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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156833
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ゼロデッドレグバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/26 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
F16K3/26 E
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125699
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2021566197の分割
【原出願日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】62/864,648
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ,ブライアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ミキサ又はバイオリアクタとして有用なコンテナに関する。
【解決手段】本体14は内部の少なくとも一部を通して形成された細長いボア20を有し、ボア内に収容されたほぼ中空の可動プランジャ62を有するバルブ12を含む。ボアは、本体の内部長さにわたって形成された横方向中央ボアであり、本体は、回転する第1のセクション26と、静止した第2のセクション28の2つのセクションから形成される。第1のセクションは、第2のセクションの一部及びプランジャの周りを部分的に回転する。ボアセクション34は、第1のセクションの内壁と協働し、ボアセクション36は、第2のセクションの内壁に対応する。バルブは、本体の第1のセクションが回転されるときに動作され、本体の第2のセクションとプランジャとを係合し、プランジャをボア内で駆動し、それによってバルブを動作する。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブであって、
第1のセクション及び第2のセクションを有する本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位可能なプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置及びボアの近位端に向かって変位された第2の位置を有し、上面をさらに備えるプランジャと、
プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールするダイアフラムシールと、
ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールするグランドシールと、
本体の第2のセクションに取り付けられた、又は本体の第2のセクションの一体部分として配置されたフランジであって、フランジの上面がプランジャの上面と実質的に同一平面上にあるか、又はプランジャの上面がフランジの上面よりも高い、フランジと、
ダイアフラムシールとグランドシールとの間のボア内の流体移送開口部と、
を備え、
プランジャは、グランドシールを貫通し、グランドシールに密閉して固定され、
プランジャの長手方向の変位は、ダイアフラムシールを移動してボアを開き、グランドシールは、プランジャの変位に対応し、プランジャの周りのシールを維持するために伸長し、流体流路は、ボアの開口近位端と流体移送開口部との間に確立され、プランジャをその第1の位置に向かって長手方向に変位させると、ダイアフラムが移動してボアが開く、
バルブ。
【請求項2】
フランジの表面は、プランジャがボアの近位端に向かって変位されたときに、第2の位置の表面と実質的に同一平面上にあり、ゼロデッドレグ位置を形成する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
ダイアフラムシールとグランドシールとの間のボアの一部が実質的に無菌である、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項4】
バルブを上流構成要素に取り付けるための実質的に無菌の接続構成要素をさらに備える、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
ダイアフラムシールが、プランジャの変位前に、ボアの近位端の内側に少なくとも部分的に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
グランドシール及び/又はダイアフラムシールが、シリコーンエラストマー又は耐溶剤性フルオロエラストマーで構築される、請求項1~5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
本体が、実質的に円筒形の外側部分と、プランジャのための少なくとも1つの位置合わせスロットと、グランドシールのための溝とを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
フランジが、細長いボア内に延在するボスをさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項9】
フランジが、可撓性バイオリアクタバッグとの接合を形成することができる、請求項1~8のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項10】
フランジが、可撓性バイオリアクタバッグとヒートシール接合又は接着接合を形成する、請求項9に記載のバルブ。
【請求項11】
流体移送用キットであって、流体移送用キットは、バルブを備え、
バルブは、
第1のセクション及び第2のセクションを有する本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位されたプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置及びボアの近位端に向かって変位された第2の位置を有する、プランジャと、
プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールするダイアフラムシールと、
ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールするグランドシールと、
本体の第2のセクションに取り付けられた、又は本体の第2のセクションの一体部分として配置されたフランジと、
フランジに取り付けられた可撓性バッグであって、フランジは実質的に平坦であり、可撓性バッグに取り付けることができる拡張領域を含む、可撓性バッグと、
を備え、
プランジャの長手方向の変位は、ダイアフラムシールを移動してボアを開き、グランドシールは、プランジャの変位に対応し、プランジャの周りのシールを維持するために伸長し、流体流路は、ボアの開口近位端と流体移送開口部との間に確立され、プランジャがボアの近位端に向かって変位されるとき、フランジの表面は、プランジャの表面と実質的に同一平面上にあり、ゼロデッドレグ位置を生成する、
キット。
【請求項12】
バルブ、バルブを上流構成要素に取り付けるための接続構成要素、少なくとも1つの長さの可撓性配管、及び少なくとも1つの試料コンテナが接続され、実質的に無菌である、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
バルブであって、バルブは、
本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位可能なプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置と、ボアの近位端に向かって変位された第2の位置とを有する、プランジャと、
プランジャとボアとの間に液密シールを形成するようにプランジャに取り付けられた少なくとも1つのシールと、
プランジャの近位端とプランジャの遠位端との間のプランジャ内の流体移送開口部と、
を備え、
プランジャの長手方向の変位は、ボアを開口して流体移送開口部及びプランジャ内のチャネルを通って上流構成要素から下流構成要素への流体経路を形成する、
バルブ。
【請求項14】
少なくとも1つのシールはダイアフラムシールである、請求項13に記載のバルブ。
【請求項15】
ダイアフラムシールが、プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールする、請求項13又は14に記載のバルブ。
【請求項16】
少なくとも1つのシールがグランドシールである、請求項13~15のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項17】
バルブが少なくとも1つのグランドシールをさらに備える、請求項15に記載のバルブ。
【請求項18】
グランドシールは、ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールする、請求項17に記載のバルブ。
【請求項19】
プランジャが、少なくとも1つのグランドシールを貫通し、少なくとも1つのグランドシールに密閉して固定される、請求項17に記載のバルブ。
【請求項20】
少なくとも1つのグランドシールは、プランジャの変位に対応してプランジャの周りのシールを維持するように伸張する、請求項17に記載のバルブ。
【請求項21】
プランジャの第1の位置に向かう長手方向の変位が、ダイアフラムを移動させてボアを開く、請求項15に記載のバルブ。
【請求項22】
ダイアフラムシールと少なくとも1つのグランドシールとの間のボアの一部が実質的に無菌である、請求項19に記載のバルブ。
【請求項23】
実質的に無菌のタンクマウントをさらに備える、請求項22に記載のバルブ。
【請求項24】
ダイアフラムシールが、プランジャの変位前にボアの近位端の内側に少なくとも部分的に配置される、請求項15に記載のバルブ。
【請求項25】
少なくとも1つのシールが、シリコーンエラストマーで構築されている、請求項13~24のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項26】
少なくとも1つのシールが耐溶剤性フルオロエラストマーで構築されている、請求項13~25のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項27】
本体が、実質的に円筒形の外側部分と、プランジャのための少なくとも1つの位置合わせスロットと、グランドシールのための溝とを備える、請求項17に記載のバルブ。
【請求項28】
生物学的流体を処理するための方法であって、
内部容積を有するバッグ又はバイオリアクタ内に生物学的流体を提供するステップと、
バッグ又はバイオリアクタと下流で流体連通するバルブを提供するステップであって、バルブは、フランジの拡張領域に沿ってバッグ又はバイオリアクタに取り付けられる、バルブを提供するステップと、
生物学的流体を混合する手段を提供するステップと、
固体処理剤を内部容積に送達するステップと、
固体処理剤を生物学的流体と混合するステップであって、混合がデッドレグ領域なしで実施される、固体処理剤を生物学的流体と混合するステップと、
を備える方法。
【請求項29】
バルブのプランジャの上面は、フランジの表面と同一平面上にある、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
バルブが、請求項1に記載のバルブである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
混合する手段がインペラを備える、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
インペラは、磁気駆動インペラである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
固体処理剤がアルミニウム塩である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
バルブを介してバッグ又はバイオリアクタの内部容積内から生物学的流体の試料を取得するためのステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
生物学的流体がモノクローナル抗体を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
バルブを無菌にするステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
ゼロデッドレグ流体移送システムであって、ゼロデッドレグ流体移送システムは、
バルブであって、
下部本体セクション及び上部本体セクションを有する円錐形本体セクションであって、拡張フランジが上部本体セクションに接合されている、円錐形本体セクションと、
円錐形上部本体セクション内に配置された中央ボアを有するプランジャであって、プランジャは、面に隣接する少なくとも1つのシールを備え、バルブは、プランジャを円錐形本体セクション内で長手方向に変位可能にするプル/プッシュ操作を介して開閉される、プランジャと、
を備えるバルブと、
ロックツールであって、間に配置された垂直壁を有する上部平面と下部平面とを備え、下部スロット及び上部スロットに対向する垂直壁をさらに備え、バルブの円錐形本体セクションは、下部スロット又は上部スロットのうちの少なくとも一方内に位置する、ロックツールと、を備え、
プランジャ上の少なくとも1つのシールは、プランジャと拡張フランジとの間に液密シールを形成する、ゼロデッドレグ流体移送システム。
【請求項38】
少なくとも1つのシールはダイアフラムシールである、請求項37に記載の流体移送システム。
【請求項39】
ダイアフラムシールは、プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールする、請求項37又は38に記載の流体移送システム。
【請求項40】
少なくとも1つのシールは、シリコーンエラストマー又は耐溶剤性フルオロエラストマーで構築される、請求項37~39のいずれか一項に記載の流体移送システム。
【請求項41】
拡張フランジがバッグに取り付けられる、請求項37~40のいずれか一項に記載の流体移送システム。
【請求項42】
プランジャがピンを備える、請求項37~41のいずれか一項に記載の流体移送システム。
【請求項43】
本体セクションは、ピンを収容するための操作スロットを備え、ピンは、プランジャの運動を制限する、請求項42に記載の流体移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が組み込まれる、2019年6月21日付けの米国仮特許第62/864,648号明細書に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、ミキサ又はバイオリアクタとして有用なコンテナに関する。より詳細には、ここで開示される実施形態は、コンテナの内部容積と流体連通するバルブを含む。
【背景技術】
【0003】
従来、生物学的流体は、ステンレス鋼コンテナを使用するシステムで処理されてきた。これらのコンテナは、再使用できるように使用後に滅菌される。滅菌手順は高価かつ面倒であり、時には効果がないことが多い。より最近では、コンテナは、可撓性ポリマーフィルムから製造された可撓性コンテナなどの可撓性コンテナを備えていた。製造におけるより大きな柔軟性を提供し、機器の滅菌及び再生に必要な時間を短縮するために、製造業者は、バッグ、例えば二次元(枕型)又は三次元バッグなどの使い捨ての滅菌コンテナを使用する。そのようなバッグは、バッチモード、半連続モード、又は連続モードにかかわらず、生物学的産物を処理するために1回使用され、その後廃棄される。これらの使い捨てバッグは、少なくとも1つが液体であり、残りが液体又は固体である2つ以上の成分を混合するためのシステムからなり、バッグは、内容物を可能な限り均一に混合させるための混合要素などを有する。
【0004】
材料及び/又は処理助剤、例えば消泡剤、栄養素などを、バイオリアクタ内での細胞増殖のために、又は処理中のバッグもしくはミキサ内の他の目的のためにシステムに供給することがしばしば有利である。典型的には、これらの材料は、コンテナ又はバッグの上部及び底部の複数のポートを介して添加され、混合要素はそれらを分配する。しかしながら、これは、ポートが典型的にはコンテナの内面に沿って配置され、それらが必要とされる場所への材料の分配が不完全であることが多いという点で、分配のための非効率的な方法である。例えば、ポートは、コンテナの底部又は側壁に配置され、それに取り付けられたチューブを有する。チューブは、コンテナ内に残っている流体の濃度とは異なる濃度、すなわちより薄い又はより濃い成分を有する流体で充填されるようになり、それによって採取された製品試料の精度が低下し、誤解を招く可能性がある。同様に、助剤及び薬剤が沈降する場合、上部、底部、又は側壁からコンテナに導入されたかどうかにかかわらず、溶解前、ポートの近く、又はチューブ内(すなわち、「デッドレグ」)では、それらの助剤及び薬剤は後に流体内での混合に利用できず、貴重な試薬を浪費する。従来、このような廃棄物は、試薬をコンテナに非常にゆっくりと導入することによって、又は剪断応力を与える非常に速いが好ましくない混合速度を使用することによってのみ回避されていた。また、試料は、しばしば異なる濃度であることが多いデッドレグを有するポート又は配管から採取されることが多く、及び/又はかなりの量の生物学的流体を取り出す必要があり、これは無駄である。製造業者は、浸漬管を使用してコンテナから試料を採取することができるが、滅菌されなければならず、コンテナ内の流体を汚染する可能性がある。したがって、浸漬管の使用は好ましくない。
【0005】
薬剤、助剤及び成分の良好な混合は、バイオリアクタプロセスを最適化するのに役立つ。ワクチン、液体及び生物学的成分の製造は、可溶性の固体処理剤の添加を必要とすることが多い。例えば、アルミニウム塩は、身体の免疫応答を増強することによってワクチンの有効性を改善するアジュバントとして使用される。残念なことに、アジュバントは、多くの場合、0.2ミクロンより大きい粒径からなり、コンテナの底部に沈降する傾向があり、その後、溶液に溶解又は混合されない。
【0006】
よく設計された混合システムは、3つの基本的な機能を提供する。すなわち、均質分布における一定条件(栄養素、pH、温度など)の生成、例えば酸素を供給し、バイオリアクタ又はコンテナ内の必要な場所及び必要なときに二酸化炭素を抽出するためのガスの分散、及び/又は熱伝達の最適化である。損傷を引き起こす剪断効果を与えることなく許容可能な混合を提供することは、バイオリアクタコンテナのサイズ及び/又はアスペクト比が増加するにつれてより困難になる。特定の市販のミキサ及びバイオリアクタプラットフォームは、単一の底部に取り付けられたインペラを含む。単一底部インペラは、澱みゾーンを有する渦を生成し、混合を減少させる。複数のインペラ及び/又はより速いインペラ速度は、全体的な混合及び混合速度を改善する。しかしながら、複数のインペラ及び/又は速いインペラ速度、並びにいくつかのバッフルに関連付けられた、より速い剪断速度は、コンテナ内の細胞を損傷する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いくつかのバッグ、バイオリアクタ、又はコンテナは、剛性であろうと可撓性であろうと、混合を改善するためにバッグの内側側壁の少なくとも一部に沿って垂直に形成されたバッフルを含む。これらのバッフルは、典型的にはスリーブであり、スリーブの内部に嵌合するように形状設定された木材、プラスチック、又は金属などの剛性部材を有することが多く、コンテナを損傷する可能性がある。大容量バッグ、例えば1000L~3000L容量のバッグ、コンテナ、又はバイオリアクタは、特に、これらのシステムの高さが増加するにつれて、高さ対幅のアスペクト比が減少するにもかかわらず、混合効率が低下するため、成分を均一に混合するという課題を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
均質な混合及びサンプリングを促進する生物学的流体の混合のためのコンテナと共に使用するためのバルブを提供することは、当技術分野における進歩である。また、均質な混合及びサンプリングを促進する生物学的流体の混合のためのコンテナと共に使い捨てのバルブを提供することは、当技術分野における進歩である。溶液又は流体内の成分、薬剤、助剤などの濃度が一貫しているように、プロセス内にゼロデッドレグがあるバルブを提供することは、さらなる進歩である。
【0009】
バルブなどの流体移送装置は、第1のセクション及び第2のセクションを有する本体と、本体の第2のセクションに取り付けられた、又は本体の第2のセクションの一体部分として配置された拡張フランジと、本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長い通路又はボアと、ボア内に配置され、かつボアに沿って延在する長手方向に変位可能なプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置及びボアの近位端に向かって変位された第2の位置を有するプランジャと、プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールするダイアフラムシールと、ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールするグランドシールと、ダイアフラムシールとグランドシールとの間のボア内の流体移送開口部と、を備え、プランジャは、グランドシールを貫通し、グランドシールに密閉して固定され、プランジャの長手方向の変位は、ダイアフラムシールを移動してボアを開き、グランドシールは、プランジャの変位に対応し、プランジャの周りのシールを維持するために伸長し、流体流路は、ボアの開口近位端と流体移送開口部との間に確立され、プランジャをその第1の位置に向かって長手方向に変位させると、ダイアフラムが移動してボアが開く。流体移送装置又はバルブは、任意選択的に、プランジャが通路又はボアの近位端に向かって変位するときに第2の位置の表面とほぼ同一平面上にある表面を有する拡張フランジをさらに備え、請求項により完全に記載されるように、図面の少なくとも1つに実質的に示される及び/又はそれに関連して説明されるように、ゼロデッドレグ状態を作り出す。本開示の様々な利点、態様、新規及び発明的特徴、並びにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明及び図面からより完全に理解されるであろう。
【0010】
本開示の実施形態は、可撓性材料で形成された内部容積と、任意選択的に、前記コンテナ内の1つ又は複数の入口と、任意選択的に、前記コンテナ内の1つ又は複数の出口と、前記コンテナの前記容積内に少なくとも部分的に取り付けられたインペラアセンブリと、前記コンテナの前記内部容積内のバッフルとを備える、流体用のバッグ、バイオリアクタなどのコンテナと流体連通するバルブを含む。いくつかの実施形態では、拡張フランジはバルブ及びバッグ又はバイオリアクタに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、拡張フランジは、クランプを介してバルブに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、バルブは、バッグ又はバイオリアクタに取り付けるために一体的に形成された拡張フランジを有してもよい。フランジは、例えば接着剤を使用して又はヒートシールによってバッグ、バイオリアクタ又はコンテナに接着される。バッグ又はバイオリアクタは、当業者に知られているように、二次元バッグ又は三次元バッグであってもよい。
【0011】
本開示による実施形態はまた、生物学的流体を処理及び/又はサンプリングするための方法を含む。生物学的流体(複数可)は、内部容積を有するバッグ又はバイオリアクタ内に送達又はそうでなければ提供することができる。バルブなどの流体移送装置は、下流に配置され、バッグ又はバイオリアクタと流体連通している。フランジは、バッグ又はバイオリアクタに取り付けるための比較的大きな表面を備えてもよい。バルブは、バルブに取り付けられた、又はバルブの一体部分であるフランジの拡張領域に沿って、バッグ又はバイオリアクタに取り付けられる。生物学的流体は、例えば、インペラ及び/又は混合ブレードを使用して混合される。インペラは、駆動機構として物理シャフトに取り付けられてもよく、又はインペラの回転を生成するために平衡磁場を使用して磁気駆動ポンプによって動力供給されてもよい。生物学的流体と混合するために、固体処理剤(複数可)は、バッグ又はバイオリアクタの内部容積に送達されてもよい。また、バルブは、閉位置にあるときに液密シールを提供し、開位置にあるときに流体の送達を可能にするためのプランジャを備えてもよい。いくつかの実施形態では、フランジは、閉位置中にプランジャの表面と実質的に同一平面上にある上面を備える。いくつかの実施形態では、プランジャの表面は、フランジの上面よりも高い。フランジがバッグ又はバイオリアクタに接着されているため、デッドレグ領域なしで混合が行われ、混合効率が大幅に向上する。さらに、流体の処理中のサンプリングは、細胞培養物、ウイルス、様々な薬剤及び/又は助剤の濃度をより表すものでもある。
【0012】
本明細書に記載の本開示による拡張フランジを有するバルブ(複数可)の実施形態は、様々な処理薬剤又は助剤、例えばアジュバント、細胞培養培地、栄養添加剤、消泡剤などの混合を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】閉位置にある本開示によるバルブの一実施形態の断面図である。
図1B】閉位置にある本開示によるバルブの一実施形態の断面図である。
図1C】開位置にあるプランジャを有する図1A及び図1Bのバルブの実施形態の断面図である。
図2A】上流及び下流取付構成要素の代替的な実施形態をさらに含む、本開示による実施形態の分解斜視図である。
図2B】上流及び下流取付構成要素の代替的な実施形態をさらに含む、本開示による実施形態の分解斜視図である。
図3】本開示の実施形態による、拡張フランジを有するバルブの斜視図である。
図4A】本開示の実施形態による、取り外し可能な拡張フランジ及びクランプをさらに備える実施形態の斜視図である。
図4B】本開示の実施形態による、取り外し可能な拡張フランジ及びクランプをさらに備える実施形態の斜視図である。
図4C】組み立てられた状態の拡張フランジ、バルブ、及びクランプを示す、図4A及び図4Bの実施形態の正面図である。
図5】本開示の実施形態による、バッグ又はバイオコンテナに接着された拡張フランジを有するバルブの図4Cの断面正面図である。
図6】本開示の実施形態による、固体処理助剤をさらに示す、バッグ又はバイオコンテナに接着された拡張フランジを有するバルブの図5の断面正面図である。
図7】本開示の実施形態による、二次元バッグと共に使用するためのバルブの第2の実施形態の斜視図である。
図8】本開示の実施形態による、二次元バッグと共に使用するためのバルブの第3の実施形態の斜視図である。
図9】本開示の実施形態による、分解図にドレインプレートをさらに備える、図4Cに示すような組み立てられた状態の拡張フランジ、バルブ、及びクランプを示す。
図10】ポート、チューブクランプ、及びデッドレグチューブ領域を有するバッグを備える従来技術のシステムである。
図11】本開示の実施形態による、バルブ及びバッグと共に使用するためのロックツールの追加の実施形態の斜視図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、バッグと共に使用するためのバルブの正面図である。
図13】本開示の実施形態による、流体移送システムのための、図11のロックツール内に配置された図12のバルブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
したがって、本明細書に開示された特徴を詳細に理解することができる方法で、上で簡単に要約された本開示の実施形態のより具体的な説明は、添付の図面を参照することによって得ることができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、説明及び図示された実施形態が他の等しく有効な実施形態を認めることができるため、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。また、一実施形態の要素及び特徴は、さらなる列挙なしに他の実施形態に見出すことができ、図に共通する同等の要素を示すために同一の参照符号が使用されることがあることも理解されたい。
【0015】
本開示内の「デッドレグ」という用語は、典型的には出口に通じる導管、チューブ、又はチャネル内の領域として定義され、出口は、それと流体連通するコンテナのより大きな容積内よりも少ない流体の流れ又は濁度を見るが、デッドレグ領域は必ずしも流れから絶縁されていない。
【0016】
本開示内の「バルブ」という用語は、一般に、装置を通るチャネル又はボアを通る流体の通過、すなわち流体の流れを制御することができる機械的もしくは電気的、又は電気機械的装置として定義される。
【0017】
「バイオリアクタ」、「バッグ」、及び「コンテナ」という用語は、一般に、本開示内で互換的に使用される。可撓性バイオリアクタ、バッグ、又はコンテナは、折り畳まれる、つぶされる、及び拡張されることができるなどの、例えば、生物学的流体を収容することができる、可撓性容器を意味する。使い捨てバイオリアクタ、バッグ、又はコンテナは、典型的には可撓性であり、一度使用されて廃棄される容器である。
【0018】
「無菌」という用語は、汚染物質がなく、特にバイオプロセス産業内で、ウイルス、バクテリア、病原菌、及び他の微生物がない状態として定義される。
【0019】
本開示内の「アジュバント」という用語は、例えば抗原に対する身体の免疫応答を増強する物質として定義される。
【0020】
「上流」という用語は、流体の流れの方向に対して別の構成要素の前の位置にある状態として定義される。
【0021】
一般に、本開示による実施形態は、流体、例えば流体、溶液、液体及び/又はガスを輸送するためのフロースルーコネクタ又はバルブなどの無菌流体移送装置を説明する。いくつかの実施形態では、流体移送装置は、本体と、本体の内部領域に配置されたボアと、ボア内に収容された可動(直線的に、例えば、プッシュ/プル操作、及び/又は回転的に、例えば、ボアを開閉するために本体に加えられるトルク)プランジャとを有する。本体は、第1及び第2のセクションから形成される。第1のセクションは、第1の開口部を含む第1の端部と、本体を上流構成要素(複数可)に取り付けるための第1の開口部を囲むフランジなどの終端取付構成要素とを有する。第2のセクションは、第2の開口部を含む第2の端部を有し、ボアは、第1の開口部と第2の開口部とを接続する。第1のセクションは、任意選択的に、第2のセクションの一部に対して回転することができる。いくつかの実施形態では、第1のセクション及び第2のセクションの一部は、プッシュプル方式で伸縮する。
【0022】
可動プランジャは、第1の開口部を含む第1の端部と、第2の開口部を含む第2の端部と、プランジャの第1の開口部と第2の開口部とを接続するプランジャの内部に配置された流体チャネルとを含む。いくつかの実施形態では、可動プランジャは回転し、直線的又は軸線方向に移動する。いくつかの実施形態では、プランジャは、装置が動作される(すなわち、開かれる/閉じられる)ときに、本体の第1のセクションの回転中にボア内でのその直線運動又は軸線方向運動を促進すると同時にその回転を阻止するための構成要素を含む。いくつかの実施形態では、プランジャは、装置が動作される又は操作される(すなわち、開かれる/閉じられる)ときに、本体の第1のセクションの嵌めこみ中にボア内でのプランジャの直線運動又は軸線方向運動を促進すると同時にその直線運動を阻止するための構成要素を含む。
【0023】
流体移送装置、すなわちバルブは、プランジャの第1の端部が、例えば本体の第1の開口部を取り囲む取付構成要素と位置合わせしているときに閉位置にあり、そこで、流体抵抗シールが形成される。いくつかの実施形態では、プランジャの表面は、フランジの上面よりも高い。滅菌目的のための蒸気対応面も形成され、フランジは、蒸気対応プラスチック、例えばポリプロピレン、アセタール、ナイロンなどで構成される。装置は、プランジャの第1の端部が本体の第1の開口部を取り囲む取付構成要素と位置合わせしていないときに開位置にあり、流体は上流構成要素、例えばバッグ、バイオリアクタ又はバイオコンテナから装置に流入することができる。
【0024】
図に目を向けると、図1A及び図1Bは、閉位置にある本開示による実施形態の断面図である。本開示のいくつかの実施形態が図1A図1B、及び図1Cに示されており、これらの実施形態は、流体移送装置、例えば、本体14の内部の少なくとも一部を通して形成された細長いボア20を有する本体14と、ボア20内に収容されたほぼ中空の可動プランジャ62、すなわち長手方向に変位したプランジャとを有するバルブ12を含む。ボア20は、図1Cに示すように、本体14の内部長さにわたって形成された横方向中央ボアである。本体14は、図示のように、回転する第1のセクション26と、静止した第2のセクション28の2つのセクションから形成される。第1のセクション26は、静止した第2のセクション28の一部及びプランジャ62の周りを部分的に回転する。ボアセクション34は、一般に、回転する第1のセクション26の内壁と協働し、ボアセクション36は、一般に、静止した第2のセクション28の内壁に対応する。図1Cに示す実施形態では、ボアセクション(34、36)の各々は異なる直径を有する。本明細書でより詳細に説明するように、バルブ12は、本体14の第1のセクション26が回転されるときに動作され(すなわち、開閉される)、本体14の静止した第2のセクション28とプランジャ62とを係合し、プランジャ62をボア20内で直線的に(例えば、軸線方向)駆動し、それによってバルブ12を動作する(すなわち、開閉する)。
【0025】
図1Cは、開位置においてプランジャを有する図1A及び図1Bのバルブ12の実施形態の断面図である。図1Cに示すように、本体14の第1のセクション26は、ほぼ中空であり、プランジャ62を受け入れるため一端に開口部18を有する。第1のセクション26は、外側静止壁セクション28の静止壁受溝44によって回転可能に係合される突出リップ又は縁部構成要素38を含む。本体14の静止した第2のセクション28は、ほぼ中空であり、開位置の間に上流源(図示せず)から供給された流体が通過することを可能にする開口部16を一端に有する。開口部16はまた、バルブ12が閉じられたときにプランジャの底部63を受け入れる。静止セクション28は、回転セクション26の内壁セクション40に回転可能に係合するための外壁構成要素42を含む。図1Cに示すように、第2のセクション28の内壁は、4つのセクションを有する静止ボアセクション36を形成する。図1Cには、第1の静止ボア直径36a、第1の移行静止ボアセクション36b、第2の静止ボア直径36c、及び第2の移行静止ボアセクション36dが示されている。第1のボア直径36aは、第2のボア直径36cよりも小さい。第2のボア直径36cは、設定された直径である。第1の移行ボアセクション36bは、第1及び第2のボア直径(36a、36c)の間に配置され、その長さに沿って外向きにテーパ状の直径を有する。第1の移行セクション36bの直径は、いくつかの実施形態では、第1及び第2のボア直径(36a、36c)の間の直線的な外側への進行である。第1の直径36aに隣接する第1の移行セクション36bの直径は直径36aに等しく、第2の直径36bに隣接する第1の移行セクション36bの直径は直径36bに等しい。
【0026】
図1Cに示すように、プランジャ62は、第1、第2、及び第3の領域を備える3つの概略的な領域を有する。第1の領域24の直径は、第1のボアセット直径34a以下である。第2の領域25の直径は、第2の静止ボア直径36c以下である。第3の領域29の直径は、第1の静止ボア直径セクション36aの直径以下である。プランジャ62は、図1Aに示すように、装置が閉位置にあるときに静止セクション28の開口部16を塞ぐための底部構成要素63を、第3の領域29の端部に有する。本開示のいくつかの実施形態は、図1Cに示すように、静的ダイアフラムシール60を含み、この静的ダイアフラムシール60は、プランジャ62の底部63に配置され、プランジャの底端部63の外壁61と、開口部16を形成する本体の静止セクション28の内壁82との間に液密な流体抵抗シールを形成する。
【0027】
プランジャ62はまた、第1の開口部64及び第2の開口部66の2つの開口部を備える。チャネル68は、プランジャの内部に配置され、第1及び第2の開口部(64,66)を接続し、それによって下流構成要素への流体経路を形成する。図1Cに示すように、第1の開口部64はプランジャの第1の部分24に位置し、第2の開口部66はプランジャの第2の部分25に位置する。他の実施形態では、プランジャ62は、追加の開口部及び内部流体経路を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、プランジャ62は、第2の部分25に少なくとも開口部を含む(図示せず)。
【0028】
図1A図1Cに示すように、本開示のいくつかの実施形態は、プランジャ62が、バルブ12が動作される(すなわち、開閉される)ときにプランジャ62の直線運動を促進しながら、ボア20内のプランジャ62の回転を阻止するための構成要素を備えることを含む。図1Aに示すように、プランジャ62の直線運動を達成するためのいくつかの実施形態は、プランジャ62の外壁から本体14の第2のセクション28の内壁に向かって延在する一対のウィング(74、76)、フィンなどを有するプランジャを示す。第2のセクション28は、構成要素であって、プランジャ62の回転を制限し、ボア20内でのプランジャ62の直線運動を促進するために、一対のウィング(74、76)を受け入れるためにセクション28の内壁に配置された、対応する2対の平行なスロット(70、72)、溝などを備える一対のウィング(74、76)と相互作用するための構成要素を有する。一対のウィング(74、76)は、スロット(70、72)の各対応する対の間に乗ることにより、バルブ12の動作(開閉)中にボア20内でのプランジャ62の直線運動を容易にする。
【0029】
図1Cでは、バルブ12が閉位置にあるとき、プランジャ62の底端部63は、第1のフランジ80と位置合わせされて面90を形成する。面90を有するバルブ12は、蒸気対応表面であり、装置12の内部、プランジャ62、及びそこからの任意の下流構成要素のための環境に対する無菌バリアを提供する。閉位置では、図1Aのように、プランジャ62の底端部(図示せず)は、流体が上流構成要素(図示せず)からバルブの開口部16(図1Cに示す)に入ることを許容せず、それによって流体が下流に移動するのを防止する。
【0030】
図1Cでは、第1のセクション26はまた、静止壁係合セクション40を有する内壁を含み、4つのセクションを有するボアセクション34を形成する。第1のボア設定直径34a、移行ボアセクション34b、第2のボア直径34c、及び第3のボア直径34dがある。第1の設定直径34aは、プランジャがボア20内で直線的に移動するときにプランジャと係合する。移行セクション34bは、第1の直径と第2の直径(34a、34c)との間に配置され、その長さに沿って外向きにテーパ状の直径を有する。移行セクション34bの直径は、好ましくは、第1の直径セクション34aからの直線的な外側への進行であり、第1の直径34aに隣接する移行セクション34bの直径は第1の直径34aに等しく、第2の直径34cに隣接する移行セクション34bの直径は直径34cに等しい。いくつかの実施形態では、第3の直径34dは、好ましくは直径34c未満であり、いくつかの実施形態では直径34aより大きい。
【0031】
図2A及び図2Bは、上流及び下流取付構成要素の代替的な実施形態をさらに
具備する、本開示による実施形態の分解斜視図である。図2Aに示すように、第1のプランジャ領域24の端部は、この実施形態では、デバイスを下流構成要素、この例では配管72に接続するための返し終端部92を含む。図2Bに示すように、第1のプランジャ部24の端部は、装置12を下流構成要素、例えば終端フランジ94に接続するための終端フランジ78を備える。限定ではなく例として、プランジャ62の終端接続機能によって装置に取り付けられた下流構成要素は、図2Aに示すように、プラスチックバッグ、コンテナ又はバイオリアクタ又は他のタイプの既知のレセプタクル(図示せず)などに取り付けられたプラスチック配管72などを含むことができる。図2A及び図2Bに示すように、バルブ12は、本体の静止セクション28の一端に、装置を上流構成要素に取り付けるための構成要素を有する。この実施形態では、第1のフランジ80は上流構成要素88の第2のフランジ89に取り付けられる。
【0032】
例として、装置に取り付けられた上流構成要素は、(図2A及び図2Bに示すような)取付フランジを有する、パイプ、出口を有するステンレス鋼若しくは使い捨てプラスチックタンク、又は当技術分野で一般的に知られている構成要素を移送装置に接続するための任意の他の取付モードとすることができる。例えば、バルブ12のフランジ80は、Tri-Clover(TM)フィッティング/クランプ(以下に示す)、Ladish(TM)フィッティング、ClickClamp(TM)クランプなどのクランプによって上流構成要素88の第2のフランジ89又はパイプに接続することができる。
【0033】
バッグ、又は配管72に取り付けられた任意の収集容器などの下流構成要素を充填するためにバルブ12を使用する場合、装置は、本体の回転セクション26を回転させることによって開かれ、これにより、プランジャ62(図1B参照)が面90から離れるように直線的に移動し、流体が開口部16(図1C参照)に流入し、最終的に配管72を通って開口部出口64からバッグ、任意の収集容器、又は他の流体輸送装置(図示せず)に流出することを可能にする。バッグ又はバイオリアクタが一杯になると、上流構成要素からの流体に対して閉じられた開口部16をシールするために、回転セクション26が反対方向に回転されてプランジャを再び直線的に、今度は反対方向に移動させる。
【0034】
1つ又は複数のシールが、プランジャ62の長さ及び端部に沿って配置され、装置が閉位置又は開位置にあるときにプランジャ62の様々な部分とボア20との間に液密シールを形成する。図1Aに示すように、シール60及び54は、溝46及び48内に部分的に収容される。図1A図1Cに示すように、シールはプランジャ62上に取り付けられてもよい。しかしながら、必要に応じて、シール及びそれらの配置の異なる構成も使用されることができる。例えば、図1Aは、プランジャ62の溝に形成されたシール46及び60を示す。線形又はグランドシール51は、静止ボアセクションの内壁上の溝50内及びプランジャ62の溝46内に保持される。バルブ12をバイオ技術製品などの製造及び移送のための使い捨てプロセスバッグなどの使い捨てプラスチックコンテナに成形するなど、本開示の他の実施形態も企図される。そのようなバッグは、例えば、EMD Millipore Corporation(米国マサチューセッツ州バーリントン)から入手可能である。
【0035】
図3は、本開示の実施形態による、拡張フランジ110を有するバルブ12の斜視図である。拡張フランジ110は、プロセス側110aと、プロセス側110aの反対側の非プロセス側110bとを有する。拡張フランジ110は、ヒートシール、超音波加熱、化学接着剤などによって、バッグ又はバイオコンテナ(図示せず)に接着される。いくつかの実施形態では、拡張フランジ110の非プロセス側110bは、バッグ又はバイオコンテナに接着される。バルブ12は、第1のセクション26及び第2のセクション28を備える。第1のセクション26は、第2のセクション28の一部及びプランジャ62の周りを部分的に回転する。任意選択的に、第2のセクション28は、1つ又は複数の平坦部114をさらに備える。レンチは、バルブの開閉中に第2のセクション28が移動しないように、平坦部(複数可)114に係合することができる。第2のステーション28の移動を制限することにより、第1のセクション26がバルブ12を開閉する上部で回転されるとき、そこに接着されたバッグは、応力、裂けなどを受けない。プランジャ62は、本体14の回転セクション26に配置された1つ又は複数のカムスロット58(図示されている)に乗る1つ又は複数のカム56(図示されている)を収容することができる。カム56及びスロット58の配置は、装置が作動(開放又は閉鎖)されるときにプランジャ62がボア(図示せず)内を直線的に移動する長さを制限するように作用する。バルブ12が閉位置にあるとき、図3に示すように、カム56はカムスロット58の閉位置にある。バルブ12が開位置(図示せず)にあるとき、カム56はカムスロット58の開位置に位置する。拡張フランジ110は、第2のセクション28と一体的に形成されてもよく、すなわち、恒久的に一緒に接着されるか、又は、例えば、破壊なしに分離することができないように射出成形作業において一緒に形成される。
【0036】
図4A及び図4Bは、本開示の実施形態による、バルブ612を備え、取り外し可能な拡張フランジ210及びクランプ150をさらに備える、本開示の実施形態の斜視図である。バルブ612は、第2のセクション28aと、Oリング91が着座することができる凹状フランジ80aとを備える。図4Bに示すように、拡張フランジ210は、中心孔132を形成し、シリンダ130、及びシリンダ130よりも大きい直径を有する肩部140に隣接して配置される。肩部140の外径は、凹状フランジ80aの外径と略同様である。留め具170を有するトリクランプ150が示されているが、多くのクランプが適している。組み立てられると、拡張フランジ210はバルブ612と嵌合し、シリンダ130の遠位にある肩部140の表面は、凹状フランジ80aと接触する。典型的には、Oリング91又は他の適合するシール手段が、肩部140と凹状フランジ80aとの間に配置される。シリンダ130はまた、(図3に関して上述したように)1つ又は複数の平坦部を組み込むのに十分な長さであってもよいことをさらに理解されたい。
【0037】
図4Cは、図4A及び図4Bの実施形態の正面図であり、組み立てられた状態の拡張フランジ210、バルブ、及びクランプ150を示す。上述のように、肩部140と凹状フランジ80aとが嵌合されると、トリクランプ150が両方の周りに配置される。次いで、留め具170が締められて、液密シールを形成することができる。実際には、拡張フランジ210は、最初にバッグ又はコンテナ(以下に示す)に接着され、続いてクランプ150を用いて凹状フランジ80aに組み立てられてもよい。次いで、バルブ612は、バッグ又はコンテナと連通する。バルブ612が接続されると、それは動作されることができる。図示のように、バルブ612は閉位置にある。バルブ612を開くために、ユーザは片手でクランプ150及び本体14の第1のセクション26を把持することができる。クランプ150を非回転にしながら、本体14を回転させることにより、ユーザは、バッグと拡張フランジ210との間のシールを損なうことなくバルブ612を開くことができる。
【0038】
図5は、本開示の実施形態による、バッグ又はバイオコンテナ100に接着された拡張フランジ210を有する図4Cのバルブ612の断面正面図である。バルブ612は、上述のバルブ12(及び以下に説明するバルブ112、212)と同様に動作する。バルブ612は、バッグ100に接着されている。バッグ100は、内面104及び外面102を有する。拡張フランジ210は、内面104上でバッグ100に接着される。プランジャ62はまた、少なくとも2つの開口部、すなわち第1の開口部64及び第2の開口部66を有する。チャネル68は、プランジャの内部に配置され、第1の開口部64と第2の開口部66とを接続し、それによって下流構成要素への流体経路を形成する。第1の開口部64はプランジャの第1の部分24に配置され、第2の開口部66はプランジャの第2の部分25に配置される。いくつかの実施形態では、プランジャ62は、追加の開口部及び内部流体経路を含むことができる。図示のように、バルブ612が閉位置にあるとき、プランジャの底端部63はフランジ210と位置合わせされ、面90を形成し、バルブ、プランジャ、及び任意の下流構成要素の内部のための環境に対する蒸気対応表面及び無菌バリアをバルブに提供する。面90、拡張フランジ210、並びにバッグ100の内面104は、実質的に同一平面上にあり、したがってデッドレグ状態は生成されないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、プランジャの表面は、閉位置にある間、フランジの上面よりも高く、シール状態はOリングによって維持される。図示のように、プランジャ62は、バッグ100の下流の配管202に取り付けられる。
【0039】
図6は、本開示の実施形態による、バッグ又はバイオコンテナ100に接着された拡張フランジ210を有する図5のバルブ612の断面図であり、固体処理助剤99をさらに示す。図示のように、処理助剤99はバッグ100の内側にある。バルブ612は閉じられており、処理助剤99のすべてが溶解のために明らかに利用可能である。したがって、デッドレグ領域は存在しない。言い換えれば、処理助剤99のすべてが同様にバッグ100内に位置する。また、任意の異なる物理的特性(バッグ100内の液体溶液内の濃度差など)を有すると予想されるバッグ100内の領域はない。本明細書に記載のシステム(バッグ100)及びバルブ(12、112、212、612)は、「負の」デッドレグを有するとさらに呼ばれることができる。プランジャ62の面90は、閉位置にあるとき、実際にはバッグ100の内面104及び/又は拡張フランジ80a、80b、80c、110、210などの上に飛び出る又は突出するので、バッグ100内に形成される処理助剤又は停滞領域のためのデッドレグは存在し得ない。
【0040】
図7は、本開示による、二次元バッグ(図示せず)と共に使用するためのバルブ112の第2の実施形態の斜視図である。バルブ112は、プランジャ62に隣接する第1の開口部64を備える。プランジャ62は、バルブを第1の端部の下流構成要素に接続するための返し終端部92を備える。バルブ112は、取付領域122を有する第1のフランジ80bをさらに備える。取付領域122は、2Dバッグ、バイオリアクタ、又はコンテナ(図示せず)に取り付けることができる。取付領域122は、例えば接着剤及び/又はヒートシールを介してバッグに接着されてもよい。プランジャ62の面90(閉位置にある間)はまた、2Dバッグ(図示せず)の閉鎖容積内に延在する。バルブ112を使用して収集容器などの下流構成要素を充填する場合、バルブ112は、第1のセクション26を回転させることによって開かれ、これによりプランジャ62を面90から直線的に離れるように移動し、流体が開口部に入り、最終的に開口部64から流出することを可能にする。バッグ又はバイオリアクタが一杯になると、上流構成要素からの流体に対して閉じられた開口部をシールするために、第1のセクション26は反対方向に回転してプランジャを再び直線的に、今度は反対方向に移動させる。実際には、取付領域122がバッグに接着される場合、取付領域122とバッグ又はバイオリアクタ100との間の接着を圧迫しないために、第2のセクション28は静止状態に保持され、第1のセクション26は回転される。上述したように、把持を容易にするために、平坦部は、第2のセクション28に配置又は成形されてもよい。
【0041】
図8は、本開示の実施形態による、二次元バッグと共に使用するためのバルブ212の第3の実施形態の斜視図である。バルブ212は、プランジャ62に隣接する第1の開口部64を備える。プランジャ62は、バルブ212を第1の端部の下流構成要素に接続するための返し終端部92を備える。バルブ212は、バッグ、バイオリアクタ、又はコンテナ(図示せず)に取り付けることができる第1のフランジ80cをさらに備える。平坦部は、上述したように、第2のセクション28に配置又は成形されてもよい。
【0042】
図9は、本開示の実施形態による、図4Cに示すような組み立てられた状態の拡張フランジ210、バルブ612、及びクランプ150を分解図において示すものであり、ドレインプレート190をさらに備える。ドレインプレート190は、第1の平面199を備え、第1の平面199は、後述するように、組み立てられたときに拡張フランジ210に接触する。第1の平面199の反対側には第1の表面198及び第2の表面196があり、第2の表面は第1の平面199の遠位にあり、第1の表面198は第1の平面199と第2の表面196との間に配置される。第2の表面196は、第1の表面198の直径よりも小さい直径を備える。幅wを有する貫通スロット192は、ドレインプレート190の直径の少なくとも半分を横断する。貫通スロット192の遠位端にある第2のスロット194は、ドレインプレート190の厚さtの約半分を横断する。貫通スロット192の幅wは、クランプ150の幅よりも小さい。
【0043】
ドレインプレート190は、拡張フランジ210の下に配置されてもよい。クランプ150は、留め具170の反対側にヒンジ180を備える。上述したように、クランプ、すなわち、トリクランプ150がバルブと共に組み立てられると、バルブ612に示されるように、留め具170が締め付けられ、液密シールを形成することができる。実際には、拡張フランジ210は、最初にバッグ又はコンテナ(以下に示す)に接着され、続いて上述のように凹状フランジに組み立てられてもよい。バルブ612が組み立てられると、それは、操作されることができる。図示のように、バルブ612は閉位置にある。ヒンジ180は、第2のスロット194内にスライドする。第2の表面196の少なくとも一部は、拡張フランジ210とクランプ150との間に配置される。ドレインプレート190は、任意の適切な材料、例えば、金属、セラミック、プラスチックなどから製造されてもよい。少なくとも1つの例示的な材料は、鋼、特にステンレス鋼である。ステンレス鋼製のドレインプレート190は、容易に洗浄して再利用することができる。
【0044】
バルブ612を開くために、ユーザはクランプ150を把持する必要はない。対照的に、ユーザは、片手で本体14の第1のセクション26を回転させることができる。クランプ150を非回転にしながら、バルブ612の本体14を回転させることにより、ユーザは、バッグと拡張フランジ210との間のシールを損なうことなく、かつクランプ150を把持することなく、バルブ612を開くことができる。さらに、クランプ150、ドレインプレート190、及び拡張フランジ210の間の干渉のために、回転力は拡張フランジ210に伝達されず、したがって、バッグ(図示せず)と拡張フランジ210との間のシールを損傷する危険性はあり得ない。
【0045】
流体移送装置又はバルブ12、112、212、612、1112は、好ましくは無菌状態で設けられるので(すなわち、システムの内部及びバルブの下流に接続された任意の構成要素は、ガンマ線、エチレンガスなどで事前に滅菌され、無菌状態で出荷される。)、何らかのタイプの使用インジケータ(図示せず)が有用となり得ることとなり、システムが使用されたときにユーザに通知することができる。代替として、又は上述したインジケータ機構のいずれかに加えて、シュリンクラップインジケータ(図示せず)がバルブの上に、又は少なくとも装置の回転する第1のセクションの上に配置されて、バルブが使用されたかどうかを示すことができる。
【0046】
バルブ12、112、212、612、1112は、プラスチック材料を備えてもよく、本体及びプランジャアセンブリを機械加工し、次いで必要なシールなどを付与することによって、又はいくつかの実施形態では、本体及びプランジャを別々に成形し、それらをシール及び他の構成要素と組み立てることによって形成されてもよい。代替で、本体は、2つの別個の半体、例えば長手方向半体に成形され、シール及び他の構成要素を有するプランジャ構成要素を本体の半分に取り付け、続いて本体の残りの半分をプランジャ、シール、他の構成要素、及び本体の最初の半分に取り付けることによって組み立てられてもよい。
【0047】
バルブ12、112、212、612、1112は、蒸気滅菌に耐えることができる金属及び/又は任意のプラスチック材料で作製されることができる。そのような滅菌の温度及び圧力は、典型的には、約121℃で、大気圧より1バール高い。場合によっては、142℃及び大気圧を3バールまで上回るようなより厳しい条件が使用されてもよい。本体及び少なくともプランジャの表面は、これらの条件に耐えることができる。いくつかの実施形態では、バルブ12、112、212、612、1112は同じ材料で作られ、これらの条件に耐えることができる。このバルブに適した材料には、PEI(ポリエーテルイミド)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアルコキシスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。代替で、セラミック又は金属インサートのみから、又はプラスチックカバーでオーバーモールドされた表面部分を作製することができる。プラズマコーティングプロセスを使用して、金属外層を有するポリマー表面を形成することもできる。
【0048】
本開示の前述の実施形態は、従来技術のデッドレグの問題を解決する(例えば、図10を参照)。図10は、ポート908、チューブクランプ906、及びチューブ902(断面)を有するバッグ100を備える従来技術のシステム900であり、これにより、デッドレグ領域が形成される。従来技術のシステム900は、アジュバントなどの処理助剤99を含む生物学的流体120をバッグ100から混合、サンプリング及び/又は送達するために使用された/使用される。バッグ100(閉鎖容積を有する、図示せず)からの流体120は、閉鎖容積からチューブ902内に方向Aに流れる。チューブ902は、返しコネクタ904を有するポート908を介してバッグ100に接続される。チューブ902は、チューブクランプ906によってピンチオフされる。いくつかのシステムでは、ポート908とチューブ902との間に使い捨てバルブ(図示せず)が配置されることができる。流体120は、チューブクランプ906を開くことによってシステム900から分注されることができる。このシステムの欠点は、流体120がポート908を通ってチューブ902内に自由に流れることができることであり、領域910はデッドレグ領域を表す。図示のように、デッドレグ領域910は、バッグ100又はバイオリアクタからデッドレグ領域910に沈降した処理助剤99を有する。チューブ902の上部点Bから下部点Cまでの任意の部分は、デッドレグ領域910を表す。デッドレグ領域910内の処理助剤99のいずれも、もはやバッグ100内で溶解されることができない、すなわち廃棄物となる。さらに、バッグ100からデッドレグ領域910を通して採取された試料は、バッグ100内の流体を表す濃度を有する可能性は低い。また、これまでデッドレグ領域のないシステムを構築しようとする試みは失敗している。例えば、クランプ906をバッグ100に近づけることはできない。ポート908とチューブ902とが重なっているため、十分に密封を得ることができない。さらに、ポート908及び/又はバッグ100に損傷が生じる。ポート908とチューブ902とが重ならないようにクランプの位置を低くすると、必然的にデッドレグ領域が生じる。さらにまた、クランプ906がポート908に非常に近接しているとき、返しコネクタ904はチューブ902から移動し、漏れの領域を形成する。
【0049】
図11は、本開示の実施形態による、バッグと共に使用するためのバルブの追加の実施形態の斜視図である。いくつかのより小さいバルブ、例えば、直径が約15~30mm未満である配管が取り付けられたバルブは、手動で操作することが困難な場合がある。いくつかの実施形態は、バルブの部品の回転を介して操作する、すなわち開閉することが困難な場合がある。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、プッシュプル操作を使用してバルブが開閉されるバルブを含む。
【0050】
図11は、本開示の実施形態による、バルブ及びバッグと共に使用するためのロックツール1000の一実施形態の斜視図である。ロックツール1000は、上部平面1002及び下部平面1004を備え、垂直壁1014がそれらの間に配置される。垂直壁1014は、下部スロット1008及び上部スロット1006に対向する。垂直壁1014は、上部平面1002と下部平面1004とを接続する小円弧を形成する。上部スロット1006は、下部スロット1008の幅よりも小さいか又は等しいスロット幅Wを備える。ロックツール1000は、任意選択的に、遠位円形領域1012を備える。遠位円形領域1012に隣接して2つのリブ1010が形成されている。リブ1010は、上部スロット1006内にバルブ(以下に示す)を配置し、解放可能にロックすることができる。遠位円形領域1012の半径は、その中に配置されたバルブの曲率半径と実質的に等しくてもよい。ロックツール1000は、上述したようにバッグに接続されたバルブが内部に配置されている場合、以下でより完全に説明するように、オペレータがバルブを作動させることを可能にする。ロックツール1000は、任意の適切な材料、例えば、金属、セラミック、プラスチックなどから製造されてもよい。少なくとも1つの例示的な材料は、鋼、特にステンレス鋼である。ステンレス製のロックツール1000は、容易に洗浄して再利用することができる。代替で、プラスチック製のロックツール1000は、滅菌が容易で安価なものであってもよく、使い捨て用途に選択されてもよい。
【0051】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、バッグと共に使用するためのバルブ1112の正面図である。バルブ1112は、プッシュプル操作で作動されることができる。例えば、オペレータは、バルブ1112の円錐形本体セクション1028を保持し、バルブ1112を引いて開くか、又は下部セクション1060を把持することによってバルブ1112を押して閉じることができる。しかしながら、オペレータがバルブ1112を引く及び/又は押す間に本体セクション1028を保持する必要はない。オペレータは、下部セクション1060を単に引くか又は押すことができる。ロックツール1000は、引かれるか又は押されるとバルブ1112を支持する。下部セクション1060は、それに接続されたボアを有し、本体セクション1028内で伸縮する。本体セクション1028は、その中に配置された操作スロット1058を有してもよい。本体セクション1028の上部1030は、以下により完全に示されるように、ロックツール1000と嵌合することができる。拡張フランジ210は、バルブ1112と嵌合するための肩部140をさらに備える。操作スロット1058は、閉鎖端1058bと開放端1058aとを有する。ピン1054は、バルブ1112のプランジャ(図示せず)に接続される。操作スロット1058は、ピン1054を介したプランジャの開放端1058aから閉鎖端1058bへの直線運動及び軸線方向運動を制限する。プランジャは、プランジャの遠位端の面90に接続され、プランジャは、上述したように、ボア内に配置される。プランジャは、2つ以上の周方向シール(図示せず)を有してもよく、開口部(図示せず)は、流体移送のための中央プランジャボアに通じる。シール、例えばOリング91は、面90を囲み、図示のように、閉位置にあるときに拡張フランジ210に孔を有する液密シールを提供する。バルブ1112が開放されると、面90及びOリング91は、拡張フランジ210を通って凹むようになり、プランジャ並びに下部セクション1060及び開口部64を通るバッグ(図示されていないが、上述のように)とチャネル又はボアとの間の流体連通を提供する。例えば配管を収容するための返しフィッティング92も示されている。ピン1054のバルブ閉位置1058b及びバルブ開位置1058aからの不用意な移動を防止するために、ロック1056が操作スロット1058に配置されてもよく、及びその逆も可能である。
【0052】
図13は、本開示の実施形態による、流体移送システムのための、図11のロックツール内に配置された図12のバルブの斜視図である。ゼロデッドレグ流体移送システムは、バルブを備え、バルブは、下部本体セクションと上部本体セクションとを有する円錐形本体セクションであって、拡張フランジが上部本体セクションに接合される円錐形本体セクションと、円錐形上部本体セクション内に配置された中央ボアを有するプランジャであって、プランジャは、面に隣接する少なくとも1つのシールを備え、バルブが、プランジャを円錐形本体セクション内で長手方向に変位可能にするプル/プッシュ操作を介して開閉されるプランジャと、ロックツールであって、上部平面と下部平面とを備え、それらの間に配置された垂直壁を有し、さらに、下部スロットと上部スロットとは反対側の垂直壁を備え、バルブの円錐形本体セクションは、下部スロット又は上部スロットのうちの少なくとも一方内に位置し、プランジャ上の少なくとも1つのシールは、プランジャと拡張フランジとの間に液密シールを形成する、ロックツールと、を備える。
【0053】
流体移送装置、例えば、細長いボア(図示せず)を有する本体セクション1028を有するバルブ1112は、上述したように、例えば、ほぼ中空の可動プランジャ、すなわち、細長いボア内に収容された長手方向に変位するプランジャなど、下部セクション1060の少なくとも一部を通って形成された。プランジャは、本体セクション1028に対して軸線方向及び直線的に移動する。バルブ1112内のプランジャは直線的に駆動され(例えば、軸線方向)、それによってバルブ1112を動作させる(すなわち、開閉)。面90は、開位置(図示のように、バルブは閉位置にある)にあるときにバルブ1112内に引き込まれる。拡張フランジ210は、バッグ(図13には示さず、実質的に上述したように)の表面、例えばバッグの外面又はバッグの内面のいずれかに取り付けられる。オペレータは、ロックツール1000を本体セクション1028の上部1030の周りに配置し、バルブ1112の下部セクション1060をしっかりと引っ張って、バッグを引き裂くことなくバルブ1112を開くことができる。オペレータは、下部1060を別の手で引っ張るときに、ロックツール1000の下に手を置くことができる。しかしながら、上記のように、下部1060を引くか押すかにかかわらず、片手のみが必要である。同様に、オペレータは、バッグの完全性を危険にさらすことなく、ロックツール1000を把持し、下部1060を押してバルブ1112を閉じることができる。拡張フランジ210は、上部1030に隣接して本体セクション1028に取り付けられる。拡張フランジ210は、バッグに取り付けられ、プランジャの面90及び面90上のOリング91が凹んで中空プランジャと流体連通することができ、中空プランジャと液密シールを形成するように貫通する孔1034を有する。いくつかの実施形態では、内径が10~25mm以下のチューブなどのチューブが返しフィッティング92に取り付けられる。
【0054】
本開示による実施形態はまた、生物学的流体を処理するための方法を含む。例えば、生物学的流体(複数可)は、内部容積を有するバッグ又はバイオリアクタ内に送達又はその他の方法で提供することができる。バルブなどの流体移送装置は、バッグ又はバイオリアクタと下流で流体連通している。一般に、バルブなどの下流構成要素は、バッグ又はバイオリアクタの底部又は底部近くに配置される。流体移送装置は、流体移送装置に取り付けられたフランジ又は流体移送装置の一体部分の拡張領域に沿ってバッグ又はバイオリアクタに取り付けられる。生物学的流体が混合される。生物学的流体を混合するための典型的な手段は、インペラ及び/又は混合ブレードを備える。インペラは、駆動機構として物理シャフトに取り付けられてもよい。代替で、インペラは、インペラの回転を生成するために平衡磁場を使用して、磁気駆動ポンプによって動力供給されてもよい。回転中、回転磁場は内部インペラ磁石に影響を及ぼす。2つの磁石が一緒に回転し始めると、インペラは回転し始め、したがって流体を変位させる。さらに、固体処理剤が内部容積に送達されることができる。固体処理剤は、生物学的流体と混合される。いくつかの実施形態では、流体移送装置はフランジを備える。フランジは、バッグ又はバイオリアクタに取り付けるための比較的大きな表面を備えてもよい。また、流体移送装置は、閉位置にあるときに液密シールを提供し、開位置にあるときに流体の送達を可能にするためのプランジャを備えてもよい。いくつかの実施形態では、フランジは、閉位置中にプランジャの表面と実質的に同一平面上にある上面を備える。いくつかの実施形態では、プランジャの表面は、フランジの上面よりも高い。フランジがバッグ又はバイオリアクタに接着されているため、デッドレグ領域なしで混合が行われ、混合効率が大幅に向上する。さらに、例えば、流体の処理中に試料が必要とされる場合、試料はまた、様々な薬剤及び助剤の濃度をより表すものとなる。例えば、混合が困難な薬剤の1つはアルミニウム塩であり、典型的にはアジュバントとして使用される。いくつかの実施形態では、方法は、培養するための生物学的流体、例えばモノクローナル抗体を含む。
【0055】
特定の実施形態によれば、バッグ、バイオリアクタ、又は使い捨てコンテナは、流体を受け入れて維持するように設計される。いくつかの実施形態では、バッグ、バイオリアクタ又は使い捨てコンテナは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVAコポリマー)、熱可塑性エラストマー(TPE)、及び/又は前述の材料のいずれかのブレンドもしくは合金、並びに当業者に知られている他の様々な熱可塑性材料及び添加剤を含むポリエチレンなどのポリマー組成物で形成された単層壁又は多層可撓性壁を備える。使い捨てコンテナは、類似又は異なる熱可塑性樹脂の共押出、異なる熱可塑性物質の多層積層体、溶接及び/又は熱処理、熱かしめ、カレンダー加工などを含むがこれらに限定されない様々なプロセスによって形成されてもよい。前述のプロセスのいずれかは、隣接する層の間の接着を促進するために、接着剤、結合層、プライマー、表面処理などの層をさらに備えてもよい。「異なる」とは、EVOHの1つ又は複数の層を有するポリエチレン層などの異なるポリマータイプ、並びに同じポリマータイプであるが、分子量、直鎖又は分岐ポリマー、充填剤などの異なる特性が本明細書で企図されることを意味する。典型的には、医療用のプラスチック、及びいくつかの実施形態では、動物性材料を含まないプラスチックが、コンテナを製造するために使用される。医療用のプラスチックは、例えば、蒸気、エチレンオキシド、又はベータ線及び/もしくはガンマ線を含む放射線によって滅菌されることができる。また、ほとんどの医療用のプラスチックは、良好な引張強度で低ガス移送用に指定されている。いくつかの実施形態では、医療用のプラスチックは、透明又は半透明であり、内容物の視覚的監視を可能にし、典型的には溶接可能であり、非担持であるポリマー材料を含む。いくつかの態様では、コンテナは、生物学的に活性な環境を担持することができるバイオリアクタ、例えば細胞培養の状況で細胞を増殖させることができるバイオリアクタとすることができる。いくつかの実施形態では、バッグ、バイオリアクタ又はコンテナは、二次元(2D)又は「ピロー」バッグであってもよく、代替で、コンテナは三次元(3D)バッグであってもよい。コンテナ又はバイオリアクタの特定の幾何学的形状は、本明細書に開示されるいずれの実施形態においても限定されない。いくつかの実施形態では、コンテナは、ポート又はベントなどのアクセスポイントを提供する剛性基部を含むことができる。本明細書に記載の任意のコンテナは、1つ又は複数の入口、1つ又は複数の出口、及び任意選択的に、導電率、pH、温度、溶存ガス、例えば酸素及び二酸化炭素などの当業者に既知のパラメータのためのコンテナ内の液体を検知するための無菌ガス通気口、スパージャ、及びポートなどの他の特徴を備えることができる。コンテナは、ベンチトップスケールから、例えば3000L以上のバイオリアクタに混合される細胞及び培養培地などの流体を収容するのに十分なサイズである。
【0056】
プラスチックフィルムの内壁は、流体移送装置、例えばバルブのフランジとヒートシールするように指定されてもよい。同様に、特定のプラスチックフィルムが示されている場合、一般にポリマー材料を含むフランジは、特定のプラスチックフィルムとヒートシールするように指定されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波溶接、RF溶接、接触加熱、誘導加熱、及び当業者に知られている他の加熱方法を使用して、フランジとプラスチックフィルムとの間に接合を生成することができる。いくつかの実施形態では、プラスチックフィルムとフランジとの間にプライマーが使用されることができる。いくつかの実施形態では、プラスチックフィルムとフランジとを接合するために接着結合層が使用される。フランジは、任意の適切な厚さであってもよい。いくつかの実施形態では、フランジの厚さは、所望の剛性の関数である。例えば、ポリプロピレンポリマー材料を含むフランジは、約、例えば1.0~3.0ミリメートルの厚さであってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、フランジは、プラスチックフィルムとの接合が強化されるように表面処理、例えばオゾン処理を含むことができる。いくつかの実施形態では、フランジは、滅菌目的のために蒸気及び/又はガンマ線に対して安定である。いくつかの実施形態では、フランジの直径は、特定の用途のために指定されてもよい。例えば、大量の溶解困難な処理助剤を必要とする用途では、ユーザは、混合が最も効率的なバイオリアクタ内の領域に最初に溶解していない材料が残るように、より大きなフランジを使用する必要があり得る。いくつかの実施形態では、フランジは、装置を位置決め/配向するための手段として使用されることができる。例えば、その技術は参照により全体が組み込まれる、EMD Millipore Corporationによって出願された米国特許第9,187,240号明細書、米国特許第9,272,840号明細書、米国特許第9,090,398号明細書を参照されたい。
【0057】
本開示によるバルブのいくつかの実施形態は、例えば、EMD Millipore Corporationによって出願された米国特許第8,690,120号明細書及び米国特許第10,247,312号明細書に見られ、これらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0058】
いくつかの実施形態では、バッグ、バイオリアクタ、又はコンテナは、使い捨ての変形可能な折り畳み可能なバッグであって、閉鎖容積を画定し、一回使用のために滅菌可能であり、生物医薬品流体などの内容物を流体状態で収容することができ、混合装置をコンテナの閉鎖容積内に、例えば作業容積内に部分的又は完全に収容することができる使い捨ての変形可能な折り畳み可能なバッグであってもよい。いくつかの実施形態では、混合が完了した後などに、容積に流体を導入し、そこから流体を排出するために、適切なバルブなどによって閉鎖容積が開かれることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、各コンテナは、その内部に部分的又は完全に、コンテナに収容された1つ又は複数の液体、気体及び/又は固体を混合、分散、均質化、及び/又は循環させるためのインペラアセンブリを収容する。インペラアセンブリは、軸線周りの回転又は振動などによって移動可能な1つ又は複数のブレードを含むことができる。インペラアセンブリは、回転運動を、インペラアセンブリが接触する流体を混合する力に変換する。インペラアセンブリは、コンテナの上部に形成され、シャフトを介してコンテナ容積内に下方に延在することができる。シャフトは、コンテナの外側のモータに接続され、シャフトは、その上に1つ又は複数のインペラブレードを有する。そのようなアセンブリは、「ライトニングスタイル」アセンブリと呼ばれることが多い。また、いくつかの実施形態では、インペラアセンブリは、コンテナの底部に形成されることができ、コンテナの外側のモータへの直接シャフトによってモータに接続されるか、代替で、シャフトがコンテナの壁を貫通する必要がないようにモータに磁気的に結合される。
【0060】
本明細書に列挙される公式のすべての範囲は、それらの間の範囲を含み、終点を含むか又は除外することができる。任意選択的に含まれる範囲は、それらの間の整数値からの(又は1つの元の終点を含む)ものであり、列挙された大きさの順又は次に小さい大きさの順である。例えば、下側範囲値が0.2である場合、任意選択に含まれる終点は、0.3、0.4・・・とすることができる。1.1、1.2など、並びに1、2、3など、より大きい範囲が8である場合、任意選択に含まれる終点は、7、6など、並びに7.9、7.8などとすることができる。3以上などの一方的な区域も同様に、列挙された大きさの順又は1つ下の整数値から始まる一貫した区域(又は範囲)を含む。例えば、3以上は、4又は3.1以上を含む。
【0061】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」、「いくつかの実施形態」、又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。したがって、本明細書全体を通して、「1つ又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、又は「実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。
【0062】
いくつかの実施形態が上述されたが、他の実装形態及び用途も以下の特許請求の範囲内にある。本明細書は、特定の実施形態を参照して説明しているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、例示的な実施形態に対して多数の修正を行うことができ、本開示による実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の配置及びパターンを考案することができることをさらに理解されたい。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、実施形態のいずれか1つ又は複数において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0063】
本明細書で引用された特許出願及び特許及び他の非特許文献の刊行物は、あたかも各個々の刊行物又は参考文献が、完全に記載されているように参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、引用された部分全体にその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願が優先権を主張する任意の特許出願も、刊行物及び参考文献について上述した方法で参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブであって、
第1のセクション及び第2のセクションを有する本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位可能なプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置及びボアの近位端に向かって変位された第2の位置を有し、上面をさらに備えるプランジャと、
プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールするダイアフラムシールと、
ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールするグランドシールと、
グランドシールを貫通し、グランドシールに密閉して固定されるプランジャと、
本体の第2のセクションに取り付けられた、又は本体の第2のセクションの一体部分として配置されたフランジであって、プランジャの上面の周囲を含んだプランジャの上面がフランジの上面よりも高く、フランジが可撓性バイオリアクタバッグの内面との接合を形成するように構成されている、フランジと、
ダイアフラムシールとグランドシールとの間のボア内の流体移送開口部と、
を備え、
プランジャの長手方向の変位は、ダイアフラムシールを移動してボアを開き、グランドシールは、プランジャの変位に対応し、プランジャの周りのシールを維持するために伸長し、流体流路は、ボアの開口近位端と流体移送開口部との間に確立され、プランジャをその第1の位置に向かって長手方向に変位させると、ダイアフラムが移動してボアが開く、
バルブ。
【請求項2】
フランジの表面は、プランジャがボアの近位端に向かって変位されたときに、第2の位置の表面と実質的に同一平面上にあり、ゼロデッドレグ位置を形成する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
ダイアフラムシールとグランドシールとの間のボアの一部が実質的に無菌である、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項4】
バルブを上流構成要素に取り付けるための実質的に無菌の接続構成要素をさらに備える、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
ダイアフラムシールが、プランジャの変位前に、ボアの近位端の内側に少なくとも部分的に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
本体が、実質的に円筒形の外側部分と、プランジャのための少なくとも1つの位置合わせスロットと、グランドシールのための溝とを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
フランジが、可撓性バイオリアクタバッグとヒートシール接合又は接着接合を形成する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項8】
流体移送用キットであって、流体移送用キットは、バルブを備え、
バルブは、
第1のセクション及び第2のセクションを有する本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位されたプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置及びボアの近位端に向かって変位された第2の位置を有する、プランジャと、
プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールするダイアフラムシールと、
ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールするグランドシールと、
本体の第2のセクションに取り付けられた、又は本体の第2のセクションの一体部分として配置されたフランジと、
フランジに取り付けられた可撓性バッグであって、フランジは実質的に平坦であり、可撓性バッグに取り付けることができる拡張領域を含む、可撓性バッグと、
を備え、
プランジャの長手方向の変位は、ダイアフラムシールを移動してボアを開き、グランドシールは、プランジャの変位に対応し、プランジャの周りのシールを維持するために伸長し、流体流路は、ボアの開口近位端と流体移送開口部との間に確立され、プランジャの端面の周囲を含んだプランジャの端面が、プランジャがボアの近位端に向かって変位されるときゼロデッドレグ位置を生成するフランジの表面よりも高い
キット。
【請求項9】
バルブ、バルブを上流構成要素に取り付けるための接続構成要素、可撓性配管、及び少なくとも1つの試料コンテナが接続され、実質的に無菌である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
バルブであって、バルブは、
本体と、
本体を貫通し、近位端及び遠位端を有する細長いボアと、
ボア内に配置され、ボアに沿って延在する長手方向に変位可能なプランジャであって、近位端及び遠位端を有し、ボアの遠位端に向かって変位された第1の位置と、ボアの近位端に向かって変位された第2の位置とを有する、プランジャと、
プランジャとボアとの間に液密シールを形成するようにプランジャに取り付けられた少なくとも1つのシールと、
プランジャの近位端とプランジャの遠位端との間のプランジャ内の流体移送開口部と、
本体に結合されて、上面、および、上面と反対の下面、を有するフランジであって、フランジの下面が、可撓性バイオリアクタバッグの内面との結合されるように構成されている、フランジと
を備え、
プランジャの端面の周囲を含んだプランジャの端面が、プランジャが第2の位置にあるときフランジの上面よりも高く、
プランジャの長手方向の変位は、ボアを開口して流体移送開口部及びプランジャ内のチャネルを通って上流構成要素から下流構成要素への流体経路を形成する、
バルブ。
【請求項11】
少なくとも1つのシールはダイアフラムシールである、請求項10に記載のバルブ。
【請求項12】
ダイアフラムシールが、プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールする、請求項10又は11に記載のバルブ。
【請求項13】
少なくとも1つのシールがグランドシールである、請求項10~12のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項14】
バルブが少なくとも1つのグランドシールをさらに備える、請求項12に記載のバルブ。
【請求項15】
グランドシールは、ダイアフラムシールとボアの遠位端との中間の位置でボアをシールする、請求項14に記載のバルブ。
【請求項16】
プランジャが、少なくとも1つのグランドシールを貫通し、少なくとも1つのグランドシールに密閉して固定される、請求項14に記載のバルブ。
【請求項17】
少なくとも1つのグランドシールは、プランジャの変位に対応してプランジャの周りのシールを維持するように伸張する、請求項14に記載のバルブ。
【請求項18】
プランジャの第1の位置に向かう長手方向の変位が、ダイアフラムを移動させてボアを開く、請求項12に記載のバルブ。
【請求項19】
ダイアフラムシールと少なくとも1つのグランドシールとの間のボアの一部が実質的に無菌である、請求項16に記載のバルブ。
【請求項20】
ダイアフラムシールが、プランジャの変位前にボアの近位端の内側に少なくとも部分的に配置される、請求項12に記載のバルブ。
【請求項21】
本体が、実質的に円筒形の外側部分と、プランジャのための少なくとも1つの位置合わせスロットと、グランドシールのための溝とを備える、請求項14に記載のバルブ。
【請求項22】
生物学的流体を処理するための方法であって、
内部容積を有するバッグ又はバイオリアクタ内に生物学的流体を提供するステップと、
バッグ又はバイオリアクタと下流で流体連通するバルブを提供するステップであって、バルブは、フランジの拡張領域に沿ってバッグの内面又はバイオリアクタの内面に取り付けられ、バルブは、開位置および閉位置の間で再配置可能であるプランジャを有し、プランジャの端部の周囲を含んだプランジャの端部が、プランジャが閉位置にあるときフランジの上面から突出する、バルブを提供するステップと、
生物学的流体を混合する手段を提供するステップと、
固体処理剤を内部容積に送達するステップと、
固体処理剤を生物学的流体と混合するステップであって、混合がデッドレグ領域なしで実施される、固体処理剤を生物学的流体と混合するステップと、
を備える方法。
【請求項23】
バルブが、請求項1に記載のバルブである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
混合する手段がインペラを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
インペラは、磁気駆動インペラである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
固体処理剤がアルミニウム塩である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
バルブを介してバッグ又はバイオリアクタの内部容積内から生物学的流体の試料を取得するためのステップをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
生物学的流体がモノクローナル抗体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
バルブを無菌にするステップをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
ゼロデッドレグ流体移送システムであって、ゼロデッドレグ流体移送システムは、
バルブであって、
下部本体セクション及び上部本体セクションを有する円錐形本体セクションであって、拡張フランジが上部本体セクションに接合されている、円錐形本体セクションと、
円錐形上部本体セクション内に配置された中央ボアを有するプランジャであって、プランジャは、面に隣接する少なくとも1つのシールを備え、バルブは、プランジャを円錐形本体セクション内で長手方向に変位可能にするプル/プッシュ操作を介して開閉され、プランジャがさらに上面を備える、プランジャと、
を備えるバルブと、
ロックツールであって、間に配置された垂直壁を有する上部平面と下部平面とを備え、下部スロット及び上部スロットに対向する垂直壁をさらに備え、バルブの円錐形本体セクションは、下部スロット又は上部スロットのうちの少なくとも一方内に位置する、ロックツールと、を備え、
プランジャ上の少なくとも1つのシールは、プランジャと拡張フランジとの間に液密シールを形成し、プランジャの上面の周囲を含んだプランジャの上面が拡張フランジの上面よりも高く、拡張フランジが可撓性バイオリアクタバッグの内面との接合を形成するように構成されている、ゼロデッドレグ流体移送システム。
【請求項31】
少なくとも1つのシールはダイアフラムシールである、請求項30に記載の流体移送システム。
【請求項32】
ダイアフラムシールは、プランジャの近位端に取り付けられ、その近位端でボアをシールする、請求項30又は31に記載の流体移送システム。
【請求項33】
プランジャがピンを備える、請求項30~32のいずれか一項に記載の流体移送システム。
【請求項34】
本体セクションは、ピンを収容するための操作スロットを備え、ピンは、プランジャの運動を制限する、請求項33に記載の流体移送システム。