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特開2024-157055情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157055
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20241029BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024144290
(22)【出願日】2024-08-26
(62)【分割の表示】P 2020127405の分割
【原出願日】2020-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】519255698
【氏名又は名称】割田 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】割田 隆之
(57)【要約】      (修正有)
【課題】中食や外食に関して、食事を取る際に制約を持っている者の不安と、彼らに食物を提供する者の不安との両方を低減する情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システムを提供する。
【解決手段】情報提供システムにおいて、情報提供装置は、記憶部と、食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報と、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報とを、記憶部に登録する登録管理部と、第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力する情報提供部とを、備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報と、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報とを、前記記憶部に登録する登録管理部と、
第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力する情報提供部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記施設情報は、前記施設が提供する各食物のメニュー項目に関して、当該メニュー項目が使用する原材料の情報を含み、
前記消費者情報は、前記消費者の摂食制約がある原材料の情報を含み、
前記情報提供部は、前記第1の端末装置からの要求に応じて、前記指定された施設について、前記指定された消費者の摂食制約がある原材料を含まない前記メニュー項目を抽出し、その抽出結果を前記第1の端末装置に出力する
情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報提供装置であって、
前記登録管理部は、前記各施設と前記各消費者の中立的な立場で前記各施設を評価し得る第三者の第2の端末装置から、前記各施設の施設情報の登録を受け付ける
情報提供装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提供装置であって、
前記第1の端末装置は、前記指定された施設が使用する端末装置である
情報提供装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報提供装置であって、
前記判定結果に対する確認結果を前記第1の端末装置から受信し、前記記憶部に記録する履歴管理部
を備える情報提供装置。
【請求項6】
請求項2に記載の情報提供装置であって、
前記抽出結果の中から選択されたメニュー項目を前記第1の端末装置から受信し、前記記憶部に記録する履歴管理部
を備える情報提供装置。
【請求項7】
コンピュータによる情報提供方法であって、
食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報を登録するステップと、
各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報を登録するステップと、
第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力するステップと
を含む情報提供方法。
【請求項8】
食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報を登録するステップと、
各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報を登録するステップと、
第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力するステップと
をコンピュータを実行させる情報提供プログラム。
【請求項9】
情報提供装置と、端末装置とを備える情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
記憶部と、
食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報と、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報とを、前記記憶部に登録する登録管理部と、
前記端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記端末装置に出力する情報提供部と、を備え、
前記端末装置は、前記要求に応じて前記情報提供装置から受信した前記判定結果を表示する
情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摂食に関する情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フードアレルギーは、ある原材料を摂食あるいはある原材料に接触すると、好き嫌いではなく体質としてアレルギー反応があり、反応がひどい場合は呼吸困難になり死に至る可能性がある。フードアレルギーは、原材料が多岐に亘るうえ、各個人の反応(重症度)も様々であり、一律に対応することが難しい特徴がある。
【0003】
特許文献1には、「食への好みおよびアレルギーの有無およびユーザが購買可能な地域をメニュー選択の条件として含んだ上でユーザにとってより受け入れられやすいメニューの提案を提供する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-260508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在日本では、持ち帰りの個装商品については特定原材料の開示が法律で定められているが、中食や外食、ならびに宿泊施設の対応については開示対応が推奨にとどまっている。
【0006】
そのため、特に重症なフードアレルギー保持者は、アレルギー原材料が不明なため何を食べてよいか分からず、中食や外食を楽しむ機会が少ない。また、フードアレルギー保持者又はその代理人は、中食や外食を利用する際に、使用するアレルギー原材料に関して店舗に都度問い合わせる必要があり、フードアレルギー保持者又はその代理人だけでなく店舗側にも手間がかかる。さらに、使用するアレルギー原材料について、店舗から回答がある、あるいはWEBページ等に公開されていても、それらの情報は客観性に欠け、リスクが不明である。店舗側も、フードアレルギー保持者に食物を提供するのは、リスクがあり利用を断らざるを得ないことがある。上記の問題は、フードアレルギー保持者に関してだけでなく、宗教信心あるいは疾病健康等の理由により食事を取る際に制約がある者に関しても、同様に生じ得る。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、中食や外食に関して、食事を取る際に制約を持っている者の不安と、彼らに食物を提供する者の不安との両方を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、情報提供装置であって、記憶部と、食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報と、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報とを、前記記憶部に登録する登録管理部と、第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力する情報提供部とを備える。
【0009】
前記施設情報は、前記施設が提供する各食物のメニュー項目に関して、当該メニュー項目が使用する原材料の情報を含み、前記消費者情報は、前記消費者の摂食制約がある原材料の情報を含み、前記情報提供部は、前記第1の端末装置からの要求に応じて、前記指定された施設について、前記指定された消費者の摂食制約がある原材料を含まない前記メニュー項目を抽出し、その抽出結果を前記第1の端末装置に出力してもよい。
【0010】
前記登録管理部は、前記各施設と前記各消費者の中立的な立場で前記各施設を評価し得る第三者の第2の端末装置から、前記各施設の施設情報の登録を受け付けてもよい。
【0011】
前記第1の端末装置は、前記指定された施設が使用する端末装置であってもよい。
【0012】
前記情報提供装置は、前記判定結果に対する確認結果を前記第1の端末装置から受信し、前記記憶部に記録する履歴管理部を備えてもよい。
【0013】
前記情報提供装置は、前記抽出結果の中から選択されたメニュー項目を前記第1の端末装置から受信し、前記記憶部に記録する履歴管理部を備えてもよい。
【0014】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、コンピュータによる情報提供方法であって、食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報を登録するステップと、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報を登録するステップと、第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力するステップとを含む。
【0015】
上記の課題を解決する本発明のさらに他の態様は、情報提供プログラムであって、食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報を登録するステップと、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報を登録するステップと、第1の端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記第1の端末装置に出力するステップとをコンピュータを実行させる。
【0016】
上記の課題を解決する本発明のさらに他の態様は、情報提供装置と、端末装置とを備える情報提供システムであって、前記情報提供装置は、記憶部と、食物を提供する各施設に関して、当該施設の摂食制約に対する取り組み状況を含む施設情報と、各消費者に関して、当該消費者が求める摂食制約に対する取り組み条件を含む消費者情報とを、前記記憶部に登録する登録管理部と、前記端末装置からの要求に応じて、指定された施設の前記取り組み状況が、指定された消費者が求める前記取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を前記端末装置に出力する情報提供部と、を備え、前記端末装置は、前記要求に応じて前記情報提供装置から受信した前記判定結果を表示する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、中食や外食に関して、食事を取る際に制約を持っている者の不安と、彼らに食物を提供する者の不安との両方を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願の背景および目的を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報提供システム及び情報提供装置の構成例を示す図である。
図3】施設情報の一例を示す図である。
図4】ユーザ情報の一例を示す図である。
図5】端末装置に表示される検索画面の一例を示す図である。
図6】情報提供システムにおける処理例を示すシーケンス図である。
図7】取り組み状況のチェック処理の一例を示すフローチャートである。
図8】端末装置に表示される取り組み状況画面の一例を示す図である。
図9】摂食制約対応メニュー抽出処理の一例を示すフローチャートである。
図10】端末装置に表示される摂食制約対応メニュー画面の一例を示す図である。
図11】端末装置に表示される食事履歴画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に、本出願の背景および目的について説明する。適宜図1を参照されたい。
【0020】
出願人割田隆之は、一般社団法人を設立し、世の中の食物アレルギーの方々が生活しやすい社会の創造を目指し、活動している。
【0021】
本格的な食物アレルギーとの出会いは、子どもとの出会いから始まった。重い食物アレルギーを抱えた子どもと生活するなかで、勉強になることや素晴らしい出会いもあったが、さまざまな困難が存在した。しかし待っていても困難は解消しなかった。子どもが大学に入学する頃合に食物アレルギーが理由で学ぶ場所が制限されることがないようにしたいと考えた。世界どこでも食物アレルギーでも生活できる世の中にしたい。そう考えて行動することにした。
【0022】
生活で困るのは、外食と持ち帰りだった。日常生活は包装品の表示義務(食品表示法)により、気を付ければ問題なく生活できる。学校・保育生活は、関係先生のご尽力により、問題なく友人とご飯とたべることができている。しかしながら、外食や、持ち帰りは、義務対象ではないので、成分が分からないことが多く、利用できないことが多い。子どもの友人家族との会食やホームパーティになる場合に、お店選びやお持たせ選びで困ることも多い。それが理由で仲間に入りづらいことも生じる場面がある。共働きの家庭では疲れてしまうこともあり外食を利用したい時もある。気晴らしでも利用したい。外食は社会的交流にもなる。
【0023】
そこで外食・持ち帰り店舗の提供する不安と、顧客の利用する際の不安を解消するため、本願発明を発明した。目的は、安心・安全・よろこびを創造、生み出すことだ。食物アレルギーは命に関わる課題になる。そのため、飲食店は提供する不安がある、顧客は利用に不安がある。双方の不安や前提を軽々と超えて、その先にある「お店とお客さん」のコミュニケーションを増やしたり、楽しさや喜びを生み出したりすることを目指したい。本願発明は食に関する、安心・安全・よろこびを支えるコミュニケーションの在り方の実現である。本願発明を利用した新しいコミュニケーションの形から笑顔が増えていく世界を目指したい。衛生対応と同様にアタリマエのようで存在しなかったサービス。アタリマエであってほしいサービスになる。フレームワークとして認知され、社会において力強さを得るために特許出願をする。
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0025】
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状、位置関係等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0026】
なお、本発明において、食物は、食品に限らず飲料品も含む意味である。また、食物に使われる原材料を、食物原材料と呼ぶ。また、食物アレルギー、宗教信心あるいは疾病健康等の理由による食事を取る際の制約を、摂食制約と呼ぶ。また、摂食制約を持っている者を、摂食制約保持者と呼ぶ。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報提供システム及び情報提供装置1の構成例を示す図である。
【0028】
情報提供システムは、情報提供装置1、1台以上の端末装置2(1台のみ図示)、及び1台以上の端末装置3(1台のみ図示)、及び端末装置4を備える。情報提供装置1は、インターネット等の双方向通信可能なネットワークNに接続され、各端末装置と通信することができる。情報提供装置1は、本発明の食物原材料情報提供装置に相当する。
【0029】
情報提供装置1は、情報提供サービスの事業者が運用する装置であり、摂食に関する情報をユーザに提供する。例えば、施設が提供する食物に使われる食物原材料に関する情報を、施設を利用するユーザに提供し、当該ユーザが摂食に制約のある食物原材料に関する情報を施設の従業員に提供する。情報提供装置1は、ユーザにより指定された言語により各種情報を提供してもよい。情報提供装置1は、例えば1台又は複数台のサーバコンピュータなどのコンピュータにより実現可能である。情報提供装置1の提供する機能については後に詳述する。
【0030】
情報提供サービスのユーザは特に限定されないが、典型的には、レストラン、カフェ、ホテル、持ち帰り総菜店などの食物を提供する施設側と、これらの施設から食物を購入する消費者側に分けられる。施設側のユーザは、施設の経営者や従業員などが想定される。消費者側のユーザは、摂食制約保持者や、その代理人や同伴者が想定される。以下では、説明を分かり易くするため、施設側のユーザを従業員、消費者側のユーザをユーザと呼ぶ。
【0031】
情報提供サービスの事業者は、各施設に関して客観的に情報を収集して評価することが可能な者であり、施設とそのユーザの間で中立的な立場である第三者(例えばNPOや公益社団法人)であることが望ましい。
【0032】
端末装置2は、ユーザが使用する端末であり、ユーザの操作に従って情報提供装置1にアクセスして各種サービスに関する情報を表示する。端末装置2は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ、PC(Personal Computer)、ウェアラブルコンピュータなどのコンピュータにより実現できる。
【0033】
端末装置2には、コンピュータのプロセッサにより実行されるアプリ210がインストールされている。アプリ210は、例えば、汎用的なブラウザプログラム、あるいは、情報提供装置1にアクセスするための専用アプリケーションプログラムである。アプリ210は、情報提供装置1から情報を取得してディスプレイに表示したり、ユーザから入力装置を介して情報の入力を受け付け、情報提供装置1に送信したりする。
【0034】
端末装置3は、従業員が使用する端末であり、従業員の操作に従って情報提供装置1にアクセスして各種サービスに関する情報を表示する。端末装置3は、端末装置2と同様のコンピュータにより実現できる。端末装置3には、従業員に操作されるアプリ310がインストールされている。アプリ310は、アプリ210と同様の機能を有する。
【0035】
端末装置4は、情報提供サービスの事業者が使用する端末であり、事業者の操作に従って情報提供装置1にアクセスして各種情報の登録や更新を行う。端末装置4は、端末装置2と同様のコンピュータにより実現できる。端末装置4には、事業者に操作されるアプリ410がインストールされている。アプリ410は、アプリ210と同様の機能を有する。
【0036】
情報提供装置1は、処理部10、記憶部20、及び通信部30を有する。これらの構成要素は、それぞれ例えば、プロセッサ、メモリ又はストレージ、通信インターフェイスにより実現できる。
【0037】
処理部10は、情報提供装置1を統合的に制御する。処理部10は、インターフェイス制御部11、登録管理部12、情報提供部13、及び履歴管理部14を含む機能を有する。これらの機能は、例えばプロセッサが所定のプログラムを実行することで実現される。記憶部20には、各施設に関する施設情報21、及び各ユーザに関するユーザ情報22を含む情報が格納される。ユーザ情報は、消費者情報と呼んでもよい。
【0038】
インターフェイス制御部11は、各端末装置のアプリ(アプリ210、アプリ310、又はアプリ410)からの要求を、通信部30を介して受信し、要求に応じた各種の情報(例えば、アプリが汎用的なブラウザプログラムである場合はWEBページ等の操作画面の情報、アプリが専用アプリケーションプログラムである場合は当該アプリが表示する操作画面に表示される情報)を生成し、通信部30を介して各アプリに送信する。また、インターフェイス制御部11は、各アプリ(例えばWEBページ等の操作画面や、専用アプリケーションプログラムの操作画面)に入力された情報を、通信部30を介して受信する。
【0039】
なお、登録管理部12、情報提供部13、及び履歴管理部14は、インターフェイス制御部11を介して各端末装置のアプリと情報を送受信するが、以下では、インターフェイス制御部11の説明は適宜省略する。
【0040】
登録管理部12は、施設情報21、及びユーザ情報22の登録や更新を行う。
【0041】
図3は、施設情報21の一例を示す図である。施設情報21は、施設の識別子である施設IDに関連付けて、基本情報、取り組み状況、及びメニュー情報を含む。
【0042】
基本情報には、施設に関して、名称、ジャンル、住所、連絡先、言語などのデータ項目が含まれる。ジャンルは、和食、中華、フレンチなどの提供される料理の種類である。連絡先は、Eメールアドレスや電話番号である。言語は、当該施設が対応可能な言語である。
【0043】
取り組み状況は、ユーザの摂食制約に対する施設の取り組み状況を示す情報である。取り組み状況には、情報開示ポリシー、未使用・除去可能な原材料、厨房・調理器具に関する取り組み状況、従業員に対する取り組み状況、摂食制約がある場合の持ち込み可否、補足事項などの情報項目が含まれる。
【0044】
情報開示ポリシーは、例えば、アレルゲン特定原材料を除去した食物を提供する(単純除去ないし、味付けを変更して提供する)など、摂食制約保持者に対する当該施設のサービスポリシーが記述される。
【0045】
未使用・除去可能な原材料は、例えば、当該施設が提供する食物において未使用なアレルゲン特定原材料、摂食制約保持者からの要望に応じて除去可能なアレルゲン特定原材料が記述される。
【0046】
厨房・調理器具に関する取り組み状況は、例えば、同じ調理場所でのアレルゲン特定原材料の利用の有無、調理器具の洗浄状況、摂食制約保持者からのアレルギー申告時の調理器具洗浄への対応、洗浄の実施方法、洗剤の種類、などが記述される。また、厨房・調理器具に関する取り組み状況には、上記の各項目に基づき定量化、数値化した、取り組みレベルが格納される。
【0047】
従業員に対する取り組み状況は、例えば、接客する従業員に対する食物アレルギーに関する教育の実施状況、調理する従業員に対する食物アレルギーに関する教育の実施状況、接客従業員と調理従業員の間の、食物アレルギーの留意を必要とする料理の提供に関する取り決め、従業員の食物アレルギーに関する理解度、などが記述される。また、従業員に対する取り組み状況には、上記の各項目に基づき定量化、数値化した、取り組みレベルが格納される。
【0048】
摂食制約がある場合の持ち込み可否は、例えば、摂食制約保持者による店内への食物の持ち込みを許容するか否かを示す情報が記述される。
【0049】
補足事項には、上述した事項以外で、例えば、摂食制約に関して配慮している事項が記述される。
【0050】
メニュー情報は、当該施設が提供する食物のメニュー項目の情報である。メニュー情報は、例えば、各料理(食品だけでなく飲料品も含む、すなわち食物)の識別子である料理IDに関連付けて、料理名、及び各アレルゲン特定原材料の当該料理への使用又は未使用を示す使用原材料情報を含む。各原材料が当該料理に使用されている場合は、さらに除去可能かどうかを区別可能に記録されていてもよい。
【0051】
登録管理部12は、アプリ310を介して従業員から、あるいはアプリ410を介して事業者から、基本情報、取り組み状況、及びメニュー情報の入力を受け付け、施設情報21を登録又は更新する。各施設に関して客観的な評価を行うためには、登録管理部12は、事業者のアプリ410からのみ施設情報21の登録や更新を受け付けるのが好ましい。すなわち、事業者が、各施設から情報を収集して評価し、アプリ410を介して情報提供装置1の施設情報21を登録又は更新する。
【0052】
図4は、ユーザ情報22の一例を示す図である。ユーザ情報22は、ユーザの識別子であるユーザIDに関連付けて、基本情報、摂食制約、取り組み条件、食事履歴、及び検索履歴を含む。
【0053】
基本情報には、ユーザに関して、名前、性別、年齢、住所、連絡先、言語などのデータ項目が含まれる。連絡先は、Eメールアドレスや電話番号である。言語は、当該ユーザが使用する言語である。
【0054】
摂食制約は、当該ユーザの摂食制約に関する情報である。摂食制約は、例えば、各アレルゲン原材料の識別子に関連付けて、その原材料に対するユーザの重症度を含む。
【0055】
取り組み条件は、摂食制約に対する施設の取り組み状況に対して当該ユーザが要求する条件である。取り組み条件は、例えば、各要求対象の識別子に関連付けて、その要求対象へのユーザの要求レベルを含む。要求対象は、例えば、施設情報21の取り組み状況に含まれる、厨房・調理器具に関する取り組み状況と従業員に対する取り組み状況である。後述するように、要求レベルは、これらの取り組み状況の取り組みレベルと比較される。
【0056】
食事履歴は、当該ユーザの施設での食事の履歴である。食事履歴は、例えば、食事に関して、日時、施設ID、料理ID、及び確認結果を関連付けたデータ項目を含む。施設の名称や料理名を含んでいてもよい。後述するように、確認結果は、施設の取り組み状況に対するユーザの確認結果を示す情報である。
【0057】
検索履歴は、当該ユーザの施設及び食物の検索の履歴である。検索履歴は、例えば、検索した日時、施設ID、及び料理IDを関連付けたデータ項目を含む。施設の名称や料理名を含んでいてもよい。
【0058】
登録管理部12は、アプリ210を介してユーザから、基本情報、摂食制約、及び取り組み条件の入力を受け付け、ユーザ情報22を登録又は更新する。後述するが、食事履歴、及び検索履歴は、履歴管理部14により更新される。なお、ユーザにとって取り組み条件の要求レベルを決定するのは難しいかもしれない。そこで、オプションとして、ユーザからの要求レベルの入力を不要とし、登録管理部12が、ユーザ情報(摂食制約、食事履歴等)に基づいて要求レベルを決定する所定のアルゴリズムにより、要求レベルを求めて登録又は更新してもよい。
【0059】
なお、登録管理部12は、最初にユーザ登録を行った際に、少なくともユーザIDを示すコード画像(例えば、バーコードやQRコード(登録商標))を生成し、ユーザ情報22に記録する。登録管理部12は、コード画像をユーザのアプリ210に送信して表示させることができる。事業者は、コード画像を印刷した会員カードを発行し、ユーザに配布してもよい。
【0060】
図2を参照すると、情報提供部13は、各アプリからの要求を受け付け、要求に応じた情報を記憶部20から取得して、要求元の各アプリに出力する。
【0061】
例えば、情報提供部13は、アプリ210からユーザの検索要求を受け付ける。情報提供部13は、検索要求で指定された条件で施設情報21を検索し、その検索結果をアプリ210に出力する。
【0062】
また例えば、情報提供部13は、アプリ310から施設の識別子とユーザの識別子を含む取り組み状況のチェック要求を受け付ける。情報提供部13は、施設情報21及びユーザ情報22を参照して、チェック要求の対象の施設の取り組み状況が、対象のユーザが要求する取り組み条件に合致するか否かを判定し、その判定結果をアプリ310に出力する。
【0063】
また例えば、情報提供部13は、アプリ310から施設の識別子とユーザの識別子を含むメニュー表示要求を受け付ける。情報提供部13は、施設情報21及びユーザ情報22を参照して、メニュー表示要求の対象の施設について、対象のユーザが摂食制約を持つ原材料を含まない料理を抽出し、その抽出結果をアプリ310に出力する。
【0064】
履歴管理部14は、ユーザに関する履歴を管理する。例えば、履歴管理部14は、ユーザによる施設の検索結果を、ユーザ情報22の検索履歴に記録する。また例えば、履歴管理部14は、チェック要求に対する判定結果を閲覧したユーザによる確認結果をアプリ310から受け付け、ユーザ情報22の食事履歴に記録する。また例えば、履歴管理部14は、メニュー表示要求に対する抽出結果を閲覧したユーザによる注文結果をアプリ310から受け付け、ユーザ情報22の食事履歴に記録する。
【0065】
図5は、端末装置に表示される検索画面の一例を示す図である。検索画面500は、施設を検索するための画面である。検索画面500には、施設情報21に含まれる各項目に対する検索条件を指定するための条件欄510、及び検索を開始するための検索ボタン520が含まれている。図5の例では、関心のあるアレルゲン特定原材料を選択するチェックボックス、チェックされた特定原材料が未使用・除去可能なこと又は含まれることを選択するラジオボタンと、施設のエリアを指定する入力欄、その他のキーワードを指定する入力欄が設けられている。
【0066】
例えば、情報提供部13は、各施設情報21の未使用・除去可能な原材料を参照して、チェックされた特定原材料を未使用・除去可能な又は含む施設を検索する。また例えば、情報提供部13は、各施設情報21の住所を参照して、指定されたエリア(地名など)に在る施設を検索する。また例えば、情報提供部13は、各施設情報21を参照して、指定されたキーワードに該当する施設を検索する。インターフェイス制御部11は、情報提供部13からの検索結果を含む画面を生成し、アプリに送信する。検索結果の表示内容は、特に限定されず、施設別に施設情報21の少なくとも一部が表示されればよい。
【0067】
図6は、情報提供システムにおける処理例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、摂食制約保持者であるユーザが、外食又は中食を提供する施設を訪れた場合の手順を示している。ユーザも施設も情報提供装置1への情報登録が済んでいるものとする。
【0068】
まず、端末装置2は、コード画像を表示する(ステップS1)。具体的には、端末装置2は、ユーザの操作に応じて、端末装置2に保存されているコード画像(少なくともユーザIDを含む画像)をディスプレイに表示する。ユーザは、このコード画像を施設の従業員に提示する。替わりに、ユーザは、コード画像が印刷された会員カードを従業員に提示してもよい。
【0069】
次に、端末装置3は、コード画像を読み取る(ステップS2)。具体的には、端末装置3は、従業員の操作に応じて、端末装置2にインストールされているコードリーダープログラムを起動し、カメラによりコード画像を撮影し、コード画像に含まれる情報を読み取る。コード画像からは少なくともユーザIDが読み取られ、端末装置3のディスプレイに表示される。
【0070】
次に、端末装置3は、取り組み状況のチェック要求を送信する(ステップS3)。具体的には、端末装置3のアプリ310は、従業員の操作に応じて、チェック要求を行うための操作画面をディスプレイに表示する。また、アプリ310は、従業員の操作により、当該操作画面にステップS2で取得されたユーザIDと、施設IDの入力を受け付け、これらのIDを含むチェック要求を情報提供装置1に送信する。施設ID及びユーザIDの少なくとも一方は、別のタイミングで送信されてもよい。なお、ユーザIDは、アプリ310によりコードリーダープログラムから取得されて操作画面に入力されてもよい。
【0071】
次に、情報提供装置1は、取り組み状況をチェックする(ステップS3)。この処理について図7を参照して説明する。
【0072】
図7は、取り組み状況のチェック処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報提供部13は、ユーザの要求レベルと施設の取り組みレベルを比較する(ステップS31)。具体的には、情報提供部13は、ステップS2でインターフェイス制御部11を介して受信したチェック要求が対象とするユーザID及び施設IDを取得する。また、情報提供部13は、施設情報21及びユーザ情報22を参照して、対象のユーザIDが示すユーザの取り組み条件(厨房・調理器具に関する取り組み状況への要求レベル、従業員に対する取り組み状況への要求レベル)と、対象の施設IDが示す施設の取り組み状況(厨房・調理器具に関する取り組みレベル、従業員に対する取り組みレベル)とを比較する。
【0073】
次に、情報提供部13は、ユーザの要求を満たすか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、情報提供部13は、ステップS32の比較結果に基づいて、全ての取り組みレベルがそれらに対応する要求レベル以上である場合は、ユーザの要求を満たすと判定し、いずれかの取り組みレベルがそれに対応する要求レベル未満である場合、ユーザの要求を満たさないと判定する。
【0074】
ユーザの要求を満たすと判定した場合(ステップS32でYes)、情報提供部13は、要求を満たすことを示す画面の情報をインターフェイス制御部11に生成させる(ステップS33)。一方、ユーザの要求を満たさないと判定した場合(ステップS32でNo)、情報提供部13は、要求を満たさないことを示す画面の情報をインターフェイス制御部11に生成させる(ステップS34)。画面の例について、図8を参照して説明する。
【0075】
図8は、端末装置に表示される取り組み状況画面の一例を示す図である。取り組み状況画面600は、ユーザの要求を満たす場合の画面であり、施設の取り組みレベル、ユーザの要求レベル、及びこれらの比較結果を示す確認欄610と、注文に進む意思表示を示す確認ボタン620と、退店する意思表示を示す確認ボタン630とが含まれている。取り組み状況画面650は、ユーザの要求を満たさない場合の画面であり、施設の取り組みレベル、ユーザの要求レベル、及びこれらの比較結果を示す確認欄660と、退店する意思表示を示す確認ボタン670と、注文に進む意思表示を示す確認ボタン680とが含まれている。
【0076】
図6を参照すると、次に、情報提供装置1は、チェック結果を送信する(ステップS4)。具体的には、情報提供部13は、インターフェイス制御部11を介してステップS33又はS34で生成された取り組み状況画面(図8参照)の情報を、端末装置3のアプリ310に送信する。
【0077】
次に、端末装置3は、チェック結果を表示する(ステップS5)。具体的には、アプリ310は、ステップS4で受信した情報に基づいて、取り組み状況画面(図8参照)を端末装置3のディスプレイに表示する。このとき、従業員は、端末装置3に表示された画面をユーザに提示する。従業員は、ユーザと会話して、食物原材料の摂食制約に関する取り組み状況などを口頭で説明してもよい。
【0078】
次に、端末装置3は、確認結果の入力を受け付ける(ステップS6)。具体的には、従業員は、ユーザが施設の取り組み状況を十分に理解できたと思った場合、取り組み状況画面のいずれかの確認ボタン(620、630、670、又は680)を、ユーザにタップあるいは押下してもらう。アプリ310は、ユーザの操作により選択された確認ボタンの種別、ユーザID、及び施設IDを含む確認結果を、情報提供装置1に送信する。施設ID及びユーザIDの少なくとも一方は、別のタイミングで送信されてもよい。
【0079】
次に、情報提供装置1は、確認結果を記録する(ステップS7)。具体的には、履歴管理部14は、ステップS6でインターフェイス制御部11が受信した確認結果を取得する。また、履歴管理部14は、対象のユーザIDが示すユーザの食事履歴に、現在日時と、取得した施設IDと、確認ボタンの種別とを対応付けて記録する。料理IDは未設定でよい。なお、確認ボタンの種別により、施設の取り組み状況がユーザの要求を満たす状況で注文に進んだ又は退店した、施設の取り組み状況がユーザの要求を満たさない状況で退店した又は注文に進んだ、の4パターンを記録することができる。
【0080】
なお、利便性を考慮して、ユーザによっては自身の判断責任のもと取り組み状況画面の確認(ステップS5)をスキップすることもできるものとする。具体的には、例えば、取り組み状況の確認をスキップするか否かを示す情報を、ユーザ情報22に予め登録しておく。情報提供部13は、ステップS3において、対象ユーザのユーザ情報22に、取り組み状況の確認をスキップするように設定されている場合、退店する意思表示を示す確認ボタン630又はボタン670を省略した画面の情報をインターフェイス制御部11に生成させる。画面には、ユーザによる確認をスキップする旨が表示されてもよい。ステップS5において、従業員は、端末装置3に表示された画面をユーザに提示せずに、自身で内容を確認し、ステップS6で確認ボタン630又はボタン670をタップ又は押下すればよい。
【0081】
次に、端末装置3は、メニュー表示要求を送信する(ステップS8)。具体的には、端末装置3のアプリ310は、従業員の操作に応じて、ステップS2で取得されたユーザIDと、施設IDを含むメニュー表示要求を情報提供装置1に送信する。施設ID及びユーザIDの少なくとも一方は、別のタイミングで送信されてもよい。
【0082】
次に、情報提供装置1は、摂食制約対応メニューを抽出する(ステップS9)。この処理について図9を参照して説明する。
【0083】
図9は、摂食制約対応メニュー抽出処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報提供部13は、ユーザの摂食制約を取得する(ステップS91)。具体的には、情報提供部13は、ユーザ情報22を参照し、ステップS8でインターフェイス制御部11を介して受信したメニュー表示要求が対象とするユーザIDが示すユーザの摂食制約を取得する。
【0084】
次に、情報提供部13は、重症度が所定値を超える原材料を未使用の料理を抽出する(ステップS92)。また、情報提供部13は、重症度が所定値を超える原材料を除去可能な料理を抽出する(ステップS93)。具体的には、情報提供部13は、ステップS91で取得した摂食制約から、重症度が所定値を超える原材料を特定する。例えば、重症度が1~5の5段階の場合に、所定値3を超える原材料を特定する。所定値はユーザにより設定可能でもよいし、ステップS92とステップS93で使用される所定値を個別に設定可能であってもよい。それから、情報提供部13は、施設情報21を参照し、メニュー表示要求が対象とする施設IDが示す施設のメニュー情報から、特定した原材料を未使用の料理と、特定した原材料を除去可能な料理を抽出する。
【0085】
次に、情報提供部13は、抽出した料理の一覧を含む画面の情報をインターフェイス制御部11に生成させる(ステップS94)。画面の例について、図10を参照して説明する。
【0086】
図10は、端末装置に表示される摂食制約対応メニュー画面の一例を示す図である。摂食制約対応メニュー画面700には、メニュー表示欄710と、履歴表示ボタン720と、注文ボタン730とが含まれている。メニュー表示欄710には、ステップS92及びステップS93でメニュー情報から抽出された料理の情報が一覧表示されている。また、メニュー表示欄710には、各料理を選択するためのチェックボックスが表示されている。履歴表示ボタン720は、ユーザの食事履歴を表示するためのボタンである。注文ボタン730は、チェックボックスで選択された料理を履歴として残すためのボタンである。
【0087】
図6を参照すると、次に、情報提供装置1は、抽出結果を送信する(ステップS10)。具体的には、情報提供部13は、インターフェイス制御部11を介してステップS94で生成された摂食制約対応メニュー画面(図10参照)の情報を、端末装置3のアプリ310に送信する。
【0088】
次に、端末装置3は、抽出結果を表示する(ステップS11)。具体的には、アプリ310は、ステップS10で受信した情報に基づいて、摂食制約対応メニュー画面(図10参照)を端末装置3のディスプレイに表示する。
【0089】
従業員は、端末装置3に表示された画面をユーザに提示することができる。ユーザは、端末装置3とは別の物理的なメニューを見て注文内容を決めてもよいし、端末装置3のメニュー表示欄710を見て注文内容を決めてもよい。
【0090】
従業員は、端末装置3のメニュー表示欄710を確認して、ユーザから注文された料理が摂食制約対応メニューに含まれる料理であるかを判断することができる。摂食制約対応メニューに含まれない料理である場合は、ユーザに注意を促してもよい。
【0091】
従業員は、履歴表示ボタン720をタップ又は押下して、ユーザの食事履歴を参照してもよい。
【0092】
具体的には、端末装置3のアプリ310は、従業員の操作に応じて、ステップS2で取得されたユーザIDを含む履歴表示要求を情報提供装置1に送信する。ユーザIDは、別のタイミングで送信されてもよい。情報提供部13は、インターフェイス制御部11を介して受信した対象のユーザIDが示すユーザの食事履歴から所定のデータ項目(例えば、日時と料理ID)を抽出する。また、情報提供部13は、抽出した料理IDに対応する料理名及び使用原材料情報をメニュー情報から抽出する。インターフェイス制御部11は、情報提供部13により抽出されたデータ項目を一覧にした画面の情報を生成し、アプリ310に送信して表示させる。画面の例について、図11を参照して説明する。
【0093】
図11は、端末装置に表示される食事履歴画面の一例を示す図である。食事履歴画面750には、履歴表示欄760と、戻るボタン770とが含まれている。履歴表示欄760には、日時、料理ID、料理名、及び使用原材料を含む食事履歴の一覧が表示されている。戻るボタン770は、摂食制約対応メニュー画面(図10参照)に戻るためのボタンである。
【0094】
従業員は、端末装置3の履歴表示欄760を確認して、それらを基にユーザにお勧めの料理を案内することができる。
【0095】
最終的に注文内容が決まると、従業員は、注文料理を、物理的に伝票に記入するか、別の注文端末に入力する。また、従業員は、メニュー表示欄710で注文料理に対応するチェックボックスをチェックし、注文ボタン730をタップ又は押下する。
【0096】
図6を参照すると、次に、端末装置3は、注文内容の入力を受け付ける(ステップS12)。具体的には、アプリ310は、メニュー表示欄710でチェックされたチェックボックスに対応する料理ID、ユーザID、及び施設IDを含む注文内容を、情報提供装置1に送信する。施設ID及びユーザIDの少なくとも一方は、別のタイミングで送信されてもよい。
【0097】
次に、情報提供装置1は、注文内容を記録する(ステップS13)。具体的には、履歴管理部14は、ステップS12でインターフェイス制御部11が受信した注文内容を取得する。また、履歴管理部14は、取得したユーザIDが示すユーザの食事履歴に、現在日時と、取得した施設IDと、取得した料理IDとを対応付けて記録する。確認結果は、未設定でもよいし、ステップS7で記録したのと同じ種別を設定してもよい。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態によれば、中食や外食に関して、食事を取る際に制約を持っている者の不安と、彼らに食物を提供する者の不安との両方を低減することができる。具体的には、本実施形態によれば、摂食制約に関する施設側の取り組み状況が摂食制約者の要求レベルを満足するか否か、また、摂食制約を考慮したメニューが、出力される。これにより、摂食制約に対するリスクを、摂食制約保持者と中食や外食の提供者が、双方ともに簡単にかつ客観的に把握することができる。その結果として、リスクを踏まえた安心・安全のもと、飲食の機会が本来持つ、食べる喜びや会話の楽しみを味合うことができるようになる。
【0099】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、それらの態様を含むものである。ある実施形態の一部の構成要素を、他の実施形態に加えたり、他の実施形態の一部の構成要素と置換したりしてもよい。ある実施形態の構成要素のうち、一部の構成要素を省略することもできる。
【0100】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムに限らず、情報提供装置及び端末装置を含むシステム、システムにおける情報提供方法、端末装置、端末装置のプログラムなど様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0101】
1…情報提供装置、2…端末装置、3…端末装置、4…端末装置、10…処理部、11…インターフェイス制御部、12…登録管理部、13…情報提供部、14…履歴管理部、20…記憶部、21…施設情報、22…ユーザ情報、30…通信部、210…アプリ、310…アプリ、410…アプリ、500…検索画面、510…条件欄、520…検索ボタン、600…取り組み状況画面、610…確認欄、620…確認ボタン、630…確認ボタン、650…取り組み状況画面、660…確認欄、670…確認ボタン、680…確認ボタン、700…摂食制約対応メニュー画面、710…メニュー表示欄、720…履歴表示ボタン、730…注文ボタン、750…食事履歴画面、760…履歴表示欄、770…戻るボタン
図1
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図4
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