(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156801
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20241029BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20241029BHJP
G09G 3/3291 20160101ALI20241029BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20241029BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20241029BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20241029BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20241029BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20241029BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20241029BHJP
H10K 59/90 20230101ALI20241029BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
G09G3/20 641P
G09G3/3233
G09G3/3291
G09G3/36
G09G3/20 624B
G02F1/1368
G02F1/133 550
H05B33/14 Z
H05B33/02
H10K59/131
H10K59/90
H10K59/123
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124262
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2023138726の分割
【原出願日】2018-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2017245276
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018030646
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(57)【要約】
【課題】回路面積が小さく、消費電力の低い表示装置を提供する。
【解決手段】画像信号線と、画像データ保持部と、補正データ保持部と、表示素子と、を
有する表示装置であって、補正データ保持部は画像信号線に電気的に接続され、画像信号
線は画像データ保持部に電気的に接続され、画像データ保持部は表示素子に電気的に接続
されている。画像信号線は、寄生容量によって、第1画像データを保持する機能を有し、
画像データ保持部は、第1画像データを保持する機能を有する。補正データ保持部は、補
正データを保持する機能と、画像データ保持部が第1画像データを保持した後に、補正デ
ータ保持部に補正データを保持することによって、第1画像データ及び補正データに応じ
て、第1画像データよりも多階調の第2画像データを生成する機能を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路と、第2回路と、画像信号線と、を有し、
前記第1回路は、画像データ保持部と、表示素子と、を有し、
前記第2回路は、補正データ保持部を有し、
前記第2回路は、前記画像信号線に電気的に接続され、
前記画像信号線は、前記第1回路に電気的に接続され、
前記画像データ保持部は、前記表示素子に電気的に接続され、
前記補正データ保持部は、第1乃至第3スイッチと、第1容量素子と、を有し、
前記画像データ保持部は、第4スイッチと、第2容量素子と、を有し、
前記第1スイッチの第1端子は、前記第1容量素子の第1端子と、前記画像信号線と、に電気的に接続され、
前記第1スイッチの第2端子は、前記第2スイッチの第1端子に電気的に接続され、
前記第1容量素子の第2端子は、前記第2スイッチの第2端子と、前記第3スイッチの第1端子と、に電気的に接続され、
前記第4スイッチの第1端子は、前記画像信号線と電気的に接続され、
前記第4スイッチの第2端子は、前記第2容量素子に電気的に接続され、
前記画像データ保持部および前記補正データ保持部は、第1乃至第4機能を有し、
前記第1機能は、
前記第2スイッチをオフ状態にし、前記第3スイッチをオン状態にして、前記第1容量素子の第2端子に第1電位を書き込む機能と、
前記第2スイッチをオフ状態にし、前記第1スイッチ及び前記第4スイッチのそれぞれをオン状態にして、前記画像信号線と、前記第4スイッチの第2端子と、に第1画像データに応じた第2電位を書き込む機能と、を有し、
前記第2機能は、
前記第1スイッチをオフ状態にし、前記第4スイッチをオン状態にして、前記画像信号線と、前記第4スイッチの第2端子と、を電気的に浮遊状態にする機能を有し、
前記第3機能は、
前記第1スイッチ及び前記第3スイッチのそれぞれをオフ状態にし、前記第2スイッチをオン状態にして、前記第1容量素子の第2端子に補正データに応じた第3電位を書き込む機能と、
前記第1容量素子の第2端子の電位が、前記第1電位から前記第3電位に変動したことによって、前記画像信号線と前記第4スイッチの第2端子とによって保持されている第2電位が、第2画像データに応じた第4電位に変動する機能と、を有し、
前記第4機能は、
前記第4スイッチをオフ状態にして、前記第4電位に応じて前記表示素子を駆動する機能を有し、
前記表示素子は、前記第2画像データに応じた画像を表示する機能を有する表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1乃至第4スイッチの少なくとも一は、トランジスタであり、
前記トランジスタは、チャネル形成領域に、金属酸化物又はシリコンの一方を有する表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2電位は、前記第2画像データの上位ビットに応じた電位であり、
前記第3電位は、前記第2画像データの下位ビットに応じた電位である表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記表示素子は、液晶素子であり、
前記液晶素子の第1端子は、前記画像データ保持部に電気的に接続されている表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記表示素子は、発光素子であり、
駆動回路部を有し、
前記駆動回路部は駆動トランジスタを有し、
前記駆動トランジスタのゲートは、前記画像データ保持部に電気的に接続され、
前記駆動トランジスタの第1端子は、前記第2容量素子の第2端子と、前記発光素子の入力端子と、に電気的に接続されている表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の表示装置と、筐体と、を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、及び電子機器に関する。
【0002】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様
は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マ
ター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様
の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像
装置、記憶装置、プロセッサ、電子機器、システム、それらの駆動方法、それらの製造方
法、又はそれらの検査方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型情報端末、ノート型PC(パーソ
ナルコンピュータ)、携帯ゲーム機等が有する表示装置において、様々な面で改良が進め
られている。例えば、解像度を大きくする、色再現性を高くする、駆動回路を小さくする
、消費電力を低減する、等の表示装置の開発が行われている。また、例えば、多階調の画
像を表示するため、多階調リニアデジタルアナログ変換回路を用いた、液晶素子を有する
表示装置のソースドライバICの発明が、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、表示装置が有する画素回路に含まれるスイッチング素子として、酸化物半導体を
半導体薄膜としたトランジスタを適用する技術などが挙げられる。
【0005】
トランジスタに適用可能な半導体薄膜として、シリコン系半導体材料が広く知られてい
るが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。酸化物半導体としては、例え
ば、酸化インジウム、酸化亜鉛などの一元系金属の酸化物のみでなく、多元系金属の酸化
物も知られている。多元系金属の酸化物の中でも、特に、In-Ga-Zn酸化物(以下
、IGZOとも呼ぶ。)に関する研究が盛んに行われている。
【0006】
IGZOに関する研究により、酸化物半導体において、単結晶でも非晶質でもない、C
AAC(c-axis aligned crystalline)構造およびnc(n
anocrystalline)構造が見出された(非特許文献1乃至非特許文献3参照
。)。非特許文献1および非特許文献2では、CAAC構造を有する酸化物半導体を用い
てトランジスタを作製する技術も開示されている。さらに、CAAC構造およびnc構造
よりも結晶性の低い酸化物半導体でさえも、微小な結晶を有することが、非特許文献4お
よび非特許文献5に示されている。
【0007】
さらに、IGZOを活性層として用いたトランジスタは極めて低いオフ電流を持ち(非
特許文献6参照。)、その特性を利用したLSIおよび表示装置が報告されている(非特
許文献7および非特許文献8参照。)。また、特許文献2には、IGZOを活性層に含む
トランジスタを、表示装置の画素回路に用いる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8462145号明細書
【特許文献2】特開2010‐156963号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】S. Yamazaki et al., “SID Symposium Digest of Technical Papers”, 2012, volume 43, issue 1, p.183-186
【非特許文献2】S. Yamazaki et al., “Japanese Journal of Applied Physics”, 2014, volume 53, Number 4S, p.04ED18-1-04ED18-10
【非特許文献3】S. Ito et al., “The Proceedings of AM-FPD’13 Digest of Technical Papers”, 2013, p.151-154
【非特許文献4】S. Yamazaki et al., “ECS Journal of Solid State Science and Technology”, 2014, volume 3, issue 9, p.Q3012-Q3022
【非特許文献5】S. Yamazaki, “ECS Transactions”,2014, volume 64, issue 10, p.155-164
【非特許文献6】K. Kato et al., “Japanese Journal of Applied Physics”, 2012, volume 51, p.021201-1-021201-7
【非特許文献7】S. Matsuda et al., “2015 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers”, 2015, p.T216-T217
【非特許文献8】S. Amano et al., “SID Symposium Digest of Technical Papers”, 2010, volume 41, issue 1, p.626-629
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
表示装置が高品位な画像を表示する条件として、表示装置は、例えば、高解像度、多階
調、広色域などであることが求められる。例えば、有機EL(Electro Lumi
nescence)素子などの発光素子、又は透過型液晶素子や反射型液晶素子などの液
晶素子を含む表示装置において、多階調の画像を実現するには、ソースドライバ回路を好
適に設計する必要がある。
【0011】
多階調の画像データを扱うには、ソースドライバ回路に含まれる、デジタルアナログ変
換回路の分解能を高くする必要があり、デジタルアナログ変換回路は、その分解能を高く
することによって、アナログ値(電圧)をより細かく出力することができる。しかし、分
解能の高いデジタルアナログ変換回路を設計する場合、当該デジタルアナログ変換回路の
回路面積が増大してしまう。
【0012】
本発明の一態様は、多階調の画像データを生成できる表示装置を提供することを課題の
一とする。また、本発明の一態様は、新規の表示装置を提供することを課題の一とする。
また、本発明の一態様は、当該表示装置を有する新規の電子機器を提供することを課題の
一とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、回路面積の小さいソースドライバ回路を有する表示装置を提
供することを課題の一とする。また、本発明の一態様は、消費電力の小さいソースドライ
バ回路を有する表示装置を提供することを課題の一とする。
【0014】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は
、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題のうち、少なくとも一つの
課題を解決するものである。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題
の全てを解決する必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)
本発明の一態様は、第1回路と、第2回路と、画像信号線と、を有し、第1回路は、画
像データ保持部と、表示素子と、を有し、第2回路は、補正データ保持部を有し、第2回
路は、画像信号線に電気的に接続され、画像信号線は、第1回路に電気的に接続され、画
像データ保持部は、表示素子に電気的に接続され、第1回路は、画像データ保持部に、第
1画像データを保持する機能を有し、第2回路は、補正データ保持部に、補正データを保
持する機能と、画像信号線と画像データ保持部に保持されている第1画像データを補正デ
ータに応じて第2画像データに補正する機能と、を有し、表示素子は、第2画像データに
応じた画像を表示する機能を有する表示装置である。
【0016】
(2)
又は、本発明の一態様は、上記(1)の構成において、第2回路は、第1乃至第3スイ
ッチと、第1容量素子と、を有し、第1回路は、第4スイッチと、第2容量素子と、を有
し、第1スイッチの第1端子は、第1容量素子の第1端子と、画像信号線と、に電気的に
接続され、第1スイッチの第2端子は、第2スイッチの第1端子に電気的に接続され、補
正データ保持部は、第2スイッチの第2端子と、第1容量素子の第2端子と、第3スイッ
チの第1端子と、に電気的に接続され、第4スイッチの第1端子は、画像信号線と電気的
に接続され、画像データ保持部は、第4スイッチの第2端子と、第2容量素子と、電気的
に接続される表示装置である。
【0017】
(3)
又は、本発明の一態様は、上記(2)の構成において、第1乃至第4スイッチの少なく
とも一は、トランジスタであり、トランジスタは、チャネル形成領域に、金属酸化物又は
シリコンの一方を有する表示装置である。
【0018】
(4)
又は、本発明の一態様は、上記(2)、又は(3)の構成において、第1乃至第4機能
を有し、第1機能は、第2スイッチをオフ状態にし、第3スイッチをオン状態にして、補
正データ保持部にに第1電位を書き込む機能と、第2スイッチをオフ状態にし、第1スイ
ッチ及び第4スイッチのそれぞれをオン状態にして、画像信号線と、前記画像データ保持
部と、に第1画像データに応じた第2電位を書き込む機能と、を有し、第2機能は、第1
スイッチをオフ状態にし、第4スイッチをオン状態にして、画像信号線と、画像データ保
持部と、を電気的に浮遊状態にする機能を有し、第3機能は、第1スイッチ及び第3スイ
ッチのそれぞれをオフ状態にし、第2スイッチをオン状態にして、補正データ保持部に補
正データに応じた第3電位を書き込む機能と、第1容量素子の第2端子の電位が、第1電
位から第3電位に変動したことによって、画像信号線と画像データ保持部とによって保持
されている第2電位が、第2画像データに応じた第4電位に変動する機能と、を有し、第
4機能は、第4スイッチをオフ状態にして、第4電位に応じて表示素子を駆動する機能を
有する表示装置である。
【0019】
(5)
又は、本発明の一態様は、上記(4)の構成において、第2電位は、第2画像データの
上位ビットに応じた電位であり、第3電位は、第2画像データの下位ビットに応じた電位
である表示装置である。
【0020】
(6)
又は、本発明の一態様は、上記(2)乃至(5)のいずれか一の構成において、表示素
子は、液晶素子であり、液晶素子の第1端子は、画像データ保持部に電気的に接続されて
いる表示装置である。
【0021】
(7)
又は、本発明の一態様は、上記(2)乃至(5)のいずれか一の構成において、表示素
子は、発光素子であり、駆動回路部を有し、駆動回路部は駆動トランジスタを有し、駆動
トランジスタのゲートは、画像データ保持部に電気的に接続され、駆動トランジスタの第
1端子は、第2容量素子の第2端子と、発光素子の入力端子と、に電気的に接続されてい
る表示装置である。
【0022】
(8)
又は、本発明の一態様は、上記(1)乃至(7)のいずれか一の構成の表示装置と、筐
体と、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によって、多階調の画像データを生成できる表示装置を提供することが
できる。また、本発明の一態様によって、新規の表示装置を提供することができる。また
、本発明の一態様によって、当該表示装置を有する電子機器を提供することができる。
【0024】
また、本発明の一態様によって、回路面積の小さいソースドライバ回路を有する表示装
置を提供することができる。また、本発明の一態様によって、消費電力の小さいソースド
ライバ回路を有する表示装置を提供することができる。
【0025】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は
、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目
で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又
は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる
。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び他の効果のうち、少なくとも一つの
効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果
を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図7】表示装置の動作例を説明するためのタイミングチャート。
【
図17】
図16の表示装置において、補正データに応じた電位の書き込みによって、画像データに応じた電位の変動を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属
の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む
)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)
などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属
酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用
、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構
成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide sem
iconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FET、又はO
Sトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトラ
ンジスタと換言することができる。
【0028】
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal ox
ide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(me
tal oxynitride)と呼称してもよい。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。
【0030】
<表示装置の構成例1>
初めに、表示装置の構成例について説明する。
図1は、表示素子を有する表示装置の一
例を示したブロック図である。表示装置DDは、表示部PAと、ソースドライバ回路SD
と、ゲートドライバ回路GDと、を有する。
【0031】
表示部PAは、複数の画素PIXを有する。なお、
図1では、表示部PAが有する複数
の画素PIXのうち一つのみが図示されており、他の画素PIXについては省略している
。また、表示部PAが有する複数の画素PIXは、マトリクス状に配置されていることが
好ましい。
【0032】
図1では、画素PIXは、画像信号線として機能する配線SLを介して、ソースドライ
バ回路SDと電気的に接続されている。加えて、画素PIXは、選択信号線として機能す
る配線GLを介して、ゲートドライバ回路GDと電気的に接続されている。なお、表示部
PAは、画素PIXを複数有しているため、配線SLに電気的に接続されている画素PI
Xは複数としてもよい。同様に、配線GLに電気的に接続される画素PIXも複数として
もよい。また、配線SL及び配線GLのそれぞれは、表示部PAに含まれる画素PIXの
個数に応じて、複数設けてもよい。更に、画素PIXの回路構成によっては、一つの画素
PIXに対して、複数の配線SL、又は複数の配線GLを電気的に接続する構成としても
よい。
【0033】
画素PIXは、1つ以上の副画素を有する構成とすることができる。例えば、画素PI
Xには、副画素を1つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)な
どのいずれか一つの色)、副画素を3つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、及び青色
(B)の3色など)、あるいは、副画素を4つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、青
色(B)、白色(W)の4色、または、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、黄色(Y
)の4色など)を適用できる。なお、副画素に適用される色要素は、上記の組み合わせに
限定されず、必要に応じて、シアン(C)及びマゼンタ(M)などを組み合わせてもよい
。
【0034】
ソースドライバ回路SDは、表示部PAに含まれる画素PIXに入力するための画像デ
ータを生成する機能と、当該画像データを画素PIXに送信する機能と、を有する。
【0035】
ソースドライバ回路SDは、例えば、シフトレジスタSRと、ラッチ回路LATと、レ
ベルシフト回路LVSと、デジタルアナログ変換回路DACと、アンプ回路AMPと、デ
ータバス配線DBと、を有することができる。
図1では、シフトレジスタSRの出力端子
がラッチ回路LATのクロック入力端子に電気的に接続され、ラッチ回路LATの入力端
子がデータバス配線DBに電気的に接続され、ラッチ回路LATの出力端子がレベルシフ
ト回路LVSの入力端子に電気的に接続され、レベルシフト回路LVSの出力端子がデジ
タルアナログ変換回路DACの入力端子に電気的に接続され、デジタルアナログ変換回路
DACの出力端子がアンプ回路AMPの入力端子に電気的に接続され、アンプ回路AMP
の出力端子が表示部PAに電気的に接続されている。
【0036】
なお、
図1に図示しているラッチ回路LATと、レベルシフト回路LVSと、デジタル
アナログ変換回路DACと、アンプ回路AMPと、は1本の配線SLに対して設けられて
いる。つまり、配線SLの本数に応じて、ラッチ回路LATと、レベルシフト回路LVS
と、デジタルアナログ変換回路DACと、アンプ回路AMPと、のそれぞれを複数設ける
必要がある。なお、この場合、シフトレジスタSRは、複数のラッチ回路LATのクロッ
ク入力端子のそれぞれに対して、順次パルス信号を送信する構成とすればよい。
【0037】
データバス配線DBは、表示部PAに入力するための画像データを含むデジタル信号を
送信するための配線である。当該画像データは、階調度を有しており、階調度が大きいほ
ど、色又は明るさの変化をよりなめらかに表現でき、自然に近い画像を表示部PAに表示
することができる。但し、階調度が大きいほど、当該画像データのデータ量は大きくなり
、且つ分解能の高いデジタルアナログ変換回路を用いる必要がある。
【0038】
ラッチ回路LATの入力端子には、データバス配線DBから画像データを含むデジタル
信号が入力される。そして、ラッチ回路LATは、シフトレジスタSRから送信される信
号によって、当該画像データの保持、又は保持した当該画像データを出力端子から出力、
のどちらか一方の動作を行う。
【0039】
レベルシフト回路LVSは、入力信号をより大きい振幅電圧またはより小さい振幅電圧
の出力信号に変換する機能を有する。
図1では、ラッチ回路LATから送られる画像デー
タを含むデジタル信号の振幅電圧を、デジタルアナログ変換回路DACが適切に動作する
振幅電圧に変換する役割を有する。
【0040】
デジタルアナログ変換回路DACは、入力された画像データを含むデジタル信号をアナ
ログ信号に変換する機能と、当該アナログ信号を出力端子から出力する機能と、を有する
。特に、表示部PAに多階調の画像データを表示する場合、デジタルアナログ変換回路D
ACは高分解能のデジタルアナログ変換回路とする必要がある。
【0041】
アンプ回路AMPは、入力端子に入力されたアナログ信号を増幅して、出力端子に出力
する機能を有する。デジタルアナログ変換回路DACと表示部PAとの間にアンプ回路A
MPを設けることにより、画像データを安定的に表示部PAに送ることができる。アンプ
回路AMPとしては、オペアンプなどを有するボルテージフォロワ回路などを適用するこ
とができる。なお、アンプ回路として差動入力回路を有する回路を用いる場合、当該差動
入力回路のオフセット電圧は、限りなく0Vに近い電圧とすることが好ましい。
【0042】
ソースドライバ回路SDは、上述の動作を行うことによって、データバス配線DBから
送られる、画像データを含むデジタル信号をアナログ信号に変換して、表示部PAに送信
することができる。
【0043】
ゲートドライバ回路GDは、表示部PAに含まれる複数の画素PIXのうち、画像デー
タの入力先となる画素PIXを選択する機能を有する。
【0044】
表示部PAに画像データを入力する方法としては、例えば、ゲートドライバ回路GDは
、ある一本の配線GLに電気的に接続されている複数の画素PIXに選択信号を送信して
、複数の画素PIXに含まれる、画像データの書き込みスイッチング素子をオン状態とし
、その後、ソースドライバ回路SDから、配線SLを介して、複数の画素PIXに画像デ
ータを送信して、画像データの書き込みを行えばよい。そのため、本明細書等では、配線
GLはゲート線、選択信号線などと言い換えることができ、配線SLはソース線、データ
線、画像信号線などと言い換えることができる。
【0045】
なお、本発明の一態様は、
図1に示した表示装置DDの構成に限定されない。本発明の
一態様は、例えば、設計仕様、目的などの状況に応じて、表示装置DDの構成要素を適宜
変更したものとすることができる。
【0046】
ところで、多階調の画像を表示部PAに表示する場合、デジタルアナログ変換回路DA
Cの分解能を高くすればよいが、この場合、デジタルアナログ変換回路DACが大きくな
るため、ソースドライバ回路SDの回路面積が大きくなる場合がある。ソースドライバ回
路SDの回路面積を小さくするため、ソースドライバ回路SDが有する回路に含まれるト
ランジスタや容量素子などの回路素子を小さくすると、寄生抵抗の影響や回路素子の作製
時に起因する構造のバラつきの影響などによって、回路素子の電気的特性が損なわれる可
能性がある。
【0047】
<表示装置の構成例2>
本発明の一態様の表示装置は、上記を鑑み構成されたもので、画素PIXの画像データ
の保持部の電位を、容量結合によって、デジタルアナログ変換回路DACの出力可能な電
位よりも精度の大きい電位に変動させる構成となっている。換言すれば、本発明の一態様
の表示装置によって、デジタルアナログ変換回路DACよりも高い分解能の電位を、画素
PIXの画像データの保持部に与えることができる。これにより、デジタルアナログ変換
回路の分解能を高くする必要がなくなるため、分解能の低いデジタルアナログ変換回路を
用いることができる。そのため、デジタルアナログ変換回路DACを含むソースドライバ
回路SDの回路面積を低くすることができ、またソースドライバ回路SDの消費電力を低
減することができる。
【0048】
本発明の一態様の表示装置の構成例を
図2(A)(B)に示す。
【0049】
図2(A)のブロック図は、液晶素子を有する表示装置の一例を示しており、表示装置
DD1は、表示部PAと、表示部PAの周辺に設けられる回路と、を有する。
【0050】
具体的には、
図2(A)に示す表示装置DD1は、
図1に示した表示部PAと、ゲート
ドライバ回路GDと、ソースドライバ回路SDと、の他に、補正データ保持部104を有
する。そして、表示部PAに含まれる画素PIXは、画像データ保持部101と、表示素
子103と、を有する。
【0051】
補正データ保持部104の入力端子は、ソースドライバ回路SDの出力端子と電気的に
接続され、補正データ保持部104の出力端子は、配線SLと電気的に接続されている。
【0052】
図2(A)に示す表示部PAは、
図1に示す表示部PAと同様に、複数の画素PIXを
有する。なお、
図2(A)は、表示部PAに含まれる複数の画素PIXのうち一つのみを
図示しており、他の画素PIXについては省略している。表示部PAに含まれる画素PI
Xにおいて、画像データ保持部101は、表示素子103と電気的に接続されている。ま
た、画像データ保持部101は、配線SLと電気的に接続されている。
【0053】
画像データ保持部101は、ソースドライバ回路SDから、補正データ保持部104と
配線SLとを介して、送られる画像データを保持する機能を有する。また、画像データ保
持部101は、画像データを保持するための、書き込みスイッチング素子、容量素子など
を有することができる。
【0054】
図2(A)に示す画素PIXに含まれる表示素子103は、画素PIXから射出される
光を制御する機能を有する。当該光の強さ(輝度、階調の高さなどと言い換えることがで
きる。)は、画像データ保持部101に保持された画像データに応じて決まる。
【0055】
表示素子103としては、上述した通り、液晶素子を適用することができる。当該液晶
素子としては、例えば、透過型液晶素子、反射型液晶素子などが挙げられる。また、液晶
素子以外としては、例えば、電気泳動素子、電子粉流体(登録商標)を用いた表示素子、
エレクトロウェッティング方式の表示素子などが挙げられる。なお、表示素子103とし
て、無機EL素子、有機EL素子などの発光素子を適用する場合については、後述する。
【0056】
図2(A)に示す配線VAは、画素PIXに電気的に接続されている。配線VAは、例
えば、画像データ保持部101に画像データを保持するための容量線、表示素子103の
液晶素子の一方の端子に電位を与えるための配線などとすることができる。そのため、配
線VAは、一又は複数の配線とすることができる。
【0057】
図1の表示装置DDの説明では、配線GLは、画素PIXに画像データを書き込む際に
、事前に選択信号を送信する機能を有する、と説明したが、
図2(A)の画素PIXと配
線VAとの間をオン状態、オフ状態を制御する機能を有してもよい。そのため、配線GL
は、一又は複数の配線とすることができる。これにより、配線VAからの電圧の印加及び
/又は電流の供給を一時的に停止することができる。
【0058】
図2(B)のブロック図は、有機EL素子や無機EL素子などの発光素子を有する表示
装置の一例を示している。
【0059】
具体的には、
図2(B)に示す表示装置DD2は、表示装置DD1の画素PIXとほぼ
同様の構成を有しているが、表示部PAに含まれる画素PIXが、駆動回路部102を有
している点で、表示装置DD1と異なる。そのため、表示装置DD2については、上述の
表示装置DD1と異なる部分のみ説明を行い、表示装置DD1と同じ部分の説明を省略す
る。
【0060】
駆動回路部102は、画像データ保持部101と、表示素子103と、に電気的に接続
されている。
【0061】
駆動回路部102は、画像データ保持部101に保持された画像データに応じて、表示
素子103を駆動する機能を有する。例えば、表示素子103として、有機EL素子など
電流によって発光輝度が決まる発光素子を適用している場合、駆動回路部102は、当該
電流を制御する駆動トランジスタを有することができる。なお、駆動トランジスタは表示
素子103に対して、駆動電流を流す機能を有する。
【0062】
図2(B)に示す画素PIXが有する表示素子103としては、例えば、上述したとお
り、発光素子を適用することができる。発光素子としては、例えば、無機EL素子、有機
EL素子などが挙げられる。また、それ以外としては、例えば、マイクロLEDなどが挙
げられる。
【0063】
図2(B)の配線VAは、
図2(A)に示す配線VAと同様に画素PIXに電気的に接
続されている。ここでの配線VAは、画像データ保持部101に画像データを保持するた
めの容量線、駆動回路部102を駆動するための電圧供給線、発光素子に電流を供給する
配線などとすることができる。そのため、
図2(B)の配線VAは、
図2(A)に示す配
線VAと同様に一又は複数の配線とすることができる。
【0064】
次に、補正データ保持部104と、画像信号線として機能する配線SLと、画素PIX
について詳述する。
図3は、配線SLの寄生容量及び配線抵抗と、画素PIXの回路構成
例と、補正データ保持部104の回路構成例と、を示した回路図である。なお、
図3では
、補正データ保持部104との接続関係を示すため、ソースドライバ回路SDを図示して
いる。また、画素PIXでは、スイッチSWCと、容量素子Csと、の回路素子のみを図
示しており、それ以外の回路素子の記載を省略している。また、
図3では、画素PIXに
電気的に接続されている配線SLを図示しているが、画素PIXに対して選択信号を送信
するための配線(
図1及び
図2に示す配線GLに相当する配線)、特定のノードに所定の
電位を与えるための配線(
図2に示す配線VAに相当する配線)などは省略している。
【0065】
図3に示す配線SLには、上述のとおり、配線SLが有する寄生容量と、配線抵抗と、
を図示している。具体的には、配線SLは、1個の画素PIXに対して、配線抵抗として
抵抗素子Rpと、寄生容量として容量素子Cpを有している。
図3に示す表示部PAは、
1列に対して画素PIXをN個(Nは1以上の整数である。)有しており、配線SLは、
直列に接続されたN個の抵抗素子Rpと、並列に接続されたN個の容量素子Cpと、を有
するものとする。また、
図3では、容量素子Cpの第1端子と抵抗素子Rpの第1端子と
の電気的接続点に、1個の画素PIXが電気的に接続されているものとする。
【0066】
図3に示す表示部PAにおいて、i行目(iは1以上N以下の整数である。)に設けら
れている画素PIXを、画素PIX[i]と図示している。また、本明細書では、特に断
らない限り、画素PIX[1]乃至画素PIX[N]のそれぞれのアドレスの記載を省略
する場合がある。また、
図3では、画素PIX[1]、画素PIX[2]、画素PIX[
N]を図示しており、それ以外の画素PIXについては省略している。
【0067】
画素PIXは、スイッチSWCと、容量素子Csと、を有する。スイッチSWCの第1
端子は、容量素子Csの第1端子と電気的に接続され、スイッチSWCの第2端子は、配
線SLと電気的に接続されている。容量素子Csの第2端子は、配線VCと電気的に接続
されている。スイッチSWCのオン状態、オフ状態の切り替えは、例えば、画素PIXに
対して送られる、配線GLなどからの選択信号によって行われる。
【0068】
容量素子Csは、例えば、
図2で説明した画像データ保持部101に含まれる、画像デ
ータを保持するための容量素子とすることができる。また、配線VCは、例えば、当該画
像データを保持するために、容量素子Csの第2端子に適切な電位を与えるための配線と
することができる。
【0069】
寄生容量として機能する容量素子Cpの第2端子は、配線VPが電気的に接続されてい
るものとする。配線VPとしては、例えば、画素PIXに対する選択信号を送信するため
の配線GL、配線VCなどとすることができる。
【0070】
補正データ保持部104は、スイッチSW1乃至スイッチSW3と、容量素子Cdと、
を有する。スイッチSW1の第1端子は、容量素子Cdの第1端子と、配線SLと、に電
気的に接続され、スイッチSW1の第2端子は、スイッチSW2の第1端子と、ソースド
ライバ回路SDと、に電気的に接続されている。スイッチSW3の第1端子は、容量素子
Cdの第2端子と、スイッチSW2の第2端子と、に電気的に接続され、スイッチSW3
の第2端子は、配線VGと電気的に接続されている。
【0071】
なお、本実施の形態では、スイッチSW2の第2端子と、容量素子Cdの第2端子と、
スイッチSW3の第1端子と、の電気的接続点をノードND3と呼称する。
【0072】
補正データ保持部は、スイッチSW2をオン状態にすることで、容量素子Cdの第2端
子(ノードND3)に補正データを書き込むことができる。
【0073】
配線VGは、補正データ保持部104に保持した補正データをリセットするための配線
であり、例えば、基準電位を与える配線とすることができる。
【0074】
<画素の回路構成例>
次に、
図1乃至
図3に示す画素PIXに適用できる、回路構成例について説明する。
【0075】
図4(A1)に示す画素PIXは、トランジスタTr1と、容量素子C1と、液晶素子
LCと、を有する。また、配線DL、配線GL、配線VCOMは、画素PIXと電気的に
接続されている。
【0076】
トランジスタTr1は、スイッチング素子として機能する。特に、トランジスタTr1
は、液晶素子LCの第1端子と配線DLとの間を電気的に接続する、又は非接続にするト
ランジスタとして機能する。つまり、トランジスタTr1は、
図3の画素PIXに含まれ
るスイッチSWCに相当することができる。また、トランジスタTr1は、実施の形態3
に記載の構成を適用することができる。
【0077】
配線DLは、画素PIXに画像データを送信するための配線であり、
図1乃至
図3に示
す配線SLに相当する配線である。加えて、配線GLは、画素PIXに対する選択信号線
であり、
図1及び
図2に示す配線GLに相当する配線である。
【0078】
配線VCOMは、液晶素子LCの第2端子に所定の電位を与えるための配線である。所
定の電位としては、例えば、基準電位、低レベル電位、それらよりも低い電位などとする
ことができる。また、配線VCOMは、表示部PAが有する複数の画素PIXのそれぞれ
に含まれる液晶素子LCの第2端子に対して、共通の電位を与えることができる。
【0079】
トランジスタTr1の第1端子は、容量素子C1の第1端子に電気的に接続され、トラ
ンジスタTr1の第2端子は、配線DLに電気的に接続され、トランジスタTr1のゲー
トは、配線GLに電気的に接続されている。
【0080】
なお、本実施の形態では、トランジスタTr1の第1端子と、容量素子C1の第1端子
と、液晶素子LCの第1端子と、の電気的接続点をノードND1と呼称する。
【0081】
液晶素子LCの第2端子は、配線VCOMに電気的に接続されている。また、容量素子
C1の第2端子は、配線VCOMと電気的に接続されている。
【0082】
容量素子C1は、トランジスタTr1の第1端子と配線VCOMとの間の電位差を保持
する機能を有する。また、容量素子C1は、
図3に示す画素PIXに含まれる容量素子C
sに相当することができる。この場合、
図3に示す配線VCは、
図4(A1)の配線VC
OMに相当することができる。なお、容量素子C1は、容量素子C1の第1端子の電位を
保持する役割を有すればよいため、容量素子C1の第2端子は、配線VCOM以外の定電
位を与える配線と電気的に接続されていてもよい。
【0083】
また、
図4(A1)に示す画素PIXにおいて、トランジスタTr1及び容量素子C1
は、
図2(A)に示す画素PIXの画像データ保持部101が有する回路素子に相当する
ことができる。また、
図4(A1)に示す画素PIXにおいて、液晶素子LCは、
図2(
A)に示す画素PIXの表示素子103に相当することができる。
【0084】
図4(A1)に示す画素PIXは、ノードND1に画像データに応じた電位を保持する
ことで、液晶素子LCに含まれる液晶分子が、液晶素子LCの第1端子‐第2端子間に電
圧に従って配向する。配向された液晶分子は、表示装置に含まれるバックライトユニット
からの光を透過するため、又は、表示装置に含まれる反射電極によって表示装置の外から
入射された光を反射するため、画素PIXから画像データに応じた光を射出することがで
きる。
【0085】
図4(A1)の画素PIXにおいて、トランジスタTr1は、OSトランジスタである
ことが好ましい。特に、OSトランジスタは、チャネル形成領域にインジウム、元素M(
元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、又はスズ)、亜鉛の少なくとも一を
有する酸化物であることが好ましい。また、当該酸化物は、実施の形態4で詳述する。こ
のようなOSトランジスタをトランジスタTr1に適用することで、トランジスタのオフ
電流を非常に低くすることができる。容量素子C1の第1端子(ノードND1)にデータ
を保持する場合、トランジスタTr1をOSトランジスタとすることで、オフ電流による
、ノードND1に保持されたデータの破壊を防ぐことができる。
【0086】
また、トランジスタTr1としては、例えば、チャネル形成領域にシリコンを有するト
ランジスタを適用することができる(以後、Siトランジスタと記載する。)。シリコン
としては、例えば、水素化アモルファスシリコン、微結晶シリコン、または多結晶シリコ
ン等を用いることができる。
【0087】
なお、
図4(A1)に示すトランジスタTr1は、バックゲートを有するトランジスタ
であってもよい。
図4(A2)に示す画素PIXは、
図4(A1)に示す画素PIXが有
するトランジスタTr1にバックゲートを設けた構成となっている。
図4(A2)では、
トランジスタTr1は、ゲートとバックゲートとが電気的に接続されている。ゲートとバ
ックゲートとが電気的に接続されたトランジスタは、当該トランジスタに流れるオン電流
を高くすることができるため、
図4(A2)に示す画素PIXの構成にすることによって
、画素PIXを速く動作することができる。なお、
図4(A2)に示す画素PIXは、ト
ランジスタTr1のゲートとバックゲートと接続した構成としているが、トランジスタT
r1のバックゲートには別の配線によって電位を与える構成としてもよい。
【0088】
また、
図1乃至
図3に示す画素PIXに適用できる、
図4(A1)(A2)とは別の回
路構成例について説明する。
【0089】
図4(B1)に示す画素PIXは、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4と、容
量素子C2と、発光素子LDと、を有する。また、配線DL、配線GL1、配線AL、配
線VL、配線CATは、画素PIXと電気的に接続されている。
【0090】
トランジスタTr2、トランジスタTr4のそれぞれは、スイッチング素子として機能
する。画像データの書き込みは、トランジスタTr2を制御することによって行われるた
め、トランジスタTr2は、
図3の画素PIXに含まれるスイッチSWCに相当すること
ができる。トランジスタTr3は、発光素子LDに流れる電流を制御する駆動トランジス
タとして機能する。また、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4は、実施の形態3
に記載の構成を適用することができる。
【0091】
配線DLは、画素PIXに画像データを送信するための配線であり、
図1乃至
図3に示
す配線SLに相当することができる。加えて、配線GL1は、画素PIXに対する選択信
号線であり、
図1及び
図2に示す配線GLに相当することができる。
【0092】
配線VLは、画素PIX内の特定のノードに所定の電位を与えるための配線である。加
えて、配線ALは、発光素子LDに流すための電流を供給するための配線である。配線V
L及び配線ALは、
図2に示す配線VAに相当することができる。
【0093】
配線CATは、発光素子LDの出力端子に所定の電位を与えるための配線である。所定
の電位としては、例えば、基準電位、低レベル電位、それらよりも低い電位などとするこ
とができる。また、配線CATは、
図2に示す配線VAに相当することができる。配線C
ATは、表示部PAに含まれる複数の画素PIXにおいて、共通電位を与える配線として
機能することが望ましい。
【0094】
トランジスタTr2の第1端子は、容量素子C2の第1端子と、トランジスタTr3の
ゲートと、に電気的に接続され、トランジスタTr2の第2端子は、配線DLに電気的に
接続され、トランジスタTr2のゲートは、配線GL1に電気的に接続されている。トラ
ンジスタTr3の第1端子は、配線ALと電気的に接続され、トランジスタTr3の第2
端子は、容量素子C2の第2端子と、トランジスタTr4の第1端子と、発光素子LDの
入力端子と、に電気的に接続されている。トランジスタTr4の第2端子は、配線VLに
電気的に接続され、トランジスタTr4のゲートは、配線GL1に電気的に接続されてい
る。発光素子LDの出力端子は、配線CATと電気的に接続されている。
【0095】
なお、本実施の形態では、トランジスタTr2の第1端子と、容量素子C2の第1端子
と、トランジスタTr3のゲートと、の電気的接続点をノードND2と呼称する。
【0096】
容量素子C2は、トランジスタTr3の第2端子とゲートとの間の電位差を保持する機
能を有する。また、容量素子C2は、
図3に示す画素PIXに含まれる容量素子Csに相
当することができる。
【0097】
また、
図4(B1)に示す画素PIXにおいて、トランジスタTr2及び容量素子C2
は、
図2(B)に示す画素PIXの画像データ保持部101が有する回路素子に相当する
ことができる。また、
図4(B1)に示す画素PIXにおいて、トランジスタTr3及び
トランジスタTr4は、
図2(B)に示す画素PIXの駆動回路部102が有する回路素
子に相当することができる。また、
図4(B1)に示す画素PIXにおいて、発光素子L
Dは、
図2(B)に示す画素PIXの表示素子103に相当することができる。
【0098】
図4(B1)に示す画素PIXは、ノードND2に画像データに応じた電位を保持する
ことで、駆動トランジスタであるトランジスタTr3のゲート‐ソース間電圧に応じた電
流が、トランジスタTr3のソース‐ドレイン間に流れる。当該電流は、発光素子LDの
入力端子に流れるため、発光素子LDは発光する。そのため、画素PIXは画像データに
応じた光を射出することができる。
【0099】
図4(B1)の画素PIXにおいて、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4の少
なくとも一は、OSトランジスタであることが好ましい。特に、OSトランジスタは、チ
ャネル形成領域にインジウム、元素M(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウ
ム、又はスズ)、亜鉛の少なくとも一を有する酸化物であることが好ましい。また、当該
酸化物は、実施の形態4で詳述する。このようなOSトランジスタをトランジスタTr2
乃至トランジスタTr4の少なくとも一に適用することで、適用したトランジスタのオフ
電流を非常に低くすることができる。容量素子C2の第1端子(ノードND2)にデータ
を保持する場合、トランジスタTr2をOSトランジスタとすることで、オフ電流による
、ノードND2に保持されたデータの破壊を防ぐことができる。また、トランジスタTr
2乃至トランジスタTr4の全てに、OSトランジスタを適用することによって、それぞ
れのトランジスタを同時に形成することができるため、表示部PAの作製工程を短縮する
ことができる場合がある。つまり、表示部PAの生産時間を少なくすることができるため
、一定時間当たりの生産数を増加することができる。
【0100】
また、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4の少なくとも一に、例えば、チャネ
ル形成領域にシリコンを有するSiトランジスタを適用することができる。シリコンとし
ては、例えば、水素化アモルファスシリコン、微結晶シリコン、または多結晶シリコン等
を用いることができる。
【0101】
また、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4のチャネル形成領域は同一の材料で
あることが好ましい。また、状況に応じて、画素PIXを、トランジスタTr2乃至トラ
ンジスタTr4のうち、一部のトランジスタをSiトランジスタとし、残りのトランジス
タをOSトランジスタとした構成としてもよい。
【0102】
なお、
図4(B1)に示す画素PIXは、発光素子LDの入力端子にスイッチング素子
を設けてもよい。
図4(B2)に示す画素PIXは、トランジスタTr3の第2端子と、
容量素子C2の第2端子と、トランジスタTr4の第1端子と、の電気的接続点と、発光
素子LDとの間に、スイッチング素子としてトランジスタTr5が設けられた構成となっ
ている。つまり、トランジスタTr5の第1端子は、トランジスタTr3の第2端子と、
容量素子C2の第2端子と、トランジスタTr4の第1端子と、に電気的に接続され、ト
ランジスタTr5の第2端子は、発光素子LDの入力端子と電気的に接続されている。ま
た、トランジスタTr5のゲートは、選択信号線の一である配線GL2と電気的に接続さ
れている。
【0103】
図4(B1)に示す画素PIXの場合、発光素子LDの発光を止めるには、発光素子L
Dの入力端子に電流を流さなければよいので、そのタイミングに合わせて配線ALに印加
されている電位を下げるなどを行えばよい。この場合、配線ALを制御するためのドライ
バ回路を別途設ける必要があるため、表示装置の作製時のコストが上がってしまうことが
ある。一方、
図4(B2)に示す画素PIXの場合、配線GL2に低レベル電位を印加し
てトランジスタTr5をオフ状態にすることによって、発光素子LDへの電流の供給を止
めればよい。また、トランジスタTr5を上述したOSトランジスタとすることで、オフ
電流による発光素子LDの発光を防ぐことができる。
【0104】
また、
図4(B2)に示す画素PIXにおいて、トランジスタTr5は、
図2(B)に
示す画素PIXの駆動回路部102が有する回路素子に相当することができる。
【0105】
<補正データ保持部の回路構成例>
次に、
図1乃至
図3に示す補正データ保持部104に適用できる、回路構成例について
説明する。
【0106】
図5(A)に示す補正データ保持部104は、
図3に示す補正データ保持部104のス
イッチSW1乃至スイッチSW3としてそれぞれトランジスタSWT1乃至トランジスタ
SWT3を適用した回路構成例となっている。なお、
図5(A)では、補正データ保持部
104との接続関係を示すため、表示部PAと、ソースドライバ回路SDと、を図示して
いる。
【0107】
トランジスタSWT1の第1端子は、容量素子Cdの第1端子と、配線SL(配線DL
)と、に電気的に接続され、トランジスタSWT1の第2端子は、トランジスタSWT2
の第1端子と、ソースドライバ回路SDと、に電気的に接続され、トランジスタSWT1
のゲートは、配線CRL1と電気的に接続されている。トランジスタSWT2のゲートは
、配線CRL2と電気的に接続されている。トランジスタSWT3の第1端子は、容量素
子Cdの第2端子と、トランジスタSWT2の第2端子と、に電気的に接続され、トラン
ジスタSWT3の第2端子は、配線VGと電気的に接続され、トランジスタSWT3のゲ
ートは、配線CRL1と電気的に接続されている。
【0108】
なお、
図3と同様に、
図5では、トランジスタSWT2の第2端子と、容量素子Cdの
第2端子と、トランジスタSWT3の第1端子と、の電気的接続点をノードND3として
いる。
【0109】
配線CRL1及び配線CRL2は、トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3の
オン状態、オフ状態の切り替えを行うための配線である。特に、トランジスタSWT1と
トランジスタSWT3のそれぞれのゲートは、配線CRL1に電気的に接続されているた
め、配線CRL1に高レベル電位、又は低レベル電位を与えることによって、トランジス
タSWT1及びトランジスタSWT3のオン状態、オフ状態の切り替えを同時に行うこと
ができる。なお、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれぞれのオン状態
、オフ状態の切り替えは同時に行う必要は無く、トランジスタSWT1及びトランジスタ
SWT3のオン状態、オフ状態の切り替えをそれぞれ独立に行ってもよい。その場合、補
正データ保持部104は、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれぞれの
ゲートが異なる配線に電気的に接続されている構成とすればよい。
【0110】
トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3の少なくとも一は、OSトランジスタ
を用いるのが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が非常に低いという特性を有して
いるため、例えば、トランジスタSWT2及び/又はトランジスタSWT3としてOSト
ランジスタを適用することによって、オフ電流による、ノードND3に保持されたデータ
の破壊を防ぐことができる。また、トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3の全
てをOSトランジスタとすることによって、それぞれのトランジスタを同時に形成するこ
とができるため、表示部PAの作製工程を短縮することができる場合がある。
【0111】
また、
図5(A)に示すトランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3の少なくとも
一は、バックゲートを有するトランジスタとしてもよい。
図5(B)は、トランジスタS
WT1乃至トランジスタSWT3の全てが、バックゲートを有するトランジスタとなって
おり、それぞれのトランジスタは、ゲートとバックゲートとが電気的に接続されている。
ゲートとバックゲートとが電気的に接続されたトランジスタは、当該トランジスタに流れ
るオン電流を高くすることができるため、
図5(B)に示す画素PIXの構成にすること
によって、画素PIXを速く動作することができる。なお、
図5(B)に示す画素PIX
は、トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3のそれぞれにおいて、ゲートとバッ
クゲートと接続した構成としているが、それぞれのトランジスタのバックゲートには別の
配線によって電位を与える構成としてもよい。
【0112】
また、トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3の少なくとも一は、Siトラン
ジスタを適用してもよい。また、トランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3のうち
、一部のトランジスタをSiトランジスタとし、残りのトランジスタをOSトランジスタ
としてもよい。
【0113】
また、
図5(A)(B)は、
図3に示す補正データ保持部104のスイッチSW1乃至
スイッチSW3としてそれぞれトランジスタSWT1乃至トランジスタSWT3を適用し
た回路構成例を示したが、
図3に示す補正データ保持部104のスイッチSW1乃至スイ
ッチSW3はCMOS(Complementary MOS)回路によって構成された
スイッチ、例えば、アナログスイッチとしてもよい。
【0114】
更に、補正データ保持部104と画素PIXを同一の基板に形成する場合、トランジス
タSWT1乃至トランジスタSWT3と画素PIXに含まれるトランジスタとのそれぞれ
のチャネル形成領域は同一の材料で形成されるのが好ましい。
【0115】
また、補正データ保持部104とソースドライバ回路SDとに含まれるそれぞれのトラ
ンジスタのチャネル形成領域を同一の材料で形成する場合、補正データ保持部104とソ
ースドライバ回路SDとは同一の半導体基板上に形成するのが好ましい。また、補正デー
タ保持部104とソースドライバ回路SDとに含まれるそれぞれのトランジスタのチャネ
ル形成領域を互いに異なる材料で形成する場合、ソースドライバ回路SDを半導体基板上
に形成し、当該ソースドライバ回路SDの上方に補正データ保持部104を形成する積層
構造とするのが好ましい。この場合、補正データ保持部104のトランジスタSWT1乃
至トランジスタSWT3をOSトランジスタとして構成し、ソースドライバ回路SDをS
iトランジスタで構成することができる。また、補正データ保持部104及びソースドラ
イバ回路SDは、ソースドライバ回路SDが形成された半導体基板上に、補正データ保持
部104が形成された基板が実装された構成としてもよい。また、ソースドライバ回路S
Dの内部に、補正データ保持部104が含まれる構成としてもよい。
【0116】
なお、画素PIX、補正データ保持部104、ソースドライバ回路SDなどが形成され
る基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基
板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などの絶縁体基板が挙げられる。
また、当該基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、または炭
化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化
ガリウムからなる化合物半導体基板が挙げられる。また、当該基板としては、例えば、半
導体基板に絶縁性領域が含まれるSOI(Silicon On Insulator)
基板などが挙げられる。また、当該基板としては、例えば、黒鉛基板、金属基板、合金基
板、導電性樹脂基板などの導電体基板などが挙げられる。
【0117】
<<動作例>>
次に、本発明の一態様の表示装置の動作例について説明する。なお、本動作例で扱う表
示装置としては、
図6に示す表示装置DD3とする。表示装置DD3は、表示装置DD1
において、画素PIXを
図4(A1)に示す画素PIXとし、配線SLを
図3に示す配線
SLとし、補正データ保持部104を
図5(A)に示す補正データ保持部104とした構
成となっている。なお、
図6において、容量素子Cpaは、
図3に図示した配線SLの寄
生容量とした容量素子Cpの総和であり、配線SLに電気的に接続されている画素PIX
がN個であるとき、Cpa=N×Cpとなる。また、
図6では、
図3に図示した配線SL
の配線抵抗を示す抵抗素子Rpを省略している。また、
図6に示すソースドライバ回路S
Dでは、アンプ回路AMPのみ図示しており、アンプ回路の入力端子に電気的に接続され
ている回路、及び素子は、省略している。
【0118】
図7は、表示装置DD3の動作例を示したタイミングチャートである。
図7に示すタイ
ミングチャートは、時刻T1乃至時刻T6及びその近傍の時刻における、配線GL、配線
VCOM、配線CRL1、配線CRL2、配線VG、配線DL、アンプ回路の出力電圧(
図7では、AMP_outと記載している。)、ノードND1、及びノードND3の電位
の変化を示している。なお、
図7に記載しているhighは高レベル電位を指し、low
は低レベル電位を指す。また、
図7に記載しているV
GNDは、基準電位を指す。
【0119】
なお、配線VCOM及び配線VGは、時刻T1乃至時刻T6及びその近傍の時刻におい
て、常にVGNDが印加されているものとする。
【0120】
なお、本動作例において、トランジスタTr1と、トランジスタSWT1乃至トランジ
スタSWT3と、は、特に断りのない場合は、オン状態の場合は最終的に線形領域で動作
する場合を含むものとする。すなわち、トランジスタTr1と、トランジスタSWT1乃
至トランジスタSWT3と、のゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、線形領域
で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。なお、表示
装置DD1の画素PIXとして、
図4(B1)(B2)に記載の画素PIXを適用する場
合、トランジスタTr2、トランジスタTr4を線形領域で動作させ、トランジスタTr
3を飽和領域で動作させるのが好ましい。
【0121】
[時刻T1より前]
時刻T1より前において、配線GLには低レベル電位が印加されている。配線GLの電
位が低レベル電位であるとき、トランジスタTr1のゲートに、低レベル電位が印加され
るため、トランジスタTr1がオフ状態となる。つまり、配線DLと、ノードND1と、
の間は、非導通状態となる。
【0122】
また、配線CRL1には低レベル電位が印加されている。配線CRL1の電位が低レベ
ル電位であるとき、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれぞれのゲート
に、低レベル電位が印加されるため、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3の
それぞれはオフ状態となる。つまり、ソースドライバ回路SDと、表示部PAと、の間は
、非導通状態となり、ノードND3と、配線VGと、の間も非導通状態となる。
【0123】
ところで、液晶素子LCの第1端子(ノードND1)と第2端子との間に一定以上の電
位差が生じた場合、液晶素子LCに含まれる液晶分子が当該電位差に従って配向する。配
向された液晶分子は、表示装置DD1に含まれているバックライトユニットからの光を透
過するため、これにより、画素PIXから当該光が射出される。当該光の強度は、液晶素
子LCの第1端子(ノードND1)と第2端子との間にかかる電圧、つまり、ノードND
1の電位によって決まるため、当該電位を調整することで階調表示を行うことができる。
なお、
図7に示すタイミングチャートの時刻T1より前において、画素PIXから光が射
出されない程度に、液晶素子LCの第1端子(ノードND1)と第2端子との間の電位差
が生じているものとし、このような電位を、V
Ini1とする。つまり、
図7に示すタイ
ミングチャートにおいて、ノードND1の電位をV
Ini1と記載している。なお、V
I
ni1は、V
GND、又はV
GNDよりも低い電位であってもよい。本動作例では、V
I
ni1は、V
GNDよりも大きく、かつ画素PIXから光が射出されない程度の電位とし
て、説明する。
【0124】
時刻T1より前において、配線CRL2の電位は、高レベル電位から低レベル電位に変
化する。配線CRL2の電位が高レベル電位であるとき、トランジスタSWT2のゲート
に、高レベル電位が印加されるため、トランジスタSWT2はオン状態となる。つまり、
ソースドライバ回路SDと、ノードND3と、の間は、導通状態となる。このとき、ソー
スドライバ回路SDのアンプ回路AMPの出力端子から出力された電位がノードND3に
印加される。また、配線CRL2の電位が低レベル電位になったとき、トランジスタSW
T2はオフ状態となるため、ソースドライバ回路SDと、ノードND3と、の間は、非導
通状態となる。
【0125】
また、本動作例を簡易的に説明するため、時刻T1より前における、ノードND3の電
位をVIni2とする。なお、VIni2は、VGND、又はVGNDよりも低い電位で
あってもよいが、本動作例では、VIni2は、VGNDよりも大きい電位とする。
【0126】
時刻T1より前において、配線DLは、適当な電位であるものとする。なお、
図7では
、配線DLの電位は、V
GNDよりも大きい電位として図示している。
【0127】
[時刻T1]
時刻T1において、配線GLには高レベル電位が印加される。そのため、時刻T1から
時刻T2までの間において、トランジスタTr1のゲートに、高レベル電位が印加される
ため、トランジスタTr1がオン状態となる。これにより、配線DLと、ソースドライバ
回路SDと、の間が導通状態となる。
【0128】
また、時刻T1において、配線CRL1には高レベル電位が印加される。そのため、時
刻T1から時刻T2までの間において、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3
のそれぞれのゲートに、高レベル電位が印加されるため、トランジスタSWT1及びトラ
ンジスタSWT3がオン状態となる。ノードND3と、配線VGと、の間が導通状態とな
る。
【0129】
ここで、時刻T1において、アンプ回路の出力端子からアナログ信号として電位Vda
ta1が出力されたものとする。Vdata1は、ソースドライバ回路SDが有するデジ
タルアナログ変換回路DACが出力可能な電位とする。このとき、トランジスタSWT1
がオン状態となっているため、配線DLの電位は、Vdata1となる。また、トランジ
スタTr1はオン状態となっているため、画素PIXのノードND1の電位も、Vdat
a1となる。
【0130】
一方、トランジスタSWT3がオン状態となっているため、ノードND3の電位は、V
GNDとなる。また、トランジスタSWT2はオフ状態となっているため、アンプ回路A
MPの出力端子から出力される電位Vdata1がノードND3に印加されることはない
。
【0131】
このとき、容量素子Cdの第1端子‐第2端子間の電圧は、Vdata1となる。
【0132】
[時刻T2]
時刻T2において、配線CRL1には低レベル電位が印加される。そのため、時刻T2
から時刻T3までの間において、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれ
ぞれのゲートに、低レベル電位が印加されるため、トランジスタSWT1及びトランジス
タSWT3のそれぞれがオフ状態となる。
【0133】
トランジスタSWT1がオフ状態となると、配線DLと、ソースドライバ回路SDと、
の間が非導通状態となる。このため、配線DLとノードND1は、電気的に浮遊状態とな
る。また、トランジスタSWT3がオフ状態となると、ノードND3と、配線VGと、の
間も非導通状態になるため、ノードND3も電気的に浮遊状態となる。
【0134】
更に、時刻T2から時刻T3までの間において、アンプ回路AMPの出力端子からアナ
ログ信号として電位Vdata2が出力されるものとする。Vdata2は、Vdata
1と同様に、ソースドライバ回路SDが有するデジタルアナログ変換回路DACが出力可
能な電位とする。
【0135】
[時刻T3]
時刻T3において、配線CRL2には高レベル電位が印加される。そのため、時刻T3
から時刻T4までの間において、トランジスタSWT2のゲートに、高レベル電位が印加
されるため、トランジスタSWT2がオン状態となる。
【0136】
このとき、トランジスタSWT2がオン状態であるため、アンプ回路AMPの出力端子
から出力される電位Vdata2がノードND3に印加される。また、トランジスタSW
T3はオフ状態であるため、ソースドライバ回路SDから配線VGに電流は流れず、ノー
ドND3の電位は、VGNDからVdata2まで高くなる。
【0137】
また、配線DLとノードND1は電気的に浮遊状態となっているため、ノードND3の
電位が変動することで、容量素子Cdの容量結合によって、配線DLとノードND1との
それぞれの電位も変動する。
図7のタイミングチャートでは、配線DLとノードND1と
のそれぞれの電位の変動量をΔV
gと記載しているが、容量素子Cdの静電容量の値をC
Aとし、配線SLの寄生容量としている容量素子Cpaと、画素PIXの容量素子C1と
を合成した静電容量の値をC
Bとしたとき、ΔV
gは次の式(E1)で見積もることがで
きる。
【0138】
【0139】
したがって、ノードND1の電位をVND1としたとき、VND1は次の式(E2)で
表される。
【0140】
【0141】
なお、式(E1)、式(E2)については、液晶素子LCの第1端子と第2端子との間
に発生する寄生容量を無視している。しかし、液晶素子LCの第1端子と容量素子C1の
第1端子は互いに電気的に接続され、液晶素子LCの第2端子と容量素子C1の第2端子
のそれぞれは、配線VCOMと電気的に接続されているため、両者は電気的に並列に接続
された構成とみなせる。したがって、式(E1)、式(E2)の静電容量の値CBは、液
晶素子の寄生容量を考慮した値として扱うことができる。
【0142】
[時刻T4]
時刻T4において、配線GLには低レベル電位が印加される。そのため、時刻T4から
時刻T5までの間において、トランジスタTr1のゲートに、低レベル電位が印加される
ため、トランジスタTr1がオフ状態となる。
【0143】
トランジスタTr1がオフ状態となると、配線DLと、ノードND1と、の間が非導通
状態となる。そのため、ノードND1の電位VND1は、容量素子C1によって保持され
る。
【0144】
[時刻T5]
時刻T5において、配線CRL2には低レベル電位が印加される。そのため、時刻T5
から時刻T6までの間において、トランジスタSWT2のゲートに低レベル電位が印加さ
れるため、トランジスタSWT2がオフ状態となる。
【0145】
トランジスタSWT2がオフ状態となると、ソースドライバ回路SDと、ノードND3
と、の間が非導通状態となる。また、トランジスタSWT3がオフ状態となっているため
、ノードND3は、電気的に浮遊状態となる。そのため、ノードND3の電位は、容量素
子Cdによって保持される。
【0146】
[時刻T6]
時刻T6において、配線CRL1には高レベル電位が印加される。そのため、時刻T6
以降において、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれぞれのゲートに、
高レベル電位が印加されるため、トランジスタSWT1及びトランジスタSWT3のそれ
ぞれがオン状態となる。
【0147】
また、時刻T6において、アンプ回路AMPの出力端子からアナログ信号として電位V
ANが出力されるものとする。VANは、Vdata1及びVdata2と同様に、ソー
スドライバ回路SDが有するデジタルアナログ変換回路DACが出力可能な電位とする。
【0148】
トランジスタSWT1がオン状態となっているため、配線DLには、アンプ回路AMP
の出力端子からの電位が印加される。これにより、配線DLの電位は、VANとなる。
【0149】
また、トランジスタSWT3がオン状態となっているため、ノードND3には、配線V
Gからの電位VGNDが印加される。
【0150】
ここで、時刻T4以降の液晶素子LCについて着目する。液晶素子LCの第1端子と第
2端子との間には、VND1=Vdata1+ΔVgの電圧がかかっている。このため、
時刻T4以降において、液晶素子LCに含まれる液晶分子は、電位VND1に応じて配向
し、画素PIXから光が射出される。
【0151】
なお、画素PIXから射出される光の輝度は、液晶素子LCの第1端子‐第2端子間に
かかる電圧によって決まる。
【0152】
上記の通り、
図6に図示した表示装置DD3について、
図7のタイミングチャートの時
刻T1乃至時刻T6及びその近傍の時刻の動作を行うことにより、デジタルアナログ変換
回路DACよりも高い分解能の電位を、画素PIXの画像データの保持部(ノードND1
)に与えることができる。
【0153】
<<具体例>>
ここでは、上述の動作例によって、デジタルアナログ変換回路DACから出力される画
像データよりも多階調の画像データを、表示装置DD3の表示部PAに表示する一例につ
いて説明する。
【0154】
この一例では、ソースドライバ回路SDのデジタルアナログ変換回路DACとして、6
ビットのデジタルアナログ変換回路を設け、補正データ保持部104に含まれる容量素子
Cdの静電容量の値CAと、配線SLの寄生容量としている容量素子Cpa及び画素PI
Xの容量素子C1の合成した静電容量の値CBと、の比が、CA:CB=1:63である
ものとする。
【0155】
デジタルアナログ変換回路DACとして、6ビットのデジタルアナログ変換回路DAC
を用いることによって、配線DL、及びノードND1に書き込まれるVdata1は、2
進数表記で“000000”から“111111”までの値をとることができる。ここで
、“111111”の電圧値を6.3Vとすると、デジタルアナログ変換回路DACが出
力できるVdata1の取り得る電圧値は、0.1V刻みで、0Vから6.3Vまでの範
囲となる。
【0156】
したがって、上述の動作例において、時刻T1から時刻T2までの間において、配線D
L、及びノードND1には、0Vから6.3Vまでの範囲のVdata1を書き込むこと
ができる。
【0157】
容量素子Cdの静電容量の値CAと、配線SLの寄生容量としている容量素子Cpa及
び画素PIXの容量素子C1の合成した静電容量の値CBと、の比は、CA:CB=1:
63なので、式(E1)は、次の式(E3)となる。
【0158】
【0159】
ここで、Vdata2を出力するデジタルアナログ変換回路は、例えば、Vdata1
を出力するデジタルアナログ変換回路DACと同じものを用いる場合、Vdata2は、
Vdata1と同様に2進数表記で“000000”から“111111”までの値をと
ることができる。このとき、Vdata2の取り得る電圧値も、0.1V刻みで、0Vか
ら6.3Vまでの範囲となる。つまり、式(E3)より、ΔVgは、0.1/64V(=
0.0015625V)刻みで、0Vから6.3/64V(=0.0984375V)ま
での値を取り得る。
【0160】
したがって、上述の動作例において、時刻T3から時刻T4までの間において、画素P
IXのノードND1の電位は、式(E2)、(E3)より、0.1/64V(=0.00
15625V)刻みで、0Vから6.3+6.3/64V(=6.3984375V)ま
での値をとることができる。
【0161】
つまり、本発明の一態様の表示装置DD1乃至表示装置DD3において、上述の動作例
を行うことにより、6ビットのデジタルアナログ変換回路DACでは出力できない、より
細かい電圧値を画素PIXのノードND1に与えることができる。上述の具体例では、デ
ジタルアナログ変換回路DACでは0.1V刻みの電位の出力を行うが、画素PIXのノ
ードND1には、0.1/64V(=0.0015625V)刻みの電位を書き込むこと
ができる。換言すると、6ビットのデジタルアナログ変換回路DACよりも高い分解能の
電位(画像データ)を画素PIXに書き込むことができる。
【0162】
上述の具体例では、6ビットのデジタルアナログ変換回路DACが与えるVdata1
は、画像データの上位6ビットに相当し、補正データ保持部104の容量素子Cdによる
容量結合によってノードND1に付与されるΔVgは、画像データの下位6ビットに相当
する。つまり、本発明の一態様の表示装置DD1乃至表示装置DD3を用いることで、デ
ジタルアナログ変換回路DACが与える上位6ビットの画像データに、下位6ビットの画
像データを補間することができ、表示部PAに12ビット相当の画像データを表示するこ
とができる。
【0163】
また、上述の動作例では、時刻T3から時刻T4までの間において、補正データ保持部
104のノードND3に、補正データとしてVGNDよりも高い電位を与えているが、補
正データとしてVGNDよりも低い電位を与えてもよい。つまり、補正データ保持部10
4の容量素子Cdによる容量結合によってノードND1に付与されるΔVgを負の電位と
してもよい。
【0164】
なお、本発明の一態様に係る表示装置の構成は、
図1乃至
図3、
図6に図示された構成
に限定されない。本発明の一態様は、例えば、設計仕様、目的などの状況に応じて、当該
表示装置の構成要素を適宜変更したものとすることができる。
【0165】
また、本実施の形態で扱った構成例の一は、他の構成例と組み合わせることができる。
例えば、
図4(A2)のトランジスタTr1にバックゲートが設けられた画素PIXと同
様に、
図4(B1)(B2)の示す画素PIXは、トランジスタTr2乃至トランジスタ
Tr4にバックゲートが設けられた構成としてもよい(図示しない。)。
【0166】
また、本発明の一態様の表示装置の動作方法は、上述の動作例、又は具体例に限定され
ない。当該動作方法は、例えば、素子、回路、配線などに電位を与える順序や、当該電位
の値を適宜変更することができる。また、上述の通り、本発明の一態様の表示装置の構成
を適宜変更することができるため、当該構成に応じて、表示装置の動作方法も変更しても
よい。
【0167】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態、又は実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0168】
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶素子を用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実
施の形態においては、実施の形態1で説明した、ソースドライバ回路SDから出力された
画像データに、下位ビットの画像データを付与する動作および機能の説明は省略する。
【0169】
図8(A)に示す表示装置は、第1の基板4001と、第2の基板4006と、を有す
る。当該表示装置において、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むよう
にして、シール材4005が設けられ、表示部215がシール材4005および第2の基
板4006によって封止されている。
【0170】
表示部215には、実施の形態1に示した画素PIXを有する画素アレイが設けられる
。
【0171】
図8(A)では、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路
232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設け
られた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶
半導体で形成されている。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aは、実
施の形態1に示したソースドライバ回路SDの機能を有する。走査線駆動回路221aは
、実施の形態1に示したゲートドライバ回路GDの機能を有する。共通線駆動回路241
aは、実施の形態1に示した配線VCOMに規定の電位を供給する機能を有する。
【0172】
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および
信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(FPC:Flex
ible printed circuit)4018を介して供給される。
【0173】
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、
表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線
駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像信号を供給する機能
を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲ま
れている領域とは異なる領域に実装されている。
【0174】
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディ
ング法、COG(Chip On Glass)法、TCP(Tape Carrier
Package)法、COF(Chip On Film)法などを用いることができ
る。
【0175】
図8(B)は、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積
回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全
体を表示部215と同じ基板4001上に一体形成して、システムオンパネルを形成する
ことができる。
【0176】
図8(B)では、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部2
15と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同
時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることが
できる。
【0177】
また、
図8(B)では、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆
動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005
が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路
241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆
動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材40
05と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。
【0178】
また、
図8(B)では、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途
形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない
。走査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部または走査線
駆動回路の一部を別途形成して実装してもよい。
【0179】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントロー
ラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
【0180】
また第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有
している。当該トランジスタとして、OSトランジスタ、又は、Siトランジスタを適用
することができる。
【0181】
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造
は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全
て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同
様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構
造が組み合わせて用いられていてもよい。
【0182】
また、第2の基板4006上には入力装置4200(図示しない。また、入力装置42
00については後述する。)を設けることができる。
図8に示す表示装置に入力装置42
00を設けた構成はタッチパネルとして機能させることができる。
【0183】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い
。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサ
を、検知素子として適用することができる。
【0184】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線
方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0185】
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有するタッチパネルを例に挙げて説明す
る。
【0186】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投
影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用い
ると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0187】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わ
せる構成、表示素子を支持する基板および対向基板の一方または双方に検知素子を構成す
る電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0188】
図9(A)、(B)に、タッチパネルの一例を示す。
図9(A)は、タッチパネル42
10の斜視図である。
図9(B)は、入力装置4200の斜視概略図である。なお、明瞭
化のため、代表的な構成要素のみを示している。
【0189】
タッチパネル4210は、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせた構成
である。
【0190】
タッチパネル4210は、入力装置4200と、表示装置とを有し、これらが重ねて設
けられている。
【0191】
入力装置4200は、基板4263、電極4227、電極4228、複数の配線423
7、複数の配線4238および複数の配線4239を有する。例えば、電極4227は配
線4237または配線4239と電気的に接続することができる。また、電極4228は
配線4239と電気的に接続することができる。FPC4272bは、複数の配線423
7および複数の配線4238の各々と電気的に接続する。FPC4272bにはIC42
73bを設けることができる。
【0192】
または、表示装置の第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを
設けてもよい。第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設ける
場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセン
サを適用してもよい。
【0193】
図10は、
図8(B)中でN1-N2の鎖線で示した部位の断面図である。
図10に示
す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と
異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、
図10では、電極40
15は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口にお
いて配線4014と電気的に接続されている。
【0194】
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、
トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と
同じ導電層で形成されている。
【0195】
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、
トランジスタを複数有しており、
図10では、表示部215に含まれるトランジスタ40
10、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。
なお、
図10では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲー
ト型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
また、トランジスタ4011は、実施の形態1で説明したゲートドライバ回路GDに含ま
れていてもよい。
【0196】
図10では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が
設けられている。
【0197】
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設け
られている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層411
1上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能す
ることができる。
【0198】
また、
図10に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、ト
ランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極お
よびドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。それぞれの電極は、絶縁層
4103を介して重なっている。なお、容量素子4020は、例えば、実施の形態1で説
明した画素PIXの容量素子C1とすることができる。
【0199】
一般に、表示装置の画素部に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトラン
ジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間に、電荷を保持できるように設定され
る。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
【0200】
図10は、表示素子として透過型液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。
図10
において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4
031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜と
して機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031
は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液
晶層4008を介して重畳する。表示部215に設けられたトランジスタ4010は、液
晶素子4013と電気的に接続されている。つまり、トランジスタ4010は、例えば、
実施の形態1で説明したトランジスタTr1とすることができ、液晶素子4013は、例
えば、実施の形態1で説明した画素PIXの液晶素子LCとすることができる。
【0201】
第1の電極層4030、及び第2の電極層4031としては、可視光を透過する導電性
材料を用いるのが好適である。当該導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、
亜鉛(Zn)、錫(Sn)から選ばれた一種以上を含む材料を用いることができる。具体
的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化
タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、
酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化シリコ
ンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛等が挙げ
られる。なお、グラフェンを含む膜を用いることができる。グラフェンを含む膜は、例え
ば膜上に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
【0202】
液晶素子4013としては、例えば、FFS(Fringe Field Switc
hing)モードが適用された液晶素子とすることができる。また、一般的に、液晶材料
には、誘電率の異方性(Δε)が正であるポジ型の液晶材料と、負であるネガ型の液晶材
料がある。本実施の形態に示す、液晶素子4013には、両者の材料を適用することがで
き、適用するモード及び設計に応じて最適な液晶材料を用いることができる。
【0203】
本実施の形態に示す表示装置では、ネガ型の液晶材料を用いることが好ましい。ネガ型
液晶では、液晶分子の分極に由来するフレクソエレクトリック効果の影響を抑制でき、極
性による透過率の差がほとんどない。したがって、表示装置の使用者からフリッカーが視
認されることを抑制できる。フレクソエレクトリック効果とは、主に分子形状に起因し、
配向歪みにより分極が発生する現象である。ネガ型の液晶材料は、広がり変形や曲げ変形
の配向歪みが生じにくい。
【0204】
なお、ここでは液晶素子4013としてFFSモードが適用された素子を用いたが、こ
れに限られず様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VA(
Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nemati
c)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axi
ally Symmetric aligned Micro-cell)モード、OC
B(Optically Compensated Birefringence)モー
ド、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、A
FLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード
、ECB(Electrically Controlled Birefringen
ce)モード、VA-IPSモード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用い
ることができる。
【0205】
また、本実施の形態に示す表示装置にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂
直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モー
ドとしては、MVA(Multi-Domain Vertical Alignmen
t)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モ
ード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることがで
きる。
【0206】
なお、液晶素子は、液晶の光学変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子
である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界また
は斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子に用いる液晶としては、サーモ
トロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polyme
r Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性
液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、ス
メクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0207】
図10では、縦電界方式の液晶素子を有する表示装置の例を示したが、本発明の一態様
には、横電界方式の液晶素子を有する表示装置を適用することができる。横電界方式を採
用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の
一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移
する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲
を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層4008に
用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学
的等方性を示す。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処
理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処
理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することがで
き、作製工程中の液晶表示装置の不良または破損を軽減することができる。
【0208】
スペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサで
あり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御す
るために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0209】
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏
光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい
。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバ
ックライトユニット、サイドライトユニットなどを用いてもよい。また、上記バックライ
トユニット、およびサイドライトユニットとして、マイクロLEDなどを用いても良い。
図10に図示された表示装置の場合、例えば、第2の基板4006の表面(着色層413
1及び遮光層4132が設けられた面の反対側)と、第1の基板4001の裏面(絶縁層
4102が設けられた面の反対側)と、にそれぞれ偏光基板を設け、第1の基板4001
裏面側に、偏光基板を介して、バックライトユニットを設けた構成とすればよい(図示し
ない。)。
【0210】
図10に示す表示装置では、第2の基板4006と第2の電極層4031の間に、遮光
層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
【0211】
遮光層4132として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブ
ラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる
。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であっても
よい。また、遮光層4132に、着色層4131の材料を含む膜の積層膜を用いることも
できる。例えば、ある色の光を透過する着色層4131に用いる材料を含む膜と、他の色
の光を透過する着色層4131に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる
。着色層4131と遮光層4132の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか
工程を簡略化できるため好ましい。
【0212】
着色層4131に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または
染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。遮光層および着色層の形成方法は、前述した
各層の形成方法と同様に行なえばよい。例えば、インクジェット法などで行なってもよい
。
【0213】
絶縁層4133としては、平坦化機能を有するオーバーコートであることが好ましい。
絶縁層4133が平坦化機能を有することによって、それぞれの厚さが異なる着色層41
31及び遮光層4132の形成面上に、平坦な絶縁膜を形成することができる。絶縁層4
133が平坦化することによって、第2の電極層4031を平坦に形成することができる
ため、液晶層4008の厚さのばらつきを低減することができる。このような絶縁層41
33としては、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0214】
また、
図10に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4102を有する。絶縁層4
111と絶縁層4102として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層41
11と絶縁層4102でトランジスタを挟むことで、外部から半導体層への不純物の浸入
を防ぐことができる。
【0215】
また、本実施の形態では、表示装置の構成例について説明したが、状況に応じて、適宜
、回路構成、回路素子などの変更を行ってもよい。例えば、トランジスタ4011は静電
気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。
保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0216】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態、又は実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0217】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置に用いることができる
トランジスタの構成について説明する。
【0218】
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、ト
ップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができ
る。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造
を容易に置き換えることができる。
【0219】
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図11(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトラ
ンジスタ810の断面図である。
図11(A1)において、トランジスタ810は基板7
71上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を
介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742
を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層とし
て機能する。
【0220】
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層
742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電
極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは
、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および
電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
【0221】
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層74
1を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の
露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体
層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態
様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0222】
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶
縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
【0223】
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744aおよび電極744bの、少
なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠
損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損
が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+領域)とな
る。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる
。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠
損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることが
できる。
【0224】
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極744
aおよび電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電
界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすること
ができる。
【0225】
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744
aの間、および半導体層742と電極744bの間に、n型半導体またはp型半導体とし
て機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は
、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
【0226】
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機
能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省
略することもできる。
【0227】
図11(A2)に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極とし
て機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電
極746と同様の材料および方法で形成することができる。
【0228】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導
体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート
電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位
としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲ
ート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのし
きい値電圧を変化させることができる。
【0229】
電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よ
って、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層と
して機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設
けてもよい。
【0230】
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バ
ックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート
電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲ
ート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの
一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第
1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0231】
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極7
46および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる
領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、
トランジスタ811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0232】
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトラン
ジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積
を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さく
することができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現す
ることができる。
【0233】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部
で生じる電界が、チャネル形成領域が形成される半導体層に作用しないようにする機能(
特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よ
りも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めるこ
とができる。
【0234】
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電
極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を
防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができ
る。
【0235】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また
、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0236】
図11(B1)に、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネル保護型のトラ
ンジスタ820の断面図を示す。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様
の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点で、トラン
ジスタ810と異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除
去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している
。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開
口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の
、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0237】
図11(B2)に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極とし
て機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
【0238】
絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導
体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成
時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
【0239】
また、トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびト
ランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極
746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量
を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小
さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現
できる。
【0240】
図11(C1)に示すトランジスタ825は、ボトムゲート型のトランジスタの1つで
あるチャネルエッチング型のトランジスタである。トランジスタ825は、絶縁層741
を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび
電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。
一方、絶縁層741を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0241】
図11(C2)に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極とし
て機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
【0242】
〔トップゲート型トランジスタ〕
図12(A1)に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1
つである。トランジスタ842は、絶縁層729を形成した後に電極744aおよび電極
744bを形成する点がトランジスタ810、811、820、821、825、826
と異なる。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成
した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
【0243】
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁
層726をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体
層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。
トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する
。半導体層742の絶縁層726を介して不純物755が導入された領域の不純物濃度は
、絶縁層726を介さずに不純物755が導入された領域よりも小さくなる。半導体層7
42は、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drai
n)領域が形成される。
【0244】
図12(A2)に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ8
42と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する
。電極723は、絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極72
3は、バックゲート電極として機能することができる。
【0245】
また、
図12(B1)に示すトランジスタ844および
図12(B2)に示すトランジ
スタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい
。また、
図12(C1)に示すトランジスタ846および
図12(C2)に示すトランジ
スタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
【0246】
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極74
6をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層74
2中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気
特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集
積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0247】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態、又は実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0248】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができ
る金属酸化物であるCAC‐OS(Cloud-Aligned Composite
Oxide Semiconductor)、及びCAAC‐OS(c-axis Al
igned Crystalline Oxide Semiconductor)の構
成について説明する。なお、本明細書等において、CACは機能、または材料の構成の一
例を表し、CAACは結晶構造の一例を表す。
【0249】
<金属酸化物の構成>
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機
能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有す
る。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの活性
層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であ
り、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁
性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/O
ffさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与すること
ができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機
能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0250】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁
性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁
性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レ
ベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中
に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察さ
れる場合がある。
【0251】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、
絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3n
m以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0252】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップ
を有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal ox
ideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因する
ナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際
に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャッ
プを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有
する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記
CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域
に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流
、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0253】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合
材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal
matrix composite)と呼称することもできる。
【0254】
<金属酸化物の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分け
られる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS、多結晶酸化物半導体
、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconduct
or)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like
oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
【0255】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連
結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する
領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列
の向きが変化している箇所を指す。
【0256】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合
がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある
。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウ
ンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒
界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向にお
いて酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が
変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
【0257】
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元
素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶
構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置
換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn
)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,
M)層と表すこともできる。
【0258】
CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC-OSは、明確な
結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こり
にくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって
低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化
物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安
定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。ま
た、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して
も安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の
自由度を広げることが可能となる。
【0259】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上
3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナ
ノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。し
たがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導
体と区別が付かない場合がある。
【0260】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物
半導体である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a-lik
e OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0261】
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様
の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、n
c-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0262】
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
【0263】
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトラン
ジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができ
る。
【0264】
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。
酸化物半導体膜のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃
度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、
欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物
半導体は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3
未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上と
すればよい。
【0265】
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が
低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
【0266】
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が
長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高
い酸化物半導体にチャネル形成領域を有するトランジスタは、電気特性が不安定となる場
合がある。
【0267】
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度
を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、
近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
【0268】
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
【0269】
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化
物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭
素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法
(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)によ
り得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017a
toms/cm3以下とする。
【0270】
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を
形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。
このため、酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減すること
が好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属または
アルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×10
16atoms/cm3以下にする。
【0271】
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリ
ア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体
に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体にお
いて、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物半導体中の窒素
濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×10
18atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さ
らに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
【0272】
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるた
め、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電
子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キ
ャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用
いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素
はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SI
MSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×
1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満
、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
【0273】
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いるこ
とで、安定した電気特性を付与することができる。
【0274】
本実施の形態は、他の実施の形態、又は実施例の記載と適宜組み合わせることができる
。
【0275】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置、又は表示装置を電子機器
に適用した製品例について説明する。
【0276】
<ノート型パーソナルコンピュータ>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、情報端末装置に備えられるディスプレ
イに適用することができる。
図13(A)は、情報端末装置の一種であるノート型パーソ
ナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポイン
ティングデバイス5404等を有する。
【0277】
<スマートウォッチ>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、ウェアラブル端末に適用することがで
きる。
図13(B)はウェアラブル端末の一種であるスマートウォッチであり、筐体59
01、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有
する。また、表示部5902に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用い
るようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設
けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセン
サとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができ
る。また、操作ボタン5903にスマートウォッチを起動する電源スイッチ、スマートウ
ォッチのアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、または表示部5902を
点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、
図13(
B)に示したスマートウォッチでは、操作ボタン5903の数を2個示しているが、スマ
ートウォッチの有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、操作子5904は
、スマートウォッチの時刻合わせを行うリューズとして機能する。また、操作子5904
は、時刻合わせ以外に、スマートウォッチのアプリケーションを操作する入力インターフ
ェースとして、用いるようにしてもよい。なお、
図13(B)に示したスマートウォッチ
では、操作子5904を有する構成となっているが、これに限定せず、操作子5904を
有さない構成であってもよい。
【0278】
<ビデオカメラ>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、ビデオカメラに適用することができる
。
図13(C)に示すビデオカメラは、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5
803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー58
04及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐
体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続
部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、
接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部580
6における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成と
してもよい。
【0279】
<携帯電話>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、携帯電話に適用することができる。図
13(D)は、情報端末の機能を有する携帯電話であり、筐体5501、表示部5502
、マイク5503、スピーカ5504、操作ボタン5505を有する。また、表示部55
02に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。ま
た、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加すること
ができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換
素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5
505に携帯電話を起動する電源スイッチ、携帯電話のアプリケーションを操作するボタ
ン、音量調整ボタン、または表示部5502を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのい
ずれかを備えることができる。
【0280】
また、
図13(D)に示した携帯電話では、操作ボタン5505の数を2個示している
が、携帯電話の有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、図示していないが
、
図13(D)に示した携帯電話は、フラッシュライト、または照明の用途として発光装
置を有する構成であってもよい。
【0281】
<テレビジョン装置>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、テレビジョン装置に適用することがで
きる。
図13(E)に示すテレビジョン装置は、筐体9000、表示部9001、スピー
カ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子
9006などを有する。テレビジョン装置は、大画面、例えば、50インチ以上、または
100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
【0282】
<移動体>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、移動体である自動車の運転席周辺に適
用することができる。
【0283】
例えば、
図13(F)は、自動車の室内におけるフロントガラス周辺を表す図である。
図13(F)では、ダッシュボードに取り付けられた表示パネル5701、表示パネル5
702、表示パネル5703の他、ピラーに取り付けられた表示パネル5704を図示し
ている。
【0284】
表示パネル5701乃至表示パネル5703は、ナビゲーション情報、スピードメータ
ーやタコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することで
、様々な情報を提供することができる。また、表示パネルに表示される表示項目やレイア
ウトなどは、ユーザの好みに合わせて適宜変更することができ、デザイン性を高めること
が可能である。表示パネル5701乃至表示パネル5703は、照明装置として用いるこ
とも可能である。
【0285】
表示パネル5704には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによっ
て、ピラーで遮られた視界(死角)を補完することができる。すなわち、自動車の外側に
設けられた撮像手段からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めるこ
とができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感
なく安全確認を行うことができる。表示パネル5704は、照明装置として用いることも
できる。
【0286】
<電子広告用の電子機器>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、電子広告を用途とするディスプレイに
適用することができる。
図14(A)は、壁に取り付けが可能な電子看板(デジタルサイ
ネージ)の例を示している。
図14(A)は、電子看板6200が壁6201に取り付け
られている様子を示している。
【0287】
<折り畳み式のタブレット型情報端末>
本発明の一態様の半導体装置、又は表示装置は、タブレット型の情報端末に適用するこ
とができる。
図14(B)には、折り畳むことができる構造を有するタブレット型の情報
端末を示している。
図14(B)に示す情報端末は、筐体5321aと、筐体5321b
と、表示部5322と、操作ボタン5323と、を有している。特に、表示部5322は
可撓性を有する基材を有しており、当該基材によって折り畳むことができる構造を実現で
きる。
【0288】
また、筐体5321aと筐体5321bと、は、ヒンジ部5321cにより結合されて
おり、ヒンジ部5321cによって、2つ折りが可能となっている。また、表示部532
2は、筐体5321a、筐体5321b、及びヒンジ部5321cに設けられている。
【0289】
また、図示していないが、
図13(A)乃至(C)、(E)、
図14(A)、(B)に
示した電子機器は、マイク及びスピーカを有する構成であってもよい。この構成により、
例えば、上述した電子機器に音声入力機能を付することができる。
【0290】
また、図示していないが、
図13(A)、(B)、(D)、
図14(A)、(B)に示
した電子機器は、カメラを有する構成であってもよい。
【0291】
また、図示していないが、
図13(A)乃至(F)、
図14(A)、(B)に示した電
子機器は、筐体の内部にセンサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離
、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線
、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する
構成であってもよい。特に、
図13(D)に示す携帯電話に、ジャイロ、加速度センサな
どの傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、該携帯電話の向き(鉛直方
向に対して該携帯電話がどの向きに向いているか)を判断して、表示部5502の画面表
示を、該携帯電話の向きに応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
【0292】
また、図示していないが、
図13(A)乃至(F)、
図14(A)、(B)に示した電
子機器は、指紋、静脈、虹彩、又は声紋など生体情報を取得する装置を有する構成であっ
てもよい。この構成を適用することによって、生体認証機能を有する電子機器を実現する
ことができる。
【0293】
また、
図13(A)乃至(F)、
図14(A)に示した電子機器の表示部として、可撓
性を有する基材を用いてもよい。具体的には、該表示部は、可撓性を有する基材上にトラ
ンジスタ、容量素子、及び表示素子などを設けた構成としてもよい。この構成を適用する
ことによって、
図13(A)乃至(F)、
図14(A)に示した電子機器のように平らな
面を有する筐体だけでなく、
図13(F)に示したダッシュボード、ピラーのように、曲
面を有するような筐体の電子機器を実現することができる。
【0294】
図13(A)乃至(F)、
図14(A)、(B)の表示部に適用できる、可撓性を有す
る基材としては、可視光に対する透光性を有する材料を例に挙げると、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリエーテルサ
ルフォン樹脂(PES)、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリシクロオ
レフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリハロゲン化ビニル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂などを用いること
ができる。また、これらの材料を混合または積層して用いてもよい。
【0295】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態、又は実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0296】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で例示した電子機器に適用可能な半導体装置につい
て説明する。以下で例示する半導体装置は、記憶装置として機能することができる。
【0297】
本実施の形態では、酸化物半導体を用いた記憶装置の一例として、DOSRAM(登録
商標)について説明する。なお、「DOSRAM」の名称は、Dynamic Oxid
e Semiconductor Random Access Memoryに由来す
る。DOSRAMとは、メモリセルが、1T1C(1トランジスタ1容量)型セルであり
、かつ書込みトランジスタが、酸化物半導体が適用されたトランジスタである記憶装置の
ことである。
【0298】
図15を用いて、DOSRAM1000の積層構造例について説明する。DOSRAM
1000は、データの読み出しを行うセンスアンプ部1002と、データを格納するセル
アレイ部1003とが積層されている。
【0299】
図15に示すように、センスアンプ部1002には、ビット線BL、Siトランジスタ
Ta10、Ta11が設けられている。SiトランジスタTa10、Ta11は、単結晶
シリコンウエハに半導体層をもつ。SiトランジスタTa10、Ta11は、センスアン
プを構成し、ビット線BLに電気的に接続されている。
【0300】
セルアレイ部1003は複数のメモリセル1001を有する。メモリセル1001は、
トランジスタTw1及び容量素子C10を有する。セルアレイ部1003において、2個
のトランジスタTw1は半導体層を共有する。半導体層とビット線BLとは図示しない導
電体により電気的に接続されている。
【0301】
図15に示すような積層構造は、トランジスタ群を有する回路を複数積層して構成され
る様々な半導体装置に適用できる。
【0302】
図15中の金属酸化物、絶縁体、導電体等は、単層でも積層でもよい。これらの作製に
は、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーショ
ン法(PLA法)、CVD法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用いる
ことができる。なお、CVD法には、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD法
などがある。
【0303】
ここでは、トランジスタTw1の半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体)で構成され
ている。ここでは、半導体層が3層の金属酸化物層で構成されている例を示している。半
導体層は、In、Ga、およびZnを含む金属酸化物で構成されることが好ましい。
【0304】
ここで、金属酸化物は、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素を添
加されることで、キャリア密度が増大し、低抵抗化する場合がある。例えば、金属酸化物
を用いた半導体層を選択的に低抵抗化することで、半導体層にソース領域またはドレイン
領域を設けることができる。
【0305】
なお、金属酸化物を低抵抗化する元素としては、代表的には、ホウ素、またはリンが挙
げられる。また、水素、炭素、窒素、フッ素、硫黄、塩素、チタン、希ガス元素等を用い
てもよい。希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及
びキセノン等がある。当該元素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secon
dary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定することが
できる。
【0306】
特に、ホウ素、及びリンは、アモルファスシリコン、または低温ポリシリコンの製造ラ
インの装置を使用することができるため、好ましい。当該製造ラインの装置を転用するこ
とによって、設備投資を抑制することができる。
【0307】
選択的に低抵抗化した半導体層を有するトランジスタは、例えば、ダミーゲートを用い
ることで形成することができる。具体的には、半導体層上にダミーゲートを設け、当該ダ
ミーゲートをマスクとして用い、上記半導体層を低抵抗化する元素を添加するとよい。つ
まり、半導体層が、ダミーゲートと重畳していない領域に、当該元素が添加され、低抵抗
化した領域が形成される。なお、当該元素の添加方法としては、イオン化された原料ガス
を質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加す
るイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用い
ることができる。
【0308】
導電体に用いられる導電性材料には、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリ
コンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイド、モリブデン、チタン、タ
ンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、
または上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデ
ン、窒化タングステン)等がある。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含む
インジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むイ
ンジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケ
イ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができる。
【0309】
絶縁体に用いられる絶縁材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化ア
ルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、
窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル
、アルミニウムシリケートなどがある。なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、酸
素の含有量が窒素よりも多い化合物であり、窒化酸化物とは、窒素の含有量が酸素よりも
多い化合物のことをいう。
【0310】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態、又は実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【実施例0311】
実施の形態1で説明した表示装置の動作において、画像データの補正が適切に行われて
いるかどうかを確認するため、回路シミュレータを用いて計算を行った。本実施例では、
当該計算及びその結果について説明する。
【0312】
当該計算で使用したソフトウェアは、SILVACO社のSmartSpice(ve
rsion 4.26.7.R)という回路シミュレータである。当該回路シミュレータ
を用いて、画像データと補正データを入力データとし、補正された画像データを出力デー
タとして計算を行った。
【0313】
当該計算で用いた回路構成を
図16に示す。
図16では、ソースドライバ回路SDと、
補正データ保持部104と、表示部PAと、を示している。
【0314】
図16のソースドライバ回路SDでは、デジタルアナログ変換回路DACと、オペアン
プOPAと、のみ図示している。オペアンプOPAは、
図1におけるアンプ回路AMPに
相当し、Siトランジスタによって構成されたCMOS回路としている。
【0315】
デジタルアナログ変換回路DACの出力端子は、オペアンプOPAの非反転入力端子に
電気的に接続されている。また、オペアンプOPAの反転入力端子は、オペアンプOPA
の出力端子に電気的に接続され、オペアンプOPAの出力端子は、補正データ保持部10
4のスイッチSW1の第2端子と、スイッチSW2の第1端子と、のそれぞれに電気的に
接続されている。なお、オペアンプOPAは、上述の接続構成により、ボルテージフォロ
ワ回路として機能する。
【0316】
また、オペアンプOPAの高電源入力端子は、配線VDLに電気的に接続され、オペア
ンプOPAの低電源入力端子は、配線VGLに電気的に接続されている。
【0317】
補正データ保持部104については、実施の形態1の
図3の補正データ保持部104の
説明の記載を参酌する。
【0318】
なお、実施の形態1の説明では、スイッチSW3の第2端子は配線VGと電気的に接続
されていると説明したが、
図16の補正データ保持部104では、スイッチSW3の第2
端子は、直流電源VDを介して、配線VGLと電気的に接続されている。また、スイッチ
SW1乃至スイッチSW3は、それぞれスイッチング素子としてアナログスイッチ(CM
OS回路の構成のスイッチ)を適用している。
【0319】
図16の表示部PAでは、配線SL(配線DL)が有する抵抗を示す抵抗素子Rpaと
、配線SL(配線DL)の寄生容量と画素PIXの容量素子C1とを合成した容量として
容量素子Ccと、を図示している。また、抵抗素子Rpaと、容量素子Ccと、の電気的
接続点をノードNDとしている。
【0320】
次に、計算条件について説明する。補正データ保持部104の容量素子Cdの静電容量
の値を1pFとし、容量素子Ccの静電容量の値を31pFとしている。これは、実施の
形態1の具体例より、デジタルアナログ変換回路DACから出力される電圧に対して、下
位5ビット分の電圧を補間することに相当する。
【0321】
また、直流電源VDの電圧を0.5Vとしている。
【0322】
また、抵抗素子Rpaの値を、10kΩとしている。
【0323】
デジタルアナログ変換回路DACは、0.25V刻みで0.5Vから8.5Vまでの範
囲の電位を出力するものとする。
【0324】
また、オペアンプOPAはボルテージフォロワ回路の構成となっているため、オペアン
プOPAは、デジタルアナログ変換回路DACが出力可能な電位の範囲を扱える回路でな
くてはならない。そのため、オペアンプOPAの高電源入力端子に電気的に接続されてい
る配線VDLが与える電位を9Vとし、オペアンプOPAの低電源入力端子に電気的に接
続されている配線VGLが与える電位を基準電位としている。
【0325】
図17に示すグラフは、デジタルアナログ変換回路DACから出力された補正データと
、第1期間と第2期間におけるノードNDの電位の変化を示している。具体的には、
図1
7には、縦軸にノードNDの電位V
ND、横軸に時刻を示している。第1期間及び第2期
間のそれぞれは、実施の形態1の動作例において、時刻T1から時刻T2までの間、及び
時刻T2から時刻T4までの間としている。具体的には、時刻T1を
図17における0秒
(計算開始時点)とし、時刻T2を1.0×10
-5秒(画像データ書き込み完了時刻)
としている。
【0326】
第1期間では、信号F1によってスイッチSW1及びスイッチSW3をオン状態にし、
信号F2によってスイッチSW2をオフ状態にして、デジタルアナログ変換回路DACか
ら画像データに応じた電位として4.0Vを出力して、ノードNDに当該電位を書き込む
動作が行われている。
【0327】
第2期間では、信号F1によってスイッチSW1及びスイッチSW3をオフ状態にし、
信号F2によってスイッチSW2をオン状態にして、デジタルアナログ変換回路DACか
ら補正データとして0.25V刻みで0.5Vから8.5Vまでの電位の一を出力して、
ノードND3に当該出力電位を書き込む動作が行われる。そして、ノードND3に当該補
正データに応じた電位が書き込まれることによって、電位V
NDが変動する。なお、本実
施例では、補正データに応じた電位として0.25V刻みで0.5Vから8.5Vまでの
電位をそれぞれV
0乃至V
32と記載し、
図17では、V
0、V
10、V
20、V
30、
V
32の符号のみを図示している。
【0328】
ここで、第2期間において、補正データとしてV0(0.5V)をノードND3に書き
込んだ場合を考える。第1期間においてノードND3の電位は0.5Vであったため、第
1期間から第2期間に移行しても、ノードND3の電位は0.5Vのまま変動しない。そ
のため、容量素子Cdによる容量結合による、電位VNDは変動せず、4.0Vのままと
なっている。
【0329】
次に、第2期間において、補正データとしてV
10(3.0V)をノードND3に書き
込んだ場合を考える。第1期間においてノードND3の電位は0.5Vであったため、第
2期間に移行することで、ノードND3の電位は2.5V上昇する。ここで、式(E2)
より、電位V
NDの電位は、4+2.5/32V(=4.078125V)と見積もるこ
とができ、
図17の結果と概ね一致する。
【0330】
同様に、第2期間において、補正データとしてV
20(5.5V)、V
30(8.0V
)、V
32(8.5V)のそれぞれをノードND3に書き込んだ場合を考える。第1期間
においてノードND3の電位は0.5Vであったため、第2期間に移行することで、ノー
ドND3の電位はそれぞれの場合で5.0V、7.5V、8.0V上昇する。ここで、式
(E2)より、電位V
NDの電位は、それぞれの場合で4+5.0/32V(=4.15
625V)、4+7.5/32V(=4.234375V)、4+8.0/32V(=4
.25V)と見積もることができ、
図17の結果と概ね一致する。
【0331】
上述の通り、デジタルアナログ変換回路DACは0.25V刻みで電位の出力を行うが
、補正データ保持部104によって、0.25Vよりも小さい刻み幅の電位を生成するこ
とができる。
【0332】
つまり、本発明の一態様の表示装置を用いることによって、ソースドライバ回路SDが
有するデジタルアナログ変換回路DACよりも高い分解能の画像データを、補正データ保
持部によって生成することができる。また、当該画像データを当該表示装置に含まれる画
素に書き込むことによって、当該表示装置の表示部は、多階調の画像を表示することがで
きる。
【0333】
(本明細書等の記載に関する付記)
本明細書に記載の実施の形態、及び実施例における各構成の説明について、以下に付記
する。
【0334】
<実施の形態、実施例で述べた本発明の一態様に関する付記>
各実施の形態、及び実施例に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせ
て、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例
が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0335】
なお、ある一つの実施の形態、又は実施例の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は
、その実施の形態、又は実施例で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しく
は複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容
に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
【0336】
なお、実施の形態、又は実施例の中で述べる内容とは、各々の実施の形態、又は実施例
において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内
容のことである。
【0337】
なお、ある一つの実施の形態、又は実施例において述べる図(一部でもよい)は、その
図の別の部分、その実施の形態、又は実施例において述べる別の図(一部でもよい)と、
一つ若しくは複数の別の実施の形態、又は実施例において述べる図(一部でもよい)との
少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させるこ
とができる。
【0338】
<序数詞に関する付記>
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同
を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また
、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態(又は
実施例)の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態(又は実施例)
、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる
。また例えば、本明細書等の実施の形態(又は実施例)の一において「第1」に言及され
た構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありう
る。
【0339】
<図面を説明する記載に関する付記>
実施の形態(又は実施例)について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形
態(又は実施例)は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲か
ら逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に
理解される。従って、本発明は、実施の形態(又は実施例)の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。なお、実施の形態の発明の構成(又は実施例の構成)において、同一
部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰
り返しの説明は省略する。
【0340】
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の
位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は
、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書等
で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「
導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転する
ことによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
【0341】
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接
していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば
、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの
間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0342】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示
したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期
すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば
、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信
号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0343】
また、図面において、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要
素の記載を省略している場合がある。
【0344】
また、図面において、同一の要素又は同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あ
るいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は
省略する場合がある。
【0345】
<言い換え可能な記載に関する付記>
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの
一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極
、又は第2端子)という表記を用いる。これは、トランジスタのソースとドレインは、ト
ランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソース
とドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、
状況に応じて適切に言い換えることができる。また、本明細書等では、ゲート以外の2つ
の端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合や、第3端子、第4端子と呼ぶ場合がある。なお
、本明細書等において、チャネル形成領域はチャネルが形成される領域を指し、ゲートに
電位を印加することでこの領域が形成されて、ソース‐ドレイン間に電流を流すことがで
きる。
【0346】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路
動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明
細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとす
る。
【0347】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に
限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり
、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「
配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0348】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基
準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地
電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0V
を意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、
配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0349】
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、又は、状況
に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導
電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という
用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によって
は、又は、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替える
ことが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という
用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用
語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0350】
なお本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」などの用語は、場合によ
っては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」と
いう用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、
「配線」という用語を、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また
、その逆も同様で、「信号線」「電源線」などの用語を、「配線」という用語に変更する
ことが可能な場合がある。「電源線」などの用語は、「信号線」などの用語に変更するこ
とが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」などの用語は、「電源線」など
の用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という
用語を、場合によっては、又は、状況に応じて、「信号」などという用語に変更すること
が可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」などの用語は、「電位」という用
語に変更することが可能な場合がある。
【0351】
<語句の定義に関する付記>
以下では、上記実施の形態、及び実施例で言及した語句の定義について説明する。
【0352】
<<半導体の不純物について>>
半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が
0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体
にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度
が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導
体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族
元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、
特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リ
ン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によっ
て酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性
を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第1
3族元素、第15族元素などがある。
【0353】
<<スイッチについて>>
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ
状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。又は、スイ
ッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
【0354】
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つま
り、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
【0355】
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、
MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、
ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイ
オード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイ
オード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路など
がある。
【0356】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、
トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をい
う。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電
極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチ
として動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
【0357】
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のよう
に、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチが
ある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことに
よって、導通と非導通とを制御して動作する。
【0358】
<<接続について>>
本明細書等において、XとYとが接続されている、と記載する場合は、XとYとが電気
的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接
接続されている場合とを含むものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は
文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも含む
ものとする。
【0359】
ここで使用するX、Yなどは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子
、導電膜、層、など)であるとする。
【0360】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可
能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダ
イオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されること
が可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、ス
イッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか
流さないかを制御する機能を有している。
【0361】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可
能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号
変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(
電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など
)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る
回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成
回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能であ
る。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号
がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0362】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電
気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続
されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に
別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合
(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含
むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接
続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0363】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は
介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、
Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソー
ス(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直
接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接
的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表
現することが出来る。
【0364】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第
2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は
第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的
に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソース(又は第
1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子な
ど)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トラ
ンジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている
」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など
)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジ
スタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)
、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な
表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジ
スタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別し
て、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これ
らの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、
素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0365】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されて
いる場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も
ある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及
び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における
電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている
場合も、その範疇に含める。