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▶ ノヴァ バイオメディカル コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156800
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】凝血アッセイ装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/86 20060101AFI20241029BHJP
   G01N 33/72 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01N33/86
G01N33/72 A
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124211
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2022522861の分割
【原出願日】2019-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】501464761
【氏名又は名称】ノヴァ バイオメディカル コーポレイション
【住所又は居所原語表記】200 Prospect Street Waltham MA 02454(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ポメロイ,メアリー
(72)【発明者】
【氏名】メドコヴァ,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジェフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】希釈キャピラリー全血、クエン酸加全血、およびクエン酸加血漿中の凝血因子の活性を決定するための方法および装置に関する。
【解決手段】全ての血液サンプル中のヘモグロビン量の検出が含まれるため、凝固時間の補正を実行することで、凝固時間の値をヘモグロビンおよびヘマトクリット効果と無関係に作成できる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てのカートリッジが:
ある量のマトリックスを保有する第1のウェルと(マトリックスは乾燥マトリックスまたは液体マトリックスどちらかである);
複数のマイクロ粒子を保有する第2のウェルと(複数のマイクロ粒子は、少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスであり、少なくとも1つの表面タイプは、未反応のプレーン、硫酸、カルボン酸、およびアミジンからなる群から選ばれる);
ある量の活性化因子を含む第3のウェルと(活性化因子は、トロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、およびセライトからなる群から選ばれる);
を含む、
抗凝固薬活性をモニタリングするための使い捨てのバイオアッセイ診断カートリッジ。
【請求項2】
マトリックスがさらにNaCl、PEG、TWEEN(登録商標)、炭水化物、およびCaCl2の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の使い捨てのカートリッジ。
【請求項3】
使い捨てのカートリッジが、さらに、少なくとも2つの光学検出読み取りを助けることができる一体型キュベットを含む、請求項1に記載の使い捨てのカートリッジ。
【請求項4】
使い捨てのカートリッジが、さらに、530nmの第1のLEDによる第1の光学検出読み取りを助けることができる第1の壁部と;660nmの第2のLEDによる第2の光学検出読み取りを助けることができる第2の壁部とを有する一体型キュベットを含む、請求項1に記載の使い捨てのカートリッジ。
【請求項5】
使い捨てのカートリッジが、さらに、530nmの第1のLEDによる第1の光学検出読み取りおよび660nmの第2のLEDによる第2の光学検出読み取りを助けることができる第1および第2の壁部を有する一体型キュベットを含む、請求項1に記載の使い捨てのカートリッジ。
【請求項6】
フィンガースティック、ピペット、カートリッジ、バイオアッセイコンポーネント、および光学キュベットを含み、フィンガースティック、ピペット、バイオアッセイコンポーネント、および光学キュベットは、カートリッジ内に含有およびシールされ、カートリッジは、さらに、外表面上に識別子を有し;
バイオアッセイコンポーネントは、少なくともマトリックスおよび複数のマイクロ粒子を含み;
複数のマイクロ粒子は、少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスであり、少なくとも1つの表面タイプは、未反応のプレーン、硫酸、カルボン酸、およびアミジンからなる群から選ばれる、
バイオアッセイ診断キット。
【請求項7】
マトリックスと(マトリックスは、グリシン、塩化ナトリウム、および1%シメチコンの少なくとも1つを含む);
マトリックス中に懸濁された複数のマイクロ粒子と(複数のマイクロ粒子は、少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスである);
ある量の活性化因子と(活性化因子は、トロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、およびセライトからなる群から選ばれる);
を含む、凝血バイオアッセイ。
【請求項8】
少なくとも1つの表面タイプが、プレーン、硫酸、アミジン、およびカルボン酸からなる群から選択される、請求項7に記載の凝血バイオアッセイ。
【請求項9】
マトリックスが乾燥マトリックスおよび液体マトリックスの1つである、請求項7に記載の凝血バイオアッセイ。
【請求項10】
複数のマイクロ粒子のそれぞれが約10nmから150nmの直径を有する、請求項7に記載の凝血バイオアッセイ。
【請求項11】
複数のマイクロ粒子のそれぞれが90nmから110nmの範囲の直径を有する、請求項7に記載の凝血バイオアッセイ。
【請求項12】
複数のマイクロ粒子が、0.006重量体積%溶液;0.01重量体積%溶液;および0.08重量体積%溶液からなる群から選択される重量体積パーセント溶液中にある、請求項7に記載の凝血バイオアッセイ。
【請求項13】
方法が:
マトリックスおよびマトリックス中の複数のマイクロ粒子を有するマイクロ粒子マトリックスを選択し、複数のマイクロ粒子が、少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスであり、少なくとも1つの表面タイプが、活性を保持する未反応のプレーン、硫酸、カルボン酸、およびアミジン化学構造からなる群から選ばれるステップと;
希釈された溶解全血または血漿の1つと共に、試薬としてのマイクロ粒子マトリックスを用いるステップと;
希釈された溶解全血または血漿の1つの凝固時間測定を得るステップと;
希釈された溶解全血または血漿の1つのヘモグロビンレベルを決定するステップと;
希釈された溶解全血または血漿の1つのヘモグロビンレベルについて調整することによって凝固時間測定を補正するステップと;
を含む、
希釈された溶解全血または血漿の1つを用いて凝固時間測定を得る方法。
【請求項14】
さらに、別個の活性化因子を反応混合物に追加して、希釈された溶解全血または血漿の1つの中の天然の凝固基質をさらに活性化することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
活性化因子が、トロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、およびセライトからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
希釈された溶解全血または血漿の1つの凝固時間測定を得ることが、さらに、ある期間に渡って第1の波長において希釈された溶解全血または血漿の1つの光学密度を繰り返し測定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
希釈された溶解全血または血漿の1つのヘモグロビンレベルを決定することが、第2の波長において希釈された溶解全血または血漿の1つの光学密度を測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の波長が620nmから700nmの間の範囲にあり、第2の波長が500nmから550nmの間の範囲にある、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
希釈された溶解全血または血漿の1つの凝固時間測定を得るステップが、さらに、少なくとも0.08の光学密度値の違いを得ることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
マトリックスが液体マトリックスであり、さらに、注射グレードの精製水によって希釈されたpH10.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および1%シメチコンを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の分野
本発明は、全般的には、希釈キャピラリー全血、クエン酸加全血、およびクエン酸加血漿中の凝血因子の活性を決定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2.従来技術の記載
希釈キャピラリー全血、クエン酸加全血、およびクエン酸加血漿中の凝血因子の活性を決定するための方法および装置には、頻繁に、医師がプロトロンビン時間国際標準比(INR)検査の間に患者の国際標準比(INR)レベルを測定することが関わる。このタイプのバイオ分析は、患者の血液が凝固するためにいかに多くの時間がかかるかを測定するために設計されている。この検査は、患者が、血液凝固が深部静脈血栓(DVT)、肺塞栓(PE)、脳卒中、心臓発作、およびそれ以外を形成することおよび引き起こすことを防止する投薬量およびタイプの薬物を受けているということを保証する。かかる薬物は、凝固を引き起こす血液中の物質のビタミンK依存性凝固因子の形成をブロックすることによって働く。INRスコアが低すぎる場合には、患者は血液凝固のリスクがあり得る。しかしながら、また、INRが高すぎる場合には、患者は出血を経験し得る。典型的なINRスコアは2から3の間の範囲である。「理想的な」INRスコアは患者間で変わり得る。
【0003】
いかに頻繁に患者が検査されるべきかは、それらのINRが経時的にいかに安定であるかに依存して変わり得る。米国心臓協会(AHA)に従うと、患者は、少なくとも月1回、いくつかのケースでは週2回ほども多く検査されるべきである。この検査には、頻繁に、血液を抜かれ、インビトロ診断分析装置によって分析されに行くことが関わる。
【0004】
インビトロ診断分析装置は数十年前から利用可能である。これらのタイプの分析装置の市場は典型的には中央検査室における使用向けであった。中央検査室は典型的には患者の血液および/または血液の血漿中の広い種々のバイオメディカル物質種についての検査ができた。最近、かかる検査については、中央検査室検査から病院内のポイント・オブ・ケアサイトへの継続中のシフトがあるように見える。このシフトはより速やかな検査データ結果を可能にし、これはある種の状態の診断および処置に重要であり得る。
【0005】
ポイント・オブ・ケア検査は重症患者の管理に重要な役割を演じ、手術室、救急室、および集中治療ユニットにおいて広く用いられる。これらの検査は、もはや、もっぱら技能を有する医療技術者によってのみならず、看護師、呼吸療法士、救急隊員、医師、および他の医療スタッフを包含する複数技能を有する担当者によってもまた行われる。この需要を叶えるために、製造者は、分析装置を小型化し、検査手続きを行う最小限のトレーニングのみが要求されるように検査手続きを単純化しなければならなかった。
【0006】
全てのポイント・オブ・ケア分析装置に共通の1つの主要な特徴は、それらが携帯型および/または可搬型どちらかでなければならないということである。かかるポイント・オブ・ケア分析装置の例は、ホフマン・ラ・ロシュの一部門のロシュ・ダイアグノスティックスからのOptiCCAおよびOmni9クリティカルケア分析装置、ノバ・バイオメディカルコーポレーションからのスタットプロファイルウルトラC、ノバ・バイオメディカルコーポレーションからのCRT、ならびにシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスの一部門のデイドベーリング社からのディメンションRxLを包含するが、これらに限定されない。
【0007】
より最近では、診察所または診察所に所在する検査室における検査へのさらなるシフトが起こっている。検査が中央検査室から離れるにつれて、この必要を叶えるために、新たな単回使用医療デバイスが開発されている。
【0008】
診察所環境においては、分析のためのフィンガースティックサンプルを収集するためにキャピラリーを利用する数々のデバイスがある。キャピラリーはガラスまたはプラスチックどちらかであり得る。典型的な分析は例えばHbA1c、脂質などの物質種についてである。ひとたびサンプルが収集されると、これらのキャピラリーに基づく収集デバイスは分析カートリッジにローディングされ、それから、これは分析のための装置にローディングされる。この時点で、診断目的で使用される2つの公知のバイオアッセイがそれらの元々の特許文書の参照によって論じられる。
【0009】
第1に、特許文献1は、カルボン酸基を有するラテックス粒子とラテックス粒子に機能的にカップリングされた安定化剤とを含む安定化ビーズを開示しており、安定化剤は、安定化剤に近接した診断薬の分解または不活性化を完全にまたは実質的に防止することができる。安定化ビーズは、さらに、ラテックス粒子にカップリングされたヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、またはリンカー基の少なくとも1つを含み得る。
【0010】
第2に、特許文献2は、フィブリンブレークダウン産物のDダイマーについて単純な検出アッセイを行うための方法および検査キットを開示している。これは、生物学的サンプルからのDダイマーの直接的な化学結合のために、固相に取り付けられたヒトフィブリノゲンの精製された断片Eを利用する。断片Eはラテックス担体粒子にコンジュゲート化され、凝集アッセイが行われ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0196085号明細書
【特許文献2】欧州特許第0655627号明細書
【特許文献3】米国特許第10,117,615号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
公知の従来技術に対する本発明の利点および違い
従来技術の上記部分は、産業の要件の全てを叶えることにとって充分に満足のいくものとは判明していない。デハイドレーションした細胞では、不正確さが平均の細胞ヘモグロビン濃度の自動測定に付随することが見出されている。凝血においては、追加の混合およびハイドレーション時間などが、コントロールされない向凝固因子活性化を誘発し得る。本発明に従う乾燥した、液体の、または乾燥したかつ液体の試薬アプローチを利用することは、従来技術の方法と比べて粒子および試薬アッセイのための大いなる増大した能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に先立っては様々な量の成功によって達成された免疫診断術の能力を増大させるために、本発明は、特定のマイクロ粒子の機能性を保つために炭水化物マトリックスを使用する。具体的には、本発明は、蛋白質に反応、暴露、またはカップリングされていないラテックスマイクロ粒子を使用する。これらの未反応の粒子は、炭水化物マトリックス中で乾燥されるかまたは液体試薬システムに用いられるときにそれらの生物活性物質吸着特性を保持する。使用時に、粒子はバイオ分子を吸着することができる。この作用は、特に希釈サンプル/希釈剤環境に用いられるときに、全血および血漿中に含有される向凝固因子に対する粒子表面の反応性を助け、向上させる。このプロセスには、凝血アッセイに用いられる種々の活性化因子に対する反応性の蛋白質および粒子混合物の提示が包含される。ラテックスマイクロ粒子が本発明の濁度測定式バイオアッセイに使用され、これにおいては、サンプル溶液の典型的な光学特性は濁らずに澄明である。
【0014】
本発明は、希釈された溶解全血サンプルまたは血漿マトリックスへの改変された方法論の新たな応用を提供することによって、従来技術の失敗に対処する。ここでは、ラテックス粒子が凝固検出の方法を提供する。かかる方法は、結合吸着応用が臨床検査現場において適用されることを許し、製造時間、コスト、ならびにエンドユーザーステージにおいてはインキュベーション反応時間および装置フットプリントまたはサイズを縮減する。無処置のラテックスマイクロ粒子および硫酸またはアミジンなどの表面基を有する粒子が両方とも本発明にとって有効である。各マイクロ粒子タイプが希釈血液アッセイスキームにおいて働くための適切な緩衝液および温度条件もまた必要である。
【0015】
一緒になって、バイオ分子、マイクロ粒子、特殊な緩衝液、およびアッセイ温度は、迅速な臨床アッセイへの使用のための迅速な蛋白質吸収に適する。この特性を保持することは機能性にとって最重要である。加えて、粒子分散もまた大きな役割を有する。溶液中への均一な分散は、迅速な反応および凝集の一貫した分析定量を可能にする。よって、これらの特性の両方を保持することは、いずれかの信頼できる検査コンポーネントの開発にとって必須である。
【0016】
本発明は、ポリスチレンのプレーン(生地)または表面官能化基を有する未コーティングの未コンジュゲート化の蛋白質フリーのラテックスマイクロ粒子を乾燥するためのプロセス方法論を提供する。分散した粒子が、定量可能な分析蛋白質バイオマーカーの吸着を許し、それから、これらはリガンド取り付けに利用可能である。特に、炭水化物からなるマトリックスがバイオマーカー蛋白質の吸着を助けながら、同時に、粒子の迅速な溶解および均一な分散を許す。
【0017】
ある種のバイオアッセイへの使用の容易さのための液体マイクロ粒子試薬を提供することが、本発明の狙いである。凝血診断製品への乾燥または液体ラテックスマイクロ粒子の使用のための方法論を提供することが、本発明の別の狙いである。同時的なヘモグロビン検出および凝固時間値の定量的補正のための方法論を提供することが、本発明のさらなる狙いである。
【0018】
外因系凝血経路の評価と経口抗凝固薬治療(OAT)のモニタリングとのための新たな方法を提供することが、本発明のなお別の狙いである。
【0019】
本発明の方法は、全血サンプルについてのヘモグロビン測定および補正と共に、全血または血漿の凝血時間のアッセイを提供する。種々の実施形態は、希釈レベル、温度、粒子のタイプ、および緩衝液コンポーネントに対する調整を使用して、総体的なバイオアッセイ時間を変える。これらの実施形態は、フレキシブルな乾燥した、液体の、または乾燥したかつ液体のマトリックスを特定のマイクロ粒子と併せて使用する。しかしながら、全てのアッセイコンポーネントは、本発明の方法に従う凝固バイオアッセイのための最も代表的なタイミングのスキームを与えるように調整され得るということは理解されるべきである。全般的には、最終的な全血または血漿サンプル希釈比は、33Cおよび38Cの間で行われる凝固アッセイでは50から75に対して1部の範囲にあるべきである。
【0020】
本発明は、抗凝固薬活性をモニタリングするための使い捨てのバイオアッセイ診断カートリッジを提供することによって、これらおよび他の目標を達成する。使い捨てのカートリッジは、ある量のマトリックスを保有する第1のウェルと(マトリックスは乾燥マトリックスまたは液体マトリックスどちらかである);マイクロ粒子を保有する第2のウェルとを有し得る。マイクロ粒子は、少なくとも1つの表面タイプ:活性を保持する未反応のプレーン(生地)、硫酸基(サルフェート)、カルボン酸基(カルボキシル基またはカルボキシレート)、およびアミジン基の化学構造を有する未コーティングのラテックスであり得る。カートリッジは、さらに、ある量の活性化因子を有する第3のウェルを有し得、活性化因子は、トロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、またはセライトであり得る。
【0021】
マトリックスは、NaCl、PEG、TWEEN(登録商標)、およびCaClの少なくとも1つを有する液体炭水化物マトリックスおよび/または乾燥マトリックスであり得る。使い捨てのカートリッジは、二重光学検出読み取りを助けることができる一体型キュベットを有し得る。一体型キュベットは、530nmの第1のLEDによる第1の光学検出読み取りを助けることができる第1の壁部と;660nmの第2のLEDによる第2の光学検出読み取りを助けることができる第2の壁部とを有し得る。
【0022】
本発明は、分析装置それ自体を例外として、全ての要求されるコンポーネントを有するオールインクルーシブな凝血バイオアッセイ診断キットを提供することによって、他の目標を達成する。かかるキットはフィンガースティック、ピペット、バイオアッセイコンポーネント、および光学キュベットを包含し得る。ユーザーへの衛生的な送達を保証するために、フィンガースティック、ピペット、バイオアッセイコンポーネント、および光学キュベットは、分析装置によってスキャンされ得るバーコードなどの識別子を有する衛生的なかつシールされた容器に含有され得る。バイオアッセイコンポーネントはマトリックスおよびマイクロ粒子を有し得、ここで、マイクロ粒子は少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスであり得、少なくとも1つの表面タイプは、活性を保持する未反応のプレーン(生地のもの)、硫酸基(サルフェート)、カルボン酸基(カルボキシル基またはカルボキシレート)、およびアミジン基の化学構造からなる群から選ばれる。
【0023】
本発明に従うさらなる凝血バイオアッセイは、炭水化物マトリックスと炭水化物マトリックス中のマイクロ粒子とを有し得る。また、このバイオアッセイは、ある量の活性化因子、例えばトロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、およびセライトを有し得る。このバイオアッセイのマトリックスは、乾燥マトリックスまたは液体マトリックスどちらかであり得、炭水化物マトリックスは、マルトリン250(登録商標)、スクロース、またはイソマルトを有し得る。このタイプのバイオアッセイのマイクロ粒子は、約10nmから150nmの直径を有し得、1重量対体積%(%W/V)溶液、2重量対体積%(%W/V)溶液、4重量対体積%(%W/V)溶液、8重量対体積%(%W/V)溶液、または10重量対体積%(%W/V)溶液中にあり得る。
【0024】
上のバイオアッセイを使用することによって、本発明は、希釈された溶解全血、全血(フィンガースティックからそのまま)、血漿、クエン酸加血液、および/または混合された血液および血漿のいずれかの血液サンプルタイプについて、凝固時間測定を得る方法を提供しようとする。それから、かかる方法は:炭水化物マトリックスと炭水化物マトリックス中の複数のマイクロ粒子とを有するマイクロ粒子マトリックスを選択するステップを包含するであろう。マイクロ粒子は、好ましくは、炭水化物マトリックス中の乾燥したまたは液体のときの少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスであり、少なくとも1つの表面タイプは、好ましくは、活性を保持する未反応のプレーン(生地のもの)、硫酸基(サルフェート)、カルボン酸基(カルボキシル基またはカルボキシレート)、およびアミジン基の化学構造からなる群から選ばれる。それから、このマイクロ粒子マトリックスは、試薬として血液サンプルに用いられ得る;それから、希釈された溶解全血または血漿の1つの凝固時間測定が光学検出INRによって得られ得る。代替的には、別個の試薬もまた反応混合物に追加されて、血液サンプル中の天然の凝固基質を活性化し得る。別個の試薬は、好ましくは、活性化因子、例えばトロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、またはセライトであろう。
【0025】
それから、2つの異なる波長における光学密度読み取りを同時に得ることによって、凝固時間測定はサンプルのヘモグロビン濃度について補正され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本発明の方法の例解である。
図1a図1aは、示されている通りスキャナーによる使用のための本発明のバイオアッセイカートリッジキットを選択したユーザーの例解である。
図2図2は、本発明のカートリッジの識別子をスキャンしているユーザーの例解である。
図3図3は、本発明の方法に従って血液サンプルを得るためにフィンガースティックを用いているユーザーの例解である。
図4図4は、本発明のカートリッジからサンプラーを取り出しているユーザーの例解である。
図5図5は、本発明のカートリッジからのサンプラーに血液サンプルを充填しているユーザーの例解である。
図6図6は、充填されたサンプラーを本発明のカートリッジに血液サンプルと共に戻しているユーザーの例解である。
図7図7は、充填されたサンプラーを有する本発明のカートリッジを分析装置に装填しているユーザーの例解である。
図8図8は本発明の1つの実施形態に従うカートリッジの断面像である。
図9図9は本発明のさらなる実施形態に従うカートリッジの断面像である。
図10図10は本発明の1つの実施形態の方法に従う自動ステップの図式である。
図11図11は、図1に示されている方法の1つのステップのさらなる検討の図式である。
図12図12は、図11に示されている方法のステップのさらなる検討の図式である。
図13図13は、図1に示されている方法の別のステップのさらなる検討の図式である。
図14図14は、本方法に従う補正ありまたはなしで、INR値に対して、プロトロンビン時間に対するヘモグロビンの効果を例解するグラフである。
図15図15は、本方法に従う補正ありまたはなしで、INR値に対して、デルタプロトロンビン時間に対するヘモグロビンの効果を例解するグラフである。
図16図16は、標準的なサンプルに対して、ウシ血清アルブミン(BSA)表面基ありまたはなしのマイクロ粒子を用いるバイオアッセイを例解するグラフである。
図17図17は、異常なサンプルに対して、ウシ血清アルブミン(BSA)表面基ありまたはなしのマイクロ粒子を用いるバイオアッセイを例解するグラフである。
図18図18は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第1のアミジン粒子希釈および第1のマトリックスを使用する第1の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図19図19は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第1の硫酸粒子希釈および第1のマトリックスを使用する第2の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図20図20は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第1の表面フリーのマイクロ粒子希釈および第1のマトリックスを使用する第2の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図21図21は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第2のアミジン粒子希釈および第2のマトリックスを使用する第4の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図22図22は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第2の硫酸粒子希釈および第2のマトリックスを使用する第5の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図23図23は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第2の表面フリーのマイクロ粒子希釈および第2のマトリックスを使用する第6の実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図24図24は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、標準的な全血について本発明に従う硫酸マイクロ粒子希釈を使用するバイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図25図25は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、異常な全血について本発明に従う硫酸マイクロ粒子希釈を使用するバイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図26図26は、520nmの光学密度を測定することによって、本発明に従う図25のバイオアッセイにおいて存在するヘモグロビン値の決定を例解するグラフである。
図27図27は、図26からの決定されたヘモグロビン値による調整の結果として、図25で計算された生のプロトロンビン時間の補正を例解するグラフである。
図28図28は、図27で提供されている調整後のプロトロンビン時間に基づいて、図25からのバイオアッセイのINR値の決定を例解するグラフである。
図29図29は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、標準的な全血について本発明に従うカルボキシルマイクロ粒子希釈を使用するバイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図30図30は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、異常な全血について本発明に従うカルボキシルマイクロ粒子希釈を使用するバイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図31図31は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、異なる温度を使用する本発明の2つの実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図32図32は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、異なる温度を使用する本発明の2つの実施形態のプロトロンビン時間アッセイの結果を例解するグラフである。
図33図33は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、クマディンが存在する血液のバイオアッセイに対する標準的な血液のバイオアッセイの結果を例解および比較するグラフである。
図34図34は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、トロンビン時間バイオアッセイの標準的なクエン酸加血液に対するトロンビン時間バイオアッセイの標準的なクエン酸加血漿の結果を例解および比較するグラフである。
図35図35は、活性化部分トロンボプラスチン時間バイオアッセイの標準的なコントロールの結果を例解するグラフである。
図36図36は、比較のために、異常なコントロールによる活性化部分トロンボプラスチン時間バイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図37図37は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、標準的な血漿による第VIII因子の一段因子アッセイによって、活性化部分トロンボプラスチン時間についてのバイオアッセイの結果を例解するグラフである。
図38図38は、時間に対する660nmの光学密度を測定することによって、第VIII因子の一段因子アッセイによる活性化部分トロンボプラスチン時間のバイオアッセイの結果を例解および比較するグラフである。APTTの異常な血漿およびAPTTの一段混合を比較する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施形態は図1~38の参照によって論じられる。上で論じられている通り、本発明は、希釈キャピラリー全血、クエン酸加全血、およびクエン酸加血漿中の凝血因子の活性を決定するための方法および装置に関するプロセス、方法論、システム、および装置を提供する。
【0028】
概説
この時点で、総体的な方法100、システムカートリッジ2、およびバイオアッセイのマニュアルおよび自動部分の概説が、種々の視点から、図1~12の示されている参照によって論じられる。
【0029】
ユーザーの視点からの方法の概説
この時点で、ユーザーの視点の概説が図1~7の参照によって論じられる。ここで示される通り、当初に、バイオアッセイカートリッジまたはカートリッジキットがユーザーによって選択される102。バイオアッセイカートリッジをマニュアル的に選択した後に102、カートリッジは、選択されたバイオアッセイを識別するために分析装置によってスキャンされ得る103。それから、血液サンプルを得ることには104、要求される血液サンプルサイズを提供するための単純なフィンガースティック105が関わり得る。血液サンプルがこのステップにおいて得られ得る容易さは、静脈穿刺または他の大きい血液サンプルサイズの収集を要求する他の従来技術システムおよび方法と比べて本発明のシステムの利益の1つを発揮する。
【0030】
バイオアッセイが当初に識別される場合には、キャピラリーサンプラーは、カートリッジから取り外され106、血液サンプルを充填され107、全てフィンガースティック105を行なって5秒以内に、所定のカートリッジに戻され得る108。充填されたサンプラーをカートリッジに戻した後108に、識別子が分析装置によってスキャンされ103、カートリッジは分析装置に挿入され得る109。カートリッジを分析装置にローディングした後に、自動プロセスが始まる110。それから、選択されたバイオアッセイに依存して、自動プロセスには、バイオアッセイコンポーネントの所定の順序に従って、追加112、混合114、測定116、インキュベーション117、補正118、およびユーザーまたは他の指定された者に結果を報告119という自動ステップが関わるであろう。
【0031】
関わるシステムおよびバイオアッセイの目的に依存して、自動プロセス110は、処方される薬物の量および/またはビルトイン薬物送達システム(示されていない)によって提供される薬物の量を自動調整するさらなるステップ120を包含し得る。
【0032】
図1Aには、ユーザーによって選択された102後のカートリッジキットの例解が示されている。このカートリッジキットは、分析装置システム1への単回使用のための予めパッケージ化されたバイオアッセイカートリッジ2およびフィンガースティック4を包含する。カートリッジキットは、好ましくは、滅菌されたピペット5、サンプラー8、およびキュベット7をもまた包含する。これらは図8~9について下でより詳細に論じられる。本明細書に記載されるバイオアッセイを行うことができる例示的な分析装置システム1は、ノバ・バイオメディカルコーポレーションによるALLEGRO(登録商標)分析装置である。本明細書に記載されるカートリッジ2に用いられることができる例示的なサンプラーおよびカートリッジベースは、ノバ・バイオメディカルコーポレーションの特許文献3により詳しく記載されている。
【0033】
次に、図2~7に目を向ける。これらはカートリッジキットの特定のコンポーネントの使用をユーザーの視点からさらに例解する。具体的には、図2は、本発明の選択されたカートリッジ2をスキャンすることによって、分析装置1にバイオアッセイ方法を識別させているユーザーを例解する。それから、図3は、カートリッジキットによって提供されるフィンガースティック4を用いることによって血液サンプル60へのアクセスを得ているユーザーを例解する。それから、図4は、サンプラー8をカートリッジ2から取り出しているユーザーを示す。次に、図5は、フィンガースティック4によってアクセスされた血液サンプル60をそのサンプラー8に充填しているユーザーを示す。その後に、図6は、充填されたサンプラー8をフィンガースティック4から得られた血液サンプル60と共に本発明のカートリッジ2に戻しているユーザーを例解する。最終的に、図7は、充填されたサンプラー8を有するカートリッジ2を分析装置1に装填し、それによって選択および識別されたバイオアッセイを初期化しているユーザーを示す。これらのコンポーネントを1つになったキットとして単一のパッケージ9によって提供することによって、本発明は総体的な手続き時間の縮減およびユーザーエラーの縮減の両方をする。
【0034】
バイオアッセイカートリッジの概説
本発明のシステムおよび方法論に用いられ得る例示的なカートリッジキットは、図8、9のさらなる参照によってこの時点で記載されるような自給式の単回使用の使い捨ての一体型バイオアッセイカートリッジ2を包含し得る。
【0035】
図8に例解されている第1のカートリッジ2実施形態は、本発明の1つの実施形態に従う単一のタイプのバイオアッセイのみのために、バイオアッセイコンポーネントによって調製される。代替的には、図9に例解されている第2のカートリッジ実施形態は、本発明のさらなる実施形態に従う少なくとも2つのタイプのバイオアッセイのための複数のコンポーネントが予めローディングされる多目的カートリッジ2’である。
【0036】
図8および9は両方とも、分析装置1に対して特定のタイプのカートリッジ(およびそれゆえにバイオアッセイ)を識別することができるバーコードなどの識別子3を有するカートリッジ2を例解する。この識別子3は、カートリッジ2の可視外表面上にまたはメインパッケージ9の外表面上において可視であり得る。このパッケージ9はカートリッジ2、フィンガースティック4、滅菌されたピペット5、サンプラー8、およびキュベット7を含有し得る。図8および9は両方とも、キャピラリーサンプラー8がカートリッジ2それ自体の取り外し可能なコンポーネントであるカートリッジ2を例解する。また、図8および9は両方とも、光学測定を助けることができる側壁部を有する一体型キュベット7を有するカートリッジ2を例解する。しかしながら、パッケージ9は、カートリッジに加えて提供される別個の相違するキュベット7を要求するカートリッジを含有し得るということもまた予想される。
【0037】
また、図8、9は両方とも、本発明の方法に従うアッセイのコンポーネントが予めローディングされる一連のウェル6を有するカートリッジ2を例解する。両方のタイプのカートリッジでは、選択ステージ102(図1~7の参照によって上で論じられている)には、所望のバイオアッセイカートリッジを選択することが関わる。所望のカートリッジ/アッセイを選択した後に102、カートリッジがスキャンされ103、充填され107、それからシステムに挿入される109。
【0038】
ユーザーの視点からは、第1および第2のタイプのカートリッジを用いることの間の唯一の違いはこの時点で始まる。それから、第1のカートリッジでは、ユーザーは、分析装置のアクセスコントロールパネルからのマニュアルユーザー入力によっていくつかのバイオアッセイオプションの1つを選択することによって、自動プロセスオプションをマニュアル的に選択し得る110。一方で、第2のカートリッジタイプでは、カートリッジの挿入109は単独で自動プロセス110をトリガーすることにとって十分である。この第2のカートリッジタイプでは、ユーザーの視点からは、バイオアッセイカートリッジ単独が「選択」される。しかしながら、ユーザーがバイオアッセイオプションを選択し得る前に、バイオアッセイカートリッジが第1に調製されなければならず、調製の前には、バイオアッセイコンポーネントそれら自体が第1に選択されなければならない。さらに図10~13について当初の図1を参照して、いくつかのバイオアッセイカートリッジコンポーネントオプションが下でさらに論じられる。
【0039】
ここで、ひとたびサンプラー8が充填され107カートリッジ2に戻されると必ずしもユーザーによって観察されないカートリッジ2の要素をより具体的に検討する。図8、9に見られ得る通り(付番されていないが)、サンプラー8はキャピラリー要素を有する。これが、使い捨ての検査カートリッジ2のカバー突出のステップ型の突出部分の突出部分上側表面の対応するキャピラリー受け穴から挿入され、それから、ステップ型の突出部分に固定される。
【0040】
挿入およびセットのプロセスの間に、サンプラー8のキャピラリー管は、キャピラリーワイパーの頂端に所在する下側部分の穴から挿入される。下側部分の穴の断面積はキャピラリー管の断面積よりも小さいので、下側部分の穴はキャピラリー管の外側表面に対するスクイージのように作用し、キャピラリー管の外側表面に不注意に配されたいずれかのサンプルがカートリッジ2のチャンバー6内に入ることおよび堆積することを防止する。
【0041】
また、正確さを助けるために、これらのカートリッジ2のキャピラリーワイパーはいずれかのサンプル60をキャピラリー管の外側表面から取り除く。それによって、サンプル60による検査カートリッジ2の適切なウェル6’の「過剰充填」からの誤った結果が防止される。同様に、キャピラリー管はユーザーによって拭われないので、サンプル60による検査2カートリッジのウェル6’の「過小充填」からの誤った結果に至り得るキャピラリー管内のいずれかのサンプル60が不注意に取り除される見込みはないか、またはほとんどない。
【0042】
自動プロセスの概説
それから、カートリッジ2は、血液サンプル60の自動検査部分110のためにポイント・オブ・ケア分析装置1に挿入される。この時点で、これは図10をさらに参照して論じられる。ひとたび分析装置1の内部にあると、分析装置の自動アームが解放可能なタブをロック解除することによってカートリッジ2のカバーを外し、キャピラリーサンプラー8を有するカバーおよびサンプル60は依然として中に納められている。
【0043】
それから、分析装置はカートリッジカバー上の小さい(small a small)尖端を用いて、ウェル6、6’、6’’などのそれぞれのシールを刺通する。それらが運送の間のウェルの内容の交差汚染を防止することができる限り、本カートリッジ2のシールはホイルシールまたは他のカバーであり得る。また、これらのシールは無制御的な水蒸気希釈および蒸発を縮減することができるべきである。
【0044】
それから、自動アームは、ピペットチップ5を第1のウェル6から取り出す。それから、本明細書に記載されるバイオアッセイ方法に従う混合のために、ピペットチップ5は分析装置1によって用いられてサンプルおよび他のバイオアッセイコンポーネントを適切なウェルに移す。
【0045】
乾燥マイクロ粒子マトリックス11が使用される場合には、ピペット5は追加の希釈剤90を第4のウェル6’’’から吸い取り、それをプロトコールに従って第3のウェル6’’内のマイクロ粒子11に追加し、ここで混合および攪拌が起こり、希釈された粒子11を形成する。それから、どのタイプのマトリックスが使用されるかにかかわらず、ピペットチップ5は、選択された量の(この時点で希釈された)マイクロ粒子11を第3のウェル6’’から第2のウェル6’へと吸い取る。
【0046】
それから、カートリッジ2のカバーがカートリッジ上に戻され、ピペッターがキャピラリーサンプラー8と係合し、それによって、サンプル60が、希釈された選択されたマイクロ粒子11が待機する第2のウェル6’に追加される112。それから、分析装置1のアームがカートリッジ2のカバーを再び取り外し、それから、第1の所定の時間に渡って上下にピペッティングすることによって、サンプル60および希釈された選択された粒子11が混合され114、マイクロ粒子11およびサンプル60の混合物121を形成する。
【0047】
それから、ピペットチップ5は、指定された量の選択された形成されたマトリックス40を第5のウェル6’’’’から吸い取り、それから、第2の追加ステップ112において、マトリックス40を第2のウェル6’に追加する。これは既にサンプル60および希釈されたマイクロ粒子11の混合物121を含む。それから、第2の所定の時間に渡って第2のウェル6’において例えば上下にピペッティングすることによって、マトリックス40および混合物121が混合され114、溶液122を形成する(マトリックス40、サンプル60、およびマイクロ粒子11を有する)。
【0048】
その後に、ピペット5は、所定量の溶液122(マトリックス40、サンプル60、およびマイクロ粒子11を含む)を第2のウェル6’から吸い取り、選択された試薬80を含むカートリッジ2の第7のウェル7にこの溶液122を追加する112。それから、溶液122(マイクロ粒子、マトリックス、サンプル)および試薬80が第3の所定の時間に渡って混合され、共混合物123を形成する(この時点でマトリックス40、サンプル60、マイクロ粒子11、および試薬80を有する)。
【0049】
また、図8、9に示されている好ましいカートリッジ2によって行われる場合には、この第7のウェル7は、共混合物123のさらなる移動なしに光学検出がこの時点で起こり得るということを保証するために十分な透明性、粘性、および厚さの壁部を有する一体型光学検出キュベット7である。それから、さらに下でより詳細に論じられる通り、共混合物123の光学密度は、少なくとも2回測定されるであろう112、112’。
【0050】
第1の測定112を開始し、分析装置1の第1の発光デバイス(LED)がオンにされ、660nmの波長の第1のLEDからの光が一体型キュベット7の第1の壁部から透過させられる。それから、光は、共混合物123および一体型キュベット7の第2の壁部を透過させられる。それから、光は分析装置の光検出器によって検出される。連続的な読み取りが所定量の時間に渡って収集されて、第1の凝固データ124を提供する。
【0051】
第2の測定112’では、分析装置1の第2の発光デバイス(LED)がオンにされ、530nmの第2の波長の第2のLEDからの光が一体型キュベット7の第1の壁部から透過させられる。それから、光は、共混合物123および再度一体型キュベット7の第2の壁部を透過させられる。それから、光は分析装置の光検出器によって収集される。ヘモグロビンレベルデータ125を提供するためには、単一の読み取りのみが必要である。これらの測定は第1および第2と呼ばれるが、順序は逆転させられ得るということは認識されるべきである。代替的には、測定を順次に提供する代わりに、それらは同時間的にまたはさらには部分的に同時的に提供され得る。
【0052】
下でさらに論じられるであろう通り、それから、光学検出116、116’からの結果は凝固時間結果126を補正するために用いられる118。それからユーザーに報告されるのは、これらの補正後の結果126である。
【0053】
バイオアッセイコンポーネントの概説
本発明は、いくつかのマイクロ粒子マトリックス10の少なくとも1つを有するバイオアッセイカートリッジ2を提供し、これはこの時点で論じられる。いくつかの実施形態においては、マイクロ粒子マトリックス10はカートリッジ形成に先立って形成され、他の実施形態では、マイクロ粒子マトリックス10はバイオアッセイプロセス110の間の血液サンプル60の追加112の後に形成される。
【0054】
マイクロ粒子マトリックス10はマイクロ粒子11を有し、これらは、ポリスチレンマイクロ粒子上のプレーンな(生地の状態のもの)または表面官能化基を有する未コーティングの未コンジュゲート化の蛋白質フリーのラテックスであり得る。マトリックス40は全般的には炭水化物46からなり、これはバイオマーカー蛋白質の吸着を助けながら、同時に、マイクロ粒子11の迅速な溶解および均一な分散を許す。マトリックス40中のマイクロ粒子11の分散された性質は、定量可能な分析蛋白質バイオマーカーの吸着を許し、それから、これらはリガンド取り付けに利用可能である。
【0055】
本発明に用いられるマイクロ粒子11は、アミジン22および硫酸24などの表面活性基を有するポリスチレンマイクロ粒子18を包含する。本発明のマイクロ粒子11は直径サイズ26が20nmから800nmまたはより多くまでの範囲である。粒子直径26の好ましい範囲は40nmから150nmであり、最も好ましい直径26は75から125nmの範囲である。
【0056】
アミジンマイクロ粒子
本発明の1つの実施形態は、95nmの直径26を有するアミジン粒子22を0.080重量対体積%(%W/V)28の希釈11で使用する。希釈11の光学密度31は660nmで0.19の光学密度値と測定された。
【0057】
本発明のアミジンマイクロ粒子22は直径サイズ26が20nmから800nmまたはより多くまでの範囲である。粒子直径26の好ましい範囲は40nmから150nmであり、より好ましい直径26は75から125nmの範囲であり;最も好ましい直径は90nmから98nmの範囲である。アミジンマイクロ粒子22は、0.006重量対体積%(%W/V)~8重量対体積%(%W/V)の範囲28の希釈11、より好ましくは0.010重量対体積%(%W/V)~0.20重量対体積%(%W/V)の範囲を有する希釈11、最も好ましくは0.080重量対体積%(%W/V)を有する希釈11である。
【0058】
アミジンラテックス粒子22を用いる本バイオアッセイ方法は、1:10から1:400の範囲の;より好ましくは1:20から1:150の範囲のマイクロ粒子22対一酸化二水素のトータルの希釈比30を有する希釈11を要する。
【0059】
本明細書において論じられる本発明の方法に従って調製されるときに、本発明のバイオアッセイ方法の目標を叶え得るアミジンラテックス粒子22は、インビトロジェン(登録商標)から提供される高活性ラテックスビーズを包含し得る。
【0060】
硫酸マイクロ粒子
本発明の別の実施形態は、110nmの直径を有する硫酸マイクロ粒子24を.044重量対体積%(%W/V)希釈で使用する。希釈11の光学密度は660nmで0.21の値と測定された。
【0061】
本発明の他の硫酸マイクロ粒子24は、直径サイズ26が、20nmから800nmまたはより多くまでの範囲である。硫酸粒子24の直径26の好ましい範囲は40nmから150nmであり、より好ましい直径26は75から125nmの範囲であり;最も好ましい直径26は90nmから110nmの範囲である。
【0062】
いくつかの実施形態に従うと、硫酸マイクロ粒子24は、0.001重量対体積%(%W/V)から12重量対体積%(%W/V)の範囲の希釈11、より好ましくは0.01重量対体積%(%W/V)から8重量対体積%(%W/V)の範囲を有する希釈11、最も好ましくは0.016重量対体積%(%W/V)を有する希釈11である。
【0063】
硫酸マイクロ粒子24を用いる本バイオアッセイ方法は、1:50から1:2000の範囲のマイクロ粒子24対一酸化二水素の比;より好ましくは1:100から1:1000の範囲の比を有する;最も好ましくは1:500の比の希釈比30を要する。
【0064】
本明細書において論じられる本発明の方法に従って調製されるときに、本発明の目標を叶え得る硫酸ラテックス粒子24は、インビトロジェン(登録商標)から提供される高活性ラテックスビーズを包含し得る。
【0065】
表面フリーのマイクロ粒子
本発明の別の実施形態は、96nmの直径26を有する表面フリーのマイクロ粒子20を、0.067重量対体積%(%W/V)28を有する希釈11で使用する。この希釈は1対150という希釈比30を有する。希釈11の光学密度31は660nmで0.21の値と測定された。
【0066】
本発明の他の表面フリーのマイクロ粒子20は直径サイズ26が20nmから800nmまたはより多くまでの範囲である。表面フリーのマイクロ粒子20は40nmから150nmという直径26の好ましい範囲を有し、より好ましい直径26は75から125nmの範囲であり;最も好ましい直径26は90nmから110nmの範囲である。いくつかの実施形態に従うと、表面フリーのマイクロ粒子20は、0.001重量対体積%(%W/V)から2重量対体積%(%W/V)の範囲の希釈11、より好ましくは0.01重量対体積%(%W/V)から0.2重量対体積%(%W/V)の範囲を有する希釈11、最も好ましくは0.016重量対体積%(%W/V)を有する希釈11である。
【0067】
表面フリーのマイクロ粒子20を用いる本バイオアッセイ方法は、1:50から1:2000の範囲の;より好ましくは1:100から1:1000の範囲のマイクロ粒子20対一酸化二水素33の希釈比30を有する希釈11を要する。
【0068】
本明細書において論じられる本発明の方法に従って調製されるときに、本発明のマイクロ粒子の要件を叶え得る表面フリーの粒子は、バリアン・ラボ(登録商標)から提供されるプレーンなマイクロ粒子を包含し得る。
【0069】
カルボキシルマイクロ粒子
本発明の他の実施形態は、103nmの直径を有するカルボキシルラテックスマイクロ粒子を.016重量対体積%(%W/V)溶液で使用する。希釈11の光学密度は660nmで0.08の値と測定された。
【0070】
本発明の他のカルボキシルマイクロ粒子25は、直径サイズ26が20nmから800nmまたはより多くまでの範囲である。カルボキシル粒子25直径26の好ましい範囲は40nmから150nmであり、より好ましい直径26は75nmから125nmの範囲であり;最も好ましい直径は90nmから110nmの範囲である。
【0071】
いくつかの実施形態に従うと、カルボキシルマイクロ粒子24は、0.001重量対体積%(%W/V)から2重量対体積%(%W/V)の範囲の溶液28、より好ましくは0.005重量対体積%(%W/V)から.1重量対体積%(%W/V)の範囲を有する溶液28であり、最も好ましくは希釈11は0.016重量対体積%(%W/V)を有する。
【0072】
カルボキシルマイクロ粒子25を用いる本バイオアッセイ方法は、1:50から1:2000の範囲の;より好ましくは1:100から1:1000の範囲のマイクロ粒子25対希釈剤33の希釈比30を有する希釈11を要する。
【0073】
本明細書において論じられる本発明の方法に従って調製されるときに、本発明の目標を叶え得るカルボキシルラテックス粒子24は、インビトロジェン(登録商標)から提供される高活性ラテックスビーズを包含し得る。
【0074】
乾燥マトリックス
全般的には、本発明のバイオアッセイ方法は、プレーンまたは官能化された表面を有するほとんどのラテックス粒子懸濁物を利用し得る。いくつかの実施形態は、界面活性剤などの試薬アテニュエーターを有するマトリックスを使用する。検査された2つのかかる試薬アテニュエーターはポリソルベートタイプ非イオン性界面活性剤およびオクチルフェノールエトキシレート界面活性剤を包含する。本明細書において論じられる本発明の方法によって調製されるときに、本発明の目標を叶え得るポリソルベートタイプの非イオン性およびオクチルフェノールエトキシレート界面活性剤は、Tween(登録商標)およびTriton(登録商標)ファミリーによって提供される界面活性剤を包含し得る。
【0075】
本発明に従う乾燥マトリックスのいくつかは炭水化物、炭水化物誘導体、および混合物を包含する。これらは、粒子を有害な温度から保護する環境を生じ、緩衝液、希釈されたサンプル、または他の流体試薬などの流体の追加によって迅速な再ハイドレーションおよび均一な分散(dispersal)を可能にする。
【0076】
炭水化物およびそれらの誘導体は、粒子を乾燥するために用いられる好ましい化合物であり、本明細書において論じられるバイオアッセイ方法のための乾燥プロセスの間の安定化を提供する。これらの試薬は水によって調製される。しかしながら、低モル濃度緩衝液もまた他の実施形態においては用いられ、これらの例はグリシンおよびビシンを包含する。安定化剤のパーセント濃度は2から25%の範囲であり、5から10%の好ましい範囲を有する。
【0077】
乾燥マトリックスに用いられる化合物は:グリシン、ビシン、塩化ナトリウム、n-オクテニルコハク酸無水物、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、マルトデキストリン、α-(1,6)連結マルトトリオース、α-D-グルコピラノシル-(1→1)-α-D-グルコピラノシド、水の存在下における酸および/または酵素による澱粉の加水分解から得られる水溶性グルコースポリマー、多糖ポリマー、ポリエチレングリコール、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール(15)、ポビドン、スクロース、ソルビトール、12-ヒドロキシステアリン酸のポリオキシエチレンエステル、ならびに1-O-アルファ-D-グルコピラノシル-D-マンニトールを包含する。
【0078】
本発明の目標を叶え得るこれらの化合物の製品の公的に利用可能なバージョンは、HiCap100(登録商標)、KollicoatIR(登録商標)、マルトリン250(登録商標)、プルラン、トレハロース、Solutol(登録商標)プラス、およびSolutol(登録商標)を包含し得る。好ましい実施形態の解決手段はLab9101(登録商標)、マルトリン250(登録商標)、トレハロース(登録商標)、およびスクロースであり、最も好ましいマトリックスはマルトリン(登録商標)、スクロース、およびイソマルトである。一方で、乾燥した硫酸マイクロ粒子を用いる実施形態では、好ましい炭水化物はスクロースまたはイソマルトである。
【0079】
液体マトリックス
また、乾燥マトリックスのそれぞれについて上に記載されている同じ粒子懸濁物は、分注および吸い取りの容易さのために、いわゆる「液体」マトリックスを用いて、より希釈された形態で作られ得る。例えば、乾燥マトリックス製剤が10%スクロースを有する25uLの1:18硫酸ラテックスからなるときには、類似の液体マトリックスは、5%スクロースを有する50uLの1:9硫酸ラテックスの範囲の試薬を有する。他の実施形態では、液体マトリックスは溶解剤(lyse)希釈剤から形成される。
【0080】
本実施形態の液体マトリックスに使用される化合物は:グリシン、ビシン、塩化ナトリウム、n-オクテニルコハク酸無水物、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、マルトデキストリン、α-(1,6)連結マルトトリオース、α-D-グルコピラノシル-(1→1)-α-D-グルコピラノシド、水の存在下における酸および/もしくは酵素による澱粉の加水分解から得られる水溶性グルコースポリマー、多糖ポリマー、ポリエチレングリコール、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール(15)、ポビドン、スクロース、ソルビトール、12-ヒドロキシステアリン酸のポリオキシエチレンエステル、1-O-アルファ-D-グルコピラノシル-D-マンニトール、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG6K、PEG12K、およびPEG20K、ポリソルベートタイプの非イオン性界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤、ならびに/またはUSPアッセイにおいて15秒未満の消泡性能を支持する濃度に注射グレードの精製水の水によって希釈されたシメチコンを包含する。
【0081】
本発明の目標を叶え得るこれらの化合物製品の選ばれた数個の公的に利用可能なバージョンは、HiCap100(登録商標)、KollicoatIR(登録商標)、Lab9101(登録商標)、マルトリン250(登録商標)、プルラン(登録商標)、トレハロース(登録商標)、Solutolプラス(登録商標)、Solutol(登録商標)、FoamAWAY(登録商標)、およびSorbital(登録商標)を包含し得る。
【0082】
試薬
本発明のバイオアッセイ方法は種々の試薬80または活性化因子を使用する。本実施形態の活性化因子として使用される化合物は:トロンボキナーゼ、トロンボプラスチン、組織トロンボプラスチン因子III、血小板組織因子、トロンボキナーゼ、トロンボザイム、組織因子、酵素生成性物質、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、トロンビン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、ケイ酸アルミナ粘土、酸化ケイ素、シリカ、セライト、およびポビドンを包含する。
【0083】
適切に調製されるときに本発明の目標を叶え得るこれらの化合物および製品の選ばれた数個の市販バージョンは、カオリン(登録商標)、Innovin(登録商標)トロンボプラスチン82、APTT-XL84、およびシーメンス(登録商標)トロンビン86を包含し得る。
【0084】
実際のバイオアッセイに先立つ運送のために保存される間には、これらの試薬または活性化因子は追加の安定性を保証するために乾燥状態であり得る。それから、アッセイの間に、これらの試薬80は、例えばDHOなどの希釈剤90によって、種々の量94で、20uLから400uLの範囲で、より好ましくは50uLから300uLの範囲で、50uLから100uLの範囲で、種々の濃度96で希釈され得る。依然として他の実施形態は、CaClまたは他の希釈剤を使用し、これは下の特定の実施形態について論じられる。
【0085】
光学密度&補正
図10について当初に論じられた通り、血漿または全血サンプル60が凝固するために要求される時間の量を測定116、116’および記録するために、コアグロメーター的(濁度測定式)凝固検出の原理が本発明およびシステムに用いられる。この技術は、経時的に検出される光学密度130の変化135を測定することによって、凝血開始132および凝血エンドポイント134を評価する。
【0086】
フィブリノゲンがフィブリンに変換される媒体中において、この媒体を通るいずれかの光はフィブリン鎖によって吸収されるであろうという原理に基づいて、凝固形成124は推測および「検出」される。それゆえに、フィブリン凝固形成が時間の経過によって進行すると、光の吸収が増大し、光学密度130の変化135をもたらす。
【0087】
それから、本明細書において論じられるバイオアッセイのそれぞれでは、上で論じられている通り、サンプルを収集することおよび混合することの後に、光が発生源から共混合物123を透過させられる。それから、透過光が光検出器に導かれる。これは発生源に対して180°の入射で位置する。第1の測定116’の光検出器からの第1の対応する電気シグナル出力は、光学検出を用いてヘモグロビン125のレベルを決定する。
【0088】
共混合物123の光透過率が、所定の時間に渡って光検出器によって再び測定される116。これは第2の対応する電気シグナル出力を生成する。光検出器からのこの第1および第2の対応する電気シグナル出力は両方とも、検出された光に従って変化する。
【0089】
シグナル出力はソフトウェアによって一連のアルゴリズムによって処理されて、付随する凝固点、凝固開始132、および形成134を決定する。手短に言うと、ラテックスマイクロ粒子共混合物123シグナルの光学密度130の変化135が、凝固開始132および形成134を示すために用いられる。
【0090】
減少した操作手続き所要時間
本発明は、凝血検出手続きの検査室エラーのいくつかの発生源に対処しようとする。凝固形成は時間の経過に依存的であるので、凝血検出手続きの検査室エラーの最も大きい発生源の1つは、サンプリング104および測定116の間の時間の経過を原因とする。
【0091】
本発明の原理の1つは、サンプル取得104および検出(測定)116の間の時間の経過を原因として起こり得る増大したエラー数に対処するための従来技術の失敗に対処することである。アッセイコンポーネントをオールインクルーシブなカートリッジ2としてパッケージ化し、アッセイ方法論のための予め選択されたコンポーネントを提供することによって、本発明は検出前のステージを早める。
【0092】
本発明がこのゴールを達成する別のやり方は、検査前に血漿から赤血球を分離する必要なしに全血サンプルを用いることによって正確な結果を達成することができるバイオアッセイを提供することによってである。現行で利用可能なポイント・オブ・ケア分析装置はサンプルとしての血液の血漿の使用を要求する。これは、検査結果を得る前に血液サンプルの血漿からの赤血球の分離を要求し、さらにサンプル取得および検査の間の期間を引き延ばす。
【0093】
現行の分析装置が血液血漿を要求する理由の1つは、従来技術の自動システムおよびアッセイが自己補正分析を提供することの不能を原因とすることが発見された。血液サンプル中のヘモグロビンのレベルは、凝固開始の速度に対するインパクトを有するであろう。本発明者は、個人のヘモグロビン量のばらつきを解決するように光学密度のシグナル出力を調整することの失敗が、凝固開始および形成を正しく識別する際のエラーを生じ得るということを見出した。
【0094】
従来技術のエラーに対処するために、エラーのこの潜在的発生源について、本発明はヘモグロビンの自動補正のためのバイオアッセイ方法を提供する。全血を用いる記載される凝固アッセイ実施形態では、共混合物の光学密度が可視波長で測定される。順次に、別の可視波長でサンプル光学密度を測定することによって、ヘモグロビンレベルが決定される。それから、サンプルの調整後の真の血漿値について、ヘモグロビン測定を用いて、凝固時間が補正される。この自動補正によって提供される利点の利益を例解するために、補正ありまたはなしのプロトロンビン時間INR値に対するヘモグロビンの効果が図14に図解されている。
【0095】
具体的には、図14のグラフは、標準的なサンプルのINRに対する種々のレベルのヘモグロビンの効果(ヘマトクリット効果)を表す。ここで示されている通り、ヘモグロビンは0から23gm/dlの範囲であった。標準的なINRは0.8から1.3INR単位の範囲である。適度な経口抗凝血治療は1.8から2.8INR単位のINRをもたらす。ヘモグロビンが増大すると、全血サンプル中の減少した血漿部分を原因として、INRは増大する。可視範囲の追加のLEDによって、INRは検出されたヘモグロビンについて補正され得る。また、この図はヘモグロビンについて補正後のINRを比較として示す。
【0096】
本発明は、多波長の発光ダイオード(LED)などだがこれに限定されないマルチシグナル測定デバイスを包含するように、装置の能力の拡張を助ける。アッセイを読み取るために共混合物の光学密度を測定することは、好ましくは可視波長で、620nmから700nmの範囲で、より好ましくは650から680nmの間で、さらにより好ましくは658nmおよび668nmの間で、最も好ましくは660nmで行われる。ヘモグロビンレベルを読み取るためにサンプルの光学密度を測定することは、好ましくは可視波長で、500nmおよび550nmの範囲で、より好ましくは510nmおよび545nmの間で、さらにより好ましくは520nmおよび540nmの間で、最も好ましくは530nmで行われる。
【0097】
表1は図14に図解されているデータを示し、サンプルID、ヘモグロビンレベル、および補正前の当初のINRを確認している:
【0098】
表2はサンプルID、ヘモグロビンレベル、および補正後の当初のINRを確認するデータを示している。これらは図14にもまた図解されている:
【0099】
次に、図15に示されている予め承認されたPT/INR分析装置によって得られた血漿INR値(単数または複数)間の違いが、本方法に従うヘモグロビンの補正ありまたはなしで図解されている。再び、ヘモグロビン値は0から23g/dlの範囲であった。
【0100】
表3は、図15に図解されているデータを示し、サンプルID、血漿INR、ヘモグロビンの補正前および後の血漿INR値からの違い(デルタINR)を確認している。
【0101】
標準プロトロンビン時間/INR
標準化されたINRが本発明のバイオアッセイの種々の実施形態に使用されるということは理解されるべきである。出力のばらつきを生ずる用いられるトロンボプラスチンの違いに対処するために、標準化されたプロトロンビン時間INRが使用される。このINR補正測定(または標準化)はプロトロンビン時間、トロンボプラスチンの感度指数、および平均プロトロンビン時間から展開している。
【0102】
具体的には、数学的定式化では、この標準化は次の計算として書かれ得る:
INR=(PT/MT)ISI
ここで、上の式中、INRは標準化値を意味し;PTはプロトロンビン検査時間を意味し;ISIはトロンボプラスチンの感度指数を意味し;MTは20個の標準的なサンプルに由来する平均プロトロンビン時間を意味する。
【0103】
本発明の特定のバイオアッセイ
この時点で、図16~24に目を向ける。これらは、本発明の実施形態に従って行われた特定のバイオアッセイの結果を図解する。具体的に別様に申し立てられない限り、これらのバイオアッセイ結果は、経時的に(秒による)660nmでキネティクスモードを用いる光学密度読み取りを例解する。
【0104】
組織トロンボプラスチンを使用するバイオアッセイ
種々のマイクロ粒子希釈のための様々なマトリックスを使用する本発明の方法に従う異なるバイオアッセイB1~B20の結果が、図16~33に図解され、それぞれの議論は下で提供される。これらのバイオアッセイB1~B20のそれぞれは組織トロンボプラスチン試薬を使用した。具体的には、これらのバイオアッセイのための選択された試薬80は、下のプロトコールのそれぞれに挙げられている量の組織トロンボプラスチンおよびCaClであった。
【0105】
BSAコーティングされたラテックス&プレーンマイクロ粒子によるB1~B4バイオアッセイ
この時点で、本発明に従う4つのバイオアッセイB1~B4の結果を図解する図16および図17に目を向ける。
【0106】
第1のバイオアッセイB1は、ウシ血清アルブミン(BSA)表面基を有するマイクロ粒子27を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。マイクロ粒子は、水中の0.02%アジ化ナトリウムによって1対500の比で0.016%というトータルのマイクロ粒子濃度に希釈された。希釈11の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.08の光学密度値を有した。このバイオアッセイB1は、さらに、水によって希釈されたpH10.0の0.17Mグリシン、1.0MのNaCl、および1%シメチコンを有するマトリックス40を使用した。このバイオアッセイB1は標準的なクエン酸加全血サンプル60によって行われた。
【0107】
比較して、第2のバイオアッセイB2は上のバイオアッセイB20と同一のプロトコールを有し、B2のみがマイクロ粒子20(BSA表面基なし)を有するマイクロ粒子希釈11によって行われた。このバイオアッセイの選択された試薬80は組織トロンボプラスチンおよびCaClであった。
【0108】
図16に示されている通り、上で論じられている従来技術に従って働くことが公知のBSAマイクロ粒子を用いる試みであるB1アッセイでは、経時的な光学密度の一貫した変化は検出されず、それゆえに、凝固開始時間、凝固終了時間、または凝固の変化はB1アッセイでは検出されなかった。
【0109】
また、図16に示されている通り、本明細書において論じられる新規の方法に従って本発明の概念を使用するB2アッセイでは、凝固は約4秒で始まる132ことが見られ得、0.1342のOD値を有し、凝固は約10秒で完了する134ことが見られ得、0.1907のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.0565というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0110】
この差異を確かめるために、今度は異常な血液サンプルによって、これらのバイオアッセイB1およびB2が再び繰り返された。明確にするために、それぞれ第3および第4のバイオアッセイB3およびB4として指定される。
【0111】
図17に示されている通り、上で論じられている従来技術に従って働くことが公知のBSAマイクロ粒子を用いることを再び試みるB3アッセイでは、経時的な光学密度の一貫した変化は検出されず、それゆえに、凝固開始時間、凝固終了時間、または凝固の変化はB3アッセイでは検出されなかった。
【0112】
また、図17に示されている通り、本発明の方法を使用するB4アッセイでは、凝固は約31秒で始まる132ことが見られ得、0.1164のOD値を有し、凝固は約59秒で完了する134ことが見られ得、0.2180のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.1016というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0113】
バイオアッセイB1~B4のプロトコールが下の表16で提供されている:
【0114】
下の表5は、本発明に従う上に記載されているバイオアッセイB1~B4について、ある期間に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度結果のデータを示す:
【0115】
ポリエチレングリコールマトリックスによるB5~B10バイオアッセイ
この時点で、本発明の種々の実施形態に従う6つのバイオアッセイB5~B10の結果を図解する図18~23に目を向ける。
【0116】
具体的には、図18は、本発明に従う第1のバイオアッセイB5の結果を図解する。これは、95nmの直径26を有するアミジン表面基を有するマイクロ粒子22を有しかつ0.080重量対体積%(%W/V)28を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。このバイオアッセイB5は、さらに、pH7.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。
【0117】
B5の希釈の光学密度は660nmで測定されて0.19の光学密度値31を有した。図18に示されている通り、B5アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132ことが見られ得、1.153のOD値を有し、凝固は約50秒で完了する134ことが見られ得、1.164のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.011というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0118】
図19は、第2のバイオアッセイ実施形態B6の結果を図解する。これは、110nmの直径26を有する硫酸表面基24を有するマイクロ粒子と0.044重量対体積28とを有するマイクロ粒子希釈11を使用した。この実施形態B6は、さらに、pH7.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。
【0119】
希釈の光学密度が660nmで測定されて0.21の光学密度値を有した。図19に示されている通り、B6アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132ことが見られ得、0.564のOD値を有し、凝固は約70秒で完了する134ことが見られ得、1.000のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.436というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0120】
次に、第3のバイオアッセイ実施形態B7の結果の図解の図20に目を向ける。これは、0.067重量対体積%で96nmの直径26を有する表面基フリー20のマイクロ粒子を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。この希釈は1対150というマイクロ粒子対希釈剤の希釈比を有した。この実施形態B7は、さらに、pH7.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックスを使用した。
【0121】
希釈された溶液の光学密度が希釈後に660nmで測定されて0.21の光学密度値を有した。図20に示されている通り、B7アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132ことが見られ得、0.514のOD値を有し、凝固は約85秒で完了する134ことが見られ得、1.215のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.701というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0122】
それから、図21は、第4のバイオアッセイ実施形態B8の結果の図解を提供する。これは、95nmの直径26を有するアミジン表面基22を有するマイクロ粒子を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。マイクロ粒子希釈は0.080重量対体積%28を有した。希釈11の光学密度31は、660nmで0.19の光学密度値を有すると測定された。
【0123】
この実施形態B8は、1.29MのNaClと共にpH7.0の0.17Mグリシン47を有するマトリックス40を使用した。マトリックス40は、さらに、1%Tween(登録商標)20および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kの形態の炭水化物誘導体を含む。
【0124】
図21に示されている通り、B8アッセイでは、凝固は約15秒で始まる132ことが見られ得、0.633のOD値を有し、凝固は約65秒で完了する134ことが見られ得、1.081のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.448というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0125】
次に、図22は、マイクロ粒子希釈11を使用した第5のバイオアッセイ実施形態B9の結果の図解を提供する。この希釈11は、硫酸表面基24と110nmの直径26とを有するマイクロ粒子を有する。希釈11の中のマイクロ粒子24は、希釈の0.044重量対体積%で存在した。具体的には、この希釈11は1対180の粒子対水比で水によって希釈された。希釈された溶液の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.21の光学密度値を有した。この実施形態B5は、さらに、pH7.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。
【0126】
図22に示されている通り、B9アッセイでは、示されている通り、データが分析およびエンハンスメントされる場合にのみ、凝固が検出され得る(全データは下の表7に提供されている)。しかしながら、エンハンスメントされたときには、凝固は約25秒で始まる132ことが見られ得、0.3780のOD値を有し、凝固は約85秒で完了する134ことが見られ得、0.3830のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.005というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0127】
それから、図23は、第6のバイオアッセイ実施形態B10の結果の図解を提供する。これは、0.067重量(weight)対体積%で96nmの直径を有する表面基フリー20のマイクロ粒子を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。最終的な希釈は1対150というマイクロ粒子対水の希釈比を有した。
【0128】
希釈11の光学密度31は希釈後に660nmで測定されて0.21の光学密度値31を有した。この実施形態は、さらに、pH7.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。
【0129】
図23に示されている通り、B10アッセイでは、示されている通り、データが分析およびエンハンスメントされる場合にのみ、凝固が検出され得る(全データは下の表7に提供されている)。しかしながら、エンハンスメントされたときには、凝固は直ちに始まる132ことが見られ得、0.3780のOD値を有し、凝固は約85秒で完了する134ことが見られ得、0.3860のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.008というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0130】
上で挙げられている全ての6つの実施形態B5~B10のプロトコールが下の表4に示されている:
【0131】
これらのバイオアッセイB1~B6のそれぞれの全般的な方法は同一であり、全般的に、図10を参照して上で論じられている通り調製された。
【0132】
表5は、本発明に従う上の6つの記載されているバイオアッセイ実施形態のそれぞれについて、1分半に渡って660nmでキネティクスモードを用いる補正後の光学密度結果のデータを示す:
【0133】
シメチコンマトリックスによるB11~B12バイオアッセイ
この時点で、図24に目を向ける。これは、100nmの直径を有する硫酸表面基を有するマイクロ粒子24を有するマイクロ粒子希釈11を使用する本発明に従う第1のバイオアッセイB11の結果を図解する。マイクロ粒子は、水中の0.02%アジ化ナトリウムによって1対500の比で0.016%のトータルのマイクロ粒子濃度に希釈されている。
【0134】
希釈11の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.08の光学密度値を有した。このバイオアッセイB11は、さらに、pH10.0の0.17Mグリシン、1.29MのNaCl、およびFoamAWAY(登録商標)の商業的アイデンティティによってUSPアッセイにおいて15秒未満の消泡性能を支持する濃度の注射グレードの精製水の水によって希釈された1%シメチコンを有するマトリックス40を使用した。このバイオアッセイB11は標準的なサンプル60によって行われた。
【0135】
図24に示されている通り、B11アッセイでは、凝固は約3秒で始まる132ことが見られ得、0.1516のOD値を有し、凝固は約65秒で完了する134ことが見られ得、0.2356のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.084というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0136】
比較して、図25は、上のバイオアッセイB11と同一のプロトコールを有するが、この時点では異常なサンプルのみによって行われたバイオアッセイB12の結果を図解する。図25に示されている通り、B12アッセイでは、凝固はこの時点では約30秒で始まる132ことが見られ得、0.1528のOD値を有し、凝固は約65秒で完了する134ことが見られ得、0.3215のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.1687というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0137】
バイオアッセイB11、B12のプロトコールが下の表16で提供されている:
【0138】
下の表9は、本発明に従う上に記載されているバイオアッセイB11~B12について、バイオアッセイB12では1分に渡って、B11では20秒に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度結果のデータを示す:
【0139】
これらの光学密度値はここでは示されているが、これらの値は標準ではユーザーに提示されないということは理解されるべきである。代わりに、上で論じられている方法に従うと、サンプルの調整後の真の血漿値について、凝固時間はヘモグロビン測定を用いて補正される。それから、上で論じられている通り、この補正後の凝固時間は標準化されたINRを報告するために用いられる。
【0140】
例えば、上の異常な血液のバイオアッセイB12では、ヘモグロビン量を決定するために、第1の光学密度測定116’が取られた。530nmにおいて検出された光学密度は1.5135であり、この光学密度値140は、分析されているサンプル中に存在する特定のヘモグロビンレベル142を決定するために、既知のヘモグロビン値に対するOD値の所定の関係性141と比較された。再び、このレベルは標準ではクライアントまたはユーザーに報告されないが、この分析は図26に図解されている。それから、光学密度測定116の第2のセットが完了した後まで、バイオアッセイB11のこの特定のHGBレベル142はシステムメモリに保存された。
【0141】
図25の参照によって上で論じられている通り、B12アッセイでは、このヘモグロビンレベルにおいて、凝固は第1の時間(30秒)で開始し132、0.1528のOD値を有し、凝固は第2の時間(65秒)で終了し134、0.3215のOD値を有した。デルタ時間(35秒)による吸収135の変化は、0.1687という第1のOD値の違いであった。本発明の方法の種々のバイオアッセイについて、OD値の違いをもたらす時間のある変化による吸収135の変化は、0.005~1.0の間の範囲である。より好ましくは、OD値の違いは少なくとも0.2であり、必要なときには、OD値の違いは少なくとも0.08である。吸収135のこの変化はPT値136を計算するために用いられ得る(47秒。これには0.23715という吸収OD値が付随した)。
【0142】
それから、図24の参照によって決定される通り、システムはこの当初のPT値136を用い、特定のHGBレベル142を取り出す。それから、所定の関係性137が、調整後のまたは補正後のPT値138を決定するために用いられる。具体的には、図27は、サンプル60のヘモグロビンレベル142(12.3)と対応する所定の関係性137による未補正のPT値136の補正を例解する。それから、この関係性137は補正後のPT値138を提供するために用いられる。ここで、ヘモグロビンレベル142について、関係性137は、数学的には:
CPT=PT*SQRT(C/HGB)
として表現され、式中、CPTは補正後のプロトロンビン時間138であり;PTは未補正のプロトロンビン時間136であり;Cはヘモグロビン定数であり;HGBは特定のサンプル60に付随する特定のヘモグロビンレベル142である。
【0143】
それから、図28は補正後のPT138からのINRの計算を例解する。具体的には、この計算は:
INR=(PT/MT)ISI
であり、式中、B12で得られたデータに適用される上の式では、PTはプロトロンビン補正後検査時間138(50.1秒)を意味し;ISIは、用いられるトロンボプラスチンの感度指数(0.98。付随する単位なし)を意味し;MTは、20個の標準的なサンプルに由来する平均プロトロンビン時間(10.2秒)を意味し;INRは標準化値144(4.8。付随する単位なし)を意味する。一般慣行では、補正後のPT値(50.1秒)およびINR値(4.8。付随する単位なし)のみがユーザーに報告されるであろう。
【0144】
カルボキシルマイクロ粒子によるB13~B14バイオアッセイ
この時点で、図29に目を向ける。これは本発明に従うバイオアッセイB13の結果を図解する。これは、103nmの直径を有するカルボキシル表面基を有するマイクロ粒子25を0.016重量対体積%希釈で有するマイクロ粒子希釈11を使用した。カルボキシルマイクロ粒子25を用いる本バイオアッセイ方法は、1:50から1:2000の範囲の;より好ましくは1:100から1:1000の範囲のマイクロ粒子25対一酸化二水素33の希釈比30を有する希釈11を要する。
【0145】
希釈された溶液の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.08の光学密度値を有した。このバイオアッセイB13は、さらに、pH10.0の0.17Mグリシン、1MのNaCl、およびFoamAWAY(登録商標)の商業的アイデンティティによってUSPアッセイにおいて15秒未満の消泡性能を支持する濃度の注射グレードの精製水の水によって希釈された1%シメチコンを有するマトリックスを使用した。このバイオアッセイB13は標準的なサンプル60によって行われた。
【0146】
図29に示されている通り、B13アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132ことが見られ得、0.1304というOD値を有し、凝固は約20秒で完了する134ことが見られ得、0.1826というOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.0522というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0147】
比較して、図30は、上のバイオアッセイB13と同一のプロトコールを有し、この時点では異常なサンプルのみによって行われたバイオアッセイB14の結果を図解する。図30に示されている通り、B14アッセイでは、凝固は約40秒で始まる132ことが見られ得、0.1218というOD値を有し、凝固は約68秒で完了する134ことが見られ得、0.2027というOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.0811というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0148】
バイオアッセイB13、B14のプロトコールが下の表10で提供されている。
【0149】
下の表11は、本発明に従う上に記載されているバイオアッセイB13~B14について、バイオアッセイB13では1分に渡って、B14では20秒に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度結果のデータを示す:
【0150】
異なる操作温度によるB15~B18バイオアッセイ
典型的には、本発明に従う多くのバイオアッセイは生理的温度において行われるが、これはいつも当てはまるわけではない。全般的には、ほとんどの温度は本発明の方法に適用され得るということは理解されるべきである。しかしながら、上で論じられているバイオアッセイでこの変数を調整することは潜在的なばらつきを導入し、その結果、バイオアッセイ結果は全般的に変えられるであろう。それゆえに、これらのばらつきを解決することなしには、特に、正確なタイミングが臨床的なアウトカムにインパクトを及ぼし得る凝固アッセイにおいては、温度のばらつきは導入されるべきではない。
【0151】
図31および32は、2つの異なる温度において2つの異なるマイクロ粒子マトリックスを使用する本発明の4つのバイオアッセイ実施形態B15~B18の結果を図解する。全ての4つのバイオアッセイ実施形態のプロトコールが下の表12に提供されている:
【0152】
具体的には、バイオアッセイB15は、95nmの直径を有するアミジン表面基22を有するマイクロ粒子を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。0.080重量対体積%では、この希釈11は、水によって希釈されたマイクロ粒子22を1対50の比で有した。希釈された溶液の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.19の光学密度値を有した。このバイオアッセイB15は、pH7.0の0.17Mグリシン、0.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。このバイオアッセイB15は22Cの温度で行われた。
【0153】
図31に示されている通り、B15アッセイでは、凝固はほとんど直ちに約4秒で始まる132ことが見られ得、1.079のOD値を有し、凝固は約100秒で完了する134ことが見られ得、1.748のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.669というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0154】
また、図31には、類似のバイオアッセイB16の結果の図式が見られる。また、このバイオアッセイB16は、95nmの直径を有するアミジン表面基を有するマイクロ粒子22を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。0.080重量対体積%で存在するマイクロ粒子22は1対50の希釈比30で水によって希釈された。希釈の光学密度31は希釈後に660nmで測定されて0.19の光学密度値31を有した。また、このバイオアッセイB16は、pH7.0の0.17Mグリシン、0.29MのNaCl、および10%ポリエチレングリコール(PEG)20Kを有するマトリックス40を使用した。しかしながら、バイオアッセイB15とは違って、このバイオアッセイB16は37Cの操作温度で行われた。
【0155】
また、図31に示されている通り、B16アッセイでは、凝固値は見分けることがより難しいが、凝固は再びほとんど直ちに約4秒で始まる132’ことが見られ得、1.023というOD値を有する。B15アッセイとは違って、B16アッセイは凝固を速やかに完了するように見える。なぜなら、凝固は約40秒で完了134’されるように見え、1.110というOD値を有するからである。経時的な吸収135’の変化は、0.087というOD値の違いのみを有する光学密度値の変化である。
【0156】
次に、図32に目を向けると、本発明に従うバイオアッセイB17およびB18の別のペアの結果の図式がある。第1のバイオアッセイB17では、マイクロ粒子希釈11は、0.95nmの直径26を有するアミジン表面基を有するマイクロ粒子22を使用した。水によって1対50の比で希釈されたマイクロ粒子22は、このバイオアッセイB17では、0.080重量対体積%で希釈11中に存在した。
【0157】
希釈11の光学密度31は660nmにおいて測定されて0.19という光学密度値を有した。このバイオアッセイB17は、pH7.0の0.17Mグリシン、0.29MのNaCl、10%ポリエチレングリコール(PEG)20K、および1%Tween(登録商標)20を有するマトリックス40を使用した。バイオアッセイB17は22Cの操作温度で行われた。
【0158】
図32に示されている通り、B17アッセイでは、凝固は約12秒で始まる132ことが見られ得、0.997というOD値を有し、凝固は約58秒で完了する134ことが見られ得、1.772というOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.775というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0159】
本発明に従う第2のバイオアッセイB18は、0.080重量対体積%で0.95nmの直径を有するアミジン表面基を有するマイクロ粒子22を使用するマイクロ粒子希釈を用いた。希釈11は1対50の希釈比を有した。希釈された溶液の光学密度は希釈後に660nmで測定されて0.19という光学密度値を有した。また、このバイオアッセイB18は、pH7.0の0.17Mグリシン、0.29MのNaCl、10%ポリエチレングリコール(PEG)20K、および1%Tween(登録商標)20を有するマトリックスを使用した。しかしながら、バイオアッセイB17とは違って、バイオアッセイB18は37Cの操作温度で行われた。
【0160】
また、図32に示されている通り、B18アッセイでは、凝固値は見分けることがより難しいが、凝固は再び約20秒で始まる132’ことが見られ得、0.653のOD値を有する。B18アッセイは凝固134’を約60秒で完了するように見え、1.054のOD値を有する。経時的な吸収135’の変化は、0.401というOD値の違いのみを有する光学密度値の変化である。
【0161】
これらのバイオアッセイB15~B18のそれぞれの全般的な方法は同一であり、全般的には、図10を参照して上で論じられている通り調製された。
【0162】
下の表13は、本発明に従う上に記載されているバイオアッセイB15~B18のそれぞれについて、数分に渡って660nmでキネティクスモードを用いる補正後の光学密度結果のデータを示す:
【0163】
抗凝固薬の使用をモニタリングするためのB19~B20バイオアッセイ
この時点で、図33に目を向ける。これはプロトロンビン時間バイオアッセイB19、B20の結果を図解する。これらは凝血の外因系経路を測定し、経口抗凝固薬の使用をマルチステップでモニタリングする。これらのバイオアッセイB11、B12は、標準的な全血サンプルの本発明の方法の第1のアッセイB19対経口抗凝固薬クマディン(登録商標)を取っている患者からのサンプルの本発明の方法の第2のアッセイB20について、秒による時間に対する光学密度の測定の結果を例解するプロトロンビン時間アッセイである。
【0164】
クマディン(登録商標)(ワルファリンとしてもまた公知)はビタミンK合成を阻害し、よって、第VII因子の半減期を阻害する。第VII因子レベルは、このグラフでは、本明細書に記載される通りプロトロンビン時間検査および二重波長補正を用いてアッセイおよび補正されている。
【0165】
図33に例解されている通り、標準的な凝固時間132は典型的には約15から20秒後に始まるのが見られる。ここでは、凝固形成が、上で論じられている通り第VII因子活性化による外因系凝血経路によって開始される。具体的には、図33において例解されている通り、標準的な血液サンプルのアッセイB19は凝固132をおよそ15秒で始め、クマディンサンプルのアッセイB20は凝固132’をおよそ100秒で始める。
【0166】
これらのアッセイB19およびB20の両方では、マイクロ粒子希釈11は、0.080重量対体積%で95nmの直径26を有するアミジン表面基を有するマイクロ粒子22を使用した。これらのマイクロ粒子希釈11は1対50の比で水によって希釈された。希釈の光学密度は希釈後に660nmで測定されて、0.19の光学密度値を有した。
【0167】
図33に示されている通り、B19アッセイでは、凝固は約15秒で始まる132ことが見られ得、0.989のOD値を有し、凝固は約90秒で完了する134ことが見られ得、1.700のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.711というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0168】
また、図33に示されているB20アッセイでは、凝固は約50秒で始まる132’ことが見られ得、0.919のOD値を有し、凝固は約180秒で完了する134’ことが見られ得、1.6290のOD値を有する。経時的な吸収135’の変化は、0.7100というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0169】
バイオアッセイB19、B20のプロトコールが下の表14で提供されている:
【0170】
これらのバイオアッセイB19~B20のそれぞれの全般的な方法は同一であり、全般的には、図10の参照によって上で論じられている通り調製された。表15は、標準的なクエン酸加血液による第1のバイオアッセイB19およびクマディンクエン酸加血液による第2のバイオアッセイB20について、2分に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度のデータを示す:
【0171】
トロンビンを使用するバイオアッセイ
種々のマイクロ粒子希釈のための様々なマトリックスを使用する本発明の方法に従う異なるバイオアッセイB21~B22の結果が図34に図解され、それぞれの議論は下で提供される。これらのバイオアッセイB21~B22のそれぞれはトロンビン試薬を使用した。具体的には、これらのバイオアッセイのための選択された試薬80は、下のプロトコールのそれぞれに挙げられている量の組織トロンボプラスチンおよびCaClであった。
【0172】
フィブリノゲンレベルを測定するためのB21~B22バイオアッセイ
この時点で、図34に目を向ける。これは、トロンビン時間(TT)アッセイB21、B22の結果を図解する。これはフィブリノゲンレベルおよび機能を直接測定し、トロンビン阻害剤がサンプル中に存在するかどうかをもまた決定するであろう。図34は、クエン酸加血漿の30uLトロンビン試薬による本発明の方法の第1のTTアッセイB21対本発明の方法に従う20uLトロンビン試薬およびクエン酸加血液による第2のTTアッセイB22について、秒による時間に対する光学密度の測定の結果を例解する。
【0173】
バイオアッセイB15、B16のプロトコールが下の表16で提供される:
【0174】
具体的には、これらのバイオアッセイB21、B22は、0.2重量対体積%で110nmの直径26を有する硫酸表面基を有するマイクロ粒子24を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。バイオアッセイB21、B22は両方とも、pH10.0の0.17Mグリシン、1.0MのNaClを有するマトリックス40を使用した。第1のバイオアッセイB21は30uLのシーメンス(登録商標)トロンビン時間(TT)試薬を使用し、第2のバイオアッセイB22は20uLのシーメンス(登録商標)トロンビン時間(TT)試薬を使用した。
【0175】
本発明の方法に用いられ得るいくつかのトロンビン阻害剤は、未分画へパリン、低分子量ヘパリン、および直接アンチトロンビン経口抗凝固薬であり、ヒルジン、リバーロキサバン、アピキサバン、ダビガトラン、およびアルガトロバンを包含するが、これらに限定されない。これらのバイオアッセイB21~B22のそれぞれの全般的な方法は同一であり、全般的には、図10を参照して上で論じられている通り調製された。
【0176】
図34に示されている通り、B21アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132ことが見られ得、0.1829のOD値を有し、凝固は約100秒で完了する134ことが見られ得、0.3481のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.1652というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0177】
また、図34に示されているB22アッセイでは、凝固は約5秒で始まる132’ことが見られ得、0.1357のOD値を有し、凝固は約80秒で完了する134’ことが見られ得、0.2491のOD値を有する。経時的な吸収135’の変化は、0.1134というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0178】
表17は、30uLトロンビン試薬による第1のバイオアッセイB21および20uLトロンビン試薬による第2のバイオアッセイB22について、3分に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度のデータを示す。
【0179】
活性化部分トロンボプラスチンを使用するバイオアッセイ
種々のマイクロ粒子希釈のための様々なマトリックスを使用する本発明の方法に従う異なるバイオアッセイB23~B27の結果が図35~38に図解され、それぞれの議論は下で提供される。これらのバイオアッセイB23~B27のそれぞれは活性化部分トロンボプラスチン試薬を使用した。具体的には、これらのバイオアッセイのための選択された試薬80は、下のプロトコールのそれぞれに挙げられている量の活性化部分トロンボプラスチンおよびCaClであった。
【0180】
内因系経路のためのB23~B24バイオアッセイ
この時点で、図35および36に目を向ける。これらは、活性化部分トロンボプラスチン時間(APPT)バイオアッセイB23、B24の結果を図解する。これらは凝血の内因系経路をシングルステップで測定する。具体的には、図35は、標準的なコントロールの本発明の方法の第1のAPTTバイオアッセイB23について、秒による時間に対する光学密度の測定の結果を例解する。それから、図36は、本発明の方法に従う異常なコントロールの第2のAPTTバイオアッセイB24について、秒による時間に対する光学密度の測定の結果を例解する。
【0181】
バイオアッセイB23、B24は両方とも、110nmの直径を有する硫酸表面基を有する0.392重量対体積%マイクロ粒子24を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。20uLの0.005MのCaClを有する上で論じられている乾燥マトリックスが使用された。別のウェルに、100uLのAPTT-XL試薬が150uLの蒸留水によって希釈された。これらのバイオアッセイB23~B24のそれぞれの全般的な方法は同一であり、全般的には、図10を参照して上で論じられている通り調製された。
【0182】
図35に示されている通り、B23アッセイでは、凝固は約13秒で始まる132ことが見られ得、0.5524のOD値を有し、凝固は約150秒で完了する134ことが見られ得、0.9315のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.3791というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0183】
図36に示されている通り、B24アッセイでは、凝固は約65秒で始まる132ことが見られ得、0.5111のOD値を有し、凝固は約240秒で完了する134ことが見られ得、0.9097のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.3986というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0184】
バイオアッセイB23、B24のプロトコールが下の表19で提供されている:
【0185】
表19は、標準的なコントロールによる第1のバイオアッセイB23および異常なコントロールによる第2のバイオアッセイB24について、3分に渡って660nmでキネティクスモードを用いる光学密度のデータを示す:
【0186】
一段APTTに基づく因子のB25~B27バイオアッセイ
具体的には、図37および38は、凝血の内因系経路の活性および活性レベルを測定するための一段APTTに基づく因子について、3つのバイオアッセイB25、B26、およびB27の結果を図解する。第1のバイオアッセイB25は標準的な血漿にAPTTを用い、第2のバイオアッセイB26は異常な99.9%第VIII因子を欠乏した血漿にAPTTを用い、第3のバイオアッセイB27は、血漿の標準的な/異常な混合によるAPTT一段因子アッセイである。
【0187】
具体的には、図37および38は、バイオアッセイB25、B26、B27の結果を図解する。これらは、110nmの直径を有する硫酸表面基を有する0.044%粒子濃度のマイクロ粒子24を有するマイクロ粒子希釈11を使用した。この希釈11は、水によって1から180の比で希釈されたマイクロ粒子を有した。希釈11の光学密度が660nmで測定されて0.21の光学密度値を有した。これらのバイオアッセイはそれぞれがさらに、pH10.0の0.17Mグリシンおよび1.0MのNaClを有するマトリックス40を使用した。
【0188】
第XII、XI、IX、VIII因子はこれらのアッセイによって直接測定される。加えて、第X、V、II因子が測定される。なぜなら、それらは最終的な凝固に至る共通の経路カスケードに関わるからである。カルシウムおよびリン脂質の追加と共に、第XII因子の共通の表面活性化因子の追加によって、部分トロンボプラスチンがサンプルから形成される。活性化因子はカオリン(登録商標)、セライト、エラグ酸であるが、これらに限定されない。本発明の方法に従う一段因子アッセイは、サンプルの個々の因子レベルを、既知因子を欠乏したサンプルおよび標準的なサンプルの希釈に由来する標準曲線とこのレベルを比較することによってタイトレーションする。
【0189】
バイオアッセイB25、B26の全般的な方法は、全般的に、図10の参照によって上で論じられている通り調製された。一段因子バイオアッセイB27は図10で論じられている同じ全般的な方法を用いるが、加えて、サンプル60の応答をアテニュエーションするために、既知量の単一の既知因子を欠乏した乾燥した血漿を追加のウェル6’’’に有する。本明細書において開示される方法に従って、ソフトウェアから提供される標準曲線を用いて、サンプル60の実際の応答のレベルが測定116、補正118、および報告119される。
【0190】
図37に示されている通り、B25アッセイでは、凝固は約30秒で始まる132ことが見られ得、0.0340のOD値を有し、凝固は約100秒で完了する134ことが見られ得、0.3530のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.3190というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0191】
図38に示されている通り、B26アッセイでは、凝固は約100秒で始まる132ことが見られ得、0.3140のOD値を有し、凝固は約200秒で完了する134ことが見られ得、0.8440のOD値を有する。経時的な吸収135の変化は、0.3986というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0192】
また、図38に示されているB27アッセイでは、凝固は約50秒で始まる132’ことが見られ得、0.1820のOD値を有し、凝固は約110秒で完了する134’ことが見られ得、0.5480のOD値を有する。経時的な吸収135’の変化は、0.3660というOD値の違いを有する光学密度値の変化である。
【0193】
全ての3つのバイオアッセイB25~B27のプロトコールが下の表20で提供されている:
【0194】
下の表21は、本発明に従う上に記載されているバイオアッセイB25~B27のそれぞれについて、5分に渡って660nmでキネティクスモードを用いる補正後の光学密度結果のデータを示す:
【0195】
参照番号付きの要素のリスト
本願の図面中の参照番号付きの要素を参照するために、次の参照番号が本明細書において遵守される。
【符号の説明】
【0196】
1 分析装置
2 カートリッジ
3 バーコード
4 フィンガースティック
5 滅菌されたピペット
6 ウェル
7 キュベット
8 サンプラー
9 メインパッケージ
10 マイクロ粒子マトリックス
11 マイクロ粒子希釈
18 官能基のタイプ
20 プレーン(生地)
22 アミジン
24 硫酸基(サルフェート)
26 サイズ
28 重量対体積%(%W/V)
30 希釈比
31 光学密度値
32 量
33 希釈剤
40 マトリックス
42 湿潤マトリックス
44 乾燥マトリックス
46 炭水化物
47 グリシン
48 量
50 酸性度
52 NaCl
54 PEG
56 TWEEN(登録商標)
60 血液サンプル
61 クエン酸加血液
62 全血
63 血漿
64 混合
65 量
68 マイクロ粒子混合物
70 温度
80 試薬/活性化因子
82 トロンボプラスチン
84 APTT
86 トロンビン
88 エラグ酸
90 希釈剤
92 CaCl
100 方法
102 カートリッジ/バイオアッセイを選択
103 カートリッジを分析装置によってスキャン
104 血液サンプルを得る
105 フィンガースティックを行う
106 カートリッジと提供されるキャピラリーサンプラーを取り外す
107 サンプラーを血液に触れさせ、サンプラーにサンプルを充填する
108 サンプラーをカートリッジに戻す
109 カートリッジを分析装置に挿入する
110 自動バイオアッセイプロセスステップ
112 コンポーネントを追加
114 混合/撹拌コンポーネント
115 インキュベーション
116 測定
118 補正
119 結果を報告
120 調整
121 混合物
122 溶液
123 共混合物
124 光学検出される凝固形成
125 光学検出されるヘモグロビンレベル
126 補正後の凝固時間
130 光学密度
132 凝固が始まる
134 凝固が終了する
135 吸収の変化=経時的な光学密度の変化
136 未補正のPT
137 HGB関係性
138 補正後のPT
140 530nmで検出されるOD値
141 HGBに対するOD値の所定の関係性
142 特定のHGBレベル
【0197】
結論
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されたが、上の記載は単に例解的である。本明細書において開示された本発明のさらなる改変がそれぞれの分野の業者によって想到されるであろう。全てのかかる改変は、添付の請求項によって定められる本発明の範囲内であると見なされる。
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液サンプル中の凝血活性をモニタリングする方法であって、当該方法は、
複数のマイクロ粒子、血液サンプル、およびマトリックスを含有している第1の混合物を形成し、
該第1の混合物及び試薬を含有している第2の混合物を形成し、
該第2の混合物について少なくとも二つの光学測定を行い、
ここで、
該少なくとも二つの光学測定のうちの第1の光学測定は、該第2の混合物を通して第1の光を透過せしめることを含んでおり、
該少なくとも二つの光学測定のうちの第2の光学測定は、該第2の混合物を通して第2の光を透過せしめることを含んでいる、
ということを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
該第1の混合物を形成することは、該複数のマイクロ粒子を該血液サンプルと混合し、第3の混合物を形成し、そして該第3の混合物を該マトリックスと混合することを含むものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該複数のマイクロ粒子は、未反応の生地のもの、硫酸基、カルボン酸基、およびアミジン基からなる群から選ばれた表面タイプの少なくとも1つの表面タイプを有する未コーティングのラテックスを含むものである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
該複数のマイクロ粒子は、ポリスチレンを包含している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該複数のマイクロ粒子のそれぞれは、10nmから150nmの範囲の直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該複数のマイクロ粒子のそれぞれは、90nmから110nmの範囲の直径を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該血液サンプルは、希釈された溶解全血、希釈キャピラリー全血、全血、血漿、クエン酸加血、クエン酸加全血、クエン酸加血漿、及び、混合された血液および血漿からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該マトリックスは、乾燥マトリックスである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該マトリックスは、液体マトリックスである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該マトリックスは、バイオマーカー蛋白質の吸着を助ける炭水化物または炭水化物誘導体を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該炭水化物または炭水化物誘導体は、さらに、該複数のマイクロ粒子の溶解および均一な分散を許している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該マトリックスは、グリシン、塩化ナトリウム、および1%シメチコンの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該マトリックスが、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリソルベートタイプ非イオン性界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤、炭水化物および塩化カルシウムの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該試薬は、トロンボプラスチン、トロンビン、エラグ酸、活性化部分トロンボプラスチン、第II因子、第VII因子、第I因子、第X因子、第XII因子、活性化プロテインC、ヘビ毒、負荷電リン脂質、カルシウムイオン、組織因子、シリカ、カオリン(登録商標)、およびセライトからなる群から選ばれるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
該第1の光及び該第2の光の少なくとも一つは、発光ダイオード(LED)光を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該第1の光は、500nm~550nmの間の範囲にある波長のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該第1の光は、510nm~545nmの間の範囲にある波長のものである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該第1の光は、520nm~540nmの間の範囲にある波長のものである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該第1の光は、530nmの波長の光を含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該第2の光は、620nm~700nmの間の範囲にある波長のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
該第2の光は、650nm~680nmの間の範囲にある波長のものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該第2の光は、658nm~668nmの間の範囲にある波長のものである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該第2の光は、660nmの波長の光を含んでいる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該第1の混合物を形成する場合に、該複数のマイクロ粒子は、該血液サンプルと混合される前に希釈剤と混合せしめられる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
該第1の混合物を形成することと該第2の混合物を形成することの少なくとも一方は、アッセイカートリッジ内で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
該アッセイカートリッジは、該複数のマイクロ粒子、該マトリックス及び該試薬を有しており、且つ、該血液サンプルを受容するように構成されている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法を行うように構成されているシステムであって、該システムは、
該複数のマイクロ粒子、該マトリックス及び該試薬を有しているアッセイカートリッジであって、且つ、該血液サンプルを受容するように構成されているアッセイカートリッジと、
該第2の混合物を通して該第1の光及び該第2の光を送るように構成されている分析装置と
を有していることを特徴とする該システム。