(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156690
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】超音波を使用して電力を供給するインプランタブルデバイスの電力制御
(51)【国際特許分類】
H02J 50/15 20160101AFI20241029BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20241029BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241029BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241029BHJP
H04B 11/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H02J50/15
H02J50/80
H02J7/00 301D
H02J7/10 B
H02J7/10 H
H02J7/00 B
H04B11/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】54
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111204
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2021538068の分割
【原出願日】2020-01-03
(31)【優先権主張番号】62/788,405
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520404344
【氏名又は名称】イオタ バイオサイエンシズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IOTA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マハービズ, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】カイ, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】カルメナ, ジョセ エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超音波を使用して、対象内のインプランタブルデバイスに供給される電力を制御するための方法及び該インプランタブルデバイスを提供する。
【解決手段】方法は、インプランタブルデバイスが、インテロゲータから、波力を有する給電用超音波を受信することと、インプランタブルデバイスに電力を供給するために給電用超音波からのエネルギーを電気信号に変換することと、より多くの電力またはより少ない電力をインプランタブルデバイスに送信すべきかどうかを示す情報を、インテロゲータに送信することと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象内のインプランタブルデバイスに供給される電力を制御する方法であって、前記インプランタブルデバイスにおいて、
インテロゲータから給電用超音波であって、波力を有する前記給電用超音波を受信することと、
前記給電用超音波からのエネルギーを前記インプランタブルデバイスに電力を供給するための電気信号に変換することと、
前記インプランタブルデバイスへより多くの電力またはより少ない電力を送信すべきかどうかを示す情報を前記インテロゲータに送信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インプランタブルデバイスにおいて利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによる消費電力とを判定することを含み、前記情報は、前記利用可能な電力と前記消費電力とに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記インテロゲータからのより多くの電力またはより少ない電力の何れかの要求を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記要求は、前記インプランタブルデバイスにおける利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによって消費される電力とに基づいて生成されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記情報を送信することは、
前記インテロゲータから通信用超音波を受信することと、
前記通信用超音波の超音波バックスキャッタであって、前記情報を符号化する前記超音波バックスキャッタを放射することと、
を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信用超音波の前記超音波バックスキャッタを放射することは、
通信用超音波に基づいて電気信号を生成することと、
前記情報に基づいて生成された前記電気信号を変調することであって、変調された前記電気信号は超音波バックスキャッタに前記情報を符号化する、変調することと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インテロゲータから第2の給電用超音波を受信することであって、前記インテロゲータは前記情報に基づいて第2の波力を有するように前記第2の給電用超音波を生成するように構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の前記瞬時強度値およびパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記給電用超音波は前記インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサで受信され、前記利用可能な電力を判定することは、
前記超音波トランスデューサの最大電圧を判定することと、
前記最大電圧に基づいて利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記利用可能な電力を判定することは、
前記電気信号に基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電することと、
前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーに基づいて前記利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記利用可能な電力は、前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積された前記エネルギーの変化率に基づいて判定されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気信号は第1の電圧を生成し、前記利用可能な電力を判定することは、
前記インプランタブルデバイスに電力を供給するために前記第1の電圧を第2の電圧に変換するように構成された複数のキャパシタを制御するために1つ以上のスイッチを制御することと、
前記1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチング周波数に基づいて前記利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記消費電力を判定することは、前記インプランタブルデバイスの動作モードに基づいて、前記インプランタブルデバイスの前記消費電力を判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記消費電力は前記インプランタブルデバイスの負荷回路によって消費され、前記消費電力を判定することは、
前記負荷回路を駆動する電流の電流値を検出することと、
検出した前記電流値から前記消費電力を求めることと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記利用可能な電力は前記電気信号によって提供される供給電力を含み、前記電気信号は第1の電圧ノードにおいて第1の電圧を生成し、前記供給電力が前記消費電力を超えるかどうかを判定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記供給電力が前記消費電力を超えると判定することに応じて、前記第1の電圧ノードに基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電することを含み、前記エネルギー蓄積デバイスを充電することは、前記第1の電圧を低減することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているかどうかを判定することを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記供給電力が前記消費電力を超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが過剰に電力供給されているという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信することを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記指示を含む前記情報は、前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の前記波力よりも小さい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定することと、
前記第1の電圧が前記所定の電圧レベルを超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記供給電力を低減するために、前記給電用超音波から前記電気信号を生成するように構成された1つ以上のスイッチを開くことと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記第1の電圧ノードを介して前記エネルギー蓄積デバイスを放電することを含み、前記エネルギー蓄積デバイスを放電することは前記第1の電圧を増加させることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応答して、前記インプランタブルデバイスが電力供給不足であるという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも大きい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
インプランタブルデバイスであって、
インテロゲータから給電用超音波を受信し、給電用超音波を電気信号に変換して前記インプランタブルデバイスに電力供給するように構成され、前記給電用超音波が波力を有する超音波トランスデューサと、
より多くの電力またはより少ない電力が前記インプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を生成するように構成された制御回路と、
を備え、前記超音波トランスデューサは、前記情報を前記インテロゲータに送信するようにさらに構成されることを特徴とするインプランタブルデバイス。
【請求項27】
前記インプランタブルデバイスにおいて利用可能な電力を判定し、前記インプランタブルデバイスによる消費電力を判定するように構成された電力モニタ回路を備えることを特徴とする請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記情報は、前記インテロゲータからのより多くの電力またはより少ない電力の要求を含むことを特徴とする請求項26または27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記要求は、前記インプランタブルデバイスにおける利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによる消費電力とに基づいて生成されることを特徴とする請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記情報を送信するために、前記超音波トランスデューサは、
前記インテロゲータからの通信用超音波を受信し、
前記通信用超音波の超音波バックスキャッタを放出し、前記超音波バックスキャッタは前記情報を符号化する、
ように構成されることを特徴とする請求項26から29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記通信用超音波の前記超音波バックスキャッタを放射するために、前記超音波トランスデューサは、
前記通信用超音波に基づいて電気信号を発生し、
前記情報に基づいて生成した前記電気信号を変調し、変調された前記電気信号は前記超音波バックスキャッタに前記情報を符号化する、
ように構成されることを特徴とする請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記超音波トランスデューサは前記インテロゲータから第2の給電用超音波を受信するように構成され、前記インテロゲータは、前記情報に基づいて第2の波力を有するように前記第2の給電用超音波を生成するように構成されることを特徴とする請求項26から31のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項26から32のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の前記瞬時強度値およびパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記超音波トランスデューサの最大電圧を判定するように構成された電圧センサを備え、
前記電力モニタ回路は、前記最大電圧に基づいて利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項37】
前記電気信号に基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように構成された電力コンベア回路を備え、前記電力モニタ回路は前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーに基づいて前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項38】
前記電力モニタ回路は、前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積された前記エネルギーの変化率に基づいて、前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記電気信号は第1の電圧を生成し、
前記制御回路は前記インプランタブルデバイスに電力を供給するために前記第1の電圧を第2の電圧に変換するように構成された複数のキャパシタを制御するための1つ以上のスイッチを制御するように構成され、
電力モニタ回路は前記1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチング周波数に基づいて前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項40】
前記電力モニタ回路は、前記インプランタブルデバイスの動作モードに基づいて、前記インプランタブルデバイスの前記消費電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項41】
前記消費電力は前記インプランタブルデバイスの負荷回路によって消費され、前記電力モニタ回路は、
前記負荷回路を駆動する電流の電流値を検出し、
検出した前記電流値から前記消費電力を求める、
ように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項42】
前記利用可能な電力は前記電気信号によって提供される供給電力を含み、前記電気信号は第1の電圧ノードにおいて第1の電圧を生成し、前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超えるかどうかを判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項43】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超えると判定することに応じて、前記第1の電圧ノードに基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように電力コンベア回路を制御するように構成され、前記エネルギー蓄積デバイスを充電することは前記第1の電圧を低減することを特徴とする請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記制御回路は、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているかどうかを判定するように構成されることを特徴とする請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが過剰に電力供給されているという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信するように前記超音波トランスデューサを制御するように構成されることを特徴とする請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも小さい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項45に記載のデバイス。
【請求項47】
前記制御回路は、
前記第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定し、
前記第1の電圧が前記所定の電圧レベルを超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記供給電力を低減するために、前記給電用超音波から前記電気信号を生成するように構成された1つ以上のスイッチを開く
ように構成されることを特徴とする請求項44に記載のデバイス。
【請求項48】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記電力コンベア回路を制御して、前記第1の電圧ノードを介して前記エネルギー蓄積デバイスを放電するように構成され、前記エネルギー蓄積デバイスを放電することは前記第1の電圧を増加させることを特徴とする請求項43に記載のデバイス。
【請求項49】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが電力供給不足であるという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信するように前記超音波トランスデューサを制御するように構成されることを特徴とする請求項42に記載のデバイス。
【請求項50】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも大きい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項49に記載のデバイス。
【請求項51】
インテロゲータデバイスであって、
第1の給電用超音波であって、第1の波力を有する前記第1の給電用超音波をインプランタブルデバイスに送信し、
通信用超音波であって、より多くの電力またはより少ない電力が前記インプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を含む前記通信用超音波を前記インプランタブルデバイスから受信し、
第2の給電用超音波であって、前記情報に基づいて第2の電力を有する前記第2の給電用超音波を前記インプランタブルデバイスに送信する、
ように構成された超音波トランスデューサを備えることを特徴とするインテロゲータデバイス。
【請求項52】
前記通信用超音波から前記情報を抽出し、
前記第2の電力を有する前記第2の給電用超音波を送信するように前記超音波トランスデューサを制御する、
ように構成されたコントローラを備えることを特徴とする請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記第2の給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項51または52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記超音波トランスデューサは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を制御して、前記第2の給電用超音波に前記第2の波力を持たせるように構成されることを特徴とする請求項53に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2019年1月4日に出願された米国仮出願第62/788,405号に対する優先権の利益を主張し、これは、あらゆる目的のために基準により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は概して、インプランタブルデバイスに関し、より具体的には、超音波を使用して電力を供給されるインプランタブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
侵襲的方法は、患者の様々な医学的状態を治療するために開発されてきた。これらの方法は、心臓または神経バイオインプラントなどのインプランタブル医療デバイス(IMD)を患者の体内に挿入することを含むことができる。このようなインプランタブルデバイスに電力を供給することは、多くの生物医学的用途にとって依然として技術的課題である。これは、一部にはインプランタブルデバイスに電力を供給するためにリチウムバッテリなどのバッテリを使用する従来のアプローチがインプランタブルデバイスを、体内の多くの位置に安全かつ快適に配置するには大きすぎるものにし、それによって、多くの生物医学的用途の実現可能性を制限するためである。さらに、バッテリは典型的には反応する化学物質に基づいて電力を生成し、その多くは有毒であり、患者に健康上の危険をもたらすことがある。
【0004】
本明細書で参照されるすべての刊行物、特許、および特許出願の開示は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる任意の基準が本開示と矛盾する限り、本開示が支配するものとする。
【発明の概要】
【0005】
上述のように、生体適合性を増大させ、例えば、リチウムバッテリを使用して電力を供給されるより大きなインプランタブルデバイスによって引き起こされる侵襲性および不快感を低減するために、より小さなフォームファクタ(例えば、mmおよびmm未満の寸法)を有するインプランタブルデバイスが必要とされている。いくつかの実施形態ではこのより小さいフォームファクタを達成するために、インプランタブルデバイスはインプランタブルデバイスの1つ以上の超音波トランスデューサで受信可能な超音波を使用して電力を供給されるように構成され得る。
【0006】
いくつかの実施形態では生体組織が無線周波数(RF)波などの他のタイプの波よりも超音波の吸収率が著しく低いため、超音波を使用してインプランタブルデバイスに電力を供給することは他の電力アプローチよりも有利であり得る。超音波のこの特性は、組織によって吸収されるエネルギーに起因する組織の加熱を減少させるだけでなく、デバイスを対象のより深い位置に埋め込むことを可能にすることができる。
【0007】
しかしながら、これらの利点があっても、生体組織を横切る超音波は、過剰な電力が伝達され、患者の身体の露出領域において危険な温度上昇を引き起こす場合、依然として健康上の危険をもたらす可能性がある。他方、埋め込まれた深さ、インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサの向き、またはインプランタブルデバイスと超音波源との間の介在する生体物質(例えば、肋骨または器官)などの多くの要因は、インプランタブルデバイスで受け取られたエネルギーがその動作に電力を供給するのに不十分であるか、または一貫性がないことをもたらす可能性がある。従って、超音波を用いて給電されるインプランタブルデバイスのための電力制御を提供して、安全な動作及び一貫した電力を可能にするシステム、方法、及び技術が更に必要とされている。
【0008】
いくつかの実施形態では上記の必要性に対処するために、対象内のインプランタブルデバイスは、インテロゲータから給電用超音波を受信し、給電用超音波を電気信号に変換してインプランタブルデバイスに電力を供給するように構成され、給電用超音波が波力を有する超音波トランスデューサと、より多くの電力またはより少ない電力をインプランタブルデバイスに送信すべきかどうかを示す情報を生成するように構成された制御回路とを含み、超音波トランスデューサは情報をインテロゲータに送信するようにさらに構成される。以下にさらに説明するように、いくつかの実施形態では、インテロゲータが安全リスクを負うことなく、インプランタブルデバイスに十分な電力を供給できるように、情報に基づいて情報を受信し、送信された給電用超音波の波力を調整するように構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、デバイスがインプランタブルデバイスにおいて利用可能な電力を判定し、インプランタブルデバイスによって消費される電力を判定するように構成された電力モニタ回路を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、情報がインテロゲータからのより多くの電力またはより少ない電力の要求を含む。いくつかの実施形態では、要求がインプランタブルデバイスにおける利用可能な電力と、インプランタブルデバイスによって消費される電力とに基づいて生成される。
【0011】
いくつかの実施形態では情報を送信するために、超音波トランスデューサはインテロゲータから通信用超音波を受信し、通信用超音波の超音波バックスキャッタを放射するように構成され、バックスキャッタされた通信用超音波は情報を符号化する。
【0012】
いくつかの実施形態では、通信用超音波の超音波バックスキャッタを放射するために、超音波トランスデューサは通信用超音波に基づいて電気信号を生成し、情報に基づいて生成された電気信号を変調して、情報を超音波バックスキャッタに符号化するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが情報に基づいて第2の波力を有するように第2の給電用超音波を生成するように構成されたインテロゲータから第2の給電用超音波を受信するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、給電用超音波がパルス幅変調(PWM)信号を含む。いくつかの実施形態では、インテロゲータが情報に基づいて、PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、インテロゲータが情報に基づいて、PWM信号の瞬時強度値およびパルス幅を調整するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では装置が超音波トランスデューサの最大電圧を判定するように構成された電圧センサを含み、電力モニタ回路は最大電圧に基づいて、利用可能な電力を判定するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では装置が電気信号に基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように構成された電力コンベア回路を含み、電力モニタ回路はエネルギー蓄積デバイスエネルギーに基づいて利用可能な電力を判定するように構成される。いくつかの実施形態では、電力モニタ回路がエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの変化率に基づいて、利用可能な電力を判定するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では電気信号が第1の電圧を生成し、制御回路はインプランタブルデバイスに電力を供給するために、第1の電圧を第2の電圧に変換するように構成された複数のコンデンサを制御するように1つ以上のスイッチを制御するように構成され、電力モニタ回路は1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチング周波数に基づいて、利用可能な電力を判定するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、電力モニタ回路がインプランタブルデバイスの動作モードに基づいて、インプランタブルデバイスの消費電力を判定するように構成される。いくつかの実施形態では、動作モードが神経刺激、神経活動記録、または生理学的状態の測定または検出を含む。いくつかの実施形態において、生理学的状態は温度、pH、圧力、心拍数、歪み、酸素分圧、分析物の存在、または分析物の量を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、消費された電力がインプランタブルデバイスの負荷回路によって消費され、電力モニタ回路は負荷回路を駆動する電流の電流値を検出し、検出された電流値に基づいて消費電力を判定するように構成される。いくつかの実施形態では、負荷回路が動作モードを実行するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では電力モニタ回路が電気信号によって提供される供給電力を判定するように構成され、電気信号は第1のノードにおいて第1の電圧を生成する。いくつかの実施形態では、制御回路は供給電力が消費電力より大きいかどうかを判定するように構成される。いくつかの実施形態では装置が電気信号に基づいて、第1の電圧を第1の電圧ノードで受け取り、第1の電圧を第2の電圧に変換してインプランタブルデバイスに電力を供給するように構成された電力コンベア回路を含み、消費された電力は第2の電圧に関連付けられる。
【0021】
いくつかの実施形態では装置が超音波トランスデューサの最大電圧を判定するように構成された電圧センサを含み、電力モニタ回路は最大電圧に基づいて供給電力を判定するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では制御回路は供給電力が消費電力を超えると判定することに応じて、第1の電圧ノードに基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように電力コンベア回路を制御するように構成され、エネルギー蓄積デバイスを充電することは第1の電圧を低減する。
【0023】
いくつかの実施形態では、制御回路はエネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているか否かを判断するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、制御回路は供給電力が消費電力を超え、エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応答して、インプランタブルデバイスが余剰電力を供給されているという指示を含む情報をインテロゲータに送信するように超音波トランスデューサを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、指示を含む情報がインテロゲータによって受信可能であるように構成され、インテロゲータに、給電用超音波の波力よりも小さい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させる。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御回路は第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定するように構成され、第1の電圧が所定の電圧レベルを超え、エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応答して、供給電力を低減するために、給電用超音波から電気信号を生成するように構成された1つ以上のスイッチを開く。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御回路は供給電力が消費電力よりも少ないと判断することに応答して、第1の電圧ノードを介してエネルギー蓄積デバイス放電するように電力コンベア回路を制御し、エネルギー蓄積デバイス放電することによって、第1の電圧が増加するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御回路は供給電力が消費電力未満であると判定することに応答して、インプランタブルデバイスが電力の供給不足であるという指示を含む情報をインテロゲータに送信するように超音波トランスデューサを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、指示を含む情報がインテロゲータによって受信可能であるように構成され、インテロゲータに、給電用超音波の波力よりも大きい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、インテロゲータデバイスが第1の給電用超音波をインプランタブルデバイスに送信するように構成された超音波トランスデューサであって、第1の給電用超音波が第1の波力を有する超音波をインプランタブルデバイスに送信する超音波トランスデューサと、通信用超音波をインプランタブルデバイスから受信する超音波であって、通信用超音波がより多くの電力またはより少ない電力をインプランタブルデバイスに送信すべきかどうかを示す情報を含む超音波トランスデューサと、第2の給電用超音波をインプランタブルデバイスに送信する超音波トランスデューサであって、第2の給電用超音波が情報に基づいて第2である。
【0029】
いくつかの実施形態では、インテロゲータデバイスが通信用超音波から情報を抽出し、第2の電力を有する第2の給電用超音波を送信するように超音波トランスデューサを制御するように構成されたコントローラを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、通信用超音波が先に送信された通信用超音波の超音波バックスキャッタを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、第2の給電用超音波がPWM信号を含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが情報に基づいて、PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を制御して、第2の給電用超音波に第2の波力を持たせるように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、対象にインプランタブルデバイスに提供される電力を制御する方法がインプランタブルデバイスにおいて実施され、インテロゲータから給電用超音波を受信するステップであって、給電用超音波が波力を有するステップと、給電用超音波からのエネルギーを電気信号に変換してインプランタブルデバイスに電力を供給するステップと、より多くの電力またはより少ない電力がインプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報をインテロゲータに送信するステップとを含む。
【0033】
さらに、本明細書では、前述の実施形態のいずれかによる、前述の実施形態のいずれかによる、インプランタブルデバイスに、インテロゲータによって提供される電力を制御するための様々な方法の実施形態が説明される。
【0034】
前述の発明の概要、ならびに以下の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれると、より良く理解される。本開示を例示するために、図面は本開示の例示的な実施形態を示すが、本開示は開示された特定の方法および手段に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】いくつかの実施形態による、超音波を使用して電力を供給されるインプランタブルデバイスを含むシステムを示す。
【0036】
【
図2】いくつかの実施形態による、超音波を使用して1つ以上のインプランタブルデバイスに電力を供給するように構成されたインテロゲータを含むシステムを示す。
【0037】
【
図3】いくつかの実施形態による、インテロゲータによってインプランタブルデバイスに提供される電力を制御するための方法を示す。
【0038】
【
図4】いくつかの実施形態による、より多くの電力またはより少ない電力がインテロゲータからインプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を判定するための方法を示す。
【0039】
【
図5】いくつかの実施形態による、対象の神経と相互作用するように構成されたインプランタブルデバイスの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書に記載されるのは、対象内に埋め込まれるデバイスに供給され、超音波を使用して給電される電力を制御するためのシステムおよび方法である。上述したように、これらの電力制御は、インプランタブルデバイスを安全に動作させ、一貫した電力を供給することを可能にし得る。従って、超音波を用いて電力を供給されるインプランタブルデバイスは、超音波の使用に関連する潜在的な欠点を生じることなく、より小さなフォームファクタ及びより大きな埋め込み可能深度を可能にするなどの超音波によってもたらされる利点を保持することができる。いくつかの実施形態では、そのようなインプランタブルデバイスがインテロゲータから波力を有する給電用超音波を受信し、給電用超音波を電気信号に変換してインプランタブルデバイスに給電するように構成された超音波トランスデューサを含む。インプランタブルデバイスは、より多くの電力またはより少ない電力がインプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を生成するように構成された制御回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが情報をインテロゲータに送信するようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが情報を受信し、その情報に基づいて送信された給電用超音波の波力を調整するように構成することができる。
【0041】
図1は、いくつかの実施形態に従った、超音波を使用して給電されるインプランタブルデバイス104を含むシステム100を示す。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が
図2に関して以下でさらに説明されるように、インテロゲータ102から送信される超音波によって無線で電力を供給され得る。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が超音波通信を介してインテロゲータ102と無線で通信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が患者などの対象内に埋め込むことができ、インテロゲータ102は対象の体外にある(すなわち、埋め込まれていない)、または対象に完全に埋め込まれた別個のデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ102によって提供される電力がインテロゲータ102とインプランタブルデバイス104との間の双方向通信に基づいて制御され得る。いくつかの実施形態では、インテロゲータ102およびインプランタブルデバイス104が超音波を使用して互いに通信するように構成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス104が超音波を使用して給電されることを可能にするために、インプランタブルデバイス104は以下のデバイスコンポーネント:超音波トランスデューサ回路106、変復調回路112、刺激回路114、検出回路116、制御回路120、および電力回路130を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらのデバイスコンポーネントのうちの1つ以上を、それらの動作に応じて、デジタル回路、アナログ回路、または混合信号集積回路として実装することができる。例えば、制御回路120は、マイクロプロセッサ、有限ステートマシン、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはマイクロコントローラを含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ回路106がマッチングネットワーク110に結合された超音波トランスデューサ108を含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ回路106がマッチングネットワーク110を含まない。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ108がインテロゲータ102から超音波を受信し、受信した超音波からのエネルギーを電気信号に変換して、インプランタブルデバイス104の1つ以上のデバイスコンポーネントに給電するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電気信号が超音波トランスデューサ108によって生成することができる。なぜなら、受信された超音波によって引き起こされる超音波トランスデューサ108の振動は超音波トランスデューサ108の電気端子を横切る電圧を誘起し、電流を流すからである。
【0044】
いくつかの実施形態では上述のように、受信した超音波からの電力をインプランタブルデバイス104によって使用して、そのデバイスコンポーネントに電力を供給することができる。したがって、これらの超音波は本明細書では給電用超音波と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では受信された超音波がインプランタブルデバイスを動作させるための命令を含む情報を符号化することができ、したがって、これらの超音波は本明細書では通信用超音波と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では給電用超音波が処理される方法と同様に、通信用超音波は超音波トランスデューサ108によって受信され、超音波トランスデューサ108を通って流れる電流を有する電気信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、生成された電気信号が電流内の情報を符号化する。いくつかの実施形態では、同じ超音波がインプランタブルデバイス104に電力を供給し、かつインプランタブルデバイス104に送信するための情報を符号化するように構成することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ回路106が複数の対応するマッチングネットワークに結合された複数の超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの超音波トランスデューサを含むことによって、インプランタブルデバイス104は、少なくとも2つの超音波トランスデューサによって生成された電気信号によって電力を供給されて、インテロゲータ102によって提供される電力をより効率的かつ一貫して抽出するように構成され得る。
【0046】
例えば、上述したように、超音波トランスデューサ108と超音波源のインテロゲータ102との間の超音波トランスデューサ又は介在する生体物質の向きのような多くの要因は、超音波トランスデューサ108で受信可能な電力を著しく低減することができる。1つ以上の追加の超音波トランスデューサを追加することによって、単一の超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ108)において受信可能な電力の減少は、インプランタブルデバイス104の動作に悪影響を及ぼす可能性が少なくなり得る。いくつかの実施形態では、これらの超音波トランスデューサのうちの1つ以上が容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)または圧電微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)などの微細加工超音波トランスデューサであってもよく、またはバルク圧電型トランスデューサであってもよい。さらに、超音波トランスデューサ108の実装は、
図5に関して以下に説明される。
【0047】
いくつかの実施形態では、マッチングネットワーク110が信号反射を低減するために、超音波トランスデューサ108の電気インピーダンスとインプランタブルデバイス104(例えば、電力回路130)の電気インピーダンスとの間のインピーダンス整合を選択するように構成された電子回路であり得る。いくつかの実施形態では、マッチングネットワーク110がインダクタ、コンデンサ、抵抗、ダイオード、トランジスタ、またはそれらの任意の組合せなどの1つ以上の回路素子の様々な構成で実現することができる。例えば、マッチングネットワーク110は、並列に接続され、複数の対応するスイッチに結合された複数のキャパシタとして実装されてもよい。どのスイッチが開くか又は閉じるかを制御することによって、マッチングネットワーク110は、複数のキャパシタがどのように充電されてインピーダンスを選択するかを制御することができる。いくつかの実施形態では、マッチングネットワーク110が超音波トランスデューサ108によって生成された電気信号がスイッチによって制御される別個のワイヤを介して複数のキャパシタをバイパスすることを可能にするように構成することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では超音波を使用してインプランタブルデバイス104に電力を供給することを可能にするために、電力回路130は調整回路138に電気的に結合された電力リカバリ回路132を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力リカバリ回路132が超音波トランスデューサ回路106によって生成された電気信号を受信して処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力リカバリ回路132が電気信号をAC形成でDC形成に変換するための整流回路(例えば、能動整流素子)を含むことができ、変換された電気信号は第1の電圧(すなわち、受信された超音波の供給電圧)に関連することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、対象の生体組織を通して高出力波を伝搬させる際の健全性の危険性のために、政府の規制はインテロゲータ102によって送信される超音波によって提供される電力量(例えば、720mW/cm2)を制限することができる。したがって、受信された超音波から導出された第1の電圧は、インプランタブルデバイス104の電子コンポーネントを動作させるのに十分なほど高くない場合がある。例えば、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術で使用されるトランジスタは、トランジスタを動作させるために最低約2ボルトを必要とする場合がある。
【0050】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントのインプランタブルデバイス102を動作させるためにより高い第1の電圧を提供するために、給電用超音波をパルス幅変調(PWM)信号として送信することができる。いくつかの実施形態では、給電用超音波をPWM信号として送信することによって、インテロゲータ102は平均強度が調整限界内にとどまるように、また、より高い第1の電圧を生成するためにより高い瞬間電力を提供するように、短い高強度パルスを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが給電用超音波によって提供される電力を制御するために、PWM信号の瞬時強度および/またはパルス幅(例えば、超音波設定例)を制御するように構成することができる。
【0051】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス104がこれらの超音波によって給電されることを可能にするために、電力コンベア回路134は第1の電圧を第1の電圧よりも大きな第2の電圧に変換するように構成されたチャージポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、チャージポンプが第2の電圧を生成するために1つ以上のスイッチによって制御される複数の接続されたキャパシタを含むことができる。いくつかの実施形態では、チャージポンプが少なくとも1x、2x、3x、または4xの変換利得を達成することができる。いくつかの実施形態では、第2の電圧の大きさは1つ以上のスイッチのスイッチング周波数に基づいて制御することができる。
【0052】
上述のように、受信された超音波によって提供される電力は例えば、インプランタブルデバイス104の埋め込み深さ、または超音波トランスデューサ108と超音波源、例えば、インテロゲータ102との間に介在する生体物質を含む、多くの要因に起因して、一貫性がない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス104により一貫性のある電力を供給するために、電力リカバリ回路132は電力コンベア回路134に結合されたエネルギー蓄積デバイス136を含むことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスがバッテリ又はストレージキャパシタを含む。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスは、インプランタブルデバイス104の小さいフォームファクタを保持するために、ストレージキャパシタとして構成することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ストレージキャパシタが少なくとも0.1μF、少なくとも0.25μF、少なくとも0.5μF、少なくとも1μF、少なくとも2μF、少なくとも4μF、又は少なくとも8であるキャパシタンスを有することができる。いくつかの実施形態では、ストレージキャパシタが10μF未満、8μF未満、4μF未満、2μF未満、1μF未満、0.5μF未満、または0.25μF未満のキャパシタンスを有することができる。例えば、ストレージキャパシタは、0.5~2μFの範囲のような0.1~10μFの範囲の静電容量を有することができる。いくつかの実施形態では、ストレージキャパシタが約1μFである静電容量を有することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が受信した超音波の電力をエネルギー蓄積デバイス136がより効率的に利用し、より一貫した電力を提供することを可能にするために、少なくとも2つの電力モードで動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力モードが受信した超音波の電力の一部を、エネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積デバイス136に搬送することができる充電モードを含む。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路134が生成された第1の電圧に基づいてエネルギー蓄積デバイス136を充電するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力モードがエネルギー蓄積デバイス136に蓄積されたエネルギーの一部が放電されてエネルギー蓄積デバイス136から電力を伝え、インプランタブルデバイス104の他のデバイスコンポーネント(例えば、刺激回路114、検出回路116、又は制御回路120等)に付加的な電力を供給する放電モードを含む。いくつかの実施形態ではエネルギー蓄積デバイス136への、およびそこからの電力潮流は電力コンベア回路134を介して送ることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、調整回路138が電力コンベア回路134によって生成される出力電圧(例えば、第2の電圧)を調整して、調整された電圧をインプランタブルデバイス104の1つ以上の回路負荷に供給するように構成することができる。電力コンベア回路134がチャージポンプを含むいくつかの実施形態では、調整回路138がチャージポンプの動作スイッチによって生じる電位電圧リップルを除去または低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、調整回路138がインプランタブルデバイス104のデジタル回路負荷に供給される電圧を調整するために、DC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。いくつかの実施形態では、調整回路138がインプランタブルデバイス104のデジタル回路負荷に供給される電圧を調整するために、DC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。いくつかの実施形態では、調整回路138がインプランタブルデバイス104のアナログ回路負荷に供給される電圧を調整するためのAC電圧レギュレータ(例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、変復調回路112が超音波トランスデューサ回路106によって生成された電気信号を復調して、受信した超音波において符号化された情報を抽出するように構成された復調回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、復調回路が命令を含む抽出された情報を、インプランタブルデバイス104がその命令に基づいてどのように動作するかを制御するように構成された制御回路120に送信することができる。
【0057】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス104がインテロゲータ102と情報を無線通信することを可能にするために、変復調回路112は超音波バックスキャッタを使用して情報を符号化するように構成された変調回路を含むことができる。この情報はインプランタブルデバイス104によって生成され、説明を容易にするために、以下の説明ではデバイス情報と呼ばれることがある。
【0058】
一般に、インプランタブルデバイス104が対象内に埋め込まれると、インテロゲータ102の超音波トランシーバによって発せられた超音波(搬送波を含む)はインプランタブルデバイス104の超音波トランスデューサ回路106によって受信される前に、生体組織を通過する。上述のように、搬送波は超音波トランスデューサ108(例えば、バルク圧電型トランスデューサ)上に機械的振動を生じさせて、超音波トランスデューサ108にわたる電圧を生成し、その後、インプランタブルデバイス104の残りの部分に電流を流す。いくつかの実施形態では超音波トランスデューサ108を流れる電流によって、超音波トランスデューサ回路106は受信した超音波に対応するバックスキャッタ超音波を放射する。
【0059】
いくつかの実施形態では、変調回路が超音波トランスデューサ108を流れる電流を変調してデバイス情報を符号化するように構成することができ、これによって、結果として生じる超音波バックスキャッタ波もデバイス情報を符号化する。従って、インプランタブルデバイス104から放射される超音波バックスキャッタは、インプランタブルデバイス104に関連するデバイス情報を符号化することができる。いくつかの実施形態では、変調回路がオン/オフスイッチまたは電界効果トランジスタ(FET)などの1つ以上のスイッチを含むことができる。インプランタブルデバイス104のいくつかの実施形態と共に使用され得る一例のFETは、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む。いくつかの実施形態では変調回路が超音波トランスデューサ108を流れる電流のインピーダンスを変更するように構成することができ、流れる電流の変動は情報を符号化する。
【0060】
図2および
図3に関して以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態によれば、超音波バックスキャッタは、インテロゲータ102によって受信され、解読されて、超音波バックスキャッタで符号化されたデバイス情報を抽出することができる。いくつかの実施形態では、超音波バックスキャッタが超音波トランスデューサ108によって受信された超音波を送信したインテロゲータ102と同じであっても異なっていてもよいインテロゲータによって受信されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、検出回路116が対象の1つ以上の生理学的状態を測定または検出するために、1つ以上のセンサ140A~Cとやり取りするように構成することができる。いくつかの実施形態において、検出回路116は1つ以上のセンサ140A-Cに現在を提供し、1つ以上のセンサ140A-Cから生成された信号を受信するように設定されたドライバを含むことができる。いくつかの実施形態では、受信信号が検出された生理学的状態を表す情報、または測定された生理学的状態を表す情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、検出回路116が情報を制御回路120に送信するように構成することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cのうちの1つ以上がインプランタブルデバイス104の内部に配置され得るか、またはインプランタブルデバイス104の外部に連結され得る。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が少なくとも2つのセンサ140A~Cを含む。いくつかの実施形態では1つ以上の生理学的条件が温度、pH、圧力、心拍数、歪み、酸素圧、検体の存在、または検体の量を含むことができる。例えば、分析物は、酸素またはグルコースであってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、センサ140A~Cは、光学センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、光センサが光源および光検出器を含む。いくつかの実施形態では、光学センサが血圧またはパルスを検出する。いくつかの実施形態では光学センサがフルオロフォアまたは発光プローブを含む行列を含み、フルオロフォアの蛍光強度または蛍光寿命は分析物の量に依存する。いくつかの実施形態では、光学センサが近赤外分光法を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、光学センサはグルコースを検出する。
【0064】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cが電位差化学センサまたは電流測定化学センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサが酸素、pH、またはグルコースを検出する。
【0065】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cが温度センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサがサーミスタ、熱電対、または絶対温度に比例する(PTAT)回路である。
【0066】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cが圧力センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力センサが微小電気機械システム(MEMS)センサである。いくつかの実施形態では、検出回路116が血圧またはパルスを測定するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態において、センサ140A~Cは、歪センサを含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、検出回路116が
図5に関して以下でさらに説明されるように、神経または神経内の神経線維の標的化されたサブセットからの電気生理学的信号を検出するために、例えば、センサ140Cとやり取りするように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ140Cが刺激回路114によって動作される電極パッド142と同じであっても異なっていてもよい電極パッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、検出回路116が検出された電気生理学的信号に基づいて、神経または神経線維の標的サブセットの神経活動を記録するように構成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、計算モデリング(例えば、有限要素モデル)、逆音源推定、多極(例えば、三極)神経記録、速度選択記録、またはビームフォーミングなどの1つ以上の技法を、検出回路116によって(単独で、または制御回路120と併せて)実施して、神経線維のサブセットを選択的に標的化することができる。例えば、Taylor et al., Multiple-electrode nerve cuffs for low-velocity and velocity selective neural recording, Medical & Biological Engineering & Computing, vol. 42, pp. 634643 (2004)およびWodlinger et al., Localization and Recovery of Peripheral Neural Sources with Beamforming Algorithms, IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol. 17, no. 5, pp. 461-468 (2009)を参照されたい。
【0070】
いくつかの実施形態では、検出回路116が電気生理学的信号の標的検出のためにセンサ140Cの複数の電極を動作させるように構成することができる。例えば、センサ140Cは
図5に関して以下でさらに説明するように、インプランタブルデバイス104から延びる湾曲部材であってもよい。いくつかの実施形態では、検出回路116が電極パッドのすべてまたはサブセットによって検出された電気生理学的信号を分析して、電気生理学的信号を伝送している神経内の神経線維のサブセットを判定することができる。特定の神経は、神経線維の2つ以上の異なるサブセットによって同時に伝達される電気生理学的信号(または活動電位)の合計である複合電気生理学的信号(または複合活動電位)を伝達し得る。複数の電極パッドによって検出された電気生理学的信号に基づいて、検出回路116は、神経線維のどのサブセットがどの電気生理学的信号を伝達するかを判定することができる。いくつかの実施形態ではインテロゲータ102から受信されたデータ(温度データ、または分析物濃度または他の生理学的状態に関連するデータなど)は神経線維のどのサブセットが電気生理学的信号を送信するかを判定するためにさらに使用される。
【0071】
例えば、いくつかの実施形態では、検出回路116が速度選択記録を使用して神経線維の標的サブセットから電気生理学的信号を選択的に検出するように構成されてもよく、速度選択記録は多極(例えば、三極)記録(1つ以上の湾曲部材上の複数の電極内の任意の数の三極を含むことができる)と組み合わせることができる。
【0072】
ビームフォーミングは神経線維の標的化されたサブセットからの電気生理学的信号を検出するために、追加的または代替的に使用され得る。1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部または全部は神経からの電気生理学的信号を検出することができ、検出回路116は、1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部または全部によって検出された電気生理学的信号の差に基づいて、神経内の送信信号の断面位置を判定することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104の位置から離れた位置での1つ以上の神経の刺激がインプランタブルデバイス104の位置での電気生理学的信号の変調をもたらすことができる。インプランタブルデバイス104の電極パッド(例えば、電極パッド142)と電気的に通信している神経内の神経線維の異なるサブセットで検出される電気生理学的信号の変調は、異なる遠隔神経における刺激の結果であり得る。例えば、脾神経の刺激は迷走神経内の神経線維の第1のサブセットから検出される電気生理学的信号の変調をもたらし得、腎神経の刺激は迷走神経内の神経線維の第2のサブセットから検出される電気生理学的信号の変調をもたらし得る。したがって、迷走神経上に配置されたインプランタブルデバイスは脾神経の刺激をモニタするために第1の神経線維サブセットからの電気生理学的信号を検出し、腎神経の刺激をモニタするために第2の神経線維サブセットを検出することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、刺激回路114が神経線維のサブセットに接続された1つ以上の電極パッド142を選択的に活性化することによって、標的電気パルスを神経内の神経線維のサブセットに放出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が
図5に関して以下でさらに説明するように、刺激回路114を電極パッド142に電気的に接続する1つ以上の湾曲部材を含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、刺激回路114が電極パッド142を動作させるために、または電極パッド142を選択的に活性化するために、制御回路120によって制御され得る。選択的活性化は例えば、1つ以上の湾曲部材の複数の電極パッド142内の電極パッドの一部を活性化すること、および/または1つ以上の湾曲部材の複数の電極パッド142内の電極パッドのすべてまたは一部を差動的に活性化することを含むことができる。したがって、複数の電極は、複数の電極パッド142によって放出された電気パルスを神経線維の標的サブセットに導くように操作することができる。いくつかの実施形態によれば、電場干渉または多極刺激(例えば、三極刺激)などの技法を使用して、電気パルスを神経内の神経線維のサブセットに標的化することができる。例えば、Grossman, et al., Noninvasive Deep Brain Stimulation via Temporally Interfering Electrical Fields, Cell, vol. 169, pp. 1029-1041 (2017)を参照されたい。1つ以上の湾曲部材内の電極パッド142は放出された電気パルスを神経線維のサブセットに標的化するために、制御回路120によって選択的に活性化され得る。
【0076】
放出された電気パルスによって標的とされる神経線維のサブセットは、電気生理学的信号が検出回路116によって検出される神経線維のサブセットと同じであっても異なっていてもよい。標的電気パルスを放出するように構成された1つ以上の湾曲部材は、電気生理学的信号を検出するように構成されたインプランタブルデバイス104上の1つ以上の湾曲部材と同じであっても異なっていてもよい。放出された標的電気パルスは、インプランタブルデバイス104の位置で神経を刺激することができる。電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは、電気生理学的信号が選択的に検出される神経線維の同じまたは異なるサブセットであり得る。
【0077】
インプランタブルデバイス104によって放出される電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは例えば、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束、または神経内の1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束の一部であり得る。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の求心性神経線維、または神経内の求心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の遠心性神経線維、または神経内の遠心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の2つ以上の線維束内の遠心性神経線維、または神経内の2つ以上の線維束内の求心性神経線維を含むか、またはそれらからなる。
【0078】
神経線維のサブセットに標的電気パルスを放出することによる神経線維のサブセットの標的刺激は、神経の位置から離れた位置での神経の刺激を生じ得る。インプランタブルデバイス104によって刺激される遠隔神経は、デバイスによって放出される電気パルスによって標的とされるインプランタブルデバイス104の位置における神経のサブセットに依存する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104が第1の神経位置に配置され、第2の神経位置に関連する第1の神経位置内の神経線維のサブセットに標的電気パルスを放出することによって、第2の神経位置を刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の神経位置および第2の神経位置が1つ以上の神経分岐点または1つ以上のシナプスによって分離される。いくつかの実施形態において、第2の神経位置は第1の神経位置に対して脳の近位にあり、いくつかの実施形態において、第2の神経位置は、第1の神経位置に対して脳から遠位にある。いくつかの実施形態では、神経線維の標的化サブセットが求心性神経線維を含むか、または求心性神経線維からなる。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットが遠心性神経線維を含むか、または遠心性神経線維からなる。
【0079】
いくつかの実施形態では、制御回路120がコマンドプロセッサ122と、電力モニタ124と、メモリ126とを含む。ある実施形態では、メモリ126がレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、またはランダムアクセスメモリ(RAM)などの一時的でない記憶メモリを含む。いくつかの実施形態では、制御回路120がデジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路とすることができる。制御回路120の例は、マイクロプロセッサ、有限ステートマシン、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびマイクロコントローラを含んでもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が受信された超音波に符号化され、変復調回路112によって抽出された情報から命令を受信するように構成することができる。ある実施形態では、コマンドプロセッサ122が受信した命令を命令レジスタなどのメモリ126に記憶することができる。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が命令および格納されたロジックに基づいて、動作モードに入るようにインプランタブルデバイス104を制御するように構成され得る。例えば、コマンドプロセッサ122は、現在の動作モードと、1つ以上の受信された命令、1つ以上のセンサ値、またはそれらの組合せなどの1つ以上の検出された入力とに基づいて、インプランタブルデバイス104の動作モードを制御するFSMとして埋め込まれ得る。
【0081】
インテロゲータによって放出され、閉ループインプランタブルデバイスによって受信される超音波に符号化された情報は例えば、神経変調を開始または停止するための命令、1つ以上の校正命令、動作ソフトウェアに対する1つ以上の更新、および/または1つ以上のテンプレート(テンプレート電気生理学的信号、1つ以上のテンプレート電気生理学的信号、および/または1つ以上のテンプレート刺激信号など)を含むことができる。ある実施形態では、コマンドプロセッサ122が受信した命令を処理し、メモリ126に格納するように構成することができる。いくつかの実施形態において、コマンドプロセッサ122は、受信された1つ以上の命令に基づいて、複数の動作モードから動作モードに入ることができる。いくつかの実施形態では、複数の動作モードが神経を刺激するためのモード、神経活動を記録するためのモード、または1つ以上の生理学的状態を判定するためのモードを含むことができる。例えば、インプランタブルデバイス104が神経刺激モードに入るべきであることを命令が示す場合、制御回路120は、特定の神経線維または神経の一部を刺激するように刺激回路114を制御するように構成され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が1つ以上の生理学的状態を判定するために、神経活動記録モードまたはモードに入るようにインプランタブルデバイス104を制御する場合、コマンドプロセッサ122はデバイス情報(例えば、神経記録または検出/測定された生理学的状態)を取り出すように、検出回路116を制御し得る。いくつかの実施形態では、デバイス情報を取り出すと、コマンドプロセッサ122は上述のように、デバイス情報を超音波バックスキャッタで符号化するように変復調回路112を制御するように構成され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス104に電力制御を提供するために、電力モニタ124は
図3に関して以下でさらに説明されるように、インプランタブルデバイス104の利用可能な電力および電力消費をモニタするように構成され得る。いくつかの実施形態では、利用可能な電力が超音波トランスデューサ108で受信された超音波によって提供される供給電力を含むことができ、インプランタブルデバイス104に格納されたアクセス可能な電力を含むことができる。例えば、アクセス可能な電力は、余剰エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積デバイス136からアクセス可能な電力を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電力モニタ124が
図3に関してさらに後述するように、電力コンベア回路134によって生成される出力電圧に基づいて、消費電力を判定することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が利用可能な電力および電力モニタ124によってモニタされる消費電力に基づいて、より多くの電力またはより少ない電力がインプランタブルデバイス104に送信されるべきかどうかを示す情報を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御回路120が情報を生成するために、
図4に関して後述するように、方法400を実装するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御回路120が
図3に関してさらに後述するように、生成された情報を超音波バックスキャッタで符号化するように、変復調回路112を制御するように構成することができる。
【0085】
図2は、いくつかの実施形態による、超音波を使用して1つ以上のインプランタブルデバイス240に電力を供給するように構成されたインテロゲータ202を含むシステム200を示す。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202がそれぞれ
図1および
図3に関して説明したようなインテロゲータ102またはインテロゲータ302の一例とすることができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202が以下で説明するように、
図4の方法400のステップのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202が電力供給203と、計算回路210と、信号生成回路220と、超音波トランスデューサ回路204とを含む。図示のように、電源203は、計算回路210および信号生成回路220に電力を供給するように構成することができる。いくつかの実施形態では電力供給203は1.8Vを提供することができるが、任意の適切な電圧を使用することができる。例えば、電力供給203は、1.8Vを供給するために1つ以上のバッテリを含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、信号生成回路220が1つ以上のチャネル224に給電するように構成されたチャージポンプ222を含む。いくつかの実施形態では、チャージポンプ222が電力供給203によって提供される電圧を増加させるように構成することができる。例えば、チャージポンプ222は、電力供給203によって供給される1.8Vを32Vに増加させてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、各チャネル224がトランスデューサ回路204の対応する超音波トランスデューサ208に結合され、動作を制御する。いくつかの実施形態ではチャネル224に接続された超音波トランスデューサ208が超音波を受信するためだけに、または超音波を送信するためだけに構成することができ、その場合、スイッチ229はチャネル224から任意選択で省略することができる。いくつかの実施形態では、各チャネル224が遅延制御226、レベルシフタ228、およびスイッチ229を含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、遅延制御226が超音波トランスデューサ208によって送信される超音波の波形および/または信号を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、遅延制御226が送信波形を生成するために、制御回路212からのコマンドに基づいて、例えば、位相シフト、時間遅延、パルス周波数、波形(振幅および波長を含む)、またはそれらの組合せを制御することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルの波形および周波数を表すデータが遅延制御226またはメモリ216に格納された「ウェーブテーブル」に格納することができる。これにより、各チャネル224上の送信波形を異なるものとすることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、遅延制御226が入力パルスを遅延制御226から超音波トランスデューサ208が超音波を送信するために使用するより高い電圧にシフトするように構成されたレベルシフタに接続することができる。いくつかの実施形態では、遅延制御226およびレベルシフタ228がデータを実際の送信信号にトランスデューサアレイ206にストリーミングするために使用されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、各チャネル224に対する送信波形がマイクロコントローラまたは他のデジタルシステムの高速シリアル出力によって直接生成され、レベルシフタ228または高電圧増幅器を介してトランスデューサ素子(例えば、超音波トランスデューサ208)に送られることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、チャネル224のスイッチ229が超音波バックスキャッタなどの超音波を受信するように対応する超音波トランスデューサ208を構成することができる。いくつかの実施形態では、受信された超音波が超音波トランスデューサ208(受信モードに設定される)によって電流に変換され、受信された超音波で捕捉されたデータを処理するためにデータプロセッサ211に送信される。いくつかの実施形態では、増幅器、アナログデジタル変換器(ADC)、可変利得増幅器、または組織損失を補償する時間利得制御可変利得増幅器、および/または帯域通過フィルタを含むことによって、受信超音波を処理することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、上述のチャネル224がT/Rxスイッチ229を含まず、代わりに、良好な飽和回復を有する低雑音増幅器の形態の高電圧Rx(受信回路)を有する独立したTx(送信)およびRx(受信)を含む。いくつかの実施形態では、T/Rx回路はサーキュレータを含む。いくつかの実施形態ではトランスデューサアレイ206が処理チャネル224よりも多くのトランスデューサ素子(例えば、超音波トランスデューサ208)を含み、インテロゲータ202は各パルスに対して送信素子の異なるセットを選択するためのマルチプレクサを含むように構成することができる。例えば、64の送信/受信チャネルは3:1マルチプレクサを介して192の物理トランスデューサ素子に接続することができ、64のトランスデューサ素子のみが所与のパルス上でアクティブである。
【0093】
いくつかの実施形態では、計算回路210がデジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路とすることができる。計算回路210の例は、マイクロプロセッサ、有限ステートマシン、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびマイクロコントローラを含んでもよい。いくつかの実施形態ではインテロゲータ202が不揮発性メモリを含むことができ、不揮発性メモリは計算回路210によってアクセスすることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、計算回路210が制御回路212およびデータプロセッサ211を含む。いくつかの実施形態では、制御回路212が超音波設定218を記憶するコマンドジェネレータ214およびメモリ216を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、コマンドジェネレータ214が遅延制御226の動作を制御するための命令を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス242などのインプランタブルデバイスから受信されたデバイス情報に基づいて、コマンドジェネレータ214は
図3に関して以下にさらに説明されるように、送信された超音波の出力電力を制御するために超音波設定を設定または選択するように構成され得る。例えば、受信されたデバイス情報は、より多くの電力がインプランタブルデバイス242に送信されるべきであることを示し得る。この例では、コマンドジェネレータ214が超音波トランスデューサ回路204によって送信される超音波の電力を増加させるために、波形のより高いパルス幅またはより高い瞬間強度などの超音波設定218を選択し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、トランスデューサ回路204が超音波をインプランタブルデバイス242などのインプランタブルデバイス240に送るように構成された1つ以上の超音波トランスデューサ208を含む。いくつかの実施形態では
図2に示されるように、トランスデューサ回路204は複数の超音波トランスデューサ208を有するトランスデューサアレイ206を含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイ206が1個以上、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、50個以上、100個以上、250個以上、500個以上、1000個以上、2500個以上、5000個以上、または10,000個以上の超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイ206が100,000個以下、50,000個以下、25,000個以下、10,000個以下、5000個以下、2500個以下、1000個以下、500個以下、200個以下、150個以下、100個以下、90個以下、80個以下、70個以下、60個以下、50個以下、40個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、7個以下、5個以下の超音波トランスデューサを含む。トランスデューサアレイ206は例えば、50個以上の超音波トランスデューサ画素を備えるチップであってもよい。
【0097】
図2に示すように、トランスデューサ回路204は単一のトランスデューサアレイ206を含むが、いくつかの実施形態によれば、トランスデューサ回路204は1つ以上、2つ以上、または3つ以上の別個のトランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサ回路204が10個以下のトランスデューサアレイ(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のトランスデューサアレイ)を含む。いくつかの実施形態では、別個のトランスデューサアレイが対象の異なる地点に配置することができ、同じまたは異なるインプランタブルデバイス240と通信することができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイがインプランタブルデバイス242などのインプランタブルデバイスの反対側に配置することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202のトランスデューサアレイ206の具体的な設計がトランスデューサアレイ206内の個々の超音波トランスデューサ208の所望の進入長、開口サイズ、およびサイズに依存する。トランスデューサアレイ206のレイリー距離Rは、次のように計算される。
(数式)
ここで、Dは開口サイズであり、λは伝搬媒体(すなわち組織)内の超音波の波長である。当技術分野で理解されるように、レイリー距離は、トランスデューサアレイ206によって放射されるビームが完全に形成される距離である。すなわち、受け取った電力を最大にするために、レイリー距離で自然な焦点に収束する圧力場である。したがって、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス240がトランスデューサアレイ206からレイリー距離とほぼ同じ距離とすることができる。
【0099】
トランスデューサアレイ206内の個々の超音波トランスデューサ208は、ビームフォーミングまたはビームステアリングのプロセスを通して、レイリー距離およびトランスデューサアレイ206によって放射される超音波のビームの位置を制御するように変調することができる。線形制約最小分散(LCMV)ビームフォーミングなどの技法を使用して、複数のインプランタブルデバイス240(例えば、インプランタブルデバイス242)を外部超音波トランシーバと通信することができる。例えば、Bertrand et al., Beamforming Approaches for Untethered, Ultrasonic Neural Dust Motes for Cortical Recording: a Simulation Study, IEEE EMBC (Aug. 2014)を参照されたい。いくつかの実施形態では、ビームステアリングがトランスデューサアレイ206内の超音波トランスデューサ208によって放射される超音波の出力または位相を調整することによって実行される。
【0100】
いくつかの実施形態ではインテロゲータ202(例えば、計算回路210)は1つ以上の超音波トランスデューサ208を使用して超音波をビームステアリングするための命令、1つ以上のインプランタブルデバイス240の相対位置を判定するための命令、1つ以上のインプランタブルデバイス240の相対移動をモニタするための命令、1つ以上のインプランタブルデバイス240の相対移動を記録するための命令、および複数のインプランタブルデバイス240からのバックスキャッタを逆畳み込みするための命令のうちの1つ以上を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、ユーザ(例えば、医師または患者)がインテロゲータ202の動作を制御して、インプランタブルデバイス240に電力を供給するか、またはインプランタブルデバイス240と通信することを可能にするユーザインターフェース(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースがタッチスクリーンまたはモニタ、キーボード、マウス、または音声認識デバイスなどの入力をインテロゲータ202に提供する入力デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースがタッチスクリーン、モニタ、プリンタ、ディスクドライブ、またはスピーカなど、出力を提供する任意の適切なデバイスなどの出力デバイスを含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202がモバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレット)などの別個のコンピュータシステム(図示せず)を使用して制御することができる。コンピュータシステムは例えば、ネットワーク接続、無線(RF)接続、またはBluetoothを介して、インテロゲータ202に無線通信することができる。コンピュータシステムは例えば、インテロゲータ202をオンまたはオフにするか、またはインテロゲータ202によって受信された超音波に符号化された情報を分析することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202が複数のインプランタブルデバイス240と通信する。これは、例えば、多入力多出力(MIMO)システム理論を用いて行うことができる。例えば、インテロゲータ202と複数のインプランタブルデバイス240との間の通信は、時分割多重化、空間多重化、または周波数多重化を使用して実行され得る。インテロゲータ202は複数のインプランタブルデバイス240から組み合わされた超音波バックスキャッタを受信することができ、これをデコンボリューションすることができ、それによって、各インプランタブルデバイス242から情報を抽出する。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202がトランスデューサアレイ206からビームステアリングを介して特定のインプランタブルデバイスに送信される超音波を合焦するように構成することができる。例えば、インテロゲータ202は送信された超音波を第1のインプランタブルデバイス(例えば、インプランタブルデバイス242)に合焦させ、第1のインプランタブルデバイスからのバックスキャッタを受信し、送信された超音波を第2のインプランタブルデバイスに合焦させ、第2のインプランタブルデバイスからのバックスキャッタを受信することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202が超音波を複数のインプランタブルデバイス240に送信し、次いで、複数のインプランタブルデバイス240から超音波バックスキャッタを受信する。
【0104】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202または1つ以上の超音波トランスデューサ208は着用可能である。例えば、インテロゲータ202または1つ以上の超音波トランスデューサ208は、ストラップまたは接着剤によって対象の身体に固定されてもよい。別の例では、インテロゲータ202がユーザ(医療専門家など)によって保持され得るワンドであり得る。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202が縫合糸、単純な表面張力、布ラップ、スリーブ、弾性バンドなどの衣類ベースの固定デバイスを介して、または皮下固定によって身体に保持することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202の1つ以上の超音波トランスデューサ208またはトランスデューサアレイ206がインテロゲータ202の残りの部分とは別個に配置されてもよい。例えば、トランスデューサアレイ206は第1の位置(例えば、1つ以上のインプラントデバイスの近位)で対象の皮膚に固定され、そしてインテロゲータ202の残りは第2の位置に配置し、超音波トランスデューサ208またはトランスデューサアレイ206をインテロゲータ202の残りにワイヤでテザリングするようにしてもよい。
【0105】
図3は、いくつかの実施形態による、インテロゲータ302によってインプランタブルデバイス304に提供される電力を制御するための方法300を示す。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302およびインプランタブルデバイス304がそれぞれ、
図1のインプランタブルデバイス104および
図2のインテロゲータ202の例であり得る。したがって、説明を容易にするために、以下の様々なステップは、インプランタブルデバイス104またはインテロゲータ202のコンポーネントを参照し得る。
【0106】
ステップ306において、インテロゲータ302は1つ以上の超音波設定(例えば、超音波設定218)を設定する。いくつかの実施形態では、超音波設定が複数の記憶された波形から波形を選択するコマンドを含む。例えば、波形は非一時的メモリ(例えば、メモリ216または遅延制御226)内のデータテーブルに記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波設定がインテロゲータ302によって送信される超音波の波パラメータを含む。例えば、波動パラメータは期間、周波数、振幅(すなわち、強度)、波長、パルス持続時間、パルス繰返しレート等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302が複数の波動パラメータに対応する複数の超音波設定を設定する。
【0107】
ステップ308において、インテロゲータ302は、波力を有する給電用超音波を送信する。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302がステップ306で設定される1つ以上の超音波設定に基づいて、給電用超音波を生成するように構成され得る。したがって、波力は、1つ以上の超音波設定に依存し得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、送信された給電用超音波がパルス幅変調(PWM)信号を含むことができる。これらの実施形態では、1つ以上の超音波設定がPWM信号の瞬時強度値、PWM信号のパルス幅、またはそれらの組合せに関連する情報を含むことができる。1つ以上の超音波設定を選択または設定することによって、インテロゲータ302は、送信された給電用超音波の波力を調整するように構成することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ302がインプランタブルデバイス304に別個の超音波を送信して、より多くの電力またはより少ない電力をインプランタブルデバイス304に送信すべきかどうかに関する情報をインプランタブルデバイス304に要求するように構成することができる。例えば、ステップ310において、インテロゲータ302は、通信用超音波をインプランタブルデバイス304に送信する。いくつかの実施形態では、通信用超音波がステップ308の給電用超音波とは別個であり、給電用超音波の設定とは異なる超音波設定に対応し得る。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302の制御回路(例えば、制御回路212)はインテロゲータ202で受信されたユーザ入力に基づいて、またはインプランタブルデバイス304から送信された情報に基づいて、送信する超音波(例えば、給電用超音波または通信用超音波)のタイプを判定するように構成され得る。
【0110】
ステップ316において、インプランタブルデバイス304は、波力を有する給電用超音波を用いて、インテロゲータ302から給電用超音波を受信する。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス304の超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ108)は給電用超音波を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が給電用超音波の対応する部分を受信するように構成された2つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。上述のように、いくつかの実施形態によれば、2つ以上の超音波トランスデューサを実装することにより、インプランタブルデバイス304が、給電用超音波からより一貫して効率的に電力を抽出することを可能にすることができる。
【0111】
ステップ318では、インプランタブルデバイス304が給電用超音波からのエネルギーを電気信号に変換してインプランタブルデバイス304に電力を供給する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が受信した給電用超音波の機械的エネルギーを、電気エネルギーを有する電気信号に変換するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ108)を含む。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304がインテロゲータ302によって生成される給電用超音波に基づいて完全に電力を供給することができる。
【0112】
ステップ320において、インプランタブルデバイス304は、より多くの電力またはより少ない電力がインプランタブルデバイス304に送信されるべきかどうかを示す情報を、インテロゲータ302に送信する。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス304の制御回路(例えば、制御回路120)は情報を生成するように構成することができる。説明を容易にするために、以下のステップは、電力情報のような情報を参照することができる。いくつかの実施形態では、ステップ320がステップ322~330のうちの1つ以上を含むことができる。
【0113】
ステップ322において、インプランタブルデバイス304は、インテロゲータ302から通信用超音波を受信する。いくつかの実施形態では超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ108)は受信された通信用超音波に基づいて電気信号を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス304の復調回路(例えば、変復調回路112において)はインプランタブルデバイス304に電力情報の送信を要求する通信用超音波から命令を抽出するように構成することができる。例えば、変調回路は、通信用超音波を復調して命令を抽出することができる。
【0114】
ステップ324において、インプランタブルデバイス304は、インプランタブルデバイス304上の利用可能な電力を判定する。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス304の電力モニタ(例えば、電力モニタ124)は利用可能な電力を判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、利用可能な電力が超音波トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ108)で受信されるように給電用超音波によって供給される電力と、インプランタブルデバイス304上のエネルギー蓄積デバイス(例えば、エネルギー蓄積デバイス136)からアクセス可能な電力(例えば、電力回路130で)とを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、電力回路130に関して上述したように、エネルギー蓄積デバイスはインプランタブルデバイス304が給電用超音波の電力をより効率的に利用することを可能にし、かつインプランタブルデバイス304に一貫した電力を提供するように、少なくとも2つの電力モードで動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力モードがエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの一部が放電されて、エネルギー蓄積デバイスからインプランタブルデバイス304(例えば、1つ以上の負荷回路)に電力を伝える放電モードを含む。いくつかの実施形態では、電力モードが給電用超音波の電力の一部がエネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積デバイスに搬送される充電モードを含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、電力モニタが超音波トランスデューサによって提供される最大電圧(すなわち、開回路電圧)を判定することに基づいて、利用可能な電力を判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、最大電圧が電気信号の最大可能電圧に対応する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が超音波トランスデューサの最大電圧に対応するデータを測定するように構成された電圧センサを含む。例えば、電圧センサは、電気信号に結合された分圧器であってもよい。いくつかの実施形態では、電力モニタが電圧センサから受信したデータに基づいて、最大電圧を判定することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、電力モニタがエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーに基づいて利用可能な電力を判定するように構成することができる。例えば、電力モニタは、センサによって測定されるエネルギー蓄積デバイスの電圧又は電流に基づいて蓄積されたエネルギーを判定することができる。いくつかの実施形態では、電力モニタがエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの変化率に基づいて、利用可能な電力を判定するように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が超音波トランスデューサによって生成されるように、電気信号に関連する第1の電圧を、インプランタブルデバイス304および負荷回路に電力を供給するために第2の電圧に変換するように構成された電力コンベア回路(例えば、電力コンベア回路134)を含む。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路が第1の電圧を第1の電圧よりも大きな大きさを有する第2の電圧に変換するように構成されたチャージポンプを含む。いくつかの実施形態では、第2の電圧を生成するために、制御回路は(チャージポンプの)複数のキャパシタを制御するために、チャージポンプの1つ以上のスイッチを制御するように構成することができる。上述したように、人間の安全を確保するために、給電用超音波の強度が一定値以下に制限され(例えば、政府の規制により)、第1の電圧がインプランタブルデバイス304の負荷回路に電力を供給するには電圧が低すぎる結果となる可能性があるため、この変換が必要となる場合がある。いくつかの実施形態では、電力モニタがチャージポンプの1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチ周波数に基づいて、利用可能な電力を判定するように構成することができる。
【0119】
ステップ326において、インプランタブルデバイス304は、インプランタブルデバイス304における消費電力を判定する。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス304の電力モニタ(例えば、電力モニタ124)は消費電力を判定するように構成され得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、電力消費がインプランタブルデバイス304上の1つ以上の負荷回路によって消費される電力を含むことができる。いくつかの実施形態では消費電力を判定するために、電力モニタはインプランタブルデバイス304の1つ以上の負荷回路を駆動する電流の電流値を検出するように構成することができる。例えば、電力モニタは、電流値を示すデータを電流センサから受信することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304がインプランタブルデバイス304の動作モードに基づいて消費電力を判定することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が各動作モードに対応する推定消費電力を非一時的メモリ(例えば、メモリ126)に記憶するように構成され得る。例えば、インプランタブルデバイス304は、神経刺激モードおよび温度記録モードを含み得る。この例では神経を刺激するために電気パルスを誘導することは検出された温度を記憶することよりも多くの電力を必要とするので、インプランタブルデバイス304は温度記録モードよりも、神経刺激モードのためのより高い推定消費電力を記憶することができる。
【0122】
ステップ328では、インプランタブルデバイス304が利用可能な電力および消費された電力に基づいて、電力情報を生成する。いくつかの実施形態では、電力情報が利用可能な電力、消費電力、またはそれらの組合せを示す情報を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、電力情報がより多くの電力またはより少ない電力のいずれかに対する要求を含むことができ、利用可能な電力および消費電力に基づいて生成される。いくつかの実施形態では、電力情報が同じ電力を維持するための要求を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力情報が増加または減少されるべき電力量を示す要求を含むことができる。例えば、インプランタブルデバイス304の電力モニタ(例えば、電力モニタ124)は、利用可能な電力と、要求を生成するために消費された電力とを比較するように構成することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス304が以下で説明するように、
図4の方法400を実行することによって電力情報を生成することができる。
【0124】
ステップ330において、インプランタブルデバイス304は、電力情報を符号化する超音波バックスキャッタと通信用超音波の超音波バックスキャッタを放射する。いくつかの実施形態では、制御回路が(例えば、変復調回路112において)インプランタブルデバイス304の変調回路を制御して、通信用超音波に対応する電気信号によって供給される電流を変調して電力情報を符号化するように構成することができる。インプランタブルデバイス304が複数の超音波トランスデューサを含むいくつかの実施形態では、制御回路が符号化された情報を有する超音波バックスキャッタを放射するように超音波トランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御回路が1つ以上のトランスデューサパラメータに基づいて、1つ以上の超音波トランスデューサを選択するように構成することができる。例えば、そのようなトランスデューサのパラメータは、電圧、電流、電力などを含んでもよい。
【0125】
ステップ312において、インテロゲータ302(例えば、トランスデューサ回路204)は、インプランタブルデバイス304から電力情報を受信する。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302がステップ310の送信された通信用超音波に対応する超音波バックスキャッタを受信するように構成することができる。いくつかの実施形態ではインテロゲータ302のデータプロセッサ(例えば、データプロセッサ211)はインテロゲータ302の1つ以上の超音波トランスデューサで受信された超音波バックスキャッタから電力情報を抽出するように構成され得る。
【0126】
ステップ314において、インテロゲータ302は、電力情報に基づいて波力を調整するかどうかを判定する。いくつかの実施形態では波力を調整するために、インテロゲータ302の制御回路(例えば、制御回路212)は1つ以上の超音波設定を設定して、電力情報に対応するように波力を制御するように構成することができる。例えば、
図3に示すように、方法300はステップ306に戻る。その後、いくつかの実施形態によれば、インテロゲータ302は電力情報に基づいて、第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成し、送信することができる。次いで、インプランタブルデバイス304は、第2の給電用超音波を第2の波力で受信して、安全な動作および一貫した電力を可能にしてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、電力情報がインプランタブルデバイス304に送信されるべきより多くの電力またはより少ない電力の要求を含む。これらの実施形態では、制御回路が1つ以上の超音波設定を設定して、要求に対応するように波力を制御するように構成することができる。例えば、要求がより多くの電力に対するものである場合、インテロゲータ302は瞬間強度値(すなわち、超音波設定の一例)を増加させ、パルス幅(すなわち、超音波設定の別の一例)を増加させ、または瞬間強度値およびパルス幅の両方を増加させてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、電力情報がインプランタブルデバイス304の利用可能な電力および消費された電力を示す情報を含む。これらの実施形態では、制御回路が電力情報に基づいて、より多くの電力またはより少ない電力がインプランタブルデバイス304に送信されるべきかどうかを判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302の制御回路が以下で説明するように、
図4の方法400を実行することによってそのような判定を行うように構成することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では上述のように、給電用超音波はPWM信号として送信され得る。いくつかの実施形態では給電用超音波の波力を制御するために、インテロゲータ302はPWM信号の瞬時強度値またはパルス幅などの1つ以上の超音波設定を設定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、インテロゲータ302がPWM信号の瞬時強度値とパルス幅の両方を設定するように構成することができる。
【0130】
図4は、いくつかの実施形態による、より多くの電力またはより少ない電力がインテロゲータからインプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を判定するための方法400を示す。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが
図1のインプランタブルデバイス104または
図3のインプランタブルデバイス304の例であってもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータが
図2のインテロゲータ202または
図3のインテロゲータ302の例であってもよい。いくつかの実施形態では、方法400が以下でさらに説明するように、インプランタブルデバイスにおいて実行することができる。他の実施形態では、方法400が以下でさらに説明するように、インテロゲータで実行することができる。説明を容易にするために、方法400の以下の様々なステップは、
図1に関して説明されるようなインプランタブルデバイス104の構成要素、
図2に関して説明されるようなインテロゲータの構成要素、または
図3に関して説明されるような方法300のステップを指し得る。
【0131】
ステップ402では、インプランタブルデバイスの消費電力(Pc)と、第1の電圧およびインプランタブルデバイスに関連する供給電力(Ps)とがモニタされる。ステップ318に関して上述したように、インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサは、受信した給電用超音波からのエネルギーを電気信号に変換して、インプランタブルデバイスに電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、供給電力がステップ324で上述したように、電気信号によって提供される電力に対応する。
【0132】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが超音波トランスデューサによって生成された電気信号に基づいて、供給電力を判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサによって提供される最大電圧(すなわち、開回路電圧)を判定することに基づいて、供給電力を判定するように、電力モニタ(例えば、電力モニタ124)を構成することができる。いくつかの実施形態では、最大電圧が電気信号の最大可能電圧に対応する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが超音波トランスデューサの最大電圧に対応するデータを測定するように構成された電圧センサを含む。例えば、電圧センサは、電気信号に結合された分圧器であってもよい。いくつかの実施形態では、電力モニタが電圧センサから受信したデータに基づいて、最大電圧を判定することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがインプランタブルデバイスの動作モードに基づいて消費電力を判定するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、インプランタブルデバイスがインプランタブルデバイスの1つ以上の負荷回路の1つ以上の検出電圧または電流に基づいて、インプランタブルデバイスの消費電力を動的に判定するように構成することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが電気信号に基づいて第1の電圧ノードで第1の電圧を受け取り、第1の電圧を第2の電圧に変換してインプランタブルデバイスに給電する電力コンベア回路(例えば、電力コンベア回路134)を含む。例えば、電力コンベア回路は、第1の電圧よりも大きさが大きい第2の電圧を供給するように複数のキャパシタを制御するチャージポンプを含んでもよい。上述したように、給電用超音波から生成される電気信号によって提供される第1の電圧が種々の電子コンポーネント(例えば、トランジスタ)を動作させるには低すぎる可能性があるため、第2の電圧が必要となり得る。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路がインプランタブルデバイスの負荷回路に電力を供給するために、第2の電圧を有する出力電気信号を生成する。これらの実施形態では、インプランタブルデバイスが第2の電圧および出力電気信号の電流に基づいて消費電力を判定するように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、消費された電力は、電力コンベア回路によって提供される第2の電圧に関連付けられてもよい。
【0135】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータがインプランタブルデバイスから電力情報を受信し、供給電力および消費電力を示すことができる。
【0136】
ステップ404では、供給電力が消費電力を超えているか否かが判定される。供給電力が消費電力を超えていると判定された場合、方法400はステップ414に進む。そうでない場合、方法400はステップ406に進む。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス(例えば、電力モニタ124)はこの判定を行うために、モニタされた供給電力をモニタされた消費電力と比較するように構成され得る。
【0137】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータがインプランタブルデバイスから電力情報を受信し、供給電力および消費電力を示すことができる。この情報に基づいて、インテロゲータ(例えば、制御回路212)は、同様の比較を行って、供給電力が消費電力を超えているかどうかを判定することができる。
【0138】
ステップ406において、インプランタブルデバイスのエネルギー蓄積デバイスが消耗したかどうかが判定される。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの量が第1の所定のレベルを下回ることを示す情報があれば、エネルギー蓄積デバイスは消耗していると判定することができる。エネルギー蓄積デバイスがキャパシタを含むいくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがキャパシタの電流電圧(V)に基づいて、蓄積されたエネルギーの量に対応する情報を判定することができる。これは、キャパシタに蓄積されるエネルギ(E)がキャパシタの容量(C)とキャパシタの電流(V)(例えば、E=1/2CV2)に基づくためである。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがエネルギー蓄積デバイス情報(例えば、電圧)を第1の所定のレベルと比較して、エネルギー蓄積デバイスが消耗しているか否かを判定することができる。エネルギー蓄積デバイスが消耗していると判定された場合、方法400はステップ408に進む。そうでない場合、方法400はステップ410に進む。
【0139】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが上述のように、エネルギー蓄積デバイスの情報と第1の所定のレベルとの間で同様の比較を実行することができる。例えば、ステップ312に関して上述したように、インテロゲータは、インプランタブルデバイスによって放出された超音波バックスキャッタから情報を抽出することができる。
【0140】
ステップ408では、インプランタブルデバイスがリセットされる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがインプランタブルデバイスにおいて負荷回路に給電するのに十分な利用可能電力がないため、パワーオンリセット(POR)条件を示すアラームを生成することができる。いくつかの実施形態では、このアラームがステップ320に関して上述したように、インテロゲータに送信される情報に含めることができる。
【0141】
いくつかの実施形態では方法400がインテロゲータで実行されると、インテロゲータはPOR条件を示すアラームを含む電力情報をインプランタブルデバイスから受信することができる。いくつかの実施形態では、アラームに基づいて、インテロゲータはインプランタブルデバイスに電力を供給するために、給電用超音波を再送信するための1つ以上の波パラメータを選択するように構成することができる。例えば、アラームはインテロゲータに、所定の時間量の間、給電用超音波を送信させて、インプランタブルデバイスの電源投入または起動モードを再開させてもよい。いくつかの実施形態では、電力モードがカウンタをリセットし、動作ロジック(例えば、FSM状態)を初期化状態に設定することを含むことができる。
【0142】
ステップ410では、エネルギーがエネルギー蓄積デバイスから取り出されて、インプランタブルデバイスに電力を供給する。
図1に関して上述したように、いくつかの実施形態によれば、エネルギー蓄積デバイスは、少なくとも2つの電力モードで動作して、インプランタブルデバイスが給電用超音波の電力をより効率的に利用することを可能にし、また、負荷回路に一貫した電力を供給するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力モードがエネルギー蓄積デバイスに蓄積された部分エネルギーが放電されてエネルギー蓄積デバイスから電力を搬送し、インプランタブルデバイスの1つ以上の負荷回路に電力を供給する放電モードを含む。
【0143】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスの制御回路(例えば、制御回路120)はエネルギーを取り出すためにエネルギー蓄積デバイスを排出するように電力コンベア回路を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスがエネルギー蓄積デバイスを放電することによって、電力コンベア回路の第1の電圧ノードにおける第1の電圧が増加するように、電力コンベア回路に電気的に結合されるように構成することができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、電力コンベア回路がエネルギー蓄積デバイスを放電モードで動作させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスが消耗しているかどうかを定期的にモニタすることができ、電力コンベア回路は消耗していない限り、エネルギー蓄積デバイスから電力を搬送するように構成することができる。
【0145】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータがエネルギーを抽出するためにエネルギー蓄積デバイスを放電するように電力コンベア回路を制御するようにインプランタブルデバイスに要求する命令を生成することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが超音波トランスデューサ回路(例えば、超音波トランスデューサ回路204)によって送信された通信用超音波における命令を符号化して、インプランタブルデバイスと通信するように構成することができる。
【0146】
ステップ412では、より多くの電力が必要であることを示す情報が生成される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがステップ320に関して上述したように、電力情報を生成するように構成することができる。例えば、電力情報は、インプランタブルデバイスに送信されるべきより多くの電力に対する要求を含むことができる。別の例では、電力情報がインプランタブルデバイスによって提供されるべき追加の電力の量を含むことができる。続いて、
図3に関して上述したように、電力情報は、より多くの必要な電力を示す電力情報に対応する第2の波力を有する第2の電力波を生成するように構成されたインテロゲータに送信されてもよい。いくつかの実施形態では、方法400がステップ402に戻り、ここで、供給電力および消費電力がモニタされる。
【0147】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが1つ以上の超音波設定に関連付けられた情報を生成して、送信された給電用超音波の波力を増大させることができる。
【0148】
ステップ414において、インプランタブル装置のエネルギー蓄積デバイスが充電されるべきかどうかが判定される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがエネルギー蓄積デバイス完全に充電されていない場合に、エネルギー蓄積デバイスを充電することを判定することができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、ステップ414が上述したように、同じ判定が実行されるステップ406に対応することができる。いくつかの実施形態ではエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの量が第1の所定のレベルを下回ることを示す情報があれば、エネルギー蓄積デバイスは消耗され、したがって完全には充電されていないと判定することができる。エネルギー蓄積デバイスが消耗していると判定された場合、方法400はステップ416に進む。そうでない場合、方法400はステップ420に進む。
【0150】
いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの量が第2の所定のレベルを超えることを示す情報があれば、エネルギー蓄積デバイスは完全に充電されていると判定することができる。いくつかの実施形態では、第2の所定のレベルが第1の所定のレベルを超える。エネルギー蓄積デバイスがキャパシタを含むいくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがキャパシタの電流電圧(V)に基づいて、蓄積されたエネルギーの量に対応する情報を判定することができる。これは、キャパシタに蓄積されるエネルギ(E)がキャパシタの容量(C)とキャパシタの電流(V)(例えば、E=1/2CV2)に基づくためである。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがエネルギー蓄積デバイス情報(例えば、電圧)を第2の所定のレベルと比較して、エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているか否かを判断することができる。エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定される場合、方法400はステップ420に進む。そうでない場合、方法400はステップ416に進む。
【0151】
いくつかの実施形態では、電力コンベア回路がエネルギー蓄積デバイスを充電モードで動作させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているかどうかを定期的にモニタすることができ、エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていない限り、電力コンベア回路はエネルギー蓄積デバイスを充電するために、供給電力の一部を搬送するように構成することができる。
【0152】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが上述のように、エネルギー蓄積デバイスの情報と第1の所定のレベルまたは第2の所定のレベルとの間で同様の比較を実行することができる。例えば、ステップ312に関して上述したように、インテロゲータは、インプランタブルデバイスによって放出された超音波バックスキャッタから情報を抽出することができる。
【0153】
ステップ416では、エネルギー蓄積デバイスが充電される。いくつかの実施形態では、
図1に関して上述したように、エネルギー蓄積デバイスはインプランタブルデバイスが給電用超音波の電力をより効率的に利用することを可能にし、かつ、負荷回路に一貫した電力を供給するように、少なくとも2つの電力モードで動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力モードが供給電力の一部がエネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積デバイスに搬送される充電モードを含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、制御回路がエネルギー蓄積デバイスを充電して供給電力によって提供される余剰電力を利用するように、電力コンベア回路を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積デバイスがエネルギー蓄積デバイスを充電することによって、電力コンベア回路の第1の電圧ノードにおける第1の電圧が低下するように、電力コンベア回路に電気的に結合されるように構成することができる。
【0155】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが余剰電源を利用するためにエネルギー蓄積デバイスを充電するように電力コンベア回路を制御するようにインプランタブルデバイスに要求する命令を生成することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが超音波トランスデューサ回路(例えば、超音波トランスデューサ回路204)によって送信された通信用超音波における命令を符号化して、インプランタブルデバイスと通信するように構成することができる。
【0156】
ステップ420では、第1の電圧が所定の電圧レベルを超えているかどうかが判定される。いくつかの実施形態では、所定の電圧レベルがインプランタブルデバイスの安全な動作を維持するために、最大許容電源電圧(例えば、4V未満、5V未満、または6V)に対応する。第1の電圧を所定の電圧レベルよりも低く維持することによって、インプランタブルデバイスは、過熱および/またはインプランタブルデバイス内の電気部品の損傷から保護されてもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータの制御回路が第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定するように構成することができる。第1の電圧が所定の電圧レベルを超えると判定される場合、方法400は、ステップ422に進む。そうでない場合、方法400はステップ424に進む。
【0157】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが上述のように、第1の電圧と所定の電圧レベルとの間で同様の比較を実行することができる。例えば、インテロゲータはステップ312に関して上述したように、インプランタブルデバイスによって放出された超音波バックスキャッタから情報を抽出することができ、この情報は、第1の電圧を含むことができる。
【0158】
ステップ422では、インプランタブルデバイスにおいて供給電力が低減される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが給電用超音波から電気信号を生成して供給電力を低減するように構成された1つ以上のスイッチを制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスイッチが電気信号を代替電流(AC)形式で第1の電圧に対応する直流(DC)形式に変換する整流回路を制御するためのスイッチを含む。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスは、電源がインプランタブルデバイスの負荷回路に電力を供給しないように、スイッチを開くように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスイッチが超音波トランスデューサを分路するように構成されたスイッチを含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサのリードを分路することによって(例えば、短絡を引き起こす)、供給電力を低減するために、バックスキャッタエネルギーの量を変更することができる。
【0159】
ステップ424では、必要とされる電力がより少ないことを示す情報が生成される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがステップ320に関して上述したように、電力情報を生成するように構成することができる。例えば、電力情報は、インプランタブルデバイスに送信されるべきより少ない電力に対する要求を含むことができる。別の例では、電力情報がインプランタブルデバイスによって提供されるべき低減された電力の量を含むことができる。続いて、
図3に関して上述したように、電力情報は、より少ない必要電力を示す電力情報に対応する第2の波力を有する第2の電力波を生成するように構成されたインテロゲータに送信されてもよい。いくつかの実施形態では、方法400がステップ402に戻り、ここで、供給電力および消費電力がモニタされる。
【0160】
方法400がインテロゲータで実行されるいくつかの実施形態では、インテロゲータが1つ以上の超音波設定に関連する情報を生成して、超音波に電力を供給する送信される波力を減少させることができる。
【0161】
図5は、いくつかの実施形態による、対象の神経514と相互作用するように構成されたインプランタブルデバイス511のダイアグラム500を示す。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511が
図1に関して上述したようなインプランタブルデバイス104の例示的な実装形態であり得る。
図500に示すように、インプランタブルデバイス511は神経514上に埋め込むことができ、本体(ボディ)512から延びる湾曲部材502などの1つ以上の湾曲部材を含むことができる。インプランタブルデバイス511のボディ512は集積回路524(例えば、変復調回路112、刺激回路114、検出回路116、または制御回路120を含む)、非一時的メモリ526(例えば、メモリ126)、電力回路528(例えば、電力回路130)、および超音波トランスデューサ530(例えば、超音波トランスデューサ108または超音波トランスデューサ回路106)を含み得る。いくつかの実施形態では、ボディ512が超音波トランスデューサ530を含む複数の超音波トランスデューサを含む。従って、ダイアグラム500に示されるように、超音波トランスデューサ530は、複数の超音波トランスデューサを表してもよいことが理解されるべきである。
【0162】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530がインテロゲータ(例えば、
図1のインテロゲータ102または
図2のインテロゲータ202)によって送信された超音波を受信し、超音波の機械エネルギーを電気エネルギーに変換して、インプランタブルデバイス511に電力を供給するように構成され得る。例えば、超音波トランスデューサ530は、超音波の機械エネルギーを、電力回路528によって処理される電気信号に変換してもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、電力回路528が集積回路524の様々な構成要素に電力を供給するために、第1の電圧を有する電気信号を第2の電圧を有する第2の信号に変換するように構成された電力コンベア回路(例えば、電力コンベア回路134)を含むことができる。いくつかの実施形態では電力回路528がAC形成で電気信号をDC形成に変換するための整流回路(例えば、能動整流器)を含むことができ、ここで、変換された電気信号は第1の電圧と関連することができる。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路が第1の電圧より大きい第2の電圧を生成するために、チャージポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、電力回路528が電気信号によって提供される余剰エネルギーを蓄積し、インテロゲータによって供給される電力が不十分である場合には二次電源として動作するように構成されたエネルギー蓄積デバイス、エネルギー蓄積デバイス136)を含むことができる。いくつかの実施形態では電力コンベア回路は電力がエネルギー蓄積デバイスに伝達されるべきか、またはエネルギー蓄積デバイスから伝達されるべきかを制御するように構成されることができ、エネルギー蓄積デバイスはそれぞれ、エネルギー蓄積デバイスを効果的に充電または放電する。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路は、電力が電力潮流の方向に加えて(例えば、順流または逆流で)搬送される時間の量(例えば、クロックサイクル数)を制御するように構成することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、集積回路524がより多くの電力またはより少ない電力がインテロゲータに送信されるべきかどうかを示す情報を生成するように構成された制御回路(例えば、制御回路120)を含む。いくつかの実施形態では、制御回路が電力回路528によって供給される利用可能な電力および集積回路524によって消費される電力に基づいて、この電力情報を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、利用可能な電力が超音波トランスデューサ530によって提供される供給電力と、電力回路528のエネルギー蓄積デバイスによって提供されるアクセス可能な電力とを含む。いくつかの実施形態では、制御回路が超音波トランスデューサ530を制御して、生成された電力情報をインテロゲータに送信して、インテロゲータに送信された超音波の波力を制御させるように構成することができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、消費電力が
図1および3に関して上述したように、インプランタブルデバイス511の動作モードに基づいて制御回路によって判定することができる。動作モードの例は刺激モードまたは検出モードであってもよく、その各々は湾曲部材502上の電極パッド518を動作させてもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では検出モードにおいて、電極パッド518は電気生理学的信号を検出するように構成され、電気生理学的信号に基づく検出信号は集積回路524によって受信される。集積回路524によって受信された検出信号は制御回路によって受信される前に、検出回路(例えば、検出回路116)によって処理(例えば、増幅、デジタル化、および/またはフィルタリング)されてもよい。いくつかの実施形態では、制御回路が非一時的メモリ(例えば、メモリ126)にアクセスして、検出された電気生理学的信号に関連するデータを格納することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、刺激モードでは制御回路が検出信号に基づいて刺激信号を生成し、刺激信号に基づいて神経514に電気パルスを放出するように1つ以上の電極パッド518を動作させることができる。いくつかの実施形態では、制御回路が非一時的メモリ(例えば、メモリ126)にアクセスして、神経514に放出される刺激信号または電気パルスに関連するデータを格納することができる。非一時的メモリに記憶されたデータは、超音波トランスデューサ530によって放出された超音波バックスキャッタ波を介して無線で送信することができる。
図1に関して上述したように、超音波バックスキャッタを使用してデータを送信するために、超音波トランスデューサ530はまず、超音波を受信し、変調回路を通って流れる電流を生成してもよい。次いで、制御回路はメモリにアクセスし、変調回路を動作させて変調回路を流れる電流を変調し、データを符号化することができる。このようなプロセスを通して、超音波トランスデューサ530によって放出される超音波バックスキャッタ波は、データを符号化することができる。
【0168】
いくつかの実施形態ではダイアグラム500に示すように、湾曲部材502はポイント516でボディ512によって架橋された第1の部分502aおよび第2の部分502bを含むことができる。いくつかの実施形態では第1の部分502aおよび第2の部分502bが直接接続され、湾曲部材502は接続部材を介してボディ512に取り付けられる。湾曲部材502は湾曲部材502の内面上に複数の電極パッド518を含むことができ、電極パッド518は、神経514の長さに平行な軸の周りに半径方向に配置することができる。第1の部分202aと第2の部分202bとの間の分離520は、湾曲部材502(インプランタブルデバイス511の他の湾曲部材に同様に存在し得る)に沿って存在する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511が湾曲部材502の第1の部分502aおよび第2の部分502bを外向きに屈曲させることによって埋め込まれることができ、それによって、分離のサイズを拡張し、神経514または他の糸状組織が分離520を通過し、湾曲部材502によって形成される円筒形空間内に適合することを可能にする。湾曲部材502の第1の部分502aおよび第2の部分502bは解放され得、これは湾曲部材502が神経514または他の糸状組織の周りを包むことを可能にする。
【0169】
図5に示すような複数の電極パッド518は神経514の外側にあるが、神経514の神経上膜と直接接触している。神経514は、いくつかの線維束522を含むことができる。いくつかの実施形態では、湾曲部材502内の電極パッド518が1つ以上の線維束522または神経線維の他のサブセットへの電気パルスの標的化された放出のために操作され得、および/または1つ以上の線維束522または神経線維の他のサブセットによって伝達される電気生理学的信号の標的化された検出のために操作され得る。例えば、電極パッド518は、ボディ512内に収容された集積回路524内の制御回路によって選択的に作動されて、1つ以上の線維束522を標的とする電気パルスを放出することができる。別の例では、電極パッド518が神経514内の1つ以上の線維束522によって伝達される電気生理学的信号を検出するために、制御回路によって操作される。いくつかの実施形態では、湾曲部材502が神経514または神経線維のサブセットによって伝達される電気生理学的信号を検出するように、または神経514に電気パルスを放出するように、または神経線維のサブセットに標的化されるように、または神経514または神経線維のサブセットによって伝達される電気生理学的信号を検出するように、および神経514に電気パルスを放出するように、または神経線維のサブセットに標的化されるように構成され得る。例えば、インプランタブルデバイス511は複数の湾曲部材(湾曲部材502を含む)を含むことができ、第1の湾曲部材は神経514または神経線維のサブセットによって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成することができ、第2の湾曲部材は、神経514に電気パルスを放出するか、または神経線維のサブセットを標的とするように構成することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、湾曲部材502が選択された神経514または神経514を含む線維組織に係合するような大きさにすることができる。神経514は、脊髄または末梢神経であり得る。いくつかの実施形態では、神経514が自律神経または体性神経である。いくつかの実施形態において、神経514は、交感神経または副交感神経である。いくつかの実施形態において、神経514は、迷走神経、腸間膜神経、脾神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、またはそのいずれかのブランチである。
【0171】
インプランタブルデバイス511上の湾曲部材502のサイズ、形状、および間隔は、インプランタブルデバイス511が係合する組織の種類とサイズに依存し得る。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511の2つ以上の湾曲部材が約0.25mm以上(例えば、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、または約7mm以上)離間される。いくつかの実施形態では、2つ以上の湾曲部材が約8mm以下の間隔(約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、または約0.5mm以下など)である。例として、2つ以上の湾曲部材は、約0.25mm~約0.5mm、約0.5mm~約1mm、約1mm~約2mm、約2mm~約3mm、約3mm~約4mm、約4mm~約5mm、約5mm~約6mm、約5mm~約7mm、または約7mm~約8mm離間され得る。湾曲部材502の幅はまた、インプランタブルデバイス511のアプリケーションまたはインプランタブルデバイス511によって係合される組織に依存して変化し得る。いくつかの実施形態では、湾曲部材502の幅が約100μm以上(約150μm以上、約250μm以上、約500μm以上、約1mm以上、または約1.5mm以上など)である。いくつかの実施形態では、湾曲部材502の幅が約2mm以下(例えば、約1.5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約250μm以下、または約150μm以下)である。いくつかの実施形態では、湾曲部材502の幅が約100μm~約2mm(約100μm~約150μm、約150μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、または約1.5mm~約2mmなど)である。湾曲部材502の内面は、神経514および/または糸状組織が通過する円筒状空間を形成する。湾曲部材502によって形成される円筒形空間の直径は、インプランタブルデバイス511が係合する標的神経および/または糸状組織に依存する。いくつかの実施態様において、湾曲部材502は直径が約50μm~約15mm(例えば、約50μm~約100μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、約1.5mm~約2.5mm、約2.5mm~約5mm、約5mm~約10mm、又は約10mm~約15mm)の円筒空間を形成する。
【0172】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511がインプランタブルデバイス511を糸状組織に固定するように構成された1つ以上の追加の固定部材を含む。このような固定部材は例えば、インプランタブルデバイスを解剖学的構造(糸状組織もしくは神経、または糸状組織もしくは神経を取り囲む他の組織など)、ピン、またはクランプに縫合するためのループを含み得る。例えば、インプランタブルデバイス511は埋め込まれると、インプランタブルデバイス511の移動を制限するために、糸状組織または神経514、または糸状組織または神経を取り囲む組織に縫合され得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511の湾曲部材502が金属、金属合金、セラミック、シリコン、または非ポリマー材料を含むことができる。湾曲部材502は可撓性であってもよく、好ましくは、湾曲部材502が神経514および/または糸状組織の周りに配置され得るように、弾力性である。いくつかの実施形態では湾曲部材502または湾曲部材502の一部がエラストマーコーティングまたは非エラストマーコーティングでコーティングされ、これは好ましくは生体不活性であり、例えば、ポリジメチルシオロキサン(PDMS)、シリコン、ウレタンポリマー、ポリ(p-キシリレン)ポリマー(PARYLENE(登録商標)の商品名で販売されているポリ(p-キシリレン)ポリマーなど)、またはポリイミドである。湾曲部材502は、内面上に複数の電極パッド518を含むことができる。いくつかの実施形態では湾曲部材502の内側表面上の電極パッド518がエラストマーコーティングまたは非エラストマーポリマーコーティングでコーティングされないが、内側表面は導電性材料でコーティングされてもよい(例えば、電極パッドの電気特性を改善するためにPEDOTポリマーまたは金属で電気めっきされてもよい)。したがって、いくつかの実施形態では、湾曲部材502の外面のみがコーティングでコーティングされる。任意選択で、コーティングは、ボディ512の筐体をさらにコーティングする。
【0174】
いくつかの実施形態では、複数の電極パッド518が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の電極パッド、例えば、約3~約50個の電極パッド、約3~約5個の電極パッド、約5~約10個の電極パッド、約10~約25個の電極パッド、または約25~約50個の電極パッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の電極パッド518内の電極パッドが本明細書でさらに説明するように、目標とする電気パルス放出を可能にする制御回路によって選択的に作動させることができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、電極パッド518がタングステン、白金、パラジウム、金、イリジウム、ニオブ、タンタル、またはチタンのうちの1つ以上(またはそれらのうちの1つ以上の合金)などの任意の適切な導電性材料を含むことができる。検出用電極パッドと刺激用電極パッドのデータは同じでも異なっていてもよい。電極パッド518のサイズおよび形状は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、所与の湾曲部材502上の電極パッド518は同じまたは異なるサイズであってもよく、異なる湾曲部材上の電極パッドは同じまたは異なるサイズであってもよい。
【0176】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイス511の電極パッド518が神経514と電気的に通信するように湾曲部材502によって配置される。いくつかの実施形態では、電極パッド518が神経514と直接接触していない(例えば、神経514の外側で間接的に接触していない)が神経514と電気的に通信している。いくつかの実施形態では、電極パッド518が神経514の約2mm以内(例えば、約1.8mm以内、約1.6mm以内、約1.4mm以内、約1.2mm以内、約1.0mm以内、約0.8mm以内、約0.6mm以内、約0.4mm以内、または約0.2mm以内)に配置される。いくつかの実施形態では、電極パッド518が1つ以上の位置で神経514の神経上膜を貫通するように構成される。例えば、電極パッド518は、神経上膜の貫通を可能にする針状であり得る。いくつかの実施形態では、電極パッド518が神経514、例えば神経514の神経上膜に直接接触する。
【0177】
いくつかの実施形態ではボディ512が筐体を含み、筐体は土台、1つ以上の側壁、および頂部を含むことができる。筐体は、超音波トランスデューサ530および集積回路524を囲むことができる。筐体は間質液が超音波トランスデューサ530または集積回路524と接触するのを防止するために、(例えば、はんだ付けまたはレーザ溶接によって)密閉されてもよい。筐体は好ましくは生体不活性金属(例えば、鋼またはチタン)または生体不活性セラミック(例えば、チタニアまたはアルミナ)などの生体不活性材料から作製される。筐体(または筐体の頂部)は、超音波が筐体を貫通することを可能にするように薄くてもよい。いくつかの実施形態では、筐体の厚さは約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、または約10μm以下など、約100マイクロメートル(μm)以下の厚さである。いくつかの実施形態では、筐体の厚さは約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約50μm、約50μm~約75μm、または約75μm~約100μmの厚さである。
【0178】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイス511のボディ512が比較的小さく、これはインプランタブル医療デバイスにしばしば関連する組織炎症を制限しながら、快適かつ長期間の埋め込みを可能にする。いくつかの実施形態では、ボディ512の最長寸法が約5mm~約9mm、または約6mm~約8mmなど、約10mm以下である。
【0179】
いくつかの実施形態では、ボディ512が筐体内にポリマーなどのデータを含む。データは筐体の外部と筐体内の組織との間の音響インピーダンス不整合を低減するために、筐体内の空きスペースを埋めることができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、ボディ512は、好ましくは空気または真空がない。
【0180】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530が容量マイクロ機械加工超音波トランスデューサ(CMUT)または圧電マイクロ機械加工超音波トランスデューサ(PMUT)などのマイクロ機械加工超音波トランスデューサを含むことができ、またはバルク圧電型トランスデューサを含むことができる。バルク圧電型トランスデューサは、水晶、セラミック、またはポリマーなどの任意の天然または合成材料とすることができる。バルクの圧電型トランスデューサ材料としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコニウム酸チタン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZO)、窒化アルミニウム(AlN)、石英、ベリナイト(AlPO4)、トパズ、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、オルソリン酸ガリウム(GaPO4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2WO3)、ビスマスフェライト(BiFeO3)、フッ化ビニリデン(ジ)フッ化ビニリデン(PVDF)、ニオブ酸鉛-チタン酸鉛(PMN-PT)が挙げられる。
【0181】
いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサがほぼ立方体(すなわち、約1:1:1(長さ:幅:高さ)のアスペクト比)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサが約7:5:1以上、または約10:10:1以上など、長さまたは幅アスペクトのいずれかにおいて約5:5:1以上のアスペクト比を有する板状である。いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサが長く狭く、アスペクト比は約3:1:1以上であり、最長寸法は超音波バックスキャッタ波の方向(すなわち、偏光軸)に整列される。いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサの1次元がトランスデューサの駆動周波数又は共振周波数に対応する波長(λ)の1/2に等しい。共振周波数において、トランスデューサのいずれかの面に衝突する超音波は、逆位相に達するために180°の位相シフトを受け、2つの面の間で最大の変位を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは約10μm~約1000μm(約40μm~約400μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、または約500μm~約1000μmなど)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは約5mm以下(約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下など)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは長さが約20μm以上(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上など)である。
【0182】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530が最長寸法において約5mm以下(例えば、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下)の長さを有する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530が最長寸法において約20μm以上(例えば、約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上)の長さを有する。
【0183】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530が集積回路524との電気通信を可能にするために、2つの電極に接続される。第1の電極は超音波トランスデューサ530の第1の面に取り付けられ、第2の電極は超音波トランスデューサ530の第2の面に取り付けられ、第1の面および第2の面は超音波トランスデューサ530の反対側に、1つの寸法に沿って取り付けられる。いくつかの実施形態では、電極が銀、金、白金、白金黒、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT))、導電性ポリマー(導電性PDMSまたはポリイミドなど)、またはニッケルを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ530の電極間の軸が超音波トランスデューサ530の運動に直交する。
【0184】
前述の説明は、例示的な方法、パラメータなどを記載している。しかしながら、そのような説明は本開示の範囲に対する限定として意図されておらず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることが認識されるべきである。上述の例示的な実施形態は、網羅的であること、または開示を開示された厳密な形態に限定することを意図していない。上記の教示に鑑みて、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、開示された技術の原理およびそれらの実用的なアプリケーションを最も良く説明するために選択され、説明された。これにより、当業者であれば、考えられる特定の用途に適した様々な修正を加えて、本技術および様々な実施形態を最良に利用することができる。
【0185】
本開示および実施例は添付の図面を参照して十分に説明されてきたが、様々な変更および修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、特許請求の範囲によって定義される開示および実施例の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。本開示および実施形態の前述の説明では添付の図面を参照し、添付の図面には例示として、実施することができる特定の実施形態が示されている。他の実施形態および例を実施することができ、本開示の範囲から逸脱することなく変更を行うことができることを理解されたい。
【0186】
上記の説明は様々な要素を記述するために、用語第1、第2等を使用するが、これらの要素は用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。
【0187】
ここで、「約」または「ほぼ」という値またはパラメータへの基準はその値またはパラメータ自体に向けられたバリエーションを含み(かつ記述し)、例えば、「約X」を指す記述は、「X」の記述を含む。
【0188】
本明細書に記載される本発明の態様および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」態様および変形を含むことが理解される。
【0189】
「埋め込み可能」および「埋め込まれた」という用語は対象物のどの部分も対象の表面を破らないように、対象に完全に埋め込まれているか、または完全に埋め込まれている対象を指す。
【0190】
「実質的に」という用語は、90%以上を指す。例えば、神経の断面を実質的に取り囲む湾曲部材は、神経の断面の90%以上を取り囲む湾曲部材を指す。
【0191】
「対象」および「患者」という用語は、本明細書ではヒトなどの脊椎動物を指すために互換的に使用される。
【0192】
用語「処置する」、「処置する」、および「処置する」は、本明細書中で同義的に使用され、少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、または排除による状態の改善、疾患または状態の進行の遅延、疾患または状態の再発の遅延、または疾患または状態の阻害を含む、疾患状態または状態に罹患した対象に利益を提供する任意のアクションをいう。
【0193】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載または介在値は、本開示の範囲内に包含されることが理解されるべきである。記載された範囲が上限または下限を含む場合、それらのいずれかを除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0194】
さらに、前述の説明で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は文脈が明確に指示しない限り、複数形も含むことが意図されることも理解されるべきである。本明細書で使用される用語「および/または」は関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意のおよびすべての可能な組合せを指し、包含することも理解されるべきである。さらに、用語「含む」、「備える」、および/または「備える」は本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、構成要素、および/またはユニットの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、ユニット、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことが理解されるべきである。
【0195】
用語「if」は文脈に応じて、「いつ」または「判定時に」または「判定時に」または「判定に応じて」または「検出に応答して」を意味すると解釈することができる。同様に、「判定されたかどうか」または「規定された条件または事象が検出されたかどうか」という語句は、文脈に応じて、「判定時に」または「判定時に」または「規定された条件または事象を検出すると」または「規定された条件または事象を検出したことに応答して」を意味すると解釈することができる。
【0196】
「実施形態」に関連して上述した特徴および選好は別個の選好であり、その特定の実施形態のみに限定されるものではなく、技術的に実現可能な他の実施形態からの特徴と自由に組み合わせることができ、特徴の好ましい組み合わせを形成することができる。この説明は当業者が本発明を実施し、使用することを可能にするために提示され、特許出願およびその要件の文脈で提供される。記載された実施形態に対する種々の変形は当業者に容易に明らかであり、本明細書の一般的な原理は、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象内のインプランタブルデバイスに供給される電力を制御する方法であって、前記インプランタブルデバイスにおいて、
インテロゲータから給電用超音波であって、波力を有する前記給電用超音波を受信することと、
前記給電用超音波からのエネルギーを前記インプランタブルデバイスに電力を供給するための電気信号に変換することと、
前記インプランタブルデバイスへより多くの電力またはより少ない電力を送信すべきかどうかを示す情報を含む通信用超音波を前記インテロゲータに送信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インプランタブルデバイスにおいて利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによる消費電力とを判定することを含み、前記情報は、前記利用可能な電力と前記消費電力とに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記インテロゲータからのより多くの電力またはより少ない電力の何れかの要求を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記要求は、前記インプランタブルデバイスにおける利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによって消費される電力とに基づいて生成されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信用超音波を送信することは、
前記インテロゲータから前記通信用超音波を受信することと、
前記通信用超音波の超音波バックスキャッタであって、前記情報を符号化する前記超音波バックスキャッタを放射することと、
を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信用超音波の前記超音波バックスキャッタを放射することは、
通信用超音波に基づいて電気信号を生成することと、
前記情報に基づいて生成された前記電気信号を変調することであって、変調された前記電気信号は超音波バックスキャッタに前記情報を符号化する、変調することと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インテロゲータから第2の給電用超音波を受信することであって、前記インテロゲータは前記情報に基づいて第2の波力を有するように前記第2の給電用超音波を生成するように構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の前記瞬時強度値およびパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記給電用超音波は前記インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサで受信され、前記利用可能な電力を判定することは、
前記超音波トランスデューサの最大電圧を判定することと、
前記最大電圧に基づいて利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記利用可能な電力を判定することは、
前記電気信号に基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電することと、
前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーに基づいて前記利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記利用可能な電力は、前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積された前記エネルギーの変化率に基づいて判定されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気信号は第1の電圧を生成し、前記利用可能な電力を判定することは、
前記インプランタブルデバイスに電力を供給するために前記第1の電圧を第2の電圧に変換するように構成された複数のキャパシタを制御するために1つ以上のスイッチを制御することと、
前記1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチング周波数に基づいて前記利用可能な電力を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記消費電力を判定することは、前記インプランタブルデバイスの動作モードに基づいて、前記インプランタブルデバイスの前記消費電力を判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記消費電力は前記インプランタブルデバイスの負荷回路によって消費され、前記消費電力を判定することは、
前記負荷回路を駆動する電流の電流値を検出することと、
検出した前記電流値から前記消費電力を求めることと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記利用可能な電力は前記電気信号によって提供される供給電力を含み、前記電気信号は第1の電圧ノードにおいて第1の電圧を生成し、前記供給電力が前記消費電力を超えるかどうかを判定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記供給電力が前記消費電力を超えると判定することに応じて、前記第1の電圧ノードに基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電することを含み、前記エネルギー蓄積デバイスを充電することは、前記第1の電圧を低減することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているかどうかを判定することを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記供給電力が前記消費電力を超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが過剰に電力供給されているという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信することを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記指示を含む前記情報は、前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の前記波力よりも小さい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定することと、
前記第1の電圧が前記所定の電圧レベルを超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記供給電力を低減するために、前記給電用超音波から前記電気信号を生成するように構成された1つ以上のスイッチを開くことと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記第1の電圧ノードを介して前記エネルギー蓄積デバイスを放電することを含み、前記エネルギー蓄積デバイスを放電することは前記第1の電圧を増加させることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応答して、前記インプランタブルデバイスが電力供給不足であるという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも大きい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
インプランタブルデバイスであって、
インテロゲータから給電用超音波を受信し、給電用超音波を電気信号に変換して前記インプランタブルデバイスに電力供給するように構成され、前記給電用超音波が波力を有する超音波トランスデューサと、
より多くの電力またはより少ない電力が前記インプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を生成するように構成された制御回路と、
を備え、前記超音波トランスデューサは、前記情報を含む通信用超音波を前記インテロゲータに送信するようにさらに構成されることを特徴とするインプランタブルデバイス。
【請求項27】
前記インプランタブルデバイスにおいて利用可能な電力を判定し、前記インプランタブルデバイスによる消費電力を判定するように構成された電力モニタ回路を備えることを特徴とする請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記情報は、前記インテロゲータからのより多くの電力またはより少ない電力の要求を含むことを特徴とする請求項26または27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記要求は、前記インプランタブルデバイスにおける利用可能な電力と、前記インプランタブルデバイスによる消費電力とに基づいて生成されることを特徴とする請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記通信用超音波を送信するために、前記超音波トランスデューサは、
前記インテロゲータからの前記通信用超音波を受信し、
前記通信用超音波の超音波バックスキャッタを放出し、前記超音波バックスキャッタは前記情報を符号化する、
ように構成されることを特徴とする請求項26から29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記通信用超音波の前記超音波バックスキャッタを放射するために、前記超音波トランスデューサは、
前記通信用超音波に基づいて電気信号を発生し、
前記情報に基づいて生成した前記電気信号を変調し、変調された前記電気信号は前記超音波バックスキャッタに前記情報を符号化する、
ように構成されることを特徴とする請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記超音波トランスデューサは前記インテロゲータから第2の給電用超音波を受信するように構成され、前記インテロゲータは、前記情報に基づいて第2の波力を有するように前記第2の給電用超音波を生成するように構成されることを特徴とする請求項26から31のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項26から32のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記インテロゲータは、前記情報に基づいて前記PWM信号の前記瞬時強度値およびパルス幅を調整するように構成されることを特徴とする請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記超音波トランスデューサの最大電圧を判定するように構成された電圧センサを備え、
前記電力モニタ回路は、前記最大電圧に基づいて利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項37】
前記電気信号に基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように構成された電力コンベア回路を備え、前記電力モニタ回路は前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーに基づいて前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項38】
前記電力モニタ回路は、前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積された前記エネルギーの変化率に基づいて、前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記電気信号は第1の電圧を生成し、
前記制御回路は前記インプランタブルデバイスに電力を供給するために前記第1の電圧を第2の電圧に変換するように構成された複数のキャパシタを制御するための1つ以上のスイッチを制御するように構成され、
電力モニタ回路は前記1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチング周波数に基づいて前記利用可能な電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項40】
前記電力モニタ回路は、前記インプランタブルデバイスの動作モードに基づいて、前記インプランタブルデバイスの前記消費電力を判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項41】
前記消費電力は前記インプランタブルデバイスの負荷回路によって消費され、前記電力モニタ回路は、
前記負荷回路を駆動する電流の電流値を検出し、
検出した前記電流値から前記消費電力を求める、
ように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項42】
前記利用可能な電力は前記電気信号によって提供される供給電力を含み、前記電気信号は第1の電圧ノードにおいて第1の電圧を生成し、前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超えるかどうかを判定するように構成されることを特徴とする請求項27に記載のデバイス。
【請求項43】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超えると判定することに応じて、前記第1の電圧ノードに基づいてエネルギー蓄積デバイスを充電するように電力コンベア回路を制御するように構成され、前記エネルギー蓄積デバイスを充電することは前記第1の電圧を低減することを特徴とする請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記制御回路は、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されているかどうかを判定するように構成されることを特徴とする請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力を超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが過剰に電力供給されているという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信するように前記超音波トランスデューサを制御するように構成されることを特徴とする請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも小さい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項45に記載のデバイス。
【請求項47】
前記制御回路は、
前記第1の電圧が所定の電圧レベルを超えるかどうかを判定し、
前記第1の電圧が前記所定の電圧レベルを超え、前記エネルギー蓄積デバイスが完全に充電されていると判定することに応じて、前記供給電力を低減するために、前記給電用超音波から前記電気信号を生成するように構成された1つ以上のスイッチを開く
ように構成されることを特徴とする請求項44に記載のデバイス。
【請求項48】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記電力コンベア回路を制御して、前記第1の電圧ノードを介して前記エネルギー蓄積デバイスを放電するように構成され、前記エネルギー蓄積デバイスを放電することは前記第1の電圧を増加させることを特徴とする請求項43に記載のデバイス。
【請求項49】
前記制御回路は、前記供給電力が前記消費電力より少ないと判定することに応じて、前記インプランタブルデバイスが電力供給不足であるという指示を含む前記情報を前記インテロゲータに送信するように前記超音波トランスデューサを制御するように構成されることを特徴とする請求項42に記載のデバイス。
【請求項50】
前記指示を含む前記情報は前記インテロゲータによって受信可能であるように構成され、前記インテロゲータに、前記給電用超音波の波力よりも大きい第2の波力を有する第2の給電用超音波を生成させることを特徴とする請求項49に記載のデバイス。
【請求項51】
インテロゲータデバイスであって、
第1の給電用超音波であって、第1の波力を有する前記第1の給電用超音波をインプランタブルデバイスに送信し、
通信用超音波であって、より多くの電力またはより少ない電力が前記インプランタブルデバイスに送信されるべきかどうかを示す情報を含む前記通信用超音波を前記インプランタブルデバイスから受信し、
第2の給電用超音波であって、前記情報に基づいて第2の電力を有する前記第2の給電用超音波を前記インプランタブルデバイスに送信する、
ように構成された超音波トランスデューサを備えることを特徴とするインテロゲータデバイス。
【請求項52】
前記通信用超音波から前記情報を抽出し、
前記第2の電力を有する前記第2の給電用超音波を送信するように前記超音波トランスデューサを制御する、
ように構成されたコントローラを備えることを特徴とする請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記第2の給電用超音波は、パルス幅変調(PWM)信号を含むことを特徴とする請求項51または52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記超音波トランスデューサは、前記情報に基づいて前記PWM信号の瞬時強度値またはパルス幅を制御して、前記第2の給電用超音波に前記第2の波力を持たせるように構成されることを特徴とする請求項53に記載のデバイス。
【外国語明細書】