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  • 特開-給電口の使用カウンタ 図1
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  • 特開-給電口の使用カウンタ 図6A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156978
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】給電口の使用カウンタ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20241029BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20241029BHJP
   G06F 1/28 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G06F3/00 W
G06F1/26 306
G06F1/28
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024134402
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2022096591の分割
【原出願日】2018-02-28
(31)【優先権主張番号】62/465,510
(32)【優先日】2017-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/894,480
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517077810
【氏名又は名称】アストロニクス アドバンスド エレクトロニック システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フワン ペイ-ファ
(72)【発明者】
【氏名】マルカート デニス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク アーロン
(72)【発明者】
【氏名】パーチリク デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアンス リード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力供給口が使用可能な耐用年数を終えて補修又は交換しなければならない時期であることを判定する電力供給アセンブリ用挿入カウンタを提供する。
【解決手段】給電口アセンブリ100において、接続検出部102及びカウンタ103はそれぞれ、デバイス107の、コネクタ101への接続を監視し、接続イベントの接続回数を保持する。USB Type-C接続の場合は、ケーブル又はデバイス抵抗検出回路を用いて、USB Type-Cデバイス又はケーブルが接続されたかどうかを判定し、USB Type-A接続及びAC接続の場合は、機械的機構又は電気的機構によって接続を検出し、接続を検出すると、カウンタを増加又は減少させて接続を記録する。カウンタ限界値104を設定して、比較回路105で接続回数と比較し、限界値を超えた場合は、限界値インジケータ106で知覚的又は電子式指標を示す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給アセンブリ用挿入カウンタであって、
電力供給ポートと、
プラグ又はコネクタが前記電力供給ポートに挿入される毎に検出することができ、各挿入の指標を提供することができる接続検出ユニットと、
前記接続検出ユニットが提供した挿入の指標に基づいて挿入回数の計数を不揮発性メモリに保持することができる計数ユニットと、
を備え、
前記電力供給ポートがユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを有し、前記接続検出ユニットが、前記USBポートの出力コネクタと電気的に直列となるように設けられた電流検知抵抗器を有し、前記電流検知抵抗器は、第1増幅器に入力される電流信号を生成し、前記第1増幅器の出力は、第2増幅器の1つの入力部に入力され、前記第2増幅器は、所定の基準電位に接続される第2入力部を有し、前記第2増幅器の出力が各挿入の指標を提供する、挿入カウンタ。
【請求項2】
前記計数ユニットが、記憶された前記計数の値を要求するクエリの受信に応答して、前記記憶された計数の値を提供する、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【請求項3】
受信したリセット信号又は物理的なリセット要求に基づいて、記憶された前記計数の値をリセットすることができる計数リセットユニットをさらに備える、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【請求項4】
前記計数ユニットが前記電力供給ポートの外部にある、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【請求項5】
前記計数ユニットが、前記挿入回数の計数を増加又は減少させるように構成される、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【請求項6】
前記計数ユニットは、前記挿入回数の計数が所定の限界条件に到達すると、限界値インジケータを提供するように構成される、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【請求項7】
前記計数ユニットが、前記挿入回数の計数が第1閾値に達すると第1アラートを提供し、前記挿入回数の計数が第2閾値に達すると第2アラートを提供するように構成されており、前記第2閾値は、前記第1閾値の挿入イベント数の後に追加される挿入イベント数を表している、請求項1に記載の挿入カウンタ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年3月1日に出願された「USB給電口用挿入カウンタ(Insertion Counter for USB Outlets)」と題する米国仮特許出願第62/465,510号の利益を主張するものである。米国仮特許出願第62/465,510号の開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
本開示は、概して、給電口のライフサイクルを管理することに関し、より詳細にはユニバーサル・シリアル・バス(USB)給電口又はACコンセントの使用回数を監視することに関する。
[背景技術]
多数の個人用電子機器(PED)ユーザ層が存在する多くの状況において、例えば標準のAC電源コンセントから、又はユニバーサル・シリアル・バス(USB)Type-Aポート又はType-Cポートを有する給電口からの電力の可用性が期待されるようになってきた。しかしながら、これらの給電口のコネクタは、電気接点の摩耗が一因となって最終的に保持機能が低下してしまうため、耐用年数には限りがある。その使用頻度には大きなばらつきがあり、不可避な個々のコネクタの摩耗を予測して改善措置をとることができることが、期待される電力を給電口が供給し続ける能力を維持するという観点から重要である。予測可能性は、航空機の客室といった、認定された作業員が計画された航空業務を乱すことなく交換を行わなければならない場所では特に重要である。
[発明の概要]
本開示は、USBコネクタ、AC電源コネクタ、及び他の電力供給コネクタの使用状況を監視・計数することによって、コネクタの適切なタイミングでの交換を容易に行うことに関する。現在の使用状況に関するデータを収集することで、給電口を適切なタイミングで交換できることによって信頼性が高められ、それによって、付随するコストや不測の電力供給の停止によって生じる業務の乱れを低減することができる。
【0002】
以下の定義は、AC電源コンセントやUSB給電口に関して使用され、本明細書内で用いられる。
給電口(コンセント):典型的には個人用電子機器(PED)に電力を供給するシステムのアセンブリ又はサブアセンブリ。給電口は、ラップトップ型コンピュータ等のPED用電源アダプタとの接続を行う標準のAC電源コード用のACコネクタ、接続されたPEDに電力を供給するコネクタ又はキャプティブケーブルを有するUSB Type-Aポート、コネクタ又はキャプティブケーブルを有し、さらにUSBパワーデリバリ規格に対応していてもよいUSB Type-Cポート、及び、本明細書に記載されている給電口の機能に対応するために必要とされる必須の回路、ファームウェア、又はソフトウェア、のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0003】
計数ユニット:接続イベントの接続回数を計数し、不揮発性の状態で保持する機能ブロック。計数ユニットは、給電口アセンブリ内部又は外部に実装されていてもよく、さらにソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアを、単独で、又は組み合わせて有していてもよい。
【0004】
ポートコントローラ:給電口との通信のやりとりを処理するデバイス。
USBポート:USB Type-A又はType-C規格に準拠している回路の機能ブロック。
【0005】
開示されているシステムは、給電口への累積接続回数を計数する要素を有する。接続の検出は、本明細書でさらに説明するような電気的及び/又は機械的機構を用いて行ってもよい。計数は不揮発性の性質を呈する状態で行われ、計数に関連するデータは選択的に検索され得る。本願の趣旨として、接続回数とは、計数値を増加又は減少させることにより更新された回数を意味する。例えば、接続するごとに回数をゼロになるまで減少させるプリセット接続回数を用いてもよいし、あるいは、ある値に到達するまで増加させるプリセット接続回数を用いてもよい。
【0006】
特定の実施形態において、接続回数が所定の回数に達すると、信号が生成されて、関連付けられている給電口又はそのサブユニットを補修又は交換すべきであることをユーザ又はオペレータに知らせるようになっている、限界値コンパレータを有していてもよい。コンパレータの限界値に達するために規定された回数値が必要とされるように、カウンタ又は初期限界値の任意の組み合わせを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】限界値コンパレータを有する実施形態のブロック図である。
図2】USB Type-Cポートを有する実施形態のブロック図である。
図3】USB Type-C給電口用デバイスの一実施形態の簡略的な電気回路図である。
図4】USB Type-C給電口とACコンセントが組み合わされ、これらが電気的に分離されている一実施形態のブロック図である。
図5図5a~cは図4の実施形態の配置図を示したものである。
図6A】USB Type-Aデバイスの接続を検出するために用いられる回路の一実施形態を示す模式図である。
図6B図6Aに続く、USB Type-Aデバイスの接続を検出するために用いられる回路の一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[発明の詳細な説明]
開示されたシステム及び方法は、電力を供給するインターフェイスを補修又は交換する時期が不確かであるという問題に対処するものである。給電口の使用状況に関するデータを収集することにより、これらの給電口に対していつ対処が必要になるかを正確に判定することが可能となり、総合的な信頼性が向上し、不測の故障時間が低減される。
【0009】
図1は、一実施形態の機能ブロック図を示したものである。給電口アセンブリ100は、コネクタ101、検出ユニット102、計数ユニット103、格納されているカウンタ限界値104、比較ユニット105、及び限界値インジケータ106を有している。デバイス107とコネクタ101との間が接続されると、接続検出ユニット102は、使用/接続を検出し、計数ユニット103に接続回数の増加を要求する。検出は、本明細書に記載されているような電気的及び/又は機械的機構を介して行われてもよい。接続の検出は、挿入や電気的接続を検出することを含む。「接続回数」という語は、本明細書では接続の検出を計数することを言及する際に使用されている。特定の実施形態では、接続回数を1つ以上のカウンタ限界値104と比較する比較回路105を用いていてもよい。接続回数が所定のレベルに達すると、比較ユニット105が限界値インジケータ106を生成して、コネクタ101を交換すべきであることをユーザ及び/又はオペレータに知らせてもよい。限界値インジケータはアナログもしくはデジタル出力であってもよく、あるいはLEDや可聴音等の知覚インジケータであってもよい。図1や他の図面において上述されたような機能ブロックは適宜、回路構成要素とともに構築されてもよく、又はファームウェアやソフトウェアを介して用いられてもよい。さらには代替として、本明細書で開示されているアセンブリ内にあるものとして説明されている個々のブロックや回路の機能部は、
アセンブリの外部にあってもよい。
【0010】
様々な種類の電力供給口を用い得ることは理解されよう。このような供給口としては、米国カリフォルニア州クパチーノに所在するアップル社(Apple Inc.)によってLIGHTNINGコネクタとして販売されている電気コネクタを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0011】
特定の実施形態において、接続回数はシリアルデータ又はパラレルデータとして取り出され、無線又は有線手段により伝送される。
特定の実施形態において、接続回数は、電力供給口の電気コネクタに供給された電流を監視することによって決定される。デバイスが取り付けられて電流を取り込むと、回路がその電流を検出して、デバイスが取り付けられて電流を取り込んだため接続回数を増加させるべきであることを知らせる信号を、接続カウンタに送信する。このような実施形態の一例を図6に示す。
【0012】
図2は、USB Type-Cポート108の機能ブロック図を示したものである。USB Type-Cポートコントローラ109は、USB Type-C規格に準拠したUSB Type-Cデバイスの検出を行う。ポートコントローラ109は信号をカウンタ110に送信し、カウンタ110は接続回数を増加又は減少させて、得られた接続回数を不揮発性メモリ110に格納する。
【0013】
図3は、USB Type-Cポートコントローラを用いてUSB Type-Cケーブルの接続を検出するUSB Type-Cポートを有する、実証された実施形態の概略図である。
【0014】
本実施形態の場合、ポートコントローラ111のファームウェアもしくはソフトウェア、又は他のファームウェアもしくはソフトウェアをインストール又はリロードすると、接続回数をある回数値、例えばゼロに初期化するようにしてもよい。ハードウェアカウンタの実装での初期化は製造中に行われてもよい。カウンタを以前に初期化した値(適宜ゼロやゼロ以外の値であってもよい)にリセットする手法は数種類あり、選択可能である。例えば、Type-Cコネクタ114が交換されると、ファームウェアの再インストールによって接続回数がリセットされてもよく、また、シリアルバス115上のリセットコマンドによって計数レジスタがリセットされてもよい。ハードウェアベースのカウンタは、最初の製造時に用いたものと同じ手段により適宜リセットされてもよい。
【0015】
制御入力117によって、接続回数の計数とその伝送を有効又は無効にすることが可能になる。
メモリ内に格納された接続回数は通信プロトコルを用いて伝送することもできる。図3は、ポートコントローラ111に対して接続回数を伝送するように命令するCTR_TX機能部118を含んでいる。この接続回数の伝送は、任意の通信バス、例えばシリアルインターフェイス115上で、又はUSBデータライン119を介して、行うこともできる。
【0016】
計数限界値は、図3に示されているように別のハードウェア又はファームウェアに設定してもよいし、独立した接続カウンタユニット内に設定してもよい。この限界値は接続回数と比較される。増加型カウンタの場合、接続回数がカウンタ限界値を超えると、限界値ピン120が低状態から高状態へと切り替わる。限界値ピン120はLED回路に接続されており、LED回路は接続回数が限界値を超えた場合にLEDを点灯する。図3に示されているのは一実施形態であり、別の実施形態では、限界値ピン120は、光、音、振動、又は遠隔監視用の電磁波を発することが可能なデバイスを駆動させることもできる。
【0017】
図4は、USB Type-C給電口をAC電源コンセントと組み合わせて用いている実施形態のブロック図を示したものである。本実施形態には、図2に示されているようなUSB Type-Cポート108と、ACコネクタ402を有するACポート400とが存在する。ACポート400は、ACプラグがACコネクタ402にいつ挿入されたかを判定する検出機構を有している。検出機構401は、電気的に分離されたチャンネルを介してUSBポートコントローラに信号を送信する。図4では、電気的に分離されたものとして、赤外線LED403とフォトトランジスタ404を用いて示されている。
【0018】
図5A~5Cは、図4に示されている機能ブロック図の物理的な実施形態を示したものである。
図6は、コネクタを流れる電流を検出することによってUSB Type-Aデバイスの接続を検出する方法の一実施形態の実施を示す模式図である。出力コネクタ602と直列に接続されている電流検知抵抗器601は、接続されたデバイスに起因する電流の増加に伴って電圧が増加する。電流検知抵抗器両端の電圧はOP-AMP603によって増幅されて、コンパレータ604を用いて固定の基準値605と比較される。電圧が基準値を超えていると、図1にて図示及び説明したように、信号606が他の機能ブロック、詳細にはカウンタ103、比較ユニット105、及びインジケータ106に送信される。
【0019】
特定の実施形態において、計数ユニットは、増加型の接続回数が第1閾値に達すると第1アラートを提供し、増加型の接続回数が第2閾値に達すると第2アラートを提供するように構成されており、第2閾値は第1閾値よりも大きい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B