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特開2024-156746高められた成形性を提供する表面層を含む複合物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156746
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】高められた成形性を提供する表面層を含む複合物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
B32B5/26
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024119499
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2019531288の分割
【原出願日】2017-12-11
(31)【優先権主張番号】62/537,296
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/433,154
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】エバース,ピーター・ティ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・オー
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジニウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善された成形性を有する熱可塑性複合物品を提供する。
【解決手段】多孔質コア層と、ブレークスルーを伴うことなく物品の成形性を高めることができる2成分繊維を含む表面層と、を含む、プリプレグ、複合体、および物品を記載する。高められた成形性は、ブレークスルーを伴うことなく物品の形成または絞り深さを増加させることを可能にすることができる。この物品を含む、内部および外部の自動車用構成要素を記載する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合物品であって、
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
前記コア層の第1の表面において前記コア層に結合された不織スクリムであって、複数の2成分繊維を含む、不織スクリムと、を含む、複合物品。
【請求項2】
前記不織スクリムの前記繊維の少なくとも95%が、2成分繊維である、請求項1に記載の複合物品。
【請求項3】
前記スクリムの前記2成分繊維が、シース-コア繊維を含む、請求項2に記載の複合物品。
【請求項4】
前記シースコア繊維のシース材料が、ポリオレフィンを含み、前記シース-コア繊維のコア材料が、ポリエステルを含む、請求項3に記載の複合物品。
【請求項5】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、またはポリプロピレン、またはその両方を含み、前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項4に記載の複合物品。
【請求項6】
前記コア層の前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む、請求項1~5のいずれかに記載の複合物品。
【請求項7】
前記コア層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項1~6のいずれかに記載の複合物品。
【請求項8】
前記コア層の第2の表面に結合されたスキンをさらに含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項9】
前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択されるか、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する、請求項8に記載の複合物品。
【請求項10】
前記多孔質コアが、ロフティング剤をさらに含む、請求項9に記載の複合物品。
【請求項11】
前記多孔質コア層の多孔率が、少なくとも20%である、請求項9に記載の複合物品。
【請求項12】
前記多孔質コア層の重量に基づいて、前記熱可塑性材料が、約20重量%~約80重量%存在し、前記強化繊維が、約20重量%~約80重量%存在する、請求項11に記載の
複合物品。
【請求項13】
前記熱可塑性材料が、ポリオレフィンを含み、前記強化繊維が、ガラス繊維を含み、前記ロフティング剤が、微小球体を含み、前記表面層が、シース-コア繊維を含む、請求項12に記載の複合物品。
【請求項14】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項13に記載の複合物品。
【請求項15】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.8の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項13に記載の複合物品。
【請求項16】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項13に記載の複合物品。
【請求項17】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.25の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項13に記載の複合物品。
【請求項18】
前記表面層の坪量が、10gsm~300gsmである、請求項1~17のいずれかに記載の複合物品。
【請求項19】
前記物品に結合された装飾層をさらに含む、請求項1~18のいずれかに記載の複合物品。
【請求項20】
前記多孔質コア層が、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する、請求項1~19のいずれかに記載の複合物品。
【請求項21】
繊維強化熱可塑性複合物品であって、
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
前記コア層の第1の表面において前記コア層に結合された表面層であって、複数の2成分熱可塑性繊維を含む、表面層と、を含み、前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく前記少なくとも1つの深絞り領域において少なくとも0.25の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、繊維強化熱可塑性複合物品。
【請求項22】
前記表面層の繊維の少なくとも95重量%が、2成分熱可塑性繊維である、請求項21に記載の複合物品。
【請求項23】
前記表面層の前記2成分熱可塑性繊維が、シース-コア繊維を含む、請求項22に記載の複合物品。
【請求項24】
前記シース-コア繊維のシース材料が、ポリオレフィンを含み、前記シース-コア繊維のコア材料が、ポリエステルを含む、請求項23に記載の複合物品。
【請求項25】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、またはポリプロピレン、またはその両方を含み
、前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項24に記載の複合物品。
【請求項26】
前記コア層の前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む、請求項21~25のいずれかに記載の複合物品。
【請求項27】
前記コア層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項21~26のいずれかに記載の複合物品。
【請求項28】
前記コア層の第2の表面に結合されたスキンをさらに含む、請求項21に記載の複合物品。
【請求項29】
前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択されるか、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する、請求項28に記載の複合物品。
【請求項30】
前記多孔質コアが、ロフティング剤をさらに含む、請求項29に記載の複合物品。
【請求項31】
前記多孔質コア層の多孔率が、少なくとも20%である、請求項29に記載の複合物品。
【請求項32】
前記多孔質コア層の重量に基づいて、前記熱可塑性材料が、約20重量%~約80重量%存在し、前記強化繊維が、約20重量%~約80重量%存在する、請求項31に記載の複合物品。
【請求項33】
前記熱可塑性材料が、ポリオレフィンを含み、前記強化繊維が、ガラス繊維を含み、前記ロフティング剤が、微小球体を含み、前記表面層が、シース-コア繊維を含むスクリムを含む、請求項32に記載の複合物品。
【請求項34】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項33に記載の複合物品。
【請求項35】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.8の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項33に記載の複合物品。
【請求項36】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を有する、少なく
とも1つの深絞り領域を含む、請求項33に記載の複合物品。
【請求項37】
前記表面層が、約10gsm~約300gsmの坪量を構成するスクリムである、請求項21~36のいずれかに記載の複合物品。
【請求項38】
前記スクリムが、ポリオレフィンを含むシース材料を有する熱可塑性コア繊維の不織配列で構成され、前記スクリムの前記熱可塑性繊維の少なくとも95重量%が、ポリオレフィンを含むシース材料を有する前記熱可塑性コア繊維である、請求項37に記載の複合物品。
【請求項39】
前記物品に結合された装飾層をさらに含む、請求項21~38のいずれかに記載の複合物品。
【請求項40】
前記多孔質コア層が、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する、請求項21~39のいずれかに記載の複合物品。
【請求項41】
熱可塑性複合物品であって、
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
前記コア層の第1の表面において前記コア層に結合された表面層であって、複数のシース-コア繊維を含む、表面層と、を含み、前記シース-コア繊維のコア材料が、熱可塑性繊維を含み、前記シース-コア繊維のシース材料が、熱可塑性材料を含む、熱可塑性複合物品。
【請求項42】
前記表面層の前記熱可塑性繊維の少なくとも95重量%が、前記シース-コア繊維を含み、前記シース-コア繊維のシース材料が、ポリオレフィンを含む、請求項41に記載の複合物品。
【請求項43】
前記シース-コア繊維の前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、またはポリプロピレン、またはその両方を含む、請求項42に記載の複合物品。
【請求項44】
前記シース-コア繊維のコア材料が、ポリエチレンテレフタレート繊維を含む、請求項42に記載の複合物品。
【請求項45】
前記表面層の前記ポリエチレンテレフタレート繊維が、ポリエチレン、またはポリプロピレン、またはその両方を含むシース材料を含む、請求項44に記載の複合物品。
【請求項46】
前記コア層の前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む、請求項41~45のいずれかに記載の複合物品。
【請求項47】
前記コア層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこ
れらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項41~46のいずれかに記載の複合物品。
【請求項48】
前記コア層の第2の表面に結合されたスキンをさらに含む、請求項41に記載の複合物品。
【請求項49】
前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択されるか、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する、請求項48に記載の複合物品。
【請求項50】
前記多孔質コアが、ロフティング剤をさらに含む、請求項49に記載の複合物品。
【請求項51】
前記多孔質コア層の多孔率が、少なくとも20%である、請求項49に記載の複合物品。
【請求項52】
前記多孔質コア層の重量に基づいて、前記熱可塑性材料が、約20重量%~約80重量%存在し、強化繊維が、約20重量%~約80重量%存在する、請求項51に記載の複合物品。
【請求項53】
前記熱可塑性材料が、ポリオレフィンを含み、前記強化繊維が、ガラス繊維を含み、前記ロフティング剤が、微小球体を含み、前記表面層が、シース-コア繊維を含むスクリムを含む、請求項52に記載の複合物品。
【請求項54】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項53に記載の複合物品。
【請求項55】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.80の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項53に記載の複合物品。
【請求項56】
前記物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項53に記載の複合物品。
【請求項57】
前記表面層が、約10gsm~約300gsmの坪量を構成するスクリムである、請求項41~56のいずれかに記載の複合物品。
【請求項58】
前記スクリムが、ポリオレフィンを含むシース材料を有する熱可塑性コア繊維の不織配列で構成され、前記スクリム内の繊維少なくとも95重量%が、前記ポリオレフィンを含む前記シース材料を有する前記熱可塑性コア繊維を含む、請求項57に記載の複合物品。
【請求項59】
前記物品に結合された装飾層をさらに含む、請求項41~58のいずれかに記載の複合物品。
【請求項60】
前記多孔質コア層が、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する、請求項41~59のいずれかに記載の複合物品。
【請求項61】
2成分繊維を含む表面層を、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブ
を含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層の上へ配置することを含む、熱可塑性複合物品を生成する方法。
【請求項62】
前記熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、
前記撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、
前記水を排出して、前記熱可塑性材料によって共に保持された前記繊維のウェブを形成することと、
前記ウェブを前記熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、
前記ウェブを第1の厚さに圧縮することと、によって、前記多孔質コア層を形成することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
シース材料を前記表面層の熱可塑性繊維の上へ配置することによって前記表面層を形成して、前記2成分繊維を含む前記表面層を提供することをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
ポリオレフィンシース材料を前記表面層の前記熱可塑性繊維の上へ配置することによって、前記表面層を形成することをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記水性泡を前記表面層のコア繊維に提供して、前記表面層を提供することをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記水性泡を前記表面層の前記コア繊維の上へ噴霧することをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記コア繊維を含む前記表面層を前記水性泡に浸すことをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記物品を加熱して、前記表面層の前記ポリオレフィンシース材料を融解させることをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
少なくとも1つの領域を深絞りする形成過程に前記物品を供して、ブレークスルーを伴うことなく前記少なくとも1つの深絞り領域について少なくとも0.25の絞り深さ比を提供することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
装飾層を前記コア層に結合させることをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
熱可塑性複合物品を生成する方法であって、
熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、
前記撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、
前記水を排出して、前記熱可塑性材料によって共に保持された前記繊維のウェブを形成することと、
前記ウェブを前記熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、
2成分繊維を含む表面層を前記加熱したウェブの上へ配置して、前記複合物品を提供することと、
前記複合物品を第1の厚さに圧縮することと、を含む、方法。
【請求項72】
ポリオレフィンを含むように、前記多孔質コア層の前記熱可塑性材料を選択することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、
金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含むように、前記繊維を選択することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
少なくとも1つの深絞り領域を、前記深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく含むように、前記熱可塑性物品を形成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を提供するように、前記複合物品の少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.80の絞り深さ比を提供するように、前記複合物品の少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を提供するように、前記複合物品の少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.25の絞り深さ比を提供するように、前記複合物品の少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記複合物品を加熱し、前記表面層のシース-コア繊維内のシース材料を融解させて、前記表面層と前記コア層との間の接着力を増加させることをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記シース-コア繊維の前記シース材料を融解させた後に、前記複合物品を圧縮することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
熱可塑性複合物品を生成する方法であって、
前記熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、
前記撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、
前記水を排出して、前記熱可塑性材料によって共に保持された前記繊維のウェブを形成することと、
前記ウェブを前記熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、
前記熱可塑性物品を第1の厚さに圧縮することと、
2成分繊維を含む表面層を前記圧縮したウェブの上へ配置して、熱可塑性複合物品を提供することと、を含む、方法。
【請求項82】
ポリオレフィンを含むように、前記多孔質コア層の前記熱可塑性材料を選択することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含むように、前記繊維を選択することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
少なくとも1つの深絞り領域を、前記深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく含むように、前記熱可塑性物品を形成することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を含むように、前記熱可塑性複合材料の前記少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.50の絞り深さ比を含むように、前記熱可塑性複合材料の前記少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.80の絞り深さ比を含むように、前記熱可塑性複合材料の前記少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を含むように、前記熱可塑性複合材料の前記少なくとも1つの領域を形成することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
前記熱可塑性複合物品を加熱し、前記2成分繊維のシース材料を融解させて、前記表面層と前記コア層との間の接着力を増加させることをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項90】
前記2成分繊維の前記シース材料を融解させた後に、前記複合物品を圧縮することをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
前記コア層の第1の表面において前記コア層に結合された不織スクリムであって、前記不織スクリムが、ポリオレフィンシース材料を伴わない熱可塑性コア繊維を含む相当する不織スクリムによって提供される深絞り領域の深さと比較して、深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく前記深絞り領域の深さを増加させるために、前記ポリオレフィンシース材料を有する複数の前記熱可塑性コア繊維を含む、不織スクリムと、を含む、熱可塑性物品。
【請求項92】
複合物品であって、
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
複数の2成分繊維を含む表面層と、を含み、前記表面層が、前記多孔質コア層に結合される、複合物品。
【請求項93】
前記表面層内の繊維の少なくとも95重量%が、シース-コア繊維である、請求項92に記載の複合物品。
【請求項94】
前記シース-コア繊維が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含むシース材料を含む、請求項93に記載の複合物品。
【請求項95】
前記2成分繊維が、ポリエチレン、もしくはポリプロピレン、もしくはその両方を含むシース材料を有するポリエチレンテレフタレートコア繊維、またはポリエチレン、もしくはポリプロピレン、もしくはその両方を含むシース材料を有するナイロンコア繊維を含む、請求項94に記載の複合物品。
【請求項96】
前記多孔質コア層が、難燃性材料を含む、請求項92に記載の複合物品。
【請求項97】
前記難燃性材料が、膨張性グラファイト材料、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、またはこれらの組み合わせを含む、請求項96に記載の複合物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、2016年12月12日に出願された米国仮出願第62/433,154号、および2017年7月26日に出願された米国仮出願第62/537,296号に関し、その優先権および利益を主張するものであり、これらの各々の開示全体は、全ての目的に対して参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、改善された成形性を有する熱可塑性複合物品に関する。より具体的には、複合物品の深絞りを可能にするために、高められた成形性を提供する複合物品について、特定の構成を下に記載する。
【背景技術】
【0003】
自動車材料および構造材料用途のための物品は、典型的に、多くの競合する、かつ厳しい性能仕様を満たすように設計される。多くの場合において、物品の形成は、形成される1つ以上の領域においてブレークスルーをもたらす場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載されるプリプレグ、コア、および複合物品の特定の構成は、望ましい属性を提供するが、該属性としては、高められた成形性を複合物品に提供することができ、例えば形成過程におけるブレークスルーを阻止または防止することができる2成分繊維を含む1つ以上の表面層、例えば2成分繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができる軽量材料が挙げられるが、これに限定されない。
【0005】
一態様において、複合物品は、熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、表面層と、を含む。例えば、多孔質コア層は、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含むことができる。表面層は、複数の2成分繊維、例えば複数のシース-コア繊維またはシェル-コア繊維を含むことができる。表面層は、典型的に、多孔質コア層の1つ以上の表面において多孔質コア層に結合される。
【0006】
特定の例において、表面層内の繊維の少なくとも95%は、2成分繊維、例えばコア-シェル繊維、2成分繊維、被覆繊維などである。他の例において、2成分繊維は、ポリエチレンシースを含む繊維、またはポリプロピレンシースを含む繊維を含む。いくつかの例において、2成分繊維は、ポリエステルコア繊維、例えばポリエチレンシースを有するポリエチレンテレフタル酸塩コア繊維、もしくはポリプロピレンシースを有するポリエチレンテレフタル酸塩コア繊維を含み、またはポリエチレンシースを有するナイロンコア繊維、もしくはポリプロピレンシースを有するナイロンコア繊維を含むことができる。いくつかの例において、多孔質コア層は、難燃性材料、例えば、膨張性グラファイト材料、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、またはこれらの組み合わせを含む。
【0007】
一態様において、複合物品は、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、コア層の第1の表面においてコア層に結合された表面層、例えば不織スクリムと、を含み、該表面層、例えば不織スクリムは、複数のシース-コア繊維を含み、シースは、ポリオレフィンであり、例えば、特定の表面層を有する物品は、物品が深絞り成型過程に供されるときにブレークスルーを伴うことなく、高められた成形性を提供することができる。
【0008】
特定の例において、不織スクリムの繊維の少なくとも95重量%は、2成分繊維である
。例えば、表面層内の繊維の95重量%は、ポリオレフィンシース、またはシースとしての別の材料を含むコア繊維を含むことができる。いくつかの例において、スクリムの繊維は、ポリエチレンシース繊維またはポリプロピレンシース繊維を含む。特定の実施形態において、スクリムは、ポリエステルコア繊維、例えばポリエチレンテレフタレートコア繊維を含む。他の例において、スクリムのポリエステル繊維は、ポリエチレンシースを含むポリエステルコア繊維、またはポリプロピレンシースを含むポリエステルテレフタレートコア繊維、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの例において、コア層の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む。他の場合において、コア層の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む。いくつかの例において、物品は、コア層の第2の表面に結合されたスキンを含む。特定の場合において、スキンは、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム(フィルム+スクリム)、スクリム、フォイル、織布、不織布、2成分繊維スクリム(例えば、シース-コア繊維を含む2成分繊維スクリム)からなる群から選択されるか、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する。いくつかの実施形態において、多孔質コアは、ロフティング剤をさらに含む。いくつかの例において、多孔質コア層の多孔率は、少なくとも20%である。他の例において、多孔質コア層の重量に基づいて、熱可塑性材料は、約20重量%~約80重量%存在し、強化繊維は、約20重量%~約80重量%存在する。特定の実施形態において、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含み、強化繊維は、ガラス繊維を含み、ロフティング剤は、微小球体を含み、表面層は、シース-コア繊維を含み、シース材料は、ポリオレフィンであり、コア繊維は、熱可塑性繊維またはポリエステル繊維である。いくつかの例において、物品は、少なくとも10cm、少なくとも20cm、少なくとも30cm、または少なくとも40cmの深さを有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む。いくつかの例において、表面層の坪量は、少なくとも10gsmであるか、または約10gsm~約300gsm、もしくは約15gsm~約50gsmである。他の例において、物品は、物品に結合された装飾層を含む。特定の実施形態において、多孔質コア層は、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する。
【0009】
別の態様において、繊維強化熱可塑性複合物品は、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、コア層の第1の表面においてコア層に結合された表面層と、を含み、表面層は、複数の2成分熱可塑性繊維、例えばシース-コア繊維を有する繊維を含む2成分熱可塑性繊維を含み、シースは、ポリオレフィンを含み、物品は、少なくとも1つの深絞りにおいてブレークスルーを伴うことなく、少なくとも1cm(または5cm、または10cm)の深さを有する少なくとも1つの深絞り領域を含む。
【0010】
特定の例において、表面層の繊維の少なくとも95重量%は、シース-コア繊維を含む。いくつかの実施形態において、表面層の熱可塑性繊維は、ポリエチレンシース繊維またはポリプロピレンシース繊維を含む。他の例において、表面層は、ポリエステルコア繊維、例えばポリエチレンテレフタレートコア繊維を含む。いくつかの実施形態において、表面層のポリエステルコア繊維は、ポリエチレンシース、またはポリプロピレンシース、またはこれらの組み合わせを含む。特定の例において、コア層の熱可塑性材料は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む。他の場合において、コア層の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む。いくつかの例において、物品は、コア層の第2の表面に結合されたスキンを含む。特定の例において、スキンは、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択され、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する。いくつかの実施形態において、多孔質コアは、ロフティング剤をさらに含む。さらなる場合において、多孔質コア層の多孔率は、少なくとも20%である。特定の例において、多孔質コア層の重量に基づいて、熱可塑性材料は、約20重量%~約80重量%存在し、強化繊維は、約20重量%~約80重量%存在する。いくつかの実施形態において、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含み、強化繊維は、ガラス繊維を含み、ロフティング剤は、微小球体を含み、表面層は、シース-コア繊維を含むスクリムを含み、シース材料は、ポリオレフィンを含み、コアは、熱可塑性繊維またはポリエステル繊維を含む。特定の例において、物品は、少なくとも20cmの深さを有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む。いくつかの例において、物品は、少なくとも40cmの深さを有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む。他の例において、物品は、少なくとも45cmの深さを有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む。特定の実施形態において、表面層は、少なくとも10gsmの坪量を含むスクリムであり、または約10gsm~約300gsm、もしくは約15gsm~約50gsmである。いくつかの例において、スクリムは、シース-コア繊維の不織配列で構成され、シースは、ポリオレフィンを含み、コアは、熱可塑性繊維またはポリエステル繊維を含み、繊維の少なくとも95重量%がシース-コア繊維である。さらなる例において、物品は、物品に結合された装飾層を含む。特定の実施形態において、多孔質コア層は、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する。
【0011】
追加的な態様において、熱可塑性複合物品は、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、コア層の第1の表面においてコア層に結合された表面層と、を含み、表面層は、複合物品が向上した成形性を有し、また、ブレークスルーを伴うことなく深絞り形成過程に供されることができるように、2成分繊維を含む。例えば、表面層は、表面層をコア層に結合させる前に増加した伸長を有することに基づいて、複合物品で使用するように選択することができる。いくつかの場合において、表面層の伸長は、単一成分繊維だけを含む類似の表面層と比較して、例えば、シースを伴わない単一成分繊維を含む表面層と比較して、ASTM試験法5304-09(2013)によって試験したときに、機械方向において、および横方向において少なくとも20%大きくなり得る。
【0012】
特定の実施形態において、表面層の繊維の少なくとも95重量%は、2成分繊維である。例えば、表面層内の繊維の95重量%は、シース-コア繊維を含むことができ、シースは、ポリオレフィンを含む。他の実施形態において、表面層の2成分繊維は、ポリエチレンシース繊維またはポリプロピレンシース繊維を含む。いくつかの例において、表面層は、ポリエステルコア繊維を含む。特定の場合において、表面層のポリエステルコア繊維は、ポリエチレンシース、またはポリプロピレンシース、またはこれらの組み合わせを含む
。いくつかの実施形態において、コア層の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む。他の実施形態において、コア層の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む。特定の例において、物品は、コア層の第2の表面に結合されたスキンを含む。いくつかの実施形態において、スキンは、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択され、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する。特定の例において、多孔質コアは、ロフティング剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、多孔質コア層の多孔率は、少なくとも20%である。他の例において、多孔質コア層の重量に基づいて、熱可塑性材料は、約20重量%~約80重量%存在し、強化繊維は、約20重量%~約80重量%存在する。特定の場合において、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含み、強化繊維は、ガラス繊維を含み、ロフティング剤は、微小球体を含み、表面層は、シース-コア熱可塑性繊維を含むスクリムを含む。他の例において、物品は、少なくとも20cm、少なくとも30cm、または少なくとも40cm、または少なくとも45cmの深さを有する、少なくとも1つの深絞り領域を含む。特定の例において、表面層は、少なくとも10gsmの坪量を含むスクリムであり、または約10gsm~約300gsm、もしくは約15gsm~約50gsmである。いくつかの実施形態において、スクリムは、ポリオレフィンシースを有する熱可塑性コア繊維の不織配列で構成され、熱可塑性コア繊維の少なくとも95%がポリオレフィンシースを含む。特定の実施形態において、物品は、物品に結合された装飾層を含む。特定の例において、多孔質コア層は、約300gsm~約3500gsmの坪量を構成する。
【0013】
別の態様において、熱可塑性複合物品を生成する方法は、シース-コア熱可塑性繊維を含む表面層を、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層の上へ配置することを含む。
【0014】
いくつかの例において、本方法は、熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、水を排出して、熱可塑性材料によって共に保持された繊維のウェブを形成することと、ウェブを熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、ウェブを第1の厚さに圧縮することと、によって、多孔質コア層を形成することを含む。特定の例において、本方法は、コア層上に複数のシース-コア繊維を含む表面層を配置することによって表面層を形成することを含む。いくつかの場合において、本方法は、表面層をコア層の上へ配置した後に、複数のシース-コア繊維を含む不織スクリムを形成することによって、表面層を形成することを含む。他の例において、本方法は、水性泡を表面層のコア繊維に提供して、泡を表面層のコア繊維の上へ配置することによって、表面層を形成することを含む。特定の実施形態において、本方法は、水性泡を表面層のコア繊維の上へ噴霧することを含む。いくつかの例において、本方法は、表面層を水性泡の中へ浸漬することを含む。他の例において、本方法は、物品を加熱して、表面層のシース材料を融解させることを含む。特定の場合において、本方法は、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも1つの領域を10cm以上の深さまで深絞りするように、物品を形成過程に供することを含む。他の例において、本方法は、装飾層をコア層に結合させることを含む。
【0015】
別の態様において、熱可塑性複合物品を生成する方法は、熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、水を排出して、熱可塑性材料によって共に保持された繊維のウェブを形成することと、ウェブを熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、シース-コア繊維を含む表面層を、加熱したウェブの上へ配置して、複合物品を提供することと、複合物品を第1の厚さに圧縮することと、を含む。
【0016】
特定の実施形態において、本方法は、ポリオレフィンを含むように、多孔質コア層の熱可塑性材料を選択することを含む。他の例において、本方法は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含むように、繊維を選択することを含む。いくつかの例において、本方法は、深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1つの深絞り領域を含むように、熱可塑性物品を形成することを含む。特定の実施形態において、本方法は、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも1cm、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも10cm、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも20cm、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも30cm、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも40cmの深さまで、領域を深絞りすることを含む。下でさらに詳細に述べるように、ブレークスルーを伴うことなく達成可能な厳密な絞り深さは、少なくとも部分的に、絞り領域の幅または直径に依存し得る。いくつかの例において、本方法は、複合物品を加熱して、表面層のシース-コア繊維のシース材料を少なくともある程度まで融解または軟化させて、表面層とコア層との間の接着力を増加させることを含む。他の例において、本方法は、シース-コア繊維のシース材料を少なくともある程度まで融解または軟化させた後に、複合物品を圧縮することを含む。
【0017】
別の態様において、熱可塑性複合物品を生成する方法は、熱可塑性材料および繊維を組み合わせて、撹拌した水性泡を形成することと、撹拌した水性泡をワイヤ支持体の上へ配置することと、水を排出して、熱可塑性材料によって共に保持された繊維のウェブを形成することと、ウェブを熱可塑性材料の融解温度以上の第1の温度まで加熱することと、物品を第1の厚さに圧縮することと、シース-コア繊維を含む表面層を圧縮したウェブの上へ配置して、複合物品を提供することと、を含む。
【0018】
特定の実施形態において、本方法は、ポリオレフィンを含むように、多孔質コア層の熱可塑性材料を選択することを含む。他の例において、本方法は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含むように、繊維を選択することを含む。いくつかの例において、本方法は、深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1つの深絞り領域を含むように、熱可塑性物品を形成することを含む。特定の例において、本方法は、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも1cm、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも5cm、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも10cmの深さまで、領域を深絞りすることを含む。他の例において、本方法は、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも20cm、またはブレークスルーを伴うことなく最小30cm、またはブレークスルーを伴うことなく最小30cmの深さまで、領域を深絞りすることを含む。いくつかの例において、本方法は、複合物品を加熱して、表面層のシース-コア繊維のシース材料を少なくともある程度まで融解または軟化させて、表面層とコア層との間の接着力を増加させることを含む。特定の例において、本方法は、シース-コア繊維のシース材料を少なくともある程度まで融解または軟化させた後に、複合物品を圧縮することを含む。
【0019】
別の態様において、熱可塑性物品は、複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブと、コア層の第1の表面においてコア層に結合された不織スクリムと、を含む、熱可塑性繊維強化多孔質コア層を含み、不織スクリムは、複数の2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含み、シースは、複数の単一成分繊維、例えばシース材料を伴わない繊維を含む相当する不織スクリムによって提供される剥離強度と比較して、不織スクリムとコア層との間の剥離強度を増加させるために、ポリオレフィンを含む。
【0020】
追加的な特徴、態様、例、構成、および実施形態を下にさらに詳細に記載する。
特定の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】特定の実施例による、成形性を高めることができる2成分繊維を含む表面層を含むプリプレッグの実例の図である。
図1B】特定の構成による、2成分繊維の実例の図である。
図2】特定の実施形態による、2つの積み重ねたコア層、および成形性を高めることができる2成分繊維を含む層の実例の図である。
図3】特定の実施例による、スキンに結合されたプリプレグまたはコア、および成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す実例の図である。
図4】特定の実施例による、2つ以上のスキンに結合されたプリプレグまたはコア、および成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す実例の図である。
図5】特定の実施例による、装飾層を含むプリプレグまたはコア、および成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す別の実例の図である。
図6】特定の実施例による、スキン層を通して互いに結合された2つのプリプレグまたはコア、および成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す別の実例の図である。
図7】特定の実施形態による、コア層のうちの1つに配置されたスキン層を有する互いに結合された2つのプリプレグまたはコア、および他方のプリプレグまたはコア層に配置された、成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す実例の図である。
図8】特定の実施形態による、コア層の各々に配置されたスキン層を有する互いに結合された2つのプリプレグまたはコア、およびスキン層のうちの1つに配置された、成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む層を示す実例の図である。
図9】特定の実施例による、スキン層を通して互いに結合され、コア層のうちの1つに配置された別のスキン層を含む2つのプリプレグまたはコア、およびスキン層のうちの1つに配置された、成形性を高めることができるシース-コア繊維を含む別の層を示す実例の図である。
図10】特定の実施形態による、コア層に配置された、成形性を高めることができる、繊維を含む材料ストリップを示す実例の図である。
図11】特定の実施形態によれば、本明細書に記載される物品を作製するための方法の概略図である。
図12】特定の実施形態による、本明細書に記載される物品を作製するための別の方法の概略図である。
図13】特定の実施形態による、本明細書に記載される物品を作製するための別の方法の概略図である。
図14】特定の実施例による、深絞り領域における裂け目を示す、深絞り過程に供された後の試験試料の写真である。
図15】特定の実施例による、いかなる裂け目またはしわも示さない、深絞り過程に供された後の試験試料の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者であれば、本開示の利益を踏まえて、より利用しやすい形の図面を提供するために、図面の中の特定の寸法または特徴が、拡大されて、歪まされて、あるいはその他の慣例にとらわれないまたは他の比例しない様式で示されている場合があることを認識するであろう。具体的な厚さ、幅、または長さは図面の描写によっては意図されず、また図面の構成要素の相対的なサイズ、図面の構成要素のいずれかのサイズを限定することを意図するものではない。下の説明で寸法または値が指定されている場合、寸法または値は例示目的のみのために提供される。加えて、図面の特定の部分の陰影によって、特定の材料または配置を要求することを意図しておらず、たとえ図面の異なる構成要素が区別のために陰影を含むことがあっても、異なる構成要素は、所望であれば同じまたは同様の材料を含むことができる。いくつかの場合において、繊維、熱可塑性材料、および任意選択でロフティング剤を含むコア層は、例示の目的で、スタッブルまたはドットを含むものとして示されている。スタッブルおよびドットの配列は、特定の図面を説明する文脈において、別途指定されない限り、特定の分布を示唆するものではない。
【0023】
特定の実施形態は、本明細書に開示される技術を、より使用者に親切に説明するために、単数形および複数形の用語を参照して下に記載する。これらの用語は、便宜上の目的だけのために使用され、本明細書に記載される特定の実施形態に存在するものとして、またはそこから除外されるものとして別途注記のない限り、特定の特徴を含めるまたは除外するものとして、プリプレグ、コア、物品、複合物、および他の物体を限定することを意図していない。
【0024】
特定の場合において、熱可塑性複合物品は、しばしば、種々の形状に形成されて、例えば成型されて、または処理されて、最終形成部品または物品を提供する。いくつかの場合において、物品は、天井、リアウインドウトリム、トランクトリム、ドアトリム、シートバック、ピラー、およびコンパートメントカバーが挙げられるが、これらに限定されない、自動車業界で使用される部品に形成される。形成過程中に、熱可塑性領域のうちの1つ以上の領域の形成または絞りは、深絞りした場合に材料が不合格になり得るようなブレークスルー、例えば裂け目、スリット、孔などをもたらし得る。本明細書に記載される特定の例において、2成分繊維を含む表面層の存在は、絞り領域において物品のブレークスルーを伴うことなく複合物品の絞り深さを増加させること、例えば10cm、20cm、30cm、40cm、またはそれ以上にすることを可能にし得る。熱可塑性物品の厳密な形成または絞り深さは、形成または絞り領域の幅の寸法に依存し得る。いかなる特定の測定法にも束縛されることを望むものではないが、1つの有用な測定法は、絞り深さ比を比較することである。本明細書で使用するときに、絞り深さ比は、キャビティ深さをキャビティの最大水平寸法で割ったものを指す。例えば、円錐台、例えば切頭体または円錐形切頭体を有する円錐台の場合、約40mmのベース直径および約20mmの絞り深さまたは高さに関して、絞り深さ比は、約0.5(20mm/40mm)となる。本明細書に記載される2成分繊維を有する表面層を使用することによって、単一成分繊維を含む表面層を使用したときにブレークスルーを伴うことなく達成可能な絞り深さ比と比較して、ブレークスルーを伴うことなくより高い絞り深さ比を達成することができる。下の種々の実例は、比較する目的で、絞り深さ比に関する。
【0025】
いくつかの場合において、本明細書に記載される表面層は、絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく、絞り深さ比を10%、20%、30%、40%、または50%増加させるために使用することができる。対照または参照として、絞り深さ比の増加は、類似する組成の単一成分繊維を含む表面層を含む類似する複合物品と比較することができる。例えば、対照または参照は、ポリエチレン繊維を含む表面層を含むことができ、高められた成形性を有する複合物品の表面層は、シース-コア繊維を含むことができ、コア繊維は、ポリエチレンを含み、シースは、熱可塑性材料を含む。いくつかの例において、高められた成形性を有する複合物品の少なくとも1つの絞り領域の絞り深さ比は、絞り領域に
おいて、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.8、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.25、またはブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.4もしくは1.5であり得る。
【0026】
特定の構成において、本明細書に記載される物品は、プリプレグまたはコア層を含むことができる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、プリプレグは、一般に、コアの完全に形成された、または処理されたバージョンではない。例えば、熱可塑性材料、複数の強化繊維、および任意選択でロフティング剤を含む、部分的に硬化した層は、一般に、プリプレグと称され、一方で、熱可塑性材料、複数の強化繊維、および任意選択でロフティング剤を含む、完全に硬化した層は、一般に、コアまたはコア層と称される。本明細書で述べるように、コアを硬化したものとみなすことができる場合であっても、コアは、依然として、1つ以上の表面層(または他の層)に結合させて、コア層を含む複合物品の全体的な特性を変化させることができる。下の説明は、プリプレグおよびコアの両方について言及し、プリプレグと共に使用される材料(ならびにそれらの量および特性)もまた、所望に応じて、コアに使用すること、または存在させることができる。
【0027】
下でさらに詳細に述べるように、本明細書に記載される物品は、一般に、多孔質であり、また、流体の通過、例えばガスが物品を通過することを可能にすることができる。いくつかの例において、物品の種々の構成要素は、物品が流体の流れに対する障壁として機能しないように選択することができる。他の例において、物品のプリプレグまたはコアは、多孔質とすることができ、物品は、障壁として機能することができる、または非障壁であり得る、1つ以上の表面層を含むことができる。いくつかの例において、押し出しは、多孔率を約0%まで低減させる場合があり、また、本明細書に記載される物品のロフティング能力に影響を及ぼすので、本明細書に記載される物品のプリプレグおよびコアは、押し出された物品ではない。
【0028】
特定の実施形態において、本明細書に記載される物品の高められた成形性は、プリプレグまたはコア層の坪量の低減を可能にすることができるが、それでも、所望の深さへの物品の深絞りを可能にする。いくつかの例において、従来の表面層と比較して、2成分繊維を含む表面層を使用したときに、例えば、シース材料を伴わない同じコア繊維を含む同じスクリムと比較して、シース-コア繊維を含むスクリムを使用したときに、コアの坪量を5%、10%、15%、20%、25%、30%、さらには35%低減させることができる。
【0029】
図1Aを参照すると、物品100は、表面104に2成分繊維を含む表面層110、例えばスクリムに結合されたプリプレグ105を含む。所望に応じて、表面層110は、代わりに表面102に結合させることができ、または下で述べるように、スクリムは、各表面102、104に結合させることができる。所望に応じて、表面102、104に結合された各スクリムは、2成分繊維を含むことができる。プリプレグ105は、熱可塑性材料と、複数の強化繊維と、を含む。下でさらに詳細に述べるように、プリプレグの強化繊維は、所望に応じて、単一成分繊維または2成分繊維とすることができる。プリプレグ105はまた、任意選択で、プリプレグ105を通して分散させたロフティング剤も含む。いくつかの場合において、プリプレグ100の材料は、プリプレグ105の第1の表面102から第2の表面102まで実質的に均質に、または実質的に均一に分散させることができる。本明細書により詳細に記載するように、プリプレグ105内の材料のそのような実質的に均質な、または実質的に均一な分布を達成するために、プリプレグ105の構成要素を共に混合して、分散体を形成することができる。混合は、分散体が、強化繊維および随意のロフティング剤の実質的に均質な、または実質的に均一な混合物を分散体内に含むまで行うことができる。次いで、例えば適切な敷設過程を使用して、または他の適切な
技法を使用して、分散体をワイヤ画面の上へ配置することによって、本明細書で説明されるようにプリプレグ105を形成することができる。他の構成では、材料のうちの1つが表面102、104のうちの1つに向かって他の表面よりも多く存在するように、強化繊維またはロフティング剤のいずれかの、またはその両方の勾配分布を第1の表面102から第2の表面104まで提供することが望ましい場合がある。強化繊維またはロフティング剤の勾配は、例えば追加的な強化繊維またはロフティング剤をプリプレグ105の表面に噴霧または被覆することによって生成することができる。プリプレグ105はまた、第1のタイプと異なる第2のタイプの繊維も含むことができる。第2のタイプの繊維は、親水性繊維、例えばガラス繊維、熱可塑性繊維などとすることができる。さらに、第2のタイプの繊維は、第1のものと同じ一般的なタイプの繊維とすることができ、例えば、どちらの繊維も同じ組成の強化繊維とすることができるが、繊維は、異なる長さ、異なる直径などで構成することができる。
【0030】
特定の構成において、プリプレグの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在させることができる。いくつかの場合において、プリプレグに使用される熱可塑性材料は、粒子形態で存在させることができる。例えば、熱可塑性粒子は、材料の分散体を提供するために存在する強化繊維、ロフティング剤、および任意の他の粒子または材料と混合することができる。分散体は、略平面な構造体またはボードを形成し、板が固化または硬化することを可能にすることによって、プリプレグ105を提供するために使用することができる。特定の実施形態において、プリプレグ105は、一般に、空隙空間がプリプレグ内に存在するように、相当量のオープンセル構造を含む。例えば、プリプレグ層105は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的範囲内の任意の例示的な値の空隙含有量または多孔率で構成することができる。いくつかの場合において、プリプレグは、0%を超える、例えば完全に固結していない最大約95%の多孔率または空隙含有量で構成される。別途指示がない限り、特定の空隙含有量または多孔率で構成されるプリプレグへの言及は、プリプレグの合計容積に基づくものであり、また、必ずしも最終物品を形成するために、プリプレグに、プリプレグに結合された任意の他の材料または層を加えた合計容積とは限らない。厳密な多孔率は変動し得るが、強化繊維および熱可塑性材料、例えばポリオレフィン熱可塑性材料と組み合わせた強化繊維を使用して生成されたプリプレグは、約5%~約90%の、または約10%~約75%、または約15%~約60%、または約20%~約55%の多孔率を有し得る。
【0031】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるプリプレグの熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル(可塑化および無可塑)、ならびにこれらの材料の互いとの配合物または他のポリマー材料の配合物、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に含むことができる。他の適切な熱可塑性としては、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの
高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、およびシリコーン、ならびにこれらの材料の互いとの合金および配合物、または強化繊維の熱劣化温度よりも低い処理温度を有する他のポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。プリプレグを形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロージン形態、繊維形態、これらの組み合わせ、または他の適切な形態で使用することができる。種々の形態の例示的な熱可塑性材料が、本明細書に記載されているが、例えば米国特許出願公開第2013/0244528号および同第2012/0065283号にも記載されている。プリプレグ内に存在する熱可塑性材料の厳密な量は変動し得るが、例示的な量は、約20重量%~約80重量%の範囲である。下でさらに詳細に述ベるように、これらの熱可塑性材料のうちの任意の1つ以上を、非プリプレグ層、例えばスクリムの繊維の上へ被覆することができ、または非プリプレグ層を形成する前に、繊維自体に存在させることができる。
【0032】
特定の例において、プリプレグ105内に存在する強化繊維は、数多くの種類の繊維またはそれらの混合物を含むことができる。例えば、プリプレグ105は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、例えばパラおよびメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載される材料などの特に高弾性率の有機繊維、麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ、およびセルロース系繊維などの天然繊維、玄武岩、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカ、および同類のもの、またはこれらの混合物などの鉱物繊維、金属繊維、金属化天然繊維および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。プリプレグ内の総繊維含有量は、プリプレグの約20重量%~約80重量%、より具体的にはプリプレグの約30重量%~約70重量%とすることができる。典型的に、プリプレグを含む複合物品の繊維含有量は、約20%~約60重量%の間で変動する。
【0033】
特定の例において、使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的には、使用されるポリマー材料および/または得られるプリプレグ105の所望の特性に依存し得る。熱可塑性材料内に分散される例示的な強化繊維は、約5ミクロンを超える直径、より具体的には約5ミクロン~約22ミクロンの直径、および約5mm~約200mm、または約5mm~約100mm、または約5mm~約50mm、または約5mm~約20mmの長さで構成することができる。いくつかの場合において、繊維直径は、約5ミクロン~約22ミクロンとすることができ、繊維長さは、約5mm~約75mmとすることができる。他の事例において、繊維直径は、約10ミクロン~約20ミクロンとすることができ、長さは、約5mm~約15mmとすることができる。
【0034】
いくつかの場合において、プリプレグ内に存在する強化繊維は、シース-コア強化繊維とすることができる。例えば、下で述べるように、スクリムなどの表面層内に存在する2成分繊維は、シース-コア構造体を含むことができる。所望に応じて、プリプレグ内に存在する強化繊維はまた、1つ以上のシース-コア繊維も含むことができる。いくつかの例において、プリプレグのコア強化繊維に存在するシース材料は、表面層内に存在する繊維のシース材料として存在する材料と同じ材料とすることができる。他の例において、プリプレグのコア強化繊維に存在するシース材料は、表面層内に存在するコア繊維に存在するシース材料とは異なるシース材料とすることができる。いくつかの場合において、プリプレグの強化繊維は、ポリオレフィンシース、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどを含むことができる。ポリオレフィンは、低密度ポリオレフィン、高密度ポリオレフィン、またはこれらの組み合わせとすることができる。いくつかの例において、シース材料、強化繊維は、プリプレグの処理中にそれが融解する、または流れるように選択することができるのに対して、下にあるコア繊維材料は、一般に、プリプレグの処理中に融解しないか、または流れない。
【0035】
いくつかの構成において、プリプレグ105は、特定の用途のための有害物質の要件に関する規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まないプリプレグとすることができる。他の場合において、プリプレグ105は、ハロゲン化難燃剤を含むことができ、該ハロゲン化難燃剤は、例えば、F、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つ以上、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えばテトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含む。いくつかの場合において、プリプレグおよびコア内で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤の追加を伴うことなくある程度の難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含むことができる。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(プリプレグ105の重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在させることができる。所望に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤をプリプレグに加えることができる。他の場合において、例えばN、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などの、非ハロゲン化難燃剤を添加することができる。いくつかの実施形態において、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含むことができ、よって、プリプレグをより環境に優しいものにすることができる。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、より具体的には、プリプレグ105の重量に基づいて、約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在させることができる。所望に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンを含まない難燃性をプリプレグ105に加えることができる。特定の場合において、本明細書に記載されるプリプレグは、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在させることができる。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグ105の重量に基づいて)約0.1重量%~約20重量%、より具体的には、プリプレグ105の重量に基づいて、約1重量%~約15重量%、例えば約2重量%~約14重量%とすることができる。本明細書に記載されるプリプレグで使用される難燃剤は、熱可塑性材料および強化繊維を含む混合物に加えることができ、またはプリプレグ105が形成された後に加えることができる。いくつかの例において、プリプレグは、カーボンブラック、膨張性グラファイト材料、または例えば水酸化マグネシウムもしくは水酸化アルミニウムなどの無機難燃剤を含むことができる。
【0036】
特定の実施形態において、ロフティング剤がプリプレグ105内に存在する場合、ロフティング剤は、温度を変化させることによって、プリプレグ105の全体的なサイズ、例えば厚さを増加させる(または減少させる)ために使用することができる。いくつかの場合において、ロフティング剤を含むプリプレグ105の加熱は、プリプレグ105の全体的な厚さを増加させる。使用される厳密なロフティング温度は、変動させることができ、また、典型的に、該温度が強化繊維の熱劣化温度よりも低くなるように、かつ熱可塑性材料の溶融/軟化点を超えるように選択される。さらに、ロフティング剤の量は、所望に応じて、変動させることができる。いくつかの例において、プリプレグ105は、ロフティング前厚さまで圧縮することができ、さらに、処理、例えば熱形成、成型などを行って、プリプレグ105の厚さを所望の厚さまで増加させることを可能にすることができる。さらに、プリプレグを軟化させることはまた、深絞りを行うこと、またはプリプレグ105から多次元構造体を形成することができる他の過程を使用することを可能にする役割も果たすことができる。いくつかの例において、ロフティング剤は、微小球体ベースのロフティング剤、膨張性グラファイト材料、化学発泡剤、またはこれらの組み合わせとすることができる。プリプレグ105内に存在するロフティング剤の量は、プリプレグ105の重
量に基づいて、例えば、約1重量%~約10重量%に変動させることができる。
【0037】
特定の構成において、表面層110は、複数の繊維、例えば複数の2成分繊維を含むことができる。2成分繊維の厳密な構成は、変動させることができるが、いくつかの例において、繊維は、処理中に物品100の成形性を高めるために、シース-コア、シェルコア、または被覆とすることができる。例えば、表面層110は、表面層110のプリプレグ105(またはコア)への結合が、シースまたはシェル材料を含まない相当する表面層が存在するときにもたらされる伸長と比較して、物品100の高められた伸長を提供するように、第2の異なる材料のシースまたはシェルを有する第1のコア材料から生成された繊維を含むことができる。いくつかの例において、対照スクリム、例えばシース材料のない第1の組成の繊維を含むスクリムと比較したときに、2成分繊維を有するスクリムは、機械方向および横方向の一方または両方において、少なくとも30%、40%、50%、60%、または70%の伸長を有することができる。スクリムの高められた伸長は、少なくとも部分的に、ブレークスルーを伴うことなく、例えば裂け目を伴うことなく(少なくとも特定の領域において)物品の絞り深さを増加させることを可能にする。スクリムまたは表面層の伸長は、例えば、「Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(Grab Test)(織物の破壊強度および伸長(グラブ試験))」という名称のASTM 5304-09(2013)試験を使用することを含む、多数の方法で測定することができる。特定の実施形態において、表面層110の存在は、表面層内にシース-コア繊維を含まない相当する物品の絞り深さ比よりも、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも10%以上の絞り深さ比の増加を可能にする。いくつかの実施形態において、表面層110の存在は、表面層内にシース-コア繊維を含まない相当する物品の絞り深さ比よりも、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも20%以上の絞り深さ比の増加を可能にする。他の実施形態において、表面層110の存在は、表面層内にシース-コア繊維を含まない相当する物品の絞り深さ比よりも、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも30%の絞り深さ比の増加を可能にする。いくつかの実施形態において、表面層110の存在は、表面層内にシース-コア繊維を含まない相当する物品の絞り深さ比よりも、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも40%以上の絞り深さ比の増加を可能にする。特定の実施形態において、表面層110の存在は、表面層内にシース-コア繊維を含まない相当する物品のブレークスルーを伴わない絞り深さ比よりも、ブレークスルーを伴うことなく少なくとも50%以上の絞り深さ比の増加を可能にする。いくつかの実施形態において、表面層の坪量は、約10gsm~約100gsm、例えば、10gsm、20gsm、30gsm、40gsm、50gsm、60gsm、70gsm、80gsm、90gsm、100gsm、40~60gsm、または他の坪量とすることができるが、それでも、複合物品で使用されるときに、高められた成形性を提供するのに効果的である。他の実施形態において、2成分繊維は、必ずしも被覆を含むとは限らない場合があるが、繊維を提供するために共に使用される2つの異なる材料を含むことができ、例えばシース材料は、コア材料を取り囲むことができる。加えて、3成分、4成分、および他の多成分繊維も使用することができる。例えば、ベース繊維材料は、多孔質コア層を含む物品の表面層で使用することができる3成分繊維を提供することができるように、2つの異なる材料で被覆することができ、または該材料を含むことができる。2成分繊維の1つの実例を図1Bに示すが、2成分繊維150は、コア繊維155と、コア繊維155を取り囲むシースまたはシェル材料160と、を含む。2成分繊維150は、シース-コア、またはコアを伴うシェル-コアが繊維155であり、シースまたはシェルが材料160であるとみなすことができ、例えば、シース-コア繊維は、繊維内の繊維とみなすことができる。例示の目的で、シース160は、コア繊維155の側部全体を取り囲むように示されるが、シース材料160は、コア繊維155の表面全体で均一である必要はない。加えて、他のシース材料または被覆をシース材料160の上へ配置して、表面層で使用するための多成分繊維を提供することができる。
【0038】
いくつかの例において、表面層110の繊維のシース材料は、プリプレグ105内に存在する熱可塑性材料と同じ材料を含むことができる。他の例において、表面層110の繊維のシース材料は、プリプレグ105内に存在する熱可塑性材料と異なる材料を含むことができる。さらに他の実施例において、表面層110の繊維のシース材料は、プリプレグ105の熱可塑性材料と同じ一般的クラス、例えばポリオレフィンを含むことができ、例えば、どちらの材料も熱可塑性材料とすることができるが、使用される特定の材料は、異なってもよく、例えば、プリプレグ105は、ポリプロピレンを含むことができ、表面層110の繊維のシース材料は、ポリエチレンを含むことができる。スクリム内に存在する厳密なタイプのコア繊維は、変動させることができ、例示的な繊維としては、ガラス繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエステル繊維、および熱可塑性繊維が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステル繊維がコア繊維内で使用される場合、ポリエステル材料は、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、または2つ以上のエステル基を含む他の材料、のうちの1つ以上とすることができる。多くの異なる繊維タイプを使用することができるが、それでも、いくつかの構成において、表面層110で使用される繊維は、望ましくは、プリプレグ105内に存在する熱可塑性材料よりも高い融点を有する。この構成は、表面層110内のコア繊維を相当に軟化させる/融解することのない加熱によって、プリプレグ105を軟化させること、または融解することを可能にする。表面層110の繊維のシース材料は、プリプレグ105の熱可塑性材料よりも低い、それと同じ、またはそれよりも高い軟化点/溶融点を含むことができる。例えば、いくつかの場合において、表面層110の繊維の被覆は、物品100の形成中に(少なくともある程度)軟化させること/融解することができる。いくつかの構成において、表面層110の繊維のシース材料は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどとすることができ、表面層で使用される繊維は、熱可塑性繊維、例えばポリエチレンテレフタレートまたは他の繊維を含むことができる。
【0039】
特定の例において、表面層110内に存在するシース-コア繊維の厳密な割合は、表面層110内に存在する繊維の総重量に基づいて、少なくとも80重量%から、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、さらには100重量%まで変動し得る。いくつかの例において、高められた成形性を物品に提供するために、表面層110内に存在する実質的に全ての繊維は、2成分繊維、例えばシース-コア繊維である。下でさらに詳細に述ベるように、表面層110は、シース-コア繊維の表面層を所望の構造に形成することによって、表面層110の予備成形を含む多数の様態で生成することができる。いくつかの例において、コア繊維は、表面層110を形成するために使用され、次いで、形成した表面層110は、被覆に浸して、被覆に浸漬して、被覆を噴霧して、または別様にいくつかの様態で、形成した表面層110に被覆を提供して、シース-コア繊維を含む表面層を提供する。さらなる例において、シース材料は、表面層110がプリプレグ105に結合される前に、または表面層110がプリプレグ105に結合された後に、表面層110に印加することができる。いくつかの場合では、形成した物品、例えばコア+コア繊維を含む表面層を、表面層のコア繊維に適用されるシース材料の被覆に浸漬し、または浸し、得られた物品を所望に応じて乾燥して、加熱して、またはさらに処理して、物品を所望の形状または構成要素、例えば車両のトリムまたは自動車の他の内部もしくは外部の部品に形成することができる。表面層110は、典型的に、シース-コア繊維の不織配列で構成されるが、表面層110を生成するために使用される技法に応じて、他の配列および構成が可能である。
【0040】
特定の構成において、本明細書に記載される物品は、多孔質コアを含むことができる。特定の例において、多孔質コアは、1つ以上の熱可塑性材料と、複数の強化繊維と、を含み、該強化繊維は、形成した熱可塑性材料によってウェブまたはネットワーク構造内の適
所に保持して、コア内の複数のオープンセル、空隙、またはウェブを提供することができる。特定の構成において、図1のプリプレグに類似するコアを生成することができる。コアは、強化繊維と、任意選択で、コアの全体を通して分散させたロフティング剤と、を含む。いくつかの場合において、コア内の強化繊維および/またはロフティング剤の分布は、コアの第1の表面から第2の表面まで実質的に均質または実質的に均一とすることができる。本明細書により詳細に記載するように、コア内の材料のそのような実質的に均質または実質的に均一な分布を達成するために、コア内の構成要素は、共に混合して分散体を形成することができる。混合は、分散体が、材料の実質的に均質な、または実質的に均一な混合物を分散体に含むまで行うことができる。コアは、次いで、例えば、適切な敷設過程を使用して分散体をワイヤスクリーンの上へ配置し、続いて、コアの熱可塑性材料を圧縮する、および/または硬化させることによって、本明細書に記載されるように形成することができる。他の構成では、強化繊維、ロフティング剤などの勾配分布を一方のコアの表面から他方のコアの表面まで提供することが望ましい場合がある。いくつかの構成では、材料の実質的に均一な分布をコア内に存在させ、次いで、追加的な繊維、ロフティング剤、または他の材料をコアの片側に加えて、勾配分布を提供することができる。そのような追加的な材料は、例えば繊維もしくはロフティング剤を含む溶液を噴霧もしくはコーティングすることによって、コアに直接加えることができ、または、スキン、追加的なプリプレグもしくはコア、またはコアを含む他の構成要素を結合させることによって加えることができる。例えば、図2を参照すると、第1のコア210および第1のコア210の上へ配置される第2のコア220は、複合物品を提供することができる。各コア210、220は、材料の実質的に均一な分布を含むことができるが、2つのコア210、220内に存在する繊維の量および/またはタイプは、異なる場合があり、例えば、装填速度が異なる場合があり、または材料自体が異なる場合がある。しかしながら、所望に応じて、コアのうちの1つだけが、2つ以上の異なるタイプの熱可塑性材料を、2つ以上の異なるタイプの強化繊維を、および/または2つ以上の異なるタイプのロフティング剤を含むことができる。コア210、220の熱可塑性材料は、融解させて、2つのコアからの材料を含む単一の組み合わせたコアを、例えば元々のコア210、220の間にいかなる実質的な界面も伴わない組み合わせたコアを提供することができる。コアを融解させると、2つの異なるコア210、220からの材料の混合物を有する複合コアがもたらされる。
【0041】
特定の構成において、コアの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態でコアにおいて使用することができる。いくつかの例において、コアに使用される熱可塑性材料は、粒子形態で存在させることができる。特定の実施形態において、コアは、一般に、空隙がコア内に存在するように、相当量のオープンセル構造を含む。例えば、コア層は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~80%、5~90%、5~95%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的範囲内の任意の例示的な値の空隙含有量または多孔率で構成することができる。いくつかの場合において、コアは、0%を超える、例えば完全に固結していない最大約95%の多孔率または空隙含有量で構成される。例えば、コアは、5%または10%よりも大きいが、90%または95%よりも小さい多孔率を含むことができる。別途指示がない限り、特定の空隙含有量または多孔率で構成されるコアへの言及は、コアの合計容積に基づくものであり、また、必ずしもコアに、コアに結合された任意の他の材料または層を加えた合計容積とは限らない。プリプレグと比較して、コアの多孔率は、同じである場合があり、または異なる場合がある。例えば、多くの場合において、プリ
プレグは、プリプレグに一組のローラーを通過させることによって、またはプリプレグの1つ以上の表面を圧縮することによって、コアの中へ形成される。そのような場合において、コアの多孔率は、プリプレグの多孔率と異なる場合があり、例えば、コアの多孔率は、最終的なコアを提供するために、使用されるプリプレグよりも小さくすることができる。いくつかの場合において、コアの多孔率は、増加したロフティング能力を提供するために相当するプリプレグよりも小さくして、最終的に形成した物品または製品におけるコア(および任意の結合させた層)の使用を可能にするように、意図的に選択される。
【0042】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるコアの熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル(可塑化および無可塑)、ならびにこれらの材料の互いとの配合物または他のポリマー材料の配合物、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に含むことができる。他の適切な熱可塑性としては、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、およびシリコーン、ならびにこれらの材料の互いとの合金および配合物または他のポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。コアを形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロージン形態、繊維形態、または他の適切な形態で使用することができる。種々の形態の例示的な熱可塑性材料が、本明細書に記載されているが、例えば米国特許出願公開第2013/0244528号および同第2012/0065283号にも記載されている。コア内に存在する熱可塑性材料の厳密な量は、変動し得るが、例示的な量は、約20重量%~約80重量%または約40重量%~約75重量%、例えば約55重量%~約65重量%の範囲である。下でさらに詳細に述ベるように、これらの熱可塑性材料のうちの任意の1つ以上を、非コア層、例えばスクリムの繊維の上へ被覆することができ、または非コア層を形成する前に、繊維自体に存在させることができる。
【0043】
特定の例において、本明細書に記載されるコアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、例えばパラおよびメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した本明細書に記載される熱可塑性材料のうちのいずれかなどの特に高弾性率の有機繊維、麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ、およびセルロース系繊維などの天然繊維、玄武岩、ミネラルウール(例えば、ロックウールまたはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカ、および同類のもの、またはこれらの混合物などの鉱物繊維、金属繊維、金属化天然繊維および/または合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物、のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態において、強化繊維以外の繊維もまた、コア内に存在させることができる。コア内の繊維含有量は、コアの約20重量%~約90重量%、より具体的には、コアの約30重量%~約70重量%、例えばコアの重量に基づいて約35重量%~約55重量%とすることができる。使用される繊維の特定のサイズおよび/または配向は、少なくとも部分的に、コア内に存在する他の材料および/または得られるコアの所望の特性に依存することができる。いくつかの場合において、コアを提供するために使用される繊維は、一般に、約5ミクロンを超える、より具体的には、約5ミクロン~約22ミクロンの直径、および約5mm~約200mmの長さを有し、より具体的には、繊維直径は、約5ミクロン~約20ミクロンとすることができ、繊維長さは、約5mm~約75mmとすることができる。他の事例において、繊維直径は、約10ミクロン~約20ミクロンとすることができ、長さは、約5mm~約15mmとすることができる。
【0044】
いくつかの場合において、コアは、特定の用途のための有害物質の要件に関する規制を満たすために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まないコアとすることができる。他の場合において、コアは、ハロゲン化難燃剤を含むことができ、該ハロゲン化難燃剤は、例えば、F、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つ以上、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えばテトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含む。いくつかの場合において、コア内で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤の追加を伴うことなくある程度の難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含むことができる。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(コアの重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、より具体的には約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在させることができる。所望に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤をコアに加えることができる。他の場合において、例えばN、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などの、非ハロゲン化難燃剤を添加することができる。いくつかの実施形態において、非ハロゲン化難燃性は、リン含有材料を含むことができ、よって、コアをより環境に優しいものにすることができる。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(コアの重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、より具体的には、コアの重量に基づいて、約1重量%~約13重量%、例えば約5重量%~約13重量%で存在させることができる。所望に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンを含まない難燃性をコアに加えることができる。特定の場合において、本明細書に記載されるコアは、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在させることができる。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(コアの重量に基づいて)約0.1重量%~約20重量%、より具体的には、コアの重量に基づいて、約1重量%~約15重量%、例えば約2重量%~約14重量%とすることができる。本明細書に記載されるコアで使用される難燃剤は、(ワイヤスクリーンまたは他の処理構成要素の上へ混合物を配置する前に)強化繊維、熱可塑性材料、および任意選択でロフティング剤を含む混合物に加えることができ、または例えばコアを難燃剤に浸漬すること、もしくは難燃剤をコアに噴霧することによって、コアが硬化した後に加えることができる。さらに、難燃剤は、プリプレグまたはコアを形成するために使用される混合物内の構成要素を組み合わせる前に、強化繊維、熱可塑性材料、ロフティング剤などの上へ噴霧することができる。
【0045】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるプリプレグまたはコアは、物品を提供するためにプリプレグまたはコアの表面に配置される層、例えばスキンのうちの1つを含むことができる。図3を参照すると、物品300は、プリプレグまたはコア310を含み、表面層320は、物品300の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムなどのシース-コア繊維を含む。シース-コア繊維が表面層320内に存在する場合、表面層320の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的な被覆としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層320のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層320は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材
料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。物品300はまた、プリプレグまたはコア310の上へ配置される層330も含む。層またはスキン330は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を含むことができ、またはプリプレグもしくはコア310の上へ配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。いくつかの例において、層320、330は、同じものとすることができるが、他の場合において、該層は、異なる。例えば、層320は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができ、層330は、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布、のうちの1つ以上のいずれかを含むことができ、または無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、層320は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができ、層330は、いかなる2成分繊維も伴わないスクリムを含むことができる。いくつかの構成において、層320、330の各々は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができるが、スクリムの被覆は、同じまたは異なる場合があり、例えば、2成分繊維がシース-コア繊維である場合、材料は、異なる組成を有する場合があり、または組成は同じであるが、異なる層320、330内のシース-コア繊維の量が異なる場合がある。他の場合において、層330は、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムが、スキン330として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムがスキン330として(またはその一部として)存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆がスキン330として(またはその一部として)存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆がスキン330として(またはその一部として)存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布がスキン330として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。プリプレグまたはコア310は、プリプレグおよびコア、例えばプリプレグまたはコア310内に分散させた熱可塑性材料、強化繊維、およびロフティング剤に関連して本明細書に記載される材料のうちのいずれかを含むことができる。例えば、プリプレグまたはコア310は、強化繊維、例えばガラス繊維、および任意選択で例えば微小球体などの1つ以上のロフティング剤と組み合わせたポリオレフィンを含むことができる。
【0046】
特定の構成において、本明細書に記載されるプリプレグおよびコアは、プリプレグまたはコアのいずれかの側に2つ以上の層を有する、プリプレグまたはコアの各側にスキンを含む物品を提供するために使用することができる。図4を参照すると、示される物品400は、プリプレグまたはコア410と、プリプレグまたはコア410の第1の表面に配置された表面層420と、プリプレグまたはコア410の第2の表面に配置された層430と、層430に配置された表面層440と、を含む。プリプレグまたはコア410は、プリプレグおよびコアに関連して本明細書に記載される材料、例えば熱可塑性材料、強化繊維、および任意のロフティング剤のうちのいずれかを含むことができる。表面層420は
、物品400の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が表面層420内で使用される場合、表面層420の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的なシース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層420のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層420は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含むシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。層430、440の各々は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を含むことができ、またはプリプレグもしくはコア410の上へ配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。いくつかの例において、層420、および層430、440の一方または両方は、同じものとすることができるが、他の場合において、該層は、異なる。例えば、層420は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができ、層430、440は各々、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布、のうちの1つ以上のいずれかを含むことができ、または無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、層420は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができ、層430、440の一方または両方は、いかなる2成分繊維も伴わないスクリムを含むことができる。いくつかの構成において、層420、430、440の各々は、2成分繊維を含むスクリムを含むことができるが、スクリムのシース材料は、異なる場合があり、例えば、2成分繊維がシース-コア繊維である場合、シース材料は、異なる組成を有する場合があり、または組成は同じであるが、異なる層430、430、440のシース-コア繊維の量が異なる場合がある。他の場合において、層430、440は各々、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムが、層430、440のうちの一方または両方として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムが層430、440の一方または両方として(またはその一部として)存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆が層430、440の一方または両方として(またはその一部として)存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆が層430、440の一方または両方として(またはその一部として)存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布が層430、440の一方または両方として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。プリプレグまたはコア410は、プリプレグおよびコア、例えばプリプレグまたはコア410内に分散させた熱可塑性材料、強化繊維、およびロフティング剤に関連して本明細書に記載される材料のうちのいずれかを含むことができる。例えば、プリプ
レグまたはコア410は、強化繊維、例えばガラス繊維、および任意選択で例えば微小球体などの1つ以上のロフティング剤と組み合わせたポリオレフィンを含むことができる。
【0047】
特定の場合において、物品は、プリプレグまたはコアと、プリプレグまたはコアに配置された少なくとも1つのスキンと、スキンに配置された装飾層またはカバー層と、を含むことができる。図5を参照すると、示される物品500は、プリプレグまたはコア510と、プリプレグまたはコア510の第1の表面に配置された表面層520と、プリプレグまたはコア510の第2の表面に配置された装飾層530と、を含む。プリプレグまたはコア510は、プリプレグおよびコアに関連して本明細書に記載される材料、例えば熱可塑性材料、強化繊維、および任意のロフティング剤のうちのいずれかを含むことができる。表面層520は、物品500の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が使用される場合、表面層520のコア繊維に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的なシース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層520のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層520は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含むシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。装飾層530は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、または同類のものの熱可塑性フィルムから形成することができる。装飾層530はまた、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、および同類のものから形成された発泡体コアを含む、多層構造体とすることもできる。所望に応じて、装飾層530は、1つ以上のタイプの強化繊維も含むことができる。布地は、天然繊維および合成繊維、ニードルパンチ加工または同類の加工の後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤で、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層530はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイド過程、および/または乾式レイド過程を使用し生成することもできる。所望に応じて、1つ以上の層を装飾層530とプリプレグまたはコア510との間に位置付けることができる。例えば、中間層またはスキンは、層530とプリプレグまたはコア510の間に存在させることができる。中間層は、例えば、接着材層、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を含むことができ、またはプリプレグもしくはコア510に配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、中間層は、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムが中間層として存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムが中間層として存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆が存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ
、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆が中間層として存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布が中間層として存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。
【0048】
特定の構成では、2つ以上のプリプレグまたはコアを、例えばスキンなどの介在層または中間層を通して互いに結合することができる。図6を参照すると、物品600は、中間層620を通してプリプレグまたはコア630に結合された第1のプリプレグまたはコア610を含む。物品600はまた、プリプレグまたはコア610の第1の表面に配置された表面層615も含む。表面層615は、形成動作中の物品600の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が使用される場合、表面層615のシース-コア繊維に存在する厳密なシース材料は、様々であり、シース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層615のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層615は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。プリプレグまたはコア610、630の各々は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの場合において、プリプレグまたはコア610、630の熱可塑性材料およびロフティング剤は同じであるが、プリプレグまたはコア610、630内に存在する繊維のタイプおよび繊維の量は異なる。他の場合では、プリプレグまたはコア610、630内の繊維のタイプおよび/または量が同じであり、熱可塑性材料および/またはロフティング剤の一方または両方は異なる場合があり、例えば、化学的に異なる場合があり、または異なる量で存在する場合がある。所望に応じて、1つ以上の適切な難燃剤、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤を、コア610、630の一方または両方に存在させることができる。図6において、プリプレグまたはコア610、630の厚さは、ほぼ同じであるように示されるが、プリプレグまたはコア610、630の厚さは、変動させることができる。「厚い」コアが所望される場合、2つの「薄い」コア層を層620を通して互いに結合させて、コア層610、630を互いに近付いた状態に保ち、それでも、所望の最終厚さを有する複合体を提供することが望ましい場合がある。中間層620は、本明細書で説明されるようなスキンの形態、例えば繊維を有する形態をとることができる。層620は、コア層610、630への接着を高めるために、オープンセル構造を含むことができる。中間層620は、例えば、接着材層、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を含むことができ、またはプリプレグもしくはコア610に配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、層620は、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムが層620として、またはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊
維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および熱可塑性繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆が層620として、またはその中に存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆が層620として、またはその中に存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布が層620として、またはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、または繊維を含むことができる。示されていないが、装飾層は、所望に応じて、プリプレグもしくはコア630に、および/または表面層615に結合させることができる。本明細書で述べられるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、または同類のものの熱可塑性フィルムから形成することができる。装飾層はまた、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、および同類のものから形成された発泡体コアを含む、多層構造体とすることもできる。布地は、天然繊維および合成繊維(その一部が繊維であり得る)、ニードルパンチ加工または同類の加工の後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤で、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイド過程、および/または乾式レイド過程を使用し生成することもできる。所望に応じて、装飾層は、クローズドセル構造またはオープンセル構造で構成することができる。
【0049】
特定の実施形態において、2つ以上のプリプレグまたはコアは、互いに結合させることができ、次いで、スキンをプリプレグまたはコアの一方の表面に配置することができる。図7を参照すると、物品700は、プリプレグまたはコア730に結合させたプリプレグまたはコア710と、プリプレグまたはコア710の第1の表面に配置された表面層715と、を含む。物品はまた、プリプレグまたはコア730に配置された表面層720も含む。表面層715は、物品700の成形性、例えば形成動作中の深絞りを高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が使用される場合、表面層715の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的なシース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層715のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層715は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。プリプレグまたはコア710、730の各々は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの場合において、コア710、730の熱可塑性材料およびロフティング剤は同じであるが、コア710、730内の繊維の充填量またはタイプは異なる。他の場合では、コア710、730内の繊維のタイプおよび/または量が同じである場合があり、熱可塑性材料および/またはロフティング剤の一方または両方が異なる場合がある。所望に応じて、1つ以上の適切な難燃剤、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤を、プリプレグまたはコア710、730の一方または両方に存在させることができる。図7において、プリプレグまたはコア710、730の厚さは、ほぼ同じであるように示されるが、プリプレグまたはコア710、730の厚さは、変動させることができる。所望の全体
的なコア厚さを提供するために、連続した細いコア層を使用して複合物品を構築することが望ましい場合がある。例えば、より厚いコア層の生産を容易にするために、4mmのロフトしたコア層を使用するのではなく、2つ以上の細い、例えば2mm以下の厚さを有するコア層を互いに結合させることが所望される場合がある。層またはスキン720は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を含むことができ、またはプリプレグもしくはコア730の上へ配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、スキン720は、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムがスキン720として、またはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムがスキン720として、またはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および熱可塑性繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆がスキン720として、またはその中に存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆がスキン720として、またはその中に存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布がスキン720として、またはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。物品700の最終構成に応じて、スキン720は、オープンセルスキン、またはクローズドセルスキンとすることができる。示されていないが、装飾層は、スキン720に、または表面層715に、またはその両方に結合させることができる。本明細書で述べられるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、または同類のものの熱可塑性フィルムから形成することができる。装飾層はまた、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、および同類のものから形成された発泡体コアを含む、多層構造体とすることもできる。布地は、天然繊維および合成繊維(その一部が繊維であり得る)、ニードルパンチ加工または同類の加工の後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤で、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイド過程、および/または乾式レイド過程を使用し生成することもできる。入射音エネルギーに対する装飾層の位置付けに応じて、装飾層は、オープンセル構造またはクローズドセル構造を含むことができる。
【0050】
特定の実施形態では、2つ以上のプリプレグまたはコアを互いに結合させることでき、次いで、スキンをプリプレグまたはコアの各表面に配置することができる。図8を参照すると、プリプレグまたはコア830に結合されたプリプレグまたはコア810と、コア830に配置された第1のスキン820と、コア810に配置された第2のスキン840と、を含む物品800が示される。表面層815は、スキン840に配置されるように示される。表面層815は、物品800の成形性、例えば形成動作中の深絞りを高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が使用される場合、表面層815の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々で
あり、例示的なシース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層815のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層815は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。プリプレグまたはコア810、830の各々は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの場合において、プリプレグまたはコア810、830の熱可塑性材料およびロフティング剤は同じであるが、プリプレグまたはコア810、830内の繊維の充填量または繊維のタイプは異なる。他の場合において、プリプレグまたはコア810、830内の繊維のタイプおよび/または量は同じであり、熱可塑性材料および/またはロフティング剤の一方または両方は異なる場合があり、例えば、化学的に異なる場合があり、または異なる量で存在する場合がある。所望に応じて、1つ以上の適切な難燃剤、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤を、プリプレグまたはコア810、830の一方または両方に存在させることができる。図8において、プリプレグまたはコア810、830の厚さは、ほぼ同じであるように示されるが、プリプレグまたはコア810、830の厚さは、変動させることができる。本明細書で述べられるように、厚さを増加させた単一のコア層ではなく、互いに結合させた2つ以上のコア層を使用することが望ましい場合がある。層またはスキン820、840は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を独立して含むことができ、またはプリプレグもしくはコア830の上へ配置される無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、スキン820、840は独立して、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムがスキン820またはスキン840(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムがスキン820もしくはスキン840(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および熱可塑性繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆がスキン820もしくはスキン840(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆がスキン820またはスキン840(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布がスキン820またはスキン840(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。所望に応じて、スキン820、840のうちの一方は、オープンセル構造を含むことができ、他方のスキンは、クローズドセル構造を含むことができる。代替的に、スキン820、840の各々は、オープンセル構造またはクローズドセル構造を含むことができる。示されていないが、装飾層は、スキン820に、または層815に(または両方に)結合させることができる。本明細書で述べられるように、装飾層は、例
えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、または同類のものの熱可塑性フィルムから形成することができる。装飾層はまた、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、および同類のものから形成された発泡体コアを含む、多層構造体とすることもできる。布地は、天然繊維および合成繊維(その一部が繊維であり得る)、ニードルパンチ加工または同類の加工の後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤で、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイド過程、および/または乾式レイド過程を使用し生成することもできる。
【0051】
特定の実施形態において、2つ以上のプリプレグまたはコアは、互いに1つ以上のスキン層を通して結合させることができる。図9を参照すると、中間層920を通してプリプレグまたはコア930に結合されたプリプレグまたはコア910と、2成分繊維を含む表面層915に配置されたスキン940と、を含む、物品900が示される。表面層915は、物品900の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムを含むことができる。シース-コア繊維が使用される場合、表面層915の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的なシース材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、表面層915のコア繊維は、様々であり、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、表面層915は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのシース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維を含む。所望に応じて、別のスキンをプリプレグまたはコア930に配置することができる。プリプレグまたはコア910、930の各々は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの場合において、プリプレグまたはコア910、930の熱可塑性材料およびロフティング剤は同じであるが、プリプレグまたはコア910、930内に存在する繊維の充填量または繊維のタイプは異なる。他の場合において、プリプレグまたはコア910、930内の繊維のタイプおよび/または量は同じであり、熱可塑性材料および/またはロフティング剤の一方または両方は異なる場合があり、例えば、化学的に異なる場合があり、または異なる量で存在する場合がある。所望に応じて、1つ以上の適切な難燃剤、例えばハロゲン化難燃剤または非ハロゲン化難燃剤を、プリプレグまたはコア910、930の一方または両方に存在させることができる。図9において、プリプレグまたはコア910、930の厚さは、ほぼ同じであるように示されるが、プリプレグまたはコア910、930の厚さは、変動させることができる。例えば、ある程度までロフトした、同等に厚い単一のコア層を使用する代わりに、2つの細いコア層を互いに結合させることができる。層920およびスキン940は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、フォイル、織布、不織布を独立して含むことができ、または無機被覆、有機被覆、または熱硬化性被覆として存在させることができる。他の場合において、層920およびスキン940は独立して、1996年のISO4589によって測定したときに、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。熱可塑性フィルムが層920またはスキン940(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポ
リカーボネート、ナイロン、およびシリコーン、のうちの少なくとも1つを含むことができる。繊維ベースのスクリムが層920もしくはスキン940(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、および熱可塑性繊維、のうちの少なくとも1つを含むことができる。熱硬化性被覆が層920もしくはスキン940(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、被覆は、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂、およびエポキシ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。無機被覆が層920またはスキン940(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、無機被覆は、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択される陽イオンを含有するミネラルを含むことができ、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタル、のうちの少なくとも1つを含むことができる。不織布が層920またはスキン940(またはその両方)として、またはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含むことができる。いくつかの場合において、層920は、望ましくは、オープンセル構造またはクローズドセル構造を含む。類似的に、スキン940は、オープンセル構造またはクローズドセル構造を含むことができる。示されていないが、装飾層は、層915、またはプリプレグもしくはコア930(またはその両方)に結合させることができる。本明細書で述べられるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、または同類のものの熱可塑性フィルムから形成することができる。装飾層はまた、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、および同類のものから形成された発泡体コアを含む、多層構造体とすることもできる。布地は、天然繊維および合成繊維(その一部が繊維であり得る)、ニードルパンチ加工または同類の加工の後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤で、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイド過程、および/または乾式レイド過程を使用し生成することもできる。
【0052】
特定の実施形態では、2成分繊維を含む材料のストリップをプリプレグまたはコア層に配置することができる。図10を参照すると、プリプレグまたはコア1010の異なる領域に配置されたストリップ1020、1030を有するプリプレグまたはコア1010を含む物品1000が示される。所望に応じて、そのようなストリップは、図1~9に示される例示的実施形態のいずれかに存在させることができる。ストリップ1020、1030は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。いくつかの場合において、ストリップ1020、1030のうちの1つ以上は、ストリップが配置される領域での成形性を高めることができるシース-コア繊維を含むことができる。例えば、2成分繊維を含むストリップ1020、1030を絞り過程に供するべき領域に配置して、ブレークスルーを伴うことなくその特定の領域の全体的な深さを増加させることができる。所望に応じて、ストリップ1020、1030は、同じく2成分繊維を含む表面層に配置することができる。プリプレグまたはコア1010は、本明細書に記載されるプリプレグまたはコアのいずれかを含むことができる。ストリップ1020、1030は、同じまたは異なる組成を含むことができる。いくつかの例において、ストリップ1020、1030のうちの少なくとも1つは、物品1000の成形性を高めるために、2成分繊維、例えばシース-コア繊維を含むスクリムストリップを含む。シース-コア繊維がストリップ内に存在する場合、ストリップ1020、1030の繊維内に存在する厳密なシース材料は、様々であり、例示的な被覆としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、および処理中にある程度軟化または融解させることができる他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ストリップ1020、1030のコア繊維は、様々であり、例え
ば、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、および熱可塑性繊維、のうちの1つを含むことができる。いくつかの場合において、ストリップ1020、1030は、シース-コア繊維を含む繊維ベースのスクリムストリップを含むことができ、シース材料は、ポリオレフィン材料を含み、例えば、シース材料を有するPET繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの場合において、ストリップ1020、1030のうちの一方は、シース-コア繊維を含み、ストリップ1020、1030のうちの他方は、単一成分繊維を含む。
【0053】
特定の実施形態において、図1Aおよび図2図10に示される例示的な物品のいずれかは、2成分繊維を含む2つ以上の表面層を含むことができる。例えば、2成分繊維を含む第1の表面層は、プリプレグまたはコア層(任意選択で、プリプレグまたはコア層と第1の表面の第1の表面層との間の1つ以上の中間層を有する)の第1の表面に存在させることができ、2成分繊維を含む第2の表面層は、プリプレグまたはコア層(任意選択で、プリプレグまたはコア層と第2の表面の第2の表面層との間の1つ以上の中間層を有する)の第2の表面に存在させることができる。表面層は、類似の組成または異なる組成を有することができる。いくつかの場合において、異なる表面層の2成分繊維は、少なくとも1つの共通の材料を含み、例えば、コア繊維、シース材料、またはその両方が同じである場合がある。他の場合において、異なる表面層の2成分繊維は、同じまたは実質的に同じである。
【0054】
いくつかの実施形態において、プリプレグおよびコアは、所望される物理的または化学的な特性を与えるために、追加的な材料または添加剤を含むことができる。例えば、1つ以上の染料、テクスチャライズ剤、着色剤、粘度改良剤、防煙剤、相乗剤材料、ロフティング剤、粒子、粉末、殺生剤、泡、または他の材料を、プリプレグまたはコアと混合すること、またはそれに加えることができる。いくつかの場合において、プリプレグまたはコアは、約0.2重量%~約10重量%の量の1つ以上の防煙剤組成物を含むことができる。例示的な防煙剤組成物としては、スズ酸塩、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、亜鉛モリブデン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。所望に応じて、プリプレグまたはコアの物理的特性を高めるために、相乗剤材料を存在させることができる。例えば、難燃性を高める相乗剤を存在させることができる。
【0055】
他の場合において、本明細書に記載されるプリプレグまたはコアは、所望の特性をコアに与えるために、プリプレグまたはコアの合計量に基づいて、所望の量の、例えば約50重量%未満の少量の熱硬化性材料を含むことができる。熱硬化性材料は、熱可塑性材料と混合することができ、またはプリプレグまたはコアの1つ以上の表面の被覆として加えることができる。
【0056】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるプリプレグまたはコアは、ガラスマット熱可塑性複合体(GMT)または軽量強化熱可塑性プラスチック(LWRT)として構成する(または該GMT内で使用する)ことができる。1つのそのようなLWRTは、HANWHA AZDEL,Inc.によって調製され、SUPERLITE(登録商標)材料の商標で販売されている。繊維が充填されたSUPERLITE(登録商標)マットは、例えば高められた処理能力を含む所望の属性を提供することができる。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、約300グラム/平方メートル(gsm)~約4000gsmの範囲のGMTまたはLWRTとすることができるが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて、300gsm未満または4000gsm超とすることができる。いくつかの実施形態において、上限密度は、約4000gsm未満とすることができる。いくつか
の例において、GMTまたはLWRTの全体的な厚さは、4mm以下、より具体的には3mm以下、例えば、2mm以下、さらには1mm以下とすることができる。
【0057】
本明細書に記載されるプリプレグおよびコアを生成する際には、湿式レイド過程を使用することが望ましい場合がある。例えば、分散材料、例えば熱可塑性材料、繊維、および任意選択で本明細書に記載される任意の1つ以上の添加剤(例えば、難燃剤)を有するロフティング剤を含む液体または流体媒体は、ガス、(例えば空気または他のガス)および任意選択で界面活性剤または分散剤の存在下で攪拌する(stirredまたはagitated)ことができる。次いで、分散体は、支持体、例えばワイヤスクリーンまたは他の支持材料の上へ広げて、敷設した材料内の材料の実質的に均一な分布を提供することができる。材料の分散および/または均一性を増加させるために、撹拌した分散体は、1つ以上の活性剤、例えば、陰イオン性、陽イオン性、または非イオン性活性剤、例えば、Industrial Soaps Ltd.によってACE液という名称で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によってTEXOFOR(登録商標)FN15材料として販売されているもの、およびFloat-Ore Ltd.によってAMINE Fb19として販売されているものなどを含むことができる。これらの薬剤は、液体分散体内の空気の分散および/または疎水性成分の分散を支援することができる。これらの成分は、分散体を提供するために、空気の存在下で、混合タンク、浮選セル、または他の適切な装置に添加することができる。望ましくは水性分散体が使用されるが、分散を支援し、流体の粘性を変化させ、または別様には所望の物理的特性または化学的特性を分散体、またはプリプレグ、コア、または、物品に付与するために、1つ以上の非水性流体も存在させることができる。
【0058】
特定の場合において、分散体を十分な期間混合した後に、懸濁材料を有する流体をスクリーン、移動ワイヤ、または他の好適な支持構造体の上へ配置して、敷設材料のウェブを提供するためにことができる。敷設された材料から任意の液体を除去して、熱可塑性材料、繊維、および存在する任意の他の材料、例えば繊維、添加剤などを残すために、ウェブに対して吸引または減圧を提供することができる。得られるウェブは、乾燥し、任意選択で所望の厚さまで圧密化または圧縮し、その後に、完全に硬化させて、所望のプリプレグ、コア、または物品を提供することができる。いくつかの場合では、追加的な材料をウェブに添加して、その後に、乾燥し、完全に硬化させ、および/または圧密化もしくは圧縮して、所望のプリプレグ、コア、または物品を提供することができる。他の場合では、追加的な材料をウェブに添加して、その後に、乾燥、硬化などを行って、所望のプリプレグ、コア、または物品を提供することができる。存在する熱可塑性材料、繊維、および他の材料の性質に応じて、湿式レイド過程を使用することができるが、代わりに、空気レイド過程、乾燥配合過程、カーディングおよびニードル過程、または不織製品を作製するために利用される他の既知の過程を使用することが望ましい場合がある。いくつかの場合において、約90度の角度でプリプレグまたはコア表面に材料を噴霧するように構成された複数の被覆ジェットの下にボードを通過させることによって、プリプレグまたはコアがある程度硬化した後に、追加的な繊維、ロフティング剤、または熱可塑性材料をプリプレグまたはコアの表面に噴霧することができる。
【0059】
いくつかの構成において、本明細書に記載されるプリプレグおよびコアは、水溶液または泡内に界面活性剤が存在する状態で、熱可塑性材料、強化繊維、およびロフティング剤を組み合わせることによって生成することができる。組み合わせた成分は、十分な時間にわたって混合または攪拌して、種々の材料を分散させ、実質的に均質な材料の水性混合物を提供することができる。加えて、材料は、十分な期間にわたって分散体内に存在させたままにして、繊維が、分散体内に存在するマスキング剤またはサイジング剤と反応して、または別様には結合させて、強化繊維の全体的な親水性を低減させることを可能にすることができる。次いで、分散混合物を、任意の好適な支持構造体の上へ、例えば所望の多孔
率を有するワイヤメッシュまたは他のメッシュまたは支持体の上へ敷設する。次いで、ウェブを形成するワイヤメッシュを通して水を排出することができる。ウェブを乾燥し、熱可塑性粉末の軟化温度以上に加熱する。次いで、ウェブを冷却し、所定の厚さに圧縮して、複合シートを生成する。代替の実施形態において、水性泡はまた、バインダ材料も含む。
【0060】
特定の例では、多孔質GMTに類似する形態のプリプレグまたはコアを生成することができる。特定の場合において、GMT様のコアは、一般に、短繊維、熱可塑性材料、ロフティング剤、ならびに任意選択の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)および/または例えばポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTの配合物、もしくはPC/PETの配合物などの繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維で作製された織布繊維もしくは不織布繊維を使用して調製することができる。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PET配合物、またはPC/PBT配合物を高メルトフローインデックス樹脂として使用することができる。ガラスマットを生成するには、熱可塑性材料、強化材料、およびロフティング剤、ならびに/または他の添加剤を、インペラを取り付けたオープントップ混合タンク内に含まれる分散泡に加えること、または計量供給することができる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、泡の空気の閉じ込めポケットの存在は、繊維、熱可塑性材料、およびロフティング剤の分散を支援することができる。いくつかの例において、繊維および樹脂の分散混合物は、分配マニホールドを介して、抄紙機のワイヤーセクションの上に位置付けられたヘッドボックスにポンプ移送することができる。次いで、真空を使用して分散混合物を移動ワイヤスクリーンに提供するときに、繊維または熱可塑性プラスチックではなく泡を除去して、均一な繊維湿式ウェブを連続的に生成することができる。湿式ウェブは、好適な温度の乾燥機を通過させて、含水量を低減させ、熱可塑性材料を融解または軟化させることができる。高温のウェブが乾燥機を出るときに、繊維材料および熱可塑性材料のウェブならびにフィルムに一組の加熱ローラーのニップを通過させることによって、例えばフィルムなどの表面層をウェブの上へ積層することができる。所望に応じて、例えば不織布および/または織布層などの追加的な層もまた、フィルムと共にウェブの片側または両側に取り付けて、ガラス繊維強化マットを取り扱い易くすることができる。次いで、複合体にテンションロールを通過させ、そして、後で最終生成物品に形成するために、所望のサイズに連続的に切断(裁断)することができる。そのような複合体を形成する際に使用される適切な材料および処理条件を含む、GMT複合体の調製に関するさらなる情報は、例えば、米国特許第6,923,494号、同第4,978,489号、同第4,944,843号、同第4,964,935号、同第4,734,321号、同第5,053,449号、同第4,925,615号、同第5,609,966号、および米国特許出願公開第US2005/0082881号、同第US2005/0228108号、同第US2005/0217932号、同第US2005/0215698号、同第US2005/0164023号、および同第US2005/0161865号に記載されている。
【0061】
いくつかの例において、熱可塑性材料の分散体は、熱可塑性材料を使用して部分的に形成される、得られるプリプレグまたはコアに結合される表面層の上へ被覆を提供するために使用することができる。特定の過程工程のうちの1つの実例を図11に示す。工程1110で、熱可塑性材料を混合タンクに提供して、熱可塑性材料の水性分散体を提供する。分散剤、界面活性剤などを混合タンクに加えることができ、または混合タンクは、いかなる分散剤または界面活性剤も使用することなく、熱可塑性材料の分散体または溶液を水性溶媒またはキャリア中に含むことができる。工程1120で、分散体をコア繊維を含む表面層に提供して、分散熱可塑性材料を有する繊維の上へシース材料を配置し、工程1130で、被覆表面層を提供することができる。例えば、表面層内に存在する繊維の少なくとも約75%、例えば表面層内に存在する繊維の最低80%、85%、90%、または95
%がシース材料を構成するようにシース材料を提供するためのいくつかの様態で、分散体を表面層のコア繊維に噴霧することができ、表面層のコア繊維を分散体に浸すことができ、または分散体を表面層のコア繊維に別様に提供することができる。工程1130で、強化繊維、任意選択のロフティング剤、および他の添加剤を、熱可塑性材料を含む水性分散体に加えることによって、プリプレグ分散体を形成することができる。工程1140で、湿式レイド過程、空気レイド過程などといった種々の過程を使用して、プリプレグ分散体を使用して泡を形成することができる。次いで、工程1120からの被覆表面層を、形成したコアの上へ配置して、(工程1150で)熱可塑性材料、および被覆繊維を含む表面層を有する強化繊維(および任意選択でロフティング剤)から形成される多孔質コアを含む複合物品を提供して、深絞り領域にブレークスルーを伴うことなく、形成した物品の伸長を高め、かつ形成した物品による形成動作を可能にすることができる。
【0062】
他の場合において、図11の過程に類似する過程を使用することができるが、シース-コア繊維を含む表面層を予め形成し、形成したコアに加えることができる。例えば、シース材料およびコア繊維材料は、同時に押し出して、例えば不織スクリムなどの表面層に形成することができるシース-コア繊維を提供することができる。図12を参照すると、工程1210で、熱可塑性材料を混合タンクに提供して、熱可塑性材料の水性分散体を提供する。分散剤、界面活性剤などを混合タンクに加えることができ、または混合タンクは、いかなる分散剤または界面活性剤も使用することなく、熱可塑性材料の分散体または溶液を水性溶媒またはキャリア中に含むことができる。工程1220で、強化繊維、任意選択のロフティング剤、および他の添加剤を、熱可塑性材料を含む水性分散体に加えることによって、プリプレグ分散体を形成することができる。工程1230で、湿式レイド過程、空気レイド過程などといった種々の過程を使用して、プリプレグ分散体を使用して泡を形成することができる。工程1240で、予め形成した被覆表面層を、形成したコアの上へ配置して、(工程1250で)熱可塑性材料、およびシース-コア繊維を含む表面層を有する強化繊維(および任意選択でロフティング剤)から形成される多孔質コアを含む複合物品を提供して、深絞り領域にブレークスルーを伴うことなく、形成した物品の伸長を高め、かつ形成した物品による形成動作を可能にすることができる。
【0063】
いくつかの例において、表面層のコア繊維は、プリプレグ分散体で被覆することができる。図13を参照すると、工程1310で、熱可塑性材料を混合タンクに提供して、熱可塑性材料の水性分散体を提供する。分散剤、界面活性剤などを混合タンクに加えることができ、または混合タンクは、いかなる分散剤または界面活性剤も使用することなく、熱可塑性材料の分散体または溶液を水性溶媒またはキャリア中に含むことができる。工程1320で、強化繊維、任意選択のロフティング剤、および他の添加剤を、熱可塑性材料を含む水性分散体に加えることによって、プリプレグ分散体を形成することができる。工程1330で、プリプレグ分散体を、コア繊維を含む表面層に提供して、プリプレグ分散体をコア繊維の中へ配置することができる。例えば、プリプレグ分散体をコア繊維の上へ配置するためのいくつかの様態で、例えば表面層内に存在するコア繊維の少なくとも約75%、80%、85%、90%、または95%が、配置されたプリプレグ分散体を含むことができるようないくつかの様態で、プリプレグ分散体を表面層のコア繊維の上へ噴霧することができ、表面層のコア繊維をプリプレグ分散体に浸すことができ、またはプリプレグ分散体を表面層のコア繊維に別様に提供することができる。いくつかの例では、プリプレグ分散体を表面層のコア繊維に提供した後に、表面層を加熱して、表面層のコア繊維に存在する熱可塑性材料を溶融させることができる。表面層は、冷却することができ、そして、表面層が冷えた後に強化繊維およびロフティング剤を洗い流し、コア繊維に配置された熱可塑性材料を残したままの状態にすることができる。工程1340で、湿式レイド過程、空気レイド過程などといった種々の過程を使用して、プリプレグ分散体を使用して泡を形成することもできる。形成した表面層は、形成したコアに結合させて、(工程1350で)熱可塑性材料、およびシース-コア繊維を含む表面層を有する強化繊維(および任意選
択でロフティング剤)から形成される多孔質コアを含む複合物品を提供して、深絞り領域にブレークスルーを伴うことなく、形成した物品の伸長を高め、かつ形成した物品による形成動作を可能にすることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、表面層の上へコア構成要素を噴霧、被覆、または別様には配置することによって、コアを表面層の上へ形成することができる。表面層は、シース-コア繊維によって予め形成することができ、またはシース-コア繊維は、製造工程中に1つ以上の材料を使用して形成することができる。いくつかの例では、熱可塑性材料および強化繊維分散体(任意選択で任意のロフティング剤)を、シース-コア繊維を含む表面層の上へ噴霧して、表面層の頂部にプリプレグを形成することができる。プリプレグおよび表面層の複合体は、加熱、圧縮、ダイシング加工、切断などによってさらに処理して、所望の厚さおよび/または形状を有する物品を提供することができる。次いで、成型、深絞り、および同類の過程などの1つ以上の形成過程に、形成した物品を供することができる。
【0065】
特定の例において、本明細書に記載される物品は、所望に応じて、コア層と1つ以上の他の層との間に接着材層を含むことができる。例えば、特定の自動車用用途では、布地またはカバーを物品にステープルで留めて、接着して、または別様には取り付けて、より美学的に好まれる物品を提供すること、例えば美学的に好まれるヘッドライナまたは荷物室サイドトリム、車両ヘッドライト、トランクトリム、ピラートリム、もしくはコンパートメントカバーなどの他の自動車用内部構成要素を提供することが望ましい場合がある。他の場合において、本明細書に記載される物品は、壁カバー、天井パネル、小個室仕切り板、または他の類似する製品が挙げられるが、これらに限定されない、建築用途において使用することができる。
【0066】
他の場合において、本明細書に記載され物品は、ホイールウェルライナ、アンダーボディシールド、スペアタイヤカバー、または車両に結合されて、車室の外側に残る他の自動車用構成要素が挙げられるが、これらに限定されない、外部自動車用部品として構成することができる。いくつかの例において、本明細書に記載される物品は、ヘッドライナ、トランクトリムパネル、シードバックパネル、床板ライナ、または他の内部自動車用部品が挙げられるが、これらに限定されない、内部自動車用部品として構成することができる。
【0067】
他の構成において、本明細書に記載される複合物品は、タイル、天井パネル、小個室壁、屋根用材料、壁板、および特に3次元の構造用パネルまたは3次元の美学的もしくはカバーパネルを有することが望ましい場合のような他の用途などの、建築用途において使用することができる。本明細書に記載される複合物品を深絞りする能力は、典型的に従来の建築パネルでは達成できない形状および特徴の構造を可能にする。
【0068】
追加的な構成において、本明細書に記載される複合物品は、壁カバー、テーブルカバー、床カバー、キャビネット、天井タイルもしくは天井パネル、カウンタートップ、または他の内部レクリエーション車両(RV)などの、内部RV用途において使用することができる。
【0069】
本明細書に記載される新規の態様および構成をより良好に例示するために、特定の例を下に記載する。特定の例において、種々のスクリム、およびスクリムを含む物品の伸長能力を試験する。
【0070】
実施例1~9
種々の異なるスクリム(任意のコア層に結合させる前に)を試験して、該スクリムが、成形性を高めるために、本明細書に記載される複合物品での使用に適しているかどうかを判定した。スクリムを表1において以下に列記する。
【0071】
【表1】
【0072】
室温(RT)での実施例1~9の物品の伸長測定を行った。表2は、機械方向(MD)および横方向(CD)における伸長測定の結果を示す。MTS Systems Corporationによる試験システムを使用して、「Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(Grab
Test)(織物の破壊強度および伸長(グラブ試験))」という名称のASTM 5304-09(2013)試験に従って、測定を行った。
【0073】
【表2】
【0074】
実施例8および9のスクリムは、機械方向および横方向において高い伸長を提供した。特に、実施例8および9のスクリムによって、機械方向および横方向の両方において50%以上の伸長を達成した。
【0075】
実施例10
摂氏200度で実施例1~9において試験した表面層材料の伸長測定を行った。表3は、機械方向(MD)および横方向(CD)における伸長測定の結果を示す。MTS Sy
stems Corporationによる試験システムを使用して、「Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(Grab Test)(織物の破壊強度および伸長(グラブ試験))」という名称のASTM 5304-09(2013)試験に従って、測定を行った。
【0076】
【表3】
【0077】
摂氏200度において、シース-コア繊維を有するスクリム(実施例8および9)は、機械方向および横方向の両方において最も高い伸長を示した。スクリムは、チャンバ限度において破れていなかったので、伸長値は、おそらく実施例8および9の値よりもさらに高くなったと思われる。
【0078】
実施例11
特定の物品を、深絞り成型過程に供した。形成された部品を示す写真を図14(ナイロンスクリム)および図15(ポリエチレン(PE)シース材料およびPETコア繊維スクリム)に示す。一定の絞り深さおよびジオメトリにおいて、ナイロンスクリムを含む物品を深絞りしたときには、裂け目が観察された。同じ一定の絞り深さおよびジオメトリで、ポリエチレン(PE)-PETシースコア繊維スクリムを成型したときには(図15)、いかなる裂け目も観察されなかった。いかなるしわも成型試料のいずれにも観察されず、よって、成型中に、高い収縮によるいかなる問題も生じなかった。
【0079】
実施例12
対照ボード(PETスクリム)、試料A(PE-PETシースコア繊維)、および試料B(PE-PETシースコア繊維)を含む、3つのLWRTボードの物理的値を測定した。値を下の表4に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
対照、試料A、および試料Bボードの各々を深絞り過程に供して、ランク付けした。ランク付けは、試験したボードごとに下の表5に示す。ランク付け番号は、以下の基準に対応する。ランク1:カップが、完全に形成されていない。ランク2:カップが、コアを通る孔を伴って完全に形成されている。ランク3:カップが、軟点または構造的完全性の低下を伴って完全に形成されている。ランク4:カップが、完全に形成され、構造的完全性を維持している。ランク5:カップが、いかなるスクリムの裂け目も伴わずに完全に形成され、構造的完全性を維持している。各ランクは、3つの成型部分の平均ランク付けとした。
【0082】
【表5】
【0083】
実施例13
対照および試料物品を使用して、種々のサイトおよび深さにおいて「カップケーキ」または円錐台形状を形成した。ダイは、15mmの深さに対応するサイト1、30mmの深さに対応するサイト2、45mmの深さに対応するサイト3、ならびに50mmの深さに対応するサイト4および5の、異なる深さの5つの領域を含めた。ダイキャビティ開口部または幅寸法は、全ての形成した領域について36mmであった。キャビティサイトごとの算出した絞り深さ比を表6に示す。
【0084】
【表6】
【0085】
対照物品は、PET繊維不織スクリムを有する600gsmのLWRT物品であった。試料1は、PEシース材料-PETコア繊維不織スクリムを有する600gsmのLWRT物品であった。試料2は、PEシース材料-PETコア繊維不織スクリムを有する500gsmのLWRT物品であった。
【0086】
試料の各々のキャビティサイト1(深さ15mm)における結果を示す。
【0087】
【表7】
【0088】
試料の各々のキャビティサイト2(30mmの深さ)における結果を表8に示す。
【0089】
【表8】
【0090】
これらの結果は、ブレークスルーを伴うことなくより大きい絞り深さを提供する2成分繊維スクリムを含む物品と一致する。
【0091】
本明細書に開示される実施例の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することを意図して
いる。「including(含む)」および「having(有する)」という用語は、オープンエンドであり、列記された要素以外の追加的な要素が存在し得ることを意味することを意図している。当業者であれば、本開示の利点を考慮して、実施例の様々な構成要素が、他の実施例において種々の構成要素と交換または置換され得ることを認識するであろう。
【0092】
特定の態様、実施例および実施形態を上で説明してきたが、当業者であれば、本開示の利点を考慮して、開示される例示的な態様、実施例、および実施形態の追加、置換、修正、および変更が可能であることを認識するであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合物品であって、
複数の強化繊維および熱可塑性材料から形成されたウェブを含む熱可塑性繊維強化多孔質コア層と、
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の第1の表面において前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層に結合された不織スクリムであって、前記不織スクリムは複数の2成分シース-コア繊維を含み、前記2成分シース-コア繊維のシース材料は前記シース-コア繊維のコア材料の側部全体を取り囲む前記不織スクリムと、を含み、
前記シース-コア繊維の前記シース材料はポリオレフィンを含み、前記シース-コア繊維のコア材料はポリエステルまたはナイロンを含み、前記複合物品は、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.25の絞り深さ比を有する、前記少なくとも1つの深絞り領域を含む、複合物品。
【請求項2】
前記不織スクリムの繊維の少なくとも95重量%が、前記2成分シース-コア繊維である、請求項1に記載の複合物品。
【請求項3】
前記シース-コア繊維の前記シース材料がポリプロピレンを含み、前記シース-コア繊維の前記コア材料がポリエステルを含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項4】
前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項3に記載の複合物品。
【請求項5】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリ(1,4フェニレン)化合物、高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、シリコーン、またはこれらの材料の互いとの配合物、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項6】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の前記強化繊維が、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維、繊維、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項7】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の第2の表面に結合されたスキンをさらに含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項8】
前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマーフィルム、フリム、スクリム、フォイル、織布、不織布、シース-コア繊維スクリムからなる群から選択されるか、または無機被覆、有機被覆、熱可塑性被覆、もしくは熱硬化性被覆として存在する、請求項7に記載の複合物品。
【請求項9】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層が、ロフティング剤をさらに含む、請求項8に記載の複合物品。
【請求項10】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の多孔率が、少なくとも20%である、請求項8に記載の複合物品。
【請求項11】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の重量に基づいて、前記熱可塑性材料が約20重量%~約80重量%存在し、前記強化繊維が約20重量%~約80重量%存在する、請求項10に記載の複合物品。
【請求項12】
前記熱可塑性材料がポリオレフィンを含み、前記強化繊維がガラス繊維を含み、ロフティング剤が微小球体を含み、前記不織スクリムがシース-コア繊維を含む、請求項11に記載の複合物品。
【請求項13】
前記複合物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも0.8の絞り深さ比を有する、前記少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項14】
前記複合物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.0の絞り深さ比を有する、前記少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項15】
前記複合物品が、少なくとも1つの深絞り領域であって、前記少なくとも1つの深絞り領域においてブレークスルーを伴うことなく少なくとも1.25の絞り深さ比を有する、前記少なくとも1つの深絞り領域を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項16】
前記不織スクリムの坪量が、10gsm~300gsmである、請求項1に記載の複合物品。
【請求項17】
前記複合物品に結合された装飾層をさらに含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項18】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層が、300gsm~3500gsmの坪量を含む、請求項1に記載の複合物品。
【請求項19】
前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の前記強化繊維はシース-コア繊維を含み、前記熱可塑性繊維強化多孔質コア層の前記シース-コア繊維のシース材料は、前記不織スクリムの前記2成分シース-コア繊維の前記シース材料とは異なるシース材料である、請求項1に記載の複合物品。
【外国語明細書】