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  • 特開-回転電機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157053
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H02K5/16
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024143358
(22)【出願日】2024-08-23
(62)【分割の表示】P 2021114474の分割
【原出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 優也
(57)【要約】
【課題】回転電機の外部の環境に対してアース部材を保護できる回転電機を得る。
【解決手段】回転電機1は、第1孔11caが設けられた筐体11と、第1孔11caを通り筐体11の内側と筐体11の外側とに亘って延びたロータシャフト14と、筐体11の外側に位置して筐体11に固定され、第1孔11caと並びロータシャフト14が通った第2孔30cを形成した内周面30bを有し、内周面30bに開口したアース部材収容室30eと、アース部材収容室30eに対して筐体11側に位置し内周面30bに開口し、潤滑剤50を収容した潤滑剤収容室30dと、が設けられたカバー30Aと、アース部材収容室30eに収容され、ロータシャフト14の外周面14aと接したアース部材31と、を備える。潤滑剤50は、カバー30Aとロータシャフト14との間に介在する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1孔が設けられた筐体と、
前記第1孔を通り前記筐体の内側と前記筐体の外側とに亘って延びたロータシャフトと、
前記筐体の外側に位置して前記筐体に固定され、前記第1孔と並び前記ロータシャフトが通った第2孔、を形成した内周面を有し、前記内周面に開口したアース部材収容室と、前記アース部材収容室に対して前記筐体側に位置し前記内周面に開口し、潤滑剤を収容した潤滑剤収容室と、が設けられたカバーと、
前記アース部材収容室に収容され、前記ロータシャフトの外周面と接したアース部材と、
前記アース部材収容室に収容され、前記アース部材を弾性力によって前記外周面に押し付ける弾性部材と、
前記弾性力を調整する調整機構と、
を備え、
前記潤滑剤は、前記カバーと前記ロータシャフトとの間に介在した、
回転電機。
【請求項2】
前記調整機構は、
雌ネジ部が設けられ、前記アース部材収容室を塞いだ状態で前記カバーに固定されたベース部材と、
前記アース部材収容室に収容され、前記ロータシャフトの径方向に前記アース部材収容室内を移動可能な可動部材と、
前記雌ネジ部と結合した状態で前記可動部材と接し、前記可動部材の前記径方向の外側への移動を制限する雄ネジ部材と、
を有し、
前記弾性部材は、前記可動部材と前記アース部材との間に介在し、前記雄ネジ部材の前記径方向の位置に応じて、圧縮量が変化する、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記アース部材は、接触部を有し、
前記カバーは、前記接触部に対して前記ロータシャフト側に位置し、前記接触部と接触することにより、前記弾性力に抗して、前記ロータシャフト側への前記アース部材の移動を制限するストッパを有した、請求項1または2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体の外部に設けられたアース部材をロータシャフトに接触させることにより、ロータシャフトに軸電圧が生じるのを抑制するよう構成された回転電機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6227096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機では、回転電機の外部の環境に対してアース部材を保護できれば有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、回転電機の外部の環境に対してアース部材を保護できる回転電機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の回転電機は、第1孔が設けられた筐体と、前記第1孔を通り前記筐体の内側と前記筐体の外側とに亘って延びたロータシャフトと、前記筐体の外側に位置して前記筐体に固定され、前記第1孔と並び前記ロータシャフトが通った第2孔、を形成した内周面を有し、前記内周面に開口したアース部材収容室と、前記アース部材収容室に対して前記筐体側に位置し前記内周面に開口し、潤滑剤を収容した潤滑剤収容室と、が設けられたカバーと、前記アース部材収容室に収容され、前記ロータシャフトの外周面と接したアース部材と、前記アース部材収容室に収容され、前記アース部材を弾性力によって前記外周面に押し付ける弾性部材と、前記弾性力を調整する調整機構と、を備え、前記潤滑剤は、前記カバーと前記ロータシャフトとの間に介在する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態の回転電機によれば、回転電機の外部の環境に対してアース部材を保護できる回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の回転電機を示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
図2図2は、実施形態の回転電機の一部を示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
図3図3は、実施形態の回転電機の一部を示す断面図であって、X-Z平面での断面図である。
図4図4は、実施形態の回転電機におけるアース部材を示す正面図である。
図5図5は、実施形態の回転電機におけるアース部材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0010】
なお、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0011】
図1は、実施形態の回転電機1を示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。回転電機1は、筐体11と、回転子12と、固定子13と、一対の軸受16A,16Bと、一対のカバー30A,30Bと、を備える。
【0012】
以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。Y方向は、筐体11の長手方向および回転子12の回転中心軸Ax1の軸方向に沿う。X方向は、筐体11の短手方向および回転中心軸Ax1の軸方向と直交する方向に沿う。Z方向は、筐体11の上下方向に沿う。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する。
【0013】
回転子12は、ロータシャフト14と回転子鉄心15とを有する。回転子12は、回転中心軸Ax1回りに回転可能である。
【0014】
ここで、回転中心軸Ax1は、回転子12のロータシャフト14の中心軸(中心線)である。すなわち、回転中心軸Ax1の軸方向、径方向、および周方向は、ロータシャフト14の軸方向、径方向、および周方向と同じである。なお、以下の説明では、特に言及しない限り、軸方向、径方向、および周方向は、回転中心軸Ax1の軸方向、径方向、および周方向、すなわちロータシャフト14の軸方向、径方向、および周方向である。
【0015】
軸受16A,16Bは、例えば、すべり軸受やころがり軸受等である。軸受16A,16Bは、ロータシャフト14を、筐体11に対して回転中心軸Ax1回りに回転可能な状態に、支持する。すなわち、ロータシャフト14は、回転中心軸Ax1回りに回転可能に二つの軸受16A,16Bを介して筐体11に支持されている。二つの軸受16A,16Bは、軸方向において回転子鉄心15の両側に位置している。すなわち、軸方向で二つの軸受16A,16Bの間に回転子鉄心15が位置している。
【0016】
固定子13は、固定子鉄心19と、固定子巻線20と、を有する。固定子鉄心19は、筐体11に固定されている。すなわち、固定子13は、筐体11に固定されている。固定子鉄心19は、径方向における回転子鉄心15の外側に位置し、回転子鉄心15を囲む円筒状に形成されている。固定子巻線20は、軸方向に延びるように固定子鉄心19の内周部19aに形成された複数のスロット(不図示)内を貫通して、固定子鉄心19に固定されている。
【0017】
筐体11は、箱型に形成されている。筐体11は、例えば金属材料によって構成されている。筐体11は、回転子12のロータシャフト14の一部および回転子鉄心15と固定子13と、を収容している。
【0018】
筐体11は、一対の側壁11aや、二つの端壁11c,11d、底壁11e、天壁11f等の複数の壁を有している。
【0019】
一対の側壁11aは、Y-Z平面に平行であって、X方向に互いに離れて位置している。図1に図示の側壁11aは図中奥側に位置するものであって、この側壁11aと対をなす側壁(不図示)が図の手前に位置する。底壁11eは、筐体11の下端部を構成し、天壁11fは、筐体11の上端部を構成している。
【0020】
端壁11cおよび端壁11dは、いずれも、X-Z平面に平行であって、軸方向(すなわちY方向)に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
【0021】
底壁11eおよび天壁11fは、いずれも、X-Y平面に平行であって、Z方向(高さ方向)に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
【0022】
端壁11c,11dには、それぞれ、孔11ca,11daが設けられている。孔11ca,11daは、端壁11c,11dを軸方向に貫通している。これらの孔11ca,11daに、ロータシャフト14が入れられている。ロータシャフト14は、孔11ca,11daを通り筐体11の内側と筐体11の外側とに亘って延びている。ロータシャフト14の外周面14aは、端壁11c,11dにおける孔11ca,11daを形成する面(筒面)と離間している。すなわち、端壁11c,11dと、ロータシャフト14の外周面14aとの間には隙間が設けられている。また、端壁11c,11dに軸受16A,16Bが設けられている。孔11caは、第1孔の一例である。
【0023】
カバー30A,30Bは、端壁11c,11dの外側に配置され、端壁11c,11dに固定されている。カバー30A,30Bは、端壁11c,11dの孔11ca,11daからの筐体11の内部への砂や、埃、水等の異物の進入を制限するものである。カバー30A,30Bは、防砂環とも称される。
【0024】
図2は、実施形態の回転電機1の一部を示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。図3は、実施形態の回転電機の一部を示す断面図であって、X-Z平面での断面図である。
【0025】
図2および図3に示すように、カバー30Aは、回転中心軸Ax1回りの筒状(一例として、円筒状)に形成されている。カバー30Aは、外周面30aと、内周面30bと、を有する。内周面30bは、ロータシャフト14の外周面14aと離間している。すなわち、内周面30bとロータシャフト14の外周面14aとの間には隙間C1が設けられている。なお、図2では、内周面30bとロータシャフト14の外周面14aとの間の隙間C1が一部だけ示されているが、隙間C1は、カバー30Aの軸方向の全域に設けられている。また、カバー30Aには、カバー30Aを軸方向に貫通した孔30cが設けられている。孔30cは、内周面30bによって形成されている。孔30cは、筐体11の孔11caと軸方向に並び、筐体11の孔11caと通じている。孔30cには、ロータシャフト14が入れられている。カバー30Aは、筐体11の端壁11cの外面11gにボルト等の固定具41によって固定されている。カバー30Aは、例えば、黄銅等の導電性材料によって構成されている。なお、カバー30Aの材料は上記に限定されない。
【0026】
また、図2に示すように、カバー30Aには、複数の潤滑剤収容室30dと、アース部材収容室30eと、が設けられている。アース部材収容室30eは、収容室の一例である。
【0027】
潤滑剤収容室30dは、内周面30bに開口した凹部である。潤滑剤収容室30dには、潤滑剤50が収容されている。潤滑剤50は、例えばグリスである。潤滑剤50は、カバー30Aとロータシャフト14との間に介在し、カバー30Aとロータシャフト14との間の隙間C1を塞ぐ。潤滑剤収容室30dは、グリス収容室とも称される。
【0028】
図3に示すように、アース部材収容室30eは、カバー30Aを径方向に貫通した孔である。アース部材収容室30eは、二つの固定具41の間に配置されている。アース部材収容室30eは、カバー30Aに設けられた筒面30fによって形成されている。筒面30fには、ストッパ30gが設けられている。ストッパ30gは、筒面30fからアース部材収容室30eの内方に向かって突出している。
【0029】
アース部材収容室30eには、アース部材31と、押圧部32の一部と、が収容されている。アース部材31は、押圧部32によって、ロータシャフト14の外周面14aに弾性的に押し付けられている。アース部材31は、アースブラシとも称される。
【0030】
図4は、実施形態の回転電機1におけるアース部材31を示す正面図である。図5は、実施形態の回転電機1におけるアース部材31を示す側面図である。
【0031】
図4および図5に示すように、アース部材31は、直方体状に形成されている。アース部材31は、一対の側面31a,31bと、二つの端面31c,31dと、底面31eと、天面31fと、を有する。アース部材31は、例えば、カーボン等の導電性材料によって構成されている。なお、アース部材31は、金属材料によって構成されていてもよい。アース部材31は、ロータシャフト14の外周面14aと筐体11とを、カバー30Aを介して電気的に接続している。これにより、ロータシャフト14は、筐体11にアースされ、ロータシャフト14に軸電圧(軸電流)が生じるのが抑制される。筐体11は、グラウンド部材である。
【0032】
側面31aおよび側面31bは、X方向に互いに離間して設けられている。側面31aは、X方向を向き、側面31bは、X方向の反対方向を向く。
【0033】
端面31cおよび端面31dは、軸方向(すなわちY方向)に互いに離間して設けられている。端面31cは、Y方向を向き、端面31dは、Y方向の反対方向を向く。
【0034】
底面31eおよび天面31fは、Z方向(高さ方向)に互いに離間して設けられている。底面31eは、Z方向の反対方向を向き、ロータシャフト14の外周面14aと接触している。天面31fは、Z方向を向く。
【0035】
端面31c,31dには、それぞれ、溝31gが設けられている。溝31gには、ストッパ30gが入れられている。アース部材31は、溝31gを形成する面の一部である接触部31hを有する。接触部31hは、ストッパ30gに対してロータシャフト14とは反対側に位置する。換言すると、ストッパ30gは、接触部31hに対してロータシャフト14側に位置する。アース部材31が摩耗していない状態(初期状態)では、接触部31hとストッパ30gとは離間している。
【0036】
アース部材31は、アース部材収容室30eを径方向に移動可能に筒面30fに支持されている。
【0037】
図3に示すように、押圧部32は、弾性部材33と、調整機構34と、を有する。弾性部材33は、アース部材収容室30eに収容され、アース部材31を弾性力によって外周面14aに押し付けている。弾性部材33は、例えば、コイルばねや板ばね等である。なお、弾性部材33は、上記に限定されない。また、図2では、弾性部材33と調整機構34の一部との図示が省略されている。
【0038】
調整機構34は、アース部材31に対する弾性部材33の押圧力を調整するものである。調整機構34は、ベース部材35と、可動部材36と、雄ネジ部材37と、を有する。
【0039】
ベース部材35は、カバー30Aの外周面30aに重ねられてアース部材収容室30eを塞いだ状態でカバー30Aに固定さている。ベース部材35には、雌ネジ部35aが設けられている。
【0040】
可動部材36は、アース部材収容室30に収容されている。可動部材36は、アース部材収容室30e内を径方向に移動可能である。可動部材36とアース部材31との間に弾性部材33が介在している。
【0041】
雄ネジ部材37は、雌ネジ部35aと結合した状態で可動部材36と接し、可動部材36の径方向外側への移動を制限している。
【0042】
上記構成では、雄ネジ部材37の径方向の位置(ねじ込み量)に応じて、弾性部材33の圧縮量が変化する。すなわち、雄ネジ部材37の径方向の位置を調整することにより、弾性部材33の押圧力(弾性力)を調整することが可能である。雄ネジ部材37をロータシャフト14の外周面14aに近づけるほど弾性部材33がより圧縮され、弾性部材33の押圧力(弾性力)が増大する。
【0043】
上記構成では、アース部材31に対してロータシャフト14の外周面14aが摺動するのでアース部材31が摩耗するが、アース部材31は、弾性部材33によって外周面14aに向けて弾性的に押し付けられているので、アース部材31と外周面14aとの接触が維持される。
【0044】
アース部材31が所定量摩耗すると、アース部材31の接触部31hが、ストッパ30gと接触する。この状態では、ストッパ30gは、弾性部材33の弾性力に抗して、ロータシャフト14側へのアース部材31の移動を制限する。これにより、所定量摩耗したアース部材31がアース部材収容室30eから抜けるのが抑制される。
【0045】
図1に示されるカバー30Bは、カバー30Aと同様の構成を有する。但し、カバー60Bには、アース部材収容室30e、アース部材31、および押圧部32は設けられていない。なお、カバー30Bに、カバー30Aと同様に、アース部材収容室30e、アース部材31、および押圧部32が設けられていてもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態では、回転電機1は、筐体11と、ロータシャフト14と、カバー30Aと、アース部材31と、を備える。筐体11には、孔11ca(第1孔)が設けられている。ロータシャフト14は、孔11caを通り筐体11の内側と筐体11の外側とに亘って延びている。カバー30Aは、筐体11の外側に位置して筐体11に固定されている。カバー30Aには、孔11caと並びロータシャフト14が通った孔30c(第2孔)と、アース部材収容室30e(収容室)と、が設けられている。アース部材31は、アース部材収容室30eに収容され、ロータシャフト14の外周面14aと接している。
【0047】
このような構成によれば、アース部材31がカバー30Aのアース部材収容室30eに収容されているので、回転電機1の外部の環境に対してアース部材31を保護することができる。例えば、アース部材31と回転電機1の外部の物との接触が抑制されるので、アース部材31の損傷や脱落が抑制される。また、筐体11に固定されたカバー30Aのアース部材収容室30eにアース部材31が収容されているので、アース部材31を筐体11に取り付けるための専用の構造が不要である。よって、回転電機1の部品点数を削減することができる。
【0048】
また、上記構成では、アース部材31とロータシャフト14の外周面14aとの接触部位が、カバー30Aによって覆われる。よって、アース部材31とロータシャフト14の外周面14aとの接触部位に汚れが付着するのが抑制される。これにより、汚れによるアース部材31の摩耗を抑制することができる。よって、アース部材31の長寿命化をすることができる。
【0049】
また、回転電機1は、アース部材収容室30eに収容され、アース部材31を外周面14aに押し付ける弾性部材33を備える。
【0050】
このような構成によれば、弾性部材33がアース部材収容室30eに収容されているので、回転電機1の外部の環境に対して弾性部材33を保護することができる。
【0051】
また、アース部材31は、接触部31hを有する。カバー30Aは、ストッパ30gを有する。ストッパ30gは、接触部31hに対してロータシャフト14側に位置し、接触部31hと接触することにより、弾性部材33の弾性力に抗して、ロータシャフト14側へのアース部材31の移動を制限する。
【0052】
このような構成によれば、カバー30Aがストッパ30gを有しているので、カバー30Aとストッパ30gとが別個に設けられた構成に比べて、回転電機1の構成を簡素化することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1…回転電機、11…筐体、11ca…孔(第1孔)、14…ロータシャフト、14a…外周面、30A…カバー、30b…内周面、30c…孔(第2孔)、30d…潤滑剤収容室、30e…アース部材収容室(収容室)、30g…ストッパ、31…アース部材、31h…接触部、33…弾性部材、34…調整機構、35…ベース部材、35a…雌ネジ部、36…可動部材、37…雄ネジ部材、50…潤滑剤。
図1
図2
図3
図4
図5