
【0044】
図14】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の断面を有する、導電性側面を含む、第1の(下方の)セットの誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、第1のセットの誘電体リッジが、第1のセットの誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば金属)ストリップの第1の(下方の)層が、第1のセットの誘電体リッジの上面の上に位置づけされるかまたは配置され、導電性側面を含み、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する第2の(上方の)セットの誘電体リッジが、導電性(例えば金属)ストリップの第1の層の上に位置づけされるかまたは配置され、第2のセットの誘電体リッジが、第2のセットの誘電体リッジによって画定された溝によって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの第2の(上方の)層が、第2のセットの誘電体リッジの上に位置づけされるかまたは配置される。
【0045】
図15】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、基板が、リッジのまわりにフレームを画定する。
【0046】
図16】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、各リッジが、その長さに沿って1つまたは複数の間隙によって分離され、リッジにおける間隙が、リッジの長さを横切って延びる間隙の1つまたは複数のラインを画定する。
【0047】
図17】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、各リッジが、その長さに沿って1つまたは複数の間隙によって分離され、リッジにおける間隙が、リッジの長さに対して垂直に延びる間隙の1つまたは複数のラインを画定する。
【0048】
図18】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、リッジが、長さに沿ってランダムまたはオフセットパターンの間隙によって分離される。
【0049】
図19】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、および検光子(概略断面の)を含む本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成される。
【0050】
図20】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、検光子(概略断面の)、および波長板を含む本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成される。
【0051】
図21】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、および検光子(概略断面の)を含む本開示の原理による本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、各々、単層基板(図21に図示せず)または多層基板(図21に図示)を含むことができる本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成され、偏光子および検光子の各々の基板は、偏光子または検光子のリッジと、ファラデー回転子との間に位置づけされるかまたは配置される。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本明細書で使用される、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「の上に」、「の下に」、などのような空間的または方向的用語は、描かれた図に示されている通りに本開示に関連する。しかしながら、本開示は様々な代替の向きを前提とすることができ、したがって、そのような用語は限定と考えるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用されるとき、本明細書および特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件、などを表すすべての数字は、すべての事例において、「およそ(approximately)」または「約(about)」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうではないことが示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載される数値は、本開示によって得ようとする所望の特性に応じて変化してもよい。
【0053】
最低限でも、特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値は、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、および通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。その上、本明細書で開示されるすべての範囲は、最初の範囲値および最後の範囲値ならびにその中に包含されるすべての部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」の記載された範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(および最小値と最大値とを含む)すべての部分範囲、すなわち、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わるすべての部分範囲、例えば、1~3.3、4.7~7.5、5.5~10、などを含むと考えられるべきである。「a」または「an」は、1つまたは複数を指す。
【0054】
本明細書で使用される「結合される(coupled)」、「結合する(coupling)」、および同様の用語は、2つ以上の要素が互いに接合される、連結される、固定される、接続される、連通される、またはさもなければ関連づけられる(例えば、機械的に、電気的に、流体的に、光学的に、電磁的に)ことを指す。様々な例において、要素は、直接または間接的に関連づけられ得る。一例として、要素Aは、要素Bに直接関連づけられ得る。別の例として、要素Aは、例えば別の要素Cを介して、要素Bに間接的に関連づけられ得る。様々な開示される要素の間のすべての関連が必ずしも表されているわけではないことが理解されるであろう。したがって、図に示されたもの以外の結合も存在し得る。
【0055】
本明細書で使用される「のうちの少なくとも1つ」という語句は、アイテムのリストとともに使用されるとき、リストされたアイテムの1つまたは複数の異なる組合せが使用されてもよいこと、およびリスト内の各アイテムの1つのみが必要とされてもよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、限定ではなく、アイテムA、またはアイテムAおよびアイテムBを含むことができる。この例は、さらに、アイテムA、アイテムB、およびアイテムC、またはアイテムBおよびアイテムCを含むことができる。他の例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定ではなく、アイテムAの2つ、アイテムBの1つ、およびアイテムCの10個;アイテムBの4つおよびアイテムCの7つ;および他の適切な組合せであり得る。
【0056】
ここで、様々な非限定的な例が、同様の参照番号が同様のまたは機能的に等価な要素に対応する添付の図を参照して説明されることになる。
【0057】
本明細書において、動作波長範囲でまたはその近くで、側面に導電性コーティングを含む誘電体リッジ、または導電性リッジに対して垂直な電界方向またはベクトルをもつ光のビームを通過させ、前記リッジを横切るが垂直ではない電界方向またはベクトル、例えば、リッジと平行な電界方向またはベクトルをもつ通過光ビームの少なくとも一部を反射させるために使用することができる例示的な光学偏光子が開示される。さらに、例示的な光アイソレータが開示され、各アイソレータは、本明細書に記載の例示的な光学偏光子のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0058】
本明細書に記載の様々な光学偏光子および/または光アイソレータは、当技術分野で知られている半導体製作技法で製造することができる。したがって、簡単にするために、および開示される光学偏光子および/または光アイソレータのうちの1つまたは複数の構成を理解するのに必要でない限り、様々な光学偏光子および/または光アイソレータを製造する方法は、本明細書において説明されない場合がある。
【0059】
図2および図3を参照すると、本開示の原理による1つの非限定的な実施形態または例示の光学偏光子または光学偏光子アセンブリ2は、誘電体基板8の表面6上に離隔関係で、例えば、限定ではなく、離隔された平行な関係で位置づけされるかまたは配置され、パターニングおよびエッチングによって形成された複数の細長い誘電体リッジ4を含む。本明細書では、「光学偏光子アセンブリ」および「光学偏光子」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0060】
各誘電体リッジ4は、基板8の表面6に沿って延びる長さ方向(図2に矢印10で示される)を有することができる。各誘電体リッジ4は、基板8の表面6から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面12-1および12-2と、基板8の表面6とは反対側の離隔された側面12-1と12-2との間に延びる上面14とを有することができる。各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2は、それぞれ、導電性コーティング16-1および16-2を含むことができる。
【0061】
一例では、各誘電体リッジ4の導電性コーティング16-1および16-2の一方または両方は、誘電体リッジ4の側面12-1および12-2ならびに上面14と、近接または隣接するリッジ4間の溝またはトレンチ18における誘電体基板8の表面6とに共形にコーティングされる、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物から形成され得る。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。その後、リッジ4の上面14を覆っている導電性コーティングと、近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチ18における誘電体基板8の表面6を覆っている導電性コーティングとは、例えば、異方性反応性イオンエッチングを介して除去され得る。
【0062】
図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2を、図1に示された先行技術の光学偏光子と比較すると、図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2は、図2に示された例示の光学偏光子アセンブリ2を通って垂直に上方または下方に伝搬する光ビームの経路20に含まれる導電性材料が少ないことを理解することができる。その上、本開示の図における様々な例示の光学偏光子アセンブリ2は、平坦な側壁をもつプロファイルを有する(例えば、各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2、および/または各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2上の導電性コーティング16-1および16-2の露出した側面は平坦である)として示されているが、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの側壁のうちの1つ、一部、またはすべてが平坦でないプロファイルを有してもよいことが想定されるからである。例えば、限定ではなく、側壁は、狭まるかまたは広がるプロファイル(図7A図7Bを参照)、凹状または凸状プロファイル、正弦曲線プロファイル、または任意の他の形状の側壁を有することができる。さらに、本開示の図における様々な例示の光学偏光子アセンブリ2のプロファイルは、基板8へのオーバーエッチング(例えば、図1における基板Sにおけるオーバーエッチングで示されるような)を含むことができ、および/またはリッジへのアンダーエッチング(例えば、図1における角度θで示されたような)を含むことができる。
【0063】
一例では、基板8は、nの屈折率を有することができる。溝またはトレンチ18と、オプションとして、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4の上および/またはまわりまたは周囲のスーパーストレート(周囲媒体)とは、nの屈折率を有する誘電体媒体22を含むかまたはそれで満たされ得る。一例では、誘電体媒体22は、隣接または近接する対の誘電体リッジ4の対面する側面の間の各溝またはトレンチ18に存在し得る。本開示の全体を通して、隣接または近接する対の誘電体リッジ4の対面する側面の間にある誘電体媒体22の例は、各溝またはトレンチ18が、誘電体媒体22で部分的に満たされ得ること、各溝またはトレンチ18が、溝またはトレンチ18の一方または両方の側の導電性コーティング16-1および16-2のすべてまたは一部と、溝またはトレンチ18の基部または底部のすべてまたは一部とを覆う誘電体媒体22を含み、それに関して、基部または底部の上に、および導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間に、誘電体媒体18を欠いている空間を画定することができること、誘電体媒体22が、溝またはトレンチ18の両側の導電性コーティング16-1および16-2の少なくとも一部と、溝またはトレンチ18を画定する隣接または近接する誘電体リッジ4の上面14と、オプションとして、導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間の溝またはトレンチ18の基部または底部の少なくとも一部とを覆い、そのとき、基部または底部の上、および導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間の空間が、誘電体媒体18を欠いていることを含むことができる。誘電体リッジ4は、nの屈折率を有することができる。一例では、n、n、およびnがすべて同じ値を有することができ、またはn、n、およびnのうちの1つまたは複数が異なる値を有することができる。その上、nの屈折率を有する誘電体媒体22は、固体または気体、例えば、限定ではなく、周囲環境または周囲空気とすることができる。
【0064】
図1に示された先行技術の光学偏光子と同様に、図2および図3に示された例示の光学偏光子アセンブリ2の偏光子は、Λの偏光子周期およびデューティサイクル(w+t+t)/Λを有することができ、ここで、wは、それぞれ厚さtおよびtの導電性コーティング16-1および16-2を含む、屈折率nを有する誘電体材料の誘電体リッジ4の幅である。異なる屈折率を有する追加の(水平)層が、基板8と、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4との間に導入されてもよい。この例では、n、n、n∈R、すなわち、誘電体である材料。幅tおよびtの導電性コーティング16-1および16-2は、多数の異なる材料で形成されてもよく、それによって、複素屈折率のもの(例えば、吸収性材料)、例えば、一般に、金属を有してもよい。
【0065】
図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2では、Λは、300nmの値を有することができ、wは、130nm±50nmの値を有することができ、hは、450nm±50nmの値を有することができ、tは、20nmの値を有することができ、tは、20nmの値を有することができる。しかしながら、この例および本開示に記載の他の例では、Λ、w、h、t、およびtの値は、例示的であり、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図2および図3に示された例示の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬する光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0066】
図4を参照し、図2および図3を引き続き参照すると、以下の例外を除いて、図2および図4に示された例示の光学偏光子アセンブリ2は同じである。例外は、図4における導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4が、図2に示された導電性コーティング16-1および16-2を含む真っすぐなまたは直線の誘電体リッジ4に対して湾曲または弓形であり得ることである。
【0067】
図5を参照し、図3を引き続き参照すると、以下の例外を除いて、図3および図5に示された例示の光学偏光子アセンブリ2は同じである。例外は、図5では、基板8が、図3に示された単層基板8に対して多層基板8であることである。一例では、図5に示される多層基板8は、多数の(2つまたは3つまたはそれより多くの)層を含むことができる。一例では、前記多層のうちの少なくとも2つは、異なる屈折率を有する異なる材料または化合物とすることができる。さらに、この例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値である。
【0068】
1つの特定の非限定的な例において、図5の多層基板8は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。一例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい値の厚さtを有するケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、370nm±30nmの厚さtを有するセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、層Lは、425nm±30nmの厚さtを有するフッ化マグネシウム(MgF)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0069】
中赤外スペクトル範囲で使用することができる図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第1の事例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。この例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)で製作することができ、Λは、300nmの値を有することができ、wは、120nm±30nmの値を有することができ、hは、350nm±15nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図5に示されたこの第1の事例の例示の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように意図された光ビームの波長に基づいて設計または選択されてもよいことが想定されるからである。
【0070】
図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値とすることができる。図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例は、3μm~5μmの波長範囲λにわたって消光比(ER)>50dBおよび透過率(T)>97%を有すると推定または決定された。
【0071】
中赤外スペクトル範囲で使用することができる図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第2の事例では、導電性コーティング16-1および16-2は、Alの代わりに金(Au)で製作することができる。図5の例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、wは、105nm±20nmの値を有することができ、hは、400nm±20nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図5に示されたこの第2の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように意図された光ビームの波長に基づいて設計または選択されてもよいことが想定されるからである。
【0072】
図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第3の事例では、層L(MgF)は、395nm±15nmの厚さtを有することができ、層L(ZnSe)は、370nm±20nmの厚さtを有することができ、層L(Si)は、例えば用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さを有することができる。しかしながら、これらの厚さは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0073】
図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値とすることができる。図5の例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、>50dBの消光比(ER)および透過率(T)>97%を有すると推定または決定された。
【0074】
次に図6を参照すると、本開示の原理による別の非限定的な実施形態または例示の光学偏光子アセンブリ2は、例えば、限定ではなく、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物などの導電性材料から全体的に製作された複数の細長い導電性リッジ24を含むことができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性リッジ24にとって望ましい。この例では、複数の導電性リッジ24は、誘電体基板8の表面6に離隔関係で、例えば、限定ではなく、離隔された平行な関係で位置づけされるかまたは配置される。各導電性リッジ24は、基板8の表面6に沿って、すなわち、図6を含むページの中に延びる長さ方向(図2および図4に示された長さ方向10のように、真っすぐなまたは湾曲した)を有することができる。各導電性リッジ24は、基板8の表面6から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面25-1および25-2と、基板8の表面6とは反対側の離隔された側面25-1と離隔された側面25-2との間に延びる上面14とを有することができる。図6の導電性リッジ24は、図2図5に示された導電性コーティング16-1および16-2を含まなくてもよい。
【0075】
一例では、図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2の基板8は、多数の(2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの)層を含むことができる多層基板8とすることができる。一例では、前記多層のうちの少なくとも2つは、異なる屈折率を有することができる異なる材料または化合物から製作することができる。
【0076】
近赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第1の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の4つの層L、L、L、およびLを含むことができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、層Lは、任意の適切なおよび/または望ましい厚さの二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができ、層Lは、厚さt=268nmを有するセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、層Lは、厚さt=251nmを有する二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができ、層L(仮想線で示される)は、厚さt4=231nmを有する硫化亜鉛(ZnS)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0077】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、導電性リッジ4(Alで製作された)の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、nの屈折率を有することができる。一例では、誘電体媒体22は、エポキシまたはSiOとすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。誘電体媒体22の屈折率nの値は、1.54とすることができる。しかしながら、これも限定する意味に解釈されるべきではない。
【0078】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、wは、80nmの値を有することができ、hは、490nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示されたこの第1の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように望まれる光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0079】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例は、消光比(ER)=40dB、透過率(T)=93%、および反射損(R)=0.5%を有すると推定または決定された。
【0080】
中赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第2の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができ、すなわち、層L図6に仮想線で示される)は省略されるかまたは存在しない。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。この第2の事例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さのケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、厚さt=348nmを有する硫化亜鉛(ZnS)の層とすることができ、層Lは、厚さt=203nmを有するフッ化マグネシウム(MgF)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0081】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、例えばPtで製作された誘電体リッジ4の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、周囲環境または周囲空気のnの屈折率を有する周囲環境または周囲空気とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0082】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、wは、95nmの値を有することができ、hは、510nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示された第2の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように望まれる光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0083】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例は、消光比(ER)>40dB、透過率(T)>95%、および反射損(R)<2%を有すると推定または決定された。比較すると、多層基板8のない、すなわち、単層基板の光学偏光子アセンブリは、約74%の透過率(T)しか提供することができない。
【0084】
近赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第3の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができ、すなわち、層L図6に仮想線で示される)は省略されるかまたは存在しない。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。この第3の事例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さの溶融石英(FS)の層とすることができ、層Lは、厚さt=273nmおよび2.1の屈折率有する五酸化タンタル(Ta)の層とすることができ、層Lは、厚さt=172nmおよび1.45の屈折率を有する二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび屈折率と、各層Lを形成する材料または組成とが、特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0085】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、例えばAlで製作された誘電体リッジ4の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、周囲環境または周囲空気のnの屈折率を有する周囲環境または周囲空気とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0086】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、wは、95nmの値を有することができ、hは、500nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示された第3の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬される光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0087】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例は、消光比(ER)>50dB、透過率(T)=96%、および0.04%の反射損(R)を有すると推定または決定された。比較すると、多層基板8のない光学偏光子アセンブリは、約74%の透過率(T)しか提供することができない。
【0088】
図7A図7Cを参照すると、各誘電体リッジ4は、図3および図5に示された長方形断面と異なる断面形状を有することができる。例えば、図7Aは、大きい下端部から小さい上面14へと狭くなる、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジ24の単離した断面図を示す。同様に、図6に示された各導電性リッジ24は、大きい下端部から小さい上面14へと狭くなる離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0089】
別の例では、図7Bは、小さい下端部から大きい上面14へと広くなる、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジ24の単離した断面図を示す。同様に、図6に示された各導電性リッジ24は、小さい下端部から大きい上面14へと広くなる離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0090】
別の例では、図7Cは、下端部から上面14まで延び、上面14に近接または隣接する丸みのある縁部28-1および28-2を有する導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された平行なまたは実質的に平行な側面12-1および12-2を有する誘電体リッジ24の単離した断面図を示す。同様に、図6に示される各導電性リッジ24は、下端部から上面14まで延び、上面14に近接または隣接する丸みのある縁部を有する離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0091】
図7D図7Eを参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示に記載の各誘電体リッジ4は、多数の水平(図7D)または垂直(図7E)誘電体層n3で構成され得る。図7D図7Eに示された例示の誘電体リッジ4は、4つの誘電体層n3-1~n3-4を含む。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図7D図7Eの各々に示された誘電体リッジ4が、任意の数の2つ以上の誘電体層n3を含むことができることが想定されるからである。図7D図7Eに示された例示の誘電体リッジでは、各誘電体層n3-1~n3-4は、任意の他の誘電体層n3-1~n3-4と同じまたは異なる誘電体材料で製作することができる。その上、各誘電体層n3-1~n3-4の厚さ(図7D)または幅(図7E)は、任意の他の誘電体層n3-1~n3-4の厚さまたは幅と同じであっても異なっていてもよい。同じまたは異なる誘電体材料の多数の層、および/または誘電体材料の異なる幅または厚さを有する層で構成される誘電体リッジ4は、誘電体リッジ4による反射損失の低減のために有用であり、例えば、最適化され得る。
【0092】
図8を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジ4は、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、すなわち、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で、互いに離隔され得る。図8は、異なる距離Λ1、Λ2、およびΛ3によって分離された、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する4つの誘電体リッジ24を示す。同様に、離隔された側面26-1および26-2を有する各導電性リッジ24(図6)は、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、すなわち、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で、互いに離隔され得る。図8において、誘電体媒体22は、固体または気体、例えば、周囲環境または周囲空気とすることができる。
【0093】
図9図11を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による光学偏光子は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた、図2図6および図8に示された光学偏光子2の任意の1つまたは組合せの対を含むことができる。限定ではなく単に例示の目的で、1対の図3または図5の光学偏光子2は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられたものとして説明することができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0094】
図9に示された一例では、光学偏光子2’は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた1対の図3または図5の光学偏光子2-1および2-2を含む第1の構成を含むことができる。この例では、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の細長い誘電体リッジ4-2と、1対の光学偏光子の下部のもの2-1の細長い誘電体リッジ4-1との間に位置づけされるかまたは配置される。1対の光学偏光子の下部のもの2-1は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2とは反対側の細長い誘電体リッジ4-1の側に誘電体基板8-1の位置を有する。
【0095】
光学偏光子2-1の誘電体基板8-1は、単層基板、例えば層L、または2つ、3つ、4つ、もしくはそれより多くの層、例えば層LおよびLを含む多層基板を含むことができる。さらに、または代替として、光学偏光子2-2の誘電体基板8-2は、単層基板、例えば層L、または2つ、3つ、4つ、もしくはそれより多くの層、例えば層LおよびLを含む多層基板を含むことができる。誘電体基板8-1および8-2の層LおよびもしあればLは、同じまたは異なる材料または化合物とすることができる。
【0096】
光学偏光子2-1は、近接または隣接する誘電体リッジ4-1の間にオプションの誘電体媒体22-1を含むことができる。さらに、または代替として、光学偏光子2-2は、近接または隣接する誘電体リッジ4-2の間にオプションの誘電体媒体22-2を含むことができる。各誘電体媒体22-1および22-2は、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体とすることができる。
【0097】
図9の光学偏光子アセンブリ2の第1の例では、各誘電体基板8-1および8-2は、二酸化ケイ素(SiO)で製作された単層L(すなわち、層Lは存在しない)とすることができ、誘電体基板8-2は、例えば、限定ではなく、約1μmの厚さ31を有することができる。誘電体媒体22-1および22-2は、屈折率n=1.45を有することができる。その上、誘電体媒体22-1および22-2は、オプションとして、誘電体基板8-2とは反対側の誘電体リッジ4-1および4-2の端部と誘電体リッジ4-1および4-2の側壁上の導電性コーティング16-1および16-2の端部とを覆うことができる。光学偏光子2-1および2-2の誘電体リッジ4-1および4-2の側壁上の導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。
【0098】
図9の光学偏光子2’の第2の例は、以下の例外を除いて、すぐ上に記載された第1の例と同じであり得る。この第2の例における例外は、誘電体基板8-1が省略されることであり得る。
【0099】
これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’を、例えば、下から上にまたはその逆に通過する光の透過率Tの変化は、低い反射率のため最小であり得る。しかしながら、これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’を通過する光の消光比(ER)またはコントラストは、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31に依存し得る。一例では、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31の変化は、±12デシベル(dB)のERまたはコントラストの変化をもたらすことがある。
【0100】
より具体的には、図9のこれらの第1および第2の例示の光学偏光子2’において、光学偏光子2-1および2-2は、Δλ=λ/(2nL)の自由スペクトル範囲をもつファブリペローキャビティ/共振器(エタロン)の性質の反射器として機能することができ、ここで、λは、光学偏光子2’を通過する光の波長であり、Lは、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31であり、nは、単層Lの誘電体基板8-2がSiOで製作されている場合、単層Lの誘電体基板8-2の屈折率、例えば、n=1.45である。これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’のERまたはコントラストを改善するために、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31は、波長λの光に対して、キャビティが反共振である、すなわち、キャビティの共振の中間であるように選ぶことができる。この例では、阻止される偏光の透過は、追加として、これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’の上部の光学偏光子2-2および下部光学偏光子2-1の抑制を超えて抑制される。コントラストのERは、キャビティの自由スペクトル範囲の20~30%であり得る波長範囲にわたって許容可能な均一性で維持されることになる。
【0101】
一例では、図9に示された光学偏光子2-1および2-2の一方または両方は、導電性リッジおよび多層基板を有する図6に示された光学偏光子と置き換えられてもよい。
【0102】
図10に示される別の例では、光学偏光子2’’は、1対の光学偏光子2-1および2-2の細長い誘電体リッジ4-1および4-2が交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された状態で、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた1対の図3または図5の光学偏光子2-1および2-2を含む第2の構成を含むことができる。一例では、各光学偏光子2-1および2-2は、その各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことができ、そのとき、細長い誘電体リッジ4-1および4-2が交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された状態で、光学偏光子2-1および2-2が積み重ねられる場合、直接に近接または隣接するリッジ4-1および4-2の導電性コーティング16は、図10に示されるように、間隙または空間29によって分離され得る。その上、光学偏光子のうちの一方、例えば光学偏光子2-1の各誘電体リッジ4の側面上の導電性コーティング16-1および16-2は省略されてもよく、そのとき、他方の光学偏光子、例えば、光学偏光子2-2の各誘電体リッジ4の側面上の導電性コーティング16-1および16-2は、光学偏光子2-1および2-2の交互配置または交互嵌合された誘電体リッジ4-1と4-2との間に位置づけされるかまたは配置され得ることが想定される。
【0103】
図11に示される別の例示の光学偏光子2’’’は、以下の例外を除いて、図9に示された光学偏光子2’の第1の構成と同様である。例外は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2が、1対の光学偏光子の下部のもの2-1の誘電体基板8-1と比較して減少した厚さを有することができることである。誘電体基板8-2は、単層基板または多層基板とすることができる。誘電体基板8-1は、単層基板または多層基板とすることができる。一例では、誘電体基板8-1は多層基板とすることができ、誘電体基板8-1は、単層基板とすることができる。
【0104】
図9図11に示された例示の光学偏光子2’、2’’、および2’’’において、誘電体リッジ4-1および4-2は、同じまたは異なる、デューティサイクル、溝またはトレンチ18の深さ、および/または導電性コーティング16-1および16-2の厚さを有することができる。
【0105】
図12および図13を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による別の例示の光学偏光子2は、(1)誘電体基板8と複数の誘電体リッジ4との間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップ32の層30(図12)、または(2)複数の誘電体リッジ4の上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップ32の層30(図13)を含むことができる。各誘電体リッジ4は、離隔された側面12-1および12-2上に導電性コーティング16-1および16-2を含むことができる。これらの例では、導電性ストリップ32の各層30は、導電性ストリップ32を支持する誘電体材料34を含むことができる。一例では、導電性ストリップ32は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で形成することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性ストリップ32にとって望ましい。
【0106】
導電性ストリップ32の長さ方向は、誘電体リッジ4の長さ方向と平行に、すなわち、図12および図13のページの中に進むかまたは延びることができる。各導電性ストリップ32の幅wは、各誘電体リッジ4の幅W未満とすることができる。誘電体媒体22(例えば、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体)は、誘電体リッジ4を囲み、近接または隣接するリッジ4間の溝またはトレンチ18を満たすことができる。図13の例は、誘電体媒体22によってリッジ4の上面14から離隔された導電性ストリップ32の層30を示す。この例では、誘電体媒体22は、例えば、エポキシまたはSiOなどの固体とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図13における導電性ストリップ32の層30が、誘電体リッジ4の上面14と直接接触して配置されるかもしくは位置づけられてもよく、誘電体媒体22が、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体であってもよいことが想定されるからである。
【0107】
図12および図13における各誘電体基板8は、単層誘電体基板8、または2つ、3つ、もしくはより多くの層を含む多層誘電体基板8とすることができる。一例では、図12および13における誘電体基板8は、図の下から上に、層L、L、およびLを含む多層誘電体基板8とすることができる。一例では、層Lは、ケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、ケイ素(Si)の層Lと複数の細長い導電性リッジ4との間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、セレン化亜鉛(ZnSe)の層Lと複数の細長い導電性リッジ4との間のフッ化マグネシウム(MgF)の層Lがある。
【0108】
図14を参照し、図13を引き続き参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による別の例示の光学偏光子2は、図14にコピーまたは再現されている図13の例示の光学偏光子2の導電性ストリップ32の層30の上に位置づけられた、導電性コーティング16-1’および16-2’を含む複数の誘電体リッジ4’を含むことができる。一例では、導電性コーティング16-1’および16-2’は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1’および16-2’にとって望ましい。図13に示された光学偏光子2の上述の説明が、図14に再現されている図13の光学偏光子2のコピーにも当てはまるので、図14に再現されている図13の光学偏光子2のコピーに関する詳細は、不必要な冗長を避けるために、図14に関しては説明されない。
【0109】
誘電体リッジ4’の上には、導電性ストリップ32’の層30’が位置づけられる。この層30’は、導電性ストリップ32’を支持する誘電体材料34’を含むことができる。導電性ストリップ32’の長さ方向は、誘電体リッジ4’の長さ方向と平行に、すなわち、図14のページの中に進むかまたは延びることができる。各導電性ストリップ32’の幅w’は、各誘電体リッジ4’の幅W’未満とすることができる。一例では、導電ストリップ32’は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性ストリップ32’にとって望ましい。
【0110】
誘電体媒体22’(例えば、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体)は、リッジ4’を囲み、近接または隣接するリッジ4’間の溝またはトレンチ18’を満たすことができる図14の例は、リッジ4’の上面14’から離隔された導電性ストリップ32’の層30’を示す。この例では、誘電体媒体22’は、例えば、エポキシまたはSiOなどの固体とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図14における導電性ストリップ32’の層30’が、誘電体リッジ4’の上面14’と直接接触して配置されるかもしくは位置づけられてもよく、そのとき、残りの誘電体媒体22’が、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体であってもよいことが想定されるからである。
【0111】
さらに、図14は、一例では、例えばエポキシまたはSiOなどの固体とすることができる誘電体媒体22’によって層30の上面から離隔されたリッジ4’の底面15’を示しているが、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、リッジ4’の底面15’が層30の上面と直接接触して配置されるかまたは位置づけられてもよく、そのとき、残りの誘電体媒体22’は、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体とすることができるからである。
【0112】
導電性コーティング16-1’および16-2’を含む誘電体リッジ4’は、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4に対して垂直に位置合せされてもよく(図14に示されるように)、または水平にオフセットされてもよい。層30’の導電性ストリップ32’は、層30の導電性ストリップ32に対して垂直に位置合せされてもよく、または(図14に示されるように)水平にオフセットされてもよい。
【0113】
一例では、図14において、同じように番号づけされた要素(「’」の有無にかかわらず、例えば4および4’)を形成する材料は同じであってもよい。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図14において、同じように番号づけされた要素の以下のセット(例えば対)(「’」の有無にかかわらず、例えば4および4’)を形成する材料、すなわち、誘電体媒体22および22’、リッジ4および4’、導電性ストリップ32および32’、誘電体媒体34および34’、誘電体媒体22、22’、34、および34’、導電性コーティング16-1および16-2、導電性コーティング16-1’および16-2’、および導電性コーティング16-1、16-1’、16-2、および16-2’の各々を形成する材料は、同じであっても異なっていてもよいことが想定されるからである。
【0114】
図15を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光学偏光子2は、図2図5および図7A図8の導電性コーティング16-1および16-2を含む複数の細長い(真っすぐなまたは湾曲した)誘電体リッジ4、または図6の導電性リッジ24を完全に囲む、誘電体リッジ4を欠いているフレーム36(基板の一部である)を含むかまたは画定する基板8を含むことができる。基板と、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4、または導電性リッジ24の上に配置されたパッシベーション層38と組み合わせたフレーム36は、特に、図2図5および図7A図8の誘電体リッジ4上の導電性コーティング16-1および16-2、または図6の導電性リッジ24の端部40-1および40-2における腐食を避ける。
【0115】
図16図18を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光学偏光子2は、各誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)に、または各導電性リッジ24(図6)に、1つまたは複数の中断部または間隙42を含むことができる。各誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)の各中断部または間隙42は、前記中断部または間隙42の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティング16-1および16-2を電気的に切り離し、それによって、中断部または間隙42の一方の側の導電性コーティング16-1および/または16-2から中断部または間隙42の他方の側の導電性コーティング16-1および/または16-2への腐食の伝播が避けられる。同様に、各導電性リッジ24(図6)の各中断部または間隙42は、中断部または間隙の42の一方の側の導電性リッジ24のセクションから中断部または間隙42の他方の側の導電性リッジ24のセクションへの腐食の伝播が避けられる。
【0116】
図15図18では、誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションの側面上の導電性コーティング16-1および16-2は、簡単にするために省略されている。しかしながら、次に説明する例外を除いて、本明細書に記載の各誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションは、例えば図2図5および図7A図8に示されたように、その側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことを理解されたい。
【0117】
図15に示される例外は、各誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションが連続的であり得るが、その側面上の導電性コーティング16-1および16-2が1つまたは複数の中断部または間隙を含むことができることである。これは、図15において、側面に導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aを含むただ1つの例示的な誘電体リッジ4Aに対して示されており、導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aの各々は1つまたは複数の中断部または間隙46を含む。導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aにおける1つまたは複数の中断部または間隙46が、図15ではただ1つの例示的な誘電体リッジ4Aに関して示されているが、図15図18の任意のものに示された任意の数の誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションが、導電性コーティングに1つまたは複数の中断部または間隙46を含むことができることを理解されたい。一例では、導電性コーティング16-1Aおよび16ー2Aは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aにとって望ましい。
【0118】
図16および図17を参照すると、いくつかの例では、隣接または近接する誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)、あるいは隣接または近接する導電性リッジ24(図6)における中断部または間隙42は、互いに平行に進むことができ、複数のリッジ4/24の長さ方向に対して横切って(図16)または垂直に(図17)進むことができる中断部または間隙42の1つまたは複数のライン44を形成することができる。
【0119】
図18に示される別の例では、隣接または近接する誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)の中断部または間隙42、あるいは隣接または近接する導電性リッジ24(図6)の中断部または間隙42は、ランダムまたはオフセットパターンで配列され得る。
【0120】
図19図21を参照し、図2図5および図7A図8を引き続き参照すると、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、第1の偏光軸54(例えば、0°)を有し、光信号源からの光信号56を直接受け取り、光信号の少なくとも一部60を出力するための偏光子52と、偏光子52によって出力された光信号出力の少なくとも一部60を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号62として出力するためのファラデー回転子58と、第2の偏光軸66(例えば、45°)を有し、回転子出力光信号62を直接受け取り、その少なくとも一部68を出力するための、時には検光子64と呼ばれる、第2の偏光子とを含むことができる。偏光子52および検光子64は、対向した(opposed)、対向する(opposing)、または反対側の(opposite)ファラデー回転子58に結合される一例では、ファラデー回転子は、例えば、限定ではなく、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットとすることができる。当技術分野で知られているように、ファラデー回転子58は、外部印加磁場(図示せず)の存在下で機能することができ、またはファラデー回転子58は、「自己ラッチング」タイプとすることができる。
【0121】
偏光子52は、図2図5および図7A図8の任意のものに示された光学偏光子2のうちの1つを含むか、またはそれから形成され得る。検光子64は、図2図5および図7A図8の任意のものに示された光学偏光子2のうちの1つを含むか、またはそれから形成され得る。偏光子52を構成または形成する光学偏光子2は、検光子64を構成または形成する光学偏光子2と同じであっても異なっていてもよい。その上、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、単一の偏光子、例えば偏光子52のみ、または1対の偏光子、例えば偏光子52および検光子64を含むことができる。
【0122】
図19に示された例示の光アイソレータ50において、偏光子52を構成する光学偏光子2は、誘電体基板8(図19に仮想線で示される)が、ファラデー回転子58とは反対側の細長い誘電体リッジ4の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面の一方(例えば、下部の表面)に直接結合された(例えば、例えば屈折率整合エポキシなどの接着剤70を介して)複数の離隔された細長い誘電体リッジ4の上面14を含むことができる。その上、検光子64を含む光学偏光子2は、誘電体基板8(図19に同様に仮想線で示される)が、ファラデー回転子58とは反対側の細長い誘電体リッジ4の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面の他方(例えば、上部の表面)に直接結合された(例えば、例えば屈折率整合エポキシなどの接着剤70を介して)複数の離隔された細長い誘電体リッジ4の上面14を含むことができる。偏光子52および検光子64を構成する光学偏光子2は、各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことを理解されたい。一例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションまたは任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。
【0123】
偏光子52と検光子64を構成する光学偏光子2の誘電体リッジ4の上面14がファラデー回転子58の対向表面に結合された後、誘電体基板8は、例えば、等方性ウエットエッチング、レーザアブレーションを介して、またはバックグラインディングとその後に続く化学機械研磨を介して除去され得る。
【0124】
図20を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例において、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、以下の例外を除いて、図19に示された光アイソレータ50と同じであり得る。図20に示された例示の光アイソレータ50では、検光子64の基板8は保持され(除去されず)、波長板72が、ファラデー回転子58とは反対側の検光子64の基板8の側に結合される。一例では、波長板72は、半波長(λ/2)板とすることができ、および/または波長板72は、第2の偏光軸66の偏光方向に対して22.5°に方向づけられた速軸74を有することができる。一例では、図20の光アイソレータ50を出る光信号68は、偏光子52によってファラデー回転子58に出力される光信号の少なくとも一部60の偏光方向と同じ偏光方向76を有することができる。
【0125】
図21を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例において、本開示の原理による別の光アイソレータ50は、偏光子52、ファラデー回転子58、および検光子64を含む(図21の下から上に)ことができる。図21において、偏光子52および検光子64の各々は、厳密に言えば説明のために、図5に示された光学偏光子2で構成されるとして示される。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、偏光子52は、図2図5および図7A図8に示された光学偏光子2の任意のものを含むことができ、および/または検光子64は、図2図5および図7A図8に示された光学偏光子2の任意のものを含むことができることが想定されるからである。
【0126】
この例では、偏光軸54(例えば、0°)を有する偏光子52および異なる偏光軸78(例えば、45°)を有する検光子64を構成する光学偏光子2の基板8は、側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むそれぞれの誘電体リッジ4がファラデー回転子58とは反対側の基板8の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面に直接結合される(接着剤を介して)かまたは置かれ得る。
【0127】
図19図21に示された例示の光アイソレータ50では、各基板8は、1つまたは複数の層Lを含むことができる。各基板8の層Lのうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)を含むことができる。その上、図19図21における誘電体リッジ4および/または導電性コーティング16-1および16-2の向きは、厳密に言えば説明のために示されており、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0128】
図19図21に示された例示の光アイソレータ50は、オプションとして、少なくとも、各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含む近接または隣接する誘電体リッジ4間に誘電体媒体22を含むことができる。
【0129】
図19図21を継続して参照し、図2図5および図7A図8を引き続き参照すると、本開示の原理に従って光アイソレータ50を形成する方法は、(a)各々が誘電体基板8と、誘電体基板8の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジ4とを含む偏光子52および検光子64とを用意するステップであり、各誘電体リッジ4が、誘電体基板8の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジ4が、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面12-1および12-2と、誘電体基板8の表面から離隔され、誘電体基板8の表面とは反対側の離隔された側面12-1と側面12-2との間に延びる上面14と、各誘電体リッジ4の各側面12-1および12-2上の導電性コーティング16-1および16-2とを含む、用意するステップと、(b)偏光子52の誘電体リッジ4をファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子64の誘電体リッジ4をファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップとを含むことができる。
【0130】
この方法には、(1)ステップ(b)は、偏光子52の誘電体基板8がファラデー回転子58の1つの表面から離隔された状態で、偏光子52の誘電体リッジ4の上面14をファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップ、および偏光子52の誘電体基板8の少なくとも一部を除去するステップを含むことができること、および/または(2)ステップ(c)は、偏光子52の誘電体基板8がファラデー回転子58の対向表面から離隔された状態で、検光子64の誘電体リッジ4の上面14をファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップ、および検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップを含むことができることのうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0131】
この方法は、波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板8の残りの部分を介して、検光子64の誘電体リッジ4に結合させるステップを含むことができる。波長板は、半波長(λ/2)板とすることができ、および/または波長板は、検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有することができる。
【0132】
この方法は、(1)ステップ(b)が、偏光子52の誘電体リッジ4を、偏光子52の誘電体基板8を介して、ファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子64の誘電体リッジ4を、偏光子の誘電体基板8を介して、ファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0133】
この方法は、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットであるファラデー回転子58を含むことができる。
【0134】
この方法は、ステップ(b)の結合させることが、第1の接着剤を介してまたは第1の基板を介するものであり得ること、およびステップ(c)の結合させることが、第2の接着剤を介してまたは第2の基板を介するものであり得ることのうちの少なくとも1つを含むことができ、第1および第2の接着剤は、同じであっても異なっていてもよい。
【0135】
この方法は、第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが屈折率整合エポキシであることを含むことができる。
【0136】
この方法は、第1および第2の誘電体基板8のうちの少なくとも1つが1つまたは複数の層で構成されることを含むことができる。誘電体基板8の1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)を含むことができる。
【0137】
他の非限定的な例または態様が、以下の例証的および例示的な番号づけされた条項に記載される。
【0138】
条項1:
誘電体基板と、基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の細長い誘電体リッジとを含む光学偏光子。
【0139】
条項2:
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含む、条項1に記載の光学偏光子。
【0140】
条項3:
各誘電体リッジが、四角形または長方形の断面を有する、条項1または2に記載の光学偏光子。
【0141】
条項4:
誘電体基板が、nの屈折率を有し、誘電体リッジが、nの屈折率を有し、n=nまたはn≠nである、条項1~3のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0142】
条項5:
隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面上の導電性コーティングの間に溝またはトレンチをさらに含み、少なくとも各溝またはトレンチ内にnの屈折率を有する誘電体がある、条項1~4のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0143】
条項6:
=n=nであるか、またはn、n、およびnのうちの少なくとも1つの屈折率が異なる、条項1~5のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0144】
条項7:
誘電体基板および誘電体リッジが、SiOで形成される、条項1~6のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0145】
条項8:
誘電体基板、誘電体リッジ、および少なくとも各溝またはトレンチ内の誘電体がすべてSiOで形成される、条項1~7のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0146】
条項9:
少なくとも各溝またはトレンチ内の誘電体が、複数の細長い誘電体リッジの上面をさらに覆う、条項1~8のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0147】
条項10:
誘電体基板が、多層誘電体基板である、条項1~9のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0148】
条項11:
多層誘電体基板が、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の誘電体リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の誘電体リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項1~10のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0149】
条項12:
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む複数の誘電体リッジ間の間隔が、一定、または不定/チャープのうちの1つである、条項1~11のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0150】
条項13:
誘電体リッジの長さ方向と平行に誘電体基板と複数の誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層、または誘電体リッジの長さ方向と平行に複数の誘電体リッジの上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層のうちの少なくとも1つをさらに含む、条項1~12のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0151】
条項14:
各導電性ストリップの幅が、各誘電体リッジの幅より小さい、条項1~13のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0152】
条項15:
複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された1対の導電性ストリップの層と、第2の複数の細長い誘電体リッジの各誘電体リッジの各側面に、1対の導電性ストリップの層の間に位置づけされたかまたは配置された導電性コーティングを含む第2の複数の細長い誘電体リッジとをさらに含む、条項1~14のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0153】
条項16:
以下のこと、すなわち、第2の複数の誘電体リッジの誘電体リッジが、誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された誘電体リッジとオフセットされてまたは整列せずに位置づけされるかまたは配置されること、および誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの1対の層の導電性ストリップが、互いにオフセットされてまたは整列せずに位置づけされるかまたは配置されることのうちの少なくとも1つである、条項1~15のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0154】
条項17:
各導電性ストリップの幅が、各誘電体リッジの幅より小さい、条項1~16のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0155】
条項18:
各細長い誘電体リッジと、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングに、1つまたは複数の中断部または間隙をさらに含み、1つまたは複数の中断部または間隙が、前記中断部または間隙の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティングを電気的に切り離す、条項1~17のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0156】
条項19:
隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、複数の誘電体リッジおよび各誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの長さ方向に対して垂直に延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、複数の誘電体リッジおよび各誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの長さ方向を横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられることのうちの少なくとも1つである、条項1~18のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0157】
条項20:
多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジとを含む光学偏光子。一例では、複数の細長い導電性リッジは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0158】
条項21:
多層誘電体基板が、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0159】
条項22:
多層誘電体基板が、溶融石英(FS)の層と、溶融石英(FS)の層と複数の導電性リッジとの間の五酸化タンタル(Ta)の層と、五酸化タンタル(Ta)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0160】
条項23:
多層誘電体基板が、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間の二酸化ケイ素(SiO)の中間層と、二酸化ケイ素(SiO)の中間層と複数の導電性リッジとの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0161】
条項24:
少なくとも複数の導電性リッジの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層に位置づけされたかまたは配置された誘電体材料をさらに含む、条項23に記載の光学偏光子。
【0162】
条項25:
誘電体材料が、エポキシまたはSiOである、条項24に記載の光学偏光子。
【0163】
条項26:
誘電体材料が、1.54の屈折率(n)を有する、条項24または25に記載の光学偏光子。
【0164】
条項27:
各導電性リッジに1つまたは複数の中断部または間隙をさらに含み、1つまたは複数の中断部または間隙が、各中断部または間隙の両側の細長い導電性リッジのセクションを電気的に分離する、条項20~26のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0165】
条項28:
隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、複数の導電性リッジに対して垂直に延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、複数の細長い導電性リッジを横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられることのうちの少なくとも1つである、条項20~27のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0166】
条項29:
1対の条項1~19のいずれか一項に記載の光学偏光子を上下に積み重ねて含む光学偏光子であって、(a)1対の光学偏光子の上部または上方のものの誘電体基板が、1対の光学偏光子の上部または上方のものの誘電体リッジと、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板とは反対側の誘電体リッジの側に位置づけられた誘電体基板を有する1対の光学偏光子の下部のものの誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第1の構成、または(b)1対の光学偏光子の誘電体リッジが交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第2の構成のうちの1つを含む、光学偏光子。
【0167】
条項30:
誘電体基板のうちの少なくとも1つが、多層誘電体基板である、条項29に記載の光学偏光子。
【0168】
条項31:
光学偏光子の第1の構成において、1対の光学偏光子の上部のものの基板が、1対の光学偏光子の下部のものの基板と比較して減少した厚さを有する、条項29または30に記載の光学偏光子。
【0169】
条項32:
1対の光学偏光子の下部のものの基板が多層基板であり、1対の光学偏光子の上部のものの基板が単層基板である、条項29~31のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0170】
条項33:
基板が、複数の細長い誘電体リッジを完全に囲むフレームの形態を有する、条項1~32のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0171】
条項34:
第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、偏光子によって出力された光信号の少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、第2の偏光軸を有し、回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子とを含む光アイソレータであって、偏光子および検光子が、ファラデー回転子の対向表面に結合され、偏光子および検光子の各々が、ファラデー回転子の表面のうちの1つに結合される複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、および離隔された側面の間に延び、ファラデー回転子の1つの表面に直接結合される上面を含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光アイソレータ。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0172】
条項35:
偏光子および検光子のうちの少なくとも1つの複数の離隔された細長い誘電体リッジが、接着剤を介してまたは基板を介してファラデー回転子の1つの表面に結合される、条項34に記載の光アイソレータ。
【0173】
条項36:
ファラデー回転子が、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットである、条項34または35に記載の光アイソレータ。
【0174】
条項37:
接着剤が、屈折率整合エポキシである、条項34~36のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0175】
条項38:
検光子の誘電体リッジの上面に結合された波長板をさらに含む、条項34~37のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0176】
条項39:
波長板が、半波長(λ/2)板である、条項34~38のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0177】
条項40:
波長板が、第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、条項34~39のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0178】
条項41:
基板が、1つまたは複数の層を含む、条項34~40のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0179】
条項42:
1つまたは複数の層が、二酸化ケイ素(SiO)を含む、条項34~41のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0180】
条項43:
光アイソレータを形成する方法であって、(a)各々が、誘電体基板と、誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、誘電体基板の表面から離隔され、誘電体基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジとを含む、偏光子および検光子を用意するステップと、(b)偏光子の誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子の誘電体リッジをファラデー回転子の対向表面に結合させるステップとを含む、方法。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0181】
条項44:
(1)ステップ(b)は、偏光子の誘電体基板がファラデー回転子の1つの表面から離隔された状態で、偏光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含み、この方法は、偏光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または(2)ステップ(c)は、検光子の誘電体基板がファラデー回転子の対向表面から離隔された状態で、検光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の対向表面に結合させるステップと、検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップとを含むことのうちの少なくとも1つを含む、条項43に記載の方法。
【0182】
条項45:
波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板の残りの部分を介して、検光子の誘電体リッジに結合させるステップをさらに含む、条項43または44に記載の方法。
【0183】
条項46:
(1)ステップ(b)が、偏光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含む、条項43~45のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
条項47:
波長板が、半波長(λ/2)板である、条項43~46のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
条項48:
波長板が、検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、条項43~47のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
条項49:
ファラデー回転子が、例えば、限定ではなく、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットである、条項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
条項50:
ステップ(b)の結合させることが、第1の接着剤を介するかまたは第1の基板を介するものであること、およびステップ(c)の結合させることが、第2の接着剤を介するかまたは第2の基板を介するものであることのうちの少なくとも1つであり、第1および第2の接着剤が、同じであるか、または異なる、条項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
条項51:
第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、屈折率整合エポキシである、条項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
条項52:
第1および第2の誘電体基板のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の層を含む、条項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【0190】
条項53:
1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つが、二酸化ケイ素(SiO)を含む、条項43~52のいずれか一項に記載の方法。
【0191】
条項54:
ファラデー回転子と、ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、光学偏光子が、ファラデー回転子の表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面から離れて延びる1対の離隔された側面と、離隔された側面の間に延び、ファラデー回転子の1つの表面に直接結合される上面とを含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光学偏光子とを含む光アイソレータ。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Si)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0192】
条項55:
ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子をさらに含む、条項54に記載の光アイソレータ。
【0193】
本開示が、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて、例示の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は、単にその目的のためのものであること、および本開示が、開示された実施形態に限定されるのではなく、それどころか、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある変更形態および等価構成を包含するように意図されていることを理解されたい。例えば、本開示は、可能な限り、任意の実施形態の1つまたは複数の特徴を、任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができることを意図していることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、前記光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、
前記偏光子によって出力された前記光信号の前記少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、
第2の偏光軸を有し、前記回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子と
を含む光アイソレータであって、
前記偏光子および前記検光子が、前記ファラデー回転子の対向表面に結合され、
前記偏光子および前記検光子の各々が、
前記ファラデー回転子の前記表面のうちの1つに結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記1つの表面に沿って延びる長さ方向を有し、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記1つの表面から離れて延びる1対の離隔された側面、および前記ファラデー回転子の前記1つの表面に直接結合される前記離隔された側面の間に延びる上面を含み、
各誘電体リッジが、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジ
を含む、光アイソレータ。
【請求項2】
前記偏光子および前記検光子のうちの少なくとも1つの前記複数の離隔された細長い誘電体リッジが、接着剤を介してまたは基板を介して前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合される、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項3】
前記ファラデー回転子が、ガーネットである、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項4】
前記接着剤が、屈折率整合エポキシである、請求項2に記載の光アイソレータ。
【請求項5】
前記ファラデー回転子とは反対側の前記検光子の前記誘電体リッジの側に結合された波長板をさらに含む、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項6】
前記波長板が、半波長(λ/2)板である、請求項5に記載の光アイソレータ。
【請求項7】
前記波長板が、前記第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、請求項6に記載の光アイソレータ。
【請求項8】
前記基板が、1つまたは複数の層を含む、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項9】
前記1つまたは複数の層が、二酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項に記載の光アイソレータ。
【請求項10】
光アイソレータを形成する方法であって、
(a)各々が、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、前記誘電体基板の前記表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、
前記誘電体基板の表面から離れて延びる1対の離隔された側面、前記誘電体基板の前記表面から離隔され、前記誘電体基板の前記表面とは反対側の前記離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジと
を含む偏光子および検光子を用意するステップと、
(b)前記偏光子の前記誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、
(c)前記検光子の前記誘電体リッジを前記ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップと
を含む、方法。
【請求項11】
(1)ステップ(b)は、前記偏光子の前記誘電体基板が前記ファラデー回転子の前記1つの表面から離隔された状態で、前記偏光子の前記誘電体リッジの前記上面を前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合させるステップを含み、
前記方法が、前記偏光子の前記誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または
(2)ステップ(c)は、前記検光子の前記誘電体基板が前記ファラデー回転子の前記対向表面から離隔された状態で、前記検光子の前記誘電体リッジの前記上面を前記ファラデー回転子の前記対向表面に結合させるステップを含み、
前記方法が、前記検光子の前記誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
波長板を、ステップ(2)において除去された前記検光子の前記誘電体基板の残りの部分を介して、前記検光子の前記誘電体リッジに結合させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(1)ステップ(b)が、前記偏光子の前記誘電体リッジを、前記偏光子の前記誘電体基板を介して、前記ファラデー回転子の前記1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または
(2)ステップ(c)が、前記検光子の前記誘電体リッジを、前記検光子の前記誘電体基板を介して、前記ファラデー回転子の前記対向表面に結合させるステップを含むこと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記波長板が、半波長(λ/2)板である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記波長板が、前記検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ファラデー回転子が、ガーネットである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(b)の前記結合させることが、第1の接着剤を介するかまたは第1の基板を介するものであること、および
ステップ(c)の前記結合させることが、第2の接着剤を介するかまたは第2の基板を介するものであること
のうちの少なくとも1つであり、
前記第1および第2の接着剤が、同じであるか、または異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、屈折率整合エポキシである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の誘電体基板のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つが、二酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ファラデー回転子と、
前記ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、前記光学偏光子が、
前記ファラデー回転子の前記表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記表面に沿って延びる長さ方向を有し、
各誘電体リッジが、前記ファラデー回転子の前記表面から離れて延びる1対の離隔された側面、および前記ファラデー回転子の前記1つの表面に直接結合される前記離隔された側面の間に延びる上面を含み、
各誘電体リッジが、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジと
を含む、光学偏光子と
を含む光アイソレータ。
【請求項22】
前記ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子をさらに含む、請求項21に記載の光アイソレータ。
【請求項23】
各誘電体リッジの各側面上の前記導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項1に記載の光アイソレータ。
【請求項24】
各誘電体リッジの各側面上の前記導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションを含むことができる、請求項21に記載の光アイソレータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年4月11日に出願された米国仮特許出願第63/495,415号および2023年4月18日に出願された米国仮特許出願第63/460,184号の利益を主張し、両方の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、吸収損失が最小化され、耐腐食性が改善され、厚さが減少された光学偏光子と、前記光学偏光子を含む光アイソレータとに関する。
【背景技術】
【0003】
図1を参照すると、例示的な先行技術のワイヤグリッド偏光子は、偏光子の動作波長(λ)において適切に透明である基板(S)の表面に位置づけされたかまたは配置されたアルミニウム(Al)偏光子ラインまたは導電性リッジの周期パターンを含む。偏光子周期(Λ)は、Λ<λ/nになるように選ばれ(垂直入射の場合)、ここで、n>1は、基板屈折率であり、または非垂直入射ではこれより小さい。この制限内では、基板または周囲媒体への回折は生じない。
【0004】
図1の例では、Alラインの偏光子周期Λは、1.3μm~1.5μmの動作波長において300nmであり得る。基板材料は、溶融石英(n=1.45)とすることができ、Alラインの高さ(h)は、500±60nmとすることができ、Alラインのライン幅(W)は、114±24nmとすることができる。図1の偏光子は、動作波長範囲でまたはその近くで、電界方向またはベクトルが導電性リッジに対して垂直である光のビームを通過させ(図1において、下から上にまたはその逆に横切って)、電界方向またはベクトルが導電性リッジに対して直交するが垂直ではない、例えば、電界方向またはベクトルが導電性リッジと平行である通過光ビームの少なくとも一部を反射することによって機能する。垂直偏光の光の透過パワーに対する平行偏光の光の透過パワーの比は、消光比(ER)またはコントラストと呼ばれる。ERに加えて、垂直偏光(偏光子通過方向)の光の偏光子透過性または透過率(T)も、偏光子性能を特徴づけるために使用されるパラメータである。図1の例示的な偏光子は、1310nmの中心波長でER=66dB、およびT=93%の透過率を達成することができる。
【0005】
本明細書において、偏光子のデューティサイクル(DC)は、ライン幅(W)を周期Λで割った比、すなわち、DC=/Λとすることができる。図1の偏光子において、高い透過率、例えば、T>98%、および高い消光比、例えば、ER>50dBの区域は、互いに排他的であることが見いだされている。その上、図1の偏光子において、偏光子の(吸収)損失は、1-(R+T)として定義することができ、ここで、Rは、偏光子表面からの反射による入射光損失の割合を表す。
【0006】
高いER(>50dB)を有する図1の偏光子の領域において、および1:4未満の製造可能なアスペクト比(ライン幅()をライン高さ(h)で割ったものとして定義される)を維持するワイヤ断面では、偏光子の透過性または透過率(T)は、反射および吸収損によって約95%未満に制限される。反射損は、反射をキャンセルする追加の層を組み込むことによって低減することができるが、吸収損は、基本的に、偏光子の透過性または透過率(T)に制限される。
【0007】
図1の偏光子において、偏光子の損失は、消光比(ER)が増加するにつれて増加し、デューティサイクル、すなわち、DC=/Λ、およびライン高さ(h)に比例し、すなわち、最終的に、光ビーム経路中の金属体積に比例する。偏光子を必要とする多くの用途では、できるだけ高い消光比(ER)と高い透過率(T)の両方が望まれる。そのような要件の一例は、T>98.5%およびER>50dBの偏光子である。図1の先行技術の偏光子は、製造可能な寸法を要求すると、このレベルの性能を達成することができない。本開示は、損失を低減しながら、高い透過率(T)と消光比(ER)の両方を可能することができる偏光子を説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書において、誘電体基板と、誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い誘電体リッジとを含む光学偏光子が開示される。各誘電体リッジは、基板の表面に沿って延びる湾曲したまたは真っすぐな長さ方向を有し、各誘電体リッジは、基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面と、基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面とを含む。各誘電体リッジの各側面は、導電性コーティングを含む。
【0009】
光学偏光子は、隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面上の導電性コーティングの間に溝またはトレンチを含むことができる。誘電体が、隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面の間の少なくとも各溝またはトレンチに配置され得る。少なくとも各溝またはトレンチに配置される誘電体は、複数の細長い誘電体リッジの上面をさらに覆うことができる。
【0010】
誘電体基板は、多層誘電体基板とすることができる。各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む複数の細長い誘電体リッジ間の間隔は、一定または不定/チャープのうちの1つとすることができる。
【0011】
光学偏光子は、誘電体リッジの長さ方向と平行に誘電体基板と複数の誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層、および/または誘電体リッジの長さ方向と平行に複数の誘電体リッジの上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層を含むことができる。
【0012】
光学偏光子は、複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された1対の導電性ストリップの層と、第2の複数の細長い誘電体リッジの各誘電体リッジの各側面に、1対の導電性ストリップの層の間に位置づけされたかまたは配置された導電性コーティングを含む第2の複数の細長い誘電体リッジとを含むことができる。
【0013】
さらに、本明細書において、多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジとを含む光学偏光子が開示される。
【0014】
多層誘電体基板は、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含むことができる。
【0015】
多層誘電体基板は、溶融石英(FS)の層と、溶融石英(FS)の層と複数の導電性リッジとの間の五酸化タンタル(Ta)の層と、五酸化タンタル(Ta)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含むことができる。
【0016】
多層誘電体基板は、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間の二酸化ケイ素(SiO)の中間層と、二酸化ケイ素(SiO)の中間層と複数の導電性リッジとの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層とを含むことができる。
【0017】
さらに、本明細書において、(a)1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板が、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体リッジと、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板とは反対側の細長い誘電体リッジの側に位置づけられた誘電体基板を有する1対の光学偏光子の下部のものの誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された1対の光学偏光子の第1の構成、または(b)1対の光学偏光子の細長い誘電体リッジが交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第2の構成のうちの1つを含む、上下に積み重ねられた上述の1対の光学偏光子を含む光学偏光子が開示される。
【0018】
1対の光学偏光子の第1の構成において、1対の光学偏光子の上部のものの基板が、1対の光学偏光子の下部のものの基板と比較して減少した厚さを有することができる。1対の光学偏光子の下部のものの基板は、多層基板とすることができ、1対の光学偏光子の上部のものの基板は、単層基板とすることができる。本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、複数の細長い誘電体リッジを完全に囲むフレームを画定する、リッジを欠いている外周を含む基板を含むことができる。
【0019】
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む細長い誘電体リッジを含む本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、各細長い誘電体リッジ、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティング、または両方に1つまたは複数の中断部または間隙を含み、1つまたは複数の中断部または間隙は、前記中断部または間隙の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティングを電気的に切り離すことができる。一例では、隣接または近接する細長い誘電体リッジおよび各リッジの各側面上の導電性コーティングの中断部または間隙は、複数の細長い誘電体リッジおよび各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングの長さ方向に対して垂直にまたは横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成することができる。別の例では、隣接または近接する細長い誘電体リッジおよび各リッジの各側面上の導電性コーティングの中断部または間隙は、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられる。
【0020】
多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジを含む本明細書に記載の光学偏光子のいずれも、各導電性リッジに、各中断部または間隙の両側の細長い導電性リッジのセクションを電気的に分離する1つまたは複数の中断部または間隙を含むことができる。一例では、隣接または近接する細長い導電性リッジの中断部または間隙は、複数の細長い導電性リッジに対して垂直にまたは横切って延びる中断部または間隙のラインを形成することができる。別の例では、隣接または近接する細長い導電性リッジの中断部または間隙は、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられる。
【0021】
さらに、本明細書において、第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、偏光子によって出力された光信号の少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、第2の偏光軸を有し、回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子とを含む光学偏光子が開示される。偏光子および検光子は、ファラデー回転子の対向表面に結合される。偏光子および検光子の各々は、ファラデー回転子の表面のうちの1つに結合される複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む。各誘電体リッジは、ファラデー回転子の1つの表面に沿って延びる湾曲したまたは真っすぐな長さ方向を有する。各誘電体リッジは、ファラデー回転子の1つの表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面と、ファラデー回転子の1つの表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面とを含む。各誘電体リッジは、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む。
【0022】
光学偏光子は、ファラデー回転子とは反対側の検光子の誘電体リッジの側に結合された波長板を含むことができる。波長板は、半波長(λ/2)板とすることができる。波長板は、第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有することができる。
【0023】
さらに、本明細書において、(a)各々が、誘電体基板と、誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、誘電体基板の表面から離隔され、誘電体基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジとを含む、偏光子および検光子を用意するステップと、(b)偏光子の誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子の誘電体リッジをファラデー回転子の対向表面に結合させるステップとを含む光アイソレータを形成する方法が開示される。
【0024】
この方法には、(1)ステップ(b)は、偏光子の誘電体基板がファラデー回転子の1つの表面から離隔された状態で、偏光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含み、この方法は、偏光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または(2)ステップ(c)は、検光子の誘電体基板がファラデー回転子の対向表面から離隔された状態で、検光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含み、この方法は、検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むことのうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0025】
この方法は、波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板の残りの部分を介して、検光子の誘電体リッジに結合させるステップを含むことができる。
【0026】
この方法は、(1)ステップ(b)が、偏光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子の誘電体リッジを、検光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
さらに、本明細書において、ファラデー回転子と、第1の偏光軸を含む、ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、光学偏光子が、ファラデー回転子の表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面から離れて延びる1対の離隔された側面、およびファラデー回転子の1つの表面に直接結合される離隔された側面の間に延びる上面を含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光学偏光子とを含む光学偏光子が開示される。光アイソレータは、第2の偏光軸を含む、ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示の先行技術のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0029】
図2】誘電体リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、離隔された直線の、真っすぐな、または細長い誘電体リッジを含む本開示の原理による例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図である。
【0030】
図3図2および図4におけるラインIII-IIIに沿って得られた概略断面図である。
【0031】
図4】誘電体リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、離隔された湾曲した誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図である。
【0032】
図5図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様であるが、図3の単層基板に対して多層基板を有する別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0033】
図6】多層基板上に、導電性リッジによって画定された溝またはトレンチによって分離される、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する離隔された直線の、真っすぐな、または細長い導電性リッジを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0034】
図7A】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる大きい下端部から小さい上端部へと狭くなる離隔された側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0035】
図7B】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる小さい下端部から大きい上端部へと広くなる離隔された側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0036】
図7C】本開示の原理によるワイヤグリッド偏光子のいずれでも使用することができる、丸みのある縁部を有する離隔された平行なまたは実質的に平行な側面を含む、本開示の原理による、導電性側面を含む、別の例示の形状の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0037】
図7D】いくつかの水平誘電体層で構成されている、本開示の原理による、導電性側面を含む、他の例示の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
図7E】いくつかの垂直誘電体層で構成されている、本開示の原理による、導電性側面を含む、他の例示の誘電体リッジの概略の単離した断面図である。
【0038】
図8図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様であるが、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、例えば、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で互いに離隔された誘電体リッジを有する本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0039】
図9】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様の2つのワイヤグリッド偏光子を積み重ねたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0040】
図10】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様である2つのワイヤグリッド偏光子を、それぞれのリッジが交互配置または交互嵌合された状態で一緒に接合されたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図である。
【0041】
図11】各々が図3に示されたワイヤグリッド偏光子と同様の2つのワイヤグリッド偏光子を積み重ねたものを含む、本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、上方のワイヤグリッド偏光子の基板の厚さは減少されている。
【0042】
図12】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、誘電体リッジが、誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの層が、多層基板と誘電体リッジとの間に位置づけされるかまたは配置される。
【0043】
図13】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する、導電性側面を含む、誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、誘電体リッジが、誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの層が、誘電体リッジの上面の上に位置づけされるかまたは配置される。
【0044】
図14】多層基板の上部に、長方形または実質的に長方形の断面を有する、導電性側面を含む、第1の(下方の)セットの誘電体リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略断面図であり、第1のセットの誘電体リッジが、第1のセットの誘電体リッジによって画定される溝またはトレンチによって分離され、導電性(例えば金属)ストリップの第1の(下方の)層が、第1のセットの誘電体リッジの上面の上に位置づけされるかまたは配置され、導電性側面を含み、長方形または実質的に長方形の形状の断面を有する第2の(上方の)セットの誘電体リッジが、導電性(例えば金属)ストリップの第1の層の上に位置づけされるかまたは配置され、第2のセットの誘電体リッジが、第2のセットの誘電体リッジによって画定された溝によって分離され、導電性(例えば、金属)ストリップの第2の(上方の)層が、第2のセットの誘電体リッジの上に位置づけされるかまたは配置される。
【0045】
図15】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、基板が、リッジのまわりにフレームを画定する。
【0046】
図16】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、各リッジが、その長さに沿って1つまたは複数の間隙によって分離され、リッジにおける間隙が、リッジの長さを横切って延びる間隙の1つまたは複数のラインを画定する。
【0047】
図17】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、各リッジが、その長さに沿って1つまたは複数の間隙によって分離され、リッジにおける間隙が、リッジの長さに対して垂直に延びる間隙の1つまたは複数のラインを画定する。
【0048】
図18】近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチを画定する導電性側面を含む誘電体リッジ、または導電性リッジを含む本開示の原理による別の例示のワイヤグリッド偏光子の概略平面図であり、リッジが、長さに沿ってランダムまたはオフセットパターンの間隙によって分離される。
【0049】
図19】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、および検光子(概略断面の)を含む本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成される。
【0050】
図20】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、検光子(概略断面の)、および波長板を含む本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成される。
【0051】
図21】図の下から上に、偏光子(概略断面の)、ファラデー回転子、および検光子(概略断面の)を含む本開示の原理による本開示の原理による光アイソレータの概略側面図であり、偏光子および検光子は、各々、単層基板(図21に図示せず)または多層基板(図21に図示)を含むことができる本開示に記載のワイヤグリッド偏光子のうちの1つまたは複数から形成され、偏光子および検光子の各々の基板は、偏光子または検光子のリッジと、ファラデー回転子との間に位置づけされるかまたは配置される。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本明細書で使用される、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「の上に」、「の下に」、などのような空間的または方向的用語は、描かれた図に示されている通りに本開示に関連する。しかしながら、本開示は様々な代替の向きを前提とすることができ、したがって、そのような用語は限定と考えるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用されるとき、本明細書および特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件、などを表すすべての数字は、すべての事例において、「およそ(approximately)」または「約(about)」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうではないことが示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載される数値は、本開示によって得ようとする所望の特性に応じて変化してもよい。
【0053】
最低限でも、特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値は、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、および通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。その上、本明細書で開示されるすべての範囲は、最初の範囲値および最後の範囲値ならびにその中に包含されるすべての部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」の記載された範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(および最小値と最大値とを含む)すべての部分範囲、すなわち、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わるすべての部分範囲、例えば、1~3.3、4.7~7.5、5.5~10、などを含むと考えられるべきである。「a」または「an」は、1つまたは複数を指す。
【0054】
本明細書で使用される「結合される(coupled)」、「結合する(coupling)」、および同様の用語は、2つ以上の要素が互いに接合される、連結される、固定される、接続される、連通される、またはさもなければ関連づけられる(例えば、機械的に、電気的に、流体的に、光学的に、電磁的に)ことを指す。様々な例において、要素は、直接または間接的に関連づけられ得る。一例として、要素Aは、要素Bに直接関連づけられ得る。別の例として、要素Aは、例えば別の要素Cを介して、要素Bに間接的に関連づけられ得る。様々な開示される要素の間のすべての関連が必ずしも表されているわけではないことが理解されるであろう。したがって、図に示されたもの以外の結合も存在し得る。
【0055】
本明細書で使用される「のうちの少なくとも1つ」という語句は、アイテムのリストとともに使用されるとき、リストされたアイテムの1つまたは複数の異なる組合せが使用されてもよいこと、およびリスト内の各アイテムの1つのみが必要とされてもよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、限定ではなく、アイテムA、またはアイテムAおよびアイテムBを含むことができる。この例は、さらに、アイテムA、アイテムB、およびアイテムC、またはアイテムBおよびアイテムCを含むことができる。他の例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定ではなく、アイテムAの2つ、アイテムBの1つ、およびアイテムCの10個;アイテムBの4つおよびアイテムCの7つ;および他の適切な組合せであり得る。
【0056】
ここで、様々な非限定的な例が、同様の参照番号が同様のまたは機能的に等価な要素に対応する添付の図を参照して説明されることになる。
【0057】
本明細書において、動作波長範囲でまたはその近くで、側面に導電性コーティングを含む誘電体リッジ、または導電性リッジに対して垂直な電界方向またはベクトルをもつ光のビームを通過させ、前記リッジを横切るが垂直ではない電界方向またはベクトル、例えば、リッジと平行な電界方向またはベクトルをもつ通過光ビームの少なくとも一部を反射させるために使用することができる例示的な光学偏光子が開示される。さらに、例示的な光アイソレータが開示され、各アイソレータは、本明細書に記載の例示的な光学偏光子のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0058】
本明細書に記載の様々な光学偏光子および/または光アイソレータは、当技術分野で知られている半導体製作技法で製造することができる。したがって、簡単にするために、および開示される光学偏光子および/または光アイソレータのうちの1つまたは複数の構成を理解するのに必要でない限り、様々な光学偏光子および/または光アイソレータを製造する方法は、本明細書において説明されない場合がある。
【0059】
図2および図3を参照すると、本開示の原理による1つの非限定的な実施形態または例示の光学偏光子または光学偏光子アセンブリ2は、誘電体基板8の表面6上に離隔関係で、例えば、限定ではなく、離隔された平行な関係で位置づけされるかまたは配置され、パターニングおよびエッチングによって形成された複数の細長い誘電体リッジ4を含む。本明細書では、「光学偏光子アセンブリ」および「光学偏光子」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0060】
各誘電体リッジ4は、基板8の表面6に沿って延びる長さ方向(図2に矢印10で示される)を有することができる。各誘電体リッジ4は、基板8の表面6から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面12-1および12-2と、基板8の表面6とは反対側の離隔された側面12-1と12-2との間に延びる上面14とを有することができる。各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2は、それぞれ、導電性コーティング16-1および16-2を含むことができる。
【0061】
一例では、各誘電体リッジ4の導電性コーティング16-1および16-2の一方または両方は、誘電体リッジ4の側面12-1および12-2ならびに上面14と、近接または隣接するリッジ4間の溝またはトレンチ18における誘電体基板8の表面6とに共形にコーティングされる、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物から形成され得る。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。その後、リッジ4の上面14を覆っている導電性コーティングと、近接または隣接するリッジ間の溝またはトレンチ18における誘電体基板8の表面6を覆っている導電性コーティングとは、例えば、異方性反応性イオンエッチングを介して除去され得る。
【0062】
図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2を、図1に示された先行技術の光学偏光子と比較すると、図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2は、図に示された例示の光学偏光子アセンブリ2を通って垂直に上方または下方に伝搬する光ビームの経路20に含まれる導電性材料が少ないことを理解することができる。その上、本開示の図における様々な例示の光学偏光子アセンブリ2は、平坦な側壁をもつプロファイルを有する(例えば、各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2、および/または各誘電体リッジ4の側面12-1および12-2上の導電性コーティング16-1および16-2の露出した側面は平坦である)として示されているが、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの側壁のうちの1つ、一部、またはすべてが平坦でないプロファイルを有してもよいことが想定されるからである。例えば、限定ではなく、側壁は、狭まるかまたは広がるプロファイル(図7A図7Bを参照)、凹状または凸状プロファイル、正弦曲線プロファイル、または任意の他の形状の側壁を有することができる。さらに、本開示の図における様々な例示の光学偏光子アセンブリ2のプロファイルは、基板8へのオーバーエッチング(例えば、図1における基板Sにおけるオーバーエッチングで示されるような)を含むことができ、および/またはリッジへのアンダーエッチング(例えば、図1における角度θで示されたような)を含むことができる。
【0063】
一例では、基板8は、nの屈折率を有することができる。溝またはトレンチ18と、オプションとして、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4の上および/またはまわりまたは周囲のスーパーストレート(周囲媒体)とは、nの屈折率を有する誘電体媒体22を含むかまたはそれで満たされ得る。一例では、誘電体媒体22は、隣接または近接する対の誘電体リッジ4の対面する側面の間の各溝またはトレンチ18に存在し得る。本開示の全体を通して、隣接または近接する対の誘電体リッジ4の対面する側面の間にある誘電体媒体22の例は、各溝またはトレンチ18が、誘電体媒体22で部分的に満たされ得ること、各溝またはトレンチ18が、溝またはトレンチ18の一方または両方の側の導電性コーティング16-1および16-2のすべてまたは一部と、溝またはトレンチ18の基部または底部のすべてまたは一部とを覆う誘電体媒体22を含み、それに関して、基部または底部の上に、および導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間に、誘電体媒体18を欠いている空間を画定することができること、誘電体媒体22が、溝またはトレンチ18の両側の導電性コーティング16-1および16-2の少なくとも一部と、溝またはトレンチ18を画定する隣接または近接する誘電体リッジ4の上面14と、オプションとして、導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間の溝またはトレンチ18の基部または底部の少なくとも一部とを覆い、そのとき、基部または底部の上、および導電性コーティング16-1と導電性コーティング16-2との間の空間が、誘電体媒体18を欠いていることを含むことができる。誘電体リッジ4は、nの屈折率を有することができる。一例では、n、n、およびnがすべて同じ値を有することができ、またはn、n、およびnのうちの1つまたは複数が異なる値を有することができる。その上、nの屈折率を有する誘電体媒体22は、固体または気体、例えば、限定ではなく、周囲環境または周囲空気とすることができる。
【0064】
図1に示された先行技術の光学偏光子と同様に、図2および図3に示された例示の光学偏光子アセンブリ2の偏光子は、Λの偏光子周期およびデューティサイクル(+t+t)/Λを有することができ、ここで、は、それぞれ厚さtおよびtの導電性コーティング16-1および16-2を含む、屈折率nを有する誘電体材料の誘電体リッジ4の幅である。異なる屈折率を有する追加の(水平)層が、基板8と、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4との間に導入されてもよい。この例では、n、n、n∈R、すなわち、誘電体である材料。幅tおよびtの導電性コーティング16-1および16-2は、多数の異なる材料で形成されてもよく、それによって、複素屈折率のもの(例えば、吸収性材料)、例えば、一般に、金属を有してもよい。
【0065】
図2および図3の例示の光学偏光子アセンブリ2では、Λは、300nmの値を有することができ、は、130nm±50nmの値を有することができ、hは、450nm±50nmの値を有することができ、tは、20nmの値を有することができ、tは、20nmの値を有することができる。しかしながら、この例および本開示に記載の他の例では、Λ、、h、t、およびtの値は、例示的であり、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図2および図3に示された例示の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬する光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0066】
図4を参照し、図2および図3を引き続き参照すると、以下の例外を除いて、図2および図4に示された例示の光学偏光子アセンブリ2は同じである。例外は、図4における導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4が、図2に示された導電性コーティング16-1および16-2を含む真っすぐなまたは直線の誘電体リッジ4に対して湾曲または弓形であり得ることである。
【0067】
図5を参照し、図3を引き続き参照すると、以下の例外を除いて、図3および図5に示された例示の光学偏光子アセンブリ2は同じである。例外は、図5では、基板8が、図3に示された単層基板8に対して多層基板8であることである。一例では、図5に示される多層基板8は、多数の(2つまたは3つまたはそれより多くの)層を含むことができる。一例では、前記多層のうちの少なくとも2つは、異なる屈折率を有する異なる材料または化合物とすることができる。さらに、この例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値である。
【0068】
1つの特定の非限定的な例において、図5の多層基板8は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。一例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい値の厚さtを有するケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、370nm±30nmの厚さtを有するセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、層Lは、425nm±30nmの厚さtを有するフッ化マグネシウム(MgF)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0069】
中赤外スペクトル範囲で使用することができる図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第1の事例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。この例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)で製作することができ、Λは、300nmの値を有することができ、は、120nm±30nmの値を有することができ、hは、350nm±15nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図5に示されたこの第1の事例の例示の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように意図された光ビームの波長に基づいて設計または選択されてもよいことが想定されるからである。
【0070】
図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値とすることができる。図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例は、3μm~5μmの波長範囲λにわたって消光比(ER)>50dBおよび透過率(T)>97%を有すると推定または決定された。
【0071】
中赤外スペクトル範囲で使用することができる図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第2の事例では、導電性コーティング16-1および16-2は、Alの代わりに金(Au)で製作することができる。図5の例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、は、105nm±20nmの値を有することができ、hは、400nm±20nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができ、tは、30nm±5nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図5に示されたこの第2の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように意図された光ビームの波長に基づいて設計または選択されてもよいことが想定されるからである。
【0072】
図5の例示の光学偏光子アセンブリ2の第3の事例では、層L(MgF)は、395nm±15nmの厚さtを有することができ、層L(ZnSe)は、370nm±20nmの厚さtを有することができ、層L(Si)は、例えば用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さを有することができる。しかしながら、これらの厚さは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0073】
図5に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、誘電体媒体22は、周囲環境または周囲空気とすることができ、そのとき、誘電体媒体22のnの屈折率の値は、周囲環境または周囲空気の屈折率の値とすることができる。図5の例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、>50dBの消光比(ER)および透過率(T)>97%を有すると推定または決定された。
【0074】
次に図6を参照すると、本開示の原理による別の非限定的な実施形態または例示の光学偏光子アセンブリ2は、例えば、限定ではなく、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物などの導電性材料から全体的に製作された複数の細長い導電性リッジ24を含むことができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性リッジ24にとって望ましい。この例では、複数の導電性リッジ24は、誘電体基板8の表面6に離隔関係で、例えば、限定ではなく、離隔された平行な関係で位置づけされるかまたは配置される。各導電性リッジ24は、基板8の表面6に沿って、すなわち、図6を含むページの中に延びる長さ方向(図2および図4に示された長さ方向10のように、真っすぐなまたは湾曲した)を有することができる。各導電性リッジ24は、基板8の表面6から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面26-1および26-2と、基板8の表面6とは反対側の離隔された側面26-1と離隔された側面26-2との間に延びる上面14とを有することができる。図6の導電性リッジ24は、図2図5に示された導電性コーティング16-1および16-2を含まなくてもよい。
【0075】
一例では、図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2の基板8は、多数の(2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの)層を含むことができる多層基板8とすることができる。一例では、前記多層のうちの少なくとも2つは、異なる屈折率を有することができる異なる材料または化合物から製作することができる。
【0076】
近赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第1の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の4つの層L、L、L、およびLを含むことができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、層Lは、任意の適切なおよび/または望ましい厚さの二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができ、層Lは、厚さt=268nmを有するセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、層Lは、厚さt=251nmを有する二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができ、層L(仮想線で示される)は、厚さt4=231nmを有する硫化亜鉛(ZnS)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0077】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、導電性リッジ24(Alで製作された)の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、nの屈折率を有することができる。一例では、誘電体媒体22は、エポキシまたはSiOとすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。誘電体媒体22の屈折率nの値は、1.54とすることができる。しかしながら、これも限定する意味に解釈されるべきではない。
【0078】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、は、80nmの値を有することができ、hは、490nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示されたこの第1の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように望まれる光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0079】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第1の事例は、消光比(ER)=40dB、透過率(T)=93%、および反射損(R)=0.5%を有すると推定または決定された。
【0080】
中赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第2の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができ、すなわち、層L図6に仮想線で示される)は省略されるかまたは存在しない。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。この第2の事例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さのケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、厚さt=348nmを有する硫化亜鉛(ZnS)の層とすることができ、層Lは、厚さt=203nmを有するフッ化マグネシウム(MgF)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび各層Lを形成する材料または組成が特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0081】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、例えばPtで製作された誘電体リッジ4の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、周囲環境または周囲空気のnの屈折率を有する周囲環境または周囲空気とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0082】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、は、95nmの値を有することができ、hは、510nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示された第2の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬されるように望まれる光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0083】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第2の事例は、消光比(ER)>40dB、透過率(T)>95%、および反射損(R)<2%を有すると推定または決定された。比較すると、多層基板8のない、すなわち、単層基板の光学偏光子アセンブリは、約74%の透過率(T)しか提供することができない。
【0084】
近赤外スペクトル範囲で有用であり得る図6に示された光学偏光子アセンブリ2の第3の事例は、同じまたは異なる材料または化合物の3つの層L、L、およびLを含むことができ、すなわち、層L図6に仮想線で示される)は省略されるかまたは存在しない。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。この第3の事例では、層Lは、例えば、用途によって決定される任意の適切なおよび/または望ましい厚さの溶融石英(FS)の層とすることができ、層Lは、厚さt=273nmおよび2.1の屈折率有する五酸化タンタル(Ta)の層とすることができ、層Lは、厚さt=172nmおよび1.45の屈折率を有する二酸化ケイ素(SiO)の層とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、各層Lの厚さおよび屈折率と、各層Lを形成する材料または組成とが、特定の用途のために選択されてもよいことが想定されるからである。
【0085】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、溝またはトレンチ18の誘電体媒体22と、例えばAlで製作された誘電体リッジ4の上および/またはまわりのスーパーストレート(周囲媒体)とは、周囲環境または周囲空気のnの屈折率を有する周囲環境または周囲空気とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0086】
図6に示された例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例では、Λは、300nmの値を有することができ、は、95nmの値を有することができ、hは、500nmの値を有することができる。しかしながら、これらの値は、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、これらの値のうち1つまたは複数が異なっていてもよく、例えば、これらの値のうちの1つまたは複数が、図6に示された第3の事例の光学偏光子アセンブリ2を通って伝搬される光ビームの波長に基づいて選択されてもよいことが想定されるからである。
【0087】
図6に示し、上述した例示の光学偏光子アセンブリ2のこの第3の事例は、消光比(ER)>50dB、透過率(T)=96%、および0.04%の反射損(R)を有すると推定または決定された。比較すると、多層基板8のない光学偏光子アセンブリは、約74%の透過率(T)しか提供することができない。
【0088】
図7A図7Cを参照すると、各誘電体リッジ4は、図3および図5に示された長方形断面と異なる断面形状を有することができる。例えば、図7Aは、大きい下端部から小さい上面14へと狭くなる、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジの単離した断面図を示す。同様に、図6に示された各導電性リッジ24は、大きい下端部から小さい上面14へと狭くなる離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0089】
別の例では、図7Bは、小さい下端部から大きい上面14へと広くなる、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジの単離した断面図を示す。同様に、図6に示された各導電性リッジ24は、小さい下端部から大きい上面14へと広くなる離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0090】
別の例では、図7Cは、下端部から上面14まで延び、上面14に近接または隣接する丸みのある縁部28-1および28-2を有する導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された平行なまたは実質的に平行な側面12-1および12-2を有する誘電体リッジの単離した断面図を示す。同様に、図6に示される各導電性リッジ24は、下端部から上面14まで延び、上面14に近接または隣接する丸みのある縁部を有する離隔された側面26-1および26-2を有することができる。
【0091】
図7D図7Eを参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示に記載の各誘電体リッジ4は、多数の水平(図7D)または垂直(図7E)誘電体層n3で構成され得る。図7D図7Eに示された例示の誘電体リッジ4は、4つの誘電体層n3-1~n3-4を含む。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図7D図7Eの各々に示された誘電体リッジ4が、任意の数の2つ以上の誘電体層n3を含むことができることが想定されるからである。図7D図7Eに示された例示の誘電体リッジでは、各誘電体層n3-1~n3-4は、任意の他の誘電体層n3-1~n3-4と同じまたは異なる誘電体材料で製作することができる。その上、各誘電体層n3-1~n3-4の厚さ(図7D)または幅(図7E)は、任意の他の誘電体層n3-1~n3-4の厚さまたは幅と同じであっても異なっていてもよい。同じまたは異なる誘電体材料の多数の層、および/または誘電体材料の異なる幅または厚さを有する層で構成される誘電体リッジ4は、誘電体リッジ4による反射損失の低減のために有用であり、例えば、最適化され得る。
【0092】
図8を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する誘電体リッジ4は、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、すなわち、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で、互いに離隔され得る。図8は、異なる距離Λ1、Λ2、およびΛ3によって分離された、導電性コーティング16-1および16-2を含む離隔された側面12-1および12-2を有する4つの誘電体リッジを示す。同様に、離隔された側面26-1および26-2を有する各導電性リッジ24(図6)は、異なる距離または偏光子周期(Λ)で、すなわち、変動しているまたはチャープされた偏光子周期で、互いに離隔され得る。図8において、誘電体媒体22は、固体または気体、例えば、周囲環境または周囲空気とすることができる。
【0093】
図9図11を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による光学偏光子は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた、図2図6および図8に示された光学偏光子2の任意の1つまたは組合せの対を含むことができる。限定ではなく単に例示の目的で、1対の図3または図5の光学偏光子2は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられたものとして説明することができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0094】
図9に示された一例では、光学偏光子2’は、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた1対の図3または図5の光学偏光子2-1および2-2を含む第1の構成を含むことができる。この例では、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の細長い誘電体リッジ4-2と、1対の光学偏光子の下部のもの2-1の細長い誘電体リッジ4-1との間に位置づけされるかまたは配置される。1対の光学偏光子の下部のもの2-1は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2とは反対側の細長い誘電体リッジ4-1の側に誘電体基板8-1の位置を有する。
【0095】
光学偏光子2-1の誘電体基板8-1は、単層基板、例えば層L、または2つ、3つ、4つ、もしくはそれより多くの層、例えば層LおよびLを含む多層基板を含むことができる。さらに、または代替として、光学偏光子2-2の誘電体基板8-2は、単層基板、例えば層L、または2つ、3つ、4つ、もしくはそれより多くの層、例えば層LおよびLを含む多層基板を含むことができる。誘電体基板8-1および8-2の層LおよびもしあればLは、同じまたは異なる材料または化合物とすることができる。
【0096】
光学偏光子2-1は、近接または隣接する誘電体リッジ4-1の間にオプションの誘電体媒体22-1を含むことができる。さらに、または代替として、光学偏光子2-2は、近接または隣接する誘電体リッジ4-2の間にオプションの誘電体媒体22-2を含むことができる。各誘電体媒体22-1および22-2は、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体とすることができる。
【0097】
図9の光学偏光子アセンブリ2の第1の例では、各誘電体基板8-1および8-2は、二酸化ケイ素(SiO)で製作された単層L(すなわち、層Lは存在しない)とすることができ、誘電体基板8-2は、例えば、限定ではなく、約1μmの厚さ31を有することができる。誘電体媒体22-1および22-2は、屈折率n=1.45を有することができる。その上、誘電体媒体22-1および22-2は、オプションとして、誘電体基板8-2とは反対側の誘電体リッジ4-1および4-2の端部と誘電体リッジ4-1および4-2の側壁上の導電性コーティング16-1および16-2の端部とを覆うことができる。光学偏光子2-1および2-2の誘電体リッジ4-1および4-2の側壁上の導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。
【0098】
図9の光学偏光子2’の第2の例は、以下の例外を除いて、すぐ上に記載された第1の例と同じであり得る。この第2の例における例外は、誘電体基板8-1が省略されることであり得る。
【0099】
これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’を、例えば、下から上にまたはその逆に通過する光の透過率Tの変化は、低い反射率のため最小であり得る。しかしながら、これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’を通過する光の消光比(ER)またはコントラストは、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31に依存し得る。一例では、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31の変化は、±12デシベル(dB)のERまたはコントラストの変化をもたらすことがある。
【0100】
より具体的には、図9のこれらの第1および第2の例示の光学偏光子2’において、光学偏光子2-1および2-2は、Δλ=λ/(2nL)の自由スペクトル範囲をもつファブリペローキャビティ/共振器(エタロン)の性質の反射器として機能することができ、ここで、λは、光学偏光子2’を通過する光の波長であり、Lは、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31であり、nは、単層Lの誘電体基板8-2がSiOで製作されている場合、単層Lの誘電体基板8-2の屈折率、例えば、n=1.45である。これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’のERまたはコントラストを改善するために、単層Lの誘電体基板8-2の厚さ31は、波長λの光に対して、キャビティが反共振である、すなわち、キャビティの共振の中間であるように選ぶことができる。この例では、阻止される偏光の透過は、追加として、これらの第1および第2の例示の光学偏光子2’の上部の光学偏光子2-2および下部光学偏光子2-1の抑制を超えて抑制される。ERまたはコントラストは、キャビティの自由スペクトル範囲の20~30%であり得る波長範囲にわたって許容可能な均一性で維持されることになる。
【0101】
一例では、図9に示された光学偏光子2-1および2-2の一方または両方は、導電性リッジおよび多層基板を有する図6に示された光学偏光子と置き換えられてもよい。
【0102】
図10に示される別の例では、光学偏光子2’’は、1対の光学偏光子2-1および2-2の細長い誘電体リッジ4-1および4-2が交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された状態で、上下に積み重ねられたまたは順に積み重ねられた1対の図3または図5の光学偏光子2-1および2-2を含む第2の構成を含むことができる。一例では、各光学偏光子2-1および2-2は、その各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことができ、そのとき、細長い誘電体リッジ4-1および4-2が交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された状態で、光学偏光子2-1および2-2が積み重ねられる場合、直接に近接または隣接するリッジ4-1および4-2の導電性コーティング16は、図10に示されるように、間隙または空間29によって分離され得る。その上、光学偏光子のうちの一方、例えば光学偏光子2-1の各誘電体リッジ4の側面上の導電性コーティング16-1および16-2は省略されてもよく、そのとき、他方の光学偏光子、例えば、光学偏光子2-2の各誘電体リッジ4の側面上の導電性コーティング16-1および16-2は、光学偏光子2-1および2-2の交互配置または交互嵌合された誘電体リッジ4-1と4-2との間に位置づけされるかまたは配置され得ることが想定される。
【0103】
図11に示される別の例示の光学偏光子2’’’は、以下の例外を除いて、図9に示された光学偏光子2’の第1の構成と同様である。例外は、1対の光学偏光子の上部のもの2-2の誘電体基板8-2が、1対の光学偏光子の下部のもの2-1の誘電体基板8-1と比較して減少した厚さを有することができることである。誘電体基板8-2は、単層基板または多層基板とすることができる。誘電体基板8-1は、単層基板または多層基板とすることができる。一例では、誘電体基板8-は多層基板とすることができ、誘電体基板8-1は、単層基板とすることができる。
【0104】
図9図11に示された例示の光学偏光子2’、2’’、および2’’’において、誘電体リッジ4-1および4-2は、同じまたは異なる、デューティサイクル、溝またはトレンチ18の深さ、および/または導電性コーティング16-1および16-2の厚さを有することができる。
【0105】
図12および図13を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による別の例示の光学偏光子2は、(1)誘電体基板8と複数の誘電体リッジ4との間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップ32の層30(図12)、または(2)複数の誘電体リッジ4の上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップ32の層30(図13)を含むことができる。各誘電体リッジ4は、離隔された側面12-1および12-2上に導電性コーティング16-1および16-2を含むことができる。これらの例では、導電性ストリップ32の各層30は、導電性ストリップ32を支持する誘電体材料34を含むことができる。一例では、導電性ストリップ32は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で形成することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性ストリップ32にとって望ましい。
【0106】
導電性ストリップ32の長さ方向は、誘電体リッジ4の長さ方向と平行に、すなわち、図12および図13のページの中に進むかまたは延びることができる。各導電性ストリップ32の幅wは、各誘電体リッジ4の幅W未満とすることができる。誘電体媒体22(例えば、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体)は、誘電体リッジ4を囲み、近接または隣接するリッジ4間の溝またはトレンチ18を満たすことができる。図13の例は、誘電体媒体22によってリッジ4の上面14から離隔された導電性ストリップ32の層30を示す。この例では、誘電体媒体22は、例えば、エポキシまたはSiOなどの固体とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図13における導電性ストリップ32の層30が、誘電体リッジ4の上面14と直接接触して配置されるかもしくは位置づけられてもよく、誘電体媒体22が、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体であってもよいことが想定されるからである。
【0107】
図12および図13における各誘電体基板8は、単層誘電体基板8、または2つ、3つ、もしくはより多くの層を含む多層誘電体基板8とすることができる。一例では、図12および13における誘電体基板8は、図の下から上に、層L、L、およびLを含む多層誘電体基板8とすることができる。一例では、層Lは、ケイ素(Si)の層とすることができ、層Lは、ケイ素(Si)の層Lと複数の細長い誘電体リッジ4との間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層とすることができ、セレン化亜鉛(ZnSe)の層Lと複数の細長い誘電体リッジ4との間のフッ化マグネシウム(MgF)の層Lがある。
【0108】
図14を参照し、図13を引き続き参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による別の例示の光学偏光子2は、図14にコピーまたは再現されている図13の例示の光学偏光子2の導電性ストリップ32の層30の上に位置づけられた、導電性コーティング16-1’および16-2’を含む複数の誘電体リッジ4’を含むことができる。一例では、導電性コーティング16-1’および16-2’は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1’および16-2’にとって望ましい。図13に示された光学偏光子2の上述の説明が、図14に再現されている図13の光学偏光子2のコピーにも当てはまるので、図14に再現されている図13の光学偏光子2のコピーに関する詳細は、不必要な冗長を避けるために、図14に関しては説明されない。
【0109】
誘電体リッジ4’の上には、導電性ストリップ32’の層30’が位置づけられる。この層30’は、導電性ストリップ32’を支持する誘電体材料34’を含むことができる。導電性ストリップ32’の長さ方向は、誘電体リッジ4’の長さ方向と平行に、すなわち、図14のページの中に進むかまたは延びることができる。各導電性ストリップ32’の幅w’は、各誘電体リッジ4’の幅W’未満とすることができる。一例では、導電ストリップ32’は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性ストリップ32’にとって望ましい。
【0110】
誘電体媒体22’(例えば、例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体)は、誘電体リッジ4’を囲み、近接または隣接する誘電体リッジ4’間の溝またはトレンチ18’を満たすことができる図14の例は、誘電体リッジ4’の上面14’から離隔された導電性ストリップ32’の層30’を示す。この例では、誘電体媒体22’は、例えば、エポキシまたはSiOなどの固体とすることができる。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図14における導電性ストリップ32’の層30’が、誘電体リッジ4’の上面14’と直接接触して配置されるかもしくは位置づけられてもよく、そのとき、残りの誘電体媒体22’が、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体であってもよいことが想定されるからである。
【0111】
さらに、図14は、一例では、例えばエポキシまたはSiOなどの固体とすることができる誘電体媒体22’によって層30の上面から離隔されたリッジ4’の底面15’を示しているが、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、リッジ4’の底面15’が層30の上面と直接接触して配置されるかまたは位置づけられてもよく、そのとき、残りの誘電体媒体22’は、省略されてもよく、あるいは例えばエポキシもしくはSiOなどの固体、または例えば周囲空気もしくは周囲環境などの気体とすることができるからである。
【0112】
導電性コーティング16-1’および16-2’を含む誘電体リッジ4’は、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4に対して垂直に位置合せされてもよく(図14に示されるように)、または水平にオフセットされてもよい。層30’の導電性ストリップ32’は、層30の導電性ストリップ32に対して垂直に位置合せされてもよく、または(図14に示されるように)水平にオフセットされてもよい。
【0113】
一例では、図14において、同じように番号づけされた要素(「’」の有無にかかわらず、例えば4および4’)を形成する材料は同じであってもよい。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、図14において、同じように番号づけされた要素の以下のセット(例えば対)(「’」の有無にかかわらず、例えば4および4’)を形成する材料、すなわち、誘電体媒体22および22’、誘電体リッジ4および4’、導電性ストリップ32および32’、誘電体媒体34および34’、誘電体媒体22、22’、34、および34’、導電性コーティング16-1および16-2、導電性コーティング16-1’および16-2’、および導電性コーティング16-1、16-1’、16-2、および16-2’の各々を形成する材料は、同じであっても異なっていてもよいことが想定されるからである。
【0114】
図15を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光学偏光子2は、図2図5および図7A図8の導電性コーティング16-1および16-2を含む複数の細長い(真っすぐなまたは湾曲した)誘電体リッジ4、または図6の導電性リッジ24を完全に囲む、誘電体リッジ4を欠いているフレーム36(基板の一部である)を含むかまたは画定する基板8を含むことができる。基板と、導電性コーティング16-1および16-2を含む誘電体リッジ4、または導電性リッジ24の上に配置されたパッシベーション層38と組み合わせたフレーム36は、特に、図2図5および図7A図8の誘電体リッジ4上の導電性コーティング16-1および16-2、または図6の導電性リッジ24の端部40-1および40-2における腐食を避ける。
【0115】
図16図18を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光学偏光子2は、各誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)に、または各導電性リッジ24(図6)に、1つまたは複数の中断部または間隙42を含むことができる。各誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)の各中断部または間隙42は、前記中断部または間隙42の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティング16-1および16-2を電気的に切り離し、それによって、中断部または間隙42の一方の側の導電性コーティング16-1および/または16-2から中断部または間隙42の他方の側の導電性コーティング16-1および/または16-2への腐食の伝播が避けられる。同様に、各導電性リッジ24(図6)の各中断部または間隙42は、中断部または間隙の42の一方の側の導電性リッジ24のセクションから中断部または間隙42の他方の側の導電性リッジ24のセクションへの腐食の伝播が避けられる。
【0116】
図15図18では、誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションの側面上の導電性コーティング16-1および16-2は、簡単にするために省略されている。しかしながら、次に説明する例外を除いて、本明細書に記載の各誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションは、例えば図2図5および図7A図8に示されたように、その側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことを理解されたい。
【0117】
図15に示される例外は、各誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションが連続的であり得るが、その側面上の導電性コーティング16-1および16-2が1つまたは複数の中断部または間隙を含むことができることである。これは、図15において、側面に導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aを含むただ1つの例示的な誘電体リッジ4Aに対して示されており、導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aの各々は1つまたは複数の中断部または間隙46を含む。導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aにおける1つまたは複数の中断部または間隙46が、図15ではただ1つの例示的な誘電体リッジ4Aに関して示されているが、図15図18の任意のものに示された任意の数の誘電体リッジ4または誘電体リッジ4のセクションが、導電性コーティングに1つまたは複数の中断部または間隙46を含むことができることを理解されたい。一例では、導電性コーティング16-1Aおよび16ー2Aは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーション、または任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1Aおよび16-2Aにとって望ましい。
【0118】
図16および図17を参照すると、いくつかの例では、隣接または近接する誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)、あるいは隣接または近接する導電性リッジ24(図6)における中断部または間隙42は、互いに平行に進むことができ、複数のリッジ4/24の長さ方向に対して横切って(図16)または垂直に(図17)進むことができる中断部または間隙42の1つまたは複数のライン44を形成することができる。
【0119】
図18に示される別の例では、隣接または近接する誘電体リッジ4ならびにその側面上の導電性コーティング16-1および16-2(図2図5および図7A図8)の中断部または間隙42、あるいは隣接または近接する導電性リッジ24(図6)の中断部または間隙42は、ランダムまたはオフセットパターンで配列され得る。
【0120】
図19図21を参照し、図2図5および図7A図8を引き続き参照すると、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、第1の偏光軸54(例えば、0°)を有し、光信号源からの光信号56を直接受け取り、光信号の少なくとも一部60を出力するための偏光子52と、偏光子52によって出力された光信号出力の少なくとも一部60を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号62として出力するためのファラデー回転子58と、第2の偏光軸66(例えば、45°)を有し、回転子出力光信号62を直接受け取り、その少なくとも一部68を出力するための、時には検光子64と呼ばれる、第2の偏光子とを含むことができる。偏光子52および検光子64は、対向した(opposed)、対向する(opposing)、または反対側の(opposite)ファラデー回転子58に結合される一例では、ファラデー回転子は、例えば、限定ではなく、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットとすることができる。当技術分野で知られているように、ファラデー回転子58は、外部印加磁場(図示せず)の存在下で機能することができ、またはファラデー回転子58は、「自己ラッチング」タイプとすることができる。
【0121】
偏光子52は、図2図5および図7A図8の任意のものに示された光学偏光子2のうちの1つを含むか、またはそれから形成され得る。検光子64は、図2図5および図7A図8の任意のものに示された光学偏光子2のうちの1つを含むか、またはそれから形成され得る。偏光子52を構成または形成する光学偏光子2は、検光子64を構成または形成する光学偏光子2と同じであっても異なっていてもよい。その上、いくつかの非限定的な実施形態または例では、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、単一の偏光子、例えば偏光子52のみ、または1対の偏光子、例えば偏光子52および検光子64を含むことができる。
【0122】
図19に示された例示の光アイソレータ50において、偏光子52を構成する光学偏光子2は、誘電体基板8(図19に仮想線で示される)が、ファラデー回転子58とは反対側の細長い誘電体リッジ4の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面の一方(例えば、下部の表面)に直接結合された(例えば、例えば屈折率整合エポキシなどの接着剤70を介して)複数の離隔された細長い誘電体リッジ4の上面14を含むことができる。その上、検光子64を含む光学偏光子2は、誘電体基板8(図19に同様に仮想線で示される)が、ファラデー回転子58とは反対側の細長い誘電体リッジ4の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面の他方(例えば、上部の表面)に直接結合された(例えば、例えば屈折率整合エポキシなどの接着剤70を介して)複数の離隔された細長い誘電体リッジ4の上面14を含むことができる。偏光子52および検光子64を構成する光学偏光子2は、各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むことを理解されたい。一例では、導電性コーティング16-1および16-2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションまたは任意の他の適切なおよび/または望ましい導電性材料もしくは化合物で製作することができる。一例では、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションは、それらの低い酸化作用のために、導電性コーティング16-1および16-2にとって望ましい。
【0123】
偏光子52と検光子64を構成する光学偏光子2の誘電体リッジ4の上面14がファラデー回転子58の対向表面に結合された後、誘電体基板8は、例えば、等方性ウエットエッチング、レーザアブレーションを介して、またはバックグラインディングとその後に続く化学機械研磨を介して除去され得る。
【0124】
図20を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例において、本開示の原理による例示の光アイソレータ50は、以下の例外を除いて、図19に示された光アイソレータ50と同じであり得る。図20に示された例示の光アイソレータ50では、検光子64の基板8は保持され(除去されず)、波長板72が、ファラデー回転子58とは反対側の検光子64の基板8の側に結合される。一例では、波長板72は、半波長(λ/2)板とすることができ、および/または波長板72は、第2の偏光軸66の偏光方向に対して22.5°に方向づけられた速軸74を有することができる。一例では、図20の光アイソレータ50を出る光信号68は、偏光子52によってファラデー回転子58に出力される光信号の少なくとも一部60の偏光方向と同じ偏光方向76を有することができる。
【0125】
図21を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または例において、本開示の原理による別の光アイソレータ50は、偏光子52、ファラデー回転子58、および検光子64を含む(図21の下から上に)ことができる。図21において、偏光子52および検光子64の各々は、厳密に言えば説明のために、図5に示された光学偏光子2で構成されるとして示される。しかしながら、これは、限定する意味に解釈されるべきではなく、その理由は、偏光子52は、図2図5および図7A図8に示された光学偏光子2の任意のものを含むことができ、および/または検光子64は、図2図5および図7A図8に示された光学偏光子2の任意のものを含むことができることが想定されるからである。
【0126】
この例では、偏光軸54(例えば、0°)を有する偏光子52および異なる偏光軸78(例えば、45°)を有する検光子64を構成する光学偏光子2の基板8は、側面に導電性コーティング16-1および16-2を含むそれぞれの誘電体リッジ4がファラデー回転子58とは反対側の基板8の側に配置されるかまたは位置づけられる状態で、ファラデー回転子58の対向表面に直接結合される(接着剤を介して)かまたは置かれ得る。
【0127】
図19図21に示された例示の光アイソレータ50では、各基板8は、1つまたは複数の層Lを含むことができる。各基板8の層Lのうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)を含むことができる。その上、図19図21における誘電体リッジ4および/または導電性コーティング16-1および16-2の向きは、厳密に言えば説明のために示されており、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0128】
図19図21に示された例示の光アイソレータ50は、オプションとして、少なくとも、各誘電体リッジ4の側面に導電性コーティング16-1および16-2を含む近接または隣接する誘電体リッジ4間に誘電体媒体22を含むことができる。
【0129】
図19図21を継続して参照し、図2図5および図7A図8を引き続き参照すると、本開示の原理に従って光アイソレータ50を形成する方法は、(a)各々が誘電体基板8と、誘電体基板8の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジ4とを含む偏光子52および検光子64とを用意するステップであり、各誘電体リッジ4が、誘電体基板8の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジ4が、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面12-1および12-2と、誘電体基板8の表面から離隔され、誘電体基板8の表面とは反対側の離隔された側面12-1と側面12-2との間に延びる上面14と、各誘電体リッジ4の各側面12-1および12-2上の導電性コーティング16-1および16-2とを含む、用意するステップと、(b)偏光子52の誘電体リッジ4をファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子64の誘電体リッジ4をファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップとを含むことができる。
【0130】
この方法には、(1)ステップ(b)は、偏光子52の誘電体基板8がファラデー回転子58の1つの表面から離隔された状態で、偏光子52の誘電体リッジ4の上面14をファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップ、および偏光子52の誘電体基板8の少なくとも一部を除去するステップを含むことができること、および/または(2)ステップ(c)は、検光子64の誘電体基板8がファラデー回転子58の対向表面から離隔された状態で、検光子64の誘電体リッジ4の上面14をファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップ、および検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップを含むことができることのうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0131】
この方法は、波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板8の残りの部分を介して、検光子64の誘電体リッジ4に結合させるステップを含むことができる。波長板は、半波長(λ/2)板とすることができ、および/または波長板は、検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有することができる。
【0132】
この方法は、(1)ステップ(b)が、偏光子52の誘電体リッジ4を、偏光子52の誘電体基板8を介して、ファラデー回転子58の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子64の誘電体リッジ4を、検光子の誘電体基板8を介して、ファラデー回転子58の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0133】
この方法は、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットであるファラデー回転子58を含むことができる。
【0134】
この方法は、ステップ(b)の結合させることが、第1の接着剤を介してまたは第1の基板を介するものであり得ること、およびステップ(c)の結合させることが、第2の接着剤を介してまたは第2の基板を介するものであり得ることのうちの少なくとも1つを含むことができ、第1および第2の接着剤は、同じであっても異なっていてもよい。
【0135】
この方法は、第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが屈折率整合エポキシであることを含むことができる。
【0136】
この方法は、第1および第2の誘電体基板8のうちの少なくとも1つが1つまたは複数の層で構成されることを含むことができる。誘電体基板8の1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つは、二酸化ケイ素(SiO)を含むことができる。
【0137】
他の非限定的な例または態様が、以下の例証的および例示的な番号づけされた条項に記載される。
【0138】
条項1:
誘電体基板と、基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の細長い誘電体リッジとを含む光学偏光子。
【0139】
条項2:
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含む、条項1に記載の光学偏光子。
【0140】
条項3:
各誘電体リッジが、四角形または長方形の断面を有する、条項1または2に記載の光学偏光子。
【0141】
条項4:
誘電体基板が、nの屈折率を有し、誘電体リッジが、nの屈折率を有し、n=nまたはn≠nである、条項1~3のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0142】
条項5:
隣接または近接する対の誘電体リッジの対面する側面上の導電性コーティングの間に溝またはトレンチをさらに含み、少なくとも各溝またはトレンチ内にnの屈折率を有する誘電体がある、条項1~4のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0143】
条項6:
=n=nであるか、またはn、n、およびnのうちの少なくとも1つの屈折率が異なる、条項1~5のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0144】
条項7:
誘電体基板および誘電体リッジが、SiOで形成される、条項1~6のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0145】
条項8:
誘電体基板、誘電体リッジ、および少なくとも各溝またはトレンチ内の誘電体がすべてSiOで形成される、条項1~7のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0146】
条項9:
少なくとも各溝またはトレンチ内の誘電体が、複数の細長い誘電体リッジの上面をさらに覆う、条項1~8のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0147】
条項10:
誘電体基板が、多層誘電体基板である、条項1~9のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0148】
条項11:
多層誘電体基板が、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の誘電体リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の誘電体リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項1~10のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0149】
条項12:
各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む複数の誘電体リッジ間の間隔が、一定、または不定/チャープのうちの1つである、条項1~11のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0150】
条項13:
誘電体リッジの長さ方向と平行に誘電体基板と複数の誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層、または誘電体リッジの長さ方向と平行に複数の誘電体リッジの上に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの層のうちの少なくとも1つをさらに含む、条項1~12のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0151】
条項14:
各導電性ストリップの幅が、各誘電体リッジの幅より小さい、条項1~13のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0152】
条項15:
複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された1対の導電性ストリップの層と、第2の複数の細長い誘電体リッジの各誘電体リッジの各側面に、1対の導電性ストリップの層の間に位置づけされたかまたは配置された導電性コーティングを含む第2の複数の細長い誘電体リッジとをさらに含む、条項1~14のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0153】
条項16:
以下のこと、すなわち、第2の複数の誘電体リッジの誘電体リッジが、誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された誘電体リッジとオフセットされてまたは整列せずに位置づけされるかまたは配置されること、および誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の誘電体リッジの上面の上に上下に位置づけされたかまたは配置された導電性ストリップの1対の層の導電性ストリップが、互いにオフセットされてまたは整列せずに位置づけされるかまたは配置されることのうちの少なくとも1つである、条項1~15のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0154】
条項17:
各導電性ストリップの幅が、各誘電体リッジの幅より小さい、条項1~16のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0155】
条項18:
各細長い誘電体リッジと、前記誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングに、1つまたは複数の中断部または間隙をさらに含み、1つまたは複数の中断部または間隙が、前記中断部または間隙の両側の前記細長い誘電体リッジのセクションの導電性コーティングを電気的に切り離す、条項1~17のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0156】
条項19:
隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、複数の誘電体リッジおよび各誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの長さ方向に対して垂直に延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、複数の誘電体リッジおよび各誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの長さ方向を横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する誘電体リッジおよび前記誘電体リッジの側面上の導電性コーティングの中断部または間隙が、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられることのうちの少なくとも1つである、条項1~18のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0157】
条項20:
多層誘電体基板と、多層誘電体基板の表面に離隔関係で位置づけされたかまたは配置された複数の細長い導電性リッジとを含む光学偏光子。一例では、複数の細長い導電性リッジは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0158】
条項21:
多層誘電体基板が、ケイ素(Si)の層と、ケイ素(Si)の層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0159】
条項22:
多層誘電体基板が、溶融石英(FS)の層と、溶融石英(FS)の層と複数の導電性リッジとの間の五酸化タンタル(Ta)の層と、五酸化タンタル(Ta)の層と複数の導電性リッジとの間のフッ化マグネシウム(MgF)の層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0160】
条項23:
多層誘電体基板が、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と、二酸化ケイ素(SiO)の下部層と複数の導電性リッジとの間のセレン化亜鉛(ZnSe)の層と、セレン化亜鉛(ZnSe)の層と複数の導電性リッジとの間の二酸化ケイ素(SiO)の中間層と、二酸化ケイ素(SiO)の中間層と複数の導電性リッジとの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層とを含む、条項20に記載の光学偏光子。
【0161】
条項24:
少なくとも複数の導電性リッジの間の硫化亜鉛(ZnS)の上部層に位置づけされたかまたは配置された誘電体材料をさらに含む、条項23に記載の光学偏光子。
【0162】
条項25:
誘電体材料が、エポキシまたはSiOである、条項24に記載の光学偏光子。
【0163】
条項26:
誘電体材料が、1.54の屈折率(n)を有する、条項24または25に記載の光学偏光子。
【0164】
条項27:
各導電性リッジに1つまたは複数の中断部または間隙をさらに含み、1つまたは複数の中断部または間隙が、各中断部または間隙の両側の細長い導電性リッジのセクションを電気的に分離する、条項20~26のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0165】
条項28:
隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、複数の導電性リッジに対して垂直に延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、複数の細長い導電性リッジを横切って延びる中断部または間隙の1つまたは複数のラインを形成すること、あるいは隣接または近接する導電性リッジの中断部または間隙が、ランダムまたはオフセットパターンで配置されるかまたは位置づけられることのうちの少なくとも1つである、条項20~27のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0166】
条項29:
1対の条項1~19のいずれか一項に記載の光学偏光子を上下に積み重ねて含む光学偏光子であって、(a)1対の光学偏光子の上部または上方のものの誘電体基板が、1対の光学偏光子の上部または上方のものの誘電体リッジと、1対の光学偏光子の上部のものの誘電体基板とは反対側の誘電体リッジの側に位置づけられた誘電体基板を有する1対の光学偏光子の下部のものの誘電体リッジとの間に位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第1の構成、または(b)1対の光学偏光子の誘電体リッジが交互配置または交互嵌合の方法で位置づけされたかまたは配置された光学偏光子の第2の構成のうちの1つを含む、光学偏光子。
【0167】
条項30:
誘電体基板のうちの少なくとも1つが、多層誘電体基板である、条項29に記載の光学偏光子。
【0168】
条項31:
光学偏光子の第1の構成において、1対の光学偏光子の上部のものの基板が、1対の光学偏光子の下部のものの基板と比較して減少した厚さを有する、条項29または30に記載の光学偏光子。
【0169】
条項32:
1対の光学偏光子の下部のものの基板が多層基板であり、1対の光学偏光子の上部のものの基板が単層基板である、条項29~31のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0170】
条項33:
基板が、複数の細長い誘電体リッジを完全に囲むフレームの形態を有する、条項1~32のいずれか一項に記載の光学偏光子。
【0171】
条項34:
第1の偏光軸を有し、光信号源からの光信号を直接受け取り、光信号の少なくとも一部を出力するための偏光子と、偏光子によって出力された光信号の少なくとも一部を直接受け取り、その偏光を回転させ、その少なくとも一部を回転子出力光信号として出力するためのファラデー回転子と、第2の偏光軸を有し、回転子出力光信号を直接受け取り、その少なくとも一部を出力するための検光子とを含む光アイソレータであって、偏光子および検光子が、ファラデー回転子の対向表面に結合され、偏光子および検光子の各々が、ファラデー回転子の表面のうちの1つに結合される複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の1つの表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、および離隔された側面の間に延び、ファラデー回転子の1つの表面に直接結合される上面を含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光アイソレータ。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0172】
条項35:
偏光子および検光子のうちの少なくとも1つの複数の離隔された細長い誘電体リッジが、接着剤を介してまたは基板を介してファラデー回転子の1つの表面に結合される、条項34に記載の光アイソレータ。
【0173】
条項36:
ファラデー回転子が、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットである、条項34または35に記載の光アイソレータ。
【0174】
条項37:
接着剤が、屈折率整合エポキシである、条項34~36のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0175】
条項38:
検光子の誘電体リッジの上面に結合された波長板をさらに含む、条項34~37のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0176】
条項39:
波長板が、半波長(λ/2)板である、条項34~38のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0177】
条項40:
波長板が、第2の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、条項34~39のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0178】
条項41:
基板が、1つまたは複数の層を含む、条項34~40のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0179】
条項42:
1つまたは複数の層が、二酸化ケイ素(SiO)を含む、条項34~41のいずれか一項に記載の光アイソレータ。
【0180】
条項43:
光アイソレータを形成する方法であって、(a)各々が、誘電体基板と、誘電体基板の表面に位置づけされたかまたは配置された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面に沿って延びる長さ方向[湾曲したまたは真っすぐな]を有し、各誘電体リッジが、誘電体基板の表面から離れて、例えば、それを横切ってまたはそれに垂直に延びる1対の離隔された側面、誘電体基板の表面から離隔され、誘電体基板の表面とは反対側の離隔された側面の間に延びる上面、および各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジとを含む、偏光子および検光子を用意するステップと、(b)偏光子の誘電体リッジをファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップと、(c)検光子の誘電体リッジをファラデー回転子の対向表面に結合させるステップとを含む、方法。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0181】
条項44:
(1)ステップ(b)は、偏光子の誘電体基板がファラデー回転子の1つの表面から離隔された状態で、偏光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含み、この方法は、偏光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含むこと、および/または(2)ステップ(c)は、検光子の誘電体基板がファラデー回転子の対向表面から離隔された状態で、検光子の誘電体リッジの上面をファラデー回転子の対向表面に結合させるステップと、検光子の誘電体基板の少なくとも一部を除去するステップとを含むことのうちの少なくとも1つを含む、条項43に記載の方法。
【0182】
条項45:
波長板を、ステップ(2)において除去された検光子の誘電体基板の残りの部分を介して、検光子の誘電体リッジに結合させるステップをさらに含む、条項43または44に記載の方法。
【0183】
条項46:
(1)ステップ(b)が、偏光子の誘電体リッジを、偏光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の1つの表面に結合させるステップを含むこと、および/または(2)ステップ(c)が、検光子の誘電体リッジを、検光子の誘電体基板を介して、ファラデー回転子の対向表面に結合させるステップを含むことのうちの少なくとも1つを含む、条項43~45のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
条項47:
波長板が、半波長(λ/2)板である、条項43~46のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
条項48:
波長板が、検光子の偏光軸に対して22.5°に方向づけられた速軸を有する、条項43~47のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
条項49:
ファラデー回転子が、例えば、限定ではなく、ビスマス鉄ガーネット、テルビウムガリウムガーネット、またはイットリウム鉄ガーネットなどのガーネットである、条項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
条項50:
ステップ(b)の結合させることが、第1の接着剤を介するかまたは第1の基板を介するものであること、およびステップ(c)の結合させることが、第2の接着剤を介するかまたは第2の基板を介するものであることのうちの少なくとも1つであり、第1および第2の接着剤が、同じであるか、または異なる、条項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
条項51:
第1および第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、屈折率整合エポキシである、条項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
条項52:
第1および第2の誘電体基板のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の層を含む、条項43~51のいずれか一項に記載の方法。
【0190】
条項53:
1つまたは複数の層のうちの少なくとも1つが、二酸化ケイ素(SiO)を含む、条項43~52のいずれか一項に記載の方法。
【0191】
条項54:
ファラデー回転子と、ファラデー回転子の表面に結合された光学偏光子であって、光学偏光子が、ファラデー回転子の表面に結合された複数の離隔された細長い誘電体リッジであり、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面に沿って延びる長さ方向を有し、各誘電体リッジが、ファラデー回転子の表面から離れて延びる1対の離隔された側面と、離隔された側面の間に延び、ファラデー回転子の1つの表面に直接結合される上面とを含み、各誘電体リッジが、誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングを含む、複数の離隔された細長い誘電体リッジを含む、光学偏光子とを含む光アイソレータ。一例では、各誘電体リッジの各側面上の導電性コーティングが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの合金もしくはアマルガメーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0192】
条項55:
ファラデー回転子の対向表面に結合された別の光学偏光子をさらに含む、条項54に記載の光アイソレータ。
【0193】
本開示が、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて、例示の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は、単にその目的のためのものであること、および本開示が、開示された実施形態に限定されるのではなく、それどころか、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある変更形態および等価構成を包含するように意図されていることを理解されたい。例えば、本開示は、可能な限り、任意の実施形態の1つまたは複数の特徴を、任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができることを意図していることを理解されたい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【外国語明細書】