(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015702
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】鉄道車両及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B61D 17/08 20060101AFI20240130BHJP
B61D 17/00 20060101ALI20240130BHJP
B23K 26/22 20060101ALI20240130BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240130BHJP
【FI】
B61D17/08
B61D17/00 C
B23K26/22
B23K26/21 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117943
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】北山 茂
(72)【発明者】
【氏名】小畑 亮二
(72)【発明者】
【氏名】平野 博嗣
(72)【発明者】
【氏名】白井 篤史
(72)【発明者】
【氏名】大橋 健悟
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 賢太
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA02
4E168BA16
4E168BA86
(57)【要約】
【課題】側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両及びその製造方法を提供する。
【解決手段】レール上を走行する前後一対の台車11に支持された車体1を備え、当該車体を構成する側構体GKの外板2に乗客が乗り降りできる出入口開口部21が車体前後方向で複数形成された鉄道車両10である。外板の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材3が直接に接合又はシアプレート6を介して接合され、出入口開口部の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材4が接合されている。出入口フレーム部材の車内側には、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材51と、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材52とを備え、出入口フレーム部材は、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを介して、横骨部材に接合されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール上を走行する前後一対の台車に支持された車体を備え、当該車体を構成する側構体の外板に乗客が乗り降りできる出入口開口部が車体前後方向で複数形成された鉄道車両であって、
前記外板の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材が直接に接合又はシアプレートを介して接合され、前記出入口開口部の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材が接合されていること、
前記出入口フレーム部材の車内側には、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材と、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材とを備え、
前記出入口フレーム部材は、前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを介して、前記横骨部材に接合されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記縦内板フレーム部材の長手方向端部は、前記横内板フレーム部材が接合された前記横骨部材と接合されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記外板の車内面側には、車体上下方向に延設された断面ハット形状の縦骨部材を備え、
前記縦内板フレーム部材の長手方向端部と前記横内板フレーム部材の長手方向端部とが、同一の前記縦骨部材に接合されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載された鉄道車両において、
前記出入口フレーム部材は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部と、前記出入口開口部の隅部に形成され前記縦出入口フレーム部の長手方向端部と前記横出入口フレーム部の長手方向端部とに突合せ接合された隅金部と、を備えていること、
前記隅金部は、車体上下方向に沿って前記縦内板フレーム部材に接合され、車体前後方向に沿って前記横内板フレーム部材に接合され、前記出入口開口部の隅部周縁に沿って前記外板に接合されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項5】
請求項4に記載された鉄道車両において、
前記縦出入口フレーム部と前記縦内板フレーム部材と前記外板とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部と、前記縦出入口フレーム部と前記縦内板フレーム部材とを接合する第2接合部とが、車体前後方向で異なる位置に形成され、前記第1接合部は、前記第2接合部より前記出入口開口部の周縁寄りに形成されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項6】
請求項4に記載された鉄道車両の製造方法であって、
前記縦出入口フレーム部と前記横出入口フレーム部と前記隅金部とを突合せ接合して、前記出入口フレーム部材を形成する第1ステップと、
前記出入口フレーム部材の車内面側に前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニットを形成する第2ステップと、
前記外板の車内面側に前記横骨部材を直接に接合又は前記シアプレートを介して接合して、外板・骨部材ユニットを形成する第3ステップと、
前記出入口フレームユニットと前記外板・骨部材ユニットとを接合して、側構体を形成する第4ステップと、を備えていることを特徴とする鉄道車両の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載された鉄道車両の製造方法において、
前記第4ステップでは、前記横骨部材に対して前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを接合する第3接合部は、栓溶接又はリング溶接を行って形成し、前記外板に対して前記出入口フレーム部材と前記縦内板フレーム部材又は前記横内板フレーム部材とを接合する第1接合部は、スポット溶接を行って形成することを特徴とする鉄道車両の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両及びその製造方法に関し、詳しくは、側構体の外板に形成された出入口開口部を有する鉄道車両及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、通勤用の鉄道車両は、レール上を走行する前後一対の台車に支持された車体を備えている。また、車体を構成する側構体の外板には、乗客が乗り降りできる出入口開口部が車体前後方向で複数形成されている。そのため、車体の自重や乗客の荷重等による応力が、前後の台車間に存在する出入口開口部の特に隅部に対して集中し易く、出入口開口部に対する補強構造が種々検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、
図11に示すように、側構体101の外板102に形成された出入口開口部103を有する鉄道車両100において、外板102の補強部材(横骨部材)104のコ字状部104aに設けられた内板フレーム部材105の本体部105aから脚部105bを介して連続するフランジ部105cが、外板102の出入口開口部103の周縁(隅部103Sを含む)に沿って接合された鉄道車両100が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された鉄道車両100では、内板フレーム部材105は、本体部105aから脚部105bを介して連続するフランジ部105cが、外板102の出入口開口部103の周縁(隅部103Sを含む)に沿って接合されるため、車体上下方向に延設された縦内板フレーム部105Aと車体前後方向に延設された横内板フレーム部105Bとが直角状に交差する形状に形成されている。そのため、内板フレーム部材105は、単純な曲げ加工によって製作することができない。したがって、内板フレーム部材105を専用の絞り成形金型を用いて製作する必要があり、製作コストが増加するという問題があった。
【0006】
その点、例えば、
図12に示すように、外板102の補強部材(横骨部材)104のコ字状部104aに設けられた内板フレーム部材205を、出入口開口部103に沿って車体上下方向に延設された縦内板フレーム部材205Aと車体前後方向に延設された横内板フレーム部材205Bとに分割して製作し、出入口開口部103の隅部103Sに位置する両者の長手方向端部205A1、205B1同士をアーク溶接等によって接合することも可能である。この場合、縦内板フレーム部材205A及び横内板フレーム部材205Bは、それぞれ直線状に形成されているので、単純な曲げ加工によって製作でき、専用の絞り成形金型を用いて製作する必要がない。
【0007】
しかしながら、縦内板フレーム部材205Aの長手方向端部205A1と横内板フレーム部材205Bの長手方向端部205B1とをアーク溶接等によって接合した場合には、その接合部が熱収縮によって変形するため、それを矯正する歪取りに多くの手間が掛かるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道車両及びその製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)レール上を走行する前後一対の台車に支持された車体を備え、当該車体を構成する側構体の外板に乗客が乗り降りできる出入口開口部が車体前後方向で複数形成された鉄道車両であって、
前記外板の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材が直接に接合又はシアプレートを介して接合され、前記出入口開口部の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材が接合されていること、
前記出入口フレーム部材の車内側には、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材と、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材とを備え、
前記出入口フレーム部材は、前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを介して、前記横骨部材に接合されていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、外板の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材が直接に接合又はシアプレートを介して接合され、出入口開口部の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材が接合され、また、出入口フレーム部材の車内側には、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材と、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材とを備え、出入口フレーム部材は、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを介して、横骨部材に接合されているので、車体の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する側構体の外板に形成した出入口開口部に対して、効果的且つ簡単に補強することができる。
【0011】
すなわち、側構体の外板に形成した出入口開口部の周縁を、出入口フレーム部材によって補強し、また、出入口フレーム部材を縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを介して横骨部材と接合したことによって、外板の出入口開口部の周縁を補強する出入口フレーム部材の剛性を更に高めることができる。そのため、車体の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部周縁の外板に対して、出入口フレーム部材と縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材と横骨部材とが互いに連携することによって、効果的に補強することができる。
【0012】
また、縦内板フレーム部材及び横内板フレーム部材は、車体上下方向又は車体前後方向に延設して断面Z字形状に形成された部材であるので、単純な曲げ加工によって製作することができ、専用の絞り成形金型を用いて製作する必要がない。そのため、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを簡単に製作して、製作コストの低減を図ることができる。また、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とが、横骨部材に対してそれぞれ接合されているので、縦内板フレーム部材の長手方向端部と横内板フレーム部材の長手方向端部とをアーク溶接等によって接合する必要がなく、熱変形に対する歪取りを行う手間を回避できる。
【0013】
よって、本発明によれば、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両を提供することができる。
【0014】
(2)(1)に記載された鉄道車両において、
前記縦内板フレーム部材の長手方向端部は、前記横内板フレーム部材が接合された前記横骨部材と接合されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、縦内板フレーム部材の長手方向端部は、横内板フレーム部材が接合された横骨部材と接合されているので、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを同一の横骨部材によって互いに連結することができる。そのため、外板の出入口開口部を補強する出入口フレーム部材全体の剛性を、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを直接接合することによる熱変形を回避しつつ、より一層高めることができる。また、縦内板フレーム部材の長手方向端部と横内板フレーム部材の長手方向端部とが、外板の出入口開口部の隅部近傍にて、互いに隣接した位置で同一の横骨部材と接合できる。そのため、外板の出入口開口部の隅部における出入口フレーム部材の剛性を、より一層高めることができる。その結果、側構体の外板に形成された出入口開口部をより一層効果的に補強できる。
【0016】
(3)(1)に記載された鉄道車両において、
前記外板の車内面側には、車体上下方向に延設された断面ハット形状の縦骨部材を備え、
前記縦内板フレーム部材の長手方向端部と前記横内板フレーム部材の長手方向端部とが、同一の前記縦骨部材に接合されていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、外板の車内面側には、車体上下方向に延設された断面ハット形状の縦骨部材を備え、縦内板フレーム部材の長手方向端部と横内板フレーム部材の長手方向端部とが、同一の縦骨部材に接合されているので、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを同一の縦骨部材によって互いに連結することができる。そのため、外板の出入口開口部を補強する出入口フレーム部材全体の剛性を、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを直接接合することによる熱変形を回避しつつ、より一層高めることができる。また、縦内板フレーム部材の長手方向端部と、横内板フレーム部材の長手方向端部とが、隣接した位置で同一の縦骨部材に連結できる。そのため、外板の出入口開口部の隅部における出入口フレーム部材の剛性を、より一層高めることができる。その結果、側構体の外板に形成された出入口開口部をより一層効果的に補強できる。
【0018】
(4)(2)又は(3)に記載された鉄道車両において、
前記出入口フレーム部材は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部と、前記出入口開口部の隅部に形成され前記縦出入口フレーム部の長手方向端部と前記横出入口フレーム部の長手方向端部とに突合せ接合された隅金部と、を備えていること、
前記隅金部は、車体上下方向に沿って前記縦内板フレーム部材に接合され、車体前後方向に沿って前記横内板フレーム部材に接合され、前記出入口開口部の隅部周縁に沿って前記外板に接合されていることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、出入口フレーム部材は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部と、出入口開口部の隅部に形成され縦出入口フレーム部の長手方向端部と横出入口フレーム部の長手方向端部とに突合せ接合された隅金部と、を備えているので、縦出入口フレーム部と横出入口フレーム部と隅金部とをそれぞれ展開抜きした平板を曲げ加工して簡単に製作できる。
【0020】
また、隅金部は、車体上下方向に沿って縦内板フレーム部材に接合され、車体前後方向に沿って横内板フレーム部材に接合され、出入口開口部の隅部周縁に沿って外板に接合されているので、出入口フレーム部材の隅金部を外板と接合すると共に、隅金部を縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを介して横骨部材に連結することができる。そのため、外板に接合した隅金部の剛性をより一層向上して、車体の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部周縁の外板に対して、より効果的な補強を行うことができる。
【0021】
(5)(4)に記載された鉄道車両において、
前記縦出入口フレーム部と前記縦内板フレーム部材と前記外板とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部と、前記縦出入口フレーム部と前記縦内板フレーム部材とを接合する第2接合部とが、車体前後方向で異なる位置に形成され、前記第1接合部は、前記第2接合部より前記出入口開口部の周縁寄りに形成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、縦出入口フレーム部と縦内板フレーム部材と外板とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部と、縦出入口フレーム部と縦内板フレーム部材とを接合する第2接合部とが、車体前後方向で異なる位置に形成されているので、縦出入口フレーム部に対して車体上下方向に2重に接合されてより剛性を高めた縦内板フレーム部材によって、上下に離間して配置された横骨部材同士を連結することができる。そのため、外板の出入口開口部における車体上下方向の剛性を高めて、車体の自重や乗客の荷重等に対する抵抗力をより一層向上させることができる。
【0023】
また、第1接合部は、第2接合部より出入口開口部の周縁寄りに形成されているので、外板の出入口開口部における周縁寄りの剛性をより一層向上して、車体の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部周縁の外板に対して、より効果的な補強を行うことができる。
【0024】
(6)(4)又は(5)に記載された鉄道車両の製造方法であって、
前記縦出入口フレーム部と前記横出入口フレーム部と前記隅金部とを突合せ接合して、前記出入口フレーム部材を形成する第1ステップと、
前記出入口フレーム部材の車内面側に前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニットを形成する第2ステップと、
前記外板の車内面側に前記横骨部材を直接に接合又は前記シアプレートを介して接合して、外板・骨部材ユニットを形成する第3ステップと、
前記出入口フレームユニットと前記外板・骨部材ユニットとを接合して、側構体を形成する第4ステップと、を備えていることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、縦出入口フレーム部と横出入口フレーム部と隅金部とを突合せ接合して、出入口フレーム部材を形成する第1ステップと、出入口フレーム部材の車内面側に縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニットを形成する第2ステップと、外板の車内面側に横骨部材を直接に接合又はシアプレートを介して接合して、外板・骨部材ユニットを形成する第3ステップと、出入口フレームユニットと外板・骨部材ユニットとを接合して、側構体を形成する第4ステップと、を備えているので、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両を形成できる。
【0026】
すなわち、縦出入口フレーム部と横出入口フレーム部と隅金部とを突合せ接合して、出入口フレーム部材を形成する第1ステップを備えているので、縦出入口フレーム部と横出入口フレーム部と隅金部とをそれぞれ展開抜きした平板を曲げ加工して簡単に製作できる。
【0027】
また、出入口フレーム部材の車内面側に縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニットを形成する第2ステップを備えているので、出入口フレーム部材に対して、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを接合又は仮止めすることによって、出入口フレームユニットとしての剛性を高め、外板に対して精度良く組み付けることができる。また、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とが直接溶接されていないので、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材との溶接に伴う出入口フレーム部材の変形や歪取り等を回避できる。その結果、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とが互いに分離した状態で、縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを出入口フレーム部材の車内面側に接合することによって、精度と剛性を高めた安価な出入口フレームユニットを簡単に製作することができる。
【0028】
また、外板の車内面側に横骨部材を直接に接合又はシアプレートを介して接合して、外板・骨部材ユニットを形成する第3ステップを備えているので、予め、外板と横骨部材とを又は外板とシアプレートと横骨部材とを、他の部材(出入口フレーム部材、縦内板フレーム部材、横内板フレーム部材等)に邪魔されることなく、簡単に接合することができる。
【0029】
また、出入口フレームユニットと外板・骨部材ユニットとを接合して、側構体を形成する第4ステップを備えているので、車体の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部周縁の外板に対して、出入口フレーム部材と縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材と横骨部材とが互いに連携することによって、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的に補強することができる。また、互いに剛性を高めた状態の出入口フレームユニットと外板・骨部材ユニットとを接合できるので、側構体を精度良く簡単に組み付けることもできる。
【0030】
よって、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両の製造方法を提供することができる。
【0031】
(7)(6)に記載された鉄道車両の製造方法において、
前記第4ステップでは、前記横骨部材に対して前記縦内板フレーム部材と前記横内板フレーム部材とを接合する第3接合部は、栓溶接又はリング溶接を行って形成し、前記外板に対して前記出入口フレーム部材と前記縦内板フレーム部材又は前記横内板フレーム部材とを接合する第1接合部は、スポット溶接を行って形成することを特徴とする。
【0032】
本発明においては、横骨部材に対して縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材とを接合する第3接合部は、栓溶接又はリング溶接を行って形成するので、横骨部材に対する縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材との溶接作業を外板に邪魔されずに車内側から簡単に行うことができると共に、栓溶接又はリング溶接による第3接合部の穴径を適正に設定することによって、横骨部材に対する縦内板フレーム部材と横内板フレーム部材との必要な溶接強度を確保することもできる。また、外板に対して出入口フレーム部材と縦内板フレーム部材又は横内板フレーム部材とを接合する第1接合部は、スポット溶接を行って形成するので、外板と出入口フレーム部材と縦内板フレーム部材又は横内板フレーム部材とを3枚重ねて溶接して、外板に対する必要な溶接強度を確保することができる。そのため、外板の出入口開口部周縁に対する強固な補強ができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、側構体の外板に形成された出入口開口部を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両の概略側面図である。
【
図2】
図1に示すA部における側構体を車内側から見た詳細側面図である。
【
図6】
図2に示す出入口フレームユニットを製作する説明図であって、(A)は出入口フレーム部材の製作図を示し、(B)は出入口フレームユニットの製作図を示す。
【
図7】
図6に示す出入口フレームユニットを外板と横骨部材とを接合した外板・骨部材ユニットに接合させる説明図である。
【
図8】
図2に示す鉄道車両を製造するステップのフローチャート図である。
【
図9】
図2に示す側構体の変形例における詳細側面図である。
【
図11】特許文献1に記載された鉄道車両の出入口開口部における補強構造を車内側から見た斜視図である。
【
図12】
図11に記載された補強構造の変形例を車内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両について、図面を参照しながら詳細に説明する。具体的には、本実施形態の一態様に係る鉄道車両の構成及びその製造方法を詳細に説明した上で、本鉄道車両の変形例について説明する。
【0036】
<本鉄道車両の構成>
本鉄道車両の構成について、
図1~
図5を用いて説明する。
図1に、本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両の概略側面図を示す。
図2に、
図1に示すA部における側構体を車内側から見た詳細側面図を示す。
図3に、
図2に示すB‐B断面図を示す。
図4に、
図2に示すC‐C断面図を示す。
図5に、
図2に示すD‐D断面図を示す。
【0037】
図1~
図5に示すように、本鉄道車両10は、レールRL上を走行する前後一対の台車11に支持された車体1を備え、当該車体1を構成する側構体GKの外板2に乗客が乗り降りできる出入口開口部21が車体前後方向で複数形成された鉄道車両10である。出入口開口部21は、側扉DRによって開閉自在に形成されている。
【0038】
なお、
図1に示すように、車体1は、台車11に支持される台枠DYと、台枠DYの前端部及び後端部に起立する妻構体TKと、台枠DYの両側端部に起立する側構体GKと、妻構体TK及び側構体GKの上端部に連結される屋根構体YKとを備えている。また、側構体GKの外板2には、出入口開口部21と隣接する位置に窓開口部22が形成されている。側構体GKの外板2は、例えば、ステンレス鋼板で形成されている。
【0039】
また、
図2~
図5に示すように、側構体GKにおける外板2の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材3(31、32、33)が直接に接合又はシアプレート6(61、62、63)を介して接合されている。横骨部材3は、車内側ハット天頂部3aと車外側フランジ部3cと両者を繋ぐ脚部3bとを備えている。ここでは、横骨部材3の車外側フランジ部3cが、外板2の車内面側にシアプレート6(61、62、63)を介してレーザ溶接によって車体前後方向へ連続状に接合されているが、横骨部材3の車外側フランジ部3cが、直接に外板2の車内面側にレーザ溶接によって車体前後方向へ連続状に接合されていても良い。
【0040】
また、側構体GKにおける外板2の車内面側には、出入口開口部21の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材4が接合されている。出入口フレーム部材4は、外板2の車内面側に接合される本体部4aと、本体部4aから車内側へ起立する補強フランジ部4bとを備えている。出入口フレーム部材4の板厚は、外板2の板厚より厚く形成されている。
【0041】
また、出入口フレーム部材4の車内側には、出入口フレーム部材4を出入口開口部21に沿って車内側から補強する内板フレーム部材5として、車体上下方向へ側面視で直線状に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材51と、車体前後方向へ側面視で直線状に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材52とを備えている。縦内板フレーム部材51は、出入口開口部21の車体上下方向の開口寸法より大きく形成され、横内板フレーム部材52は、出入口開口部21の車体前後方向の開口寸法より大きく形成されている。縦内板フレーム部材51及び横内板フレーム部材52は、横骨部材3に接合される車内側の本体部51a、52aと、出入口フレーム部材4の本体部4aに車内側から接合される車外側のフランジ部51c、52cと、両者を繋ぐ脚部51b、52bとを備えている。
【0042】
また、出入口フレーム部材4は、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを介して、横骨部材3に接合されている。具体的には、出入口フレーム部材4の本体部4aは、縦内板フレーム部材51のフランジ部51c及び横内板フレーム部材52のフランジ部52cと接合されている。また、縦内板フレーム部材51の本体部51a及び横内板フレーム部材52の本体部52aは、横骨部材3の車内側ハット天頂部3aと接合されている。縦内板フレーム部材51には、本体部51aから外板2側へ起立する補強フランジ部51dが、横骨部材32、33同士の間に形成されている。
【0043】
上記構成により、側構体GKの外板2に形成した出入口開口部21の周縁を、出入口フレーム部材4によって補強することができる。また、出入口フレーム部材4を縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを介して横骨部材3と接合したことによって、外板2の出入口開口部21の周縁を補強する出入口フレーム部材4の剛性を更に高めることができる。
【0044】
そのため、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52と横骨部材3とが互いに連携することによって、効果的に補強することができる。
【0045】
また、縦内板フレーム部材51及び横内板フレーム部材52は、車体上下方向又は車体前後方向へ側面視で直線状に延設して断面Z字形状に形成された部材であるので、単純な曲げ加工によって製作することができ、専用の絞り成形金型を用いて製作する必要がない。そのため、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを簡単に製作して、製作コストの低減を図ることができる。また、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とが、横骨部材3に対してそれぞれ接合されているので、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511と横内板フレーム部材52の長手方向端部521とをアーク溶接等によって接合する必要がなく、熱変形に対する歪取りを行う手間を回避できる。
【0046】
よって、本鉄道車両10によれば、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両10を提供することができる。
【0047】
また、本鉄道車両10において、
図2~
図5に示すように、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511は、横内板フレーム部材52が接合された横骨部材31と接合されていることが好ましい。ここでは、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511において、縦内板フレーム部材51の本体部51aが横内板フレーム部材52の本体部52aと隣接する位置まで延設され、延設された縦内板フレーム部材51の本体部51aが、横内板フレーム部材52の本体部52aが接合された横骨部材31の車内側ハット天頂部3aと接合されている。なお、縦内板フレーム部材51の脚部51bとフランジ部51cは、横内板フレーム部材52の脚部52bとフランジ部52cに対して干渉しない形状に、適宜切り欠かれている。
【0048】
この場合、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを同一の横骨部材31によって互いに連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21を補強する出入口フレーム部材4全体の剛性を、より一層高めることができる。そして、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを直接接合する必要がなく、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを溶接等することによる熱変形を回避できる。また、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511と横内板フレーム部材52の長手方向端部521とが、外板2の出入口開口部21の隅部21S近傍にて、互いに隣接した位置で同一の横骨部材31と接合できる。そのため、外板2の出入口開口部21の隅部21Sにおける出入口フレーム部材4の剛性を、より一層高めることができる。その結果、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21をより一層効果的に補強できる。
【0049】
また、本鉄道車両10において、
図2~
図5に示すように、出入口フレーム部材4は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部41と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部42と、出入口開口部21の隅部21Sに沿って形成され縦出入口フレーム部41の長手方向端部41Sと横出入口フレーム部42の長手方向端部42Sとに突合せ接合された隅金部43と、を備え、また、隅金部43は、車体上下方向に沿って縦内板フレーム部材51に接合され、車体前後方向に沿って横内板フレーム部材52に接合され、出入口開口部21の隅部21S周縁に沿って外板2に接合されていることが好ましい。
【0050】
なお、縦出入口フレーム部41の本体部411(4a)は、縦内板フレーム部材51のフランジ部51cと接合され、横出入口フレーム部42の本体部421(4a)は、横内板フレーム部材52のフランジ部52cと接合され、隅金部43の本体部431(4a)は、縦内板フレーム部材51のフランジ部51cと横内板フレーム部材52のフランジ部52cとの両方に接合されている。
【0051】
この場合、出入口フレーム部材4は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部41と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部42と、出入口開口部21の隅部21Sに沿って形成され縦出入口フレーム部41の長手方向端部41Sと横出入口フレーム部42の長手方向端部42Sとに突合せ接合された隅金部43と、を備えているので、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とをそれぞれ展開抜きした平板を曲げ加工(隅金部43は、プレス型による曲げ加工)して簡単に製作できる。
【0052】
また、隅金部43は、車体上下方向に沿って縦内板フレーム部材51に接合され、車体前後方向に沿って横内板フレーム部材52に接合され、出入口開口部21の隅部21S周縁に沿って外板2に接合されているので、出入口フレーム部材4の隅金部43を外板2と接合すると共に、隅金部43を縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを介して横骨部材3(31、32)に連結することができる。そのため、外板2に接合した隅金部43の剛性をより一層向上して、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、より効果的な補強を行うことができる。
【0053】
また、本鉄道車両10において、
図2、
図3に示すように、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51と外板2とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部Y1と、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51とを接合する第2接合部Y2とが、車体前後方向で異なる位置に形成され、第1接合部Y1は、第2接合部Y2より出入口開口部21の周縁寄りに形成されていることが好ましい。この場合、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51と外板2とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部Y1と、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51とを接合する第2接合部Y2とが、車体前後方向で異なる位置に形成されているので、縦出入口フレーム部41に対して車体上下方向に2重に接合されてより剛性を高めた縦内板フレーム部材51によって、上下に離間して配置された横骨部材3(32、33)同士を連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21における車体上下方向の剛性を高めて、車体1の自重や乗客の荷重等に対する抵抗力をより一層向上させることができる。
【0054】
また、第1接合部Y1は、第2接合部Y2より出入口開口部21の周縁寄りに形成されているので、外板2の出入口開口部21における周縁寄りの剛性をより一層向上して、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、より効果的な補強を行うことができる。ここでは、第1接合部Y1と第2接合部Y2とが、
図2に示す仮想線の位置に所定の間隔でスポット溶接によって形成されている。
【0055】
なお、縦出入口フレーム部41の幅が狭い場合には、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51と外板2とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部Y1と、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51とを接合する第2接合部Y2とが、車体上下方向の同一直線上で異なる位置に形成されても良い。また、ここでは、横出入口フレーム部42の幅が狭いので、車体前後方向に沿って横出入口フレーム部42と横内板フレーム部材52と外板2とを接合する第1接合部Y1と、車体前後方向に沿って横出入口フレーム部42と横内板フレーム部材52とを接合する第2接合部Y2とが、
図2に示す仮想線の位置に車体前後方向の同一直線上で異なる位置に形成されているが、横出入口フレーム部42の幅が広い場合には、車体前後方向に沿って横出入口フレーム部42と横内板フレーム部材52と外板2とを接合する第1接合部Y1と、車体前後方向に沿って横出入口フレーム部42と横内板フレーム部材52とを接合する第2接合部Y2とが、車体上下方向の異なる位置に所定の間隔で形成されていても良い。
【0056】
また、第1接合部Y1は、例えば、車内側からスポット溶接を行って形成し、第2接合部Y2は、例えば、スポット溶接を行って形成、又は栓溶接、あるいは車内側からレーザ溶接を行って形成することができる。また、隅金部43と外板2とを接合する第4接合部Y4は、例えば、スポット溶接を行って形成することができる。
【0057】
<本鉄道車両の製造方法>
次に、本鉄道車両の製造法について、
図2~
図8を用いて説明する。
図6に、
図2に示す出入口フレームユニットを製作する説明図であって、(A)は出入口フレーム部材の製作図を示し、(B)は出入口フレームユニットの製作図を示す。
図7に、
図6に示す出入口フレームユニットに外板と横骨部材とを接合した外板・骨部材ユニットを接合させる説明図を示す。
図8に、
図2に示す鉄道車両を製造するステップのフローチャート図を示す。
【0058】
本鉄道車両の製造方法は、
図2~
図8に示すように、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とを突合せ接合して、出入口フレーム部材4を形成する第1ステップS1と、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニット7を形成する第2ステップS2と、外板2の車内面側に横骨部材3を直接に接合又はシアプレート6を介して接合して、外板・骨部材ユニット8を形成する第3ステップS3と、出入口フレームユニット7と外板・骨部材ユニット8とを接合して、側構体GKを形成する第4ステップS4と、を備えている。
【0059】
具体的には、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とを突合せ接合して、出入口フレーム部材4を形成する第1ステップS1を備えている。ここで、出入口フレーム部材4は、外板2の出入口開口部21の周縁に沿って形成されている。また、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とは、それぞれ本体部411、421、431と補強フランジ部412、422、432とがL字状断面に形成されているので、展開抜きした平板を曲げ加工(隅金部43は、プレス型による曲げ加工)することによって、簡単に製作できる。
【0060】
また、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合又は仮止めして、出入口フレームユニット7を形成する第2ステップS2を備えている。そのため、出入口フレーム部材4に対して、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合又は仮止めすることによって、出入口フレームユニット7としての剛性を高め、外板2に対して精度良く組み付けることができる。また、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とが直接溶接されていないので、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52との溶接に伴う出入口フレーム部材4の変形や歪取り等を回避できる。その結果、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合することによって、精度と剛性を高めた安価な出入口フレームユニット7を簡単に製作することができる。
【0061】
また、外板2の車内面側に横骨部材3を直接に接合又はシアプレート6を介して接合して、外板・骨部材ユニット8を形成する第3ステップS3を備えている。したがって、予め、外板2と横骨部材3とを又は外板2とシアプレート6と横骨部材3とを、他の部材(出入口フレーム部材4、縦内板フレーム部材51、横内板フレーム部材52等)に邪魔されることなく、例えば、車体前後方向へ連続状にレーザ溶接することによって、簡単に接合することができる。また、外板2の車内面側に横骨部材3を直接に接合又はシアプレート6を介して接合することによって、剛性を高めた状態の外板・骨部材ユニット8を予め形成することができる。
【0062】
また、出入口フレームユニット7と外板・骨部材ユニット8とを接合して、側構体GKを形成する第4ステップS4を備えている。したがって、互いに剛性を高めた状態の出入口フレームユニット7と外板・骨部材ユニット8とを接合して、側構体GKを精度良く組み付けることができる。そして、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52と横骨部材3とが互いに連携することによって、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的に補強することができる。なお、第2ステップS2にて、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを仮止めした場合には、第4ステップS4にて仮止め箇所を正規に接合する。
【0063】
よって、本鉄道車両の製造方法によれば、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両10の製造方法を提供することができる。
【0064】
また、本鉄道車両の製造方法において、
図2~
図8に示すように、第4ステップS4では、横骨部材3に対して縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合する第3接合部Y3は、栓溶接又はリング溶接を行って形成し、外板2に対して出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51又は横内板フレーム部材52とを接合する第1接合部Y1は、スポット溶接を行って形成することが好ましい。
【0065】
この場合、横骨部材3に対して縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを接合する第3接合部Y3は、栓溶接又はリング溶接を行って形成するので、横骨部材3に対する縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52との溶接作業を外板2に邪魔されずに車内側から簡単に行うことができると共に、栓溶接又はリング溶接による第3接合部Y3の穴径を適正に設定することによって必要な溶接強度を確保することもできる。なお、栓溶接は、縦内板フレーム部材51の本体部51a又は横内板フレーム部材52の本体部52aに形成した穴を溶接材で蓋して横骨部材3の車内側ハット天頂部3aに対して溶接することを意味し、リング溶接は、縦内板フレーム部材51の本体部51a又は横内板フレーム部材52の本体部52aに形成した穴の周縁に沿って溶接材を供給して横骨部材3の車内側ハット天頂部3aに対して隅肉溶接することを意味する。また、外板2に対して出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51又は横内板フレーム部材52とを接合する第1接合部Y1は、スポット溶接を行って形成するので、外板2と出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51又は横内板フレーム部材52とを3枚重ねて溶接して、外板2に対する必要な溶接強度を確保することができる。そのため、外板2の出入口開口部21周縁に対する強固な補強ができる。
【0066】
<変形例>
以上、本実施形態に係る鉄道車両10及びその製造方法を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態によれば、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511は、横内板フレーム部材52が接合された横骨部材31と接合されているが、必ずしも、これに限らない。
【0067】
例えば、
図9、
図10に示すように、外板2の車内面側には、車体上下方向に延設された断面ハット形状の縦骨部材34(3B)を備え、縦内板フレーム部材51Bの長手方向端部511Bと横内板フレーム部材52Bの長手方向端部521Bとが、同一の縦骨部材34に接合されていても良い。
【0068】
なお、縦骨部材34は、横内板フレーム部材52Bが接合される横骨部材31を、横内板フレーム部材52Bの長手方向端部521Bと重なる位置で分割し、分割した横骨部材31同士の隙間に、横骨部材31と直交した状態で配置されている。
【0069】
ここでは、内板フレーム部材5Bとして、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材51Bと、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材52Bとを有している。そして、縦内板フレーム部材51Bの長手方向端部511Bにおいて、縦内板フレーム部材51Bの本体部51aが横内板フレーム部材52Bの本体部52aと隣接する位置まで延設され、延設された縦内板フレーム部材51Bの本体部51aが、横内板フレーム部材52Bの本体部52aが接合された縦骨部材34の車内側ハット天頂部3aと接合されている。なお、横内板フレーム部材52Bの脚部52bとフランジ部52cは、縦内板フレーム部材51Bの脚部51bとフランジ部51cに対して干渉しない形状に、適宜切り欠かれている。
【0070】
上記変形例の鉄道車両10Bによれば、縦内板フレーム部材51Bと横内板フレーム部材52Bとを同一の縦骨部材34によって互いに連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21を補強する出入口フレーム部材4全体の剛性を、より一層高めることができる。そして、縦内板フレーム部材51Bと横内板フレーム部材52Bとを直接接合する必要がなく、縦内板フレーム部材51Bと横内板フレーム部材52Bとを溶接等することによる熱変形を回避できる。また、縦内板フレーム部材51Bの長手方向端部511Bと、横内板フレーム部材52Bの長手方向端部521Bとが、隣接した位置で同一の縦骨部材34に連結できる。そのため、外板2の出入口開口部21の隅部21Sにおける出入口フレーム部材4の剛性を、より一層高めることができる。
【0071】
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係る鉄道車両10、10Bによれば、外板2の車内面側には、車体前後方向に沿って延設された断面ハット形状の横骨部材3が直接に接合又はシアプレート6を介して接合され、出入口開口部21の周縁に沿って断面L字形状の出入口フレーム部材4が接合され、また、出入口フレーム部材4の車内側には、車体上下方向に延設された断面Z字形状の縦内板フレーム部材51、51Bと、車体前後方向に延設された断面Z字形状の横内板フレーム部材52、52Bとを備え、出入口フレーム部材4は、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを介して、横骨部材3に接合されているので、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する側構体GKの外板2に形成した出入口開口部21に対して、効果的且つ簡単に補強することができる。
【0072】
すなわち、側構体GKの外板2に形成した出入口開口部21の周縁を、出入口フレーム部材4によって補強し、また、出入口フレーム部材4を縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを介して横骨部材3と接合したことによって、外板2の出入口開口部21の周縁を補強する出入口フレーム部材4の剛性を更に高めることができる。そのため、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bと横骨部材3とが互いに連携することによって、効果的に補強することができる。
【0073】
また、縦内板フレーム部材51、51B及び横内板フレーム部材52、52Bは、車体上下方向又は車体前後方向に延設して断面Z字形状に形成された部材であるので、単純な曲げ加工によって製作することができ、専用の絞り成形金型を用いて製作する必要がない。そのため、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを簡単に製作して、製作コストの低減を図ることができる。また、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとが、横骨部材3に対してそれぞれ接合されているので、縦内板フレーム部材51、51Bの長手方向端部511、511Bと横内板フレーム部材52、52Bの長手方向端部521、521Bとをアーク溶接等によって接合する必要がなく、熱変形に対する歪取りを行う手間を回避できる。
【0074】
よって、本実施形態によれば、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両10、10Bを提供することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511は、横内板フレーム部材52が接合された横骨部材31と接合されているので、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを同一の横骨部材31によって互いに連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21を補強する出入口フレーム部材4全体の剛性を、縦内板フレーム部材51と横内板フレーム部材52とを直接接合することによる熱変形を回避しつつ、より一層高めることができる。また、縦内板フレーム部材51の長手方向端部511と横内板フレーム部材52の長手方向端部521とが、外板2の出入口開口部21の隅部21S近傍にて、互いに隣接した位置で同一の横骨部材31と接合できる。そのため、外板2の出入口開口部21の隅部21Sにおける出入口フレーム部材4の剛性を、より一層高めることができる。その結果、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21をより一層効果的に補強できる。
【0076】
また、本実施形態によれば、外板2の車内面側には、車体上下方向に延設された断面ハット形状の縦骨部材34(3B)を備え、縦内板フレーム部材51Bの長手方向端部511Bと横内板フレーム部材52Bの長手方向端部521Bとが、同一の縦骨部材34に接合されているので、縦内板フレーム部材51Bと横内板フレーム部材52Bとを同一の縦骨部材34によって互いに連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21を補強する出入口フレーム部材4全体の剛性を、縦内板フレーム部材51Bと横内板フレーム部材52Bとを直接接合することによる熱変形を回避しつつ、より一層高めることができる。また、縦内板フレーム部材51Bの長手方向端部511Bと、横内板フレーム部材52Bの長手方向端部521Bとが、隣接した位置で同一の縦骨部材34に連結できる。そのため、外板2の出入口開口部21の隅部21Sにおける出入口フレーム部材4の剛性を、より一層高めることができる。その結果、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21をより一層効果的に補強できる。
【0077】
また、本実施形態によれば、出入口フレーム部材4は、車体上下方向に延設された縦出入口フレーム部41と、車体前後方向に延設された横出入口フレーム部42と、出入口開口部21の隅部21Sに形成され縦出入口フレーム部41の長手方向端部41Sと横出入口フレーム部42の長手方向端部42Sとに突合せ接合された隅金部43と、を備えているので、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とをそれぞれ展開抜きした平板を曲げ加工して簡単に製作できる。
【0078】
また、隅金部43は、車体上下方向に沿って縦内板フレーム部材51、51Bに接合され、車体前後方向に沿って横内板フレーム部材52、52Bに接合され、出入口開口部21の隅部21S周縁に沿って外板2に接合されているので、出入口フレーム部材4の隅金部43を外板2と接合すると共に、隅金部43を縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを介して横骨部材3(31、32)に連結することができる。そのため、外板2に接合した隅金部43の剛性をより一層向上して、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、より効果的な補強を行うことができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51、51Bと外板2とを車体上下方向に沿って接合する第1接合部Y1と、縦出入口フレーム部41と縦内板フレーム部材51、51Bとを接合する第2接合部Y2とが、車体前後方向で異なる位置に形成されているので、縦出入口フレーム部41に対して車体上下方向に2重に接合されてより剛性を高めた縦内板フレーム部材51によって、上下に離間して配置された横骨部材3(32、33)同士を連結することができる。そのため、外板2の出入口開口部21における車体上下方向の剛性を高めて、車体1の自重や乗客の荷重等に対する抵抗力をより一層向上させることができる。
【0080】
また、第1接合部Y1は、第2接合部Y2より出入口開口部21の周縁寄りに形成されているので、外板2の出入口開口部21における周縁寄りの剛性をより一層向上して、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、より効果的な補強を行うことができる。
【0081】
また、本他の実施形態に係る鉄道車両の製造方法によれば、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とを突合せ接合して、出入口フレーム部材4を形成する第1ステップS1と、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを接合して、出入口フレームユニット7、7Bを形成する第2ステップS2と、外板2の車内面側に横骨部材3を直接に接合又はシアプレート6を介して接合して、外板・骨部材ユニット8を形成する第3ステップS3と、出入口フレームユニット7、7Bと外板・骨部材ユニット8とを接合して、側構体GKを形成する第4ステップS4と、を備えているので、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両10、10Bを形成できる。
【0082】
すなわち、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とを突合せ接合して、出入口フレーム部材4を形成する第1ステップS1を備えているので、縦出入口フレーム部41と横出入口フレーム部42と隅金部43とをそれぞれ展開抜きした平板を曲げ加工して簡単に製作できる。
【0083】
また、出入口フレーム部材4の車内面側に縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを接合又は仮止めして、出入口フレームユニット7、7Bを形成する第2ステップS2を備えているので、出入口フレーム部材4に対して、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを接合又は仮止めすることによって、出入口フレームユニット7、7Bとしての剛性を高め、外板2に対して精度良く組み付けることができる。また、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとが直接溶接されていないので、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとの溶接に伴う出入口フレーム部材4の変形や歪取り等を回避できる。その結果、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとが互いに分離した状態で、縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを出入口フレーム部材4の車内面側に接合することによって、精度と剛性を高めた安価な出入口フレームユニット7、7Bを簡単に製作することができる。
【0084】
また、外板2の車内面側に横骨部材3を直接に接合又はシアプレート6を介して接合して、外板・骨部材ユニット8を形成する第3ステップS3を備えているので、予め、外板2と横骨部材3とを又は外板2とシアプレート6と横骨部材3とを、他の部材(出入口フレーム部材4、縦内板フレーム部材51、51B、横内板フレーム部材52、52B等)に邪魔されることなく、簡単に接合することができる。
【0085】
また、出入口フレームユニット7、7Bと外板・骨部材ユニット8とを接合して、側構体GKを形成する第4ステップS4を備えているので、車体1の自重や乗客の荷重等が集中応力として作用する出入口開口部21周縁の外板2に対して、出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bと横骨部材3とが互いに連携することによって、効果的に補強することができる。また、互いに剛性を高めた状態の出入口フレームユニット7、7Bと外板・骨部材ユニット8とを接合できるので、側構体GKを精度良く簡単に組み付けることもできる。
【0086】
よって、側構体GKの外板2に形成された出入口開口部21を効果的且つ簡単に補強できる鉄道車両10、10Bの製造方法を提供することができる。
【0087】
また、本他の実施形態によれば、横骨部材3に対して縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとを接合する第3接合部Y3は、栓溶接又はリング溶接を行って形成するので、横骨部材3に対する縦内板フレーム部材51、51Bと横内板フレーム部材52、52Bとの溶接作業を外板2に邪魔されずに車内側から簡単に行うことができると共に、栓溶接又はリング溶接による第3接合部Y3の穴径を適正に設定することによって必要な溶接強度を確保することもできる。また、外板2に対して出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51、51B又は横内板フレーム部材52、52Bとを接合する第1接合部Y1は、スポット溶接を行って形成するので、外板2と出入口フレーム部材4と縦内板フレーム部材51、51B又は横内板フレーム部材52、52Bとを3枚重ねて溶接して、外板2に対する必要な溶接強度を確保することができる。そのため、外板2の出入口開口部21周縁に対する強固な補強ができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、側構体の外板に形成された出入口開口部を有する鉄道車両及びその製造方法として利用できる。
【符号の説明】
【0089】
1 車体
2 外板
3、31、32、33 横骨部材
3B、34 縦骨部材
4 出入口フレーム部材
5、5B 内板フレーム部材
6、61、62、63 シアプレート
7、7B 出入口フレームユニット
8 外板・骨部材ユニット
10、10B、 鉄道車両
11 台車
21 出入口開口部
21S 隅部
41 縦出入口フレーム部
41S、42S 長手方向端部
42 横出入口フレーム部
43 隅金部
51、51B 縦内板フレーム部材
52、52B 横内板フレーム部材
511、511B 長手方向端部
521、521B 長手方向端部
GK 側構体
RL レール
S1 第1ステップ
S2 第2ステップ
S3 第3ステップ
S4 第4ステップ
Y1 第1接合部
Y3 第3接合部