(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015705
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】プリフォームの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 70/44 20060101AFI20240130BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20240130BHJP
B29C 43/12 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B29C70/44
B29C70/16
B29C43/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117951
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(74)【代理人】
【識別番号】100137316
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 宏
(72)【発明者】
【氏名】姜 賢求
【テーマコード(参考)】
4F204
4F205
【Fターム(参考)】
4F204AA36
4F204AC03
4F204AD16
4F204AM28
4F204FA01
4F204FA13
4F204FB01
4F204FG09
4F204FN11
4F204FN15
4F204FN17
4F204FQ37
4F205AA36
4F205AC03
4F205AD16
4F205AM28
4F205HA09
4F205HA23
4F205HA37
4F205HB01
4F205HF30
4F205HG01
4F205HK03
4F205HK31
(57)【要約】
【課題】従来のプリフォームの製造方法では、中央に三次元的な凸形状を有するプリフォームを賦形する場合、しわが発生するという問題点があった。
【解決手段】繊維積層体Sの周縁部を枠体5で保持した状態にして、枠体5とともに繊維積層体Sを成形型2の上側に配置し、成形型2、繊維積層体S及び枠体5を気密シート3で覆った後、気密シート3の内部空間を真空引きすることにより、枠体5を成形型2の下方向へ移動させながら成形型2の外面に繊維積層体Sを密着させてプリフォームPを賦形する製造方法とし、中央に三次元的な凸形状を有するプリフォームPであって、枠体5により繊維積層体Sに均等な面圧を加えて、しわ等の成形不良が無い形状精度の高いプリフォームPを賦形する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸状の成形型の上側に繊維積層体を配置して気密シートで覆った後、前記気密シートの内部空間を真空引きすることにより、前記成形型の外面に前記繊維積層体を密着させて前記繊維積層体から成るプリフォームを製造するに際し、
前記成形型が突入可能なリング状の枠体を用い、
前記繊維積層体の周縁部を前記枠体で保持した状態にして、前記枠体とともに前記繊維積層体を前記成形型の上側に配置し、
前記成形型、前記繊維積層体及び前記枠体を前記気密シートで覆った後、
前記気密シートの内部空間を真空引きすることにより、前記枠体を前記成形型の下方向へ移動させながら前記成形型の外面に前記繊維積層体を密着させて前記繊維積層体から成るプリフォームを賦形することを特徴とするプリフォームの製造方法。
【請求項2】
収縮可能なサポーターを用い、
前記サポーターにより、前記枠体を前記成形型の上側に支持し、
前記気密シートの内部を真空引きすることにより、前記サポーターを収縮させながら前記枠体を前記成形型の下方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項3】
前記プリフォームを賦形した後、前記プリフォームを加熱して硬化させることを特徴とする請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のプリフォームの製造方法に用いる装置であって、
上側に開放されたチャンバーと、前記チャンバーの内部に配置した前記成形型と、前記チャンバーの開放部を封止する前記気密シートと、前記チャンバーの内部空間を真空引きする排気装置と、前記成形型が突入可能なリング状を成し且つ前記繊維積層体の周縁部を保持する前記枠体とを備えたことを特徴とするプリフォームの製造装置。
【請求項5】
収縮可能であり且つ前記枠体を前記成形型の上側に支持するサポーターを備えていることを特徴とする請求項4に記載のプリフォームの製造装置。
【請求項6】
前記枠体が、真空引きの際の大気圧に耐える剛性を有していることを特徴とする請求項4に記載のプリフォームの製造装置。
【請求項7】
前記チャンバーの底面に、通気性を有するブリーザーが敷設してあることを特徴とする請求項4に記載のプリフォームの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材のプリフォームを所定形状に賦形するのに用いられるプリフォームの製造方法及び製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリフォームの製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載のプリフォームの製造方法は、成形型上に凸型の治具を配置し、治具上に強化繊維基材から成る繊維積層体を配置した後、治具及び繊維積層体をシートで覆い、シート内部を減圧することによりシートに面圧を加えて、シートと治具との間で繊維積層体を所定形状のプリフォームに賦形する。この際、上記のプリフォームの製造方法では、成形型と治具とのコーナー部にシートを密着させないことで、表面性状に優れたプリフォームを得るものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記したような従来のプリフォームの製造方法では、プリフォームの形状に制限がある。つまり、上記のプリフォームの製造方法では、例えば、中央に三次元的な凸形状を有するプリフォームを賦形する場合、凸形状の全周に均等な面圧を加えることが困難であるから、しわが発生するという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、例えば、プリフォームの形状が、中央に三次元的な凸形状を有する場合でも、しわ等の成形不良が無い形状精度の高いプリフォームを賦形することができるプリフォームの製造方法及び製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係わるプリフォームの製造方法は、凸状の成形型の上側に繊維積層体を配置して気密シートで覆った後、気密シートの内部空間を真空引きすることにより、成形型の外面に繊維積層体を密着させて繊維積層体から成るプリフォームを製造する方法である。プリフォームの製造方法は、成形型が突入可能なリング状の枠体を用い、繊維積層体の周縁部を枠体で保持した状態にして、枠体とともに繊維積層体を成形型の上側に配置し、成形型、前記繊維積層体及び前記枠体を前記気密シートで覆う。その後、プリフォームの製造方法は、気密シートの内部空間を真空引きすることにより、枠体を成形型の下方向へ移動させながら成形型の外面に繊維積層体を密着させて繊維積層体から成るプリフォームを賦形することを特徴としている。
【0007】
本発明に係わるプリフォームの製造装置は、上記のプリフォームの製造方法に用いる装置であって、上側に開放されたチャンバーと、チャンバーの内部に配置した成形型と、チャンバーの開放部を封止する気密シートと、チャンバーの内部空間を真空引きする排気装置と、成形型が突入可能なリング状を成し且つ繊維積層体の周縁部を保持する枠体とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置は、上記構成を採用したことにより、例えば、プリフォームの形状が、中央に三次元的な凸形状を有する場合でも、枠体で繊維積層体の周縁部全体を抑えることで、繊維積層体に均等な面圧を加えることが可能となり、しわ等の成形不良が無い形状精度の高いプリフォームを賦形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置の第1実施形態を示す断面説明図である。
【
図2】
図1に示す製造装置の気密シートを省略した平面図である。
【
図3】プリフォームの製造工程を順次示す各々断面説明図である。
【
図4】本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置の第2実施形態を示す断面説明図である。
【
図5】
図4に続いて気密シートの内部を真空引きした状態を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1及び
図2は、本発明に係わるプリフォームの製造方法に適用可能な製造装置を説明する図である。以下に説明するプリフォームの製造方法及び製造装置では、繊維積層体Sから、中央に三次元的な凸形状を有するプリフォームPを賦形する。繊維積層体Sは、例えば、強化繊維として炭素繊維を用い、繊維配向が異なる複数の繊維基材を積層してバインダーを含むものであり、初期には平板状を成している。
【0011】
図示例の製造装置は、基本構成として、上側に開放されたチャンバー1と、チャンバー1の内部に配置した成形型2と、チャンバー1の開放部を封止する気密シート3と、チャンバー1の内部空間を真空引きする排気装置4と、成形型2が突入可能なリング状を成す枠体5とを備えている。また、図示例の製造装置は、枠体5を成形型2の上側に支持するサポーター6と、チャンバー1の底面に敷設したブリーザー7とを備えている。
【0012】
チャンバー1は、上側に開放された矩形の筐体であって、上側に、着脱可能な固定枠1Aを備えており、開放部を覆う気密シート3の周縁部を固定枠1Aで挟持する。気密シート3は、可撓性及び気密性を有するものであれば、その材料がとくに限定されないが、一例としてシリコンゴムを用いることができる。
【0013】
成形型2は、台座2Aの中央に、三次元的な凸形状を成す賦形部2Bを備えている。賦形部2Bは、
図2に示す平面視において、楕円形状を成しており、
図1に示す側面視において、平坦な頂面と傾斜した側面とが曲面により滑らかに連続していると共に、側面と台座2Aの上面とが曲面により滑らかに連続している。
【0014】
排気装置4は、詳細な図示を省略したが、真空ポンプや各種制御弁などで構成されており、チャンバー1の底部寄りに設けた通気口1B及び外部の配管4Aを通して、気密シート3の内部空間、より正確には、気密シート3で区画されたチャンバー1の下部空間を真空引き(減圧)する。
【0015】
枠体5は、
図2に示す平面において、成形型2の賦形部2Bに対応した楕円形のリング状であって、台座2Aの上面に相対向する大きさであると共に、真空引きの際の大気圧に耐える剛性を有しており、一例として金属製である。この枠体5は、繊維積層体Sの厚さや中央の凸形状(賦形部2Bの形状)に応じて、大きさや周方向に対する幅寸法等を適宜設定する。このため、枠体5の幅寸法は、全周にわたって均等にしたり、部分的に異ならせたりすることがある。
【0016】
上記の枠体5は、賦形部2Bの上側となる上限位置から、成形型2の台座2Aに当接する下限位置に至る範囲を移動する。また、枠体5は、繊維積層体Sの周縁部を保持する機能を有する。このため、枠体5は、上部枠5Aと下部枠5Bとを備えると共に、
図1中の拡大図に示すように、両枠5A,5Bの相対向する位置に磁石8A,8Bが設けてある。この枠体5は、両枠5A,5Bで繊維積層体Sの周縁部を挟んで保持すると共に、磁石8A,8Bにより両枠5A,5Bを互いに位置決めする。一対の磁石8A,8Bは、位置決め精度を確保するために、複数箇所に配置するのがより好ましい。
【0017】
サポーター6は、
図1に示す常態において、枠体5を成形型2の上側に支持する高さ寸法を有すると共に、外力により上下方向に収縮可能である。このサポーター6は、プリフォームPの賦形時の圧力や熱に耐えると共に、枠体5を上記した移動範囲で支持し得るものであれば良く、例えば、スプリングやスポンジ類などを用いることができる。
【0018】
上記のサポーター6は、枠体5の下部枠5Bの下面に形成した凹部9と、成形型2の台座2Aに形成した凹部10とにより、上下が位置決めされている。この実施形態では、
図2に示すように、賦形部2Bの周囲4カ所にサポーター6を配置している。
【0019】
ブリーザー7は、通気性を有するものであれば、材料等がとくに限定されないが、例えば、適当な厚みを有する不織布シートであり、チャンバー1の内部底面に敷設してある。したがって、ブリーザー7は、成形型2の下側に介在している。また、図示例のブリーザー7は、チャンバー1の内部底面において、少なくとも通気口1B側(
図1中で左側)から成形型2の配置領域を含む範囲に敷設してある。これにより、ブリーザー7は、真空引きの際、余計な空気溜まりが生じるのを防いで、良好な排気を実現するのであるが、当然のことながら、チャンバー1の内部底面の全体に敷設しても良い。
【0020】
上記製造装置を用いたプリフォームの製造方法は、
図3の左上段に示すように、チャンバー1の内部にブリーザー7を敷設して成形型2を配置する。次に、
図3の左中段に示すように、成形型2の台座2Aの4カ所にサポーター6を配置して、各サポーター6で枠体5の下部枠5Bを支持し、下部枠5Bの上側に繊維積層体Sを配置する。その後、
図3の左下段に示すように、下部枠5Bに対して上部枠5Aを位置決めし、上部枠5Aと下部枠5Bとで繊維積層体Sの周縁部を挟んで保持する。これにより、枠体5で保持された繊維積層体Sは、成型型2の上側に配置される。
【0021】
次に、プリフォームの製造方法は、
図3の右上段に示すように、チャンバー1の開放部を気密シート3で覆うと共に、その周縁部を固定枠1Aで固定する。この際、気密シート3は、自重で下方に湾曲し、枠体5で保持された繊維積層体Sの上面に接触する。その後、プリフォームの製造方法は、排気装置4により、気密シート3の内部空間、すなわちチャンバー1における気密シート3の下部空間を真空引き(減圧)する。
【0022】
これにより、プリフォームの製造方法では、気密シート3の上面に大気圧が作用し、枠体5を成形型2の下方向へ移動させながら、成形型2の賦形部2Bの外面に繊維積層体Sを密着させる。この際、繊維積層体Sは、平面状から三次元的な凸形状に変形していくので、周縁部が中央に引っ張られることになるが、その周縁部全体が枠体5により抑えられているので、賦形部2Bの外面に沿って変形し、最終的に賦形部2Bに密着する。
【0023】
また、上記プリフォームの製造方法では、
図3の右中段に示すように、サポーター6を下方向に収縮させながら枠体5を成形型2の下方向へ移動させることとなり、下降した枠体5の内側に成形型2の賦形部2Bが突入した状態になる。
【0024】
このようにして、プリフォームの製造方法及び製造装置は、繊維積層体Sから成るプリフォームPを賦形する。また、この実施形態では、
図3の右中段に示すように、加熱装置11により、賦形したプリフォームPを加熱することでバインダーを硬化させ、プリフォームPの形状を維持する。
【0025】
その後、プリフォームの製造方法は、気密シート3の下部空間を大気に開放して、チャンバー1から気密シート3を外し、
図3の右下段に示すように、枠体5の上部枠5Aを外してプリフォームPを離型させる。
【0026】
上記実施形態で説明したプリフォームの製造方法及び製造装置によれば、中央に三次元的な凸形状を有するプリフォームPであっても、枠体5で繊維積層体Sの周縁部全体を抑えることで、繊維積層体Sに均等な面圧を加えることが可能となり、しわ等の成形不良が無い形状精度の高いプリフォームPを賦形することができる。
【0027】
また、上記のプリフォームの製造方法及び製造装置は、収縮可能なサポーター6で枠体5を支持することにより、枠体5及び繊維積層体Sの姿勢が安定し、枠体5を水平状態に維持しつつ降下させて、繊維積層体Sに対してより均等な面圧を加えることができる。これにより、繊維積層体Sにおける繊維基材同士の位置ずれ等を防止することができ、プリフォームPの形状精度のさらなる向上に貢献することができる。
【0028】
さらに、上記のプリフォームの製造方法では、賦形したプリフォームPを加熱して硬化させることにより、プリフォームPの離型作業を簡単に行うことができ、後工程におけるプリフォームPの取り扱いが良好になる。
【0029】
さらに、上記のプリフォームの製造装置では、真空引きの際の大気圧に耐える剛性を有する枠体5を用いることで、繊維積層体Sを抑える機能が安定し、繊維積層体Sに対する均等な面圧付加や、繊維基材同士の位置ずれ防止を実現する。
【0030】
さらに、上記のプリフォームの製造装置では、チャンバー1の底面に、通気性を有するブリーザー7を敷設したことにより、真空引き(減圧)の際、気密シート3の下側に空気溜まりが生じるのを抑制することができ、プリフォームPの良好な賦形に貢献することができる。
【0031】
<第2実施形態>
図4及び
図5は、本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置の第2実施形態を説明する図である。この実施形態では、第1実施形態と同じ部位に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0032】
本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置は、第1実施形態で説明したサポーター(6)を省略することが可能である。
図4に示すように、プリフォームPの中央の凸形状、すなわち成形型2の賦形部2Bが、平坦な頂面を有し、全周にわたってほぼ均等な外面(断面)を有する場合には、サポーター(6)を用いずに、枠体5で周縁部が保持された繊維積層体Sを賦形部2Bの上側に直接載置する。なお、繊維積層体Sは、バインダーを含むので、平板状を維持した状態で成形型2に載置可能である。
【0033】
また、図示の製造装置では、
図4中の拡大図に示すように、枠体5が、上部枠5Aに設けたピン12を下部枠5Bの孔13に挿入することで、上部枠5A及び下部枠5Bを互いに位置決めする。ピン12及び孔13は、複数箇所に設けることがより望ましい。さらに、ピン12は、気密シート3の損傷防止のため、図示例の如く上部枠5Aに設けるのが望ましく、下部枠5Bに設ける場合には、先端が枠体5の上側に突出しない構造にする。
【0034】
上記のプリフォームの製造方法及び製造装置では、真空引き(減圧)の際、気密シート3に作用する大気圧が枠体5及び繊維積層体Sにほぼ均等に加わるので、枠体5が水平な姿勢を維持しつつ押し下げられて、
図5に示すように、繊維積層体Sを賦形部2Bに密着させる。
【0035】
これにより、上記のプリフォームの製造方法及び製造装置では、第1実施形態と同様に、繊維積層体Sに均等な面圧を加えることが可能となり、しわ等の成形不良が無い形状精度の高いプリフォームPを賦形することができる。とくに、上記のプリフォームの製造方法及び製造装置では、サポーター(6)を用いないので、その分、作業が簡素化されると共に、整備費も下がるので、製造コストの低減等を実現することができる。
【0036】
本発明に係わるプリフォームの製造方法及び製造装置は、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記のプリフォームの製造方法及び製造装置は、繊維基材にバインダーを含ませた繊維積層体SをプリフォームPに賦形するものとして説明したが、繊維積層体Sが強化繊維とマトリックス樹脂を含み、これを製品形状に賦形して加熱硬化させる製造、すなわち繊維強化複合材の製造に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
P プリフォーム
S 繊維積層体
1 チャンバー
2 成形型
3 気密シート
4 排気装置
5 枠体
6 サポーター
7 ブリーザー