(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156641
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】リボ核タンパク質ナノ複合体ワクチン及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 39/12 20060101AFI20241029BHJP
A61K 39/215 20060101ALI20241029BHJP
A61K 39/145 20060101ALI20241029BHJP
A61K 39/29 20060101ALI20241029BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20241029BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20241029BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20241029BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20241029BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20241029BHJP
C12N 15/50 20060101ALI20241029BHJP
C07K 14/165 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K39/12
A61K39/215
A61K39/145
A61K39/29
A61P37/04
A61P31/12
A61P31/16
A61P31/14
A61K47/64
C12N15/50 ZNA
C07K14/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】53
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024070290
(22)【出願日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】63/497,895
(32)【優先日】2023-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524158036
【氏名又は名称】センター フォー ヴァイロロジー, ヴァクシノロジー アンド セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コク キン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ラム ジョイ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン クォク ユン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA99
4C076BB01
4C076BB21
4C076BB25
4C076CC06
4C076EE41
4C076EE59
4C085AA03
4C085BA55
4C085BA71
4C085BA92
4C085EE01
4C085GG08
4C085GG10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA50
4H045BA54
4H045CA01
4H045CA02
4H045DA86
4H045EA31
(57)【要約】
【課題】アダプタ-抗原ポリペプチドと、ウイルスRNA足場と、を含む複合体を特異的に含有するワクチン組成物を提供すること。
【解決手段】本発明はさらに、医薬組成物の調製のためのワクチンの使用、ウイルス感染を治療または防止する方法、及びワクチンを含むキットに関する。一態様では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、約5:1を超え、例えば、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1うちのいずれか以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、前記ナノ複合体が、ウイルスRNAを含む足場分子と、前記ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、前記ワクチン組成物。
【請求項2】
前記アダプタ-抗原ポリペプチド対前記足場分子のモル比が、約5:1超である、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項3】
前記ウイルス抗原が、抗原ポリペプチドである、請求項1または2に記載のワクチン組成物。
【請求項4】
前記ウイルス抗原が、免疫原性タンパク質である、請求項1または2に記載のワクチン組成物。
【請求項5】
前記ウイルス抗原が、前記ウイルス核タンパク質のC末端に融合している、請求項1~4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項6】
前記ウイルス抗原が、前記ウイルス核タンパク質のN末端に融合している、請求項1~4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項7】
前記ウイルスRNAが、ウイルスゲノムの非翻訳領域を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項8】
前記ウイルスRNAが、前記ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域を含む、請求項7に記載のワクチン組成物。
【請求項9】
前記ウイルスRNAが、約10~約500ヌクレオチド長である、請求項1~8のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項10】
前記ウイルスRNAが、約200~約500ヌクレオチド長である、請求項9に記載のワクチン組成物。
【請求項11】
前記ウイルスRNAが、SARS-CoV-2に由来する、請求項1~10のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項12】
前記ウイルスRNAが、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む、請求項11に記載のワクチン組成物。
【請求項13】
前記ウイルスRNAが、インフルエンザAウイルス(IAV)に由来する、請求項1~10のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項14】
前記ウイルスRNAが、配列番号30に記載のIAVゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む、請求項13に記載のワクチン組成物。
【請求項15】
前記ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2に由来する、請求項1~14のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項16】
前記SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項15に記載のワクチン組成物。
【請求項17】
前記ウイルス核タンパク質が、IAVに由来する、請求項1~14のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項18】
前記ウイルス核タンパク質が、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する、請求項17に記載のワクチン組成物。
【請求項19】
前記IAV H5N1に由来するウイルス核タンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項17または18に記載のワクチン組成物。
【請求項20】
前記ウイルス核タンパク質及び前記ウイルス抗原が、同じウイルスに由来する、請求項1~19のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項21】
前記ウイルス核タンパク質及び前記ウイルス抗原が、異なるウイルスに由来する、請求項1~19のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項22】
前記ウイルス抗原が、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項23】
前記ウイルス抗原が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項22に記載のワクチン組成物。
【請求項24】
前記ウイルス抗原が、受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項23に記載のワクチン組成物。
【請求項25】
前記SARS-CoV-2ウイルス抗原が、配列番号14または15のアミノ酸配列を含む、請求項23または24に記載のワクチン組成物。
【請求項26】
前記ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項27】
前記ウイルス抗原が、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項26に記載のワクチン組成物。
【請求項28】
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、IAVまたはインフルエンザBウイルス(IBV)に由来する、請求項26または27に記載のワクチン組成物。
【請求項29】
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する、請求項28に記載のワクチン組成物。
【請求項30】
前記IAVウイルス抗原が、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載のワクチン組成物。
【請求項31】
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、YamagataまたはVictoriaのIBVサブタイプに由来する、請求項28に記載のワクチン組成物。
【請求項32】
前記IBVウイルス抗原が、配列番号19または20のアミノ酸配列を含む、請求項31に記載のワクチン組成物。
【請求項33】
前記ウイルス抗原が、呼吸器合胞体ウイルス(「RSV」)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項34】
前記ウイルス抗原が、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項33に記載のワクチン組成物。
【請求項35】
前記RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、RSV AサブタイプまたはRSV Bサブタイプに由来する、請求項34に記載のワクチン組成物。
【請求項36】
前記RSVウイルス抗原が、配列番号21または22のアミノ酸配列を含む、請求項34または35に記載のワクチン組成物。
【請求項37】
前記ウイルス抗原が、C型肝炎ウイルス(「HCV」)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項38】
前記ウイルス抗原が、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、請求項37に記載のワクチン組成物。
【請求項39】
前記HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントが、HCV遺伝子型1aまたはHCV遺伝子型2aに由来する、請求項38に記載のワクチン組成物。
【請求項40】
前記HCVウイルス抗原が、配列番号23または24のアミノ酸配列を含む、請求項38または39に記載のワクチン組成物。
【請求項41】
前記アダプタ-抗原ポリペプチドが、配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~40のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項42】
前記ワクチン組成物中の前記ナノ複合体が、約100nm~約130nmの平均粒径を有する、請求項1~41のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項43】
前記ワクチン組成物中の前記ナノ複合体が、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する、請求項1~42のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項44】
個体におけるウイルス感染を防止する方法であって、前記個体に、有効量の請求項1~43のいずれか1項に記載のワクチン組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項45】
前記ワクチン組成物が、鼻腔内または皮内投与によって投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ワクチン組成物が、初回用量で、続いて1回または2回のブースター用量で投与される、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記初回用量及び前記1回または2回のブースター用量が、約7日から約21日間隔で投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記初回用量及び前記1回または2回のブースター用量が、約14日間隔で投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記初回用量及び第1のブースター用量、ならびに前記第1のブースター用量及び第2のブースター用量が、約7~約21日間隔、任意選択的に約14日間隔で投与される、請求項46~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ワクチン組成物が、同じウイルス種の一部である2つ以上のウイルスサブタイプに対するヘテロサブタイプ保護を提供する、請求項44~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、異なるウイルス属からの2つ以上のウイルスによるウイルス感染を防止する、請求項44~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
(i)前記2つ以上のウイルス種が、同じウイルスファミリーからのものであるか、または
(ii)前記2つ以上のウイルス種が、異なるウイルスファミリーからのものである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記方法が、3つ以上のウイルス種によるウイルス感染を防止し、
(i)前記3つ以上のウイルス種が、同じウイルスファミリーからのものであるか、
(ii)前記3つ以上のウイルス種が、異なるウイルスファミリーからのものであるか、または
(iii)前記3つ以上のウイルス種が、(a)同じウイルス種からのものである2つ以上のウイルスサブタイプまたは亜種、及び(b)前記(a)のウイルスとは異なるウイルスファミリーからのものである1つ以上のウイルス種を含む、請求項51または52に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年4月24日出願の米国仮特許出願第63/497,895号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子配列表への参照
電子配列表の内容(253322000342seqlist.xml、サイズ:75,643バイト、及び作成日:2024年4月19日)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、アダプタ-抗原ポリペプチドと、核酸足場(例えば、ウイルスRNA)と、を含む複合体を含む、ワクチン組成物に関する。さらに、本明細書で提供されるのは、ワクチンを含む医薬組成物、ワクチンを使用してウイルス感染を防止または改善する方法、それを作製する方法、及びワクチンを含むキットである。本発明は、アダプタ-抗原ポリペプチドと、ウイルスRNA足場と、を含む複合体を特異的に含有するワクチン組成物に関する。本発明はさらに、医薬組成物の調製のためのワクチンの使用、ウイルス感染を治療または防止する方法、及びワクチンを含むキットに関する。
【背景技術】
【0004】
ワクチンは、特定の病原体に対するヒトなどの個体内の防御免疫応答を刺激するように作用するので、後にその病原体に感染した場合、免疫系は、感染が体内に広がり、疾患を引き起こすことを迅速に防止することができる。この方式において、ワクチンは、病気を引き起こすことなく自然感染を模倣する。従来、ワクチンは、筋肉内注射によって投与される。しかしながら、この投与方法は、ウイルス感染によって影響を受けた組織または臓器内に見出される局所的な組織常在性の特異的免疫細胞(例えば、SARS-CoV-2、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)などの呼吸器ウイルス感染を防止するための常在性肺免疫細胞)をうまくプライミングできない。
【0005】
アジュバントと組み合わせる場合を除いて、組換えタンパク質ワクチンなどのワクチンを、鼻投与(例えば、鼻吸入)を介して投与することが、ヒトにおいて特に有効かつ安全であるとは未だに証明されていない。しかしながら、一般に、外因性アジュバントによって引き起こされる刺激性の炎症性免疫応答を含む有害な副作用に起因して、ミョウバンなどの従来のアジュバントは、ヒト気道内の粘膜ワクチン接種には不適切である。患者において、全身性炎症の自然免疫応答などの副作用を引き起こすことなく、ウイルス標的に対する組織常在性免疫細胞をプライミングするために、関連する組織に投与すること(例えば、鼻腔内、経口、粘膜投与)ができる安全かつ有効なワクチンが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、ワクチン組成物が提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、約5:1を超え、例えば、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1うちのいずれか以上である。
【0008】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、抗原ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、免疫原性タンパク質である。
【0009】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のN末端に融合している。
【0010】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムの非翻訳領域、例えば、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域を含む。
【0011】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約10~約300)ヌクレオチド長、例えば、約200~約500(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、少なくとも約200ヌクレオチド長である。
【0012】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む。
【0013】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、インフルエンザAウイルス(IAV)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、配列番号30に記載のIAVゲノムの遺伝子のヌクレオチド1~326を含む。
【0014】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。
【0015】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、IAVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、IAV H5N1に由来するウイルス核タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0016】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。
【0017】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。
【0018】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、受容体結合ドメイン(RBD)を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2ウイルス抗原は、配列番号14または15のアミノ酸配列を含む。
【0019】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、インフルエンザAウイルス(IAV)またはインフルエンザBウイルス(IBV)に由来する。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、IAVウイルス抗原は、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、YamagataまたはVictoriaのIBVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、IBVウイルス抗原は、配列番号19または20のアミノ酸配列を含む。
【0020】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、呼吸器合胞体ウイルス(「RSV」)タンパク質、例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質またはその断片またはバリアントは、RSV Aサブタイプ及びRSV Bサブタイプからなる群から選択されるRSVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、RSVウイルス抗原は、配列番号21または22のアミノ酸配列を含む。
【0021】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、C型肝炎ウイルス(「HCV」)タンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントは、HCV遺伝子型1aまたはHCV遺伝子型2aのHCV遺伝子型に由来する。いくつかの実施形態では、HCVウイルス抗原は、配列番号23または24のアミノ酸配列を含む。
【0022】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0023】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。
【0024】
上記のワクチン組成物のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。
【0025】
上記のワクチン組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、同じウイルス種からのものである2つ以上のウイルスサブタイプ(例えば、IAV、例えば、H1N1、H3N2、H5N1、及びH7N9のうちの2つ以上)に対するヘテロサブタイプ保護を提供する。
【0026】
別の態様では、個体(例えば、ヒト)におけるウイルス感染を防止する方法であって、個体に、有効量の上記のワクチン組成物のうちのいずれかを投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、鼻腔内または皮内投与によって投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、初回用量で、続いて1回または2回のブースター用量で投与される。いくつかの実施形態では、初回用量及び1回または2回のブースター用量は、約7日~約21日間隔で投与される。いくつかの実施形態では、初回用量及び1回または2回のブースター用量は、約14日間隔で投与される。いくつかの実施形態では、初回用量及び第1のブースター用量、ならびに第1のブースター用量及び第2のブースター用量は、約7~約21日間隔で、任意選択的に約14日間隔で投与される。
【0027】
上記の方法のうちのいずれかによるいくつかの実施形態では、本方法は、異なるウイルス属からの2つ以上のウイルスによるウイルス感染を防止する。いくつかの実施形態では、本方法は、SARS-CoV-2及びIAVによるウイルス感染を防止する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、同じウイルスファミリーの一部である2つ以上のウイルス種に対するヘテロサブタイプ保護を提供し、任意選択的に、2つ以上のウイルス種は、同じウイルス属の一部である。いくつかの実施形態では、i)2つ以上のウイルス種は、同じウイルスファミリーからのものであるか、またはii)2つ以上のウイルス種は、異なるウイルスファミリーからのものである。いくつかの実施形態では、本方法は、3つ以上のウイルス種によるウイルス感染を防止し、i)3つ以上のウイルス種は、同じウイルスファミリーからのものであるか、ii)3つ以上のウイルス種は、異なるウイルスファミリーからのものであるか、またはiii)3つ以上のウイルス種は、(a)同じウイルス種からのものである2つ以上のウイルスサブタイプまたは亜種、及び(b)(a)のウイルスとは異なるウイルスファミリーからのものである1つ以上のウイルス種を含む。
【0028】
図面は、本開示のある特定の特徴及び利点を示す。これらの実施形態は、いかなる様式においても、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】様々なウイルス抗原に対するナノ複合体ワクチンを示す。
図1Aは、NC-CoV-01及びNC-CoV-02を含む、コロナウイルス(すなわち、SARS-CoV-2)を標的とするワクチンを示す。
図1Bは、NC-IAV-01、NC-IAV-02、NC-IAV-03、NC-IBV-01、及びNC-IBV-02を含む、インフルエンザウイルスを標的とするワクチンを示す。
図1Cは、NC-RSV-01及びNC-RSV-02を含む、RSVを標的とするワクチンを示す。
図1Dは、NC-HCV-01及びNC-HCV-02を含む、HCVを標的とするワクチンを示す。RBD、受容体結合ドメイン;HA、ヘマグルチニン;monoF、RSV Fモノマー;E2、エンベロープ糖タンパク質E2;NP、核タンパク質;ミニvRNA、ミニウイルスRNA。
【
図1B】様々なウイルス抗原に対するナノ複合体ワクチンを示す。
図1Aは、NC-CoV-01及びNC-CoV-02を含む、コロナウイルス(すなわち、SARS-CoV-2)を標的とするワクチンを示す。
図1Bは、NC-IAV-01、NC-IAV-02、NC-IAV-03、NC-IBV-01、及びNC-IBV-02を含む、インフルエンザウイルスを標的とするワクチンを示す。
図1Cは、NC-RSV-01及びNC-RSV-02を含む、RSVを標的とするワクチンを示す。
図1Dは、NC-HCV-01及びNC-HCV-02を含む、HCVを標的とするワクチンを示す。RBD、受容体結合ドメイン;HA、ヘマグルチニン;monoF、RSV Fモノマー;E2、エンベロープ糖タンパク質E2;NP、核タンパク質;ミニvRNA、ミニウイルスRNA。
【
図1C】様々なウイルス抗原に対するナノ複合体ワクチンを示す。
図1Aは、NC-CoV-01及びNC-CoV-02を含む、コロナウイルス(すなわち、SARS-CoV-2)を標的とするワクチンを示す。
図1Bは、NC-IAV-01、NC-IAV-02、NC-IAV-03、NC-IBV-01、及びNC-IBV-02を含む、インフルエンザウイルスを標的とするワクチンを示す。
図1Cは、NC-RSV-01及びNC-RSV-02を含む、RSVを標的とするワクチンを示す。
図1Dは、NC-HCV-01及びNC-HCV-02を含む、HCVを標的とするワクチンを示す。RBD、受容体結合ドメイン;HA、ヘマグルチニン;monoF、RSV Fモノマー;E2、エンベロープ糖タンパク質E2;NP、核タンパク質;ミニvRNA、ミニウイルスRNA。
【
図1D】様々なウイルス抗原に対するナノ複合体ワクチンを示す。
図1Aは、NC-CoV-01及びNC-CoV-02を含む、コロナウイルス(すなわち、SARS-CoV-2)を標的とするワクチンを示す。
図1Bは、NC-IAV-01、NC-IAV-02、NC-IAV-03、NC-IBV-01、及びNC-IBV-02を含む、インフルエンザウイルスを標的とするワクチンを示す。
図1Cは、NC-RSV-01及びNC-RSV-02を含む、RSVを標的とするワクチンを示す。
図1Dは、NC-HCV-01及びNC-HCV-02を含む、HCVを標的とするワクチンを示す。RBD、受容体結合ドメイン;HA、ヘマグルチニン;monoF、RSV Fモノマー;E2、エンベロープ糖タンパク質E2;NP、核タンパク質;ミニvRNA、ミニウイルスRNA。
【
図2】例示的なナノ複合体ワクチンにおけるアダプタ-抗原ポリペプチド及びRNA足場構成要素の概略図を示す。
【
図3A】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図3B】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図3C】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図3D】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図3E】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図3F】NC-CoV-01ワクチンのナノ複合体形成の試験からの結果を示す。
図3Aは、アダプタ-抗原構成要素であるヌクレオカプシド(NP)-RBDの構造予測を示す。
図3Bは、試験したNP-RBDタンパク質のSDS-PAGE結果を提供する。
図3Cの左パネルは、R266のRNA二次構造予測(例示的なRNA足場)を示し、右パネルは、R266の3D構造予測を示す。
図3Dは、R266が尿素-PAGEを使用して視覚化されたことを示す。
図3Eは、アダプタ-抗原とR266との会合が、ゲルシフトアッセイによって確認されたことを示す。量を増加させたNP-RBDとR266を混合し、尿素-PAGE(上部パネル)及びウエスタンブロット(下部パネル)によって分析した。
図3Fは、アダプタ-抗原とR266との会合が、蛍光偏光性によってさらに確認されたことを示す。簡潔には、濃度を増加させたNP-RBD、全長NP、及びスパイクRBDタンパク質と、HEX標識RNAオリゴを混合し、蛍光偏光性を測定した。特定の緩衝液系中のKdを計算した。
【
図4A】NC-CoV-01がインビボで粘膜免疫を誘発したことを実証する。
図4Aは、動物におけるNC-CoV-01の免疫化を示す概略図を提供する。BALB/cマウスを、NP-RBD、NP-RBD+R20(20ntウイルスRNA)対照、またはNP-RBD+R266(NC-CoV-01)の3つの用量で鼻腔内免疫化した。血清及び気管支肺胞液(BALF)を採取し、抗原特異的抗体についてELISAで試験した。
図4Bは、BALFにおける抗スパイクRBD IgA応答を示す。
図4Cは、BALFにおける抗スパイクRBD IgG応答を示す。
図4Dは、実験の14日目、28日目、及び42日目にわたる血清中の抗スパイクRBD IgG応答を示す。全てのELISA結果を、95%信頼区間による幾何平均力価として提示した。*:p<0.05、**:p<0.005、***:p<0.0005、n.s.:有意でない。
【
図4B】NC-CoV-01がインビボで粘膜免疫を誘発したことを実証する。
図4Aは、動物におけるNC-CoV-01の免疫化を示す概略図を提供する。BALB/cマウスを、NP-RBD、NP-RBD+R20(20ntウイルスRNA)対照、またはNP-RBD+R266(NC-CoV-01)の3つの用量で鼻腔内免疫化した。血清及び気管支肺胞液(BALF)を採取し、抗原特異的抗体についてELISAで試験した。
図4Bは、BALFにおける抗スパイクRBD IgA応答を示す。
図4Cは、BALFにおける抗スパイクRBD IgG応答を示す。
図4Dは、実験の14日目、28日目、及び42日目にわたる血清中の抗スパイクRBD IgG応答を示す。全てのELISA結果を、95%信頼区間による幾何平均力価として提示した。*:p<0.05、**:p<0.005、***:p<0.0005、n.s.:有意でない。
【
図4C】NC-CoV-01がインビボで粘膜免疫を誘発したことを実証する。
図4Aは、動物におけるNC-CoV-01の免疫化を示す概略図を提供する。BALB/cマウスを、NP-RBD、NP-RBD+R20(20ntウイルスRNA)対照、またはNP-RBD+R266(NC-CoV-01)の3つの用量で鼻腔内免疫化した。血清及び気管支肺胞液(BALF)を採取し、抗原特異的抗体についてELISAで試験した。
図4Bは、BALFにおける抗スパイクRBD IgA応答を示す。
図4Cは、BALFにおける抗スパイクRBD IgG応答を示す。
図4Dは、実験の14日目、28日目、及び42日目にわたる血清中の抗スパイクRBD IgG応答を示す。全てのELISA結果を、95%信頼区間による幾何平均力価として提示した。*:p<0.05、**:p<0.005、***:p<0.0005、n.s.:有意でない。
【
図4D】NC-CoV-01がインビボで粘膜免疫を誘発したことを実証する。
図4Aは、動物におけるNC-CoV-01の免疫化を示す概略図を提供する。BALB/cマウスを、NP-RBD、NP-RBD+R20(20ntウイルスRNA)対照、またはNP-RBD+R266(NC-CoV-01)の3つの用量で鼻腔内免疫化した。血清及び気管支肺胞液(BALF)を採取し、抗原特異的抗体についてELISAで試験した。
図4Bは、BALFにおける抗スパイクRBD IgA応答を示す。
図4Cは、BALFにおける抗スパイクRBD IgG応答を示す。
図4Dは、実験の14日目、28日目、及び42日目にわたる血清中の抗スパイクRBD IgG応答を示す。全てのELISA結果を、95%信頼区間による幾何平均力価として提示した。*:p<0.05、**:p<0.005、***:p<0.0005、n.s.:有意でない。
【
図5A】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5B】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5C】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5D】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5E】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5F】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5G】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5H】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図5I】NC-CoV-01ワクチンによるSARS-CoV-2に対する鼻腔内免疫化後のインビボでの様々な炎症促進性サイトカイン及びケモカインの遺伝子発現結果を示す。
図5Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を示す。NP-RBDを、R20またはR266のいずれかと混合し、BALB/cマウスに経鼻投与した。投与16時間後にBALFを収集した。RNAをこれらのBALFの細胞ペレットから抽出し、RT-qPCRによって分析した。
図5B~
図5Iは、インターフェロン-β(IFN-β、
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、及び炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)の誘導を示し、これらの全ては、倍数±S.D.として提示した。
【
図6A】NC-CoV-01ワクチンが、SARS-CoV-2感染の発生に対してマウスを保護することを示す。
図6Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を提供する。
図6B~
図6Cは、プラークアッセイによって分析した、肺(
図6B)及び鼻甲介(
図6C)ホモジネートにおけるウイルス感染力価レベルを示す。データを、組織のグラム当たりのPFUとして提示した。
図6Dは、マウス肺の免疫組織学及びH&E染色を示し、SARS-CoV-2ヌクレオカプシド陽性染色細胞を矢印によって示す。N.D.、検出されず;H&E、ヘマトキシリン及びエオシン。
【
図6B】NC-CoV-01ワクチンが、SARS-CoV-2感染の発生に対してマウスを保護することを示す。
図6Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を提供する。
図6B~
図6Cは、プラークアッセイによって分析した、肺(
図6B)及び鼻甲介(
図6C)ホモジネートにおけるウイルス感染力価レベルを示す。データを、組織のグラム当たりのPFUとして提示した。
図6Dは、マウス肺の免疫組織学及びH&E染色を示し、SARS-CoV-2ヌクレオカプシド陽性染色細胞を矢印によって示す。N.D.、検出されず;H&E、ヘマトキシリン及びエオシン。
【
図6C】NC-CoV-01ワクチンが、SARS-CoV-2感染の発生に対してマウスを保護することを示す。
図6Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を提供する。
図6B~
図6Cは、プラークアッセイによって分析した、肺(
図6B)及び鼻甲介(
図6C)ホモジネートにおけるウイルス感染力価レベルを示す。データを、組織のグラム当たりのPFUとして提示した。
図6Dは、マウス肺の免疫組織学及びH&E染色を示し、SARS-CoV-2ヌクレオカプシド陽性染色細胞を矢印によって示す。N.D.、検出されず;H&E、ヘマトキシリン及びエオシン。
【
図6D】NC-CoV-01ワクチンが、SARS-CoV-2感染の発生に対してマウスを保護することを示す。
図6Aは、マウス鼻腔内免疫化モデルの概略図を提供する。
図6B~
図6Cは、プラークアッセイによって分析した、肺(
図6B)及び鼻甲介(
図6C)ホモジネートにおけるウイルス感染力価レベルを示す。データを、組織のグラム当たりのPFUとして提示した。
図6Dは、マウス肺の免疫組織学及びH&E染色を示し、SARS-CoV-2ヌクレオカプシド陽性染色細胞を矢印によって示す。N.D.、検出されず;H&E、ヘマトキシリン及びエオシン。
【
図7】SARS-CoV-2及びインフルエンザAウイルス抗原に対するSARS-CoV-2/FluA二価ナノ複合体ワクチンを示す。本明細書に提供される例示的な二価ナノ複合体ワクチンフォーマットでは、SARS-CoV-2アダプタをインフルエンザAウイルス(IAV)抗原と融合させ、次いでSARS-CoV-2ミニvRNA足場R266と複合体化させて、二価ナノ複合体(BiNC)ワクチン(BiNC-01及びBiNC-02)を生成する。代替として、IAVアダプタをSARS-CoV-2抗原と融合させ、次いでミニvRNA足場(例えば、IAVミニvRNA、R326、またはSARS-CoV-2ミニvRNA、R266)と複合体化させて、BiNCワクチン(BiNC-03、BiNC-04)を生成する。
【
図8A】例示的なBiNC-01ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図8Aは、血清IgG応答を示す。
図8Bは、BALF IgG応答を示す。
図8Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図8B】例示的なBiNC-01ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図8Aは、血清IgG応答を示す。
図8Bは、BALF IgG応答を示す。
図8Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図8C】例示的なBiNC-01ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図8Aは、血清IgG応答を示す。
図8Bは、BALF IgG応答を示す。
図8Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図9A】例示的なBiNC-02ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図9Aは、血清IgG応答を示す。
図9Bは、BALF IgG応答を示す。
図9Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図9B】例示的なBiNC-02ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図9Aは、血清IgG応答を示す。
図9Bは、BALF IgG応答を示す。
図9Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図9C】例示的なBiNC-02ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図9Aは、血清IgG応答を示す。
図9Bは、BALF IgG応答を示す。
図9Cは、BALF IgA応答を示す。
【
図10】以下のアダプタ-抗原法を使用して構築された2つの例示的なインフルエンザA特異的ナノ複合体ワクチンを示す。(1)H1N1特異的(NC-IAV-01)ワクチン、及び(2)H5N1特異的(NC-IAV-02)ワクチン。
【
図11A】ウイルス複合体(
図11A)及びインビボワクチン接種実験デザイン(
図11B)の概略を提供する。
図11Aは、NC-IAV-01ナノ複合体ワクチンのタンパク質構造を示すリボン図を提供する。
図11Bは、鼻腔内に投与される2回分の用量のNC-IAV-01による動物の免疫化を示す概略図を提供する。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図11B】ウイルス複合体(
図11A)及びインビボワクチン接種実験デザイン(
図11B)の概略を提供する。
図11Aは、NC-IAV-01ナノ複合体ワクチンのタンパク質構造を示すリボン図を提供する。
図11Bは、鼻腔内に投与される2回分の用量のNC-IAV-01による動物の免疫化を示す概略図を提供する。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図12A】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図12Aは、血清IgG応答を示す。
図12Bは、BALF IgG応答を示す。
図12Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図12B】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図12Aは、血清IgG応答を示す。
図12Bは、BALF IgG応答を示す。
図12Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図12C】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H1N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図12Aは、血清IgG応答を示す。
図12Bは、BALF IgG応答を示す。
図12Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図13A】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによるBALB/cマウスの鼻腔内ワクチン接種後のマウス免疫系によるH1N1の中和を示す。
図13Aは、インビボでの血清血球凝集阻害応答を示す。
図13Bは、インビボでの血清FRNT50中和応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図13B】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによるBALB/cマウスの鼻腔内ワクチン接種後のマウス免疫系によるH1N1の中和を示す。
図13Aは、インビボでの血清血球凝集阻害応答を示す。
図13Bは、インビボでの血清FRNT50中和応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図14A】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生のH1N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図14Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-01で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H1N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図14Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図14Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図14B】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生のH1N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図14Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-01で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H1N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図14Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図14Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図14C】例示的なNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生のH1N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図14Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-01で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H1N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図14Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図14Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図15A】NC-IAV-02ウイルス複合体(
図15A)及びインビボワクチン接種実験デザイン(
図15B)の概略を提供する。
図11Aは、NC-IAV-02ナノ複合体ワクチンのタンパク質構造を示すリボン図を提供する。
図11Bは、鼻腔内に投与される2回分の用量のNC-IAV-02による動物の免疫化を示す概略図を提供する。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図15B】NC-IAV-02ウイルス複合体(
図15A)及びインビボワクチン接種実験デザイン(
図15B)の概略を提供する。
図11Aは、NC-IAV-02ナノ複合体ワクチンのタンパク質構造を示すリボン図を提供する。
図11Bは、鼻腔内に投与される2回分の用量のNC-IAV-02による動物の免疫化を示す概略図を提供する。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図16A】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図16Aは、血清IgG応答を示す。
図16Bは、BALF IgG応答を示す。
図16Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図16B】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図16Aは、血清IgG応答を示す。
図16Bは、BALF IgG応答を示す。
図16Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図16C】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによる鼻腔内ワクチン接種後に生じた、H5N1に特異的であったマウス抗体応答を示す。
図16Aは、血清IgG応答を示す。
図16Bは、BALF IgG応答を示す。
図16Cは、BALF IgA応答を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図17A】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生H5N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図17Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H5N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図17Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図17Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図17B】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生H5N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図17Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H5N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図17Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図17Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図17C】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンの2回分の用量で鼻腔内ワクチン接種したマウスにおける生H5N1ウイルスチャレンジの実験デザイン及び付随する結果を示す。
図17Aは、BALB/cマウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内ワクチン接種し、次いで生H5N1ウイルスによってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図17Bは、感染後14日間にわたってマウスの体重をモニタリングした結果を示す。
図17Cは、感染後14日までの感染したマウスの生存曲線を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図18-1】異なるIAVサブタイプに対するIAVアダプタタンパク質の交差反応性を示す。
図18Aは、マウスが、例示的なNC-IAV-01または例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンのいずれかで鼻腔内免疫化された、実験デザインの概略を提供する。BALF細胞及び脾臓細胞を、第2の用量の投与の7日後に採取し、異なるサブタイプからの元の免疫原またはNPを使用して、ELISpotによってアッセイした。
図18B~18Cは、ワクチンと同じ免疫原によって刺激された細胞を使用したELISpotアッセイの結果を示す(
図18B:NC-IAV-01、及び
図18C:NC-IAV-02)。
図18Dは、異なるインフルエンザAサブタイプ、すなわち、H1N1、H5N1、H3N2、またはH7N9のウイルスヌクレオカプシドによって刺激された細胞を使用したELISpotアッセイの結果を示し、ワクチンは、NC-IAV-02であった。NP、ヌクレオカプシド;R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図18-2】異なるIAVサブタイプに対するIAVアダプタタンパク質の交差反応性を示す。
図18Aは、マウスが、例示的なNC-IAV-01または例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンのいずれかで鼻腔内免疫化された、実験デザインの概略を提供する。BALF細胞及び脾臓細胞を、第2の用量の投与の7日後に採取し、異なるサブタイプからの元の免疫原またはNPを使用して、ELISpotによってアッセイした。
図18B~18Cは、ワクチンと同じ免疫原によって刺激された細胞を使用したELISpotアッセイの結果を示す(
図18B:NC-IAV-01、及び
図18C:NC-IAV-02)。
図18Dは、異なるインフルエンザAサブタイプ、すなわち、H1N1、H5N1、H3N2、またはH7N9のウイルスヌクレオカプシドによって刺激された細胞を使用したELISpotアッセイの結果を示し、ワクチンは、NC-IAV-02であった。NP、ヌクレオカプシド;R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図19A】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによるワクチン接種から生じた、異なるIAVサブタイプに対する交差保護を示す。
図19Aは、マウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内免疫化し、次いで2つの異なる生のIAVサブタイプ(H1N1/PR8及びH7N9/AH1)によってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図19B~19Cは、H1N1/PR8の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19B)及び14日までの生存曲線(
図19C)を示す。
図19D~19Eは、H7N9/AH1の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19D)及び14日までの生存曲線(
図19E)を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図19B】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによるワクチン接種から生じた、異なるIAVサブタイプに対する交差保護を示す。
図19Aは、マウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内免疫化し、次いで2つの異なる生のIAVサブタイプ(H1N1/PR8及びH7N9/AH1)によってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図19B~19Cは、H1N1/PR8の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19B)及び14日までの生存曲線(
図19C)を示す。
図19D~19Eは、H7N9/AH1の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19D)及び14日までの生存曲線(
図19E)を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図19C】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによるワクチン接種から生じた、異なるIAVサブタイプに対する交差保護を示す。
図19Aは、マウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内免疫化し、次いで2つの異なる生のIAVサブタイプ(H1N1/PR8及びH7N9/AH1)によってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図19B~19Cは、H1N1/PR8の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19B)及び14日までの生存曲線(
図19C)を示す。
図19D~19Eは、H7N9/AH1の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19D)及び14日までの生存曲線(
図19E)を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図19D】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによるワクチン接種から生じた、異なるIAVサブタイプに対する交差保護を示す。
図19Aは、マウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内免疫化し、次いで2つの異なる生のIAVサブタイプ(H1N1/PR8及びH7N9/AH1)によってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図19B~19Cは、H1N1/PR8の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19B)及び14日までの生存曲線(
図19C)を示す。
図19D~19Eは、H7N9/AH1の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19D)及び14日までの生存曲線(
図19E)を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【
図19E】例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによるワクチン接種から生じた、異なるIAVサブタイプに対する交差保護を示す。
図19Aは、マウスを2回分の用量のNC-IAV-02で鼻腔内免疫化し、次いで2つの異なる生のIAVサブタイプ(H1N1/PR8及びH7N9/AH1)によってチャレンジした、実験デザインの概略を提供する。
図19B~19Cは、H1N1/PR8の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19B)及び14日までの生存曲線(
図19C)を示す。
図19D~19Eは、H7N9/AH1の生ウイルスでチャレンジしたマウスの、14日にわたる体重の変化(
図19D)及び14日までの生存曲線(
図19E)を示す。R326、IAVゲノムに由来する例示的なミニvRNA足場。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本出願は、ウイルス感染などの標的疾患、障害、または感染に対して個体(例えば、ヒト)をワクチン接種するかまたは治療するための新規のワクチン組成物及び方法を提供する。具体的には、本発明者らは、以下の2つの部分:(i)アダプタ-抗原ポリペプチドとしても知られる、標的抗原(例えば、ウイルス抗原)と融合した核タンパク質と、(ii)ウイルスRNA、例えば、ミニウイルスRNA(ミニvRNA)を含む核酸足場と、を含む新規のワクチンナノ複合体プラットフォームを設計し、試験した。核タンパク質が核酸足場(例えば、ウイルスRNA)に対して高い親和性を有するので、核酸足場(例えば、ウイルスRNA)足場は、複数のアダプタ-抗原ポリペプチドの結合が可能である。このワクチンナノ複合体プラットフォームは、従来のワクチンと比較して免疫原性複合体のサイズを増加させるアダプタ-抗原/RNAナノ複合体の形成と、宿主自然免疫を活性化するためのアジュバントとしての核酸足場(例えば、ウイルスRNA)の存在との両方によって顕著に改善される高いワクチン接種効力を実証する。理論に拘束されることなく、このナノ複合体ワクチンプラットフォームの使用は、多くの利点:1)粘膜投与によるワクチン接種の有効性は、安全であり、非常に有効である。2)ナノ複合体ワクチンは、従来のワクチンと比較して、副作用がないか、または低いため(例えば、従来のワクチンよりも低い、軽度もしくは区別できない症状、またはほぼない)、改善された安全性プロファイルを示す。3)タンパク質ワクチンの鼻スプレーは、筋肉内注射よりも比較的侵襲性が低く、粘膜の感染と戦うための粘膜免疫の誘導を潜在的に改善する可能性がある。4)組換えタンパク質ワクチンの鼻スプレーは、感染性物質の取り扱いを伴わないため、感染性物質に関連する安全性の懸念を伴わない。5)アダプタ-抗原子ポリペプチドの構築へのミックスアンドマッチアプローチは、単一のワクチン分子からの効果的な二価ワクチン接種を提供することができる。6)ナノ複合体ワクチンは、複数のウイルスサブタイプに対するヘテロサブタイプ保護を提供することが可能である(例えば、限定されないが、インフルエンザAウイルスサブタイプH5N1を標的とし、またIAVサブタイプH1N1、N3N2、及び/またはH7N9に対して保護するナノ複合体ワクチン)。
【0031】
したがって、一態様では、本出願は、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)核酸(例えば、ウイルスRNA)を含む足場分子と、ii)核酸(例えば、ウイルスRNA)に結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合した標的抗原(例えば、ウイルス抗原)を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、ワクチン組成物を提供する。
【0032】
別の態様では、個体(例えば、ヒト)における疾患、障害、または感染(例えば、ウイルス感染)を防止または治療する方法であって、個体に有効量のワクチン組成物を投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、鼻腔内または皮内投与によって投与される。
【0033】
本出願で参照される、特許文書、科学記事、及びデータベースを含む全ての出版物は、各個別の出版物が、個別に参照により組み込まれるのと同じ程度に、あらゆる目的のためにそれら全体が参照により組み込まれている。本明細書に記載の定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開出願、及び他の出版物に記載の定義と矛盾するかまたは一致しない場合、本明細書に記載の定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義よりも優先される。
【0034】
本明細書で使用される節の見出しは、構成目的のみのためであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0035】
I.定義
ウラシル及びチミンは両方とも、ウラシルの「u」及びチミンの「t」の代わりに、「t」によって表され得ることが当業者によって理解され、リボ核酸の文脈では、別途示されない限り、「t」が、ウラシルを表すために使用されることが理解されるであろう。
【0036】
本明細書で使用される「ゲノムRNA」という用語は、RNAウイルスの遺伝性の遺伝子情報を指す。しかしながら、本発明の文脈において、「ゲノム」という用語は、典型的には、RNAウイルスのゲノム、したがって、リボ核酸配列を有するRNAゲノムも指す。当業者は、RNAウイルスのゲノムが、プラスミドなどのベクター内のDNA配列としても提供され得ることを理解するであろう。次いで、RNAゲノムは、宿主細胞のトランスフェクション後に転写を介して宿主細胞において生成される。したがって、ポジティブセンスRNAウイルスの核酸配列を指す場合、「配列表」セクションの配列は、RNA配列(「U」を「T」に置き換えている)またはDNA配列を指し得ることが理解されるであろう。
【0037】
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、機能的産生物として発現されることによって、または遺伝子発現の調節によって生物の(例えば、RNAウイルス)形質に影響を与える遺伝性ゲノム配列のDNAまたはRNA遺伝子座を指す。遺伝子及びポリヌクレオチドは、ゲノム配列におけるようなイントロン及びエクソン、または開始コドン(メチオニンコドン)及び翻訳停止コドンを含むオープンリーディングフレーム(ORF)などのcDNAにおけるようなコード配列のみを含み得る。遺伝子及びポリヌクレオチドはまた、転写開始、翻訳、及び転写終結などの、それらの発現を調節する領域を含み得る。したがって、プロモータなどの調節エレメントも含まれる。
【0038】
本明細書で使用される「核酸」、「ヌクレオチド」、及び「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌクレオチド塩基またはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーを指し、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、一本鎖RNA(ssRNA、ネガティブセンス及びポジティブセンス)、二本鎖RNA(dsRNA)、ゲノムDNA、cDNA、cRNA、組換えDNA、または組換えRNA、及びそれらの誘導体、例えば、修飾された骨格を含有するものを含む。
【0039】
本明細書で使用される「リボ核酸」、「RNA」、または「RNAオリゴヌクレオチド」という用語は、核酸塩基、リボース糖、及びリン酸基で構築されるヌクレオチドの配列からなる分子について記載している。RNAは、通常、一本鎖分子であり、様々な機能を発揮することができる。
【0040】
「上流」及び「下流」という用語は、DNAまたはRNAにおける相対的な位置を指す。DNAまたはRNAの各鎖は、デオキシリボースまたはリボース単位の末端炭素位置に関連する5’末端及び3’末端を有する。従来、「上流」は、ポリヌクレオチドの5’末端に向かうことを意味する一方で、「下流」は、ポリヌクレオチドの3’末端に向かうことを意味する。二本鎖DNA、例えば、ゲノムDNAの場合、「上流」という用語は、コード鎖の5’末端に向かうことを意味する一方で、「下流」は、コード鎖の3’末端に向かうことを意味する。
【0041】
「コード鎖」または「ポジティブセンス鎖」という用語は、タンパク質をコードするRNA鎖を指す。
【0042】
「非コード鎖」、「アンチセンス鎖」、または「ネガティブセンス鎖」もしくは「ネガティブ鎖」という用語は、翻訳前にRNA依存性RNAポリメラーゼによってポジティブ鎖RNAへと転写される必要があるRNA鎖を指す。
【0043】
「コードする(encode)」及び「コードする(code for)」という用語は、広義には、ポリマー性巨大分子における情報が、第1の分子とは異なる第2の分子の産生を指示するために使用される、任意のプロセスを指す。第2の分子は、第1の分子の化学的性質とは異なる化学構造を有し得る。例えば、「コードする」という用語は、二本鎖DNA分子の一方の鎖が、DNA依存性DNAポリメラーゼによって新しく合成された相補的な妹鎖をコードするための鋳型として使用される、半保存的DNA複製のプロセスについて記載している。さらに、DNA分子は、(例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼの使用によって)RNA分子をコードすることができるか、またはRNA分子(ネガティブ鎖)は、(例えば、RNA依存性RNAポリメラーゼの使用によって)RNA分子(ポジティブ鎖)をコードすることができる。また、RNA分子(ポジティブ鎖)は、翻訳のプロセスと同様に、ポリペプチドをコードすることができる。翻訳プロセスについて記載するために使用される場合、「コードする」という用語は、アミノ酸をコードするトリプレットコドンにも及ぶ。RNA分子はまた、例えば、RNA依存性DNAポリメラーゼを使用する逆転写のプロセスによって、DNA分子をコードすることができる。ポリペプチドをコードするDNA分子について言及する場合、転写及び翻訳のプロセスについての言及である。
【0044】
本明細書で使用される「発現」という用語は、宿主細胞内の異種核酸配列の転写及び/または翻訳を指す。宿主細胞における目的の遺伝子産生物の発現レベルは、細胞に存在する、対応するmRNA(またはポジティブ鎖RNA)の量、または選択された配列によってコードされるポリペプチドの量のいずれかに基づいて決定することができる。例えば、選択された配列から転写されたRNAは、ノーザンブロットハイブリダイゼーション、リボヌクレアーゼRNA保護、細胞RNAへのインサイチュハイブリダイゼーション、またはqPCRなどのPCRによって定量化することができる。選択された配列によってコードされるタンパク質は、様々な方法、例えば、ELISAによって、ウエスタンブロッティングによって、ラジオイムノアッセイによって、免疫沈降によって、タンパク質の生物学的活性についてアッセイすることによって、タンパク質の免疫染色、その後のFACS分析によって、または均質な時間分解蛍光(HTRF)アッセイによって定量化することができる。miRNAまたはshRNAなどの非コードRNAの発現レベルは、qPCRなどのPCRによって定量化することができる。
【0045】
ウイルスの「参照配列」は、任意のヒトによる変異を含まない配列(すなわち、野生型ウイルス配列)であり、その他の全てのバージョンが比較されるウイルス配列である。例えば、参照SARS-CoV-2ウイルスは、元々単離された株であり、NIH GenBank Locus NC_045512によって、Global Initiative on Sharing Avian Influenza Data(GISAID)によるhCoV-19参照配列として記載される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本出願の目的のため、有益なまたは所望の臨床結果としては、疾患の発症を防止すること、疾患に対する免疫を強化すること、疾患から生じる1つ以上の症状を減少させること、疾患の程度を減弱させること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化を防止または遅延させること)、疾患の広がりもしくは伝染を防止もしくは遅延させること、疾患の発生もしくは再発(すなわち、感染または再感染)を防止もしくは遅延させること、疾患の進行を遅延もしくは減速させること、疾患状態を改善すること、疾患を治療するために必要とされる1つ以上の他の医薬品の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、及び/または生存期間を延長させること、のうちの1つ以上が挙げられるがこれらに限定されない。また、「治療」によって包含されるのは、疾患の病理学的結果の低減である。本出願の方法は、治療のこれらの態様のうちのいずれか1つ以上を企図する。
【0047】
本明細書で使用される「防止すること」は、疾患にかかりやすいか、または疾患のリスクがあり得るが、未だ疾患に罹患していないか、または疾患を有すると診断されていない対象における、疾患の発生または再発に関する予防を提供することを含む。
【0048】
「ワクチン」という用語は、最も広い意味で使用され、具体的には、特定の感染性疾患に対する能動的な獲得免疫を提供する、任意の生物学的調製物を網羅する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「ワクチン接種」という用語は、ウイルスなどの病原体に曝露したか、または曝露し得る個体において、感染を防止するか、予防的に免疫化するか、伝播を防止するか、重症度を低減するか、免疫応答を誘発するか、または感染を治療することを必要とする個体においてそれを行うために、個体に治療有効量のワクチンを投与するように設計された臨床介入を指す。例えば、効果的にワクチン接種された個体は、ワクチン接種されていない個体と比較して、感染によって引き起こされる病気に罹患しないことができるか、または穏やかな病気にのみ罹患する場合がある。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ヘテロサブタイプ免疫」は、複数のウイルス種、サブタイプ、または亜種にわたって対象において免疫を誘導する能力を指す。この点で、1つのウイルスサブタイプ(例えば、インフルエンザAウイルスサブタイプH5N1)を標的とするように設計されたワクチンは、例えば、遺伝的類似性のために、ワクチンによって特異的に標的とされなかった他のウイルスサブタイプ(例えば、IAV H1N1、H3N2、及び/またはH7N9)に対する交差保護を同時に提供するであろう。ヘテロサブタイプ免疫は、遺伝的に密接に関連する、同じ属の異なる種のいくつかのウイルスにさらに拡大し得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、「多価」という用語は、ワクチン組成物と併せて使用される場合、1つのワクチン分子を使用して、2つ、3つ、またはそれ以上の異なるウイルス種に対する免疫を誘導することが可能なワクチン組成物を指す。これには、同じウイルス属もしくはウイルスファミリーからのものである、及び/または異なるウイルスファミリーもしくはウイルス属からのものであるウイルス種が含まれる。例えば、2つ以上のウイルスは、ヘテロサブタイプ免疫を生成する可能性が低いように、遺伝的に異なり得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、対象において、ウイルス感染をワクチン接種するかまたは治療するのに有効な薬剤または薬物の量を指す。「治療有効量」は、化合物または細胞、疾患及びその重症度、ならびに治療される対象の年齢、体重などに応じて変動し得る。
【0053】
「個体」、「対象」及び「患者」という用語は、ヒトを含む哺乳動物を記載するために本明細書で互換的に使用される。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、非ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、呼吸器感染に罹患している。いくつかの実施形態では、個体は、治療を必要とする。
【0054】
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小長に限定されない。アミノ酸残基のそのようなポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含有し得、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、及び多量体が挙げられるが、これらに限定されない。全長タンパク質及びその断片の両方が定義に包含される。用語は、ポリペプチドの発現後改変、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含む。さらに、本出願の目的のために、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列への欠失、付加、及び(概して、性質が保存的な)置換などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的変異誘発を通じて意図的であり得るか、またはタンパク質を生成する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因するエラーなどを通じた偶発的なものであり得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「実質的に同様の」または「実質的に同じ」という用語は、2つ以上の数値間で同一性が十分に高い程度を示すので、当業者は、2つ以上の値の間の差が、当該値によって測定される生物学的特徴の文脈内で、生物学的及び/または統計的有意性がほとんどまたは全くないとみなすであろう。いくつかの実施形態では、2つ以上の実質的に同様の値は、約5%、10%、15%、20%、25%、または50%のうちのいずれか1つ以下だけ異なる。
【0056】
ポリペプチド「バリアント」は、最大パーセントの配列同一性を達成するために、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後に、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有し、かつ天然の配列ポリペプチドと100%以下の同一性を有する、生物学的に活性なポリペプチドを意味する。そのようなバリアントは、例えば、ポリペプチドのN末端またはC末端で1つ以上のアミノ酸残基が付加または欠失されるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントは、天然配列ポリペプチドと少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有する。
【0057】
本明細書で使用される場合、ペプチド、ポリペプチド、または抗体配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大パーセントの配列同一性を達成するために、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後に、配列同一性の一部として任意の保存的置換を考慮せずに、特定のペプチドまたはポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、当該技術分野の範囲内である様々な方式で、例えば、公的に入手可能なコンピュータソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアを使用して達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0058】
本明細書で使用される場合、核酸、DNA、またはRNA配列に関する「核酸配列同一性パーセント(%)」及び「ホモロジー」は、最大パーセントの配列同一性を達成するために、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後に、配列同一性の一部として任意の保存的置換を考慮せずに、特定のDNAまたはRNA配列中の核酸ヌクレオチドと同一である候補配列中の核酸ヌクレオチドのパーセンテージとして定義される。核酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、当該技術分野の範囲内である様々な方式で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0059】
別途特定されない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いのバージョンを変性させ、同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列が含まれる。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列という語句はまた、タンパク質をコードするヌクレオチド配列がいくつかのバージョンにおいてイントロン(複数可)を含有し得る程度までイントロンを含み得る。
【0060】
「操作可能に連結された」という用語は、調節配列と異種核酸配列との間の機能的連結を指し、異種核酸配列の発現が生じる。例えば、第1の核酸配列が第2の核酸配列との機能的関係に置かれる場合、第1の核酸配列は、第2の核酸配列と操作可能に連結している。例えば、プロモータは、プロモータがコード配列の転写または発現に影響を与える場合、機能的に連結している。一般に、操作可能に連結されたDNA配列は、連続しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合は、同じリーディングフレーム内にある。
【0061】
「ベクター」という用語は、宿主細胞内で増殖され得る、クローン化されたポリヌクレオチド(複数可)を含有するように操作され得るポリヌクレオチドを説明するために使用される。ベクターは、以下の要素:複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する1つ以上の調節配列(例えば、プロモータ及び/またはエンハンサなど)、及び/または1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子、及び比色アッセイで使用することができる遺伝子、例えば、β-ガラクトシダーゼなど)、のうちの1つ以上を含み得る。「発現ベクター」という用語は、宿主細胞において目的のポリペプチドを発現させるために使用されるベクターを指す。
【0062】
「細胞」という用語は、初代対象細胞及びその子孫を含む。「宿主細胞」は、ベクターまたは単離ポリヌクレオチドのレシピエントとなり得るか、またはこれである細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であってよい。例示的な真核細胞としては、霊長類または非霊長類動物細胞などの哺乳動物細胞;酵母などの真菌細胞;植物細胞;及び昆虫細胞が挙げられる。非限定的な例示的な哺乳動物細胞としては、NSO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、ならびに293及びCHO細胞、ならびにそれぞれ293-6E細胞及びDG44細胞などのそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的ではないかまたは望ましくない材料を意味し、例えば、材料は、任意の顕著な望ましくない生物学的影響を引き起こすことなく、またはそれを含有する組成物の他の構成要素のうちのいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込むことができる。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒性試験及び製造試験の必要基準を満たしており、及び/または米国食品医薬品局によって作成されたInactive Ingredient Guideに収載されている。
【0064】
本明細書に記載の本発明の実施形態は、「からなる」及び/または「から本質的になる」実施形態を含むことが理解される。
【0065】
本明細書における、「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体に対する変動を含む(及び説明する)。例えば、「約X」を指す記載は、「X」の記載を含む。
【0066】
本明細書で使用される「約X~Y」という用語は、「約X~約Y」と同じ意味を有する。
【0067】
本明細書で使用される場合、「not」の値またはパラメータへの言及は、一般的に、値またはパラメータ「以外」を意味し、それについて記載している。例えば、X型のがんを治療するために本方法を使用しないとは、X型以外の種類のがんを治療するために本方法を使用することを意味する。
【0068】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的に別途示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0069】
II.ナノ複合体ワクチン組成物
本明細書で提供されるのは、1つ以上のナノ複合体を含むワクチン組成物であって、i)核酸を含む足場分子と、ii)核酸に結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合した標的抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、ワクチン組成物である。足場分子は、RNA分子またはDNA分子を含み得る。いくつかの実施形態では、足場分子は、ウイルスRNAを含む。いくつかの実施形態では、標的抗原は、ウイルス抗原である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。
【0070】
いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子(例えば、ウイルスRNA)のモル比は、少なくとも約5:1である。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、約6:1~約10:1、約8:1~約12:1、または約6:1~約8:1のうちのいずれかなどの、約6:1~約12:1である。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、約5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、または12:1のうちのいずれか、またはこれらの比のうちのいずれかの間の範囲である。
【0071】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、例えば、SARS-CoV-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RBDペプチドを含む、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2ウイルス抗原は、配列番号14もしくは15のアミノ酸配列、または配列番号14もしくは15に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルス抗原は、例えば、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含むインフルエンザAウイルス(IAV)を含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルス抗原は、インフルエンザBウイルス(IBV)抗原、例えば、配列番号19もしくは20のアミノ酸配列、または配列番号19もしくは20のアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含むIBVウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RSVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、RSVウイルス抗原は、配列番号21もしくは22のアミノ酸配列、または配列番号21もしくは22に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HCVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、HCVウイルス抗原は、配列番号23もしくは24のアミノ酸配列、または配列番号23もしくは24に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0072】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2に由来する、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、例えば、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0073】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAV(例えば、H1N1、H3N2、H5N1、またはH7N9)に由来する、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列、または配列番号13に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0074】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルスRNAが、ウイルスゲノムの非翻訳領域(例えば、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域)を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2のゲノムのウイルス遺伝子の非翻訳領域(例えば、5’非翻訳領域または3’非翻訳領域)を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2(例えば、配列番号25に記載されるような)のゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルスRNAが、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、IAVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAVのゲノムの非翻訳領域(例えば、5’非翻訳領域または3’非翻訳領域)を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAVのゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む(例えば、配列番号30に記載されるような)。したがって、いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルスRNAが、配列番号30に記載のIAVゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500、または約200~約300)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0075】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2に由来し、ウイルスRNAが、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域(SARS-CoV-2遺伝子またはIAV遺伝子の5’または3’UTRなど)を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2に由来し、ウイルスRNAが、(a)SARS-CoV-2(SARS-CoV-2参照配列:配列番号25)のゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、ヌクレオチド1~266)または(b)IAV(IAV H7N9参照配列:配列番号30)のゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、ヌクレオチド1~326)を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、例えば、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RBDペプチドを含む、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RSVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HCVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0076】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAV(例えば、H1N1、H3N2、H5N1、またはH7N9)に由来し、ウイルスRNAが、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域(SARS-CoV-2遺伝子またはIAV遺伝子の5’または3’UTRなど)を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAVに由来し、ウイルスRNAが、a)SARS-CoV-2(SARS-CoV-2参照配列:配列番号25)のゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、ヌクレオチド1~266)または(b)IAV(IAV H7N9参照配列:配列番号30)のゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、ヌクレオチド1~326)を含む、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列、または配列番号13に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、例えば、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RBDペプチドを含む、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RSVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HCVタンパク質またはその断片もしくはバリアント、例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。
【0077】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2(例えば、配列番号12を含む)に由来し、ウイルスRNAが、SARS-CoV-2ゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号25のSARS-CoV-2ゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266)を含み、ウイルス抗原が、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、RBDペプチドを含む、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2ウイルス抗原は、配列番号14もしくは15のアミノ酸配列、または配列番号14もしくは15に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス株、例えば、異なるウイルス亜種、バリアント、サブバリアント、またはサブタイプ(例えば、SARS-CoV-2バリアント、例えば、B.1.1.7、B.1.351、B.1.526、B1.526.1、B1.617、B.1.617.1、B.1.617.2、B1.617.3、P.2、P.1、もしくはB.1.1.28.1、A.23.1、CAL.20C、B.1.427、B.1.429、B.1.525、BA.2、BA.5、BA.2.75.2、BQ.1、BQ.1.1、XBB、及び/またはP.1.351)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号1または2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約300(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。
【0078】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2(例えば、配列番号12を含む)に由来し、ウイルスRNAが、SARS-CoV-2ゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号25のSARS-CoV-2ゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266)を含み、ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、IAVまたはIBVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含むIAV抗体である。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号26または27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号19もしくは20のアミノ酸配列、または配列番号19もしくは20に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含むIBV抗原である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約300(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。
【0079】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2(例えば、配列番号12を含む)に由来し、ウイルスRNAが、SARS-CoV-2ゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号25のSARS-CoV-2ゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266)を含み、ウイルス抗原が、RSVウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、RSVウイルス抗原は、配列番号21もしくは22のアミノ酸配列、または配列番号21もしくは22に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号8または9のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。
【0080】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2(例えば、配列番号12を含む)に由来し、ウイルスRNAが、SARS-CoV-2ゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号25のSARS-CoV-2ゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266)を含み、ウイルス抗原が、HCVウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、HCVウイルス抗原は、配列番号23もしくは24のアミノ酸配列、または配列番号23もしくは24に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号10または11のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。
【0081】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAV(例えば、配列番号13を含む)に由来し、ウイルスRNAが、IAVゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号30のIAVゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326)を含み、ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアント)であり、ウイルス抗原が、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、RBDペプチドを含む、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2ウイルス抗原は、配列番号14もしくは15のアミノ酸配列、または配列番号14もしくは15に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号28または29のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。
【0082】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAV(例えば、配列番号13を含む)に由来し、ウイルスRNAが、IAVゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号30のIAVゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326)を含み、ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、IAVまたはIBVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIAV抗体、または配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号3~5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号19もしくは20のアミノ酸配列を含むIBV抗原、または配列番号19もしくは20に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号6または7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来する(例えば、ウイルス亜種またはウイルスサブタイプ)。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス抗原は、同じウイルス株に由来し、ウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。
【0083】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAVに由来し(例えば、配列番号13を含む)、ウイルスRNAが、IAVゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号30のIAVゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326)を含み、ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアント)であり、ウイルス抗原が、RSVウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、RSVウイルス抗原は、配列番号21もしくは22のアミノ酸配列、または配列番号21もしくは22に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、ナノ複合体が、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含み、ウイルス核タンパク質が、IAV(例えば、配列番号13を含む)に由来し、ウイルスRNAが、IAVゲノムの遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、配列番号30のIAVゲノム配列のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326)を含み、ウイルス抗原が、HCVウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアント(例えば、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアント)である、ワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、HCVウイルス抗原は、配列番号23もしくは24のアミノ酸配列、または配列番号23もしくは24に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA、ウイルス核タンパク質、及び/またはウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスファミリー、属、種、及び/またはサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルスに由来し、ウイルス抗原は、異なるウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、異なるウイルス株(例えば、ウイルスサブタイプまたはウイルス亜種)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNA及びウイルス核タンパク質は、同じウイルス株に由来する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1(例えば、約6:1~約12:1)である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約200~約500)ヌクレオチド長である。
【0085】
アダプタ-抗原ポリペプチド
いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、核酸(例えば、RNAまたはDNA)に結合することが可能である核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)に融合した標的抗原を含む。いくつかの実施形態では、標的抗原は、ウイルス抗原である。いくつかの実施形態では、RNAは、ウイルスRNA、例えば、ミニウイルスRNAである。いくつかの実施形態では、RNAは、非ウイルスRNAである。いくつかの実施形態では、RNAは、宿主RNAである。いくつかの実施形態では、標的抗原は、核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)のN末端に融合している。いくつかの実施形態では、標的抗原は、核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、標的抗原と核タンパク質とを接続するリンカー(例えば、ペプチドリンカー)が存在する。アダプタ-抗原ポリペプチド構成要素間に所望の間隔及び/またはアダプタ-抗原ポリペプチドの柔軟性を付与することができる任意のリンカーが、本明細書で使用され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、GSのアミノ酸配列を含む。
【0086】
核タンパク質
いくつかの実施形態では、核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)は、核酸、例えば、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAに結合することが可能なドメイン及び/またはサブドメインを含む。いくつかの実施形態では、核タンパク質は、RNA結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、RNA、例えば、ウイルスRNA(例えば、ミニウイルスRNA)、非ウイルスRNA(例えば、宿主RNA)に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、核酸(例えば、ウイルスRNA)は、足場分子として作用する。
【0087】
いくつかの実施形態では、核タンパク質、例えば、ウイルス核タンパク質は、ウイルスRNAと天然に会合している。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドの複数のコピー(例えば、アダプタ-抗原ポリペプチドの2、3、4、5、6、7、9、10、20、30、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上のコピー)は、単一のウイルスRNA足場に結合している。
【0088】
いくつかの実施形態では、RNA足場(例えば、ウイルスRNA)は、アジュバントとしても作用するので、付着したアダプタ-抗原ポリペプチドがウイルスRNAを包み込み、それによって、従来のワクチンの粘膜投与の際に従来の外因性アジュバントによって引き起こされる炎症などの刺激性応答を防止するようにアジュバントをマスクする。いくつかの実施形態では、付着したアダプタ-抗原ポリペプチドは、個体(例えば、ヒト個体)へのワクチン組成物の粘膜投与の際の炎症性サイトカインの産生(例えば、過剰産生)を含む、自然免疫応答(例えば、過剰自然免疫応答)の誘導を防止する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるワクチン組成物は、個体(例えば、ヒト個体)への粘膜投与の際に、当該技術分野で現在知られているような従来のアジュバントを含むワクチンよりも、誘導される副作用がより少ない(または全くない)。
【0089】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、抗原提示細胞(APC)によって直接食作用を受ける。いくつかの実施形態では、RNA足場(例えば、ウイルスRNA)は、ワクチン組成物の食作用の際にAPCを活性化する。いくつかの実施形態では、付着したアダプタ-抗原ポリペプチドは、APC食作用の前に自然免疫応答の誘導を防止する。
【0090】
いくつかの実施形態では、核タンパク質は、本明細書に記載の任意の例示的なウイルスを含む、既知のまたは発見されるようになる任意のウイルスなどのウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)は、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質は、ウイルスタンパク質、例えば、SARS-CoV-2 RBDの一部分を含む(またはそれから本質的になるか、またはそれからなる)。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、核タンパク質(例えば、ウイルス核タンパク質)は、IAV(例えば、IAV H7N9、例えば、IAV H7N9/ZJ)に由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質は、IAVウイルスタンパク質の一部を含む(またはそれから本質的になるか、またはそれからなる)。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、標的抗原ペプチド、例えば、以下に記載の標的抗原ペプチドのうちのいずれかなどのウイルス抗原ペプチドに融合している。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び標的抗原は、同じソース、例えば、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び標的抗原は、異なるソース、例えば、異なるウイルス、例えば、ウイルスの異なるサブタイプ、ウイルスの異なる種、または異なるウイルスファミリーに由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び足場分子(例えば、核酸、例えば、ウイルスRNA)は、同じソース、例えば、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び足場分子(例えば、核酸、例えば、ウイルスRNA)は、異なるソース、例えば、異なるウイルス、例えば、ウイルスの異なるサブタイプ、ウイルスの異なる種、または異なるウイルスファミリーに由来する。
【0091】
標的抗原
いくつかの実施形態では、標的抗原は、ウイルス抗原である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、抗原ポリペプチド(例えば、免疫原性ポリペプチド)である。本開示のウイルス抗原は、当該技術分野で既知の、または発見されるようになる任意のウイルス抗原を含み得る。ウイルス抗原は、野生型タンパク質、または変異体もしくはバリアント形態(例えば、増加または減少した免疫原性活性を有する)であり得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルスゲノムによってコードされるペプチドである。ウイルス抗原ペプチドは、約10~約500のアミノ酸(aa)、例えば約100~約300aa、約200~約500aa、約10~約300aa、約100~約200aa、約10~約100aa、約200~約450aa、約300~約500aa、または約10~約80aaの長さを有し得る。例えば、ウイルス抗原ペプチドは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、450、もしくは500のアミノ酸のうちのいずれかの長さ、またはそれらのaa長のうちのいずれかの間の範囲を有し得る。保護抗体応答を誘導する主なウイルス抗原は、脂質エンベロープを含有するウイルスの表面糖タンパク質、または二十面体ウイルスの表面上に存在するタンパク質である。IgA抗体は、IgG抗体と同じウイルスタンパク質を認識する。例えば、ポリクローナルIgG抗体のようなポリクローナルIgA抗体は、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(例えば、Clements et al.,J Clin Microbiol.1986,24(1):157-160及びMurphy et al.,Infect Immun.1982,36(3):1108-1108を参照されたい)、呼吸器合胞体ウイルスのgp70(融合)及びgp90(付着糖タンパク質)(例えば、Murphy et al.,J Clin Microbiol.1986,23(6):1009-1014を参照されたい)、Epstein-Barrウイルスのgp340(例えば、Yao et al.,Int J Cancer 1991,48(1):45-50を参照されたい)、ポリオウイルスのウイルスタンパク質(VP)1、VP2、及びVP3(例えば、Zhaori et al.,J Infect Dis.1989,159(6):1018-1024を参照されたい)、ならびにロタウイルスのVP4またはVP7(例えば、Conner et al.,J Virol.1991,65(5):2562-2571、Richardson and Bishop,J Clin Microbiol.1990,28(9):1891-1897、及びShaw et al.,J Virol.1991,65(6):3052-3059を参照されたい)を認識する。
【0093】
以下に記載のウイルスタンパク質に由来する例示的な標的抗原としては、ビリオン表面タンパク質または膜タンパク質、例えば、SARS-CoV-2スパイク(S;受容体結合ドメインを含む)タンパク質、インフルエンザヘマグルチニン(HA)タンパク質、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)融合(F)タンパク質、またはC型肝炎ウイルス(HCV)エンベロープ糖タンパク質E2が挙げられる。例えば、ウイルスエンベロープ、ウイルス膜、または関連タンパク質を含む標的抗原は、宿主細胞へのウイルス進入を防止するための有益な標的であり得る。ポリメラーゼまたはウイルス核酸を含む標的抗原は、ウイルスの複製を防止するために有益であり得る。本明細書に記載のワクチン組成物は、本明細書に記載されるウイルス抗原のうちのいずれかなどの目的の抗原を標的とするように設計することができる。例示的な標的ウイルスに由来するウイルス抗原は、例示的な標的ウイルスによってコードされる任意のタンパク質を含み得るので、タンパク質が個体(例えば、ヒト個体)内で免疫学的応答を誘導することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス表面糖タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。ウイルス抗原ペプチドは、約10~約500のアミノ酸(aa)、例えば約100~約300aa、約200~約500aa、約10~約300aa、約100~約200aa、約10~約100aa、約200~約450aa、約300~約500aa、または約10~約80aaの長さを有し得る。例えば、ウイルス抗原ペプチドは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、450、もしくは500のアミノ酸のうちのいずれかの長さ、またはそれらのaa長のうちのいずれかの間の範囲を有し得る。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む(またはそれから本質的になるか、またはそれからなる)。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、ウイルスの異なるサブタイプ、ウイルスの異なる種、または異なるウイルスファミリーに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原及びウイルスRNAは、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原及びウイルスRNAは、異なるウイルス、例えば、ウイルスの異なるサブタイプ、ウイルスの異なる種、または異なるウイルスファミリーに由来する。
【0095】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、受容体結合ドメイン(RBD)ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号14もしくは15のアミノ酸配列、または配列番号14もしくは15に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントであり、例えば、IAVまたはIBVに由来するものである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザ(例えば、IAVまたはIBV)HAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、IAVウイルス抗原は、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、YamagataまたはVictoriaのIBVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、IBVウイルス抗原は、配列番号19もしくは20のアミノ酸配列、または配列番号19もしくは20に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)タンパク質またはその断片もしくはバリアントであり、例えば、RSV AサブタイプまたはRSV Bサブタイプに由来するものである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RSV(例えば、サブタイプAまたはサブタイプB)Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号21もしくは22のアミノ酸配列、または配列番号21もしくは22に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、C型肝炎ウイルス(HCV)タンパク質またはその断片もしくはバリアントであり、例えば、HCV遺伝子型1aまたはHCV遺伝子型2aに由来するものである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HCV(例えば、遺伝子型1aまたは2a)E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号23もしくは24のアミノ酸配列、または配列番号23もしくは24に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0099】
例示的なウイルス
ナノ複合体を含むワクチン組成物は、任意のウイルス、例えば、任意の配列決定されたウイルスを標的とする(例えば、免疫応答を誘導する、または免疫を構築する)ように設計され得る。標的化されたウイルスは、DNAウイルスまたはRNAウイルスであり得る。例えば、本明細書に記載のワクチン組成物は、A型インフルエンザウイルス(例えば、H1N1、H5N1、H3N2、H7N9)、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、D型インフルエンザウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、黄熱ウイルス、ウエストナイルウイルス、デングウイルス、ジカウイルス、B型ヘパシウイルス、C型ヘパシウイルス、A型ペギウイルス、B型ペギウイルス、C型ペギウイルス、A型ペスチウイルス、C型ペスチウイルス、アルファコロナウイルス229E(HCoV-229E)、ニューヘブンコロナウイルスNL63(HCoV-NL63)、ベータコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)、コロナウイルスHKU1(HCoV-HKU1)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)、痘そうウイルス(天然痘ウイルス)、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、サル痘ウイルス、orfウイルス、偽牛痘、牛丘疹性口内炎ウイルス、タナポックスウイルス、ヤバ猿腫瘍ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)、チクングニア熱、ノロウイルス、エンテロウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、フニンウイルス、ラッサ熱ウイルス、ニパウイルス、またはヘンドラウイルスなどの、同定されているかまたは同定されていない属、種、サブタイプ、株、及びそれらの再集合体を含む、Orthomyxoviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Coronaviridae、またはPoxviridaeファミリーのうちのいずれか1つ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるウイルスを標的とするように設計され得る。例として、ウイルス株、バリアント、亜種、または関連する種を含む4つのウイルス(すなわち、サルベコウイルス(例えば、SARS-CoV-2ウイルス)、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、及びC型肝炎ウイルス)が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ複合体は、本明細書に記載のウイルスのうちのいずれかを標的とする。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/またはウイルスRNAもしくはDNAは、本明細書に記載のウイルスのうちのいずれかに由来する。
【0100】
i.サルベコウイルス
サルベコウイルスは、ウイルスのCoronaviridaeファミリー内のベータコロナウイルス属の亜属である。サルベコウイルスの例としては、SARS-CoV/SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、SC2r-CoV、SC2r-CoV GX-P5L、Bat CoV BtKY72、Bat CoV BM48-31、16BO133、JTMC15、Bat SARS CoV Rf1、BtCoV HKU3、LYRa11、Bat SARS-CoV/Rp3、Bat SL-CoV YNLF_31C、Bat SL-CoV YNLF_34C、SHC014-CoV、WIV1、WIV16、Civet SARS-CoV、(Bat)Rc-o319、Bat SL-ZXC21、Bat SL-ZC45、Pangolin SARSr-CoV-GX、Pangolin SARSr-CoV-GD、Rs7327、Rs4231、Rs4084、Rf4092、JL2012、273-2005、HeB2013、HuB2013、Rs4247、Longquan-140、HKU3-1、GX2013、Shaanxi2011、279-2005、As6526、Yunnan2011、Rs4237、Rs4081、Bat RshSTT182、Bat RshSTT200、(Bat)RacCS203、(Bat)RmYN02、(Bat)RpYN06、YN2013、(Bat)RaTG13、(Bat)BANAL-52、及びSARS-CoV-2と組み合わさった懸念されるバリアント(VOC)(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Nature(2022)603:913-918を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。SARS-CoV-2バリアントは、以下の実証の際に「懸念されるバリアント」(VOC)であると定義される:(i)伝播性の増加もしくは疫学における他の有害な変化、(ii)毒性の増加もしくは臨床的疾患症状における変化、(iii)自然感染に由来する免疫からの脱出、及び/または(iv)公衆衛生、もしくはワクチン接種、現在の臨床使用における治療などの臨床的対抗措置、影響が基準によって容易に緩和されない場合の試験、ならびに検査室品質及び規制措置などの有効性の減少。サルベコウイルスは、一般に、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に結合することによって宿主細胞に進入する、エンベロープ化されたポジティブセンスの一本鎖RNAウイルスであると理解されている。例えば、SARS-CoV-2は、前立腺、精巣、卵巣、子宮、乳房、肺、口腔、心臓、鼻腔、回腸、腸、結腸、胃、甲状腺、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、膀胱、角膜、神経、胎盤などの様々な組織に見出すことができる上皮細胞によって発現される、ACE2とTMPRSS2の両方に結合する。受容体発現レベルは、高血圧、COPD、喘息、心血管疾患、糖尿病、クローン病(CD)、炎症性腸疾患(IBD)などが挙げられるが、これらに限定されない、様々な炎症性疾患状態で増加する。結果として、これらもしくは同様の疾患のうちのいずれか、または免疫不全疾患を有する個体は、サルベコウイルス感染及びその合併症のリスクが増加する。
【0101】
いくつかの実施形態では、サルベコウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2、SC2r-CoV、RaTG13、SC2r-CoV GX-P5L、及びSARS-CoVと組み合わさったVOCからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、サルベコウイルスは、SARS-CoV-2である。
【0102】
バリアントは、さらに、目的のバリアント、懸念されるバリアント、または重大な結果のバリアントと称され得る。いくつかの実施形態では、サルベコウイルスは、B.1.1.7バリアント、B.1.351バリアント、B.1.526バリアント、B1.526.1バリアント、B.1.1.529バリアント、B1.617バリアント、B.1.617.1バリアント、B.1.617.2バリアント、B1.617.3バリアント、P.2バリアント、P.1(B.1.1.28.1としても知られる)バリアント、A.23.1バリアント、CAL.20Cバリアント、B.1.427バリアント、B.1.429バリアント、B.1.525バリアント、BA.2、BA.5バリアント、BA.2.75.2バリアント、BQ.1バリアント、BQ.1.1バリアント、XBBバリアント、及びP.1.351バリアントからなる群から選択されるSARS-CoV-2バリアントである。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2ウイルスは、BA.2、BA.5、BA.2.75.2、BQ.1、BQ.1.1、またはXBBのうちのいずれか1つが挙げられるが、これらに限定されないバリアントスパイク遺伝子を含む。SARS-CoV-2の他のバリアントは、当該技術分野で既知である。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Gomez et al.,Vaccines 9(3): 243,2021及びTang et al.,Journal of Infection 82:e27-e28,2021を参照されたい。
【0103】
「SARS-CoV-2ゲノム」は、NIH GenBank Locus NC_045512によって記載される29,903ヌクレオチド長配列、またはGlobal Initiative on Sharing Avian Influenza Data(GISAID)によって記載されるhCoV-19参照配列(配列番号25)を指す。コード領域を有するSARS-CoV-2ゲノムのDNA配列は、受託番号NC_045512.2としてNCBIウェブサイトから入手可能である。ウイルスゲノムは、ウイルスタンパク質をコードすることができるオープンリーディングフレーム(ORF)として知られるサブユニットを含む。SARS-CoV-2ゲノム内のこれらのサブユニットとしては、ORF1ab、RNA依存性RNAポリメラーゼ、ヘリカーゼ、遺伝子S、nsp3、nsp4B、nsp9、ORF3a、遺伝子E、遺伝子M/ORF5、ORF6、ORF7a、ORF7b、ORF8、遺伝子N/ORF9、及びORF10を挙げることができる。
【0104】
ORF1abは、以下の表1に示されるように、本明細書に記載の他のORFによってコードされる複数のタンパク質を包含する大きなポリタンパク質をコードする。NCBI受託番号YP_009725299.1を有するnsp3は、膜貫通ドメイン1(TM1)を含むタンパク質をコードする。nsp3タンパク質は、N末端酸性(Ac)、予測されるホスホエステラーゼ、パパイン様プロテアーゼ、Yドメイン、膜貫通ドメイン1(TM1)、及びアデノシン二リン酸リボース1”ホスファターゼ(ADRP)を含む、追加の保存ドメインを有する。NCBI受託番号YP_009725300を有するnsp4bは、膜貫通ドメイン2(TM2)を含むタンパク質をコードする。NCBI受託番号YP_009725305.1を有するnsp9は、ssRNA結合タンパク質をコードする。遺伝子E、M、S、及びNは、それぞれ、エンベロープ、膜、スパイク、及びヌクレオカプシドタンパク質をコードする。ウイルスエンベロープタンパク質は、ウイルスアセンブリ、出芽、及びエンベロープ形成に関与する膜タンパク質である。ウイルス膜タンパク質は、ウイルスを宿主細胞に付着させ、ウイルス進入のためにウイルス膜と宿主細胞膜との間の融合を促進する。ウイルススパイクタンパク質は、宿主細胞上の特定の受容体に結合して、宿主細胞へのウイルス進入及び宿主細胞感染の開始に従事する。ウイルスヌクレオカプシドタンパク質は、ウイルスRNAに結合し、ウイルスRNAを封入する。一緒になって、これらの4つのタンパク質は、サルベコウイルス、例えば、SARS-CoV-2に見られる不可欠な構造タンパク質を構成する。
【表1】
【0105】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RBDペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスバリアント、または異なるウイルス科、属、種、もしくは亜種に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、例えば、SARS-CoV-2に由来するRNA結合ドメインを含むSARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約10~約300)ヌクレオチド長である。例えば、いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、もしくは500ヌクレオチド長のうちのいずれか、またはそれらのヌクレオチド長のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~50、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90歳、約70~100、約10~100、約80~110、約90~120、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160~190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約200~約500(例えば、約200~約300)ヌクレオチド長である。例えば、ウイルスRNAは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2ゲノム(例えば、配列番号25)またはその修飾されたゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む。
【0106】
ii.インフルエンザ
より一般的には流感と呼ばれるインフルエンザは、健康な小児及び成人でさえ、軽度~重度の症状、及び死亡を含む生命を脅かす合併症を引き起こし得る伝染性ウイルス感染である。インフルエンザウイルスは、ウイルスのOrthomyxoviridaeファミリーのメンバーである。インフルエンザウイルスの例としては、アルファインフルエンザウイルス属(A型インフルエンザウイルス、またはIAV)、ベータインフルエンザウイルス属(B型インフルエンザウイルス、またはIBV)、ガンマインフルエンザウイルス属(C型インフルエンザウイルス、またはICV)、及びデルタインフルエンザウイルス属(D型インフルエンザウイルス、またはIDV)が挙げられる。4つの種の各々は、独自の属の唯一のメンバーである。IAV及びIBVは、ヒトにおいて循環し、季節性流行を引き起こし、ICVは、主に小児において、軽度の感染を引き起こす。IDVは、ヒトに感染する場合があるが、病気を引き起こすことは知られていない。
【0107】
A型インフルエンザウイルスは、流感のパンデミックを引き起こすことが知られている唯一のインフルエンザウイルスである。IAVは、ウイルスの表面上の2つのタンパク質:ヘマグルチニン(H)及びノイラミニダーゼ(N)に基づいてサブタイプに分割される。18の異なるヘマグルチニンサブタイプ及び11の異なるノイラミニダーゼサブタイプ(それぞれ、H1~H18、及びN1~N11)が存在する。130超のIAVサブタイプの組み合わせが、主に野鳥から自然おいて同定されているが、ウイルス再集合の傾向を考慮すると、より多くのIAVサブタイプの組み合わせが潜在的に存在し、それによって、インフルエンザウイルスは、例えば、2つのインフルエンザウイルスが同時に宿主に感染し、遺伝子情報を交換すると、遺伝子セグメントを交換する。例えば、ごく最近、H17N10及びH18N11 IAVが中南米のフルーツコウモリで同定され、以前同定されていなかった株が、未だ決定されていない病原体保有動物において既に循環している可能性が非常に高いことが実証されている。ヒトにおいて日常的に循環するIAVの現在のサブタイプとしては、H1N1及びH3N2が挙げられ、監視されているか、またはヒトにおいて懸念の原因となるさらなる例としては、H1N1、H1N2、H2N2、H2N3、H3N2、H5N1、H7N7、及びH7N9が挙げられるが、これらに限定されない。IAVサブタイプは、異なる遺伝子分岐群及び亜分岐群(例えば、H1N1:分岐群6B.1、亜分岐群6B1.A;またはH3N2:分岐群3C.2aもしくは3C.3a、亜分岐群3C.2a1、3C.2a2、3C.2a3、または3C.2a4)にさらに分解することができる。いくつかの実施形態では、IAVは、H1N1/pdm09、H5N1/1194、H3N2/4801、H7N9/AH1、及びH7N9/ZJからなる群から選択される。
【0108】
B型インフルエンザウイルスは、2つの別個の系統:Yamagata及びVictoriaに分離することができる。IBVは、4~5年ごとに最も顕著なインフルエンザの循環株である。さらに、IBV感染は、例えば、HIV患者において、IAVと比較して、入院のリスクが高く、IBVは、IAV株と比較して、顕著に高い死亡率を実証している。IBVは、IAVと比較して、限定的な抗原ドリフト、ならびに病原体保有動物の欠如を示している(例えば、Sharma et al.,Eur Respir J.2019,54(2):1901325を参照されたい)。IBVサブタイプは、異なる遺伝子分岐群及び亜分岐群、例えば、B/Yamagata(例えば、分岐群Y1、Y2、Y3)、B/Victoria(例えば、亜分岐群V1A.1、V1A.2、V1A.3)にさらに分解することができる。C型インフルエンザウイルス感染は、一般に、軽度の病気を引き起こし、ヒトの流行を引き起こすとは考えられていない。D型インフルエンザウイルス(すなわち、トゴトウイルス)は、最初に牛に影響を及ぼして、他の動物に波及するが、ヒトへの感染または病気を引き起こすことは知られていない。例えば、Types of Influenza Virusesと題されたCDCウェブサイト(www.cdc.gov/flu/about/viruses/types)を参照されたい。
【0109】
インフルエンザウイルスは、ネガティブセンスの一本鎖セグメント化RNAゲノムを有する。IAV及びIBVは、10個の主なタンパク質をコードする8つのゲノムセグメント:PB1ポリメラーゼ、PB2ポリメラーゼ、PAポリメラーゼ、ヘマグルチニン(HA)、核タンパク質(NP)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリックス1(M1)、マトリックス2(M2)、非構造1(NS1)、及び非構造2(NS2)タンパク質を有する。ICV及びIDVは、9つの主なタンパク質をコードする7つのゲノムセグメントを有し、HA及びNAタンパク質の代わりに、ICV及びIDVゲノムが、HA及びNAの機能を統合するヘマグルチニン-エステラーゼ融合(HEF)タンパク質をコードする。3つのセグメントは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)複合体の3つのサブユニット:PB1、5’キャップを認識する転写酵素PB2、及びエンドヌクレアーゼであるPA(ICV及びIDVのP3)をコードする。マトリックスタンパク質(M1)及び膜タンパク質(M2)は、非構造タンパク質(NS1)及び核輸出タンパク質(NEP)と同様に、セグメントを共有する。IAV及びIBVでは、ヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)は、各々1つのセグメント上でコードされる一方で、ICV及びIDVは、1つのセグメント上でヘマグルチニン-エステラーゼ融合(HEF)タンパク質をコードする。最後のゲノムセグメントは、ウイルス核タンパク質(NP)をコードする。インフルエンザウイルスはまた、代替的なオープンリーディングフレームを介して発現することができ、宿主の防御抑制、毒性、及び病原性において重要である、PB1-F2及びPA-Xなどのいくつかの付属タンパク質をコードする。
【0110】
ビリオンは、各セグメントの別々のリボ核タンパク質(RNP)複合体内で核タンパク質に結合したゲノムからなり、これらは、脂質二重層膜(すなわち、ウイルスエンベロープ)によって囲まれている。全てのサブユニットが組み込まれたRdRpのコピーは、各RNPに結合している。エンベロープは、RNPを包囲する内部のマトリックスタンパク質、M1及びM2によって構造的に強化され、エンベロープは、エンベロープの外面から外向きに延在するHA及びNA(またはICVもしくはIDVの場合はHEF)タンパク質を含有する。M2タンパク質は、ウイルスの剥離中のビリオン内部の酸性化、及びHA合成中の細胞のゴルジ体内のpHの制御を含む、ウイルスの出入りに必要とされるウイルスエンベロープを通るプロトンイオンチャネルを形成する。例えば、Webster et al.,Microbiol Rev.1992,56(1):152-179及びWille and Holmes,Cold Spring Harb Perspect Med.2020,10(7):a038489を参照されたい。
【0111】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザタンパク質またはその断片もしくはバリアントであり、例えば、IAVまたはIBVに由来するものである。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、YamagataまたはVictoriaのIBVサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、IAVまたはIBV HAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、IAV H1N1 pdm09 HAヘッドペプチド、IAV H5N1 1194 HAヘッドペプチド、IAV H3N2 4801 HAヘッドペプチド、IAV H7N9/AH1 HAヘッドペプチド、IAV H7N9/ZJ HAヘッドペプチド、IBV Yamagata HAヘッド、及びIBV Victoria HAヘッドペプチドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、IAVウイルス抗原は、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、IBVウイルス抗原は、配列番号19または20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号3~7,26、及び27からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号3~7,26、及び27からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、IAV(例えば、IAV H5N1)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列、または配列番号13に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスバリアント、または異なるウイルス科、属、種、もしくは亜種に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、インフルエンザ(例えば、IAV、例えば、IAV H7N9、例えば、H7N9/ZJ)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500(例えば、約10~約400)ヌクレオチド長である。例えば、いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、または400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれか、またはそれらのヌクレオチド長のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~50、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90歳、約70~100、約10~100、約80~110、約90~120、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160~190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約200~約500ヌクレオチド長である。例えば、ウイルスRNAは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、インフルエンザAゲノム(例えば、H7N9、例えば、H7N9/ZJ、例えば、配列番号30に記載されるような)またはその修飾されたゲノムのウイルス遺伝子(例えば、PB2遺伝子)のヌクレオチド1~326を含む。
【0112】
iii.呼吸器合胞体ウイルス
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、Pneumoviridaeファミリー及びモノネガウイルス目内のオルトニューモウイルス属に属する。この属のメンバーとしては、ヒトRSV、ウシRSV、及びマウス肺炎ウイルスが挙げられる。RSV-G配列における抗原ドリフト及び重複によって大きく決定されるヒトRSV(A及びB)の2つの主な抗原サブタイプが存在するが、RSV-F配列内を含むゲノム全体の配列発散を伴う。
【0113】
小児集団(例えば、5歳以下の小児、特に6か月齢以下の乳児)に対する病理学的負荷に加えて、RSVは、高齢者において重要な病原体としてますます認識されている。RSV感染は、65歳以上の入院率の増加をもたらし、インフルエンザで見られる割合に近いこの集団の死亡率の増加をもたらす。
【0114】
呼吸器合胞体ウイルスは、11個のタンパク質をコードする10個の遺伝子を含有する、およそ15,000個のヌクレオチドのネガティブセンスの一本鎖非セグメント化RNAゲノムを有するエンベロープ化されたウイルスであり、これらの遺伝子は、順に、非構造1(Ns1)、非構造2(Ns2)、核タンパク質(N)、リンタンパク質(P)、マトリックス(M)、小疎水性タンパク質(SH)、糖タンパク質(G)、融合(F)、M2-1補因子、M2-2補因子、及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(L)である。ビリオンエンベロープに埋め込まれた付着糖タンパク質(G)及び融合糖タンパク質(F)は、それぞれ、ウイルス付着及び進入を媒介する。
【0115】
RSV Gは、インビボで病原性を増強し、宿主細胞への付着を促進するが、感染に絶対的に必要ではない。RSV Gタンパク質は、2つの形態:約298個のアミノ酸を含有する完全長膜結合形態(挿入なし)、及び第2のAUGコドン(Met48)での内部開始を通じて翻訳される分泌形態(sG)で産生される。完全長Gタンパク質は、II型膜タンパク質であり、N末端細胞質ドメイン(アミノ酸(aa)1~36)、膜貫通ドメイン(aa37~67)、及びエクトドメイン(aa68~298)を含有する。エクトドメインは、保存された中央ドメイン(CCD)及びヘパリン結合ドメイン(HBD)に隣接する2つの超可変ムチン様ドメインからなる。2つのムチン様ドメインは、30~40個のO結合グリカン及び3~5つのN結合グリカンを含有し、RSVの抗原性と関連付けられる。CCDは、RSV中和抗体の保護標的であり、RSV感染の重要なステップであるヒトケモカイン受容体CX3CR1と相互作用するCX3Cモチーフを構成する3つのアミノ酸を含有する。ヘパラン硫酸及び他のグリコサミノグリカン(GAG)を含むHBDは、RSVの潜在的な付着受容体への結合を促進する。Zhao et al.,Front Microbiol.2022,13:966235を参照されたい。
【0116】
RSV Fは、ウイルス進入に対して、克服できないエネルギー障壁を課すプロセスである、ウイルス膜と宿主細胞膜との融合を媒介するクラスI融合タンパク質である。最初に、Fタンパク質は、膜貫通ドメインによってウイルス膜に固定される準安定状態の前融合コンフォメーションで存在する。この構造では、疎水性融合ペプチドは、タンパク質の中央空洞内に埋められている。未知の事象によって、前融合Fは劇的なコンフォメーション変化を受け、融合ペプチドに隣接する5つの別個の構造要素が単一のアルファヘリックスへと再度折り畳まれ、融合ペプチドの宿主細胞膜への挿入が生じる。プレヘアピン中間体と呼ばれるこの状態では、2つのヘプタッドリピート(HRA及びHRB)がF分子の対向する端部に位置する。これらのヘプタッドリピートの、安定な6ヘリックス束への崩壊は、2つの脂質二重層の融合に連結している、エネルギー的に好ましいコンフォメーション変化である。Fと結合している抗体は、融合プロセスを中断することができ、それによって、ウイルス進入を防止し、RSV関連疾患の重症度を低減する。最近、Fの前融合コンフォメーションを特異的に認識する抗体が、一般に、後融合Fにも結合する抗体よりも強力に中和されることが、確立されている。Gilman et al.,Nat Commun.2019,10(1):2105を参照されたい。
【0117】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、呼吸器合胞体(RSV)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントは、RSV AサブタイプまたはRSV Bサブタイプに由来する。いくつかの実施形態では、RSVウイルス抗原は、配列番号21または22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスバリアント、または異なるウイルス科、属、種、もしくは亜種に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、RSVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、RSVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500ヌクレオチド長である。例えば、いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、もしくは500ヌクレオチド長のうちのいずれか、またはそれらのヌクレオチド長のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは約10~50であり、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90歳、約70~100、約80~110、約90~120、約10~100、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160-190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、少なくとも約200ヌクレオチド長である。例えば、ウイルスRNAは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。
【0118】
iv.肝炎:C型肝炎ウイルス
C型肝炎ウイルス(HCV、ヘパシウイルス)は、Flaviviridae内のヘパシウイルス属に属する。HCVは、少なくとも7つの遺伝子型(すなわち、gt1~7)及び多数のサブタイプを含む。C型肝炎ウイルス(HCV)は、およそ9600ヌクレオチド長の小さな、エンベロープ化された、ポジティブ一本鎖RNAウイルスである。HCVは、単一のポリタンパク質をコードし、細胞及びウイルスプロテアーゼによって処理されて10個のポリペプチドを生成する。HCVゲノムはまた、重複する+1リーディングフレームを含有し、追加のタンパク質(すなわち、代替的なリーディングフレームからのFタンパク質)の合成をもたらし得る。単一のポリタンパク質から切断された10個のポリペプチドは、コアタンパク質及び2つのエンベロープタンパク質(コア、E1、E2)を含む3つの構造タンパク質、ならびに切断、アセンブリ、転写、及び追加の機能に関与する7つの非構造(NS)タンパク質NS1、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、及びNS5Bを含む。HCVの構造タンパク質及び非構造タンパク質は、多機能性である。
【0119】
コアタンパク質は、ヌクレオカプシドを形成する。コアタンパク質の成熟形態は、二量体アルファヘリカルタンパク質であり、膜タンパク質及びRNA結合タンパク質として挙動する。ビリオン膜上のウイルススパイクは、E1及びE2糖タンパク質のヘテロ二量体によって形成される。これらのE1及びE2タンパク質は、HCVウイルスが宿主細胞に進入するために不可欠であり、感染性ウイルス粒子のアセンブリに参与する。Dubuisson,World J Gastroenterol.2007,13(17):2406-2415を参照されたい。
【表2】
【0120】
いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、C型肝炎(HCV)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントは、HCV遺伝子型1aまたはHCV遺伝子型2aに由来する。いくつかの実施形態では、HCVウイルス抗原は、配列番号23または24のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスバリアント、または異なるウイルス科、属、種、もしくは亜種に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、HCVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、HCVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500ヌクレオチド長である。例えば、いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、もしくは500ヌクレオチド長のうちのいずれか、またはそれらのヌクレオチド長のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~50、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90歳、約70~100、約10~100、約80~110、約90~120、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160~190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約200~約300ヌクレオチド長である。例えば、ウイルスRNAは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500以上のヌクレオチド長のうちのいずれかである。
【0121】
核タンパク質-抗原融合ペプチド
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス核タンパク質と本明細書に記載の標的抗原ペプチドとは、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介して付着、例えば、融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質とウイルス抗原ペプチドとは融合して、アダプタ-抗原ポリペプチドを作製する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス核タンパク質のN末端に融合している。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び標的抗原は、同じソース、例えば、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、核タンパク質及び標的抗原は、異なるソース、例えば、異なるウイルス、例えば、ウイルスの異なるサブタイプ、ウイルスの異なる種もしくは属、または異なるウイルスファミリーに由来する。
【0122】
いくつかの実施形態では、核タンパク質、例えば、ウイルス核タンパク質は、標的抗原ペプチド、例えば、ウイルス標的抗原に融合し、ウイルスRNAと自然に会合し、それによって、大きな免疫原性複合体を形成する。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原の複数のコピーが、ウイルスRNA足場に付着している。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAはまた、アジュバントとして作用するので、付着したアダプタ-抗原ペプチドは、ウイルスRNAを包み込み、それによって、個体(例えば、ヒト個体)へのワクチン組成物の粘膜投与の際に、炎症性サイトカインの産生を含む自然免疫応答を防止するようにアジュバントをマスクする。
【0123】
いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、ウイルスRNAに結合することが可能であるウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含む(例えば、RNA結合ドメインを含む)。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、SARS-CoV-2由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、インフルエンザ由来の抗原(例えば、IAV、IBV、ICV、またはIDV、例えば、H1N1、H3N2、H5N1、H7N9、Yamagata、またはVictoria)と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、C型肝炎ウイルス(HCV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、インフルエンザ由来の抗原(例えば、IAV、IBV、ICV、またはIDV、例えば、H1N1、H3N2、H5N1、H7N9、Yamagata、またはVictoria)と融合したIAVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、H1N1、H3N2、H5N1、及びH7N9からなる群から選択されるIAV由来の抗原と融合したIAV H5N1に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IBV由来の抗原、YamagataまたはVictoriaと融合したIAV由来の核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、HCV由来の抗原と融合したHCVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、RSV由来の抗原と融合したRSVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルス表面糖タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、IAV(例えば、IAV H5N1)に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号12もしくは13のアミノ酸配列、または配列番号12もしくは13に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、ウイルスRNAまたはDNAに結合することが可能である第2のウイルスに由来するウイルス核タンパク質に融合した第1のウイルスに由来するウイルス抗原を含む(またはそれから本質的になる、またはそれからなる)。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、第1のウイルス、例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、またはHCVに由来するウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、第1のウイルスに由来するウイルス表面糖タンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質(または足場分子、例えば、ウイルスRNAもしくはDNAに結合可能な断片もしくはバリアント)は、第2のウイルス、例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、またはHCVに由来する。第1のウイルス及び第2のウイルスは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、インフルエンザAウイルス(IAV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、インフルエンザBウイルス(IBV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、C型肝炎ウイルス(HCV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)由来の抗原と融合したSARS-CoV-2に由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、SARS-CoV-2由来の抗原と融合したIAVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IBV由来の抗原と融合したIAVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、HCV由来の抗原と融合したIAVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、RSV由来の抗原と融合したIAVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、SARS-CoV-2由来の抗原と融合したIBVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IAV由来の抗原と融合したIBVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、HCV由来抗原と融合したIBVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、RSV由来の抗原と融合したIBVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、SARS-CoV-2由来の抗原と融合したHCVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IAV由来の抗原と融合したHCVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IBV由来の抗原と融合したHCV由来の核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、RSV由来の抗原と融合したHCV由来の核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、SARS-CoV-2由来の抗原と融合したRSVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IAV由来の抗原と融合したRSVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、IBV由来の抗原と融合したRSVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、HCV由来の抗原と融合したRSVに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号12もしくは13のアミノ酸配列、または配列番号12もしくは13に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号12または13のアミノ酸配列を含むウイルス核タンパク質と、配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むウイルス抗原と、を含み、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来しない。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、配列番号6~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号6~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれか)の配列同一性を有するそのバリアントを含む。
【0125】
足場分子
いくつかの実施形態では、足場分子は、核酸を含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、DNAまたはRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、DNA分子を含む(またはそれからなる、またはそれから本質的になる)。いくつかの実施形態では、DNAは、一本鎖DNA(ssDNA)分子である。いくつかの実施形態では、DNAは、二本鎖DNA(dsDNA)分子である。いくつかの実施形態では、足場分子は、ssRNAなどのRNA分子を含む(またはそれからなる、またはそれから本質的になる)。いくつかの実施形態では、足場分子は、ウイルスRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、ミニウイルスRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、非ウイルスRNA分子(例えば、宿主RNA)を含む。足場分子がウイルスRNAまたはDNAを含む場合、それは、野生型または変異型のいずれかであり得る(例えば、挿入(複数可)、欠失(複数可)、及び/または置換(複数可)を含有する)。
【0126】
足場RNA(例えば、ウイルスRNA)は、転写に由来する小さなRNA、大きなウイルスゲノムに由来する長く複雑なRNA、または複製中に誘導される長いゲノムRNAであり得る。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAはまた、内部アジュバントとして機能する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、アジュバントとして、個体内で、すなわち、個体(例えば、ヒト個体)に投与されると、自然免疫を活性化する。いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)内の自然免疫を活性化するアジュバント活性は、トール様受容体及び/またはRIG-I様受容体によって媒介される。
【0127】
いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルス核タンパク質、例えば、融合したアダプタ-抗原タンパク質と自然に会合し、それによって、大きな免疫原性複合体、またはナノ複合体を形成する。いくつかの実施形態では、RNA足場(例えば、ウイルスRNA)は、アダプタ-抗原の複数のコピーの結合を可能にするための足場として作用する。このナノ複合体内で、抗原ペプチドは、当該技術分野で既知の任意のウイルス抗原を含む、本開示に記載の抗原ペプチドのうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物は、多価である。
【0128】
いくつかの実施形態では、足場分子は、RNA分子を含む(またはそれからなる、またはそれから本質的になる)。いくつかの実施形態では、足場分子は、ミニウイルスRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAはまた、内部アジュバントとして機能する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、5’非翻訳領域は、ゲノム複製のために高度に構造化された足場へと折り畳まれる。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の3’非翻訳領域を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、足場分子は、約10~約2000ヌクレオチド(nt)長、例えば、約10~約300nt、約200~約300nt、約10~約200nt、約200~約500nt、約500~約1000nt、約10~約500nt、約100~約1000nt、約1000~約2000nt、または約100~約500ntの長さのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、足場分子は、少なくとも約200ヌクレオチド長、例えば、約200~500ヌクレオチド長、または約200~約300ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、足場分子は、アダプタ-抗原ポリペプチドに結合するための足場として機能することができる任意のDNAまたはRNA分子などのDNAまたはRNAを含む。足場分子は、哺乳動物、鳥類、昆虫、細菌、ウイルス、酵母、または植物を含むが、これらに限定されない任意の生物に由来し得る。いくつかの実施形態では、足場分子は、ウイルスRNAを含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、宿主RNA(例えば、ヒトRNAなどの哺乳動物RNA)などの非ウイルスRNAを含む。いくつかの実施形態では、足場分子は、タンパク質またはその断片もしくはバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、足場分子は、タンパク質またはその断片もしくはバリアントをコードしない。いくつかの実施形態では、足場分子は、標的抗原に対する宿主の免疫応答を増強するためのアジュバントとして機能する。いくつかの実施形態では、足場分子は、約10~約500nt、または約200~約500ntの長さである。例えば、いくつかの実施形態では、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、もしくは500ヌクレオチド長のうちのいずれか、またはそれらのヌクレオチド長のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、約10~50、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90、約70~100、約80~110、約90~120、約10~100、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160~190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、少なくとも約200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、約200~約500ヌクレオチド長である。例えば、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。
【0130】
いくつかの実施形態では、足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、ウイルスゲノムの非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2ゲノム(例えば、配列番号25)のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAVゲノム(例えば、配列番号30)のウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約50nm~約200nmの平均粒径を有する。例えば、いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm、または150nmのうちのいずれかの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約50nm~80nm、約60nm~90nm、約70nm~100nm、約80nm~110nm、約90nm~120nm、約100nm~130nm、約110nm~140nm、約120nm~150nm、約130nm~160nm、約140nm~170nm、約150nm~180nm、約160nm~190nm、または約170nm~200nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体の粒径(例えば、平均粒径)は、SDS-PAGE、ネイティブ-PAGE、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HP-SEC)、沈降速度分析超遠心分離(SV-AUC)、動的光散乱(DLS)、流動場分離法、ナノ粒子追跡分析(NTA)、共鳴質量測定(RMM)、光遮蔽法、フローイメージング顕微鏡法、目視検査などのうちのいずれかによって測定することができる。いくつかの実施形態では、HP-SECまたは流動場分離法は、UV/VIS吸光度、静的光散乱、蛍光、または屈折率などの連続的なオンライン検出器と組み合わせられ得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約0mV~約-50mVのゼータ電位を有する。例えば、いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約0mV、約-10mV、約-20mV、約-30mV、約-40mV、または約-50mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約0mV~約-10mV、約-5mV~約-15mV、約-10mV~約-20mV、約-15mV~約-25mV、約-20mV~約-30mV、約-25mV~約-35mV、約-30mV~約-40mV、約-35mV~約-45mV、または約-40mV~約-50mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。
【0133】
したがって、いくつかの実施形態では、ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、i)ウイルスRNAを含む足場分子と、ii)ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合した配列番号14~24及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含むナノ複合体を含むワクチン組成物が提供される。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子のモル比は、少なくとも約5:1、例えば、約6:1~約12:1、約6:1~約10:1、約8:1~約12:1、または約6:1~約8:1である。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチド対足場分子(例えば、ウイルスRNA)のモル比は、約5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、または12:1のうちのいずれか、またはこれらの比のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のC末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、ウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである。いくつかの実施形態では、ウイルス抗原は、任意選択的なリンカー(例えば、GSリンカー)を介してウイルス核タンパク質のN末端に融合している。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、同じウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質及びウイルス抗原は、異なるウイルス、例えば、異なるウイルスバリアント、または異なるウイルス科、属、種、もしくは亜種に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、SARS-CoV-2またはIAVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質は、配列番号12または13のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ-抗原ポリペプチドは、配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムの非翻訳領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域(例えば、ウイルス遺伝子の5’または3’UTR)を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域(例えば、ウイルス遺伝子の5’UTR)を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10~約500ヌクレオチド長である。例えば、いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約20~50、約30~60、約40~70、約50~80、約60~90、約70~100、約80~110、約90~120、約100~130、約110~140、約120~150、約130~160、約140~170、約150~180、約160~190、約170~200、約180~210、約190~220、約200~230、約210~240、約220~250、約230~260、約240~270、約250~280、約260~290、約270~300、約280~310、約290~320、約300~330、約310~340、約320~350、約330~360、約340~370、約350~380、約360~390、約370~400、約380~410、約390~420、約400~430、約410~440、約420~450、約430~460、約440~470、約450~480、約460~490、または約470~500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、約200~約500ヌクレオチド長である。例えば、ウイルスRNAは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、または500ヌクレオチド長のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、SARS-CoV-2に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAVに由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAV H7N9に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスRNAは、IAV H7N9ゲノム(例えば、配列番号30に記載されるような)またはその修飾されたゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約100nm~約130nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、均一なサイズを有する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物中のナノ複合体は、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する。
【0134】
III.ナノ複合体ワクチンの産生のための宿主細胞
また、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載のワクチン組成物のアダプタ-抗原ポリペプチド及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素を産生するための宿主細胞である。
【0135】
好適な宿主細胞としては、哺乳動物細胞などの高等真核細胞を挙げることができるが、これらに限定されない。好適な高等真核細胞としては、無脊椎動物細胞及び昆虫細胞、ならびに脊椎動物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
宿主細胞は、DEAE-デキストラン媒介性送達、リン酸カルシウム沈殿法、カチオン性脂質媒介性送達、リポソーム媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、レンチウイルス形質導入、マイクロプロジェクタイルガン、受容体媒介性遺伝子送達、ポリリジン、ヒストン、キトサン、及びペプチドによって媒介される送達が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、ゲノム編集の標準的な方法の一部としてトランスフェクトすることができる。目的のベクターの発現のための細胞のトランスフェクション及び形質転換のための標準的な方法は、当該技術分野で周知である。
【0137】
任意の好適な宿主細胞が、本明細書で使用され得る。宿主細胞としては、BHK21細胞、VeroE6細胞、L929細胞、CHO細胞、BHK細胞、MDCK細胞、C3H 10T1/2細胞、FLY細胞、Psi-2細胞、BOSC23細胞、PA317細胞、WEHI細胞、COS細胞、BSC1細胞、BSC40細胞、BMT10細胞、VERO細胞、W138細胞、MRC5細胞、A549細胞、HT1080細胞、293細胞、293T細胞、B-50細胞、3T3細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞、Saos-2細胞、Huh7細胞、HeLa細胞、W163細胞、211細胞、NS0細胞、PerC6細胞、Sp2/0細胞、BHK細胞、C127細胞、211A細胞、及びこれらの細胞のうちのいずれかに由来する任意の宿主細胞を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、好適な宿主細胞は、本明細書に記載のワクチン組成物の構成要素(例えば、配列番号1~11、及び26~29のうちのいずれか1つ以上及び/またはRNA足場分子、例えば、配列番号25または30のうちのいずれか)を発現するように遺伝子操作されている。
【0138】
III.調製の方法
本明細書に記載のワクチン組成物は、当該技術分野の既知の核酸発現、タンパク質産生、及びインサイチュ合成方法のうちのいずれかによって調製することができる。アダプタ-抗原ポリペプチドは、上記の任意の宿主細胞を含む宿主細胞内で、発現及び産生され得る。次いで、アダプタ-抗原ポリペプチドは、宿主細胞または培養培地から(例えば、宿主細胞からアダプタ-抗原ポリペプチドが分泌される際に)採取され得る。核酸足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、宿主細胞内で発現され得るか、インビトロで転写され得るか、またはインビトロで完全に合成され得る。例えば、RNA足場分子(例えば、ウイルスRNA)は、SP6もしくはT7ポリメラーゼを使用してインビトロで転写され得るか、化学的に合成され得るか、または宿主細胞内で産生され得る(例えば、ベクターなどのDNAテンプレートから転写され得る)。
【0139】
いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする核酸(複数可)は、ベクター、例えば、発現ベクター、ウイルスベクター、またはクローニングベクターに挿入される。したがって、本明細書に記載されるウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素のいずれかをコードするベクターも提供される。ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素の発現のために、ベクターは、宿主細胞内でウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする核酸の発現を可能にするように宿主細胞に導入され得る。発現ベクターは、発現を制御するための様々な要素を含有することができ、限定されないが、プロモータ配列、転写開始配列、エンハンサ配列、選択可能マーカー、及びシグナル配列が含まれる。これらの要素は、当業者によって適切に選択され得る。例えば、プロモータ配列は、ベクターにおける核酸の転写を促進するために選択され得る。好適なプロモータ配列には、限定されないが、T7プロモータ、T3プロモータ、SP6プロモータ、ベータアクチンプロモータが含まれる。EF1aプロモータ、CMVプロモータ、及びSV40プロモータ。エンハンサ配列は、核酸の転写を増強するために選択され得る。選択可能マーカーは、ベクターが挿入された宿主細胞を、挿入されていないものから選択することを可能にし得、例えば、選択可能マーカーは、抗生物質耐性を付与する遺伝子であり得る。シグナル配列は、発現されたウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素が、宿主細胞の外側に輸送されることを可能にするように選択され得る。
【0140】
好適なベクターとしては、一本鎖、二本鎖、または部分的に二本鎖である核酸分子;1つ以上の遊離端を含み、遊離端(例えば、環状)を含まない核酸分子;DNA、RNA、またはその両方を含む核酸分子;及び当該技術分野において既知の他の多様なポリヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。1つのタイプのベクターは、「プラスミド」であり、これは、標準的な分子クローニング技術などによって、追加のDNAセグメントを挿入することができる環状二本鎖DNAループを指す。ある特定のベクターは、ベクターが導入された宿主細胞内で自律的に複製することが可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター、及びエピソーム性の哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それにより宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある特定のベクターは、ベクターが動作可能なように連結されたコードヌクレオチド配列の転写または発現を誘導することが可能である。このようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
【0141】
いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする発現ベクターは、ウイルスベクター、細菌ベクター、及び哺乳類細胞ベクターからなる群から選択される。ウイルスベクター技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.(2012)、及びAusubel et al.(1999)、ならびに他のウイルス学及び分子生物学マニュアルに記載される。ベクターとして有用であるウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)ベクターは、所望の核酸を発現させるために使用される。MSCVベクターは、細胞内で所望の核酸を効率的に発現することが実証されている。ウイルスベクターの他の例は、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)に基づくものである。いくつかの実施形態では、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモータ配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択可能マーカーを含有する。(例えば、WO01/96584、WO01/29058、及び米国特許第6,326,193号を参照されたい。)いくつかの実施形態では、ベクターは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターである。いくつかの実施形態では、rAAVベクターは、AAV血清型に由来するベクターであり、AAV ITRは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAV DJ、ヤギAAV、ウシAAV、またはマウスAAVキャプシド血清型などであることを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベクターは、rAAV粒子にカプセル化されている。いくつかの実施形態では、ベクターは、レンチウイルスベクターである。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン組成物を作製する方法は、宿主細胞を、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする核酸またはベクターでトランスフェクトすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする核酸(複数可)またはベクター(複数可)は、当該宿主細胞に同時にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、ウイルス核タンパク質、ウイルス抗原、及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素をコードする核酸(複数可)またはベクター(複数可)は、当該宿主細胞に逐次的にトランスフェクトされる。本明細書に記載の核酸、またはベクター(例えば、ウイルスベクター)は、遺伝子治療の目的のために、宿主細胞または個体(例えば、ヒト)に直接送達することができる。核酸の非ウイルス送達の方法には、リポフェクション、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、バイオリスティック、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオンまたは脂質:核酸複合体、エレクトロポレーション、ナノ粒子、エクソソーム、マイクロベシクル、または遺伝子銃、裸のDNA、及び人工ビリオンが含まれる。核酸の送達のためのRNAまたはDNAウイルスベースのシステムの使用は、ウイルスを特定の細胞に標的化し、ウイルスペイロードを細胞核に輸送することにおいて高い効率を有する。
【0143】
本明細書に記載のワクチン組成物のアダプタ-抗原ポリペプチド(またはそれをコードする核酸)または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素は、DEAE-デキストラン媒介性送達、リン酸カルシウム沈殿法、カチオン性脂質媒介性送達、リポソーム媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、レンチウイルス形質導入、マイクロプロジェクタイルガン、受容体媒介性遺伝子送達、ポリリジン、ヒストン、キトサン、及びペプチドによって媒介される送達が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、宿主細胞に導入することができる。細胞のトランスフェクション及び形質転換のための標準的な方法は、当該技術分野で周知である。
【0144】
いくつかの実施形態では、本出願は、本明細書に記載のワクチン組成物のアダプタ-抗原ポリペプチド(またはアダプタもしくは抗原の単一の構成要素)及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素を作製する方法であって、アダプタ-抗原ポリペプチド(またはアダプタもしくは抗原の単一構成要素)及び/または核酸足場(例えば、ウイルスRNA)構成要素を含む単離された宿主細胞を、構成要素の発現に好適な条件下で培養することと、発現された構成要素を、当該宿主細胞から(例えば、細胞培養物から)得ることと、を含む、方法を提供する。発現のための好適な条件は、好適な培地、培養培地中の宿主細胞の好適な密度、必要な栄養素の存在、補助因子の存在、好適な温度及び湿度、ならびに微生物汚染物質の不在を挙げることができるが、これらに限定されない。当業者は、発現を目的として適宜好適な条件を選択することができる。
【0145】
アダプタ-抗原ポリペプチド(またはアダプタもしくは抗原の単一構成要素)を宿主細胞から採取し、核酸足場(例えば、ウイルスRNA)を宿主細胞から合成(例えば、インビトロ転写)または採取した後、次いで、これらの分子を組み合わせて、本明細書に記載のナノ複合体を形成することができる。アダプタ-抗原ポリペプチドは、本明細書に記載の核酸足場分子(例えば、ウイルスRNA)に自然に結合し、複数のアダプタ-抗原ポリペプチドが、本明細書に記載の同じ核酸足場分子に結合することができる。次いで、合成されたナノ複合体を単離し、本明細書に記載の標準的な方法(例えば、精製)によって調製して、個体(例えば、ヒト)に投与する。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン組成物を作製する方法は、アダプタ、抗原、及び/または核酸足場分子(例えば、ウイルスRNA)構成要素を精製及び/または富化することをさらに含む。例えば、ウイルスRNAは、フェノール-クロロホルム-イソプロパノール方法によって精製され得る。本明細書では、当該技術分野で既知の任意のタンパク質精製方法(例えば、イオン交換、濾過、親和性精製、混合モード精製)が、タンパク質構成要素精製に使用され得る。いくつかの実施形態では、アダプタ、抗原、及び/または核酸足場分子の純度は、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のうちのいずれかなどの、少なくとも約90%である。
【0147】
いくつかの実施形態では、精製されたアダプタ、抗原、及び核酸足場分子(例えば、ウイルスRNA)構成要素は、緩衝液中で混合され、好適な条件(例えば、タンパク質/核酸結合に好適な温度)下で一定期間の間(例えば、少なくとも約5分間)インキュベートされて、本明細書に記載のナノ複合体が形成される。いくつかの実施形態では、精製されたアダプタ及び抗原は、緩衝液中で混合され、好適な条件(例えば、タンパク質/タンパク質結合に好適な温度)下で一定期間の間(例えば、少なくとも約5分)インキュベートされて、本明細書に記載のアダプタ-抗原ポリペプチドが形成され、次いで、アダプタ-抗原ポリペプチド及び核酸足場分子(例えば、ウイルスRNA)構成要素は、緩衝液中で混合され、好適な条件(例えば、タンパク質/核酸結合に好適な温度)下で一定期間の間(例えば、少なくとも約5分間)インキュベートされて、本明細書に記載のナノ複合体が形成される。
【0148】
IV.医薬組成物、単位投薬量、製品、及びキット
本出願によってさらに提供されるのは、本明細書に記載のナノ複合体を含むワクチン組成物のうちのいずれか1つと、任意選択的に、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物である。
【0149】
医薬組成物は、本明細書に記載される様々な投与方法、例えば、全身投与または局所投与を含む方法に好適であってよい。本明細書に記載のワクチン組成物(またはその医薬組成物)のうちのいずれかの例示的な投与経路としては、これらに限定されないが、経口、静脈内、腔内、腫瘍内、動脈内、筋肉内、皮下、非経口、経粘膜、経皮、眼、局所、腹腔内、頭蓋内、胸膜内、及び上皮経路が挙げられるか、またはウイルス感染した細胞を収容することが知られているリンパ腺、体内空間、臓器、もしくは組織に送達される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、粘膜投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、鼻スプレーによる投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、点鼻による投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、筋肉内または皮内投与などによって、非経口投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、複数回用量として投与される。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、任意の年齢である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、65歳以上、例えば、65、70、75、80、85、86、87、88、89、90歳以上のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、18歳以下、例えば、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2歳以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、1歳以下の幼児(例えば、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1か月以下のうちのいずれかである)。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、健康である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、心臓、肺、脳、または免疫系の機能を低減させる医学的状態、既往症、または状態を有する。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、免疫不全状態である。
【0150】
鼻ワクチンとしてのマイクロ及びナノ担体に基づく送達系は、体液性、細胞性、及び粘膜免疫を誘導する。ワクチン接種の鼻経路はまた、いくつかの遠隔の粘膜部位(例えば、口腔、直腸、膣、及び肺)で免疫を提供することができる。鼻ワクチン送達は、局所免疫を誘導することによって、粘膜部位での病原体進入をブロックし、他の投与経路へのバイオアベイラビリティの増加を示し、粘膜吸収を介した血液循環系への迅速な取り込みを実証し、他の投与経路、例えば、非経口経路よりも良好な患者コンプライアンスを奨励する(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ramvikas et al.(2016)Micro and Nanotechnology in Vaccine Development 2017:279-301を参照されたい)。鼻ワクチン送達製剤としては、微粒子、ナノ粒子、及びリポソームの形態を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0151】
いくつかの場合では、主題の方法は、それを必要とする個体に、有効量のナノ複合体を含むワクチン組成物(またはその医薬組成物)を投与することに関与する。いくつかの実施形態では、主題のワクチンの「有効量」は、個体に1回以上の用量で、単剤療法で、または併用療法で投与される場合、ワクチンによる投与の不在下での個体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%、ウイルス感染もしくは伝播を防止するか、または個体におけるウイルス感染の症状を低減するのに有効である量である。
【0152】
本明細書で使用される「担体」は、用いられる投薬量及び濃度で曝露される細胞または個体に対して無毒である、薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤を含む。多くの場合、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、核酸構築物(すなわち、RNA及び/またはDNA)と適合性であり、当該担体、賦形剤、または安定剤を含む溶液は、RNase及び/またはDNase活性の1つ以上の阻害剤をさらに含み得る。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、これらとしては、緩衝液、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸など、アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤、防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えば、メチルもしくはプロピルパラベンなど、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾールなど)、低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド、タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなど、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンなど、アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなど、グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物、キレート剤、例えば、EDTAなど、糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなど、塩形成対イオン、例えば、ナトリウムなど、金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体)、及び/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。
【0153】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約4.5~約9.0の範囲のpH、例えば、約5.0~約8.0、約6.5~約7.5、または約6.5~約7.0のいずれか1つのpH範囲を含むpHを有するように製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約4.5~約6.5の範囲のpHを有するように製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はまた、好適な等張性改変剤の添加によって、血液と等張であるようにすることができる。
【0154】
インビボ投与に使用される医薬組成物は、一般に、滅菌の、実質的に等張な状態で製剤化され、米国食品医薬品局の全てのGood Manufacturing Practice(GMP)規制を完全に遵守している。滅菌性は、滅菌濾過膜に通して濾過することによって容易に達成される。いくつかの実施形態では、組成物は、病原体を含まない。非経口投与では、医薬組成物は、液体溶液の形態、例えば、生理学的に適合する緩衝液の形態、例えば、ハンク溶液またはリンガー溶液であってもよい。加えて、医薬組成物は、固体形態であってもよく、使用の直前に、例えば、水中に再溶解または懸濁され得る。凍結乾燥組成物も含まれる。
【0155】
吸入を介した投与に好適なエアロゾル製剤も、作製することができる。エアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧された許容可能な推進剤に入れることができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、または硝子体内注射に適した医薬組成物として、通常の手順に従って製剤化される。いくつかの実施形態では、主題の送達系は、鼻腔または肺への送達のためのデバイスを備える。例えば、本明細書に記載の組成物は、ネブライザ、吸入器デバイスなどによる送達用に製剤化することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内投与などの粘膜投与に適した医薬組成物として、通常の手順に従って製剤化される。鼻腔内投与は、鼻粉末、点鼻、鼻エアロゾル、鼻ゲルなどを介して達成することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、または硝子体内注射に適した医薬組成物として、通常の手順に従って製剤化される。典型的には、注射用組成物は、滅菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要に応じて、組成物はまた、可溶化剤及び注射部位の痛みを和らげるためにリグノカインなどの局所麻酔薬も含んでよい。一般に、成分は別個に、または単位剤形中で互いに混合させるかのいずれかで、例えば、活性剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密封された密閉容器中の乾燥凍結乾燥粉末または無水濃縮物として供給される。組成物が投与される場合、組成物は、必要に応じて再構成され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ヒトへの投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、齧歯類(例えば、マウス、ラット)、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)、サル、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳動物実験動物、哺乳動物農場動物、哺乳動物スポーツ動物、及び哺乳動物ペットへの投与に好適である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単回使用密封バイアルなどの単回使用バイアルに収容される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、多回使用バイアルに収容される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、容器内にバルクで収容される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は凍結保存される。
【0159】
「単位剤形」という用語は、個体への単一投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位が、好適な医薬担体、希釈剤、または賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすように算出された所定量の活性物質を含有する。これらの単位剤形は、単一または複数の単位投薬量で好適な包装内に保存され得、さらに滅菌及び密封されてもよい。
【0160】
本出願は、本明細書に記載される組成物(医薬組成物など)を好適な包装内に含む製品をさらに提供する。本明細書に記載の組成物(医薬組成物など)に好適な包装は、当該技術分野で既知であり、例えば、バイアル(例えば、密封バイアル)、鼻スプレーまたは点鼻ボトル、容器、アンプル、ボトル、瓶、柔軟性包装(例えば、密封されたマイラーまたはビニール袋)などが挙げられる。これらの製品は、さらに滅菌及び/または密封されてよい。
【0161】
本出願は、本明細書に記載される組成物(医薬組成物など)を含むキットも提供し、本明細書に記載される使用などの、組成物を使用する方法に関する説明書(複数可)をさらに含んでよい。本明細書に記載のキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、スプレーボトル、ネブライザ、吸入器デバイス、針、シリンジ、及び本明細書に記載の任意の方法を実施するための説明書を含む添付文書を含む、商業及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0162】
V.ワクチン接種する方法
本出願の一態様は、個体(ヒトなど)におけるウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2感染、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス)を防止(例えば、ワクチン接種)または治療する方法であって、個体に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物またはその医薬組成物のうちのいずれかを投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、鼻腔内または皮内投与によって投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、初回用量、続いて1回以上(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上)のブースター用量で投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)を防止(例えば、ワクチン接種)するか、または治療するための方法は、個体において、異なるウイルスファミリーからの1つ以上の追加のウイルス種(例えば、多価免疫を提供する)及び/またはウイルスの1つ以上のウイルス株もしくはサブタイプ(例えば、ヘテロサブタイプ免疫を提供する)からの感染をさらに防止するか、または治療する。いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上のウイルス種(例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、及びHCVのうちの2つ以上)に対する多価免疫を誘導する。いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上のウイルスサブタイプ(例えば、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9から選択される2つ以上のIAVサブタイプ;IBVサブタイプYamagata及びVictoria;2つ以上のSARS-CoV-2株;2つ以上のHCV遺伝子型もしくはサブタイプ;または2つ以上のRSV株)に対するヘテロサブタイプ免疫を誘導する。いくつかの実施形態では、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)を防止(例えば、ワクチン接種)するか、または治療するための方法は、当該ウイルス感染に対する個体の免疫を強化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)を防止(例えば、ワクチン接種)するか、または治療するための方法は、当該ウイルス感染のバリアント(例えば、SARS-CoV2のバリアント株、IAVのサブタイプもしくはバリアント、IBVのサブタイプもしくはバリアント、RSVのサブタイプもしくはバリアント、及び/またはHCVのサブタイプもしくはバリアント)によって、感染に罹患するリスクを低減することをさらに含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種する方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に対して個体を予防的に免疫する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種する方法は、個体がウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に罹患することを防止する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体をワクチン接種する方法は、ワクチン接種された個体からワクチン接種されていない個体へのウイルス伝播を防止する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種するか、または治療する方法は、個体におけるウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)の重症度を低減する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種する方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に対する個体における免疫を強化する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種する方法は、個体がウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に罹患するリスクを低減する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種するか、または治療する方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)を有する個体を治療する方法をさらに含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種するか、または治療方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に対する個体における免疫応答を誘発する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体にワクチン接種するか、または治療方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に対する個体のT細胞応答を増強する方法を含む。いくつかの実施形態では、個体において免疫応答を誘発する、例えば、T細胞応答を増強する方法は、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、または呼吸器合胞体ウイルスからの感染)に対してCD4+T細胞を活性化する方法をさらに含む。いくつかの実施形態では、個体をワクチン接種するか、または治療する方法は、本明細書に記載のナノ複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、ワクチンが、同じファミリー内の異なるウイルス種、または異なるファミリーに対する多価保護を提供する。いくつかの実施形態では、個体をワクチン接種するか、または治療する方法は、本明細書に記載のナノ複合体を含むワクチン組成物を投与することを含み、ワクチンが、同じファミリー内の異なるウイルス種に対するか、または異なるウイルス株、サブタイプ、もしくは亜種に対する、ヘテロサブタイプの保護をさらに提供する。いくつかの実施形態では、個体は、哺乳動物、例えば、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類である。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、ウイルス感染に罹患するリスクがあるか、またはウイルス感染に罹患している。いくつかの実施形態では、個体は、ウイルス感染の罹患の際に死亡のリスクが高い。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、任意の年齢である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、65歳以上、例えば、65、70、75、80、85、86、87、88、89、90歳以上のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、18歳以下、例えば、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2歳以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、6か月齢以下、例えば、6、5、4、3、2、1か月齢、または新生児のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、健康である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、心臓、肺、脳、または免疫系の機能を低減させる医学的状態、既往症、または状態を有する。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、免疫不全状態である。いくつかの実施形態では、個体は、獲得免疫系不全及び/または自然免疫系不全を有する。いくつかの実施形態では、個体は、弱い免疫系を有する。いくつかの実施形態では、個体は、弱い獲得免疫系及び/または弱い自然免疫系を有する。いくつかの実施形態では、個体は、1コース以上の免疫抑制剤を投与される。いくつかの実施形態では、個体は、1コース以上の免疫抑制剤を投与されたことがある。
【0164】
ウイルス感染の症状は、ウイルス、及び個体における感染した組織または臓器に基づいて異なって提示され得る。多くの場合、いくつかの症状、例えば、疲労感、倦怠感、頭痛、またはより重篤な症例では、敗血症、臓器不全、炎症性サイトカインレベル上昇、及び場合によっては死亡が重複する。さらなる例は、以下に提供される。
【0165】
いくつかの実施形態では、サルベコウイルス感染、例えば、SARS-CoV-2感染の症状としては、発熱、咳、喉の痛み、鼻詰まり、倦怠感、頭痛、筋肉痛、息切れ、軽度の肺炎、重度の肺炎、急性肺炎、敗血症、敗血症性ショック、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つが挙げられる。感染の徴候としては、精神状態の変化、呼吸困難または多呼吸、低酸素飽和度、尿量の低減、速い心拍数、弱い脈拍、冷たい四肢もしくは低血圧、皮膚斑点、または凝固障害、血小板減少症、アシドーシス、高乳酸塩症、または高ビリルビン血症の検査による証拠が挙げられる。いくつかの実施形態では、サルベコウイルス感染、例えば、SARS-CoV-2感染は、感染した個体における炎症性サイトカインのレベルを顕著に上昇させる。いくつかの実施形態では、炎症性サイトカインのレベルの上昇、すなわちサイトカインストームは、過剰な、制御されていない全身性炎症を引き起こす。場合によっては、サルベコウイルスに感染した個体において、制御されていない全身性炎症は、肺炎、呼吸不全、ショック、臓器不全、二次細菌性肺炎、及び潜在的な死亡をもたらす。
【0166】
いくつかの実施形態では、インフルエンザ感染、例えば、H3N2の症状としては、発熱、悪寒、咳、喉の痛み、鼻詰まり、倦怠感、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢、息切れ、軽度の肺炎、重度の肺炎、急性肺炎、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つが挙げられる。インフルエンザウイルスに感染した個体における重度のインフルエンザ感染の徴候としては、肺炎、心筋炎、脳炎、筋炎、横紋筋溶解症、多臓器不全、極度の炎症応答、敗血症、二次細菌性肺炎、及び潜在的な死亡が挙げられる。
【0167】
いくつかの実施形態では、肝炎ウイルス、例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)の症状としては、黄疸、疲労感、うつ、腹痛、腹水、粘土色もしくは青白い便、色の濃い尿、発熱、かゆみ、食欲不振、吐き気、嘔吐、肝硬変、肝臓癌、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つが挙げられる。場合によっては、肝炎ウイルスを有する個体は、症状がないかまたは軽度の症状を提示する。場合によっては、肝炎ウイルスを有する個体は、肝炎誘導性肝硬変または肝臓癌を発症した後に症状を発症する。
【0168】
いくつかの実施形態では、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)の症状としては、鼻詰まり、食欲減退、脱水、咳、くしゃみ、発熱、息切れもしくは喘鳴、呼吸困難、過敏性、活動低下、倦怠感、疲労感、疼痛、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つが挙げられる。呼吸器合胞体ウイルスに感染した個体におけるより重篤な場合では、RSV症状としては、気管支炎及び/または肺炎、ならびに潜在的な死亡をさらに挙げることができる。リスクが最も高い個体としては、高齢者(例えば、65歳以上)及び6か月齢未満の乳児が挙げられる。
【0169】
いくつかの実施形態では、個体におけるウイルス感染の重症度は、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療の後に低減され、例えば、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療を受けなかった個体における同じウイルス感染の重症度と比較して、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上低減される。いくつかの実施形態では、個体における免疫応答は、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療の後に誘発される。いくつかの実施形態では、誘発された免疫応答は、個体におけるT細胞活性化などのT細胞応答を含む。いくつかの実施形態では、個体におけるT細胞応答の増強は、CD4+T細胞を活性化する方法をさらに含む。いくつかの実施形態では、個体におけるウイルス感染の進行は、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療によって遅延される。いくつかの実施形態では、個体におけるウイルス感染によって引き起こされる死亡は、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療によって防止される。いくつかの実施形態では、ウイルス感染するか、または既に感染している、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つでワクチン接種されたかまたは治療された個体は、ワクチン接種されていない個体にウイルス感染を伝播することを防止する。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つによるワクチン接種または治療は、2つ以上(more than one)のウイルスサブバリアントまたはサブタイプに対する、例えば、2つ以上(two or more)のウイルスサブバリアントまたはサブタイプに対するヘテロサブタイプ免疫を誘導し得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは、IAVであり、2つ以上のサブバリアントまたはサブタイプは、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ウイルスは、IBVであり、2つ以上のサブバリアントまたはサブタイプは、Yamagata及びVictoriaである。いくつかの実施形態では、ウイルスは、SARS-CoV-2であり、2つ以上のサブバリアントまたはサブタイプは、B.1.1.7バリアント、B.1.351バリアント、B.1.526バリアント、B1.526.1バリアント、B1.617バリアント、B.1.617.1バリアント、B.1.617.2バリアント、B1.617.3バリアント、P.2バリアント、P.1(B.1.1.28.1としても知られる)バリアント、A.23.1バリアント、CAL.20Cバリアント、B.1.427バリアント、B.1.429バリアント、B.1.525バリアント、BA.2、BA.5バリアント、BA.2.75.2バリアント、BQ.1バリアント、BQ.1.1バリアント、XBBバリアント、及びP.1.351バリアントからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ウイルスは、HCVであり、2つ以上のサブバリアントまたはサブタイプは、HCV遺伝子型1~7のうちのいずれか、例えば、限定されないが、HCV遺伝子型1a、1b、1c、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h、2i、2j、2k、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3j、3k、4a、4b、4c、4d、5a、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6j、6k、及び7aのうちのいずれか1つ以上に由来する。いくつかの実施形態では、ウイルスは、RSVであり、2つ以上のサブバリアントまたはサブタイプは、RSV A及びRSV Bである。
【0171】
本明細書に記載の治療の効力は、例えば、ウイルス量を測定すること(例えば、ウイルスDNAの検出を介して)、個体の生存期間、生活の質、ウイルスタンパク質発現及び/または活性、コロナウイルスに対する血清学的抗体の検出、呼吸機能の評価、及び/またはコンピュータ断層撮影(CT)イメージングによって評価することができる。
【0172】
ワクチン組成物の有効性は、例えば、血清もしくは他の体液(限定されないが、気管支肺胞洗浄液など)中のウイルス(SARS-CoV-2、インフルエンザ、肝炎、または呼吸器合胞体ウイルスなど)のうちの1つ以上のタンパク質に対する中和抗体のレベルによって、またはウイルス(SARS-CoV-2、インフルエンザ、肝炎、または呼吸器合胞体ウイルスなど)のうちの1つ以上の株に対する血清もしくは他の体液の中和活性によって評価することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、本方法は、個体に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つを投与することを含み、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルス抗原に対する(例えば、SARS-CoV-2スパイクRBDに対する)血清中の中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、バリアント標的ウイルス抗原に対する血清中の中和抗体レベルの増加を示す。本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、約10%、20%、50%、75%、100%、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍以上のうちのいずれか1つだけ、中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、中和抗体レベルは、ワクチン組成物の投与の約1、7、14、21、30、45、60、90、120、180、240、360、480、または720日後のうちのいずれか1つに決定される。いくつかの実施形態では、本方法は、個体に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つを投与することを含み、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルス抗原(例えば、SARS-CoV-2スパイクRBD及びIAVタンパク質)に対する血清中の中和抗体レベルの増加、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上のうちのいずれかの増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルス抗原に対する血清中の中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物の投与は、同じウイルスの2つ以上のウイルスサブタイプ(例えば、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9から選択される2つ以上のIAVサブタイプ)に由来する2つ以上の標的ウイルス抗原に対する、対象におけるヘテロサブタイプ保護を誘導する。
【0174】
いくつかの実施形態では、本方法は、個体の粘膜に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つを投与することを含み、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスに対する粘膜免疫の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルスに対する粘膜免疫の増加、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、または1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、またはそれ以上のうちのいずれか増加を示す。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的ウイルスは、同じ属の一部、任意選択的に同じファミリーの一部である。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的ウイルスは、異なるファミリーの一部である。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、3つ以上の標的ウイルスに対する(例えば、H1N1、H1N5、H2N3、及びH7N9から選択されるIAVの3つ以上のサブタイプに対する)粘膜免疫の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与後に、肺常在性記憶B細胞の誘導を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与後に、濾胞性ヘルパーT細胞の誘導を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスに対する(例えば、SARS-CoV-2、RSV、またはインフルエンザに対する)気管支肺胞洗浄(BAL)液中の中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルスに対する(例えば、SARS-CoV-2及びIAVに対する)気管支肺胞洗浄(BAL)液中の中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、3つ以上の標的ウイルスに対する(例えば、H1N1、H1N5、H2N3、及びH7N9から選択されるIAVの3つ以上のサブタイプに対する)気管支肺胞洗浄(BAL)液中の中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、中和抗体は、IgAを含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、約10%、20%、50%、75%、100%、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍以上のうちのいずれか1つだけ、中和抗体レベルの増加を示す。いくつかの実施形態では、中和抗体レベルは、ワクチン組成物の投与の約1、7、14、21、30、45、60、90、120、180、240、360、480、または720日後のうちのいずれか1つに決定される。
【0175】
いくつかの実施形態では、本方法は、個体に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つを投与することを含み、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスに対する(例えば、SARS-CoV-2、インフルエンザ、RSV、またはHCVに対する)血清中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルス(例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、及び/またはHCVのうちの2つ以上)に対する血清中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、3つ以上の標的ウイルスに対する(例えば、H1N1、H1N5、H2N3、及びH7N9から選択されるIAVの3つ以上のサブタイプに対する)血清中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスのバリアントに対する血清中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、中和活性は、ウイルス株に対するフォーカス減少法による中和アッセイによって、定量的に決定される。本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、約10%、20%、50%、75%、100%、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍以上のうちのいずれか1つだけ、中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、中和活性は、ワクチン組成物の投与の約1、7、14、21、30、45、60、90、120、180、240、360、480、または720日後のうちのいずれか1つに決定される。
【0176】
いくつかの実施形態では、本方法は、個体の粘膜に、有効量の本明細書に記載のワクチン組成物のうちのいずれか1つを投与することを含み、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスに対する粘膜免疫の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、標的ウイルスに対する(例えば、SARS-CoV-2、RSV、またはインフルエンザに対する)気管支肺胞洗浄液(BAL)中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上の標的ウイルスに対する血清中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、2つ以上のウイルスサブタイプに対する粘膜免疫の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、2つ以上の標的ウイルスに対して(例えば、SARS-CoV-2及びIAVの両方に対して)、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、個体は、2つ以上のウイルスサブタイプに対する(例えば、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9から選択される2つ以上のIAVサブタイプに対する)気管支肺胞洗浄液(BAL)中の中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、中和活性は、真正な生ウイルスに対するフォーカス減少法による中和アッセイによって、定量的に決定される。本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ワクチン組成物の投与前と比較して、約10%、20%、50%、75%、100%、2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍以上のうちのいずれか1つだけ、中和活性の増加を示す。いくつかの実施形態では、中和活性は、ワクチン組成物の投与の約1、7、14、21、30、45、60、90、120、180、240、360、480、または720日後のうちのいずれか1つに決定される。
【0177】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物(医薬組成物など)は、1回投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物(医薬組成物など)は、例えば、約2週間~約1年の間隔で2回以上投与される。複数回用量のワクチン組成物を含む方法について、例示的な投薬頻度には、週ごと、休憩なしで週ごと、3週のうち2週の週ごと、4週のうち3週の週ごと、2週ごと、3週ごと、月ごと、6か月ごと、年ごとなどが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、約2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、6週ごとに1回、または8週ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物(医薬組成物など)は、約2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、または1年ごとの間隔のうちのいずれかで投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物(医薬組成物など)は、2回投与され、次の用量は、初回用量の14日後に投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物(医薬組成物など)は、3回投与され、次の用量は、それぞれ、前の用量の14日後に投与される。
【0178】
いくつかの実施形態では、方法は、以前ワクチン接種されたことがある個体(ヒトなど)をワクチン接種するかまたは治療するために使用される。本明細書に提供されるワクチン接種または治療の方法のうちのいずれかは、以前ワクチン接種されたことがない個体(ヒトなど)をワクチン接種するかまたは治療するために使用され得る。いくつかの実施形態では、方法は、個体(ヒトなど)を予防的に免疫化するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、ワクチン接種された個体(ヒトなど)からワクチン接種されていない個体へのウイルス伝播を防止するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、個体(ヒトなど)におけるウイルス感染を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、感染した個体(ヒトなど)における感染及び関連付けられる症状をさらに改善または低減する。いくつかの実施形態では、方法は、個体(ヒトなど)における免疫応答(B細胞、またはCD4+T細胞及び/またはCD8+T細胞を含むT細胞などのリンパ球;ならびに限定されないが、単球、マクロファージ、好中球、顆粒球、マスト細胞、樹状細胞、及び/または好酸球を含む骨髄細胞の活性化など)を誘発するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、予防ワクチンとして使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上の異なるウイルス種に対する(すなわち、異なるファミリー及び/または異なる属からのウイルス種、例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、及び/またはHCVのうちの2つ以上に対する)予防及び/または治療として使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上の異なるウイルス亜種に対する(すなわち、同じウイルス種または属の異なる株または亜種、例えば、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9から選択される2つ以上のIAVサブタイプに対する)予防及び/または治療として使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、3つ以上の異なるウイルス亜種に対する(すなわち、同じウイルス種または属の異なる株または亜種、例えば、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9から選択される2つ以上のIAVサブタイプに対する)予防及び/または治療として使用される。いくつかの実施形態では、方法は、個体(ヒトなど)におけるT細胞応答を増強するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、ウイルス感染及びその関連する症状を改善するか、または低減するための第1選択療法または第2選択療法として使用される。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、任意の年齢である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、65歳以上、例えば、65、70、75、80、85、86、87、88、89、90歳以上のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、18歳以下、例えば、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2歳以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、6か月齢以下、例えば、6、5、4、3、2、1か月齢、または新生児のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、健康である。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、心臓、肺、脳、または免疫系の機能を低減させる医学的状態、既往症、または状態を有する。いくつかの実施形態では、個体(ヒトなど)は、免疫不全状態である。
【0179】
本明細書に記載の方法またはワクチン組成物は、多様なウイルスに対するワクチン接種、及び/または多様なウイルスに関連付けられる疾患の治療に好適である。投与経路、投与される投薬量、及びウイルス感染が防止、改善、低減、治療、または治癒される程度は、標的ウイルス及び標的抗原に依存する。例えば、ウイルスエンベロープ、ウイルス膜、または関連タンパク質を含む標的抗原は、宿主細胞へのウイルス進入を防止するための有益な標的であり得る。ポリメラーゼまたはウイルス核酸を含む標的抗原は、ウイルスの複製を防止するために有益であり得る。本明細書に記載のワクチン組成物は、本明細書に記載のウイルス抗原のうちのいずれかなどの目的の抗原を標的とするように設計され得、本明細書に記載のワクチン組成物を投与する方法は、その改善された安全性プロファイルに起因して、標的ウイルス及び/または標的抗原に基づいて、現在の従来のワクチンと比較して、必要に応じて安全に改変され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン組成物は、2つ以上のウイルスファミリー、属、または種、例えば、SARS-CoV-2、IAV、IBV、RSV、及びHCVのうちの2つ以上を標的とするように設計され得、本明細書に記載のワクチン組成物を投与する方法は、現在の従来のワクチンと比較して、その改善された安全性プロファイルにより、標的ウイルス及び/または標的抗原に基づいて、必要に応じて安全に修飾され得る。
【0180】
例えば、いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、サルベコウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に対してワクチン接種するか、または治療し、標的抗原は、サルベコウイルスファミリーのうちのいずれかのウイルスに由来する抗原性または免疫原性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、SARS-CoV/SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、SC2r-CoV、SC2r-CoV GX-P5L、Bat CoV BtKY72、Bat CoV BM48-31、16BO133、JTMC15、Bat SARS CoV Rf1、BtCoV HKU3、LYRa11、Bat SARS-CoV/Rp3、Bat SL-CoV YNLF_31C、Bat SL-CoV YNLF_34C、SHC014-CoV、WIV1、WIV16、Civet SARS-CoV、(Bat)Rc-o319、Bat SL-ZXC21、Bat SL-ZC45、Pangolin SARSr-CoV-GX、Pangolin SARSr-CoV-GD、Rs7327、Rs4231、Rs4084、Rf4092、JL2012、273-2005、HeB2013、HuB2013、Rs4247、Longquan-140、HKU3-1、GX2013、Shaanxi2011、279-2005、As6526、Yunnan2011、Rs4237、Rs4081、Bat RshSTT182、Bat RshSTT200、(Bat)RacCS203、(Bat)RmYN02、(Bat)RpYN06、YN2013、(Bat)RaTG13、(Bat)BANAL-52、及び懸念されるバリアント(VOC)と組み合わさったSARS-CoV(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNature(2022)603:913-918を参照されたい)を含む、全てのサルベコウイルスに適用可能である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、上記のコロナウイルスのいずれかを含む、コロナウイルスファミリーの複数のウイルスに対するヘテロサブタイプ保護を誘導する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、コロナウイルス、及び別のファミリー、属、または種(例えば、IAV、IBV、RSV、またはHCV)からのウイルスに対してワクチン接種するか、または治療する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、サルベコウイルス及びインフルエンザウイルス(例えば、IAVまたはIBV)に対してワクチン接種するか、または治療する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、サルベコウイルス及び肝炎ウイルスに対してワクチン接種するか、または治療する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、サルベコウイルス及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV、例えば、RSV-AまたはRSV-B)に対してワクチン接種するか、または治療する。
【0181】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、インフルエンザウイルス(例えば、IAVまたはIBV)に対してワクチン接種するか、または治療し、標的抗原は、インフルエンザファミリーの任意のウイルスに由来する抗原性または免疫原性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法またはワクチン組成物は、任意のインフルエンザウイルス、例えば、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、またはインフルエンザDウイルス(すなわち、トゴトウイルス)のうちのいずれかに対するワクチン接種に好適である。例えば、本明細書に記載の方法は、H1N1、H1N2、H2N2、H2N3、H3N2、H5N1、H7N7、H7N9、B/Yamagata(例えば、分岐群Y1、Y2、Y3)、B/Victoria(例えば、亜分岐群V1A.1、V1A.2、V1A.3)、及びそれらのバリアントのうちのいずれかを含むが、これらに限定されない、全てのインフルエンザウイルスに適用可能である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、2つ以上のインフルエンザ株、例えば、インフルエンザAウイルス(IAV)、インフルエンザBウイルス(IBV)、インフルエンザCウイルス(ICV)、またはインフルエンザDウイルス(IDV)のうちのいずれかの2つ以上に対してワクチン接種するか、または治療する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、IAVの2つ以上のサブ株、例えば、H1N1、H1N2、H2N2、H2N3、H3N2、H5N1、H7N7、及び/またはH7N9のうちのいずれかの2つ以上に対してワクチン接種するか、または治療する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、IBVの2つ以上のサブ株、例えば、Yamagata及びVictoria、またはそれらのサブ株、例えば、YamagataサブクレードY1、Y2、及び/またはY3のうちの2つ以上、またはVictoriaサブクレードV1A.1、V1A.2、及び/またはV1A.3のうちの2つ以上に対してワクチン接種するか、または治療する。
【0182】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、肝炎ウイルス(例えば、HCV)に対してワクチン接種するか、または治療し、標的抗原は、任意の肝炎ウイルスに由来する抗原性または免疫原性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法またはワクチン組成物は、任意の肝炎ウイルス、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれかに対するワクチン接種に好適である。例えば、本明細書に記載の方法は、HCV遺伝子型1a、HCV遺伝子型1b、HCV遺伝子型2a、HCV遺伝子型2b、HCV遺伝子型2c、HCV遺伝子型3a、またはHCV遺伝子型3bを含む、全てのC型肝炎ウイルスに適用可能である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、肝炎ウイルスの任意の2つ以上の種、例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれかに対するワクチン接種に好適である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、任意の2つ以上のC型肝炎株、例えば、HCV遺伝子型1a、HCV遺伝子型1b、HCV遺伝子型2a、HCV遺伝子型2b、HCV遺伝子型2c、HCV遺伝子型3a、及び/またはHCV遺伝子型3bに対するヘテロサブタイプ保護を提供する。
【0183】
いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に対してワクチン接種するか、または治療し、標的抗原は、任意のRSV株、バリアント、または亜種に由来する抗原性または免疫原性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法またはワクチン組成物は、任意の呼吸器合胞体ウイルス、例えば、16種のRSV-Aまたは22種のRSV-Bサブタイプ(例えば、GA1、GA2、GA5、GA7、BAなど)のうちのいずれかに対するワクチン接種に好適である。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、呼吸器合胞体ウイルスの任意の2つ以上の株、バリアント、または亜種、例えば、16種のRSV-Aまたは22種のRSV-Bサブタイプ(例えば、GA1、GA2、GA5、GA7、BAなど)から選択される任意の2つ以上の株、バリアント、または亜種に対してワクチン接種する。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、呼吸器合胞体ウイルスの任意の2つ以上の株、バリアント、または亜種、例えば、16種のRSV-Aまたは22種のRSV-Bサブタイプ(例えば、GA1、GA2、GA5、GA7、BAなど)から選択される任意の2つ以上の株、バリアント、または亜種に対するヘテロサブタイプ保護を提供する。
【0184】
いくつかの実施形態では、第1のウイルス及び第2のウイルスのワクチン接種または治療に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、第1のウイルスに由来する標的抗原性または免疫原性ポリペプチド(すなわち、ウイルス抗原)、及び第2のウイルスに由来する核タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第1のウイルス及び第2のウイルスは、各々独立して、SARS-CoV-2、IAV、IBV、HCV、及びRSV、またはその株、バリアント、もしくは亜種からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2及びIAVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質及びIAVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2及びIBVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質及びIBVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2及びRSVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質及びRSVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2及びHCVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質及びHCVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IAV及びSARS-CoV-2に対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IAVに由来するウイルス核タンパク質及びSARS-CoV-2に由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IAV及びIBVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IAVに由来するウイルス核タンパク質及びIBVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IAV及びHCVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IAVに由来するウイルス核タンパク質及びHCVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IAV及びRSVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IAVに由来するウイルス核タンパク質及びRSVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IBV及びSARS-CoV-2に対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IBVに由来するウイルス核タンパク質及びSARS-CoV-2に由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IBV及びIAVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IBVに由来するウイルス核タンパク質及びIAVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IBV及びHCVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IBVに由来するウイルス核タンパク質及びHCVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、IBV及びRSVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、IBVに由来するウイルス核タンパク質及びRSVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、HCV及びSARS-CoV-2に対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、HCVに由来するウイルス核タンパク質及びSARS-CoV-2に由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、HCV及びIAVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、HCVに由来するウイルス核タンパク質及びIAVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、HCV及びIBVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、HCVに由来するウイルス核タンパク質及びIBVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、HCV及びRSVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、HCVに由来するウイルス核タンパク質及びRSVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、RSV及びSARS-CoV-2に対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、RSVに由来するウイルス核タンパク質及びSARS-CoV-2に由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、RSV及びIAVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、RSVに由来するウイルス核タンパク質及びIAVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、RSV及びIBVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、RSVに由来するウイルス核タンパク質及びIBVに由来するウイルス抗原を含む。いくつかの実施形態では、RSV及びHCVに対するワクチン接種に使用するためのワクチン組成物が提供され、ワクチン組成物は、RSVに由来するウイルス核タンパク質及びHCVに由来するウイルス抗原を含む。
【0185】
本明細書に記載の方法は、ワクチン接種、ウイルス伝播防止、または疾患を低減するための治療として使用され得、治療が、第1の療法、第2の療法、第3の療法として、またはアジュバント設定もしくはネオアジュバント設定で、コルチコステロイド、抗炎症シグナル伝達調節物質、β2-アドレナリン受容体アゴニスト気管支拡張剤、抗コリン作動薬、粘液溶解剤、抗ウイルス剤、抗線維化剤、高張性生理食塩水、抗体、ワクチン、及びそれらの混合物などからなる群から選択される治療剤などの、当該技術分野で既知の他の種類の抗ウイルス療法との併用療法として作用し得る。例えば、抗ウイルス剤は、レムデシビル、ロピナビル/リトナビル、IFN-α、ロピナビル、リトナビル、ペンシクロビル、ガリデシビル、ジスルフィラム、ダルナビル、コビシスタット、ASC09F、ジスルフィラム、ナファモスタット、グリフィスシン、アリスポリビル、クロロキン、ニタゾキサニド、バロキサビルマルボキシル、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、アマンタジン、リマンタジン、ファビピラビル、ラニナミビル、リバリン、ウミフェノビル、及びそれらの任意の組み合わせからなる群からさらに選択することができる。一態様では、個体をウイルスに対してワクチン接種する方法であって、個体にナノ複合体を含むワクチン組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0186】
個体(ヒトなど)に投与されるワクチン組成物(またはその医薬組成物)の投与レジメンは、特定のワクチン組成物、投与の方法、及び治療されるウイルス感染の特定の種類及び段階によって変動し得る。いくつかの実施形態では、ワクチンの有効量は、毒性効果(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルを超える効果)を誘導するレベルを下回るか、または組成物が個体に投与される場合に潜在的な副作用が制御もしくは許容され得るレベルにある。
【実施例0187】
以下の実施例は、例示の目的のためにのみ含まれ、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0188】
実施例1:様々な標的ウイルス感染に対するナノ複合体ワクチンの生成
ナノ複合体ワクチンは、i)アダプタ-抗原としても知られるウイルス抗原と融合した核タンパク質と、ii)ミニウイルスRNA(ミニvRNA)との2つの部分で構成される。ミニvRNAは、アダプタ-抗原の複数のコピーの付着を可能にするための足場として作用する。核タンパク質は、vRNAに対して高い親和性を有し、ナノ複合体ワクチンにおけるアダプタとして機能する。ワクチンの効力は、免疫原性複合体のサイズを増加させる、複合体の形成、及び自然免疫を活性化する、RNAアジュバントの存在の両方によって顕著に改善される。したがって、対応する抗原をアダプタタンパク質に融合させることによるナノ複合体技術は、任意のワクチンに適用することができ、ワクチン開発のための汎用的な選択肢となる。
【0189】
図1A~1D、
図2、及び
図10に示されるように、合計11個の例示的なナノ複合体ワクチンを、SARS-CoV-2コロナウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、及びC型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染に対してワクチン接種するように設計した。各種類のナノ複合体ワクチンは、それぞれの病原体の様々な株またはサブタイプに由来する抗原を含有していた。
【0190】
さらに、アダプタタンパク質及びウイルス抗原が異なるウイルスに由来する二価のナノ複合体ワクチンを生成することができる。例示的な二価ナノ複合体ワクチン(BiNC)を
図7に提供する(BiNC-01~BiNC-04)。BiNC-01及びBiNC-02は、インフルエンザAウイルス(IAV)抗原と融合し、次いで、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場(SARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域のヌクレオチド位置1~266)と複合体化したSARS-CoV-2アダプタを含む。BiNC-03及びBiNC-04は、SARS-CoV-2抗原と融合し、次いで、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場またはIAV R326ミニvRNA足場(IAVゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域のヌクレオチド位置1~326)のいずれかと複合体化したIAVアダプタを含む。
【0191】
実施例2:ナノ複合体ワクチンは、標的ウイルス感染に対して保護する
例示的なSARS-CoV-2ナノ複合体ワクチン
SARS-CoV-2感染を標的とする例示的なナノ複合体ワクチンを、NC-CoV-01と呼んだ。アダプタ-抗原構成要素は、SARS-CoV-2スパイクRBD(抗原)に融合したSARS-CoV-2核タンパク質(アダプタ)を含み、ミニウイルスRNAは、SARS-CoV-2ゲノムの5’非翻訳領域(ヌクレオチド位置1~266、すなわち、「R266ミニvRNA足場」)に由来した。
【0192】
図3Aは、アダプタ-抗原の予測される構造を示し、その品質及び発現を、クマシーブルー染色によって確認した(
図3B)。
図3Cに示されるように、ミニvRNA、R266の二次及び三次構造を予測した(それぞれ、左パネル及び右パネル)。5’非翻訳領域は、ゲノム複製のために高度に構造化された足場へと折り畳まれた。インビトロで転写されたR266を、尿素-PAGEを使用して視覚化した(
図3D)。加えて、NC-CoV-01のナノ複合体は、ゲルシフトアッセイ及び蛍光偏光性アッセイによって確認し、これらの両方は、ミニvRNA足場とのアダプタ-抗原の複合体形成を実証した(
図3E及び3F)。
【0193】
NC-CoV-01は、マウスインビボアッセイによって実証されるように、粘膜性及び全身性免疫を誘発した。様々な外因性アジュバントによって引き起こされる刺激性応答に起因して、ミョウバンなどの従来のアジュバントは、ヒト気道における粘膜ワクチン接種での使用には不適切であった。しかしながら、ナノ複合体ワクチン、例えば、NC-CoV-1は、免疫刺激するミニvRNA(この場合、R266)をアダプタ-抗原融合ペプチドの複数のコピーで包むことによって、この副作用を防止するように設計した。したがって、ナノ複合体は、抗原提示細胞(APC)によって食作用を受けることが予想され、ナノ複合体内のR266は、次いで、APCを直接活性化するであろう。
【0194】
マウス鼻腔内免疫化モデル(
図4A)を介して示されるように、肺気管支肺胞液(BALF)中のIgA及びIgGの両方の誘導は、強い粘膜免疫応答を実証した(
図4B及び
図4C)が、血清試料中のスパイクRBD特異的IgGの強力な誘導は、堅牢な全身性獲得免疫応答を示した(
図4D)。ミニRNA(20ヌクレオチド長であったR20)を陰性対照として含めて、複合体形成及びサイズの重要性を評価した。アダプタ-抗原及びR20の混合物で免疫化したマウスは、抗体応答を誘発したが、R266ミニvRNA足場を含むNC-CoV-01ナノ複合体ワクチンと比較すると、少ない。
【0195】
さらに、自然免疫応答の活性化は、主にトール様受容体及び/またはRIG-I様受容体によって媒介されるウイルスRNAの感知を通じて生じる。ウイルスRNAは、転写に由来する小さなRNA、大きなウイルスゲノムに由来する長く複雑なRNA、または複製中に誘導される長いゲノムRNAであり得る。鼻腔内免疫化マウスモデル(
図5A)を使用して示されるように、NP-RBD+R20及びNP-RBD+R266の両方のワクチン接種は、インターフェロン-β(IFN-β)産生(
図5B)、インターフェロン刺激遺伝子(IFITM3、
図5C;及びRIG-I、
図5D)、ケモカイン(CXCL10、
図5F;及びCCL5、
図5G)、ならびに炎症促進性サイトカイン(IL-6、
図5E;IL-1β、
図5H;及びTNFα、
図5I)を活性化した。RNA足場を含まないNP-RBDを、対照として機能させた。
【0196】
NC-CoV-01ナノ複合体ワクチン効力を、マウス鼻腔内感染モデルで評価した(
図6A)。BALB/cマウスの群を、3用量のNP-RBD+R266(NC-CoV-01)で模擬免疫化または鼻腔内免疫化した。第3の用量を投与した7日後に、鼻腔内接種を介して、マウスをSARS-CoV-2ベータ(B.1.351)ウイルスに致死的に感染させた。感染後2日目に、肺及び鼻甲介を採取した。肺(
図6B)及び鼻甲介(
図6C)におけるウイルス力価の不在によって証明されるように、SARS-CoV-2ウイルス感染に罹患することからマウスを完全に保護したことが見出された。加えて、核タンパク質染色の不在は、ワクチン接種されたマウスの肺におけるウイルス複製の不在を示した(
図6D)。
【0197】
例示的なA型インフルエンザウイルスナノ複合体ワクチン
インフルエンザA感染を標的とする2つの例示的なナノ複合体ワクチンは、NC-IAV-01(H1N1を標的とする)及びNC-IAV-02(H5N1を標的とする)と呼ばれた。例示的な構造については、
図10を参照されたい。NC-IAV-01では、アダプタ-抗原構成要素は、IAV H1N1 pdm09ヘマグルチニン(HA)タンパク質(抗原)に融合したIAV H5N1/1194核タンパク質(アダプタ)を含み、ミニウイルスRNAは、IAVゲノムの5’非翻訳領域(ヌクレオチド位置1~326、すなわち、「R326ミニvRNA足場」)に由来した。NC-IAV-02では、アダプタ-抗原構成要素は、IAV H5N1/1194ヘマグルチニン(HA)タンパク質(抗原)に融合したIAV H5N1/1194核タンパク質(アダプタ)を含み、ミニウイルスRNAは、R326ミニvRNA足場であった。
【0198】
H1N1標的ナノ複合体ワクチン
図11Aは、NC-IAV-01の一部であるIAVアダプタ-抗原タンパク質の予測されるリボン構造を示す。
図11Bは、以下の2回分の用量によるBALB/cマウスの免疫化プロトコルを概略する概略図を提供し、(i)IAVアダプタ-抗原タンパク質単独(NP-H1N1-HA、陰性対照)、または(ii)R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-01;各々は、14日間隔で2回鼻腔内に投与される(n=1群当たり3匹のマウス)。
【0199】
NC-IAV-01は、マウスインビボアッセイによって実証されるように、粘膜性及び全身性免疫を誘発した。マウス鼻腔内免疫化モデル(
図11B)を介して示されるように、肺気管支肺胞液(BALF)中のIgA及びIgGの両方の誘導は、強い粘膜免疫応答を実証し(
図12B及び
図12C)、血清試料中のH1N1 HA特異的IgGの強力な誘導は、堅牢な全身性獲得免疫応答を示した(
図12A)。NP-H1N1-HA単独で免疫化したマウスは、抗体応答を誘発したが、この応答は、R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-01ナノ複合体ワクチンによって引き起こされる抗体応答よりも著しく低かった。さらに、ワクチン接種後のH1N1-HA中和抗体の力価は、NP-H1N1-HA単独と比較して、R326ミニvRNA足場を含む鼻腔内NC-IAV-01ナノ複合体ワクチンを投与したマウスの血清において著しく高く(
図13A)、H1N1 HA阻害の増加を示している。生H1N1の免疫中和を、フォーカス減少法による中和試験(Focus Reduction Neutralization Test)によって評価し、ワクチン接種されたマウスから採取された血清試料を生ウイルスと混合した。
図13Bに示すように、FRNT50力価は、入力ウイルス(すなわち、H1N1)の50%を中和する血清の逆数希釈を表す。
図13Bに示されるように、R326ミニvRNA足場を含む鼻腔内NC-IAV-01ナノ複合体ワクチンを投与されたマウスから採取された血清は、鼻腔内NP-H1N1-HA単独を投与されたマウスから採取された血清と比較して、著しく高い中和を示し、血清中のより高いレベルの機能的HA中和抗体を示した。
【0200】
NC-IAV-01ナノ複合体ワクチン効力を、マウス鼻腔内感染モデルにおいて評価した(
図14A)。BALB/cマウス群を、(i)PBS、(ii)NP-H1N1-HA単独、または(iii)NP-H1N1-HA + R326(R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-01ナノ複合体ワクチン)の2回分の用量(14日間隔)で鼻腔内免疫化した。第2の用量が投与された後の14日目に、マウスを次いで、鼻腔内接種を介してインフルエンザAウイルスサブタイプH1N1/pdm09に感染させた。体重を感染後14日間追跡し、NP-H1N1-HA+R326で免疫化したマウスは、経時的に体重の変化を示さなかったが、PBSまたはNP-H1N1-HA単独を投与されたマウスは、同様に徐々に体重が減少した(
図14B)。さらに、NP-H1N1-HA+R326で免疫化したマウスは、PBSまたはNP-H1N1-HA単独を投与されたマウスと比較して、より高い生存率を示した(
図14C)。
【0201】
H5N1標的ナノ複合体ワクチン
図15Aは、NC-IAV-02の一部であるIAVアダプタ-抗原タンパク質の予測されるリボン構造を示す。
図15Bは、以下の2回分の用量によるBALB/cマウスの免疫化プロトコルを概略する概略図を提供し、(i)IAVアダプタ-抗原タンパク質単独(NP-H5N1-HA、陰性対照)、または(ii)R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-02;各々は、14日間隔で2回鼻腔内に投与される(n=1群当たり3匹のマウス)。
【0202】
NC-IAV-02は、マウスインビボアッセイによって実証されるように、粘膜性及び全身性免疫を誘発した。マウス鼻腔内免疫化モデル(
図15B)を介して示されるように、肺気管支肺胞液(BALF)中のIgA及びIgGの両方の誘導は、強い粘膜免疫応答を実証した(
図16B及び
図16C)が、血清試料中のH5N1 HA特異的IgGの強力な誘導は、堅牢な全身性獲得免疫応答を示した(
図16A)。NP-H5N1-HA単独で免疫化したマウスは、抗体応答を誘発したが、この応答は、R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンによって引き起こされる抗体応答よりも著しく低かった。
【0203】
さらに、NC-IAV-02ナノ複合体ワクチン効力を、マウス鼻腔内感染モデルにおいて評価した(
図17A)。BALB/cマウス群を、(i)PBS、(ii)NP-H5N1-HA単独、または(iii)NP-H5N1-HA + R326(R326ミニvRNA足場を含むNC-IAV-02ナノ複合体ワクチン)の2回分の用量(14日間隔)で鼻腔内免疫化した。第2の用量が投与された後の14日目に、マウスを次いで、鼻腔内接種を介してインフルエンザAウイルスサブタイプH5N1/1194に感染させた。体重を感染後14日間追跡し、NP-H5N1-HA+R326で免疫化したマウスは、経時的に体重の変化を示さなかったが、PBSまたはNP-H5N1-HA単独で投与されたマウスは、同様に徐々に体重が減少した(
図17B)。さらに、NP-H5N1-HA+R326で免疫化したマウスは、PBSまたはNP-H5N1-HA単独を投与されたマウスと比較して、より高い生存率を示した(
図17C)。
【0204】
総合すると、これらのデータは、本明細書で提供されるナノ複合体ワクチンが、インビボでの様々なウイルスの感染に対する保護に有効であるだけでなく、安全でもあることを実証する。
実施例3:インフルエンザウイルスA(IAV)ナノ複合体ワクチンは、異なるIAVサブタイプ免疫原に交差反応する
【0205】
BALB/cマウスを、例示的なNC-IAV-01もしくは例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチン、または陰性対照としてのPBSのいずれかで2回分の用量(14日間隔)で鼻腔内免疫化した。BALF細胞及び脾臓細胞を、第2のワクチン用量の投与の7日後に採取し、刺激のために異なるIAVサブタイプ(すなわち、H1N1、H5N1、N3N2、またはH7N9)からの元の免疫原またはヌクレオカプシドタンパク質を使用して、ELISpotによってアッセイした。試験ワークフローについては、
図18Aを参照されたい。同じ免疫原(それぞれH1N1またはH5N1)で刺激すると、NC-IAV-01(
図18B)及びNC-IAV-02(
図18C)の両方は、BALF及び脾臓において強い免疫応答を誘導した。驚くべきことに、H1N1、H5N1、N3N2、またはH7N9ヌクレオカプシドタンパク質で刺激すると、例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンは、試験された各サブタイプに対する免疫応答を刺激することが可能であった(
図18D)。
【0206】
次に、
図19Aに示されるように、ワクチン接種後の異なるIAVサブタイプに対して交差保護するNC-IAV-02の能力を試験した。BALB/cマウスを、例示的なNC-IAV-02ナノ複合体ワクチンまたは陰性対照としてのPBSで2回分の用量(14日間隔)で鼻腔内免疫化した。第2の用量が投与された後の14日目に、マウスを次いで、鼻腔内接種を介してIAVサブタイプH1N1/PR8またはIAVサブタイプH7N9/AH1で感染させた。体重を感染後14日間追跡し、NP-H5N1-HA+R326で免疫化したマウスは、PBSを投与されたマウスと比較して、著しく体重減少が少ない(H1N1/PR8接種:
図19B、及びH7N9/AH1接種:
図19D)。さらに、NP-H5N1-HA+R326で免疫化したマウスは、PBSを投与されたマウスと比較して、より高い生存率を示した(H1N1/PR8接種:
図19C、及びH7N9/AH1接種:
図19E)。
【0207】
したがって、これらのデータは、IAVナノ複合体ワクチン、例えば、NC-IAV-02が、IAVウイルス感染、IAVの他のサブタイプに対してさえからもマウスを保護することができることを実証し、本明細書に記載のナノ複合体ワクチンが、ヘテロサブタイプウイルスに対して効果的に保護することが可能であることを示す。
【0208】
実施例4:二価ナノ複合体ワクチンは、標的ウイルス感染に対して保護する
上記の実施例1に記載されるように、アダプタタンパク質及びウイルス抗原が異なるウイルスに由来する二価ナノ複合体ワクチンを生成することができる。例示的な二価ナノ複合体ワクチン(BiNC)を
図7に提供する(BiNC-01~BiNC-04)。BiNC-01及びBiNC-02は、インフルエンザAウイルス(IAV)抗原と融合し、次いで、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場と複合体化したSARS-CoV-2アダプタを含む。BiNC-03及びBiNC-04は、SARS-CoV-2抗原と融合し、次いで、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場またはIAV R326ミニvRNA足場のいずれかと複合体化するIAVアダプタを含む。
【0209】
BiNC-01は、マウスインビボアッセイによって実証されるように、H1N1に対する粘膜性及び全身性免疫を誘発した。2回分の用量の(14日間隔)免疫化による上述のマウス鼻腔内免疫化モデルに続いて(例えば、NC-CoV-01、NC-IAV-01、またはNC-IAV-02によるワクチン接種のため)、肺気管支肺胞液(BALF)中のIgA及びIgGの両方の誘導は、強い粘膜免疫応答を示し(
図8B及び8C)、血清試料中のH1N1 HA特異的IgGの強力な誘導は、堅牢な全身性適応免疫応答を示した(
図8A)。CoV-NP/H1N1-HA単独で免疫化したマウスは、抗体応答を誘発したが、この応答は、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場を含むBiNC-01ナノ複合体ワクチンによって引き起こされる抗体応答よりも著しく低かった。
【0210】
BiNC-02は、マウスインビボアッセイによって実証されるように、H5N1に対する粘膜性及び全身性免疫を誘発した。2回分の用量の(14日間隔)免疫化による上述のマウス鼻腔内免疫化モデルに続いて(例えば、NC-CoV-01、NC-IAV-01、またはNC-IAV-02によるワクチン接種のため)、肺気管支肺胞液(BALF)中のIgA及びIgGの両方の誘導は、強い粘膜免疫応答を示し(
図9B及び9C)、血清試料中のH5N1 HA特異的IgGの強力な誘導は、堅牢な全身性適応免疫応答を示した(
図9A)。CoV-NP/H5N1-HA単独で免疫化したマウスは、抗体応答を誘発したが、この応答は、SARS-CoV-2 R266ミニvRNA足場を含むBiNC-02ナノ複合体ワクチンによって引き起こされる抗体応答よりも著しく低かった。
【0211】
総合すると、これらのデータは、ナノ複合体ワクチン、例えば、NC-CoV-01、NC-IAV-01、NC-IAV-02、BiNC-01、及びBiNC-02が、複数のウイルスサブタイプに対するヘテロサブタイプ保護を提供すること、ならびに複数のウイルスファミリー(すなわち、SARS-CoV-2及びIAV)に対する多価保護を提供することを含む、堅牢な免疫応答を促進することによって、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV-2感染、インフルエンザA感染)を完全に保護したことを実証する。さらに、ナノ複合体ワクチンは、インビボでの使用について安全であることが実証された。
【0212】
配列表
配列番号1(NC-CoV-01:アダプタ+抗原:SARS2 NP+SARS2スパイクRBD祖先株;祖先株スパイクの参照配列(EPI_ISL_434571))
【化1】
配列番号2(NC-CoV-02:アダプタ+抗原:SARS2 NP-SARS2スパイクRBDオミクロンBA.5;オミクロンBA.5スパイクの参照配列(EPI_ISL_13777658-hCoV-19/Hong Kong/HKU-220712-005/2022))
【化2】
配列番号3(NC-IAV-01:アダプタ+抗原:IAV NP-IAV H1N1 pdm09 HAヘッド;H1N1 pdm09 HAの参照配列(GU931802.1-A/Hong Kong/415742Md/2009))
【化3】
配列番号4(NC-IAV-02:アダプタ+抗原:IAV NP-IAV H5N1 1194 HAヘッド;H5N1 1194 HAの参照配列(EF541402.1-A/Vietnam/1194/2004))
【化4】
配列番号5(NC-IAV-03:アダプタ+抗原:IAV NP + IAV H3N2 4801 HAヘッド;H3N2 4801 HAの参照配列(EPI675797-A/Hong Kong/4801/2014))
【化5】
配列番号6(NC-IBV-01:アダプタ+抗原:IAV NP-IBV Yamagata HAヘッド;IBV Yamagata HAの参照配列(EPI529345-B/PHUKET/3073/2013))
【化6】
配列番号7(NC-IBV-02:アダプタ+抗原:IAV NP-IBV Victoria HAヘッド;IBV Victoria HAの参照配列(EPI1845793-B/Austria/1359417/2021))
【化7】
配列番号8(NC-RSV-01:アダプタ+抗原:SARS2 NP-RSVサブタイプA F;RSVサブタイプA Fの参照配列(EPI_ISL_412866-hRSV/A/England/397/2017))
【化8】
配列番号9(NC-RSV-02:アダプタ+抗原:SARS2 NP-RSV サブタイプB F;RSVサブタイプB Fの参照配列(EPI_ISL_1653999-hRSV/B/Australia/VIC-RCH056/2019))
【化9】
配列番号10(NC-HCV-01:アダプタ+抗原:SARS2 NP-HCV遺伝子型1a E2;遺伝子型1a E2の参照配列(NC_038882.1;単離株H77))
【化10】
配列番号11(NC-HCV-02:アダプタ+抗原:SARS2 NP-HCV遺伝子型2a E2;遺伝子型2a E2の参照配列(NC_009823.1;単離株HC-J6))
【化11】
配列番号12(SARS2ウイルス核タンパク質アミノ酸配列)
SDNGPQNQRNAPRITFGGPSDSTGSNQNGERSGARSKQRRPQGLPNNTASWFTALTQHGKEDLKFPRGQGVPINTNSSPDDQIGYYRRATRRIRGGDGKMKDLSPRWYFYYLGTGPEAGLPYGANKDGIIWVATEGALNTPKDHIGTRNPANNAAIVLQLPQGTTLPKGFYAEGSRGGSQASSRSSSRSRNSSRNSTPGSSRGTSPARMAGNGGDAALALLLLDRLNQLESKMSGKGQQQQGQTVTKKSAAEASKKPRQKRTATKAYNVTQAFGRRGPEQTQGNFGDQELIRQGTDYKHWPQIAQFAPSASAFFGMSRIGMEVTPSGTWLTYTGAIKLDDKDPNFKDQVILLNKHIDAYKTFPPTEPKKDKKKKADETQALPQRQKKQQTVTLLPAADLDDFSKQLQQSMSSADSTQA
配列番号13(IAVウイルス核タンパク質アミノ酸配列)
AAAGTAASYEQMETGGERQNATEIRASVGRMVSGIGRFYIQMCTELKLSDYEGRLIQNSITIERMVLSAFDERRNRYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRRDGKWVRELILYDKEEIRRIWRQANNGEDATAGLTHLMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAGAAVKGVGTMVMELIRMIKRGINDRNFWRGENGRRTRIAYERMCNILKGKFQTAAQRAMMDQVRESRNPGNAEIEDLIFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGLAVASGYDFEREGYSLVGIDPFRLLQNSQVFSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVSSFIRGTRVVPRGQLSTRGVQIASNENMEAMDSNTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQISVQPTFSVQRNLPFERATIMAAFTGNTEGRTSDMRTEIIRMMESARPEDVSFQGRGVFELSDEKATNPIVPSFDMNNEGSYFFGDNAEEYDS
配列番号14(NC-CoV-01及びBiNC-03抗原アミノ酸配列:SARS2スパイクRBD祖先株;祖先株スパイクの参照配列(EPI_ISL_434571))
FTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNF
配列番号15(NC-CoV-02及びBiNC-04抗原アミノ酸配列:SARS2スパイクRBDオミクロンBA.5;オミクロンBA.5スパイクの参照配列(EPI_ISL_13777658-hCoV-19/Hong Kong/HKU-220712-005/2022))
FTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFDEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNFAPFFAFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGNEVSQIAPGQTGNIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNKLDSKVGGNYNYRYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGNKPCNGVAGVNCYFPLRSYGFRPTYGVGHQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNF
配列番号16(NC-IAV-01抗原アミノ酸配列:IAV H1N1 pdm09 HAヘッド;H1N1 pdm09 HAの参照配列(GU931802.1-A/Hong Kong/415742Md/2009))
LCKLRGVAPLHLGKCNIAGWILGNPECESLSTASSWSYIVETSSSDNGTCYPGDFIDYEELREQLSSVSSFERFEIFPKTSSWPNHDSNKGVTAACPHAGAKSFYKNLIWLVKKENSYPKLSKSYINDKGKEVLVLWGIHHPSTSADQQSLYQNADAYVFVGSSRYSKKFKPEIAIRPKVRGQEGRMNYYWTLVEPGDKITFEATGNLVVPRYAFAMERNAGSGIIISDTPVHDCN
配列番号17(BiNC-01抗原アミノ酸配列:IAV H1N1 pdm09 HAヘッド;H1N1 pdm09 HAの参照配列(GU931802.1-A/Hong Kong/415742Md/2009))
KLCKLRGVAPLHLGKFNIAGWILGNPECESLSTASSWSYIVETSSSDNGTCYPGDFIDYEELREQLSSVSSFERFEIFPKTSSWPNHDSNKGVTAACPHAGARSFYKNLIWLVKKENSYPKLSKSYINDKGKEVHVLWGIHHPSTSADQQSLYQNADAYVFVGSSRYSKKFKPEIAIRPKVRGQEGRMNYYWTLVEPGDRITFEATGNLVVPRYAFAMERNAGSGIIISDTPVHDCNT
配列番号18(NC-IAV-02及びBiNC-02抗原アミノ酸配列:IAV H5N1 1194 HAヘッド;H5N1 1194 HAの参照配列(EF541402.1-A/Vietnam/1194/2004))
KLCDLDGVKPLILRDCSVAGWLLGNPMCDEFINVPEWSYIVEKANPVNDLCYPGDFNDYEELKHLLSRINHFEKIQIIPKSSWSSHEASLGVSSACPYQGKSSFFRNVVWLIKKNSTYPTIKRSYNNTNQEDLLVLWGIHHPNDAAEQTKLYQNPTTYISVGTSTLNQRLVPRIATRSKVNGQSGRMEFFWTILKPNDAINFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSTIMKSELEYGNCNT
配列番号19(NC-IBV-01抗原アミノ酸配列:IBV Yamagata HAヘッド;IBV Yamagata HAの参照配列(EPI529345-B/PHUKET/3073/2013))
FANLKGTRTRGKLCPDCLNCTDLDVALGRPMCVGTTPSAKASILHEVRPVTSGCFPIMHDRTKIRQLPNLLRGYEKIRLSTQNVIDAEKAPGGPYRLGTSGSCPNATSKIGFFATMAWAVPKDNYKNATNPLTVEVPYICTEGEDQITVWGFHSDNKTQMKSLYGDSNPQKFTSSANGVTTHYVSQIGDFPDQTEDGGLPQSGRIVVDYMMQKPGKTGTIVYQRGVLLPQKVWCASGRSKVIKGSLPLIGEADCL
配列番号20(NC-IBV-02抗原アミノ酸配列:IBV Victoria HAヘッド;IBV Victoria HAの参照配列(EPI1845793-B/Austria/1359417/2021))
FANLKGTETRGKLCPKCLNCTDLDVALGRPKCTGKIPSARVSILHEVRPVTSGCFPIMHDRTKIRQLPNLLRGYEHVRLSTHNVINTEDAPGGPYEIGTSGSCLNITNGKGFFATMAWAVPKNKTATNPLTIEVPYICTEEEDQITVWGFHSDDETQMARLYGDSKPQKFTSSANGVTTHYVSQIGGFPNQTEDGGLPQSGRIVVDYMVQKSGKTGTITYQRGILLPQKVWCASGKSKVIKGSLPLIGEADCL
配列番号21(NC-RSV-01抗原アミノ酸配列:RSVサブタイプA F;RSVサブタイプA Fの参照配列(EPI_ISL_412866-hRSV/A/England/397/2017))
QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPAANSRARQQQQRFLGFLLGVGSAIASGIAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSSNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNIDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLHNVNAGKSTTN
配列番号22(NC-RSV-02抗原アミノ酸配列:RSVサブタイプB F;RSVサブタイプB Fの参照配列(EPI_ISL_1653999-hRSV/B/Australia/VIC-RCH056/2019))
QNITEEFYQSTCSAVSRGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKETKCNGTDTKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQNTPAVNNRARQQQQRFLGFLLGVGSAIASGIAVSKVLHLEGEVNKIKNALQLTNKAVVSLSNGVSVLTSRVLDLKNYINNQLLPMVNRQSCRISNIETVIEFQQKNSRLLEITREFSVNAGVTTPLSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSSNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPIYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNIKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQADTCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVSLCNTDIFNSKYDCKIMTSKTDISSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKLEGKNLYVKGEPIINYYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRRSDELLHNVNTGKSTTN
配列番号23(NC-HCV-01抗原アミノ酸配列:HCV遺伝子型1a E2;遺伝子型1a E2の参照配列(NC_038882.1;単離株H77))
ETHVTGGNAGRTTAGLVGLLTPGAKQNIQLINTNGSWHINSTALNCNESLNTGWLAGLFYQHKFNSSGCPERLASCRRLTDFAQGWGPISYANGSGLDERPYCWHYPPRPCGIVPAKSVCGPVYCFTPSPVVVGTTDRSGAPTYSWGANDTDVFVLNNTRPPLGNWFGCTWMNSTGFTKVCGAPPCVIGGVGNNTLLCPTDCFRKHPEATYSRCGSGPWITPRCMVDYPYRLWHYPCTINYTIFKVRMYVGGVEHRLEAACNWTRGERCDLEDRDRSELSPLLLSTTQWQVLPCSFTTLPALSTGLIHLHQNIVDVQYLYGVGSSIASWAIKWEYVVLLFLLLADARVCSCLWMMLLISQAEA
配列番号24(NC-HCV-02抗原アミノ酸配列:HCV遺伝子型2a E2;遺伝子型2a E2の参照配列(NC_009823.1;単離株HC-J6))
GTTTVGGAVARSTNVIAGVFSHGPQQNIQLINTNGSWHINRTALNCNDSLNTGFLAALFYTNRFNSSGCPGRLSACRNIEAFRIGWGTLQYEDNVTNPEDMRPYCWHYPPKPCGVVPARSVCGPVYCFTPSPVVVGTTDRRGVPTYTWGENETDVFLLNSTRPPQGSWFGCTWMNSTGFTKTCGAPPCRTRADFNASTDLLCPTDCFRKHPDATYIKCGSGPWLTPKCLVHYPYRLWHYPCTVNFTIFKIRMYVGGVEHRLTAACNFTRGDRCDLEDRDRSQLSPLLHSTTEWAILPCTYSDLPALSTGLLHLHQNIVDVQYMYGLSPAITKYVVRWEWVVLLFLLLADARVCACLWMLILLGQAEA
配列番号25(SARS-CoV-2 DNA配列、参照配列)
ATTAAAGGTTTATACCTTCCCAGGTAACAAACCAACCAACTTTCGATCTCTTGTAGATCTGTTCTCTAAACGAACTTTAAAATCTGTGTGGCTGTCACTCGGCTGCATGCTTAGTGCACTCACGCAGTATAATTAATAACTAATTACTGTCGTTGACAGGACACGAGTAACTCGTCTATCTTCTGCAGGCTGCTTACGGTTTCGTCCGTGTTGCAGCCGATCATCAGCACATCTAGGTTTCGTCCGGGTGTGACCGAAAGGTAAGATGGAGAGCCTTGTCCCTGGTTTCAACGAGAAAACACACGTCCAACTCAGTTTGCCTGTTTTACAGGTTCGCGACGTGCTCGTACGTGGCTTTGGAGACTCCGTGGAGGAGGTCTTATCAGAGGCACGTCAACATCTTAAAGATGGCACTTGTGGCTTAGTAGAAGTTGAAAAAGGCGTTTTGCCTCAACTTGAACAGCCCTATGTGTTCATCAAACGTTCGGATGCTCGAACTGCACCTCATGGTCATGTTATGGTTGAGCTGGTAGCAGAACTCGAAGGCATTCAGTACGGTCGTAGTGGTGAGACACTTGGTGTCCTTGTCCCTCATGTGGGCGAAATACCAGTGGCTTACCGCAAGGTTCTTCTTCGTAAGAACGGTAATAAAGGAGCTGGTGGCCATAGTTACGGCGCCGATCTAAAGTCATTTGACTTAGGCGACGAGCTTGGCACTGATCCTTATGAAGATTTTCAAGAAAACTGGAACACTAAACATAGCAGTGGTGTTACCCGTGAACTCATGCGTGAGCTTAACGGAGGGGCATACACTCGCTATGTCGATAACAACTTCTGTGGCCCTGATGGCTACCCTCTTGAGTGCATTAAAGACCTTCTAGCACGTGCTGGTAAAGCTTCATGCACTTTGTCCGAACAACTGGACTTTATTGACACTAAGAGGGGTGTATACTGCTGCCGTGAACATGAGCATGAAATTGCTTGGTACACGGAACGTTCTGAAAAGAGCTATGAATTGCAGACACCTTTTGAAATTAAATTGGCAAAGAAATTTGACACCTTCAATGGGGAATGTCCAAATTTTGTATTTCCCTTAAATTCCATAATCAAGACTATTCAACCAAGGGTTGAAAAGAAAAAGCTTGATGGCTTTATGGGTAGAATTCGATCTGTCTATCCAGTTGCGTCACCAAATGAATGCAACCAAATGTGCCTTTCAACTCTCATGAAGTGTGATCATTGTGGTGAAACTTCATGGCAGACGGGCGATTTTGTTAAAGCCACTTGCGAATTTTGTGGCACTGAGAATTTGACTAAAGAAGGTGCCACTACTTGTGGTTACTTACCCCAAAATGCTGTTGTTAAAATTTATTGTCCAGCATGTCACAATTCAGAAGTAGGACCTGAGCATAGTCTTGCCGAATACCATAATGAATCTGGCTTGAAAACCATTCTTCGTAAGGGTGGTCGCACTATTGCCTTTGGAGGCTGTGTGTTCTCTTATGTTGGTTGCCATAACAAGTGTGCCTATTGGGTTCCACGTGCTAGCGCTAACATAGGTTGTAACCATACAGGTGTTGTTGGAGAAGGTTCCGAAGGTCTTAATGACAACCTTCTTGAAATACTCCAAAAAGAGAAAGTCAACATCAATATTGTTGGTGACTTTAAACTTAATGAAGAGATCGCCATTATTTTGGCATCTTTTTCTGCTTCCACAAGTGCTTTTGTGGAAACTGTGAAAGGTTTGGATTATAAAGCATTCAAACAAATTGTTGAATCCTGTGGTAATTTTAAAGTTACAAAAGGAAAAGCTAAAAAAGGTGCCTGGAATATTGGTGAACAGAAATCAATACTGAGTCCTCTTTATGCATTTGCATCAGAGGCTGCTCGTGTTGTACGATCAATTTTCTCCCGCACTCTTGAAACTGCTCAAAATTCTGTGCGTGTTTTACAGAAGGCCGCTATAACAATACTAGATGGAATTTCACAGTATTCACTGAGACTCATTGATGCTATGATGTTCACATCTGATTTGGCTACTAACAATCTAGTTGTAATGGCCTACATTACAGGTGGTGTTGTTCAGTTGACTTCGCAGTGGCTAACTAACATCTTTGGCACTGTTTATGAAAAACTCAAACCCGTCCTTGATTGGCTTGAAGAGAAGTTTAAGGAAGGTGTAGAGTTTCTTAGAGACGGTTGGGAAATTGTTAAATTTATCTCAACCTGTGCTTGTGAAATTGTCGGTGGACAAATTGTCACCTGTGCAAAGGAAATTAAGGAGAGTGTTCAGACATTCTTTAAGCTTGTAAATAAATTTTTGGCTTTGTGTGCTGACTCTATCATTATTGGTGGAGCTAAACTTAAAGCCTTGAATTTAGGTGAAACATTTGTCACGCACTCAAAGGGATTGTACAGAAAGTGTGTTAAATCCAGAGAAGAAACTGGCCTACTCATGCCTCTAAAAGCCCCAAAAGAAATTATCTTCTTAGAGGGAGAAACACTTCCCACAGAAGTGTTAACAGAGGAAGTTGTCTTGAAAACTGGTGATTTACAACCATTAGAACAACCTACTAGTGAAGCTGTTGAAGCTCCATTGGTTGGTACACCAGTTTGTATTAACGGGCTTATGTTGCTCGAAATCAAAGACACAGAAAAGTACTGTGCCCTTGCACCTAATATGATGGTAACAAACAATACCTTCACACTCAAAGGCGGTGCACCAACAAAGGTTACTTTTGGTGATGACACTGTGATAGAAGTGCAAGGTTACAAGAGTGTGAATATCACTTTTGAACTTGATGAAAGGATTGATAAAGTACTTAATGAGAAGTGCTCTGCCTATACAGTTGAACTCGGTACAGAAGTAAATGAGTTCGCCTGTGTTGTGGCAGATGCTGTCATAAAAACTTTGCAACCAGTATCTGAATTACTTACACCACTGGGCATTGATTTAGATGAGTGGAGTATGGCTACATACTACTTATTTGATGAGTCTGGTGAGTTTAAATTGGCTTCACATATGTATTGTTCTTTCTACCCTCCAGATGAGGATGAAGAAGAAGGTGATTGTGAAGAAGAAGAGTTTGAGCCATCAACTCAATATGAGTATGGTACTGAAGATGATTACCAAGGTAAACCTTTGGAATTTGGTGCCACTTCTGCTGCTCTTCAACCTGAAGAAGAGCAAGAAGAAGATTGGTTAGATGATGATAGTCAACAAACTGTTGGTCAACAAGACGGCAGTGAGGACAATCAGACAACTACTATTCAAACAATTGTTGAGGTTCAACCTCAATTAGAGATGGAACTTACACCAGTTGTTCAGACTATTGAAGTGAATAGTTTTAGTGGTTATTTAAAACTTACTGACAATGTATACATTAAAAATGCAGACATTGTGGAAGAAGCTAAAAAGGTAAAACCAACAGTGGTTGTTAATGCAGCCAATGTTTACCTTAAACATGGAGGAGGTGTTGCAGGAGCCTTAAATAAGGCTACTAACAATGCCATGCAAGTTGAATCTGATGATTACATAGCTACTAATGGACCACTTAAAGTGGGTGGTAGTTGTGTTTTAAGCGGACACAATCTTGCTAAACACTGTCTTCATGTTGTCGGCCCAAATGTTAACAAAGGTGAAGACATTCAACTTCTTAAGAGTGCTTATGAAAATTTTAATCAGCACGAAGTTCTACTTGCACCATTATTATCAGCTGGTATTTTTGGTGCTGACCCTATACATTCTTTAAGAGTTTGTGTAGATACTGTTCGCACAAATGTCTACTTAGCTGTCTTTGATAAAAATCTCTATGACAAACTTGTTTCAAGCTTTTTGGAAATGAAGAGTGAAAAGCAAGTTGAACAAAAGATCGCTGAGATTCCTAAAGAGGAAGTTAAGCCATTTATAACTGAAAGTAAACCTTCAGTTGAACAGAGAAAACAAGATGATAAGAAAATCAAAGCTTGTGTTGAAGAAGTTACAACAACTCTGGAAGAAACTAAGTTCCTCACAGAAAACTTGTTACTTTATATTGACATTAATGGCAATCTTCATCCAGATTCTGCCACTCTTGTTAGTGACATTGACATCACTTTCTTAAAGAAAGATGCTCCATATATAGTGGGTGATGTTGTTCAAGAGGGTGTTTTAACTGCTGTGGTTATACCTACTAAAAAGGCTGGTGGCACTACTGAAATGCTAGCGAAAGCTTTGAGAAAAGTGCCAACAGACAATTATATAACCACTTACCCGGGTCAGGGTTTAAATGGTTACACTGTAGAGGAGGCAAAGACAGTGCTTAAAAAGTGTAAAAGTGCCTTTTACATTCTACCATCTATTATCTCTAATGAGAAGCAAGAAATTCTTGGAACTGTTTCTTGGAATTTGCGAGAAATGCTTGCACATGCAGAAGAAACACGCAAATTAATGCCTGTCTGTGTGGAAACTAAAGCCATAGTTTCAACTATACAGCGTAAATATAAGGGTATTAAAATACAAGAGGGTGTGGTTGATTATGGTGCTAGATTTTACTTTTACACCAGTAAAACAACTGTAGCGTCACTTATCAACACACTTAACGATCTAAATGAAACTCTTGTTACAATGCCACTTGGCTATGTAACACATGGCTTAAATTTGGAAGAAGCTGCTCGGTATATGAGATCTCTCAAAGTGCCAGCTACAGTTTCTGTTTCTTCACCTGATGCTGTTACAGCGTATAATGGTTATCTTACTTCTTCTTCTAAAACACCTGAAGAACATTTTATTGAAACCATCTCACTTGCTGGTTCCTATAAAGATTGGTCCTATTCTGGACAATCTACACAACTAGGTATAGAATTTCTTAAGAGAGGTGATAAAAGTGTATATTACACTAGTAATCCTACCACATTCCACCTAGATGGTGAAGTTATCACCTTTGACAATCTTAAGACACTTCTTTCTTTGAGAGAAGTGAGGACTATTAAGGTGTTTACAACAGTAGACAACATTAACCTCCACACGCAAGTTGTGGACATGTCAATGACATATGGACAACAGTTTGGTCCAACTTATTTGGATGGAGCTGATGTTACTAAAATAAAACCTCATAATTCACATGAAGGTAAAACATTTTA
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GTACAACTACACTTAACGGTCTTTGGCTTGATGACGTAGTTTACTGTCCAAGACATGTGATCTGCACCTCTGAAGACATGCTTAACCCTAATTATGAAGATTTACTCATTCGTAAGTCTAA
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配列番号26(BiNC-01:アダプタ+抗原:SARS2 NP + IAV H1N1 pdm09 HAヘッド;H1N1 pdm09 HAの参照配列(GU931802.1-A/Hong Kong/415742Md/2009))
【化12】
配列番号27(BiNC-02:アダプタ+抗原:SARS2 NP + IAV H5N1 1194 HAヘッド;H5N1 1194 HAの参照配列(EF541402.1-A/Vietnam/1194/2004))
【化13】
配列番号28(BiNC-03:アダプタ+抗原:IAV NP + SARS2スパイクRBD祖先株;祖先株スパイクの参照配列(EPI_ISL_434571))
【化14】
配列番号29(BiNC-04:アダプタ+抗原:IAV NP + SARS2スパイクRBDオミクロンBA.5;オミクロンBA.5スパイクの参照配列(EPI_ISL_13777658-hCoV-19/Hong Kong/HKU-220712-005/2022))
【化15】
配列番号30(H7N9/ZJ,EPI_ISL_148744)
aaagaactaagagatttgatgtcacagtctcgcactcgcgagatactgacaaaaacaactgtggaccatatggccataatcaagaaatatacatcaggaagacaggagaagaatcctgcccttaggatgaagtggatgatggcaatgaaatatccaattacagcaaacaaaaggataatggagatgatcccggaaagaaatgagcaaggtcagaccctttggagcaagacaaatgatgctggatcaaacagagtgatggtgtcacctctggctgtgacgtggtggaacagaaatggaccaacgacaagcacagtccattatccaaaggtctataaaacctattttgaaaaggtcgaaaggctaaaacatggaaccttcggccccgttcacttcagaaaccaggttaaaatacgccgcagggtcgacataaacccaggccatgcagaccttagtgctaaagaagcacaagatgtcatcatggaggtcgtattcccaaacgaagttggagccagaatattgacatcagagtcacagttaacgataaccaaggaaaagaagaaggagcttcaggactgcagaattgcccctttaatggtggcttacatgttggagagagaactggttcgcaaaacaagattcctaccagtagctggagggacaagcagcgtgtatatcgaggtgttgcatttgacccaagggacctgctgggagcaaatgtacacaccgggaggggaagtgagaaatgatgatgttgatcagagtttaattattgctgctagaaatattgttagaagagcaacagtatcagcagacccgttggcttcgcttttggagatgtgccatagtacacaaattggcggggttaggatggttgacatccttagacaaaacccaacagaagaacaggctgtggatatatgtaaggcagcaatgggtctaaggatcagttcatccttcagctttggaggtttcactttcaaaaggacaagtgggtcatctgtcaaaagggaagaagaagtgctcacaggcaacctccaaacattgaaaataagagtacatgaaggatatgaggaattcacaatggtcgggcgaagagcaacagccattctaaggaaagcaaccagaagactgatccaactgatagtgagtgggaaagacgagcaatcaatcgccgaggcaatcatagtggcaatggtattctcacaagaggattgtatgataaaggcagtgaggggtgatttgaactttgtcaacagagcaaaccagcggctaaatcccatgcatcaactcctgaggcatttccaaaaggatgcaaaggtcctgtttcaaaactggggaattgaacccattgacaatgtaatggggatgatcggaatattgcctgacatgacccccagcacagagatgtcattgagaggagtgagagttagtaaaatgggagtagatgaatattccagtactgagagagtggtcgtgagtattgatcgtttcttgagggtccgagaccagaggggaaacgtactcctgtctcctgaagaggttagtgaaacacagggaacagaaaagctgactataacatattcatcgtccatgatgtgggagatcaatggtccggaatcagtgctagttaacacatatcaatggatcattagaaattgggaaactgtaaagattcaatggtcccaagatcctacaatgctatacaataagatggaatttgaaccctttcaatccctagtgcctaaagctgccagaggccaatatagtgggttcgtgagggttctattccaacagatgcgtgacgtactgggaacatttgacactgtccaaataataaagctattaccatttgcagcagccccgccggagcagagtagaatgcagttctcttctctaactgtgaatgtgaggggttcaggaatgagaatagttgtgagaggcaactcccctgtgttcaactacaacaaggcaaccaagaggcttacagtgcttggaaaggatgcaggtgcattgatggaagacccagatgagggaacagcaggagtggaatctgcggtattgaggggatttctgattctgggcaaagaagacaaaagatatgggccagcattgagcatcaacgaattgagcaatcttgcgaaaggagagaaggctaatgtattgatagggcaaggagacgttgtgttggtgatgaaacggaaacgggactctagcatacttactgacagtcagacagcgaccaaaaggattcggatggccatcaatt
配列番号31(NC-IAV-03抗原アミノ酸配列:IAV H3N2 4801 HAヘッド;H3N2 4801 HAの参照配列(EPI675797-A/Hong Kong/4801/2014))
IDALLGDPQCDGFQNKKWDLFVERSKAYSNCYPYDVPDYASLRSLVASSGTLEFNNESFNWTGVTQNGTSSACIRRSSSSFFSRLNWLTHLNYKYPALNVTMPNNEQFDKLYIWGVHHPGTDKDQIFLYAQSSGRITVSTKRSQQAVIPNIGSRPRIRDIPSRISIYWTIVKPGDILLINSTGNLIAPRGYFKIRSGKSSIMRSDAPIGKCKSECITPNGSIPNDKPF
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ナノ複合体を含むワクチン組成物であって、前記ナノ複合体が、ウイルスRNAを含む足場分子と、前記ウイルスRNAに結合することが可能なウイルス核タンパク質に融合したウイルス抗原を含むアダプタ-抗原ポリペプチドと、を含む、前記ワクチン組成物。
(項目2)
前記アダプタ-抗原ポリペプチド対前記足場分子のモル比が、約5:1超である、項目1に記載のワクチン組成物。
(項目3)
前記ウイルス抗原が、抗原ポリペプチドである、項目1または2に記載のワクチン組成物。
(項目4)
前記ウイルス抗原が、免疫原性タンパク質である、項目1または2に記載のワクチン組成物。
(項目5)
前記ウイルス抗原が、前記ウイルス核タンパク質のC末端に融合している、項目1~4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目6)
前記ウイルス抗原が、前記ウイルス核タンパク質のN末端に融合している、項目1~4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目7)
前記ウイルスRNAが、ウイルスゲノムの非翻訳領域を含む、項目1~6のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目8)
前記ウイルスRNAが、前記ウイルスゲノムのウイルス遺伝子の5’非翻訳領域または3’非翻訳領域を含む、項目7に記載のワクチン組成物。
(項目9)
前記ウイルスRNAが、約10~約500ヌクレオチド長である、項目1~8のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目10)
前記ウイルスRNAが、約200~約500ヌクレオチド長である、項目9に記載のワクチン組成物。
(項目11)
前記ウイルスRNAが、SARS-CoV-2に由来する、項目1~10のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目12)
前記ウイルスRNAが、配列番号25に記載のSARS-CoV-2ゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~266を含む、項目11に記載のワクチン組成物。
(項目13)
前記ウイルスRNAが、インフルエンザAウイルス(IAV)に由来する、項目1~10のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目14)
前記ウイルスRNAが、配列番号30に記載のIAVゲノムのウイルス遺伝子のヌクレオチド1~326を含む、項目13に記載のワクチン組成物。
(項目15)
前記ウイルス核タンパク質が、SARS-CoV-2に由来する、項目1~14のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目16)
前記SARS-CoV-2に由来するウイルス核タンパク質が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、項目15に記載のワクチン組成物。
(項目17)
前記ウイルス核タンパク質が、IAVに由来する、項目1~14のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目18)
前記ウイルス核タンパク質が、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する、項目17に記載のワクチン組成物。
(項目19)
前記IAV H5N1に由来するウイルス核タンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、項目17または18に記載のワクチン組成物。
(項目20)
前記ウイルス核タンパク質及び前記ウイルス抗原が、同じウイルスに由来する、項目1~19のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目21)
前記ウイルス核タンパク質及び前記ウイルス抗原が、異なるウイルスに由来する、項目1~19のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目22)
前記ウイルス抗原が、SARS-Cov-2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目23)
前記ウイルス抗原が、SARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目22に記載のワクチン組成物。
(項目24)
前記ウイルス抗原が、受容体結合ドメイン(RBD)を含む、項目23に記載のワクチン組成物。
(項目25)
前記SARS-CoV-2ウイルス抗原が、配列番号14または15のアミノ酸配列を含む、項目23または24に記載のワクチン組成物。
(項目26)
前記ウイルス抗原が、インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目27)
前記ウイルス抗原が、インフルエンザHAタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目26に記載のワクチン組成物。
(項目28)
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、IAVまたはインフルエンザBウイルス(IBV)に由来する、項目26または27に記載のワクチン組成物。
(項目29)
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、H1N1、H5N1、H3N2、及びH7N9からなる群から選択されるIAVサブタイプに由来する、項目28に記載のワクチン組成物。
(項目30)
前記IAVウイルス抗原が、配列番号16~18及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、項目29に記載のワクチン組成物。
(項目31)
前記インフルエンザウイルスタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、YamagataまたはVictoriaのIBVサブタイプに由来する、項目28に記載のワクチン組成物。
(項目32)
前記IBVウイルス抗原が、配列番号19または20のアミノ酸配列を含む、項目31に記載のワクチン組成物。
(項目33)
前記ウイルス抗原が、呼吸器合胞体ウイルス(「RSV」)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目34)
前記ウイルス抗原が、RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目33に記載のワクチン組成物。
(項目35)
前記RSV Fタンパク質またはその断片もしくはバリアントが、RSV AサブタイプまたはRSV Bサブタイプに由来する、項目34に記載のワクチン組成物。
(項目36)
前記RSVウイルス抗原が、配列番号21または22のアミノ酸配列を含む、項目34または35に記載のワクチン組成物。
(項目37)
前記ウイルス抗原が、C型肝炎ウイルス(「HCV」)タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目1~21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目38)
前記ウイルス抗原が、HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントである、項目37に記載のワクチン組成物。
(項目39)
前記HCV E2タンパク質またはその断片もしくはバリアントが、HCV遺伝子型1aまたはHCV遺伝子型2aに由来する、項目38に記載のワクチン組成物。
(項目40)
前記HCVウイルス抗原が、配列番号23または24のアミノ酸配列を含む、項目38または39に記載のワクチン組成物。
(項目41)
前記アダプタ-抗原ポリペプチドが、配列番号1~11及び26~29からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、項目1~40のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目42)
前記ワクチン組成物中の前記ナノ複合体が、約100nm~約130nmの平均粒径を有する、項目1~41のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目43)
前記ワクチン組成物中の前記ナノ複合体が、約-10mV~約-20mVのゼータ電位を有する、項目1~42のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
(項目44)
個体におけるウイルス感染を防止する方法であって、前記個体に、有効量の項目1~43のいずれか1項に記載のワクチン組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目45)
前記ワクチン組成物が、鼻腔内または皮内投与によって投与される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記ワクチン組成物が、初回用量で、続いて1回または2回のブースター用量で投与される、項目44または45に記載の方法。
(項目47)
前記初回用量及び前記1回または2回のブースター用量が、約7日から約21日間隔で投与される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記初回用量及び前記1回または2回のブースター用量が、約14日間隔で投与される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記初回用量及び第1のブースター用量、ならびに前記第1のブースター用量及び第2のブースター用量が、約7~約21日間隔、任意選択的に約14日間隔で投与される、項目46~48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
前記ワクチン組成物が、同じウイルス種の一部である2つ以上のウイルスサブタイプに対するヘテロサブタイプ保護を提供する、項目44~49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記方法が、異なるウイルス属からの2つ以上のウイルスによるウイルス感染を防止する、項目44~50のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
(i)前記2つ以上のウイルス種が、同じウイルスファミリーからのものであるか、または
(ii)前記2つ以上のウイルス種が、異なるウイルスファミリーからのものである、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記方法が、3つ以上のウイルス種によるウイルス感染を防止し、
(i)前記3つ以上のウイルス種が、同じウイルスファミリーからのものであるか、
(ii)前記3つ以上のウイルス種が、異なるウイルスファミリーからのものであるか、または
(iii)前記3つ以上のウイルス種が、(a)同じウイルス種からのものである2つ以上のウイルスサブタイプまたは亜種、及び(b)前記(a)のウイルスとは異なるウイルスファミリーからのものである1つ以上のウイルス種を含む、項目51または52に記載の方法。