(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156905
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】染料提供システム
(51)【国際特許分類】
A45D 97/00 20110101AFI20241029BHJP
A45D 44/02 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A45D97/00
A45D44/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024129821
(22)【出願日】2024-08-06
(62)【分割の表示】P 2023124210の分割
【原出願日】2019-04-17
(31)【優先権主張番号】15/956,490
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519007307
【氏名又は名称】クリックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マセド エム レイラニ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ディー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マセド エフ ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ダレサンドロ ステュアート
(72)【発明者】
【氏名】マンズ クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プレトナー エス ジェフリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容器に関連付けられた識別を識別する少なくとも1つのスキャナを含むシステムを提供する。
【解決手段】少なくとも1つのディスペンサは、第1の所望の量を提供するように構成されている。少なくとも1つの提供領域は、提供量及び未使用量を測定し、識別に関連付ける測定器械を有する。少なくとも1つのストレージデバイスは、プログラムを記憶し、少なくとも1つのコントローラは、プログラムを実行するときに、情報を受信し、その情報を識別に関連付けるように構成されている。識別に関連付けられた収集データが記録される。データベース内の少なくとも1つのファイル内の収集データの少なくとも一部に基づく第2の所望の量が推奨される。ディスペンサは、第1の所望の量又は第2の所望の量に基づいて、コントローラによって制御される。ディスペンサは、第2の所望の量を提供するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に関連付けられた識別を識別する少なくとも1つのスキャナと、
第1の所望の量の製剤を前記容器に提供する少なくとも1つのディスペンサと、
測定器械を有し、前記器械は、前記容器内の前記製剤の提供量及び前記容器内の前記製
剤の未使用量を測定し、前記測定された提供量及び前記未使用量を前記識別に関連付ける
少なくとも1つの提供領域と、
プログラムを記憶する少なくとも1つのストレージデバイスと、
前記プログラムを実行するときに、情報を受信し、その情報を前記識別に関連付けるよ
うに構成された少なくとも1つのコントローラとを備え、
前記情報は、スタイリスト情報、顧客の顧客情報、前記顧客の毛髪の属性、前記製剤、
前記製剤の適用の種類、前記製剤の前記顧客の頭部上の位置、及び前記製剤の前記第1の
所望の量のうちの少なくとも1つを備え、
前記システムは、前記情報、前記製剤の前記提供量、及び前記製剤の前記未使用量を含
み、前記識別に関連付けられた収集データを、データベース内のファイルに記録し、
前記データベース内の少なくとも1つのファイル内の前記収集データの少なくとも一部
に基づいて、前記製剤の第2の所望の量を推奨し、
前記少なくとも1つのスキャナ、前記少なくとも1つのディスペンサ、前記器械、及び
前記少なくとも1つのストレージデバイスが、前記少なくとも1つのコントローラと通信
可能であり、
前記少なくとも1つのディスペンサは、前記製剤の前記第1の所望の量又は前記製剤の
前記第2の所望の量に基づいて、前記少なくとも1つのコントローラによって制御され、
前記少なくとも1つのディスペンサは、前記第2の所望の量の前記製剤を提供するよう
に構成されているシステム。
【請求項2】
前記情報の送信が、ワイファイ、ブルートゥース又はセルラー技術によって行われる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記情報が、携帯電話、タブレット、コンピュータ、キオスク、又はスマートウォッチ
からなる群から選択されたデバイスから受信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記識別が、情報を記憶するように構成され、RFID(Radio Frequency Identifica
tion)タグ、バーコード、又はQR(Quick Response)コードからなる群から選択される
、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスキャナが、前記識別の前記情報を読み取るように構成されてい
る、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記識別は、色であり、
前記少なくとも1つのスキャナは、色を検出する光学カラーセンサである、請求項1に
記載のシステム。
【請求項7】
前記製剤の前記第2の所望の量が、前記データベース内の前記ファイルの集合体からの
前記収集データの少なくとも一部に基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記製剤の前記第2の所望の量が、前記データベース内の少なくとも1つのファイルか
らの前記製剤の前記提供量及び未使用製剤の前記量に基づいている、請求項1に記載のシ
ステム。
【請求項9】
前記製剤の前記第2の所望の量を計算することにより、前記製剤の前記第1の所望の量
と比較して、前記製剤の廃棄物を削減する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスキャナが、前記容器に関連付けられた前記識別と、前記識別に
関連付けられた前記情報とを識別した後、前記第1の所望の量の前記製剤の一部を提供す
る、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
染料提供システムにより、提供領域内で識別を有する容器を受け取り、
前記染料提供システムのスキャナにより、前記容器に関連付けられた前記識別を識別し
、
前記染料提供システムのコントローラによって、情報を受信し、前記情報を前記識別に
関連付け、前記情報は、スタイリスト情報、顧客の顧客情報、前記顧客の毛髪の属性、製
剤、前記製剤の適用の種類、前記製剤の前記顧客の頭部上の位置、及び前記製剤の第1の
所望の量のうちの少なくとも1つを備え、
前記染料提供システムの第1のディスペンサによって、前記第1の所望の量の前記製剤
を前記容器に提供し、
前記提供領域内の測定器械により、前記容器内への前記製剤の提供量を測定し、前記測
定した提供量を前記識別と関連付け、
前記容器が前記提供領域から取り除かれた後、前記容器を前記提供領域で受け取り、
前記スキャナにより、前記容器に関連付けられた前記識別と、前記識別に関連付けられ
た前記情報とを識別し、
前記器械によって、前記容器内の製剤の未使用量を測定し、前記未使用量を前記識別に
関連付け、
前記コントローラにより、前記情報、前記測定された提供量、及び前記未使用量を含む
収集データを、データベース内の少なくとも1つのファイルに記録し、
前記コントローラにより、前記データベース内の少なくとも1つのファイルからの前記
収集データの少なくとも一部に基づいて、前記製剤の第2の所望の量を推奨し、
第2のディスペンサにより、前記第2の所望の量の前記製剤を提供し、
前記第2のディスペンサは、前記製剤の前記第2の所望の量に基づいて、前記コントロ
ーラによって制御される方法。
【請求項12】
前記識別が、情報を記憶するように構成され、RFID(Radio Frequency Identifica
tion)タグ、バーコード、又はQR(Quick Response)コードからなる群から選択される
、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スキャナが、前記識別の前記情報を読み取るように構成されている、請求項11に
記載の方法。
【請求項14】
前記識別は、色であり、
前記スキャナは、色を検出する光学カラーセンサである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記製剤の前記第2の所望の量が、前記データベース内の前記ファイルの集合体からの
前記収集データの少なくとも一部に基づいている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記製剤の前記第2の所望の量が、前記データベース内の少なくとも1つのファイルか
らの前記製剤の前記提供量及び未使用製剤の前記量に基づいている、請求項11に記載の
方法。
【請求項17】
前記製剤の前記第2の所望の量を計算することにより、前記製剤の前記第1の所望の量
と比較して、前記製剤の廃棄物を削減する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記容器が前記提供領域内にあるとき、前記スキャナは、自動的に前記識別を読み取り
、前記コントローラは自動的に前記識別に関連付けられた前記情報を読み取る、請求項1
1に記載の方法。
【請求項19】
前記スキャナが、前記容器に関連付けられた前記識別と、前記識別に関連付けられた前
記情報とを識別した後、前記第1の所望の量の前記製剤の一部を提供する、請求項11に
記載の方法。
【請求項20】
スタイリスト、顧客、毛髪の属性、適用の種類、又は顧客の頭部上の位置と相関する製
剤の使用量についての統計を、前記コントローラによって生成する、請求項11に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヘアカラー組成物は、人間の毛髪を染めるために使用される。カラーサービスは、サロ
ン業界における収益性の高い分野であり、サロンを運営するためのコスト構造の重要な部
分となり得る。ヘアカラー組成物を生成するために使用される成分は、一般に、チューブ
又はボトルのような容器で別々に流通しており、スタイリストが顧客毎に注文の混合物を
生成することを可能にしている。さらに、ヘアカラー組成物の成分は、その有効寿命を延
ばし、一緒に混ぜ合わせた場合に起こり得る有害な化学反応を回避するために別々に提供
される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
カラーサービスに関して、サロン業界では多くの廃棄物が存在する。注文のヘアカラー
組成物を生成するために、スタイリストは、着色剤、着色化合物、染料又は着色化学薬品
等の複数の異なる成分の少量を1つ又は複数の容器から利用する。少量の成分を使用する
場合、成分は容器を開封したときのように一旦酸素にさらされると、わずか数日で劣化す
る可能性があるため、容器内の残りの成分が廃棄物となる可能性がある。
【0003】
容器内の残りの成分が廃棄物になるだけでなく、その包装とともに容器自体も廃棄物に
なる。さらに、一部のスタイリストは、注文のヘアカラー組成物のための適切な色の調合
比を得るために成分を選択し、混合するのに必要な知識および技術を欠いている。これら
のミス、過剰な製品の混合等の混合の不正確さ、不整合、及び「やり直し」は、より多く
の廃棄物の一因となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
容器に関連付けられた識別を認識する少なくとも1つのスキャナを含むシステムが本明
細書に開示されている。少なくとも1つのディスペンサは、第1の所望の量の製剤を容器
に提供するように構成されている。少なくとも1つの提供領域は、測定器械を有する。前
記器械は、容器内の製剤の提供量及び容器内の製剤の未使用量を測定し、測定された提供
量及び未使用量を識別と関連付ける。少なくとも1つのストレージデバイスは、プログラ
ムを記憶しており、少なくとも1つのコントローラは、プログラムを実行するときに、情
報を受信し、その情報を識別に関連付けるように構成されている。情報は、スタイリスト
情報、顧客の顧客情報、顧客の毛髪の属性、製剤、製剤の適用の種類、製剤の顧客の頭部
上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうちの少なくとも1つを備える。識別に関連付け
られた収集データが記録される。収集データは、情報、製剤の提供量、及び製剤の未使用
量を含み、データベース内のファイルに記録される。データベース内の少なくとも1つの
ファイル内の収集データの少なくとも一部に基づいて、製剤の第2の所望の量が推奨され
る。前記少なくとも1つのスキャナ、前記少なくとも1つのディスペンサ、前記少なくと
も1つの器械、及び前記少なくとも1つのストレージデバイスは、前記少なくとも1つの
コントローラと通信可能である。前記少なくとも1つのディスペンサは、製剤の第1の所
望の量又は製剤の第2の所望の量に基づいて、前記少なくとも1つのコントローラによっ
て制御される。前記少なくとも1つのディスペンサは、第2の所望の量の製剤を提供する
ように構成されている。
【0005】
本明細書に開示されている方法は、提供領域内で識別を有する容器を受け取る染料提供
システムを含む。染料提供システムのスキャナは、容器に関連付けられた識別を認識する
。染料提供システムのコントローラは、情報を受信し、その情報を識別に関連付ける。情
報は、スタイリスト情報、顧客の顧客情報、顧客の毛髪の属性、製剤、製剤の適用の種類
、製剤の顧客の頭部上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうちの少なくとも1つを備え
る。染料提供システムの第1のディスペンサは、第1の所望の量の製剤を容器に提供する
。提供領域内の測定器械が、容器内の製剤の提供量を測定し、測定された提供量が識別に
関連付けられる。容器が提供領域から取り出された後、容器は提供領域内で受け取られる
。スキャナは、容器に関連付けられた識別と、識別に関連付けられた情報とを読み取る。
器械は、容器内の製剤の未使用量を測定し、測定された未使用量は、識別に関連付けられ
る。コントローラは、情報、測定された提供量、及び測定された未使用量を含む収集デー
タをデータベース内のファイルに記録する。コントローラは、データベース内の少なくと
も1つのファイルからの収集データの少なくとも一部に基づいて、製剤の第2の所望の量
を推奨する。第2のディスペンサは、第2の所望の量の製剤を提供する。第2のディスペ
ンサは、製剤の第2の所望の量に基づいてコントローラによって制御される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態に係る染料提供装置の斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態に係る装置を組み込んだ染料提供システムの環境の簡略化された概略図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態に係る装置を組み込んだ染料提供システムの環境の簡略化された概略図である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置の内部の一部の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された装置の一部の上面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置で使用するためのキャニスタの斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置で使用するためのキャニスタの簡略化された概略図である。
【
図6A】
図6A及び6Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された装置で使用するための連結器の斜視図及び側面図を示す。
【
図6B】
図6A及び6Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された装置で使用するための連結器の斜視図及び側面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置で使用するためのノズルの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置で使用するためのキャニスタの断面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置で使用するためのキャニスタの断面図を示す。
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の内部を示す。
【
図8B】
図8Bは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置のディスペンサを示す。
【
図8C】
図8Cは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置のディスペンサを示す。
【
図9A】
図9Aは、いくつかの実施形態に係る、第1のディスペンサ及び第2のディスペンサを備えた実施形態を描写する。
【
図9B】
図9Bは、いくつかの実施形態に係る、第1のディスペンサ及び第2のディスペンサを備えた実施形態を描写する。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態に係る、識別を有する容器を描写する。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態に係る、装置の提供領域にある容器を示す。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態に係る、様々な色として識別を有する容器を描写する。
【
図13】
図13は、いくつかの実施形態に係る、提供領域内の容器を描写する。
【
図14】
図14は、いくつかの実施形態に係る、染料製剤を調製するための方法において使用される構成要素の簡略化された概略図を示す。
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態に係る、染料製剤を調製するための方法のフローチャートである。
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態に係る、カラーサービスにおける製剤の所望の量を推奨するための方法の簡略化されたフローチャートである。
【
図17】
図17は、いくつかの実施形態に係る、顧客のファイルの一部を示す。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態に係る、染料提供システムで使用するための例示的なサーバを示す簡略化された概略図である。
【
図19A】
図19Aは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の一部の斜視図を示す。
【
図19B】
図19Bは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の一部の斜視図を示す。
【
図20A】
図20Aは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の一部の斜視図を示す。
【
図20B】
図20Bは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の一部の斜視図を示す。
【
図21A】
図21Aは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置の一部の内部側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、開示された本発明の実施形態について詳細に言及し、そのうちの1つ又は複数の
例は添付図面に図示されている。各実施例は、本技術の限定としてではなく、本技術の説
明の方法で提供される。実際、本技術の範囲から逸脱することなく、修正及び変形が本技
術において行われ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一
部として図示または記載された特徴は、さらなる実施形態を得るために別の実施形態と一
緒に使用することができる。したがって、本主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの
同等物の範囲内で、そのような修正及び変形をすべて含むことが意図される。
【0008】
カラーサービスに関して、サロン業界では多くの廃棄物が存在する。カラーサービスを
行う際、スタイリストは顧客に使用する製品を多く混ぜすぎることがある。使用されずに
残った製品は、再利用できず、廃棄される。一般的に未使用製品は計量されないため、ビ
ジネス面では未使用、廃棄品による在庫、コスト、及び利益の損失を数値化することがで
きない。さらに、スタイリストは、同じ工程を何度も繰り返し、同じミスを繰り返す。
【0009】
本明細書に開示されたシステム及び方法は、少なくともいくつかの収集データに基づい
て、製剤の所望の量の推奨が発生されるように、未使用の製品を測定し、記録し、追跡す
る。染料提供装置のディスペンサは、推奨された製剤の所望の量に基づいて、染料提供装
置のコントローラによって制御されてもよい。このようにして、未使用の製品の量を最小
限にしたり、なくすことで、サロンの在庫コストを節約し、コストを削減し、利益を増加
させることができる。製品の使用済み容器、及び関連する包装から生み出される廃棄物が
減少し、環境に役立つ。そのシステム及び方法を使用することにより、スタイリストは、
混合される製品の量に関して最小限の入力を行い、それにより、製品を多く混合しすぎる
というミスをなくす。
【0010】
本明細書に記載された染料提供装置、システム及び方法は、コンピュータ制御された精
密な提供を用いて、比較的多数(例えば、約4000)の独特なカラー製剤、及びオプシ
ョンのトリートメント一式を生成する能力を有するヘアカラー用の染料を提供する。独特
なカラー製剤は、熟練した化学者によって考案され、工場などの遠隔地で大きなバッチで
製造され、その後、リサイクル可能で、詰め替え可能で、かつ再利用可能なキャニスタに
詰められてもよい。染料提供装置、システム及び方法は、提供されたカラー製剤の大部分
を構成するかもしれない「基礎となるトーン」又は「基礎となるレベル」、特定の色の高
濃度染料である「純粋なトーン」又は「色調の値」、及び異なる強度の過酸化水素及びブ
リーチかもしれない「顕色剤(デベロッパー)」等の染料をキャニスタから提供してもよ
い。これらの成分を組み合わせることにより、独特なカラー製剤が得られる。キャニスタ
内の染料は、永久染料、準永久染料、半永久染料、ブリーチ/ライトナー、カラーリフレ
ッシャー、一時的染料、トナー、又は顕色剤から構成されていてもよい。別の実施形態で
は、顕色剤は、キャニスタ内に供給されず、又は染料提供装置によって提供されず、従来
の容器内に供給される。キャニスタは、キャニスタ内の染料の約全量が汚染されることな
く提供されることを可能にする内部バルブを備えて構成されている。また、システムは、
在庫管理及び通信の機能も備えている。
【0011】
染料提供装置、システム、及び方法は、個々のキャニスタを監視し、提供された実際の
量をネットワーク又は中央サーバ(例えば、クラウドベースのアプリケーション、スタン
ドアロンのサーバ装置等)に送信してもよく、今度は、ネットワーク又は中央サーバがキ
ャニスタの自動直接補充出荷を開始することにより、在庫管理を自動化してもよい。染料
提供システムは、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、又はウェブブラウザ等の
モバイルデバイス上のコントロールパネル又はアプリケーションを使用してスタイリスト
によって操作されてもよい。コマンドは、オンラインサーバ上で動作するソフトウェアか
ら、又は中央サーバからシステムに送信されてもよい。
【0012】
図1は、いくつかの実施形態に係る染料提供装置の斜視図である。染料提供装置100
は、金属、プラスチック、複合材、又はそれらの組み合わせで作られたハウジング102
を有する。ハウジング102は、装置が壁に取り付けられたり、カウンタートップに固定
されたり、カートに取り付けられたり、又は複数の装置100が一緒に結合されたりする
ことを可能にするための取り付け穴を備えていてもよい。ドア104は、キャニスタの積
み下ろしや、発生する可能性のある懸念事項の解決等、ハウジング102の内部へのアク
セスのために、ハウジング102の上部領域、又はハウジング102の側壁に配置されて
もよい。ドア104は、錠のオプションを有していてもよい。スクリーン又はディスプレ
イを有するパネル106は、装置100又は提供システム全体との通信のための入力を行
うために、又は情報センターとして機能するために使用されてもよい。例えば、パネル1
06は、電源モード、ログイン機能、提供のためのキュー、及びシステムメッセージを表
示してもよい。ヘアカラー又は染料は、ハウジング102の下部領域に配置された奥まっ
た所等の提供領域108で提供されてもよい。
【0013】
図2A及び2Bは、いくつかの実施形態に係る装置100を組み込んだ染料提供システ
ム110の環境の簡略化された概略図である。例えば、少なくとも1つの装置100は、
ネットワーク114を介して1つ以上のモバイルデバイス112と通信してもよい。複数
の装置100が、同じサロン、複数のサロン又は場所、又はそれらの組み合わせに配置さ
れてもよい。装置100は、コントローラ116を含む。コントローラ116は、ハウジ
ング102内に入っていてもよいし、装置100から離れた場所に配置されていてもよく
、インターネット、広域ネットワーク(WAN:wide area network)、ローカルエリア
ネットワーク(LAN:local area network)等のネットワーク114を介してシステム
110と通信していてもよい。したがって、コントローラ116は、装置100に埋め込
まれたマイクロコントロールユニットであってもよいし、別個のスタンドアロン型リモー
トコントローラ又はコンピュータであってもよいし、クラウドベースのアプリケーション
であってもよいし、他の適切な装置又は装置の組み合わせであってもよい。コントローラ
116は、1つ又は複数のCPU(central processing unit)又はプロセッサボード、
コンピュータディスプレイ、タッチスクリーン、及びインタフェースハードウェアを含ん
でもよい。通信又は送信は、有線又は無線(又はそれらのハイブリッド結合)であっても
よく、ワイファイ(Wi-Fi(登録商標))システム、ブルートゥース(Blueto
oth(登録商標))無線技術、イーサネット、ルータ、セルラー通信、衛星通信又は同
様のものを介して達成されてもよい。システムは、ワイファイのハブとして機能すること
もできる。様々な実施形態では、コントローラ116は、ラップトップ、コンピュータ、
又はタブレット又携帯電話等のモバイルデバイスである。別の実施形態では、コントロー
ラ116がラップトップ、コンピュータ、タブレット又はモバイルデバイス112として
構成されている場合等、ユーザインタフェースはコントローラ116の一部であってもよ
く、装置100又はシステム110との通信のための入力を行うために使用されてもよい
し、情報センターとして使用されてもよい。
【0014】
染料の配合処方は、少なくとも1つの染料及び染料の量を識別する。これは、顧客に実
行されるカラーサービスのためのヘアカラー組成物を生成するためのレシピであってもよ
い。染料の配合処方は、内部データベース、外部データベース、又はユーザによる入力か
らのデータ117で構成されてもよい。
【0015】
ネットワーク114を介して、要求、コマンド、応答、及びデータが送信されてもよい
。装置100及びシステム110は、内部IPアドレスのDHCP(Dynamic Host Confi
guration Protocol)割り当てをサポートしてもよく、入力に応答してネットワーク11
4を介して通信を開始してもよい。ネットワーク114は、TCP/IP(Transmission
Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、HTT
P(Hypertext Transfer Protocol)又はHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Sec
ure)等のイーサネット及びインターネットのプロトコル、及びHTML(Hypertext Mar
kup Language)、JSON(Javascript Object Notation)又はXML(Extensible Mar
kup Language)等のデータフォーマットを、これらのトランザクションのために利用して
もよい。様々な実施形態では、これらの通信は、ユーザインタフェースの相互作用、装置
100の定期的なタイムアウト、キャニスタの挿入又は除去等のシステム110の事象、
又は提供シーケンスの完了を含んでもよい。装置100とコントローラ116との間の通
信は、ネットワーク114を介した直接又は独立したアクセス通信路を介してもよい。一
次ネットワーク接続が利用できなくなった場合、GPS(Global Positioning System)
座標を報告し、操作通信をサポートすることができるバックアップシステムが使用されて
もよい。
【0016】
別の実施形態では、
図2Bを参照して、複数の装置100は、サロンのような1つの場
所、又は複数の場所に配置されており、ネットワーク114を介して一緒につながれて、
染料提供システム110を形成してもよい。
図2Aに示すように、各提供装置100を接
続し、データを収集し、複数の染料提供システム110にコマンドを分配するためのハブ
として機能する1つの中央コントローラ115又はサーバが存在してもよい。中央コント
ローラ115は、データ、情報又はコマンドを受信及び送信してもよい。このようにネッ
トワーク114を提供することにより、高品質の顧客サービス及びカラー製剤分析が可能
になる。
【0017】
図3は、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置100の内部の一部
の斜視図である。
図4Aは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された装置100の一
部の上面図を示し、
図4Bは、いくつかの実施形態に係る、
図4Aに示された装置100
の一部の斜視図を示す。ハウジング102内のトレイ118は、ハウジング102に結合
されてもよく、少なくとも1つのキャニスタ120を保持するように構成されている。ベ
アリング170は、トレイ118に連結されてもよく、トレイ118が回転することを可
能にする。トレイ118は、円形、カルーセル構成のような任意の形状を有してもよく、
モータのような駆動機構124によって作動してもよい。トレイ118は、コントローラ
116と通信する。他の実施形態では、トレイ118は固定されている。トレイ118は
、少なくとも1つの開口126を有するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、開口126の複数の列、例えば、
図4A~4Bに示される2
つの同心円状の列が存在してもよい。例えば、トレイ118は、20個の開口126を有
する内側の列と30個の開口126を有する外側の列とを有する2列に配置された最大5
0個の開口126を含んでもよい。他の実施形態では、トレイ118は、4列に配置され
た40個の開口126を有する正方形状であってもよい。さらに別の実施形態では、トレ
イ118は、クラスタ状に配置された40個の開口126を有する八角形状であってもよ
い。トレイ118の形状及び開口126の配置は、用途に応じてカスタマイズ可能である
。サイズ、形状、及び開口の数を変更できることは、サロンのスペース制約に適応するた
めに、装置100の全体的なサイズを縮小することを可能にする。さらに、特定のアプリ
ケーションが少ない数のキャニスタ20を必要とする場合には、装置100の全体的なサ
イズを縮小できる。例えば、サロンは、限られた量のカラー製剤を提供することができ、
したがって、最大50個のキャニスタ120の代わりに10個のキャニスタ120だけを
必要とすることができる。
【0019】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置100で使用する
ためのキャニスタ120の斜視図であり、
図5Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に
示された染料提供装置100で使用するためのキャニスタ120の簡略化された概略図で
ある。少なくとも1つのキャニスタ120は、トレイ118の少なくとも1つの開口12
6に結合されている。各キャニスタ120は、識別子128、内部バルブ130、ノズル
132、スリーブ133、及び染料134を備えて構成されている。スリーブ133は、
染料134を収容するように構成されている。一実施形態では、キャニスタ120は、モ
ジュール式であり、互いに置き換え可能である。収容能力は、例えば、最大8.6オンス
であってもよいが、スリーブのサイズに応じて変化してもよい。実際には、染料134は
、カラー処理の直前まで空気に触れられない。したがって、キャニスタ120は気密性を
有し、アルミニウム等の金属、複合材、又はそれらの組み合わせで構成されてもよい。
【0020】
各キャニスタ120には、バーコード、QR(Quick Response)コード、カタログ番号
又はアイコンコードのような固有の識別子128のラベルが付けられている。識別子12
8は、リーダ136のような装置によってスキャンされ、読み取られ、認識されてもよい
。リーダ136は、スタンドアロンユニットであってもよいし、コントローラ116の一
部であってもよく、ハウジング内に配置されてもよい。リーダ136は、ディスペンサ上
、又はキャニスタ120を直接見ることができる任意の場所でハウジングの側壁又は上壁
に連結されてもよい。RFID(無線周波数識別)技術、NFC(Near Field Communica
tion)(近距離通信)技術、又は同様のものによってキャニスタ120を一意に識別する
ために他の技術が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、識別子128は、装置1
00内のキャニスタ120の存在を立証し、染料134の色等のキャニスタ120内の特
定の内容物を識別する。製品名、キャニスタ120が特定の染料134で充填された日付
、キャニスタ120内に残っている染料の量、ロット又はバッチの番号、及び製造者が含
むことを望む他の注意事項等の他の情報が、識別子128に含まれてもよい。
【0021】
リーダ136は、コントローラ116と通信する。リーダ136は、キャニスタ120
にラベル付けされた識別子128をスキャンし、読み取り、認識するように構成され、そ
の情報をコントローラ116に伝達する。コントローラ116は、製品名、キャニスタ1
20内に残っている量、及びロット又はバッチの番号等の識別子128に埋め込まれた情
報を認識してもよい。別の実施形態では、トレイ118の特定の領域に配置されたキャニ
スタ120を識別するように設計された2つ以上のリーダ136があってもよい。例えば
、1つのリーダ136は、トレイ118の内側の列にあるキャニスタ120を識別する一
方、別のリーダ136は、トレイ118の外側の列にあるキャニスタ120を識別しても
よい。
【0022】
キャニスタ120は、システム110において、リサイクル可能で、詰め替え可能で、
かつ再利用可能であってもよく、ガスによって加圧されるように構成されている。キャニ
スタ120は、ガスを注入するためのポート138を含んでもよい。例えば、キャニスタ
120は、窒素で加圧されたキャニスタ120であってもよい。ガス及び染料134は、
キャニスタ120に外力又は圧力が及ぼされたときに染料134が内部バルブ130に向
かって一様に下方に移動することを可能にする内部スリーブによってキャニスタ内で分離
されている。
図6A及び
図6Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された装置で使
用するための連結器140の斜視図及び側面図を示す。キャニスタ120は、染料134
が提供されるキャニスタ120の下端で連結器140に結合する。いくつかの実施形態で
は、連結器140は、トレイ118の開口126と一体であってもよいし、キャニスタ1
20と一体であってもよいし、又は別個の構成要素であってもよい。連結器140は、キ
ャニスタ120を開口126内で支持する。例えば、バルブ130は、キャニスタ120
の下端に配置されている。キャニスタ120の上端に力が加えられると、バルブ130は
、連結器140上の突起141に対して押され、それによってバルブ130が開き、ノズ
ル132を介して染料134が提供されることを可能にする。内部バルブ130は、キャ
ニスタ120が、装置100によってノズル132を介して染料134のような内部の内
容物のほぼ全てを提供することを可能にする。別の実施形態では、キャニスタ120は、
重力がキャニスタ120を介して染料134を下方に移動させるために使用される重力供
給システムを利用する。
【0023】
図6Cは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置100で使用する
ためのノズル132の斜視図である。ノズル132は、プラスチック、金属、複合材、又
は同様のものから作られ、連結器140又はスリーブ133に連結されていてもよい。こ
のように、各キャニスタ120がそれ自身のノズル132を有するので、汚染が防止され
る。したがって、多くの異なる染料134が同じノズル132を流れるのとは対照的に、
特定のキャニスタ120からの染料134のみがノズル132を流れる。
【0024】
図7A及び7Bは、いくつかの実施形態に係る、
図1に示された染料提供装置100で
使用するためのキャニスタ140の断面図を示す。いくつかの実施形態では、スリーブ1
33は、キャニスタ120から外部に配置され、連結器140と一体であり、したがって
、スリーブ及び連結器は、1つの構成要素かもしれない。ノズル132は、連結器140
の内側に収まり、角度のついた壁を有する。染料134は、加圧されたキャニスタ120
内に保持される。バルブ130は、キャニスタ120の下端から突出している。バルブ1
30が押されると、キャニスタ120内の染料134がキャニスタ120から流出するこ
とが可能になる。
【0025】
ノズル132は、スリーブ133の内面に支えられている。キャニスタ120の内部の
内圧が、バルブ130が閉位置となることを可能にする(例えば、染料134がキャニス
タ120から流出しない)。アクチュエータ144によってキャニスタ120の上端部に
力が加えられると、バルブ130は垂直上方(例えば、キャニスタ120の内部)に押さ
れ、バルブ130を開いて染料134を放出するノズル132に、反対の力を生み出す。
アクチュエータ144によってより多くの力が加えられると、染料134の流量が増加す
る。
【0026】
図8Aは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置100の内部を示し、
図8B及び
8Cは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置100のディスペンサ142を示す。
ディスペンサ142は、少なくとも1つのアクチュエータ144を含む。アクチュエータ
144は、ソレノイド、モータ、及び/又はピストン及びロッド機構等の機械的及び電気
的構成要素と、レバーアーム146と、突出部148とを含むことができる。アクチュエ
ータ144は、コントローラ116と通信する。アクチュエータ144は、レバーアーム
146の第1の端部に連結され、突出部148は、レバーアーム146の第2の端部に連
結される。取付ブラケット143は、ディスペンサ142をハウジング102のような表
面に連結する。例えば、
図8A~8Cの実施形態では、取付ブラケット143はL字形で
あり、一端がアクチュエータ144の第2の端部147に連結され、他端がレバーアーム
146に連結されている。取付ブラケット143は、接合部149でレバーアーム146
に連結されている。接合部149は、レバーアーム146の支持部及び枢動点として機能
する。アクチュエータ144が作動すると、アクチュエータ144の内部ロッド151が
上方向に移動し、これにより、アクチュエータ144の第1の端部に連結されたレバーア
ーム146も上方向に移動する。接合部149において、レバーアームは、シーソー効果
のように下方向に移動し、それにより、突出部148が下方向に移動してキャニスタ12
0の表面(図示せず)に接触することを可能にする。この働きが、キャニスタ120に圧
力を加え、染料134の提供が開始する。
図8Bは、アクチュエータ144のロッド15
1が非作動であり、かつ格納されている状態を示している。
図8Cは、提供中のアクチュ
エータ144のロッド151を示し、そこでは、ロッド151が作動して垂直上方に延在
している。
【0027】
図8B~8Cの実施形態では、突出部148は、キャニスタ120の上部との完全な接
触を可能にするように旋回し回転するように構成されている。突出部148は、レバーア
ーム146の端部から延びる構成要素であり、いくつかの実施形態では、突出部148は
、レバーアーム146の一部であってもよい。突出部148は、キャニスタ120の上面
と最適に接続されるように設計されている。いくつかの実施形態では、突出部148は、
柔軟性及び吸引力を与えるために、プラスチック又はゴム等のばねのような材料で平坦又
は湾曲した表面を有していてもよい。他の実施形態では、突出部148は、キャニスタ1
20の上面に抵抗を与える剛性材料で構成されている。
【0028】
キャニスタ120が提供領域108と一列に並べられると、ディスペンサ142は、キ
ャニスタ120に下方向の力を加え、染料134を提供する。例えば、コントローラ11
6は、リーダ136と通信する。リーダ136は、識別子128に基づいて、染料の配合
処方(染料製剤)に関連付けられた選択されたキャニスタ120内の選択された染料13
4を識別する。選択されたキャニスタ120は、提供領域108と一列に並べられる。コ
ントローラ116は、選択されたキャニスタ120の真上にある突出部148を有するレ
バーアーム146を作動させて位置決めするアクチュエータ144と通信する。ディスペ
ンサ142は、突出部148がキャニスタ120の上面に直接接触している間に、選択さ
れたキャニスタ120に下方向の力を加える。これにより、キャニスタ120のバルブ1
30が開き、染料134がキャニスタ120のノズル132を通って逃げる。染料134
は、0.01グラムから140.00グラムのような量、及び任意のプログラムされた範
囲で提供される。
【0029】
コントローラ116は、ディスペンサ142を介して、染料134の提供を開始し、停
止し、提供速度の変動を可能にする。例えば、提供は、ゆっくり開始しても、増加させて
も、横ばいにしても、そして必要な量の染料134の提供に近づくにつれて減らしてもよ
い。提供の速度は、提供されるべき染料の量、及び装置100が染料製剤を完成させるの
に必要な時間に応じてカスタマイズされてもよい。
【0030】
別の実施形態では、装置100に第2のディスペンサがあってもよい。
図9A及び9B
は、いくつかの実施形態に係る、第1のディスペンサ及び第2のディスペンサを備えた実
施形態を描写する。第1のディスペンサ142aは、第1のアクチュエータ144a、第
1のアクチュエータの第1の端部145a、第1のアクチュエータの第2の端部147a
、第1のレバーアーム146a、第1の突出部148a、及び第1の接合部149aを有
する。第2のディスペンサ142bは、第1のディスペンサ142aと同様の構成要素を
有しているが、明確にするために、ラベル付けされていない。取付ブラケット143a、
143bは、それぞれ、ディスペンサ142a、142bを表面に連結する。
図9Aでは
、第1のディスペンサ142a及び第2のディスペンサ142bは、それぞれアクチュエ
ータ144a及び144bを有するが、他の実施形態では、アクチュエータ144を共有
してもよい。
図9Bでは、第1のディスペンサ142a及び第2のディスペンサ142b
が、アクチュエータ144を共有している。
【0031】
図9Aに示す実施形態は、独立したディスペンサ142a及び142bを描写する。こ
れは、トレイ118上のキャニスタ120が、キャニスタ120の内側の列及び外側の列
を有する円形のカルーセル構成である場合に使用されてもよい。ディスペンサ142a及
び142bは、1度に1つずつ、交互に、又は同時に動作してもよい。第1のディスペン
サ142a及び第2のディスペンサ142bの動作は、
図8A、8B及び8Cを参照して
説明したものと同じである。
【0032】
図9Bに示された実施形態では、モータ等の単一のアクチュエータ144が、1度に1
つのディスペンサ142a又は142bを作動させる。ローラ164a及び164bを有
するカム162がアクチュエータ144に連結されている。この実施形態では、ローラは
互いに180°離れている。レバーアーム146a又は146b上に配置されたばね16
5a又は165bは、突出部148a又は148bをキャニスタ120から離れるように
保持するのに役立つ。カム162が時計回り方向又は反時計回り方向に回転すると、ロー
ラ164a又は164bがレバーアーム146a又は146bに接触し、ばね165a又
は165bの張力に打ち勝って、ローラ164a又は164bがレバーアーム146a又
は146bに接触することを強制して、それを下方向に移動させる。例えば、ローラ16
4a又は164bは、レバーアーム146a又は146bに接触すると、ばねの張力に打
ち勝つ力を生み出し、レバーアーム146a又は146bが下方向に移動させる。このよ
うにして、突出部148a又は148bがキャニスタ120(図示せず)に接触し、提供
が開始される。提供を停止させるために、アクチュエータ144は、カム162をさらに
同方向又は逆方向等に回転させ、レバーアーム146a又は146b上のローラ164a
又は164bからの圧力を解放し、提供を停止させる。カム162の回転に伴って、ロー
ラ164a又は164bは、レバーアーム146a又は146bに多かれ少なかれ圧力を
かけ、次にキャニスタ120にも圧力をかける。これにより、染料134の提供が開始さ
れて停止され、これにより、本明細書に記載されているような提供速度の変動を可能にす
る。
【0033】
装置100は、コントローラ116と通信する測定器械152(
図8A)をさらに含む
。測定器械152は、選択された染料の提供量を測定し、選択された染料の提供量が、少
なくとも1つの染料のための染料製剤中の染料の量と等しいときに、装置は提供を停止す
る。プレート150は、提供領域108内で、選択されたキャニスタ120の少なくとも
1つの開口126の垂直下方に配置されている。プレート150は、プレート150上の
内容物を測定するための器械152を備えて構成されてもよい。器械152は、トランス
デューサ、定規、ひずみゲージのようなゲージ、又はそれらの組み合わせであってもよい
。容器154は、プレート150の上に配置されている。染料134がキャニスタ120
から提供されるときに、カップ又はボウル等の容器154は、染料134を収集する。容
器154は、安定性を確保するために、プレート150に固着又はスナップしてもよい。
器械152は、提供された染料134の量を測定し、次いでこのデータをコントローラ1
16に伝達する。一実施形態では、容器が適切な位置にない限り、提供は生じない。これ
は、表示ライトで視覚的に示されてもよい。少なくとも1つの染料134のそれぞれにつ
いての測定及び停止のステップは、染料製剤が完成するまで繰り返されてもよい。
【0034】
容器154は、識別202を有することによって一意に識別されてもよい。いくつかの
実施形態では、識別202は、情報を記憶するように構成され、RFID(Radio Freque
ncy Identification)(無線周波数識別)タグ、バーコード、又はQR(Quick Response
)コードからなる群から選択されてもよい。
図10は、いくつかの実施形態に係る、識別
202を有する容器154を描写する。識別202は、容器154に恒久的に貼付されて
もよいし、埋め込まれてもよく、例えば、図示されているように、容器の底の部分に埋め
込まれてもよい。
【0035】
情報は、コントローラ116によって受信されてもよく、情報が識別202で追跡され
るように、情報は、識別202と関連付けられている。したがって、識別202と情報は
、コントローラ116に接続されたコンピュータメモリに格納される。情報は、スタイリ
スト情報、顧客の顧客情報、顧客の毛髪の属性、製剤、製剤の適用の種類、製剤の顧客の
頭部上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうちの少なくとも1つを備える。コントロー
ラ116と通信するスキャナ204は、提供領域108内のプレート150に連結されて
おり、識別202及び識別202に関連付けられた情報を読み取るように構成されている
。
図11は、いくつかの実施形態に係る、装置100の提供領域108にある容器154
を示す。識別202を有する容器154は、プレート150上のスキャナ204によって
識別される。
【0036】
容器154は、様々な色のプラスチック、複合材、又は樹脂で構成されてもよく、使用
後に十分に洗浄した後に再利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、識別20
2は、容器154の特定の色、例えば、赤、緑、青、紫、黒、水色、白又は黄色である。
図12は、いくつかの実施形態に係る、様々な色として識別202を有する容器154を
描写する。この例示的な実施形態では、スキャナ204は、色、具体的には容器154の
色を検出する1つ以上の光学カラーセンサ206である。例えば、容器154がプレート
150上にあるとき、1つ以上の発光ダイオード(LED)208は、提供領域108、
ひいては容器154を照らしてもよい。
図13は、いくつかの実施形態に係る、提供領域
108内の容器154を描写する。
【0037】
いくつかの実施形態では、容器154は特定の色であり、光学カラーセンサ206は容
器154のRGBカラーコードを感知し、これらをコントローラ116に送信する。コン
トローラ116は、RGBカラーコードから色を定義し、その色を識別202として使用
する。このシナリオでは、コントローラ116から受信された情報は、識別202、例え
ば色に関連付けられ、コンピュータメモリに格納される。いくつかの実施形態では、カメ
ラ技術が色を識別するために使用されてもよい。容器154が提供領域108内にあると
き、スキャナ204は、識別202を自動的に読み取り、コントローラ116は、識別2
02に関連付けられた情報を自動的に読み取る。
【0038】
典型的には、サロン業界は、染料製剤を生成し、染料製剤を構成する染料の正しい量を
提供し、手で混合するスタイリストの知識と能力に依存している。これは、不正確で再現
性のない結果をまねく可能性がある。現在の染料提供システム及び方法は、リサイクル可
能で、詰め替え可能で、かつ再利用可能なキャニスタ内の独特なヘアカラー組成物を提供
し、廃棄物を削減し、染料製剤及び提供制御によるヘアカラーサービスを改善し、結果と
して新規顧客の機会を提供しつつ、顧客を維持する。
図14は、いくつかの実施形態に係
る、染料製剤を調製するための方法において使用される構成要素の簡略化された概略図を
示す。この実施形態では、構成要素は、様々な色の基礎となるレベル156及びキャニス
タ120に入れられる異なる顔料の色調の値158であってもよい。これらの成分は、染
料の配合処方に従って装置100によって提供され、容器154内に収集される。例えば
5~40%の顕色剤160は、顧客の毛髪に使用するための最終的なヘアカラー組成物を
生成するために、染料製剤に添加されてもよいし、その一部であってもよい。
【0039】
図15は、いくつかの実施形態に係る、染料製剤を調製するための方法のフローチャー
トである。染料提供方法1100は、ステップ1110において、染料提供装置を提供す
ることを含む。装置は、コントローラ及びトレイを含む。トレイは、コントローラと通信
し、少なくとも1つの開口を有するように構成されている。少なくとも1つのキャニスタ
は、識別子と染料とを含んで構成されている。染料は、識別子に関連付けられている。リ
ーダは、コントローラと通信する。ディスペンサは、コントローラと通信するアクチュエ
ータと、レバーアームとを備えている。レバーアームは、アクチュエータに連結され、突
出部を有するように構成されている。
【0040】
ステップ1120では、リーダは、識別子に基づいて、染料の配合処方(染料製剤)に
関連づけられた選択されたキャニスタ内の選択された染料を識別する。ステップ1130
では、選択されたキャニスタは、提供領域と一列に並べられる。ステップ1140では、
ディスペンサは、選択されたキャニスタに下方向の力を加える。ステップ1150で、選
択された染料が提供される。
【0041】
非限定的な例では、顧客は、毛髪の色を変更したいと考えている。染料提供装置100
及び方法1100を使用するために、スタイリストは、ラップトップ、コンピュータ、タ
ブレット又は携帯電話等のデバイス112のようなユーザインタフェースを用いる。これ
は、アプリケーション又はソフトウェアのパッケージ又はプログラムを介して行われても
よい。スタイリストは、所望の色、毛髪の長さ、毛髪の太さ、毛髪の質感等、染料の配合
処方(染料製剤)が適用される顧客に関する情報を入力する。コントローラ116は、そ
の情報に基づいて、染料の配合処方の要求を生成する。染料の配合処方は、内部データベ
ース、外部データベース、又はユーザの入力からのデータ117で構成される。例えば、
いくつかの実施形態では、染料の配合処方は、コントローラ116が、コントローラ11
6に格納されたデータベース、又は装置100から遠隔に格納されたデータベースにアク
セスすることによって作成されてもよいし、ユーザが染料の配合処方を入力してもよい。
【0042】
染料の配合処方は、識別子128と、少なくとも1つの染料134のそれぞれについて
の染料134の指定された量とを含む。染料の配合処方は、レシピのように、識別子12
8と、染料製剤を完成させるのに必要な各染料134の量とを含み、少なくとも1つの染
料134から構成されてもよい。この例では、3つの異なる染料134が染料製剤に必要
とされる。例えば、0.1グラムの染料F1、5.05グラムの染料F2、及び4.03
グラムの染料F3が染料の配合処方(染料製剤)を構成する。
【0043】
一実施形態では、製剤コードが生成され、装置100のパネル106に、又はユーザイ
ンタフェースを介して、コントローラ116と同じであってもよいコンピュータ、ラップ
トップ、タブレット、又は携帯電話等のデバイス112に入力される。製剤コードはまた
、特定のスタイリストに関連付けられ、スタイリストにより異なる情報又は側面を追跡す
るために使用されてもよい。例えば、スタイリストは、装置100に配置されたタッチス
クリーン、又はパネル106上に製剤コードを入力する。別の実施形態では、スタイリス
トは、個人用モバイルデバイス112上で情報を入力する。次に、コントローラ116は
、信号をリーダ136に送信し、リーダ136は、キャニスタ120上の識別子128を
読み取り、識別子128に基づいて、染料F1のような染料の配合処方に関連付けられた
選択されたキャニスタ120内の選択された染料134を識別する。コントローラ116
は、モータ等の駆動機構124に信号を送信し、本実施形態では、駆動機構124は、選
択されたキャニスタ120の染料F1が提供領域108と一列に並ぶまでトレイ118を
回転させる。アクチュエータ等のアクチュエータ144は、コントローラ116から信号
を受信し、レバーアーム146は、突出部148が染料F1の選択されたキャニスタ12
0の真上に位置するまで移動又は並進する。下方向の力が、アクチュエータ144によっ
て、染料F1の選択されたキャニスタ120にレバーアーム146及び突出部148を介
して加えられ、染料F1の選択されたキャニスタ120に圧力が加えられる。一実施形態
では、0.01グラムの染料F1が提供されるように、約0.01秒~3.0秒の間、1
0~15psiの圧力が印加される。染料134は、ノズル132を介して提供され、提
供領域108のプレート150の上に配置された容器154内に収集される。
【0044】
プレート150に連結されたトランスデューサ等の器械152は、コントローラ116
がディスペンサ142の提供を停止できるように、染料の配合処方に関連付けられた選択
された染料134の提供量を測定し、コントローラ116にフィードバックを提供する。
ディスペンサ142は、選択された染料134の提供量が、少なくとも1つの染料134
のための染料の配合処方中の染料の量に等しいときに、提供を停止する。これにより、提
供される染料の正確な量が保証される。この例では、器械152は、提供された染料F1
を測定し、0.01グラムの染料F1が受け取られたことを報告する信号をコントローラ
116に送信する。次に、コントローラ116は、染料の配合処方中の次の識別子128
である染料F2を見つけるために、リーダ136に信号を送信する。方法のそのステップ
は、染料製剤が完成するまで、少なくとも1つの染料134のそれぞれについて測定及び
停止のステップを繰り返すのと同様に、繰り返される。これには、染料F2のキャニスタ
120を特定すること、トレイ118を回転させること、選択された染料134を提供す
ること、提供された染料の量を測定することが含まれる。その後、方法1100は、染料
F3の内容物を提供するために繰り返される。染料F1、染料F2、及び染料F3の内容
物が提供されると、染料製剤が完成する。いくつかの実施形態では、F1、F2、F3~
F(x)は、染料の代わりに顕色剤であってもよい。染料製剤が完成すると、スタイリス
トに、表示ライト及び/又はユーザインタフェース又はパネル106上のメッセージによ
って通知される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ディスペンサ142は、染料製剤中のF1等、染料製剤中の
第1の染料134を最初に多く提供しすぎるかもしれない。このような場合、コントロー
ラ116は、目的の色を得るために適切な比率のF1、F2及びF3が提供されるように
、染料製剤中の他の染料134の値の調整を実行する。
【0046】
染料134の全てがキャニスタ120から提供され、キャニスタ120が空になったと
きに、キャニスタ120が再充填され、染料提供装置100に再装填されてもよいように
、キャニスタ120は、リサイクル可能で、詰め替え可能で、かつ再利用可能であっても
よい。一実施形態では、キャニスタ120は、製造業者によって遠隔で再充填され、その
後、サロンに出荷される。再充填されたキャニスタ120は、ハウジング102のドア1
04を介して装置100に装填されてもよい。
【0047】
装置、システム又は方法は、操作中に、表示ライト、ユーザインタフェース上のメッセ
ージ又は同様のものの形式で通知を送信してもよい。例えば、スタイリストに、特定のキ
ャニスタ120を装填するようにユーザインタフェース上で指示が与えられてもよい。こ
れは、キャニスタ120内の必要な染料134が装置100内で利用できない場合、特定
のキャニスタが提供中に染料を使い果たした場合、又は染料提供装置、システム又は方法
が故障した場合に起こり得る。
【0048】
カラーサービスに関するサロン産業における廃棄物を削減するためには、正確に推奨す
ること、又は予測すること、及び顧客に適用ごとに必要とされる染料製剤の量を正確に測
定することが有用である。必要な染料製剤の量を正確に推奨するためには、多くの要因を
考慮する必要がある。例えば、各スタイリストはそれぞれ、染料製剤の独自の方法又はス
タイルを持っており、同じ顧客及びサービスに対して、異なるスタイリストよりも多くの
量の染料製剤を必要とする場合もあれば、少ない量の染料製剤を必要とする場合もある。
必要な染料製剤の量に影響を与える他の要因は、毛髪の種類、毛髪の太さ、及び毛髪の長
さ等、顧客の毛髪の異なる属性、ハイライト、ルートブースト、又は全体カラー等、製剤
の適用の種類、及び毛髪の根元のみ、全体、又は端部の一部のみ等、製剤が適用される顧
客の頭部上の位置である。
【0049】
図2A及び2Bに示すような染料提供システム1100は、カラーサービスにおける製
剤の所望の量を推奨するための方法1600のような非限定的な例で使用されてもよい。
図16は、いくつかの実施形態に係る、方法1600の簡略化されたフローチャートであ
る。特定のステップ、ステップの順序、及びステップの組み合わせは、例示及び説明の目
的のためだけに示されている。他の実施形態では、一般的に同じ又は類似の全体的な機能
を実行するために、他の特定のステップ、ステップの順序、及び/又はステップの組み合
わせを使用してもよい。
【0050】
非限定的な例では、顧客がカラーサービスを要求する。担当のスタイリストは、携帯電
話、タブレット、コンピュータ、キオスク、スマートウォッチ等のデバイス112を使用
して、自身(例えば、スタイリスト)、顧客、及びサービスに関する情報を入力してもよ
い。情報は、スタイリスト情報、顧客の顧客情報、顧客の毛髪の属性、製剤、製剤の適用
の種類、製剤のための顧客の頭部上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうちの少なくと
も1つを備えてもよい。この情報は、ネットワーク114によって送信され、コントロー
ラ116によって受信される。この例では、コントローラ116は装置100内に配置さ
れているが、装置100から遠隔に配置されていてもよい。その情報は、コンピュータメ
モリ又はデータベースに格納されてもよい。
【0051】
ステップ1610において、染料提供システム110は、スタイリストが容器154を
提供領域108内に配置するとき等、識別202を有する容器154を提供領域108内
で受け取ってもよい。本明細書に記載されているように、識別202は、RFIDタグ、
バーコード、QRコード、又は容器154の色であってもよい。この実施形態では、識別
202はRFIDタグである。
【0052】
ステップ1612において、染料提供システム110のスキャナ204は、容器154
に関連付けられた識別202を識別するか、又は読み取る。ステップ1614において、
染料提供システム110のコントローラ116は、デバイス112から情報を受信し、そ
の情報を識別202に関連付ける。この例で定義されるように、情報は、スタイリストに
固有のID番号等のスタイリスト情報、名前、住所、電話番号等の顧客の顧客情報、及び
毛髪の長さ、毛髪の太さ、自然のカールの度合等の顧客の毛髪の属性、注文のカラー組成
物、処方又はレシピのような顧客に適用される製剤(配合処方)、ルートブースト、ハイ
ライト、毛髪の全体又は端部の一部のカラー等の製剤の適用の種類、根元のみ、毛髪全体
、又は毛髪の端部のみ等の製剤の顧客の頭部上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうち
の少なくとも1つを含んでもよい。染料製剤の第1の所望の量は、内部データベース、外
部データベース、又はユーザの入力からのデータ117で構成されてもよい。ステップ1
616で、染料提供システム110の第1のディスペンサ142aが、第1の所望の量の
製剤を容器154に提供する。
【0053】
ステップ1618において、提供領域108の測定器械152は、容器154内の製剤
の提供量を測定し、測定された提供量が、識別202に関連付けられる。このことは、ユ
ーザの入力なしに、自動的に起こってもよい。スタイリストは、容器154を取り除いて
、顧客に対するサービスを開始してもよい。
【0054】
スタイリストがサービスを完了すると、容器154は、未使用の製剤が測定されてもよ
いように、提供領域108に戻されてもよい。例えば、ステップ1620において、容器
154が提供領域108から取り除かれた後、容器154は提供領域108に戻されて受
け取られる。ステップ1622で、スキャナ204は、容器154に関連付けられた識別
202を読み取り、コントローラ116は、識別202に関連付けられた情報を自動的に
読み取る。ステップ1624において、器械152は、容器154内の未使用製剤の量を
測定し、測定された未使用量は、識別202に関連付けられる。ステップ1626におい
て、コントローラ116は、情報、測定された提供量、及び測定された未使用量を含む収
集データをデータベース内のファイルに記録する。データベースは、コントローラ116
の内部であってもよいし、中央コントローラ115に配置されていてもよい。任意に、製
剤の使用量が、製剤の提供量と未使用量とから計算されてもよい。これは、識別202と
関連付けられ、データベース内のファイルに記録されてもよい。
【0055】
ステップ1628で、コントローラ116は、データベース内の少なくとも1つのファ
イルからの収集データの少なくとも一部に基づいて、製剤の第2の所望の量を推奨する。
ステップ1628は、直ちに起こってもよいし、前回の訪問と同じカラーサービスを要求
するときの、顧客によるサロンへの後の訪問時等、大きな時間のずれの後に起こってもよ
い。ステップ1630において、第2のディスペンサ142bは、第2の所望の量の製剤
を提供する。いくつかの実施形態では、第1のディスペンサ142a及び第2のディスペ
ンサ142bは、同じ装置100が両方の提供に使用される場合等に、同じである。これ
は、顧客が1つの装置100だけを使用する同じサロンにいる場合であってもよい。いく
つかの実施形態では、第1のディスペンサ142a及び第2のディスペンサ142bは、
2つの異なる装置100が提供に使用されている場合等に、異なるものである。これは、
顧客が2つの異なるサロンにいる場合、又はスタイリストが同じサロンに配置された異な
る装置100を使用する場合であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1のディスペンサ142aは、製剤の第1の所望の量に基
づいてコントローラ116によって制御される。いくつかの実施形態では、第2のディス
ペンサ142bは、製剤の第2の所望の量に基づいてコントローラ116によって制御さ
れる。第1のディスペンサ142a及び第2のディスペンサ142bは、同じディスペン
サであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法1600は、i)情報(例えば、スタイリスト情報、顧
客の顧客情報、顧客の毛髪の属性、顧客に適用される製剤、製剤の適用の種類、製剤のた
めの顧客の頭部上の位置、及び製剤の第1の所望の量のうちの少なくとも1つ)、ii)
測定された提供量、及びiii)測定された未使用量からなる収集されるデータを測定し
、記録し、追跡する。収集されるデータはまた、データベース内のファイル内の全顧客の
ための製剤の第2の所望の量を推奨するために使用されてもよい。ファイルは、顧客に対
して実行されたサービスの履歴アカウントとして機能し、これから、異なる特性に相関す
るデータの任意のサブセットについて、コントローラ116又は中央コントローラ115
によってレポート及び統計が生成されてもよい。例えば、統計は、スタイリスト、顧客、
毛髪の属性、適用の種類、又は顧客の頭部上の位置と相関する製剤の使用量について、コ
ントローラ116によって生成されてもよい。これらの統計は、データベース内の1つの
ファイル(1人の顧客)又はデータベース内のファイルの集合体(様々な顧客)に基づい
ていてもよい。
【0058】
図17は、いくつかの実施形態に係る、顧客のファイルの一部を示す。顧客#2460
1のファイルは、同じ製剤がハイライトとして適用された最近の3つのカラーサービスか
らのアカウントを示す。以下のデータ、つまり製剤の第1の所望の量(これは、その後の
サービスで推奨される製剤の第2の所望の量となる)、製剤の提供量、未使用製剤の量、
及びサービスを完了するために必要な追加量が記録されている。これらから、使用された
製剤の量が計算される。サービス#1では114.6gの製剤が使用され、サービス#2
では115.4gの製剤が使用され、サービス#3では117.7gの製剤が使用された
。顧客の経時的な毛髪の伸びが、使用された染料製剤の上昇傾向の理由を与えるであろう
。
【0059】
顧客#24601のための現在のサービス、又はサービス#4では、推奨される製剤の
第2の所望の量は、データベース内の少なくとも1つのファイル、又はデータベース内の
ファイルの集合体からの製剤の提供量及び未使用製剤の量に基づいていてもよい。第1の
例示的な実施形態では、現在の顧客のような1つのファイルに基づいて、118.3グラ
ムの製剤が推奨されてもよい。第2の例示的な実施形態では、製剤の第2の所望の量は、
データベース内のファイルの集合体からの収集データの少なくとも一部に基づいてもよい
。例えば、製剤の第2の所望の量は、現在の顧客もまたミディアムの毛髪を有する場合、
データベース内のミディアムの長さの毛髪を有するすべての顧客に基づいてもよい。この
場合、製剤の第2の所望の量として116.0グラムが推奨されてもよい。
【0060】
製剤の第2の所望の量を推奨するためのデータベース内のファイルの集合体からの収集
データは、カラーサービスを要求する新規顧客にとって有用であるかもしれない。例えば
、新規顧客がルートブーストカラーサービスを要求する場合、ルートブーストカラーサー
ビスのためにデータベース内の全ての顧客に使用された製剤の平均量を使用することがで
きる。方法1600のステップに従うことにより、次のカラーサービスのためにその顧客
のファイルを参照できるように、収集データを有する新規顧客のためのファイルが作成さ
れる。
【0061】
製剤の第2の所望の量の計算は、製剤の第1の所望の量と比較して、製剤の無駄を削減
する。方法1600を使用することにより、製剤の第2の所望の量の推奨は、使用された
製剤の量と同じであってもよく、それにより、典型的には廃棄されるカラーサービスにお
いて残る製剤の未使用量を削減するか、又はなくすことができる。これは、全体的な在庫
を減らすことにより、サロンに大きな影響を与える。次に、在庫に伴う容器及び包装が削
減され、従って、環境への負荷が軽減される。それは、スタイリスト、特にカラーサービ
スのための適切な量の製剤を得るために成分を選択し、混合するのに必要な知識及び技術
を欠く人を助け、過剰な製品の混合のミス、不整合、及びより多くの廃棄物の原因となる
「やり直し」を避けることができる。
【0062】
スタイリストに対するインセンティブは、様々な側面に基づいて実施されてもよい。デ
ータはスタイリストによって追跡されてもよく、そのため、未使用製剤の量が最も少ない
スタイリストが報奨されてもよい。いくつかの実施形態では、データベース内の複数のフ
ァイルから集約されたデータは、トレーニングの目的のために使用されてもよい。さらに
、スタイリストの時間及び作業量を有効活用するために、スタイリストのアシスタントが
、容器154の測定のようなタスクの一部を実行することによって、利用されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、スタイリストは、カラーサービスの間に製剤を使い果たして
もよい。この場合、容器154は、提供領域108に戻されてもよい。スキャナ204は
、容器154に関連付けられた識別202を読み取り、コントローラ116は、識別20
2に関連付けられた情報を自動的に読み取る。このようにして、装置100は、ユーザの
入力なしに全ての情報を決定する。コントローラ116は、完了したパーセンテージ等の
カラーサービスの状態を決定するために、装置100のデバイス112又はパネル106
に問い合わせを送信してもよい。コントローラ116は、スタイリストのためのカラーサ
ービスを完了するために必要な追加の配合量を計算してもよい。スキャナ204が容器1
54に関連付けられた識別202と、識別202に関連付けられた情報とを識別した後、
カラーサービスを完了するために使用される第1の所望の量の製剤の一部が提供される。
この量は、識別202に関連付けられ、データベース内のファイルに記録されてもよい。
装置が、容器154上の識別202及び関連付けられた情報を認識することに起因して必
要なすべての情報を有するため、このプロセスは、数秒以内等、迅速に発生する。
【0064】
図18は、いくつかの実施形態に係る、染料提供システム1100で使用するための例
示的なサーバ1800(1つ以上のサーバの任意の組み合わせ、例えば中央コントローラ
115を表す)を示す簡略化された概略図である。他の実施形態では、他の構成要素及び
構成要素の組み合わせを使用してもよい。例えば、サーバ1800は、染料提供システム
110の複雑さに応じて、ウェブサーバ、ラックマウントコンピュータ、ネットワークス
トレージデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップ/ノート型コンピュータ等
の1つ以上の物理的なコンピュータデバイス又はサーバを表してもよい。複数の測位間で
同期化されたデータを潜在的に有するクラウドネットワーク内に少なくとも部分的に実装
されたいくつかの実施形態では、サーバ1800は、1つ又は複数のクラウドサーバとさ
れてもよい。いくつかの実施形態では、サーバ1800の機能は、単一のコンピュータデ
バイスで有効化される。より複雑な実施形態では、コンピューティングシステムの機能の
一部が、単一のサーバファーム施設内、又は複数の物理的な場所内のいずれであるかにか
かわらず、複数のコンピュータデバイスに分散している。いくつかの実施形態では、サー
バ1800は、単一の仮想マシンとして機能する。
【0065】
サーバ1800が複数のコンピュータデバイスを示すいくつかの実施形態では、サーバ
1800の機能の一部が一部のコンピュータデバイスに実装され、他の機能が他のコンピ
ュータデバイスに実装される。例えば、染料提供システム1100の様々な部分は、同じ
コンピュータデバイス上に実装されてもよいし、別個のコンピュータデバイス上に実装さ
れてもよい。図示された実施形態では、サーバ1800は、一般に、染料提供システム1
100内に、簡潔にするために図示されていない他の構成要素も含むが、データ通信サブ
システム1812によって接続又は結合された、少なくとも1つのプロセッサ1802、
主電子メモリ1804、データストレージ1806、ユーザ入出力1809、及びネット
ワーク入出力1810を含む。
【0066】
プロセッサ1802は、1つ又は複数のハウジング又はエンクロージャ内の1つ又は複
数のプリント回路基板(PCB:printed circuit board)上の1つ又は複数の中央処理
ユニットを表す。いくつかの実施形態では、プロセッサ1802は、1つ以上のデータチ
ャネルによって相互接続された複数の物理的位置にある複数のコンピュータデバイス内の
複数のマイクロプロセッサユニットを表す。主電子メモリ1804と協働してサーバ18
00の上述の機能を実行するためのコンピュータの実行可能な命令を実行するとき、プロ
セッサ1802は、命令の機能を実行するための特殊用途コンピュータとなる。
【0067】
主電子メモリ1804は、1つ又は複数のハウジング又はエンクロージャ内の1つ又は
複数のプリント回路基板(PCB)上の1つ又は複数のRAM(random access memory)
モジュールを表す。いくつかの実施形態では、主電子メモリ1804は、複数の物理的位
置にある複数のコンピュータデバイス内の複数のメモリモジュールユニットを表す。プロ
セッサ1802との動作において、主電子メモリ1804は、サーバ1800の上述の機
能を実行するためにプロセッサ1802によって実行されたコンピュータの実行可能な命
令、及びプロセッサ1802によって処理又は生成されたデータを記憶する。
【0068】
データストレージ1806は、任意の適切な数のハードドライブ、光学ドライブ、ネッ
トワーク接続型ストレージ(NAS:network-attached storage)デバイス、フラッシュ
ドライブ等の内部又は外部の物理的大容量ストレージデバイス、又はそれらの組み合わせ
を示すか、又は含む。いくつかの実施形態では、データストレージ1806は、複数の物
理的な場所にある複数のコンピュータデバイス内の複数のマスストレージデバイスを表す
。データストレージ1806は、一般に、プロセッサ1802及び主電子メモリ1804
の動作に使用されるプログラム(例えば、コンピュータの実行可能な命令)及びデータの
ための永続的なストレージ(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体
1808内に)を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、データストレージ1806内のプログラム及びデータは、数
あるプログラム及びデータを含む中で特に、識別を受信する受信機1820、情報を受信
する受信機1822、情報を識別と関連付ける関連付け装置1824、情報、測定された
提供量、及び測定された未使用量からなる収集データをデータベース内のファイルに記録
する記録装置1826、データベース内の少なくとも1つのファイルからの収集データの
少なくとも一部に基づいて、前記製剤の第2の所望の量を計算して推奨するレコメンダ1
828、提供のスケジューリングを調整するイベントスケジューラー1830、計算を実
行する計算機1832、データを解析する1つ以上の解析ルーチン1834、主電子メモ
リ1804又はデータストレージ1806に格納された様々なタイプの情報を検索する検
索ルーチン1836、データストレージ1806から主電子メモリ1804に情報を読み
出す読み出しルーチン1838、ファイル及び情報を主電子メモリ1804又はデータス
トレージ1806に格納する格納ルーチン1840、ネットワーク114を介してネット
ワーク通信を送受信するネットワーク通信サービスプログラム1842、サーバとユーザ
との間で情報を通信するためのゲートウェイとして機能するゲートウェイサービスプログ
ラム1844を含むが、これらに限定されるものではない。これらのプログラムの制御下
で、このデータを使用して、プロセッサ1802は、主電子メモリ1804と協働して、
サーバ1800のために上述した機能を実行する。
【0070】
ユーザ入出力1809は、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ等の1
つ以上の適切なユーザインタフェースデバイスを表す。いくつかの実施形態では、ユーザ
入出力1809は、複数の物理的な場所にある複数のコンピュータデバイスのための複数
のユーザインタフェースデバイスを表す。例えば、システム管理者は、これらのデバイス
を使用して、サーバ1800へのアクセス、セットアップ、及び制御を行うことができる
。
【0071】
ネットワーク入出力1810は、染料提供システム110を介して通信するためのネッ
トワークアダプタ等の任意の適切なネットワークデバイスを表す。いくつかの実施形態で
は、ネットワーク入出力1810は、複数のデータチャネルを介して通信するための、複
数の物理的な場所にある複数のコンピュータデバイスのための複数のそのようなネットワ
ークデバイスを表す。
【0072】
データ通信サブシステム1812は、1つ以上のプリント回路基板(PCB)上、1つ
以上のハウジング又はエンクロージャ内、1つ以上の組立棚内、1つ以上の地理的な場所
等で、他の構成要素を単一のユニットで、又は分散した様式で接続するための任意の適切
な通信ハードウェアを表す。
【0073】
染料提供システム110は、実行可能な命令(データストレージ1806からロードさ
れた)を記憶するメモリ1804と、プロセッサ1802とを含む。プロセッサ1802
は、メモリ1804につながれ、メモリ1804に格納された命令を実行することにより
、方法1600を実行する。非一時的なコンピュータ可読媒体1808は、プロセッサ1
802によって実行されたときに、本明細書に記載された方法1600を含む作業をプロ
セッサ1802に実行させる命令を含む。
【0074】
本明細書に記載される主題の1つ以上の側面又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路
、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrate
d circuit)、FPGA(field programmable gate array)、コンピュータハードウェア
、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現すること
ができる。これらの様々な側面又は特徴は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイ
ス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び指示を受信し、データおよび指示
を送信するためにつながれた、特殊又は汎用であり得る少なくとも1つのプログラマブル
プロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ又は複
数のコンピュータプログラムにおける実装を含んでもよい。プログラマブルシステム又は
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライア
ント及びサーバは、一般に、互いに離れており、典型的には、通信ネットワークを介して
相互に作用する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され
、互いにクライアントとサーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0075】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コン
ポーネント、又はコードとも呼ばれ得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラマ
ブルプロセッサのための機械命令を含み、高レベルの手続き型言語、オブジェクト指向プ
ログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、及び/又はア
センブリ言語/機械語で実装され得る。本明細書で使用されるように、「機械可読媒体」
(すなわち、非一時的なコンピュータ可読媒体)という用語は、機械命令を機械可読信号
として受け取る機械可読媒体を含む、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセ
ッサに提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプロ
グラマブルロジックデバイス(PLD:programmable logic device)等の任意のコンピ
ュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイスを指す。「機械可読信号」という用語
は、機械可読媒体に機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を
指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的な固体メモリ、磁気ハードドライブ、又は類似
の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読
媒体は、代替的又は追加的に、例えば、1つ又は複数の物理的なプロセッサコアに関連付
けられたプロセッサキャッシュ又は他のランダムアクセスメモリのような一時的な様式で
、そのような機械命令を格納することができる。
【0076】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載された主題の1つ以上の側面又
は特徴は、ユーザに情報を表示するための、例えば陰極線管(CRT:cathode ray tube
)又は液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)又は発光ダイオード(LE
D:light emitting diode)モニタのようなディスプレイデバイスと、ユーザがコンピュ
ータに入力を提供するためのキーボード、及び例えばマウス、タッチパッドまたはトラッ
クボールのようなポインティングデバイスとを有するコンピュータ上に実装することがで
きる。他の種類の装置も同様に、ユーザとの相互作用を提供するために使用することがで
きる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚
フィードバック、又は触覚フィードバックのような感覚フィードバックの任意の形態であ
り得、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むがこれらに限定さ
れない任意の形態で受信され得る。他の考えられる入力デバイスには、タッチスクリーン
、又は単点又は多点の抵抗式又は静電容量式のトラックパッド等の他のタッチセンシング
デバイス、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学スキャナ、光ポインタ、デジタ
ル画像キャプチャデバイス及び関連する解釈ソフトウェア等が含まれるが、これらに限定
されない。
【0077】
図19A及び19Bは、いくつかの実施形態に係る、染料提供装置100の一部の斜視
図を示す。この構成では、シャフト166は、延長部168を有する。シャフト166は
、トレイ118の中心等、トレイ118に連結されてもよい。ディスペンサ142は、延
長部に連結され、器械152を有するプレート150は、シャフト166に連結される。
器械152は、ひずみゲージであってもよい。容器154は、提供領域108においてプ
レート150に連結されている。選択されたキャニスタ120は提供領域108と、駆動
機構124によって一列に並べられる。駆動機構124は、トレイ118が静止している
間に、シャフト166を回転させるように構成されており、結果として、延長部168、
ディスペンサ142、及びプレート150も回転させる。駆動機構124は、歯車に連結
されたモータであってもよく、ベアリング170は、シャフト166の回転を可能にする
ために、シャフト166又はトレイ118に連結されてもよい。
【0078】
例えば、リーダ136は、シャフト166、延長部168又はプレート150に連結さ
れていてもよい。このようにして、シャフト166が駆動機構124によって回転させら
れると、リーダ136は、選択されたキャニスタ120を識別することができる。選択さ
れたキャニスタ120が識別されると、選択されたキャニスタ120は、提供領域108
と一列に並べられる。ディスペンサ142は、
図9Bに示すように、2つから構成される
ディスペンサ142a,142bであってもよい。前述したように、コントローラ116
は、選択されたキャニスタ120を提供領域108と一列に並べるために、駆動機構12
4と通信する。コントローラ116はまた、選択されたキャニスタ120の真上にある突
出部148a、148bを有するレバーアーム146a、146bを作動させて位置決め
するアクチュエータ144と通信する。ディスペンサ142a、142bは、突出部14
8a、148bがキャニスタ120の上面に直接接触している間に、選択されたキャニス
タ120に下方向の力を加える。これにより、キャニスタ120のバルブ130が開き、
染料134がキャニスタ120のノズル132を通って逃げる。これは、容器154内に
収集されてもよい。これは、染料製剤の全ての内容物が提供されるまで繰り返されてもよ
い。キャニスタ120のノズル132から、シャフト166に連結されたブラシによって
残留物を洗浄してもよい。シャフト166が回転すると、ブラシはノズル132に接触し
て残留物を除去する。
【0079】
図20Aは、キャニスタを移動させるためのさらに別の構成の染料提供装置100の一
部の斜視図を示す。この実施形態では、レール172が、トレイ118に連結され、少な
くとも1つのカート174を有する。列車176を形成する1つ以上のカート174があ
ってもよい。レール172は、2レール構成又は他の好適な構成を有してもよい。カート
174は、少なくとも1つのキャニスタ120を保持するように構成されている。駆動機
構124は、カート174内に配置され、レール172上に乗っているカート174又は
列車176をモータによって移動させるように構成されてもよい。ディスペンサ142は
、
図8Bに示すような単一の設計であってもよいし、又は
図9A又は9Bに示すような二
重の設計であってもよい。トレイ118は、少なくとも1つの開口126を有するように
構成されている。これは、開口126の直下に構成されたプレート150及び容器154
を備える提供領域108として機能してもよい。
【0080】
ディスペンサ142は、ハウジング102に連結されてもよい。選択されたキャニスタ
120は、コントローラ116を介して駆動機構124によって提供領域108と一列に
並べられる。例えば、リーダ136は、ハウジング102、トレイ118又はディスペン
サ142に連結されてもよい。このようにして、カート174又は列車176が駆動機構
124によってレール172に沿って移動させられるとき、リーダ136は、選択された
キャニスタ120を識別することができる。選択されたキャニスタ120が識別されると
、カート174を介してレール172上にある選択されたキャニスタ120は、提供領域
108と一列に並ぶまで移動させられる。次に、ディスペンサ142は、選択されたキャ
ニスタ120に突出部148を接触させ、選択された染料134を提供する。これは、染
料製剤の全ての内容物が提供されるまで繰り返されてもよい。キャニスタ120上のノズ
ル132から、トレイ118の下面に連結されたブラシによって残留物が洗浄されてもよ
い。カート174がレール172に沿って移動すると、ブラシはノズル132に接触して
残留物を除去する。
【0081】
他の実施形態では、
図20Aのディスペンサ142が、代わりに、(
図8Bに示すよう
に)取付ブラケット143に連結され、ディスペンサ142に関して
図8Bに描写されて
いるように動作してもよい。代替的に、ディスペンサ142が、
図19A及び19Bに示
すように、シャフト166に連結され、描写されているのと同様に動作してもよい。
【0082】
図20Bは、
図20Aと同様の、さらに別の構成の染料提供装置100の一部の斜視図
を示す。この実施形態では、レール172は、モータ、チェーン178及びプーリーシス
テムを含む駆動機構124を有する2レール構成を有してもよい。チェーン178は、2
レール構成のレール172の間に配置され、カート174に連結されている。カート17
4又は列車176は、チェーン178の駆動機構によってレール172に沿って移動する
。駆動機構124のモータは、トレイ118又は別の好適な位置に配置されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、装置100は、少なくとも1つのキャニスタ120の位置及
び/又は存在を検出する光学センサ184を含む。センサ184は、例えばシャフト16
6(
図19A参照)、トレイ118、ハウジング102(
図20A参照)、又はキャニス
タ120を直接見ることができる任意の場所で装置100に連結されてもよく、コントロ
ーラ116を介してリーダ136と通信してもよい。このようにして、キャニスタ120
及びセンサ184が互いを通過すると、センサ184は、キャニスタ120の存在および
位置を検出し、開口126がキャニスタ120を有するマップを作成する。次に、コント
ローラ116及び/又はリーダ136と通信して、リーダ136は、識別子128を介し
てキャニスタ120を識別する。
【0084】
図21Aは、装置100がキャニスタ120を1つだけ有するように構成された実施形
態における染料提供装置100の一部の内部側面図を示す。キャニスタ120は、ハウジ
ング102の側面又はハウジング102の上に配置されるかもしれないドア104を介し
て装填されてもよい。ドア104のための錠180が、セキュリティのために提供されて
もよい。キャニスタは、ノズル132に連結され、トレイ118の開口126内で連結器
140に収まる。アクチュエータ144、例えばソレノイドは、支柱182によってトレ
イ118又はハウジング102に取り付けられている。ディスペンサ142は、キャニス
タ120を押して、キャニスタ120内の染料134を、提供領域108内に、そして器
械152を備えたプレート150の上の容器154内に提供する。
【0085】
図21Bは、いくつかの実施形態に係る、
図21Aの染料提供装置100の正面図であ
る。装置は、パネル106又はモバイルデバイス112によって操作されてもよい。一実
施形態では、複数の装置100が一緒に取り付けられ、それぞれが1つのキャニスタ12
0を有し、通信し、コントローラ116によって制御される。染料製剤は、異なる染料1
34、例えば、F1、F2、F3からF(x)で構成され、パネル106上で、又はモバ
イルデバイス112によってユーザに伝えられてもよい。F1が提供された後、容器15
4は、F2が提供される次の装置100に移動させてもよい。F2が提供された後、容器
154を、F3が提供される次の装置100に移動させること等が、染料製剤が完成する
まで行われてもよい。あるいは、装置100は1つだけであってもよく、選択されたキャ
ニスタ120が、染料製剤が完成するまで、各染料134が提供された後に装填されても
よい。ユーザは、キャニスタ120の装填及び取り外し、及び/又は提供された染料13
4を収集する容器154の移動を達成するように、ユーザインタフェースを介して指示さ
れてもよい。
【0086】
染料提供システム又は方法は、注文の染料の調合法の精密な再現性、包装の革新、店頭
商品の在庫のための補助、及び再注文機能を提供する包括的な解決策である。いくつかの
実施形態では、キャニスタ内の染料が実質的にすべて利用される。サロン業界は一般に、
カラーサービス中の廃棄物、在庫管理費用及び保管費用、ヘアカラー製剤の品質に関連し
た顧客維持の問題、及び高い顧客獲得コストに悩まされている。染毛剤については、業界
は一般的に染料が充填されたチューブ等の小さな容器に依存している。顧客にカラーサー
ビスを行う際には、スタイリストがチューブの染料の一部を使用してヘアカラーを混合し
、複数のチューブが一般的に必要となる。このことは、残留したヘアカラー及び包装が水
道システム及び埋め立て地に分配されるので、過剰な包装及び廃棄物で環境にストレスを
与えている。さらに、容器内の染料の未使用部分は、別の顧客のために必要とされないか
もしれず、又は酸素に触れることによってだめになるので、しばしば廃棄物となる。一般
的な染料のチューブとは対照的に、キャニスタを利用することにより、チューブ、染料の
廃棄物及び包装がなくなる。染料の典型的なチューブは、約1.7オンスから3.2オン
スである。一実施形態では、8.6オンスを含むように構成されたキャニスタを使用する
ことにより、多くのチューブが、リサイクル可能で、詰め替え可能で、かつ再利用可能な
1つのキャニスタに置き換えられる。
【0087】
染料提供システム110は、在庫を追跡し、レポートを生成するように構成されてもよ
い。例えば、各キャニスタ120の識別子128は、取り付け中に読み取られてもよく、
それにより、染料提供システム110は、在庫を監視し、追跡し、再整理してもよい。自
己診断スキャンが、現在の動作状態、位置エラー、警告又は故障を監視するために、コン
トローラ116又はリーダ136、又はその2つの組み合わせによって実行されてもよい
。
【0088】
染料提供システム110は、キャニスタ120の再注文手順及びサロン支払い手順を自
動化してもよい。例えば、在庫管理システムが、交換注文を開始するようにしてもよい。
注文は、自動出荷を提供する排他的な売り主とのものであってもよく、このようにして、
サロンのオーナーの在庫保管費用及び管理労力を削減できる。在庫が、注文から配送まで
の情報を追跡するための出荷データに対して吟味されるようにしてもよい。染料134を
有するキャニスタ120は、自動的に請求書を発行し、電子的に自動的に購入されてもよ
く、このようにして、支払いの労力を最小化し、サロンの売掛金の処理を合理化できる。
いくつかの実施形態では、方法が、上位層のサロン、及び下位層のための製造業者の代表
者への直接販売を提供する層別マーケティング戦略を有する。他の実施形態では、工場の
キャニスタの直送が、輸送コスト及び外包装を削減する。
【0089】
従来、スタイリストは、チューブ、容器又はボトルから手動で提供されるヘアカラーの
染料の組み合わせを手で混合する。当業界では、手で混合する原始的な道具に依存してい
る。不十分に混合されたヘアカラーの調合法は、頭皮にホットスポットを生じさせ、毛髪
の色の一貫性がなくなるという結果をもたらす可能性がある。一実施形態では、容器15
4の蓋が提供される。蓋は、蓋が容器に結合されているときに、提供された染料134が
通過して流れてもよい開口を有するように構成される。蓋はまた、モータによって駆動さ
れる泡立て器を有するように構成されてもよい。蓋が容器154に結合されるとき、容器
154内の提供された染料134は、泡立て器によって適切な粘度に混合されてもよく、
それによって、容器154の表面に未混合の色を残さないように染料134のすべてを均
一に混合できる。泡立て器は、例えば、泡立て器の回転に対して反時計回りに作動するプ
ッシュアンドターン(押圧回転)機構によって、モータから切り離されるように構成され
ていてもよい。容器及び泡立て器の材料は、摩擦を最小化し、疎水性材料の洗浄の助けと
なってもよい。泡立て器は取り外し可能であり、各使用後に洗浄されてもよい。
【0090】
別の実施形態では、染料提供システム110は、顧客の頭及び肩の画像を生成するよう
に設計された360°画像取り込み能力を有するように構成される。関連するアプリケー
ションが、髪毛及び顔のアバターを、試しにつけてみるための染料の色のパレットと共に
提供すると、これにより、顧客が、様々な色の毛髪でどのように見えるかを想像すること
ができる。一旦選択されると、目標の色は、染料提供システム110による提供のための
調合法に変換されてもよい。さらなる実施形態では、光学スキャナが、毛髪を染めるのに
必要な染料の量を計算するために使用されるかもしれない顧客の三次元画像を取り込み、
その情報を染料提供システム110に送信してもよい。
【0091】
さらに別の実施形態では、染料提供システムは、ヘアカラーフィードバックを提供する
ためのセンサを備えて構成されている。ヘアカラーの適用前及び適用後の顧客の髪のデジ
タルプロフィールは、顧客によって選択された目標の色に関連する染料の調合法の品質に
アクセスするために評価されてもよい。各顧客の毛髪は、ヘアカラー処理の結果に影響を
与える異なる特性を有する。フィードバックループが、目標と実際の色の間の差異を、顧
客ごとに最適化され、カスタマイズされた配合処方に変換するアルゴリズムに基づいて、
使用ごとに目標の色に向けて調合法を最適化するためのデータを提供してもよい。顧客か
らデータが収集されると、システムは、調合法の調整を学習することができ、それによっ
て、より少ない適用回数で目標の色を達成する調合法を正確に作成できるかもしれない。
また、このことは、スタイリスト及び顧客の共通の不安の原因である「初めての施術」を
改善できるかもしれない。
【0092】
更なる実施形態では、装置100及び方法1100は、例えば、顕色剤、シャンプー、
コンディショナー、添加剤、化粧水、保湿剤、マニキュア、タンニング溶液、塗料、又は
それらの任意の組み合わせ等の他の液体を提供することができる。
【0093】
上記の説明及び特許請求の範囲では、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」のような表
現が現れた後、要素又は特徴の接続リストが続いてもよい。「及び/又は」という表現も
、2つ以上の要素又は特徴のリストの中で現れてもよい。使用される文脈によって黙示的
又は明示的に矛盾しない限り、このような表現は、リストされた要素又は特徴のいずれか
を個別に、又は他の列挙された要素又は特徴のいずれかと組み合わせた列挙された要素又
は特徴のいずれかを意味することが意図されている。例えば、「A及びBのうちの少なく
とも1つ」、「A及びBの1つ以上」、及び「A及び/又はB」は、それぞれ「A単独で
、B単独で、又はA及びBを一緒に」を意味することが意図されている。同様の解釈は、
3つ以上の項目を含むリストについても意図される。例えば、「A、B、及びCのうちの
少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、及び「A、B、及び/又はC
」という表現は、それぞれ、「A単独で、B単独で、C単独で、A及びBを一緒に、A及
びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B及びCを一緒に」を意味することが意図さ
れる。さらに、上述及び特許請求の範囲における用語「に基づいて」の使用は、未記載の
特徴又は要素も許容されるように、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意
図されている。
【0094】
本明細書は、本発明の特定の実施形態に関して詳細に記載されてきたが、当業者であれ
ば、前記の理解を得た上で、これらの実施形態に対する改変、変形、及び等価物に容易に
想到し得ることが理解されるであろう。本発明に対するこれら及び他の改変及び変形は、
添付の特許請求の範囲にさらに特に明記された本発明の範囲から逸脱することなく、当業
者によって実施することができる。
【0095】
開示された本発明の実施形態について詳細に言及がなされ、そのうちの1つ以上の例が
添付の図に示されている。各実施例は、目下の技術の限定としてではなく、目下の技術の
説明の方法で提供されてきた。実際、本明細書では、本発明の特定の実施形態に関して詳
細に説明してきたが、当業者であれば、前記の理解を得た上で、これらの実施形態への変
更、変形、及び等価物に容易に想到することができることが理解されるであろう。例えば
、1つの実施形態の一部として図示又は記載された特徴は、さらなる実施形態を得るため
に別の実施形態と一緒に使用することができる。したがって、目下の主題は、添付の特許
請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内で、そのような修正及び変形をすべて含むことが
意図されている。本発明に対するこれら及び他の改変及び変形は、添付の特許請求の範囲
にさらに特に明記された本発明の範囲から逸脱することなく、通常の当業者によって実施
することができる。さらに、通常の当業者は、前記説明は例示に過ぎず、本発明を限定す
ることを意図していないことを理解するであろう。