(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156607
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】パッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20241029BHJP
H01L 33/62 20100101ALN20241029BHJP
【FI】
H01L23/50 A
H01L33/62
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024035443
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】112115178
(32)【優先日】2023-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519459894
【氏名又は名称】健策精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】虞 晉瑞
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジェンドン
(72)【発明者】
【氏名】楊 胤賢
(72)【発明者】
【氏名】張 建財
【テーマコード(参考)】
5F067
5F142
【Fターム(参考)】
5F067AA04
5F067DA17
5F067DC11
5F142AA58
5F142CC14
5F142CC26
5F142FA01
(57)【要約】
【課題】パッケージ構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】リードフレームを提供するステップと、リードフレームの上面に第1マスク層、リードフレームの下面に第2マスク層を形成して、第1マスク層、リードフレームと第2マスク層が共に積層構造となるようにするステップと、積層構造に対してパターニングプロセスを行って、積層構造に少なくとも1つの貫通孔を穿設させるステップと、貫通孔内に対してサンドブラストプロセスを行い、かつ貫通孔内に粗い構造面を形成するステップと、積層構造をサンドブラストした後、第1マスク層及び第2マスク層を除去して、リードフレームの上面及び下面を露出させるステップと、を備えるパッケージ構造の製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームを提供するステップと、
前記リードフレームの上面に第1マスク層、前記リードフレームの下面に第2マスク層を形成して、前記第1マスク層、前記リードフレームと前記第2マスク層が共に積層構造となるようにするステップと、
前記積層構造に対してパターニングプロセスを行って、前記積層構造に少なくとも1つの貫通孔を穿設させるステップと、
前記貫通孔内に対してサンドブラストプロセスを行い、かつ前記貫通孔内に粗い構造面を形成するステップと、
前記積層構造をサンドブラストした後、前記第1マスク層及び前記第2マスク層を除去して、前記リードフレームの前記上面及び前記下面を露出させるステップと、
を備えるパッケージ構造の製造方法。
【請求項2】
前記貫通孔内に対してサンドブラストプロセスを行うステップは、
前記積層構造を乾式ブラスターの処理範囲に移動させるステップと、
前記乾式ブラスターが前記積層構造の前記第1マスク層及び前記貫通孔に複数の砥粒を噴出し、前記第1マスク層及び前記貫通孔の内壁に衝突させて、前記粗い構造面を形成するようにするステップと、
前記積層構造に乾燥空気を噴出し、かつ前記積層構造の前記第1マスク層及び前記貫通孔内の前記砥粒を除去するステップと、
を更に含む請求項1に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項3】
前記乾式ブラスターのノズルヘッドの振動周波数は5ヘルツ~100ヘルツであり、及び前記乾式ブラスターのサンドブラスト圧力は0.005メガパスカル(Mpa)~0.5メガパスカル(Mpa)である請求項2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項4】
前記砥粒は、アルミナ、シリカ、酸化チタン及びステンレス鋼のうちの1つを含む請求項2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項5】
前記貫通孔に前記砥粒を噴出する前に、
前記積層構造の前記貫通孔の座標を検出するステップと、
前記貫通孔の前記座標に基づいて、前記乾式ブラスターのノズルヘッドを前記積層構造の前記貫通孔に直線的に位置合わせさせるステップと、
を更に含む請求項2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項6】
前記粗い構造面の粗さは0.2マイクロメートル~10マイクロメートルである請求項1又は2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
前記パターニングプロセスは、
前記積層構造の局所領域をエッチングして、前記貫通孔が前記第1マスク層、前記リードフレーム及び前記第2マスク層を貫通するようにするステップを更に含む請求項1又は2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記第1マスク層及び前記第2マスク層を除去した後、前記リードフレームをプレス成形して、高分子材料を前記リードフレームの前記上面に付着させかつ前記貫通孔内に充填させ、硬化した後に前記貫通孔内の前記粗い構造面と固結させるステップを更に備える請求項1又は2に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
前記第1マスク層及び前記第2マスク層を除去するステップと前記リードフレームをプレス成形するステップとの間に、
前記リードフレームに対してプレめっき工程を行うステップを更に含む請求項8に記載のパッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
それぞれ平滑面である対向する2つの表面を含むリードフレームと、
前記リードフレームに穿設され、かつ前記表面に接続され、内壁には粗い構造面がある少なくとも1つの貫通孔と、
前記リードフレームに位置し、かつ前記貫通孔内の前記粗い構造面に固接されるパッケージと、
を備えるパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、発光ダイオード装置の製造プロセスでは、発光チップがリードフレームに置かれると、パッケージ材(例えばエポキシ樹脂)をリードフレームの発光チップが置かれる領域に注入することで、硬化後のパッケージ材がリードフレームに安定して付着し、かつ発光チップを効果的に被覆することができる。
【0003】
しかしながら、硬化していないパッケージ材がリードフレームの細い隙間から侵入してリードフレームの反対側に急速に溢れてしまうことが多いため、パッケージ材がリードフレームに安定して付着することができず、パッケージ信頼性が低くなる。
【0004】
このことから、上記技術には明らかに不便及び欠陥がまだ存在し、更に改良する余裕があることが分かる。従って、どのように上記不便及び欠陥を効果的に解決できるかは、現在の重要な研究開発課題の1つであり、現在の関連分野で早急に改善が必要な目標ともなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術に言及された課題を解決するためのパッケージ構造及びその製造方法を提供することである。
【0006】
本発明の一実施例によれば、パッケージ構造の製造方法は、リードフレームを提供するステップと、リードフレームの上面に第1マスク層、リードフレームの下面に第2マスク層を形成して、第1マスク層、リードフレームと第2マスク層が共に積層構造となるようにするステップと、積層構造に対してパターニングプロセスを行って、積層構造に少なくとも1つの貫通孔を穿設させるステップと、貫通孔内に対してサンドブラストプロセスを行い、かつ貫通孔内に粗い構造面を形成するステップと、積層構造をサンドブラストした後、第1マスク層及び第2マスク層を除去して、リードフレームの上面及び下面を露出させるステップと、を備える。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、貫通孔内に対してサンドブラストプロセスを行うステップは、積層構造を乾式ブラスターの処理範囲に移動させるステップと、乾式ブラスターが積層構造の第1マスク層及び貫通孔に複数の砥粒を噴出し、第1マスク層及び貫通孔の内壁に衝突させて、前記粗い構造面を形成するようにするステップと、積層構造に乾燥空気を噴出し、かつ積層構造の第1マスク層及び貫通孔内の砥粒を除去するステップと、を更に含む。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、乾式ブラスターのノズルヘッドの振動周波数は5ヘルツ~100ヘルツであり、及び乾式ブラスターのサンドブラスト圧力は0.005メガパスカル~0.5メガパスカルである。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、前記砥粒は、アルミナ、シリカ、酸化チタン及びステンレス鋼のうちの1つを含む。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、貫通孔に砥粒を噴出する前に、積層構造の貫通孔の座標を検出するステップと、貫通孔の座標に基づいて、乾式ブラスターのノズルヘッドを積層構造の貫通孔に直線的に位置合わせさせるステップと、を更に含む。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、粗い構造面の粗さは0.2マイクロメートル~10マイクロメートルである。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法では、パターニングプロセスは、積層構造の局所領域をエッチングして、貫通孔が第1マスク層、リードフレーム及び第2マスク層を貫通するようにするステップを更に含む。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法は、第1マスク層及び第2マスク層を除去した後、リードフレームをプレス成形して、高分子材料をリードフレームの上面に付着させかつ貫通孔内に充填させ、硬化した後に貫通孔内の粗い構造面と固結させるステップを更に備える。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、前記パッケージ構造の製造方法は、第1マスク層及び第2マスク層を除去するステップとリードフレームをプレス成形するステップとの間に、リードフレームに対してプレめっき工程を行うステップを更に含む。
【0015】
本発明の一実施例によれば、パッケージ構造の製造方法では、パッケージ構造は、それぞれ平滑面である対向する2つの表面を含むリードフレームと、リードフレームに穿設され、かつ前記表面に接続され、内壁には粗い構造面がある少なくとも1つの貫通孔と、リードフレームに位置し、かつ貫通孔内の粗い構造面に固接されるパッケージと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
このように、以上の各実施例の前記構造により、本発明のパッケージ構造の製造方法は、パッケージ材とリードフレームとの結合強度を強化し、パッケージ材のリードフレームへの漏れ問題を改善し、パッケージ信頼性を向上させ、及びリードフレームの表裏面の滑らかな明るさを維持することができる。
【0017】
以上は、本発明が解決しようとする課題、課題を解決する技術手段、及び達成される効果等を説明するためのものに過ぎず、本発明の具体的な詳細は、以下の実施形態及び関連する図面において詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び他の目的、特徴、利点及び実施例をより明確に分かりやすくするために、添付の図面の説明は以下のとおりである。
【
図1】本発明の一実施例に係るパッケージ構造の製造方法のフローチャートである。
【
図2A】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図2B】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図2C】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図2D】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図2E】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図2F】
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
【
図3A】それぞれ一実施例における
図1のステップ14の連続動作の模式図である。
【
図3B】それぞれ一実施例における
図1のステップ14の連続動作の模式図である。
【
図3C】それぞれ一実施例における
図1のステップ14の連続動作の模式図である。
【
図4】一実施例における
図1のステップ14の動作模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の複数の実施例は図面で開示されており、明確に説明するために、以下の説明では多くの実際的な詳細について説明する。しかしながら、これらの実際的な詳細は本発明を制限するためのものではないことが理解されるべきである。つまり、本発明の各実施例では、実際的な詳細は必要ではない。また、図面を簡略化するために、いくつかの一般的に使用される構造及び素子は図面において簡単で概略的に示されている。
【0020】
図1は本発明の一実施例に係るパッケージ構造の製造方法のフローチャートである。
図1に示すように、パッケージ構造の製造方法は、以下のステップ11~ステップ18を含む。ステップ11において、リードフレームを提供する。ステップ12において、リードフレームの2つの対向面にそれぞれマスク層を形成して、これらのマスク層をリードフレームと共に積層構造とする。ステップ13において、積層構造に対してパターニングプロセスを行って、積層構造に1つ又は複数の貫通孔を穿設させる。ステップ14において、貫通孔に対してサンドブラストプロセスを行って、貫通孔内に粗い構造面を形成させる。ステップ15において、マスク層を除去して、リードフレームの2つの対向面を露出させる。ステップ16において、リードフレームをプレス成形して、高分子材料をリードフレームに付着させかつ貫通孔内に充填させ、硬化した後に粗い構造面と固結させる。ステップ17において、硬化後の高分子材料に対して接着剤除去工程を行う。ステップ18において、リードフレームに対してめっき(後めっきという)工程を行う。
【0021】
図2A~
図2Fは
図1のステップ11~ステップ16の連続動作の模式図である。
図2Aに示すように、ステップ11において、より具体的には、リードフレーム110は、互いに対向する上面111及び下面112を備え、かつリードフレーム110の上面111及び下面112はそれぞれ平滑面である。例えば、リードフレーム110は金属基板又はセラミック基板である。
【0022】
図2Aに示すように、ステップ12において、より具体的には、第1マスク層120を形成してリードフレーム110の上面111に付着させ、及び第2マスク層130を形成してリードフレーム110の下面112に付着させて、第1マスク層120、リードフレーム110と第2マスク層130が共に前記積層構造100となるようにする。例えば、第1マスク層120及び第2マスク層130はそれぞれドライフィルム又はフォトレジスト等の保護層である。
【0023】
図2Bに示すように、ステップ13において、より具体的には、積層構造100の第1マスク層120を露光及び現像し、かつエッチングパターンに応じて積層構造100の局所領域をエッチングし、エッチング反応の後に、その上に前記エッチングパターンを形成する。エッチングパターンは前記貫通孔140を備え、各貫通孔140はそれぞれ第1マスク層120、リードフレーム110及び第2マスク層130を貫通し、かつ貫通孔140はそれぞれリードフレーム110の上面111及び下面112に接続され、かつ貫通孔140の軸心方向140Aはリードフレーム110の長軸方向110Aと互いに直交する。
【0024】
図2C及び
図2Dに示すように、ステップ14において、より具体的には、積層構造100の第1マスク層120及びこれらの貫通孔140に対して乾式サンドブラストプロセスを行って、第1マスク層120及び各貫通孔140の内壁141にそれぞれ粗い構造面150を形成させる。例えば、粗い構造面150の粗さは0.2マイクロメートル(μm)~10マイクロメートル(μm)、0.2マイクロメートル(μm)~1マイクロメートル(μm)又は1.5マイクロメートル(μm)~10マイクロメートル(μm)であるが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
図2Eに示すように、ステップ15において、より具体的には、積層構造100の第1マスク層120及び第2マスク層130をそれぞれ除去して、リードフレーム110の上面111及び下面112を露出させる。第1マスク層120及び第2マスク層130を除去する方式は、物理方式又は化学方式に限定されない。第1マスク層120及び第2マスク層130を除去する方式は、周知の手段であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0026】
図2Fに示すように、ステップ16において、リードフレーム110をプレス成形して、高分子材料をリードフレーム110の上面111に付着させかつ貫通孔140内に充填させ、かつ高分子材料に対して硬化プロセスを行って、高分子材料によりリードフレーム110上にパッケージ200を形成させる。パッケージ200の一部はリードフレーム110の上面111を被覆し、残りの部分はそれぞれ各貫通孔140内の粗い構造面150に固接されて、パッケージ構造210を初期に形成する。パッケージ構造210は、例えば発光ダイオードパッケージ構造であり、高分子材料は、例えばエポキシ樹脂又はシリカゲルである。
【0027】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の実施例では、ステップ15とステップ16との間に、リードフレーム110に対してプレめっき工程を行うステップを追加してもよく、プレめっき工程は、特定の溶液中又は条件下でリードフレーム110に対して金属めっき層を堆積させて、その後の金属めっき層とリードフレーム110との結合力を改善するための方法であり、このステップは、リードフレーム110に単一又は複数の層のみをプレめっきすることに限定されない。また、ステップ18においてリードフレームに対して後めっき工程を行うことは、リードフレーム110に1つ又は複数のめっき層のみを形成することに限定されず、逆に、他の実施例では、ステップ18を省略してもよい。
【0028】
図3A~
図3Cはそれぞれ一実施例における
図1のステップ14の連続動作の模式図である。
図3A及び
図3Bに示すように、本実施例では、より具体的には、粗化機器300は、コンベヤベルト装置310と、キャリアプレート320と、乾式ブラスター330と、を備える。キャリアプレート320は、上記積層構造100を置くことに用いられ、積層構造100は、第2マスク層130を介してキャリアプレート320に置かれる。コンベヤベルト装置310は、キャリアプレート320を水平に移動させることに用いられ、例えば、積層構造100を乾式ブラスター330の処理範囲331内に移動させる。乾式ブラスター330は、コンベヤベルト装置310の上方に位置し、乾式ブラスター330のノズルヘッド332は、積層構造100の第1マスク層120に向けて高圧の砥粒Dを大量に噴出することに用いられる。
図3Cに示すように、粗化機器300は、圧縮空気ノズル340を更に含む。圧縮空気ノズル340は、乾式ブラスター330の処理範囲331の外に配置され、キャリアプレート320に高圧の乾燥空気Aを出力することに用いられる。
【0029】
このように、本実施例では、ステップ14において、貫通孔140内に対してサンドブラストプロセスを行うステップは、以下の複数のステップを含む。先ず、
図3A及び
図3Bに示すように、積層構造100を乾式ブラスター330の処理範囲331に移動させる。より具体的には、コンベヤベルト装置310は、キャリアプレート320及びその上の積層構造100を乾式ブラスター330の処理範囲331内に移動させる。
【0030】
続いて、
図3Bに示すように、ノズルヘッド332が、積層構造100の第1マスク層120及び貫通孔140に複数の砥粒Dを噴出させ、かつ第1マスク層120及び貫通孔140の内壁141に衝突させて、粗い構造面150を形成する(
図2Dを参照)。より具体的には、乾式ブラスター330のノズルヘッド332を繰り返し揺動し、砥粒Dを積層構造100の第1マスク層120及び全ての貫通孔140の内壁141に繰り返し衝突させ(
図2Cを参照)、それにより各貫通孔140の内壁141にそれぞれ上記粗い構造面150を形成する。
【0031】
続いて、
図3Cに示すように、積層構造100の第1マスク層120及び貫通孔140に乾燥空気Aを噴出し、かつ積層構造100の第1マスク層120及び貫通孔140における異物を除去する。より具体的には、圧縮空気ノズル340を介して積層構造100に高圧の乾燥空気Aを出力して、積層構造100における異物(例えば砥粒D)を除去する。
【0032】
また、乾式サンドブラスト処理の後、積層構造100に対して洗浄プロセスを選択的に行うことができ、例えば脱イオン水(deionized water、DI water)又は他の適切な洗浄液を用いて、積層構造100における砥粒D又は他の物質を除去する。
【0033】
より具体的には、一実施例では、乾式ブラスター330の砥粒Dの噴射速度について、ノズルヘッド332の振動周波数は5ヘルツ(Hz)~100ヘルツ(Hz)であり、及び乾式ブラスター330のサンドブラスト圧力は0.005メガパスカル(Mpa)~0.5メガパスカル(Mpa)であり、コンベヤベルト装置310のコンベヤベルト速度は5センチメートル/分(cm/min)~120センチメートル/分(cm/min)である。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0034】
一実施例では、砥粒Dの形態は、粒子状、ビーズ状、球状又は不規則状であるが、本発明はこれに限定されない。一実施例では、砥粒Dの材質は、アルミナ、シリカ、酸化チタン又はステンレス鋼を含むことができる。一実施例では、これらの砥粒Dは、ブラウンアルミナ#180、ブラウンアルミナ#280、ガラス砂#120、丸鋼#120又は/及びブラックアルミナ#180を含むが、本発明はこれに限定されない。ブラウンアルミナ#280の砥粒サイズは40~70マイクロメートル(μm)であり、ブラウンアルミナ#180の砥粒サイズは63~75マイクロメートル(μm)であり、ブラックアルミナ#180の砥粒サイズは63~75マイクロメートル(μm)であり、ガラス砂#120の砥粒サイズは105~150マイクロメートル(μm)であり、及び丸鋼#120の砥粒サイズは1000~1410マイクロメートル(μm)である。
【0035】
図4は一実施例における
図1のステップ14の動作模式図である。
図4に示すように、本実施例の粗化機器301は上記と略同じであり、その相違点は、乾式ブラスター330のノズルヘッド332が移動可能であることである。より具体的には、粗化機器301は、搬送装置350と、位置検出装置360と、を更に備える。乾式ブラスター330のノズルヘッド332は搬送装置350に固定され、位置検出装置360は搬送装置350に固定される。位置検出装置360は、例えば撮像装置とその処理回路との組み合わせである。
【0036】
本実施例では、貫通孔140に砥粒Dを噴出する前に以下のステップを含む。先ず、積層構造100の貫通孔140の座標を検出する。より具体的には、位置検出装置360は全ての貫通孔140の座標を検出する。続いて、各貫通孔140の座標に基づいて、乾式ブラスター330のノズルヘッド332を積層構造100の各貫通孔140に順番に直線的に位置合わせさせる。より具体的には、粗化機器301は、各貫通孔140の座標に基づいて、搬送装置350がレール351に沿ってノズルヘッド332を積層構造100の各貫通孔140の真上に順番に移動させ、ノズルヘッド332が貫通孔140の内壁141に砥粒Dを噴出することができるようにする。一実施例では、ノズルヘッド332の長軸方向332Aは、貫通孔140の軸心方向140Aと同軸であるか、又は5°~45°の夾角を有する。
【0037】
このように、以上の各実施例の前記構造により、本発明のパッケージ構造の製造方法は、パッケージ材とリードフレームとの結合強度を強化し、パッケージ材のリードフレームへの漏れ問題を改善し、パッケージ信頼性を向上させ、及びリードフレームの表裏面の滑らかな明るさを維持することができる。
【0038】
最後に、上記開示される各実施例は、本発明を限定するためのものではなく、いかなる当業者が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修飾を行うことができ、これらはいずれも本発明によって保護され得る。従って、本発明の保護範囲は、添付される出願特許範囲によって限定されているものを基準とすべきである。
【符号の説明】
【0039】
11~18:ステップ
100:積層構造
110:リードフレーム
111:上面
112:下面
110A:長軸方向
120:第1マスク層
130:第2マスク層
140:貫通孔
141:内壁
140A:軸心方向
150:粗い構造面
200:パッケージ
210:パッケージ構造
300、301:粗化機器
310:コンベヤベルト装置
320:キャリアプレート
330:乾式ブラスター
331:処理範囲
332:ノズルヘッド
332A:長軸方向
340:圧縮空気ノズル
350:搬送装置
351:レール
360:位置検出装置
A:空気
D:砥粒