(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156615
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】繊維強化熱可塑性複合材構造部材、それを含む航空機、及び関連方法
(51)【国際特許分類】
B64C 1/06 20060101AFI20241029BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20241029BHJP
B64C 3/18 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B64C1/06
B64C1/00 B
B64C3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024058780
(22)【出願日】2024-04-01
(31)【優先権主張番号】18/295,979
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブロム-シーバー, アドリアーナ ダブリュ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改良された繊維強化熱可塑性複合材構造部材、それを含む航空機、及び/又は関連方法を提供する。
【解決手段】繊維強化熱可塑性複合材構造部材(FRTCSM)(20)は、第1の熱可塑性サブ構造(30)および第2の熱可塑性サブ構造(50)を含む。第1のウェブ(38)は、第2のウェブ(58)に溶接される。航空機は、少なくとも1つのFRTCSM(20)を含む。該方法は、第1のウェブ(38)が第2のウェブ(58)に面するように第1の熱可塑性サブ構造(30)と第2の熱可塑性サブ構造(50)を配置すること、第1のウェブ(38)と第2のウェブ(58)を共に圧縮すること、及び第1のウェブ(38)と第2のウェブ(58)とを互いに溶接することを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱可塑性サブ構造(30)と第2の熱可塑性サブ構造(50)から繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を形成する方法(100)であって、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1のウェブ(38)、前記第1のウェブ(38)から離れるように延在する第1のフランジ(40)、及び前記第1のフランジ(40)と前記第1のウェブ(38)との間の第1の遷移領域(44)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2のウェブ(58)、前記第2のウェブ(58)から離れるように延在する第2のフランジ(60)、及び前記第2のフランジ(60)と前記第2のウェブ(58)との間の第2の遷移領域(64)を含み、前記方法(100)は、
前記第1のフランジ(40)が前記第2のフランジ(60)から離れるように延在するように、また前記第1のウェブ(38)が前記第2のウェブ(58)に面するように、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)とを互いに対して配置すること(115)、
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)を共に圧縮すること(120)、及び
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を少なくとも部分的に画定するために、前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)を含む、方法(100)。
【請求項2】
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)を配置すること(115)は、
(i)前記第1のフランジ(40)の第1のフランジ表面(42)が、前記第2のフランジ(60)の第2のフランジ表面(62)と少なくとも実質的に平行に延在するか、
(ii)前記第1のフランジ表面(42)が、前記第2のフランジ表面(62)と少なくとも実質的に同一平面上にある、
うちの少なくとも一方であるように配置することを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の長さが、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の幅よりも大きく、
(ii)前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の長さが、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の幅よりも大きい、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記第1のウェブ(38)の形状が、前記第2のウェブ(58)の形状に対応する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項5】
(i)キャップサブ構造(90)が、前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)に面するように、前記キャップサブ構造(90)を前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)に対して配置すること(140)、
(ii)前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに圧縮すること(145)、及び
(iii)前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)を更に含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)は、先ず、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)のうちの一方に溶接すること、続いて、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)のうちの他方に溶接することを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)は、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに少なくとも部分的に同時に溶接することを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)は、前記キャップサブ構造(90)、前記第1の遷移領域(44)、及び前記第2の遷移領域(64)によって少なくとも部分的に境界付けられる細長い空隙(98)を画定することを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記細長い空隙(98)は、複合材R部充填剤を含まない、請求項8に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、一対の第1のフランジ(40)を含み、前記一対の第1のフランジ(40)の各第1のフランジ(40)は、前記第1のウェブ(38)の対応する側から離れるように延在し、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、一対の第2のフランジ(60)を含み、前記一対の第2のフランジ(60)の各第2のフランジ(60)は、前記第2のウェブ(58)の対応する側から離れるように延在し、前記キャップサブ構造(90)は、一対のキャップサブ構造(90)を含み、更に、
(i)前記キャップサブ構造(90)を配置すること(140)は、前記一対のキャップサブ構造(90)の各キャップサブ構造(90)が、前記一対の第1のフランジ(40)の対応する第1のフランジ(40)と前記一対の第2のフランジ(60)の対応する第2のフランジ(60)に面するように、各キャップサブ構造(90)を、前記対応する第1のフランジ(40)に対して、また前記対応する第2のフランジ(60)に対して配置することを含み、
(ii)前記キャップサブ構造(90)を圧縮すること(145)は、各キャップサブ構造(90)を前記対応する第1のフランジ(30)と前記対応する第2のフランジ(60)とに圧縮することを含み、
(iii)前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)は、各キャップサブ構造(90)を前記対応する第1のフランジ(30)と前記対応する第2のフランジ(60)とに溶接することを含む、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Cチャネル(66)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームである、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記方法(100)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを形成することを更に含み、更に、各キャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの間で延在し、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方を少なくとも部分的に画定する単一のパネルである、請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記方法(100)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを形成することを更に含み、前記一対のキャップサブ構造(90)の第1のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの間で延在し、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方を少なくとも部分的に画定する単一のパネルであり、前記一対のキャップサブ構造(90)の第2のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの一方のみを少なくとも部分的に画定する第1の個別のキャップサブ構造(90)を含み、更に、前記第2のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの他方のみを少なくとも部分的に画定する第2の個別のキャップサブ構造(90)を含む、請求項11に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Lプロファイル(68)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Jビームである、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項15】
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、接合層(80)を溶かすことを含み、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性樹脂溶融温度を規定する第1の熱可塑性樹脂(34)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性樹脂溶融温度を規定する第2の熱可塑性樹脂(54)を含み、前記接合層(80)は、前記第1の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低く、前記第2の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低い、接合層熱可塑性樹脂溶融温度を規定する接合層熱可塑性樹脂(82)を含み、更に、前記接合層(80)を溶かすことは、前記接合層熱可塑性樹脂溶融温度よりも高く、前記第1の熱可塑性樹脂溶融温度と前記第2の熱可塑性樹脂溶融温度との両方よりも低い、接合層温度まで加熱することを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項16】
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法は、更に、
(i)前記第1のフランジ(40)を前記第1のウェブ(38)から熱的に隔離すること、
(ii)前記第1の遷移領域(44)を前記第1のウェブ(38)から熱的に隔離すること、
(iii)前記第2のフランジ(60)を前記第2のウェブ(58)から熱的に隔離すること、及び
(iv)前記第2の遷移領域(64)を前記第2のウェブ(58)から熱的に隔離すること、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項17】
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法は、更に、
(i)前記第1のフランジ(40)、
(ii)前記第1の遷移領域(44)、
(iii)前記第2のフランジ(60)、及び
(iv)前記第2の遷移領域(64)、
のうちの少なくとも1つを能動的に冷却することを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項18】
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法は、更に、前記第1のフランジ(40)と前記第1の遷移領域(44)を前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の溶融温度よりも低く維持すること、及び、前記第2のフランジ(60)と前記第2の遷移領域(64)を前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の溶融温度よりも低く維持することを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項19】
第1の熱可塑性サブ構造(30)であって、第1のウェブ(38)、前記第1のウェブ(38)から離れるように延在する第1のフランジ(40)、及び前記第1のフランジ(40)と前記第1のウェブ(38)との間の第1の遷移領域(44)を含む、第1の熱可塑性サブ構造(30)、並びに
第2の熱可塑性サブ構造(50)であって、第2のウェブ(58)、前記第2のウェブ(58)から離れるように延在する第2のフランジ(60)、及び前記第2のフランジ(60)と前記第2のウェブ(58)との間の第2の遷移領域(64)を含む、第2の熱可塑性サブ構造(50)を含み、
前記第1のウェブ(38)は、前記第2のウェブ(58)に溶接されている、繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【請求項20】
胴体構造(12)、及び
前記胴体構造(12)に動作可能に取り付けられた主翼構造(14)を備える、航空機(10)であって、
前記胴体構造(12)と前記主翼構造(14)のうちの少なくとも一方は、請求項19に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)によって少なくとも部分的に画定されている、航空機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、繊維強化熱可塑性複合材構造部材、繊維強化熱可塑性複合材構造部材を含む航空機、繊維強化熱可塑性複合材構造部材を形成する方法、及び/又は繊維強化熱可塑性複合材構造部材を含む航空機を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化熱可塑性複合材構造は、様々な異なる技法を利用して製造され得る。しかし、繊維強化熱可塑性複合材構造用の従来の製造技法は、このような構造内の任意の空隙を充填するために、R部充填剤又はヌードルが利用されることを必要とする。R部充填剤は、製造することに時間がかかり及び/又は費用がかかる。加えて、R部充填剤によって充填される空隙に正確に適合する形状及び/又は機械的特性を有するR部充填剤を製造することは困難なことが多い。したがって、改良された繊維強化熱可塑性複合材構造部材、それを含む航空機、及び/又は関連方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
繊維強化熱可塑性複合材構造部材(FRTCSM)、それを含む航空機、及び関連方法が、本明細書で開示される。FRTCSMは、第1のウェブ、第1のウェブから離れるように延在する第1のフランジ、及び第1のフランジと第1のウェブとの間の第1の遷移領域を含む、第1の熱可塑性サブ構造を含む。FRTCSMはまた、第2のウェブ、第2のウェブから離れるように延在する第2のフランジ、及び第2のフランジと第2のウェブとの間の第2の遷移領域を含む、第2の熱可塑性サブ構造も含む。第1のウェブは、第2のウェブに溶接される。航空機は、少なくとも1つのFRTCSMを含む。
【0004】
該方法は、第1のフランジが第2のフランジから離れるように延在し、また第1のウェブが第2のウェブに面するように、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造を配置することを含む。該方法はまた、第1のウェブと第2のウェブを共に圧縮することも含む。該方法は、FRTCSMを少なくとも部分的に画定するために、第1のウェブと第2のウェブとを互いに溶接することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示による少なくとも1つの繊維強化熱可塑性複合材構造部材を含む航空機の実施例の概略図である。
【
図2】本開示による方法の実施例を示すフローチャートである。
【
図3】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図4】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図5】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図6】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図7】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図8】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図9】本開示によるT字形状の繊維強化熱可塑性複合材構造部材の一実施例の概略図である。
【
図10】本開示によるJ字形状の繊維強化熱可塑性複合材構造部材の一実施例の概略図である。
【
図11】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図12】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図13】
図2の方法の一部分の一実施例の概略図である。
【
図14】本開示によるトーションボックスの一実施例である。
【
図15】本開示による圧力デッキの一実施例である。
【
図16】本開示による繊維強化熱可塑性複合材構造部材の分解図である。
【
図17】本開示による繊維強化熱可塑性複合材構造部材の別の分解図である。
【
図18】
図16の繊維強化熱可塑性複合材構造部材の組み立てられた図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1~
図18は、本開示による繊維強化熱可塑性複合材構造部材(FRTCSM)20の航空機10及び/又は方法100の例示的で非排他的な複数の実施例を提供する。同様の、又は少なくとも実質的に同様の目的に適う要素には、
図1~
図18の各々において類似の番号が表示され、これらの要素については本明細書において、
図1~
図18のそれぞれを参照する際に詳細が述べられないことがある。同様に、
図1~
図18の各々では、全ての要素に付番されない場合があるが、本明細書ではこれらに関連付けられた参照番号が一貫性のために利用され得る。
図1~
図18のうちの1以上を参照しながら本明細書で説明される要素、構成要素、及び/又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、
図1~
図18のいずれかに含まれてよく、及び/又は
図1~
図18のいずれかと共に利用されてよい。
【0007】
概して、所与の(すなわち、特定の)実施形態に含まれる可能性の高い要素は実線で示され、所与の実施形態に対して任意選択的な要素は破線で示される。しかし、実線で示される要素が全ての実施形態にとって必須というわけではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の実施形態から省略されてもよい。
【0008】
図1は、本開示による少なくとも1つの繊維強化熱可塑性複合材構造部材(FRTCSM)20を含む航空機10の複数の実施例の概略図である。
図1で示されているように、航空機10は、胴体構造12と主翼構造14を含む。胴体構造12及び/又は主翼構造14などの、航空機10の少なくとも1つの構成要素は、FRTCSM20を含み及び/又はFRTCSM20を少なくとも部分的に画定する。特定の複数の実施例では、本明細書でより詳細に説明されるように、FRTCSM20が、航空機10のトーションボックス16及び/若しくは圧力デッキ18の一部分を形成してよく、並びに/又は、航空機10のトーションボックス16及び/若しくは圧力デッキ18を少なくとも部分的に画定してよい。トーションボックス16の一実施例は、
図14で示され、及び/又は、圧力デッキ18の一実施例は、
図15で示される。FRTCSM20は、航空機10の1以上の他の構成要素に締結、溶接、及び/又は熱可塑性的に溶接されるなどの任意の適切なやり方で、航空機10の中に組み込まれてよい。
【0009】
図2は、本開示によるFRTCSMを形成する及び/又は少なくとも1つのFRTCSMを含む航空機を形成する方法100の複数の実施例を示すフローチャートである。航空機及び/又は航空機の複数の構成要素の複数の実施例が、航空機10を参照しながら本明細書で開示される。FRTCSMの複数の実施例が、FRTCSM20を参照しながら本明細書で開示される。
図3~
図15の概略的な複数の実施例によって集合的に示されるように、及び、本明細書でより詳細に説明されるように、FRTCSM20は、第1の熱可塑性サブ構造30と第2の熱可塑性サブ構造50を含む。第1の熱可塑性サブ構造30は、第1のウェブ38、第1のウェブ38から離れるように延在する第1のフランジ40、及び第1のフランジ40と第1のウェブ38との間の第1の遷移領域44を含む。同様に、第2の熱可塑性サブ構造50は、第2のウェブ58、第2のウェブ58から離れるように延在する第2のフランジ60、及び第2のフランジ60と第2のウェブ58との間の第2の遷移領域64を含む。
【0010】
方法100は、105において熱可塑性サブ構造を提供すること及び/又は110において接合層を配置することを含んでよく、115において熱可塑性サブ構造を配置することと、120においてウェブを圧縮することとを含んでよい。方法100はまた、125において熱的に保護することと、130においてウェブを溶接することとを含んでもよい。方法100は、135においてキャップサブ構造を提供すること、140においてキャップサブ構造を配置すること、145においてキャップサブ構造を圧縮すること、及び/又は150においてキャップサブ構造を溶接することを更に含んでよい。方法100はまた、155において繊維強化熱可塑性複合材構造部材を取り付けること含んでもよい。
【0011】
方法ステップ105から150は、少なくとも、115において配置すること、120において圧縮すること、及び130において溶接することを含み、合わせて、FRTCSM20などのFRTCSMを形成する方法、及び/又は、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造からFRTCSMを形成する方法と本明細書で呼ばれ得る。方法100が、少なくとも、115において配置すること、120において圧縮すること、130において溶接すること、及び155において取り付けることを含むときなど、方法100がまた、155において取り付けることも含むときに、方法100は、航空機10などの航空機を形成する方法と本明細書で呼ばれ得る。
【0012】
105において熱可塑性サブ構造を提供することは、任意の適切なやり方で、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造を提供することを含み得る。複数の実施例として、105において提供することは、自動化された繊維配置、連続圧縮成形、フラットブランクレイアップ、及び/又はスタンプ成形を介するなどして、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造を形成すること及び/又は画定することを含み得る。105において提供することは、統合された又は統合されていない形態を採る第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造を提供することを含み得る。
【0013】
105において提供することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施形態として、105において提供することは、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、130において溶接すること、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、150において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。
【0014】
110において接合層を配置することは、第1のウェブと第2のウェブとの間に接合層を配置することを含み得る。幾つかの複数の実施例では、110において配置することが、第1のウェブと第2のウェブとの間に個別の及び/又は分離した接合層を配置することを含み得る。更に又は代替的に、幾つかの実施例では、接合層を配置することが、第1のウェブ上、第2のウェブ上、第1のフランジ上、及び/又は第2のフランジ上などの、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の任意の適切な領域及び/又は表面上に接合層を形成すること及び/又は画定することを含み得る。別の言い方をすると、接合層は、105において提供することの最中などに、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の外面を形成及び/又は画定し得る。このような複数の実施例では、115において配置することが、接合層を第1のウェブと第2のウェブとの間に配置させ得る。
【0015】
接合層の複数の実施例が、
図3~
図15で示され、80で示されている。そこで図示されているように、接合層は、接合層熱可塑性樹脂82を含んでよく及び/又は接合層熱可塑性樹脂82によって画定されてよい。
【0016】
110において配置することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、110において配置することは、105において提供すること及び/若しくは115において配置することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、110において配置することは、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、130において溶接すること、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、150において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。
【0017】
115において熱可塑性サブ構造を配置することは、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造とを互いに対して配置することを含み得る。これは、次のように配置することを含み得る。すなわち、第1のフランジは第2のフランジから離れるように延在し、第1のフランジは第2の熱可塑性サブ構造から離れるように延在し、第2のフランジは第1のフランジから離れるように延在し、第2のフランジは第1の熱可塑性サブ構造から離れるように延在し、第1のウェブは第2のウェブに面し、及び/又は第1の遷移領域は第2の遷移領域に面する。
【0018】
幾つかの実施例では、115において配置することが、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造を次のように配置することを含み得る。すなわち、第1のフランジの第1のフランジ表面は、第2のフランジの第2のフランジ表面と平行に、若しくは少なくとも実質的に平行に延在し、及び/又は、第1のフランジ表面は、第2のフランジ表面と同一平面上、若しくは少なくとも実質的に同一平面上にある。別の言い方をすると、第1のフランジ表面と第2のフランジ表面は、180度又は略180度のフランジ表面角度を規定し得る。しかし、これは必須ではなく、第1のフランジ表面と第2のフランジ表面が、鋭角のフランジ表面角度及び/又は鈍角のフランジ表面角度を規定し得ることは、本開示の範囲内にある。第1のフランジ表面の複数の実施例が、
図3~
図18で示され、
図3~
図6では42で示されている。第2のフランジ表面の複数の実施例が、
図3~
図18で示され、
図3~
図6では62で示されている。フランジ表面角度の一実施例が、
図4で示され、70で示されている。
【0019】
115において配置することの一実施例が、
図3で示されている。
図3は、第1の熱可塑性サブ構造30と第2の熱可塑性サブ構造50の横断面図である。そこで図示されているように、115において配置することは、第1の熱可塑性サブ構造30と第2の熱可塑性サブ構造50とを互いに対して次のように配置することを含み得る。すなわち、第1のウェブ38又は第1のウェブ38の表面は、第2のウェブ58に対面するか又は第2のウェブ58の表面に対面する。
図3はまた、110において配置することを破線で示している。その場合、接合層80は、第1のウェブ38と第2のウェブ58との間に配置されている。
【0020】
115において配置することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、115において配置することは、105において提供すること及び/若しくは110において配置することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、115において配置することは、110において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、130において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、115において配置することは、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、及び/若しくは150において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0021】
120においてウェブを圧縮することは、130において溶接することを可能に及び/又は容易にするためなどに、第1のウェブと第2のウェブを共に圧縮することを含み得る。これは、任意の適切なやり方で実行されてよい。複数の実施例として、120において圧縮することは、第1のウェブと第2のウェブを共に押圧するために圧縮力を印加すること、第1のウェブと第2のウェブとの間の直接的な対面接触を確立すること、第1のウェブと第2のウェブとの間の界面領域を確立すること、及び/又は、接合層を介するなどして、第1のウェブと第2のウェブとの間の間接的な接触を確立することを含み得る。より具体的な複数の実施例では、120において圧縮することが、任意の適切な圧縮構造を利用することを含み得る。該圧縮構造の複数の例には、プレス、液圧プレス、ガス圧プレス、機械プレス、マンドレル、外側モールドラインマンドレル、プレート、表面、連続プレス工程、連続圧延プレス、バッチプレス工程、及び/又は半バッチプレス工程が含まれ、第1のウェブと第2のウェブを共に圧縮する。
【0022】
120において圧縮することは、
図4で示され、水平方向に向いた矢印によって示されている。水平方向に向いた矢印は、圧縮構造を介するなどして、第1のウェブ38と第2のウェブ58とに印加される圧縮力を示し得る。
【0023】
120において圧縮することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、120において圧縮することは、105において提供すること、110において配置すること、及び/若しくは115において配置することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、120において圧縮することは、125において熱的に保護すること、130において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、120において圧縮することは、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、及び/若しくは150において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0024】
125において熱的に保護することは、130において溶接することの最中などに、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の少なくとも1つの領域の温度を制御及び/又は調整することを含み得る。これは、130において溶接することの前、最中、及び/又は後に、少なくとも1つの領域への損傷、その変形、及び/又はその溶融の可能性を低減させるために、少なくとも1つの領域の温度を制御及び/又は調整することを含み得る。別の言い方をすると、本明細書でより詳細に説明されるように、130において溶接することは、第1のウェブ及び/又は第2のウェブの温度を高めることを含み得、125において熱的に保護することは、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造を熱的変形から保護することを介するなどして、130において溶接することの最中に第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の全体形状を維持するために実行され得る。別の言い方をすると、130において溶接することの最中に、125において熱的に保護することは、第1のフランジと第1の遷移領域を第1の熱可塑性サブ構造の溶融温度よりも低く維持すること、及び/又は、第2のフランジと第2の遷移領域を第2の熱可塑性サブ構造の溶融温度よりも低く維持することを含み得る。したがって、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の全体形状は、維持され得る。
【0025】
125において熱的に保護することは、任意の適切なやり方で実行され得る。これは、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の少なくとも1つの領域の温度を制御及び/又は調整するために利用され得る任意の適切な能動的及び/又は受動的機構を含み得る。複数の実施例として、125において熱的に保護することは、第1のフランジを第1のウェブから熱的に隔離すること、第1の遷移領域を第1のウェブから熱的に隔離すること、第2のフランジを第2のウェブから熱的に隔離すること、及び/又は第2の遷移領域を第2のウェブから熱的に隔離することを含み得る。これは、断熱材などの熱的に隔離する材料を用いて、介して、及び/又は利用して熱的に隔離することを含み得る。
【0026】
更なる複数の実施例として、125において熱的に保護することは、第1のフランジ、第1の遷移領域、第2のフランジ、及び/又は第2の遷移領域などの、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の少なくとも1つの領域を、能動的に冷却することを含み得る。能動的に冷却することは、任意の適切な機構を用いて、介して、及び/又は利用して、能動的に冷却することを含み得る。該機構の複数の例には、冷却液が含まれた流れ、空気流、及び/又は冷却具が含まれる。
【0027】
更なる複数の実施例として、125において熱的に保護することは、第1の熱可塑性サブ構造及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の少なくとも1つの領域から離れるように熱を伝導することを含み得る。これは、少なくとも1つの領域をヒートシンク構造に接触させること、少なくとも1つの領域からヒートシンク構造へ熱を伝導すること、及び/又はヒートシンク構造を冷却することを含み得る。ヒートシンク構造の複数の例には、熱伝導材料、金属、フィン、ピン、ファン、ペルチェ素子、及び/又は熱交換器が含まれる。
【0028】
125において熱的に保護することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、125において熱的に保護することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、及び/若しくは130において溶接することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、125において熱的に保護することは、130において溶接すること、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、及び/若しくは150において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0029】
130においてウェブを溶接することは、FRTCSMを少なくとも部分的に画定するために、第1のウェブと第2のウェブとを互いに溶接することを含み得る。これは、第1のウェブの温度を上昇させて第1のウェブを少なくとも部分的に溶かし及び/又は第2のウェブの温度を上昇させて第2のウェブを少なくとも部分的に溶かし、それによって、第1のウェブと第2のウェブとを共に融着することを含み得る。130において溶接することはまた、本明細書で熱可塑性的に溶接すること及び/又は融着することとも呼ばれ得る。
【0030】
130において溶接することは、任意の適切なやり方で、任意の適切な工程を利用して、及び/又は任意の適切な構造を利用して実行され得る。複数の実施例として、130において溶接することは、第1のウェブと第2のウェブとを互いに誘導溶接すること、第1のウェブと第2のウェブとを互いに伝導溶接すること、第1のウェブと第2のウェブとを互いに抵抗溶接すること、第1のウェブと第2のウェブとを互いにレーザー溶接すること、及び/又は第1のウェブと第2のウェブとを互いに超音波溶接することを含み得る。
【0031】
幾つかの実施例では、130において溶接することが、第1のウェブの全長を第2のウェブに同時に溶接することを含み得る。代替的に、幾つかの実施例では、130において溶接することが、第1のウェブの長さ又は全長を第2のウェブに漸進的に溶接することを含み得る。これは、第1のウェブと第2のウェブとを互いに溶接することを実行するように構成された溶接構造を、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造に対して動作可能に平行移動させること、及び/又は、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造を、該溶接構造に対して動作可能に平行移動させることを含み得る。
【0032】
幾つかの実施例では、130において溶接することが、第1のウェブと第2のウェブとの間の接触表面積のうちの少なくとも閾値表面積割合を溶接することを含み得る。閾値表面積割合の例には、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%が含まれる。
【0033】
方法100が110において配置することを含むときに、130において溶接することは、接合層を溶かすことを含み得る。接合層は、熱可塑性樹脂を含み及び/又は画定し得る。熱可塑性樹脂は、第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂、及び接合層熱可塑性樹脂であってよく、並びに/又はそれらを含んでよい。このような複数の実施例では、第1の熱可塑性樹脂が、第1の熱可塑性樹脂溶融温度を規定してよく、第2の熱可塑性樹脂が、第2の熱可塑性樹脂溶融温度を規定してよく、接合層熱可塑性樹脂が、接合層熱可塑性樹脂溶融温度を規定してよい。接合層熱可塑性樹脂溶融温度は、第1の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低く、第2の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低い。したがって、接合層を溶かすことは、接合層を、接合層熱可塑性樹脂溶融温度よりも高く、第1の熱可塑性樹脂溶融温度と第2の熱可塑性樹脂溶融温度の両方よりも低い、接合層温度まで加熱することを含み得る。別の言い方をすると、130において溶接することは、第1の熱可塑性サブ構造を溶かすことなしに、かつ、第2の熱可塑性サブ構造を溶かすことなしに、接合層を溶かすことを含み得る。
【0034】
130において溶接することは、
図4において示されている構成から
図5において示されている構成への移行によって示されている。特に、
図4は、120において圧縮することの最中で130において溶接することの前の第1の熱可塑性サブ構造30と第2の熱可塑性サブ構造50を示している。
図4では、第1の熱可塑性サブ構造30と第2の熱可塑性サブ構造50との間の界面領域が破線で示されており、2つの構造が未だ共に溶接されていないことを示している。対照的に、
図5は、界面領域を実線の水平線で示しており、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造が共に溶接されたことを示している。
【0035】
130において溶接することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、130において溶接することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、及び/若しくは125において熱的に保護することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、130において溶接することは、155において取り付けることの前に実行され得る。更なる複数の実施例として、130において溶接することは、135において提供すること、140において配置すること、145において圧縮すること、及び/若しくは150において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0036】
135においてキャップサブ構造を提供することは、任意の適切なやり方で任意の適切なキャップサブ構造を提供することを含み得る。複数の実施例として、135において提供することは、105において提供することと少なくとも実質的に同様であり得るやり方でキャップサブ構造を形成すること及び/又は画定することを含み得る。これは、統合された又は統合されていない形態を採るキャップサブ構造を提供することを含み得る。
【0037】
135において提供することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、135において提供することは、140において配置すること、145において圧縮すること、150において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、135において提供することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、及び/若しくは130において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0038】
140においてキャップサブ構造を配置することは、第1の熱可塑性サブ構造に対して及び/又は第2の熱可塑性サブ構造に対して、キャップサブ構造を配置することを含み得る。これは、キャップサブ構造が第1のフランジに面し及び/又は第2のフランジに面するように、キャップサブ構造を配置することを含み得る。
【0039】
140において配置することは、
図6で示されている。そこで図示されているように、キャップサブ構造90は、第1の熱可塑性サブ構造30に対して、また第2の熱可塑性サブ構造50に対しても配置される。この配置することは、次のように行われる。すなわち、キャップサブ構造90又はキャップサブ構造90の表面は、第1のフランジ40に対面し、第1のフランジ表面42に対面し、第2のフランジ60に対面し、及び/又は第2のフランジ表面62に対面する。
【0040】
次のことは本開示の範囲内にある。すなわち、キャップサブ構造は、第1のフランジ40、第1のフランジ表面42、第2のフランジ60、及び/又は第2のフランジ表面62と接触し、直接的な対面接触を形成し、及び/又は対応する接合層80を介するなどして間接接触を形成するように、成形され、サイズ決定され、及び/又は構成され得る。これを考慮すると、
図6において実線で示されているように、幾つかの実施例では、キャップサブ構造の形状が、第1のフランジと第2のフランジとの組み合わせの複合フランジ形状と、対応してよく、同じであってよく、又は少なくとも実質的に同じであってよい。別の言い方をすると、キャップサブ構造の幅は、複合フランジ形状の幅に対応してよく、若しくは少なくとも実質的に等しくてよく、及び/又は、キャップサブ構造の長さは、複合フランジ形状の長さに対応してよく、若しくは少なくとも実質的に等しくてよい。このような構成では、FRTCSM20が、複合ビームを形成及び/又は画定し得る。
【0041】
更に又は代替的に、幾つかの実施例では、
図6において破線で示されているように、キャップサブ構造が、複合フランジ形状よりもかなり大きくてよく、及び/又は、複合フランジ形状を越えて延在してよい。このような構成では、FRTCSM20が、トーションボックス16及び/又は圧力デッキ18などの一体化された構造を形成及び/又は画定し得る。それらは、本明細書でより詳細に説明される。別の言い方をすると、キャップサブ構造は、航空機10の外板又は外面を含んでよく及び/又はそれらであってよく、第1の熱可塑性サブ構造と第2の熱可塑性サブ構造は、航空機10の外板に溶接され得る。
【0042】
方法100が140において配置することを含むときに、方法100はまた、キャップサブ構造と第1のフランジとの間に接合層を配置し、及び/又は、キャップサブ構造と第2のフランジとの間に接合層を配置するためなどに、110において配置することを繰り返すことを含んでもよい。これは、
図6で示されており、破線で示されている接合層80は、キャップサブ構造90と第1のフランジ40及び/又は第2のフランジ60との間に配置されている。
【0043】
140において配置することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、140において配置することは、135において提供することの後及び/又はそれと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、140において配置することは、145において圧縮すること、150において溶接すること、及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、140において提供することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、及び/若しくは130において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0044】
145においてキャップサブ構造を圧縮することは、150において溶接することを可能に及び/又は容易にするためなどに、キャップサブ構造を第1のフランジと第2のフランジとに圧縮することを含み得る。これは、120において圧縮することと同様、又は少なくとも実質的に同様であり得るやり方で実行され得る。
【0045】
145において圧縮することは、
図7において垂直方向に向いた矢印によって示されている。垂直方向に向いた矢印は、圧縮力を示し得る。該圧縮力は、任意の適切な圧縮構造を介するなどして、キャップサブ構造90と第1のフランジ40に、及び/又は、キャップサブ構造90と第2のフランジ60に印加される。該圧縮構造の複数の例は、本明細書で開示される。
【0046】
145において圧縮することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、145において圧縮することは、135において提供すること及び/若しくは140において配置することの後に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、147において圧縮することは、150において溶接すること及び/若しくは155において取り付けることの前に並びに/又はそれらと少なくとも部分的に同時に実行され得る。更なる複数の実施例として、145において圧縮することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、及び/若しくは130において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。
【0047】
150においてキャップサブ構造を溶接することは、キャップサブ構造を第1のフランジに溶接すること及び/又はキャップサブ構造を第2のフランジに溶接することを含み得る。150において溶接することは、130において溶接することと少なくとも実質的に同様であってよい。それは、本明細書でより詳細に説明されている。これは、キャップサブ構造と第1のフランジ表面及び/又は第2のフランジ表面との間の接触表面積の少なくとも閾値表面積割合を溶接することを含み得る。該閾値表面積割合の複数の例は、本明細書で開示されている。
【0048】
次のことは本開示の範囲内にある。すなわち、150において溶接することは、キャップサブ構造を第1のフランジと第2のフランジとに同時に、又は少なくとも部分的に同時に溶接することを含み得る。このような構成は、150において溶接することを実行するのに必要な時間を短縮することができる。代替的に、150において溶接することは、先ず、キャップサブ構造を第1のフランジと第2のフランジのうちの一方に溶接すること、続いて、キャップサブ構造を第1のフランジと第2のフランジのうちの他方に溶接することを含み得る。このような構成は、キャップサブ構造、第1のフランジ、第1の遷移領域、第2のフランジ、及び/又は第2の遷移領域の全体的な加熱を減らし、それによって、キャップサブ構造、第1のフランジ、第1の遷移領域、第2のフランジ、及び/又は第2の遷移領域の変形の可能性を低減させ得る。
【0049】
150において溶接することは、
図7において示されている構成から
図8において示されている構成への移行によって示されている。特に、
図7は、145において圧縮することの最中で150において溶接することの前の、第1のフランジ40、第2のフランジ60、及びキャップサブ構造90を示す。
図7では、第1のフランジ40とキャップサブ構造90との間の界面領域、及び、第2のフランジ60とキャップサブ構造90との間の界面領域が、破線で示されており、構造が未だ共に溶接されていないことを示している。対照的に、
図8は、界面領域を実線の垂直線で示し、キャップサブ構造90が第1のフランジ40と第2のフランジ60とに溶接されたことを示している。
【0050】
図8で示されているように、150において溶接することは、細長い空隙98を形成すること、画定すること、及び/又は確立することを含み得る。細長い空隙98は、FRTCSM20の長さに沿って延在してよく、並びに/又は、第1の遷移領域44、第2の遷移領域64、及びキャップサブ構造90によって少なくとも部分的に境界付けられてよい。図示されているように、細長い空隙98は、任意の構造の開口部及び/又は空隙であってよい。別の言い方をすると、細長い空隙98は、複合材R部充填剤を含まなくてよい。該複合材R部充填剤は、従来の繊維強化熱可塑性複合材構造を形成及び/又は画定するために、従来の製造技法が利用されるときに必要とされ得る。
【0051】
150において溶接することは、方法100中の任意の適切なタイミング及び/又はシーケンスで実行され得る。複数の実施例として、150において溶接することは、135において提供すること、140において配置すること、及び/又は145において圧縮することの後に実行され得る。別の一実施例として、150において溶接することは、155において取り付けることの前に実行され得る。更なる複数の実施例として、150において溶接することは、105において提供すること、110において配置すること、115において配置すること、120において圧縮すること、125において熱的に保護すること、及び/若しくは130において溶接することの前に、それらと少なくとも部分的に同時に、並びに/又はそれらの後に実行され得る。特定の一実施例では、方法100が、150において溶接することの最中にキャップサブ構造、第1の熱可塑性サブ構造、及び/又は第2の熱可塑性サブ構造の変形の可能性を減らすためなどに、150において溶接することの最中に125において熱的に保護することを実行すること又は実行し続けることを含み得る。
【0052】
幾つかの実施例では、
図3~
図8及び
図11~
図18で示されているように、第1の熱可塑性サブ構造30が、一対の第1のフランジ40を含み得る。その場合、各第1のフランジ40は、対応する第1の遷移領域44を介するなどして、第1のウェブ38の対応する側から離れるように延在する。更に又は代替的に、これもまた図示されているように、第2の熱可塑性サブ構造30は、一対の第2のフランジ60を含み得る。その場合、各第2のフランジ60は、対応する第2の遷移領域64を介するなどして、第2のウェブ58の対応する側から延在する。
【0053】
幾つかのこのような実施例では、
図11~
図18で示されているように、FRTCSM20は、一対のキャップサブ構造90を含み得る。このような構成では、135において配置することが、各キャップサブ構造90を、一対の第1のフランジ40の対応する第1のフランジ40に対して、また一対の第2のフランジ60の対応する第2のフランジ60に対して配置することを含み得る。それによって、各キャップサブ構造90は、対応する第1のフランジ40と対応する第2のフランジ60とに面する。これは、
図11で示されている。加えて、145において圧縮することは、各キャップサブ構造90を対応する第1のフランジ40と対応する第2のフランジ60とに圧縮することを含み得る。これは、
図12で示されている。更に、150において溶接することは、各キャップサブ構造90を対応する第1のフランジ40と対応する第2のフランジ60とに溶接することを含み得る。これは、
図12で示されている構成から
図13~
図15で示されている構成への移行によって示されている。
【0054】
第1の熱可塑性サブ構造、第2の熱可塑性サブ構造、及び/又はキャップサブ構造は、任意の適切な材料及び/又は複数の材料を含み得る。一実施例として、第1の熱可塑性サブ構造は、
図3において34で示されているような第1の熱可塑性樹脂を含んでよく、第2の熱可塑性サブ構造は、
図3において54で示されているような第2の熱可塑性樹脂を含んでよく、及び/又は、キャップサブ構造は、
図6において94で示されているようなキャップ熱可塑性樹脂を含んでよい。幾つかのこのような実施例では、第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂、及び/又はキャップ熱可塑性樹脂が、同じ熱可塑性樹脂を含んでよく及び/又は同じ熱可塑性樹脂であってよい。別の言い方をすると、第1の熱可塑性サブ構造、第2の熱可塑性サブ構造、及び/又はキャップサブ構造は、同じ熱可塑性樹脂を含み得る。他の複数の実施例では、第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂、及びキャップ熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1つが、第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂、及びキャップ熱可塑性樹脂のうちの少なくとも他の1つと異なってよく、両立し得る。
【0055】
別の一実施例として、第1の熱可塑性サブ構造は、
図3において36で示されているような第1の繊維材料を含んでよく、第2の熱可塑性サブ構造は、
図3において56で示されているような第2の繊維材料を含んでよく、及び/又は、キャップサブ構造は、
図6において96で示されているようなキャップ繊維材料を含んでよい。幾つかのこのような実施例では、第1の繊維材料、第2の繊維材料、及び/又は第3の繊維材料が、同じ繊維材料を含んでよく及び/又は同じ繊維材料であってよい。別の言い方をすると、第1の熱可塑性サブ構造、第2の熱可塑性サブ構造、及び/又はキャップサブ構造は、同じ繊維材料を含み得る。他の複数の実施例では、第1の繊維材料、第2の繊維材料、及びキャップ繊維材料のうちの少なくとも1つが、第1の繊維材料、第2の繊維材料、及びキャップ繊維材料のうちの少なくとも他の1つと異なってよい。第1の繊維材料、第2の繊維材料、及び/又はキャップ繊維材料の一例として、炭素繊維が挙げられる。幾つかの実施例では、第1の繊維材料、第2の繊維材料、及び/又は第3の繊維材料が、複数の異なる種類、クラス、サイズ、及び/又は化学的性質の繊維材料を含み得る。
【0056】
別の一実施例として、第1の熱可塑性サブ構造は、
図3において32で示されているような複数の第1のプライの複合材料を含んでよく、第2の熱可塑性サブ構造は、
図3において52で示されているような複数の第2のプライの複合材料を含んでよく、及び/又は、キャップサブ構造は、
図6において92で示されているような複数のキャッププライの複合材料を含んでよい。幾つかのこのような実施例では、複数の第1のプライの複合材料が、第1の熱可塑性樹脂と第1の繊維材料によって画定されてよく、複数の第2のプライの複合材料が、第2の熱可塑性樹脂と第2の繊維材料によって画定されてよく、及び/又は、複数のキャッププライの複合材料が、キャップ熱可塑性樹脂とキャップ繊維材料によって画定されてよい。
【0057】
図16~
図18で示されているように、FRTCSM20は、細長いFRTCSM20を含んでよく及び/又は細長いFRTCSM20であってよい。別の言い方をすると、FRTCSM20の長さは、FRTCSM20の幅よりも大きくてよく、及び/又は、FRTCSM20の高さよりも大きくてよい。これに対応して、第1の熱可塑性サブ構造30の長さは、第1の熱可塑性サブ構造30の幅及び/又は高さよりも大きくてよい。同様に、第2の熱可塑性サブ構造50の長さは、第2の熱可塑性サブ構造50の幅及び/又は高さよりも大きくてよい。FRTCSM20、第1の熱可塑性サブ構造30、及び/又は第2の熱可塑性サブ構造50の長さの、対応する幅及び/又は高さに対する比の複数の例には、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、又は少なくとも10の比が含まれる。
【0058】
第1のウェブ38及び/又は第2のウェブ58は、任意の適切な形状及び/又はサイズを有してよく及び/又は規定してよい。幾つかの実施例では、第1のウェブ38の形状が、第2のウェブ58の形状に対応してよく、等しくてよく、又は少なくとも実質的に等しくてよい。一実施例として、第1のウェブは、平面的な又は少なくとも実質的に平面的な第1のウェブであってよく、第2のウェブは、平面的な又は少なくとも実質的に平面的な第2のウェブであってよい。別の一実施例として、第1のウェブは、直線的な又は少なくとも実質的に直線的な第1のウェブであってよく、第2のウェブは、直線的な又は少なくとも実質的に直線的な第2のウェブであってよい。別の一実施例として、第1のウェブは、少なくとも1つの曲げ寸法で曲がっていてよく、第2のウェブは、少なくとも1つの曲げ寸法で曲がっていてよい。別の一実施例として、第1のウェブは、少なくとも1つのねじり軸を中心としてねじられていてよく、第2のウェブは、少なくとも1つのねじり軸を中心としてねじられていてよい。
【0059】
方法100は、従来の製造技法を利用して製造すること、確実に製造すること、及び所望のレベルの耐久性を有するように製造することが、時間がかかり、困難であり、及び/又は不可能であり得る、特質及び/又は特性を有するFRTCSM20の形成を可能に及び/又は容易にし得る。一実施例として、方法100は、本明細書で説明されるように、細長い空隙98を画定する及び/又は細長い空隙内に複合材R部充填剤を含まないFRTCSM20の形成を可能に及び/又は容易にし得る。別の一実施例として、方法100は、第1の熱可塑性サブ構造30、第2の熱可塑性サブ構造50、及び/又はキャップサブ構造90内の複合材料のプライの数が、FRTCSM20の長さに沿って変化する、FRTCSMの形成を可能に及び/又は容易にし得る。別の一実施例として、方法100は、第1の熱可塑性サブ構造30、第2の熱可塑性サブ構造50、及び/又はキャップサブ構造90の横断面が、その長さに沿って一定であってよく又は変化してよい、FRTCSM20の形成を可能に及び/又は容易にし得る。別の一実施例として、方法100は、第1のフランジ40及び/又は第2のフランジ60が、その長さに沿って連続的又は不連続であってよい、FRTCSMの形成を可能に及び/又は容易にし得る。
【0060】
更なる一実施例として、方法100は、様々な異なるFRTCSM20の形成を可能に及び/又は容易にし得る。様々な異なるFRTCSMは、様々な異なるやり方で、様々な異なる形状及び/若しくはサイズを有し及び/若しくは規定してよく、並びに/又は、航空機10などのより大きな構造体の中に統合されてよい。
【0061】
特定の一実施例として、
図9で示されているように、第1の熱可塑性サブ構造30は、対応するLプロファイル48を画定してよく、第2の熱可塑性サブ構造50も、対応するLプロファイル68を画定してよい。このような構成では、FRTCSM20が、本明細書でTビームと呼ばれてよく、及び/又はTビームであってよい。
図9において実線で示されているように、Tビームは、単体の複合ビームを含んでよく及び/又は単体の複合ビームであってよい。更に又は代替的に、
図9において破線で示されているように、キャップサブ構造90は、Tビームの残りの部分を越えて延在する外板及び/又は表面を形成し及び/又は画定してよい。
【0062】
別の特定の一実施例として、
図10で示されているように、第1の熱可塑性サブ構造30は、対応するCチャネル46を画定してよく、第2の熱可塑性サブ構造50は、対応するLプロファイル68を画定してよい。このような構成では、FRTCSM20が、本明細書でJビームと呼ばれてよく、及び/又はJビームであってよい。
図10において実線で示されているように、Jビームは、単体の複合ビームを含んでよく及び/又は単体の複合ビームであってよい。更に又は代替的に、
図10において破線で示されているように、キャップサブ構造90は、Jビームの残りの部分を越えて延在する外板及び/又は表面を形成し及び/又は画定してよい。
【0063】
別の特定の一実施例として、
図13で示されているように、第1の熱可塑性サブ構造30は、対応するCチャネル46を画定してよく、第2の熱可塑性サブ構造50も、対応するCチャネル66を画定してよい。このような構成では、FRTCSM20が、本明細書でHビーム及び/若しくはIビームと呼ばれてよく、並びに/又はHビーム及び/若しくはIビームであってよい。
図13において実線で示されているように、Hビーム及び/又はIビームは、単体の複合ビームを含んでよく及び/又は単体の複合ビームであってよい。更に又は代替的に、
図13において破線で示されているように、キャップサブ構造90は、Iビームの残りの部分を越えて延在する外板及び/又は表面を形成し及び/又は画定してよい。
【0064】
これを考慮すると、FRTCSM20は、普通であれば画定することがより困難及び/又は高価であり得るはずの、航空機10内などのより複雑な構造を形成し及び/又は画定するために利用され得る。一実施例として、
図14で示されているように、Iビームの形態を採る2つ以上のFRTCSM20が、トーションボックス16に統合され得る。このような構成では、2つのキャップサブ構造90が、2つの単一のパネルであり得る。この2つの単一のパネルは、150において溶接することの後に、2つ以上のFRTCSM20のうちの第1のFRTCSMと第2のFRTCSMとの両方を少なくとも部分的に画定する。別の一実施例として、
図15で示されているように、Iビームの形態を採る2つ以上のFRTCSMは、圧力デッキ18に統合され得る。このような構成では、第1のキャップサブ構造90が、単一のパネルであり得る。この単一のパネルは、150において溶接することの後に、2つ以上のFRTCSM20のうちの第1のFRTCSMと第2のFRTCSMとの両方を少なくとも部分的に画定する。加えて、第1の個別のキャップ構造が、第1のFRTCSMのみを少なくとも部分的に画定してよく、一方で、第2の個別のキャップ構造が、第2のFRTCSMのみを少なくとも部分的に画定してよい。
【0065】
図16~
図18に戻って参照すると、方法100は、任意の適切な長さのFRTCSM20の形成を可能に及び/又は容易にし得る。一実施例として、方法100は、FRTCSM20の全長を規定するために、複数の第1の熱可塑性サブ構造30及び/又は複数の第2の熱可塑性サブ構造50の利用を可能にし得る。特定の一実施例では、FRTCSM20が、一対の第1の熱可塑性Cチャネルの形態を採る一対の第1の熱可塑性サブ構造30を含み得る。一対の第1の熱可塑性Cチャネルは、端から端まで配置され、それらの間に第1の突き合わせ継ぎ手を画定する。更に又は代替的に、FRTCSM20は、一対の第2の熱可塑性Cチャネルの形態を採る一対の第2の熱可塑性サブ構造50を含み得る。一対の第2の熱可塑性Cチャネルは、端から端まで配置され、それらの間に第2の突き合わせ継ぎ手を画定する。第1の突き合わせ継ぎ手と第2の突き合わせ継ぎ手は、FRTCSM20の全体的な強度を高めるためなどに、FRTCSM20の長さに沿って互いから空間的にオフセットされてよい。更に又は代替的に、第1の突き合わせ継ぎ手と第2の突き合わせ継ぎ手は、
図17で示されているように、異なる配向に角度付けられてよい。これによっても、FRTCSM20の全体的な強度が高められ得る。
【0066】
説明されるように、幾つかの実施例では、方法100がまた、155において繊維強化熱可塑性複合材構造部材を取り付けることを含んでもよい。155において取り付けることは、FRTCSMを航空機の中に組み込むためなどに、FRTCSMを航空機の少なくとも1つの他の構成要素に動作可能に取り付けることを含み得る。これは、航空機の任意の適切な構成要素を少なくとも部分的に形成及び/又は画定するように動作可能に取り付けることを含み得る。該構成要素の複数の例として、航空機の機体、航空機の主翼、航空機のトーションボックス、及び/又は航空機の圧力デッキが挙げられる。155において取り付けることは、FRTCSMを航空機の少なくとも1つの他の構成要素にボルト留め、締結、溶接、及び/又は熱可塑性的に溶接することを介するなどして、任意の適切なやり方で実行され得る。
【0067】
本開示による発明主題の例示的で非排他的な実施例が、以下で列挙される段落に説明されている。
【0068】
A1.
第1の熱可塑性サブ構造(30)と第2の熱可塑性サブ構造(50)から繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を形成する方法(100)であって、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1のウェブ(38)、前記第1のウェブ(38)から離れるように延在する第1のフランジ(40)、及び前記第1のフランジ(40)と前記第1のウェブ(38)との間の第1の遷移領域(44)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2のウェブ(58)、前記第2のウェブ(58)から離れるように延在する第2のフランジ(60)、及び前記第2のフランジ(60)と前記第2のウェブ(58)との間の第2の遷移領域(64)を含み、前記方法(100)は、
前記第1のフランジ(40)が前記第2のフランジ(60)から離れるように延在するように、また前記第1のウェブ(38)が前記第2のウェブ(58)に面するように、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)とを互いに対して配置すること(115)、
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)を共に圧縮すること(120)、及び
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を少なくとも部分的に画定するために、前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)を含む、方法(100)。
【0069】
A2.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)を配置すること(115)は、
(i)前記第1のフランジ(40)の第1のフランジ表面(42)が、前記第2のフランジ(60)の第2のフランジ表面(62)と平行に、又は少なくとも実質的に平行に延在するか、
(ii)前記第1のフランジ表面(42)が、前記第2のフランジ表面(62)と同一平面上、又は少なくとも実質的に同一平面上にある、
うちの少なくとも一方であるように配置することを含む、段落A1に記載の方法(100)。
【0070】
A3.
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、熱可塑性樹脂を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、前記熱可塑性樹脂を含むか、
(ii)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性樹脂(34)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性樹脂(54)を含み、前記第2の熱可塑性樹脂(54)は、前記第1の熱可塑性樹脂(34)とは異なり、前記第1の熱可塑性樹脂(34)と両立する、
うちの一方である、段落A1又はA2に記載の方法(100)。
【0071】
A4.
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、繊維材料を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、前記繊維材料を含むか、
(ii)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の繊維材料(36)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の繊維材料(56)を含み、前記第2の繊維材料(56)は、前記第1の繊維材料(36)とは異なる、
うちの一方である、段落A1からA3のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0072】
A5.
前記繊維材料、前記第1の繊維材料(36)、及び前記第2の繊維材料(56)のうちの少なくとも1つが、炭素繊維を含む、段落A4に記載の方法(100)。
【0073】
A6.
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の長さが、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の幅よりも大きく、
(ii)前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の長さが、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の幅よりも大きい、段落A1からA5のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0074】
A7.
前記第1のウェブ(38)の形状が、前記第2のウェブ(58)の形状に対応する、段落A1からA6のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0075】
A8.
(i)前記第1のウェブ(38)は、平面的な又は少なくとも実質的に平面的な第1のウェブ(38)であり、
(ii)前記第2のウェブ(58)は、平面的な又は少なくとも実質的に平面的な第2のウェブ(58)である、段落A1からA7のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0076】
A8.1.
(i)前記第1のウェブ(38)は、直線的な又は少なくとも実質的に直線的な第1のウェブ(38)であり、
(ii)前記第2のウェブ(58)は、直線的な又は少なくとも実質的に直線的な第2のウェブ(58)である、段落A1からA8のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0077】
A9.
(i)前記第1のウェブ(38)は、少なくとも1つの曲げ寸法で曲がっており、
(ii)前記第2のウェブ(58)は、前記少なくとも1つの曲げ寸法で曲がっている、段落A1からA7のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0078】
A10.
(i)前記第1のウェブ(38)は、少なくとも1つのねじり軸を中心としてねじられており、
(ii)前記第2のウェブ(58)は、前記少なくとも1つのねじり軸を中心としてねじられている、段落A1からA7のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0079】
A11.
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、複数の第1のプライの複合材料(32)によって画定されるか、
(ii)前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、複数の第2のプライの複合材料(52)によって画定される、
うちの少なくとも一方である、段落A1からA10のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0080】
A12.
(i)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の横断面が、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の長さに沿って一定又は少なくとも実質的に一定であるか、
(ii)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の前記横断面は、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)に沿った長さの関数として変化する、
うちの一方である、段落A1からA11のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0081】
A13.
(i)前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の横断面が、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の長さに沿って一定又は少なくとも実質的に一定であるか、
(ii)前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の前記横断面は、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)に沿った長さの関数として変化する、
うちの一方である、段落A1からA11のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0082】
A14.
(i)前記第1のフランジ(40)は、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の長さに沿って連続的であり、
(ii)前記第2のフランジ(60)は、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の長さに沿って連続的である、段落A1からA13のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0083】
A15.
(i)前記第1のフランジ(40)は、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の長さに沿って不連続であり、
(ii)前記第2のフランジ(60)は、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の長さに沿って不連続である、段落A1からA13のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0084】
A16.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)を配置すること(115)の前に、前記方法(100)は、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)を提供すること(105)を更に含む、段落A1からA15のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0085】
A17.
前記方法(100)は、更に、
(i)キャップサブ構造(90)が、前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)に面するように、前記キャップサブ構造(90)を前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)に対して配置すること(140)、
(ii)前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに圧縮すること(145)、及び
(iii)前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)を含む、段落A1からA16のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0086】
A18.
前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)は、先ず、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)のうちの一方に溶接すること、続いて、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)のうちの他方に溶接することを含む、段落A17に記載の方法(100)。
【0087】
A19.
前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接すること(150)は、前記キャップサブ構造(90)を前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに少なくとも部分的に同時に溶接することを含む、段落A17に記載の方法(100)。
【0088】
A20.
(i)前記キャップサブ構造(90)の形状が、前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)との組み合わせの複合フランジ形状に対応するか、
(ii)前記キャップサブ構造(90)の幅が、前記複合フランジ形状の幅に対応する又は少なくとも実質的に等しいか、
(iii)前記キャップサブ構造(90)の長さが、前記複合フランジ形状の長さに対応する又は少なくとも実質的に等しい、
うちの少なくとも1つである、段落A17からA19のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0089】
A21.
前記キャップサブ構造(90)は、前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)のうちの少なくとも一方及び任意選択的に両方を越えて延在する複合材料のシートによって画定される、段落A17からA20のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0090】
A22.
前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)は、前記キャップサブ構造(90)、前記第1の遷移領域(44)、及び前記第2の遷移領域(64)によって少なくとも部分的に境界付けられる細長い空隙(98)を画定することを含む、段落A17からA21のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0091】
A23.
前記細長い空隙(98)は、複合材R部充填剤を含まない、段落A22に記載の方法(100)。
【0092】
A24.
前記方法(100)は、前記キャップサブ構造(90)を提供すること(135)を更に含む、段落A17からA23のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0093】
A25.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、一対の第1のフランジ(40)を含み、前記一対の第1のフランジ(40)の各第1のフランジ(40)は、前記第1のウェブ(38)の対応する側から離れるように延在し、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、一対の第2のフランジ(60)を含み、前記一対の第2のフランジ(60)の各第2のフランジ(60)は、前記第2のウェブ(58)の対応する側から離れるように延在し、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、一対のキャップサブ構造(90)を含み、更に、
(i)前記キャップサブ構造(90)を配置すること(140)は、前記一対のキャップサブ構造(90)の各キャップサブ構造(90)が、前記一対の第1のフランジ(40)の対応する第1のフランジ(40)と前記一対の第2のフランジ(60)の対応する第2のフランジ(60)に面するように、各キャップサブ構造(90)を、前記対応する第1のフランジ(40)に対して、また前記対応する第2のフランジ(60)に対して配置することを含み、
(ii)前記キャップサブ構造(90)を圧縮すること(145)は、各キャップサブ構造(90)を前記対応する第1のフランジ(30)と前記対応する第2のフランジ(60)とに圧縮することを含み、
(iii)前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)は、各キャップサブ構造(90)を前記対応する第1のフランジ(30)と前記対応する第2のフランジ(60)とに溶接することを含む、段落A17からA24のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0094】
A26.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Cチャネル(66)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームである、段落A25に記載の方法(100)。
【0095】
A27.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記方法(100)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを形成することを更に含み、更に、各キャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの間で延在し、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方を少なくとも部分的に画定する単一のパネルである、段落A26に記載の方法(100)。
【0096】
A28.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記方法(100)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを形成することを更に含み、前記一対のキャップサブ構造(90)の第1のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの間で延在し、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方を少なくとも部分的に画定する単一のパネルであり、前記一対のキャップサブ構造(90)の第2のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの一方のみを少なくとも部分的に画定する第1の個別のキャップサブ構造(90)を含み、更に、前記第2のキャップサブ構造(90)は、前記キャップサブ構造(90)を溶接すること(150)の後に、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの他方のみを少なくとも部分的に画定する第2の個別のキャップサブ構造(90)を含む、段落A26に記載の方法(100)。
【0097】
A29.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、
(i)一対の第1の熱可塑性Cチャネル(46)の間に第1の突き合わせ継ぎ手を画定するように、端から端に配置された前記一対の第1の熱可塑性Cチャネル(46)、及び
(ii)一対の第2の熱可塑性Cチャネル(66)の間に第2の突き合わせ継ぎ手を画定するように、端から端に配置された前記一対の第2の熱可塑性Cチャネル(66)を含む、段落A26に記載の方法(100)。
【0098】
A30.
前記第1の突き合わせ継ぎ手と前記第2の突き合わせ継ぎ手は、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)の長さに沿って互いから空間的にオフセットされる、段落A29に記載の方法(100)。
【0099】
A31.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Lプロファイル(68)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Jビームである、段落A1からA24のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0100】
A32.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、
(i)前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに誘導溶接すること、
(ii)前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに伝導溶接すること、
(iii)前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに抵抗溶接すること、及び
(iv)前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに超音波溶接すること、
のうちの少なくとも1つを含む、段落A1からA31のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0101】
A33.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、前記第1のウェブ(38)の全長を前記第2のウェブ(58)に同時に溶接することを含む、段落A1からA32のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0102】
A34.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、前記第1のウェブ(38)の全長を前記第2のウェブ(58)に漸進的に溶接することを含み、任意選択的に、前記漸進的に溶接することは、
(i)前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)を実行するように構成された溶接構造を、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)とに対して動作可能に平行移動させること、及び
(ii)前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)を、前記溶接構造に対して動作可能に平行移動させること、
のうちの少なくとも一方を含む、段落A1からA33のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0103】
A35.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)との間の接触表面積の少なくとも閾値表面積割合を溶接することを含み、前記閾値表面積割合は、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%である、段落A1からA34のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0104】
A36.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)は、接合層(80)を溶かすことを含む、段落A1からA35のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0105】
A37.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性樹脂溶融温度を規定する第1の熱可塑性樹脂(34)を含み、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性樹脂溶融温度を規定する第2の熱可塑性樹脂(54)を含み、接合層(80)は、前記第1の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低く、また前記第2の熱可塑性樹脂溶融温度よりも低い、接合層熱可塑性樹脂溶融温度を規定する接合層熱可塑性樹脂(82)を含み、更に、前記接合層(80)を溶かすことは、前記接合層熱可塑性樹脂溶融温度よりも高く、前記第1の熱可塑性樹脂溶融温度と前記第2の熱可塑性樹脂溶融温度との両方よりも低い、接合層温度まで加熱することを含む、段落A1からA36のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0106】
A38.
前記接合層(80)は、前記第1の熱可塑性サブ構造(30)と前記第2の熱可塑性サブ構造(50)のうちの少なくとも一方の外面を少なくとも部分的に画定する、段落A36又はA37に記載の方法(100)。
【0107】
A39.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の前に、前記方法(100)は、前記接合層(80)を前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)との間に配置すること(110)を更に含む、段落A36又はA37に記載の方法(100)。
【0108】
A40.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法(100)は、更に、
(i)前記第1のフランジ(40)を前記第1のウェブ(38)から熱的に隔離すること、
(ii)前記第1の遷移領域(44)を前記第1のウェブ(38)から熱的に隔離すること、
(iii)前記第2のフランジ(60)を前記第2のウェブ(58)から熱的に隔離すること、及び
(iv)前記第2の遷移領域(64)を前記第2のウェブ(58)から熱的に隔離すること、
のうちの少なくとも1つを含む、段落A1からA39のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0109】
A41.
前記熱的に隔離することは、断熱材料で熱的に隔離することを含む、段落A40に記載の方法(100)。
【0110】
A42.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法(100)は、更に、
(i)前記第1のフランジ(40)、
(ii)前記第1の遷移領域(44)、
(iii)前記第2のフランジ(60)、及び
(iv)前記第2の遷移領域(64)、
のうちの少なくとも1つを能動的に冷却することを含む、段落A1からA41のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0111】
A43.
前記能動的に冷却することは、
(i)冷却液が含まれた流れ、
(ii)空気流、及び
(iii)冷却具、
のうちの少なくとも1つを利用して能動的に冷却することを含む、段落A42に記載の方法(100)。
【0112】
A44.
前記第1のウェブ(38)と前記第2のウェブ(58)とを互いに溶接すること(130)の最中に、前記方法(100)は、更に、前記第1のフランジ(40)と前記第1の遷移領域(44)を前記第1の熱可塑性サブ構造(30)の溶融温度よりも低く維持すること、及び、前記第2のフランジ(60)と前記第2の遷移領域(64)を前記第2の熱可塑性サブ構造(50)の溶融温度よりも低く維持することを含む、段落A1からA43のいずれか1つに記載の方法(100)。
【0113】
B1.
航空機(10)を形成する方法(100)であって、
段落A1からA44のいずれか1つに記載の方法(100)を利用して、繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を形成すること(100)、及び
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)を前記航空機(10)の少なくとも1つの他の構成要素に動作可能に取り付けること(155)を含む、方法(100)。
【0114】
B2.
前記動作可能に取り付けること(155)は、
(i)前記航空機(10)の機体(12)、
(ii)前記航空機(10)の主翼(14)、
(iii)前記航空機(10)のトーションボックス(16)、及び
(iv)前記航空機(10)の圧力デッキ(18)、
のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に画定することを含む、段落B1に記載の方法(100)。
【0115】
C1.
第1の熱可塑性サブ構造(30)であって、第1のウェブ(38)、前記第1のウェブ(38)から離れるように延在する第1のフランジ(40)、及び前記第1のフランジ(40)と前記第1のウェブ(38)との間の第1の遷移領域(44)を含む、第1の熱可塑性サブ構造(30)、並びに
第2の熱可塑性サブ構造(50)であって、第2のウェブ(58)、前記第2のウェブ(58)から離れるように延在する第2のフランジ(60)、及び前記第2のフランジ(60)と前記第2のウェブ(58)との間の第2の遷移領域(64)を含む、第2の熱可塑性サブ構造(50)を含み、
前記第1のウェブ(38)は、前記第2のウェブ(58)に溶接されている、繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0116】
C2.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、前記第1のフランジ(40)と前記第2のフランジ(60)とに溶接されたキャップサブ構造(90)を更に含む、段落C1に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0117】
C3.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、前記キャップサブ構造(90)、前記第1の遷移領域(44)、及び前記第2の遷移領域(64)によって少なくとも部分的に境界付けられた細長い空隙(98)を更に含む、段落C2に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0118】
C4.
前記第1のフランジ(40)は、一対の第1のフランジ(40)を含み、前記一対の第1のフランジ(40)の各第1のフランジ(40)は、前記第1のウェブ(38)の対応する側から離れるように延在し、前記第2のフランジ(60)は、一対の第2のフランジ(60)を含み、前記一対の第2のフランジ(60)の各第2のフランジ(60)は、前記第2のウェブ(58)の対応する側から離れるように延在し、前記キャップサブ構造(90)は、一対のキャップサブ構造(90)を含み、更に、各キャップサブ構造(90)は、対応する第1のフランジ(40)と対応する第2のフランジ(60)とに溶接されている、段落C2又はC3に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0119】
C5.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Cチャネル(66)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを含む、段落C2からC4のいずれか1つに記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0120】
C6.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを更に含み、更に、各キャップサブ構造(90)は、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方に溶接された単一のパネルである、段落C5に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0121】
C7.
前記繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームは、第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームであり、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームを更に含み、前記一対のキャップサブ構造(90)の第1のキャップサブ構造(90)は、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとの両方に溶接された単一のパネルであり、前記一対のキャップサブ構造(90)の第2のキャップサブ構造(90)は、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの一方のみに溶接された第1の個別のキャップサブ構造(90)を含み、更に、前記第2のキャップサブ構造(90)は、前記第1の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームと前記第2の繊維強化熱可塑性複合材構造Iビームとのうちの他方のみに溶接された第2の個別のキャップサブ構造(90)を含む、段落C5に記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0122】
C8.
前記第1の熱可塑性サブ構造(30)は、第1の熱可塑性Cチャネル(46)であり、前記第2の熱可塑性サブ構造(50)は、第2の熱可塑性Lプロファイル(68)であり、更に、前記繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)は、繊維強化熱可塑性複合材構造Jビームである、段落C1からC3のいずれか1つに記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)。
【0123】
D1.
胴体構造(12)、及び
前記胴体構造(12)に動作可能に取り付けられた主翼構造(14)を備える、航空機(10)であって、
前記胴体構造(12)と前記主翼構造(14)のうちの少なくとも一方は、段落C1からC8のいずれか1つに記載の繊維強化熱可塑性複合材構造部材(20)によって少なくとも部分的に画定されている、航空機(10)。
【0124】
本明細書で使用されている、装置の1つ以上の構成要素又は特徴の動作、運動、構成、又はその他の動作を修正する場合の「選択的な」及び「選択的に」という語は、その特定の動作、運動、構成、又はその他の動作が、装置の態様又は1つ以上の構成要素をユーザが操作した直接的又は間接的な結果であることを意味する。
【0125】
本明細書で使用される「適合された(adapted)」及び「構成された(configured)」という表現は、要素、構成要素、又は他の対象物が、所与の機能を実行するように設計かつ/又は意図されていることを意味する。ゆえに、「適合された」及び「構成された」という表現を使用することにより、所与の要素、構成要素、又は他の対象物が、単に所与の機能を実行することが「可能である(capable)」ことを意味していると解釈すべきではなく、これらの要素、構成要素、及び/又は他の対象物が、その機能を実行する目的で、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラミングされ、かつ/又は設計されていることを意味していると解釈すべきである。特定の機能を実行するように適合されていると列挙された要素、構成要素、及び/又はその他の列挙された対象物が、その機能を実行するように構成されていると追加的に又は代替的に記載され得ること、及びその逆の場合も本開示の範囲内にさらに含まれる。同様に、特定の機能を実行するように構成されていると列挙された対象物は、その機能を実行するように動作可能であると追加的に又は代替的に記載され得る。
【0126】
本明細書で使用される際に、1以上のエンティティのリストに言及する「少なくとも1つの」という言い回しは、エンティティのリスト内のエンティティのうちの任意の1以上から選択される少なくとも1つのエンティティを意味するものと理解されるべきであるが、エンティティのリスト内で具体的に挙げられた全てのエンティティの少なくとも1つを含む必要は必ずしもなく、エンティティのリスト内のエンティティの任意の組み合わせを排除するものではない。この定義により、「少なくとも1つの」という表現に関連するエンティティのリスト内で具体的に特定されたエンティティ以外に、具体的に特定されたこれらのエンティティに関連するか関連しないかに関わらず、エンティティが任意選択的に存在し得ることがさらに可能となる。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は同様に、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同様に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)とは、一実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くのAを含み、Bが存在しないこと(及び、任意選択的にB以外のエンティティを含むこと)を意味し、別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くのBを含み、Aが存在しないこと(及び、任意選択的にA以外のエンティティを含むこと)を意味し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くのA、及び少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くのBを含むこと(及び、任意選択的に他のエンティティを含むこと)を意味する。換言すると、「少なくとも1つ」、「1つ以上」、並びに「及び/又は」という表現は、その働きにおいて接続的(conjunctive)であると共に離接的な(disjunctive)オープンエンドの表現である。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1以上、並びに「A、B、及び/又はCのうちの1以上」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、A、B、及びCの全部、或いは任意選択的に少なくとも1つの他のエンティティと組み合された上述の何れかを意味してよい。
【0127】
本明細書で開示されている方法の装置及びステップの様々な開示された要素は、本開示に係るすべての装置及び方法に必要とされているわけではなく、本開示は、本明細書で開示されている様々な要素及びステップのすべての新規及び非自明の組み合わせ及び部分的組み合わせを含む。更に、本明細書で開示されている様々な要素及びステップのうちの1つ以上は、開示されている装置又は方法の全体とは別個でありかつ分離している、独立した発明の主題を規定し得る。したがって、かかる発明の主題は、本明細書で明示的に開示される特定の装置及び方法に関連する必要はなく、かつ、かかる発明の主題は、本明細書で明示的に開示されていない装置及び/又は方法において有用性が見い出されることもある。
【0128】
本明細書で使用される、「例えば(for example)」という表現、「一実施例として(as example)」という表現、及び/又は、単なる「実施例(example)」という用語は、本開示に係る1つ以上の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法に関連して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法が、本開示に係る構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法の例示的で非限定的な実施例であると伝えることを意図している。したがって、記載された構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法は、限定したり、必要とされたり、又は限定的/網羅的であったりすることは意図しておらず、構造的及び/又は機能的に類似及び/又は同等の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法を含む他の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法も本開示の範囲内に含まれる。
【0129】
本明細書で使用されるときに、程度又は関係を変更する場合の「少なくとも実質的に(at least substantially)」という表現は、記載された「実質的な(substantial)」程度又は関係のみではなく、記載された程度又は関係の完全な範囲(full extent)を含み得る。記載された程度又は関係の実質的な量は、記載された程度又は関係の少なくとも75%を含み得る。例えば、或る物質から少なくとも実質的に形成された物体は、物体の少なくとも75%がその材料から形成された物体を含み、同様に、その物質から完全に形成された物体も含む。別の一例として、第2の長さと少なくとも実質的に同じ長さの第1の長さは、第2の長さの75%の範囲内にある第1の長さを含み、同様に第2の長さと同じ長さの第1の長さも含む。
【外国語明細書】