(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157041
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】画像の符号化及び復号化
(51)【国際特許分類】
H04N 19/119 20140101AFI20241029BHJP
H04N 19/136 20140101ALI20241029BHJP
H04N 19/176 20140101ALI20241029BHJP
H04N 19/46 20140101ALI20241029BHJP
【FI】
H04N19/119
H04N19/136
H04N19/176
H04N19/46
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024140760
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2023169940の分割
【原出願日】2019-12-30
(31)【優先権主張番号】19150105.5
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィコウスキー, アダム
(72)【発明者】
【氏名】グェン, ファン ホーン タン
(72)【発明者】
【氏名】マーペ, デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ, ヘイコ
(72)【発明者】
【氏名】ウィーガンド, トーマス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブロック分割に関して圧縮効率を改善する符号化及び復号方法並びに装置を提供する。
【解決手段】復号方法は、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報の分割フラグをデータストリームから復号することによってデータストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割することと、分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す分割情報の四分フラグをデータストリームから復号することと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を復号化する方法であって、前記方法は、
前記画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て前記所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報の分割フラグをデータストリームから決定することと、
前記分割フラグが、前記画像の前記所定のブロックが分割されることを示す場合、
前記画像の前記所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す前記分割情報の四分フラグを前記データストリームから決定することと、
前記四分フラグが、前記画像の前記所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、
前記画像の前記所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す前記分割情報の1つ又は複数の別のフラグを前記データストリームから決定することと、
前記分割情報のさらに別のフラグを用いて、前記子ブロックに対する前記再帰複数木分割をレジュームすることと、
によって、前記データストリームにてシグナリングされた前記分割情報に応じて、前記コーディングブロックを取得することを含む、方法。
【請求項2】
前記データストリームから、1つ又は複数の前記分割フラグ、前記四分フラグ、及び/または、前記1つ又は複数の別のフラグを復号化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ又は複数の基準が満たされるか否かにより、前記分割情報の1つ又は複数のフラグが、前記データストリームから前記分割情報の前記1つ又は複数のフラグを復号化しない状態で所定のフラグ状態を仮定することを推測することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の基準は、子ブロック面積、子ブロック幅、子ブロック高さ、現在の分割深さ、及び画像境界との分割線位置合わせのうちの1つ又は複数に関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像の前記所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す前記分割情報の1つ又は複数の別のフラグの前記データストリームからの決定において、
前記画像の前記所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグを前記データストリームから復号化することと、
前記画像の前記所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグを前記データストリームから復号化することと、
を行うように構成された、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
画像を符号化する方法であって、
再帰複数木分割を用いて前記画像をコーディングブロックに分割するとともに、前記分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化することと、
前記画像を前記コーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、前記コーディング情報を前記データストリームにて符号化することと、
を含み、
前記分割情報を前記データストリームにて符号化することであり、
前記画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て前記所定のブロックが前記コーディングブロックのうちの1つとなる状態で前記再帰複数木分割を停止する前記分割情報の分割フラグを前記データストリームに符号化することと、
前記分割フラグが、前記画像の前記所定のブロックが分割されることを示す場合、
前記画像の前記所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す前記分割情報の四分木分割フラグを前記データストリームに符号化することと、
前記四分木分割フラグが、前記画像の前記所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、
前記画像の前記所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す前記分割情報の1つ又は複数の別のフラグを前記データストリームに符号化することと、
前記分割情報のさらに別のフラグを用いて、前記子ブロックに対する前記分割情報の符号化をレジュームすることと、
によって、前記分割情報を前記データストリームにて符号化すること、
を含む、方法。
【請求項7】
前記画像の前記所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す前記分割情報の1つ又は複数の別のフラグの前記データストリームへの符号化において、
前記画像の前記所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグを前記データストリームに符号化することと、
前記画像の前記所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグを前記データストリームに符号化することと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を格納した、非一時的な記憶媒体。
【請求項9】
非一時的なコンピュータ可読媒体と、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された前記非一時的なコンピュータ可読媒体と協働する少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、イメージ又はビデオコーディングの分野等における画像の符号化及び復号化の分野に関する。詳細には、実施形態は、ブロックベースのイメージ又はビデオコーディングの分野等における、ハイブリッドビデオ圧縮における分割木設計及びそのコーディングに関する。
【0002】
ハイブリッドビデオコーティングにおいては、画像が通常、より小さな可変サイズのブロックへと分割されることにより、入力ビデオ信号の特性に対する適応を実現可能であって、最終的には圧縮効率が高くなる。可変サイズのブロックへの分割は通常、四分木、二分木等の木構造により表される。関連するシグナリングは、選定された木構造によって決まり、圧縮効率に影響を及ぼす。
【0003】
高効率ビデオコーティング(HEVC)標準等の従来技術のハイブリッドビデオコーティングにおいては、入力画像が最初に、固定サイズのばらばらな正方形ブロックに分割される。これら固定サイズの正方形ブロックはそれぞれ、分割木の根を構成するとともに、より小さなブロックへとさらに細分可能である。分割木の葉に対応するブロックは、予測及び変換コーディングに用いられる。これら可変サイズのブロックについては、原信号が予測されることが多く、原信号と予測信号との間の差を残留信号と称する。残留信号は、変換コーディングを用いて送信される。HEVCにおいて、ビデオ画像は最初、正方形ブロックに分割されるが、これらをコーディングツリーユニット(CTU)と称し、CTUがそれぞれ、分割木の根を構成する。HEVCでは、より小さなユニットへの細分に四分木構造を使用する。四分木の葉においては、最終ブロックをコーディングユニット(CU)と称する。各CUは、予測パラメータ用及び変換コーディング段階用の2つの別の分割木に対する根節点を構成する。四分木構造の重要な特性として、分割シンタックス要素は単一のビンのみから成る。これは、現在のブロックが4つの等サイズのばらばらなブロックに分割されるか否かをシグナリングするため、分割フラグとも称する。
図1は、分割木への単一分割の結果及び2次元画像における結果を示している。分割シンタックス要素は、コンテキストベースの適応エントロピーコーディングエンジンの通常モードにおいてコーディングされる(HEVCでは、コンテキストベースの適応算術コーディング(CABAC)を使用する)。具体的には、このシンタックス要素のコーディングに適応コンテキストモデルが用いられる。四分木の分割シンタックス要素のコンテキストモデリングプロセスでは、現在の節点の四分木深さ及び隣接するブロックの送信済み分割木に関するデータを採用する。隣接する分割木の深さに応じて、3つの利用可能なコンテキストモデルのうちの1つが選定され、(a)両隣接深さが現在の深さ以上である、(b)両隣接深さが現在の深さ未満である、及び(c)その他すべての設定、という3つの場合が識別される。
【0004】
ITU-T及びISO/IECの最新のビデオコーティング標準化活動(多用途ビデオコーディング(VVC)と称する)においては、正方形以外のブロック形状が用いられる。既存の四分木設計には、二分木及び三分木という2つの代替的な分割木が組み込まれている。それぞれの名称が示唆するように、節点は、2つ又は3つの矩形状に分割可能である。これらの分割形状は交換可能であり、それら自体が別の分割木である二分三分木(BTT)を構成する。
【0005】
例えば、イメージ又はビデオデータの圧縮には、コンテンツ予測用のブロックベースのイメージ/ビデオコーディング及びコンテキストモデリングが用いられる。
【0006】
したがって、本開示の目的は、高い圧縮効率で画像を符号化及び復号化する概念を提供することである。この目的は、本明細書に含まれる独立請求項の主題によって達成される。
【0007】
本開示の一態様は、画像を復号化する装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロック(例えば、葉ブロック)に分割するように構成されている。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像を復号化するようにさらに構成されている。この装置は、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報の分割フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリーム(例えば、上記データストリーム)にてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。すなわち、分割フラグが、所定のブロックが分割されないことを示す場合は、再帰複数木分割が停止となる。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す分割情報の四分フラグをデータストリームから復号化することを含む。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示し、四分フラグが、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、画像の分割には、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームから復号化することを含む。さらに、分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割を再開(resume、レジューム)することを含む。例えば、再帰複数木分割の別の再帰においては、子ブロックのうちの1つが所定のブロックであってもよい。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、装置は分割を停止可能であり、また、四分フラグ等の別のフラグの復号化の前に分割フラグの復号化及び/又は評価を行うことができるため、所定のブロックがさらに分割されない場合は、1つのフラグ(すなわち、分割フラグ)のみを復号化するようにしてもよい。1つのフラグのみを復号化した後に再帰分割を停止することによって、復号化効率が向上する。さらに、所定のブロックがさらに分割されない場合は、分割情報に分割フラグを有すれば十分であるため、データストリームのサイズを低減可能である。
【0008】
別の態様は、画像を復号化する装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像を復号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリーム(例えば、上記データストリーム)にてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、分割方向フラグに関する情報及び三分フラグに関する情報を取得することを含む。この装置は、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームから復号化することによって、分割方向フラグに関する情報を取得するように構成されている。第2の所定の基準が満たされる場合、この装置は、分割方向フラグが、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定することによって、分割方向フラグに関する情報を取得するように構成されている。第3の所定の基準が満たされる場合、この装置は、分割方向フラグが、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定することによって、分割方向フラグに関する情報を取得するように構成されている。この装置は、第4の所定の基準が満たされない場合、三分フラグをデータストリームから復号化することによって、分割方向フラグに関する情報を取得するように構成されている。三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す。第4の所定の基準が満たされる場合、この装置は、三分フラグが、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定することによって、分割方向フラグに関する情報を取得するように構成されている。さらに、画像の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。この装置は、第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリームから復号化するようにさらに構成されている。第2のコンテキストは、以下のシナリオを満たすかによって決まり、これらを区別する。第1のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされる。第2のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされない。第3のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされる。
【0009】
別の態様は、画像を復号化する装置であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するように構成された、装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像を復号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示すが、後者は、所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態での再帰複数木分割の停止を示唆する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この装置は、分割方向フラグに関する情報及び三分フラグに関する情報を取得するように構成されている。分割方向フラグに関する情報の取得には、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームから復号化することを含む。第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグに関する情報の取得には、分割方向フラグが、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグに関する情報の取得には、分割方向フラグが、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。三分フラグに関する情報の取得には、第4の所定の基準が満たされない場合に、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームから復号化することを含む。第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグに関する情報の取得には、三分フラグが、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定することを含む。さらに、第5の所定の基準が満たされる場合、三分フラグに関する情報の取得には、三分フラグが、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されることを示すものと推定することと、三分フラグのデータストリームからの復号化を抑制することと、を含む。画像の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。さらに、この装置は、第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリームから復号化するように構成されている。第2のコンテキストは、第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に対して等しいか、大きいか、小さいかによって決まり、これらを区別する。第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に満たされる。第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数は、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる。
【0010】
別の態様は、画像を復号化する装置であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するように構成された、装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像を復号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリーム(例えば、上記データストリーム)にてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、分割方向フラグをデータストリームから復号化することと、三分フラグをデータストリームから復号化することと、を含む。分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す。三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。この装置は、第3のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、三分フラグをデータストリームから復号化するようにさらに構成されている。第3のコンテキストは、所定のブロックを得る際に使用する再帰複数木分割の分割数(例えば、再帰複数木分割の再帰数)によって決まるか、又は、所定のブロックのサイズによって決まる。この代替又は追加として、第3のコンテキストは、分割方向フラグが水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグが垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する。
【0011】
別の態様は、画像を復号化する装置であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するように構成された、装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像を復号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリーム(例えば、上記データストリーム)にてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームから復号化することを含む。画像の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。この装置は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するようにさらに構成されている。第1のモードにおいて、この装置は、分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割フラグの後に四分フラグを復号化するように構成されている。第2のモードにおいて、この装置は、四分フラグが、画像の所定の子ブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、四分フラグの後に分割フラグを復号化するように構成されている。
【0012】
別の態様は、画像を符号化する装置に関する。この装置は、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。この装置は、画像の分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するように構成されている。この装置は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームにて符号化するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。例えば、分割フラグは、分割フラグを復号化する復号器に対して、所定のブロックがコーディングブロック(例えば、葉ブロック)であるか、又は、所定のブロックが再帰複数木分割の別の再帰によってさらに分割されるかを示し、以てこのような別の再帰を実行することを復号器に指示するようにしてもよい。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割情報の符号化には、分割情報の四分フラグをデータストリームに符号化することを含む。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示し、四分フラグが、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、分割情報の符号化には、分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームに符号化することをさらに含む。1つ又は複数の別のフラグは、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割情報の符号化には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることをさらに含む。例えば、再帰複数木分割の別の再帰においては、子ブロックのうちの1つが所定のブロックであってもよい。
【0013】
別の態様は、画像を符号化する装置であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するように構成された、装置に関する。この装置は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームにて符号化するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合、分割情報の符号化には、分割方向フラグをデータストリームに符号化することを含む。分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第2の所定の基準が満たされる場合、分割情報の符号化には、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第3の所定の基準が満たされる場合、分割情報の符号化には、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされない場合、分割情報の符号化には、三分フラグをデータストリームに符号化することを含む。三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされる場合、分割情報の符号化には、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割される場合、分割情報の符号化には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。この装置は、第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、分割方向フラグをデータストリームに符号化するようにさらに構成されている。第2のコンテキストは、以下のシナリオを満たすかによって決まり、これらを区別する。第1のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされる。第2のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされない。第3のシナリオにおいて、第4の所定の基準は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされる。
【0014】
別の態様は、画像を符号化する装置であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するように構成された、装置に関する。この装置は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報に画像を符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するように構成されている。分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合、画像の分割には、分割方向フラグをデータストリームに符号化することを含む。分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合、画像の分割には、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第3の所定の基準が満たされる場合、画像の分割には、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第4の所定の基準も第5の所定の基準も満たされない場合、画像の分割には、三分フラグをデータストリームに符号化することを含む。三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされる場合、画像の分割には、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合で、第5の所定の基準が満たされる場合、画像の分割には、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第5の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。さらに、この装置は、第1の数が第2の数に対して等しいか、大きいか、小さいかによって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、分割方向フラグをデータストリームに符号化するように構成されている。第1の数は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数である。第2の数は、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数である。
【0015】
別の態様は、画像を符号化する装置であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するように構成された、装置に関する。さらに、この装置は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するように構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化するように構成されており、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、分割情報の符号化には、分割方向フラグをデータストリームに符号化することと、三分フラグをデータストリームに符号化することと、を含む。分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す。三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す。画像の所定のブロックが分割される場合、分割情報の符号化には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。この装置は、第3のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、三分フラグをデータストリームに符号化するように構成されている。第3のコンテキストは、所定のブロックを得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によって決まるか、又は、所定のブロックのサイズによって決まる。この追加又は代替として、第3のコンテキストは、分割方向フラグが水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグが垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する。
【0016】
別の態様は、画像を符号化する装置であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するように構成された、装置に関する。この装置は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するようにさらに構成されている。この装置は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化するように構成されており、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、分割情報の符号化には、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割される場合、分割情報の符号化には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。この装置は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するように構成されている。第1のモードにおいて、この装置は、分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割フラグの後に四分フラグを符号化するように構成されている。第2のモードにおいて、この装置は、四分フラグが、画像の所定の子ブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、四分フラグの後に分割フラグを符号化するように構成されている。
【0017】
別の態様は、画像を復号化する方法であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロックに分割するステップと、さらに、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像12’を復号化するステップと、を含む、方法に関する。この方法は、画像12’の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報の分割フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像12’をコーディングブロックに分割するステップをさらに含む。分割フラグが、画像12’の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す分割情報の四分フラグをデータストリームから復号化することを含む。四分フラグが、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、画像の分割には、画像12’の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームから復号化することを含む。分割フラグが、画像12’の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。
【0018】
別の態様は、画像を復号化する方法であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロックに分割するステップを含む、方法に関する。この方法は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像12’を復号化するステップをさらに含む。この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像12’をコーディングブロックに分割するステップを含み、分割フラグは、画像12’の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームから復号化することを含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第2の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第3の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第4の所定の基準が満たされない場合に、画像12’の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームから復号化することを含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。この方法は、(i)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされること、(ii)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされないこと、並びに(iii)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされること、といったシナリオのいずれが満たされるかによって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリームから復号化することをさらに含む。
【0019】
別の態様は、画像を復号化する方法であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロックに分割するステップと、さらに、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像12’を復号化するステップと、を含む、方法に関する。この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像12’をコーディングブロックに分割するステップを含み、分割フラグは、画像12’の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームから復号化することを含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第2の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定することをさらに含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第3の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定することをさらに含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第4の所定の基準が満たされない場合に、画像12’の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームから復号化することをさらに含む。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すとともに、第5の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリームからの復号化を抑制することをさらに含む。画像12’の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。さらに、この方法は、(i)分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に等しいことと、(ii)第1の数が、第2の数より大きいことと、(iii)第1の数が、第2の数より小さいことと、によって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリームから復号化することを含む。
【0020】
別の態様は、画像を復号化する方法であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロックに分割するステップと、さらに、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像12’を復号化するステップと、を含む、方法に関する。この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像12’をコーディングブロックに分割するステップを含み、分割フラグは、画像12’の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、画像12’の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームから復号化することと、画像12’の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームから復号化することと、を含む。画像12’の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。コンテキスト適応エントロピー復号化による三分フラグのデータストリームからの復号には、所定のブロックを得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によって決まるか、又は、所定のブロックのサイズによって決まる第3のコンテキストの使用を含む。この追加又は代替として、第3のコンテキストは、分割方向フラグが水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグが垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する。
【0021】
別の態様は、画像を復号化する方法であって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロックに分割するステップと、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報から画像12’を復号化するステップと、を含む、方法に関する。この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームから復号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像12’をコーディングブロックに分割するステップを含み、分割フラグは、画像12’の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像12’の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、画像の分割には、画像12’の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームから復号化することを含む。画像12’の所定のブロックが分割される場合、画像の分割には、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。この方法は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するステップと、第1のモードにおいて、分割フラグが、画像12’の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割フラグの後に四分フラグを復号化するステップと、第2のモードにおいて、四分フラグが、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、四分フラグの後に分割フラグを復号化するステップと、をさらに含む。
【0022】
別の態様は、画像を符号化する方法であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するステップを含む、方法に関する。この方法は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するステップをさらに含む。さらに、この方法は、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報の分割フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化するステップを含む。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、画像の分割には、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す分割情報の四分フラグをデータストリームに符号化することを含む。四分フラグが、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、この方法は、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームに符号化することを含む。分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、この方法は、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。
【0023】
別の態様は、画像を符号化する方法であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するステップを含む、方法に関する。この方法は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するステップをさらに含む。さらに、この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化することを含み、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第4の所定の基準が満たされない場合に、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割される場合、この方法は、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。この方法は、(i)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされることと、(ii)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされないことと、(iii)第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされることと、によって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、分割方向フラグをデータストリームに符号化することをさらに含む。
【0024】
別の態様は、画像を符号化する方法であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するステップを含む、方法に関する。さらに、この方法は、データストリームにてシグナリングされ、コーディングブロックに関連するコーディング情報に画像を符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化することを含む。この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、データストリームにてシグナリングされた分割情報に応じて画像をコーディングブロックに分割するステップを含み、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第2の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグの符号化を抑制することを含み、第3の所定の基準が満たされる場合、分割方向フラグは、画像の所定のブロックが水平方向に分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第4の所定の基準も第5の所定の基準も満たされない場合に、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第4の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが2つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、第5の所定の基準が満たされる場合、三分フラグの符号化を抑制することを含み、第5の所定の基準が満たされる場合、三分フラグは、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されることを示すものと推定される。画像の所定のブロックが分割される場合、この方法は、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。この方法は、(i)分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に等しいことと、(ii)第1の数が、第2の数より大きいことと、(iii)第1の数が、第2の数より小さいことと、によって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、分割方向フラグをデータストリームに符号化することを含む。
【0025】
別の態様は、画像を符号化する方法であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するステップを含む、方法に関する。この方法は、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するステップをさらに含む。さらに、この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化することを含み、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、画像の所定のブロックが垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリームに符号化することと、画像の所定のブロックが3つの子ブロックに分割されるか2つの子ブロックに分割されるかを示す三分フラグをデータストリームに符号化することと、を含む。画像の所定のブロックが分割される場合、この方法は、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。さらに、この方法は、所定のブロックを得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によって決まるか、又は、所定のブロックのサイズによって決まる第3のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー符号化によって、三分フラグをデータストリームに符号化することを含む。この追加又は代替として、第3のコンテキストは、分割方向フラグが水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグが垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する。
【0026】
別の態様は、画像を符号化する方法であって、再帰複数木分割を用いて画像をコーディングブロックに分割するとともに、分割を規定する分割情報をデータストリームにて符号化するステップと、画像をコーディングブロックに関連するコーディング情報に符号化するとともに、コーディング情報をデータストリームにて符号化するステップと、を含む、方法に関する。さらに、この方法は、分割情報の分割フラグ及び四分フラグをデータストリームに符号化することによって、分割情報をデータストリームに符号化することを含み、分割フラグは、画像の所定のブロックが分割されるか否かを示し、以て所定のブロックがコーディングブロックのうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグは、画像の所定のブロックが4つの子ブロックに分割されるか否かを示す。画像の所定のブロックが分割されるものの、4つの子ブロックには分割されない場合、この方法は、画像の所定のブロックが2つ又は3つの子ブロックへと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報の1つ又は複数の別のフラグをデータストリームに符号化することを含む。画像の所定のブロックが分割される場合、この方法は、分割情報のさらに別のフラグを用いて、子ブロックに対する分割情報の符号化をレジュームすることを含む。さらに、この方法は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するステップと、第1のモードにおいて、分割フラグが、画像の所定のブロックが分割されることを示す場合、分割フラグの後に四分フラグを符号化するステップと、第2のモードにおいて、四分フラグが、画像の所定の子ブロックが4つの子ブロックに分割されないことを示す場合、四分フラグの後に分割フラグを符号化するステップと、を含む。
【0027】
上記方法は、上述の装置と同じ着想に依拠するため、同一又は同等の機能及び利点をもたらす。上記方法は、任意選択として、対応する装置に関して本明細書に記載の特徴、機能、及び詳細のいずれかと組み合わされるようになっていてもよい(又は、いずれかにより補完されるようになっていてもよい)。上記方法は、任意選択として、前述の特徴、機能、及び詳細と個別に組み合わされるようになっていてもよいし、任意に組み合わされるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態をより詳しく説明する。
【
図1】開示の概念を実装可能な、画像を符号化する装置の模式図である。
【
図2】開示の概念を実装可能な、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図3】一実施形態に係る、符号器又は復号器が使用する信号を示した図である。
【
図4】一実施形態に係る、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図5】別の実施形態に係る、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図6】別の実施形態に係る、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図7】第2のコンテキストの例示的な一実施形態を示した図である。
【
図8】別の実施形態に係る、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図9】別の実施形態に係る、画像を復号化する装置の模式図である。
【
図10A】一実施形態に係る、四分木分割を示した図である。
【
図10B】一実施形態に係る、四分木分割を示した図である。
【
図11】現行のVVCに係る、分割木を示した図である。
【
図12】一実施形態に係る、分割木を示した図である。
【
図13】一実施形態に係る、画像を符号化する装置の模式図である。
【
図14】画像を復号化する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図15】画像を復号化する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図16】画像を復号化する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図17】画像を復号化する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図18】画像を復号化する方法の一実施形態のフローチャートである。
【0029】
以下、本発明に係る様々な実施形態及び態様を説明する。また、別の実施形態を添付の特許請求の範囲により規定する。
【0030】
特許請求の範囲により規定されるような如何なる実施形態も、本明細書に記載の詳細(特徴及び機能)のいずれかにより補完可能であることに留意するものとする。また、本明細書に記載の実施形態は、個別に使用可能であり、また任意選択として、特許請求の範囲に含まれる詳細(特徴及び機能)のいずれかにより補完可能である。また、本明細書に記載の個々の態様は、個別に使用することも可能であるし、組み合わせて使用することも可能であることに留意するものとする。これにより、前記個々の態様のそれぞれに対して、別の態様に詳細を追加することなく、詳細を追加可能である。また、本開示は、イメージ/ビデオの符号化及び復号化において使用可能な特徴を明示的又は暗示的に記載していることに留意するものとする。このため、イメージ/ビデオの符号化及び復号化の背景においては、本明細書に記載の特徴のいずれかを使用可能である。
【0031】
本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の実施形態に関する添付の図面によって、より深く理解されようが、これらは、記載の特定の実施形態に本発明を限定するものと捉えられるべきではなく、説明及び理解を目的としたものに過ぎない。
【0032】
図面に関する以下の説明は、ビデオの画像のコーディングによって、本発明の実施形態を組み込み可能なコーディングフレームワークの一例を構成するブロックベースの予測コーデックの符号器及び復号器の説明の提示から始める。
図1~
図3に関して、符号器及び復号器をそれぞれ説明する。その後、本発明の概念を
図1及び
図2の符号器及び復号器にそれぞれ組み込み可能となる方法に関する説明と併せて、このような概念の実施形態の説明を提示するが、
図1及び
図2の符号器及び復号器の基礎となるコーディングフレームワークに従っては動作しない符号器及び復号器の構成には、後続の
図4以降で説明する実施形態の使用も可能である。
【0033】
図1は、変換ベースの残留コーディングを例示的に用いて画像12をデータストリーム14に予測コーディングする装置を示している。この装置すなわち符号器は、参照記号10を用いて示される。
図2は、同じく変換ベースの残留復号化を用いて画像12’をデータストリーム14から予測復号化するように構成された対応する復号器20すなわち装置20を示すが、アポストロフィは、予測残留信号の量子化によりもたらされるコーディング損失に関して、復号器20により再構成された画像12’が、装置10により符号化された元の画像12とは異なることを示すために使用している。
図1及び
図2では、変換ベースの予測残留コーディングを例示的に使用するが、本願の実施形態は、この種の予測残留コーディングに限定されない。以下に概説する通り、
図1及び
図2に関して説明する他の詳細についても、このことが当てはまる。
【0034】
符号器10は、予測残留信号に空間-スペクトル変換を施すとともに、このようにして得られた予測残留信号をデータストリーム14に符号化するように構成されている。同様に、復号器20は、予測残留信号をデータストリーム14から復号化するとともに、このようにして得られた予測残留信号にスペクトル-空間変換を施すように構成されている。
【0035】
符号器10は、予測残留24を生成して、予測信号26の原信号すなわち画像12からの逸脱を測定する予測残留信号形成部22を内部に備えていてもよい。予測残留信号形成部22は、例えば原信号すなわち画像12から予測信号を減算する減算器であってもよい。そして、符号器10は、予測残留信号24に空間-スペクトル変換を施す変換部28をさらに備えることにより、同じく符号器10が備える量子化部32によって後で量子化されるスペクトル領域予測残留信号24’を得る。このように量子化された予測残留信号24’’がビットストリーム14へとコーディングされる。このため、符号器10は、任意選択として、データストリーム14へと変換・量子化されるように予測残留信号をエントロピーコーディングするエントロピーコーディング部34を備えていてもよい。予測信号26は、データストリーム14に符号化された復号化可能な予測残留信号24’’に基づいて、符号器10の予測段36により生成される。このため、予測段36は、
図1に示すように、予測残留信号24’’を逆量子化することにより、量子化損失を除いて信号24’に対応するスペクトル領域予測残留信号24’’’を得る逆量子化部38と、その後段として、後者の予測残留信号24’’’に逆変換すなわちスペクトル-空間変換を施すことにより、量子化損失を除いて元の予測残留信号24に対応する予測残留信号24’’’’を得る逆変換部40とを内部に備えていてもよい。その後、加算等によって、予測段36の結合部42が予測信号26及び予測残留信号24’’’’を再結合することにより、再構成信号46すなわち原信号12の再構成を得る。再構成信号46は、信号12’に対応していてもよい。その後、例えば空間予測すなわち画像内予測及び/又は時間予測すなわち画像間予測を用いることにより、信号46に基づいて、予測段36の予測モジュール44が予測信号26を生成する。
【0036】
同様に、復号器20は、
図2に示すように、予測段36に対応するとともに、予測段36に対応する様態で相互接続された構成要素を内部に備えていてもよい。特に、復号器20のエントロピー復号部50が量子化されたスペクトル領域予測残留信号24’’をデータストリームからエントロピー復号化するようにしてもよく、この際、予測段36のモジュールに関して上述した様態で相互接続されて協働する逆量子化部52、逆変換部54、結合部56、及び予測モジュール58が予測残留信号24’’に基づいて再構成信号を復元することにより、
図2に示すように、結合部5の出力が再構成信号すなわち画像12’となるようにする。
【0037】
具体的には上述していないものの、符号器10は、例えば何らかのレート及び歪み関連基準すなわちコーディングコストを最適化するように何らかの最適化方式に従って、例えば予測モード、運動パラメータ等のいくつかのコーディングパラメータを設定可能であることが容易に明らかとなる。例えば、符号器10及び復号器20並びに対応するモジュール44、58はそれぞれ、フレーム内予測符号化(intra-coding、イントラコーディング)モード及びフレーム間予測符号化(inter-coding、インターコーディング)モード等の異なる予測モードをサポートしていてもよい。符号器及び復号器がこれらの予測モードの種類間で切り替わる粒度はそれぞれ、画像12及び12’のコーディングセグメント又はコーディングブロックへの細分に対応していてもよい。例えば、これらのコーディングセグメントの単位で、イントラコーディング対象のブロック及びインターコーディング対象のブロックへと画像が細分されるようになっていてもよい。イントラコーディングブロックは、以下により詳しく説明する通り、各ブロックのコーディング/復号化済みの空間的隣接部に基づいて予測される。各イントラコーディングセグメントに対しては、複数のイントラコーディングモードが存在して選択可能であり、各イントラコーディングセグメントに対して、各方向性イントラコーディングモードに固有の特定の方向に沿って隣接部のサンプル値を外挿することにより各セグメントを満たす際に従う方向性又は角度性のイントラコーディングモードが挙げられる。また、イントラコーディングモードとしては、例えば、各イントラコーディングブロックの予測で各イントラコーディングセグメント内のすべてのサンプルにDC値を割り当てる際に従うDCコーディングモード、並びに/又は、隣接サンプルに基づいて2次元線形関数により規定された平面のチルト及びオフセットの駆動によって、各イントラコーディングブロックのサンプル位置に対して2次元線形関数により表されるサンプル値の空間分布となるように各ブロックの予測を近似又は決定する際に従う平面イントラコーディングモード等、1つ又は複数の別のモードも挙げられる。これらと比較して、例えばインターコーディングブロックが時間的に予測されるようになっていてもよい。インターコーディングブロックの場合は、画像12が属するビデオの過去にコーディングされた画像の部分の空間変位を示す運動ベクトルがデータストリーム内でシグナリングされるようになっていてもよく、過去にコーディング/復号化された画像のサンプリングによって、各インターコーディングブロックの予測信号が得られる。これは、量子化されたスペクトル領域予測残留信号24’’を表すエントロピーコーディング変換の係数レベル等、データストリーム14に含まれる残留信号コーディングのほか、コーディングモードを様々なブロックに割り当てるコーディングモードパラメータ、ブロックの一部に対する予測パラメータ(インターコーディングセグメントに対する運動パラメータ等)、並びに画像12及び12’それぞれのセグメントへの細分を制御・シグナリングするパラメータ等の任意選択的な別のパラメータがデータストリーム14に符号化されていてもよいことを意味する。復号器20は、これらのパラメータを用いて、符号器と同様に画像を細分することにより、同じ予測モードをセグメントに割り当てるとともに、同じ予測を実行して同じ予測信号を得る。
【0038】
図3は、一方として再構成信号すなわち再構成画像12’と、他方としてデータストリーム14にてシグナリングされた予測残留信号24’’’’及び予測信号26の結合との間の関係を示している。上述の通り、この結合は、加算であってもよい。
図3においては、ハッチングにより図示するイントラコーディングブロック及びハッチングせずに図示するインターコーディングブロックへの画像エリアの細分として、予測信号26を示している。この細分は、画像エリアの正方形ブロック若しくは非正方形ブロックの行及び列への規則的細分、又は、根ブロック(例えば、CTU)から異なるサイズの複数の葉ブロック(例えば、CU)への画像12の複数木細分等、如何なる細分であってもよい。この細分は、四分木細分又は二分若しくは三分細分等、如何なる細分であってもよく、その混合を
図3に示しており、画像エリアがまず、根ブロックの行及び列に細分された後、再帰複数木細分に従って、1つ又は複数の葉ブロックへとさらに細分される。再帰複数木細分は、再帰複数木分割とも称し得る。
【0039】
この場合も、データストリーム14は、イントラコーディングブロック80用のイントラコーディングモードがコーディングされていてもよく、これは、サポートされた複数のイントラコーディングモードのうちの1つを各イントラコーディングブロック80に割り当てる。インターコーディングブロック82に対しては、1つ又は複数の運動パラメータがデータストリーム14にコーディングされていてもよい。一般論として、インターコーディングブロック82は、時間的なコーディングに限定されない。或いは、インターコーディングブロック82は、画像12が属するビデオの過去にコーディングされた画像、又は、符号器及び復号器がそれぞれスケーラブルな符号器及び復号器である場合の別の表示若しくはより低い階層の画像等、現在の画像12自体を越えて過去にコーディングされた部分から予測される任意のブロックであってもよい。
【0040】
図3の予測残留信号24’’’’は、画像エリアのブロック84への細分としても示している。これらのブロックは、コーディングブロック80及び82から識別するため、変換ブロックと称する場合もある。実際のところ、
図3は、画像12及び画像12’それぞれのブロックへの2つの異なる細分すなわちブロック80及び82それぞれへのある細分と変換ブロック84への別の細分とを符号器10及び復号器20が使用可能であることを示している。両細分は同じであってもよい。すなわち、各コーディングブロック80及び82が同時に変換ブロック84を構成していてもよい。ただし、
図3は、例えば、ブロック80及び82の2つのブロック間の任意の境界が2つのブロック84間の境界に重なるか、或いは、各ブロック80、82が変換ブロック84の一方又は変換ブロック84のクラスタに一致するように、変換ブロック84への細分がコーディングブロック80、82への細分の拡張を構成する場合を示している。ただし、上記細分は、変換ブロック84がブロック80、82間のブロック境界に選択的に交差し得るように、互いに独立して決定又は選択されるようになっていてもよい。このため、変換ブロック84への細分に関する限りは、ブロック80、82への細分に関して上述したものと同様の記述が当てはまる。すなわち、ブロック84は、(行及び列への配置の有無に関わらず)画像エリアのブロックへの規則的細分の結果、画像エリアの再帰複数木細分(再帰複数木分割)の結果、若しくはこれらの組み合わせ、又はその他任意の種類のブロック化であってもよい。ちなみに、ブロック80、82、及び84は、四角形にも、長方形にも、その他如何なる形状にも限定されないことに留意する。
【0041】
図3は、予測信号26及び予測残留信号24’’’’の結合が直接、再構成信号12’になることをさらに示している。ただし、2つ以上の予測信号26を予測残留信号24’’’’と結合することによって、代替実施形態に係る画像12’が得られることに留意するものとする。
【0042】
図3において、変換ブロック84は、以下の意味を有するものとする。すなわち、これらの変換ブロック84の単位で、変換部28及び逆変換部54がそれぞれの変換を実行する。例えば、多くのコーデックがすべての変換ブロック84に対して、ある種のDST又はDCTを使用する。変換ブロック84の一部に対して、予測残留信号が空間領域で直接コーディングされるように、いくつかのコーデックが変換を省略可能である。ただし、後述の実施形態によれば、符号器10及び復号器20は、複数の変換をサポートするように構成されている。例えば、符号器10及び復号器20がサポートする変換としては、以下が挙げられる。
・DCT-II(又は、DCT-III)(ここで、DCTは、離散コサイン変換を表す)
・DST-IV(ここで、DSTは、離散サイン変換を表す)
・DCT-IV
・DST-VII
・恒等変換(IT)
【0043】
当然のことながら、これらの変換の前方変換型のすべてを変換部28がサポートする一方、復号器20又は逆変換部54は、対応する後方又は逆変換型をサポートする。
・逆DCT-II(又は、逆DCT-III)
・逆DST-IV
・逆DCT-IV
・逆DST-VII
・恒等変換(IT)
【0044】
以下では、根ブロックを1つ又は複数の葉ブロックに細分又は分割する方式について、符号器10及び復号器20によりサポート可能なものをより詳しく説明する。例えば、これらの分割方式は、コーディングブロック80、82及び/又は変換ブロック84、84aを得る手段を提供可能である。
【0045】
図10A及び
図10Bは、四分木分割及びその結果としての節点(例えば、子ブロック)の一例を示している。
図10Aは、節点Aが4つの節点へとさらに分割される分割木を示している。
図10Bは、この分割の結果を示しており、ブロックAが4つのばらばらな等サイズのブロックに細分されている。例えば、
図10A及び
図10Bに示すような節点Aの4つの節点B、C、D、Eへの分割は、再帰複数木分割の1回の再帰によって実行され得るような、親ブロックの子ブロックへの分割を表していてもよい。
【0046】
図10A及び
図10Bに示すような分割は、再帰的に適用されるようになっていてもよい。すなわち、例えば、この分割では、親ブロックを1つ又は複数の子ブロックに分割するようにしてもよく、このうちの1つの子ブロックが分割の別の再帰の親ブロックとして機能し得る。例えば、根ブロックの複数回の分割により、1つ又は複数の葉ブロックが得られるようになっていてもよい。例えば、異なる種類又は同じ種類の分割の異なる回数又は同じ回数の再帰によって異なる葉ブロックが得られている可能性もあるため、異なる葉ブロックの形状及びサイズは互いに異なっていてもよい。画像の特定ブロックを得る分割の再帰数は、例えば当該特定ブロックの木深さと称し得る。
【0047】
親ブロックを子ブロックに分割する方式は、親ブロックを分割するか否かに関する情報と、親ブロックの分割方法に関する情報とを含んでいてもよい。このような方式は、分割木により示されるようになっていてもよい。
【0048】
図11は、二分割木及び三分割木が入れ子になった現行のVVC開発の分割木1100(例えば、親ブロック1111を1つ又は複数の子ブロック1112に分割するルール)を示している。四分木分割に由来する既存のブロック(例えば、過去のコーデックにより既知のブロック)のほか、分割木1100によって、例えば別の矩形状を表すことができる。四分木分割フラグがゼロに等しい場合は、四分木からの逸脱が発生し得る。例えば、親ブロック1111を4つの子ブロックに分割しないことを四分木分割フラグが示す場合は、四分木の葉節点において二分三分木が開始となる。二分三分木は、四分木と同様に再帰分割木を構成するが、例えば親ブロックが4つの子ブロックに分割されない場合は、各節点(例えば、各親ブロック)で適用され得る異なる分割を伴う。また、サイズ、位置、又は木深さ等の特定の節点特性に応じて、すべての分割が全節点で利用可能となるわけではない。既に利用可能なデータに基づいて推定不可能なフラグさえ送信すればよい。mtt_split_flagがシグナリングされるか、又は、ゼロに等しいと推定される場合は、分割木がこの節点で終端される(すなわち、対応する節点が葉節点を表し、関連するブロックが予測及び変換コーディングに用いられる)。
【0049】
図2に示すように、最後のCU形状の特定には、最大4つのシンタックス要素が必要である。この方式では、細分停止に少なくとも2つのシンタックス要素(0に等しいqt_split_flag及び0に等しいmtt_split_flag)を要する。qt_split_flagに対するコンテキストモデリングは、HEVCにおいて用いられる手法に類似する。現在の節点の四分木深さは、(現在のブロックの上方及び現在のブロックの左方の)隣接コーディング木の最後の四分木深さと比較される。さらに、現在の四分木深さが1より大きい場合は、別個のコンテキストモデルセットが用いられる。四分木深さの代わりに、mtt_split_flagの上方隣接部の幅及び左方隣接部の高さに対して、現在の節点の幅及び高さが比較される。輝度成分については、現在のCUサイズに応じて3つの異なるコンテキストモデルセットが用いられる一方、彩度成分については、専用のコンテキストモデルセットが用いられる。なお、スライスの種類が内部の場合、すなわち、現在の画像(又は、スライス若しくはタイル)の内側の予測が画像内予測のみに限定される場合は、輝度及び彩度について、現在のVVCドラフトが異なる分割木を可能とする。
【0050】
mtt_split_vertical_flagには、現在の節点のアスペクト比に応じて、節点が正方形ブロックである場合のコンテキストモデル、幅が高さより大きい場合の別のコンテキストモデル、及び反対の場合の第3のコンテキストモデル、という3つのコンテキストモデルを伴う。これに対して、mtt_split_binary_flagの場合は、単一のコンテキストモデルが用いられる。
【0051】
上述した通り、
図1~
図3は、本願に係る符号器及び復号器の具体例を構成するため、以下に詳述する本発明に係る概念を実装可能な一例として提示したものである。これまでのところ、
図1及び
図2の符号器及び復号器はそれぞれ、本明細書に記載の符号器及び復号器の考え得る実施態様を表し得る。ただし、
図1及び
図2は、一例に過ぎない。ただし、本願の実施形態に係る符号器では、例えばビデオ符号器ではなく静止画符号器である点、相互予測をサポートしない点、又はブロック80への細分が
図3の例示と異なる様態で実行される点等、
図1の符号器と異なる後述の概念を用いて、画像12のブロックベースの符号化を実行するようにしてもよい。同様に、本願の実施形態に係る復号器では、以下に詳述するコーディング概念を用いて画像12’のデータストリーム14からのブロックベースの復号化を実行するようにしてもよいが、これは、例えばビデオ符号器ではなく静止画符号器である点、内部予測をサポートしない点、若しくは
図3に関して説明したものと異なる様態で画像12’をブロックに細分する点、並びに/又は変換領域ではなく空間領域において、予測残留をデータストリーム14から導出する点において、
図2の復号器20と異なっていてもよい。
【0052】
図4は、本開示の一実施形態に係る、画像12’を復号化する装置400を示している。例えば、装置400は、復号器20に類似していてもよい。装置400は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。装置400は、データストリーム14にてシグナリングされたコーディング情報440から画像12’を復号化するようにさらに構成されている。コーディング情報416は、コーディングブロック425に関連する。画像12’をコーディングブロック425に分割する場合、装置400は、分割情報415の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化するように構成されている。分割フラグ416は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合、装置400は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す分割情報415の四分フラグ417をデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0053】
分割フラグ416が、画像12’の所定のブロックが分割されることを示し、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。
【0054】
さらに、分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合、画像12’の分割には、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。例えば、再帰複数木分割の別の再帰においては、子ブロック412のうちの1つが所定のブロック411であってもよい。
【0055】
例えば、装置400は、分割情報415及びコーディング情報440を含むデータストリーム14を受信するように構成されていてもよい。装置400は、画像12’をデータストリームから復号化して、画像12’を含む復号化信号を提供するようにさらに構成されていてもよい。例えば、所定のブロック411は、画像12’の任意のブロックであってもよく、これは、再帰複数木分割の現在の再帰を受ける。すなわち、現在の再帰が分割を推定し得るブロックである。例えば、再帰複数木分割の第1の再帰の所定のブロック411は、CTU等の根ブロックであってもよい。分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合、装置400は、所定のブロック411の子ブロックに対する再帰複数木分割をレジュームするように構成されている。子ブロック412は、所定のブロック411の分割に由来する当該所定のブロックの1つ又は複数のサブブロックであってもよい。例えば、装置400は、分割の後続の再帰の所定のブロック411として当該所定のブロックの子ブロック412のうちの1つを選択することと、所定のブロックに関して説明したように分割を実行することと、によって再帰複数木分割をレジュームするように構成されている。例えば、分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されないことを示す場合、装置400は、所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止するように構成されていてもよい。その後、装置400は、別のブロック(例えば、所定のブロックの姉ブロック又は所定のブロック若しくは別のブロックの親ブロックの姉ブロック)で分割を続けるようにしてもよい。
【0056】
このように、一実施形態によれば、装置400は、子ブロック412のうちの所定の子ブロックについて、画像12’の所定の子ブロックが分割されるか否かを示し、以て所定の子ブロックがコーディングブロックとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の別の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化することによって、分割情報415のさらに別のフラグを用いて子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームするように構成されている。別の分割フラグが416、画像12’の所定の子ブロックが分割されることを示す場合、子ブロック412に対する再帰複数木分割のレジュームには、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す分割情報415の別の四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することを含む。別の分割フラグ416が、画像12’の所定の子ブロックが分割されることを示し、別の四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、子ブロック412に対する再帰複数木分割のレジュームには、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。さらに、別の分割フラグ416が、画像12’の所定の子ブロックが分割されることを示す場合、子ブロック412に対する再帰複数木分割のレジュームには、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、所定の子ブロックのうちの子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。
【0057】
すなわち、例えば、装置400は、再帰複数木分割のある再帰において、再帰複数木分割の後続の再帰に対して所定のブロック411を分割した結果としての子ブロック425のうちの1つを選択することにより、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームするように構成されている。例えば、再帰分割は、現在の再帰の所定のブロック411(例えば、所定のブロック又は所定の子ブロック)を参照する分割フラグ416が、所定のブロック411が分割されないことを示す場合に停止されるようになっていてもよい。
【0058】
例えば、
図10A及び
図10Bに示すような節点Aの4つの節点B、C、D、Eへの分割は、装置400及び後続の図面に関する装置に関して説明する通り、再帰複数木分割の1回の再帰の考え得る結果のような、所定のブロック411の子ブロック412への分割を表していてもよい。
【0059】
図12は、分割と種類情報(例えば、分割の種類に関する情報)とを分離する代替的な分割木1200を示している。例えば、分割木1200は、装置400の例示的な一実施形態に係る、再帰分割の1回の再帰を表していてもよい。
【0060】
図11の分割木1100の特性として、「分割停止」オプションは、2つのシンタックス要素の送信を要する。例えば、第1のシンタックス要素においては、四分木分割を実行しないことを示し、第2のシンタックス要素においては、親ブロック1111をさらに分割しないことを示すことが必要となり得る。分割情報は、その後の形状種類とは独立に表すことができるため、本発明の例示的な一実施形態では、
図12に示すように、分割木を修正する。なお、第2の深さに達した場合、すなわち、mtt_vertical_flagが送信された場合は、
図11に示す分割木1100に対して、シンタックスが同じままである。このため、シンタックス要素mtt_vertical_flag及びmtt_split_binary_flagの修正は、
図11及び
図12の両者に示す二分方式に適用可能である。例えば、本発明の実施形態の分割方式は、
図1100の分割木1100に類似していてもよいが、分割の種類を規定する修正シンタックスを使用するようにしてもよい。分割と種類情報とを分離することにより、分割停止オプションのコストを低減可能であるが、これは、低ビットレートの動作点において重要となり得る。
【0061】
言い換えると、本発明の実施形態は、適応木構造及び関連するコンテキストモデリングを伴うことにより圧縮効率をさらに向上させる一般概念を記載する。
【0062】
例えば、
図11及び
図12に示す分割木は、すべてのオプションが可能な共通の場合のみを表していてもよい。ただし、各節点は、可用性制限を継承し得る。このような制限の例は、サイズ制限(例えば、子節点が最小許容ブロックサイズよりも小さな寸法を有することになる分割停止が可能となる)、連続分割制限(例えば、過去の分割も四分木分割であった場合は、四分木分割のみがシグナリングされ得る)である。これらの理由により、分割木内のシンタックス要素はそれぞれ、特定の可用性制限に応じて、それぞれの意味をわずかに変更し得る。すなわち、例えば、所定のブロック411に対しては、分割の一部又は全部のオプションが利用不可能となり得る。
【0063】
本発明の実施形態では、分割木のシンタックス要素に対するコンテキストモデリングについて、可用性情報(例えば、所定のブロック411の分割に利用可能なオプションに関する情報)を明示的に使用するようにしてもよい。可用性情報は、例えばコンテキストモデリングの付加的なオプションが可能となるように、コンテキストモデリングを強化する。例えば、コンテキストモデルの使用により、分割情報415の所定のフラグが示す情報が推定されるようにすることで、所定のフラグを復号化することなく、前記情報が推定されるようになっていてもよい。このため、分割情報415は、所定のフラグを必ずしも含む必要がなく、データストリーム14のサイズを低減可能である。例えば、コンテキストモデリングは、1つ又は複数の基準に応じて決まり得る。
【0064】
一般的に、本発明の実施形態では、画像を再帰的に分割する分割木の様々な実施態様を採用していてもよい。分割は、多くのフラグに依拠していてもよく、それぞれが、再帰分割の現在の再帰を受ける所定のブロックに対して、各フラグが参照する分割オプションが適用されるかを示していてもよい。これらのフラグは、データストリームに含まれ得る分割情報の一部であってもよい。ただし、前記可用性情報からフラグが推定されるようになっていてもよい。さらに、フラグを復号化する場合には、データストリーム又は分割情報からのコンテキストモデリングが用いられるようになっていてもよい。例えば、コンテキストモデリングは、考え得るオプションの数を低減するのに利用可能な情報を使用することにより、1つ又は複数のフラグの少ない情報への符号化又は少ない情報からの復号化によって、データストリームのサイズを抑えるようにしてもよい。例えば、画像の分割は、分割フラグ416、四分フラグ417、分割方向フラグ518、及び三分フラグ519のうちの1つ又は複数に依拠していてもよい。このようなフラグを評価する例示的な順序を
図12に示す。
図4~
図9及び
図13~
図18に関して説明する実施形態ではそれぞれ、前記フラグのうちの1つ又は複数を評価又は復号化する異なる順序又は依存関係若しくは条件を採用するようにしてもよい。例えば、コンテキストモデリングに対して異なる種類が採用されるようになっていてもよい。コンテキストモデリングは、例えば上述の可用性情報に依拠していてもよいし、隣接ブロック(例えば、分割済みのブロック)に関する情報に依拠していてもよい。
【0065】
例えば、分割フラグ416の復号化に第1のコンテキストが用いられるようになっていてもよいが、異なる実施形態では、第1のコンテキストを導出するための異なる基準、前提、又は情報を採用するようにしてもよい。
【0066】
例えば、分割方向フラグ418の復号化に第2のコンテキストが用いられるようになっていてもよいが、異なる実施形態では、第2のコンテキストを導出するための異なる基準、前提、又は情報を採用するようにしてもよい。
【0067】
例えば、三分フラグ419の復号化に第3のコンテキストが用いられるようになっていてもよいが、異なる実施形態では、第3のコンテキストを導出するための異なる基準、前提、又は情報を採用するようにしてもよい。
【0068】
言い換えると、分割木の一部又は全部のシンタックス要素のコンテキストモデリングは、可用性情報のみにより決まるものであってもよい。第2に、分割木の一部又は全部のシンタックス要素のコンテキストモデリングは、可用性情報をその他何らかの情報(例えば、隣接ブロックの分割構造情報(木深さ又はサイズ))と混合したものであってもよい。
【0069】
一実施形態によれば、装置400は、1つ又は複数の基準が満たされているか否かに応じて、分割情報415の1つ又は複数のフラグが、当該分割情報415の当該1つ又は複数のフラグをデータストリーム14から復号化していない状態の所定のフラグ状態を前提とするものと推定するように構成されていてもよい。
【0070】
例えば、データストリーム14は、所定のブロックの分割フラグ416、四分フラグ417、及び別のフラグ418の全部又は一部を必ずしも含まない。例えば、装置400は、所定のブロック411又は隣接ブロックに関する情報から、所定のブロックの前記フラグのうちの1つ、複数、又は全部のフラグ状態を推定するように構成されていてもよい。
【0071】
一実施形態によれば、1つ又は複数の基準は、子ブロック面積、子ブロック幅、子ブロック高さ、現在の分割深さ、及び画像境界との分割線位置合わせのうちの1つ又は複数に関連する。例えば、所定のブロック411の分割の結果としての子ブロック425の面積、幅、又は高さには、下限が存在していてもよい。装置400は、子ブロック425に対して前記基準を予測するようにしてもよく、これにより、分割情報415の1つ又は複数のフラグ(例えば、分割フラグ416、四分フラグ417、又は1つ若しくは複数の別のフラグ418)が所定のフラグ状態を前提とするものと推定するようにしてもよい。例えば、装置400は、前記基準により、所定のブロック411がさらに分割されないこと、又は、所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないものと推定するようにしてもよい。例えば、現在の分割深さは、木深さ又は四分木深さ、すなわち、例えば所定のブロック411を得るのに実行された再帰分割の再帰数を表していてもよい。
【0072】
一実施形態によれば、装置400は、画像12’が行及び列に細分される根ブロックそれぞれにおいて、再帰複数木分割を開始するように構成されている。
【0073】
一実施形態によれば、装置400は、画像12’が行及び列に細分される根ブロックにおいて、再帰複数木分割を開始するように構成されている。
【0074】
一実施形態によれば、装置400は、第1の所定の基準が満たされる場合に、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示すものと推定し、四分フラグ417のデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。
【0075】
一実施形態によれば、装置400は、所定のブロック411が親ブロックの非四分割に由来する場合、第1の所定の基準が満たされるように構成されている。
【0076】
一実施形態によれば、装置400は、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化において、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されている。さらに、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化に対して、装置400は、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されていてもよい。
【0077】
一実施形態によれば、装置400は、第2の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するとともに、第3の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。
【0078】
一実施形態によれば、第2の所定の基準は、所定のブロック411を水平方向に二等分することによって、幅が所定の最小寸法を下回る場合に満たされ、第3の所定の基準は、所定のブロック411を垂直方向に二等分することによって、高さが所定の最小寸法を下回る場合に満たされる。
【0079】
一実施形態によれば、装置400は、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。
【0080】
一実施形態によれば、装置400は、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するとともに、さらに、第5の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。
【0081】
一実施形態によれば、第4の所定の基準は、方向フラグが示す分割方向に所定のブロック411を三等分することによって、分割方向に沿う所定のブロック411の寸法が所定の最小寸法を下回る場合に満たされる。
【0082】
一実施形態によれば、第5の所定の基準は、方向フラグが示す分割方向に所定のブロック411を二等分することによって、分割方向に沿う所定のブロック411の寸法が所定の最大寸法を上回る場合に満たされる。
【0083】
一実施形態によれば、装置400は、子ブロック412のうちの所定の子ブロックについて、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す分割情報415の別の四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することによって、分割情報415のさらに別のフラグを用いて子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームするように構成されている。別の四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、所定の子ブロックに対する再帰複数木分割のレジュームには、画像12’の所定の子ブロックが分割されるか否かを示し、以て所定の子ブロックがコーディングブロックとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の別の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化することを含む。別の四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示し、別の分割フラグ416が、画像12’の所定の子ブロックが分割されることを示す場合、所定の子ブロックに対する再帰複数木分割のレジュームには、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。別の四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、又は、別の分割フラグ416が、画像12’の所定の子ブロックが分割されることを示す場合、所定の子ブロックに対する再帰複数木分割のレジュームには、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、所定の子ブロックのうちの子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。すなわち、例えば、分割フラグ416及び四分フラグ417の順序は、再帰分割の異なる再帰ごとに異なっていてもよい。
【0084】
一実施形態によれば、装置400は、第1の所定の基準が満たされる場合に、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示すものと推定し、四分フラグ417のデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。本実施形態によれば、装置400は、第1の所定の基準が満たされるかに応じて決まる第1のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割情報415の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化するようにさらに構成されている。
例えば、
図12に提示の二分において、split_flag(例えば、分割フラグ416)は、以下の情報を条件として、表1(
図19参照)に示すようにモデリングすることも可能である。
・四分木分割(QT)の可用性
・現在の四分木深さ
・現在の幅及び高さ
・現在の輝度面積
・上方隣接部の幅
・左方隣接部の高さ
【0085】
図19に示す表1は、可用性情報及び既存のコンテキストモデリングを用いたシンタックス要素split_flag(例えば、分割フラグ416)の例示的なコンテキストモデリングを示している。このコンテキストモデリングは、四分木分割(QT)の可用性、現在の四分木深さ、現在の幅及び高さ、現在の輝度面積(W×H)、並びに上方隣接部の幅及び左方隣接部の高さを条件とする。
【0086】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、所定のブロック411を得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によってさらに決まる。例えば、このような依存関係は、表1の2番目の列に示すようにモデリングされていてもよい。この代替又は追加として、第1のコンテキストは、所定のブロック411のサイズによってさらに決まる。例えば、このような依存関係は、表1の3番目の列に示すようにモデリングされていてもよい。
【0087】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、所定のブロック411を得る際に使用する再帰複数木分割の分割数が所定の閾値分割数を下回ることによってさらに決まり、これを区別する。或いは、第1のコンテキストは、所定のブロック411のサイズが所定の閾値サイズを上回ることよってさらに決まり、これを区別する。
【0088】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅と、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さと、によってさらに決まる。コンテキストモデルのこのような依存関係の一例を表1の4番目及び5番目の列に示す。
【0089】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより小さいか、
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより大きいか、及び
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより大きい、又は、所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より大きく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
例えば、コンテキストモデルのこのような依存関係は、
図19の表1に示すコンテキストモデリングによって表される。
【0090】
一実施形態によれば、装置400は、等サイズで2×2アレイに配置されるような4つの子ブロック412への分割を実行するように構成されている。本実施形態によれば、装置400は、水平方向の分割の場合は左から右へ、垂直方向の分割の場合は上から下への深さの第1の横断順序を用いて再帰複数木分割を実行し、4つの子ブロック412への分割の場合は左上から右下への行方向ラスター走査順序で、1つの親ブロックの分割に由来する子ブロックを横切るように構成されている。
【0091】
一実施形態によれば、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418のデータストリーム14からの復号化について、装置400は、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリーム14から復号化することと、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグをデータストリーム14から復号化することと、を行うように構成されている。さらに、第1の所定の基準が満たされる場合、装置400は、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示すものと推定し、四分フラグ417のデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。第2の所定の基準が満たされる場合、装置は、分割方法フラグが、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。第3の所定の基準が満たされる場合、装置400は、分割方法フラグが、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。第4の所定の基準が満たされる場合、装置400は、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するように構成されている。さらに、装置は、以下のシナリオのうちの1つとそれぞれ関連付けられ、これが満たされる場合は非ゼロ値、それ以外の場合はゼロを前提とする加数の合計によって決まる第1のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割情報415の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化するように構成されている。
・第1の所定の基準が満たされないこと
・第2の所定の基準が満たされないこと
・第3の所定の基準が満たされないこと
・第2の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に、第4の所定の基準が満たされないこと
・第3の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に、第4の所定の基準が満たされないこと
例えば、ここでは、TxがBxを示唆するものと考えられ、以下のブール論理ルールを用いて上記説明との一致を記載する。
・第1の所定の基準:not not QT、すなわち、QT
・第2の所定の基準:not((not BH)and(not TH))、すなわち、BH or TH
・第3の所定の基準:not((not BV)and(not TV))、すなわち、BV or TV
・第4の所定の基準:(not((not BH)and(not TH)))and(not(not TH))、すなわち、(BH or TH)and TH、すなわち、TH
・第5の所定の基準:(not((not BV)and(not TV)))and(not(not TV))、すなわち、(BV or TV)and TV、すなわち、TV
【0092】
一実施形態によれば、装置400は、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418のデータストリーム14からの復号化において、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリーム14から復号化することと、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグをデータストリーム14から復号化することと、を行うように構成されている。装置400は、第1の所定の基準が満たされる場合に、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示すものと推定し、四分フラグ417のデータストリーム14からの復号化を抑制するようにさらに構成されている。装置400は、第2の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するようにさらに構成されている。装置400は、第3の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定し、分割方向フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するようにさらに構成されている。装置400は、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するとともに、第5の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制するようにさらに構成されている。装置400は、以下のシナリオのうちの1つとそれぞれ関連付けられた加数の合計によって決まる第1のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割情報415の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化するようにさらに構成されている。加数はそれぞれ、各シナリオが満たされる場合は非ゼロ値、それ以外の場合はゼロを前提とする。
・第1の所定の基準が満たされないこと
・第2の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に、第5の所定の基準が満たされないこと
・第3の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に、第5の所定の基準が満たされないこと
・第2の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に、第4の所定の基準が満たされないこと
・第3の所定の基準が満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に、第4の所定の基準が満たされないこと
【0093】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、加数の合計の3分の1に1を加えると0になるか、1になるか、及び2になるか、によってさらに決まり、これらを区別する。本実施形態によれば、満たされていない第1の所定の基準と関連付けられた加数の非ゼロ値が2、その他の加数の非ゼロ値が1である。
【0094】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅と、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さと、によってさらに決まる。
【0095】
一実施形態によれば、第1のコンテキストは、
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより小さいか、
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより大きいか、
・所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より小さく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより大きい、又は、所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅が、所定のブロック411の幅より大きく、所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さが、所定のブロック411の高さより小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
言い換えると、split_flagのモデリング(例えば、分割フラグ416を復号化する第1のコンテキスト)は、Ns=(2・QT+BH+BV+TH+TV-1)と規定される利用可能な分割数Nsによって決まり得るものであってもよく、ここで、QT、BH、BV、TH、及びTVは、四分割、水平二分割、垂直二分割、水平三分割、及び垂直三分割の可用性を表す。このように、例えば分割フラグ416を復号化する第1のコンテキストの代替的なコンテキストモデリングは、以下により決まるものであってもよい。
・利用可能な分割数Ns
・現在の幅及び高さ
・上方隣接部の幅
・左方隣接部の高さ
【0096】
図20に示す表2は、すべての分割の可用性のほか、隣接ブロックのサイズによって決まるシンタックス要素split_flag(例えば、分割フラグ416)の代替的なコンテキストモデリングを示している。
【0097】
一実施形態によれば、装置400は、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418のデータストリーム14からの復号化において、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されている。第2の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。第3の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。第4の所定の基準が満たされない場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグをデータストリーム14から復号化することを含む。第4の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定することを含む。さらに、装置400は、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合も満たされることと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされないことと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合は満たされることと、
によって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0098】
一実施形態によれば、装置400は、画像12’の所定の子ブロックが2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418のデータストリーム14からの復号化において、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されている。第2の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。第3の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、分割方向フラグが、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。第4の所定の基準も第5の所定の基準も満たされない場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグをデータストリーム14から復号化することを含む。第4の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制することを含む。第5の所定の基準が満たされる場合、1つ又は複数の別のフラグ418の復号化には、三分フラグが、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグのデータストリーム14からの復号化を抑制することを含む。さらに、装置400は、
・分割方向フラグが示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、分割方向フラグが示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に等しいことと、
・第1の数が、第2の数より大きいことと、
・第1の数が、第2の数より小さいことと、
によって決まり、これらを区別する第2のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグをデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0099】
図5は、本開示の一実施形態に係る、画像12’を復号化する装置500を示している。例えば、装置500は、復号器20に類似していてもよい。装置500は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。さらに、装置500は、データストリーム14にてシグナリングされ、コーディングブロック425に関連するコーディング情報440から画像12’を復号化するように構成されている。装置500は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することによって、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第2の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第3の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグ519をデータストリーム14から復号化することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割される場合、画像12’の分割には、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。さらに、装置500は、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされることと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合は満たされないことと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合は満たされることと、
によって決まり、これらを区別する第2のコンテキスト552を用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0100】
図6は、本開示の一実施形態に係る、画像12’を復号化する装置600を示している。例えば、装置500は、復号器20に類似していてもよい。装置600と比較して、装置500では、三分フラグ519の所定の状態を推定する第5の基準を追加で使用するようにしてもよく、分割方向フラグ518の復号化に用いられる第2のコンテキストが異なっていてもよい。
【0101】
装置600は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割することと、さらに、データストリーム14にてシグナリングされ、コーディングブロック425に関連するコーディング情報440から画像12’を復号化することと、を行うように構成されている。装置600は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することによって、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第2の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第3の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第4の所定の基準が満たされない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグ519をデータストリーム14から復号化することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合で、第3の所定の基準が満たされる場合、画像12’の分割には、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すとともに、第5の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグ519のデータストリーム14からの復号化を抑制することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割される場合、画像12’の分割には、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。装置600は、第2のコンテキスト552を用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化するようにさらに構成されている。本実施形態によれば、第2のコンテキスト552は、以下のシナリオのいずれが満たされるかによって決まり、これらを区別する。第2のコンテキスト552のシナリオの実例を
図7に示す。
・分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に等しいこと(この場合は、
図7のシナリオ791により表され得る)
・第1の数が、第2の数より大きいこと(この場合は、
図7のシナリオ792により表され得る)
・第1の数が、第2の数より小さいこと(この場合は、
図7のシナリオ793により表され得る)
【0102】
一実施形態によれば、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さに等しいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さより大きいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さより小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
【0103】
一実施形態によれば、第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされる場合、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さ(例えば、所定のブロック411の高さ)に等しいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さ(例えば、所定のブロック411の高さ)より大きいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さ(例えば、所定のブロック411の高さ)より小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
【0104】
本実施形態によれば、第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合又は分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる場合、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さに等しいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さより大きいか、
・所定のブロック411の幅が現在のブロックの高さより小さいか、
を区別しない。
言い換えると、mtt_split_vertical_flag(例えば、分割方向フラグ518)の場合は、シンタックス要素の考え得る結果の数が不安定となる場合のために、2つの予備コンテキストを採用する構成であってもよい。例えば第2のコンテキストのコンテキストモデリングは、
・現在の幅及び高さと、
・水平及び垂直二分割の可用性(BH及びBV)と、
・水平及び垂直三分割の可用性(TH及びTV)と、
により決まるものであってもよい。
【0105】
図21に示す表3は、分割方向フラグ518を復号化する第2のコンテキストに対して採用され得るような、mtt_split_vertical_flagシンタックス要素の例示的なコンテキストモデリングを示している。W及びHは、現在の節点の幅及び高さを表す。BH、TH、BV、及びTVは、水平及び垂直の二分及び三分シンタックス要素の可用性を表す。BH+TH又はBV+TVのいずれかが0に等しい場合は、シンタックス要素の値を推定可能であり、コンテキストモデリングが不要となる。
【0106】
或いは、mtt_split_vertical_flag(例えば、分割方向フラグ518)のより優れたコンテキストモデリングのために利用可能な別の依存関係として、上方及び左方隣接部に関するサイズがある。ブロックサイズが局所的に相関されることを前提として、隣接部により類似する形状の部分にブロックを細分する分割は、他の分割よりも起こりやすいと考えられる。この依存関係の簡単な定式化は、d0=w/wabove、d1=h/hleftという2つの変数に基づいて実現可能である(w及びhは現在の幅及び高さであり、waboveは上方隣接ブロックの幅であり、hleftは左方隣接ブロックの高さである)。mtt_split_vertical_flagの代替的なコンテキストモデリングは、
・左方及び上方隣接部の可用性と、
・現在の幅及び高さと、
・左方隣接部の高さと、
・上方隣接部の幅と、
・水平及び垂直二分割の可用性(BH及びBV)と、
・水平及び垂直三分割の可用性(TH及びTV)と、
によって決まる。
【0107】
図22に示す表4は、このような分割可用性及び現在のブロック形状の隣接CU形状に対する類似性(上述の通り、d
0及びd
1により表される)に基づくmtt_split_vertical_flagのコンテキストモデリングの一例を示している。例えば、図示のコンテキストモデリングは、分割方向フラグ518を復号化する第2のコンテキストに適用されるようになっていてもよい。
【0108】
したがって、一実施形態によれば、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅と所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅との間の第1の比が、現在のブロックの高さと所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さとの間の第2の比に等しいか、
・第1の比が、第2の比より大きいか、
・第1の比が、第2の比より小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
【0109】
一実施形態によれば、第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされる場合、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅と所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅との間の第1の比が、現在のブロックの高さと所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さとの間の第2の比に等しいか、
・第1の比が、第2の比より大きいか、
・第1の比が、第2の比より小さいか、
によってさらに決まり、これらを区別する。
【0110】
本実施形態によれば、第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合又は分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる場合、第2のコンテキスト552は、
・所定のブロック411の幅と所定のブロック411の上方のコーディングブロックの幅との間の第1の比が、現在のブロックの高さと所定のブロック411の左方のコーディングブロックの高さとの間の第2の比に等しいか、
・第1の比が、第2の比より大きいか、
・第1の比が、第2の比より小さいか、
を区別しない。
【0111】
一実施形態によれば、第2のコンテキスト552は、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされないか、及び
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされるか、
を区別しない。
【0112】
一実施形態によれば、装置400、500、600は、所定のブロック411を得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によって決まるか、又は、所定のブロック411のサイズによって決まる第3のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、三分フラグ519をデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0113】
一実施形態によれば、装置400、500、600は、分割方向フラグ518が水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグ518が垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する第3のコンテキストを用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、三分フラグ519をデータストリーム14から復号化するように構成されている。
【0114】
言い換えると、mtt_split_binary_flag(例えば、三分フラグ519)の構成では、
図23に示す表5にまとめるように、過去に伝達若しくは推定された情報(図示の両二分方式(例えば、
図11及び
図12に示す方式)において、mtt_split_binary_flagは、mtt_split_vertical_flagに従う)並びに現在の分割木状態に応じて、異なるコンテキストモデルを使用するようにしてもよい。フラグ(例えば、三分フラグ519)のコンテキストモデリングは、
・現在のBT深さ(現在の節点までの非QT分割数)と、
・・或いは、BT深さは、(現在のQT深さd
QT、CTUサイズW
CTU、並びに現在の幅及び高さに関して)以下のように計算され得る
d
BT=log
2((W
CTUW
CTU)/(W
currH
curr))-2・d
QT
・現在の節点に対して過去に伝達又は推定されたフラグmtt_split_vertical_flagの値と、
により決まるものであってもよい。
【0115】
図23に示す表5は、mtt_split_binary_flagシンタックス要素(例えば、三分フラグ519)の例示的なコンテキストモデリングを示している。二分木深さ(BT深さ)は、現在の節点の二分割数又はそれと同等のものを表す(例えば、再帰分割の現在の再帰)。mtt_split_vertical_flag列の値は、シンタックス要素mtt_split_binary_flagのコーディングに先立って、現在の分割レベルで伝達又は推定された値を表す。
【0116】
図8は、本開示の一実施形態に係る、画像12’を復号化する装置800を示している。例えば、装置800は、復号器20に類似していてもよい。画像12’を復号化する装置800は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割することと、さらに、データストリーム14にてシグナリングされ、コーディングブロック425に関連するコーディング情報440から画像12’を復号化することと、を行うように構成されている。装置800は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することによって、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化することと、さらに、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグ519をデータストリーム14から復号化することと、を含む。画像12’の所定のブロック411が分割される場合、画像12’の分割には、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。装置800は、所定のブロック411を得る際に使用する再帰複数木分割の分割数によって決まるか、又は、所定のブロック411のサイズによって決まる第3のコンテキスト853を用いたコンテキスト適応エントロピー復号化によって、三分フラグ519をデータストリーム14から復号化するようにさらに構成されている。この追加又は代替として、第3のコンテキスト853は、分割方向フラグ518が水平方向の分割方向を示すか、及び、分割方向フラグ518が垂直方向の分割方向を示すか、によって決まり、これらを区別する。
【0117】
図9は、本開示の一実施形態に係る、画像12’を復号化する装置900を示している。例えば、装置900は、復号器20.40に類似していてもよい。装置900は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割することと、さらに、データストリーム14にてシグナリングされ、コーディングブロック425に関連するコーディング情報440から画像12’を復号化することと、を行うように構成されている。装置900は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化することによって、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて画像12’をコーディングブロック425に分割するように構成されている。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合、画像12’の分割には、画像12’の所定のブロック411が2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。画像12’の所定のブロック411が分割される場合、画像12’の分割には、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることを含む。装置900は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するようにさらに構成されている。第1のモードでの動作において、装置900は、分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合、分割フラグ416の後に四分フラグ417を復号化するように構成されている。第2のモードでの動作において、装置900は、四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、四分フラグ417の後に分割フラグ416を復号化するように構成されている。
【0118】
例えば、可用性制限のため、既存の分割木(例えば、木1100)は、適応木構造を既に使用している。形状種類及び方向の入れ替えにも、適応木構造を使用する。一般的に、シンタックス要素の順序付けは、所与の各節点における一定の確率を反映する。ただし、この確率は、コーデックの信号特性及び動作点によって決まる。例えば、量子化パラメータが大きい場合、すなわち、動作点のビットレートが低い場合は、葉節点が大きくなる傾向にある。このような場合は、分割が起こりにくいため、
図12の構成が好ましい。ただし、動作点の他端においては、分割情報が正となることが多いため、
図11の構成が好ましい。適応分割木構成であれば、分割木のシグナリング二分及びコンテキスト特性に応じた2つのオプションの切り替えの両者が可能となる。拡張としては、複数の異なる分割木を保持するとともに、隣接分割木(後方適応)又は分割木を規定する根におけるシンタックス要素(前方適応)に応じて木を切り替えることになる。
【0119】
このため、一実施形態によれば、装置900は、データストリーム14におけるモード伝達に応じて選択を実行するように構成されている。言い換えると、この選択は、前方適応であってもよい。
【0120】
代替実施形態によれば、装置900は、選択を後方適応的に実行するように構成されている。
【0121】
例えば、一実施形態によれば、装置900は、
・一組の過去のコーディングブロック425(例えば、画像12’のブロック又は一部(例えば、過去に分割されたCTU又は隣接CTU)の過去の分割に由来するコーディングブロック425のコーディングブロック)のブロックサイズと(このオプションは、スライディングウィンドウを用いて実現されるようになっていてもよい)、
・一組の過去のコーディングブロック425が由来する分割の数と、
・データストリーム14にてシグナリングされた量子化パラメータと、
のうちの1つ又は複数の評価に応じて選択を実行するように構成されている。
【0122】
実施形態によれば、シンタックス要素(例えば、フラグ)は、入れ子になった分割木に関して、深さに結合される。別の実施形態によれば、結合された深さが情報(例えば、深さ情報)を一元化するため、分割木に関連するシンタックス要素のコンテキストモデリングは、単一の深さ値のみに依拠する。最も容易な実現方法としては、各分割後に増大する単一の深さ値が考えられる。或いは、分割の種類に応じて深さが重み付けされるようになっていてもよい。例えば、QT深さでは、一定の正値が深さカウンタに寄与し得る一方、二分割では、四分木の一定の正値の重み付け数(重みw≦1)のみが寄与する。
【0123】
実施形態によれば、二分木及び三分木が結合される。すなわち、分割の方向が最初にシグナリングされた後、結果としての分割が二分であるか三分であるかに関する情報がシグナリングされる。状況によっては、最後の形状種類が与えられた方向について、確率のシフトが起こる。本発明の一構成では、2つのシンタックス要素を適応的に入れ替えるようにしてもよく、この情報をコンテキストモデリングに組み込む。
【0124】
適応分割木の概念のさらなる拡張として、形状サイズの後方適応的又は前方適応的な適応シグナリングがある。例えば、16×16のブロックが水平二分割である場合、その結果としては、16×4及び16×12の形状、又は、2つの16×8の形状が可能である。現行のVVC草稿においては、最終比が一定である。形状サイズを利用する構成では、隣接分割木を分析するとともに、使用すべき形状サイズを決定することができる。なお、この拡張は、適応分割方式の場合に利用できる付加的な分割木と同じである。
【0125】
復号器の背景で説明した特徴及び実施形態は、符号器においても同等に適用可能である。したがって、実施形態は、画像を符号化する装置(例えば、
図13に示す装置1300)を提供する。画像12を符号化する装置1300は、再帰複数木分割を用いて画像12をコーディングブロック425に分割するように構成されている。符号器は、分割を規定する分割情報415をデータストリーム14にて符号化するように構成されている。さらに、装置1300は、画像12をコーディングブロック425に関連するコーディング情報440に符号化するとともに、コーディング情報440をデータストリーム14にて符号化するように構成されている。画像12をコーディングブロック425に分割する再帰複数木分割は、復号器400、500、600、800、900に関して説明したような再帰複数木分割の如何なる実施形態によっても実行可能である。すなわち、コーディングブロック425は、前記再帰複数木分割によりもたらされるようになっていてもよい。同様に、分割情報についても、再帰複数木分割によりもたらされるようになっていてもよい。分割情報415を得るために符号器1300が符号化するフラグの数及び種類は、再帰分割の各実施形態に応じて決まるものであってもよい。例えば、分割情報415の符号化は、再帰分割の現在の再帰を受ける所定のブロック411の分割に応じて、再帰分割の現在の再帰に固有である。すなわち、復号器400、500、600、800、900に関して説明した再帰分割の実施形態を参照して、画像12の分割が所定のフラグの復号化を示唆する場合はいつでも、装置1300が所定のフラグをデータストリーム14に符号化するように構成されている。例えば、分割又は画像が所定のフラグの推定を示唆する場合はいつでも、符号器は必ずしも所定のフラグを符号化するようには構成されないが、所定のフラグの符号化を抑制するようには構成されていてもよい。
【0126】
図14は、一実施形態に係る、画像12’を復号化する方法1400のフローチャートである。例えば、方法1400は、装置400により実行されるようになっていてもよい。この方法は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するステップ1401を含む。方法1400は、データストリーム14にてシグナリングされ、コーディングブロック425に関連するコーディング情報440から画像12’を復号化するステップ1402をさらに含む。ステップ1401は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する分割情報415の分割フラグ416をデータストリーム14から復号化することを含む。ステップ1401は、分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合に実行されるステップ1420をさらに含む。ステップ1420は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す分割情報415の四分フラグ417をデータストリーム14から復号化するステップ1430を含む。ステップ1420は、四分フラグ417が、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合に実行されるステップ1431をさらに含む。ステップ1431は、画像12’の所定のブロック411が2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。ステップ1420は、分割情報415のさらに別のフラグを用いて、子ブロック412に対する再帰複数木分割をレジュームすることをさらに含む。
【0127】
図15は、一実施形態に係る、画像12’を復号化する方法1500のフローチャートである。例えば、方法1500は、装置500により実行されるようになっていてもよい。この方法は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するステップ1501を含む。方法1500は、ステップ1402をさらに含む。ステップ1501は、分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化するステップ1511を含み、分割フラグ416は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。ステップ1501は、画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合に実行されるステップ1521をさらに含む。ステップ1521は、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化するステップ1533を含む。分割方向フラグ518の復号化1533では、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされず、又は、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合も、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合も満たされることと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合は満たされ、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合は満たされないことと、
・第4の所定の基準が、分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合は満たされず、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合は満たされることと、
によって決まり、これらを区別する第2のコンテキスト552を使用する。
【0128】
ステップ1521は、第2の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されることを示すものと推定するステップ1534をさらに含む。ステップ1521は、第3の所定の基準が満たされる場合に、分割方向フラグ518が、画像12’の所定のブロック411が水平方向に分割されることを示すものと推定するステップ1535をさらに含む。ステップ1521は、第4の所定の基準が満たされない場合に、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグ519をデータストリーム14から復号化するステップ1536をさらに含む。ステップ1521は、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定するステップ1537をさらに含む。ステップ1501は、ステップ1503をさらに含む。ステップ1503では、画像12’の所定のブロック411が分割される場合に、ステップ1403を実行する。
【0129】
図16は、一実施形態に係る、画像12’を復号化する方法1600のフローチャートである。例えば、方法1600は、装置600により実行されるようになっていてもよい。この方法は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するステップ1601を含む。方法1600は、ステップ1402をさらに含む。ステップ1601は、ステップ1511を含む。ステップ1601は、画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合に実行されるステップ1622をさらに含む。ステップ1622は、ステップ1661、1534、1535、1536、及び1662を含む。ステップ1661は、第2の所定の基準も第3の所定の基準も満たされない場合に、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化することを含む。分割方向フラグ518の復号化1661には、第2のコンテキスト552の使用を含む。方法1600又は装置600が使用する第2のコンテキスト552の構成は、方法1500又は装置500が使用する第2のコンテキスト552の構成と異なっていてもよい。方法1600及び装置600の場合、第2のコンテキストは、
・分割方向フラグ518が示す分割方向が水平方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第1の基準数が、分割方向フラグ518が示す分割方向が垂直方向である場合に満たされる第4の所定の基準及び第5の所定の基準のうちの第2の基準数に等しいことと、
・第1の数が、第2の数より大きいことと、
・第1の数が、第2の数より小さいことと、
によって決まり、これらを区別する。
【0130】
ステップ1662は、第4の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が2つの子ブロック412に分割されることを示すとともに、第5の所定の基準が満たされる場合に、三分フラグ519が、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されることを示すものと推定し、三分フラグ519のデータストリーム14からの復号化を抑制することをさらに含む。ステップ1601は、ステップ1503をさらに含む。
【0131】
図17は、一実施形態に係る、画像12’を復号化する方法1800のフローチャートである。例えば、方法1800は、装置800により実行されるようになっていてもよい。この方法は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するステップ1801を含む。方法1800は、ステップ1402をさらに含む。ステップ1801は、ステップ1511を含む。ステップ1801は、画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合に実行されるステップ1823をさらに含む。ステップ1823は、画像12’の所定のブロック411が垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割方向フラグ518をデータストリーム14から復号化するステップ1881を含む。ステップ1823は、画像12’の所定のブロック411が3つの子ブロック412に分割されるか2つの子ブロック412に分割されるかを示す三分フラグ519をデータストリーム14から復号化するステップ1882をさらに含む。ステップ1801は、ステップ1503をさらに含む。
【0132】
図18は、一実施形態に係る、画像12’を復号化する方法1900のフローチャートである。例えば、方法1900は、装置900により実行されるようになっていてもよい。この方法は、データストリーム14にてシグナリングされた分割情報415に応じて、再帰複数木分割を用いて画像12’をコーディングブロック425に分割するステップ1901を含む。方法1900は、ステップ1402をさらに含む。ステップ1901は、分割情報415の分割フラグ416及び四分フラグ417をデータストリーム14から復号化するステップ1911を含み、分割フラグ416は、画像12’の所定のブロック411が分割されるか否かを示し、以て所定のブロック411がコーディングブロック425のうちの1つとなる状態で再帰複数木分割を停止する。四分フラグ417は、画像12’の所定のブロック411が4つの子ブロック412に分割されるか否かを示す。ステップ1901は、第1のモード及び第2のモードの一方を選択するステップ1905をさらに含む。第1のモードにおいて、方法1900は、例えばステップ1911において、分割フラグ416が、画像12’の所定のブロック411が分割されることを示す場合、分割フラグ416の後に四分フラグ417を復号化することを含む。第2のモードにおいて、方法1900は、例えばステップ1911において、四分フラグ417が、画像12’の所定の子ブロックが4つの子ブロック412に分割されないことを示す場合、四分フラグ417の後に分割フラグ416を復号化することを含む。ステップ1901は、画像12’の所定のブロック411が分割されるものの、4つの子ブロック412には分割されない場合に実行されるステップ1991を含む。ステップ1991は、画像12’の所定のブロック411が2つ又は3つの子ブロック412へと垂直方向に分割されるか水平方向に分割されるかを示す分割情報415の1つ又は複数の別のフラグ418をデータストリーム14から復号化することを含む。ステップ1901は、ステップ1503をさらに含む。
【0133】
別の実施形態は、画像12を符号化する方法を提供する。画像を符号化する方法は、再帰複数木分割を用いて画像12をコーディングブロック425に分割するとともに、分割を規定する分割情報415をデータストリーム14にて符号化することを含む。これらの方法は、画像12をコーディングブロック425に関連するコーディング情報440に符号化するとともに、コーディング情報440をデータストリーム14にて符号化することをさらに含む。上述の符号器と復号器との間の対応と同様に、画像を符号化する方法は、方法1400、1500、1600、1800、1900に類似する。例えば、画像12の分割は、これらの方法に関して説明したのと同じステップに依拠する。すなわち、フラグが復号化される場合はいつでも、符号化方法が各フラグを符号化することを含む。フラグの推定を含む方法1400、1500、1600、1800、1900のステップは、必ずしも画像を符号化する方法の一部ではなく、代わりに、これらの方法は、フラグの符号化を抑制することを含んでいてもよい。
【0134】
装置の背景にていくつかの態様を説明したが、これらの態様が対応する方法の説明にもなることは明らかであり、ブロック又は装置が方法ステップ又はその特徴に対応する。同様に、方法ステップの背景にて説明した態様は、対応する装置の対応するブロック、アイテム、又は特徴の説明にもなる。
【0135】
例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能コンピュータ、又は電子回路等のハードウェア装置によって(又は、これらを用いて)、方法ステップの一部又は全部が実行されるようになっていてもよい。いくつかの実施形態においては、最も重要な方法ステップのうちの1つ又は複数がこのような装置により実行されるようになっていてもよい。
【0136】
特定の実施要件に応じて、本発明の実施形態又はその少なくとも一部をハードウェアにて実装することも可能であるし、ソフトウェアにて実装することも可能である。実施態様は、各方法が実行されるようにプログラム可能コンピュータシステムと協働する(又は、協働可能な)電子的可読制御信号が格納されたデジタル記憶媒体(例えば、フロッピーディスク、DVD、Blu-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリ)を用いて実行可能である。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってもよい。
【0137】
本発明に係るいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるようにプログラム可能コンピュータシステムと協働可能な電子的可読制御信号を有するデータ担体を備える。
【0138】
一般的に、本発明の実施形態は、コンピュータ上で動作する場合に上記方法のうちの1つを実行するように動作するプログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品として実装可能である。プログラムコードは、例えばマシン可読担体に格納されていてもよい。
【0139】
他の実施形態は、マシン可読担体に格納され、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含む。
【0140】
したがって、言い換えると、本発明の一実施形態は、コンピュータ上で動作する場合に本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0141】
したがって、本発明に係る方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムが記録されたデータ担体(又は、デジタル記憶媒体若しくはコンピュータ可読媒体)である。データ担体、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は通常、有形及び/又は持続性である。
【0142】
したがって、本発明に係る方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は一連の信号である。データストリーム又は一連の信号は、例えばデータ通信接続(例えば、インターネット)を介して伝送されるように構成されていてもよい。
【0143】
別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するように構成又は適応された処理手段(例えば、コンピュータ又はプログラム可能論理デバイス)を含む。
【0144】
別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0145】
本発明に係る別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを(例えば、電子的又は光学的に)受信機へと伝送するように構成された装置又はシステムを含む。受信機は、例えばコンピュータ、モバイル機器、メモリデバイス等であってもよい。この装置又はシステムは、例えばコンピュータプログラムを受信機に伝送するファイルサーバを備える。
【0146】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の方法の機能の一部又は全部を実行するのに、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)が用いられるようになっていてもよい。いくつかの実施形態においては、フィールドプログラマブルゲートアレイがマイクロプロセッサと協働して、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するようになっていてもよい。一般的に、上記方法は、任意のハードウェア装置により実行されるのが好ましい。
【0147】
本明細書に記載の装置は、ハードウェア装置、コンピュータ、又はハードウェア装置及びコンピュータの組み合わせを用いて実装されるようになっていてもよい。
【0148】
本明細書に記載の方法は、ハードウェア装置、コンピュータ、又はハードウェア装置及びコンピュータの組み合わせを用いて実行されるようになっていてもよい。
【0149】
上述の実施形態は、本発明の原理の例示に過ぎない。当業者にとっては、本明細書に記載の構成及び詳細の改良及び変形が明らかであることが了解される。したがって、本明細書における実施形態の記述及び説明によって提示する特定の詳細ではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。