(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157049
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】少なくとも2つのボディ間でサスペンションを接続および作成するための縫合システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20241029BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/04
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024141114
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2021154032の分割
【原出願日】2018-05-31
(31)【優先権主張番号】15/711,192
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/526,601
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/515,059
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/515,026
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サミット マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ロフマン ロバート エー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長手方向軸に沿って延在し、配備されていない構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する可撓性のバックストップを含む縫合サスペンションシステムを提供する。
【解決手段】ある長さの縫合糸は、可撓性のバックストップを通して位置付けられることができ、第一のボディと第二のボディ間のサスペンションを接続し、作成するブリッジを形成することができる。配備された構成において、可撓性のバックストップの二つの端部は、第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられる。システムはまた、それを通して縫われた先述の長さの縫合糸を有するアンカー本体を含み得る。アンカー本体の一部分は、第二のボディの遠位表面上に位置付けられ、可撓性のバックストップの一部分は、第一のボディの近位表面上に位置付けられる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸に沿って延在し、配備されていない構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する可撓性のバックストップであって、
前記二つの端部が、配備された構成において前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられた、バックストップと、
ある長さの縫合糸であって、その少なくとも第一の部分が、前記可撓性のバックストップを通して位置付けられる、ある長さの縫合糸と、を含み、
前記長さの縫合糸の少なくとも第二の部分が、第一の近位ボディおよび第二の遠位ボディを接続するブリッジを形成する、縫合システム。
【請求項2】
アンカー本体を通って位置付けられる前記長さの縫合糸の第三の部分を有するアンカー本体をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アンカー本体および前記可撓性のバックストップが、前記長さの縫合糸を介して相互に対して相対位置に保持される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンカー本体の一部分が、前記第二の遠位ボディの遠位表面に位置付けられ、前記可撓性のバックストップの一部分が、前記配備された構成において、前記第一の近位ボディの近位表面上に位置付けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記可撓性のバックストップが、全縫合バックストップである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アンカー本体が全縫合ボタンまたは金属ボタンである、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記長さの縫合糸の前記少なくとも第二の部分が、前記第一の近位ボディおよび前記第二の遠位ボディのうち少なくとも一つに形成された単一孔を通して位置付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記可撓性のバックストップおよび前記アンカー本体の少なくとも一つが、放射線不透過性の繊維から成る、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
長手方向軸に沿って延在し、配備されていない構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する可撓性のバックストップであって、
前記二つの端部が、配備された構成において前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられ、前記可撓性のバックストップの一部分が、前記配備された構成において第一の近位ボディの近位表面上に位置付けられる、バックストップと、
前記第可撓性のバックストップを通って位置付けられた一対のフリーリムを有する、ある長さの縫合糸と、
アンカー本体を通って位置付けられた前記長さの縫合糸を有するアンカー本体であって、その一部分が前記配備された構成において、第二の遠位ボディの遠位表面上に位置付けられる、アンカー本体と、を含み、
前記第二の遠位ボディが前記第一の近位ボディに隣接する、縫合システム。
【請求項10】
前記可撓性のバックストップの近位の前記長さの縫合糸に形成された結び目をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記長さの縫合糸が、前記第一の近位ボディと前記第二の遠位ボディとの間に延在する
ブリッジを形成する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第二の遠位ボディが組織である、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記長さの縫合糸が、前記第一の近位ボディおよび前記第二の遠位ボディのうち少なくとも一つに形成された単一孔を通して位置付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
第一のボディを第二のボディに対して相対位置で固定する方法であって、
アンカー本体を通して位置付けられた一対のフリーリムを有する、ある長さの縫合糸を含む縫合システムを提供するステップと、
前記フリーリムが前記第一のボディの近位表面から延在し、前記アンカー本体の一部分が前記第二のボディの遠位表面上に位置付けられるように、前記フリーリムを第一の近位ボディおよび隣接した第二の遠位ボディに通すステップと、
長手方向軸に沿って延在し、かつ配備されていない構成において、第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する可撓性のバックストップに、前記フリーリムを通すステップと、
前記可撓性のバックストップを、前記長さの縫合糸に沿って前記第一のボディの近位表面に遠位に移動させるステップと、
前記可撓性のバックストップの前記二つの端部が、配備された構成において前記第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられるまで、前記フリーリムを引っ張るステップと、を含む、方法。
【請求項15】
前記可撓性のバックストップの近位の前記長さの縫合糸に結び目を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一のボディが骨である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第一の近位ボディを通る単一の骨穴を穿孔するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フリーリムを、長手方向軸に沿って延在し、かつ配備されていない構成において第一の方向に位置付けられた二つの端部を有する可撓性のバックストップに通すステップが、
一対のロードループを通して前記フリーリムを挿入するステップと、
前記ロードループを前記可撓性のバックストップを通して引っ張るステップと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第一のボディおよび前記第二のボディのうちの少なくとも一つが、骨である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の近位ボディを通る第一の骨穴を、および前記第二の遠位ボディを通る第二の骨穴を穿孔するステップをさらに含み、前記第一の骨穴および前記第二の骨穴が整列する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月21日出願の米国特許非仮出願番号第15/711192号、2017年6月5日出願の米国特許仮出願第62/515026号、2017年6月5日出願の米国特許仮出願第62/515059号、2017年6月29日出願の米国特許仮出願第62/526601号の優先権および利益を主張する。
【0002】
2.技術分野
本発明は、外科手術の少なくとも二つのボディ間でサスペンションを接続および/または作成するためのシステムに関連し、より具体的には、身体の少なくとも一つに形成された単一孔を通る縫合糸を引っ張るための全縫合バックストップを含む縫合システムに関する。
【背景技術】
【0003】
3.関連技術の説明
引き裂かれまたは損傷した軟組織の修復必要とする外科手術はごく一般的である。同様に、多くの整形外科手術は、二つの骨の間に、または軟組織と骨との間など、二つのボディ間に作られたサスペンションを必要とする。サスペンションの目的は、第二のボディに対する望ましい位置に第一のボディを保持することである。一つの例示的な整形外科手術では、足底プレート修復、引き裂かれまたはその他の方法で損傷を受けた足の靱帯が足指の骨に再接近している。この手術は一般に、骨の二つの穴を穿孔し、各穴を通して縫合糸の一つのリムを引っ張り、各々の骨穴の外側の各リムに結び目を作ることによって行われる。
【0004】
足底プレート修復の従来的な方法によると、縫合糸をほどき、引き裂かれた組織と骨の間に必要なサスペンションを作り出すための骨ブリッジを作り出すために、骨を通して二つの骨穴を穿孔しなければならない。しかしながら、整形外科手術では、二つの骨穴の穿孔は、外科手術修復部位で少なくとも二倍の外傷を作り出す。骨穴によって生成される外傷は、骨が先端において比較的小さい骨である足底プレート修復などの外科手術で悪化する。外科手術修復部位が先端に位置するこうした状況では、二つの骨穴の穿孔が骨に対する許容できない大きさの損傷を引き起こし得る。さらに、一部の実例では、小さな骨の限定された空間によって二つの穴を穿孔することはできない。
【0005】
別の例示的な手術では、関節炎の台形切除術は、手根骨(すなわち、手首の骨)と中手骨(すなわち、近位の親指骨)との間のCMC接合部のサスペンションを必要とする。現在、CMC接合部のサスペンションは、間に結びついた縫合糸を有する一対の金属ボタンを使用して実施される。従って、単一の骨穴が手根骨と中手骨との間のサスペンションを作り出すために使用されても、金属ボタンは骨の両側に縫合糸を引っ張るために使用される。金属ボタンは身体内で硬く、粗くなり、周囲の軟組織および骨に炎症を引き起こす。
【0006】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術セクションの説明またはこの開示の他の場所で議論されている限り、これらの議論は議論された特許/刊行物/製品は特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でなくてもよく、時間的に十分初期に発展した主題を反映しなくてもよく、および/または特許法の目的のために先行技術なるように、十分に有効化されなくてもよい。特
定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、従来のサスペンションシステムには、潜在的な問題および/または欠点があることを認識する。例えば、金属ボタンは、炎症を起こすのに十分な大きさおよび剛性であり得る。ボタンが使用されていない場合、(縫合糸を適切にほどくために)二つの骨穴を穿孔する必要があるが、(上述のように)骨への過剰な外傷を引き起こす。従って、外科手術部位に二つのボディ間のサスペンションを作り出し、大きなおよび/または硬質のボタンを使用する必要なしに、単一の骨穴を通して固定することができる手段を有する使用のかんたんな縫合サスペンションシステムに対するニーズが存在する。少なくとも一つのボディに形成された単一孔を通る縫合糸を引っ張るための縫合システムの必要性も存在する。本発明のさまざまな実施形態は、本明細書に記載される潜在的な問題および/または欠点のうちの一つまたは複数を解決または減少させうるという点で有利であり得る。
【0008】
本開示は、縫合システムの発明の構成、構造、および結果的な機能を対象とする。縫合システムの実施形態は、長手方向軸に沿って延在し、配備されていない構成で第一の方向に位置する二つの端部を有する可撓性のバックストップを含む。ある長さの縫合糸、可撓性のバックストップを通して位置付けられ、第一のボディを第二のボディに接続するブリッジを形成することができる。配備された構成において、可撓性のバックストップの二つの端部は、第一の方向とは異なる第二の方向に位置付けられる。バックストップは、縫合糸が第一/第二のボディからのバックストップの反対側の結び目に結びついた時に完全に配備され得る。完全に配備されたバックストップは、結び目がボディの少なくとも一つに形成された穴を通して移動することを防止する。
【0009】
別の態様において、開示された縫合システムの実施形態は、それを通して位置付けられる縫合糸の長さを有するアンカー本体も含むことができる。アンカー本体は、第二のボディの遠位表面上に位置付けることができるが、可撓性のバックストップは、第一のボディの近位表面上に位置付けられ得る。縫合糸の長さは、第一のボディと第二のボディとの間にサスペンションを接続し、形成するブリッジを生成することができる。
【0010】
別の態様によれば、第一のボディを第二のボディに対する相対位置に固定する方法は、以下のステップを含む(ただし、これらに限定されない):(i)アンカー本体を介して位置付けられた一対のフリーリムを有する縫合糸の長さを含む縫合システムを提供するステップ。(ii)フリーリムは、第一のボディの近位表面から延在し、アンカー本体は、第二のボディの遠位表面に配置されように、フリーリムを第一のボディと隣接する第二のボディに通すステップ。(iii)フリーリムを、長手方向軸に沿って延在し、配備されていない構成で第一の方向に配置された二つの端部を有する可撓性のバックストップに通すステップ。(iv)可撓性のバックストップを縫合糸の長さに沿って遠位に第一のボディの近位側に移動するステップ。(v)可撓性のバックストップの二つの端部が配備された構成の第一の方向とは異なる第二の方向に配置されるまで、フリーリムを引っ張るステップ。上述のように、バックストップは、縫合糸がバックストップの近位側の結び目に結ばれたた時に完全に配備され得る。
【0011】
フィラメント、縫合材料、または縫合糸は、その用語が使用され、本明細書に記載されるとき、単一フィラメントおよびブレード(すなわち、多フィラメント)縫合糸ならびに縫合糸の機能を実施するのに適した、その他任意の金属製または非金属のフィラメント材料またはワイヤ状材料を含む。この材料は、生体吸収性材料および非吸収性材料の両方を
含み得る。
【0012】
本明細書で使用される場合、軟質の縫合アンカーまたは固定ボディは、あらかじめ形成された骨穴の中に、部分的にその中に、または完全にその上に保持され得る縫合材料のフィラメントから形成される軟質縫合アンカーを含み得る。こうした縫合アンカーは、それらの直径を骨穴のサイズより大きいサイズに増加させるために変形可能であり、それによって、あらかじめ形成された骨穴の中に、または少なくとも部分的にその中に、およびその外に、(または完全に外に)固定される。こうした縫合アンカーの一部の実施形態および配備されたときの固有の機能性は、米国特許公開第2012/0290004号に開示されており、本譲受人に譲渡されその全体が参照により本明細書に組み込まれる。軟質アンカーは通常、完全に縫合材料で作られているため、それらは「全縫合」アンカーと呼ばれることもあり、一般に繊維状構築物の固定ボディ部分(または、米国特許第9173652号に記載されているように、柔軟なウェブなどの繊維状、編組または織布タイプの構造)と、縫合糸またはフィラメント部分(また、本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきであるように、Y-Knot(登録商標)縫合アンカーを含むことができる)を含む。固定ボディは金属ボタンも含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。
【0014】
ここで添付図面を簡単に参照する。
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態による前記縫合バックストップシステムの側面図を示す。
【
図2】
図2は、実施形態による縫合バックストップシステムの上面斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、ロードループに縫った縫合糸のフリーリムの上面斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、縫合糸のフリーリムにロードされたバックストップの上面斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による、第一のボディに向かった縫合糸の長さに沿って遠位に移動したバックストップの上面斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による第一のボディ内の骨穴の上の圧縮位置におけるバックストップの上面斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態による縫合バックストップシステムの配備された構成を示す、バックストップの上の縫合糸のフリーリムに形成された結び目の上面斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態による縫合サスペンションシステムの側面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態による圧縮位置にある全縫合ボタンを有する縫合サスペンションシステムの側面図を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態による、圧縮位置にある全縫合ボタンおよび拡張位置にある全縫合バックストップを有する縫合サスペンションシステムの側面図である。
【
図11】
図11は、実施形態による縫合サスペンションシステムの配備された構成の側面図である。
【
図12】
図12は、追加的実施形態による、第一の中手骨および第二の中手骨の骨穴を通って縫った縫合糸の長さを有する縫合サスペンションシステムの上部斜視図である。
【
図13】
図13は、追加的実施形態による縫合糸の長さのフリーリム上に縫ったバックストップの上面斜視図である。
【
図14】
図14は、追加的実施形態による配備された構成における縫合サスペンションシステムの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照し、同様の参照番号が全体を通して同様の部品を指し、特定の縫合システムが説明され、図示される。例えば、
図1~
図7は、実施形態による縫合バックストップシステム10の形成を図示し、
図8~
図14は、実施形態による縫合サスペンションシステム100および40の形成を図示する。
【0017】
図1~
図7は、本発明の実施形態による、全縫合バックストップを使用した近位指骨への足底プレートの再接近を図示する。
図1~
図2に示されるように、一実施形態による、部分的または配備されていない構成の縫合バックストップシステム10の、側面概略図および上面斜視図がそれぞれ示されている。縫合バックストップシステム10を利用するために、単一孔18-1が第一のボディ18を通して作製される。第一のボディ18は骨であることが好ましいが、軟組織または移植片でもよい。
図1に示すように、縫合糸14の長さは、骨穴18-1を通して位置付けられ、第二のボディ19(この実施形態では、軟組織であるが、移植片であり得る)を通して縫われ、骨18の遠位/底面29に隣接して配置され、骨穴18-1を通して前進し、
図1および
図2に示される縫合バックストップシステム10の部分的または配備されていない構成を形成する。縫合糸14の長さは、骨18の反対表面/近位表面/上面28から近位に延在する二つのフリーリム16とともに示されている。第一のボディ18と第二のボディ19の間に位置付けられた(両方のリムを含むが、これに限定されない)縫合糸の長さの部分は、下記の縫合サスペンションシステムに関連して記述されているように、ブリッジとみなされ得る。(しかし、この実施形態の「ブリッジ」は比較的短くできる)。
【0018】
ここで、
図3~
図4を参照して、ロードされている、実際にはバックストップ24でロードされているフリーリム16の上部斜視図である。縫合糸14のフリーリム16は、拡張位置におけるバックストップ24を受け取るように構成されている。バックストップ24は、任意の軟質縫合アンカー材料から成りうる。バックストップ24は、X線写真でバックストップ24が見えるように、放射線不透過性の繊維から成りうる。全縫合アンカーバックストップ24を使用する目的は、外科手術部位での患者への炎症および不快感を最小化することである。
【0019】
図3に示すように、バックストップ24は、ロードループ26を有する一対のニードル25を使用してバックストップ24を通してフリーリム16を引っ張ることにより、縫合糸14のフリーリム16上にロードされる。フリーリム16をニードル25上に縫い、その後前記バックストップ24を通って延在するロードループ26上に縫う。ロードループ26が引っ張られると、フリーリム16はバックストップ24を通って引っ張られる。しかしながら、代替的な縫い機構を使用して、バックストップ24をフリーリム16上にロードすることができる(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)。
図4は、ニードル25およびロードループを通過するバックストップ24の実施形態を示し、骨18の近位/トップ面28に向かって遠位に移動する縫合糸14のフリーリム16上に完全に位置付けられる。
【0020】
ここで
図5~
図6を参照すると、骨18の近位側/表面28に対して位置付けられるまで、縫合糸14に沿って遠位に移動し続けるバックストップ24の上面斜視図が示されている。
図6を参照すると、一旦バックストップ24が第一の骨18の近位側/表面28に対してあると、フリーリム16の追加的な張力が、バックストップ24を拡張位置から圧縮位置に移動させる。フリーリムブ16の結び目33を作ると、バックストップが完全に圧縮され、配備される。
図5に示す拡張位置では、バックストップ24の端部32は、バックストップ24の長手方向軸方向軸に沿って第一の方向に位置付けられる。バックスト
ップ24が圧縮位置に移動すると、バックストップ24の端部32は、
図6に示す通り、第一の方向とは異なる第二の方向に回転する。その他の圧縮位置(よりタイトに、完全に圧縮された構成を含む)は、バックストップ24全体が、骨穴の直径よりも大きい第一の骨18の近位側28上の表面積を覆うよう意図されている。従って、バックストップ24は、縫合糸14が骨18の近位表面28を越えて骨18の遠位端29まで遠位に引っ張ることを実際に防止するように構成され、バックストップ24と軟組織19を通して縫われた縫合糸14の部分との間の縫合糸14の張力を維持するのに役立つよう構成される。
【0021】
ここで
図7を参照すると、縫合バックストップシステム10の配備された構成を形成する圧縮バックストップ24上の縫合糸14のフリーリム16に形成された結び目30の上部斜視図が示されている。上述のように、結び目30は、バックストップ24上に近位にフリーリム16で形成される。結び目30を作ると、バックストップ24が圧縮構成に固定される。結び目30から延在する縫合糸14のフリーリム16の過剰な部分は、炎症および不快感の可能性を減少させるためにトリミングおよび除去できる。
【0022】
図8に示されるように、一実施形態による、部分的または配備されていない構成における縫合サスペンションシステム100の側面概略図が示されている。図示されるように、アンカー本体112を通して縫われた縫合糸114の長さ。図示の実施形態では、アンカー本体112は拡張位置にある全縫合ボタンである。別の実施形態では、アンカー本体112は、本出願の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本明細書に援用される同時係属中の米国特許出願第14/574,946号に記載されるように、懸垂の固定装置であり得る。別の実施形態では、アンカー本体112は、上述のように、任意の軟質縫合アンカー材料であり得る。前述の実施形態では、縫合糸114は、アンカー本体112を通って縫われ、縫合糸114の二つのフリーリム116がアンカー本体112から延在するようになる。
【0023】
ここで
図8~
図9を参照すると、実施形態による配備されていない構成の縫合サスペンションシステム100の側面概略図が示されている。サスペンションシステム10を利用するために、単一孔118-1は、第一のボディ118を通して形成され、単一孔120-1は隣接する第二のボディ120を通して形成される。第一および第二のボディ118、120は、軟組織、骨、または移植片であり得る。
図1~
図10に示す実施形態では、第一のボディ118および第二のボディ120のそれぞれは骨である。
図8~
図9に示されるように、ある長さの縫合糸114は、骨穴118-1を通して、骨穴120-1を通して、全縫合ボタン112を通して位置付けられ、骨穴120-1および118-1を通して後方に進められ、
図8~
図9に示す部分的または配備されていない構成を形成する。縫合糸114の長さは、骨118の反対/近位/上部表面128から近位に延在する二つのフリーリム116とともに示されている。全縫合ボタン112は、第二の骨120の遠位表面122から遠位に延在し、そして縫合糸114のセクションは、第一の骨118と第二の骨120との間にブリッジを形成する。
【0024】
図9に示すように、縫合糸114のフリーリム116は、第一の骨118から近位に引かれて、全縫合ボタン112を第二の骨120の遠位表面122に対して設定する。縫合糸114が近位に引っ張られると、全縫合ボタン112は、拡張位置(
図8で)から圧縮位置(
図9で)へ移動する。圧縮位置では、全縫合ボタン112は、第二の骨120内の骨穴の直径よりも大きい第二の骨120の遠位側122上の表面積を覆う。全縫合ボタン112が圧縮位置にあると、縫合糸114の張力を使用して、拡張位置から圧縮位置にバックストップを配備することにより、第一の骨118と第二の骨120との間にサスペンション構成を作成することができる(
図3~
図7に関して示され説明されたものと同様に、その説明全体が本明細書に組み込まれる)。縫合バックストップシステム10のバックストップ24に関して上述したように、バックストップ124は、任意の軟質縫合アンカ
ー材料から構成され得る。さらに、バックストップ124は、バックストップ124がX線写真で見えるように、放射線不透過性の繊維から成ることができる。全縫合アンカーバックストップ124および全縫合ボタン112を使用する目的は、外科手術部位での患者への炎症および不快感を最小化することである。
【0025】
ここで
図10を参照すると、バックストップ124は、第一の骨118の近位側128に接するまで、縫合糸114に沿って遠位に移動されている。バックストップ124が第一の骨118の近位側128に接すると、フリーリム116のさらなる張力により、バックストップ124が拡張位置(例えば、
図5(および関連する議論)および
図10を参照)から圧縮位置(例えば、
図6および関連する議論を参照)に移動する。
図7に示す拡張位置では、バックストップ24の端部32は、長手方向軸に沿った第一の方向にある。バックストップ24が圧縮位置に移動すると、バックストップ24の端部32は、
図8に示す通り、第一の方向とは異なる第二の方向に回転する。バックストップ124が骨穴の直径よりも大きい第一の骨118の近位側128上の表面積を覆うその他の圧縮位置が意図されている。バックストップ124の構造、構成、位置決めおよび関連機能の目的は、縫合糸114が第一の骨穴118-1から引っ張られるのを防ぎ、またバックストップ124と全縫合ボタン112の間の縫合糸114の張力を維持することである。
【0026】
図11を参照すると、バックストップ124の近位にある縫合糸114のフリーリム116に形成された結び目130の側面概略図すなわち、縫合サスペンションシステム100の配備された構成(縫合バックストップシステム10の同様の配備された構成を示す
図7も参照)が示されている。フリーリム116の結び目130を作ると、バックストップ124が圧縮されて配備された位置に固定される。結び目130から延在する縫合糸114のフリーリム116の過剰な部分は、炎症および不快感の可能性を減少させるためにトリミングおよび除去できる。
【0027】
ここで
図12~
図14を参照すると、追加的実施形態による、第一の中手骨48と第二の中手骨50との間のサスペンションを作製するために使用されるサスペンションシステム40(サスペンションシステム100と同様)の上部斜視図が示されている。はじめに、
図12を参照すると、縫合サスペンションシステム40は、第一の中手骨48と第二の中手骨50との間の未配備された構成に示されている。図示された実施形態に示されるように、ある長さの縫合糸44は、第一および第二の中手骨48、50の両方に骨穴を通過する。縫合糸44のフリーリム46は、アンカー本体42が拡張位置(図示せず)から、第二の中手骨50の遠位表面52上の圧縮位置に移動するまで張力がかけられる(サスペンションシステム100に対する説明と同様)。
【0028】
ここで
図13を参照すると、拡張位置にあるバックストップ54は、縫合糸44のフリーリム46にロードされる。バックストップ54は、上記で考察される実施形態により、フリーリム46にロードされ得る。しかしながら、任意の適切な代替的な縫い機構が使用され得る。次いで、バックストップ54は縫合糸44に沿って第二の中手骨48に遠位に移動し、そこで、フリーリム46に対する追加的な張力が、バックストップ54を拡張位置(
図13)から
図14に示すように圧縮位置へと移動させる。最後に、結び目56は、フリーリム46を使用してバックストップ54の上に近接して形成される。結び目56は、バックストップ54を完全に圧縮され配備された位置に固定する。圧縮位置に固定されると、バックストップ54は、第一および第二の中手骨48、50の間のサスペンションを維持する(第一の中手骨と第二の中手骨との間の縫合糸44の長さによって形成される「ブリッジ」を参照)。
【0029】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神
および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的な実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの端部を有する可撓性のバックストップと、
縫合撚り糸と、
ロードループを有するニードルと、
を含み、
前記縫合撚り糸は、前記ロードループに通され、前記ニードルは、前記可撓性のバックストップを通過し、前記縫合撚り糸の少なくとも第一の部分が前記可撓性のバックストップを通過するように配置される、縫合システム。
【請求項2】
前記ニードルが前記可撓性のバックストップを通じて引っ張られると、前記ロードループ及び前記縫合撚り糸が、前記可撓性のバックストップを通じて引っ張られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可撓性のバックストップは、
前記可撓性のバックストップが圧縮されておらず、第一の長手方向軸に沿って延在する第1の状態と、
前記可撓性のバックストップが圧縮されて、前記長手方向軸に垂直な方向に拡張する第2の状態とを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記縫合撚り糸の少なくとも第二の部分が、使用時に、第一の近位ボディおよび第二の遠位ボディを接続するブリッジを形成するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記縫合撚り糸の少なくとも一部がアンカー本体を通って位置付けられるアンカー本体をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記アンカー本体および前記可撓性のバックストップが、前記縫合撚り糸を介して相互に対して相対位置に保持される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アンカー本体の一部分が、前記第二の遠位ボディの遠位表面に位置付けられ、前記可撓性のバックストップの一部分が、前記配備された構成において、前記第一の近位ボディの近位表面上に位置付けられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記可撓性のバックストップが、全縫合バックストップである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記アンカー本体が全縫合ボタンまたは金属ボタンである、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記縫合撚り糸の前記少なくとも第二の部分が、前記第一の近位ボディおよび前記第二の遠位ボディのうち少なくとも一つに形成された単一孔を通して位置付けられる、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記可撓性のバックストップおよび前記アンカー本体の少なくとも一つが、放射線不透過性の繊維から成る、請求項5に記載のシステム。
【外国語明細書】