(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156855
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】位置推定システムおよびそれに用いる情報端末、位置推定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 11/06 20060101AFI20241029BHJP
G01S 3/782 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01S11/06
G01S3/782 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024126200
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2022539948の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康宣
(72)【発明者】
【氏名】桑島 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】奥山 宣隆
(72)【発明者】
【氏名】秋山 仁
(72)【発明者】
【氏名】吉田 進
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報端末を用いた位置精度を向上させた位置推定システムを提供することを目的とする。
【解決手段】位置推定システムであって、識別情報を伴った無線信号を送信する機能を有する第1情報端末と無線信号の受信強度を測定する機能を有する第2情報端末を備え、第1情報端末が送信する無線信号の受信強度を第2情報端末が測定し、第1情報端末と第2情報端末の少なくとも一方が移動距離を測定し、第1情報端末と第2情報端末の少なくとも一方が、移動距離に対する無線信号の受信強度の変化から第1情報端末と第2情報端末の相対的位置関係を推定するように構成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を伴った無線信号を送信する機能を有する第1情報端末と前記無線信号の受信強度を測定する機能を有する第2情報端末を備え、
前記第1情報端末が送信する前記無線信号の受信強度を前記第2情報端末が測定し、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の少なくとも一方が移動距離を測定し、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の少なくとも一方が、前記移動距離に対する前記無線信号の受信強度の変化から、前記第1情報端末と前記第2情報端末の相対的位置関係を推定することを特徴とする位置推定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末または前記第2情報端末の一つが車であることを特徴とする位置推定システム。
【請求項3】
請求項1に記載の位置推定システムであって、
前記受信強度が前記移動距離の関数に比例するとして、前記移動距離に対する前記受信強度の測定値を用いて、パラメータフィッティングにより前記相対的位置関係の推定を行うことを特徴とする位置推定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の位置推定システムであって、
前記関数が、前記移動距離の2次多項式の逆数であることを特徴とする位置推定システム。
【請求項5】
請求項3に記載の位置推定システムであって、
前記関数が、周囲の建造物の状況により切替えられることを特徴とする位置推定システム。
【請求項6】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末または前記第2情報端末の一つが車であるか車に搭載されており、
前記相対的位置関係の推定値に基づき、前記車の制御装置が該車の速度制御を行うことを特徴とする位置推定システム。
【請求項7】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の一方が撮影機能を有し、推定された前記相対的位置関係に基づき、他方の情報端末もしくは該情報端末を所持するユーザもしくは該情報端末を搭載した車の画像上の位置を推定することを特徴とする位置推定システム。
【請求項8】
請求項7に記載の位置推定システムであって、
サーバより取得した前記ユーザもしくは前記車の外観上の特徴情報を前記画像上の位置推定において併用することを特徴とする位置推定システム。
【請求項9】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の一方が撮影機能を有し、
他方の情報端末の角度方向から前記相対的位置関係を推定し、電波の受信強度からの前記相対的位置関係の推定値と併用することを特徴とする位置推定システム。
【請求項10】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記受信強度の最大の時点で、前記第1情報端末と前記第2情報端末の一方の情報端末の正面に位置する他方の情報端末を相手情報端末と推定することを特徴とする位置推定システム。
【請求項11】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第2情報端末が、前記第1情報端末の位置を地図上にマークをもって表示し、
前記マークの形態を前記受信強度の強さに応じて変更することを特徴とする位置推定システム。
【請求項12】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の一方が撮影機能を有し、
撮影した画像を相手情報端末において表示することを特徴とする位置推定システム。
【請求項13】
請求項1記載の位置推定システムであって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の一方が撮影機能を有し、
前記第1情報端末と前記第2情報端末のもう一方が光信号の送信機能を有し、
光信号により送信される識別情報を、撮影した画像を用いて復元し、光信号を送信する前記第1情報端末または前記第2情報端末の画像中の位置を特定することを特徴とする位置推定システム。
【請求項14】
識別情報を伴った無線信号を送信する機能を有する第1情報端末と前記無線信号の受信強度を測定する機能を有する第2情報端末を備える位置推定システムにおける位置推定方法であって、
前記第1情報端末が送信する電波の受信強度を前記第2情報端末が測定するステップと、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の少なくとも一方が移動距離を測定するステップと、
前記第1情報端末と前記第2情報端末の少なくとも一方が、前記移動距離に対する前記無線信号の受信強度の変化から前記第1情報端末と前記第2情報端末の相対的位置関係を推定するステップ、とを有することを特徴とする位置推定方法。
【請求項15】
識別情報を伴った無線信号を送信する機能を有する第1情報端末と前記無線信号の受信強度を測定する機能を有する第2情報端末からなる位置推定システムにおける情報端末であって、
前記受信強度を自端末で測定するか、あるいは他端末で測定した前記受信強度の情報の提供を受け、
移動距離を自端末で測定するか、あるいは他端末で測定した前記移動距離の提供を受け、
前記移動距離に対する前記無線信号の受信強度の変化から前記第1情報端末と前記第2情報端末の相対的位置関係を推定することを特徴とする情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末を用いた位置推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置情報の取得に関する技術分野の背景技術として特許文献1がある。特許文献1では、ユーザの位置をGPS(Global Positioning System)による測位あるいは、近傍に設置された無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントの位置から位置を推定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の位置推定方法では位置推定に十分な精度が得られない場合がある。例えば、建物での反射でGPS電波が乱される場合や建物内で受信できない場合や、無線LANのアクセスポイントから遠く離れてしまった場合、あるいは、無線LANのアクセスポイントの電波を受信できない場合等である。高い位置推定精度が望ましいケースとしては、例えば、人や車の交通の多い場所でタクシーを呼んだ際など、相手の外観が分からず、また可能性のある人や車が複数あるケースなどがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、情報端末を用いた位置精度を向上させた位置推定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その一例を挙げるならば、位置推定システムであって、識別情報を伴った無線信号を送信する機能を有する第1情報端末と無線信号の受信強度を測定する機能を有する第2情報端末を備え、第1情報端末が送信する無線信号の受信強度を第2情報端末が測定し、第1情報端末と第2情報端末の少なくとも一方が移動距離を測定し、第1情報端末と第2情報端末の少なくとも一方が、移動距離に対する無線信号の受信強度の変化から第1情報端末と第2情報端末の相対的位置関係を推定するように構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報端末を用いた位置精度を向上させた位置推定システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1における位置推定システムの概略構成図である。
【
図2】実施例1における乗客が道路脇でタクシー等の車を待っている状況での待ち合わせサポート動作を説明する図である。
【
図3A】実施例1における情報端末1Bが移動しない場合での情報端末1Aと情報端末1Bの位置関係を示す図である。
【
図3B】実施例1における情報端末1Bも移動する場合での情報端末1Aと情報端末1Bの位置関係を示す図である。
【
図3C】
図3A、
図3Bにおける移動線110Aに直交する垂直面に各要素を移動線110A方向に射影した投影図である。
【
図4A】実施例1における相対移動距離xに対する反射が無い場合の受信強度P
0のプロファイルである。
【
図4B】実施例1における相対移動距離xに対する反射波も含めた受信強度Pのプロファイルである。
【
図5A】実施例1における最近接移動距離の推定値x
0Eの変化の様子を示す図である。
【
図5B】実施例1における相対移動距離xに対する反射波も含めた受信強度Pの測定値を示す図である。
【
図6A】実施例1における位置情報に対する加速度変化の制御例を示す図である。
【
図6B】実施例1における位置情報に対する速度変化の制御例を示す図である。
【
図7】実施例1における情報端末の一例としてのHMDの外観構成例である。
【
図8】
図7の情報端末(HMD)の機能ブロック構成例である。
【
図9】実施例1における待ち合わせサポートの制御フロー図である。
【
図10A】実施例1における測定時刻に対する受信強度を記録した内部データを説明する図である。
【
図10B】実施例1における測定時刻に対する移動距離を記録した内部データを説明する図である。
【
図10C】実施例1における相対移動距離に対する受信強度を記録した内部データを説明する図である。
【
図10D】実施例1における相対移動距離に対する最近接移動距離の推定値を記録した内部データを説明する図である。
【
図11A】実施例2における情報端末の表示画面上に相手情報端末の推定距離を表示する説明図である。
【
図11B】実施例2における情報端末の表示画面上に相手情報端末の推定位置にARオブジェクトのマークを表示する説明図である。
【
図11C】実施例2における情報端末の表示画面上に相手情報端末そのものを示すARオブジェクトのマークを表示する説明図である。
【
図12A】実施例2における情報端末1Bを含み移動線110Aに直交する垂直面で各要素の位置関係を示した図である。
【
図12B】
図12Aにおける各要素を大地面111に鉛直方向に射影した位置関係を示す図である。
【
図13A】実施例3における車側のハードウェアの構成の説明図である。
【
図13B】実施例3における車側のハードウェアの他の構成の説明図である。
【
図14A】実施例3における情報端末の表示画面上に乗客の推定距離を表示する説明図である。
【
図14B】実施例3における情報端末の表示画面上に乗客の推定位置にARオブジェクトのマークを表示する説明図である。
【
図14C】実施例3における情報端末の表示画面上に乗客を示すARオブジェクトのマークを表示する説明図である。
【
図15A】実施例3における情報端末1Aを含み移動線110Bに直交する垂直面で各要素の位置関係を示した図である。
【
図15B】
図15Aにおける各要素を大地面111に鉛直方向に射影した位置関係を示す図である。
【
図16】実施例4における電波の反射に寄与する建造物の影響を評価する方法を説明するための説明図である。
【
図17A】実施例4における建造物の壁面の量に応じてフィッティング関数を切り替える説明図である。
【
図17B】実施例4における待ち合わせ場所までの距離に応じてフィッティング関数を切り替える説明図である。
【
図17C】実施例4における建造物の壁面の量によりフィッティング関数を切替える所定距離T
Pを切り替える説明図である。
【
図18A】実施例6における受信強度が最大となった時点で正面にきている車を待ち合わせている車として撮影することを説明する図である。
【
図18B】実施例6における正面位置で撮影した画像を情報端末の画面に表示し対象車の映像にマークを重畳表示することを説明する図である。
【
図19A】実施例7における相手情報端末1Aの位置が待ち合わせ場所からまだ遠く、情報端末1Cが無線信号を受信していない状態での情報端末1Cの表示画面である。
【
図19B】実施例7における手情報端末1Aが待ち合わせ場所に近づいてきて、情報端末1Cが無線信号を受信している状態での情報端末1Cの表示画面である。
【
図20】実施例7における受信強度に従って表示を変える説明図である。
【
図21】実施例7における位置不明であることを示す説明メッセージを表示する表示画面である。
【
図22】実施例7におけるサービス切替え入力ボックスを表示する表示画面である。
【
図23】実施例7における無線信号の受信強度に対応した音声通知の説明図である。
【
図24】実施例7における無線信号の受信強度に対応した振動通知の説明図である。
【
図25】実施例7における情報端末1Aでの表示画面である。
【
図26A】実施例8における情報端末1Cの相手情報端末画像の表示例である。
【
図26B】実施例8における情報端末1Cの地図表示画面に相手情報端末画像を重畳表示した表示例である。
【
図27】実施例8における人物特定方法の変形例を説明する図である。
【
図28】実施例8における情報端末1Cの相手情報端末1Aによる認識結果の表示例である。
【
図29】実施例8における待ち合わせ対象人物の修正を行うための人物画像を列挙する表示形式である。
【
図30】実施例8における情報端末1Aでの表示画面である。
【
図31】実施例8における待ち合わせサポートの制御フロー図である。
【
図32】実施例9における情報端末1Bの表示画面である。
【
図33】実施例9における発光デバイスの光信号の送信情報の説明図である。
【
図34】実施例9における待ち合わせサポートの制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例0010】
本実施例では、位置推定システムとして、乗客がタクシーを呼ぶ場合を想定し、それぞれの相手を確認するための待ち合わせサポートを行う場合の例について説明する。なお、以下の記述では、情報端末を単に端末と記述する場合がある。また、待ち合わせサポートを、単にサポートと記述する場合がある。
【0011】
図1は、本実施例における位置推定システムの概略構成図である。
図1において、識別情報を伴った無線信号源は車側の情報端末1Aが持っているとする。なお、車自体が情報端末1Aであってもよいし、車に情報端末1Aを搭載してもよい。
【0012】
乗客は、情報端末として、例えば、HMD(Head Mount Display)である情報端末1B、スマートフォンである情報端末1C、スマートウォッチである情報端末1Dの少なくとも1つを持つ。以下の乗客側端末の動作は、これらの端末が単独で行ってもよいし、連携して行ってもよい。ここでは、HMDである情報端末1Bが、乗客側の端末として、単独で動作する例を示す。また、情報端末1Aから1Dを総称して情報端末1と記述する。
【0013】
サーバ2は、通信網9を介して、各情報端末1の処理を代行したり、各情報端末1間の情報の送受信を媒介したり、必要な情報を提供したりする。サーバ2は例えば、ローカルサーバ、クラウドサーバ、エッジサーバ、ネットサービス等であり、その形態は問わない。
【0014】
図2は、本実施例における乗客が道路脇でタクシー等の車を待っている状況での待ち合わせサポート動作を説明する図である。
図2において、情報端末1Aは車そのものであるか、車に搭載されている情報端末である。情報端末1Aは、道路内の移動線110Aに沿って移動し、乗客の持つ情報端末1Bに接近する。ここで移動線110Aとは、過去に情報端末1Aが辿った軌跡、および以後辿る予定の軌跡である。乗客は、説明上、まず止まっているものとして説明するが、一般化して道路脇の移動線110Bに沿って移動する場合も後述する。
【0015】
情報端末1Aは、移動の間、識別情報を伴った無線信号を送信し続ける。ここで、識別情報を伴った無線信号とは、中継器等を経由しない直接の無線信号の送受信を行い、信号の識別ができるものであればよい。例えば、ビーコン信号であり、あるいは、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth low energy)、WiFi(登録商標)、ローカル5Gのpoint to point通信等の信号である。また、この無線信号を使用して、情報端末1間の通信を行ってもよい。
【0016】
移動する情報端末1は、自端末の位置を測定する。測定は、GPS等の電波を利用した測位システム、位置基準点に基づいた測位システム、あるいは加速度センサの出力の積分によってもよい。時刻毎の、適宜定めた起点からの移動距離で位置を記録してもよい。また、時刻毎の移動距離のデータから速度を計算することも可能である。以後では、起点からの移動距離で情報端末1Aの位置を表現する。この位置の情報は、他方の情報端末1Bで利用する場合、情報端末1Aから情報端末1Bに提供する。一方で情報端末1Bはその無線信号を受信し、受信強度を測定する。
【0017】
なお、双方の情報端末1が移動する場合は、双方の移動距離から、相対的移動距離の変化を用いる。また、無線信号の送信側はどちらの情報端末であってもよい。さらには、双方が無線信号を送信し、双方が受信してもよい。
【0018】
図3Aは、本実施例における情報端末1Bが移動しない場合での情報端末1Aと情報端末1Bの位置関係を示す図である。
図3Aは、各要素を水平面に鉛直方向に射影した投影図であり、以後、特に断りがない限り、水平面への投影図と表現した場合は、各要素を鉛直方向へ射影した図を意味する。また、各要素の記号も、投影図上で射影前の記号と同じ記号を使うことがある。また、移動線110A、110Bは直線で近似している。また、情報端末1A、1Bは位置のみ表す。
【0019】
図3Aにおいて、情報端末1Aの起点112Aからの移動距離114Aをx
Aと表記する。起点112Aは任意に定めてよい。例えば、情報端末1Aと情報端末1Bの待ち合わせ時の通信を開始した時点での情報端末1Aの位置を起点112Aとする。仮に、実際にその地点にいたことがない地点を起点112Aと定めたとしても、ここでは、その起点112Aからの移動距離114Aと表現する。
【0020】
また、情報端末1Aが移動線110A上で情報端末1Bに最も近づく位置(最近接位置)に到達するまでに起点から移動すべき距離(最近接移動距離)をx0とする。移動距離に対する無線信号の受信強度のデータから、最近接位置に到達する前に、最近接位置を推測する(詳細は後述)。また、情報端末1Bと移動線110Aとの距離113をdと表記する。
【0021】
図3Bは、本実施例における情報端末1Bも移動する場合での情報端末1Aと情報端末1Bの位置関係を示す図であり、
図3Aと同様に、水平面への投影図である。
【0022】
図3Bにおいて、情報端末1Bは、移動線110Bに沿って、情報端末1Aに近づく方向に移動する。任意に定めた起点112Bから、移動線110Bに沿った情報端末1Bの移動距離114Bをx
Bと表記する。移動線110Aと移動線110Bは平行であると近似する。起点112Aと起点112Bの距離が、最近接移動距離x
0である。なお、ここでの移動距離は起点からの距離を表すために用いている量であり、起点の定義の仕方によっては、実際に待ち合わせサポート動作が実行されている間に情報端末1が移動した距離とは必ずしも一致しない。
【0023】
図3Cは、
図3A、
図3Bにおける移動線110Aに直交する垂直面に各要素を移動線110A方向に射影した投影図である。以後、特に断りのない限り、移動線に直交する垂直面への投影図と表現した場合は、各要素を移動線方向に射影した図を意味する。この図は、情報端末1Bが移動する場合と移動しない場合とで共通の図である。大地面111は水平面として近似する。情報端末1Aと大地面111との距離115Aをh
Aと表記し、情報端末1Bと大地面111との距離115Bをh
Bと表記する。
【0024】
以降の議論では、一般化して、情報端末1Bも移動するとする。相対移動距離xを次式(1)で定義して、相対移動距離に対する受信信号強度のプロファイルを考える。
x=xA+xB …(1)
情報端末1Bが移動しない場合はxB=0と考えればよい。
【0025】
また、
図3Cにおいて、120は無線信号の直接波の経路を表し、121は大地面111で反射する反射波の経路を表す。受信される無線信号には、大地や付近の建造物で反射した信号も含まれるが、まず、反射波を含まない受信強度のプロファイルを考える。
【0026】
反射が無い場合の無線信号(直接波)の受信強度P0は、送信源(情報端末1A)と受信機(情報端末1B)の距離の2乗に反比例するので、次式(2)で表される。
P0=k0/{(x-x0)2+g0
2} …(2)
ここで、k0は、信号源強度、受信機感度に依存する定数であり、g0は次式(3)で定義される。
g0={d2+(hA-hB)2}1/2 …(3)
g0は、直接波経路120における最近接距離である。
【0027】
例えば、h
Aとh
Bが等しく、dが5m、x
0が50mの時のP
0のプロファイルは
図4Aのようになる。g
0は5mである。ここで、最近接位置(x=x
0)でP
0=1となるように規格化した。
図4Aを見て分かるように、P
0は最近接位置で鋭いピークを持つプロファイルである。
【0028】
実際には、大地面111や付近の建物で反射する成分があるので、受信強度のプロファイルはP0とは異なる。反射する成分の受信強度が最大となる位置は、反射体の位置によるが、平均すれば、最近接位置近傍になると期待できる。また、反射波の経路は直接波経路120よりは長くなるので、反射波も考慮した場合、実効的に最近接距離が大きくなったようなプロファイルになる。従って、反射波も含めた受信強度プロファイルも下記式(4)で近似して説明する。
P=k/{(x-x0)2+g2} …(4)
ここで、kは、信号源強度、受信機感度に依存する定数であり、gは実効的な最近接距離である。この実効的な最近接距離が、反射波として最も強いであろう大地面111で反射する反射経路121の最近接距離にまでなったとすると、次式(5)になる。
g={d2+(hA+hB)2}1/2 …(5)
ここで、d=5m、hA=hB=1.6mとすると、g=5.9mとなり、この場合の最近接距離は直接波における最近接距離と大きく異なることはない。このgの値は推定値として求まるが(後述)、dやg0の近似値として用いてもよい。
【0029】
図4Bは、式(4)のプロファイルである。
図4Aに比べてプロファイルに大きな差はない。このため、実際の受信強度のプロファイルとして、直接波の関数形において、最近接距離を実効距離に置き換える近似は妥当なものと考える。
【0030】
次に
図4Bの受信強度プロファイルを前提に、位置推定方法を説明する。具体的には、最近接位置への接近途中の受信強度の測定値から、最小自乗法等によるパラメータフィッティングにより、式(4)中のパラメータを推定する。一例としては、受信強度の逆数が相対移動距離xに関する2次関数になるので、この関数でフィッティングを行う。
1/P=(1/k){(x-x
0)
2+g
2}=Ax
2+Bx+C …(6)
式(6)はパラメータA、B、Cに関して線形であり、受信強度データから最小自乗法により求まる。ここで、最小自乗法による計算の際、受信強度Pの測定誤差は一定とし、1/Pの誤差をP
-2に比例するとして、重み付きの処理を行ってもよい。これにより式(4)の各パラメータの推定値が下記のように求まる。
k=1/A …(7)
x
0=-B/(2A) …(8)
g=(4AC-B
2)
1/2/(2A) …(9)
なお、パラメータフィッティングの方法は、上記の方法に限定されない。
【0031】
パラメータk、x0、gの値は、移動しながら受信強度の測定データが加わる毎に更新されてゆき、ノイズによる誤差が低減されてくる。
【0032】
最近接移動距離x
0の推定値を改めてx
0Eとし、x
0Eの変化の様子を
図5Aに示す。
図5Bは受信強度の測定値200とフィッティングにより推定した受信強度プロファイル201を表す。例えば、
図5Aのグラフのx=30mのところの点は、
図5Bに示すx=30mまでの受信強度Pの測定値から推定したx
0Eの値を表す。推定には過去全ての測定値を使用する必要はない。最近接位置に近づき、誤差の小さい測定値の累積が多くなってきた時点では、測定開始初期の誤差の大きな測定値をx
0Eの推定に用いないようにしてもよい。
【0033】
受信強度からの推定値x0Eに対するノイズ影響が大きい内は、車は、予約時に指定された場所を目標に速度制御する。最近接位置に近づき、推定値x0Eに対するノイズ影響が小さくなった後、車は乗客との最近接位置で停止することを目標にして速度を制御する。車の制御はドライバによっても自動運転装置によってもよい。
【0034】
車の制御装置として望ましい制御は次のようである。まず、情報端末1Aから、無線信号の受信強度が最大となる位置に関する情報(x
0E)と双方の情報端末1の位置情報(x
A、x
B)の提供を受ける。これらの情報を元に、最近接位置での停止を目標にして、停止時点を含むそれ以前の連続した期間において、速度と加速度の大きさを単調減少させて車を停止させる制御を行う。これにより、最近接位置に正確な停止ができると共に、停止時の加速度の大きさを低くすることができ、搭乗者が感じる停止時のショックを低減できる。
図6A、
図6Bに制御例を示す。
図6Aは加速度変化であり、
図6Bが速度変化である。
【0035】
乗客が一定の速度で近づいてくることを想定して、速度制御の例を以下に示す。車の停止時のショックを低減するため、車の速度が0になると同時に加速度も0にすることを目標に速度の制御を行う。そのため、一例として、ある時点以降、乗客の移動速度は一定と仮定し、車の加速度を一定にして、最近接移動距離位置において、車の速度と加速度が0になるように、車の制御装置はその時点での加速度設定を行う。情報端末1Aの速度をvA、加速度をaAとし、情報端末1Bの速度をvBとすると、aAの設定は具体的には次式(10)となる。
aA=-2vA(vA/3+vB)/(x0E-xA-xB) …(10)
この加速度設定により、車の制御装置は車の速度を制御する。
【0036】
この時、最近接位置までに車が移動する距離xR(以後目標距離と呼ぶ)は、
xR=(x0E-xA-xB)/(1+3vB/vA) …(11)
式(11)となる。
【0037】
乗客が止まっている時はvB=0である。また、乗客の速度は常に一定とは限らず、またx0Eの値も変わる可能性もあるので、各時刻で式(10)(11)の右辺の値を取得する。
【0038】
ドライバが車の制御を行う場合は、情報端末1Aが目標距離xRをドライバに提示し、ドライバはその値を目安に速度制御を行ってもよい。
【0039】
また、安全のため、急加速や急減速にならないよう、加速度aAの絶対値には、予め定めた上限を設けてもよい。
【0040】
ここで、推定の誤差や、情報端末1Bを持つユーザが、最初は止まっていたが、情報端末1Aの接近に伴い、接近を開始する場合のように、予測の誤差が発生する場合がある。この場合、受信強度プロファイルを見て、ピーク値を過ぎてしまったら、安全な範囲の速度制御で車をすぐに停車させればよい。
【0041】
以上により、無線信号の受信強度に基づき、より精密な待ち合わせ場所である位置の推定が可能となる。
【0042】
図7は、本実施例における情報端末の一例としてのHMDの外観構成例である。
図7において、HMDは、眼鏡状の筐体10に、表示面11を含む表示デバイスを備える。この表示デバイスは、例えば透過型表示デバイスであり、表示面11には外界の実像が透過され、その実像上に画像が重畳表示される。筐体10には、コントローラ、カメラ12、測距センサ13、他のセンサ部14等が実装されている。
【0043】
カメラ12は、例えば筐体10の左右両側に配置された2つのカメラを有し、HMDの前方を含む範囲を撮影して画像を取得する。測距センサ13は、HMDと外界の物体との距離を測定するセンサである。測距センサ13は、TOF(Time Of Flight)方式のセンサを用いてもよいし、ステレオカメラや他の方式を用いてもよい。センサ部14は、HMDの位置および向きの状態を検出するためのセンサ群を含む。筐体10の左右には、マイクを含む音声入力装置18、スピーカやイヤホン端子を含む音声出力装置19等を備える。
【0044】
情報端末1には、リモートコントローラ等の操作器20が付属していてもよい。その場合、HMDは、その操作器20との間で例えば近距離無線通信を行う。ユーザは、手で操作器20を操作することで、HMDの機能に関する指示入力や表示面11でのカーソル移動等ができる。HMDは、外部のスマートフォンやPC等と通信して連携を行ってもよい。例えば、HMDは、スマートフォンのアプリケーションからAR(拡張現実:Augmented Reality)の画像データを受信してもよい。
【0045】
情報端末1は、AR等の仮想画像を表示面11に表示させてもよい。例えば、情報端末1は、ユーザを誘導するための仮想画像を生成し、表示面11に表示する。
【0046】
図8は、
図7の情報端末1(HMD)の機能ブロック構成例である。基本的には、他の情報端末1も同様の構成である。情報端末1は、プロセッサ101、メモリ102、カメラ12、測距センサ13、センサ部14、表示デバイス103、通信デバイス104、マイクを含む音声入力装置18、スピーカ等を含む音声出力装置19、バイブレータ等の振動発生装置1100、発光デバイス3000、無線送信デバイス105、無線受信デバイス106、操作入力部107、およびバッテリ108等を備える。これらの要素はバス等を通じて相互に接続されている。
【0047】
プロセッサ101は、CPU、ROM、RAM等で構成され、HMDのコントローラを構成する。プロセッサ101は、メモリ102の制御プログラム31やアプリケーションプログラム32に従った処理を実行することにより、OS、ミドルウェア、アプリケーション等の機能や他の機能を実現する。メモリ102は、不揮発性記憶装置等で構成され、プロセッサ101等が扱う各種のデータや情報を記憶する。メモリ102には、一時的な情報として、カメラ12等によって取得した画像や検出情報等も格納される。
【0048】
カメラ12は、レンズから入射した光を撮像素子で電気信号に変換して画像を取得する。測距センサ13は、例えばTOF(Time Of Flight)センサを用いる場合、外界に出射した光が物体に当たって戻ってくるまでの時間から、その物体までの距離を計算する。センサ部14は、例えば、加速度センサ141、ジャイロセンサ(角速度センサ)142、地磁気センサ143、GPS受信器144を含む。センサ部14は、これらのセンサの検出情報を用いて、HMDの位置、向き、動き等の状態を検出する。HMDは、これに限らず、照度センサ、近接センサ、気圧センサ等を備えてもよい。
【0049】
表示デバイス103は、表示駆動回路や表示面11を含み、表示情報34の画像データに基づいて、表示面11に仮想画像等を表示する。なお、表示デバイス103は、透過型表示デバイスに限らず、非透過型表示デバイス等としてもよい。
【0050】
通信デバイス104は、所定の各種の通信インタフェースに対応する通信処理回路やアンテナ等を含む。通信インタフェースの例は、モバイル網、Wi-Fi(登録商標)、BlueTooth(登録商標)、赤外線等が挙げられる。通信デバイス104は、他の情報端末1やアクセスポイントとの間での無線通信処理等を行う。通信デバイス104は、操作器との近距離通信処理も行う。
【0051】
無線送信デバイス105は、位置推定に用いる識別信号を伴った無線信号を送信する。ここで、識別情報を伴った無線信号とは、例えばBluetooth等の信号である。無線受信デバイス106は、上記の識別信号を伴った無線信号を受信し、受信強度を測定する。無線送信デバイス105と無線受信デバイス106を使用して、情報通信を行ってもよい。
【0052】
また、無線信号の送信のみ、あるいは受信のみ行う情報端末1の場合は、必要なデバイスを備えていればよい。
【0053】
音声入力装置18は、マイクからの入力音声を音声データに変換する。音声出力装置19は、音声データに基づいてスピーカ等から音声を出力する。音声入力装置は、音声認識機能を備えてもよい。音声出力装置は、音声合成機能を備えてもよい。
【0054】
振動発生装置1100は、振動を発生しユーザへの報知機能を持つ。発光デバイス3000は、強度変調された光によりコードを送信する機能を持つ。なお、目立たないように近赤外光でもよい。
【0055】
操作入力部107は、HMDに対する操作入力、例えば電源オン/オフや音量調整等を受け付ける部分であり、ハードウェアボタンやタッチセンサ等で構成される。バッテリ108は、各部に電力を供給する。
【0056】
プロセッサ101によるコントローラは、処理によって実現される機能ブロックの構成例として、通信制御部101A、表示制御部101B、データ処理部101C、およびデータ取得部101Dを有する。
【0057】
メモリ102には、制御プログラム31、アプリケーションプログラム32、設定情報33、表示情報34、位置推定情報35等が格納されている。制御プログラム31は、情報端末1間の相対的位置関係の推定を実現するためのプログラムである。アプリケーションプログラム32は、ユーザに対する誘導機能を実現するプログラムである。設定情報33は、各機能に係わるシステム設定情報やユーザ設定情報を含む。表示情報34は、仮想画像を表示面11に表示するための画像データや位置座標情報を含む。位置推定情報35は、位置推定を行うための、情報端末1の移動距離、無線信号の受信強度に係る情報である。
【0058】
通信制御部101Aは、他の情報端末1との通信の際等に、通信デバイス104を用いた通信処理を制御する。表示制御部101Bは、表示情報34を用いて、表示デバイス103の表示面11への仮想画像等の表示を制御する。
【0059】
データ処理部101Cは、位置推定情報35を読み書きし、自機と相手端末との相対的位置関係の推定等を行う。
【0060】
データ取得部101Dは、無線受信デバイス106から無線信号の強度を取得し、カメラ12、測距センサ13、およびセンサ部14等の各種のセンサから各検出データを取得する。データ取得部101Dは、各種センサの検出データから、自位置を推定し、移動距離を測定する。
【0061】
図9は、本実施例における、待ち合わせサポートの制御フロー図である。
図9において、このフローの前に、待ち合わせの概略の場所は決めておき、受信側の情報端末1は無線信号の識別情報を取得しておく。なお、どちらの情報端末が送信側になってもよく、また、双方から無線信号を送信してもよい。双方の情報端末1が待ち合わせ場所近傍に入ったタイミングで、まずステップS1A、S1Bで、情報端末1間の通信を確立し、これから待ち合わせサポートを開始するトリガをかける。また、移動を行う情報端末1は移動距離測定のための起点112A、112Bを設定する。この通信は通信網経由でも構わないし、情報端末1間直接の通信でも構わない。以後、位置推定のループに入る。
【0062】
位置推定のループ内では、まずステップS2A、S2Bで送信側の情報端末1は無線信号を送信し、受信側の情報端末1は無線信号を受信し、受信強度を測定する。これにより、受信側の情報端末1は、例えば、
図10Aのような、測定時刻に対する受信強度を記録した内部データを生成する。双方の情報端末が無線信号を送信する場合は、結果として2つの電波強度プロファイルが得られる。それに伴い、2種類の位置推定が可能となるが、推定結果の両方を用いてもよいし、片方の結果だけ用いてもよい。さらに、移動をする情報端末1は移動距離を測定し、例えば、
図10Bのような移動距離データを生成する。
【0063】
ステップS3A、S3Bで、各情報端末1は他方の情報端末1に、受信強度データと移動距離データを送信する。位置推定を行わない情報端末1にはデータを送信しなくともよい。
【0064】
ステップS4A、S4Bで、位置推定を行う情報端末1は、受信強度データと移動距離データから、
図10Cのような相対移動距離に対する受信強度プロファイルを生成する。そして、位置推定を行う情報端末1は、例えば前述の方法で
図10Dのような最近接移動距離の推定値x
0Eを求める。その際、双方の情報端末1が無線信号を送信し、他方の情報端末1で無線信号の受信を行う場合は、2種類の受信強度プロファイルが得られる。この場合、2種類とも使用してもよいし、片方だけ使用してもよい。なお、情報端末1における位置推定は、少なくとも位置推定の実行に必要なだけのデータが蓄積されてから開始する。
【0065】
ステップS5A、S5Bで、位置推定を行った情報端末1は、他方の情報端末1に対し、自端末で求めた最近接移動距離の推定値x0Eを送信する。他方の端末でその情報を必要としない場合は、送信しなくてもよい。
【0066】
ステップS6A、S6Bで、各情報端末1は、ユーザ、または車の制御装置に対し、待ち合わせをサポートするための情報を提供する。この情報提供の態様については、後続の実施例で詳述する。
【0067】
ステップS7A、S7Bで、双方が相手端末、すなわち、待ち合わせている車、あるいは、待ち合わせている乗客が確認でき、待ち合わせサポートの必要がなくなった場合は、待ち合わせサポートを終了し、必要がある場合は、サポートを続行する分岐を行う。
【0068】
以上のように、本実施例によれば、位置精度を向上させた待ち合わせのサポートを行うことができる。
【0069】
なお、本実施例の方法は、人と車の待ち合わせに限定されず、人と人の待ち合わせにも応用可能である。また、本実施例では、識別情報を伴った無線信号源は情報端末が持っているとして説明したが、情報端末の機能はなく無線信号源のみを持つ場合でもよい。例えば、幼児が無線信号源のみを保持しており迷子の場合をサポートする場合などに利用できる。
情報端末1Bは実施例1により、サポートに必要な情報を取得する。なお、本実施例によるサポート内容は、車に情報端末1Aを搭載し、ドライバがその情報端末1Aの表示を見てサポートを受ける場合も同様である。
また、情報端末同士の通信が開始された時点、あるいは、双方の距離が予め定めた距離以下になったと推定された時点で、情報端末1Bはユーザに振動等で知らせてもよい。そのようにすることにより、ユーザは車が近くにくるまで、車の位置に関して注意していなくてもよくなる。
以上では、乗客に対するサポートの例であるが、車のドライバに対しても同様なサポートが可能である(詳細後述)。その場合、情報端末1Aの表示器上の画像は、乗客になる。また、乗客の特徴情報(例えば写真)を推定の補助として用いてもよい。