(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156904
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20241029BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/45 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241029BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/72 20060101ALI20241029BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/34
A61K8/40
A61K8/60
A61Q19/00
A61K8/45
A61K8/86
A61Q19/08
A61Q17/04
A61K8/72
A61K8/37
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024129753
(22)【出願日】2024-08-06
(62)【分割の表示】P 2020015340の分割
【原出願日】2020-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桝本 愛
(72)【発明者】
【氏名】北岡 侑
(72)【発明者】
【氏名】黒木 未知瑠
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅
(72)【発明者】
【氏名】ツェ メイン ツェメイ
(57)【要約】
【課題】浸透性が良好で肌刺激と高温での析出が抑制された皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】(A)ニコチン酸アミド;(B)炭素数5~10のアルカンジオール、プロ
パンジオール、ジグリセリン、及びヒドロキシアルキルウレアからなる群より選択される
少なくとも1種;及び(C)グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩、又は両親媒性化合
物を含有する皮膚外用組成物を調製する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ニコチン酸アミド;
(B)炭素数5~10のアルカンジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒドロキシアルキルウレアからなる群より選択される少なくとも1種;及び
(C)グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩、及び両親媒性化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物であって、
該両親媒性化合物が、下記一般式(I)で表される化合物、ホスホリルコリン含有重合体、及び二価カルボン酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、皮膚外用組成物:
【化1】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a,b及びcは、それぞれAO、EO、BOの平均付加モル数を意味し、独立して0~200である。但し、a、b及びcが全て0になることはない。また、nが2以上の時、複数のa、b及びcはそれぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時は、nは1である。 なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関する。より詳細には、本発明はニコチン酸アミドを含有
する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン酸アミドは、ビタミン類の1つであり、これまでスキンケア領域において、血
行促進、抗炎症、セラミド合成促進等の成分として使用されている成分であり、さらに美
白、抗シワ、アンチエイジングとしての効果も有することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド及びパ
ントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする美白剤が提案さ
れている。
【0004】
また、特許文献2では、(a)ニコチン酸アミドと、(b)尿素、炭素数が2~28の
α-ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる一種以上とを含有することを特
徴とする皮膚老化防止化粧料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-217629号公報
【特許文献2】特開平10-130135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ニコチン酸アミドは、このように、有用な成分であり、使用時に肌への浸透性を高める
ことが望ましい。一方で、ニコチン酸アミドのような有効成分の浸透性を追求すると、刺
激および細胞へのダメージの問題が出てくる。さらに、ニコチン酸アミドは刺激が問題で
あることが知られており、ニコチン酸アミド配合製剤において、浸透促進して有効性を高
めることと、肌への優しさ(低刺激、低細胞毒性等)を両立させることは困難である。
【0007】
本発明者らは、ニコチン酸アミドを含む組成物であって、ニコチン酸アミドの肌浸透性
の促進と肌刺激の抑制のバランスを保ちながらこれらの特性の両立ができる皮膚外用組成
物を調製することに成功した。しかしながら、このような組成物は、ニコチン酸アミドを
高濃度配合することで水分が蒸発することにより、経時的に析出する場合があることをさ
らに見出した。
【0008】
そこで、本発明では、浸透促進と肌刺激抑制の両立が可能な皮膚外用組成物であって、
さらに、高濃度のニコチン酸アミドを含んでいても、水分蒸発による経時的な析出が抑制
される皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ニコチン酸アミドに、特
定のアルカンジオール;並びに、グリチルリチン酸又はその塩、或いは両親媒性化合物を
組み合わせることによって、ニコチン酸アミドの肌浸透性を促進し、肌刺激を抑制でき、
さらに経時的な析出も抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記に掲げる皮膚外用組成物を提供する。
項1.
(A)ニコチン酸アミド;
(B)炭素数5~10のアルカンジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒ
ドロキシアルキルウレアからなる群より選択される少なくとも1種;及び
(C)グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩、及び両親媒性化合物からなる群より
選択される少なくとも1種
を含有する皮膚外用組成物であって、
該両親媒性化合物が、下記一般式(I)で表される化合物、ホスホリルコリン含有重合
体、及び二価カルボン酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、皮膚
外用組成物:
【化1】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a,b及びcは、それぞれAO、EO、BOの平均付加モル数を意味し、独立して0~
200である。但し、a、b及びcが全て0になることはない。また、nが2以上の時、
複数のa、b及びcはそれぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時は、nは1で
ある。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)。
項2.
前記(B)成分が、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ジグリセ
リン、及び1,3-プロパンジオールからなる群より選択される1種以上であり、
前記(C)成分が、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩、及び一般式(I)で表
される化合物、ホスホリルコリン含有重合体、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポ
リグリセリル-10、及びシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールからな
る群より選択される1種である、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3.
前記(B)成分が、1,2-ペンタンジオール及び1,3-プロパンジオールからなる
群より選択される1種以上であり、
前記(C)成分が、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩、及びホスホリルコリン
含有重合体からなる群より選択される1種である、項2に記載の皮膚外用組成物。
項4.
前記(A)成分の含有量が、3質量%以上である、項1~3に記載の皮膚外用組成物。
項5.
項1~4に記載の皮膚外用組成物であって、パラオキシ安息香酸エステルの総含有量が
、0.1質量%以下である、皮膚外用組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ニコチン酸アミドの肌浸透性が促進され、肌刺激が抑制され、経時的な
析出が抑制される皮膚外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
【0013】
本発明の皮膚外用組成物は、
(A)ニコチン酸アミド;
(B)炭素数5~10のアルカンジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒ
ドロキシアルキルウレアからなる群より選択される少なくとも1種;及び
(C)グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩、及び両親媒性化合物からなる群より
選択される少なくとも1種;を含有する皮膚外用組成物である。
【0014】
[(A)ニコチン酸アミド]
本発明の皮膚外用組成物に含まれるニコチン酸アミドは、ニコチン酸(ビタミンB3/
ナイアシン)のアミド化合物であり、水溶性ビタミンである。ニコチン酸アミドは、天然
物からの抽出物であっても良いし、公知の方法によって合成した物でも良い。具体的には
、第17改正日本薬局方に収載されているものを用いることが出来る。血行促進作用や、
肌荒れ改善作用の他、メラニン生成抑制作用や美白効果が知られている。
【0015】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する(A)成分の含有量は、他の成
分とのバランスによって適宜設定される。(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、
美白、アンチエイジング等の有効性を十分に付与する観点から、3質量%以上であること
が好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上とすることもできる
。また、(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下、よ
り好ましくは、15質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下、特に好ましくは、
8質量%以下である。(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、3質量
%~20質量%、より好ましくは、3質量%~15質量%、さらに好ましくは、3質量%
~10質量%である、さらにより好ましくは、4質量%~8質量%である。
【0016】
[(B)炭素数5~10のアルカンジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、及び
ヒドロキシアルキルウレアからなる群より選択される少なくとも1種]
本発明の皮膚外用組成物に含まれる(B)成分は、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野
において皮膚外用剤の成分として通常用いられる化合物である。
【0017】
(B)成分は、本発明の効果を奏する観点から、炭素数5~10のアルカンジオール、
プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒドロキシエチルウレアからなる群より選択され
る少なくとも1種である。本発明の効果を顕著に奏する観点から、(B)成分は、1,2
-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,3-
プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒドロキシエチルウレアからなる群より選択され
る少なくとも1種が好ましく、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、
1,2-オクタンジオール、1,3-プロパンジオール、又はジグリセリンがより好まし
く、1,2-ペンタンジオール、1,3-プロパンジオール、又はジグリセリンがさらに
好ましく、1,2-ペンタンジオール、又は1,3-プロパンジオールが特に好ましい。
また、市販品としては、特に限定されないが、Zemea Select Propan
ediol、HYDROLITE-5、HYDROLITE-5 Green(シムライ
ズ(株)製)、KMO-6(大阪有機化学工業製)、マイクロケア Emollient
PTGJ、マイクロケアEmollient HXD(THOR製)、ジオールPD、
ジオールPD-V(高級アルコール工業(株)社製)、ジグリセリン(阪本薬品工業社製
)、ユニグリ2(日油(株)製)、ハイドロバンス(アクゾノーベル株式会社製)等が利
用できる。
【0018】
(B)成分のうち、炭素数5~10のアルカンジオールは、本発明の効果を顕著に奏す
る観点から、炭素数が、好ましくは5~10、より好ましくは5~8、さらに好ましくは
5~6のアルカンジオールである。このようなアルカンジオールとしては、例えば、1,
2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、又は1,2-オクタンジオールが好
ましく、1,2-ペンタンジオール又は1,2-ヘキサンジオールがより好ましく、1,
2-ペンタンジオールがさらに好ましい。
【0019】
(B)成分のうち、ヒドロキシアルキルウレアは、尿素(ウレア)が有する水素原子の
少なくとも一つがヒドロキシアルキル基で置換された化合物を指す。本発明の効果を顕著
に奏する観点から、ヒドロキシアルキル基としては、具体的には、ヒドロキシエチル基、
ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ジヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチ
ル基、又はヒドロキシヘキシル基等が例として挙げられる。これらのうち、ヒドロキシエ
チル基が好ましい。
【0020】
より具体的には、ヒドロキシアルキルウレアとして、N-(2-ヒドロキシエチル)ウ
レア、N-(2-ヒドロキシプロピル)ウレア、N-(3-ヒドロキシプロピル)ウレア
、N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ウレア、N-(2-ヒドロキシブチル)ウレア
、N-(3-ヒドロキシブチル)ウレア、又はN,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル
)-N’-(2-ヒドロキシエチル)ウレア等が例示される。
ヒドロキシアルキルウレアのヒドロキシアルキル基の数は1~3が好ましく、1~2が
より好ましく、1(モノヒドロキシアルキルウレア)がさらにより好ましい。中でも、ヒ
ドロキシエチルウレアが好ましい。
【0021】
本発明において、(B)成分は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に
組み合わせて使用してもよい。
【0022】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する(B)成分の総含有量は、好ま
しくは、0.01質量%以上であり、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好まし
くは、0.5質量%以上、さらにより好ましくは、1質量%以上、
特に好ましくは、1.5質量%以上である。また、(B)成分の含有量は、組成物全量に
対して、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、25質量%以下、さらに好まし
くは、20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下、特に好ましくは、10質
量%以下である。(B)成分の総含有量は、好ましくは、0.01~30質量%、より好
ましくは0.1~25質量%、さらに好ましくは0.5~20質量%、さらにより好まし
くは、1~15質量%、特に好ましくは、1.5~15質量%である。
【0023】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の総含有量の比率は
特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、(B)成分が、好ましくは、0.0
01~30質量部、より好ましくは0.02~10質量部、さらに好ましくは0.01~
5質量部、さらにより好ましくは、0.1~5質量部、特に好ましくは、0.1~4質量
部である。
【0024】
[(C)成分]
本発明の皮膚外用組成物に含まれる(C)成分は、グリチルリチン酸、グリチルリチン
酸の塩、及び両親媒性化合物からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0025】
((C-1)グリチルリチン酸又はグリチルリチン酸の塩)
本発明に用いられるグリチルリチン酸又はグリチルリチン酸の塩としては、医薬品、医
薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として通常用いられる化合物を使用す
ることができる。
【0026】
本発明で、グリチルリチン酸の塩とは、薬学的に許容されるグリチルリチン酸の塩であ
って、限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、第3級アミン塩、アンモニ
ウム塩など)、又は無機塩基との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩
;ナトリウム塩、カリウム塩、ジカリウム塩などのアルカリ金属塩など)などが挙げられ
る。中でも好ましい塩は、モノアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ジカリウム
塩であり、より好ましい塩は、モノアンモニウム塩又はジカリウム塩であり、特に好まし
い塩は、ジカリウム塩である。
【0027】
これらは、合成することもでき、市販品をそのまま使用することもできる。市販品とし
ては、限定はされないが、丸善製薬株式会社製又はアルプス薬品工業株式会社製のグリチ
ルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ニカリウム、グリチルリチ
ン酸モノアンモニウムが例として挙げられる。
【0028】
これらのグリチルリチン酸、又はグリチルリチン酸の塩は、1種又は2種以上の組み合
わせで使用することもできる。
【0029】
本発明の皮膚外用組成物において、(C-1)成分の総含有量は、特に限定されず、(
B)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著
に奏する観点から、組成物全量に対して、好ましくは、0.0001質量%以上、より好
ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.005質量%以上、さらによ
り好ましくは、0.01質量%以上、最も好ましくは、0.05質量%以上である。
(C-1)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、5質量%以下、より
好ましくは、2質量%以下、さらに好ましくは、1質量%以下、さらにより好ましくは、
0.5質量%以下、最も好ましくは、0.2質量%以下である。
【0030】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する(C-1)グリチルリチン酸又
はグリチルリチン酸の塩の総含有量は、好ましくは、0.0001~5質量%、より好ま
しくは、0.001~2質量%、さらに好ましくは、0.005~1質量%、さらにより
好ましくは、0.01~0.5質量%、特に好ましくは、0.05~0.2質量%である
。
【0031】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(C-1)グリチルリチン酸、
又はグリチルリチン酸の塩の総含有量の比率は、特に限定されないが、(A)成分1質量
部に対して、(C-1)グリチルリチン酸、又はグリチルリチン酸の塩が、好ましくは0
.000005~1.7質量部、より好ましくは0.0001~0.67質量部、さらに
好ましくは0.001~0.4質量部、さらにより好ましくは0.002~0.1質量部
、特に好ましくは0.002~0.02質量部である。
【0032】
((C-2)両親媒性化合物)
本発明の(C-2)成分として皮膚外用組成物に含まれる両親媒性化合物は、一つの分
子内に親水基と疎水基(親油基)の両方が存在し、その結果水相と油相(有機相)のいず
れにも親和性がある化合物全般を指す。
【0033】
このような両親媒性化合物は、下記一般式(I)で表される化合物、ホスホリルコリン
含有重合体、及び二価カルボン酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上であ
る。
【化2】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a,b及びcは、それぞれAO、EO、BOの平均付加モル数を意味し、独立して0~
200である。但し、a、b及びcが全て0になることはない。また、nが2以上の時、
複数のa、b及びcはそれぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時は、nは1で
ある。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)。本
発明の(C-2)成分としては、これらの化合物のいずれか単独、又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。(C-2)成分を、(A)成分及び(B)成分とともに配合
させることにより、高濃度のニコチン酸アミドを配合した場合であっても、析出が抑制さ
れた皮膚外用組成物を提供することが可能となる。
【0034】
良好な皮膚外用組成物を提供する観点から、前記アルキレンオキシド誘導体としては、
下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0035】
【化3】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a及びbは、それぞれAO、EOの平均付加モル数を意味し、独立して0~200であ
る。但し、a及びbが全て0になることはない。また、nが2以上の時、複数のa、bは
それぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時はnは1である。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)
【0036】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体は、特定のアルキレングリコールの重合
体(Zが水素原子の場合)か、あるいは特定のヒドロキシ化合物(Zに対応)に特定のア
ルキレンオキシド基(一般式(I)及び(II)におけるZを除く部分に対応)を付加し
てなる化合物(Zが炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去す
ることによって得られる基である場合)である。
【0037】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、良好な皮膚外用組成物を提供
する観点から、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロ
ピレン基、オキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt
-ブチレン基)、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。AO
は、好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくはオキシプロ
ピレン基である。
【0038】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、BOは炭素数4のオキシアル
キレン基であり、例としてはオキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチ
レン基、オキシt-ブチレン基)、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。好ましくは
オキシブチレン基である。
【0039】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、a,b,cは、それぞれ独立
して0~200である。a,b,cは、それぞれ独立して、好ましくは、1~200であ
り、より好ましくは、2~150であり、さらに好ましくは、2~100であり、特に好
ましくは2~70である。
【0040】
化学式(I)において、AO、EO、BOの各モノマー単位の合計数であるa+b+c
は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、
更に好ましくは10以上である。また、a+b+cは、本発明の効果を顕著に奏する観点
から、好ましくは450以下、より好ましくは350以下、更に好ましくは300以下、
特に好ましくは250以下である。
【0041】
化学式(II)において、AO、EOの各モノマー単位の合計数であるa+bは、本発
明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ま
しくは10以上である。また、a+bは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好まし
くは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは250以下、特に好ましく
は200以下である。
【0042】
前記式(I)及び(II)において、良好な性質を有する皮膚外用組成物を提供する観
点から、Zは、水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキルモノアルコール
、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、炭素
数1~24のアルキルグルコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、イノシトール、スクロース、トレハロース、又は、マルチトールから
n個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基である、すなわちこれらのアル
コール化合物に由来する残基であることが好ましく、水素原子であるか、若しくは、炭素
数4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン(アルキレンオキシド基が付加され得
るヒドロキシ基は3個)、ペンタエリスリトール(アルキレンオキシド基が付加され得る
ヒドロキシ基は4個)、炭素数1~24のアルキルグルコシド(アルキレンオキシド基が
付加され得るヒドロキシ基は4個)、ジグリセリン(アルキレンオキシド基が付加され得
るヒドロキシ基は4個)又はソルビトール(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロ
キシ基は6個)からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であること
がより好ましく、水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキルモノアルコー
ル、グリセリン、炭素数1~24のアルキルグルコシド、ジグリセリン、又はソルビトー
ルからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であることがより好まし
く、水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、グリセリ
ン、炭素数1~24のアルキルグルコシド、又はジグリセリンからn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基であることがさらに好ましく、炭素数4~24のアル
キルモノアルコール、グリセリン、炭素数1~5のアルキルグルコシド、又はジグリセリ
ンからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であることがさらに好ま
しい。
【0043】
化学式(I)又は(II)において、Zが炭素数4~24のアルキルモノアルコールの
場合は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、中でもブチルアルコール、デシルテトラ
デシルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールが好ましく、ブチルアルコール、
デシルテトラデシルアルコールが特に好ましい。
【0044】
化学式(I)又は(II)において、Zがアルキルグルコシドの場合は、本発明の効果
を顕著に奏する観点から、中でも炭素数1~24のアルキルグルコシドが好ましく、炭素
数1~16のアルキルグルコシドがより好ましく、炭素数1~10のアルキルグルコシド
がさらにより好ましく、炭素数1~6のアルキルグルコシドが特に好ましい。
【0045】
このようなアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で合成することができる。例えば
、炭素数1~30のヒドロキシ化合物に、エチレンオキシド、及び、炭素数3~4のアル
キレンオキシドを付加重合した後に、炭素数4のアルキレンオキシドを反応させることに
よって得られる。なお、炭素数1~30のヒドロキシ化合物にエチレンオキシド、及び、
炭素数3~4のアルキレンオキシドを付加重合する段階においては、エチレンオキシドと
アルキレンオキシドとをランダム重合してもよく、又は、ブロック重合してもよい。付加
反応には、アルカリ触媒、相関移動触媒、ルイス酸触媒等を用いることができる。一般的
には、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いることが好ましい。
【0046】
このようなアルキレンオキシド誘導体の分子量は、本発明の効果を奏する限り限定はさ
れないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、200以上であり、より
好ましくは、300以上であり、さらに好ましくは、400以上である。
【0047】
アルキレンオキシド誘導体の性状は、本発明の効果を奏する限り限定はされないが、前
記式(I)及び(II)において、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、
25℃で半固形状(ペースト状を含む)~液体状である成分であることが好ましい。
【0048】
また、このようなアルキレンオキシド誘導体は、例えば、ポリオキシアルキレングリセ
リルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンオキシブチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソ
ルビット、ポリオキシアルキレンエリスリトールエーテル、ポリオキシアルキレンペンタ
エリスリトールエーテル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、ポリオキシアル
キレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンキシリトール、ポリオキシアル
キレンジペンタエリスリトール、ポリオキシアルキレンイノシトール、ポリオキシアルキ
レンスクロースエーテル、ポリオキシアルキレントレハロースエーテル、ポリオキシアル
キレンマルチトールエーテル等があげられる。
【0049】
中でも、アルキレンオキシド誘導体は、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリ
オキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセ
リルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリル
エーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコ
シド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレ
ンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリ
オキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンソルビット、ポリオキシプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキ
シエチレンエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールエーテル
、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキシプロピ
レンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエ
リスリトールエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンペンタエリスリトールエ
ーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシ
ブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエ
チレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレンポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンキシリトール、ポ
リオキシプロピレンアルキレンキシリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
キシリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジペンタエリスリトール、ポリ
オキシエチレンジペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレジペンタエリスリトール、
ポリオキシエチレンイノシトール、ポリオキシプロピレンイノシトール、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンイノシトール、ポリオキシエチレンスクロースエーテル、ポリ
オキシプロピレンスクロースエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスクロ
ースエーテル、ポリオキシエチレントレハロースエーテル、ポリオキシプロピレントレハ
ロースエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントレハロースエーテル、ポリ
オキシエチレンマルチトールエーテル、ポリオキシプロピレンマルチトールエーテル、及
びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンマルチトールエーテルからなる群より選ばれ
る1種又は2種以上が好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグル
コシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンジグリセリル
エーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエ
ーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より
選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、
ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレング
リセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセ
リルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグ
ルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシ
ド、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエー
テル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンデシルテトラデシルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエー
テルからなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらにより好ましい。
【0050】
これらは、合成することもでき、市販品をそのまま使用することもできる。市販品とし
ては、限定はされないが、ユニルーブ50MB-26(ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブチルエーテル(17E.O.)(17P.O.))、ユニルーブ50MB-1
68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(37E.O.)( 38P
.O.))、ユニルーブ50MB-11(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチ
ルエーテル(9E.O.)(10P.O.))、ユニセーフ10P-8(ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンセチルエーテル(10E.O.)(8P.O.))、ユニルー
ブMT-630B(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテ
ル(30E.O.)(6P.O.))、ソルビュールGS-01(ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(24E.O.)(13P.O.))、
ユニルーブMS-70K(ポリオキシプロピレンステアリルエーテル(15P.O.))
、ユニオールHS-1600D(ポリオキシアルキレンソルビット)、プロノン#208(
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(150E.O.)(35P.O.
))、プロノン#124P(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)
グリコール)、ユニオールD-2000(ポリプロピレングリコール)、マクビオブライ
ドMG-10E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.))、マクビオブ
ライドMG-20E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.))、マクビ
オブライドMG-10P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.)、マ
クビオブライドMG-20P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.)
)、ウィルブライドMG2070(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンメチルグルコシド)、ユニルーブ5TP-300KB(ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル(5E.O.)(65P.O.));ユ
ニルーブ50TG-32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
(24E.O.)( 24P.O.))、ウィルブライドS-753(ポリオキシブチレンポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.) (8E.O.)(
5P.O.))、ユニオックスG-1200(ポリオキシエチレングリセリン)、ユニル
ーブDGP-700、ユニルーブDGP-950(ポリオキシプロピレンジグリセリルエ
ーテル)(以上、日油株式会社製);SY-DP14、SY-DP9(ポリオキシプロピ
レンジグリセリルエーテル)(以上、阪本薬品工業株式会社製);ニューポールGP-1
000(PPG-16グリセリルエーテル)、ニューポールSP-750(ポリオキシア
ルキレンソルビトールエーテル)、ニューポールPE-68(ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール(160E.O.)(30P.O.))、ニューポールPE-
78(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(150E.O.)(35P
.O.))、ニューポールGEP-2800(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリセリルエーテル(24E.O.)(24P.O.))(以上、三洋化成株式会社製)
;エマルゲンPP-290(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(16
0E.O.)(30P.O.)、花王株式会社製);NIKKOL SG-G2424(
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)(24P
.O.)、NIKKOL SG-DTD630(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンデシルテトラデシルエーテル(30E.O.)(6P.O.)、NIKKOL SG-
DTD620(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(
20E.O.)(6P.O.))、NIKKOL PEN-4612(ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(12E.O.)(6P.O.))
(以上、日光ケミカルズ製);GLUCAM P-10(ポリオキシプロピレンメチルグ
ルコシド(10P.O.))、GLUCAM P-20(ポリオキシプロピレンメチルグ
ルコシド(20P.O.))GLUCAM E-10(ポリオキシエチレンメチルグルコ
シド(10P.O.))、及びGLUCAM E-20(ポリオキシエチレンメチルグル
コシド(20P.O.))(以上、ルーブリゾール社製)からなる群より選ばれる1種以
上であることが好ましく、ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、マ
クビオブライドMG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-
10P、マクビオブライドMG-20P、ウィルブライドMG2070、ウィルブライド
S-753、ユニルーブ5TP-300KB、ユニルーブ50TG-32、ユニオックス
G-1200、ユニルーブDGP-700、ユニルーブDGP-950、ニューポールG
EP-2800、NIKKOL SG-G2424、GLUCAM P-10、GLUC
AM P-20、GLUCAM E-10、NIKKOL PEN-4612、NIKK
OL SG-DTD620、NIKKOL SG-DTD630、
ユニルーブMT-630B、ソルビュールGS-01及びGLUCAM E-20からな
る群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0051】
本発明においてアルキレンオキシド誘導体は、1種を単独で使用してもよく、また2種
以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0052】
ホスホリルコリン含有重合体は、ホスホリルコリンを含有する有機化合物をモノマーと
して含む重合体全般を指す。特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から
、中でも、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含むモノマーを重合させ
て得られる重合体である、2-メタクロイルオキシホスホリルコリン含有重合体が好まし
い。中でも、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共
重合体(ポリクオタニウムー51)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
・メタクリル酸ステアリル共重合体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
重合体、及びポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体からなる群より選
ばれる1種又は2種以上が好ましく、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
・メタクリル酸ブチル共重合体がより好ましい。ホスホリルコリン含有重合体の市販品と
しては、Lipidure-PMB(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリクオタニウムー51)、及びLipidure-
HM(ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(いずれも日油(株)製)か
らなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Lipidure-PMB(2-メ
タクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液)がより好
ましい。
【0053】
二価カルボン酸エステルは、二価のカルボン酸とグリコール、グリコールエーテル等の
ヒドロキシ基で縮合したエステルであり、特に限定されないが、例えば、(エイコサン二
酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキ
シジグリコール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジ
ピン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、及びコハク酸ジエトキシエチ
ル、コハク酸ジエチルヘキシルが挙げられ、中でも(エイコサン二酸/テトラデカン二酸
)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハ
ク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエチルヘキシルが好ましく、(エイコサン二酸/テト
ラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリ
コールがより好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールがさらに
より好ましい。また、市販品としては、特に限定されないが、コハク酸ジエトキシエチル
(CRODAMOL DES)、コハク酸ジエチルヘキシル(CRODAMOL OSU
)(いずれもクローダジャパン(株)製)、Neosolue-Aqua・Neosol
ue-AquaS((エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10)、N
eosolue-Aqulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
)(いずれも日本精化(株)製)が利用できる。
【0054】
本発明の皮膚外用組成物において、(C-2)成分の総含有量は、特に限定されず、(
B)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著
に奏する観点から、組成物全量に対して、好ましくは、好ましくは、0.0001質量%
以上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.005質量%以
上、さらにより好ましくは、0.05質量%以上、特に好ましくは、0.1質量%以上で
ある。
(C-2)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下、よ
り好ましくは、15質量%以下、さらに好ましくは、12質量%以下、さらにより好まし
くは、10質量%以下、最も好ましくは、8質量%以下である。
(C-2)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.0001~20
質量%、より好ましくは0.001~15質量%、さらに好ましくは0.005~12質
量%、さらにより好ましくは、0.05~10質量%、最も好ましくは、0.1~8質量
%である。
【0055】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(C-2)成分の総含有量の比
率は特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、(C-2)成分が、好ましくは
0.00001~4質量部、より好ましくは0.00001~3質量部、さらに好ましく
は0.001~2質量部である。
【0056】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するアルキレンオキシド誘導体の単
独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.
01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、0.5質量%
以上である。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、15
質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、8質量%以下である
。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.
01~15質量%であり、より好ましくは、0.1~10質量%であり、さらに好ましく
は、0.5~8質量%、さらにより好ましくは、0.5~5質量%である。
【0057】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するホスホリルコリン含有重合体の
含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
ホスホリルコリン含有重合体の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.00
01質量%以上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.00
5質量%以上、さらにより好ましくは、0.01質量%以上である。
ホスホリルコリン含有重合体の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、1質量%
以下、より好ましくは、0.5質量%以下、さらに好ましくは、0.4質量%以下、さら
により好ましくは、0.2質量%以下である。
ホスホリルコリン含有重合体の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.00
01~1質量%、より好ましくは、0.001~0.5質量%、さらに好ましくは、0.
005~0.4質量%、さらにより好ましくは、0.01~0.2質量%である。
【0058】
本発明においては、(C)成分として、(C-1)成分の中の1又は2種以上及び(C
-2)成分の中の1又は2種以上を組み合わせることも好ましい。
【0059】
このような組み合わせとしては、(C-1)成分のグリチルリチン酸ジカリウムと、(
C-2)成分である、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレング
リセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリ
オキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキ
シブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエ
チレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレ
ンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、2-メタクリロイル
オキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリメタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-
10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチ
ル、及びコハク酸ジエチルヘキシルからなる群より選ばれる1種又は2種以上とを組み合
わせることが好ましく、
(C-1)成分のグリチルリチン酸ジカリウムと、(C-2)成分である、ポリオキシ
エチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオ
キシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテト
ラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、2-メタ
クリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、(エイコサ
ン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエ
トキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、及びコハク酸ジエチルヘキシルからな
る群より選ばれる1種又は2種以上とを組み合わせることがより好ましい。
【0060】
[その他の成分]
本発明の皮膚外用組成物には、前述した各必須成分に加えて、他の有用な作用を付加す
るため、紫外線防御剤、紫外線吸収剤、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成
分、美白成分、抗炎症成分、清涼化剤、有機酸類、抗糖化成分、抗菌成分、細胞賦活化成
分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、多価アルコール、角質柔軟成分、
ビタミン類、血行促進成分、皮脂吸着成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその
誘導体等の各種成分を、1種又は2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分
としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に
制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に
該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
【0061】
但し、本発明の皮膚外用組成物には、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)の含有
量は、0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質
量%以下がさらにより好ましく、最も好ましくは、実質的に、パラベンを含まない。パラ
オキシ安息香酸エステル(パラベン)としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ
安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルが挙げられる
。
【0062】
前記紫外線防御剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、
酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ
酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカや
タルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチ
レン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウ
ム塩、アルキルチタネート等で処理したもの等が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸
、マイカやタルク等の無機粉体やシリコーン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成
分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、
本発明の皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0.001~35質量%、好ましくは約
0.1~25質量%である。
【0063】
前記紫外線吸収剤としては、限定はされないが、好ましくは、サリチル酸系紫外線吸収
剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、安息香酸エステル誘導
体紫外線吸収剤、トリアジン誘導体紫外線吸収剤、ベンザルマロナート誘導体紫外線吸収
剤、オクトクリレン系紫外線吸収剤、イミダゾ-ルスルホン酸誘導体紫外線吸収剤、ベン
ゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等であり得る。
【0064】
本発明において、限定はされないが、このような紫外線吸収剤としては、パラメトキシ
ケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタ
ン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエス
テル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル
、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾ-ル-2イル)-4-(1,1
,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘ
キシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,
3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル
)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2-シ
アノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル、2-フェニ
ルベンゾイミダゾ-ル-5-スルホン酸が好ましく、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘ
キシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-[4-(ジエ
チルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス-
[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メ
トキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘ
キシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-フェニルベンゾイ
ミダゾ-ル-5-スルホン酸がより好ましく、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステ
ル、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニ
ル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[
4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンがさ
らにより好ましい。
【0065】
紫外線吸収剤は、市販されている製品を用いるか、又は合成して用いることができる。
【0066】
市販されている製品としては、限定はされないが、Parsol EHS (DSMニ
ュートリションジャパン社製)、ESCALOL 587(アシュランドジャパン社製)
、EusolexOS(Merk社製)、Parsol HMS (DSMニュートリシ
ョンジャパン社製)、Uvinul MC80(BASF社製)、Parsol MCX
(DSMニュートリションジャパン社製)、Parsol 1789(DSMニュートリ
ションジャパン社製)、ユビナールA Plus Granular、ソフトシェードD
H、Tinosorb M(BASF社製)、Milestab 360、Mixxim
BB/100、Tinosorb S(BASF社製)、Uvasorb HEB、ユ
ビナール T150(BASF社製)、Heliosun OTZ(O’Laughli
n Industries 社製)、Parsol SLX(DSMニュートリションジ
ャパン社製)、Parsol 340(DSMニュートリションジャパン社製)、エスカ
ロール597(アシュランドジャパン社製)、Parsol HS(DSMニュートリシ
ョンジャパン社製)、Eusolex232(Merk社製)、NeoHeliopan
AP(ハーマン&レイマー社製)、ユビナールM40、エスカロール567アシュランド
ジャパン社製)、ユビナールMS40(BASF社製)、EESORB107(シプロ化
成社製)、SEESORB100(シプロ化成社製)、SEESORB106(シプロ化
成社製)を挙げることができる
【0067】
本発明の皮膚外用組成物において、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の全量に対して
、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは、3質量%以上、さらに好ましくは、6質
量%以上、特に好ましくは、7質量%以上である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組
成物の全量に対して、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、15質量%以下、
さらに好ましくは、10質量%以下である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の
全量に対して、好ましくは、1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、さらに好
ましくは、5~10質量%、特に好ましくは、7~10質量%である。
【0068】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する紫外線吸収剤の総含有量の比率
は特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、紫外線吸収剤が、好ましくは、0
.6~2質量部、より好ましくは、1~2質量部、さらに好ましくは、1.4~2質量部
である。
【0069】
また、これらの紫外線防御剤や紫外線吸収剤は、別の成分に複合化、担持、カプセル化
されていてもよく、それらの組み合わせは特に限定されない。
【0070】
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば
、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DN
A、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/
又は修復作用を有する成分の含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できる
が、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~3質量%、好まし
くは、約0.01~1質量%である。動物成分や植物成分を用いる場合の含有量は、エキ
スなどの抽出物換算で、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、約0.0
0001~0.1質量%、より好ましくは約0.0001~0.01質量%である。
【0071】
美白成分としては、例えば、プラセンタ、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、フィチン
酸、トラネキサム酸、ルシノール、カモミラET、ハイドロキノン、4-メトキシサリチ
ル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸
誘導体等のビタミンC類(アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リ
ン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、2-O-エチル
アスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステ
アリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、パルミチン
酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコ
ルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸など)、ビタミンA又はその誘導体、パン
トテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成
分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アー
モンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ
、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オ
リザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハ
クヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、
ヨクイニン、アセンヤク、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、セージ、ダイコン
、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ハトムギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ
、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、アルピニアカツマダイ、ムラサキシキブ、ソウズ
ク、グレーブフルーツ、イザヨイバラ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アー
ティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、月見草、ビルベリー、ヒメフウロ、
アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー
、サンシュユ等に由来する成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の皮膚外用組成
物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物
)や精油などの態様で使用することができる。なお、前記植物成分中に記載の括弧内は、
その植物の学名、別名又は生薬名である。
【0072】
本発明において、特に限定はされないが、このような美白成分としては、プラセンタ、
アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、フィチン酸、トラネキサム酸、ルシノール、カモミラ
ET、ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、リノール酸及びその誘導体
、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウ
ム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコル
ビル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸
グルコシド、ビタミンA油、イリス、アーモンド、アロエ、アセロラ、エイジツ、オウゴ
ン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クロレラ、コメ、コメハ
イガ、オリザノール、コメヌカ、シソ、シャクヤク、ソウハクヒ、ダイズ、茶、トウキン
センカ、ハマメリス、ボタンピ、ヨクイニン、キウイ、セージ、パセリ、ヒイラギ、ハト
ムギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソ
ウ、ムラサキシキブ、アルピニアカツマダイ、ソウズク、グレーブフルーツ、イザヨイバ
ラ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、
メマツヨイグサ、月見草、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ
、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、サンシュユ、及びこれらの植物よ
り抽出される抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
プラセンタ、アルブチン、コウジ酸、フィチン酸、トラネキサム酸、ハイドロキノン、
アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム
、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビ
ル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グ
ルコシド、イリス根エキス、アーモンド油、アロエベラエキス、アセロラエキス、エイジ
ツエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、海藻エキス、カ
ッコンエキス、カミツレエキス、シャクヤクエキス、ソウハクヒエキス、ダイズエキス、
チャエキス、シロチャエキス、トウキンセンカ、ハマメリス、ヨクイニン、ハトムギエキ
ス、ホップエキス、プルーン抽出液、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、シモツケ
ソウエキス、ムラサキシキブエキス、アルピニアカツマダイ種子エキス、グレーブフルー
ツエキス、イザヨイバラエキス、レモンエキス、キウイエキス、マツエキス、ニーム葉エ
キス、アーティチョークエキス、スギナエキス、オオバクエキス、メマツヨイグサエキス
、月見草油、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、アッケシソウエキス、セイヨウシ
ロヤナギエキス、ツボクサエキス、及びサンシュユ果実エキスからなる群より選ばれる1
種又は2種以上がさらに好ましい。
【0073】
本発明の皮膚外用組成物に、ニコチン酸アミド以外で、上記の通り説明した美白成分を
配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚
外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.
01~5質量%である。植物エキスを用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で
、皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは
、約0.0001~15質量%、より好ましくは、0.001~10量%である。
【0074】
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、トラネキサム酸、グリチルレ
チン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン
酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、
グアイアズレン、アズレンなど)、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール
、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若
しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)、ウフ
ェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、サリチル酸グリコール、植物
(例えば、コンフリー、オウレン、ドクダミ)に由来する成分、等が挙げられる。好まし
くは、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル
、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体又はドクダミエキスから選ばれる1種又は
2種以上であり、さらに好ましくは、アラントイン、トラネキサム酸、アミノカプロン酸
から選ばれる1種又は2種以上である。抗炎症成分を配合する場合、その含有量は、皮膚
への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して
、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0075】
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、
アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導
体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリク
ロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、フェノキシエタノール、
塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトオラミン、ミコナゾ
ール若しくはその塩、クロロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン
酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、メチルイソチア
ゾリノン、ソルビン酸若しくはその塩、臭化セチルトリメチルアンモニウム、β-グリチ
ルレチン酸、植物(例えば、クララ、ローズマリー、クワ、ユーカリなど)に由来する成
分等が挙げられる。好ましくは、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、エタノール、塩化
ベンゼトニウム、グルコン酸、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール、
塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバ
ミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、ソルビン酸カリウム、臭化セチルト
リメチルアンモニウム、β-グリチルレチン酸、ローズマリーエキス、ユーカリエキスか
ら選ばれる1種又は2種以上が好ましい。抗菌成分を配合する場合、その含有量は、皮膚
への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して
、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0076】
清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、ボルネオール、ゲ
ラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これら
はd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミ
ント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ
油、テレビン油等の精油等が挙げられる。中でもl-メントール、メンチルグリセリルエ
ーテル、乳酸メンチル、メンチル3-ヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオー
ル、カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油との組み合わせが好ましい。
【0077】
有機酸類としては、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、クエン酸
、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、プロピオン酸
、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、パントテン
酸、グリチルレチン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グルタミ
ン酸、アゼライン酸及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又は
リン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又は
カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩
、トリエタノールアミンのようなアミン塩等が挙げられる。中でもグルコン酸、クエン酸
、グルタミン酸、コハク酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸
、乳酸、グリチルレチン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせ
がより好ましい。
【0078】
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エ
ーデルワイスエキス、イチョウエキス、サクラ葉エキス、ザクロエキス、セイヨウオオバ
コエキス、セイヨウサンザシエキス、シャクヤクエキス、ドクダミエキス、ビルベリー葉
エキス、緑茶エキス、紅茶エキス、マロニエエキス、ローマカミツレエキス、ヨモギエキ
ス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニ
ン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
抗糖化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択で
きるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%
、好ましくは、約0.001~5質量%である。
【0079】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸などのアミノ酸類:レチノール、チ
アミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸ピロロキノリンキノン類などの
ビタミン類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、プラセンタ、プロテオ
グリカン、感光素301号、植物(たとえば、ダイズビルベリー、レモングラス、アロエベ
ラ、クロレラ、ヒオウギ、ヨクイニン、カミツレ、ドクダミ、ホップ、ニンジンなど)に
由来する成分;ローヤルゼリー、ローヤルゼリーエキス;ホエイ、ヨーグルトエキス、加
水分解乳タンパク等の乳清由来エキス、酵母エキス等が挙げられる。細胞賦活化成分を配
合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明
の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、
約0.001~5質量%である。
【0080】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミ
ニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩基性乳酸アル
ミニウム亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;植物(例えば海藻、タ
イム、紅茶、ウーロン茶、緑茶、オトギリソウ、ハマメリス、ビワ、ボタンピ、ユキノシ
タ、ルイボス、レンゲソウ、アーティチョーク、カミツレ、ユーカリ、レモン、ローズマ
リー、ワレモコウなど)に由来する成分を挙げることができる。収斂成分を配合する場合
、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用
組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~20質量%、好ましくは、約0.00
1~10質量%である。
【0081】
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトル
エン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アス
コルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、
チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、植物(例えばオトギリソウ、
カッコン、ビルベリー、オウゴン、クダモノトケイソウ、グレープフルーツ、シャクヤク
、シモツケソウ、シソ、スイカズラ、セージ、セイヨウノコギリソウ、ゼニアオイ、シモ
ツケソウ、ソウハクヒ、チョウジ、チンピ、ヒメフウロ、ビワ、ベニバナ、ボタンピ、ホ
ップ、ユーカリ、ユキノシタ、ルイボス、レモングラス、ダイズ、ヨモギ、メマツヨイグ
サ、ローズマリー、ラベンダーなど)に由来する成分等が挙げられる。抗酸化成分を配合
する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の
皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0.00001~10質量%、好ましくは約0.
0001~5質量%、より好ましくは0.001~5質量%である。
【0082】
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール、レ
チノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴ
シン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類
(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)、植物(例えばアーテ
ィチョーク、イザヨイバラ、海藻、ビルベリー、シラカバ、セイヨウオオバコ、トウキ、
オウゴン、オトギリソウ、コンフリー、ニーム、ノバラ、ヒオウギ、ヒメフウロ、ボダイ
ジュ、ボタンピなど)に由来する成分等が挙げられる。中でも、加水分解大豆タンパク、
レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、カプロオイルテトラペプチド-
3、オリゴペプチド-24、アーティチョーク葉エキス、海藻エキス、ビルベリー葉エキ
ス、コンフリー葉エキス、ニーム葉エキス、ヒメフウロエキスが好ましい。老化防止成分
を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本
発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましく
は、約0.01~5質量%である。
【0083】
保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン
、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘
導体;グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオールなどの多価アルコ
ール;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グル
コオリゴ糖)、加水分解キシラン(キシロオリゴ糖)などの糖アルコール;グリコシルト
レハロース、グリセリルグルコシド、トレハロース;セラミド、グルコシルセラミド、コ
レステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、;
レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;尿素などのNMF由来成分;コラーゲン、エ
ラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレ
ア;植物(たとえば、アロエ、海藻、カッコン、クロレラ、レモングラス、カミツレ、ハ
マメリス、チャ、シソ、グレープフルーツ、アマチャヅルなど)に由来する成分、等が挙
げられる。中でも、グリシン、アルギニン、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,
3-ブタンジオール、グリコシルトレハロース、セラミド、グルコシルセラミド、コレス
テロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、水素添加レシチン、尿素、
;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ヒドロキシエチルウレア、海藻エキス、カミツレ
エキス、ハマメリスエキス、アマチャヅルエキスから選ばれる1種又は2種以上との組み
合わせが好ましい。保湿成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考
慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00
1~20質量%、好ましくは、約0.01~10質量%である。
【0084】
多価アルコールとしては、炭素数2~4又は11以上のジオール、ヒドロキシ基3個以
上を有する多価アルコール等が挙げられ、例えば、グリセリン、トリグリセリン、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール、が挙
げられる。中でもグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3
-ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせが好ましい。多価ア
ルコールを配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や保湿効果を考慮して適宜選択
できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.1~20質量%、好
ましくは、約0.5~15質量%である。
【0085】
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、角質柔軟成分を配合する場合、その
含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物
の全量に対して、例えば、0.0001~50質量%、好ましくは、約0.001~50
質量%、より好ましくは、約0.01~25質量%である。
【0086】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール
、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、
レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d
-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、β-トコフェリルレ
チノエート等のビタミンA類;β、δ-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、酢
酸dl-α-トコフェロール、リノール酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)
トコフェロール、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム等のビタミンE類;リ
ボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビ
ン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステル
ナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メ
チル、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、などの上記(A)成分以外のニコチン酸類;ス
テアリン酸アスコルビル、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチ
ン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカ
ン酸アスコルビル)、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、アスコルビン酸、
アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナ
トリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、2
-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、グリセリルアスコルビン
酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸、などのビタミ
ンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビ
タミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;チアミン、及びそれらの
塩(例えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンニリン酸塩、)等
のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-
リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒ
ドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテ
ロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニル
アルコール(パンテノール)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテ
ニルエチルエーテル、パンテテインスルホン酸カルシウム等のパントテン酸類;ビオチン
、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロッ
ト酸、γ-オリザノール、ピロロキノリンキノン、ヘスペリジン及びグルコシルヘルペリ
ジン、ユビキノン、及びこれらの塩等のビタミン様作用因子等が挙げられる。中でもビタ
ミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、ビタミンA類、ビタミン様作用因子との組み合
わせが好ましく、特に塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、リ
ボフラビン、シアノコバラミン、酢酸dl-α-トコフェロール、アスコルビン酸パルミ
チン酸エステル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、レチノール、パルミチン酸
レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、ピロロキノリンキノン又はその
塩、ユビキノン、γ-オリザノールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより
好ましい。ビタミン類を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して
適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~3
0質量%、好ましくは、約0.01~25質量%、より好ましくは、約0.01~20質
量%である。
【0087】
血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ
、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カ
ロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウ
ネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、
ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ
、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、
クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸ト
コフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。血行促進成分を配
合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明
の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~10質量%、好ましくは
、0.0001~5質量%、より好ましくは、約0.001~5質量%である。植物由来
成分を用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全量に対し
て、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%
、より好ましくは、0.001~10質量%である。
【0088】
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、
ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタ
イト、及び、酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場
合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外
用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~35質量%、好ましくは、約0.1~
25質量%である。
【0089】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン
、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、
ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コ
ラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペ
プチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、
加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分
解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチ
ド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パ
ルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。中でもケラチン分解ペプチド、加水分解
ケラチン、魚由来コラーゲンエラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプ
チド、加水分解コラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、エラスチン分解ペプチド、
加水分解シルク、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、から選ばれる1種又は2種
以上との組み合わせがより好ましい。ペプチド又はその誘導体を配合する場合、その含有
量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全
量に対して、例えば、約0.0001~35質量%、好ましくは、約0.001~10質
量%である。
【0090】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリ
ン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニル
アラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アス
パラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒ
スチジン、トレオニン、チロシン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロ
キシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン、イプシロンアミノカプロン酸、トリプ
トファン、オルニチン、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、ジラウロイル
グルタミン酸リシン及びその塩、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチル
ドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル
)等が挙げられる。またこれらアミノ酸又はその誘導体は、水和物等の溶媒和物であって
もよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。中でもl体のアミノ酸又はその
誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0091】
特に、本発明の皮膚外用組成物には、ヒアルロン酸類やヘパリン類似物質などの酸性ム
コ多糖類が含まれていることが好ましい。
【0092】
動物組織や微生物等から抽出して得られるヒアルロン酸は一般に、平均分子量が約10
0万以上といわれ、極めて高分子であることが知られている。本発明には、このような高
分子のヒアルロン酸を用いてもよいし、高分子ヒアルロン酸を分解、微生物による発酵等
の方法で得られる低分子ヒアルロン酸、ヒアルロン酸オリゴ糖(4糖、6糖、8糖など)
、不飽和型ヒアルロン酸(D-グルクロン酸の4位と5位に二重結合を有する)を用いて
もよい。
【0093】
ヒアルロン酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特
に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩などを挙げることができ
る。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、
又は亜鉛塩が用いられる。
このようなヒアルロン酸とその誘導体、およびこれらの塩は、医薬化粧品原料として開発
されているため、このような市販品を利用することもできる。
【0094】
ヘパリン類似物質は、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖の総称を意味し、ム
コ多糖を構成する単糖1分子当たり平均0.5~5分子、好ましくは平均0.6~3分子
の硫酸基を有するのが好ましい。より具体的には、ヘパリン類似物質は、ヘパリン、コン
ドロイチンポリ硫酸と呼ばれるコンドロイチン硫酸Dやコンドロイチン硫酸E等を含有す
る。
【0095】
ヘパリン類似物質は、ムコ多糖を硫酸化することにより得ることもできるし、ウシ、ブ
タ等の動物の気管支を含む内臓より水性担体を用いて抽出・精製したり、その後必要に応
じて硫酸化することによっても得ることもできる。このようなヘパリン類似物質は、医薬
化粧品原料として開発されているため、このような市販品を利用することもできる。
【0096】
本発明において、限定はされないが、酸性ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸、低分子
ヒアルロン酸、ヒアルロン酸オリゴ糖(4糖)、アセチル化ヒアルロン酸、カチオン化ヒ
アルロン酸、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、架橋型ヒアル
ロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸アルキレングリコール、ヒアルロ
ン酸ジメチルシラノール、ヘパリン類似物質およびまたはこれらの塩が好ましく、ヒアル
ロン酸、低分子ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピ
ルトリモニウム、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸プロピレングリコール、
ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒア
ルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウム、及びヘパリン類似物質が
より好ましく、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛、
アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒアルロン酸
プロピレングリコール、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウム、及びヘパリン類似物質
がさらにより好ましい。酸性ムコ多糖類を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感
や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、
0.0001~1質量%、好ましくは0.001~0.5質量%である。
【0097】
また本発明の皮膚外用組成物には、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて
、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよ
い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤
、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減
剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1
種単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの含有
量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる
。さらに、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の機能の成分として
添加できるものとする。
【0098】
基剤又は担体としては、水などの水系基剤;流動パラフィン、流動イソパラフィン、ス
クワラン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリブテン、ポリエ
チレン末、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α-オレフィンオリ
ゴマー、軽質流動パラフィン、軽質イソ流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシ
ロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン等のフェニル変性シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環
状シリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメチコン、ジメチコノ
ール、ジメチコノールクロス重合体、カプリリルメチコン等のアルキル変性シリコーン、
架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、
ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポ
リエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン
、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐
シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリ
コーン、シリコーンレジンのようなシリコ-ン油;セタノール、セトステアリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリ
ルアルコール、フィトステロール、コレステロールのような高級アルコール;イソステア
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸のよう
な高級脂肪酸;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニル
ピロリドン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレング
リコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルド
デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ア
ジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ジメチルオクタン
酸ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミ
リスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプ
ロピル、イソノナン酸イソトリデシル、乳酸セチル,イソステアリン酸イソステアリル、
12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コ
レステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、パル
ミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、ジ-2-エチルヘキ
シル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオ
ペンチルグリコール、トリメリト酸トリ2-エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシ
ル、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメ
チロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エ
チルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプ
リル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステ
アリン酸)グリセリル、オレイン酸オレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリ
ル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリ
ル/ベヘニル)、クエン酸トリエチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソス
テアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイ
ル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(ベヘン酸/イソステ
アリン酸/エイコサン二酸)グリセリルのようなエステル類;ホホバ油、ミツロウ、キャ
ンデリラロウ、コメヌカロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;アボガド
油、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ククイナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ト
ウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブド
ウ種子油、ヒマワリ油、アーモンド油、シア脂、サザンカ油、ナタネ油、ゴマ油、カカオ
脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、小麦胚芽油
、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、シア脂等の油脂
;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニル重合体、アルキ
ル変性カルボキシビニル重合体等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノールのよ
うな低級アルコール;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトールなど
の糖アルコール;水等が挙げられる。これらの成分から選ばれる基剤又は担体としては、
1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に
公知の範囲から適宜選択される。本発明の皮膚外用組成物が水を含有する場合、その含有
量は、水の量は、化粧料の形態によって異なり、特に限定されない。本発明の皮膚外用組
成物の全量に対して、例えば、水の量は、好ましくは5~99質量%、より好ましくは、
8~95質量%、さらに好ましくは10~90質量%である。
【0099】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノステ
アレート、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、ソルビタンモノオ
レエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン
脂肪酸エステル;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノラウリル
酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20
)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、イソステアリン
酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタン等のポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステア
レート、グリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリ
ルグリセリルエーテル、モノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエー
テル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリ
ルデカイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステ
ル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマ
シ油誘導体;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル等のポリオキシエチレング
リセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(20)フィトステロール、ポリオキシエ
チレン(30)フィトステロール、ポリオキシエチレン(25)フィトスタノール、ポリ
オキシエチレン(30)コレスタノール等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ス
テロール;ショ糖脂肪酸エステル;エーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、
N-アシルアミノ酸塩、アシル化タウレート;ステアリルアミン、オレイルアミンなどの
アミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポ
リジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコ
ンなどのシリコーン系界面活性剤あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サー
ファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示す
ることができる。
【0100】
増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
メチルエーテル、又はカルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤;メチルセルロース
、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はカルボキシエチルセルロー
ス又はこれらの塩等のセルロース系増粘剤;グァーガム、スクレロチウムガム、タマリン
ドガム、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、ペクチン、プルラン、ゼラチン
、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合
体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ジメチル
ジステアリルアンモニウムヘクトライト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレン
グリコールエステル、ポリエチレングリコール、マクロゴール、(アクリル酸ヒドロキシ
エチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタ
ウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体等が挙げられる。中でも、キサンタン
ガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共
重合体、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリル酸ヒドロキシエチ
ル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタウリ
ンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体が好ましい。
【0101】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ
ール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコ
ルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、エリソルビ
ン酸ナトリウム、L-システイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミ
ン等のリグナン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロール、レスベラトロール、アント
シアニン、シアニジン、ビルベリーエキス及びこれらの類縁体もしくは誘導体等が挙げら
れる。
【0102】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリ
ウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基
(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)等が挙げられる。
【0103】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミ
ン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)
、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる
。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0104】
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン
、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0105】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が
挙げられる。
【0106】
着色剤としては、顔料級酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、有機顔料、タルク、セリサイ
ト、マイカ、合成マイカ、酸化クロム、グンジョウ等が挙げられる。
【0107】
また、感触改良やメイキャップ効果の付与等の為に粉体を配合してもよく、具体的には
窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリ
メチルメタクリル酸メチル等が挙げられる。
【0108】
[pH]
本発明の皮膚外用組成物は、通常pH2.0~9.0の液性を備えていればよいが、皮
膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくは、pH3
.0~8.5、より好ましくは、pH4.0~8.0、さらに好ましくは、pH4.5~
7.5、さらにより好ましくは、pH5.0~7.5である。
【0109】
[皮膚外用組成物の製造方法]
本発明の皮膚外用組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)~(C)成分の他、
前記のその他の成分等を適宜選択、配合して、常法により、必要により乳化を行って、製
造することができる。
【0110】
[性状・製剤]
本発明の皮膚外用組成物の性状は、特に限定されず、液体状、流動状、又は半固形状と
することができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、
乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、不織布に薬液を含
浸させたシート剤、スティック剤などの製剤とすることができる。中でも、乳剤、クリー
ム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤、ステ
ィック剤が好適であり、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤が特に好適である。なお、乳
剤やクリーム剤、軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもO
/W型でもよいが、本発明の皮膚外用組成物の使用感(べたつき、のび、しっとり感、み
ずみずしさ、浸透感等)の観点からO/W型がより好ましい。
【0111】
[用途]
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、
化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハン
ドクリーム、ボディローション、及びボディークリーム、拭き取り用化粧料、スティック
状化粧料のような基礎化粧料;並びに洗顔料、ハンドソープ、メイク落とし、ボディーシ
ャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料、BBクリー
ム、ファンデーション、化粧下地等のフェイスメイクアップ用化粧料、リップクリーム、
リップライナー、リップジェル等の口唇化粧料;毛髪用のヘアリンス、ヘアートリートメ
ント、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアムース、ヘアミスト、ヘアローション、
スタイリング剤のような毛髪用化粧料などが挙げられる。これらの中でも皮膚用の外用組
成物が特に好ましい。すなわち、本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧
品用の皮膚外用組成物とすることができる。皮膚外用組成物の製剤形態は、本発明の外用
組成物の場合と同じである。また、使用可能な基剤又は担体、添加剤、及び有効成分、並
びにそれらの好ましいものは、本発明の外用組成物の場合と同じである。
【0112】
[容器]
本発明の皮膚外用組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、材質の容器
に収容し、使用することができる。具体的な容器としては、例えば、スプレータイプ、ボ
トルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサータイプ、
スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。本発明の皮膚外用組成
物は、容器からの出しやすさの観点で、好ましい状態で用いることができることから、高
濃度のニコチン酸アミドを含有する製剤設計の自由度を高めることができる。すなわち、
高濃度のニコチン酸アミド含有製剤であっても、ジャーやスティックはもちろん、スプレ
ー、ボトル、チューブやディスペンサーなど多種多様な容器にて容易に使用することが可
能となる。
【0113】
また、容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチ
レン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹
脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミ等)などを例示できる。また、これらの材
料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コーテング処理を行っ
たり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器材
料として用いることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LD
PE、LLDPE等)、エチレンビニルアルコール樹脂、金属(アルミ等)を用いること
が好ましい。
【0114】
[使用方法等]
本発明の皮膚外用組成物は、ニコチン酸アミドの生理活性を期待して、血行促進、抗炎
症、セラミド合成促進の目的で、好適に使用できる。さらに美白、抗シワ、アンチエージ
ングの効果も期待でき、美白剤、日焼け止め剤などを含めて、多機能な製剤として有用で
ある。本発明の皮膚外用組成物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、
公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【0115】
[析出抑制方法等]
別の実施態様において、本発明は、(A)ニコチン酸アミドを含む皮膚外用組成物の析
出抑制方法を提供することも可能である。(A)ニコチン酸アミド;(B)炭素数5~1
0のアルカンジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、及びヒドロキシアルキルウレ
アからなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)グリチルリチン酸、グリチルリ
チン酸の塩、又は両親媒性化合物を含有する皮膚外用組成物とすることにより、ニコチン
酸アミドの皮膚浸透性を高めると共に、刺激を抑制し、さらに皮膚外用組成物の析出抑制
を達成することができる。
【0116】
本明細書において「析出」とは、例えば、本発明の皮膚外用組成物がどのような形態で
あっても、成分が固体として現れる現象(例えば固形の沈殿物、針状結晶やもやもやした
綿状物質など)のことをいう。目視し得る析出であり得る。又は目視によっては検知し難
い程度の析出や溶液の透明度について、濁度計及び紫外線可視赤外分光光度計(型式V-7
70、日本分光社製)で検知することも可能である。例えば、本発明の皮膚外用組成物にお
いて、揮発成分が揮発する過程で析出する場合がある。
【0117】
本発明では、特にニコチン酸アミドを高濃度配合した場合にも、経時的に蒸発乾固して
析出するのを防ぐことも可能となる。容器の淵やボトルの口、ディスペンサーの口、又は
ストロー部等における析出は、大きな問題ともなり得る。すなわち、製剤が付着したまま
、一定時間経過後揮発性分が揮発した後の状態が固形物となって残り、見かけだけでなく
、使用上も好ましくない。例えば製剤をジャーに収容する場合に、ジャーのスクリューキ
ャップのネジ部に付着した製剤が析出物として残ることで、ネジ部がかんでうまく閉まら
ない問題がある。製剤をボトルやチューブ、ディスペンサーに収容する場合、それらの容
器の口部に析出が残ると、次回使用時にその析出物によって使用感が悪化し、皮膚を傷つ
けてしまう場合もある。さらに容器の口部や特にディスペンサーのストロー内で固形の析
出物が残ってしまうと製剤のつまりを生じてしまう。
【0118】
容器だけでなく、塗布した後の肌上においてもこのような固形物が生じることで、肌へ
の影響・使用感が悪化することとなる。
【0119】
本発明によれば、このような問題を防ぎ、様々な容器形態への適用が可能で処方自由度
が高い製剤の作成が可能となる。
【0120】
析出抑制とはそのような析出を防止すること、遅延させること、及び減少させることも
含む。このような析出抑制により、皮膚外用組成物を容器詰めした際に容器出口の詰まり
やジャーなどの容器蓋に乾燥した固形物が付着し、使用感、外観、又は実際の機能に悪影
響が及ぼされることが防止できる。
【実施例0121】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0122】
実施例において使用した成分は、下記の通りである。
【0123】
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体:L
ipidure-PMB(BG)(日油株式会社製)
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシド:ウィ
ルブライドMG2070(日油株式会社製)
【0124】
[肌浸透性と刺激に関する試験]
表1に示す基準例、参考例、及び参考比較例の組成物を調製後、三次元培養皮膚にて浸
透性試験と細胞毒性試験を実施した。
【0125】
(浸透性試験)
ヒト3次元培養表皮 LabCyte EPI-MODEL24 (ジャパン・ティッ
シュ・エンジニアリグ社)のトランスウェル(trans well for 24 w
ell plate)の下部に付属の専用のアッセイ培地0.5mL/wellを加え、
37℃(5~10%CO2)で18~22時間、前培養した。
【0126】
その後専用のアッセイ培地を0.5mLPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に置き換え、
37℃の恒温槽上で30分間プレインキュベーションした。さらにPBSを同量のフレッ
シュなPBSに置き換え、細胞の上部に直接それぞれの組成物を0.1mL加えた。ここ
で、組成物を加えた時間を起点とし、ゼロとした。
【0127】
その後、240分後に下部から0.3mLの液をサンプリングした。サンプリングした
液はHPLCを用いて定量し、下式に基づいて透過係数(P)を算出した。
なお、投与した培地、PBS、組成物はすべて37℃に加温した後に投与した。
P=(ΔQ/Δt)×(1/C0)×(1/Area)
上記式中、Qは、透過量(μg)、tは、時間(分)を表し、ΔQ/Δtはニコチン酸
アミド透過速度(μg/分)を表し、薬物の累積透過量-時間曲線の直線部分の傾きとし
て求められる。また、C0は投与したニコチン酸アミドの初期濃度(g/mL)、Are
aは透過面積(0.3215cm2)を表す。
また、各種成分を含む透過係数(Ps)と、含まない透過係数(Pc)(基準例)の比
を下式に基づいて算出し、これをEnhancement Ratio(ER)とした。
ER = Ps/Pc
【0128】
(細胞毒性試験)
上記のサンプリング後のトランスウェルをPBSで丁寧に洗浄した後、トランスウェル
(trans well for 24 well plate)の下部のPBSを0.
5mLの(3-(4,5-Dimethylthiazol-2-yl)-2,5-Di
phenyltetrazolium Bromide溶液(MTT溶液)に置き換えた
。その後、37℃にて3時間、遮光下にてインキュベートした。MTT溶液は0.5mg
のMTTを1mLのPBSに溶解することで調製した。その後、トランスウェルから剥離
したヒト3次元培養表皮をマイクロチューブに移し、0.3mLのイソプロパノールを加
えた後に、冷暗所にて15時間以上インキュベートし、色素抽出した。抽出した色素はコ
ロナ電気株式会社のマイクロプレートリーダーを用いて吸光度を測定した(測定波長:5
70nm、650nm)。実測値を基に、下記式を用いて細胞生存率を算出し、組成物の
細胞毒性を評価した。
【0129】
測定値=[(各サンプル処置群の570nmの吸光度)-(各サンプル処置群の650n
mの吸光度)]-[(イソプロパノールの570nmの吸光度)-(イソプロパノールの
650nmの吸光度)]
細胞生存率(%)=100×(各サンプル処置群の測定値)/(PBS処置群の測定値)
【0130】
【0131】
浸透性と細胞毒性の両立についての評価結果を併せて表1に示す。
【0132】
ここで、浸透性の比は、上述の通り、ER=Ps/Pcで示される値であり、参考例又
は参考比較例のER1の値を、基準例のERの値で割った値である。
刺激抑制効果=生存率の比=(試験例の生存率/基準例の生存率)
生存率の比が
×0.95未満
△0.95以上1.05未満
〇1.05以上1.15未満
◎1.15以上
【0133】
浸透性と刺激の両立効果=(浸透性の比)/(1/生存率の比)
×1未満
△1以上1.05未満
〇1.05以上1.2未満
◎1.2以上
【0134】
基準例に比べて、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブ
チル共重合体、グリチルリチン酸ジカリウム、ペンタンジオール、又はプロパンジオール
の併用で、刺激抑制効果が達成できることがわかった。さらに、低刺激と浸透性の両立が
できることも確認できた。一方、PEG-1500の使用ではこれらの両立ができていな
い。
【0135】
次に、表2に示す実施例の組成物を調製し、上記と同様にして、浸透性と細胞毒性の両
立についての評価を行った。その結果を併せて表2に示す。
【表2】
基準例に比べて、実施例の組成物では、低刺激と浸透性の両立がさらにバランス良く達
成できることが分かった。
【0136】
(使用感試験)
ニコチン酸アミドのみでは、刺激があり、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリル
コリン・メタクリル酸ブチル共重合体とニコチン酸アミド、又はペンタンジオールとニコ
チン酸アミドの組み合わせで、刺激が軽減した。さらに、ペンタンジオール、2-メタク
リロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、及びニコチン酸
アミドの組み合わせにおいて、刺激が軽減された。
【0137】
[析出抑制試験]
常法により表3~表4の組成物を調製し、ポリスチレン製の秤量皿に各サンプルを2.
5g入れた。これらの組成物について、70℃の恒温槽中にて15時間保存し、揮発成分
を蒸発させた。蒸発後の秤量皿における析出の有無を目視にて確認した。
【0138】
<評価基準>
〇 析出なし
△ わずかに析出
× 大きな析出あり
××析出物が蒸発乾固した状態
結果についても表3~表7に示す。表中の数値はすべて質量%である。
【0139】
【0140】
【0141】
表3~表7に示す通り、比較例の組成物において、析出が生じてしまうという、課題が
見出された。一方、実施例の組成物では、析出が抑制されることが認められた。
【0142】
[製剤例]
下記の表8に示す処方に基づいて、本発明の皮膚外用組成物を調製した。表中の数値は
、質量%を意味する。
【0143】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
いずれの製剤例においても、使用感が良好な皮膚外用組成物が得られる。