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  • 特開-情報処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157029
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20241029BHJP
   G05D 1/246 20240101ALI20241029BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20241029BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G05D1/246
G05D1/43
G09B29/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024138934
(22)【出願日】2024-08-20
(62)【分割の表示】P 2023085035の分割
【原出願日】2018-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(72)【発明者】
【氏名】松本 令司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏平
(72)【発明者】
【氏名】玉田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】藤原 稔樹
(72)【発明者】
【氏名】塚田 卓也
(57)【要約】
【課題】地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】収集部2が、撮像情報及び地図データに基づいて生成された個別点群データを収集し、生成部3が、複数の個別点群データに基づいて総合点群データを生成する。収集部2が地図データに関する属性情報を取得し、属性情報に基づいて個別点群データの寄与度を決定することで、信頼度の高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くし、信頼度の低い地図データに基づく個別点群データの寄与度を低くすることができる。これにより、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像情報及び地図データに基づいて生成された個別点群データを収集する収集部と、
複数の前記個別点群データに基づいて総合点群データを生成する生成部と、を備え、
前記収集部は、前記地図データに関する属性情報を取得し、
前記生成部は、前記複数の個別点群データのそれぞれについて、前記属性情報に基づいて寄与度を決定し、前記総合点群データを生成することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体において自己位置推定と環境地図作成を同時に実行する方法(SLAM;Simultaneous Localization and Mapping)が知られている。このようなSLAMの一種として、レーザ装置に代えてビデオカメラを用いる方法(VSLAM;Visual SLAM)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたようなVSLAMでは、ビデオカメラを用いることによりコスト低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-222550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなVSLAMにおいては、ビデオカメラによって撮像された各画像(フレーム)において特徴点を抽出し、各画像間における特徴点の変化に基づいて自己位置推定及び環境地図作成を行う。このように環境地図を作成する際、既存の地図データを参照することにより、環境地図に含まれる点群データを補正して精度を向上させる方法が考えられる。さらに、所定の区間について複数の点群データを収集して統合することにより精度をさらに向上させる方法が考えられる。
【0005】
しかしながら、各点群データを生成する際、参照する地図データが同一のものであるとは限らない。このため、収集した複数の点群データに、古い地図データや精度の低い地図データを利用して生成された点群データが混ざっていると、統合した点群データの精度が低下してしまう可能性がある。
【0006】
したがって、本発明の課題は、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる情報処理装置を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、撮像情報及び地図データに基づいて生成された個別点群データを収集する収集部と、複数の前記個別点群データに基づいて総合点群データを生成する生成部と、を備え、前記収集部は、前記地図データに関する属性情報を取得し、前記生成部は、前記複数の個別点群データのそれぞれについて、前記属性情報に基づいて寄与度を決定し、前記総合点群データを生成することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係る情報処理装置の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る情報処理装置は、撮像情報及び地図データに基づいて生成された個別点群データを収集する収集部と、複数の個別点群データに基づいて総合点群データを生成する生成部と、を備える。収集部は、複数の個別点群データのそれぞれについて、個別点群データの生成に利用された地図データに関する属性情報を取得する。生成部は、複数の個別点群データのそれぞれについて、属性情報に基づいて寄与度を決定し、総合点群データを生成する。
【0010】
このような本実施形態の情報処理装置によれば、収集部が地図データに関する属性情報を取得し、属性情報に基づいて個別点群データの寄与度を決定することで、信頼度の高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くし、信頼度の低い地図データに基づく個別点群データの寄与度を低くすることができる。これにより、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0011】
属性情報は、地図データの最終更新時又は作成時についての時間情報を含むことが好ましい。このとき、生成部は、最終更新時又は作成時が新しい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすることが好ましい。地図データは最終更新時又は作成時が新しいほど信頼度が高い傾向がある。従って、最終更新時又は作成時が新しい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすれば、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0012】
属性情報は、地図データの累計更新回数又はバージョン番号についての回数情報を含んでいてもよい。このとき、生成部は、累計更新回数が多い又はバージョン番号が大きい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすることが好ましい。地図データは、累計更新回数が多い場合や、バージョン番号が大きい場合、最終更新時が新しく、信頼度が高い傾向がある。従って、累計更新回数が多い又はバージョン番号が大きい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすれば、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0013】
属性情報は、地図データの精細度についての精細度情報を含んでいてもよい。このとき、生成部は、精細度が高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすることが好ましい。地図データは、作成者(提供者)や利用目的によって精細度が異なる場合がある。そこで、精細度が高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすれば、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0014】
本発明の実施形態に係る情報処理方法は、撮像情報及び地図データに基づいて生成された個別点群データを収集する収集工程と、複数の個別点群データに基づいて総合点群データを生成する生成工程と、を含む。収集工程において、複数の個別点群データのそれぞれについて、個別点群データの生成に利用された地図データに関する属性情報を取得する。生成工程において、複数の個別点群データのそれぞれについて、属性情報に基づいて寄与度を決定し、総合点群データを生成する。このような情報処理方法によれば、収集工程において地図データに関する属性情報を取得し、生成工程において属性情報に基づいて個別点群データの寄与度を決定することで、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0015】
また、上述した情報処理方法をコンピュータにより実行させる情報処理プログラムとしてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0016】
また、上述した情報処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例0017】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。本実施例の情報処理装置1は、図1に示すように、例えば移動体10と通信する外部サーバ20に搭載され、収集部2と、生成部3と、を備える。移動体10は例えば車両であって、撮像部11と、個別データ生成部12と、通信部13と、地図情報記憶部14と、が搭載されている。尚、図1には1台の移動体10のみを示しているが、外部サーバ20は複数の移動体と通信可能なものであってもよい。
【0018】
撮像部11は、例えばビデオカメラであって、移動体10の進行方向前方側を撮像するように配置されている。撮像部11が撮像した動画は、複数の画像情報(フレーム)によって構成されており、個別データ生成部12に送信される。尚、撮像部は、所定の時間間隔で連続的に静止画を撮像可能なものであってもよい。
【0019】
個別データ生成部12は、撮像部11から画像情報を取得し、VSLAMによって個別点群データを生成する。即ち、個別データ生成部12は、画像情報において特徴点を抽出し、特徴点の変化に基づいて点群データを生成する。点群データは、例えば三次元点群データであればよい。尚、抽出する特徴点は、物体の角部等、他の物体と区別可能であるとともに追跡可能なものであればよく、特徴点の抽出には、例えばORB(Oriented fast and Rotated Brief)アルゴリズムを用いてもよいし、その他のアルゴリズムを用いてもよい。
【0020】
また、個別データ生成部12が個別点群データを生成する際、地図情報記憶部14に記憶された地図データも利用する。さらに、個別データ生成部12が個別点群データを生成する際、撮像部11の撮像位置及び撮像方向の情報も利用する。即ち、例えばGPS(Global Positioning System)受信部等の自己位置推定部によって得られる現在位置情報と、車速パルス取得部やジャイロセンサ、加速度センサ等の車載センサによって得られる変位量情報と、を利用することにより、撮像部11の撮像位置及び撮像方向を特定することができる。
【0021】
地図データを取得するとともに、撮像部11の撮像位置及び撮像方向を特定することにより、各フレームにおいて抽出された特徴点や点群データを構成する構成点がどのような物体に対応しているかを推定することができる。個別データ生成部12は、各フレームにおいて抽出される複数の特徴点のうち、例えば移動し得る物体(他車両や歩行者等)に対応した特徴点を、地図情報及び進行方向情報に基づいて特定して除去する。また、個別データ生成部12は、複数の特徴点群に基づいて個別点群データを生成する際、個別点群データを構成する構成点のうち、例えば経時変化し得る地物(植生等)に対応した特徴点を、地図情報及び進行方向情報に基づいて特定して除去する。尚、個別データ生成部12は、特徴点の除去と構成点の除去とのうち一方のみを実行してもよい。
【0022】
個別データ生成部12は、個別点群データを生成する際、利用する地図データに関する属性情報を、フラグとしてこの個別点群データに付与する。属性情報は、最終更新時又は作成時についての時間情報と、累計更新回数又はバージョン番号についての回数情報と、精細度についての精細度情報と、のうち少なくとも1つを含む。地図データは、最終更新時又は作成時が新しいほど信頼度が高い傾向がある。また、地図データは、累計更新回数が多い場合や、バージョン番号が大きい場合、最終更新時が新しく、信頼度が高い傾向がある。
【0023】
通信部13は、インターネットや公衆回線等のネットワークと通信するための回路やアンテナ等から構成され、外部サーバ20の通信部21と通信することにより、個別データ生成部12が生成した情報(個別点群データ)を送信する。
【0024】
地図情報記憶部14は、例えばハードディスクや不揮発性メモリなどで構成され、既存の地図データが記憶されている。地図データは、少なくとも道路形状についての情報を含むものであればよく、市街図であってもよいし、線図であってもよいし、航空図であってもよい。尚、各移動体は地図情報記憶部を備えていなくてもよく、データセンタ等と通信することで地図データを取得してもよい。
【0025】
情報処理装置1の収集部2は、通信部21を介し、個別データ生成部12が生成した個別点群データを取得する。収集部2は、複数の移動体から個別点群データを取得したり、1つの移動体から個別点群データを複数回取得したりすることにより、個別点群データを収集する。
【0026】
生成部3は、収集部2が収集した複数の個別点群データに基づいて、総合点群データを生成する。総合点群データは、複数の個別点群データを重ね合わせたものであってもよいし、複数の個別点群データの構成点の位置平均を示すものであってもよい。生成部3は、総合点群データを生成する際、地図データの属性情報に基づき、個別点群データのそれぞれについて寄与度を決定し、例えば寄与度に応じてデータに重みづけをする。このとき、上記の信頼度が高いほど寄与度を高くする。
【0027】
尚、例えば最終更新時又は作成時から所定の年数が経過している場合等、属性情報によっては寄与度を0とし、データを用いない(除去する)処理を行ってもよい。また、上記のように決定された寄与度は、個別点群データ全体に適用されてもよいし、個別点群データを構成する構成点のうち、地図データの利用によって影響を受けた構成点のみに適用されてもよい。
【0028】
このように生成された総合点群データは、例えば移動体の自己位置推定に用いられる。即ち、移動体に搭載された光センサ(いわゆるLIDAR; Laser Imaging Detection and Ranging)によって地物が検出された際、総合点群データと照合することによってこの移動体の自己位置を推定すればよい。
【0029】
上記の構成により、収集部2が地図データに関する属性情報を取得し、属性情報に基づいて個別点群データの寄与度を決定することで、信頼度の高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くし、信頼度の低い地図データに基づく個別点群データの寄与度を低くすることができる。これにより、地図データを利用して生成された個別点群データに基づき、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0030】
また、最終更新時又は作成時が新しい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くし、累計更新回数が多い又はバージョン番号が大きい地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くし、精細度が高い地図データに基づく個別点群データの寄与度を高くすることで、精度の高い総合点群データを生成することができる。
【0031】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0032】
例えば、前記実施例では、個別データ生成部12が、地図データに関する属性情報をフラグとして個別点群データに付与するものとしたが、収集部2が収集する個別点群データには、属性情報が付与されていなくてもよい。例えば、収集部2が、個別点群データが生成された移動体に記憶されている地図データの属性情報を取得してもよい。また、地図データが移動体側に記憶されておらずデータセンタ等から取得する場合には、収集部2がデータセンタ等から地図データの属性情報を取得してもよい。また、収集部2が、個別点群データの生成日時に基づいて、利用された地図データの属性情報を推定してもよい。
【0033】
また、前記実施例では、個別データ生成部12が、個別点群データを生成する際に地図データに基づいて特徴点や構成点を除去するものとしたが、特徴点及び構成点は、除去されなくてもよい。例えば、個別点群データの各構成点に、地図データに基づいて信頼度を付与してもよい。
【0034】
また、情報処理装置を構成する収集部と生成部とは、外部サーバに搭載されていなくてもよく、互いに異なる機器や装置に搭載されていてもよい。即ち、情報処理装置の各構成は、物理的に分離した複数の装置に跨っていてもよい。
【0035】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 情報処理装置
2 収集部
3 生成部
図1