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特開2024-156612光子計数型X線検出器用アクティブ画素センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156612
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】光子計数型X線検出器用アクティブ画素センサ
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/24 20060101AFI20241029BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20241029BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01T1/24
H01L27/146 F
H01L27/144 K
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024047978
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】18/133,051
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ナレッシュ・ケサヴァン・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ビジュ・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ウィリアム・ヒッチコック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】システムのノイズと消費電力を抑制する。
【解決手段】光子計数検出器は複数の半導体基板を含む検出器サブモジュールを含む。また、各検出器サブモジュールは、前記半導体基板に配置され、検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素を含む。各検出器サブモジュールは、更に、前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースを含む。前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合される。各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段を含む。また、光子計数検出器は、前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記複数の検出器サブモジュールから分離している、読出し回路を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光子計数検出器であって、
複数の検出器サブモジュールであって、前記複数の検出器サブモジュールの各検出器サブモジュールは、
半導体基板と、
前記半導体基板に配置され、検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素と、
前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースであって、前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合され、各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段を含む、複数のトレースと
を含む、複数の検出器サブモジュール、及び
前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記複数の検出器サブモジュールから分離している、読出し回路
を含む、光子計数検出器。
【請求項2】
前記増幅段は、信号対雑音比を増加させるために、現在のパルス出力よりも高い利得を有する出力信号を生成するように構成される、請求項1に記載の光子計数検出器。
【請求項3】
各アクティブ画素はパッシブ積分器として機能するように構成されている、請求項1に記載の光子計数検出器。
【請求項4】
各アクティブ画素の増幅段は、相互コンダクタンス増幅器を含む、請求項3に記載の光子計数検出器。
【請求項5】
各アクティブ画素の増幅段は、単一のトランジスタを含む、請求項4に記載の光子計数検出器。
【請求項6】
各アクティブ画素は、画素コンデンサとバイアス・リセット回路とを含み、前記バイアス・リセット回路は、画素コンデンサにリセット経路を提供し、バイアスが前記読出し回路に供給されないように構成される、請求項5に記載の光子計数検出器。
【請求項7】
前記読出し回路に配置された電流源を含み、前記電流源は単一トランジスタにバイアスをかける、請求項5に記載の光子計数検出器。
【請求項8】
各アクティブ画素の増幅段は電荷感応増幅器を含む、請求項1に記載の光子計数検出器。
【請求項9】
各アクティブ画素の増幅段は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、前記第1のトランジスタは電荷感応増幅器であり、前記第2のトランジスタは電圧出力を電流に変換するように構成されている、請求項8に記載の光子計数検出器。
【請求項10】
各アクティブ画素は電流源を含む、請求項9に記載の光子計数検出器。
【請求項11】
前記光子計数検出器は、コンピュータ断層撮影イメージングシステムで使用されるように構成されている、請求項1に記載の光子計数検出器。
【請求項12】
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムであって、
光子計数検出器であって、
少なくとも1つの検出器サブモジュールであって、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、
半導体基板と、
前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素と、
前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースであって、前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合され、各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段を含む、複数のトレースと
を含む少なくとも1つの検出器サブモジュール、及び
前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールから分離している、読出し回路
を含む光子計数検出器
を含む、CTシメージングシステム。
【請求項13】
各アクティブ画素はパッシブ積分器として機能するように構成されている、請求項12に記載のCTイメージングシステム。
【請求項14】
各アクティブ画素の増幅段が相互コンダクタンス増幅器を含む、請求項13に記載のCTイメージングシステム。
【請求項15】
各アクティブ画素の増幅段は単一のトランジスタを含む、請求項14に記載のCTイメージングシステム。
【請求項16】
各アクティブ画素は、画素コンデンサとバイアス・リセット回路とを含み、前記バイアス・リセット回路は、前記画素コンデンサ用のリセット経路を提供し、バイアスが前記読出し回路に供給されないように構成される、請求項15に記載のCTイメージングシステム。
【請求項17】
前記読出し回路に配置された電流源を含み、前記電流源は前記単一トランジスタにバイアスをかける、請求項15に記載のCTイメージングシステム。
【請求項18】
各アクティブ画素の増幅段は電荷感応増幅器を含み、各アクティブ画素の増幅段は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、前記第1のトランジスタは電荷感応増幅器であり、前記第2のトランジスタは電圧出力を電流に変換するように構成されている、請求項12に記載のCTイメージングシステム。
【請求項19】
各アクティブ画素は電流源を含む、請求項18に記載のCTイメージングシステム。
【請求項20】
光子計数検出器であって、
少なくとも1つの検出器サブモジュールであって、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、
半導体基板と、
前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素と、
前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースであって、前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合されており、各アクティブ画素はパッシブ積分器として機能するように構成されており、各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された単一のトランジスタを含む相互コンダクタンス増幅器を含む、複数のトレースと
を含む少なくとも1つの検出器サブモジュール、及び
前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールから分離しており、前記読出し回路は、前記単一のトランジスタにバイアスをかける電流源を含む、読出し回路
を含む、光子計数検出器。
【請求項21】
光子計数検出器であって、
複数の検出器サブモジュールであって、前記複数の検出器サブモジュールの各検出器サブモジュールは、
半導体基板と、
前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素と、
前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースであって、前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合され、各アクティブ画素は、出力信号を生成するように構成されたバイポーラ接合トランジスタを含み、前記出力信号は、X線光子が前記半導体基板に衝突することに応答して、前記アクティブ画素によって生成された電流パルスの増幅信号である、複数のトレースと
を含む、複数の検出器サブモジュール、及び
前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記複数の検出器サブモジュールから分離している、読出し回路
を含む、光子計数検出器。
【請求項22】
前記バイポーラ接合トランジスタは、第1のP型半導体層から形成されたエミッタと、N型半導体層から形成されたベースと、第2のP型半導体層から形成されたコレクタとを含む、請求項21記載の光子計数検出器。
【請求項23】
前記バイポーラ接合トランジスタは、前記ベースと前記エミッタとの間に配置された第2のN型半導体層を含み、前記第2のN型半導体層は、パンチスルーを回避するために、前記ベースよりも高濃度にドープされている、請求項22に記載の光子計数検出器。
【請求項24】
前記コレクタは、それぞれの検出器サブモジュールの第1の側に位置し、前記エミッタは、それぞれの検出器サブモジュールの前記第1の側とは反対側の第2の側に位置する、請求項23に記載の光子計数検出器。
【請求項25】
前記バイポーラ接合トランジスタは、第1のN型半導体層から形成されたエミッタと、P型半導体層から形成されたベースと、第2のN型半導体層から形成されたコレクタとを含む、請求項21に記載の光子計数検出器。
【請求項26】
前記バイポーラ接合トランジスタは、前記ベースと前記エミッタとの間に配置された第2のP型半導体層を含み、前記第2のP型半導体層は、前記ベースよりも高濃度にドープされている、請求項25に記載の光子計数検出器。
【請求項27】
前記エミッタと前記第2のP型半導体層の一部との両方が、それぞれの検出器サブモジュールの第1の側に位置し、前記コレクタは、それぞれの検出器サブモジュールの前記第1の側とは反対側の第2の側に位置する、請求項26に記載の光子計数検出器。
【請求項28】
前記バイポーラ接合トランジスタは第3のN型半導体層を含み、前記コレクタは、前記ベースと前記第3のN型半導体層との間に配置され、前記第3のN型半導体層は、前記コレクタよりも高濃度にドープされている、請求項25に記載の光子計数検出器。
【請求項29】
前記エミッタと前記ベースの一部との両方が、それぞれの検出器サブモジュールの第1の側に位置し、前記第3のN型半導体層は、それぞれの検出器サブモジュールの前記第1の側とは反対側の第2の側に位置する、請求項28に記載の光子計数検出器。
【請求項30】
前記ベースは、前記エミッタよりも10倍~100倍低くドープされており、前記バイポーラ接合トランジスタの利得に対応する、請求項28に記載の光子計数検出器。
【請求項31】
前記ベースと前記コレクタとの間の接合は、完全空乏化になるように、逆バイアスされる、請求項28に記載の光子計数検出器。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書で開示される対象は、X線検出器に関し、特に、光子計数型X線検出器用のアクティブ画素センサに関する。
【0002】
非侵襲的イメージング技術により、対象物(患者、製造品、手荷物、荷物、乗客)の内部構造や特徴の画像を、物理的な接触なしに得ることができる。
【0003】
例えば、X線を使用したイメージング技術では、X線放射が関心対象物(患者など)を透過して、X線放射の一部が検出器に衝突し、検出器で強度データが収集される。デジタルX線システムでは、検出器は、検出器面の別々の画素領域に衝突した放射線の量又は強度を表す信号を生成する。その後、この信号は処理されて画像が生成され、この画像は閲覧できるように表示される。
【0004】
このようなX線に基づく1つの技術であって、コンピュータ断層撮影(CT)として知られている技術では、スキャナは、撮影される物体(患者など)の周りの多数のビュー角の位置において、X線源から扇形又は円錐形のX線ビームを照射することができる。X線ビームは、物体を横切るときに減衰し、検出器素子のセットによって検出され、検出器素子のセットは、検出器に到達した入射X線の強度又は数を表す信号を生成する。この信号は処理され、X線経路に沿った物体の線減弱係数の線積分を表すデータが生成される。これらの信号は、典型的には、「投影データ」又は単に「投影」と呼ばれている。再構成技術(フィルタ逆投影など)を使用することにより、患者又は撮影される物体の関心領域の断面スライス又は三次元(3D)ボリュームを表す画像を生成することができる。医療関係では、再構成された画像又はレンダリングされたボリュームから、病状又は他の関心構造を突き止める又は特定することができる。
【0005】
CT検出器には光子計数検出器を含むものがある。光子計数検出器は、エネルギー単位(keV)の検出された各X線光子をパルス高さ単位(pulse height unit)(mV)の電圧パルスに変換する。X線光子は半導体材料(例えば、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)、シリコンなど)に吸収され、X線光子エネルギーに比例した光電荷が生成される。フォトダイオード又はダイオードは、電子と正孔のペアを分離し、その出力部において電流パルスを生成する。この電流は特定用途向け集積回路(ASIC)に供給され、ASICは個々の電流パルスを追跡し、これらのパルスを発生させたX線光子のエネルギーを決定し、これらの電流パルスを適切なエネルギービンに割り当てる。
【0006】
最先端の光子計数検出器では、半導体センサは、フォトダイオードの画素のアレイで構成され、ASICが直接ワイヤボンディングで取り付けられる別個の層である。この異種集積(ヘテロジニアスインテグレーション)によって、ASICの入力感応増幅器(CSA)に大きな容量性負荷が形成され、システムのノイズと消費電力が増加する。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示される特定の実施形態の概要を以下に示す。これらの態様は、単に本明細書を読む者に特定の実施形態の簡単な概要を提供するために提示されており、これらの態様は、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際、本開示は、以下に記載されていない様々な態様を包含することができる。
【0008】
一実施形態では、光子計数検出器が提供される。光子計数検出器は複数の検出器サブモジュールを含んでいる。各検出器サブモジュールは半導体基板を含んでいる。また、各検出器サブモジュールは、前記半導体基板に配置され、検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素を含んでいる。各検出器サブモジュールは、更に、前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースを含んでいる。前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合されている。各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段を含む。また、光子計数検出器は、前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記複数の検出器サブモジュールから分離している、読出し回路を含む。
【0009】
別の実施形態では、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムが提供される。CTイメージングシステムは光子計数検出器を含んでいる。光子計数検出器は、少なくとも1つの検出器サブモジュールを含んでいる。前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素を含んでいる。前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、更に、前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースを含んでいる。前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合されている。各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段を含む、光子計数検出器は、前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路であって、前記読出し回路は、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールから分離している読出し回路を含む。
【0010】
さらなる実施形態では、光子計数検出器が提供される。光子計数検出器は少なくとも1つの検出器サブモジュールを含んでいる。前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは半導体基板を含んでいる。また、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素を含んでいる。前記少なくとも1つの検出器サブモジュールは、前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースを含んでいる。前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合されている。各アクティブ画素はパッシブ積分器として機能するように構成されており、各アクティブ画素は、前記アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された単一のトランジスタを含む相互コンダクタンス増幅器を含む。また、光子計数検出器は、前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路を含んでおり、前記読出し回路は、前記少なくとも1つの検出器サブモジュールから分離しており、前記読出し回路は、単一のトランジスタにバイアスをかける電流源を含む。
【0011】
さらなる実施形態では、光子計数検出器が提供される。光子計数検出器は複数の検出器サブモジュールを含んでいる。各検出器サブモジュールは半導体基板を含んでいる。また、各検出器サブモジュールは、前記半導体基板に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素を含んでいる。各検出器サブモジュールは、更に、前記複数のアクティブ画素から読出し回路まで延在する複数のトレースを含んでいる。前記複数のアクティブ画素の各アクティブ画素は、前記複数のトレースのそれぞれのトレースに結合されている。各アクティブ画素は、出力信号を生成するように構成されたバイポーラ接合トランジスタを含み、前記出力信号は、X線光子が前記半導体基板に衝突することに応答して、前記アクティブ画素によって生成された電流パルスの増幅信号である。また、光子計数検出器は、前記複数のアクティブ画素から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路を含み、前記読出し回路は、前記複数の検出器サブモジュールから分離している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本主題のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、添付図面を参照しながら、以下の発明を実施するための形態を読むと、更によく理解することができる。
図1】本開示の態様によるCTシステムのブロック図である。
図2】本開示の態様に従って、モジュール式X線検出器サブモジュールが並べて配置され、互いに重ねられた例を示す概略図である。
図3】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの一部の断面図である。
図4】先行技術のX線検出器サブモジュールのパッシブ画素を有する部分を示す概略図である。
図5】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールのアクティブ画素を有する部分を示す概略図である。
図6】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールのアクティブ画素(例えば、パッシブ積分器)を有する部分を示す概略図である。
図7】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールのアクティブ画素(例えば、画素にCSAが統合されている)を有する部分を示す概略図である。
図8】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの複数のアクティブ画素(例えば、パッシブ積分器)を有する部分を示す概略図である。
図9】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの複数のアクティブ画素(例えば、CSAが統合された各画素)を有する部分を示す概略図である。
図10】本開示の態様による、複数の画素を有するX線検出器サブモジュールを製造する方法のフローチャートである。
図11】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールのアクティブ画素(例えば、PNP型のバイポーラ接合トランジスタを有する画素)を有する部分を示す概略図である。
図12】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールのアクティブ画素(例えば、NPN型のバイポーラ接合トランジスタを有する画素)を有する部分を示す概略図である。
図13】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの(例えば、NPN型の)バイポーラ接合トランジスタを有する部分の断面図であり、その動作を示す図である。
図14】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの(例えば、NPN型を有する)バイポーラ接合トランジスタを有する部分の概略図である。
図15】本開示の態様による、X線検出器サブモジュールの(例えば、PNP型を有する)バイポーラ接合トランジスタを有する部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、1つ又は複数の具体的な実施形態が記載される。これらの実施形態を簡潔に説明することを考えているので、実際の実装形態の全ての特徴を本明細書に記載しているわけではない。どのような実際の実装の開発でも、様々なエンジニアリングプロジェクト又はデザインプロジェクトのように、実装に固有の多数の決定を行って開発者の特定の目標(実装によって異なると考えられるシステム関連の制約及びビジネス関連の制約の順守など)を達成しなければならないことを理解すべきである。更に、このような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、本開示の利益を有する当業者にとっては、日常的な、設計、製作、及び製造の業務であることを理解すべきである。
【0014】
本主題の様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a(1つ)」、「an(1つ)」、「the(この、その)」、及び「said(前記)」は、その要素が1つ又は複数存在することを意味することが意図されている。「含んでいる、有している、備えている(comprising)」、「含んでいる、有している、備えている(including)」、及び「含んでいる、有している、備えている(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在する場合があることを意味している。さらに、以下の説明の数値例は非限定的であることを意図しており、したがって、追加の数値、範囲、及びパーセンテージは、開示される実施形態の範囲内である。
【0015】
以下の議論は、医用イメージングの文脈で説明されているが、本技術は、このような医用関係の状況に限定されないことが理解されるべきである。実際、そのような医用関係の状況で実施例が示され説明されているのは、単に、現実の実装及び用途の例を示すことによって説明が容易に行えるようにするためである。しかしながら、本手法は、製造された部品又は商品の非破壊検査(すなわち、品質管理又は品質審査の用途)及び/又はパッケージ、箱、荷物などの非侵襲的検査(すなわち、セキュリティ又はスクリーニングの用途)などの他の状況でも利用することができる。一般に、本手法は、光子計数検出器が使用されるイメージング又はスクリーニングの状況で有用である。
【0016】
エネルギー分解型光子計数検出器は、従来のエネルギー積分型検出器では得られないスペクトル情報を提供することができる。或る種類のエネルギー弁別型光子計数検出技術では、直接変換センサ材料としてシリコンストリップを採用している。直接変換材料としてシリコンを使用することによって、他の直接変換材料(CZT又はCdTeなど)を使用した場合に得られるカウント数よりも高いカウント数を得ることが可能である。特定の実施形態では、検出器をエッジオンに配置して、吸収深さを任意の長さに選択できるようにすることにより吸収効率を高めることができ、電圧を非常に高くしなくても検出器を完全に空乏化することができる。検出器サブモジュール又はセンサの検出器素子(特に、検出器サブモジュール又はセンサのエッジに沿う検出器素子)は、通常、直接ワイヤボンディングを通じてASIC(検出器サブモジュールとは別個のもの)に結合される。この異種集積によって、ASICの入力CSAに大きな容量性負荷が発生し、システムのノイズと消費電力が増加する。
【0017】
本発明のアプローチは、光子計数システム(光子計数検出器)用の実用的なアクティブ画素センサを実装することによって、この問題を軽減する。特に、各検出器サブモジュールは、1つ又は複数のアクティブ画素(例えば、ダイオード及び関連する回路)を含み、検出器容量のノイズの影響を克服するための増幅段を含む。増幅段は画素に統合され、電流利得を与えて信号対雑音比を大きくし、検出器容量のノイズの影響を抑制する。増幅段からの出力信号は、検出器サブモジュールから分離した読出し回路(ASICなど)によって直接読み出される。特定の実施形態では、各アクティブ画素は、パッシブ積分器として機能するように構成される。この実施形態では、増幅段は、単一のトランジスタを有する相互コンダクタンス増幅器を含む。この実施形態では、電流源は読出し回路に配置され、単一トランジスタにバイアスをかける。特定の実施形態では、増幅段は電荷感応増幅器を含む。この実施形態では、増幅段は第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、第1のトランジスタは電荷感応増幅器であり、第2のトランジスタは電圧出力を電流に変換するように構成される。この実施形態では、電流源が各アクティブ画素に統合され、アクティブ画素にはバイアス回路がない。これらの技術は、シリコンベースの光子計数検出器(コンピュータ断層撮影検出器又は他の適切なタイプのX線撮影検出器など)の性能を向上させる。特に、開示された技術は、(S/N比の改善により)電子ノイズの影響を低減するため、画質を直接的に改善する。さらに、開示された技術は、読出し回路(例えば、ASIC)の消費電力が低いため、システムの複雑さとコストの両方を低減する。
【0018】
前述の説明を念頭に置いて、図1に、本明細書で説明されるアクティブ画素を利用して画像データを取得し処理するためのイメージングシステム10の実施形態を示す。以下の実施形態は、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムに関して説明されているが、これらの実施形態は、他のイメージングシステム(例えば、X線、PET、CT/PET、SPECT、核CT等)でも利用することができる。図示の実施形態では、システム10は、X線投影データを取得し、投影データを再構成して画像を生成し、画像データを処理して表示する及び解析するように設計されたコンピュータ断層撮影(CT)システムである。CTイメージングシステム10は、1つ又は複数のX線源12(イメージングセッション中に1つ又は複数の位置においてX線を発生する及び/又は1つ又は複数のエネルギースペクトルのX線を発生することができる1つ又は複数のX線管又は固体放射構造など)を含んでいる。
【0019】
特定の実施態様において、線源12は、被検体24(例えば、患者)又は関心物体が配置された領域を通過する1つ又は複数のX線ビーム20のサイズ及び形状を画定するために使用されるコリメータ22の近くに配置することができる。被検体24によって、X線の少なくとも一部は減衰する。減衰したX線26は、複数の検出器素子(例えば、画素)によって形成された検出器アレイ28に衝突する。本明細書で説明するように、検出器28は、エネルギー弁別型光子計数検出器を含む光子計数検出器とすることができ、その出力は、スキャン又は撮影セッションに対応する時間にわたって及び測定位置において検出器に衝突する光子の数及びエネルギーに関する情報を伝送する。このような特定の実施形態では、エネルギー弁別型光子計数検出器は、シリコンストリップを使用した検出器などの直接変換型検出器(すなわち、シンチレータ手段を用いない)とすることができる。特定の実施形態では、検出器アレイ28は、複数の検出器サブモジュール又はセンサ(各サブモジュール又はセンサは、フォトダイオード又はダイオードなどの複数の検出器素子を有する)によって形成することができる。特定の実施形態では、検出器アレイ28及び検出器サブモジュールは、X線のエッジ照射(すなわち、X線は検出器サブモジュールのエッジを通過する)用に構成されたエッジオン検出器及びエッジオン検出器サブモジュールとすることができる。特に、検出器アレイ28は、2019年2月19日に出願され、発明の名称が「X線検出器システムのデザイン(X-ray Detector System Design)」である米国特許出願公開第2019/0383955号明細書に開示された検出器と同様の構造とすることができる。米国特許出願公開第2019/0383955号明細書は、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
各検出器素子は、ビームが検出器28に衝突したときの検出器素子の位置における入射X線光子の強度(例えば、入射光子のエネルギー及び数)を表す電気信号を生成する。電気信号が取得され、処理されて、1つ又は複数のスキャンデータセットが生成される。
【0021】
システムコントローラ30は、検査及び/又は較正プロトコルを実行する並びに取得したデータを処理するために、イメージングシステム10の動作を指令する。X線源12に関して、システムコントローラ30は、X線検査シーケンスのための電力、焦点位置、制御信号等を供給する。検出器28は、システムコントローラ30に結合されており、システムコントローラ30は、検出器28によって生成された信号の取得を指令する。さらに、システムコントローラ30は、モータコントローラ36を通じて、イメージングシステム10の構成要素を動かす及び/又は被検体24を移動させるために使用される直線位置決めサブシステム32及び/又は回転サブシステム34の動作を制御することができる。システムコントローラ30は、信号処理回路及び関連するメモリ回路を含むことができる。このような実施形態では、メモリ回路は、イメージングシステム10(X線源12を含む)を動作させ、検出器28によって取得されたデータを、本明細書で説明されるステップ及びプロセスに従って処理するために、システムコントローラ30によって実行されるプログラム、ルーチン、及び/又は符号化されたアルゴリズムを記憶することができる。一実施形態では、システムコントローラ30は、プロセッサを使用したシステム(汎用コンピュータシステム又は特定用途コンピュータシステムなど)の全部又は一部として実装することができる。
【0022】
線源12は、システムコントローラ30に含まれるX線コントローラ38によって制御することができる。X線コントローラ38は、電力及びタイミング信号を線源12に供給するように構成することができる。さらに、一部の実施形態では、X線コントローラ38は、システム10内の異なる位置にあるチューブ又はエミッタが互いに同期して又は互いに独立して作動するように、線源12を選択的に作動させるように構成することができる。
【0023】
システムコントローラ30は、データ収集システム(DAS)40を含むことができる。DAS40は、検出器28の読出し電子回路部(例えば、ASIC)によって収集されたデータ(検出器28からのサンプリングされたアナログ信号など)を受け取る。次に、DAS40は、プロセッサを使用したシステム(コンピュータ42など)による後続の処理のために、データをデジタル信号に変換することができる。他の実施形態では、検出器28が、サンプリングされたアナログ信号をデジタル信号に変換し、その後に、データ収集システム40に伝送してもよい。コンピュータは、処理回路44(例えば、画像処理回路)を含むことができる。コンピュータ42は、コンピュータ42によって処理されるデータ、コンピュータ42によって処理されるべきデータ、又はコンピュータ42のプロセッサ(例えば、処理回路44)によって実行されるべき命令を記憶することができる1つ又は複数の非一時的メモリデバイス46を含むことができる又は1つ又は複数の非一時的メモリデバイス46と通信することができる。例えば、コンピュータ42の処理回路44は、メモリ46に記憶された命令の1つ又は複数のセットを実行することができ、メモリ46は、コンピュータ42のメモリであってもよいし、プロセッサのメモリであってもよいし、ファームウェアであってもよいし、同様の具体例であってもよい。
【0024】
また、コンピュータ42は、例えば、オペレータワークステーション48を通じてオペレータによって提供される指令及び走査パラメータに応答して、システムコントローラ30によって実現可能な機能(すなわち、スキャニング動作及びデータ取得)を制御するように適合することができる。また、システム10は、オペレータワークステーション48に結合されたディスプレイ50を含むことができ、ディスプレイ50によって、オペレータは、関連するシステムデータ、イメージングパラメータ、生のイメージングデータ、再構成されたデータなどを見ることができる。さらに、システム10は、オペレータワークステーション48に結合されたプリンタ52であって、任意の所望の測定結果を印刷するように構成されたプリンタ52を含むことができる。ディスプレイ50及びプリンタ52は、コンピュータ42に直接に接続する又はオペレータワークステーション48を通じてコンピュータ42に接続することもできる。さらに、オペレータワークステーション48は、画像保存通信システム(PACS)54を含んでもよいし、PACS54に結合されてもよい。PACS54は、遠隔システム56、放射線科情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)、又は内部ネットワーク若しくは外部ネットワークに結合され、異なる場所にいる他の人が画像データにアクセスできるようにしてもよい。
【0025】
図2は、並べて配置され重ねられたモジュール式X線検出器サブモジュール58(例えば、検出器センサ)の一例を示す概略図である。検出器サブモジュール58は、エッジオン検出器サブモジュールとすることができる。図示されているように、X線は検出器サブモジュール58の縁部59から入射する。検出器サブモジュール58を電気的破壊から保護し、検出器領域を過剰な漏れ電流から絶縁するために、検出器サブモジュール58の縁部59に沿って保護環を延在させることができる。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58は平面モジュールとすることができる。X線検出器サブモジュール58は、より大きな検出器モジュールが形成されるように互いに重ねることができ、検出器モジュールを並べて組み立てて全体のX線検出器を構築することができる。一般には、複数の検出器サブモジュール58を並べて配置し、例えば、z方向に実質的に垂直な方向に全体がわずかに湾曲した構成にすることができる。特定の実施形態では、複数の検出器サブモジュール58をz方向に順に重ねることができる。
【0026】
図示されているように、各検出器サブモジュール58は、複数の検出器素子60(例えば、フォトダイオード又はダイオードなどの画素)を含んでいる。検出器素子60は、細長い電極であって、その長さを延長すると、X線システムの焦点に向かう細長い電極(例えば、フォトダイオードの金属電極)とすることができる。検出器のトポロジーによっては、検出器素子60が画素に対応してもよい。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58は、複数の検出器ストリップ62を有する深さ方向にセグメントされた検出器サブモジュールとすることができ、各ストリップ62は複数の深さセグメント65を有している。図示されているように、各ストリップ62は、検出ラインに沿って(焦点に対して)深さが異なる第1のセグメント64、第2のセグメント66、及び第3のセグメント68を有している。図示されているように、各セグメント64、66、68の少なくとも一部は、同一線上に配置されている。セグメント65の数は別の値であってもよい(例えば、1個~3個又は4個以上)。このような深さセグメント検出器サブモジュール58では、各深さセグメント65は、(各深さセグメントが、当該深さセグメント自体の個々の電荷収集電極と関連付けられる場合)個々の検出器素子と見なすことができる。特定の実施形態では、回路は、単一のストリップ62の深さセグメント65を単一の検出器素子としてロジカルに扱うことができる。
【0027】
検出器サブモジュール58は別の形状とすることができる。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58は、平行四辺形形状、台形形状、三角形形状、又は別の形状を有していてもよい。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58の1つ又は複数の縁部59は斜めであってもよい。検出器素子60は別の形状であってもよい。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58の斜めの側縁部69に沿って配置された検出器素子60は、テーパ状の縁部セグメント(例えば、台形又は三角形のセグメント及び/又は角が丸められた切り取られた台形又は三角形のセグメント)を含むことができる。特定の実施形態では、検出器サブモジュール58の斜めの側縁部に最も近いストリップ62のセグメント65は、隣接するストリップ62の領域へと延在するように方向付けることができる。特定の実施形態では、セグメント65が斜めに形成されてもよい。
【0028】
図3は、X線検出器サブモジュール70の一部の断面図である。X線検出器サブモジュール70は半導体層72を含んでいる。半導体層72はシリコンから作られている。特定の実施形態では、半導体層72は、ガリウムヒ素、テルル化亜鉛カドミウム、又は他の半導体材料で作られてもよい。検出器素子又はセグメント74、76(例えば、フォトダイオードの金属電極)は、半導体層72に配置されている。電極はアルミニウムから作ることができる。特に、電極74、76は、半導体層72に配置されるドープインプラント78、80(例えば、半導体層のシリコンがn型であるかp型であるかに応じて、p型又はn型のシリコンインプラント)に配置されている。検出器素子74、76は、互いに隣接して配置された異なるストリップのセグメントとすることができる。検出器素子74、76及びドープインプラント78、80は、半導体層72に間隔をあけて配置されており、間にギャップ82が形成されている。X線検出器サブモジュール70は、隣接する電極74と76との間に延在する電気絶縁層84を含んでいる。電気絶縁層84は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリイミド、スピンオングラス、又は他の絶縁材料とすることができる。1つ又は複数の配線トレース86(例えば、金属トレース)は、電極74、76の間のギャップ82に配線される。図示されているように、配線トレース86は電気絶縁層84に配置されている。図示されているように、配線トレース86は、ギャップ82にわたって等間隔に配置されている。特定の実施形態では、配線トレース86は、電極74、76のエッジのできるだけ近くに配線することができる。配線トレース86は、電極74、76に結合されてもよいし、異なる電極に結合されてもよい。配線トレース86は、ギャップ82(及び場合によっては他のギャップ)に沿って、読出し回路まで配線される。図示されているように、X線検出器サブモジュール70のこれらの構成要素の上に、パッシベーション層88が配置されている。パッシベーション層88は、酸化シリコン、窒化シリコン、又は他の絶縁体で形成することができる。
【0029】
図4は、先行技術のX線検出器サブモジュール90(検出器センサ)のパッシブ画素(すなわち、画素ベースで増幅することなく、瞬時に読み出される)を有する部分を示す概略図である。図示されているように、X線検出器サブモジュール90は、フォトダイオード又はダイオード92(例えば、画素又は検出器素子)を含んでいる。X線検出器サブモジュール90は、複数のフォトダイオード92を含んでいてもよい。フォトダイオード92には電圧バイアス94が印加される。フォトダイオード92は、トレース96(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。トレース96は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収された光子)の検出に応答してフォトダイオード92から出力された信号(例えば、電流パルス)を読み出すための読出し回路98(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路98は、X線検出器サブモジュール90とは別個の回路である(すなわち、読出し回路98は、X線検出器サブモジュール90の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード92は、読出し回路98の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。フォトダイオード92のトレース96は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路98に結合されている。この異種集積により、読出し回路98(例えば、ASIC)の入力CSA100に大きな容量性負荷が形成される。特に、トレース96又は読出し回路98のノイズ102は、検出器容量(Cdet)104と読出し回路98(たとえば、ASIC)の帰還容量(C)106の比で増幅される。ノイズが増加するのに加えて、容量性負荷が大きいと、システムの消費電力も増加する。
【0030】
図5は、X線検出器サブモジュール108(検出器センサ)のアクティブ画素(すなわち、増幅させる何らかの形態を含む画素)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール108は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様である。図示されているように、X線検出器サブモジュール110は、フォトダイオード又はダイオード112(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。X線検出器サブモジュール110は、複数のフォトダイオード112を含むことができる。フォトダイオード112には電圧バイアス114が印加される。フォトダイオード112は増幅段116に結合されている(すなわち、増幅段116はアクティブ画素に統合されている)。増幅段116は、(例えば、半導体層によって吸収された)入射X線光子の検出に応答してアクティブ画素によって生成される電流パルス出力に基づいて、出力信号を生成するように構成されている。増幅段116は、トレース118(例えば、導電性金属トレース)に結合される。トレース118は、増幅段116から出力された信号を読み出すための読出し回路120(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路120は、X線検出器サブモジュール108とは分離している(すなわち、X線検出器サブモジュール108の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード116は、読出し回路120の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。フォトダイオード112のトレース118は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路120に直接に結合されている。フォトダイオード112は、検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路120に直接に結合され、特定の実施形態では、読出し回路120(例えば、ASIC)の入力CSA122に供給される。トレース118又は読出し回路120のノイズ124は依然として存在している。しかしながら、増幅段116は、フォトダイオード112からの信号をブーストし(すなわち、電流利得を提供し)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)125(すなわち、トレース容量と寄生容量)がノイズ124に与える影響が抑制される。
【0031】
特定の実施形態では、各アクティブ画素(例えば、フォトダイオード112)は、パッシブ積分器として機能するように構成されている。各アクティブ画素がパッシブ積分器である場合、増幅段116は、単一のトランジスタを有する相互コンダクタンス増幅器を含む。また、各アクティブ画素がパッシブ積分器である場合、電流源は読出し回路120に配置され、単一トランジスタにバイアスをかける。特定の実施形態では、増幅段116は電荷感応増幅器を含む。増幅段116が電荷感応増幅器を含む場合、増幅段116は第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、第1のトランジスタは電荷感応増幅器であり、第2のトランジスタは電圧出力を電流に変換するように構成される。また、増幅段116が電荷感応増幅器を含む場合、各アクティブ画素に電流源が統合される。
【0032】
図5で説明したようなアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール108(検出器センサ)を利用すると、光子計数検出器から得られる画像データの画質が向上する。また、読出し回路120による消費電力が低減される。
【0033】
特定の実施形態では、1つ又は複数のダイオードの代わりに、X線検出器サブモジュール110は、アクティブ画素として複数のバイポーラ接合トランジスタ(例えば、縦型バイポーラ接合トランジスタ)を含む(図11図15参照)。これらの実施形態では、別個の増幅段は必要ない。代わりに、バイポーラ接合トランジスタが、X線検出器サブモジュール110の半導体層に衝突するX線光子によって生成されるパルス信号を増幅する。
【0034】
図6は、X線検出器サブモジュール126(検出器センサ)のアクティブ画素(例えば、パッシブ積分器)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール126は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様である。図示されているように、X線検出器サブモジュール126は、フォトダイオード又はダイオード128(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。X線検出器サブモジュール126は、複数のフォトダイオード128を含むことができる(図8参照)。フォトダイオード128には電圧バイアス130が印加される。フォトダイオード128は、増幅段132に結合されている(すなわち、増幅段132はアクティブ画素に統合されている)。増幅段132は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収された入射X線光子)の検出に応答してアクティブ画素によって生成される電流パルス出力に基づいて、出力信号を生成するように構成されている。
【0035】
各アクティブ画素(例えば、フォトダイオード128)は、パッシブ積分器として機能するように構成されている。増幅段132は、相互コンダクタンス増幅器134(M1)を含んでいる。特定の実施形態では、相互コンダクタンス増幅器134は、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)である。相互コンダクタンス増幅器134は、単一のトランジスタ136を含んでいる。相互コンダクタンス増幅器134は、利得(g)を与える積分後の増幅器(post-integrative amplifier)である。増幅段132は、フォトダイオード128からの電圧(Vpix)を電流(Iout)に変換する。増幅段132は、相互コンダクタンス増幅器134に結合されたバイアス・リセット回路138を含んでいる。増幅段132は、画素コンデンサ140(Cpix)も含んでいる。また、バイアス・リセット回路138は、積分器(すなわち入力ゲート容量)を放電するように構成されている。バイアス・リセット回路138は、画素コンデンサ140にリセット経路を提供するようにも構成されている。バイアス・リセット回路138は、アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいた出力信号のみ(バイアスでもなく、DC電流でもない)が帰還コンデンサ(図5の読出し回路120のCを参照)に供給されるようにする。
【0036】
増幅段132は、トレース142(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。トレース142は、増幅段132から出力された信号を読み出すための読出し回路144(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路144には電流源146が配置され、電流源146は単一トランジスタ136にバイアスをかける。読出し回路144は、X線検出器サブモジュール126から分離している(すなわち、X線検出器サブモジュール126の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード128は、読出し回路144の専用チャネル(例えば、専用読み出しチャネル)に結合されている。フォトダイオード128のトレース142は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路144に直接結合されている。フォトダイオード128は検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路144に直接結合される。増幅段132は、フォトダイオード128からの信号をブーストし(すなわち、電流利得を与える)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)148によるノイズへの影響が抑制される。
【0037】
図6で説明したようなアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール126(検出器センサ)を利用すると、光子計数検出器から得られる画像データの画質が向上する。また、読出し回路144による消費電力が低減される。
【0038】
図7は、X線検出器サブモジュール150(検出器センサ)の、アクティブ画素を有する(例えば、CSAが画素に統合されている)部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール150は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様である。図示されているように、X線検出器サブモジュール150は、フォトダイオード又はダイオード152(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。X線検出器サブモジュール126は、複数のフォトダイオード152を含むことができる(図9参照)。フォトダイオード152には電圧バイアス154が印加される。フォトダイオード152は、増幅段156に結合されている(すなわち、増幅段156はアクティブ画素に統合されている)。増幅段156は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収される入射X線光子)の検出に応答してアクティブ画素によって生成される電流パルス出力に基づいて、出力信号を生成するように構成される。
【0039】
各アクティブ画素(例えば、フォトダイオード152)は、パッシブ積分器として機能するように構成されている。増幅段156は、電荷感応増幅器158(M1)を含んでいる。電荷感応増幅器158はアクティブ画素に統合されている。増幅段156は、第1のトランジスタ160及び第2のトランジスタ161を含んでいる。特定の実施形態において、第1のトランジスタ160及び第2のトランジスタ161は両方ともPMOSである。特定の実施形態では、第1のトランジスタ160はPMOSであり、第2のトランジスタ161はnチャネル型金属酸化膜半導体(NMOS)である。第1のトランジスタ160のバイアスは必要ない。第2のトランジスタ161がNMOSの場合、第2のトランジスタ161はソースフォロワ(例えば、電圧バッファ)として機能する。その結果、読出し回路170(例えば、ASIC)が必要とするのは、整形器及び識別器のみである。第2のトランジスタ161がPMOSの場合、第2のトランジスタ161は2段ゲインであり、読出し回路170はCSA、整形器、及び識別器を必要とする。第1のトランジスタ160は電荷感応増幅器158である。CSA増幅器158は利得を与える相互コンダクタンス増幅器である。第2のトランジスタ161(M2)は、電荷感応増幅器158からの電圧を電流(Iout)に変換するように構成されている。また、第2のトランジスタ161は追加の利得を与える。図7に示されているように、増幅段156は各アクティブ画素に統合された電流源162を含んでいる。増幅段156は抵抗(R)164を含んでいる。増幅段156は帰還コンデンサ166(C)も含んでいる。
【0040】
増幅段156は、トレース168(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。トレース168は、増幅段156から出力された信号を読み出すための読出し回路170(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路170は、X線検出器サブモジュール150から分離している(すなわち、読出し回路170は、X線検出器サブモジュール150の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード152は、読出し回路170の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。フォトダイオード152のトレース168は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路170に直接結合されている。フォトダイオード152は検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路170に直接結合される。増幅段156は、フォトダイオード152からの信号をブーストし(すなわち、電流利得を与える)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)172のノイズに対する影響が抑制される。
【0041】
図7で説明したようなアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール150(検出器センサ)を利用すると、光子計数検出器から得られる画像データの画質が向上する。また、読出し回路170による消費電力が低減される。
【0042】
図8は、X線検出器サブモジュール174(検出器センサ)の、複数のアクティブ画素(例えば、パッシブ積分器)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール174は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様である。図示されているように、X線検出器サブモジュール174は、複数のフォトダイオード又はダイオード176(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。各フォトダイオード176には電圧バイアス178が印加される。各フォトダイオード176は、それぞれの増幅段180に結合されている(すなわち、各増幅段180は、それぞれのアクティブ画素に統合されている)。各増幅段180は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収される入射X線光子)の検出に応答して、それぞれのアクティブ画素によって生成される電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成されている。
【0043】
各アクティブ画素(例えば、フォトダイオード176)は、パッシブ積分器として機能するように構成されている。各増幅段180は、相互コンダクタンス増幅器182(M1)を含んでいる。各相互コンダクタンス増幅器182は、単一のトランジスタ184を含んでいる。各相互コンダクタンス増幅器182は、利得(g)を与える積分後の増幅器である。特定の実施形態では、各相互コンダクタンス増幅器182はPMOSである。各増幅段180は、それぞれのフォトダイオード176からの電圧(Vpix)を電流(Iout)に変換する。各増幅段180は、バイアス・リセット回路186を含んでいる。各増幅段180は、相互コンダクタンス増幅器182に結合されたバイアス・リセット回路186を含んでいる。各増幅段180は画素コンデンサ188(Cpix)も含んでいる。各バイアス・リセット回路186は、積分器(すなわち入力ゲート容量)を放電するように構成されている。各バイアス・リセット回路186は、画素コンデンサ188にリセット経路を提供するようにも構成されている。各バイアス・リセット回路186は、アクティブ画素によって生成された電流パルス出力に基づいた出力信号のみ(バイアスでもなく、DC電流でもない)が帰還コンデンサ(図5の読出し回路120のCを参照)に供給されるようにする。
【0044】
各増幅段180は、それぞれのトレース190(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。各トレース190は、それぞれの増幅段180から出力された信号を読み出すための読出し回路192(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。それぞれの電流源193は読出し回路192に配置され、それぞれのトランジスタ184にバイアスをかける。読出し回路190は、X線検出器サブモジュール174から分離している(すなわち、X線検出器サブモジュール174の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード176は、読出し回路192の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。特定の実施形態では、複数のフォトダイオード176の読出しチャネルは、同じASICモジュールに配置される。特定の実施形態では、複数のフォトダイオード176の読出しチャネルは、異なるASICモジュールに配置される。フォトダイオード176のトレース190は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路192に直接結合されている。フォトダイオード176は検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路192に直接結合される。各増幅段180は、それぞれのフォトダイオード176からの信号をブーストし(すなわち、電流利得を与える)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)194のノイズに対する影響が抑制される。
【0045】
図8で説明したようなアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール174(検出器センサ)を利用すると、光子計数検出器から得られる画像データの画質が向上する。また、読出し回路192による消費電力が低減される。
【0046】
図9は、X線検出器サブモジュール196(検出器センサ)の、複数のアクティブ画素(例えば、CSAが統合された各画素)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール196は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様である。図示されているように、X線検出器サブモジュール196は、複数のフォトダイオード又はダイオード198(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。各フォトダイオード198には電圧バイアス200が印加される。各フォトダイオード198は、それぞれの増幅段202に結合されている(すなわち、各増幅段202は、それぞれのアクティブ画素に統合されている)。各増幅段202は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収される入射X線光子)の検出に応答して、それぞれのアクティブ画素によって生成される電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成されている。
【0047】
各アクティブ画素(例えば、フォトダイオード198)は、パッシブ積分器として機能するように構成されている。各増幅段202は、それぞれの電荷感応増幅器204(M1)を含んでいる。各電荷感応増幅器204は、そのアクティブ画素に統合されている。各増幅段202は、それぞれの第1のトランジスタ206及びそれぞれの第2のトランジスタ208を含んでいる。特定の実施形態では、第1のトランジスタ206及び第2のトランジスタ208の両方がPMOSである。特定の実施形態では、第1のトランジスタ206はPMOSであり、第2のトランジスタ208はNMOSである。第1のトランジスタ206のバイアスは必要はない。各第1のトランジスタ206は、電荷感応増幅器204である。各CSA増幅器204は、利得を与える相互コンダクタンス増幅器である。各第2のトランジスタ208(M2)は、それぞれの電荷感応増幅器204からの電圧(~Vpix)を電流(Iout)に変換するように構成されている。また、各第2のトランジスタ208は、追加の利得を与える。図9に示されているように、各増幅段202は、各アクティブ画素に統合されたそれぞれの電流源210を含んでいる。各増幅段202は、それぞれの抵抗器(R)212を含んでいる。各増幅段202は、それぞれの帰還コンデンサ214(C)も含んでいる。
【0048】
各増幅段202は、それぞれのトレース216(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。各トレース216は、それぞれの増幅段202から出力された信号を読み出すための読出し回路218(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路218は、X線検出器サブモジュール196から分離している(すなわち、X線検出器サブモジュール196の半導体層には配置されていない)。各フォトダイオード198は、読出し回路218の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。特定の実施形態では、複数のフォトダイオード198の読出しチャネルは、同じASICモジュールに配置される。特定の実施形態では、複数のフォトダイオード198の読出しチャネルは、異なるASICモジュールに配置される。フォトダイオード198のそれぞれのトレース216は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路218に直接結合されている。フォトダイオード198は検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路218に直接結合される。各増幅段202は、それぞれのフォトダイオード198からの信号をブーストし(すなわち、電流利得を与える)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)220のノイズに対する影響が抑制される。
【0049】
図9で説明したようなアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール196(検出器センサ)を利用すると、光子計数検出器から得られる画像データの画質が向上する。また、読出し回路218による消費電力が低減される。
【0050】
図10は、複数のアクティブ画素を有するX線検出器サブモジュール(例えば、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70)を製造するための方法222のフローチャートである。方法222は、半導体層を用意することを含む(ブロック224)。半導体層はシリコンで作られている。特定の実施形態では、半導体層は、ガリウムヒ素、カドミウム亜鉛テルル化物、又は別の半導体材料で作られてもよい。
【0051】
また、方法222は、半導体層に複数のアクティブ画素及び関連する回路を配置することを含んでいる(ブロック226)。各アクティブ画素はフォトダイオードを含んでおり、このフォトダイオードは、フォトダイオードによって出力される信号の利得を増加させるように構成された増幅段に結合される。特定の実施形態では、各アクティブ画素は、パッシブ積分器として機能するように構成される。この実施形態では、増幅段は、単一のトランジスタを有する相互コンダクタンス増幅器を含む。この実施形態では、電流源は読出し回路に配置され、単一トランジスタにバイアスをかける。特定の実施形態では、増幅段は電荷感応増幅器を含む。この実施形態では、増幅段は第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、第1のトランジスタは電荷感応増幅器であり、第2のトランジスタは電圧出力を電流に変換するように構成される。この実施形態では、電流源は各アクティブ画素に統合される。
【0052】
方法222は、更に、複数のアクティブ画素の各アクティブ画素を読出し回路に結合することを含む(ブロック228)。読出し回路は、1つ又は複数のASICモジュールを含むことができる。各アクティブ画素の各増幅段は、それぞれの増幅段から出力された信号を読み出すための読出し回路(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)として機能するそれぞれのトレースに結合されている。読出し回路は、X線検出器サブモジュールから分離している(すなわち、X線検出器サブモジュールの半導体層には配置されていない)。各フォトダイオードは、(増幅段に結合されたトレースを通じて)、読出し回路(例えば、ASIC)の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。特定の実施形態では、複数のフォトダイオードの読出しチャネルは、同じASICモジュールに配置される。特定の実施形態では、複数のフォトダイオードの読出しチャネルは、異なるASICモジュールに配置される。フォトダイオードのそれぞれのトレースは、直接ワイヤボンディングによって読出し回路に直接結合される。
【0053】
図11は、X線検出器サブモジュール230(例えば、検出器センサ)の、アクティブ画素(例えば、増幅用バイポーラ接合トランジスタを有する画素)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール230は、図2及び図3の検出器サブモジュール58及び70と同様のものである。図示されているように、X線検出器サブモジュール230は、バイポーラ接合トランジスタ232(例えば、アクティブ画素又は検出器素子)を含んでいる。特定の実施形態(例えば、図12に示されるような実施形態であって、図13及び図14のバイポーラ接合トランジスタ246及び272に対応する実施形態)では、バイポーラ接合トランジスタ232(例えば、縦型バイポーラ接合トランジスタ)は、NPN型バイポーラ接合トランジスタである。特定の実施形態(例えば、図11に示されるような実施形態であって、図15のバイポーラ接合トランジスタ294に対応する実施形態)では、バイポーラ接合トランジスタ232はPNP型バイポーラ接合トランジスタである。X線検出器サブモジュール230は、複数のバイポーラ接合トランジスタ232を含むことができる。別個の増幅段を有する代わりに、バイポーラ接合トランジスタ232が増幅を行う。バイポーラ接合トランジスタ232は、出力信号を生成するように構成され、出力信号は、入射X線光子(例えば、半導体層によって吸収される入射X線光子)の検出に応答してアクティブ画素によって生成された電流パルスの増幅信号である。バイポーラ接合トランジスタ232には電圧バイアス233が印加される。バイポーラ接合トランジスタ232は、トレース234(例えば、導電性金属トレース)に結合されている。トレース234は、バイポーラ接合トランジスタ232から出力された信号を読み出すための読出し回路236(例えば、ASICのフロントエンド)に結合されたデータ線(例えば、専用データ線)である。読出し回路236は、X線検出器サブモジュール230から分離している(すなわち、X線検出器サブモジュール230の半導体層には配置されていない)。各バイポーラ接合トランジスタ230は、読出し回路236の専用チャネル(例えば、専用読出しチャネル)に結合されている。バイポーラ接合トランジスタ232のトレース234は、直接ワイヤボンディングによって読出し回路236に直接結合されている。バイポーラ接合トランジスタ232は、検出された電荷を蓄積せず、したがって、読出し回路236に直接結合され、特定の実施形態では、読出し回路236の入力CSA238(例えば、ASIC)に供給される。トレース234又は読出し回路236のノイズ240は依然として存在する。しかし、バイポーラ接合トランジスタ232は、信号をブーストし(すなわち、電流利得を与える)、信号対雑音比を増加させる。さらに、検出器容量(Cdet)242(すなわち、トレース容量と寄生容量)がノイズ240に与える影響が抑制される。
【0054】
図13は、X線検出器サブモジュール244の、バイポーラ接合トランジスタ246(例えば、NPN型の縦型バイポーラ接合トランジスタ)を有する部分の断面図であり、その動作が示されている。X線検出器サブモジュール244は、第1の面248(例えば前面)と、第1の面248とは反対側の第2の面250(背面)とを含んでいる。図示されているように、バイポーラ接合トランジスタ246は、第1のN型半導体層254(例えば、N+)から形成されたエミッタ252と、P型半導体層258(例えば、P)から形成されたベース256と、第2のN型半導体層262(N-)から形成されたコレクタ260とを含んでいる。バイポーラ接合トランジスタ246は、第3のN型半導体層264(例えば、N+)も含んでいる。コレクタ260は、ベース256と第3のN型半導体層264との間に配置されている。エミッタ252とベース256の一部は共に第1の面248に位置し、第3のN型半導体層264は第2の面250に位置している。第3のN型半導体層264はコレクタ260よりも高濃度にドープされている。ベース256は、エミッタ252よりも10倍~100倍低くドープされており、バイポーラ接合トランジスタ246の利得にほぼ対応する。ベース256のP型領域は十分に高くドープされ、十分に厚いが、高くドープされすぎず、厚すぎるということもない。特に、ベース256は、パンチスルーを回避するのに十分なドーピングが行われ、十分な厚さを有している。
【0055】
ベース256とコレクタ260との間の接合266は、完全空乏化になるように逆バイアスされる。エミッタ252は接地されている。バイポーラ接合トランジスタ246は検出器素子又はアクティブ画素として機能する。X線検出器サブモジュール244を通過するX線光子が、ある領域で価電子を散乱させて価電子が伝導帯に励起されることに応答して、電子-正孔対(すなわち電流パルス)が生成される。正孔はベース256に注入される。正孔が過剰に蓄積されると、エミッタ252とベース256との間の接合268に順バイアスが印加される。増幅された電子がベース256に注入される。特定の実施形態では、ベース256はバイアスを必要とする場合がある。その結果、バイポーラ接合トランジスタ246は出力信号を生成し、出力信号は、X線光子が半導体基板を移動することに応答して、アクティブ画素によって生成される電流パルスの増幅信号である。
【0056】
図14は、X線検出器サブモジュール270の、バイポーラ接合トランジスタ272(例えば、NPN型のバイポーラ接合トランジスタ)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール270は、第1の面274(前面)と、第1の面274とは反対側の第2の面276(背面)とを含んでいる。図示されているように、バイポーラ接合トランジスタ272は、第1のN型半導体層280(例えば、N)から形成されたエミッタ278と、P型半導体層284(例えば、P-)から形成されたベース282と、第2のN型半導体層288(N)から形成されたコレクタ286とを含んでいる。バイポーラ接合トランジスタ246は、第2のP型半導体層290(例えば、P)も含んでいる。第2のP型半導体層290は、ベース282とエミッタ278との間に配置されている。第2のP型半導体層290は、ベース282よりも高濃度にドープされている。エミッタ278と第2のP型半導体層290の一部は共に第1の面274に位置し、コレクタ286は第2の面276に位置している。P型領域は高濃度にドープされ、十分に厚いが、高濃度にドープされすぎず、厚すぎでもない。図13で説明したのと同様に、バイポーラ接合トランジスタ272は出力信号を生成する。出力信号は、X線光子が半導体基板を移動することに応答してアクティブ画素によって生成される電流パルスの増幅信号である。
【0057】
図15は、X線検出器サブモジュール292の、バイポーラ接合トランジスタ294(例えば、PNP型バイポーラ接合トランジスタ)を有する部分を示す概略図である。X線検出器サブモジュール292は、第1の面296(例えば、前面)と、第1の面296とは反対側の第2の面298(例えば、背面)とを含んでいる。図示されているように、バイポーラ接合トランジスタ272は、第1のP型半導体層302(例えば、P)から形成されたエミッタ300と、N型半導体層306(例えば、N-)から形成されたベース304と、第2のP型半導体層310(例えば、P)のコレクタ308とを含んでいる。また、バイポーラ接合トランジスタ294は、ベース304とエミッタ300との間に配置された第2のN型半導体層312(例えば、N)を含んでいる。第2のN型半導体層312は、パンチスルーを回避するために、ベース304よりも高濃度にドープされている。コレクタ308は第1の面296に位置し、エミッタ300は第2の面298に位置する。コレクタ308は接地されている。バイポーラ接合トランジスタ294は、検出器素子又はアクティブ画素として機能する。X線検出器サブモジュール292を通過するX線光子が、ある領域で価電子を散乱させて価電子が伝導帯に励起されることに応答して、電子-正孔対(すなわち、電流パルス)が生成される。増幅した正孔が(例えば、第2の面即ち背面の隣接する領域で)ベース304に注入される。バイポーラ接合トランジスタ294は出力信号を生成する。出力信号は、X線光子が半導体基板を移動することに応答してアクティブ画素によって生成される電流パルスの増幅信号である。
【0058】
開示された主題の技術的効果には、システムのノイズ及び消費電力を増加させるような大きな容量負荷をASICの入力CSAに与えることを回避するために、光子計数システム用の効果的なアクティブ画素センサを実装するシステム及び方法を提供することが含まれる。技術的効果には、シリコンベースの光子計数検出器(コンピュータ断層撮影検出器又は他の適切なタイプのX線撮影検出器など)の性能を向上させることも含まれる。技術的効果には、さらに、電子ノイズの影響を低減することによる(S/N比の改善による)画質の向上も含まれる。技術的効果には、さらに、読出し回路(例えば、ASIC)の消費電力が低下することにより、システムの複雑さを低減しコストを削減することが含まれる。
【0059】
本明細書で提示され請求項に記載された技術は、本技術分野を明らかに改善する実用的な性質を有する具体例及び有形物に言及され、適用されており、そのため、抽象的なものではなく、無形物ではなく、純粋に理論的なものでもない。さらに、請求項が、「…[機能]を[実行]するための手段」又は「…[機能]を[実行]するためのステップ」として指定された一つ又は複数の要素を含む場合、かかる要素は、35 U.S.C.112(f)に基づいて解釈されるべきである。しかし、他のやり方で指定された要素を含む請求項については、そのような要素は35 U.S.C.112(f)に基づいて解釈されるべきではない。
【0060】
本明細書の説明は、実施例を使用して本主題(ベストモードを含む)を開示し、また、当業者が本主題を実施できるようにする(任意の装置又はシステムを製造及び使用すること並びに組み込まれた任意の方法を実行することなど)ものである。本主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲で規定されており、当業者が思い浮かぶ他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の字義通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の字義通りの文言と実質的な差異がない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されるものである。
【符号の説明】
【0061】
10 CTイメージングシステム
12 X線源
20 X線ビーム
22 コリメータ
24 被検体
26 X線
28 検出器アレイ
30 システムコントローラ
32 直線位置決めサブシステム
34 回転サブシステム
36 モータコントローラ
38 X線コントローラ
40 データ収集システム
42 コンピュータ
44 処理回路
46 メモリ
48 オペレータワークステーション
50 ディスプレイ
52 プリンタ
56 遠隔システム
58 検出器サブモジュール
59 縁部
60 検出器素子
62 検出器ストリップ
64 セグメント
65 セグメント
66 第2のセグメント
68 第3のセグメント
69 側縁部
70 X線検出器サブモジュール
72 半導体層
78 ドープインプラント
82 ギャップ
84 電気絶縁層
86 配線トレース
88 パッシベーション層
90 X線検出器サブモジュール
92 ダイオード
94 電圧バイアス
96 トレース
98 読出し回路
102 ノイズ
104 検出器容量
108 X線検出器サブモジュール
110 X線検出器サブモジュール
112 ダイオード
114 電圧バイアス
116 増幅段
116 フォトダイオード
118 トレース
120 読出し回路
124 ノイズ
125 検出器容量
126 X線検出器サブモジュール
128 ダイオード
130 電圧バイアス
132 増幅段
134 相互コンダクタンス増幅器
136 トランジスタ
138 リセット回路
140 画素コンデンサ
142 トレース
144 読出し回路
146 電流源
148 検出器容量
150 X線検出器サブモジュール
152 ダイオード
154 電圧バイアス
156 増幅段
158 電荷感応増幅器
160 第1のトランジスタ
161 第2のトランジスタ
162 電流源
166 帰還コンデンサ
168 トレース
170 読出し回路
172 検出器容量
174 X線検出器サブモジュール
176 ダイオード
178 電圧バイアス
180 増幅段
182 相互コンダクタンス増幅器
184 トランジスタ
186 バイアス・リセット回路
188 画素コンデンサ
190 トレース
190 読出し回路
192 読出し回路
193 電流源
194 検出器容量
196 X線検出器サブモジュール
198 ダイオード
200 電圧バイアス
202 増幅段
204 電荷感応増幅器
206 第1のトランジスタ
208 第2のトランジスタ
210 電流源
214 帰還コンデンサ
216 トレース
218 読出し回路
220 検出器容量
222 方法
224 ブロック
226 ブロック
228 ブロック
232 バイポーラ接合トランジスタ
233 電圧バイアス
234 トレース
236 読出し回路
240 ノイズ
242 検出器容量
244 X線検出器サブモジュール
246 バイポーラ接合トランジスタ
248 第1の面
250 第2の面
252 エミッタ
254 N型半導体層
256 ベース
258 P型半導体層
260 コレクタ
262 N型半導体層
264 N型半導体層
266 接合
268 接合
270 X線検出器サブモジュール
272 バイポーラ接合トランジスタ
274 第1の面
276 第2の面
278 エミッタ
280 N型半導体層
282 ベース
284 P型半導体層
286 コレクタ
288 N型半導体層
290 P型半導体層
292 X線検出器サブモジュール
294 バイポーラ接合トランジスタ
296 第1の面
298 第2の面
300 エミッタ
302 P型半導体層
304 ベース
306 N型半導体層
308 コレクタ
310 P型半導体層
312 N型半導体層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光子計数検出器(28)であって、
複数の検出器サブモジュール(58)であって、前記複数の検出器サブモジュール(58)の各検出器サブモジュール(58)は、
半導体基板(72)、
前記半導体基板(72)に配置され、検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素(60)、および
前記複数のアクティブ画素(60)から読出し回路(120)まで延在する複数のトレース(118)であって、前記複数のアクティブ画素(60)の各アクティブ画素(60)は、前記複数のトレース(118)のそれぞれのトレース(118)に結合され、各アクティブ画素(60)は、前記アクティブ画素(60)によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段(116)を含む、複数のトレース
を含む、複数の検出器サブモジュールと、
前記複数のアクティブ画素(60)から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路(120)であって、前記読出し回路(120)は、前記複数の検出器サブモジュール(58)から分離している、読出し回路と
を含む、光子計数検出器。
【請求項2】
前記増幅段(116)は、信号対雑音比を増加させるために、現在のパルス出力よりも高い利得を有する出力信号を生成するように構成される、請求項1に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項3】
各アクティブ画素(60)はパッシブ積分器として機能するように構成されている、請求項1に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項4】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は、相互コンダクタンス増幅器(134)を含む、請求項3に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項5】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は、単一のトランジスタ(136)を含む、請求項4に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項6】
各アクティブ画素(60)は、画素コンデンサ(140)とバイアス・リセット回路(138)とを含み、前記バイアス・リセット回路(138)は、画素コンデンサ(140)にリセット経路を提供し、バイアスが前記読出し回路(120)に供給されないように構成される、請求項5に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項7】
前記読出し回路(120)に配置された電流源(146)を含み、前記電流源(146)は単一トランジスタ(136)にバイアスをかける、請求項5に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項8】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は電荷感応増幅器(158)を含む、請求項1に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項9】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は、第1のトランジスタ(160)と第2のトランジスタ(161)とを含み、前記第1のトランジスタ(160)は電荷感応増幅器(158)であり、前記第2のトランジスタ(161)は電圧出力を電流に変換するように構成されている、請求項8に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項10】
各アクティブ画素(60)は電流源(162)を含む、請求項9に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項11】
前記光子計数検出器(28)は、コンピュータ断層撮影イメージングシステム(10)で使用されるように構成されている、請求項1に記載の光子計数検出器(28)。
【請求項12】
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステム(10)であって、
光子計数検出器(28)であって、
少なくとも1つの検出器サブモジュール(58)であって、前記少なくとも1つの検出器サブモジュール(58)は、
半導体基板(72)と、
前記半導体基板(72)に配置された検出器素子として機能するように構成された複数のアクティブ画素(60)と、
前記複数のアクティブ画素(60)から読出し回路(120)まで延在する複数のトレース(118)であって、前記複数のアクティブ画素(60)の各アクティブ画素(60)は、前記複数のトレース(118)のそれぞれのトレース(118)に結合され、各アクティブ画素(60)は、前記アクティブ画素(60)によって生成された電流パルス出力に基づいて出力信号を生成するように構成された増幅段(116)を含む、複数のトレースと
を含む少なくとも1つの検出器サブモジュール、および
前記複数のアクティブ画素(60)から前記出力信号を直接読み出すように構成された読出し回路(120)であって、前記読出し回路(120)は、前記少なくとも1つの検出器サブモジュール(58)から分離している、読出し回路
を含む光子計数検出器
を含む、CTシメージングシステム。
【請求項13】
各アクティブ画素(60)はパッシブ積分器として機能するように構成されている、請求項12に記載のCTイメージングシステム(10)。
【請求項14】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は相互コンダクタンス増幅器(134)を含む、請求項13に記載のCTイメージングシステム(10)。
【請求項15】
各アクティブ画素(60)の増幅段(116)は単一のトランジスタ(136)を含む、請求項14に記載のCTイメージングシステム。
【外国語明細書】