(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156642
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】身体の臓器の部位別の座標を設定するための装置及び動作方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20241029BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20241029BHJP
G16H 50/50 20180101ALI20241029BHJP
【FI】
A61B5/00 G
G16H30/00
G16H50/50
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024070508
(22)【出願日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2023-0053140
(32)【優先日】2023-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524026746
【氏名又は名称】ヒュトム インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTOM INC.
【住所又は居所原語表記】6F., 279, Dongmak-ro, Mapo-gu, Seoul 04151 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソク レ
(72)【発明者】
【氏名】キム,クン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,キョン ユン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ボ キョン
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB09
4C117XD27
4C117XK09
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】本開示は、身体の臓器の部位別の座標を設定するための装置及びその動作方法に関する。
【解決手段】本開示の一実施例に係る装置は、メモリと、臓器に関する臓器情報を受信し、臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と、臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定し、複数の等位線を示す等位線情報及び臓器情報を含む臓器座標系情報を生成するプロセッサとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の臓器(organs)の部位別の座標を設定するための装置において、
メモリと、
前記臓器に関する臓器情報を受信し、前記臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と、前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定し、前記複数の等位線を示す等位線情報及び前記臓器情報を含む臓器座標系情報を生成するプロセッサと、
を含む装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1領域上で複数の第1地点を設定し、
前記第2領域上で複数の第2地点を設定し、
前記第1領域と前記第2領域のそれぞれの開始地点から終了地点までの同じ順番に位置する第1地点及び第2地点を互いに繋ぐことによって、前記複数の等位線を設定することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記複数の第1地点を等間隔に設定し、
前記複数の第2地点を等間隔に設定し、
前記開始地点が繋がっている等位線から前記終了地点が繋がっている等位線まで順次、前記複数の等位線のそれぞれに番号を設定することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記同じ順番に位置する前記第1地点及び前記第2地点が互いに繋がっている等位線上で、前記同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離を計算し、
前記同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離に位置する第3地点を取得し、
前記複数の第1地点、前記複数の第2地点、及び前記第3地点を示す地点情報を更に含む前記臓器座標系情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の等位線は、
前記臓器の周辺に対応する内周面上に位置することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記臓器情報は、
前記臓器を示す臓器イメージを含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記臓器情報は、前記臓器の名称、及び前記臓器を構成する部位それぞれの医学的名称を含み、
前記第1部分は、前記第1医学的名称に対応し、
前記第2部分は、前記第2医学的名称に対応し、
前記臓器は、胃腸(stomach)に対応し、
前記第1医学的名称は、小彎(lesser curvature)を含み、
前記第2医学的名称は、大彎(greater curvature)を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
身体の臓器の部位別の座標を設定するための装置の動作方法において、
前記臓器に関する臓器情報を受信する段階と、
前記臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定する段階と、
前記臓器情報及び前記複数の等位線に関する等位線情報を含む臓器座標系情報を生成する段階と、
を含む動作方法。
【請求項9】
前記複数の等位線を設定する段階は、
前記第1領域上で複数の第1地点を設定する段階と、
前記第2領域上で複数の第2地点を設定する段階と、
前記第1領域と前記第2領域のそれぞれの開始地点から終了地点までの同じ順番に位置する第1地点及び第2地点を互いに繋ぐことによって、前記複数の等位線を設定する段階と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の動作方法。
【請求項10】
前記複数の第1地点は等間隔に設定され、
前記複数の第2地点は等間隔に設定され、
前記開始地点が繋がっている等位線から前記終了地点が繋がっている等位線まで順次、前記複数の等位線のそれぞれに番号が設定されることを特徴とする請求項9に記載の動作方法。
【請求項11】
前記座標系情報を生成する段階は、
前記同じ順番に位置する前記第1地点及び前記第2地点が互いに繋がっている等位線上で、前記同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離を計算する段階と、
前記同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離に位置する第3地点を取得する段階と、
前記複数の第1地点、前記複数の第2地点、及び前記第3地点を示す地点情報を更に含む前記臓器座標系情報を生成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
前記複数の等位線は、
前記臓器の周辺に対応する内周面上に位置することを特徴とする請求項11に記載の動作方法。
【請求項13】
前記臓器情報は、
前記臓器を示す臓器イメージを含むことを特徴とする請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記臓器情報は、前記臓器の名称、及び前記臓器を構成する部位のそれぞれの医学的名称を含み、
前記第1部分は、前記第1医学的名称に対応し、
前記第2部分は、前記第2医学的名称に対応し、
前記臓器は、胃腸(stomach)に対応し、
前記第1医学的名称は、小彎(lesser curvature)を含み、
前記第2医学的名称は、大彎(greater curvature)を含むことを特徴とする請求項13に記載の動作方法。
【請求項15】
請求項8~請求項14の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電子装置に関し、より詳細には、身体の臓器の部位別の座標を設定するための装置及び動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手術の動作を正確に叙述するために、患者ごとに正確な臓器の位置を特定する必要がある。臓器の部位を特定する名称はあるが、該当臓器の部位も広い範囲に当たるので、該当臓器の部位内で具体的かつ正確に位置を特定することが困難であり得る。具体的に、臓器形状の特性や患者ごとに臓器の大きさや形状に差があるため、直角座標系、球面座標系などの一般座標系を用いた特定方式で臓器部位の位置を正確に叙述することが困難である。従って、臓器形状の特性や患者ごとの臓器の形状などを考慮して位置を指定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、手術の叙述(surgery description)において、等位線を通じて身体臓器の正確な位置を叙述することにある。
【0004】
本開示が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及していない更に他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的な課題を達成するための本開示の一側面に係る身体の臓器(organs)の部位別の座標を設定するための装置は、メモリと、前記臓器に関する臓器情報を受信し、前記臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と、前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定し、前記複数の等位線を示す等位線情報及び前記臓器情報を含む臓器座標系情報を生成するプロセッサとを含む。
【0006】
上述した技術的な課題を達成するための本開示の他の側面に係る身体の臓器の部位別の座標を設定するための装置の動作方法は、前記臓器に関する臓器情報を受信する段階と、前記臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定する段階と、前記臓器情報及び前記複数の等位線に関する等位線情報を含む臓器座標系情報を生成する段階とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の前述した課題の解決手段によれば、手術の叙述において、等位線を通じて身体臓器の正確な位置を叙述できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本開示に係る装置の動作方法を説明するフローチャートである。
【
図3】本開示に係る臓器情報を例示的に示す図である。
【
図4】本開示に係る複数の等位線を設定する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の全体に亘って同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。本開示が実施例の全ての要素を説明するものではなく、本開示の属する技術分野における一般的な内容又は実施例において重複する内容は省略する。明細書で用いられる「部、モジュール、部材、ブロック」という用語は、ソフトウェア又はハードウェアとして実現でき、実施例によって複数の「部、モジュール、部材、ブロック」が1つの構成要素として実現されるか、又は1つの「部、モジュール、部材、ブロック」が複数の構成要素を含むこともできる。
【0010】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「繋がっている」とするとき、これは直接的に繋がっている場合だけでなく、間接的に連結されている場合を含み、間接的な連結は、無線通信網を介した連結を含む。
【0011】
また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素を更に含むことができることを意味する。
【0012】
明細書全体において、ある部材が他の部材の「上」に位置しているとするとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間に別の部材が存在する場合も含む。
【0013】
第1、第2などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであって、構成要素が前述した用語によって制限されるものではない。
【0014】
単数の表現は文脈上、明確な例外がない限り、複数の表現を含む。
【0015】
各段階において、識別符号は、説明の便宜のために用いられるものであって、識別符号は各段階の順序を説明するものではなく、各段階は文脈上、明確に特定の順序を記載しない以上、明記された順序と異なるように実施できる。
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本開示の作用原理及び実施例について説明する。
【0017】
図1は、本開示に係る装置100のブロック図である。
【0018】
図1を参照すると、装置100は、手術時に臓器の位置を特定するために各臓器の領域を分割して等位線を形成し、ユーザが等位線を通じて臓器の正確な位置を叙述できるように臓器座標系情報を提供する装置である。
【0019】
装置100は、メモリ110及びプロセッサ120を含むことができる。
【0020】
メモリ110は、本装置内の構成要素の動作を制御するためのアルゴリズム又はアルゴリズムを再現したプログラムに対するデータを格納でき、メモリ110に格納されたデータを用いて前述した動作を行う少なくとも1つのプロセッサ120を実現できる。ここで、メモリ110とプロセッサ120は、それぞれ別のチップとして実現できる。また、メモリ110とプロセッサ120は、単一のチップとして実現することもできる。
【0021】
メモリ110は、本装置の多様な機能を支援するデータと、プロセッサ120の動作のためのプログラムを格納でき、入出力されるデータを格納でき、本装置で実行される多数のアプリケーションプログラム(application program又はアプリケーション(application))、本装置の動作のためのデータ、命令語を格納できる。これらのアプリケーションプログラムのうちの少なくとも一部は、無線通信を介して外部サーバからダウンロードできる。
【0022】
このようなメモリ110は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、SSDタイプ(Solid State Disk type)、SDDタイプ(Silicon Disk Drive type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(random access memory;RAM)、SRAM(static random access memory)、ロム(read-only memory;ROM )、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク及び光ディスクのうちの少なくとも1つのタイプの格納媒体を含むことができる。また、メモリ110は、本装置とは分離されているが、有線又は無線で接続されているデータベースになることもできる。
【0023】
プロセッサ120は、臓器に関する臓器情報を受信できる。プロセッサ120は、臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と、前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定できる。プロセッサ120は、前記複数の等位線を示す等位線情報及び前記臓器情報を含む臓器座標系情報を生成できる。
【0024】
図示していないが、装置100は、外部と通信を行える通信部を更に含むことができる。このとき、通信部は、ワイファイ(Wifi)(登録商標)モジュール、ワイブロ(Wireless broadband)モジュール以外にも、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、UMTS(universal mobile telecommunications system)、TDMA(Time Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G、6Gなど多様な無線通信方式を支援する無線通信モジュールを含むことができる。
【0025】
前述したところによると、手術の叙述において、等位線を通じて身体臓器の正確な位置を叙述できるという効果がある。
【0026】
図2は、本開示に係る装置の動作方法を説明するフローチャートである。
【0027】
図2を参照すると、本開示に係る装置の動作方法は、段階S100、段階S200、及び段階S300を含むことができる。
【0028】
段階S100で、前記臓器に関する臓器情報を受信する段階が行われる。
【0029】
段階S200で、前記臓器を構成する第1部分に対応する第1領域と、前記臓器を構成する第2部分に対応する第2領域とを繋ぐ複数の等位線を設定する段階が行われる。
【0030】
段階S300で、臓器情報及び前記複数の等位線に関する等位線情報を含む臓器座標系情報を生成する段階が行われる。
【0031】
前述したところによると、手術の叙述において、等位線を通じて身体臓器の正確な位置を叙述できるという効果がある。
【0032】
図3は、本開示に係る臓器情報を例示的に示す図である。
【0033】
図3を参照すると、臓器情報は、臓器310を示す臓器イメージ300を含むことができる。臓器情報は、臓器310の名称、及び臓器310を構成する部位それぞれの医学的名称を含むことができる。
【0034】
図3を参照して、例えば、臓器310は、胃腸(stomach)に対応し得る。臓器310の名称は、「胃腸(stomach)」であり得る。胃腸(stomach)の部位のそれぞれの医学的名称は、食道(esophagus)、外膜(adventitia)、噴門(cardia)、縦走筋(longitudinal muscle)、小彎(lesser curvature)、胃底(gastric fundus)、胃体部(gastric body)、輪状筋(circular muscle)、斜走筋(oblique muscle)、大彎(greater curvature)、胃粘膜ヒダ(gastric folds)、粘膜下層(submucosa)、粘膜(mucosa)、幽門(pylorus)、幽門括約筋(pyloric sphincter)などを含むことができる。
【0035】
一部の実施例において、等位線を設定するための第1部分は、前記第1医学的名称に対応し、前記第2部分は、前記第2医学的名称に対応し得る。
図3を参照して、例えば、第1医学的名称は小彎(lesser curvature)であり、第1部分は小彎(lesser curvature)を示す部位であり得る。第2医学的名称は大彎(greater curvature)であり、第2部分は大彎(greater curvature)を示す部位であり得る。しかし、これに限定されるものではない。
【0036】
図4は、本開示に係る複数の等位線を設定する方法を説明する図である。
【0037】
図4を参照すると、
図4の臓器イメージ400は、臓器の断面図を示すイメージであり得る。
図4を参照して、例えば、臓器イメージ400は、胃腸(stomach)の断面図を含むことができる。しかし、これに限定されるものではなく、臓器イメージ400は、
図3の臓器イメージ300と同様、3次元の臓器を示すこともできる。
【0038】
一部の実施例において、第1領域410は第1部分に対応し、第1部分は、小彎(lesser curvature)であり得る。第2領域420は第2部分に対応し、第2部分は、大彎(greater curvature)であり得る。
【0039】
一部の実施例において、プロセッサ120は、第1領域410上で複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1nを設定できる。複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1nの個数は、n個であり得る。nは、2以上の整数であり得る。プロセッサ120は、第2領域420上で複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2nを設定できる。複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2nの個数は、n個であり得る。プロセッサ120は、第1領域410と第2領域420それぞれの開始地点から終了地点まで同じ順番に位置する第1地点及び第2地点を互いに繋ぐことによって、複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnを設定できる。例えば、第1領域410の開始地点は第1地点P11であり、第1領域410の終了地点は第1地点P1nであり得る。例えば、第2領域420の開始地点は第2地点P21であり、第2領域420の終了地点は第2地点P2nであり得る。例えば、最初に位置する第1地点及び第2地点は、第1地点P11と第2地点P21であり得る。他の例を挙げると、2番目に位置する第1地点及び第2地点は、第1地点P12と第2地点P22であり得る。更に他の例を挙げると、n番目に位置する第1地点及び第2地点は、第1地点P1nと第2地点P2nであり得る。複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnの個数は、n個であり得る。
【0040】
前述したところによると、分割された範囲に形成された等位線を用いて臓器部位の位置を叙述できるという効果がある。形成された等位線に順序を付けて、手術時にユーザが等位線の番号を用いて正確な位置を叙述できるという効果がある。叙述する方法は、例えば、臓器の名称、何番目の等位線、内側ラインの基準点(又は外側ラインの基準点)から等位線に沿って離れた距離などで臓器の位置を叙述できる。
【0041】
一部の実施例において、複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnは、臓器の周辺に対応する内周面上に位置し得る。実際の臓器は、3次元の立体形状を有するので、複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnは、3次元の臓器の内周面に沿って位置する曲線形状を有することができる。他の実施例において、複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnは、臓器の外部の外周面上に位置し得る。
【0042】
一部の実施例において、プロセッサ120は、各臓器の細部領域の範囲を認識した後、該当範囲を等間隔に分割できる。即ち、プロセッサ120は、複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1nを等間隔に設定できる。
図4を参照して、例えば、複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1n間の第1間隔が同一であり得る。プロセッサ120は、複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2nを等間隔に設定できる。
図4を参照して、例えば、複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2n間の第2間隔が同一であり得る。即ち、プロセッサ120は、胃腸の内側領域(小彎、lesser curvature)と外側領域(大彎、greater curvature)を範囲として指定し、内側領域と外側領域を同じ個数に分割できる。小彎(lesser curvature)の大きさと大彎(greater curvature)の大きさとは互いに異なり得る。そのため、複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1n間の第1間隔と複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2n間の第2間隔とは、互いに異なり得る。
図4を参照して、例えば、小彎(lesser curvature)の大きさが大彎(greater curvature)の大きさよりも小さいと、第1間隔が第2間隔よりも小さくなり得る。プロセッサ120は、開始地点が繋がっている等位線から前記終了地点が繋がっている等位線まで順次、前記複数の等位線のそれぞれに番号を設定できる。例えば、開始地点が繋がっている等位線は、第1等位線EPL1であり、終了地点が繋がっている等位線は、第n等位線EPLnであり得る。第1等位線EPL1から第n等位線EPLnまで順次、複数の等位線EPL1、EPL2、EPLn-1、EPLnのそれぞれに番号を設定できる。このとき、第1等位線EPL1を1番に設定し、第2等位線EPL2を2番に設定し、第n等位線EPLnをn番に設定できる。
【0043】
一部の実施例において、プロセッサ120は、前記同じ順番に位置する前記第1地点及び前記第2地点が互いに繋がっている等位線上で、前記同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離を計算できる。例えば、最初に位置する前記第1地点P11及び前記第2地点P21が互いに繋がっている第1等位線EPL1上で、第1地点P11又は前記第2地点P21から離れた距離を計算できる。プロセッサ120は、同じ順番に位置する前記第1地点又は前記第2地点から離れた距離に位置する第3地点を取得できる。例えば、プロセッサ120は、第1等位線EPL1上で第1地点P11(又は第2地点P21)から離れた第3地点P31を取得できる。他の例を挙げると、第2等位線EPL2上で第3地点P32を取得でき、第n-1等位線EPLn-1上で第3地点P3n-1を取得でき、第n等位線EPLn上で第3地点P3nを取得できる。プロセッサ120は、複数の第1地点P11、P12、P1n-1、P1n、複数の第2地点P21、P22、P2n-1、P2n及び少なくとも1つの第3地点を示す地点情報を更に含む前記臓器座標系情報を生成できる。これによれば、等位線上に位置する臓器部位の位置に対する座標を取得できるという効果がある。
【0044】
一方、開示された実施例は、コンピュータによって実行可能な命令語を格納する記録媒体の形態で実現できる。命令語は、プログラムコードの形態で格納でき、プロセッサによって実行されたとき、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を行える。記録媒体は、コンピュータで読み取れる記録媒体として実現できる。
【0045】
コンピュータが読み取れる記録媒体としては、コンピュータによって解読できる命令語が格納された全ての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ格納装置などがあり得る。
【0046】
本開示の属する技術分野において通常の知識を有する者は、本開示の技術的思想や必須な特徴を変更することなく、開示された実施例と異なる形態で本開示を実施し得ることが理解できる。開示された実施例は、例示的なものであり、限定的に解釈されてはならない。
【外国語明細書】