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特開2024-156977ビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156977
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/11 20140101AFI20241029BHJP
   H04N 19/136 20140101ALI20241029BHJP
【FI】
H04N19/11
H04N19/136
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024134357
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2020558569の分割
【原出願日】2019-04-24
(31)【優先権主張番号】62/661,890
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ナレ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミンウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,スンス
(72)【発明者】
【氏名】チェー,キホ
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ウンイル
(72)【発明者】
【氏名】タムセ,アニシュ
(72)【発明者】
【氏名】ピョ,インジ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現在ブロックの形態により、適応的にイントラ予測モードを構成することによりイントラ予測の効率を改善するビデオ符号化及び復号方法を提供する。
【解決手段】映像復号方法は、現在ブロックの幅及び高さに基づき現在ブロックのイントラ予測モードを決定するステップと、該現在ブロックが幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、現在ブロックのイントラ予測モードを既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうちから決定するステップと、現在ブロックが幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、非正方形状に基づき設定された第2イントラ予測モード候補のうちから現在ブロックのイントラ予測モードを決定するステップと、を含む。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイントラ予測モードの中から、現在ブロックのイントラ予測モードを示すイントラ予測モード情報を、ビットストリームから獲得する段階と、
前記現在ブロックが、幅が高さより大きい非正方形状を有し、前記イントラ予測モード情報によって示される予測方向が-135°であるとき、45°より大きい方向を示すイントラ予測モードを、前記イントラ予測モード情報によって示される前記予測方向を示すイントラ予測モードの代わりに用いることによって、前記現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階と、
前記現在ブロックが、高さが幅より大きい非正方形状を有し、前記イントラ予測モード情報によって示される予測方向が45°であるとき、-135°より小さい方向を示すイントラ予測モードを、前記イントラ予測モード情報によって示される前記予測方向を示すイントラ予測モードの代わりに用いることによって、前記現在ブロックの前記イントラ予測モードを決定する段階と、
前記現在ブロックの前記決定されたイントラ予測モードによってイントラ予測を行い、前記現在ブロックに含まれるピクセルの予測サンプルを獲得する段階と、
前記現在ブロックに含まれるピクセルのレジデュアルサンプルを獲得する段階と、
前記予測サンプルと前記レジデュアルサンプルとを利用し、前記現在ブロックを復元する段階と、
を含む、ビデオ復号方法。
【請求項2】
現在ブロックの幅と前記現在ブロックの高さに基づき、複数のイントラ予測モードを決定する段階と、
前記現在ブロックが、幅が高さより大きい非正方形状を有し、イントラ予測モードが45°より大きい方向を示すとき、イントラ予測モード情報の予測方向を-135°と決定する段階と、
前記現在ブロックが、高さが幅より大きい非正方形状を有し、イントラ予測モードが-135°より小さい方向を示すとき、イントラ予測モード情報の予測方向を45°と決定する段階と、
前記イントラ予測モードに基づき、前記現在ブロックのピクセル値と、前記現在ブロックに含まれるピクセルの予測サンプルとの間の差に対応するレジデュアルサンプルを獲得する段階と、
前記レジデュアルサンプル及び前記イントラ予測モード情報を符号化する段階と、
を含む、ビデオ符号化方法。
【請求項3】
ビットストリームを送信するためのデバイスであって、前記ビットストリームは、請求項2に記載のビデオ符号化方法によって生成される、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ復号方法/装置及びビデオ符号化方法/装置に係り、ブロックの形態に基づいて適用されるイントラ予測モードを適応的に構成するイントラ予測に関する。
【背景技術】
【0002】
映像データは、所定データ圧縮標準、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)標準によるコーデック(codec)によって符号化された後、ビットストリーム形態で記録媒体に保存されたり、通信チャネルを介して伝送される。最近、5G(5th generation)のような有線/無線通信インフラの進化と共に、既存の伝統的な映像メディアに加え、4K/8K UHD(ultra high definition)ビデオ、360°ビデオ、VR(virtual reality)映像のような次世代メディアを効率的に圧縮する技術への需要が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、正方形状を有するブロックに適用されるイントラ予測モードを、非正方形状を有するブロックに適用する場合、現在ピクセルのイントラ予測に利用されえない周辺ピクセルが存在してしまい、イントラ予測効率が低下してしまうことを解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
多様な実施形態によれば、現在ブロックが非正方形状を有する場合、正方形状のブロックに適用されたイントラ予測モードを適応的に変更し、非正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードを構成することができる。
【発明の効果】
【0005】
多様な実施形態によれば、現在ブロックの形態により、適応的にイントラ予測モードを構成することにより、イントラ予測効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】多様な実施形態による映像復号装置のブロック図である。
図1B】多様な実施形態による映像復号方法のフローチャートである。
図1C】多様な実施形態による映像復号部のブロック図である。
図1D】多様な実施形態による映像復号装置のブロック図である。
図2A】多様な実施形態による映像符号化装置のブロック図である。
図2B】多様な実施形態による映像符号化方法のフローチャートである。
図2C】多様な実施形態による映像復号部のブロック図である。
図2D】多様な実施形態による映像符号化装置のブロック図である。
図3】一実施形態により、映像復号装置が現在符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する図面である。
図4】一実施形態により、映像復号装置が非正方形の形態である符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する図面である。
図5】一実施形態により、映像復号装置がブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つに基づいて符号化単位を分割する過程を図示する図面である。
図6】一実施形態により、映像復号装置が奇数個の符号化単位のうち所定符号化単位を決定するための方法を図示する図面である。
図7】一実施形態により、映像復号装置が現在符号化単位を分割し、複数個の符号化単位を決定する場合、複数個の符号化単位が処理される順序を図示する図面である。
図8】一実施形態により、映像復号装置が所定順序で符号化単位が処理されえない場合、現在符号化単位が奇数個の符号化単位に分割されることを決定する過程を図示する図面である。
図9】一実施形態により、映像復号装置が第1符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する図面である。
図10】一実施形態により、映像復号装置が第1符号化単位が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位が所定条件を満足する場合、第2符号化単位が分割されうる形態が制限されることを図示する図面である。
図11】一実施形態により、分割形態モード情報が、4個の正方形状の符号化単位に分割することを示すことができない場合、映像復号装置が正方形状の符号化単位を分割する過程を図示する図面である。
図12】一実施形態により、複数個の符号化単位間の処理順序が、符号化単位の分割過程によって異なりうることを図示した図面である。
図13】一実施形態により、符号化単位が再帰的に分割されて複数個の符号化単位が決定される場合、符号化単位の形態及び大きさが変わることにより、符号化単位の深度が決定される過程を図示する図面である。
図14】一実施形態により、符号化単位の形態及び大きさによっても決定される深度及び符号化単位区分のためのインデックス(PID:part index)を図示する図面である。
図15】一実施形態により、ピクチャに含まれる複数個の所定データ単位によって複数個の符号化単位が決定されたことを図示する図面である。
図16】一実施形態により、ピクチャに含まれる基準符号化単位の決定順序を決定する基準になるプロセッシングブロックを図示する図面である。
図17】一実施形態によるイントラ予測モードを示した図面である。
図18】他の実施形態によるイントラ予測モードを示した図面である。
図19】一実施形態による、4:2:2フォーマットによるルマ(luma)サンプル位置とクロマ(chroma)サンプル位置とを示す図面である。
図20A】一実施形態により、正方形状の現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補を図示する図面である。
図20B】一実施形態により、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを変更し、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図20C】一実施形態により、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを変更し、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図21】一実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図22】一実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図23】正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを、幅が高さより大きい現在ブロックに適用したとき、イントラ予測モードの予測方向による周辺ピクセルの位置を示した参照図である。
図24】正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを、高さが幅より大きい現在ブロックに適用したとき、イントラ予測モードの予測方向による周辺ピクセルの位置を示した参照図である。
図25A】他の実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図25B】他の実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図26A】多様な実施形態により、ブロックに適用されるイントラ予測モードを、水平パートと垂直パートとに分類する方式を示す図面である。
図26B】さらに他の実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図26C】さらに他の実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す図面である。
図27】一実施形態による、イントラ予測モードインデックス(predModeIntra)と、イントラ予測モードによる角度パラメータ(IntraPredAngle)とのマッピング関係を示したルックアップ(look-up)テーブルである。
図28】他の実施形態によるイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)と、イントラ予測モードによる角度パラメータ(IntraPredAngle)とのマッピング関係を示したルックアップテーブルである。
図29】一実施形態によるイントラ予測モード方向に係わる角度パラメータ(IntraPredAngle)について説明するための参照図である。
図30】方向性イントラ予測モードに必要な参照サンプルの決定方法を示す図面である。
図31】MPM(most probable mode)適用時、周辺ブロックのイントラ予測モードを決定する方式について説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態によるビデオ復号方法は、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を、ビットストリームから獲得する段階と、前記現在ブロックの幅及び高さ、前記現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、前記現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階と、前記決定された前記現在ブロックのイントラ予測モードによってイントラ予測を行い、前記現在ブロックに含まれた各ピクセルの予測サンプルを獲得する段階と、前記現在ブロックに含まれた各ピクセルのレジデュアルサンプルを、前記ビットストリームから獲得する段階と、前記予測サンプルと前記レジデュアルサンプルとを利用し、前記現在ブロックを復元する段階と、を含み、前記現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階は、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードを、前記イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定する段階と、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、前記非正方形状に基づいて設定された第2イントラ予測モード候補のうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードを、前記イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定する段階と、を含む。
【0008】
一実施形態による前記第2イントラ予測モード候補は、前記現在ブロックの幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、前記第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、前記第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含み、前記現在ブロックの高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、前記第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、前記第1イントラ予測モード候補が示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。
【0009】
一実施形態による第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードは、-135°方向を基準に、-135°と近い方向を示す順序に選択され、前記左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、前記第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードは、0°~45°間の特定方向のうち、45°と近い方向を示す順序に選択され、前記第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードは、45°方向を基準に、45°と近い方向を示す順序に選択され、前記右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、前記第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードは、-90°~-135°間の特定方向のうち、-135°と近い方向を示す順序にも選択される。
【0010】
一実施形態による第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードの代わりに、前記第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードは、第1イントラ予測モード候補に含まれた代替されるイントラ予測モードが示す特定方向と反対方向を示すことができる。
【0011】
一実施形態による第1イントラ予測モード候補及び前記第2イントラ予測モード候補は、イントラ予測モードインデックス(predModeIntra)による特定方向に係わるパラメータ(IntraPredAngle)を示すルックアップ(look-up)テーブルを利用して設定され、前記特定方向は、水平方向の固定数、及び垂直方向の前記パラメータ(IntraPredAngle)を利用して示されるか、あるいは水平方向の前記パラメータ(IntraPredAngle)、及び垂直方向の固定数を利用して示され、前記固定数は、2の指数乗(power of 2)の値を有することができる。
【0012】
一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、前記現在ブロックの幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、前記第1イントラ予測モード候補に付加し、水平方向に近い方向を示すイントラ予測モードをさらに含み、前記現在ブロックの高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、前記第1イントラ予測モード候補に付加し、垂直方向に近い方向を示すイントラ予測モードをさらに含んでもよい。
【0013】
一実施形態による第1イントラ予測モード候補は、45°方向の第1イントラ予測モード、135°方向の第2イントラ予測モード、及び-135°方向の第3イントラ予測モードを基準に、45°方向と135°方向との間の角度を順次に分割して構成された垂直パートイントラ予測モードと、135°~180°方向と-135°~-180°方向との間の角度を分割して構成された水平パートイントラ予測モードと、を含み、前記第2イントラ予測モード候補は、前記現在ブロックの中心から右上側頂点方向の第4イントラ予測モード、前記現在ブロックの中心から左上側頂点方向の第5イントラ予測モード、及び前記現在ブロックの中心から左下側頂点方向の第6イントラ予測モードを基準に、第4イントラ予測モードの方向と、第5イントラ予測モードの方向との間の角度を順次に2分割して構成された垂直パートイントラ予測モードと、第5イントラ予測モードの方向と、第6イントラ予測モードとの間の角度を順次に2分割して構成された水平パートイントラ予測モードと、を含んでもよい。
【0014】
一実施形態による前記第2イントラ予測モード候補は、前記現在ブロックの中心を基準に、左下側頂点を示す第1イントラ予測方向と、前記現在ブロックの中心を基準に、右上側頂点を示す第2イントラ予測方向と、を基準に、前記現在ブロックの幅と高さとの比率により、前記第1イントラ予測方向と前記第2イントラ予測方向との間の特定方向を示すようにも設定される。
【0015】
一実施形態による現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階は、前記現在ブロックの周辺ブロックが有する予測モードを利用し、MPM(most probable mode)を構成する段階と、前記MPMに基づいて、前記現在ブロックのイントラ予測モードと決定する段階と、を含んでもよい。
【0016】
一実施形態によるMPMに含まれたイントラ予測モードは、前記現在ブロックの左側に隣接した周辺ブロックの予測モード、及び前記現在ブロックの上側に隣接した周辺ブロックの予測モードを利用して構成され、前記現在ブロックの左側または上側に隣接した周辺ブロックの形態が、前記現在ブロックの形態と異なり、前記左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードが、前記現在ブロックのイントラ予測モード候補に含まれていない場合、前記左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードは、前記現在ブロックのイントラ予測モード候補のうち、最も近い方向を有するイントラ予測モードで代替されるか、あるいは前記左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードが示す方向を180°反転させた方向と最も近い方向を示すイントラ予測モードで代替されうる。
【0017】
一実施形態によるビデオ復号装置は、メモリと、前記メモリと接続された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を、ビットストリームから獲得する段階と、前記現在ブロックの幅及び高さ、前記現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、前記現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階と、前記決定された前記現在ブロックのイントラ予測モードによってイントラ予測を行い、前記現在ブロックに含まれた各ピクセルの予測サンプルを獲得する段階と、前記現在ブロックに含まれた各ピクセルのレジデュアルサンプルを、前記ビットストリームから獲得する段階と、前記予測サンプルと前記レジデュアルサンプルとを利用し、前記現在ブロックを復元する段階と、を遂行し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードを、前記イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定し、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、前記非正方形状に基づいて設定された第2イントラ予測モード候補のうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードを、前記イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定する。
【0018】
一実施形態によるビデオ符号化方法は、現在ブロックの幅及び高さに基づいて、複数個のイントラ予測モードを決定する段階と、前記複数個のイントラ予測モードのうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードを決定する段階と、前記イントラ予測モードに基づいて、前記現在ブロックに含まれた各ピクセルの予測サンプルと、前記現在ブロックのピクセル値との差であるレジデュアルサンプルを獲得する段階と、前記レジデュアルサンプル、及び前記現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を符号化する段階と、を含み、前記複数個のイントラ予測モードは、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補と、前記現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、前記非正方形状に基づいて設定された第2イントラ予測モード候補と、を含む。
【0019】
開示された実施形態の利点、特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図面と共に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本開示は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態にも具現され、ただし、本実施形態は、本開示を完全なものにし、本開示が属する技術分野で当業者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであるのみである。
【0020】
本明細書で使用される用語について簡略に説明し、開示された実施形態について具体的に説明する。
【0021】
本明細書で使用される用語は、本開示での機能を考慮しながら、可能な限り、現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、関連分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0022】
本明細書における単数の表現は、文脈上明白に単数であると特定されない限り、複数表現を含む。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0024】
また、明細書で使用される「部」という用語は、ソフトウェア構成要素またはハードウェア構成要素を意味し、「部」は、ある役割を遂行する。しかしながら、「部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」は、アドレッシングすることができる記録媒体にあるようにも構成され、1またはそれ以上のプロセッサを再生させるようにも構成される。従って、一例として「部」は、ソフトウェア構成要素、客体志向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素;並びにプロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。構成要素と「部」とのうちから提供される機能は、さらに少数の構成要素及び「部」に結合されるか、あるいは追加される構成要素と「部」とにさらに分離されうる。
【0025】
本開示の一実施形態によれば、「部」は、プロセッサ及びメモリによっても具現される。用語「プロセッサ」は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、制御器、マイクロ制御器、状態マシンなどを含むように広く解釈されなければならない。いくつかの環境においては、「プロセッサ」は、ASIC(application specific integrated circuit))、プログラム可能ロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)などを指すこともできる。用語「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと結合した1以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、または任意の他のそのような構成の組み合わせのような処理デバイスの組み合わせを指すこともできる。
【0026】
用語「メモリ」は、電子情報を保存することができる任意の電子コンポーネントを含むように広く解釈されなければならない。用語「メモリ」は、任意アクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性任意アクセスメモリ(NVRAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学のデータ保存装置、レジスタのようなプロセッサ読み取り可能媒体の多様な類型を指すこともできる。プロセッサが、メモリに情報を書き込んだり、メモリから情報を読み取ったりすることができるならば、該メモリは、プロセッサと電子通信状態にあるとされる。プロセッサに集積されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0027】
以下、「映像」は、ビデオの静止映像のような静的イメージを示し、動画、すなわち、ビデオそれ自体のような動的イメージをも示す。
【0028】
以下、「サンプル」は、映像のサンプリング位置に割り当てられたデータであり、プロセッシング対象になるデータを意味する。例えば、空間領域の映像において、ピクセル値、変換領域上の変換係数がサンプルでもある。そのような少なくとも1つのサンプルを含む単位をブロックであると定義することができる。以下においては、添付図面を参照し、実施形態について、本開示が属する技術分野で当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。そして、図面において、本開示について明確に説明するために、説明と関係ない部分は、省略する。
【0029】
以下、図1Aないし図31を参照し、一実施形態による、映像符号化装置及び映像復号装置、映像符号化方法及び映像復号方法について詳細に説明される。図3ないし図16を参照し、一実施形態により、映像のデータ単位を決定する方法について説明され、図17ないし図31を参照し、ブロック形態に基づき、適応的にイントラ予測モードを適用し、イントラ予測を行う映像符号化または復号方法、及びその装置について説明される。
【0030】
以下、図1A及び図2Dを参照し、本開示の一実施形態により、多様な形態の符号化単位に基づいて適応的にイントラ予測を行うための映像符号化/復号方法及びその装置について詳細に説明される。
【0031】
図1Aは、多様な実施形態による映像復号装置のブロック図を図示する。
【0032】
映像復号装置100は、受信部110及び復号部120を含んでもよい。受信部110及び復号部120は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。また、受信部110及び復号部120は、少なくとも1つのプロセッサが遂行する命令語を保存するメモリを含んでもよい。
【0033】
受信部110は、ビットストリームを受信することができる。該ビットストリームは、後述される映像符号化装置150が映像を符号化した情報を含む。また、該ビットストリームは、映像符号化装置150からも送信される。映像符号化装置150及び映像復号装置100は、有線または無線によっても連結され、受信部110は、有線または無線を介し、ビットストリームを受信することができる。受信部110は、光学メディア、ハードディスクのような記録媒体から、ビットストリームを受信することができる。復号部120は、受信されたビットストリームから獲得された情報に基づき、映像を復元することができる。復号部120は、映像を復元するためのシンタックスエレメントを、ビットストリームから獲得することができる。復号部120は、該シンタックスエレメントに基づき、映像を復元することができる。
【0034】
受信部110は、ビットストリームから、現在ブロックの予測モードに係わる情報、及び現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を獲得することができる。
【0035】
該ビットストリームに含まれた現在ブロックの予測モードに係わる情報は、スキップモード、イントラモードまたはインター予測モードに係わる情報を含んでもよい。現在ブロックがスキップモードではない場合、現在ブロックがイントラモードまたはインター予測モードのうちいずれの予測モードによって符号化されたかということがシグナリングされうる。
【0036】
現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報は、複数のイントラ予測モードのうち、現在ブロックに適用されるイントラ予測モードに係わる情報でもある。例えば、該イントラ予測モードは、DCモード、プレーナ(planar)モード、及び予測方向を有する複数個の方向性(angular)モードのうち一つでもある。該方向性モードは、水平モード、垂直モード及び対角モードを含み、水平方向、垂直方向及び対角方向を除いた所定方向を有するモードを含んでもよい。例えば、該方向性モードの個数は、65個または33個でもある。
【0037】
復号部120は、現在ブロックの予測モードにより、現在ブロックの予測ブロックを獲得することができる。復号部120は、ビットストリームから、現在ブロックの変換係数に係わる情報を獲得し、獲得された変換係数情報を利用し、逆量子化及び逆変換を行い、現在ブロックのレジデュアルブロックに係わるレジデュアルサンプルを獲得することができる。
【0038】
後述されるように、復号部120は、現在ブロックの幅及び高さ、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。復号部120は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを、イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定することができる。もし現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、復号部120は、非正方形状に基づいて設定された第2イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを、イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定することができる。
【0039】
一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。また、一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補が示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。
【0040】
一実施形態によれば、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードは、-135°方向を基準に、-135°と近い方向を示す順序にも選択される。
【0041】
一実施形態によれば、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードは、0°~45°間の特定方向のうち、45°と近い方向を示す順序にも選択される。
【0042】
一実施形態によれば、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードは、45°方向を基準に、45°と近い方向を示す順序にも選択される。
【0043】
一実施形態によれば、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードは、-90°~-135°間の特定方向のうち、-135°と近い方向を示す順序にも選択される。
【0044】
復号部120は、現在ブロックの予測ブロック、及び現在ブロックのレジデュアルブロックを基に、現在ブロックを復元することができる。復号部120は、現在ブロックの予測ブロック内予測サンプルのサンプル値、及び現在ブロックのレジデュアルブロック内レジデュアルサンプルのサンプル値を利用し、現在ブロック内復元サンプルを生成し、復元サンプルを基に、現在ブロックの復元ブロックを生成することができる。
【0045】
図1Bは、多様な実施形態による映像復号方法のフローチャートを図示する。
【0046】
段階170において、復号部120は、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を、ビットストリームから獲得する。該イントラ予測モードに係わる情報は、MPMに係わる情報でもあり、現在ブロックのイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)を決定するための情報でもある。
【0047】
段階171において、復号部120は、現在ブロックの幅及び高さ、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、現在ブロックのイントラ予測モードを決定する。後述されるように、復号部120は、現在ブロックの幅及び高さ、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。復号部120は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを、イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定することができる。もし現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、復号部120は、非正方形状に基づいて設定された第2イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを、イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定することができる。一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。また、一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補が示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。
【0048】
段階172において、復号部120は、決定された現在ブロックのイントラ予測モードによってイントラ予測を行い、現在ブロックに含まれた各ピクセルの予測サンプルを獲得する。
【0049】
段階173において、復号部120は、現在ブロックに含まれた各ピクセルのレジデュアルサンプルを、前記ビットストリームから獲得する。段階174において、復号部120は、予測サンプルとレジデュアルサンプルとを利用し、現在ブロックを復元する。該レジデュアルサンプルは、現在ピクセルと予測値との差値に該当する値であり、該予測値と該レジデュアルとを加え、現在ピクセルが復元されうる。
【0050】
図1Cは、多様な実施形態による映像復号部6000のブロック図を図示する。
【0051】
多様な実施形態による映像復号部6000は、映像復号装置100の復号部120において、映像データを復号するのに経る作業を遂行する。
【0052】
図1Cを参照すれば、エントロピー復号部6150は、ビットストリーム6050から、復号対象である符号化された映像データ、及び復号のために必要な符号化情報をパージングする。符号化された映像データは、量子化された変換係数であり、逆量子化部6200及び逆変換部6250は、量子化された変換係数からレジデュアルデータを復元する。
【0053】
イントラ予測部6400は、ブロック別にイントラ予測を行う。後述されるように、イントラ予測部6400は、現在ブロックの幅及び高さ、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。イントラ予測部6400は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを、イントラ予測モードに係わる情報に基づいて決定することができる。
【0054】
インター予測部6350は、ブロック別に、復元ピクチャバッファ6300から獲得された参照映像を利用してインター予測を行う。イントラ予測部6400またはインター予測部6350で生成された各ブロックに係わる予測データとレジデュアルデータとが加えられることにより、現在映像のブロックに係わる空間領域のデータが復元され、デブロッキング部6450及びSAO(sample adaptive offse)遂行部6500は、復元された空間領域のデータに対してループフィルタリングを行い、フィルタリングされた復元映像を出力することができる。また、復元ピクチャバッファ6300に保存された復元映像は、参照映像としても出力される。
【0055】
映像復号装置100の復号部120において、映像データを復号するために、多様な実施形態による映像復号部6000の段階別作業が、ブロック別にも遂行される。
【0056】
図1Dは、一実施形態による映像復号装置100のブロック図を図示する。
【0057】
一実施形態による映像復号装置100は、メモリ130、及びメモリ130に接続された少なくとも1つのプロセッサ125を含んでもよい。一実施形態による映像復号装置100の動作は、個別的なプロセッサとして作動するか、あるいは中央プロセッサの制御によって作動することができる。また、映像復号装置100のメモリ130は、外部から受信したデータと、プロセッサによって生成されたデータとを保存することができる。映像復号装置100のプロセッサ125は、ビットストリームから、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を獲得し、現在ブロックの幅及び高さ、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を利用し、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。
【0058】
図2Aは、多様な実施形態による映像符号化装置のブロック図を図示する。
【0059】
多様な実施形態による映像符号化装置150は、符号化部155及び出力部160を含んでもよい。
【0060】
符号化部155及び出力部160は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。また、符号化部155及び出力部160は、少なくとも1つのプロセッサが遂行する命令語を保存するメモリを含んでもよい。符号化部155及び出力部160は、別途のハードウェアによって具現されるか、あるいは符号化部155及び出力部160は、1つのハードウェアにも含まれる。
【0061】
符号化部155は、スキップモード、イントラモードまたはインター予測モードなどの多様な予測モードを適用し、現在ブロックの予測モードを決定する。現在ブロックがスキップモードではない場合、現在ブロックがイントラモードまたはインター予測モードのうち、いずれの予測モードによって符号化されたかということがシグナリングされる。
【0062】
符号化部155は、現在ブロックの予測モードにより、現在ブロックの予測ブロックを獲得し、現在ブロックと予測ブロックとの差値であるレジデュアルを変換及び量子化し、符号化することができる。後述されるように、符号化部120は、現在ブロックの幅及び高さを利用し、現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補を決定することができる。符号化部155は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補を再構成し、非正方形状の現在ブロックに適用される第2イントラ予測モード候補を決定することができる
符号化部155は、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を符号化することができる。出力部160は、現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報や、その他の階層的分割形態を有するデータ単位を決定するための構造情報などを含むビットストリームを生成し、ビットストリームを出力することができる。
【0063】
図2Bは、多様な実施形態による映像符号化方法のフローチャートを図示する。
【0064】
段階271において、符号化部155は、現在ブロックの幅及び高さに基づいて、複数個のイントラ予測モードを決定する。後述されるように、符号化部155は、現在ブロックの幅及び高さを利用し、現在ブロックに適用するイントラ予測モードを決定することができる。符号化部155は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補のうち、現在ブロックのイントラ予測モードを決定することができる。もし現在ブロックが、幅及び高さが同一ではない非正方形状を有する場合、符号化部155は、第1イントラ予測モード候補と異なる第2イントラ予測モード候補を現在ブロックに適用するイントラ予測モードと決定することができる。一実施形態により、第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。また、一実施形態による第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補が示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。
【0065】
段階272において、符号化部155は、複数個のイントラ予測モードのうち、現在ブロックのイントラ予測モードを決定する。最適のイントラ予測モードは、RD(rate distortion)コストに基づいても決定される。
【0066】
段階273において、符号化部155は、イントラ予測モードに基づき、現在ブロックに含まれた各ピクセルの予測サンプルと、現在ブロックのピクセル値との差であるレジデュアルサンプルを獲得する。
【0067】
段階274において、符号化部155は、レジデュアルサンプル、及び現在ブロックのイントラ予測モードに係わる情報を符号化する。
【0068】
図2Cは、多様な実施形態による映像符号化部のブロック図を図示する。
【0069】
多様な実施形態による映像符号化部7000は、映像符号化装置150の符号化部155において、映像データを符号化するのに経る作業を遂行する。
【0070】
すなわち、イントラ予測部7200は、現在映像7050において、ブロック別にイントラ予測を行い、インター予測部7150は、ブロック別に、現在映像7050及び復元ピクチャバッファ7100から獲得された参照映像を利用してインター予測を行う。
【0071】
イントラ予測部7200またはインター予測部7150から出力された各ブロックに係わる予測データを、現在映像7050のエンコーディングされるブロックに係わるデータから差し引くことによってでレジデュアルデータを生成し、変換部7250及び量子化部7300は、レジデュアルデータに対して変換及び量子化を行い、ブロック別に量子化された変換係数を出力することができる。
【0072】
逆量子化部7450、逆変換部7500は、量子化された変換係数に対して逆量子化及び逆変換を行い、空間領域のレジデュアルデータを復元することができる。復元された空間領域のレジデュアルデータは、イントラ予測部7200またはインター予測部7150から出力された各ブロックに係わる予測データと加えられることにより、現在映像7050のブロックに係わる空間領域のデータに復元される。デブロッキング部7550及びSAO遂行部7600は、復元された空間領域のデータに対してインループフィルタリングを行い、フィルタリングされた復元映像を生成する。生成された復元映像は、復元ピクチャバッファ7100に保存される。復元ピクチャバッファ7100に保存された復元映像は、他の映像のインター予測のための参照映像にも利用される。エントロピー符号化部7350は、量子化された変換係数に対してエントロピー符号化し、エントロピー符号化された係数がビットストリーム7400としても出力される。
【0073】
多様な実施形態による映像符号化部7000が映像符号化装置150に適用されるために、多様な実施形態による映像符号化部7000の段階別作業が、ブロック別にも遂行される。
【0074】
図2Dは、一実施形態による映像符号化装置150のブロック図を図示する。
【0075】
一実施形態による映像符号化装置150は、メモリ165、及びメモリ165に接続された少なくとも1つのプロセッサ170を含んでもよい。一実施形態による映像符号化装置150の動作は、個別的なプロセッサとして作動するか、あるいは中央プロセッサの制御によって作動することができる。また、映像符号化装置150のメモリ165は、外部から受信したデータと、プロセッサによって生成されたデータとを保存することができる。
【0076】
映像符号化装置150のプロセッサ170は、現在ブロックの幅及び高さを利用し、現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補を決定することができる。プロセッサ170は、現在ブロックが、幅及び高さが同一である正方形状を有する場合、既設定の複数個イントラ予測方向を含む第1イントラ予測モード候補を再構成し、非正方形状の現在ブロックに適用される第2イントラ予測モード候補を決定することができる
以下においては、本開示の一実施形態による、符号化単位の分割について詳細に説明する。
【0077】
まず、1枚のピクチャは、1以上のスライスまたは1以上のタイル(tile)にも分割される。1つのスライスまたは1つのタイルは、1以上の最大符号化単位(CTU:coding tree unit)のシーケンスでもある。最大符号化単位(CTU)と対比される概念として、最大符号化ブロック(CTB:coding tree block)がある。
【0078】
最大符号化ブロック(CTB)は、NxN個のサンプルを含むNxNブロックを意味する(Nは、整数である)。各カラー成分は、1以上の最大符号化ブロックにも分割される。
【0079】
ピクチャが3個のサンプルアレイ(Y,Cr,Cb成分別サンプルアレイ)を有する場合、最大符号化単位(CTU)とは、ルマ(luma)サンプルの最大符号化ブロック、及びそれに対応するクロマ(chroma)サンプルの2個の最大符号化ブロックと、ルマサンプル、クロマサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメント(syntax elements)とを含む単位である。ピクチャがモノクロム(monochrome)ピクチャである場合、最大符号化単位とは、モノクロムサンプルの最大符号化ブロックと、モノクロムサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメントとを含む単位である。ピクチャがカラー成分別に分離されるカラープレーン(plane)で符号化されるピクチャである場合、最大符号化単位とは、当該ピクチャと、ピクチャのサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメントと、を含む単位である。
【0080】
1つの最大符号化ブロック(CTB)は、MxN個のサンプルを含むMxN符号化ブロック(coding block)にも分割される(M、Nは、整数である)。
【0081】
ピクチャがY,Cr,Cb成分別サンプルアレイを有する場合、符号化単位(CU:coding unit)とは、ルマサンプルの符号化ブロック、及びそれに対応するクロマサンプルの2個の符号化ブロック、並びにルマサンプル、クロマサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメントを含む単位である。ピクチャがモノクロムピクチャである場合、符号化単位とは、モノクロムサンプルの符号化ブロックと、モノクロムサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメントと、を含む単位である。ピクチャがカラー成分別に分離されるカラープレーンで符号化されるピクチャである場合、符号化単位とは、当該ピクチャと、ピクチャのサンプルを符号化するのに利用されるシンタックスエレメントと、を含む単位である。
【0082】
前述のように、最大符号化ブロックと最大符号化単位は、互いに区別される概念であり、符号化ブロックと符号化単位は、互いに区別される概念である。すなわち、(最大)符号化単位は、当該サンプルを含む(最大)符号化ブロックと、それに対応するシンタックスエレメントとを含むデータ構造を意味する。しかし、当業者であるならば、(最大)符号化単位または(最大)符号化ブロックが、所定個数のサンプルを含む所定サイズのブロックを称するということを理解することができるので、以下、本明細書においては、最大符号化ブロックと最大符号化単位、または符号化ブロックと符号化単位を特別な事情がない限り、区別せずに言及する。
【0083】
映像は、最大符号化単位(CTU)にも分割される。最大符号化単位の大きさは、ビットストリームから獲得された情報に基づいても決定される。最大符号化単位の形態は、同一サイズの正方形を有することができる。しかし、それに、限定されるものではない。
【0084】
例えば、ビットストリームから、ルマ符号化ブロックの最大サイズに係わる情報が獲得されうる。例えば、ルマ符号化ブロックの最大サイズに係わる情報が示すルマ符号化ブロックの最大サイズは、16x16、32x32、64x64、128x128、256x256のうち一つでもある。
【0085】
例えば、ビットストリームから、2分割が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズと、ルマブロックサイズ差とに係わる情報が獲得されうる。ルマブロックサイズ差に係わる情報は、ルマ最大符号化単位と、2分割が可能な最大ルマ符号化ブロック間の大きさ差とを示すことができる。従って、ビットストリームから獲得された2分割が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズに係わる情報と、ルマブロックサイズ差に係わる情報とを結合すれば、ルマ最大符号化単位の大きさが決定されうる。ルマ最大符号化単位の大きさを利用すれば、クロマ最大符号化単位の大きさも決定されうる。例えば、カラーフォーマットにより、Y:Cb:Cr比率が4:2:0であるならば、クロマブロックの大きさは、ルマブロックの大きさの半分でもあり、同様に、クロマ最大符号化単位の大きさは、ルマ最大符号化単位の大きさの半分でもある。
【0086】
一実施形態によれば、バイナリ分割(binary split)が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズに係わる情報は、ビットストリームから獲得されるので、バイナリ分割が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズは、可変的にも決定される。それと異なり、ターナリ分割(ternary split)が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズは、固定されうる。例えば、Iピクチャにおいて、ターナリ分割が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズは、32x32であり、PピクチャまたはBピクチャにおいて、ターナリ分割が可能なルマ符号化ブロックの最大サイズは、64x64でもある。
【0087】
また、最大符号化単位は、ビットストリームから獲得された分割形態モード情報に基づき、符号化単位に階層的にも分割される。分割形態モード情報として、クアッド分割(quad split)いかんを示す情報、多分割いかんを示す情報、分割方向情報及び分割タイプ情報のうち少なくとも一つが、ビットストリームからも獲得される。
【0088】
例えば、クアッド分割いかんを示す情報は、現在符号化単位がクアッド分割(QUAD_SPLIT)されるか、あるいはクアッド分割されないかということを示すことができる。
【0089】
現在符号化単位がクアッド分割されなければ、多分割いかんを示す情報は、現在符号化単位がそれ以上分割されないか(NO_SPLIT)、それともバイナリ/ターナリ分割されるか否かということを示すことができる。
【0090】
現在符号化単位がバイナリ分割されるか、あるいはターナリ分割されれば、分割方向情報は、現在符号化単位が水平方向または垂直方向のうち一つに分割されることを示す。
【0091】
現在符号化単位が水平方向または垂直方向に分割されれば、分割タイプ情報は、現在符号化単位をバイナリ分割またはターナリ分割で分割することを示す。
【0092】
分割方向情報及び分割タイプ情報により、現在符号化単位の分割モードが決定されううる。現在符号化単位が水平方向にバイナリ分割される場合の分割モードは、バイナリ水平分割(SPLIT_BT_HOR)、水平方向にターナリ分割される場合のターナリ水平分割(SPLIT_TT_HOR)、垂直方向にバイナリ分割される場合の分割モードは、バイナリ垂直分割(SPLIT_BT_VER)、かつ垂直方向にターナリ分割される場合の分割モードは、ターナリ垂直分割(SPLIT_TT_VER)とも決定される。
【0093】
映像復号装置100は、ビットストリームから、分割形態モード情報を1つのビンストリングから獲得することができる。映像復号装置100が受信したビットストリーム形態は、Fixed length binary code、Unary code、Truncated unary code、既定バイナリコードなどを含んでもよい。ビンストリングは、情報を2進数の羅列で示したものである。該ビンストリングは、少なくとも1つのビットによっても構成される。映像復号装置100は、分割規則に基づき、ビンストリングに対応する分割形態モード情報を獲得することができる。映像復号装置100は、1つのビンストリングに基づいて、符号化単位をクアッド分割するか否かということ、分割しないか否かということ、または分割方向及び分割タイプを決定することができる。
【0094】
符号化単位は、最大符号化単位よりも小さいか、あるいはそれと同じでもある。例えば、最大符号化単位も、最大サイズを有する符号化単位であるので、符号化単位の一つである。最大符号化単位に係わる分割形態モード情報が分割されないことを示す場合、最大符号化単位で決定される符号化単位は、最大符号化単位と同じ大きさを有する。最大符号化単位に係わる分割形態モード情報が分割されることを示す場合、最大符号化単位は、符号化単位にも分割される。また、符号化単位に係わる分割形態モード情報が分割を示す場合、符号化単位は、さらに小サイズの符号化単位にも分割される。ただし、映像の分割は、それに限定されるものではなく、最大符号化単位及び符号化単位は、区別されもしない。符号化単位の分割については、図3ないし図16においてさらに詳細に説明する。
【0095】
また、符号化単位から、予測のための1以上の予測ブロックが決定されうる。該予測ブロックは、符号化単位と同じであっても、それより小さくともよい。また、符号化単位から、変換のための1以上の変換ブロックが決定されうる。該変換ブロックは、符号化単位と同じであっても、それより小さくともよい。
【0096】
変換ブロックと予測ブロックとの形態及び大きさは、互いに係わりがなくもある。
【0097】
他の実施形態において、符号化単位が予測ブロックとして、符号化単位を利用し、予測が行われうる。また、符号化単位が変換ブロックとして、符号化単位を利用し、変換が遂行されうる。
【0098】
符号化単位の分割については、図3ないし図16において、さらに詳細に説明する。本開示の現在ブロック及び周辺ブロックは、最大符号化単位、符号化単位、予測ブロック及び変換ブロックのうち一つを示すことができる。また、現在ブロックまたは現在符号化単位は、現在、復号または符号化が進められるブロック、または現在、分割が進められているブロックである。周辺ブロックは、現在ブロック以前に復元されたブロックでもある。該周辺ブロックは、現在ブロックから、空間的または時間的に隣接することができる。該周辺ブロックは、現在ブロックの左下側、左側、左上側、上側、右上側、右側、右上側のうち一つに位置することができる。
【0099】
図3は、一実施形態による映像復号装置100が、現在符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。
【0100】
ブロック形態は、4Nx4N、4Nx2N、2Nx4N、4NxN、Nx4N、32NxN、Nx32N、16NxN、Nx16N、8NxNまたはNx8Nを含んでもよい。ここで、Nは、正の整数でもある。ブロック形態情報は、符号化単位の形態、方向、幅と高さとの比率、幅及び高さの大きさのうち少なくとも一つを示す情報である。
【0101】
符号化単位の形態は、正方形(square)及び非正方形(non-square)を含んでもよい。符号化単位の幅及び高さの大きさが同じである場合(すなわち、符号化単位のブロック形態が4Nx4Nである場合)、映像復号装置100は、符号化単位のブロック形態情報を正方形と決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位の形態を非正方形と決定することができる。
【0102】
符号化単位の幅及び高さの大きさが異なる場合(すなわち、符号化単位のブロック形態が4Nx2N、2Nx4N、4NxN、Nx4N、32NxN、Nx32N、16NxN、Nx16N、8NxNまたはNx8Nである場合)、映像復号装置100は、符号化単位のブロック形態情報を非正方形と決定することができる。符号化単位の形態が非正方形である場合、映像復号装置100は、符号化単位のブロック形態情報において、幅と高さとの比率を、1:2、2:1、1:4、4:1、1:8、8:1、1:16、16:1、1:32、32:1のうち少なくとも一つに決定することができる。また、符号化単位の幅の大きさ、及び高さの大きさに基づき、映像復号装置100は、符号化単位が水平方向であるか、あるいは垂直方向であるかということを決定することができる。また、符号化単位の幅の大きさ、高さの大きさ、または広さのうち少なくとも一つに基づき、映像復号装置100は、符号化単位の大きさを決定することができる。
【0103】
一実施形態による映像復号装置100は、ブロック形態情報を利用し、符号化単位の形態を決定することができ、分割形態モード情報を利用し、符号化単位がいかなる形態に分割されるということ決定することができる。すなわち、映像復号装置100が利用するブロック形態情報がいかなるブロック形態を示すかということにより、分割形態モード情報が示す符号化単位の分割方法が決定されうる。
【0104】
映像復号装置100は、ビットストリームから、分割形態モード情報を獲得することができる。しかし、それに限定されるものではなく、映像復号装置100及び映像符号化装置150は、ブロック形態情報に基づき、あらかじめ約束された分割形態モード情報を決定することができる。映像復号装置100は、最大符号化単位または最小符号化単位について、あらかじめ約束された分割形態モード情報を決定することができる。例えば、映像復号装置100は、最大符号化単位について、分割形態モード情報をクアッド分割と決定することができる。また、映像復号装置100は、最小符号化単位について、分割形態モード情報を「分割しない」と決定することができる。具体的には、映像復号装置100は、最大符号化単位の大きさを256x256と決定することができる。映像復号装置100は、あらかじめ約束された分割形態モード情報をクアッド分割に決定することができる。該クアッド分割は、符号化単位の幅及び高さをいずれも二等分する分割形態モードである。映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、256x256サイズの最大符号化単位から、128x128サイズの符号化単位を獲得することができる。また、映像復号装置100は、最小符号化単位の大きさを4x4にで決定することができる。映像復号装置100は、最小符号化単位について、「分割しない」を示す分割形態モード情報を獲得することができる。
【0105】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位が正方形状であるということを示すブロック形態情報を利用することができる。例えば、映像復号装置100は、分割形態モード情報により、正方形の符号化単位を分割しないか、垂直に分割するか、水平に分割するか、4個の符号化単位に分割するかということを決定することができる。図3を参照すれば、現在符号化単位300のブロック形態情報が正方形の形態を示す場合、復号部120は、分割されないことを示す分割形態モード情報により、現在符号化単位300と同一サイズを有する符号化単位310aを決定するか、あるいは所定分割方法を示す分割形態モード情報に基づいて分割された符号化単位310b,310c,310d,310e,310fを決定することができる。
【0106】
図3を参照すれば、映像復号装置100は、一実施形態により、垂直方向に分割されることを示す分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位300を垂直方向に分割した2つの符号化単位310bを決定することができる。映像復号装置100は、水平方向に分割されることを示す分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位300を水平方向に分割した2つの符号化単位310cを決定することができる。映像復号装置100は、垂直方向及び水平方向に分割されることを示す分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位300を垂直方向及び水平方向に分割した4つの符号化単位310dを決定することができる。映像復号装置100は、一実施形態により、垂直方向にターナリ分割されることを示す分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位300を垂直方向に分割した3つの符号化単位310eを決定することができる。映像復号装置100は、水平方向にターナリ分割されることを示す分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位300を水平方向に分割した3つの符号化単位310fを決定することができる。ただし、正方形の符号化単位が分割されうる分割形態は、前述の形態に限定して解釈されるものではなく、分割形態モード情報が示すことができる多様な形態が含まれてもよい。正方形の符号化単位が分割される所定分割形態は、以下において、多様な実施形態を介して具体的に説明することにする。
【0107】
図4は、一実施形態により、映像復号装置100が非正方形の形態である符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。
【0108】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位が非正方形状であることを示すブロック形態情報を利用することができる。映像復号装置100は、分割形態モード情報により、非正方形の現在符号化単位を分割しないか、あるいは所定方法で分割するかということを決定することができる。図4を参照すれば、現在符号化単位400または450のブロック形態情報が非正方形の形態を示す場合、映像復号装置100は、分割されないことを示す分割形態モード情報により、現在符号化単位400または450と同一サイズを有する符号化単位410または460を決定するか、あるいは所定分割方法を示す分割形態モード情報に基づき、分割された符号化単位420a,420b,430a,430b,430c,470a,470b,480a,480b,480cを決定することができる。非正方形の符号化単位が分割される所定分割方法は、以下で多様な実施形態を介して具体的に説明することにする。
【0109】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報を利用し、符号化単位が分割される形態を決定することができ、その場合、該分割形態モード情報は、符号化単位が分割されて生成される少なくとも1つの符号化単位の個数を示すことができる。図4を参照すれば、分割形態モード情報が2つの符号化単位に、現在符号化単位400または450が分割されることを示す場合、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位400または450を分割し、現在符号化単位に含まれる2つの符号化単位420a,420bまたは470a,470bを決定することができる。
【0110】
一実施形態により、映像復号装置100が分割形態モード情報に基づき、非正方形の形態の現在符号化単位400または450を分割する場合、映像復号装置100は、非正方形の現在符号化単位400または450の長辺の位置を考慮し、現在符号化単位を分割することができる。例えば、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450の形態を考慮し、現在符号化単位400または450の長辺を分割する方向に、現在符号化単位400または450を分割し、複数個の符号化単位を決定することができる。
【0111】
一実施形態により、分割形態モード情報が奇数個のブロックに、符号化単位を分割(ターナリ分割)することを示す場合、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができる。例えば、分割形態モード情報が3個の符号化単位に、現在符号化単位400または450を分割することを示す場合、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450を3個の符号化単位430a,430b,430c,480a,480b,480cに分割することができる。
【0112】
一実施形態により、現在符号化単位400または450の幅と高さとの比率が4:1または1:4でもある。幅と高さとの比率が4:1である場合、幅の大きさが高さの大きさより大きいので、ブロック形態情報は、水平方向でもある。幅と高さとの比率が1:4である場合、幅の大きさが高さの大きさより小さいので、ブロック形態情報は、垂直方向でもある。映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位を奇数個のブロックに分割することを決定することができる。また、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450のブロック形態情報に基づき、現在符号化単位400または450の分割方向を決定することができる。例えば、現在符号化単位400が高さが幅より大きい垂直方向である場合、映像復号装置100は、現在符号化単位400を水平方向に分割し、符号化単位430a,430b,430cを決定することができる。また、現在符号化単位450が幅が高さより大きい水平方向である場合、映像復号装置100は、現在符号化単位450を垂直方向に分割し、符号化単位480a,480b,480cを決定することができる。
【0113】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができ、決定された符号化単位の大きさいずれもが同一でもない。例えば、決定された奇数個の符号化単位430a,430b,430c,480a,480b,480cのうち、所定符号化単位430bまたは480bの大きさは、他の符号化単位430a,430c,480a,480cとは異なる大きさを有することもできる。すなわち、現在符号化単位400または450が分割されて決定されうる符号化単位は、複数の種類の大きさを有することができ、場合によっては、奇数個の符号化単位430a,430b,430c,480a,480b,480cがそれぞれ互いに異なる大きさを有することもできる。
【0114】
一実施形態により、分割形態モード情報が、奇数個のブロックに、符号化単位が分割されることを示す場合、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450に含まれる奇数個の符号化単位を決定することができ、さらには、映像復号装置100は、分割して生成される奇数個の符号化単位のうち、少なくとも1つの符号化単位について、所定制限を置くことができる。図4を参照すれば、映像復号装置100は、現在符号化単位400または450が分割されて生成された3個の符号化単位430a,430b,430c,480a,480b,480cのうち中央に位置する符号化単位430b,480bに対する復号過程を、他の符号化単位430a,430c,480a,480cと異ならせることができる。例えば、映像復号装置100は、中央に位置する符号化単位430b,480bについては、他の符号化単位430a,430c,480a,480cと異なり、それ以上分割されないように制限するか、あるいは所定回数ほど分割されるように制限することができる。
【0115】
図5は、一実施形態により、映像復号装置100がブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つに基づき、符号化単位を分割する過程を図示する。
【0116】
一実施形態により、映像復号装置100は、ブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つに基づき、正方形状の第1符号化単位500を符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。一実施形態により、分割形態モード情報が、水平方向に第1符号化単位500を分割することを示す場合、映像復号装置100は、第1符号化単位500を水平方向に分割し、第2符号化単位510を決定することができる。一実施形態により、利用される第1符号化単位、第2符号化単位、第3符号化単位は、符号化単位間の分割前後関係を理解するために利用された用語である。例えば、第1符号化単位を分割すれば、第2符号化単位が決定され、第2符号化単位が分割されれば、第3符号化単位が決定されうる。以下においては、利用される第1符号化単位、第2符号化単位及び第3符号化単位の関係は、前述の特徴によるとも理解される。
【0117】
一実施形態により、映像復号装置100は、決定された第2符号化単位510を、分割形態モード情報に基づき、符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。図5を参照すれば、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位500を分割し、決定された非正方形の形態の第2符号化単位510を、少なくとも1つの第3符号化単位520a,520b,520c,520dに分割するか、あるいは第2符号化単位510を分割しない。映像復号装置100は、分割形態モード情報を獲得することができ、映像復号装置100は、獲得した分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位500を分割し、例えば、多様な形態の複数個第2符号化単位510を決定することができ、第2符号化単位510は、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位500が分割された方式によっても分割される。一実施形態により、第1符号化単位500が、第1符号化単位500に係わる分割形態モード情報に基づき、第2符号化単位510に分割された場合、第2符号化単位510も、第2符号化単位510に係わる分割形態モード情報に基づき、例えば、第3符号化単位520a,520b,520c,520dにも分割される。すなわち、符号化単位は、符号化単位それぞれに係わる分割形態モード情報に基づき、再帰的にも分割される。従って、非正方形状の符号化単位において、正方形の符号化単位が決定され、そのような正方形状の符号化単位が再帰的に分割され、非正方形状の符号化単位が決定されもする。
【0118】
図5を参照すれば、非正方形状の第2符号化単位510が分割されて決定される奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dのうち、所定符号化単位(例えば、真ん中に位置する符号化単位、または正方形状の符号化単位)は、再帰的にも分割される。一実施形態により、奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dのうち一つである正方形状の第3符号化単位520bは、水平方向に分割され、複数個の第4符号化単位にも分割される。複数個の第4符号化単位530a,530b,530c,530dのうち一つである非正方形状の第4符号化単位530bまたは530dは、さらに複数個の符号化単位にも分割される。例えば、非正方形状の第4符号化単位530bまたは530dは、奇数個の符号化単位にさらに分割されうる。符号化単位の再帰的分割に利用されうる方法については、多様な実施形態を介して後述することにする。
【0119】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、第3符号化単位520a,520b,520c,520dそれぞれを、符号化単位に分割することができる。また、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、第2符号化単位510を分割しないと決定することができる。映像復号装置100は、一実施形態により、非正方形状の第2符号化単位510を、奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dに分割することができる。映像復号装置100は、奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dのうち、所定第3符号化単位について、所定制限を置くことができる。例えば、映像復号装置100は、奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dのうち真ん中に位置する符号化単位520cについては、それ以上分割されないと制限するか、あるいは設定可能な回数に分割されなければならないと制限することができる。
【0120】
図5を参照すれば、映像復号装置100は、非正方形状の第2符号化単位510に含まれる奇数個の第3符号化単位520b,520c,520dのうち真ん中に位置する符号化単位520cは、それ以上分割されないか、あるいは所定分割形態に分割(例えば、4個の符号化単位だけに分割されるか、あるいは第2符号化単位510が分割された形態に対応する形態に分割される)されると制限するか、あるいは所定回数にだけ分割(例えば、n回だけ分割される、n>0)されると制限することができる。ただし、真ん中に位置した符号化単位520cに対する前記制限は、単に、一実施形態に過ぎないので、前述の実施形態に制限されて解釈されるものではなく、真ん中位置した符号化単位520cが、他の符号化単位520b,520dと異なるようにも復号されうる多様な制限を含むものであると解釈されなければならない。
【0121】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位を分割するために利用される分割形態モード情報を、現在符号化単位内の所定位置から獲得することができる。
【0122】
図6は、一実施形態により、映像復号装置100が、奇数個の符号化単位のうち所定符号化単位を決定するための方法を図示する。
【0123】
図6を参照すれば、現在符号化単位600,650の分割形態モード情報は、現在符号化単位600,650に含まれる複数個のサンプルのうち、所定位置のサンプル(例えば、真ん中に位置するサンプル640,690)からも獲得される。ただし、そのような分割形態モード情報のうち少なくとも一つが獲得されうる現在符号化単位600内の所定位置が、図6で図示する真ん中位置に限定して解釈されるものではなく、該所定位置には、現在符号化単位600内に含まれうる多様な位置(例えば、最上端、最下端、左側、右側、左側上端、左側下端、右側上端または右側下端など)が含まれてもよいと解釈されなければならない。映像復号装置100は、所定位置から獲得される分割形態モード情報を獲得し、現在符号化単位を多様な形態及び大きさの符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。
【0124】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位が、所定個数の符号化単位に分割された場合、そのうち1つの符号化単位を選択することができる。複数個の符号化単位のうち一つを選択するための方法は、多様でもあり、そのような方法に係わる説明は、以下の多様な実施形態を介して後述することにする。
【0125】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位を、複数個の符号化単位に分割し、所定位置の符号化単位を決定することができる。
【0126】
一実施形態により、映像復号装置100は、奇数個の符号化単位のうち、真ん中位置する符号化単位を決定するために、奇数個の符号化単位それぞれの位置を示す情報を利用することができる。図6を参照すれば、映像復号装置100は、現在符号化単位600または現在符号化単位650を分割し、奇数個の符号化単位620a,620b,620cまたは奇数個の符号化単位660a,660b,660cを決定することができる。映像復号装置100は、奇数個の符号化単位620a,620b,620cまたは奇数個の符号化単位660a,660b,660cの位置に係わる情報を利用し、真ん中符号化単位620bまたは真ん中符号化単位660bを決定することができる。例えば、映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cに含まれる所定サンプルの位置を示す情報に基づき、符号化単位620a,620b,620cの位置を決定することにより、真ん中に位置する符号化単位620bを決定することができる。具体的には、映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cの左側上端のサンプル630a,630b,630cの位置を示す情報に基づき、符号化単位620a,620b,620cの位置を決定することにより、真ん中に位置する符号化単位620bを決定することができる。
【0127】
一実施形態により、符号化単位620a,620b,620cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル630a,630b,630cの位置を示す情報は、符号化単位620a,620b,620cのピクチャ内での位置または座標に係わる情報を含んでもよい。一実施形態により、符号化単位620a,620b,620cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル630a,630b,630cの位置を示す情報は、現在符号化単位600に含まれる符号化単位620a,620b,620cの幅または高さを示す情報を含んでもよく、そのような幅または高さは、符号化単位620a,620b,620cのピクチャ内での座標間差を示す情報にも該当する。すなわち、映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cのピクチャ内での位置または座標に係わる情報を直接利用するか、あるいは座標間の差値に対応する符号化単位の幅または高さに係わる情報を利用することにより、真ん中に位置する符号化単位620bを決定することができる。
【0128】
一実施形態により、上端符号化単位620aの左側上端のサンプル630aの位置を示す情報は、(xa,ya)座標を示すことができ、真ん中符号化単位620bの左側上端のサンプル630bの位置を示す情報は、(xb,yb)座標を示すことができ、下端符号化単位620cの左側上端のサンプル630cの位置を示す情報は、(xc,yc)座標を示すことができる。映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cにそれぞれ含まれる左側上端のサンプル630a,630b,630cの座標を利用し、真ん中符号化単位620bを決定することができる。例えば、左側上端のサンプル630a,630b,630cの座標を、昇順または降順に整列させたとき、真ん中に位置するサンプル630bの座標である(xb,yb)を含む符号化単位620bを、現在符号化単位600が分割されて決定された符号化単位620a,620b,620cのうち、真ん中に位置する符号化単位と決定することができる。ただし、左側上端のサンプル630a,630b,630cの位置を示す座標は、ピクチャ内での絶対的な位置を示す座標を示すことができ、さらには、上端符号化単位620aの左側上端のサンプル630aの位置を基準に、真ん中符号化単位620bの左側上端のサンプル630bの相対的位置を示す情報である(dxb,dyb)座標、下端符号化単位620cの左側上端のサンプル630cの相対的位置を示す情報である(dxc,dyc)座標を利用することもできる。また、符号化単位に含まれるサンプルの位置を示す情報として、当該サンプルの座標を利用することにより、所定位置の符号化単位を決定する方法について説明した方法に限定して解釈されるものではなく、サンプルの座標を利用することができる多様な算術的方法と解釈されなければならない。
【0129】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位600を、複数個の符号化単位620a,620b,620cに分割することができ、符号化単位620a,620b,620cのうち、所定基準により、符号化単位を選択することができる。例えば、映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cのうち、大きさが異なる符号化単位620bを選択することができる。
【0130】
一実施形態により、映像復号装置100は、上端符号化単位620aの左側上端のサンプル630aの位置を示す情報である(xa,ya)座標、真ん中符号化単位620bの左側上端のサンプル630bの位置を示す情報である(xb,yb)座標、下端符号化単位620cの左側上端のサンプル630cの位置を示す情報である(xc,yc)座標を利用し、符号化単位620a,620b,620cそれぞれの幅または高さを決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位620a,620b,620cの位置を示す座標である(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)を利用し、符号化単位620a,620b,620cそれぞれの大きさを決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、上端符号化単位620aの幅を、現在符号化単位600の幅と決定することができる。映像復号装置100は、上端符号化単位620aの高さを、yb-yaと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、真ん中符号化単位620bの幅を、現在符号化単位600の幅と決定することができる。映像復号装置100は、真ん中符号化単位620bの高さを、yc-ybと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、下端符号化単位の幅または高さは、現在符号化単位の幅または高さと、上端符号化単位620a及び真ん中符号化単位620bの幅及び高さとを利用して決定することができる。映像復号装置100は、決定された符号化単位620a,620b,620cの幅及び高さに基づき、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を決定することができる。図6を参照すれば、映像復号装置100は、上端符号化単位620a及び下端符号化単位620cの大きさと異なる大きさを有する真ん中符号化単位620bを、所定位置の符号化単位と決定することができる。ただし、前述の映像復号装置100が、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を決定する過程は、サンプル座標に基づいて決定される符号化単位の大きさを利用し、所定位置の符号化単位を決定する一実施形態に過ぎないので、所定サンプル座標によって決定される符号化単位の大きさを比較し、所定位置の符号化単位を決定する多様な過程が利用されうる。
【0131】
映像復号装置100は、左側符号化単位660aの左側上端のサンプル670aの位置を示す情報である(xd,yd)座標、真ん中符号化単位660bの左側上端のサンプル670bの位置を示す情報である(xe,ye)座標、右側符号化単位660cの左側上端のサンプル670cの位置を示す情報である(xf,yf)座標を利用し、符号化単位660a,660b,660cそれぞれの幅または高さを決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位660a,660b,660cの位置を示す座標である(xd,yd)、(xe,ye)、(xf,yf)を利用し、符号化単位660a,660b,660cそれぞれの大きさを決定することができる。
【0132】
一実施形態により、映像復号装置100は、左側符号化単位660aの幅を、xe-xdと決定することができる。映像復号装置100は、左側符号化単位660aの高さを、現在符号化単位650の高さと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、真ん中符号化単位660bの幅を、xf-xeと決定することができる。映像復号装置100は、真ん中符号化単位660bの高さを、現在符号化単位650の高さと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、右側符号化単位660cの幅または高さは、現在符号化単位650の幅または高さと、左側符号化単位660a及び真ん中符号化単位660bの幅及び高さと、を利用して決定することができる。映像復号装置100は、決定された符号化単位660a,660b,660cの幅及び高さに基づき、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を決定することができる。図6を参照すれば、映像復号装置100は、左側符号化単位660a及び右側符号化単位660cの大きさと異なる大きさを有する真ん中符号化単位660bを、所定位置の符号化単位と決定することができる。ただし、前述の映像復号装置100が、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を決定する過程は、サンプル座標に基づいて決定される符号化単位の大きさを利用し、所定位置の符号化単位を決定する一実施形態に過ぎないので、所定サンプル座標によって決定される符号化単位の大きさを比較し、所定位置の符号化単位を決定する多様な過程が利用されうる。
【0133】
ただし、符号化単位の位置を決定するために考慮するサンプルの位置は、前述の左側上端に限定して解釈されるものではなく、符号化単位に含まれる任意のサンプルの位置に係わる情報が利用されうとも解釈される。
【0134】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位の形態を考慮し、現在符号化単位が分割されて決定される奇数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を選択することができる。例えば、現在符号化単位が、幅が高さより大きい非正方形状であるならば、映像復号装置100は、水平方向に沿って所定位置の符号化単位を決定することができる。すなわち、映像復号装置100は、水平方向に位置を異にする符号化単位のうち一つを決定し、当該符号化単位に係わる制限を置くことができる。現在符号化単位が、高さが幅より大きい非正方形状であるならば、映像復号装置100は、垂直方向に沿って所定位置の符号化単位を決定することができる。すなわち、映像復号装置100は、垂直方向に位置を異にする符号化単位のうち一つを決定し、当該符号化単位に係わる制限を置くことができる。
【0135】
一実施形態により、映像復号装置100は、偶数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、偶数個の符号化単位それぞれの位置を示す情報を利用することができる。映像復号装置100は、現在符号化単位を分割(バイナリ分割)し、偶数個の符号化単位を決定することができ、偶数個の符号化単位の位置に係わる情報を利用し、所定位置の符号化単位を決定することができる。それに係わる具体的な過程は、図6で説明した奇数個の符号化単位のうち、所定位置(例えば、真ん中位置)の符号化単位を決定する過程に対応する過程でもあるので、省略することにする。
【0136】
一実施形態により、非正方形状の現在符号化単位を、複数個の符号化単位に分割した場合、複数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、分割過程において、所定位置の符号化単位に係わる所定情報を利用することができる。例えば、映像復号装置100は、現在符号化単位が複数個に分割された符号化単位のうち、真ん中に位置する符号化単位を決定するために、分割過程において、真ん中符号化単位に含まれたサンプルに保存されたブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つを利用することができる。
【0137】
図6を参照すれば、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位600を、複数個の符号化単位620a,620b,620cに分割することができ、複数個の符号化単位620a,620b,620cのうち、真ん中に位置する符号化単位620bを決定することができる。さらには、映像復号装置100は、分割形態モード情報が獲得される位置を考慮し、真ん中に位置する符号化単位620bを決定することができる。すなわち、現在符号化単位600の分割形態モード情報は、現在符号化単位600の真ん中に位置するサンプル640からも獲得され、前記分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位600が複数個の符号化単位620a,620b,620cに分割された場合、前記サンプル640を含む符号化単位620bを、真ん中に位置する符号化単位と決定することができる。ただし、真ん中に位置する符号化単位と決定するために利用される情報が、分割形態モード情報に限定して解釈されるものではなく、多様な種類の情報が、真ん中に位置する符号化単位を決定する過程においても利用される。
【0138】
一実施形態により、所定位置の符号化単位を識別するための所定情報は、決定する符号化単位に含まれる所定サンプルからも獲得される。図6を参照すれば、映像復号装置100は、現在符号化単位600が分割されて決定された複数個の符号化単位620a,620b,620cのうち、所定位置の符号化単位(例えば、複数個に分割された符号化単位のうち、真ん中に位置する符号化単位)を決定するために、現在符号化単位600内の所定位置のサンプル(例えば、現在符号化単位600の真ん中に位置するサンプル)から獲得される分割形態モード情報を利用することができる。すなわち、映像復号装置100は、現在符号化単位600のブロック形態を考慮し、前記所定位置のサンプルを決定することができ、映像復号装置100は、現在符号化単位600が分割されて決定される複数個の符号化単位620a,620b,620cにおいて、所定情報(例えば、分割形態モード情報)が獲得されうるサンプルが含まれた符号化単位620bを決定し、所定制限を置くことができる。図6を参照すれば、一実施形態により、映像復号装置100は、所定情報が獲得されうるサンプルとして、現在符号化単位600の真ん中に位置するサンプル640を決定することができ、映像復号装置100は、そのようなサンプル640が含まれる符号化単位620bを、復号過程における所定制限を置くことができる。ただし、所定情報が獲得されうるサンプルの位置は、前述の位置に限定して解釈されるものではなく、制限を置くために決定する符号化単位620bに含まれる任意位置のサンプルとも解釈される。
【0139】
一実施形態により、所定情報が獲得されうるサンプルの位置は、現在符号化単位600の形態によっても決定される。一実施形態により、ブロック形態情報は、現在符号化単位の形態が正方形であるか、あるいは非正方形であるかということを決定することができ、形態によって所定情報が獲得されうるサンプルの位置を決定することができる。例えば、映像復号装置100は、現在符号化単位の幅に係わる情報、及び高さに係わる情報のうち少なくとも一つを利用し、現在符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも一つを半分に分割する境界上に位置するサンプルを、所定情報が獲得されうるサンプルと決定することができる。他の例を挙げれば、映像復号装置100は、現在符号化単位に係わるブロック形態情報が非正方形状であることを示す場合、現在符号化単位の長辺を半分に分割する境界に隣接するサンプルのうち一つを、所定情報が獲得されうるサンプルと決定することができる。
【0140】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位を、複数個の符号化単位に分割した場合、複数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定するために、分割形態モード情報を利用することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報を、符号化単位に含まれた所定位置のサンプルから獲得することができ、映像復号装置100は、現在符号化単位が分割されて生成された複数個の符号化単位を、複数個の符号化単位それぞれに含まれた所定位置のサンプルから獲得される分割形態モード情報を利用し、分割することができる。すなわち、該符号化単位は、符号化単位それぞれに含まれた所定位置のサンプルから獲得される分割形態モード情報を利用し、再帰的にも分割される。符号化単位の再帰的分割過程については、図5を介して説明したので詳細な説明は、省略することにする。
【0141】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定することができ、そのような少なくとも1つの符号化単位が復号される順序を、所定ブロック(例えば、現在符号化単位)によって決定することができる。
【0142】
図7は、一実施形態により、映像復号装置100が現在符号化単位を分割し、複数個の符号化単位を決定する場合、複数個の符号化単位が処理される順序を図示する。
【0143】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報により、第1符号化単位700を垂直方向に分割し、第2符号化単位710a,710bを決定するか、第1符号化単位700を水平方向に分割し、第2符号化単位730a,730bを決定するか、あるいは第1符号化単位700を垂直方向及び水平方向に分割し、第2符号化単位750a,750b,750c,750dを決定することができる。
【0144】
図7を参照すれば、映像復号装置100は、第1符号化単位700を垂直方向に分割して決定された第2符号化単位710a,710bに対し、水平方向710cに処理されるように順序を決定することができる。映像復号装置100は、第1符号化単位700を水平方向に分割して決定された第2符号化単位730a,730bの処理順序を、垂直方向730cに決定することができる。映像復号装置100は、第1符号化単位700を、垂直方向及び水平方向に分割して決定された第2符号化単位750a,750b,750c,750dを、1行に位置する符号化単位が処理された後、次の行に位置する符号化単位が処理される所定順序(例えば、ラスタースキャン順序((raster scan order)またはzスキャン順序(Z scan order)750eによって決定することができる。
【0145】
一実施形態により、映像復号装置100は、符号化単位を再帰的に分割することができる。図7を参照すれば、映像復号装置100は、第1符号化単位700を分割し、複数個の符号化単位710a,710b,730a,730b,750a,750b,750c,750dを決定することができ、決定された複数個の符号化単位710a,710b,730a,730b,750a,750b,750c,750dそれぞれを再帰的に分割することができる。複数個の符号化単位710a,710b,730a,730b,750a,750b,750c,750dを分割する方法は、第1符号化単位700を分割する方法に対応する方法にもなる。それにより、複数個の符号化単位710a,710b,730a,730b,750a,750b,750c,750dは、それぞれ独立して複数個の符号化単位にも分割される。図7を参照すれば、映像復号装置100は、第1符号化単位700を垂直方向に分割し、第2符号化単位710a,710bを決定することができ、さらには、第2符号化単位710a,710bそれぞれを独立して分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。
【0146】
一実施形態により、映像復号装置100は、左側の第2符号化単位710aを水平方向に分割し、第3符号化単位720a,720bに分割することができ、右側の第2符号化単位710bは、分割しない。
【0147】
一実施形態により、符号化単位の処理順序は、符号化単位の分割過程に基づいても決定される。言い換えれば、分割された符号化単位の処理順序は、分割される直前の符号化単位の処理順序に基づいても決定される。映像復号装置100は、左側の第2符号化単位710aが分割されて決定された第3符号化単位720a,720bが処理される順序を、右側の第2符号化単位710bと独立して決定することができる。左側の第2符号化単位710aが水平方向に分割され、第3符号化単位720a,720bが決定されたので、第3符号化単位720a,720bは、垂直方向720cにも処理される。また、左側の第2符号化単位710a及び右側の第2符号化単位710bが処理される順序は、水平方向710cに該当するので、左側の第2符号化単位710aに含まれる第3符号化単位720a,720bが垂直方向720cに処理された後、右側符号化単位710bが処理されうる。前述の内容は、符号化単位が、それぞれ分割前の符号化単位によって処理順序が決定される過程について説明するためのものであるので、前述の実施形態に限定して解釈されるものではなく、多様な形態に分割されて決定される符号化単位が、所定順序によって独立して処理されうる多様な方法に利用されうる解釈されなければならない。
【0148】
図8は、一実施形態により、映像復号装置100が所定順序で符号化単位が処理されえない場合、現在符号化単位が、奇数個の符号化単位に分割されることを決定する過程を図示する。
【0149】
一実施形態により、映像復号装置100は、獲得された分割形態モード情報に基づき、現在符号化単位が、奇数個の符号化単位に分割されることを決定することができる。図8を参照すれば、正方形状の第1符号化単位800が非正方形状の第2符号化単位810a,810bにも分割され、第2符号化単位810a,810bは、それぞれ独立し、第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eにも分割される。一実施形態により、映像復号装置100は、第2符号化単位のうち左側符号化単位810aは、水平方向に分割し、複数個の第3符号化単位820a,820bを決定することができ、右側符号化単位810bは、奇数個の第3符号化単位820c,820d,820eにも分割される。
【0150】
一実施形態により、映像復号装置100は、第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eが所定順序に処理されうるか否かということを判断し、奇数個に分割された符号化単位が存在するか否かということを決定することができる。図8を参照すれば、映像復号装置100は、第1符号化単位800を再帰的に分割し、第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eを決定することができる。映像復号装置100は、ブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つに基づき、第1符号化単位800、第2符号化単位810a,810bまたは第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eが分割される形態のうち、奇数個の符号化単位に分割されるか否かということを決定することができる。例えば、第2符号化単位810a,810bにおいて、右側に位置する符号化単位が、奇数個の第3符号化単位820c,820d,820eにも分割される。第1符号化単位800に含まれる複数個の符号化単位が処理される順序は、所定順序(例えば、Zスキャン順序830)にもなり、映像復号装置100は、右側第2符号化単位810bが奇数個に分割されて決定された第3符号化単位820c,820d,820eが、前記所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを判断することができる。
【0151】
一実施形態により、映像復号装置100は、第1符号化単位800に含まれる第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eが、所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを決定することができ、前記条件は、第3符号化単位820a,820b,820c,820d,820eの境界に沿い、第2符号化単位810a,810bの幅及び高さのうち少なくとも一つを半分に分割するか否かということと係わる。例えば、非正方形状の左側第2符号化単位810aの高さを半分に分割して決定される第3符号化単位820a,820bは、条件を満足することができる。右側第2符号化単位810bを3個の符号化単位に分割して決定される第3符号化単位820c,820d,820eの境界が、右側第2符号化単位810bの幅または高さを半分に分割することができないので、第3符号化単位820c,820d,820eは、条件を満足することができないと決定されうる。映像復号装置100は、そのような条件不満足の場合、スキャン順序の断絶(disconnection)と判断し、該判断結果に基づき、右側第2符号化単位810bは、奇数個の符号化単位に分割されると決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、奇数個の符号化単位に分割される場合、分割された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位について、所定制限を置くことができ、そのような制限内容または所定位置などについては、多様な実施形態を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0152】
図9は、一実施形態により、映像復号装置100が第1符号化単位900を分割し、少なくとも1つの符号化単位を決定する過程を図示する。
【0153】
一実施形態により、映像復号装置100は、受信部(図示せず)を介して獲得した分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位900を分割することができる。正方形状の第1符号化単位900は、4個の正方形状を有する符号化単位に分割されるか、あるいは非正方形状の複数個符号化単位にも分割される。例えば、図9を参照すれば、第1符号化単位900は、正方形であり、分割形態モード情報が非正方形の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置100は、第1符号化単位900を、複数個の非正方形の符号化単位に分割することができる。具体的には、分割形態モード情報が、第1符号化単位900を水平方向または垂直方向に分割し、奇数個の符号化単位を決定することを示す場合、映像復号装置100は、正方形状の第1符号化単位900に対し、奇数個の符号化単位として、垂直方向に分割されて決定された第2符号化単位910a,910b,910c、または水平方向に分割されて決定された第2符号化単位920a,920b,920cに分割することができる。
【0154】
一実施形態により、映像復号装置100は、第1符号化単位900に含まれる第2符号化単位910a,910b,910c,920a,920b,920cが、所定順序によって処理されうる条件を満足するか否かということを決定することができ、前記条件は、第2符号化単位910a,910b,910c,920a,920b,920cの境界に沿い、第1符号化単位900の幅及び高さのうち少なくとも一つを半分に分割するか否かということと係わる。図9を参照すれば、正方形状の第1符号化単位900を垂直方向に分割して決定される第2符号化単位910a,910b,910cの境界が、第1符号化単位900の幅を半分に分割することができないので、第1符号化単位900は、所定順序によって処理されうる条件を満足することができないと決定されうる。また、正方形状の第1符号化単位900を水平方向に分割して決定される第2符号化単位920a,920b,920cの境界が、第1符号化単位900の高さを半分に分割することができないので、第1符号化単位900は、所定順序によって処理されうる条件を満足することができないと決定されうる。映像復号装置100は、そのような条件不満足の場合、スキャン順序の断絶と判断し、該判断結果に基づき、第1符号化単位900は、奇数個の符号化単位に分割されると決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、奇数個の符号化単位に分割される場合、分割された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位について、所定制限を置くことができ、そのような制限内容または所定位置などについては、多様な実施形態を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0155】
一実施形態により、映像復号装置100は、第1符号化単位を分割し、多様な形態の符号化単位を決定することができる。
【0156】
図9を参照すれば、映像復号装置100は、正方形状の第1符号化単位900、非正方形状の第1符号化単位930または950を多様な形態の符号化単位に分割することができる。
【0157】
図10は、一実施形態により、映像復号装置100が、第1符号化単位1000が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位が所定条件を満足する場合、第2符号化単位が分割されうる形態が制限されることを図示する。
【0158】
一実施形態により、映像復号装置100は、受信部(図示せず)を介して獲得した分割形態モード情報に基づき、正方形状の第1符号化単位1000を、非正方形状の第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bに分割すると決定することができる。第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bは、独立しても分割される。それにより、映像復号装置100は、第2符号化単位1010a,1010b,1020a,1020bそれぞれに係わる分割形態モード情報に基づき、複数個の符号化単位に分割するか、あるいは分割しないと決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、垂直方向に、第1符号化単位1000が分割されて決定された非正方形状の左側第2符号化単位1010aを水平方向に分割し、第3符号化単位1012a,1012bを決定することができる。ただし、映像復号装置100は、左側第2符号化単位1010aを水平方向に分割した場合、右側第2符号化単位1010bは、左側第2符号化単位1010aが分割された方向と同一に、水平方向に分割されえないように制限することができる。もし右側第2符号化単位1010bが同一方向に分割され、第3符号化単位1014a,1014bが決定された場合、左側第2符号化単位1010a及び右側第2符号化単位1010bが、水平方向にそれぞれ独立して分割されることにより、第3符号化単位1012a,1012b,1014a,1014bが決定されうる。しかし、それは、映像復号装置100が、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位1000を4個の正方形状の第2符号化単位1030a,1030b,1030c,1030dに分割したところと同一結果であり、それは、映像復号側面で非効率的でもある。
【0159】
一実施形態により、映像復号装置100は、水平方向に、第1符号化単位1000が分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位1020a、または1020bを垂直方向に分割し、第3符号化単位1022a,1022b,1024a,1024bを決定することができる。ただし、映像復号装置100は、第2符号化単位のうち一つ(例えば、上端第2符号化単位1020a)を垂直方向に分割した場合、前述の理由により、他の第2符号化単位(例えば、下端符号化単位1020b)は、上端第2符号化単位1020aが分割された方向と同一に、垂直方向に分割されえないように制限することができる。
【0160】
図11は、一実施形態により、分割形態モード情報が、4個の正方形状の符号化単位に分割することを示すことができない場合、映像復号装置100が正方形状の符号化単位を分割する過程を図示する。
【0161】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位1100を分割し、第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bを決定することができる。該分割形態モード情報には、符号化単位が分割されうる多様な形態に係わる情報が含まれてもよいが、多様な形態に係わる情報には、正方形状の4個の符号化単位に分割するための情報が含まれえない場合がある。そのような分割形態モード情報によれば、映像復号装置100は、正方形状の第1符号化単位1100を、4個の正方形状の第2符号化単位1130a,1130b,1130c,1130dに分割することができない。該分割形態モード情報に基づき、映像復号装置100は、非正方形状の第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bを決定することができる。
【0162】
一実施形態により、映像復号装置100は、非正方形状の第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bをそれぞれ独立して分割することができる。再帰的な方法を介し、第2符号化単位1110a,1110b,1120a,1120bそれぞれが所定順にも分割され、それは、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位1100が分割される方法に対応する分割方法でもある。
【0163】
例えば、映像復号装置100は、左側第2符号化単位1110aが水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1112a,1112bを決定することができ、右側第2符号化単位1110bが水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1114a,1114bを決定することができる。さらには、映像復号装置100は、左側第2符号化単位1110a及び右側第2符号化単位1110bいずれも水平方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1116a,1116b,1116c,1116dを決定することもできる。そのような場合、第1符号化単位1100が、4個の正方形状の第2符号化単位1130a,1130b,1130c,1130dに分割されたところと同一形態に符号化単位が決定されうる。
【0164】
他の例を挙げれば、映像復号装置100は、上端第2符号化単位1120aが垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1122a,1122bを決定することができ、下端第2符号化単位1120bが垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1124a,1124bを決定することができる。さらには、映像復号装置100は、上端第2符号化単位1120a及び下端第2符号化単位1120bいずれも垂直方向に分割され、正方形状の第3符号化単位1126a,1126b,1126a,1126bを決定することもできる。そのような場合、第1符号化単位1100が、4個の正方形状の第2符号化単位1130a,1130b,1130c,1130dに分割されたところと同一形態に符号化単位が決定されうる。
【0165】
図12は、一実施形態により、複数個の符号化単位間の処理順序が、符号化単位の分割過程によって異なりうることを図示したものである。
【0166】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位1200を分割することができる。ブロック形態が正方形であり、分割形態モード情報が、第1符号化単位1200が、水平方向及び垂直方向のうち、少なくとも1つの方向に分割されることを示す場合、映像復号装置100は、第1符号化単位1200を分割し、例えば、第2符号化単位1210a,1210b,1220a,1220bを決定することができる。図12を参照すれば、第1符号化単位1200が、水平方向または垂直方向だけに分割されて決定された非正方形状の第2符号化単位1210a,1210b,1220a,1220bは、それぞれに係わる分割形態モード情報に基づき、独立しても分割される。例えば、映像復号装置100は、第1符号化単位1200が垂直方向に分割されて生成された第2符号化単位1210a,1210bを、水平方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216dを決定することができ、第1符号化単位1200が水平方向に分割されて生成された第2符号化単位1220a,1220bを、垂直方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1226a,1226b,1226c,1226dを決定することができる。そのような第2符号化単位1210a,1210b,1220a,1220bの分割過程は、図11と係わって説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0167】
一実施形態により、映像復号装置100は、所定順序によって符号化単位を処理することができる。該所定順序による符号化単位の処理に係わる特徴は、図7と係わって説明したので、詳細な説明は、省略することにする。図12を参照すれば、映像復号装置100は、正方形状の第1符号化単位1200を分割し、4個の正方形状の第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216d,1226a,1226b,1226c,1226dを決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、第1符号化単位1200が分割される形態により、第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216d,1226a,1226b,1226c,1226dの処理順序を決定することができる。
【0168】
一実施形態により、映像復号装置100は、垂直方向に分割されて生成された第2符号化単位1210a,1210bを水平方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216dを決定することができ、映像復号装置100は、左側第2符号化単位1210aに含まれる第3符号化単位1216a,1216cを垂直方向にまず処理した後、右側第2符号化単位1210bに含まれる第3符号化単位1216b,1216dを垂直方向に処理する順序1217により、第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216dを処理することができる。
【0169】
一実施形態により、映像復号装置100は、水平方向に分割されて生成された第2符号化単位1220a,1220bを垂直方向にそれぞれ分割し、第3符号化単位1226a,1226b,1226c,1226dを決定することができ、映像復号装置100は、上端第2符号化単位1220aに含まれる第3符号化単位1226a,1226bを水平方向にまず処理した後、下端第2符号化単位1220bに含まれる第3符号化単位1226c,1226dを水平方向に処理する順序1227により、第3符号化単位1226a,1226b,1226c,1226dを処理することができる。
【0170】
図12を参照すれば、第2符号化単位1210a,1210b,1220a,1220bがそれぞれ分割され、正方形状の第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216d,1226a,1226b,1226c,1226dが決定されうる。垂直方向に分割されて決定された第2符号化単位1210a,1210b、及び水平方向に分割されて決定された第2符号化単位1220a,1220bは、互いに異なる形態に分割されたものであるが、以後に決定される第3符号化単位1216a,1216b,1216c,1216d,1226a,1226b,1226c,1226dによれば、結局、同一形態の符号化単位であり、第1符号化単位1200が分割された結果になる。それにより、映像復号装置100は、分割形態モード情報に基づき、異なる過程を介し、再帰的に符号化単位を分割することにより、結果として、同一形態の符号化単位を決定しても、同一形態に決定された複数個の符号化単位を、互いに異なる順序処理を行うことができる。
【0171】
図13は、一実施形態により、符号化単位が再帰的に分割され、複数個の符号化単位が決定される場合、符号化単位の形態及び大きさが変わることにより、符号化単位の深度が決定される過程を図示する。
【0172】
一実施形態により、映像復号装置100は、符号化単位の深度を所定基準によって決定することができる。例えば、該所定基準は、符号化単位の長辺長にもなる。映像復号装置100は、現在符号化単位の長辺長が、分割される前の符号化単位の長辺長の2(n>0)倍に分割された場合、現在符号化単位の深度は、分割される前の符号化単位の深度よりnほど深度が増大したと決定することができる。以下においては、深度が増大された符号化単位を、下位深度の符号化単位と表現することにする。
【0173】
図13を参照すれば、一実施形態により、正方形状であることを示すブロック形態情報(例えば、ブロック形態情報は、「0:SQUARE」を示すことができる)に基づき、映像復号装置100は、正方形状である第1符号化単位1300を分割し、下位深度の第2符号化単位1302、第3符号化単位1304などを決定することができる。正方形状の第1符号化単位1300の大きさを2Nx2Nとするならば、第1符号化単位1300の幅及び高さを1/2倍に分割して決定された第2符号化単位1302は、NxNの大きさを有することができる。さらには、第2符号化単位1302の幅及び高さを1/2サイズに分割して決定された第3符号化単位1304は、N/2xN/2の大きさを有することができる。その場合、第3符号化単位1304の幅及び高さは、第1符号化単位1300の1/4倍に該当する。第1符号化単位1300の深度がDである場合、第1符号化単位1300の幅及び高さの1/2倍である第2符号化単位1302の深度はD+1でもあり、第1符号化単位1300の幅及び高さの1/4倍である第3符号化単位1304の深度は、D+2でもある。
【0174】
一実施形態により、非正方形状を示すブロック形態情報(例えば、ブロック形態情報は、高さが幅より大きい非正方形であることを示す「1:NS_VER」または幅が高さより大きい非正方形であることを示す「2:NS_HOR」を示すことができる)に基づき、映像復号装置100は、非正方形状である第1符号化単位1310または1320を分割し、下位深度の第2符号化単位1312または1322、第3符号化単位1314または1324などを決定することができる。
【0175】
映像復号装置100は、Nx2Nサイズの第1符号化単位1310の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第2符号化単位1302,1312,1322を決定することができる。すなわち、映像復号装置100は、第1符号化単位1310を水平方向に分割し、NxNサイズの第2符号化単位1302、またはNxN/2サイズの第2符号化単位1322を決定することができ、水平方向及び垂直方向に分割し、N/2xNサイズの第2符号化単位1312を決定することもできる。
【0176】
一実施形態により、映像復号装置100は、2NxNサイズの第1符号化単位1320の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第2符号化単位1302,1312,1322を決定することもできる。すなわち、映像復号装置100は、第1符号化単位1320を垂直方向に分割し、NxNサイズの第2符号化単位1302、またはN/2xNサイズの第2符号化単位1312を決定することができ、水平方向及び垂直方向に分割し、NxN/2サイズの第2符号化単位1322を決定することもできる。
【0177】
一実施形態により、映像復号装置100は、NxNサイズの第2符号化単位1302の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1304,1314,1324を決定することもできる。すなわち、映像復号装置100は、第2符号化単位1302を垂直方向及び水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1304を決定するか、N/4xN/2サイズの第3符号化単位1314を決定するか、あるいはN/2xN/4サイズの第3符号化単位1324を決定することができる。
【0178】
一実施形態により、映像復号装置100は、N/2xNサイズの第2符号化単位1312の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1304,1314,1324を決定することもできる。すなわち、映像復号装置100は、第2符号化単位1312を水平方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1304、またはN/2xN/4サイズの第3符号化単位1324を決定するか、あるいは垂直方向及び水平方向に分割し、N/4xN/2サイズの第3符号化単位1314を決定することができる。
【0179】
一実施形態により、映像復号装置100は、NxN/2サイズの第2符号化単位1322の幅及び高さのうち少なくとも一つを分割し、例えば、第3符号化単位1304,1314,1324を決定することもできる。すなわち、映像復号装置100は、第2符号化単位1322を垂直方向に分割し、N/2xN/2サイズの第3符号化単位1304、またはN/4xN/2サイズの第3符号化単位1314を決定するか、あるいは垂直方向及び水平方向に分割し、N/2xN/4サイズの第3符号化単位1324を決定することができる。
【0180】
一実施形態により、映像復号装置100は、例えば、正方形状の符号化単位1300,1302,1304を水平方向または垂直方向に分割することができる。例えば、2Nx2Nサイズの第1符号化単位1300を垂直方向に分割し、Nx2Nサイズの第1符号化単位1310を決定するか、あるいは水平方向に分割し、2NxNサイズの第1符号化単位1320を決定することができる。一実施形態により、深度が符号化単位の最も長辺長に基づいて決定される場合、2Nx2Nサイズの第1符号化単位1300が水平方向または垂直方向に分割されて決定される符号化単位の深度は、第1符号化単位1300の深度と同一でもある。
【0181】
一実施形態により、第3符号化単位1314または1324の幅及び高さは、第1符号化単位1310または1320の1/4倍にも該当する。第1符号化単位1310または1320の深度がDである場合、第1符号化単位1310または1320の幅及び高さの1/2倍である第2符号化単位1312または1322の深度は、D+1でもあり、第1符号化単位1310または1320の幅及び高さの1/4倍である第3符号化単位1314または1324の深度はD+2でもある。
【0182】
図14は、一実施形態により、符号化単位の形態及び大きさによっても決定される深度、及び符号化単位区分のためのインデックス(PID:part index)を図示する。
【0183】
一実施形態により、映像復号装置100は、正方形状の第1符号化単位1400を分割し、多様な形態の第2符号化単位を決定することができる。図14を参照すれば、映像復号装置100は、分割形態モード情報により、第1符号化単位1400を垂直方向及び水平方向のうち、少なくとも1つの方向に分割し、第2符号化単位1402a,1402b,1404a,1404b,1406a,1406b,1406c,1406dを決定することができる。すなわち、映像復号装置100は、第1符号化単位1400に係わる分割形態モード情報に基づき、第2符号化単位1402a,1402b,1404a,1404b,1406a,1406b,1406c,1406dを決定することができる。
【0184】
一実施形態により、正方形状の第1符号化単位1400に係わる分割形態モード情報によって決定される第2符号化単位1402a,1402b,1404a,1404b,1406a,1406b,1406c,1406dは、長辺長に基づき、深度が決定されうる。例えば、正方形状の第1符号化単位1400の一辺長と、非正方形状の第2符号化単位1402a,1402b,1404a,1404bの長辺長とが同一であるので、第1符号化単位1400と、非正方形状の第2符号化単位1402a,1402b,1404a,1404bとの深度は、Dとして同一であると見ることができる。それに対し、映像復号装置100が分割形態モード情報に基づき、第1符号化単位1400を4個の正方形状の第2符号化単位1406a,1406b,1406c,1406dに分割した場合、正方形状の第2符号化単位1406a,1406b,1406c,1406dの一辺長は、第1符号化単位1400の一辺長の1/2倍であるので、第2符号化単位1406a,1406b,1406c,1406dの深度は、第1符号化単位1400の深度であるDより1深度下位であるD+1の深度でもある。
【0185】
一実施形態により、映像復号装置100は、高さが幅より大きい形態の第1符号化単位1410を、分割形態モード情報により、水平方向に分割し、複数個の第2符号化単位1412a,1412b,1414a,1414b,1414cに分割することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、幅が高さより大きい形態の第1符号化単位1420を、分割形態モード情報により、垂直方向に分割し、複数個の第2符号化単位1422a,1422b,1424a,1424b,1424cに分割することができる。
【0186】
一実施形態により、非正方形状の第1符号化単位1410または1420に係わる分割形態モード情報によって決定される第2符号化単位1412a,1412b,1414a,1414b,1414c,1422a,1422b,1424a,1424b,1424cは、長辺長に基づき、深度が決定されうる。例えば、正方形状の第2符号化単位1412a,1412bの一辺長は、高さが幅より大きい非正方形状の第1符号化単位1410の一辺長の1/2倍であるので、正方形状の第2符号化単位1412a,1412bの深度は、非正方形状の第1符号化単位1410の深度Dより1深度下位の深度であるD+1である。
【0187】
さらには、映像復号装置100が分割形態モード情報に基づき、非正方形状の第1符号化単位1410を、奇数個の第2符号化単位1414a,1414b,1414cに分割することができる。奇数個の第2符号化単位1414a,1414b,1414cは、非正方形状の第2符号化単位1414a,1414c、及び正方形状の第2符号化単位1414bを含んでもよい。その場合、非正方形状の第2符号化単位1414a,1414cの長辺長、及び正方形状の第2符号化単位1414bの一辺長は、第1符号化単位1410の一辺長の1/2倍であるので、第2符号化単位1414a,1414b,1414cの深度は、第1符号化単位1410の深度であるDより1深度下位であるD+1の深度でもある。映像復号装置100は、第1符号化単位1410と係わる符号化単位の深度を決定する前記方式に対応する方式で、幅が高さより大きい非正方形状の第1符号化単位1420と係わる符号化単位の深度を決定することができる。
【0188】
一実施形態により、映像復号装置100は、分割された符号化単位区分のためのインデックス(PID)決定において、奇数個に分割された符号化単位が互いに同一サイズではない場合、符号化単位間のサイズ比率に基づき、インデックスを決定することができる。図14を参照すれば、奇数個に分割された符号化単位1414a,1414b,1414cのうち、真ん中に位置する符号化単位1414bは、他の符号化単位1414a,1414cと、幅は、同一であるが、高さが異なる符号化単位1414a,1414cの高さの2倍でもある。すなわち、その場合、真ん中に位置する符号化単位1414bは、他の符号化単位1414a,1414cの二つを含んでもよい。従って、スキャン順序により、真ん中に位置する符号化単位1414bのインデックス(PID)が1であるならば、その次の順序に位置する符号化単位1414cは、インデックスが2が増加した3でもある。すなわち、インデックス値の不連続性が存在しうる。一実施形態により、映像復号装置100は、そのような分割された符号化単位間区分のためのインデックス不連続性の存在いかんに基づき、奇数個に分割された符号化単位が、互いに同一サイズではないか否かということを決定することができる。
【0189】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位から分割されて決定された複数個の符号化単位を区分するためのインデックスの値に基づき、特定分割形態に分割されたものであるか否かということを決定することができる。図14を参照すれば、映像復号装置100は、高さが幅より大きい長方形状の第1符号化単位1410を分割し、偶数個の符号化単位1412a,1412bを決定するか、あるいは奇数個の符号化単位1414a,1414b,1414cを決定することができる。映像復号装置100は、複数個の符号化単位それぞれを区分するために、各符号化単位を示すインデックス(PID)を利用することができる。一実施形態により、インデックス(PID)は、それぞれの符号化単位の所定位置サンプル(例えば、左側上端サンプル)からも獲得される。
【0190】
一実施形態により、映像復号装置100は、符号化単位区分のためのインデックスを利用し、分割されて決定された符号化単位のうち、所定位置の符号化単位を決定することができる。一実施形態により、高さが幅より大きい長方形状の第1符号化単位1410に係わる分割形態モード情報が、3個の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置100は、第1符号化単位1410を、3個の符号化単位1414a,1414b,1414cに分割することができる。映像復号装置100は、3個の符号化単位1414a,1414b,1414cそれぞれに係わるインデックスを割り当てることができる。映像復号装置100は、奇数個に分割された符号化単位のうち、真ん中符号化単位を決定するために、各符号化単位に係わるインデックスを比較することができる。映像復号装置100は、符号化単位のインデックスに基づき、インデックスのうち、真ん中値に該当するインデックスを有する符号化単位1414bを、第1符号化単位1410が分割されて決定された符号化単位のうち、真ん中位置の符号化単位として決定することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、分割された符号化単位区分のためのインデックス決定において、符号化単位が互いに同一サイズではない場合、符号化単位間のサイズ比率に基づき、インデックスを決定することができる。図14を参照すれば、第1符号化単位1410が分割されて生成された符号化単位1414bは、他の符号化単位1414a,1414cと、幅は、同一であるが、高さが異なる符号化単位1414a,1414cの高さの2倍でもある。その場合、真ん中に位置する符号化単位1414bのインデックス(PID)が1であるならば、その次の順序に位置する符号化単位1414cは、インデックスが2が増加した3でもある。そのような場合のように、均一にインデックスが増加していて、中増加幅が異なるようになる場合、映像復号装置100は、他の符号化単位と異なる大きさを有する符号化単位を含む複数個の符号化単位に分割されたと決定することができる、一実施形態により、分割形態モード情報が、奇数個の符号化単位に分割されることを示す場合、映像復号装置100は、奇数個の符号化単位のうち、所定位置の符号化単位(例えば、真ん中符号化単位)が他の符号化単位と大きさが異なる形態に、現在符号化単位を分割することができる。その場合、映像復号装置100は、符号化単位に係わるインデックス(PID)を利用し、異なる大きさを有する真ん中符号化単位を決定することができる。ただし、前述のインデックス、決定する所定位置の符号化単位の大きさまたは位置は、一実施形態について説明するために、特定されたものであるので、それに限定して解釈されるものではなく、多様なインデックス、符号化単位の位置及び大きさが利用されうると解釈されなければならない。
【0191】
一実施形態により、映像復号装置100は、符号化単位の再帰的な分割が始まる所定データ単位を利用することができる。
【0192】
図15は、一実施形態により、ピクチャに含まれる複数個の所定データ単位によって複数個の符号化単位が決定されたところを図示する。
【0193】
一実施形態により、所定データ単位は、符号化単位が分割形態モード情報を利用し、再帰的に分割され始めるデータ単位とも定義される。すなわち、現在ピクチャを分割する複数個の符号化単位が決定される過程において利用される最上位深度の符号化単位にも該当する。以下においては、説明上、便宜のためにそのような所定データ単位を、基準データ単位と称することにする。
【0194】
一実施形態により、該基準データ単位は、所定サイズ及び形態を示すことができる。一実施形態により、該基準符号化単位は、MxNのサンプルを含んでもよい。ここで、M及びNは、互いに同一でもあり、2の乗数によって表現される整数でもある。すなわち、該基準データ単位は、正方形または非正方形の形態を示すことができ、以後、整数個の符号化単位にも分割される。
【0195】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在ピクチャを、複数個の基準データ単位に分割することができる。一実施形態により、映像復号装置100は、現在ピクチャを分割する複数個の基準データ単位を、それぞれの基準データ単位に係わる分割形態モード情報を利用して分割することができる。そのような基準データ単位の分割過程は、クアッドツリー(quad-tree)構造を利用した分割過程にも対応する。
【0196】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在ピクチャに含まれる基準データ単位が有することができる最小サイズをあらかじめ決定することができる。それにより、映像復号装置100は、最小サイズ以上の大きさを有する多様な大きさの基準データ単位を決定することができ、決定された基準データ単位を基準に、分割形態モード情報を利用し、少なくとも1つの符号化単位を決定することができる。
【0197】
図15を参照すれば、映像復号装置100は、正方形状の基準符号化単位1500を利用することができ、または非正方形状の基準符号化単位1502を利用することもできる。一実施形態により、基準符号化単位の形態及び大きさは、少なくとも1つの基準符号化単位を含みもする多様なデータ単位(例えば、シーケンス(sequence)、ピクチャ、スライス(slice)、スライスセグメント(slice segment)、タイル、タイルグループ(tile group)、最大符号化単位など)によっても決定される。
【0198】
一実施形態により、映像復号装置100の受信部(図示せず)は、基準符号化単位の形態に係わる情報、及び基準符号化単位の大きさに係わる情報のうち少なくとも一つを、前記多様なデータ単位ごとに、ビットストリームから獲得することができる。正方形状の基準符号化単位1500に含まれる少なくとも1つの符号化単位が決定される過程は、図3の現在符号化単位300が分割される過程を介して説明し、非正方形状の基準符号化単位1502に含まれる少なくとも1つの符号化単位が決定される過程は、図4の現在符号化単位400または450が分割される過程を介して説明したので、詳細な説明は、省略することにする。
【0199】
一実施形態により、映像復号装置100は、所定条件に基づき、あらかじめ決定される一部データ単位により、基準符号化単位の大きさ及び形態を決定するために、基準符号化単位の大きさ及び形態を識別するためのインデックスを利用することができる。すなわち、受信部(図示せず)は、ビットストリームから、前記多様なデータ単位(例えば、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメント、タイル、タイルグループ、最大符号化単位など)のうち、所定条件(例えば、スライス以下の大きさを有するデータ単位)を満足するデータ単位として、スライス、スライスセグメント、タイル、タイルグループ、最大符号化単位などごとに、基準符号化単位の大きさ及び形態の識別のためのインデックスのみを獲得することができる。映像復号装置100は、インデックスを利用することにより、前記所定条件を満足するデータ単位ごとに、基準データ単位の大きさ及び形態を決定することができる。該基準符号化単位の形態に係わる情報、及び該基準符号化単位の大きさに係わる情報を、相対的に小サイズのデータ単位ごとに、ビットストリームから獲得して利用する場合、ビットストリームの利用効率が良好ではなくなるので、該基準符号化単位の形態に係わる情報、及び基準符号化単位の大きさに係わる情報を直接獲得する代わりに、前記インデックスのみを獲得し、利用することができる。その場合、該基準符号化単位の大きさ及び形態を示すインデックスに対応する基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つは、あらかじめ決定されてもいる。すなわち、映像復号装置100は、既定基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つをインデックスによって選択することにより、インデックス獲得の基準になるデータ単位に含まれる基準符号化単位の大きさ及び形態のうち少なくとも一つを決定することができる。
【0200】
一実施形態により、映像復号装置100は、1つの最大符号化単位に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位を利用することができる。すなわち、映像を分割する最大符号化単位には、少なくとも1つの基準符号化単位が含まれ、それぞれの基準符号化単位の再帰的な分割過程を介し、符号化単位が決定されうる。一実施形態により、最大符号化単位の幅及び高さのうち少なくとも一つは、基準符号化単位の幅及び高さのうち、少なくとも1つの整数倍にも該当する。一実施形態により、基準符号化単位の大きさは、最大符号化単位を、クアッドツリー構造によってn回分割した大きさでもある。すなわち、映像復号装置100は、最大符号化単位を、クアッドツリー構造によってn回分割し、基準符号化単位を決定することができ、多様な実施形態により、基準符号化単位を、ブロック形態情報及び分割形態モード情報のうち少なくとも一つに基づいて分割することができる。
【0201】
図16は、一実施形態により、ピクチャ1600に含まれる基準符号化単位の決定順序を決定する基準になるプロセッシングブロックを図示する。
【0202】
一実施形態により、映像復号装置100は、ピクチャを分割する少なくとも1つのプロセッシングブロックを決定することができる。プロセッシングブロックとは、映像を分割する少なくとも1つの基準符号化単位を含むデータ単位であり、プロセッシングブロックに含まれる少なくとも1つの基準符号化単位は、特定順に決定されうる。すなわち、それぞれのプロセッシングブロックで決定される少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序は、基準符号化単位が決定されうる多様な順序の種類のうち一つに該当し、それぞれのプロセッシングブロックで決定される基準符号化単位決定順序は、プロセッシングブロックごとにも異なる。プロセッシングブロックごとに決定される基準符号化単位の決定順序は、ラスタースキャン(raster scan)、Zスキャン(Z scan)、Nスキャン(N scan)、右上向対角スキャン(up-right diagonal scan)、水平的スキャン(horizontal scan)、垂直的スキャン(vertical scan)のような多様な順序のうち一つでもあるが、決定されうる順序は、前記スキャン順序に限定して解釈されるものではない。
【0203】
一実施形態により、映像復号装置100は、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を獲得し、映像に含まれる少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができる。映像復号装置100は、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を、ビットストリームから獲得し、映像に含まれる少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができる。そのようなプロセッシングブロックの大きさは、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報が示すデータ単位の所定サイズでもある。
【0204】
一実施形態により、映像復号装置100の受信部(図示せず)は、ビットストリームから、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を、特定のデータ単位ごとに獲得することができる。例えば、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報は、映像、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメント、タイル、タイルグループなどのデータ単位に、ビットストリームからも獲得される。すなわち、受信部(図示せず)は、前記多くのデータ単位ごとに、ビットストリームから、プロセッシングブロックの大きさに係わる情報を獲得することができ、映像復号装置100は、獲得されたプロセッシングブロックの大きさに係わる情報を利用し、ピクチャを分割する少なくとも1つのプロセッシングブロックの大きさを決定することができ、そのようなプロセッシングブロックの大きさは、基準符号化単位の整数倍の大きさでもある。
【0205】
一実施形態により、映像復号装置100は、ピクチャ1600に含まれるプロセッシングブロック1602,1612の大きさを決定することができる。例えば、映像復号装置100は、ビットストリームから獲得されたプロセッシングブロックの大きさに係わる情報に基づき、プロセッシングブロックの大きさを決定することができる。図16を参照すれば、映像復号装置100は、一実施形態により、プロセッシングブロック1602,1612の横サイズを、基準符号化単位横サイズの4倍、縦サイズを基準符号化単位の縦サイズの4倍に決定することができる。映像復号装置100は、少なくとも1つのプロセッシングブロック内において、少なくとも1つの基準符号化単位が決定される順序を決定することができる。
【0206】
一実施形態により、映像復号装置100は、プロセッシングブロックの大きさに基づき、ピクチャ1600に含まれるそれぞれのプロセッシングブロック1602,1612を決定することができ、プロセッシングブロック1602,1612に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序を決定することができる。一実施形態により、基準符号化単位の決定は、基準符号化単位の大きさの決定を含んでもよい。
【0207】
一実施形態により、映像復号装置100は、ビットストリームから、少なくとも1つのプロセッシングブロックに含まれる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序に係わる情報を獲得することができ、獲得した決定順序に係わる情報に基づき、少なくとも1つの基準符号化単位が決定される順序を決定することができる。該決定順序に係わる情報は、プロセッシングブロック内において、基準符号化単位が決定される順序または方向とも定義される。すなわち、該基準符号化単位が決定される順序は、それぞれのプロセッシングブロックごとに独立しても決定される。
【0208】
一実施形態により、映像復号装置100は、特定データ単位ごとに、基準符号化単位の決定順序に係わる情報を、ビットストリームから獲得することができる。例えば、受信部(図示せず)は、基準符号化単位の決定順序に係わる情報を、映像、シーケンス、ピクチャ、スライス、スライスセグメント、タイル、タイルグループ、プロセッシングブロックなどのデータ単位ごとに、ビットストリームから獲得することができる。基準符号化単位の決定順序に係わる情報は、プロセッシングブロック内における基準符号化単位決定順序を示すので、該決定順序に係わる情報は、整数個のプロセッシングブロックを含む特定データ単位ごとにも獲得される。
【0209】
映像復号装置100は、一実施形態により、決定された順序に基づき、少なくとも1つの基準符号化単位を決定することができる。
【0210】
一実施形態により、受信部(図示せず)は、ビットストリームから、プロセッシングブロック1602,1612と係わる情報として、基準符号化単位決定順序に係わる情報を獲得することができ、映像復号装置100は、前記プロセッシングブロック1602,1612に含まれた少なくとも1つの基準符号化単位を決定する順序を決定し、符号化単位の決定順序により、ピクチャ1600に含まれる少なくとも1つの基準符号化単位を決定することができる。図16を参照すれば、映像復号装置100は、それぞれのプロセッシングブロック1602,1612と係わる少なくとも1つの基準符号化単位の決定順序1604,1614を決定することができる。例えば、基準符号化単位の決定順序に係わる情報が、プロセッシングブロックごとに獲得される場合、それぞれのプロセッシングブロック1602,1612と係わる基準符号化単位決定順序は、プロセッシングブロックごとにも異なる。プロセッシングブロック1602と係わる基準符号化単位決定順序1604がラスタースキャン(raster scan)順序である場合、プロセッシングブロック1602に含まれる基準符号化単位は、ラスタースキャン順序によっても決定される。それに対し、他のプロセッシングブロック1612と係わる基準符号化単位決定順序1614がラスタースキャン順序の逆順である場合、プロセッシングブロック1612に含まれる基準符号化単位は、ラスタースキャン順序の逆順によっても決定される。
【0211】
映像復号装置100は、一実施形態により、決定された少なくとも1つの基準符号化単位を復号することができる。映像復号装置100は、前述の実施形態を介して決定された基準符号化単位に基づき、映像を復号することができる。基準符号化単位を復号する方法は、映像を復号する多様な方法を含んでもよい。
【0212】
一実施形態により、映像復号装置100は、現在符号化単位の形態を示すブロック形態情報、または現在符号化単位を分割する方法を示す分割形態モード情報を、ビットストリームから獲得して利用することができる。該分割形態モード情報は、多様なデータ単位と係わるビットストリームにも含まれる。例えば、映像復号装置100は、シーケンスパラメータセット(sequence parameter set)、ピクチャパラメータセット(picture parameter set)、ビデオパラメータセット(video parameter set)、スライスヘッダ(slice header)、スライスセグメントヘッダ(slice segment header)、タイルヘッダ(tile header)、タイルグループヘッダ(tile group header)に含まれた分割形態モード情報を利用することができる。さらには、映像復号装置100は、最大符号化単位、基準符号化単位、プロセッシングブロックごとに、ビットストリームから、ブロック形態情報または分割形態モード情報に対応するシンタックスエレメントを、ビットストリームから獲得して利用することができる。
【0213】
以下、本開示の一実施形態による分割規則を決定する方法について詳細に説明する。
【0214】
映像復号装置100は、映像の分割規則を決定することができる。該分割規則は、映像復号装置100及び映像符号化装置150の間において、あらかじめ決定されてもいる。映像復号装置100は、ビットストリームから獲得された情報に基づき、映像の分割規則を決定することができる。映像復号装置100は、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、ビデオパラメータセット、スライスヘッダ、スライスセグメントヘッダ、タイルヘッダ、タイルグループヘッダのうち少なくとも一つから獲得された情報に基づき、分割規則を決定することができる。映像復号装置100は、分割規則を、フレーム、スライス、テンポラルレイヤ(temporal layer)、最大符号化単位または符号化単位によって異なるように決定することができる。
【0215】
映像復号装置100は、符号化単位のブロック形態に基づき、分割規則を決定することができる。ブロック形態は、符号化単位の大きさ、形態、幅と高さとの比率、方向を含んでもよい。映像符号化装置150及び映像復号装置100は、符号化単位のブロック形態に基づき、分割規則を決定することを、あらかじめ決定することができる。しかし、それに限定されるものではない。映像復号装置100は、映像符号化装置150から受信されたビットストリームから獲得された情報に基づき、分割規則を決定することができる。
【0216】
符号化単位の形態は、正方形及び非正方形を含んでもよい。該符号化単位の幅及び高さの大きさが同じである場合、映像復号装置100は、符号化単位の形態を正方形と決定することができる。また、符号化単位の幅及び高さの大きさが同一ではない場合、映像復号装置100は、符号化単位の形態を非正方形と決定することができる。
【0217】
符号化単位の大きさは、4x4、8x4、4x8、8x8、16x4、16x8、…、256x256の多様な大きさを含んでもよい。該符号化単位の大きさは、符号化単位の長辺長、短辺長または広さによっても分類される。映像復号装置100は、同一グループに分類された符号化単位に、同一分割規則を適用することができる。例えば、映像復号装置100は、同一長辺長を有する符号化単位を、同一サイズに分類することができる。また、映像復号装置100は、同一長辺長を有する符号化単位について、同一分割規則を適用することができる。
【0218】
該符号化単位の幅と高さとの比率は、1:2、2:1、1:4、4:1、1:8、8:1、1:16または16:1などを含んでもよい。また、該符号化単位の方向は、水平方向及び垂直方向を含んでもよい。水平方向は、符号化単位の幅の大きさが高さの大きさより大きい場合を示すことができる。垂直方向は、符号化単位の幅の大きさが高さの大きさより小さい場合を示すことができる。
【0219】
映像復号装置100は、符号化単位の大きさに基づき、分割規則を適応的に決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位の大きさに基づき、許容可能な分割形態モードを異なるように決定することができる。例えば、映像復号装置100は、符号化単位の大きさに基づき、分割が許容されるか否かということを決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位の大きさにより、分割方向を決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位の大きさにより、許容可能な分割タイプを決定することができる。
【0220】
符号化単位の大きさに基づき、分割規則を決定することは、映像符号化装置150と映像復号装置100との間において、既定分割規則でもある。また、映像復号装置100は、ビットストリームから獲得された情報に基づき、分割規則を決定することができる。
【0221】
映像復号装置100は、符号化単位の位置に基づき、分割規則を適応的に決定することができる。映像復号装置100は、符号化単位が映像で占める位置に基づき、分割規則を適応的に決定することができる。
【0222】
また、映像復号装置100は、互いに異なる分割経路に生成された符号化単位が、同一ブロック形態を有さないように分割規則を決定することができる。ただし、それに限定されるものではなく、互いに異なる分割経路に生成された符号化単位は、同一ブロック形態を有することができる。互いに異なる分割経路に生成された符号化単位は、互いに異なる復号処理順序を有することができる。復号処理順序については、図12と共に説明したので、詳細な説明は、省略する。
【0223】
以下、図17ないし図31を参照し、本明細書で開示された多様な実施形態により、ブロック形態により、適応的にイントラ予測モード候補を構成し、イントラ予測モード候補を利用し、イントラ予測を行う過程について詳細に説明する。多様な実施形態によるイントラ予測過程は、図1Aの映像復号装置100の復号部120、及び図2Aの映像符号化装置150の符号化部155によっても遂行される。具体的には、多様な実施形態によるイントラ予測過程は、図1Cの復号部6000のイントラ予測部6400、及び図2Cの符号化部7000のイントラ予測部7200においても遂行される。
【0224】
図17は、一実施形態による、イントラ予測モードを示した図面であり、図18は、他の実施形態によるイントラ予測モードを示した図面である。
【0225】
多様な実施形態によるイントラ予測モードは、Planarモード及びDCモードのように、方向性を有さない非方向性性(non-angular)イントラ予測モードと、方向性を有する方向性(angular)イントラ予測モードと、を含んでもよい。
【0226】
図17及び図18を参照すれば、方向性イントラ予測モードは、45°と-135°との方向を基準に、-135°~-180°と45°~180°との範囲で特定方向を示すイントラ予測モードを含む。
【0227】
以下の説明において、第1,2四分面(quadrant)上の方向を示す0~180°範囲の予測方向の角度は、+で表現され、第3,4内分面上の方向を示す-180~0°範囲の予測方向の角度は、-で表現されうる。第3,4内分面上の方向を示す所定角度-a(aは、正の実数である)は、(360-a)°と同一方向を示す。例えば、-135°方向は、225°方向と同一方向であり、-180°方向は、180°方向と同一方向である。
【0228】
図17及び図18に図示された矢印方向が示す予測方向は、現在ブロックのイントラ予測される現在ピクセルを基準に、イントラ予測に利用される周辺ピクセルの方向を示す。また、図17及び図18に図示された数字は、イントラ予測方向によるイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)を例示したものである。非方向性イントラ予測モードであるPlanarモードについては、predModeIntraの値が0に設定され、DCモードについては、predModeIntraの値が1にも設定される。
【0229】
図17を参照すれば、一実施形態による方向性イントラ予測モードは、45°と-135°との間を33個に分割した33個のイントラ予測モードを含んでもよい。33個の方向性イントラ予測モードは、-135°方向から時計回り方向(clockwise)に、2~34までのpredModeIntraの値を順次に有することができる。
【0230】
図18を参照すれば、一実施形態による方向性イントラ予測モードは、45°と-135°との方向を基準に、-135°~-180°と45°~180°との間を65個に分割した65個のイントラ予測モードを含んでもよい。65個の方向性イントラ予測モードは、-135°方向から時計回り方向に、2~66までのpredModeIntraの値を順次に有することができる。該イントラ予測モードが有するpreModeIntraの値は、図17及び図18に図示されたところに限定されるものではなく、変更されうる。例えば、45°方向から時計回り方向に、方向性イントラ予測モードの個数は、33個や65個に限定されるものではなく、変更され、方向性イントラ予測モードが有するpredModeIntraの値は、45°方向から反時計回り方向(counterclockwise)に順次に設定することができ、設定されるpredModeIntraの値も、変更されうる。それに限定されるものではなく、方向性イントラ予測モードは、任意のA°(Aは、実数である)からB°(Bは、実数である)の範囲内の特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードを含んでもよい。
【0231】
ピクチャを構成するカラー成分により、映像は、ルマ成分のみを含むモノクロム(monochrome)映像、1つのルマ成分と、2個のクロマ成分とを含む映像(YCbCrまたはYCgCo)、RGB映像などにも分類される。1つのルマ成分と、2個のクロマ成分とを含む映像は、ルマ成分とクロマ成分とのサンプリング比により、4:4:4フォーマット映像、4:2:2フォーマット映像及び4:2:0フォーマット映像などにもで分類される。
【0232】
4:4:4フォーマット映像は、ルマ成分とクロマ成分とのサンプリング比が同じである。すなわち、ルマ成分ブロックの大きさが2Nx2N(Nは、整数である)である場合、対応するクロマ成分ブロックの大きさも、2Nx2Nである。
【0233】
4:2:2フォーマット映像は、垂直方向における、ルマ成分とクロマ成分とのサンプリング比が同一であるが、水平方向におけるクロマ成分のサンプリング比は、ルマ成分のサンプリング比の1/2である。すなわち、ルマ成分ブロックの大きさが2Nx2Nである場合、対応するクロマ成分ブロックの大きさは、Nx2Nである。
【0234】
4:2:0フォーマット映像は、2つのクロマ成分間のサンプリング比が、ルマ成分のサンプリング比の半分である。すなわち、ルマ成分ブロックの大きさが2Nx2Nである場合、対応するクロマ成分ブロックの大きさは、NxNである。
【0235】
図19は、一実施形態による4:2:2フォーマットによる、ルマ(luma)サンプル位置とクロマ(chroma)サンプル位置とを示す。
【0236】
図19を参照すれば、前述のように、4:2:2フォーマット映像は、垂直方向における、ルマ成分とクロマ成分とのサンプリング比が同じであるが、水平方向におけるクロマ成分のサンプリング比は、ルマ成分のサンプリング比の1/2である。すなわち、2個の水平方向のルマ成分ごとに、1個のクロマ成分だけがサンプリングされる。従って、4:2:2フォーマット映像は、垂直方向における、ルマ成分とクロマ成分との解像度が同じである、水平方向におけるクロマ成分の解像度は、ルマ成分の1/2になる。ルマ成分ブロックの大きさが2Nx2Nである場合、対応するクロマ成分ブロックの大きさは、Nx2Nである。
【0237】
前述の図17及び図18のイントラ予測モードは、正方形状を考慮して設定されたものである。しかし、図3ないし図5で説明したように、一実施形態によれば、符号化単位、予測単位、変換単位のようなデータ単位は、正方形状だけではなく、非正方形状を有することができる。また、4:2:2フォーマットによれば、ルマ成分が正方形状を有しても、対応するクロマ(chroma)成分のブロックは、非正方形状を有する。
【0238】
従って、多様な実施形態によれば、現在ブロックが非正方形状を有する場合、現在ブロックの形態に適応的にイントラ予測モード候補を構成し、適応的に構成されたイントラ予測モード候補を適用してイントラ予測を行う。
【0239】
図23は、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを、幅が高さより大きい現在ブロックに適用したとき、イントラ予測モードの予測方向による周辺ピクセルの位置を示した参照図であり、図24は、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを、高さが幅より大きい現在ブロックに適用したとき、イントラ予測モードの予測方向による周辺ピクセルの位置を示した参照図である。
【0240】
図23を参照すれば、現在ブロックは、幅Wが8であり、高さHが4である8x4の非正方形状を有するブロックである。イントラ予測される現在ピクセルA 2310に、-135°が示す方向に近いイントラ予測モード2314を適用する場合、現在ピクセルA 2310は、周辺ピクセルL2311の値に予測され、周辺ピクセルL2311より、現在ピクセルA 2310と空間的にさらに近く、イントラ予測モード2314の反対方向2315が示す周辺ピクセルT 2312は、現在ピクセルA 2310のイントラ予測に利用されない。そのような反対方向2315は、正方形状のブロックに適用される-135°~45°間で設定されたイントラ予測モードの予測方向には、含まれていない方向である。
【0241】
図24を参照すれば、現在ブロックは、幅Wが4であり、高さHが8である4x8の非正方形状を有するブロックである。現在ブロックのイントラ予測される現在ピクセルA 2410に45°に近いイントラ予測モード2413を適用する場合、現在ピクセルA 2410は、周辺ピクセルT 2411の値に予測され、周辺ピクセルT 2411より、現在ピクセルA 2410と空間的にさらに近く、イントラ予測モード2413の反対方向2414が示す周辺ピクセルL 2412は、現在ピクセルA 2410のイントラ予測に利用されない。そのような反対方向2414も、正方形状のブロックに適用される-135°~45°間の予測方向には、含まれていない方向である。
【0242】
正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードによる-135°~45°間の予測方向は、上側及び左側の周辺サンプルを均等に示す。従って、正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードが、非正方形状、すなわち、長方形状のブロックに適用される場合、近いサンプルの代わりに、空間的に遠い位置の参照サンプルが、現在ピクセルの予測値に利用される。そのように、正方形状のブロックに適用されたイントラ予測モードは、幅及び高さのうち、さらに長い長さを有する方向の周辺サンプルを十分に示すことができない。例えば、正方形ブロックに適用される45°と-135°との方向を基準に、-135°~-180°と45°~180°との間の方向を示すイントラ予測モードは、0°~45°間の予測方向を含まないので、前述の図23のように、幅が高さより大きい現在ブロックにおいて、現在ピクセルを基準に、0°~45°方向に位置した右上側周辺ピクセルを十分に示すことができない。また、正方形ブロックに適用される45°と-135°との方向を基準に、-135°~-180°と45°~180°との間の方向を示すイントラ予測モードは、-90°~-135°間の予測方向を含まないので、前述の図24のように、高さが幅より大きい現在ブロックにおいて、現在ピクセルを基準に、-90°~-135°方向に位置した左下側方向の周辺ピクセルを十分に示すことができない。従って、正方形状のブロックに適用されたイントラ予測モードを、非正方形状のブロックに適用する場合、イントラ予測効率が低下してしまう。
【0243】
そのような問題点を解決するために、多様な実施形態は、現在ブロックが非正方形状を有する場合、正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードを適応的に変更し、非正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードを構成することができる。
【0244】
以下、図20Aないし図20C、並びに図21及び図22を参照し、一実施形態により、現在ブロックの形態に基づき、適応的にイントラ予測モード候補を構成する過程について説明する。
【0245】
図20Aは、一実施形態により、正方形状の現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補を図示する。現在ブロック2010が、幅と高さとが同一である正方形状を有する場合、45°と-135°との方向を基準に、-135°~-180°と45°~180°との範囲の方向を示す所定個数のイントラ予測モードが、現在ブロック2010のイントラ予測モード時に適用されうる。以下、正方形状のブロックに適用可能なイントラ予測モードの集合は、第1イントラ予測モード候補とも称される。
【0246】
図20Bは、一実施形態により、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを変更し、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0247】
図20Bの上側は、正方形ブロックに適用される第1イントラ予測モード候補を、長方形状の現在ブロック2015にそのまま適用した場合を図示する。図20Bの上側を参照すれば、第1イントラ予測モード候補に含まれた左下側方向及び左下側方向と近い方向を示す所定個数のイントラ予測モード2011,2012は、空間的に遠い位置の周辺ピクセルを示すことになる。また、第1イントラ予測モード候補が、長方形状の現在ブロック2015にそのまま適用されれば、第1イントラ予測モード候補は、高さより大きい幅方向の周辺ピクセルを十分に示すことができない。すなわち、第1イントラ予測モード候補によれば、幅が高さより大きい長方形状の現在ブロック2015の右上側に位置した周辺ピクセルは、参照ピクセルに利用されない。
【0248】
従って、一実施形態によれば、現在ブロック2015の幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モード2011,2012の代わりに、図20Bの下側に図示されているように、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モード2021,2022が、現在ブロック2015の第2イントラ予測モード候補に含まれうる。以下、非正方形状のブロックに適用可能なイントラ予測モードの集合は、第2イントラ予測モード候補とも称される。
【0249】
図20Cは、一実施形態により、正方形ブロックに適用されるイントラ予測モードを変更し、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0250】
図20Cの上側は、第1イントラ予測モード候補を、長方形状の現在ブロック2030にそのまま適用した場合を図示する。図20Cの上側を参照すれば、第1イントラ予測モード候補に含まれた右上側方向及び右上側方向と近い方向を示す所定個数のイントラ予測モード2031,2032は、空間的に遠い位置の周辺ピクセルを示すことになる。また、第1イントラ予測モード候補が、長方形状の現在ブロック2030にそのまま適用されれば、第1イントラ予測モード候補は、幅より大きい高さ方向の周辺ピクセルを十分に示すことができない。すなわち、第1イントラ予測モード候補によれば、高さが幅より大きい長方形状の現在ブロック2030の左下側に位置した周辺ピクセルは、参照ピクセルに利用されない。
【0251】
従って、一実施形態によれば、現在ブロック2030の高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モード2031,2032の代わりに、図20Cの下側に図示されているように、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードが示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モード2041,2042が、現在ブロック2030の第2イントラ予測モード候補に含まれうる。
【0252】
図21は、一実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0253】
図21を参照すれば、正方形状のブロック2100に適用される-135°~-180°と45°~180°との方向の第1イントラ予測モード候補のうち、非正方形状のブロック2110に適用される第2イントラ予測モード候補から除かれるイントラ予測モードは、-135°の左下側方向を基準に、-135°と近い方向を示す順序にも選択される。図21を参照すれば、非正方形状のブロック2110の中心から、左下側頂点を示す方向2111と、非正方形状のブロック2110の中心から左下側頂点を外れた-135°方向2112との間の方向を示すイントラ予測モードのうち、所定個数のイントラ予測モード2112,2113が、第2イントラ予測モード候補からも除かれる。第1イントラ予測モード候補のうち、非正方形状のブロック2110から除かれるイントラ予測モードの個数は、既設定の全体方向性イントラ予測モードの個数を考慮しても変更される。
【0254】
第2イントラ予測モード候補から除かれたイントラ予測モード2112,2113の代わりに、第1イントラ予測モード候補が示すことができなかった方向を示すイントラ予測モード2122,2123が第2イントラ予測モード候補にも含まれる。第1イントラ予測モード候補が示すことができなかった方向は、0°~45°間の方向でもある。第2イントラ予測モード候補に新たに加えられるイントラ予測モード2122,21231は、第1イントラ予測モード候補から除かれるイントラ予測モード2112,2113の方向と正反対の方向、すなわち、180°反転された方向を基準にも選択される。
【0255】
図22は、一実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0256】
図22を参照すれば、正方形状のブロック2200に適用される-135°~-180°と45°~180°との方向、すなわち、45°~225°方向の第1イントラ予測モード候補のうち、非正方形状のブロック2210に適用される第2イントラ予測モード候補から除かれるイントラ予測モードは、45°の右上側方向を基準に、45°と近い方向を示す順序にも選択される。図22を参照すれば、非正方形状のブロック2210の中心から右上側頂点を示す方向2211と、非正方形状のブロック2210の中心から右上側頂点を外れた45°方向2212との間の方向を示すイントラ予測モードのうち、所定個数のイントラ予測モード2212,2213が第2イントラ予測モード候補からも除かれる。第1イントラ予測モード候補のうち、非正方形状のブロック2210から除かれるイントラ予測モードの個数は、既設定の全体方向性イントラ予測モードの個数を考慮しても変更される。
【0257】
第2イントラ予測モード候補から除かれたイントラ予測モード2212,2213の代わりに、第1イントラ予測モード候補が示すことができなかった方向を示すイントラ予測モード2222,2223が第2イントラ予測モード候補にも含まれる。
【0258】
第1イントラ予測モード候補が示すことができなかった方向は、-90°~-135°間の方向でもある。第2イントラ予測モード候補に新たに加えられるイントラ予測モード2222,2223は、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モード2212,2213の方向と正反対の方向、すなわち、180°反対方向を基準にも選択される。
【0259】
また、第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの幅と高さとの比率によって既設定である複数個イントラ予測モードを含んでもよい。例えば、現在ブロックの幅と高さとの比率が、1:n、n:1(nは、正の整数である)である場合、nの値による幅と高さとの比率に基づき、現在ブロックの中心から左下側頂点を示す第1イントラ予測方向と、現在ブロックの中心から右上側頂点を示す第2イントラ予測方向とを基準に、現在ブロックの幅と高さとの比率により、第1イントラ予測方向と第2イントラ予測方向との間の既設定の特定方向を示すイントラ予測モードが、第2イントラ予測モード候補にも含まれる。
【0260】
図25Aは、他の実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示し、図25Bは、他の実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0261】
現在ブロックのイントラ予測モードは、現在ブロックの形態と統計的に係わる場合がある。例えば、水平方向の縞模様を含む映像のように、水平成分が強い映像の場合、RD(rate-distortion)コストに基づいて決定されるブロック形態が幅が高さより大きい平らな(flat)長方形状が決定され、イントラ予測モードも、水平方向または水平方向と近い方向を示すイントラ予測モードが決定される場合がある。反対に、垂直方向の縞模様を含む映像のように、垂直成分が強い映像の場合、高さが幅より大きい長方形状が決定され、イントラ予測モードも、垂直方向または垂直方向と近い方向を示すイントラ予測モードが決定される場合がある。
【0262】
従って、他の実施形態による非正方形状の現在ブロックに適用される前記第2イントラ予測モード候補は、幅及び高さのうち、短い長さを指す予測方向をさらに詰めて設定することができる。例えば、図25Aのように、現在ブロック2010の幅が高さより大きい非正方形状を有する場合、第2イントラ予測モード候補は、第1イントラ予測モード候補に付加し、水平方向に近い方向を示すイントラ予測モード2511,2512をさらに含んでもよい。また、図25Bのように、現在ブロック2520の高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第2イントラ予測モード候補は、第1イントラ予測モード候補に付加し、垂直方向に近い方向を示すイントラ予測モード2521,2522をさらに含んでもよい。
【0263】
図26Aは、多様な実施形態により、ブロックに適用されるイントラ予測モードを、水平パートと垂直パートとに分類する方式を示す。
【0264】
図26Aを参照すれば、正方形状のブロック2600に適用されるイントラ予測モードは、右上側頂点を示す45°方向の第1イントラ予測モード2601、135°方向の第2イントラ予測モード2603、及び-135°方向の第3イントラ予測モード2602を基準に、45°方向と135°方向との間の角度を分割して構成された垂直パートイントラ予測モードと、135°~180°方向及び-135°~-180°方向、すなわち、135°方向と225°方向との間の角度を分割して構成された水平パートイントラ予測モードと、を含む。垂直パートイントラ予測モードは、45°方向と135°方向との間の角度を分割した方向を示すイントラ予測モードを含んでもよい。例えば、45°方向と135°方向とを2分割した90°方向のイントラ予測モード、45°と90°との方向の間を2分割したイントラ予測モード、及び90°と135°との方向とを2分割したイントラ予測モードが順次に垂直パートイントラ予測モードにも含まれる。そのように、45°方向と135°方向との間の角度を順次に分割し、垂直パートイントラ予測モードが構成されうる。全体イントラ予測モードの個数を考慮し、45°方向と135°方向との間の角度を分割する回数が決定されうる。
【0265】
同様に、水平パートイントラ予測モードは、135°~180°方向及び-135°~-180°方向、すなわち、135°方向と225°方向との間の角度を分割した方向を示すイントラ予測モードを含んでもよい。例えば、-135°方向と135°方向との間を2分割した180°(-180°)方向のイントラ予測モード、135°と180°との方向を2分割したイントラ予測モード、及び-135°と-180°との方向を2分割したイントラ予測モードが、順次に水平パートイントラ予測モードにも含まれる。そのように、135°~180°方向及び-135°~-180°方向、すなわち、135°方向と225°方向との間の角度を順次に分割し、水平パートイントラ予測モードが構成されうる。全体イントラ予測モードの個数を考慮し、-135°方向と135°方向との間の角度を分割する回数が決定されうる。特に、正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モードの場合、垂直パートイントラ予測モードの個数と、水平パートイントラ予測モードの個数とが同一にも設定される。
【0266】
図26Bは、他の実施形態により、幅が高さより大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示し、図26Cは、さらに他の実施形態により、高さが幅より大きい現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを構成する方式を示す。
【0267】
図26Bを参照すれば、幅が高さより大きい現在ブロック2610に適用される第2イントラ予測モード候補は、現在ブロック2610の中心から、右上側頂点方向2611を示すイントラ予測モード、現在ブロック2610の中心から、左上側頂点方向2613を示すイントラ予測モード、及び現在ブロック2610の中心から、左下側頂点方向2612を示すイントラ予測モードを基準に、右上側頂点方向2611と左上側頂点方向2613との間の角度を順次に2分割して構成された垂直パートイントラ予測モード2614,2615,2616と、左上側頂点方向2613と左下側頂点方向2612との間の角度を順次に2分割して構成された水平パートイントラ予測モード2617,2618,2619とを含んでもよい。
【0268】
全体イントラ予測モードの個数を考慮し、右上側頂点方向2611と左上側頂点方向2613との間の角度を分割する回数、及び左上側頂点方向2613と左下側頂点方向2612との間の角度を分割する回数が決定されうる。前述の図25Aのように、幅が高さより大きい現在ブロック2610に適用される第2イントラ予測モード候補は、水平パートイントラ予測モードの個数が、垂直パートイントラ予測モードの個数よりも多く設定される。
【0269】
図26Cを参照すれば、高さが幅より大きい現在ブロック2620に適用される第2イントラ予測モード候補は、現在ブロック2620の中心から、右上側頂点方向2621を示すイントラ予測モード、現在ブロック2620の中心から、左上側頂点方向2623を示すイントラ予測モード、及び現在ブロック2620の中心から、左下側頂点方向2622を示すイントラ予測モードを基準に、右上側頂点方向2621と左上側頂点方向2623との間の角度を順次に2分割して構成された垂直パートイントラ予測モード2624,2625,2626と、左上側頂点方向2623と左下側頂点方向2622との間の角度を順次に2分割して構成された水平パートイントラ予測モード2627,2628,2629とを含んでもよい。
【0270】
全体イントラ予測モードの個数を考慮し、右上側頂点方向2621と左上側頂点方向2623との間の角度を分割する回数、及び左上側頂点方向2623と左下側頂点方向2622との間の角度を分割する回数が決定されうる。前述の図25Bのように、高さが幅より大きい現在ブロック2620に適用される第2イントラ予測モード候補は、垂直パートイントラ予測モードの個数が水平パートイントラ予測モードの個数より多くも設定される。
【0271】
また、多様な実施形態によれば、一般的に、水平方向、垂直方向のイントラ予測モードが、ブロックのイントラ予測モードで多く決定されるので、水平方向、垂直方向をより詰めて示すようにイントラ予測モードが設定されうる。
【0272】
図27は、一実施形態による、イントラ予測モードインデックス(predModeIntra)と、イントラ予測モードによる角度パラメータ(IntraPredAngle)とのマッピング関係を示したルックアップテーブルであり、図28は、他の実施形態によるイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)と、イントラ予測モードによる角度パラメータ(IntraPredAngle)とのマッピング関係を示したルックアップテーブルである。
【0273】
前述の多様な実施形態によるイントラ予測モードの特定方向は、90°方向の垂直方向、180°方向の水平方向を除き、イントラ予測モードインデックス(predModeIntra)による特定方向に係わる角度パラメータ(IntraPredAngle)を利用しても表現される。例えば、水平パートイントラ予測モードの方向は、水平方向の固定数と、垂直方向の角度パラメータ(intraPredAngle)とを利用し、tan-1(intraPredAngle/固定数)の方向を有し、垂直パートイントラ予測モードの方向は、水平方向の角度パラメータ(intraPredAngle)と、垂直方向の固定数とを利用し、tan-1(固定数/intraPredAngle)の方向を有することができる。ここで、該固定数は、2の指数乗であることが望ましい。例えば、該固定数は、32、64、128のうち一つでもある。
【0274】
図29は、一実施形態によるイントラ予測モード方向に係わる角度パラメータ(IntraPredAngle)について説明するための参照図である。
【0275】
イントラ予測モードによる予測方向は、水平方向の固定数、及び垂直方向の角度パラメータ(intraPredAngle)で示されるか、あるいは水平方向の角度パラメータ(intraPredAngle)、及び垂直方向の固定数によっても示される。例えば、図29を参照すれば、現在ピクセル2910を中心に、特定方向2912は、水平方向の角度パラメータ(intraPredAngle)、垂直方向の固定数32を利用し、tan-1(32/intraPredAngle)(°)または(90-tan-1(32/intraPredAngle)(°)の角度を有する。
【0276】
イントラ予測時、固定数と角度パラメータ(intraPredAngle)とを利用し、周辺ピクセルが決定されうる。
【0277】
現在ピクセル2910を中心に、特定方向2911が示す周辺ピクセル2911を決定する過程について説明する。現在ピクセル2910と周辺ピクセル2911とが垂直方向の位置差は、y+1であり、水平方向の位置差は、nであると仮定する。その場合、三角関数に基づき、(y+1):n=32:intraPredAngleである比例関係が成立する。そのような比例関係から、n=(y+1)*intraPredAngle/32が誘導されることができる。n=(y+1)*intraPredAngle/32演算は、n=(y+1)*intraPredAngle>>5のように、ビット演算を介しても行われる。そのように、現在ブロックの大きさ、現在ピクセル2910の位置を知っている状態で、intraPredAngleを利用し、周辺ピクセルの位置が決定されうる。
【0278】
(y+1)*intraPredAngleの値が32の倍数である場合、pは、整数位置の周辺ピクセルを示すことになり、(y+1)*intraPredAngleが32の倍数ではない場合、intraPredAngleによる特定方向が、2つの周辺ピクセル(k及びk+1)間を示す。intraPredAngleによる特定方向が、2つの周辺ピクセル(k及びk+1)間を示す場合、2つの周辺ピクセル(k及びk+1)の加重平均値を、現在ピクセル2910の予測値として利用することができる。
【0279】
イントラ予測は、特定方向による周辺ピクセルを、現在ピクセル2910の参照ピクセル、すなわち、予測値として利用するのである。水平方向または垂直方向の固定数を前提にするとき、角度パラメータ(intraPredAngle)の1つのパラメータを利用し、方向性イントラ予測モードによる方向が示されうる。従って、前述の図27及び図28のように、イントラ予測モードのイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)により、対応する方向性イントラ予測モードの特定方向を示す角度パラメータ(IntraPredAngle)が、ルックアップテーブル形態にあらかじめ設定されうる。
【0280】
一方、第1イントラ予測モード候補に含まれたイントラ予測モードのうち、非正方形状のブロック適用時に代替されるイントラ予測モードを示すイントラ予測モードインデックス(predModeIntra)の値を、A(Aは、整数である)と仮定する。代替される第1イントラ予測モード候補の代わりに、第2イントラ予測モード候補に含まれるイントラ予測モードを示すイントラ予測モードインデックスの値は、Aに、所定値a(aは、整数である)を加えるか、あるいは減算した値を有することができる。また、A+aまたはA-aの値を有するpredModeIntraに代替される第2イントラ予測モード候補の特定方向を示す(IntraPredAngle)の値が設定されうる。例えば、図28を参照すれば、第1イントラ予測モード候補に含まれたpredModeIntraの値が2であるイントラ予測モードは、intraPredAngleが32であり、左下側の-135°方向を示すイントラ予測モードである。もし非正方形状でありながら、幅が高さより大きいブロックの場合、-135°方向近辺のイントラ予測モードは、代替されうる。その場合、predModeIntraに所定値65を加えた値である67を、非正方形状のブロックのpredModeIntra値に決定し、predModeIntraが67である場合、(IntraPredAngle)の値を35に割り当てることにより、第2イントラ予測モード候補を示すことができる。言い替えれば、非正方形状のブロックにつき、既存predModeIntraが示すintraPredAngleの代わりに、PredModeIntra+aまたはPredModeIntra-aに代替する第2イントラ予測モード候補による特定方向を示す(IntraPredAngle)値が設定されうる。
【0281】
また、他の実施形態によれば、第2イントラ予測モード候補は、現在ブロックの幅と高さとの比率によって既設定である複数個イントラ予測モードを含んでもよい。現在ブロックの幅と高さとの比率が1:n、n:1(nは、正の整数である)である場合、nの値による幅と高さとの比率に基づき、既設定の特定方向を示すイントラ予測モードが第2イントラ予測モード候補にも含まれる。
【0282】
また、さらに他の実施形態によれば、ルマ成分とクロマ成分とがそれぞれ互いに独立した形態のデータ単位に分割される場合、ルマ成分とクロマ成分とのブロックそれぞれの形態と比率とに基づき、ルマ成分のブロックに適用されるイントラ予測モード候補と、クロマ成分のブロックに適用されるイントラ予測モード候補とが独立しても決定される。
【0283】
図30は、方向性イントラ予測モードに必要な参照サンプルの決定方法を示す。
【0284】
第1実施形態3120は、上側行のブロックと、左側ブロックとが復元された場合、イントラ予測に使用される参照サンプル3102,3106,3108,3110を示す。第1実施形態3120の場合、復元された上側ブロックの参照サンプル3102,3106)と、復元された左側ブロックの参照サンプル3108とがイントラ予測に使用されうる。左下側ブロックの参照サンプル3110は、左下側ブロックが復元された場合だけに使用するか、あるいは復元された左側ブロックの参照サンプルをコピーしても使用される。参照サンプル3102,3106,3108,3110を使用するために、第1イントラ予測方向グループ3125に含まれた予測方向が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。
【0285】
第2実施形態3130は、上側行のブロックと右側ブロックとが復元された場合、イントラ予測に使用される参照サンプル3102,3104,3112,3114を示す。第2実施形態3130の場合、復元された上側ブロックの参照サンプル3102,3104と、復元された右側ブロックの参照サンプル3112とがイントラ予測に使用されうる。右上側ブロックの参照サンプル3114は、右上側ブロックが復元された場合だけに使用するか、あるいは復元された右側ブロックの参照サンプルをコピーしても使用される。参照サンプル3102,3104,3112,3114を使用するために、第2イントラ予測方向グループ3135に含まれた予測方向が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。
【0286】
第3実施形態3140は、上側ブロック、右側ブロック及び左側ブロックが復元された場合、イントラ予測に使用される参照サンプル3102,3108,3112を示す。第3実施形態3140の場合、上側ブロックの参照サンプル3102、左側ブロックの参照サンプル3108、及び右側ブロックの参照サンプル3112がイントラ予測にも使用される。第3イントラ予測方向グループ3145に含まれた予測方向が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。
【0287】
第1実施形態3120と第2実施形態3130とによれば、左下側ブロックの参照サンプル3110と、右上側ブロックの参照サンプル3114とを使用することができない場合、予測の正確性が低下してしまう。しかし、第3実施形態3140の場合、使用される参照サンプル3102,3108,3112が、いずれも現在ブロックに隣接するので、予測正確度が異なる実施形態に比べ、相対的に高いのである。
【0288】
第4実施形態3150は、上側行のブロックだけが復元された場合、イントラ予測に使用される参照サンプル3102,3104,3106を示す。第4実施形態3150の場合、復元された上側ブロックの参照サンプル3102,3104,3106だけがイントラ予測にも使用される。第4イントラ予測方向グループ3155に含まれた予測方向が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。
【0289】
第4実施形態3150においては、第3実施形態と異なるように、現在ブロックと隣接する参照サンプルが、上側ブロックの参照サンプル3102しかない。また、参照サンプル3104,3106は、現在ブロックから空間的に離れており、他の実施形態3120,3130,3140に比べ、予測正確度が低くなる。従って、第4実施形態3150に使用されるイントラ予測方法は、現在ブロック3100と隣接した上側ブロックの参照サンプル3102を利用する垂直モードまたは、該垂直モードと隣接した方向の方向性予測モードであることが望ましい。
【0290】
Z符号化順序においては、第1実施形態3120によるイントラ予測方法が使用されるが、2個の左右に隣接したブロックの符号化順序がスワッピングされた場合、まず、右側ブロックが、第4実施形態3150によるイントラ予測方法によっても予測される。そして、右側ブロックが復元された後、左側ブロックが、第3実施形態3140によるイントラ予測方法によって予測されることにより、左側ブロックが復元されうる。
【0291】
そのように、本実施形態によれば、処理順序の変更により、参照サンプルの位置が変更される場合、参照サンプルの位置により、適応的にイントラ予測モードを再構成することができる。例えば、第2実施形態3130のように、上側行のブロックと、右側ブロックとが復元された場合、第2イントラ予測方向グループ3135に含まれた予測方向のように、-135°~-180°と45°~180°との範囲で特定方向を示すイントラ予測モード候補が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。また、第3実施形態3140のように、上側ブロック、右側ブロック及び左側ブロックが復元された場合、第3イントラ予測方向グループ3145に含まれた予測方向のように、0°~180°範囲の方向を示すイントラ予測モード候補が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。また、第4実施形態3150のように、現在ブロックと隣接する上側ブロックの参照サンプル3102だけが利用可能である場合、垂直パートイントラ予測モード、例えば、45°~135°範囲の方向を示すイントラ予測モード候補が、現在ブロック3100のイントラ予測にも使用される。
【0292】
また、本実施形態によれば、前述のように、現在ブロック3100が幅が高さより大きい非正方形状である場合、正方形状に適用された左下側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、右上側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードが利用されうる。また、現在ブロック3100の高さが幅より大きい非正方形状を有する場合、第1イントラ予測モード候補のうち、右上側方向を基準に選択された所定個数のイントラ予測モードの代わりに、第1イントラ予測モード候補が示す方向以外の左下側方向を基準に設定された特定方向を示す所定個数のイントラ予測モードが利用されうる。
【0293】
また、本実施形態によれば、非正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モード候補を再構成するか否かということは、現在ブロックの周辺ピクセルの利用可能性(availability)に基づいても決定される。ここで、該利用可能性とは、周辺ピクセルが、現在ブロックと異なるスライスまたは異なるタイルに含まれるか、あるいは周辺ピクセルがインター予測されたブロックに含まれたピクセルであるかということによっても決定される。例えば、周辺ピクセルが現在ブロックと異なるスライスまたは異なるタイルに含まれるか、あるいは周辺ピクセルがインター予測されたブロックに含まれたピクセルである場合、当該周辺ピクセルは、利用可能ではない周辺ピクセルとも決定される。
【0294】
本実施形態によれば、現在ブロックの幅が高さより大きい場合、右上側に位置した周辺ピクセルが利用可能ではなければ、正方形状のブロックに適用される第1イントラ予測モード候補を、そのまま非正方形状の現在ブロックに適用し、右上側に位置した周辺ピクセルが利用可能である場合、正方形状のブロックに適用される第1イントラ予測モード候補を再構成した第2イントラ予測モード候補を利用し、非正方形状の現在ブロックに係わるイントラ予測を行うことができる。
【0295】
また、本実施形態によれば、現在ブロックの高さが幅より大きい場合、左下側に位置した周辺ピクセルが利用可能ではなければ、正方形状のブロックに適用される第1イントラ予測モード候補を、そのまま非正方形状の現在ブロックに適用し、左下側に位置した周辺ピクセルが利用可能である場合、正方形状のブロックに適用される第1イントラ予測モード候補を再構成した第2イントラ予測モード候補を利用し、非正方形状の現在ブロックに係わるイントラ予測を行うことができる。
【0296】
また、他の実施形態によれば、非正方形状のブロックに適用されるイントラ予測モード候補を再構成するか否かということは、別途のフラグ情報を介してもシグナリングされる。
【0297】
図31は、MPM適用時、周辺ブロックのイントラ予測モードを決定する方式について説明するための図面である。
【0298】
一般的に、現在ブロックと周辺ブロックは、類似した映像特性を有する可能性が高い。従って、MPMは、現在ブロックのイントラ予測モードとして、可能性が高いイントラ予測モード候補を示すことにより、現在ブロックの上側及び左側の周辺ブロックの予測モードを利用して決定されうる。
【0299】
図31を参照すれば、現在ブロック3100の上側に隣接する上側周辺ブロック3110、及び現在ブロック3100の左側に隣接する左側周辺ブロック3120のイントラ予測モードが、それぞれ垂直モード及び水平モードである場合、現在ブロックのMPMモードが、垂直モード及び水平モードに決定され、さらなるモードセットは、垂直モードと水平モードとの間のモードのうち、MPMモードと関連性が高く、MPMモードに近いモードによっても構成される。例えば、さらなるモードセットは、垂直モードのイントラ予測モードインデックスから、1ほど増加されたインデックスのイントラ予測モード、垂直モードのイントラ予測モードインデックスから、2ほど増加されたインデックスのイントラ予測モード、水平モードのイントラ予測モードインデックスから、2ほど減少されたインデックスのイントラ予測モード、水平モードのイントラ予測モードインデックスから、1ほど減少されたインデックスのイントラ予測モード、垂直モードと水平モードとのそれぞれのイントラ予測モードインデックスを平均して四捨五入したインデックスのイントラ予測モードなどによっても構成される。
【0300】
一実施形態により、さらなるモードセットは、イントラ予測モードの個数、またはMPMの個数により、既定整数N個のモードによっても構成される。
【0301】
一実施形態により、現在ブロックに隣接する周辺ブロックのイントラ予測モードの類型により、さらなるモードセットは、N個またはM個(N、Mは、正の整数である)などに異なるようにも構成される。具体的には、さらなるモードセットは、周辺ブロックのイントラ予測モードが、方向性モード(angular mode)である場合と、DCモード、Planarモードのような非方向性モード(non-angular mode)である場合とによっても異なる。
【0302】
もし前述のように、現在ブロックの形態により、適応的に構成されるイントラ予測モード候補を適用する場合、周辺ブロックのイントラ予測モードが、現在ブロックに適用されるイントラ予測モードに含まれない。本実施形態によれば、現在ブロックの左側または上側に隣接した周辺ブロックの形態が、現在ブロックの形態と異なり、左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードが、現在ブロックのイントラ予測モード候補に含まれていない場合、左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードは、現在ブロックのイントラ予測モード候補のうち、最も近い方向を有するイントラ予測モードで代替されうる。また、本実施形態によれば、現在ブロックの左側または上側に隣接した周辺ブロックの形態が現在ブロックの形態と異なり、左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードが現在ブロックのイントラ予測モード候補に含まれていない場合、左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードは、左側または上側に隣接した周辺ブロックのイントラ予測モードが示す方向を180°反転させた方向と最も近い方向を示すイントラ予測モードで代替されうる。
【0303】
図31を参照すれば、上側周辺ブロック3110は、幅が高さより大きい長方形状を有し、上側周辺ブロック3110のイントラ予測モードは、0°~45°間の方向3115を示し、左側周辺ブロック3120は、高さが幅より大きい長方形状を有し、左側周辺ブロック3120のイントラ予測モードは、-90°~-135°間の方向3125を示して、現在ブロック3100は、正方形状を有すると仮定する。その場合、上側周辺ブロック3110のイントラ予測モードや、左側周辺ブロック3120のイントラ予測モードは、-135°~-180°と45°~180°との範囲を外れた方向を示すことにより、現在ブロック3100の第1イントラ予測モード候補に含まれない。そのように、MPM構成時、周辺ブロックと現在ブロックとの形態が異なり、イントラ予測モード候補が異なる場合に、周辺ブロックのイントラ予測モードを、現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補のうち、最も類似した方向を有するイントラ予測モードで代替されうる。例えば、前述の図31において、上側周辺ブロック3110のイントラ予測モードは、0°~45°間の方向3115の代わりに、45°方向3116を示すイントラ予測モードで代替され、左側周辺ブロック3120のイントラ予測モードは、-90°~-135°間の方向3125の代わりに、-135°方向3126を示すイントラ予測モードで代替されうる。
【0304】
他の実施形態によれば、周辺ブロックのイントラ予測モードが、現在ブロックに適用されるイントラ予測モード候補に含まれていない場合、周辺ブロックのイントラ予測モードが示す方向を180°反転させた方向を示すイントラ予測モードを利用し、MPMが構成されうる。例えば、図31を参照すれば、上側周辺ブロック3110のイントラ予測モードは、0°~45°間の方向3115を180°反転させた方向を示すイントラ予測モードに決定されうる。もし180°反転させた方向が、現在ブロック3100のイントラ予測モード候補に含まれていない場合、現在ブロック3100のイントラ予測モード候補のうち180°反転させた方向と最も類似した方向を示すイントラ予測モードが、上側周辺ブロック3110のイントラ予測モードと決定されうる。
【0305】
もし現在ブロックと周辺ブロックとの形態が差がある場合にも、周辺ブロックが、非方向性性イントラ予測モード、すなわち、PlanarモードやDCモードである場合、モード変更なしに、そのまま周辺ブロックのイントラ予測モードを利用し、MPMが構成されうる。
【0306】
以上、多様な実施形態を中心に説明した。本開示が属する技術分野で当業者であるならば、本開示が本開示の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されうるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本開示の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本開示に含まれたものであると解釈されなければならないであろう。
【0307】
なお、前述の本開示の実施形態は、コンピュータで実行されうるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータにおいても具現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read only memory)、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図26C
図27
図28
図29
図30
図31