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特開2024-157039レーダシステム、レーダシステムのためのアンテナアレイ、少なくとも1つのレーダシステムを備える車両、及び少なくとも1つのレーダシステムを操作するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157039
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】レーダシステム、レーダシステムのためのアンテナアレイ、少なくとも1つのレーダシステムを備える車両、及び少なくとも1つのレーダシステムを操作するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/06 20060101AFI20241029BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20241029BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20241029BHJP
【FI】
H01Q21/06
G01S7/02 216
G01S13/931
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139992
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2023506070の分割
【原出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】102020119936.8
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー、バナエフ
(72)【発明者】
【氏名】ワカス、マリク
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ストゥルム
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、ゲルナー
(72)【発明者】
【氏名】ウルス、リュベルト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、オブジェクトについて少なくとも1つの監視領域を監視するためのレーダシステム、アンテナアレイ、車両、及びレーダシステムを操作するための方法を提供する。
【解決手段】レーダシステムは、各送信信号を用いて制御可能であり、且つ、対象レーダ信号を少なくとも1つの監視領域に送信するように用いることができる複数の送信アンテナ26を備える。さらに、レーダシステムは、送信されたレーダ信号のエコーを受信し、エコーを対応する受信信号に変換するように用いることができる複数の受信アンテナ28を備える。少なくとも2つの隣接する受信アンテナ28の各位相中心32が互いにベース間隔40で配置される。少なくとも2つの隣接する前記受信アンテナ28の前記各位相中心32が互いに、前記ベース間隔40より大きな各受信機縦間隔48a、48b、48cで配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト(18)について少なくとも1つの監視領域(14)を監視するように用いられる、レーダシステム(12)を操作する方法であって、
送信信号を用いて複数の送信アンテナ(26)を制御し、且つ、適用可能なレーダ信号(30)を監視領域(14)に送信することと、
複数の受信アンテナ(28)を用いて前記送信されたレーダ信号(30)のエコー(44)を受信し、前記エコーを対応する受信信号に変換し、信号処理を利用して前記受信信号を処理し、前記監視領域(14)内のオブジェクトに関するオブジェクト情報(r、φ、Θ)を前記受信信号から確認することと、
を含む方法であって、
少なくとも2つのレーダ測定間で、前記送信アンテナ(26)の少なくとも幾つかが前記同じ送信信号を用いて少なくとも一時的に制御される範囲操作モード、及び、前記送信アンテナ(26)の少なくとも幾つかが、各受信されたレーダ信号(30)が少なくとも前記受信アンテナ(28)で少なくとも一時的に区別可能であるように、異なる送信信号を用いて少なくとも一時的に制御される方向操作モードの間の切り替えが行われる、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトについて少なくとも1つの監視領域を監視するためのレーダシステムであって、
各送信信号を用いて制御可能であり、且つ、対象レーダ信号を少なくとも1つの監視領域に送信するように用いることができる複数の送信アンテナを備え、
送信されたレーダ信号のエコーを受信し、エコーを対応する受信信号に変換するように用いることができる複数の受信アンテナを備え、
送信アンテナ及び受信アンテナに接続され、送信アンテナを制御する送信信号を生成するように用いることができ、且つ、レーダ信号を用いて検出されたオブジェクトに関連するオブジェクト情報を受信信号から確認するように用いることができる、少なくとも1つの制御及び評価装置を備える、レーダシステムに関する。
【0002】
さらに、本発明は、オブジェクトについて少なくとも1つの監視領域を監視するレーダシステムのためのアンテナアレイであって、
各送信信号を用いて制御可能であり、且つ、対象レーダ信号を送信するように用いることができる複数の送信アンテナを備え、
送信されたレーダ信号のエコーを受信し、エコーを対応する受信信号に変換するように用いることができる複数の受信アンテナを備える、アンテナアレイに関する。
【0003】
また、本発明は、オブジェクトについて少なくとも1つの監視領域を監視する、少なくとも1つのレーダシステムを備える車両であって、
少なくとも1つのレーダシステムは、
各送信信号を用いて制御可能であり、且つ、対象レーダ信号を少なくとも1つの監視領域に送信するように用いることができる複数の送信アンテナと、
送信されたレーダ信号のエコーを受信し、エコーを対応する受信信号に変換するように用いることができる複数の受信アンテナと、
送信アンテナ及び受信アンテナに接続され、送信アンテナを制御する送信信号を生成するように用いることができ、且つ、レーダ信号を用いて検出されたオブジェクトに関連するオブジェクト情報を受信信号から確認するように用いることができる、少なくとも1つの制御及び評価装置と、を備える、車両に関する。
【0004】
さらに、本発明は、 オブジェクトについて少なくとも1つの監視領域を監視するように用いられる、レーダシステムを操作する方法であって、
送信信号を用いて複数の送信アンテナを制御し、且つ、適用可能なレーダ信号を監視領域に送信することと、
複数の受信アンテナを用いて送信されたレーダ信号のエコーを受信し、エコーを対応する受信信号に変換し、信号処理を利用して受信信号を処理し、監視領域内のオブジェクトに関するオブジェクト情報を受信信号から確認することと、
を含む方法に関する。
【0005】
[先行技術文献]
独国特許出願公開第102018118238号明細書から、レーダ装置を操作する方法及びレーダ装置が知られている。この方法は、監視領域に送信信号を送信するように、互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つの送信アンテナを用いることを含む。必要であれば、少なくとも1つの受信アレイ要素を用いて、監視される領域に存在する少なくとも1つのオブジェクトによって反射されたエコー信号が受信される。少なくとも1つのオブジェクト情報が、エコー信号から確認される。レーダ装置は、同じ送信信号を同時に送信するように少なくとも2つの送信アンテナ要素が用いられ、レーダ装置に対する少なくとも1つのオブジェクトの距離及び/又は速度が対応するエコー信号から確認される距離操作モード、又は互いに区別可能な送信信号を送信するように少なくとも2つの送信アンテナ要素が用いられ、適切に区別可能なエコー信号が送信アンテナ要素に割り当てられ、オブジェクトの少なくとも1つの方向成分が確認される方向操作モードのいずれかで操作される。
【0006】
本発明は、レーダシステムの検出範囲と方向決定のための角度分解能という点でレーダシステムの性能が改善される、冒頭に言及された種類のレーダシステム、アンテナアレイ、車両及び方法を設計する目的に基づく。
【発明の開示】
【0007】
本発明によれば、この目的は、レーダシステムのために、
少なくとも4つの前記受信アンテナの各位相中心が、仮想の受信機縦軸上に配置され、 少なくとも2つの隣接する前記受信アンテナの前記各位相中心が互いにベース間隔で配置され、且つ、
少なくとも2つの隣接する前記受信アンテナの前記各位相中心が互いに、前記ベース間隔より大きな各受信機縦間隔で配置されている、
ことで達成される。
【0008】
本発明によれば、4つの受信アンテナは、仮想の受信機縦軸に沿って互いの隣に配置される。ここで、少なくとも2つの受信アンテナがベース間隔で配置される。これにより、受信アンテナは明確な方向決定をするように用いられることができる。少なくとも2つの受信アンテナは、より大きな間隔で配置される。これにより、受信アンテナ構成は全体的により大きくなり得る。これにより、レーダシステムのアパーチャが大きくなり得る。
【0009】
本発明の受信アンテナ構成は、受信アンテナが異なる受信信号を用いて制御される方向操作モードと、受信アンテナが同じ受信信号を用いて制御される範囲稼働モードと、の両方において、レーダシステムを用いるために採用され得る。
【0010】
1つの有利な実施形態によれば、少なくとも1つの受信機縦間隔はベース間隔の整数倍、特に公差のプラスマイナス(plus or minus a tolerance)であってよい。これにより、受信アンテナ構成の広がりが受信機縦軸の方向に増加され得る。これにより、送信構成及び受信構成から形成された、対応する大きなバーチャル受信アンテナアレイが、レーダシステムの方向操作モードの方向に、対応する大きなアパーチャを容易にすることができる。
【0011】
更なる有利な実施形態によれば、受信機縦軸の外側に位置する2つの受信アンテナの各位相中心は、ベース間隔で配置されてよい。これにより、レーダシステムの方向操作モードにおいて、より良い角度分解能を容易にする、対応するバーチャル受信アンテナアレイが実現され得る。
【0012】
更なる有利な実施形態によれば、互いに隣接する少なくとも2つの受信アンテナの各位相中心は、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナの位相中心の同側に配置され、
ベース間隔で配置された2つの受信アンテナに最も近い受信アンテナの位相中心と、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナの最も近い位相中心との間の受信機縦間隔が、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナに最も近い受信アンテナの位相中心と、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナから離間している受信アンテナの位相中心との間の受信機縦間隔より小さくてよく、又は、
ベース間隔で配置された2つの受信アンテナに最も近い受信アンテナの位相中心と、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナの最も近い位相中心との間の受信機縦間隔が、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナに最も近い受信アンテナの位相中心と、ベース間隔で配置された2つの受信アンテナから離間している受信アンテナの位相中心との間の受信機縦間隔より大きくてよい。これにより、大きなアパーチャと大きな角度分解能とを兼ね備えるバーチャル受信アンテナアレイが、レーダシステムの方向操作モードにおいて実現され得る。
【0013】
最も近い受信アンテナの受信機縦間隔が、離間された受信アンテナの受信機縦間隔より小さい場合、受信アンテナ構成はよりコンパクトになり得る。
【0014】
この場合、ベース間隔及び2つの縦間隔は、有利にはゴロム定規(Golomb ruler)の表示に従って配置されてよい。
【0015】
最も近い受信アンテナの受信機縦間隔が、離間された受信アンテナの受信機縦間隔より大きい場合、対応する大きな角度分解能を容易にする、対応する広がったバーチャル受信アンテナアレイがレーダシステムの方向操作モードにおいて実現され得る。この場合、レーダシステムの範囲操作モードにおいて、より大きなアパーチャを容易にすることができる。
【0016】
更なる有利な実施形態によれば、3つの隣接する受信アンテナ間の、2つの受信機縦間隔の大きい方と、2つの受信機縦間隔の小さい方との商は、有利には1.5又は1.5の整数倍であってよい。これにより、角度測定の明確さが向上され得る。
【0017】
3つの隣接する受信アンテナ間の、2つの受信機縦間隔の大きい方と、2つの受信機縦間隔の小さい方との商は、有利には1.5の2倍、つまり3であってよい。
【0018】
さらなる有利な実施形態によれば、ベース間隔は、送信アンテナを用いて送信されたレーダ信号の波長の半分、特に公差のプラスマイナスに対応してよい。これにより、レーダシステムの方向操作モードにおける、送信機で明確に向けられたレーダ信号(distinctly directed radar signals)が実現され得る。加えて、方向操作モードにおいて明確な角度測定をすることができる。
【0019】
少なくとも1つの送信アンテナは、有利には複数のアンテナ要素を備えてよい。これにより、少なくとも1つの送信アンテナの送信特性が改善され得る。代わりに又は加えて、少なくとも1つの受信アンテナは、有利には複数のアンテナ要素を備えてよい。これにより、少なくとも1つの受信アンテナの受信特性が向上され得る。
【0020】
送信アンテナの位相中心は、有利には送信アンテナ平面に配置されてよい。これにより、位相中心の位置がより容易に定義され得る。そのため、より正確なレーダ測定を行うことができる。送信アンテナの主ビーム方向は、有利には送信アンテナ平面に垂直に走っていてもよい。これにより、主ビーム方向がより容易に定義され得る。
【0021】
代わりに又は加えて、送信アンテナの位相中心は、有利には受信アンテナ平面内に配置されてよい。これにより、位相中心の位置がより簡単に定義され得る。したがって、より正確なレーダ測定を行うことができる。受信アンテナの主受信方向は、有利には受信アンテナ平面に垂直に走っていてもよい。これにより、主受信方向がより簡単に定義され得る。
【0022】
代わりに又は加えて、送信アンテナの位相中心と受信アンテナの位相中心は、有利には共通のアンテナ平面内に配置されてよい。これにより、位相中心の位置がより正確に配置され得る。
【0023】
送信アンテナの少なくとも幾つかは、有利にはアンテナアレイとして実現されてよい。
これにより、送信アンテナは共に製造され、組み立てられることができる。
【0024】
代わりに又は加えて、受信アンテナの少なくとも幾つかは、有利にはアンテナアレイとして実現されてよい。これにより、受信アンテナは共に製造され、組み立てられることができる。
【0025】
代わりに又は加えて、送信アンテナの少なくとも幾つかと受信アンテナの少なくとも幾つかは、有利には共通のアンテナアレイとして実現されてよい。これにより、送信アンテナ及び受信アンテナは共に製造され、組み立てられることができる。
【0026】
有利には、少なくとも2つの隣接する送信アンテナの各位相中心は、仮想の送信機縦軸上に配置されてよく、少なくとも1つの更なる送信アンテナの位相中心は、送信機縦軸から送信機横間隔で配置されてよい。
【0027】
少なくとも1つの更なる送信アンテナの位相中心を通って、送信機縦軸に垂直に走る仮想の送信機横軸は、有利には、送信機縦軸上の少なくとも2つの送信アンテナのうちの1つの位相中心を通って、送信機縦軸に垂直に走る前記仮想の送信機横軸からベース間隔に位置してよい。
【0028】
送信機縦軸上の少なくとも2つの隣接する送信アンテナの各仮想の送信機縦軸間の送信機縦間隔は、有利にはベース間隔より大きくてよい。
【0029】
少なくとも2つの送信アンテナは、有利には送信機縦軸に沿って配置されてよい。少なくとも1つの更なる送信アンテナは送信機縦軸の隣に配置されてよい。送信機縦軸の隣に配置された少なくとも1つの送信アンテナは、少なくとも2つの送信アンテナのうち1つの対象送信機横軸の隣にベース間隔で配置されていてもよい。
【0030】
この有利な送信アンテナ構成は、送信アンテナが異なる送信信号を用いて制御可能な方向測定モードと、送信アンテナが同じ送信信号を用いて制御可能な範囲操作モードと、の両方で操作され得る。
【0031】
送信機縦間隔は、有利にはベース間隔の整数倍、特に公差のプラスマイナスであってよい。
【0032】
代わりに又は加えて、送信機横間隔は、有利にはベース間隔より大きくてよい。
【0033】
代わりに又は加えて、送信機横間隔は、有利には送信機縦間隔より小さくてよい。
【0034】
これにより、特にコンパクトな送信アンテナ構成が実現され得る。
【0035】
少なくとも1つの更なる送信アンテナの送信機横軸は、有利には、送信機縦軸上で隣接する少なくとも2つの送信アンテナの送信機横軸間に配置されてよい。これにより、送信アンテナ構成がよりコンパクトに実現され得る。
【0036】
送信アンテナの少なくとも幾つかは、有利には、同じ送信信号を用いて少なくとも一時的に制御可能である。
【0037】
代わりに又は加えて、送信アンテナの少なくとも幾つかは、有利には、各送信されたレーダ信号が少なくとも受信アンテナで少なくとも一時的に区別可能であるように、異なる送信信号を少なくとも一時的に用いて制御可能である。
【0038】
代わりに又は加えて、送信アンテナの少なくとも幾つかは、同じ送信信号又は異なる送信信号を用いて切り替え可能な方式で制御可能である。
【0039】
送信アンテナの少なくとも幾つかを、同じ送信信号を用いて少なくとも一時的に制御することは、対象送信アンテナから同じレーダ信号を同時に放出することを可能とする。したがって、各送信アンテナからのレーダ信号を合成して、より大きな信号強度を有する共通のレーダ信号を形成することができる。これにより、検出範囲が増加され得る。送信アンテナの少なくとも幾つかが、同じ送信信号を用いて制御されるレーダシステムの操作モードは、範囲操作モードとして呼ぶことができる。
【0040】
少なくとも2つの隣接する受信アンテナは、有利には、ビームフォーミング方式を用いて操作されてよい。ビームフォーミング方式では、複数の送信チャネルがそれぞれ、定義された位相オフセットを有する同じレーダ信号を送信するように、特にベース間隔で配置された隣接する送信アンテナをコヒーレントに用いることができる。
【0041】
レーダ信号を区別できることは、受信アンテナを用いて受信したレーダ信号の対応するエコーを対象送信アンテナに割り当てることを可能とする。これにより、方向決定のための送信アンテナへの投資(investment)が減少され得る。各送信されたレーダ信号が少なくとも受信アンテナで少なくとも一時的に区別可能であるように、送信アンテナの少なくとも2つが制御されるレーダシステムの操作モードは、方向操作モードとして呼ぶことができる。
【0042】
送信アンテナの少なくとも2つは、有利にはMIMO方式を用いて操作されてよい。MIMO方式では、少なくとも受信アンテナで少なくとも一時的に区別可能な各レーダ信号を、送信アンテナが送信する。これにより、方向決定のための角度分解能が改善され得る。
【0043】
送信アンテナの少なくとも幾つかが、同じ送信信号又は異なる送信信号を用いて切り替え可能な方式で制御可能であるため、レーダシステムは方向操作モードと範囲操作モードとの間で切り替え可能である。送信アンテナの少なくとも幾つかは、有利には自動的に及び/又は必要に応じて切り替え可能である。
【0044】
方向操作モードにおいては、範囲操作モードにおいてよりも高い角度分解能が可能である。逆に、範囲操作モードにおいては、方向操作モードにおいてよりも広い検出範囲が可能である。
【0045】
レーダシステム、特にレーダシステムの少なくとも1つの制御及び評価装置は、有利には、送信アンテナの少なくとも幾つかが同じ送信信号を用いて制御可能な操作モード、特に範囲稼働モード又はビームフォーミングモードと、送信アンテナの少なくとも幾つかが異なる送信信号を用いて制御可能な操作モード、特に方向モード又はMIMOモードと、の間でレーダシステムを切り替えるように用いられてよい、少なくとも1つの切り替え手段を備えてよい。
【0046】
受信アンテナ構成と送信アンテナ構成との特別な本発明の組み合わせは、レーダシステムが方向操作モード、特にMIMOモードで操作される場合、大きなアパーチャと大きな角度分解能を兼ね備えるバーチャル受信アンテナアレイが実現され得ることを意味する。
【0047】
レーダシステムは、オブジェクト情報、特に距離、方向、及び/又はオブジェクトの速度、特にレーダシステムに対するオブジェクト目標(target)、を確認するように用いられてよい。オブジェクト目標は、レーダ信号が反射されるオブジェクトの領域であり、反射されるレーダ信号は受信アンテナを用いてエコーとして受信され得る。
【0048】
方向決定は、レーダシステムに対して目標が位置する方向の決定である。この場合、方向は、レーダシステムの基準軸、特に送信アンテナの主ビーム方向に対する角度として特定されてよい。
【0049】
送信機縦軸及び/又は受信機縦軸、さらに送信アンテナの主ビーム方向は、有利には空間的に水平方向に方向付けられる。これにより、水平方向に延在する監視領域が、角度分解能で監視され得る。方向は、ここでは方位角として決定されてよい。
【0050】
レーダシステムは、有利には送信アンテナを制御するための手段、特に送信信号を生成するための手段を備えてよい。さらに、レーダシステムは受信信号を処理する手段を備えてもよい。制御及び/又は処理のための手段は、共通の制御及び評価装置を用いるソフトウェア及び/又はハードウェアの形態で実現されてよい。制御及び評価装置は、送信信号のための適切な送信チャネル及び/又は受信信号のための受信チャネルを備えてよい。送信信号及び/又は受信信号は、電気信号であってよい。これにより、制御及び/又は評価のために電子的手段が用いられてよい。
【0051】
本発明は、車両(vehicle)、特に自動車両のレーダシステムに用いられてよい。本発明は、有利には、陸上車両、特に自動車、トラック、バス、バイク等、又は飛行機、及び/又は船に用いられてよい。本発明は、自動又は少なくとも半自動で操作され得る車両に用いられてよい。しかしながら、本発明は車両での使用に限定されない。本発明は、固定されて動作するレーダシステムにも用いられてよい。
【0052】
レーダシステムは、有利には車両の少なくとも1つの電子制御装置、特に運転者補助システム又はシャシー(Chassis)制御システム及び/又は運転者情報装置及び/又は駐車補助システム及び/又は姿勢認識システム等に接続されてよく、又はそのような装置又はシステムの一部であってもよい。これにより、車両は自動又は半自動で操作され得る。
【0053】
レーダシステムは、静止している又は動いているオブジェクト、特に車両、人、動物、植物、障害物、特にくぼみ又は石の道路の凸凹、道路境界、道路標識、特に駐車空間の空き空間、降水等を検出するように用いられてよい。
【0054】
更なる有利な実施形態によれば、送信アンテナ及び受信アンテナの構成は、少なくとも2つの隣接するバーチャル受信アレイ要素が、少なくとも1つの仮想のアレイ縦軸上に配置されるバーチャル受信アンテナアレイを実現するように、レーダシステムの方向操作モードにおいて用いられ、
少なくとも2つの隣接するバーチャル受信アレイ要素が、互いにベース間隔で配置されてよく、及び/又は
少なくとも2つの隣接するバーチャル受信アレイ要素が、ベース間隔より大きい間隔で配置されてよく、及び/又は
少なくとも2つの隣接するバーチャル受信アレイ要素が、ベース間隔の整数倍に対応する間隔で配置されてよい。互いにベース間隔で配置されるバーチャル受信アンテナアレイは、明確な方向決定を実現するように用いられてよい。概して、ベース間隔より大きな間隔のバーチャル受信アンテナアレイは、より大きなバーチャル受信アンテナアレイを実現するように用いられてよい。より大きなバーチャル受信アンテナアレイは、より大きなアパーチャを実現するように用いられてよい。これにより、概して、レーダシステムは、目標オブジェクトの方向を明確且つより正確に確認するように、対応する大きな角度範囲において用いられ得る。
【0055】
送信アンテナ及び受信アンテナの本発明の構成は、送信アンテナの位相中心及び受信アンテナの位相中心の位置の幾何学的畳み込み方式によって、数多くのバーチャル受信アンテナアレイ要素を備えるバーチャル受信アンテナアレイを達成するために用いられてよい。
【0056】
さらなる有利な実施形態によれば、バーチャル受信アンテナ内のバーチャル受信アレイ要素は、少なくとも2つの仮想のアレイ縦軸にわたって分配される方式で配置されてよく、
異なるアレイ縦軸に配置された少なくとも2つのバーチャル受信アレイ要素が、アレイ縦軸の方向に見たときに同じ高さに配置されてよく、及び/又は
異なるアレイ縦軸に配置された少なくとも2つのバーチャル受信アレイ要素が、アレイ縦軸の方向に見たときに、互いにオフセットされる方式で配置されてよく、及び/又は
異なるアレイ縦軸に配置された少なくとも2つのバーチャル受信アレイ要素が、アレイ縦軸の方向に見たときに、互いにベース間隔だけオフセットされる方式で配置されてよい。
【0057】
異なるアレイ縦軸上のバーチャル受信アンテナアレイ要素の構成は、目標オブジェクトの方向が二次元的に確認されることを可能とする。バーチャル受信アンテナアレイのオフセット構成は、目標オブジェクトの方向を決定するとき、より良い角度分解能を達成することを可能とする。
【0058】
本発明によれば、
少なくとも4つの前記受信アンテナの各位相中心が、仮想の受信機縦軸上に配置され、 少なくとも2つの隣接する受信アンテナの各位相中心が互いにベース間隔で配置され、且つ、
少なくとも2つの隣接する前記受信アンテナの前記各位相中心が互いに、ベース間隔より大きな各受信機縦間隔で配置されている、
ことで、本目的がアンテナアレイのためにさらに達成される。
【0059】
本発明によれば、車両が少なくとも1つの本発明のレーダシステムを備えることで、本目的が車両についても達成される。
【0060】
本発明によれば、車両は、車両の周りのオブジェクトを監視できる少なくとも1つのレーダシステムを備える。少なくとも1つのレーダシステムを用いて確認されたオブジェクト情報は、運転者補助システムと共に、車両の操作を制御するように使われ得る。これにより、車両は自動又は半自動で操作され得る。
【0061】
本発明によれば、
送信アンテナの少なくとも幾つかが同じ送信信号を用いて少なくとも一時的に制御される範囲操作モード、及び、
送信アンテナの少なくとも幾つかが、各受信されたレーダ信号が少なくとも受信アンテナで少なくとも一時的に区別可能であるように、異なる送信信号を用いて少なくとも一時的に制御される方向操作モードの間の切り替えが行われる、
ことで、本目的が方法についてもさらに達成される。
【0062】
本発明によれば、レーダシステムは、長い検出範囲を達成するための範囲操作モードと、方向決定のための角度分解能を増加させるための方向操作モードとの間で交互に操作される。
【0063】
方向操作モードにおける区別性は、反射されたレーダ信号、つまりエコーが、受信アンテナにおける各送信アンテナに割り当てられることを可能とする。
【0064】
少なくとも2つの送信アンテナは、有利には、異なるように符号化されたレーダ信号を送信するように用いられてよい。これにより、レーダ信号は、受信アンテナにおいて互いに少なくとも一時的に区別されることができる。
【0065】
送信信号は、有利には、区別可能なレーダ信号を生成するために、特に位相変調によって互いに関連して符号化されてよい。これにより、送信信号及び受信信号の間に、少なくとも一時的な信号の直交性が達成され得る。これにより、レーダ信号及び対応するエコーは、互いに区別されてレンダリングされることができる。
【0066】
受信信号は、有利には、特にフーリエ変換を用いる適切な評価によって、受信機で処理されてよい。評価を行う手段は、有利にはソフトウェア及び/又はハードウェアの形態で、特に少なくとも1つの制御及び評価装置において実現されてよい。
【0067】
或いは、本発明のレーダシステム、本発明のアンテナアレイ、本発明の車両、本発明の方法、及びそれらのそれぞれの有利な構成と関連して示された機能及び利点は、相互に対応する方式で適用され、逆もまた然りである。もちろん、個別的な機能及び利点も互いと組み合わせられることができ、個別的な効果を超える有利な効果も発生することがある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明のさらなる利点、特徴、及び詳細は、図面を参照して本発明の例示的な実施形態がより詳細に説明される以下の説明から明らかになるであろう。当業者は、便宜上、図面、説明、及び特許請求の範囲で組み合わせて開示された特徴を個別に考慮し、それらを組み合わせて意味のあるさらなる組み合わせを形成するであろう。概略的に、図では、
図1図1は、自動車両の移動方向前方の監視領域を監視するための運転者支援システム及びレーダシステムを備える、自動車両の正面図を示す。
図2図2は、図1の自動車両の平面図を示す。
図3図3は、図1及び図2の自動車両の側面図を示す。
図4図4は、図1乃至図3の自動車両に用いられてよい、第1の例示的な実施形態に係る送信アンテナ及び受信アンテナを備えるレーダシステムのアンテナアレイの正面図を示す。
図5図5は、図4のアンテナアレイで、レーダシステムが方向操作モードで操作される場合に実現されるバーチャル受信アンテナアレイを示す。
図6図6は、レーダシステムが距離操作モード及び方向操作モードで操作される場合、レーダシステムの検出範囲が方向の関数として示される、図4のアンテナアレイの距離/方向グラフを示す。
図7図7は、目標オブジェクトが検出される場合、レーダシステムが方向操作モードで操作される、図4のアンテナアレイの受信信号/方向のグラフを示す。
図8図8は、2つの目標オブジェクトが検出される場合、レーダシステムが方向操作モードで操作される、図4のアンテナアレイの、多数の測定曲線を有する受信信号/方向のグラフを示す。
図9図9は、図8の2つの目標オブジェクトが検出されるとき、レーダシステムが範囲操作モードで操作される、図4のアンテナアレイの、多数の測定曲線を有する受信信号/方向グラフを示す。
図10図10は、図1乃至図3の自動車両に用いられてよい、第2の例示的な実施形態に係るレーダシステムの送信アンテナ及び受信アンテナを備えるアレイの正面図を示す。
図11図11は、図10のアンテナアレイで、レーダシステムが方向操作モードで操作される場合実現される、バーチャル受信アンテナアレイを示す。
図12図12は、レーダシステムが範囲操作モード及び方向操作モードで操作される場合、検出範囲が方向の関数として示される、図10のアンテナアレイの範囲/方向のグラフを示す。
図13図13は、目標オブジェクトが検出される場合、レーダシステムが方向操作モードで操作される、図10のアンテナアレイの受信信号/方向のグラフを示す。
図14図14は、2つの目標オブジェクトが検出される場合、レーダシステムが方向操作モードで操作される、図10のアンテナアレイの、多数の測定曲線を有する受信信号/方向のグラフを示す。
図15図15は、図14から2つの目標オブジェクトが検出される場合、レーダシステムが範囲操作モードで操作される、図10のアンテナアレイを備えるレーダシステムの受信信号/方向のグラフを示す。
【0069】
図面において、同じ構成要素には同じ参照符号がつけられている。
【発明の詳細な説明】
【0070】
図1は、自動車両10の正面図を、自動車の形態として示している。図2は、自動車両10を平面図で示している。図3では、自動車両10は側面図で示されている。
【0071】
自動車両10は、レーダシステム12を備える。例として、レーダシステム12は、自動車両10のフロントフェンダー(Fender)に配置されている。レーダシステム12は、進行方向16において、オブジェクト18について、自動車両10の前方の監視領域14を監視するように用いられてよい。また、レーダシステム12は、自動車両10の他の位置に、異なるように配置され方向付けられてよい。レーダシステム12は、自動車両10又はレーダシステム12に対するオブジェクト18のオブジェクト目標の、例えば距離r及び方向、例えば、方位角φ及び仰角Θの形態でのオブジェクト情報を確認するように用いられてよい。選択的に、自動車両10に対するオブジェクト目標の速度も確認され得る。オブジェクト18のオブジェクト目標は、レーダビームが反射されてエコーとして反射され得るオブジェクト18の一部である。
【0072】
オブジェクト18は、停止している又は動いているオブジェクト、特に車両、人、動物、植物、障害物、特にくぼみ又は石の道路の凸凹、道路境界、道路標識、特に駐車空間の空き空間、降水等であり得る。
【0073】
より良い方向付けのため、カーテジアンxyz座標の対象座標軸が図1乃至図5図10、及び図11に示されている。示された例示的な実施形態において、x軸は自動車両10の車両縦軸の方向に延在し、y軸は車両横軸に沿って延在し、z軸はx-y平面に空間的に垂直で上方向に延在する。自動車両10が水平な道路上で動作中の場合、x軸及びy軸は空間的に水平に延在し、z軸は空間的に垂直に延在する。
【0074】
レーダシステム12は、周波数変調連続波レーダ(Frequency-modulated continuous wave radar)として構成される。周波数変調連続波レーダは、専門家の間ではFMCW(Frequency modulated continuous wave)とも呼ばれる。レーダシステム12は、方位角φと仰角Θとの間の関係において、大きな角度分解能で、遠距離rに位置するオブジェクト18を検出するように用いられてよい。
【0075】
レーダシステム12は、運転者補助システム20に接続されている。運転者補助システム20は、自動車両10を自動又は半自動で操作するように用いられてよい。
【0076】
レーダシステム12は、アンテナアレイ22と、制御及び評価装置24を備える。図4は、第1の例示的な実施形態に係るアンテナアレイ22を示す。図10は、第2の例示的な実施形態に係るアンテナアレイを示す。
【0077】
第1の例示的な実施形態に係るアンテナアレイ22に関連するレーダシステム12は、以下、まず図4乃至図9と関連して説明されている。
【0078】
例として、アンテナアレイ22は3つの送信アンテナ26及び4つの受信アンテナ28を備える。例として、受信アンテナ28は送信アンテナ26の空間的に下に配置されている。しかし、受信アンテナ28は上、隣、または少なくとも幾つかの場合においては、例えば送信アンテナ26の間、同じ高さで配置されてもよい。
【0079】
各送信アンテナ26は、対応する送信チャネルに接続されている。送信チャネルは、適切な電気的送信信号を用いて各送信アンテナ26を制御するように用いられてよい。したがって、各受信アンテナ28も対応する受信チャネルに接続されている。受信チャネルは、受信アンテナ28から電気的受信信号を送信するように用いられてよい。送信チャネル及び受信チャネルは、例えば制御及び評価装置24内に統合されてよい。
【0080】
送信アンテナ26は、制御のため電気的送信信号を用いて対象レーダ信号30を送信するように用いられてよい。
【0081】
各送信アンテナ26の位置は、それぞれの位相中心32によって定義される。
【0082】
送信アンテナ26のうち2つの各位相中心32は、仮想の送信機縦軸34上に隣接して配置されている。例として、送信機縦軸34は、y軸と平行に延在する。
【0083】
3番目の送信アンテナ26の位相中心32は、図4において、送信機縦軸34の下に隣接して配置されている。3番目の送信アンテナ26は、送信機縦軸34から送信機横間隔36に位置する。
【0084】
それぞれの場合において、対応する仮想の送信機横軸38が3つの送信アンテナ26の位相中心を通って走っている。送信機横軸38は送信機縦軸34と垂直に、例としてz軸に平行に延在する。
【0085】
個々の送信アンテナ26の送信機横軸38は、送信機縦軸34上で隣接する2つの送信アンテナ26の送信機横軸38間に配置されている。
【0086】
個々の送信アンテナ26の送信機横軸38は、図4で、右側の送信アンテナ26の送信機横軸38からベース間隔40で位置する。例として、ベース間隔40が、送信アンテナ26を用いて送信されたレーダ信号30の波長λの半分に対応し、選択的に公差のプラスマイナスがある。
【0087】
送信機縦軸34上の2つの送信アンテナ26の各送信機横軸38間の送信機縦間隔42は、ベース間隔40の3倍、選択的に公差のプラスマイナスである。送信機横間隔36は送信機縦間隔42より小さく、ベース間隔40より大きい。
【0088】
さらに、アンテナアレイ22は、例として、4つの受信アンテナ28を備える。受信アンテナ28は、送信されたレーダ信号30のエコー44を受信し、当該エコーを対応する電気的受信信号に変換するように用いられてよい。
【0089】
例として、送信アンテナ26の位相中心32及び受信アンテナ28の位相中心32は、共通のアンテナ平面に配置されている。例として、アンテナ平面はy―z平面と平行に延在する。送信アンテナ26の主ビーム方向は、例として、アンテナ平面に垂直に走る、つまり車両縦軸に平行又はx軸と平行に走る。受信アンテナ28の主受信方向も、同様に、例として、アンテナ平面と垂直に走る。
【0090】
受信アンテナ28の各位相中心32は、仮想の受信機縦軸46上に配置されている。受信機縦軸46は、送信機縦軸34と平行に走る。
【0091】
図4の左から見て1番目及び2番目の受信アンテナ28の位相中心32は、互いにベース間隔40で配置されている。ベース間隔で配置された2つの受信アンテナ28は、オブジェクト目標の明確な方向決定を行うように用いられてよい。
【0092】
3番目及び4番目の受信アンテナ28の位相中心32は、ベース間隔40で配置された2つの受信アンテナ28の位相中心32の同じ側に配置されている。
【0093】
図4の左から2番目の受信アンテナ28の位相中心32は、左から3番目の受信アンテナ28の位相中心32から第1受信機縦間隔48aで配置されている。第1受信機縦間隔48aはベース間隔40の2倍、選択的に公差のプラスマイナスである。
【0094】
図4の左から3番目の受信アンテナ28の位相中心32は、左から4番目の受信アンテナ28の位相中心32から第2受信機縦軸48bで配置されている。第2受信機縦間隔48bはベース間隔40の6倍、選択的に公差のプラスマイナスである。第2受信機縦間隔48bと第1受信機縦間隔48aとの商は、3である。
【0095】
例として、ベース間隔40及び2つの受信機縦間隔48a、48bは、ゴロム定規の表示に従って配置されてよい。
【0096】
2つの外側受信アンテナ、つまり左から1番目の受信アンテナ28及び4番目の受信アンテナ28の間の最も大きな間隔は、方位角φの方向に、レーダシステム12の対応する大きなアパーチャを実現するように用いられる。
【0097】
送信アンテナ26の位相中心32及び受信アンテナ28の位相中心32の特定の構成は、図5に示されたバーチャル受信アンテナアレイ50がレーダシステム12の方向操作モードにおいて実現されることを可能とし、そのアレイは方位角φの方向に大きなアパーチャと大きな角度分解能とを兼ね備える。例として、受信アレイ要素52は、送信アンテナ26の位相中心32及び受信アンテナ28の位相中心32の位置の幾何学的畳み込み方式によって達成される。
【0098】
バーチャル受信アンテナアレイ50は、合計12個のバーチャル受信アンテナアレイ要素52を備える。受信アレイ要素52は、第1仮想アレイ縦軸54a及び第2仮想アレイ縦軸54bに分散された方式で配置されている。アレイ縦軸54a及び54b上の受信アレイ要素52の分散された構成は、目標オブジェクトの方向が2つの空間次元、つまり、y軸又は方位角φの方向と、z軸又は仰角Θの方向と、において確認されることを可能とする。受信アレイ要素52は、例として、共通のアレイ平面に位置する。例として、アレイ平面はy-z軸と平行に延在する。
【0099】
受信アレイ要素52のうち6つが、第1仮想アレイ縦軸54a上に配置されている。
【0100】
図5の左から見て1番目と2番目の受信アレイ要素52、3番目と4番目の受信アレイ要素52、及び5番目と6番目の受信アレイ要素52は、それぞれ第1アレイ縦軸54a上に、互いにベース間隔40で配置されている。互いにベース間隔40で配置されている受信アレイ要素52は、明確な方向決定を実現するように用いられることができる。
【0101】
図5の左から見て2番目と3番目の受信アレイ要素52、5番目と6番目の受信アレイ要素52,6番目と7番目の受信アレイ要素52、及び7番目と8番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上に、互いに第1間隔56aで配置されている。第1間隔56aはベース間隔40の2倍に対応する。
【0102】
7番目と8番目の受信アンテナ要素52の間の第2間隔56bは、ベース間隔40の4倍に対応する。
【0103】
受信アレイ要素52のうち4つは、第2仮想アレイ縦軸54b上に配置されている。第2アレイ縦軸54bは、アレイ平面において第1アレイ縦軸54aと平行に走る。2つのアレイ縦軸54a及び54bは、y軸と平行に延在する。
【0104】
アレイ縦軸54a及び54bの方向に見た場合、図5の左から見て、第2アレイ縦軸54b上の、1番目の受信アレイ要素52は、例として、第1アレイ縦軸54a上の3番目の受信アレイ要素52と同じ高さに配置されている。アレイ縦軸54a及び54bの方向から見た場合、第2アレイ縦軸54b上の、左から2番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上の4番目の受信アレイ要素52と同じ高さに配置されている。
【0105】
アレイ縦軸54a及び54bの方向に見た場合、第2アレイ縦軸54b上の、図5の左から見て3番目の受信アレイ要素52は、それぞれの場合、例として、第1アレイ縦軸54a上の5番目と6番目の受信アレイ要素52間の中心に、ベース間隔40で、つまり当該要素からオフセットされた方式で配置されている。
【0106】
アレイ縦軸54a及び54bの方向に見た場合、第2アレイ縦軸54b上の、図5の左から見て4番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上の7番目と8番目の受信アレイ要素52間に、ベース間隔40で、つまり当該要素からオフセットされた方式で配置されている。
【0107】
第2アレイ縦軸54b上の、図5の左から見て1番目及び2番目の受信アレイ要素52は、互いにベース間隔40で配置されている。
【0108】
第2アレイ縦軸54b上の、左から見て2番目と3番目の受信アレイ要素52は、互いに、ベース間隔40の2倍に対応する第1間隔56aで配置されている。第2アレイ縦軸54b上の、左から見て3番目と4番目の受信アレイ要素52は、互いに、ベース間隔40の6倍に対応する第3間隔56cで配置されている。
【0109】
縦軸54a及び54bの方向、つまりy軸方向におけるレーダシステム12のアパーチャは、バーチャル受信アンテナアレイ50の最大幅によって定義される。アレイ縦軸54a及び54bの方向におけるバーチャル受信アンテナアレイ50の最大幅は、第1アレイ縦軸54a上の2つの外側受信アレイ要素52間の間隔56dによって規定される。2つの外側アレイ要素52間の間隔56dは、ベース間隔40の12倍に対応する。
【0110】
2つのアレイ縦軸54a及び54b上の、受信アレイ要素52のオフセット構成は、方位角φ及び仰角Θの両方で目標オブジェクトの方向を決定する場合、より良い角度分解能を得ることを可能とする。
【0111】
制御及び評価装置24は、ソフトウェア及びハードウェアの形態で実現される。制御及び評価装置24は、送信アンテナ26及び受信アンテナ28に接続されている。制御及び評価装置24は、送信アンテナ26を制御するための電気的送信信号を生成するために用いられてよい。加えて、制御及び評価装置24は、レーダ信号30を用いて検出されたオブジェクト18に関するオブジェクト情報を、受信アンテナ28の電気的受信信号から確認するように用いられてよい。
【0112】
レーダシステム12は、範囲操作モード及び方向操作モードの間で切り替えることができる。このため、送信アンテナ26は同じ送信信号又は異なる送信信号を用いて切り替える方式で制御可能であってよい。したがって、受信アンテナ28は範囲操作モードと方向操作モードとの間で切り替え可能である。
【0113】
範囲操作モードから方向操作モードへの切り替えは、自動で又は必要に応じて行われてよい。方向操作モードは、範囲操作モードより、方向決定のためのより高い角度分解能が可能である。逆に、範囲操作モードは、方向操作モードより大きな検出範囲が可能である。制御及び評価装置24は、レーダシステム12を範囲操作モードと方向操作モードとの間で切り替え可能な切り替え手段58を備える。
【0114】
レーダシステム12の範囲操作モードにおいて、送信アンテナ26は同じ送信信号を用いて制御可能である。送信アンテナ26を同じ送信信号を用いて制御することは、対象送信アンテナ26が同じレーダ信号30を同時に放出することを可能とする。この目的のため、送信アンテナ26はいわゆるビームフォーミング方式を用いて操作可能である。この場合、複数の送信チャネルが、定義された位相オフセットで同じレーダ信号30を送信するように、隣接する送信アンテナ26をそれぞれコヒーレントに用いることができる。各送信アンテナ26のレーダ信号30の信号強度は、加算されてより大きな信号強度になる。このため、検出範囲が拡大され得る。
【0115】
レーダシステム12は、オブジェクト18について監視領域14を監視するため、連続的にレーダ測定を行うように用いられる。各レーダ測定は、レーダシステム12が範囲操作モードで操作される範囲測定シーケンスと、レーダシステム12が方向操作モードで操作される方向測定シーケンスを有する。レーダ測定において、レーダシステム12は範囲操作モードから方向操作モードに切り替わる。ここで、各レーダ測定は、範囲測定シーケンスで始まってもよいし、方向測定シーケンスで始まってよい。
【0116】
例として、以下のテキストは範囲測定シーケンスで始まるレーダ測定を説明する。
【0117】
範囲測定シーケンスは、制御及び評価装置24が、同じ送信信号を用いる各送信チャネルを介して送信アンテナ26を制御するように用いられることを含む。送信アンテナ26はそれぞれ、同じレーダ信号30を同時に放出する。各レーダ信号30の信号強度は加算されて、増加された検出範囲と共に監視領域14に送信される。
【0118】
レーダ信号30がオブジェクト18に当たると、レーダ信号30は対応するオブジェクト目標によって反射される。反射されたレーダ信号30のエコー44は受信アンテナ28を用いて受信され、各受信信号に変換される。
【0119】
受信信号は制御及び評価装置24に送信され、後者により、例えばフーリエ変換によって信号処理される。オブジェクト18に関するオブジェクト情報、つまり距離r、及び方向、つまり方位角φ及び仰角Θ、そして選択的にレーダシステム12に対する検出された目標オブジェクトの速度が、受信信号から確認される。
【0120】
それから、レーダシステム12は、範囲操作モードから方向操作モードに、例えば制御及び評価装置24を使って切り替えられ、方向測定シーケンスが行われる。
【0121】
方向測定シーケンスは、制御及び評価装置24が、異なる送信信号を用いて各送信チャネルを介して送信アンテナ26を制御するように用いられることを含む。異なる送信信号は、互いに対して符号化される。送信アンテナ26は、互いに対して適切に符号化されたレーダ信号30を放出する。レーダ信号30は監視領域14に送信される。
【0122】
区別可能なレーダ信号30がオブジェクト18に当たると、レーダ信号30は対象オブジェクト目標によって反射される。反射された区別可能なレーダ信号30のエコー44は受信アンテナ28を用いて受信され、各受信信号に変換される。
【0123】
受信信号は、制御及び評価装置24に送信される。受信信号は送信アンテナ26に割り当てられる。これはレーダ信号30とエコー44が区別されるため可能である。割り当てられた受信信号は、例えばフーリエ変換によって信号処理される。オブジェクト18に関するオブジェクト情報、つまり距離r、及び方向、つまり方位角φ及び仰角Θ、そして選択的にレーダシステム12に対する検出された目標オブジェクトの速度が、受信信号から確認される。
【0124】
概して、オブジェクト目標に関するオブジェクト情報は、レーダ測定における方向測定シーケンスより範囲測定シーケンスにおいて、より大きな検出範囲で確認される。オブジェクト目標に関するオブジェクト情報は、方向測定シーケンスにおいては範囲測定シーケンスよりも短い検出範囲で確認されるが、範囲測定シーケンスよりも高い角度分解能で確認される。
【0125】
図6は、比較のため、範囲操作モードにおけるレーダシステム12の範囲/方向のグラフ60aを破線で示し、方向操作モードにおけるレーダシステム12の範囲/方向のグラフ60b実線で示す。ここで、各範囲は方位角φで記録されている。図6から、レーダシステム12が範囲操作モードにおいて約250mの最大検出範囲を有することがわかる。
しかしながら、方向操作モードにおいて、レーダシステム12は200mより僅かに短い最大検出範囲だけを有する。対照的に、方位角φ方向で、レーダシステム12は範囲操作モードより方向操作モードにおいてより大きな視野を有する。
【0126】
例として、図7は、目標オブジェクトが、自動車両10の前方の0度の方位角φで検出された方向測定シーケンスからの受信信号/方向グラフ62aを示す。サイドローブレベルは、約8dBである。これは、例えばその方向、つまり各方位角φに対する自動車両10の実際の運転状況において、異なる反射率を有する目標オブジェクトを区別するに十分である。
【0127】
例として、図8は、レーダシステム12に対して同じ距離r及び同じ速度を有する2つの目標オブジェクトが、自動車両10の前方の0度の方位角φの周囲に約11度の角度間隔で検出された、複数の方向測定シーケンスの受信信号/方向のグラフ62bに関連する曲線の群を示す。受信信号/方向のグラフ62bの群の曲線は、送信信号の異なる位相差に対応する。2つの目標オブジェクトは、全ての可能な位相差において区別され得る。受信信号/方向のグラフの群62bの曲線は、例えば、いわゆるビームフォーミング方式及び/又はいわゆる超解像法や同様の方式によって確認され得る。
【0128】
図8の方向測定シーケンスに対応する、範囲測定シーケンスにおける受信信号/方向のグラフは図9に示されている。方位角φに基づく角度分解能は約11度である。この場合のサイドローブレベルは約3dBであり、範囲操作モードにおける2つの目標オブジェクトを区別するに不十分である。
【0129】
図10は、第2の例示的な実施形態に係るレーダシステム12のためのアンテナアレイ22を示す。図11は、図10のアンテナアレイ22の一部であるバーチャル受信アンテナアレイ50を示す。
【0130】
図4乃至図11の第1の例示的な実施形態のものと同様であるこれらの要素は、同じ符号をもって提示される。第2の例示的な実施形態は、左から2番目の受信アンテナ28の位相中心32が、左から3番目の受信アンテナ28の位相中心32から、受信機縦間隔48cで配置されている点で第1の例示的な実施形態と異なる。受信機縦軸48cは、ベース間隔40の3倍、選択的に公差のプラスマイナスに対応する。
【0131】
図10の左から3番目の受信アンテナ28の位相中心32は、左から4番目の受信アンテナ28の位相中心32から、受信機縦間隔48aで配置されている。受信機縦間隔48aはベース間隔40の2倍、選択的に公差のプラスマイナスに対応する。縦間隔48cと縦間隔48aとの商は1.5である。
【0132】
図11の第2の例示的な実施形態に係るバーチャル受信アンテナアレイ50は、第2の例示的な実施形態に係るバーチャル受信アンテナアレイ50が受信アンテナ28を11個のみ備え、そのうち7個のみが第1アレイ縦軸54a上に配置されている点で、図5の第1の例示的な実施形態に係るバーチャル受信アンテナアレイ50と異なる。
【0133】
第1の例示的な実施形態と異なり、第2の例示的な実施形態において、第1アレイ縦軸54a上の、左から3番目の受信アレイ要素52は、左から2番目の受信アレイ要素52から、ベース間隔40の3倍に対応する間隔56eで配置されている。左から7番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上の最も右の受信アレイ要素52である。バーチャル受信アンテナアレイ50の最大幅は、最も左の受信アレイ要素52と最も右の受信アレイ要素52との間隔56fに対応する。間隔56fは、ベース間隔40の10倍に対応する。
【0134】
加えて、アレイ縦軸54a及び54bの方向に見られる場合、第2アレイ縦軸54b上の、左から見て1番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上の2番目及び3番目の受信アレイ要素52の間に、3番目の受信アレイ要素52からベース間隔40で配置、つまり当該要素からオフセットされる方式で配置されている。
【0135】
アレイ縦軸54a及び54bの方向に見られる場合、第2アレイ縦軸54b上の、左から見て2番目の受信アレイ要素52は、第1アレイ縦軸54a上の3番目の受信アレイ要素52と同じ高さに配置されている。
【0136】
アレイ縦軸54a及び54bの方向に見られる場合、いずれの場合にも、第2アレイ縦軸54b上の、左から見て4番目の受信アレイ要素52は、例として、第1アレイ縦軸54a上の6番目と7番目の受信アレイ要素52の間の中心に、ベース間隔40で配置、つまり当該要素からオフセットされる方式で配置されている。
【0137】
オブジェクト18について監視領域14を監視する方法は、第2の例示的な実施形態に係るアンテナアレイ22を備えるレーダシステム12が、第1の例示的な実施形態に係るアンテナアレイ22を備えるレーダシステム12と同様に操作されることを含む。
【0138】
図12は、比較のため、範囲操作モードにおけるレーダシステム12の範囲/方向のグラフ60cを破線で示し、方向操作モードにおけるレーダシステム12の範囲/方向のグラフ60d実線で示す。ここで、各範囲は方位角φで記録されている。図12から、レーダシステム12が範囲操作モードにおいて約250mの最大検出範囲を有することがわかる。しかしながら、方向操作モードにおいて、レーダシステム12は200mより僅かに短い最大検出範囲だけを有する。対照的に、方位角φで、レーダシステム12は範囲操作モードより方向操作モードにおいて、より大きい視野を有する。
【0139】
例として、図13は、目標オブジェクトが、自動車両10の前方の0度の方位角φで検出された方向測定シーケンスからの受信信号/方向グラフ62dを示す。サイドローブレベルは、約11.2dBである。これは、例えばその方向に対する、つまり各方位角φに対する自動車両10の実際の運転状況において、異なる反射率を有する目標オブジェクトを区別するに十分である。
【0140】
例として、図14は、レーダシステム12に対して同じ距離r及び同じ速度を有する2つの目標オブジェクトが、自動車両10の前方の0度の方位角φの周囲に約15度の角度間隔で検出された、複数の方向測定シーケンスの受信信号/方向のグラフ62eに関連する曲線の群を示す。曲線の群は、異なる位相差を有するレーダ信号30が送信された方向測定シーケンスに対応する。2つの目標オブジェクトは、全ての可能な位相差において区別され得る。受信信号/方向のグラフ62eの群の曲線は、例えば、いわゆるビームフォーミング方式及び/又はいわゆる超解像法や同様の方式によって確認され得る。
【0141】
図14の状況に対応する範囲測定シーケンスにおける受信信号/方向のグラフ62fが、図15に示されている。メインローブの幅は約16度である。サイドローブレベルは約5.25dBであり、これは範囲操作モードにおいて2つの目標オブジェクトを区別するに不十分である。
図1
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図15