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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156611
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】学習机ユニット及び学習机
(51)【国際特許分類】
   A47B 41/00 20060101AFI20241029BHJP
   A47B 1/00 20060101ALI20241029BHJP
   A47B 83/04 20060101ALI20241029BHJP
   A47B 21/04 20060101ALI20241029BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20241029BHJP
   A47B 21/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A47B41/00
A47B1/00
A47B83/04
A47B21/04
A47B13/00 Z
A47B13/00 B
A47B21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047452
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2023070571
(32)【優先日】2023-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523153843
【氏名又は名称】村田 良
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 良
【テーマコード(参考)】
3B053
3B260
【Fターム(参考)】
3B053AA03
3B053NP08
3B053NQ01
3B053NQ06
3B053NQ10
3B260AB01
3B260AB04
3B260AD01
(57)【要約】
【課題】児童生徒等のユーザがモバイル端末を用いた学習を効率よく行うことができる学習机ユニット及び学習机を提供することを目的とする。
【解決手段】学習机ユニット1は、児童生徒等のユーザが使用するモバイル端末2と、モバイル端末2から出力される映像を表示するためのモバイルディスプレイ3と、第一天板11、及び、モバイルディスプレイ3を取り付け可能な第二天板12を備え、第二天板12が、第一天板11の上に重なる閉じた状態、及び、第一天板11に対して少なくとも一部が第一天板11から離れてモバイルディスプレイ3の表示画面が露出する開いた状態に移行可能に構成された学習机10と、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2に給電するためのモバイルバッテリー4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するモバイル端末と、
前記モバイル端末から出力される映像を表示するためのディスプレイと、
第一天板、及び、前記ディスプレイを取り付け可能な又は前記ディスプレイが取り付けられた第二天板を備え、前記第二天板が、前記第一天板の上に重なる閉じた状態、及び、前記第一天板に対して少なくとも一部が前記第一天板から離れて前記ディスプレイの表示画面が露出する開いた状態に移行可能に構成された学習机と、
前記ディスプレイ及び前記モバイル端末に給電するためのモバイルバッテリーと、
を備える、学習机ユニット。
【請求項2】
前記モバイルバッテリーを充電するための充電保管庫をさらに備える、請求項1に記載の学習机ユニット。
【請求項3】
前記モバイル端末は、前記ユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPCである、請求項1又は2に記載の学習机ユニット。
【請求項4】
前記モバイル端末に接続される入力装置をさらに備える、請求項3に記載の学習机ユニット。
【請求項5】
第一天板と、
ユーザが使用するモバイル端末から出力される映像を表示するためのディスプレイを取り付け可能な又は前記ディスプレイが取り付けられた第二天板と、
前記ディスプレイ及び前記モバイル端末に給電するためのモバイルバッテリーを上方から出し入れ可能に収納する収納部と、
を備え、
前記第二天板は、前記第一天板の上に重なる閉じた状態、及び、前記第一天板に対して少なくとも一部が前記第一天板から離れて前記ディスプレイの表示画面が露出する開いた状態に移行可能に構成されている、学習机。
【請求項6】
前記第一天板の上面又は前記第二天板において前記閉じた状態で前記第一天板の上面に対向する内面には、前記モバイル端末を嵌め込み可能な凹部が形成されている、請求項5に記載の学習机。
【請求項7】
前記第二天板には、前記ディスプレイを収容可能な内部空間が形成されており、
前記第二天板の左右のいずれか一方の端面には、前記内部空間に前記ディスプレイを出し入れ可能な第一開口が形成され、
前記第二天板の内面には、前記ディスプレイの表示画面を露出させる第二開口が形成されている、請求項5又は6に記載の学習机。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば学校での学習において使用される学習机ユニット及び学習机に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば学校教育においては、GIGAスクール構想の実現のため、ICTを基盤とした先端技術等の活用が求められている。これにより、学校では、ノート型又はタブレット型のPC(Personal Computer)あるいはタブレット端末等のモバイル端末の児童生徒1人につき1台配備、学校の通信ネットワーク環境の整備(高速ブロードバンド接続、無線LAN整備)、デジタル教科書及びデジタル教材の準備、オンライン授業の導入等が進められている。
【0003】
教育現場において、学習机は、JIS規格に対応した机が広く使用されている。しかし、JIS規格に対応した学習机の天板はスペースが狭く、学習の際に資料や参考書等の補助教材及びノートに加えてモバイル端末を天板の上に置いて使用すると、スペースの余裕がない。そのため、学習中に天板の上からモバイル端末が落下して破損するケースが数多く発生している。
【0004】
そこで、学習机の天板のスペースを広げるために、学習机の天板に取り付けることが可能な拡張器具が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-085924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、モバイル端末を学習で使用する際に拡張器具をわざわざ学習机の天板に取り付けるのは手間であり、拡張器具を使用しない場合の拡張器具の保管スペースも必要となる。
【0007】
また、児童生徒に配備されるモバイル端末は、多くの学校(特に公立の学校)では学校側が負担するため、そのコストを抑えるために、表示画面のサイズが小さいものが多い。しかし、表示画面のサイズが小さいモバイル端末では、児童生徒が効率よく学習することができない。
【0008】
本開示は、上記事情に鑑みてなされ、児童生徒等のユーザがモバイル端末を用いた学習を効率よく行うことができる学習机ユニット及び学習机を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の学習机ユニットは、上記課題を解決するため、以下の項1に記載の学習机ユニットを主題として包含する。
【0010】
項1.ユーザが使用するモバイル端末と、
前記モバイル端末から出力される映像を表示するためのディスプレイと、
第一天板、及び、前記ディスプレイを取り付け可能な又は前記ディスプレイが取り付けられた第二天板を備え、前記第二天板が、前記第一天板の上に重なる閉じた状態、及び、前記第一天板に対して少なくとも一部が前記第一天板から離れて前記ディスプレイの表示画面が露出する開いた状態に移行可能に構成された学習机と、
前記ディスプレイ及び前記モバイル端末に給電するためのモバイルバッテリーと、
を備える、ことを特徴とする学習机ユニット。
【0011】
また、本開示の学習机ユニットは、上記項1に記載の学習机ユニットの好ましい態様として、以下の項2に記載の学習机ユニットを包含する。
【0012】
項2.前記モバイルバッテリーを充電するための充電保管庫をさらに備える、ことを特徴とする項1に記載の学習机ユニット。
【0013】
また、本開示の学習机ユニットは、上記項1及び項2に記載の学習机ユニットの好ましい態様として、以下の項3に記載の学習机ユニットを包含する。
【0014】
項3.前記モバイル端末は、前記ユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPCである、ことを特徴とする項1又は項2に記載の学習机ユニット。
【0015】
また、本開示の学習机ユニットは、上記項3に記載の学習机ユニットの好ましい態様として、以下の項4に記載の学習机ユニットを包含する。
【0016】
項4.前記モバイル端末に接続される入力装置をさらに備える、ことを特徴とする項3に記載の学習机ユニット。
【0017】
本開示の学習机は、上記課題を解決するため、以下の項5に記載の学習机を主題として包含する。
【0018】
項5.第一天板と、
ユーザが使用するモバイル端末から出力される映像を表示するためのディスプレイを取り付け可能な又は前記ディスプレイが取り付けられた第二天板と、
前記ディスプレイ及び前記モバイル端末に給電するためのモバイルバッテリーを上方から出し入れ可能に収納する収納部と、
を備え、
前記第二天板は、前記第一天板の上に重なる閉じた状態、及び、前記第一天板に対して少なくとも一部が前記第一天板から離れて前記ディスプレイの表示画面が露出する開いた状態に移行可能に構成されている、ことを特徴とする学習机。
【0019】
また、本開示の学習机は、上記項5に記載の学習机の好ましい態様として、以下の項6に記載の学習机を包含する。
【0020】
項6.前記第一天板の上面又は前記第二天板において前記閉じた状態で前記第一天板の上面に対向する内面には、前記モバイル端末を嵌め込み可能な凹部が形成されている、ことを特徴とする項6に記載の学習机。
【0021】
また、本開示の学習机は、上記項5から項6に記載の学習机の好ましい態様として、以下の項7に記載の学習机を包含する。
【0022】
項7.前記第二天板には、前記ディスプレイを収容可能な内部空間が形成されており、
前記第二天板の左右のいずれか一方の端面には、前記内部空間に前記ディスプレイを出し入れ可能な第一開口が形成され、
前記第二天板の内面には、前記ディスプレイの表示画面を露出させる第二開口が形成されている、ことを特徴とする項5又は6に記載の学習机。
【発明の効果】
【0023】
本開示の学習机ユニット及び学習机によれば、児童生徒等のユーザがモバイル端末を用いた学習を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は学習机ユニットの実施形態の概略図である。
図2図2は学習机の実施形態の斜視図であり、第二天板が開いた状態を示す。
図3図3は学習机の実施形態の斜視図であり、第二天板が閉じた状態を示す。
図4図4図3に示す学習机の平面図である。
図5図5図2に示す学習机の正面図であり、脚部及び物入れ部を省略した状態を示す。
図6図6図2に示す学習机の右側面図であり、脚部及び物入れ部を省略した状態を示す。
図7図7図2に示す学習机の左側面図であり、脚部及び物入れ部を省略した状態を示す。
図8図8(A)は第二天板の基部の平面図であり、図8(B)は図8(A)のA-A線断面図である。
図9図9(A)は第二天板の開閉部の平面図であり、図9(B)は第二天板の開閉部の左側面図であり、図9(C)は第二天板の開閉部の右側面図である。
図10図10(A)から(D)は第二天板の開閉部が基部に対して段階的に回転する状態を示す図である。
図11図11は充電保管庫の内部の一部分を拡大して示す斜視図である。
図12図12は学習机ユニットの他の実施形態の概略図である。
図13図13は学習机ユニットの他の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、例えば学校においての学習でユーザが使用する学習机ユニット及び学習机に関する。学校は、小学校(義務教育学校・前期課程を含む)、中学校(義務教育学校・後期課程を含む)、高等学校(高等専門学校を含む)、特別支援学校等を含み、国立、公立、私立は問わない。なお、中学校や高等学校には中等教育学校を含む。ユーザは、学校であれば、児童生徒である。
【0026】
現在、例えば学校教育においては、GIGAスクール構想の下、昔から続く教師の一方的な講義形式の授業から、アクティブラーニングと呼ばれる、児童生徒が能動的に考えて学習する教育法に変わりつつある。児童生徒の個性を重視しながらICT機器を効率よく教育に活用し、教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めることが社会の大きな課題である。教育DX化に伴い、教科書、補助教材、辞書等の他、ノートやテストといった紙の冊子(以下、「アナログ教材」という。)がデジタル化され、ICT情報端末上のデジタル教材として変化している。しかし、従来の学習机では、児童生徒がICT機器を積極的に活用して能動的に学習できるスタイルを構築できない。
【0027】
また近い将来に教育のDX化が実現したときに、従来のアナログ教材で実施してきた、教科書等を「読む」という作業及びノート等を「書く」という作業の二つの作業は、デジタル教材を利用すればPC等の一つの画面で実施することが可能になる。一方で、子どもの発達段階において「読む」及び「書く」という勉学の基本作業は、物理的に切り離して作業することが教育上、必要になることも想定される。
【0028】
本願の発明者は、教育のDX化に伴う将来の学習環境について鋭意研究し、児童生徒等に最適な学びの形態を提供できるように、本開示の学習机ユニット及び学習机を発明した。
【0029】
以下、本開示の学習机ユニット及び学習机の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、学校において児童生徒が学習する状況を想定して説明する。
【0030】
図1は、一つの実施形態の学習机ユニット1の概略構成を示す。図2から図7は、一つの実施形態の学習机10の外観を示す。学習机ユニット1は、教室等に設置される学習机10と、学習においてユーザである児童生徒が使用するモバイル端末2と、学習机10の第二天板12に取り付けられるモバイルディスプレイ3と、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2に給電するためのモバイルバッテリー4と、モバイル端末2に接続される入力装置5と、教室等に設置される充電保管庫6と、を備える。まず、学習机ユニット1を構成する各構成要素について説明する。
【0031】
学習机
図1から図7に示すように、学習机10は、第一天板11と、第一天板11の上に重ねられる第二天板12と、収納部9と、第一天板11に固定される脚部15と、第一天板11の下方の物入れ部16と、を備える。
【0032】
第一天板11及び第二天板12は所定の厚さを有する板状であり、平面視でいずれも長方形状を呈しかつ同じ大きさである。第一天板11及び第二天板12の素材は、特に限定されず、無垢材の他に、突板を合板、集成材、中密度繊維板等の表面に貼り付けた木材、あるいは、プリント化粧板等を用いることができる。その中でも、第一天板11及び第二天板12の素材に無垢材を用いるのが好ましく、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の観点からは間伐材を用いるのが好ましい。
【0033】
第一天板11及び第二天板12のサイズは、特に限定されないが、好ましくはJIS規格に対応したサイズである。第一天板11及び第二天板12のサイズは、例えば横幅が650mmであり、縦幅が450mmである。なお、第一天板11及び第二天板12の横幅は、収納部9のサイズを含めてトータルで700mm以下にすることが好ましい。第一天板11及び第二天板12の厚さは、特に限定されず、第一天板11が例えば20mmであり、第二天板12が例えば30mmである。
【0034】
第二天板12は、図3に示す第一天板11の上に重なる閉じた状態と、図2に示す第一天板11に対して少なくとも一部が第一天板11から離れる開いた状態とに移行可能である。本実施形態では、第二天板12は、基部13と、基部13に連結された開閉部14と、を含む。第二天板12は、図3に示す閉じた状態では、基部13及び開閉部14ともに第一天板11の上面と対向する内面が第一天板11の上面に隣接している。一方、第二天板12は、図2に示す開いた状態では、その一部分の開閉部14が一対の軸部146(図9に示す)を回転軸にして基部13に対して上方に回転することで、開閉部14の内面が第一天板11の上面から離間して露出する。
【0035】
図2に示すように、開閉部14には、モバイルディスプレイ3を収容可能な内部空間140が形成されている。開閉部14の左右一方の端面には、図2及び図6に示すように、開閉部14の内部空間140にモバイルディスプレイ3を出し入れ可能な縦長形状の開口141(第一開口)が形成されている。開閉部14の内面には、開閉部14内に収容されたモバイルディスプレイ3の表示画面を露出させる長方形状の開口142(第二開口)が形成されている。開口142は、開閉部14の内面の左右一方側に形成されており、左右他方側には広いスペースが残されている。
【0036】
開閉部14の開口141は、モバイルディスプレイ3が内部空間140から飛び出さないようにするために、例えば、ゴムやウレタン等を素材とする栓部材を埋め込むことで、開口141を塞ぐことが好ましい。あるいは、開閉部14の端面に開口141を覆うように金属製、樹脂製、木製等の板材を接着剤やネジ等を用いて固定することで、開口141を塞ぐことが好ましい。
【0037】
開閉部14の開口141は、図示例では開閉部14の右側の端面に形成されるが、開閉部14の開口141の位置は特に限定されず、開閉部14の左側の端面や上側の端面に形成されてもよい。また、開閉部14の開口142の位置や大きさは、開口141の位置や、モバイルディスプレイ3の大きさ等に応じて適宜変更できる。
【0038】
第二天板12は、開閉部14を基部13に対して上方に回転させることで開いた状態にすると、モバイルディスプレイ3の表示画面が開口142を介して露出する。これにより、児童生徒は開口142を介してモバイルディスプレイ3の表示画面を視認可能となる。開閉部14の内面の開口142のサイズは、モバイルディスプレイ3が開口142から前方に抜け出ないようにするためにモバイルディスプレイ3のサイズよりは小さく、モバイルディスプレイ3の表示画面のサイズと同じ又は僅かに大きい。
【0039】
なお、本実施形態では、開閉部14の内部空間140に開口141からモバイルディスプレイ3を挿入することで、開閉部14にモバイルディスプレイ3を取り付けている。第二天板12に対するモバイルディスプレイ3の取付方法は、他の方法を用いてもよい。例えば開閉部14の内面にモバイルディスプレイ3を嵌め込むことが可能な凹部を形成し、この凹部にモバイルディスプレイ3を収容することで開閉部14にモバイルディスプレイ3を取り付けてもよい。この方法では、例えばモバイルディスプレイ3の表示画面と反対側の裏面に粘着テープ等を貼り付けてモバイルディスプレイ3を開閉部14の凹部に接着により固定できる。あるいは、モバイルディスプレイ3の裏面に磁石を取り付けてモバイルディスプレイ3を開閉部14の凹部に磁力により固定できるようにしてもよい。
【0040】
図7に示すように、開閉部14の左右他方の端面(開口141が形成された端面と反対側の端面)には、一つ又は複数のスリット状の長孔143が形成されている。この長孔143は、モバイル端末2やモバイルバッテリー4から延びる接続ケーブル7をモバイルディスプレイ3に接続するためのものである。例えばモバイルディスプレイ3に接続された公知のコネクターやアダプターをその端子接続部が長孔143に面するように開閉部14の内部空間140に設置することで、図1に示すように、モバイル端末2やモバイルバッテリー4から延びる接続ケーブル7をコネクターやアダプターを介してモバイルディスプレイ3に接続可能である。上述したモバイルディスプレイ3に接続された公知のコネクターやアダプターは、開閉部14の長孔143と反対側の端面の開口141から開閉部141内に挿入できる。あるいは、開閉部14の開口141と反対側の端面にコネクターやアダプターを挿入するための開口を形成するとともに、この開口を覆うように金属製、樹脂製、木製等の板材を接着剤やネジ等を用いて固定し、この板材に長孔143を形成することで、モバイル端末2やモバイルバッテリー4から延びる接続ケーブル7をコネクターやアダプターに接続してもよい。
【0041】
なお、開閉部14に長孔143を形成することなく、他の方法でモバイル端末2やモバイルバッテリー4から延びる接続ケーブル7をモバイルディスプレイ3に接続してもよい。
【0042】
図4から図7に示すように、第二天板12の基部13は、第一天板11の奥側において第一天板11に複数のボルト17等を用いて固定されている。図8に示すように、基部13は、第一天板11の左右一方の端から他方の端まで延びる平板部130と、平板部130の左右両端部からそれぞれ平板部130と直交するように延びる一対の連結部131と、を含む。一対の連結部131は、基部13において開閉部14が連結される部分である。
【0043】
図8(B)に示すように、一対の連結部131は、互いに対向する内面に溝部132が形成されている。溝部132は上下方向の幅が狭い第一溝部133と、上下方向の幅が広い第二溝部134と、を含み、第二溝部134は連結部131の下面まで延びている。第一溝部133と第二溝部134との間は、徐々に上下方向の幅が広がっている。
【0044】
図9に示すように、第二天板12の開閉部14は、左右方向の幅が狭い幅狭部144と、左右方向の幅が狭い幅広部145と、を含む。幅広部145は、第一天板11の左右一方の端から他方の端まで延びる。幅狭部144は、第二天板12が閉じた状態、すなわち、図3及び図4に示すように、基部13及び開閉部14が水平に並ぶ状態においては、基部13の一対の連結部131の間に入り込んでいる。幅狭部144には、図9に示すように、一対の連結部131と対向する左右の端面に軸部146が突き出るように設けられている。それぞれの軸部146は、第二天板12が閉じた状態では、図10(A)に示すように、対応する連結部131の第一溝部133に侵入している。
【0045】
第二天板12が開いた状態では、開閉部14は、図10(B)から(D)に示すように、一対の軸部146を回転軸にして基部13に対して上方に回転する。この際、開閉部14の傾斜角度を複数段階に調整可能である。具体的に、開閉部14は、図10(B)に示すように、その外面が基部13の平板部130に支持され、一対の軸部146が一対の連結部131の第二溝部134の端に位置することで、最も大きく開いた状態で維持される。また、例えば図10(C)に示すように、一対の連結部131の第二溝部134に、第二溝部134の一部分を埋める直方体状の調整部材147を一つ嵌め込むことで、開閉部14を図10(B)における第一の傾斜角度θ1よりも急な第二の傾斜角度θ2で維持できる。また、例えば図10(D)に示すように、一対の連結部131の第二溝部134に、調整部材147を二つ並べて嵌め込むことで、開閉部14を図10(C)における第二の傾斜角度θ2よりも急な第三の傾斜角度θ3で維持できる。
【0046】
開閉部14の傾斜角度を複数段階に調整可能であるため、児童生徒に応じて児童生徒の目と開閉部14に取り付けられるモバイルディスプレイ3の表示画面との距離を調整できる。これにより、児童生徒の身長や姿勢に応じて児童生徒の目とモバイルディスプレイ3の表示画面との距離を適切に取ることができる。
【0047】
なお、基部13に対して開閉部14を回転させる方法は、他の方法を用いてもよく、必ずしも開閉部14を複数段階の傾斜角度に調整できなくてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、第二天板12は、基部13と開閉部14とを含み、開閉部14が基部13に対して回転可能に連結された構造である。第二天板12は、一枚の板材で構成していてもよく、例えば第一天板11と第二天板12の一辺同士をヒンジで連結して第二天板12を第一天板11に対して回転可能とすることで、第二天板12の全体を開いた状態と閉じた状態に移行可能としてもよい。
【0049】
収納部9は、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2に給電するためのモバイルバッテリー4を上方から出し入れ可能に収納する。収納部9は、内部にモバイルバッテリー4の収納空間を有する有底の筒状を呈する。なお、収納部9は、内部にモバイルバッテリー4を収納可能であれば、その形状や大きさは特に限定されない。収納部9は、第一天板11及び第二天板12に一体に固定されているが、第一天板11だけに固定されていてもよい。また、収納部9は、第一天板11や第二天板12に固定されていなくてもよく、例えば学習机10のフック18(図1から図3に示す)に吊り下げ可能な袋状のものでもよい。
【0050】
脚部15及び物入れ部16は、従来から学習机に用いられているものと同じ形状、素材のものを用いることができる。物入れ部16は脚部15と一体に形成される、又は、第一天板11と一体に形成される。
【0051】
モバイル端末
モバイル端末2は、ネットワークを利用して情報通信を行う携帯型の機器である。モバイル端末2は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアが内蔵されている。また、モバイル端末2は、ソフトウェアとして、モバイル端末2を動作させるためのOS(Operating System)を格納しているのに加えて、例えばウェブブラウザ、メールソフト、ワープロソフト、表計算ソフト、音楽制作ソフト、プレゼンテーションソフト、画像表示ソフト、画像・動画編集ソフト、動画・音声再生ソフト、学習支援・授業支援ソフト等の各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアを格納しているないしはダウンロード可能である。
【0052】
モバイル端末2としては、容易に持ち運びできるものであれば特に限定されない。モバイル端末2は、例えば、ノート型又はタブレット型のPC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等のPDA(Personal Digital Assistant)、キーボード一体型PC等のPCが内蔵された入力装置等を挙げることができる。
【0053】
モバイル端末2は、学校等の教育を与える側が用意して教室等において児童生徒に提供してもよいし、児童生徒が用意して学校等に持参してもよいが、児童生徒が用意するのが好ましい。つまり、モバイル端末2は児童生徒が所有するものであることが好ましい。児童生徒がモバイル端末2を無理なく学校等に持参できるとの観点からは、モバイル端末2は軽量で持ち運びが容易なスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPCであることが好ましく、より軽量で持ち運びが容易なスマートフォンであることが好ましい。
【0054】
学校等でモバイル端末2を全ての児童生徒の数だけ用意すると、その分、学校等で負担する初期コストが大きくかかるだけでなく、最新のICT環境に対応するためにはモバイル端末2を随時更新していく必要があるため、維持コストも学校等に大きな負担となる。これに対して、スマートフォンやタブレット端末、特にスマートフォンはユーザにおいてプライベートで所有している割合が高く、児童生徒であってもユーザがプライベートでスマートフォンを所有する率はこれから増々高くなっていく。そのため、児童生徒がモバイル端末2を用意することで、学校等ではその分のコストを通信ネットワーク環境の整備やデジタル教科書及びデジタル教材の準備等に当てることができ、ICT環境を効率よく構築できる。
【0055】
モバイルディスプレイ
モバイルディスプレイ3は、軽量で持ち運びが容易でありかつ省電力タイプの板型のディスプレイ(モニタ)である。モバイルディスプレイ3は、モバイル端末2に接続されることで、モバイル端末2から出力される映像を表示画面で表示する。モバイルディスプレイ3は、モバイルバッテリー4の出力容量に適合すれば、従来から公知のもの、例えば液晶ディスプレイを用いることができる。
【0056】
モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の公知の接続ケーブル7を用い、必要に応じて公知のコネクター及び/又はアダプター8を介して接続することができる。
【0057】
モバイルディスプレイ3は、表示画面が大きくて児童生徒が効率よく学習することができるものが適している。スマートフォンのサイズは一般的に5-7インチであり、タブレット端末のサイズは一般的に7-10インチであるため、モバイルディスプレイ3のサイズは、これらよりも大きいサイズであることが好ましく、モバイルディスプレイ3のサイズは大きければ大きいほど好ましい。一方で、モバイルディスプレイ3が取り付けられる学習机10の第二天板12のサイズを考慮すると、モバイルディスプレイ3のサイズは、4K画像(3840×2160)を表示できる27インチ以下、あるいは24インチ以下が好ましい。以上の観点から、モバイルディスプレイ3は、モバイルバッテリー4の出力容量に適合する15インチ以上27インチ以下のものを用いるのが好ましい。なお、本実施形態では、モバイルディスプレイ3は、従来から主流のサイズのフルHD画像(1920×1080ピクセル)を表示できる15.6インチのものを用いている。
【0058】
モバイルバッテリー
モバイルバッテリー4は、軽量で持ち運び可能なバッテリー(充電器)である。モバイルバッテリー4は、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2に接続されることで、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2に給電する。これにより、モバイルディスプレイ3に電源を供給でき、モバイル端末2を充電でき、教室等において学習机10の近くにコンセント等がなくてもモバイルディスプレイ3やモバイル端末2を長時間動作させることができる。モバイルバッテリー4は、従来から公知のものを用いることができる。
【0059】
モバイルバッテリー4と、モバイルディスプレイ3及びモバイル端末2とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の公知の接続ケーブル7を用い、必要に応じて公知のコネクター及び/又はアダプター8を介して接続することができる。なお、モバイルディスプレイ3に対してモバイルバッテリー4からの給電をモバイル端末2を通じて行う(すなわち、モバイルバッテリー4からの給電により充電されたモバイル端末2からモバイルディスプレイ3に給電を行う)ことが可能である場合には、モバイルディスプレイ3とモバイルバッテリー4を接続ケーブル7で直接に接続する必要はない。
【0060】
モバイルバッテリー4は、モバイルディスプレイ3やモバイル端末2に給電できる容量を有するものが適している。モバイルバッテリー4の容量は、特に限定されないが、例えば50000mAh以上であり、185Wh以上である。
【0061】
モバイルバッテリー4は、充電保管庫6に収納できるサイズを有するものが適している。モバイルバッテリー4のサイズは、特に限定されないが、例えば幅が280mm、奥行きが350mm、厚さが28mmである。
【0062】
入力装置
入力装置5は、モバイル端末2に接続されることで、モバイル端末2に数字や文字情報を入力したり、画面上の位置情報を入力する。入力装置5は、従来から公知のもの、例えばキーボード、マウス、タッチパッド、タッチパッド搭載のキーボード、タッチパネル等を用いることができる。本実施形態では、入力装置5は、キーボード50及びマウス51である。なお、モバイル端末2がキーボード一体型PC等のPCが内蔵された入力装置である場合は、別途に入力装置5は不要である。
【0063】
入力装置5及びモバイル端末2は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の公知の接続ケーブルを用い、必要に応じて公知のコネクター及び/又はアダプターを介して接続することができる。なお、本実施形態のように、ワイヤレスのキーボード50やマウス51等を入力装置5に用い、公知の無線通信技術で入力装置5及びモバイル端末2を接続するのが好ましい。
【0064】
充電保管庫
充電保管庫6は、複数のモバイルバッテリー4を収納できるとともに、個別に同時に給電できるものである。充電保管庫6は、例えば内部に仕切板によって仕切られた複数のモバイルバッテリー4の収納部60を有し、各収納部60には商用電源に接続されたACアダプターから延びる例えばUSBケーブル等の公知の接続ケーブル61が配備されている。充電保管庫6の前面には開閉可能な扉が設けられている。複数のモバイルバッテリー4は、未使用時(例えば児童生徒の帰宅時)において充電保管庫6内の各収納部60に、接続ケーブル61を接続した状態で収納することで、次の使用時まで充電保管庫6内で保管されながら充電される。充電保管庫6は、従来から公知のものを用いることができる。
【0065】
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等においては、GIGAスクール構想における学校内の通信ネットワーク環境の整備のために、授業で使用するノート型又はタブレット型のPCやタブレット端末を充電保管するための充電保管庫が、既に教室に設置されている。この既に設置されたPCやタブレット端末を充電保管用の充電保管庫をモバイルバッテリー4の充電保管用の充電保管庫6として用いることができ、これにより、新たな充電装置を用意する必要はない。
【0066】
作用・効果
以上に説明した学習机ユニット1及び学習机10によれば、以下の作用・効果を奏する。まず、第二天板12にモバイルディスプレイ3が取り付けられており、図1に示すように、第二天板12を開くとモバイルディスプレイ3の表示画面が露出する。モバイルディスプレイ3には、モバイル端末2から出力される映像が表示されるため、児童生徒は、モバイルディスプレイ3の広い表示画面を見ながら学習できる。よって、児童生徒は学校においてモバイル端末2を用いた学習を効率よく行うことができる。モバイル端末2は第二天板12に立てかけたり、第一天板11上の第二天板12との境界付近に置いておくことで、モバイル端末2が学習机10の第一天板11の上から落下して破損するのを抑制できる。
【0067】
このように、第二天板12を開くとモバイルディスプレイ3の広い表示画面を見ながら学習でき、学習の際に第一天板11の上を広く使用できる。よって、モバイル端末2を学習で使用する際に机の拡張器具をわざわざ学習机に取り付ける必要がない。モバイル端末2を学習で使用しない場合は、第二天板12を第一天板11の上に重ねる閉じた状態とすればよく、第二天板12の保管スペースも不要である。
【0068】
また、モバイルバッテリー4からモバイル端末2及びモバイルディスプレイ3が給電されることで、長時間の学習が可能であり、かつ、学習中にモバイル端末2を充電することも可能である。
【0069】
また、充電保管庫6が教室等に設置されているため、例えば学校での授業の終了後に児童生徒がモバイルバッテリー4を充電保管庫6に保管して帰宅すれば、モバイルバッテリー4を充電でき、次の日の授業に使用可能となる。さらに、学校に常時、モバイルバッテリー4が充電保管庫6に保管されていることで、震災等の災害発生時にモバイルバッテリー4を貸し出すことが可能である。学校の多くは、災害発生時の避難所に指定されているため、災害発生時に充電保管庫6に大量に保管されたモバイルバッテリー4を避難者に貸し出すことが可能である。現在、デジタル庁は、防災DX化に向けて個人のスマートフォンを活用する指針を出しているが、避難所における個人のスマートフォン用の電源は全く用意されていない。児童生徒がモバイルバッテリー4を日々管理することで、行政施設の管理よりもコストを抑えられるだけでなく、常に最良の状態で災害時に大量のモバイルバッテリー4を配布できる。また、児童生徒自身にとっても防災に日々関わることで、防災意識の向上に繋がる。
【0070】
また、第二天板12が第一天板11の上に重なる閉じた状態と、少なくとも一部が第一天板11から離れる開いた状態とに移行可能であるため、第二天板12を閉じた状態とすれば、これまでのアナログ教材での学習も可能である。当然、第二天板12を閉じた状態とすれば、モバイルディスプレイ3の表示画面を見えない状態にできるので、児童生徒が長時間、モバイルディスプレイ3の表示画面を見る状態を抑制でき、一斉に目を休めることができる。そのため、教師は健康面の指導が行いやすくなる。
【0071】
さらに、第二天板12の開閉により、デジタル教材による学習形態とアナログ教材による学習形態物理的に分けられるので、児童生徒の発達段階に応じて最適な指導が可能となる。その結果、教師は「読む」、「聞く」、「書く」という勉学の基本作業の指導が行いやすくなり、児童生徒も様々な学習形態が提供されるので、自分自身に最適な学習形態を見出すことが可能となる。
【0072】
また、モバイル端末2にキーボード50やマウス51等の入力装置5を接続することで、モバイル端末2をデスクトップ型のPCのように扱うことができる。これにより、児童生徒は、モバイル端末2を操作せずに、入力装置5を操作することで学習できる。よって、児童生徒は学校においてモバイル端末2を用いた学習をさらに効率よく行うことができる。モバイル端末2は学習時に操作する必要がないので、例えば学習机10の物入れ部16内に入れておくことで、モバイル端末2が学習机10の第一天板11の上から落下して破損するのを効果的に抑制できる。
【0073】
また、学校での学習で使用するモバイル端末2が児童生徒の所有するスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPCであることで、児童生徒はそれぞれの家庭においてもモバイル端末2をディスプレイや入力装置に接続することで、学校と同じ環境で学習することが可能となる。加えて、学校等ではモバイル端末2を用意する必要がなく、学校側はそのコストがかからないことで、その分のコストを通信ネットワーク環境の整備やデジタル教科書及びデジタル教材の準備等に当てることができ、ICT環境を効率よく構築できる。
【0074】
また、学校での学習で使用するモバイル端末2が児童生徒の所有するスマートフォンであり、スマートフォンは軽量であるため、児童生徒は容易にモバイル端末2を学校に持参することができる。
【0075】
また、学習机10にモバイルディスプレイ3やモバイルバッテリー4を装備させており、学習机の電子機器化により、学習机の新たな可能性を促すことができる。
【0076】
変形例
以上、本開示の学習机ユニット及び学習机の実施形態について説明したが、本開示の学習机ユニット及び学習机は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。例えば、以下の変形が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0077】
例えば、上記実施形態において、第一天板11の上面又は第二天板12(開閉部14)の内面において開口142以外の部分に、モバイル端末2を嵌め込み可能な凹部を形成し、この凹部にスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPC等のモバイル端末2を収納できるようにしてもよい。これにより、学習時にモバイル端末2が学習机10の第一天板11の上から落下して破損するのを効果的に抑制できる。
【0078】
また、上記実施形態において、第一天板11の上面に、キーボード(タッチパッド搭載キーボードを含む)やタッチパッド等の入力装置5を嵌め込み可能な凹部を形成し、この凹部に入力装置5を収納してもよい。これにより、第一天板11の上面のスペースが増え、児童生徒は学習を効率よく行うことができる。
【0079】
また、上記実施形態では、モバイル端末2にスマートフォン、タブレット端末又はタブレット型のPCを用いた場合を例示したが、図12にモバイル端末2にノート型PCを用いた場合を例に示す。図12に示す実施形態では、モバイル端末2であるノート型PCに、モバイルディスプレイ3とモバイルバッテリー4がそれぞれ接続ケーブル7を用いて接続されている。モバイルディスプレイ3に対する給電は、モバイルバッテリー4からモバイル端末2を通じて行われる。図12に示す実施形態では、ユーザである児童生徒は、ノート型PCのディスプレイ及びモバイルディスプレイ3のマルチディスプレイで学習できる。例えば一方のディスプレイに教科書を表示し、他方のディスプレイに副教材を表示し、第一天板11の上にノートを拡げることで、児童生徒は学校においてモバイル端末2を用いた学習を効率よく行うことができる。
【0080】
また、図13にモバイル端末2にキーボード一体型PCを用いた場合を例に示す。図13に示す実施形態では、モバイル端末2であるキーボード一体型PCにタッチパッドが搭載されているが、タッチパッドが搭載されていないキーボード一体型PCをモバイル端末2に用いる場合は、別途、マウスやタッチパッドを用意することが好ましい。図13に示す実施形態では、モバイルディスプレイ3に、例えば27インチのサイズの表示画面の大きなディスプレイを用いているので、モバイルディスプレイ3の表示画面を例えば二つに画面分割しても、それぞれの画面が大きく見やすい。よって、例えばモバイルディスプレイ3の一方の画面に教科書を表示し、他方の画面に副教材を表示し、第一天板11の上にノートを拡げることで、ユーザである児童生徒は学校においてモバイル端末2を用いた学習を効率よく行うことができる。
【0081】
また、上記実施形態では、第二天板12に取り付けられるディスプレイは、軽量で持ち運びが容易な薄型の省電力タイプのモバイルディスプレイ3であり、第二天板12から取り外し可能である。そのため、モバイルディスプレイ3が故障等した際にモバイルディスプレイ3を第二天板12から取り外して容易に修理や交換が可能である。一方で、第二天板12に取り付けられるディスプレイは、モバイルディスプレイ3ではなく、持ち運びが困難な大型の液晶ディスプレイであってもよい。第二天板12に大型のディスプレイを取り付ける際には、安全のために駆動回路や電源回路等を含めて第二天板12に内蔵する等して第二天板12から容易に取り外しできないよう第二天板12に固定することが好ましい。
【0082】
また、学習机ユニット1及び学習机10は、学校だけでなく、例えば学習塾、研修・セミナー施設等においても使用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 学習机ユニット
2 モバイル端末
3 モバイルディスプレイ
4 モバイルバッテリー
5 入力装置
6 充電保管庫
9 収納部
10 学習机
11 第一天板
12 第二天板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13