▶ テラティコ， イェットノデゥチェイ スポロチノスティ ナ アクティエの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157011
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】セメントプラスチック混合物の調製方法
(51)【国際特許分類】
C04B 28/02 20060101AFI20241029BHJP
C04B 18/20 20060101ALI20241029BHJP
C04B 14/42 20060101ALI20241029BHJP
C04B 14/06 20060101ALI20241029BHJP
C04B 20/00 20060101ALI20241029BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20241029BHJP
【ＦＩ】
C04B28/02
C04B18/20
C04B14/42 A
C04B14/06 Z
C04B20/00 A
C04B18/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2024137028
(22)【出願日】2024-08-16
【出願変更の表示】U 2023600166の変更
【原出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】PP41-2021
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SK
(31)【優先権主張番号】PUV85-2021
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SK
(71)【出願人】
【識別番号】523462974
【氏名又は名称】テラティコ， イェットノデゥチェイ スポロチノスティ ナ アクティエ
【氏名又は名称原語表記】ＴＥＲＲＡＴＩＣＯ， Ｊ．Ｓ．Ａ．
【住所又は居所原語表記】Ｐｏｓｔｏｖａ ３０４９／１， ０１０ ０８ Ｚｉｌｉｎａ， Ｓｌｏｖａｋｉａ
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】オットー ナギュ
(72)【発明者】
【氏名】オットー ナギュ
(57)【要約】 （修正有）
【課題】プラスチック廃棄物の生態学的使用を可能にするセメント混合物の調製方法を提供する。
【解決手段】セメントプラスチック混合物の調製方法は、第１のステップにおいてプラスチック屑、セメント、水、及び任意のケイ砂が混合デバイスにおいて温度８℃～２５℃で３分間混合され、第２のステップにおいて流動化剤、固化促進剤、合成繊維、塗料、及び任意のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２の構成要素の少なくとも１つが９分間添加されることに基づく。
【選択図】なし
【解決手段】セメントプラスチック混合物の調製方法は、第１のステップにおいてプラスチック屑、セメント、水、及び任意のケイ砂が混合デバイスにおいて温度８℃～２５℃で３分間混合され、第２のステップにおいて流動化剤、固化促進剤、合成繊維、塗料、及び任意のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２の構成要素の少なくとも１つが９分間添加されることに基づく。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントプラスチック混合物の調製方法であって、前記セメントプラスチック混合物が、合計１００重量％の基本混合物になるように、以下の百分率範囲のプラスチック屑、セメント及び流動化剤の前記基本混合物を含み、
第１のステップにおいて、
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑と、
５６重量％～６９重量％のセメントと、
４．０重量％～１４．０重量％の水と、
が、好ましくは温度８℃～２５℃で混合デバイスにおいて好ましくは３分～４分間混合され、
第２のステップにおいて、
１．０重量％～２．０重量％の流動化剤と、
少なくとも１つの追加構成要素と、
が添加され、前記追加構成要素は、
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤と、
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維と、
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料と、
を含み、全ての構成要素が、好ましくは６分～１０分間混合され、
前記水及び前記追加構成要素が、前記基本混合物の重量に加えて前述の百分率で提供されることを特徴とする、セメントプラスチック混合物の方法。
第１のステップにおいて、
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑と、
５６重量％～６９重量％のセメントと、
４．０重量％～１４．０重量％の水と、
が、好ましくは温度８℃～２５℃で混合デバイスにおいて好ましくは３分～４分間混合され、
第２のステップにおいて、
１．０重量％～２．０重量％の流動化剤と、
少なくとも１つの追加構成要素と、
が添加され、前記追加構成要素は、
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤と、
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維と、
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料と、
を含み、全ての構成要素が、好ましくは６分～１０分間混合され、
前記水及び前記追加構成要素が、前記基本混合物の重量に加えて前述の百分率で提供されることを特徴とする、セメントプラスチック混合物の方法。
【請求項2】
前記第１のステップにおいて、６．０重量％～１２重量％の断片０．３～２．０ｍｍの追加構成要素であるケイ砂が前記混合プロセスに含まれることを特徴とする、請求項１に記載のセメントプラスチック混合物の調製方法。
【請求項3】
前記第２のステップにおいて、４．０重量％～１５重量％の追加構成要素であるシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２が前記混合プロセスに含まれることを特徴とする、請求項１に記載のセメントプラスチック混合物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物及び石製品の製造のために使用できるセメントプラスチック混合物の調製方法に関する。本発明は、建設及び石造物の分野に入る。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばテラゾなどのセメント、ケイ砂及び石、花崗岩又は大理石屑をベースとする製品は、建設及び石造物の分野において一般に公知である。テラゾは、所定の位置に注がれた又はプレキャストされた、複合材料であり、それは、床及び壁処理のために使用される。それは、セメント質バインダー（化学結合のための）、高分子バインダー（物理結合のための）、又は両方の組合せと一緒に注がれた、大理石、石英、花崗岩、ガラス、又は他の好適な材料の切り屑を含む。
【0003】
特許文献１（ロシア国特許第２７３９９１０ Ｃ１号明細書）が先行技術において公知であり、この特許は、ポルトランドセメント、高分子バインダー、砂、ガラス繊維及び改質剤を含有するポリマー－セメント乾燥建設混合物を記載している。この高分子バインダーは、再分散性ポリ酢酸ビニルポリマー粉末又はポリ酢酸ビニルコポリマーである。
【0004】
二成分速硬化性プラスチックセメントも、特許文献２（中国特許第１１２０６３１６０ Ａ号明細書）から公知であり、この特許で、第１の成分は、ポリエーテルポリオール、硬化剤、表面ヒドロキシル化変性パラフィン、増粘剤及び固体充填材である。第２の成分は、ポリエーテルポリオール、触媒、架橋剤、表面ヒドロキシル基によって変性されたパラフィン、増粘剤及び固体である。一定のヒドロキシル含有量を持ったパラフィンがこれらの２つの成分中へ導入されている。
【0005】
嵩密度を下げる、断熱性を上げる及び水不浸透性を確保するために、特許文献３（スロバキア国実用新案第１６９２ Ｕ号明細書）の場合のように、アクリレートゴムアスファルトをセメントに混ぜ込む傾向もあった。
【0006】
セメント及び紙パルプを含むビルディングミックスも、特許文献４（スロバキア国実用新案第４２３９ Ｕ号明細書）に記載されているように、公知であり、この実用新案は、生産コストを削減し、且つ製品の重量を低下させる。
【0007】
またセメントをベースとする、上記のビルディング混合物の全てが、それら自体の特定の調製方法を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まだ十分に探究されていない、セメント混合物の課題は、プラスチック廃棄物の生態学的使用及び消費をも可能にするであろうセメント混合物のそのような組成物及びその調製方法をデザインするように現在喚起している。この努力の結果は、本発明に記載されるセメントプラスチックス混合物の調製方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
セメント混合物の上述の課題は、本発明による特定の方法で調製され得る提案されるセメントプラスチック混合物によって解決される。本発明の目的のためには、用語「セメントプラスチック混合物」は、以下の組成の組成物を意味するとして理解され得る。それは、さらにリサイクルすることができない破砕プラスチックを好ましくは含有する混合物であり得る。好ましくは１ｍｍ～２０ｍｍの断片の、若しくはより高い断片さえの全ての種類のプラスチック、又はプラスチックペレットを除いて、刻んだプラスチックストリップを使用することが可能である。それはまた、セメント、例えば３２．５ＭＰａ～５２．５ＭＰａの強度のポルトランド灰色若しくは白色である。
【0010】
ポルトランド灰色及びポルトランド白色は、水硬性バインダーと同義語として用いられ得るセメントの歴史的名称を表す。
【0011】
最後に、流動化剤、例えばＭｅｌｍｅｎｔ、２０／４０の密度のメラミンホルムアルデヒド樹脂をベースとする流動化剤、及び水が使用され得る。本発明によれば、流動化剤は、メラミンホルムアルデヒドをベースとし得る、若しくはそれを含み得る、若しくはそれから製造され得る、及び／又はＥＮ ９３４－２ ２０１９＋Ａ１：２０１２標準を満たし得る。混合物は、断片０．３ｍｍ～２．０ｍｍのケイ砂及び／又は固化促進剤、例えばＢｅｔｏｄｕｒ Ａ５、こうして塩化物を含まないコンクリート及び／又は合成繊維、例えばＡＲＣ ４２／３０ｍｍ、すなわち耐アルカリ性（ＡＲ）ガラス繊維をさらに含有し、それは、コンクリート及び／又は粉体塗料及び／又はシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２での使用のために特にデザインされ得る。混合物のこれらの構成要素は、個別の構成要素が以下の百分率
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑、
５６重量％～６９重量％のセメント、
１．０重量％～２．０重量％流動化剤
で存在し得、これらの構成要素は合計１００％になり、基本混合物を表す。
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑、
５６重量％～６９重量％のセメント、
１．０重量％～２．０重量％流動化剤
で存在し得、これらの構成要素は合計１００％になり、基本混合物を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
６．０重量％～１２重量％のケイ砂、及び／又は
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤、及び／又は
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維、及び／又は
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料、及び／又は
４．０重量％～１４．０重量％の水、及び／又は
４．０重量％～１５．０重量％のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２
を含む又はそれらからなる少なくとも１つの追加の添加剤構成要素が、基本混合物に添加される。
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤、及び／又は
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維、及び／又は
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料、及び／又は
４．０重量％～１４．０重量％の水、及び／又は
４．０重量％～１５．０重量％のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２
を含む又はそれらからなる少なくとも１つの追加の添加剤構成要素が、基本混合物に添加される。
【0013】
本発明による追加成分の重量パーセントは、最終製品が、この実施例による基本混合物の質量の合計質量Ｙ＊１．０６になる基本混合物のＹ重量単位（例えばキログラム）＋追加成分の、例えば６％追加重量を有するような基本混合物の重量への追加である百分率を意味する。
【0014】
したがって、追加成分の重量百分率は、基本混合物の質量に加わり、あたかも追加成分なしの基本混合物が１００％であり、上記の例では、基本混合物の質量に対して１０６％の総最終製品（セメントプラスチック混合物）質量をもたらすかのように計算される。
【0015】
本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法の本質は、
第１のステップにおいて、プラスチック屑、セメント、水及び任意にケイ砂が、好ましくは８℃～２５℃の温度で、好ましくは３分～４分間、混合デバイスにおいて混合される、
第２のステップにおいて、構成要素として、流動化剤、及び／又は固化促進剤、及び／又は合成繊維、及び／又は塗料、及び／又は任意にマイクロシリケートＳｉＯ２の少なくとも１つが添加され、好ましくは、６分～１０分間混合される
という事実にある。
第１のステップにおいて、プラスチック屑、セメント、水及び任意にケイ砂が、好ましくは８℃～２５℃の温度で、好ましくは３分～４分間、混合デバイスにおいて混合される、
第２のステップにおいて、構成要素として、流動化剤、及び／又は固化促進剤、及び／又は合成繊維、及び／又は塗料、及び／又は任意にマイクロシリケートＳｉＯ２の少なくとも１つが添加され、好ましくは、６分～１０分間混合される
という事実にある。
【0016】
混合の結果は、セルフ－レベリング密度の高強度セメントプラスチック混合物である。
【0017】
本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法の利点は、その外部効果から明らかである。効果及び斬新さは、混合物の構成要素の添加の正確に画定された順及び／又は混合の時間間隔で独特のやり方で、混合物のユニークな組成物が混合されることにある。
【0018】
本発明によるこのセメントプラスチック混合物から、庭園家具、例えばベンチ、植木鉢、ごみかご、テーブル、大判舗装、ファサード要素、並びに切断する、砂で磨く、サンドブラストで磨く、含浸させる、及びチップ若しくは非チップ技術で同様に機械加工することができる、キャスト予備製造部品を製造することが可能である。
【0019】
本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法の個別の実施形態は、解決策の例示のために提示され、解決策の限定として提示されないことが理解される。当業者は、本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法の具体的な実施形態の多くの同等物を、ただの所定の実験を用いて見いだすであろうし、又は突き止めることができるであろう。そのような同等物はまた、本クレームの範囲内に入るであろう。
【0020】
セメントプラスチック混合物の個別の構成要素を最適に混合することは、当業者にとって問題ではなく、そのためこれらの特徴は、詳細に取り扱われていない。
【実施例0021】
本発明の具体的な実施形態のこの実施例において、本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法が記載される。以下の組成
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑、
５６重量％～６９重量％のセメント、
１．０重量％～２．０重量％の流動化剤
のセメントプラスチック混合物が調製される。
２９重量％～４３重量％のプラスチック屑、
５６重量％～６９重量％のセメント、
１．０重量％～２．０重量％の流動化剤
のセメントプラスチック混合物が調製される。
【0022】
さらに、基本混合物の重量に、
４．０重量％～１４．０重量％の水、及び／又は
６．０重量％～１２重量％のケイ砂、及び／又は
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤、及び／又は
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維、及び／又は
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料、及び／又は
４．０重量％～１５重量％のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２
を含む又はそれらからなる少なくとも１つの追加成分が添加され得る。
４．０重量％～１４．０重量％の水、及び／又は
６．０重量％～１２重量％のケイ砂、及び／又は
０．４重量％～０．９重量％の固化促進剤、及び／又は
０．０４重量％～０．０７重量％のＡＲＣ合成繊維、及び／又は
０．０２重量％～０．０８重量％の塗料、及び／又は
４．０重量％～１５重量％のシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２
を含む又はそれらからなる少なくとも１つの追加成分が添加され得る。
【0023】
この組成のセメントプラスチック混合物は、
第１のステップにおいて、プラスチック屑、セメント、水及び任意にケイ砂が、好ましくは８℃～２５℃の温度で、好ましくは３分間、混合デバイスにおいて混合される、
第２のステップにおいて、構成要素として、流動化剤、及び／又は固化促進剤、及び／又は合成繊維、及び／又は塗料、及び／又はシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２の少なくとも１つが添加され、好ましくは９分間混合する
ことによって調製される。
第１のステップにおいて、プラスチック屑、セメント、水及び任意にケイ砂が、好ましくは８℃～２５℃の温度で、好ましくは３分間、混合デバイスにおいて混合される、
第２のステップにおいて、構成要素として、流動化剤、及び／又は固化促進剤、及び／又は合成繊維、及び／又は塗料、及び／又はシリカヒューム（マイクロシリカ）ＳｉＯ２の少なくとも１つが添加され、好ましくは９分間混合する
ことによって調製される。
【0024】
混合の結果は、セルフ－レベリング密度の高強度セメントプラスチック混合物である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によるセメントプラスチック混合物の調製方法は、建設及び石造物の分野向けである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】ロシア国特許第２７３９９１０ Ｃ１号明細書
【特許文献2】中国特許第１１２０６３１６０ Ａ号明細書
【特許文献3】スロバキア国実用新案第１６９２ Ｕ号明細書
【特許文献4】スロバキア国実用新案第４２３９ Ｕ号明細書