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特開2024-15680データ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015680
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】データ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/205 20200101AFI20240130BHJP
   G06Q 10/063 20230101ALI20240130BHJP
【FI】
G06F40/205
G06Q10/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117910
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】菊岡 拓
【テーマコード(参考)】
5B091
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA01
5B091CD11
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】大量の評価対象データの評価を行う際のユーザーの手間を省力化することが可能なデータ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラムを提供する。
【解決手段】データ評価システム10は、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得処理部111と、前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザー評価値を受け付ける受付処理部112と、所定のキーワードを抽出する抽出処理部113と、前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応するサンプル評価値を算出する第1算出処理部115と、前記ユーザー評価値と前記サンプル評価値とに基づいて所定の重みを決定する決定処理部116と、前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出処理部115と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付処理部と、
前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理部により抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出処理部と、
前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出処理部により算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定処理部と、
前記決定処理部により決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出処理部と、
を備えるデータ評価システム。
【請求項2】
前記抽出処理部により抽出される複数の前記キーワードのそれぞれに重みを対応付ける複数の重みパターンを設定する設定処理部をさらに備え、
前記第1算出処理部は、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記重みパターンごとに評価値を算出する、
請求項1に記載のデータ評価システム。
【請求項3】
前記決定処理部は、前記複数の重みパターンのうち、前記第1算出処理部により算出される前記重みパターンごとの評価値が前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値に最も近くなる重みパターンを決定し、
前記第2算出処理部は、前記決定処理部により決定される前記重みパターンに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する、
請求項2に記載のデータ評価システム。
【請求項4】
前記第1算出処理部は、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記評価対象データに出現する前記キーワードの出現回数と前記重みとを乗算した結果を当該評価対象データの評価値として算出する、
請求項2に記載のデータ評価システム。
【請求項5】
前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのうち、前記ユーザーにより設定される評価値が閾値以上の一又は複数の前記評価対象データから、前記キーワードを抽出する、
請求項1に記載のデータ評価システム。
【請求項6】
前記重みは、前記評価対象データの評価値に対する前記キーワードの影響度を表すパラメータである、
請求項1~5のいずれかに記載のデータ評価システム。
【請求項7】
前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データに含まれる複数の単語のうち少なくとも接続詞及び助詞を除く単語を前記キーワードとして抽出する、
請求項1~5のいずれかに記載のデータ評価システム。
【請求項8】
前記第2算出処理部により算出される前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を、前記ユーザーに提示する出力処理部をさらに備える、
請求項1~5のいずれかに記載のデータ評価システム。
【請求項9】
一又は複数のプロセッサーが、
複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出ステップと、
前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出ステップにおいて算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定ステップと、
前記決定ステップにより決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出ステップと、
を実行するデータ評価方法。
【請求項10】
複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出ステップと、
前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出ステップにおいて算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定ステップと、
前記決定ステップにより決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのデータ評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な分野において評価対象データを評価するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、コールセンターにおいて、ユーザーから問い合わせを受けた場合に、当該問い合わせを所定の観点に基づいて分析して評価するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-151757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、例えば「緊急度の高いデータ(問い合わせ)を抽出する」という観点で緊急度の高い問い合わせを抽出する場合に、ユーザーが当該緊急度に関連するキーワード(例えば、至急、緊急、大至急、急ぎなど)を設定し、これらのキーワードを含む問い合わせ、キーワードの頻出回数の多い問い合わせなどを抽出している。このため、ユーザーは適切な問い合わせを抽出するために適切なキーワードを設定する必要があり、キーワードの設定に手間がかかる。また、ユーザー自身が全ての問い合わせに対して評価を行うことも考えられるが、この場合、問い合わせ数が多くなると評価作業に時間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、大量の評価対象データの評価を行う際のユーザーの手間を省力化することが可能なデータ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係るデータ評価システムは、取得処理部と受付処理部と抽出処理部と第1算出処理部と決定処理部と第2算出処理部とを備える。前記取得処理部は、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する。前記受付処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける。前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する。前記第1算出処理部は、前記抽出処理部により抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。前記決定処理部は、前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出処理部により算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する。前記第2算出処理部は、前記決定処理部により決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。
【0007】
本発明の他の態様に係るデータ評価方法は、一又は複数のプロセッサーが、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出ステップと、前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出ステップにおいて算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出ステップと、を実行する。
【0008】
本発明の他の態様に係るデータ評価プログラムは、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出ステップと、前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出ステップにおいて算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定ステップと、前記決定ステップにより決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大量の評価対象データの評価を行う際のユーザーの手間を省力化することが可能なデータ評価システム、データ評価方法、及びデータ評価プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムにおいて利用されるデータ情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムにおいて利用されるサンプルデータ情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムにおいて利用されるキーワード情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムにおいて利用されるサンプル評価結果の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムにおいて利用される評価結果の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るデータ評価システムで実行されるデータ評価処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
[データ評価システム10]
図1は、本発明の実施形態に係るデータ評価システム10の構成を示すブロック図である。データ評価システム10は、管理サーバー1と操作端末2とを含んでいる。管理サーバー1と操作端末2とは、ネットワークN1(例えばインターネット、LANなど)を介して互いに接続されている。データ評価システム10には、複数台の操作端末2が含まれてもよい。
【0013】
データ評価システム10は、操作端末2から送信される各種データの内容を評価するシステムである。例えば、データ評価システム10は、顧客に提供する製品、サービスに対する質問、修理依頼、苦情、アンケート、評価などの問い合わせ(評価対象データ)を、顧客から受け付け、当該評価対象データの内容を分析、評価するシステムに適用される。
【0014】
データ評価システム10において、管理サーバー1は、前記顧客の操作端末2から前記問い合わせをテキストデータとして取得してもよいし、評価対象データを管理する管理者が前記顧客から口頭、電話で受け付けた問い合わせを管理者の操作端末2を介してテキストデータとして取得してもよい。
【0015】
管理サーバー1は、前記評価対象データを取得すると、所定の観点(例えば、緊急度)で当該評価対象データの評価値を算出して、評価結果をユーザー(例えば、製品、サービスの事業者、管理者など)に提示する。前記ユーザーは、例えば、前記評価結果を製品、サービスの品質向上に活用することができる。
【0016】
データ評価システム10は、本発明のデータ評価システムの一例である。なお、本発明のデータ評価システムは、管理サーバー1単体で構成されてもよい。
【0017】
[管理サーバー1]
図1に示すように、管理サーバー1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信部14などを備える。管理サーバー1は、パーソナルコンピュータ、クラウドサーバなどで構成されてもよい。
【0018】
通信部14は、管理サーバー1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して操作端末2との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。ネットワークN1は、例えばインターネット、LANなどで構成される。
【0019】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0020】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、管理サーバー1が管理及び評価する複数のデータ(評価対象データ)が記憶される。
【0021】
例えば、顧客は、操作端末2において、問い合わせページ(WEBページなど)に問い合わせ内容を入力して管理サーバー1にアップロードする。これにより、問い合わせに対応する評価対象データが、管理サーバー1にアップロードされる。なお、評価対象データには、入力者の識別情報(ユーザー名、ユーザーIDなど)、送信日時などの情報が含まれる。
【0022】
管理サーバー1は、複数の操作端末2のそれぞれから前記評価対象データを取得する。記憶部12には各操作端末2からアップロードされた評価対象データが格納される。また、記憶部12には、前記評価対象データに関するデータ情報D1が記憶される。図2には、データ情報D1の一例を示している。データ情報D1には、操作端末2からアップロードされた評価対象データごとに、「データID」、「受付日時」、「問い合わせ内容」などの情報が含まれる。前記データIDは前記評価対象データの識別情報である。管理サーバー1の制御部11は、評価対象データを取得するごとに任意の識別情報を当該評価対象データに付与する。前記受付日時は、管理サーバー1が前記評価対象データを受け付けた日時(受信日時)の情報である。
【0023】
前記問い合わせ内容は、前記評価対象データの具体的な内容であり、操作端末2から取得するテキスト文書である。なお、前記問い合わせ内容は、音声データをテキスト化した文書であってもよい。制御部11は、前記評価対象データを取得するごとに、データ情報D1に各情報を登録する。
【0024】
また、記憶部12には、複数の前記評価対象データのうち所定数の前記評価対象データであるサンプルデータに関するサンプルデータ情報D2が記憶される。図3には、サンプルデータ情報D2の一例を示している。図3に示すように、サンプルデータ情報D2には、サンプルデータごとに、「データID」、「問い合わせ内容」、「ユーザー評価値」などの情報が登録される。例えば、制御部11は、データ情報D1に登録された複数の前記評価対象データの中から、所定数(図3では5個)の前記評価対象データをサンプルデータとして抽出し、サンプルデータ情報D2に登録する。
【0025】
前記データID及び前記問い合わせ内容は、データ情報D1と同一である。前記ユーザー評価値は、前記サンプルデータに対してユーザーが設定した評価値の情報である。例えば、管理者は、前記サンプルデータの問い合わせ内容を確認すると、緊急度の観点で前記サンプルデータを評価する。管理者は、操作端末2において、各サンプルデータの評価値を登録する。このように、制御部11は、複数の前記評価対象データの中から所定数のサンプルデータを抽出し、各サンプルデータに対する管理者の主観による評価値をサンプルデータ情報D2に登録する。
【0026】
また、記憶部12には、キーワードに関するキーワード情報D3(図4参照)、サンプルデータに対する評価結果(サンプル評価値)に関するサンプル評価結果D4(図5参照)、及び、全ての評価対象データに対する評価結果D5(図6参照)が記憶される。キーワード情報D3、サンプル評価結果D4、及び評価結果D5の詳細については後述する。
【0027】
なお、他の実施形態として、データ情報D1、サンプルデータ情報D2、キーワード情報D3、サンプル評価結果D4、及び評価結果D5の一部又は全部が、管理サーバー1からネットワークN1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー1の制御部11は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述のデータ評価処理(図7参照)などの各処理を実行してもよい。
【0028】
さらに、記憶部12には、制御部11に後述のデータ評価処理(図7参照)を実行させるためのデータ評価プログラムが記憶されている。例えば、前記データ評価プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、管理サーバー1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記データ評価プログラムは、他のサーバーから配信されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0029】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理サーバー1を制御する。
【0030】
具体的に、制御部11は、図1に示すように、取得処理部111、受付処理部112、抽出処理部113、設定処理部114、算出処理部115、決定処理部116、出力処理部117などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記データ評価プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記データ評価プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0031】
取得処理部111は、複数の評価対象データを取得する。例えば、取得処理部111は、各操作端末2において入力された問い合わせなどのデータ(評価対象データ)を、各操作端末2から取得する。取得処理部111は、取得した複数の評価対象データを記憶部12に記憶する。また、取得処理部111は、前記評価対象データごとに、データID、受付日時、問い合わせ内容の各情報をデータ情報D1(図2参照)に登録する。
【0032】
また、取得処理部111は、前記複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する。具体的には、取得処理部111は、データ情報D1に登録された複数の前記評価対象データの中から、所定数の前記評価対象データをサンプルデータとして抽出する。例えば、取得処理部111は、5個の前記評価対象データ(サンプルデータ)を取得する。取得処理部111は、取得したサンプルデータの情報をサンプルデータ情報D2(図3参照)に登録する。
【0033】
取得処理部111は、前記複数の評価対象データの中から任意(ランダム)に所定数の評価対象データを取得する。例えば、取得処理部111は、ユーザーが設定した数の評価対象データをランダムに取得する。ユーザーは、例えば設定画面において評価対象データの取得数を設定及び変更可能であってもよい。
【0034】
受付処理部112は、取得処理部111により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザー(管理者)により設定される評価値を受け付ける。例えば、管理者は、前記サンプルデータの問い合わせ内容(図3参照)を確認すると、緊急度の観点で前記サンプルデータを評価する。管理者は、操作端末2において、各サンプルデータの評価値を登録する。
【0035】
具体的には、データID「00002」について、管理者は、問い合わせ内容に含まれる「うまく動かない」、「エラー」などの文言から直感で緊急度として「2」を登録する。また、データID「00345」について、管理者は、問い合わせ内容に含まれる「出力が仕様通りに出ません」などの文言から直感で緊急度として「1」を登録する。また、データID「05063」について、管理者は、問い合わせ内容に含まれる「動きません」、「至急」などの文言から直感で緊急度として「4」を登録する。また、データID「89991」について、管理者は、問い合わせ内容から直感で緊急度として「0」を登録する。また、データID「90502」について、管理者は、問い合わせ内容に含まれる「エラーが発生」、「大至急」、「回答」などの文言から直感で緊急度として「5」を登録する。
【0036】
受付処理部112は、各サンプルデータに対する管理者の主観による評価値(ユーザー評価値)を受け付けて、当該ユーザー評価値をサンプルデータ情報D2(図3参照)に登録する。
【0037】
抽出処理部113は、取得処理部111により取得される所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する。前記キーワードは、評価対象データから接続詞、助詞などの一般的な単語を除外して残った単語である。
【0038】
例えば、図3に示す5個のサンプルデータについて、抽出処理部113は、キーワードとして、「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」を抽出する。抽出処理部113は、抽出したキーワードをキーワード情報D3に登録する。図4には、キーワード情報D3の一例を示している。図4に示すように、キーワード情報D3には、所定数のサンプルデータのそれぞれに含まれるキーワードが登録される。ここでは、抽出処理部113は、「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」のキーワードをキーワード情報D3に登録する。
【0039】
ここで、記憶部12に、キーワードリストが記憶されていてもよい。この場合、抽出処理部113は、前記サンプルデータに含まれる単語のうち前記キーワードリストに登録された単語と一致する単語をキーワードとして抽出してキーワード情報D3に登録してもよい。
【0040】
また、抽出処理部113は、取得処理部111により取得される前記所定数の評価対象データのうち、ユーザーにより設定される評価値(ユーザー評価値)が閾値以上の一又は複数の評価対象データからキーワードを抽出してもよい。すなわち、抽出処理部113は、ユーザー評価値が高いサンプルデータから前記キーワードを抽出し、ユーザー評価値が低いサンプルデータから前記キーワードを抽出しない構成としてもよい。また、記憶部12に、キーワードとして採用しない単語の除外ワードリストが登録されていてもよい。この場合、抽出処理部113は、前記除外ワードリストを参照して、前記サンプルデータに含まれる除外ワードを除外してキーワードを抽出してもよい。
【0041】
設定処理部114は、抽出処理部113により抽出される複数のキーワードのそれぞれに重みを対応付ける複数の重みパターンを設定する。具体的には、設定処理部114は、各キーワードに、評価対象データの評価値に対する当該キーワードの影響度を表すパラメータである重みを設定する。また、設定処理部114は、複数のキーワードのそれぞれについて重みを対応付けた重みパターンを生成するとともに、当該複数のキーワードに対して重みを変化させた複数の重みパターンを生成する。例えば、設定処理部114は、4個のキーワード「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」のそれぞれに、重み「1」、「0」、「0」、「0」のそれぞれを対応付けた「重みパターン1」、重み「2」、「1」、「1」、「1」のそれぞれを対応付けた「重みパターン2」、重み「1」、「2」、「1」、「1」のそれぞれを対応付けた「重みパターン3」、重み「1」、「1」、「2」、「3」のそれぞれを対応付けた「重みパターン4」、重み「1」、「3」、「3」、「3」のそれぞれを対応付けた「重みパターンN」などを生成する。
【0042】
設定処理部114は、複数の重みパターンをキーワード情報D3に登録する。図4には、キーワード情報D3の一例を示している。キーワード情報D3には、複数のキーワードに対して、複数の重みパターンが登録される。また、設定処理部114は、複数のキーワードに対して、各キーワードに対応する重みの組み合わせである複数の重みパターンを設定してキーワード情報D3に登録する。ここでは、設定処理部114は、4段階の重み(「0」~「3」)を各キーワードに設定し、4段階の重みを組み合わせた複数の重みパターンを設定する。設定処理部114は、4個のキーワードに対して4段階の重みを組み合わせた全て(N個)の組み合わせパターンの重みパターンを生成する。
【0043】
算出処理部115は、抽出処理部113により抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データ(サンプルデータ)のそれぞれの評価値(サンプル評価値)を算出する。具体的には、算出処理部115は、前記所定数のサンプルデータのそれぞれについて、前記重みパターンごとにサンプル評価値を算出する。
【0044】
例えば、算出処理部115は、前記所定数のサンプルデータのそれぞれについて、問い合わせ内容に出現する前記キーワードの出現回数と前記重みとを乗算した結果を当該サンプルデータの評価値として算出する。
【0045】
具体的には、算出処理部115は、データID「00002」のサンプルデータ(図3参照)について、「重みパターン1」(図4参照)を利用して、4個のキーワード「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」の各出現回数と、「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」のそれぞれに対応する各重み「1」、「0」、「0」、「0」(図4参照)とをそれぞれ乗算した各算出値を合計した合計値「1」を、データID「00002」の「重みパターン1」に対応する評価値として算出する。同様にして、算出処理部115は、データID「00345」の「重みパターン1」に対応する評価値「0」、データID「05063」の「重みパターン1」に対応する評価値「0」、データID「89991」の「重みパターン1」に対応する評価値「0」、データID「90502」の「重みパターン1」に対応する評価値「0」を算出する。このように、算出処理部115は、「重みパターン1」を用いて各サンプルデータを評価する場合、各サンプルデータの評価値として「1」、「0」、「0」、「0」、「0」を算出する。
【0046】
また、例えば、算出処理部115は、データID「00002」のサンプルデータ(図3参照)について、「重みパターン2」(図4参照)を利用して、4個のキーワード「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」の各出現回数と、「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」のそれぞれに対応する各重み「2」、「1」、「1」、「1」(図4参照)とをそれぞれ乗算した各算出値を合計した合計値「2」を、データID「00002」の「重みパターン1」に対応する評価値として算出する。同様にして、算出処理部115は、データID「00345」の「重みパターン2」に対応する評価値「0」、データID「05063」の「重みパターン2」に対応する評価値「1」、データID「89991」の「重みパターン2」に対応する評価値「0」、データID「90502」の「重みパターン2」に対応する評価値「3」を算出する。このように、算出処理部115は、「重みパターン2」を用いて各サンプルデータを評価する場合、各サンプルデータの評価値として「2」、「0」、「1」、「0」、「3」を算出する。
【0047】
また、例えば、算出処理部115は、データID「00002」のサンプルデータ(図3参照)について、「重みパターン4」(図4参照)を利用して、4個のキーワード「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」の各出現回数と、「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」のそれぞれに対応する重み「1」、「1」、「2」、「3」(図4参照)とをそれぞれ乗算した各算出値を合計した合計値「2」を、データID「00002」の「重みパターン4」に対応する評価値として算出する。同様にして、算出処理部115は、データID「00345」の「重みパターン4」に対応する評価値「1」、データID「05063」の「重みパターン4」に対応する評価値「4」、データID「89991」の「重みパターン4」に対応する評価値「1」、データID「90502」の「重みパターン4」に対応する評価値「5」を算出する。このように、算出処理部115は、「重みパターン4」を用いて各サンプルデータを評価する場合、各サンプルデータの評価値として「2」、「1」、「4」、「1」、「5」を算出する。
【0048】
このようにして、算出処理部115は、各サンプルデータについて、キーワード情報D3(図4参照)に登録された各重みパターンを用いてサンプル評価値を算出する。
【0049】
決定処理部116は、複数の重みのうち所定の重み(最適重み)を決定する。具体的には、決定処理部116は、ユーザー(管理者)により設定される前記所定数の評価対象データ(サンプルデータ)の評価値(図3のユーザー評価値)と、算出処理部115により算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値(図5のサンプル評価値)とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する。
【0050】
例えば、決定処理部116は、前記複数の重みパターン(図4参照)のうち、算出処理部115により算出される前記重みパターンごとのサンプル評価値(図5参照)が前記ユーザー評価値(図3参照)に最も近くなる重みパターンを最適重みパターンとして決定する。図3及び図5に示す例では、「重みパターン4」による5個のサンプルデータに対するサンプル評価値「2」、「1」、「4」、「1」、「5」(図5参照)が、ユーザー評価値「2」、「1」、「4」、「0」、「5」(図3参照)に最も近くなるため、決定処理部116は、前記複数の重みパターン(図4参照)のうち、「重みパターン4」を最適重みパターンに決定する。
【0051】
決定処理部116が所定の重みを決定すると、算出処理部115は、前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。具体的には、算出処理部115は、決定処理部116により決定される最適重みパターンに基づいて、取得処理部111が取得した前記複数の評価対象データ(図2参照)のそれぞれの評価値を算出する。上述の例では、算出処理部115は、「重みパターン4」を用いて、データID「00001」~「90999」の全ての評価対象データのそれぞれについて評価値を算出する。各評価対象データの評価値の算出方法は、上述した前記サンプルデータの評価値の算出方法と同一である。
【0052】
算出処理部115は、各評価対象データの評価値を評価結果D5に登録する。図6には、評価結果D5の一例を示している。評価結果D5には、評価対象データごとに、「データID」、「評価値」などの情報が登録される。算出処理部115は、本発明の第1算出処理部及び第2算出処理部の一例である。
【0053】
出力処理部117は、算出処理部115により算出される前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値(評価結果)を、ユーザー(管理者)に提示する。例えば、出力処理部117は、評価結果D5の情報を管理者の操作端末2に表示させる。また、例えば、出力処理部117は、評価結果D5を評価値が高い順に並べ、上位の所定数の評価結果を抽出した上位リストを管理者の操作端末2に表示させる。管理者は、前記評価値の情報を利用して、問い合わせに対して対処したり、製品及びサービスの品質向上に役立てたりすることができる。
【0054】
[操作端末2]
図1に示すように、操作端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える。操作端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置である。例えば、顧客は、操作端末2を利用して問い合わせ内容(図2参照)を入力することができる。また例えば、管理者は、操作端末2を利用して顧客から電話により受け付けた問い合わせ内容を入力することができる。また例えば、管理者は、操作端末2を利用して、前記サンプルデータを確認して前記サンプルデータに対する評価値(図3参照)を入力したり、各評価対象データの評価結果(図6参照)を取得したりすることができる。
【0055】
通信部24は、操作端末2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して管理サーバー1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0056】
操作表示部23は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0057】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー1などの外部装置との間で通信処理を制御部21に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー1との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであってもよい。
【0058】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末2を制御する。
【0059】
具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部として機能する。制御部21は、管理サーバー1からネットワークN1を介して提供されるWEBページを操作表示部23に表示させ、操作表示部23に対する操作を管理サーバー1に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、操作端末2は、制御部21によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー1の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0060】
操作端末2では、管理サーバー1で提供されるWEBサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部21が、管理サーバー1から前記WEBサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部23に前記WEBサイトのWEBページを表示させる。なお、操作端末2に管理サーバー1に対応する所定のアプリケーション(データ管理アプリケーション)がインストールされている場合には、操作端末2のユーザーが前記データ管理アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部23に前記WEBサイトのWEBページが表示される。
【0061】
また、制御部21は、ユーザー(顧客、管理者など)の操作に応じて、問い合わせ内容のデータ(評価対象データ)を管理サーバー1にアップロードする。また、制御部21は、管理サーバー1によるデータ評価処理の評価結果を表示させる。また、制御部21は、評価結果を操作端末2にダウンロードする。
【0062】
[データ評価処理]
以下、図7を参照しつつ、データ評価システム10において実行されるデータ評価処理の手順の一例について説明する。
【0063】
なお、本発明は、前記データ評価処理に含まれる一又は複数のステップを実行するデータ評価方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記データ評価処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記データ評価処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは管理サーバー1の制御部11が前記データ評価処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、一又は複数のプロセッサーが前記データ評価処理における各ステップを分散して実行してもよい。
【0064】
先ず、ステップS1において、制御部11は、複数の評価対象データを取得する。例えば、制御部11は、各操作端末2において入力された問い合わせなどのデータ(評価対象データ)を、各操作端末2から取得する。制御部11は、取得した複数の評価対象データを記憶部12に記憶し、各評価対象データの情報をデータ情報D1(図2参照)に登録する。
【0065】
次に、ステップS2において、制御部11は、ユーザー(管理者)から評価値の算出要求を取得したか否かを判定する。例えば、管理者は、評価対象データに対する評価結果の取得を希望する場合に、操作端末2において前記評価値の算出要求を入力する。制御部11は、操作端末2から前記算出要求を取得すると(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。一方、制御部11は、操作端末2から前記算出要求を取得しない間、評価対象データの取得処理を継続する(S2:No)。
【0066】
ステップS3において、制御部11は、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する。具体的には、制御部11は、データ情報D1に登録された複数の評価対象データの中から、所定数(例えば5個)の評価対象データをサンプルデータとして取得する。制御部11は、取得したサンプルデータをサンプルデータ情報D2(図3参照)に登録する。
【0067】
次に、ステップS4において、制御部11は、ユーザーから前記サンプルデータに対する評価値(ユーザー評価値)を受け付けたか否かを判定する。例えば、管理者は、前記サンプルデータの問い合わせ内容(図3参照)を確認すると、緊急度の観点で前記サンプルデータを評価し、0~5の6段階の評価値を登録する。管理者は、問い合わせ内容に緊急性がないと判断したサンプルデータに対して「0」を登録し、緊急性が高くなるほど高い評価値を登録する。制御部11は、管理者の操作端末2から各サンプルデータの評価値(ユーザー評価値)を取得すると、サンプルデータ情報D2(図3参照)に登録する。制御部11は、ユーザーから前記サンプルデータに対する評価値を受け付けると(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。制御部11は、ユーザーから前記サンプルデータに対する評価値を受け付けるまで待機する(S4:No)。
【0068】
ステップS5において、制御部11は、所定数のサンプルデータのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する。図3に示す例では、制御部11は、各サンプルデータから一般的な単語(少なくとも接続詞、助詞など)を除外した残りの単語、例えば「エラー」、「動かず」、「至急」、「大至急」をキーワードとして抽出する。制御部11は、抽出した各キーワードをキーワード情報D3(図4参照)に登録する。
【0069】
次に、ステップS6において、制御部11は、評価対象データの評価値に対するキーワードの影響度を表す重みを、複数のキーワードに対応して組み合わせた重みパターンを設定する。具体的には、制御部11は、複数のキーワードのそれぞれについて重みを変化させた複数の重みパターンを生成する。制御部11は、複数のキーワードのそれぞれについて重みを変化させた重みパターンの組み合わせがN通りある場合に、N個の重みパターン(重みパターン1~重みパターンN)を生成する。制御部11は、生成した複数の重みパターンをキーワード情報D3(図4参照)に登録する。
【0070】
次に、ステップS7において、制御部11は、前記所定数のサンプルデータのそれぞれについて、前記重みパターンごとに評価値(サンプル評価値)を算出する。具体的には、制御部11は、前記所定数のサンプルデータのそれぞれについて、前記重みパターンを用いて、問い合わせ内容に出現する前記キーワードの出現回数と前記キーワードに対応する前記重みとを乗算して算出値を求め、各キーワードの算出値を合計した合計値を、当該重みパターンに対応する当該サンプルデータの評価値として算出する。制御部11は、各サンプルデータについて、重みパターンごとのサンプル評価値を算出する。
【0071】
例えば図5に示すように、制御部11は、5個のサンプルデータについて、重みパターン1~重みパターンNのそれぞれを用いてサンプル評価値を算出する。
【0072】
次に、ステップS8において、制御部11は、前記複数の重みパターンの中から最適重みパターンを決定する。具体的には、制御部11は、ユーザー(管理者)により設定されるサンプルデータの評価値(図3のユーザー評価値)と、ステップS7において算出したサンプルデータの評価値(図5のサンプル評価値)とに基づいて、最適重みパターンを決定する。例えば、制御部11は、前記複数の重みパターン(図4参照)のうち、前記サンプル評価値(図5参照)が前記ユーザー評価値(図3参照)に最も近くなる重みパターンを最適重みパターンとして決定する。
【0073】
また、制御部11は、サンプルデータごとの前記サンプル評価値の合計が最大となる重みパターンを最適重みパターンに決定してもよい。例えば図5に示す例において、「重みパターン4」に対応するサンプルデータごとの前記サンプル評価値(「2」、「1」、「4」、「1」、「5」)の合計(「13」)が最大となるため、制御部11は、「重みパターン4」を最適重みパターンに決定する。
【0074】
次に、ステップS9において、制御部11は、前記最適重みパターンに基づいて、ステップS1において取得した複数の評価対象データ(図2参照)のそれぞれについて評価値を算出する。上述の例では、制御部11は、「重みパターン4」を用いて、データID「00001」~「90999」の評価対象データのそれぞれについて評価値を算出する。例えば、制御部11は、データID「00001」の評価対象データについて、「重みパターン4」を用いて、問い合わせ内容に出現する前記キーワードの出現回数と前記キーワードに対応する前記重みとをそれぞれ乗算して算出値を求め、各キーワードの算出値を合計した合計値を当該評価対象データの評価値として算出する。制御部11は、全ての評価対象データについて上記方法により評価値を算出する。制御部11は、各評価対象データの評価値を評価結果D5(図6参照)に登録する。
【0075】
次に、ステップS10において、制御部11は、評価結果を出力する。例えば、制御部11は、評価結果D5の情報を管理者の操作端末2に表示させる。また、例えば、制御部11は、評価結果D5を評価値が高い順に並べ、上位の所定数の評価結果を抽出した上位リストを管理者の操作端末2に表示させる。
【0076】
以上のようにして、制御部11は、前記データ評価処理を実行する。制御部11は、評価対象データを取得して評価値算出要求を受け付けるごとに、前記データ評価処理を実行する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係るデータ評価システム10は、複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得し、前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値(ユーザー評価値)を受け付ける。また、データ評価システム10は、前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出し、抽出した前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値(サンプル評価値)を算出する。また、データ評価システム10は、前記所定数の評価対象データのユーザー評価値と、前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとのサンプル評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定し、決定した前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。
【0078】
また、データ評価システム10は、複数の前記キーワードのそれぞれに重みを対応付ける複数の重みパターンを設定し、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記重みパターンごとに評価値を算出する。例えば、データ評価システム10は、前記複数の重みパターンのうち、前記重みパターンごとのサンプル評価値が前記所定数の評価対象データのユーザー評価値に最も近くなる最適重みパターンを決定し、決定した最適重みパターンに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。
【0079】
上記構成によれば、評価対象の複数のデータの中から、一部のデータ(サンプルデータ)を抜粋してユーザーが任意の観点で評価した結果(ユーザー評価値)を用いて、他の全てのデータに対しても同様の観点で評価を行うことができる。これにより、ユーザーは全てのデータについて評価を行う必要がなく、また一部のデータをユーザーが評価することにより他の全てのデータについてユーザーの観点を反映させて自動的に評価することができる。よって、大量の評価対象データの評価を行う際のユーザーの手間を省力化することができる。すなわち、人による評価作業の負担を軽減することができる。
【0080】
また、データ評価システム10は、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記評価対象データに出現する前記キーワードの出現回数と前記重みとを乗算した結果を当該評価対象データの評価値として算出する。これにより、キーワードの重みを評価結果に反映させることができる。
【0081】
また、データ評価システム10は、前記所定数の評価対象データのうち、前記ユーザー評価値が閾値以上の一又は複数の前記評価対象データから前記キーワードを抽出する。これにより、評価対象データの評価値に対する影響度の小さい文言をキーワードから除外することができるため、評価値の信頼性を向上させることができる。
【0082】
また、データ評価システム10は、前記所定数の評価対象データから、緊急度の観点に対応するキーワードを抽出してもよい。これにより、評価対象データを緊急度の観点で評価することができる。本発明の観点は、緊急度に限定されない。例えば、前記観点は、満足度、好感度などであってもよい。例えば、データ評価システム10は、宿泊施設、飲食店、小売店などの施設において、利用者のアンケート結果、口コミ、投稿などの評価対象データについて、満足度、好感度の観点で評価値を算出してもよい。
【0083】
また、データ評価システム10は、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を、ユーザーに提示する。これにより、ユーザーは、評価結果に応じて対処することができる。
【0084】
ここで、上述の実施形態では、制御部11は、キーワード情報D3(図4参照)に登録された全ての重みパターンを利用して、サンプルデータの評価値を算出している。本発明はこれに限定されず、他の実施形態として、制御部11は、所定数の重みパターンを利用して、サンプルデータの評価値を算出してもよい。例えば、制御部11は、全組み合わせパターンの重みパターンの中から、各キーワードに対してユーザー評価値(図3参照)に応じた重み閾値を設定し、重み閾値以上の重みパターンを設定する。例えば、ユーザーがデータID「00002」に対して評価値「2」を設定した場合に、制御部11は、データID「00002」の問い合わせ内容に含まれるキーワード「エラー」に対して重み閾値「1」を設定する。この場合、制御部11は、「エラー」に対する重みを「1」以上に設定する。つまり、サンプルデータに対してユーザーが評価値を例えば「2」に設定した場合には、当該サンプルデータはユーザーにとって緊急度が高いと言える。この場合、前記サンプルデータに含まれるキーワード(「エラー」)の重みは、少なくとも0よりも大きいことが望ましい。そこで、制御部11は、各重みパターンにおける、キーワード「エラー」の重みを例えば「1」以上に設定する。これにより、キーワード「エラー」の重みが「0」の重みパターンが生成されなくなる。
【0085】
また例えば、ユーザーがデータID「05063」に対して評価値「4」を設定した場合に、制御部11は、データID「05063」の問い合わせ内容に含まれるキーワード「至急」に対して重み閾値「2」を設定する。この場合、制御部11は、「至急」に対する重みを「2」以上に設定する。つまり、サンプルデータに対してユーザーが評価値を例えば「4」に設定した場合には、当該サンプルデータはユーザーにとって緊急度が非常に高いと言える。この場合、前記サンプルデータに含まれるキーワード(「至急」)の重みは、少なくとも1よりも大きいことが望ましい。そこで、制御部11は、各重みパターンにおける、キーワード「至急」の重みを例えば「2」以上に設定する。これにより、「至急」の重みが「0」の重みパターンと「1」の重みパターンとが生成されなくなる。
【0086】
このようにして、制御部11は、サンプルデータに対するユーザーの評価値に基づいて各キーワードに対して設定可能な重みの範囲を狭くすることにより、前記重みパターンの数を抑制する。これにより、データ評価システム10における評価値の算出負荷を軽減することができる。
【0087】
また、制御部11は、ユーザー評価値(図3参照)に応じたキーワードの緊急度の大小関係に基づいて前記重みパターンの設定数を抑制してもよい。例えば、制御部11は、ユーザー評価値(図3参照)に基づいて、各サンプルデータのキーワードの緊急度を判定する。具体的には、ユーザーがデータID「90502」のサンプルデータに対して評価値「5」(最大値)を設定した場合に、制御部11は、当該サンプルデータに含まれるキーワード「大至急」の緊急度を1位に設定する。また、ユーザーがデータID「05063」のサンプルデータに対して評価値「4」(2番目に大きい値)を設定した場合に、制御部11は、当該サンプルデータに含まれるキーワード「至急」の緊急度を2位に設定する。また、ユーザーがデータID「00002」のサンプルデータに対して評価値「2」(3番目に大きい値)を設定した場合に、制御部11は、当該サンプルデータに含まれるキーワード「エラー」の緊急度を3位に設定する。このように、制御部11は、ユーザーの評価値が高いサンプルデータに含まれるキーワードの緊急度を高く設定し、ユーザーの評価値が低いサンプルデータに含まれるキーワードの緊急度を低く設定する。
【0088】
これにより、例えば「大至急」、「至急」及び「エラー」の緊急度は、「エラー」、「至急」、「大至急」の順に高くなる。この場合、制御部11は、「エラーに対応する重み」<「至急に対応する重み」<「大至急に対応する重み」の関係式を満たす重みパターンのみを生成し、当該関係式を満たさない重みパターンを除外する。これにより、前記重みパターンの数が抑制されるため、データ評価システム10における評価値の算出負荷を軽減することができる。
【0089】
また、本発明の他の実施形態として、制御部11は、所定の観点に対応する1つのキーワードを抽出してもよい。この場合、制御部11は、前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記サンプルデータのそれぞれの評価値を算出し、前記ユーザー評価値と前記サンプル評価値とに基づいて、複数の重みのうち所定の重み(最適重み)を決定し、最適重みに基づいて前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する。
【0090】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0091】
<付記1>
複数の評価対象データから所定数の評価対象データを取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに対してユーザーにより設定される評価値を受け付ける受付処理部と、
前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのそれぞれに含まれる所定のキーワードを抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理部により抽出される前記キーワードに設定される複数の重みのそれぞれに対応する、前記所定数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第1算出処理部と、
前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値と、前記第1算出処理部により算出される前記所定数の評価対象データのそれぞれにおける前記重みごとの評価値とに基づいて、前記複数の重みのうち所定の重みを決定する決定処理部と、
前記決定処理部により決定される前記所定の重みに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する第2算出処理部と、
を備えるデータ評価システム。
【0092】
<付記2>
前記抽出処理部により抽出される複数の前記キーワードのそれぞれに重みを対応付ける複数の重みパターンを設定する設定処理部をさらに備え、
前記第1算出処理部は、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記重みパターンごとに評価値を算出する、
付記1に記載のデータ評価システム。
【0093】
<付記3>
前記決定処理部は、前記複数の重みパターンのうち、前記第1算出処理部により算出される前記重みパターンごとの評価値が前記ユーザーにより設定される前記所定数の評価対象データの評価値に最も近くなる重みパターンを決定し、
前記第2算出処理部は、前記決定処理部により決定される前記重みパターンに基づいて、前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を算出する、
付記2に記載のデータ評価システム。
【0094】
<付記4>
前記第1算出処理部は、前記所定数の評価対象データのそれぞれについて、前記評価対象データに出現する前記キーワードの出現回数と前記重みとを乗算した結果を当該評価対象データの評価値として算出する、
付記1~3のいずれかに記載のデータ評価システム。
【0095】
<付記5>
前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データのうち、前記ユーザーにより設定される評価値が閾値以上の一又は複数の前記評価対象データから、前記キーワードを抽出する、
付記1~4のいずれかに記載のデータ評価システム。
【0096】
<付記6>
前記重みは、前記評価対象データの評価値に対する前記キーワードの影響度を表すパラメータである、
付記1~5のいずれかに記載のデータ評価システム。
【0097】
<付記7>
前記抽出処理部は、前記取得処理部により取得される前記所定数の評価対象データに含まれる複数の単語のうち少なくとも接続詞及び助詞を除く単語を前記キーワードとして抽出する、
付記1~6のいずれかに記載のデータ評価システム。
【0098】
<付記8>
前記第2算出処理部により算出される前記複数の評価対象データのそれぞれの評価値を、前記ユーザーに提示する出力処理部をさらに備える、
付記1~7のいずれかに記載のデータ評価システム。
【符号の説明】
【0099】
1 :管理サーバー
2 :操作端末
10 :データ評価システム
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信部
111 :取得処理部
112 :受付処理部
113 :抽出処理部
114 :設定処理部
115 :算出処理部
116 :決定処理部
117 :出力処理部
D1 :データ情報
D2 :サンプルデータ情報
D3 :キーワード情報
D4 :サンプル評価結果
D5 :評価結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7